[1.パチンコ遊技機の全体構造]
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ遊技機1の外枠2に対して本体枠3を開放し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ遊技機1の正面図であり、図3は、パチンコ遊技機1の背面図であり、図4は、パチンコ遊技機1の側面図であり、図5は、パチンコ遊技機1の平面図であり、図6は、パチンコ遊技機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ遊技機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の前方から見た分解斜視図である。
図1及び図2において、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて遊技球が打ち込まれる遊技領域205を遊技者が視認し得る透明板であるガラス板80を具備したガラスユニット70と、該ガラスユニット70の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される遊技球を貯留する貯留皿36とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に表面が装飾板6aによって被覆されている下部前面カバー板6が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置250(図3参照)と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めにセット化される基板ユニット450(図3参照)が取り付けられ、扉枠5が本体枠3から開放されたことを検出する扉枠開放スイッチ5aや本体枠3が外枠2から開放されたことを検出する本体枠開放スイッチ3aが設けられ、本体枠3の後面開口196(図6参照)を覆うカバー体500が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した貯留皿36の他に、遊技窓30を閉塞するようにガラスユニット70と、ハンドル装置46とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる貯留皿36が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置46が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見てほぼ同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ遊技機1を構成する部材について詳細に説明する。
[1−1.外枠]
外枠2について、主として図8及び図9を参照して説明する。図8は、外枠2の正面から見た斜視図であり、図9は、外枠2の背面図である。
外枠2は、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とを、それぞれの端部を連結するためのコーナー金具14〜16及び上支持金具17で連結することによって方形状に組み付けられるものである。具体的には、開放側の上部は、上枠板10の端部上面及び後面と側枠板13の端部外側面及び後面に差し渡される上コーナー金具14をビス止めすることにより連結し、開放側の下部は、下枠板11の端部底面及び後面と側枠板13の端部外側面及び後面に差し渡される右下コーナー金具15をビス止めすることにより連結し、軸支側の上部は、上枠板10の端部上面と側枠板12の端部外側面に差し渡される上支持金具17をビス止めすることにより連結し、軸支側の下部は、下枠板11の端部底面及び後面と側枠板12の端部外側面及び後面に差し渡される左下コーナー金具16をビス止めすることにより連結される。
外枠2を構成する上枠板10と下枠板11、及び左右の側枠板12,13のうち、上枠板10と下枠板11とは従来と同じ木製であり、左右の側枠板12,13は、軽量金属、例えば、アルミニウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10及び下枠板11を従来と同じ木製で構成した理由は、パチンコ遊技機1を遊技場に列設される島に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くするためである。一方、左右の側枠板12,13をアルミニウム合金の押出し成型板により構成した理由は、従来の木製に比べ強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することができるため、左右の側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の側面壁180(図31参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができる。このため左右方向の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができることになり、結果的に遊技盤4の遊技領域205を大きく形成することができるからである。ただし、左右の側枠板12,13をアルミニウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、本体枠3の側面壁180の邪魔とならない位置である左右の側枠板12,13の後方部分内側に補強用リブ(符号なし)が形成されている。
また、下枠板11と左右の側枠板12,13の下部前面に固定される下部前面カバー板6は、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものである。下部前面カバー板6の表面は、前述したように装飾板6aによって被覆されているが、装飾板6aの裏面に、その後端に弾性爪が形成される止着突起6b(図9参照)が突設され、その止着突起6bが下部前面カバー板6に貫通される取付穴に貫通させられることにより下部前面カバー板6に取り付けられている。また、下部前面カバー板6の裏面上部には、後当て板7が固着され、本体枠3が載置される下部前面カバー板6の強度を補強している。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10と側枠板12とを連結するための上支持金具17と下部前面カバー板6の一側上面に沿って取り付けられる下支持金具18とが設けられている。上支持金具17には、前方に突出している支持突出片19に屈曲した支持鉤穴20が形成されており、この支持鉤穴20に本体枠3の後述する上軸支金具152の軸支ピン153(図32参照)が係合されるようになっている。また、下支持金具18も前方に突出した形状に形成されているが、この突出した部分に上向きに支持突起21が突設され、この支持突起21に本体枠3の後述する枠支持板155(図32参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具18の支持突起21に本体枠3の枠支持板155に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具152の軸支ピン153を支持鉤穴20に掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる。
一方、開放側の側枠板13の内側上下には、閉鎖用突起22,23が固着されている。この閉鎖用突起22,23は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取り付けられる錠装置400のフック部406(図43参照)と係合するものである。そして、後に詳述するように錠装置400のシリンダー錠404に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部406と閉鎖用突起22,23との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、外枠2を構成する上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結するための上支持金具17、コーナー金具14〜16をそれぞれ所定の位置に取り付けたときに、図9に示すように、各金具14〜17の外側面と各枠板10〜13の外側面とがほぼ同一平面となるように、各金具14〜17の取付部分に対応する各枠板10〜13の端部が凹状に形成されている。また、下支持金具18を取り付けたときにも、下部前面カバー板6の上面と下支持金具18の上面とがほぼ同一平面となるようになっている。
[1−1−1.外枠の他の実施形態]
上記した外枠2は、上枠板10、下枠板11、側枠板12,13との端部を背面から見たときにL字状のコーナー金具14〜16と上支持金具17とで連結することにより構成したものを示したが、4つの枠板をコーナー金具14〜16と上支持金具17で連結するのではなく、図10に示す連結部材24を使用して連結する構造であっても良い。連結部材24は、中央と左右とに段差のある表彰台状に形成され、突出した中央の部分が上枠板10及び下枠板11の両端部中央に形成された係合切欠部に嵌合され、一段下がった左右の部分の平面に上枠板10の裏面と下枠板11の上面とが当接し且つ一段下がった左右の部分の一側面に側枠板12,13の内側面が当接するようになっている。そして、その状態で、上枠板10の係合切欠部の両側方及び下枠板11の係合切欠部の両側方にそれぞれ形成される挿通穴と連結部材24の一段下がった左右の部分の平面に形成される複数の連結穴(図示しない)とを一致させて上方又は下方から複数の連結ビスで止着し、更に、側枠板12,13の上下端部分に穿設される複数の取付穴(図示しない)と連結部材24の一段下がった左右の部分の側面に形成される複数の連結穴(図示しない)とを一致させて側方外側から複数の連結ビス(図示しない)で止着することにより、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とが強固に連結固定される。なお、図10は、他の実施形態に係る外枠2の正面斜視図である。
上記のように構成される第2実施形態に係る外枠2において、その構成部材である上枠板10と下枠板11と側枠板12,13とを連結部材24で連結することにより、第1実施形態に係る外枠2のようにコーナー金具14〜16で連結したものに比べて、連結部材24が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材24と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、その組み付け強度が高く頑丈な方形状の枠組みとすることができる。また、連結部材24によって上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結した後、上支持金具17を所定の位置に取り付けたときに、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材は存在しないので、パチンコ遊技機1を図示しないパチンコ島台に設置する際に、隣接する装置(図2及び図3に示すCRユニット8)と密着して取り付けることができる。また、下支持金具18を取り付けたときにも、下部前面カバー板6の上面と下支持金具18の上面とがほぼ同一平面となるようになっている。
次に、外枠2に取り付けられる上支持金具17と本体枠3の上軸支金具152との関係について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、本体枠3の上軸支金具152と外枠2の上支持金具17との脱着構造を説明するための斜視図であり、図12は、外枠2の上支持金具17の裏面に設けられるロック部材25の取付状態を示す分解斜視図(A)と下方から見た斜視図(B)である。
図11において、本体枠3を開閉自在に軸支するための上支持金具17の裏面には、図12に示すようにロック部材25が回動自在に軸支されている。より詳細に説明すると、図12(A)に示すように、上支持金具17の支持突出片19のほぼ中央に取付穴19aが穿設され、該取付穴19aにロック部材25がリベット26によって回転自在に軸支されている。ロック部材25は、合成樹脂によって成型されるものであり、ストッパー部25aと操作部25bとがL字状に形成され、また操作部25bと反対側に円弧状の弾性片25cが一体的に延設されている。そして、ストッパー部25aと操作部25bとがなすL字状の基部に前記リベット26が挿通される取付穴25dが形成されている。しかして、ロック部材25がリベット26によって取付穴19aに取り付けられて支持突出片19の裏面に回転自在に固定した状態においては、図12(B)に示すように、弾性片25cの先端当接部が支持突出片19の垂下壁の内側面と当接しており、ストッパー部25aが支持鉤穴20の傾斜状穴部を閉塞するようになっている。また、このときストッパー部25aの先端部分は、支持鉤穴20の傾斜状穴部の入口空間部分を閉塞した状態となっていない。即ち、通常の状態で支持鉤穴20の入口空間部分以外の空間部分には、本体枠3の上軸支金具152の軸支ピン153が挿入される空間が形成されている。
上記のように構成される軸支構造において、軸支ピン153が支持鉤穴20に挿入されてストッパー部25aの先端が支持鉤穴20の入口端部に対向している状態である通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン153が支持鉤穴20の先端部分(奥側部分)に当接した状態となっているので、軸支ピン153からストッパー部25aの先端部への負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材25の弾性片25cに対し負荷がかかっていない状態となっている。このため、ロック部材25の弾性片25cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片25cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン153の支持鉤穴20からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材25のストッパー部25aの先端部が支持突出片19から外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパー部25aの先端部の一側方が支持突出片19の垂下壁に当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材25が支持突出片19の外側にはみ出ることはない。
上記のように構成されるロック部材25の作用について説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の枠支持板155(図32参照)に形成される支持穴(図示しない)に下支持金具18の支持突起21が挿通されていることが必要である。そのような前提において、本体枠3の上軸支金具152の軸支ピン153をロック部材25のストッパー部25aの側面に当接させて押し込むことにより、ロック部材25が弾性片25cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン153を支持鉤穴20に挿入することができる。そして、軸支ピン153が支持鉤穴20の傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、軸支ピン153とストッパー部25aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材25が弾性片25cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材25のストッパー部25aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴20の入口部分を閉塞すると同時に、ストッパー部25aの先端部分が軸支ピン153と対向して軸支ピン153が支持鉤穴20から抜け落ちないようになっている。そして、この状態は、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン153を支持鉤穴20から取り外すためには、指を支持突出片19の裏面に差し入れてロック部材25の操作部25bを反時計方向に回動することにより、ロック部材25が弾性片25cの弾性力に抗して回動し、ストッパー部25aの先端部分が支持鉤穴20から退避した状態となるため、軸支ピン153を支持鉤穴20から取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、枠支持板155に形成される支持穴と下支持金具18の支持突起21との係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取り外すことができる。
上記したように、外枠2の上支持金具17に設けられるロック部材25は、ストッパー部25aと操作部25bと弾性片25cとが合成樹脂によって一体的に形成されているので、上支持金具17の裏面に極めて簡単に取り付けることができると共に、極めて簡単な構造であるため故障も少なく且つ製造コストの低減を図ることができる。また、軸支ピン153が支持鉤穴20の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力がかかっても、常時ロック部材25の弾性片25cに対して負荷がかかることはなく、合成樹脂で一体形成される弾性片25cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン153の支持鉤穴20からの脱落を防止することができると共に、ロック部材25が回転してもストッパー部25aの先端一側方が支持突出片19の垂下壁に当接するだけであるため、ロック部材25が支持突出片19の外側にはみ出ることもない。
[1−2.扉枠]
次に、主として図1、図2、図13乃至図30及び図47を参照して、扉枠5について説明する。図13は、扉枠5の背面図であり、図14は、扉枠5とガラスユニット70とを分離した状態の背面から見た斜視図であり、図15は、扉枠5に着脱自在に取り付けられるガラスユニット70の製作過程を示す斜視図であり、図16は、ガラスユニット70の乾燥剤挿入部分の拡大斜視図であり、図17は、図14に示すガラスユニット70と若干構造の異なる第2実施形態に係るガラスユニット70Aの正面分解斜視図を示し、図18は、第2実施形態に係るガラスユニット70Aの背面分解斜視図を示し、図19は、図18のA矢視の部分拡大斜視図(A)及びB矢視の部分拡大図(B)であり、図20は、図18のC矢視の部分拡大図であり、図21は、図19のX−X線に沿ったユニット枠71の断面斜視図(A)及びその断面図(B)であり、図22は、第2実施形態に係るガラスユニット70Aのユニット枠71の部分拡大斜視図であり、図23は、図22のY−Y線に沿ったユニット枠71の断面斜視図であり、図24は、第2実施形態に係るガラスユニット70Aのユニット枠71に装着される第2フレキシブルプリント基板が折り畳められる前のものを示す図であり、図25は、第2実施形態に係るガラスユニット70Aのユニット枠71に装着される第2フレキシブルプリント基板の面付けの実装面を示す図であり、図26は、第2実施形態に係るガラスユニット70Aのユニット枠71に装着される第2フレキシブルプリント基板の面付けの裏面を示す図であり、図27は、第2実施形態に係るガラスユニット70Aのユニット枠71に装着される第1フレキシブルプリント基板の面付けの実装面を示す図であり、図28は、第2実施形態に係るガラスユニット70Aのユニット枠71に装着される第1フレキシブルプリント基板の面付けの裏面を示す図であり、図29は、第2実施形態に係るガラスユニット70Aのユニット枠71に装着される第2フレキシブルプリント基板の面付けの実装面において両面接着テープが貼り付けられる図(A)及び第2フレキシブルプリント基板の面付けの裏面において両面接着テープが貼り付けられる図(B)であり、図30は、ハンドル装置46と本体枠3に設けられる打球発射装置250との関係を示す斜視図であり、図47は、第2実施形態に係るガラスユニットに設けられた発光ダイオードを発光させた状態における第2実施形態に係るガラスユニットの正面斜視図の一部を示す図である。なお、図中、第2実施形態に係るガラスユニット70Aに係る部品符号において、第1実施形態に係るガラスユニット70に係る部品と同じ機能を奏する部材には、同じ符号を付して表した。
図2に示すように、扉枠5は、方形状に形成され、その上部に縦長六角形状の遊技窓30が形成され、その遊技窓30の下方前面に貯留皿36が設けられ、その貯留皿36の一側(開放側)にハンドル装置46を構成する操作ハンドル部47が突設固定され、貯留皿36の下側に貯留した遊技球を図示しない受け箱(ドル箱)に排出する球排出ボタン44が設けられている。また、扉枠5の裏面には、前記遊技窓30を閉塞するように透明板ユニットとしてのガラスユニット70が取り付けられると共に、前記操作ハンドル部47に対応する裏面にハンドル装置46を構成するジョイントユニット49も取り付けられている。なお、ガラスユニット70及びハンドル装置46についての詳細な構造については、後に詳述するが、以下には、扉枠5の全体の構造について説明する。
扉枠5は、その一側上下に設けられる上開閉金具51(図13参照)及び下開閉金具52(図13参照)が本体枠3の上軸支金具152の扉軸支穴154(図32参照)及び扉支持板156の軸支穴157(図32参照)に挿入支持されて本体枠3に開閉自在に軸支されるものである。このため、上開閉金具51には、扉軸支穴154に挿入される摺動軸支ピン(図示しない)が上下方向に摺動自在に設けられ、下開閉金具52には、軸支穴157に挿通される軸ピン(図示しない)が下方に向けて突設されている。しかして、扉枠5を本体枠3に取り付けるには、扉枠5の下開閉金具52の軸ピンを本体枠3の扉支持板156の軸支穴157に差し込んだ後に、扉板の上開閉金具51の摺動軸支ピンを下方に摺動させた状態で本体枠3の上軸支金具152の扉軸支穴154に一致させて摺動軸支ピンを上方に摺動(通常、スプリングの付勢力により上方に摺動される。)させることにより、扉枠5を本体枠3に開閉自在に軸支することができる。
また、扉枠5の前面に設けられる貯留皿36は、図2に示すように、従来のパチンコ遊技機とは異なり、遊技窓30の下方に1つの皿(従来の所謂「上皿」に相当)だけが設けられる構造であるため、貯留皿自体を従来に比べ下方に位置させることができる。このため、遊技窓30の上下方向の寸法も大きくすることができる。また、扉枠5は、前述したように本体枠3の左右の幅とほぼ同じ幅を有して形成されるため、これによっても、遊技窓30の左右方向の寸法も大きくすることができる。つまり、遊技窓30の上下方向及び左右方向の寸法を大きく形成することができるため、この遊技窓30を透視して視認し得る遊技盤4の遊技領域205の上下左右方向の寸法も大きくすることができる。なお、貯留皿36のほぼ中央前方には、遊技盤4に設けられる遊技装置によって実現される遊技内容が遊技者参加型のものであるときに操作し得る演出選択スイッチ37を有する演出選択スイッチユニットが取り付けられ、貯留皿36のほぼ中央後方には図示しないパチンコ島台にパチンコ遊技機1と隣接して設置されているCRユニット8と通信して、賞球ユニット350の払出モータ364(図41参照)を駆動して貯留皿36に貸球として遊技球を払い出すための球貸操作ユニット38(図2参照)が設けられている。CRユニット8の正面側には、プリペイドカードを挿入するための図示しない挿入口や貸球として払い出す遊技球の球数を金額に換算して設定するための図示しない設定部等が設けられている。この設定部は、例えば、金額として200円分の遊技球の球数(本実施形態では、50球であり、金額として100円分の25球の払出動作を2回行っている。)が払い出されるようにホールの店員等によって予め設定されている。一方、CRユニット8の裏面側には、CRユニット8とCRユニット端子板619(図46参照)とを電気的に接続するための外部コネクタ9(図2参照)が設けられている。このCRユニット端子板619は、CRユニット8と払出制御基板603(図46参照)との電気的な接続を中継している。球貸操作ユニット38には、その中央に、CRユニット8に挿入されたプリペイドカードの残額表示やCRユニット8のエラー表示を行うための残度数表示部39(図2参照)と、この残度数表示部39の左方に、遊技者が球貸を行うために押圧操作する球貸操作部40(図2参照)と、残度数表示部39の右方に、挿入されているプリペイドカードを返却するために押圧操作する返却操作部41(図2参照)と、が設けられている。この球貸操作ユニット38の後方、つまり扉枠5の後側面には、度数表示基板(図示しない)が取り付けられており、この度数表示基板の部品面には、球貸操作ユニット38の残度数表示部39と対応する位置にセグメント表示器が実装され、球貸操作ユニット38の球貸操作部40と対応する位置に球貸スイッチが実装され、球貸操作ユニット38の返却操作部41と対応する位置に返却スイッチが実装されている。セグメント表示器によって表示される内容は、残度数表示部39を通して視認することができるようになっており、球貸スイッチは、球貸操作部40が押圧操作されると、スイッチが入る(ONする)ようになっており、返却スイッチは、返却操作部41が押圧操作されると、スイッチが入る(ONする)ようになっている。
また、貯留皿36、扉枠5の前面の遊技窓30及び扉枠5の周囲には遊技演出効果を奏するための扉枠装飾ランプとしての陰極管34やLED35を内蔵する門形状の装飾ランプカバー31や装飾板32,33によって覆われている。この装飾ランプカバー31は、図4及び図5に示すように、透過性合成樹脂によって形成されるとともに前後方向に凹凸をもって形成されており、上記の陰極管34は、その凹凸の頂点部分に沿って長尺状に設けられて装飾ランプカバー31の全体を蛍光白色によって装飾している。また、装飾ランプカバー31部分に設けられるLED35は、白色とは異なる色彩(例えば、赤色)の光を発光し、装飾ランプカバー31の遊技窓30に面した内側部分を装飾するようになっている。また、装飾板32,33も、透過性合成樹脂によって形成されるとともに装飾ランプカバー31の上方左右及び下方左右の前面に設けされており、このうち、上方の上部装飾板32は、後述するスピーカ53(図13参照)の前面を覆うものであって該スピーカ53のスピーカコーンの周囲をLED35で装飾されるものであり、下方の下部装飾板33は、特に何らかの部品の前面を被覆するものではないが、その前面をLED35で装飾されるものである。なお、前述した貯留皿36の演出選択スイッチ37の周囲もLED42で装飾され、貯留皿36の前方左右もLED43で装飾されるようになっている。これらの陰極管34及びLED35,42,43は、遊技内容に応じて点灯又は点滅して遊技者に特定の遊技状態を報知したり、あるいは遊技の臨場感を高める機能を奏するものである。
一方、扉枠5の裏面には、図13に示すように、方形状の外周に沿って鉄製の補強板54〜57が固定されている。上部裏面に取り付けられる上補強板54の両端下部には、スピーカ53がスピーカーボックスに固定されて取り付けられており、下部裏面に取り付けられる下補強板55には、遊技窓30の直下に取り付けられ軸支側に賞球排出口59が開設されている。この賞球排出口59は、後述する満タンユニット380の出口384(図39参照)と連通して払出された賞球を貯留皿36に流出させるためのものである。また、開放側裏面に取り付けられる側方補強板56は、扉枠5の裏面の上端部から下端部にかけて取り付けられているが、その上部、中央部、下部にフック係止片58が形成されている。このフック係止片58は、後に詳述する錠装置400の扉枠用フック部405(図43参照)と係合して扉枠5の本体枠3に対する施錠を行うものである。更に、軸支側裏面に取り付けられる側方補強板57も、扉枠5の裏面の上端部から下端部にかけて取り付けられており、上端部には上開閉金具51、下端部には下開閉金具52が固定されている。補強板54〜57は、貯留皿36に貯留された遊技球からの静電放電によるノイズ等を扉枠5から除去するアース接続板としての役割も担っている。具体的には、補強板54〜57は、鉄製で固定されているため電気的に接続された状態となっており、補強板54〜57に侵入したノイズが側方補強板57の上開閉金具51及び下開閉金具52に伝わる。上開閉金具51及び下開閉金具52は、上述したように、本体枠3の上軸支金具152の扉軸支穴154(図32参照)及び扉支持板156の軸支穴157(図32参照)に挿入支持されている。このため、補強板54〜57に侵入したノイズは、側方補強板57の上開閉金具51及び下開閉金具52を介して、本体枠3の上軸支金具152及び扉支持板156に伝わり、後述する電源基板ボックス453に収納される電源基板(図45参照)のアース用コネクタ(図示しない)を経て外部にアースされるようになっている。
また、扉枠5の裏面には、透明板ユニットとしてのガラスユニット70を取り付けるためのガラス止めレバー64、位置決め突起65、掛止凹部66が形成されると共に、錠装置400のシリンダー錠404を挿通させるための錠穴63と、貯留皿36の下流側を一列に整列して流下する打球が供給される打球供給口61と、該打球供給口61の下方に位置して打球供給口61から供給された打球を1個ずつ後述する発射レール163の発射位置に供給するための供給揺動片62と、がそれぞれ形成され又は設けられている。ガラス止めレバー64は、図13に示すように、左右のスピーカ53の設置位置の下方に設けられ、上端をビスで止着されて回動するように設けられているが、そのガラス止めレバー64が軸支される下方は、図14に示すように、次に説明するガラスユニット70の止め片72が嵌まり込むように凹状に形成されると共に、その凹状部に止め片72に形成される位置決め穴73と係合する位置決め突起65が突設されている。また、掛止凹部66は、遊技窓30の下部左右に上方が開放したL字状に形成され、ガラスユニット70の掛止突片74が上方から挿入されて係合されるようになっている。更に、錠穴63は、図13に示すように、開放側であって前記下補強板55の下方に穿設形成されている。そして、扉枠5を本体枠3に対して閉じたときには、図2に示すように、錠装置400のシリンダー錠404の先端面が錠穴63に臨み、扉枠5を本体枠3に対して開放したときには、図1に示すように、シリンダー錠404が錠穴63から離れて位置するようになっている。また、供給揺動片62は、後述する打球発射装置250に設けられる作動片268(図36参照)と当接して打球発射装置250の打球槌252の往復動作に連動して打球供給口61から供給される打球を発射レール163の発射位置に供給するものである。
[1−2−1.透明板ユニット(ガラスユニット)]
次に、扉枠5の裏面に取り付けられる透明板ユニットとしてのガラスユニット70について、図14〜図16を参照して説明する。ガラスユニット70は、図14に示すように、遊技窓30よりも大きな開口を有する合成樹脂で成型した環状の縦長六角形状のユニット枠71と、該ユニット枠71の開口の外周前後面に2枚の透明板としてのガラス板80(ガラス板でなくても透明な合成樹脂板でもよい。)を接着することにより構成されるものである。まず、ユニット枠71について詳細に説明すると、図15(A)に示すように、ユニット枠71の斜め上部左右には、位置決め穴73が形成される止め片72が環状の外側に向かって突設形成され、下部左右には、掛止突片74が環状の外側に向かって突設形成されている。この止め片72と掛止突片74とは、前述したように、ガラスユニット70を扉枠5の裏面に取り付けるためのものである。また、ユニット枠71の外周前後面部には、図16に示すように、ガラス板80を嵌め込むためのガラス当接段部75が周設されており、このガラス当接段部75にガラス板80を接着剤(ホットメルト系接着剤)で接着したときに、ユニット枠71の幅寸法内に2枚のガラス板80が収納された状態となる。更に、ユニット枠71には、図15及び図16に示すように、内部に乾燥剤77を封入する乾燥剤封入空間部76がユニット枠71の内周面と連通するようにその一側下部側方に環状の外部に突出するように形成され、その乾燥剤封入空間部76を閉塞するために多数の通気孔が形成された開閉蓋79がユニット枠71の内周面に係止爪によって着脱自在に取り付けられるようになっている。また、乾燥剤封入空間部76には、外部と連通する単一の空気穴78が形成されている。なお、乾燥剤封入空間部76は、環状のユニット枠71の上下左右部を除く斜め左右上下部のいずれかの部位に環状の外部に突出するように形成すればよい。なお、図14に示すように、ユニット枠71のガラス当接段部75に対応する外周にそって外周溝98が周設されている。
しかして、ガラスユニット70を組み付けるには、図15(A)に示すように、ユニット枠71の乾燥剤封入空間部76に乾燥剤77を封入し、その後、図15(B)に示すように、乾燥剤封入空間部76を閉塞するために開閉蓋79をユニット枠71の内周面側から挿入して係止爪を係止させ、さらに、図15(C)に示すように、ユニット枠71の両面からガラス板80をガラス当接段部75に収納当接するように接着剤で接着する。そして、2枚目のガラス板80を接着する際に、2枚のガラス板80で挟まれる密閉空間の空気が開閉蓋79の通気孔、乾燥剤封入空間部76、空気穴78を介して外部に逃げるので、2枚目のガラス板80の接着作業が2枚のガラス板80によって挟まれる密閉空間の空気の圧力によって影響を受けることなく容易に行うことができ、最終的に、図15(D)に示すように、2枚のガラス板80を一体化したガラスユニット70を簡単に組み付けることができる。そして、乾燥剤封入空間部76と2枚のガラス板80によって形成される密閉空間とを完全に密封する必要がある場合には、小さな空気穴78を密閉するだけの簡単な作業で密封状態を完了することができる。なお、空気穴78を密閉することに代えて、空気穴78に2枚のガラスの空間部から外部に向かう一方向にのみ空気が流れる弁を設けても良い。
そして、上記のように組み付けられたガラスユニット70を扉枠5に取り付けるには、ガラスユニット70の掛止突片74を扉枠5の掛止凹部66に上方から掛け止めた後、ガラスユニット70の止め片72に形成される位置決め穴73を本体枠5の凹状部に突設される位置決め突起65に挿入させながら止め片72と凹状部とを合致させ、ガラス止めレバー64を閉止位置に回動して止め片72の裏面を押圧する。これによって、ガラスユニット70を扉枠5の裏面に簡単に取り付けることができる。なお、ガラス止めレバー64を閉止位置に回動したときに、ガラス止めレバー64の裏面に形成される凹部(図示しない)と位置決め突起65の先端部とが係合するようになっている。逆に、ガラスユニット70を取り外す場合には、ガラス止めレバー64を開放位置に回動させた後、位置決め穴73を位置決め突起65からはずすようにガラスユニット70の上部を後方に移動させ、その後ガラスユニット70全体を上方に持ち上げるようにすることにより、掛止突片74を掛止凹部66から外してガラスユニット70を扉枠5から簡単に取り外すことができる。
以上詳述したように、本実施形態における透明板ユニットとしてのガラスユニット70は、予めユニット枠71の乾燥剤封入空間部76に乾燥剤77を封入した後で、ガラス板80をユニット枠71の両面に接着剤で貼り付けるだけで組み付けることができるので、従来のようにユニット枠にガラス板を接着した後に、乾燥剤をユニット枠に外側から挿入して乾燥剤の挿入口の周囲を密閉する構造のものに比べて、密閉するにしても極めて小さな空気穴78だけを密閉すればよいため、ガラスユニット70の製造を簡単に行うことができ、ガラスユニット70の生産性が向上するというメリットがある。そして、この場合、乾燥剤封入空間部76が環状のユニット枠71の外部に突出するように一体的に形成されているので、特殊な形状のガラス板を用意する必要はなく、極めて汎用性の高いガラスユニット70を提供することができる。
また、本実施形態においては、従来のように、ユニット枠そのものに通気孔を形成する場合に比べて、開閉蓋79という小さな部品に通気孔を形成したので、成型が容易であると共に成型後の通気孔の大きさが歪み等で変形することがなく、粒状の乾燥剤77を乾燥剤封入空間部76に封入しても、乾燥剤77が2枚のガラス板80によって形成される密閉空間に零れ落ちることはない。
また、本実施形態においては、乾燥剤封入空間部76は、環状のユニット枠71の上下左右部を除く斜め左右上下部のいずれかの部位に環状の外部に突出するように形成されることにより、一般的に円形状に形成される遊技窓30の斜め左右上下部の遊技窓30として利用されない領域に乾燥剤封入空間部76を配置することができ、結果的に遊技窓30を大きく形成することができる。
更に、本実施形態においては、ガラスユニット70を扉枠5に取り付ける際に、ユニット枠71の下辺左右に形成される掛止突片74を扉枠5の掛止凹部66に差し込み、その後、ユニット枠71の斜め上部左右に形成される止め片72の位置決め穴73を扉枠5の位置決め突起65に係合してガラス止めレバー64を回動するだけの簡単な作業によって取り付けることができる。
[1−2−1(a).透明板ユニット(ガラスユニット)の他の実施形態]
上記した実施形態(以下、「第1実施形態に係るガラスユニット」という。)に係るガラスユニット70は、ユニット枠71の外周前後面部に周設されたガラス当接段部75にガラス板80を嵌め込むことによってガラス板80で挟持された空間がユニット枠71に形成され、この空間内の湿気を取るための乾燥剤77がユニット枠71に形成された乾燥剤封入空間部76に封入されるものを示したが、その空間内に向かって光を発する発光ダイオードを周設したガラスユニットに係る実施形態(以下、「第2実施形態に係るガラスユニット」という。)を図17〜図24を参照して説明する。なお、第1実施形態に係るガラスユニット70と同一の機能を奏する部品には、同一の符号を付して説明する。
第2実施形態に係るガラスユニット70Aは、図17及び図18に示すように、遊技窓30よりも大きな開口を有する合成樹脂で成型した環状の縦長六角形状のユニット枠71と、該ユニット枠71の開口の外周前後面に2枚の透明板としてのガラス板80(ガラス板でなくても透明な合成樹脂板でもよい。)を接着することにより構成されるものである。まず、ユニット枠71について、簡単に説明すると、ユニット枠71の内周面には、その内周面に沿って発光源である発光ダイオード106,108を複数実装する帯状基板であるフレキシブルプリント基板105,107が遊技盤4の表面に対向する測方の挿入開口部から挿入される溝82を有する収納部81がユニット枠71の内側に向かって突設形成されている。この収納部81には、発光ダイオード106,108と対応する位置に、この発光ダイオード106,108の発光面が臨む投光口85(図19(A),(B)参照)が形成されている。この投光口85は、挿入開口部と対向する辺が、収納部81の内周面から溝82に向かって広がる内向傾斜面87(図21(A),(B)参照)を持たせた形状に形成されている一方、挿入開口部と対向する辺に隣接する2つの辺が、溝82から収納部81の内周面に広がる外向傾斜面86(図19(A),(B)参照)を持たせた形状に形成されている。発光ダイオード106,108の発光面から発した光が、内向傾斜面87によって遊技盤4の表面に向かって進むようにすると共に、外向傾斜面86によってユニット枠71の内側空間に向かって進むようになっている。
ユニット枠71について、より詳細に説明すると、ユニット枠71の斜め上部左右には、位置決め穴73が形成される止め片72が環状の外側に向かって突設形成され、下部左右には、掛止突片74が環状の外側に向かって突設形成されている。この止め片72と掛止突片74とは、ガラスユニット70を扉枠5の裏面に取り付けるためのものである。また、ユニット枠71の外周前後面部には、ガラス板80を嵌め込むためのガラス当接段部75が周設されており、このガラス当接段部75にガラス板80を接着剤(ホットメルト系接着剤)で接着したときに、ユニット枠71の幅寸法内に2枚のガラス板80が収納された状態となる。
また、正面から見てユニット枠71の斜め上部左であって、止め片72の上方には、裏面側が開口されたほぼ正方形のボックス形状を有する中継基板収納部88が環状の外側に向かって突設形成されている。この中継基板収納部88は、その内部に長さの異なるフレキシブルプリント基板105,107と電気的に接続される中継基板100を収納することができるとともに、中継基板100を固定するための固定カバー体96及び中継基板100からフレキシブルプリント基板105,107が外れて電気的な接続の遮断を防止するための補助カバー体97が取り付けられるようなっている。固定カバー体96及び補助カバー体97が中継基板収納部88に取り付けられることで中継基板収納部88の開口が塞がれるようになっている。また、正面から見てユニット枠71の下部右を除く内周面には、その内周面に沿って、中継基板100と電気的に接続される2つのフレキシブルプリント基板105,107が一側方の挿入開口部から挿入される溝82を有する収納部81が環状の内側に向かって突設形成されており、図23に示すように、収納部81の幅寸法がユニット枠71の前後面に形成されるガラス当接段部75の間の幅寸法(換言するならば、2枚のガラス板80Aの内側間隔寸法)よりも「微小隙間d」だけ小さくなるように形成されている。
また、ユニット枠71には、図19(A),(B)に示すように、その内周面に沿って、溝82内にフレキシブルプリント基板105,107を位置決めするための複数の位置決め突出部84が適宜間隔を置いて環状の内側に向かって突設形成されている。これらの位置決め突出部84と収納部81とが干渉しないように、収納部81には、位置決め突出部84と対応する位置に、コ字形状の逃げ口83が形成されている。また、収納部81には、フレキシブルプリント基板105,107に所定間隔ごとに実装された面実装タイプの複数の発光ダイオード106,108(本実施形態では、面実装であるため広角タイプのものとなっている。)と対応する位置に、コ字形状の投光口85が形成されている。溝82及び逃げ口83並びに投光口85は、ユニット枠71の後面部のガラス当接段部75にガラス板80(正面から見て後方のガラス板80)が接着された状態でそれぞれの挿入開口部が閉じた状態となる。
ところで、発光ダイオード106,108が臨むコ字形状の投光口85は、図21(A),(B)に示すように、その大きさがフレキシブルプリント基板105,107に実装された発光ダイオード106,108の外形よりも大きく形成されているが、その挿入開口部と対向する口辺が発光ダイオード106,108の発光面の中心線と一致する位置となるように形成されている。これにより、図21(B)に示すように、投光口85は、発光ダイオード106,108の発光面のうち半分の発光面を臨むことができるように形成されている。発光ダイオード106,108の発光面を覆い被さっていない投光口85の2つの辺は、図21(A)に示すように、溝82から収納部81の内周面に向かって広がる外向傾斜面86を持たせた形状となっており、発光ダイオード106,108の発光面から発した光が投光口85を通って収納部81の内周方向に広がって環状の内側に向かって進むことができるようになっている。これにより、その光は、ユニット枠71の外周前後面部のガラス当接段部75にガラス板80が接着された状態では、ガラス板80によって挟持されたユニット枠71の内側空間を明るく照らすことができるようになっている。一方、発光ダイオード106,108の発光面を覆い被さる投光口85の辺、つまり挿入開口部と対向する辺は、図21(B)に示すように、発光ダイオード106,108の発光面から発した光が収納部81の挿入開口部方向に向かって進む内向傾斜面87を持たせた形状となっている。これにより、発光ダイオード106,108の発光面から発した光は、収納部81の挿入開口部方向、つまり遊技盤4の表面に向かって進むこととなるので、収納部81の挿入開口部方向と反対方向、つまり遊技者側に直接進まないこととなる。したがって、発光ダイオード106,108の発光面から発した光が遊技者の目に直接入ることを防止することができる。なお、パチンコ遊技機1と隣接する他のパチンコ遊技機の前面に着座する遊技者には、パチンコ遊技機1の遊技盤4を見る場合にガラスユニット70Aを斜めから見ることとなるため、ガラスユニット70Aの発光ダイオード106,108を発光させた状態では、図47に示すように、発光ダイオード106,108の発光面から発した光がガラス板80,80で反射を繰り返して遊技盤4の後方に向かって連なる複数の点として見える一方、パチンコ遊技機1の前面に直座する遊技者には、ガラスユニット70Aを正面が見るため、発光ダイオード106,108が配置された位置において発光ダイオード106,108の発光面から発した光が一点として見える。
このように、発光ダイオード106,108の発光面から発した光が内向傾斜面87によって遊技盤4の表面に向かって進むことで遊技者側に直接進まず、遊技者の目に直接入ることを防止することができるとともに、発光ダイオード106,108の発光面から発した光が外向傾斜面86によってユニット枠71の内側空間に向かって進むことでユニット枠71の内側空間を明るく照らすことができる。これにより、ガラスユニット70Aを扉枠5に取り付けたパチンコ遊技機1では、ユニット枠71の内側空間が明るく照らされているため、遊技領域205に設けられた障害釘や遊技領域205を流下する遊技球を明るく照らすことができる。したがって、遊技領域205に設けられた装飾ランプ等による発光演出を行う機会が少ない場合でも障害釘や遊技球の流下態様を好適に照明して視認しやすくすることができる。なお、遊技場の天井に設けられた多数の照明灯のうちの一部の照明灯からの照明光が、遊技盤4の前面側を覆う扉枠5のガラス板80に反射(写り込み)する場合があるが、遊技領域205に設けられた装飾ランプ等による発光演出を行っているときにはガラス板80の遊技領域側の照度が比較的高いため、遊技盤4の前面側を覆う扉枠5のガラス板80で反射(写り込み)する度合いが低い一方、装飾ランプ等による発光演出を行っていないときにはガラス板80の遊技領域側の照度が低下するため、鏡のように反射した光が遊技者の目にそのまま入ることとなる。本実施形態では、発光ダイオード106,108の発光面から発した光が外向傾斜面86によってユニット枠71の内側空間に向かって進むことでユニット枠71の内側空間を明るく照らすことができるようになっているため、装飾ランプ等による発光演出を行う機会が少ない場合であっても、遊技盤面上を流下する遊技球の流下態様を明るくして視認しやすくするための照明が、ガラス板に反射(写り込み)することが少ないため遊技者の目にそのまま入る機会を少なくすることができ、遊技盤面上を流下する遊技球の流下態様を視認しにくくなるという問題が生じない。また本実施形態では、発光ダイオード106,108の発光面から発した光によってユニット枠71の内側空間が明るく照らされているため、遊技場の照明灯等の通常の照明光がガラス板80に反射(写り込み)しても、その写り込んだ照明光を相対的に弱くすることができる。これにより、遊技者は、その写り込んだ照明光を気に留めることがなく遊技を行うことができる。更には遊技機自体の発光装飾効果を増すために遊技場全体の照明を少なくした場合であっても、遊技者は、遊技盤面や遊技盤面を流下する遊技球の態様を好適に視認することが可能となる。
また、ユニット枠71には、第1実施形態と同様に、図17及び図18に示すように、ユニット枠71のガラス当接段部75に対応する外周に沿って外周溝98が周設されている。そして、図22に示すように、ユニット枠71の上辺の外周溝98には、適宜間隔を置いて複数の通気孔95が穿設されている。通気孔95は、図23に示すように、外周溝98と溝82とを連通するように穿設されており、このためユニット枠71の外側と2枚のガラス板80に挟まれる密閉空間とを連通させる機能を有するものである。より詳細に説明すると、溝82にフレキシブルプリント基板105を挿入した状態において、当該フレキシブルプリント基板105が極めて薄いので、溝82とフレキシブルプリント基板105との間に隙間が生じ、しかも、前述したように収納部81の開放端とガラス板80との間に微小隙間dが形成されているために、ユニット枠71の外側と2枚のガラス板80に挟まれる密閉空間とを連通させる機能を有している。しかして、このように2枚のガラス板80によって挟まれる密閉空間と外部とを通気孔95を介して連通させることにより、密閉空間内側のガラス板80が結露した場合においても、発光ダイオード106,108の発光熱により、結露が蒸気となって通気孔95から外部に速やかに吐き出されるため、第1実施形態のように乾燥剤77をユニット枠71に装備する必要がない。また、ユニット枠71に通気孔95が形成されている場合には、その通気孔95から小さな塵等が密閉空間内に侵入するおそれがあるが、通気孔95が極めて小さいことと相まって溝82に挿入されるフレキシブルプリント基板105に塵等が付着して受け止められて密閉空間への侵入を防止するという機能もある。
このように、ユニット枠71の外側から通気孔95を介してユニット枠71の内側に塵等が侵入してもフレキシブルプリント基板105,107で受け止めることができる構造となっているため、その塵等がユニット枠71の密閉空間へ侵入することを阻止することができ、その密閉空間と接する2枚のガラス板80の表面にその塵等が付着することを防止することができる。またユニット枠71に通気孔95を設けるとともにユニット枠71の内周面に設けられたフレキシブルプリント基板105,107の発光ダイオード106,108の発光熱によりユニット枠71の密閉空間で暖められた空気が通気孔95を介してユニット枠71の外側に吐き出される構造となっているため、その密閉空間の湿気による結露を早期に除去することができ、その密閉空間と接する2枚のガラス板80の表面に水滴が短時間だけ付着した状態とすることができる。したがって、ガラス板80の視認性の低下を防止することができる。
一方、ボックス形状を有する中継基板収納部88の内側空間の底面には、図20に示すように、中継基板100の2つの位置決め穴101と対応する位置に位置決め突起89が中継基板収納部88の開口に向かって形成され、固定カバー体96の2つの止め穴96aと対応する位置に取付穴90が中継基板収納部88の開口に向かって形成され、補助カバー体97の2つの位置決め穴97aと対応する位置に位置決めボス穴91が中継基板収納部88の開口に向かって形成されている。また、中継基板収納部88の内側空間が溝82と連通しており、中継基板収納部88の内側空間の底面には、溝82に収納されたフレキシブルプリント基板105,107の端部を中継基板100に実装されたコネクタ102,103にそれぞれ案内するための案内壁92が中継基板収納部88の開口に向かって形成されている。フレキシブルプリント基板105,107の端部がコネクタ102,103のそれぞれに挿入されると、フレキシブルプリント基板105,107と中継基板100とが電気的に接続された状態となる。
中継基板収納部88の内壁の開口側には、中継基板100の固定カバー体96の2つの位置決め用突起96bと対応する位置に位置決め用凹部93が形成され、中継基板100に実装されたコネクタ104と対応する位置に当該コネクタ104に配線を接続するための配線開口部94が形成されている。配線がコネクタ104に接続されると、配線を介して、ランプ駆動基板620(図46参照)と電気的に接続された状態となる。中継基板100には、コネクタ102,103,104を電気的に接続する銅箔パターンが形成されており、ランプ駆動基板620とフレキシブルプリント基板105,107とが、中継基板100を介して、電気的に接続された状態となる。これにより、ランプ駆動基板620からの点灯信号や点滅信号は、中継基板100を介して、フレキシブルプリント基板105,107にそれぞれ実装された発光ダイオード106,108に伝わり、発光ダイオード106,108の発光面が点灯したり、点滅したりすることができるようになっている。なお、固定カバー体96の位置決め用突起96bを中継基板収納部88の位置決め用凹部93に嵌め合わせた後に、固定カバー体96の止め穴96aから中継基板収納部88の取付穴90に向かってネジ96cを挿入してネジ止めすることにより固定カバー体96を中継基板収納部88に固定することができる。また補助カバー体97の位置決め穴97aを中継基板収納部88の位置決めボス穴91に挿入した後に、位置決め穴97aから中継基板収納部88の位置決めボス穴91に向かってネジ97bを挿入してネジ止めすることによりを中継基板収納部88に固定することができる。
次に、溝82に収納されるフレキシブルプリント基板105,107について説明する。フレキシブルプリント基板105,107は、その長さが異なるように形成されているものの、構造は同じであるため、一方の第2フレキシブルプリント基板107について説明し、他方の第1フレキシブルプリント基板105の説明は省略する。
フレキシブルプリント基板107は、図17及び図18に示したように、折り畳んだ状態(使用時の状態)では一本の帯状の細長いものとなっている。フレキシブルプリント基板107を折り畳む前は、図24に示すように、横長の長方形状を有しており、発光ダイオード108の点灯回路を構成する銅箔パターンが形成された可撓性を有するベースフィルムの実装面及び裏面にカバーフィルムが接着されたものである。詳細に説明すると、図25及び図26に示すように、銅箔が積層された定尺の四角形状(本実施形態では、縦250mm、横250mmの正方形)を有するベースフィルム120には、6組のフレキシブルプリント基板107A〜107Fを形成するための四角形状を有する基板形成領域120A〜120Fと、この基板形成領域120A〜120F外として切り捨てられる捨て領域120Zと、が区画形成されている。基板形成領域120A〜120Fには、発光ダイオード108の点灯回路を構成する銅箔パターンが形成されている。ベースフィルム120の実装面及び裏面には、ベースフィルム120を包み込むように、カバーフィルム121,122が接着されている。これにより、基板形成領域120A〜120F内のベースフィルム120の実装面に形成された銅箔パターンが実装面側のカバーフィルム121により覆われるとともに、基板形成領域120A〜120F内のベースフィルム120の裏面に形成された銅箔パターンが裏面側のカバーフィルム122により覆われることとなる。なお、ベースフィルム120の基板形成領域120A〜120Fに形成された銅箔パターンのうち、発光ダイオード108を面実装する部分と、図20に示した中継基板100に実装されたコネクタ103に挿入して発光ダイオード108と電気的に接続される電極部分と、はカバーフィルム121で覆われておらず、露出された状態となっている。
ベースフィルム120の捨て領域120Zを覆うカバーフィルム121,122の左辺側及び右辺側には、後述するフレキシブルプリント基板107を折り畳む部分に両面接着テープを貼り付けるための貼り付けマーク121a,122aがシルク印刷されている。これらの貼り付けマーク121a,122aに従って両面接着テープ123を貼り付けることにより、両面接着テープ123がカバーフィルム121,122上において基板形成領域120A〜120Fと捨て領域120Zとをまたいだ状態となる(図29(A),(B)を参照)。また、ベースフィルム120の基板形成領域120A〜120Fを覆うカバーフィルム121には、フレキシブルプリント基板107を折り畳む部分に、後述する、山折り線や谷折り線がシルク印刷されている一方、ベースフィルム120の捨て領域120Zを覆うカバーフィルム122には、上述した電極部分の屈曲を防止する補強板124が接着されている。補強板124も、両面接着テープ123と同様に、カバーフィルム122上において基板形成領域120A〜120Fと捨て領域120Zとをまたいだ状態となる。
基板形成領域120A〜120Fを覆う、ベースフィルム120の実装面側のカバーフィルム121からベースフィルム120の裏面側のカバーフィルム122に向かって後述するスリットを入れることにより、基板形成領域120A〜120F内にフレキシブルプリント基板107A〜107Fが形成される。このとき、基板形成領域120A〜120Fと捨て領域120Zとをまたいだ状態となっていた両面接着テープ123は、基板形成領域120A〜120Fに貼り付けたものと、捨て領域120Zに貼り付けたものと、に切り離された状態となるとともに、基板形成領域120A〜120Fと捨て領域120Zとをまたいだ状態となっていた補強板124も、基板形成領域120A〜120Fに接着したものと、捨て領域120Zに接着したものと、に切り離された状態となる。
このようなスリットが入った状態のベースフィルム120を汎用の実装機に載せて発光ダイオード108が自動実装された後に、外形抜き行程において、基板形成領域120A〜120F内に形成されたフレキシブルプリント基板107A〜107Fと、捨て領域120Zと、を分離することにより、折り畳む前のフレキシブルプリント基板107A〜107Fが完成する。なお、本実施形態の汎用の実装機に載せることができるベースフィルムのサイズは、最大で、縦250mm、横290mmである。
次に、このように完成した折り畳む前のフレキシブルプリント基板107A〜107Fについて説明する。フレキシブルプリント基板107A〜107Fは、その構造が同一のため、ここでは、フレキシブルプリント基板107Aについて説明する。フレキシブルプリント基板107Aは、上述したように、発光ダイオードの点灯回路を構成する銅箔パターンが形成される可撓性を有する定尺の四角形状のベースフィルム120より小さい四角形状を有する基板形成領域120Aに形成されるようになっている。ベースフィルム120の実装面及び裏面には、基板形成領域120Aを覆うカバーフィルム121,122が接着されるとともに、図24に示すように、基板形成領域120Aの左辺から右辺に向かって基板形成領域120Aの右辺近傍の一部を切り残した左側スリットであるスリット113a,113cと、基板形成領域120Aの右辺から左辺に向かって基板形成領域120Aの左辺近傍の一部を切り残した右側スリットであるスリット113bと、が基板形成領域120Aの上辺から下辺に向かって所定間隔をもって交互に複数設けらることにより複数の切断帯体である第1領域112a〜第4領域112dが形成され、基板形成領域120Aの右辺近傍の一部を切り残した左側スリットであるスリット113a,113cの終端部及び基板形成領域120Aの左辺近傍の一部を切り残した右側スリットであるスリット113bの終端部において、四角形状の基板形成領域120Aの上辺及び下辺と平行な線に沿って基板形成領域120Aの左辺近傍の一部及び基板形成領域120Aの右辺近傍の一部を山折り又は谷折りする一方、四角形状の基板形成領域120Aの上辺及び下辺と垂直な線に沿って四角形状の基板形成領域120Aの上辺側又は下辺側に位置する切断帯体である第1領域112a〜第4領域112dを谷折り又は山折りすることによって、これらの切断帯体である第1領域112a〜第4領域112dが連なって定尺の四角形状のベースフィルム120の一辺よりも長い帯状のフレキシブルプリント基板107Aが形成されるとともに、この帯状のフレキシブルプリント基板107Aに、発光ダイオード108の点灯回路を構成する銅箔パターンが連続するように形成されるようになっている。
詳細に説明すると、フレキシブルプリント基板107Aは、四角形状を有する基板形成領域120A内に、横長の長方形状を有して形成されており、基板形成領域120Aの上辺から下辺までを切断帯体である第1領域112a〜第4領域112dの4分割された領域に発光ダイオード108が複数面実装されている。具体的には、第1領域112aには、2個の発光ダイオード108a,108bが面実装され、第2領域112bには、3個の発光ダイオード108c〜108eが面実装され、第3領域112cには、3個の発光ダイオード108f〜108hが面実装され、第4領域112dには、3個の発光ダイオード108i〜108kが面実装されている。
第1領域112aの端部であって、図20に示した中継基板100に実装されたコネクタ103に挿入して電気的に接続される電極部分には、第1領域112a〜第4領域112dに面実装された発光ダイオード108a〜108kへの電極線と、グランド線と、が露出された状態となっている。この電極線及びグランド線と、発光ダイオード108a〜108kと、を電気的に接続する点灯回路が銅箔パターンとしてフレキシブルプリント基板107Aのベースフィルム120に形成されている。第1領域112aの端部から第1領域112aに面実装された発光ダイオード108aの近傍までは、第1領域112aの上辺及び下辺から所定距離だけ切り取られた細長い長方形状となっている。この細長い長方形状の部分には、第1領域112aの端部をコネクタ103に挿入するために、図20に示した、溝82から案内壁92へ折れ曲がる位置に、谷折りする位置を示す谷折り線110aと、山折りする位置を示す山折り線111aと、がフレキシブルプリント基板107Aのカバーフィルム121にそれぞれシルク印刷されている。
第1領域112aと第2領域112bとの境界には、第1領域112aと第2領域112bとをその右辺から所定距離を残して切り離すための左側スリットであるスリット113aが設けられているとともに、このスリット113aにより切り離されていない部分が所定間隔ごとに設けられている(この切り離されていない部分が設けられていることによって第1領域112a及び第2領域112bが捨て領域120Zに対してブラブラしないようにすることができるため、ベースフィルム120を次行程へ搬送する際に、第1領域112a及び第2領域112bが何らかの部材等と引っ掛からず、搬送時におけるフレキシブルプリント基板107Aの損傷を防止することができる)。スリット113aの終端部には、第1領域112aと第2領域112bとが完全に切り離れないように、裂け防止孔109aが設けられるとともにこの裂け防止孔109aの周囲に銅箔パターンが形成されている。この銅箔パターンは、発光ダイオード108a〜108kの点灯回路を構成するものと別個独立するものであってこの点灯回路と電気的に接続されるものではなく、単に裂け防止孔109aの裂け防止強度を上げるために設けられているものである。基板形成領域120Aの上辺及び下辺と平行な線に沿って基板形成領域120Aの右辺近傍の一部である、裂け防止孔109aから第1領域112aと第2領域112bとの境界線を右側に延長した部分には、第1領域112aと第2領域112bとを谷折りする位置を示す谷折り線110bがカバーフィルム121にシルク印刷されている。また基板形成領域120Aの上辺及び下辺と垂直な線に沿って第1領域112aに対して基板形成領域120Aの下辺側に位置する切断帯体である第2領域112bであって、裂け防止孔109aから後述する第2領域112bと第3領域112cと切り離すためのスリット113bまでの部分には、第2領域112bを山折りする位置を示す山折り線111bがカバーフィルム121にシルク印刷されている。
第2領域112bと第3領域112cとの境界には、第2領域112bと第3領域112cとをその左辺から所定距離を残して切り離すための右側スリットであるスリット113bが設けられているとともに、このスリット113bにより切り離されていない部分が所定間隔ごとに設けられている(この切り離されていない部分が設けられていることによって第2領域112b及び第3領域112cが捨て領域120Zに対してブラブラしないようにすることができるため、ベースフィルム120を次行程へ搬送する際に、第2領域112b及び第3領域112cが何らかの部材等と引っ掛からず、搬送時におけるフレキシブルプリント基板107Aの損傷を防止することができる)。スリット113bの終端部には、第2領域112bと第3領域112cとが完全に切り離れないように、裂け防止孔109bが設けられるとともにこの裂け防止孔109bの周囲に銅箔パターンが形成されている。この銅箔パターンは、発光ダイオード108a〜108kの点灯回路を構成するものと別個独立するものであってこの点灯回路と電気的に接続されるものではなく、単に裂け防止孔109bの裂け防止強度を上げるために設けられているものである。基板形成領域120Aの上辺及び下辺と平行な線に沿って基板形成領域120Aの左辺近傍の一部である、裂け防止孔109bから第2領域112bと第3領域112cとの境界線を左側に延長した部分には、第2領域112bと第3領域112cとを谷折りする位置を示す谷折り線110cがカバーフィルム121にシルク印刷されている。また基板形成領域120Aの上辺及び下辺と垂直な線に沿って第2領域112bに対して基板形成領域120Aの下辺側に位置する切断帯体である第3領域112cであって、裂け防止孔109bから後述する第3領域112cと第4領域112dと切り離すためのスリット113cまでの部分は、第3領域112cを山折りする位置を示す山折り線111cがカバーフィルム121にシルク印刷されている。また第2領域112b及び第3領域112cには、図19(B)に示した位置決め突出部84と係合するコ字状の切り欠き114a,114bが設けられるとともに、この切り欠き114a,114bが裂けないように、切り欠き114a,114bの周囲に銅箔パターンが形成されている。この銅箔パターンも、発光ダイオード108a〜108kの点灯回路を構成するものと別個独立するものであってこの点灯回路と電気的に接続されるものではなく、単に切り欠き114a,114bの裂け防止強度を上げるために設けられているものである。
第3領域112cと第4領域112dとの境界には、第3領域112cと第4領域112dとをその右辺から所定距離を残して切り離すための左側スリットであるスリット113cが設けられているとともに、このスリット113cにより切り離されていない部分が所定間隔ごとに設けられている(この切り離されていない部分が設けられていることによって第3領域112c及び第4領域112dが捨て領域120Zに対してブラブラしないようにすることができるため、ベースフィルム120を次行程へ搬送する際に、第3領域112c及び第4領域112dが何らかの部材等と引っ掛からず、搬送時におけるフレキシブルプリント基板107Aの損傷を防止することができる)。スリット113cの終端部には、第3領域112cと第4領域112dとが完全に切り離れないように、裂け防止孔109cが設けられるとともにこの裂け防止孔109cの周囲に銅箔パターンが形成されている。この銅箔パターンは、発光ダイオード108a〜108kの点灯回路を構成するものと別個独立するものであってこの点灯回路と電気的に接続されるものではなく、単に裂け防止孔109cの裂け防止強度を上げるために設けられているものである。基板形成領域120Aの上辺及び下辺と平行な線に沿って基板形成領域120Aの右辺近傍の一部である、裂け防止孔109cから第3領域112cと第4領域112dとの境界線を右側に延長した部分には、第3領域112cと第4領域112dとを谷折りする位置を示す谷折り線110dがカバーフィルム121にシルク印刷されている。また基板形成領域120Aの上辺及び下辺と垂直な線に沿って第3領域112cに対して基板形成領域120Aの下辺側に位置する切断帯体である第4領域112dであって、裂け防止孔109cから第4領域112dの下辺までの部分は、第4領域112dを山折りする位置を示す山折り線111dがカバーフィルム121にシルク印刷されている。また第2領域112b及び第3領域112cには、位置決め突出部84と係合するコ字状の切り欠き114c、114dが設けられるとともに、この切り欠き114c、114dが裂けないように、切り欠き114c、114dの周囲に銅箔パターンが形成されている。この銅箔パターンも、発光ダイオード108a〜108kの点灯回路を構成するものと別個独立するものであってこの点灯回路と電気的に接続されるものではなく、単に切り欠き114c、114dの裂け防止強度を上げるために設けられているものである。
このように構成されたフレキシブルプリント基板107Aは、まず、その左辺からスリット113aにより切り離されていない部分をナイフやハサミ等の工具によりカットすることによって第1領域112aと第2領域112bとがその右辺から裂け防止孔109aまでの所定距離を残して切り離され、続いて、その右辺からスリット113bにより切り離されていない部分を工具によりカットすることによって第2領域112bと第3領域112cとがその左辺から裂け防止孔109bまでの所定距離を残して切り離され、続いて、その左辺からスリット113cにより切り離されていない部分を工具によりカットすることによって第3領域112cと第4領域112dとがその右辺から裂け防止孔109aまでの所定距離を残して切り離される。そして、フレキシブルプリント基板107Aは、上述した、第1領域112a〜第4領域112dのカバーフィルム121にシルク印刷された、谷折りを示す谷折り線110a〜110d及び山折りを示す山折り線111a〜111dに従って折り畳まれると、この折り畳まれた部分が上述した両面接着テープ123によって接着され、第1領域112a〜第4領域112dが連なって定尺の四角形状のベースフィルム120の一辺よりも長い帯状のフレキシブルプリント基板107Aが形成されるとともに、この帯状のフレキシブルプリント基板107Aに発光ダイオード108a〜108kの点灯回路を構成する銅箔パターンが連続するように形成されることとなる。また、谷折り線110a〜110d及び山折り線111a〜111dに従って折り畳まれることにより、第1領域112aに面実装された発光ダイオード108a,108b、第2領域112bに面実装された発光ダイオード108c〜108e、第3領域112cに面実装された発光ダイオード108f〜108h、及び第4領域112dに面実装された発光ダイオード108i〜108kが同一直線上にすべて配置された長尺状のフレキシブルプリント基板107Aとなる。
このように、帯状のフレキシブルプリント基板107を製造する場合であっても、汎用の実装機に載せることができる定尺の四角形状のベースフィルム120を用いることができるようになっている。したがって、定尺の四角形状のベースフィルム120の一辺よりも長い帯状のフレキシブルプリント基板107を製造する場合でも汎用実装機により発光ダイオード108を自動実装して装飾演出として用いることができる。
また、帯状のフレキシブルプリント基板107を製造する場合であっても、汎用の実装機を使用することができるので、発光ダイオード108を手作業で実装する必要がなく、製造効率が低下することがない。
ここで、第2フレキシブルプリント基板107と第1フレキシブルプリント基板105との大きな相違点について説明すると、第2フレキシブルプリント基板107と第1フレキシブルプリント基板105との長さが異なるように形成されており、第1フレキシブルプリント基板105が第2フレキシブルプリント基板107より長くなるように形成されている点である。このため、第2フレキシブルプリント基板107のベースフィルム120のサイズと、第1フレキシブルプリント基板105のベースフィルム125のサイズと、が異なっている。本実施形態では、第2フレキシブルプリント基板107のベースフィルム125のサイズが縦250mm、横250mmの正方形となっているのに対して第1フレキシブルプリント基板105のベースフィルム125のサイズが縦250mm、横290mmの長方形となっている。このため、このベースフィルム125の実装面を覆うカバーフィルム126のサイズ及びベースフィルム125の裏面を覆うカバーフィルム127のサイズも第2フレキシブルプリント基板107の実装面を覆うカバーフィルム121のサイズ及び第2フレキシブルプリント基板107の裏面を覆うカバーフィルム122のサイズより大きくなっている(図27及び図28を参照)。なお、カバーフィルム126,127の左辺側及び右辺側には、第1フレキシブルプリント基板105を折り畳む部分に両面接着テープを貼り付けるための貼り付けマーク126a,127aがシルク印刷されている(図27及び図28を参照)。
また、第1フレキシブルプリント基板105における、第1領域112aには、2個の発光ダイオード106a,106bが面実装され、第2領域112bには、3個の発光ダイオード106c〜106eが面実装され、第3領域112cには、3個の発光ダイオード106f〜106hが面実装され、第4領域112dには、3個の発光ダイオード106i〜106kが面実装されている。
なお、上述した実施形態では、山折り線111b〜111dにおいて山折りするとともに、谷折り線110b〜110dにおいて谷折りしていたが、山折り線111b〜111dと、谷折り線110b〜110dと、の折る位置を入れ替えてよい。また、基板形成領域120Aの上辺及び下辺と垂直な線に沿って第1領域112aに対して基板形成領域120Aの下辺側に位置する切断帯体である第2領域112bにおいて山折り線111b、基板形成領域120Aの上辺及び下辺と垂直な線に沿って第2領域112bに対して基板形成領域120Aの下辺側に位置する切断帯体である第3領域112cにおいて山折り線111c、基板形成領域120Aの上辺及び下辺と垂直な線に沿って第3領域112cに対して基板形成領域120Aの下辺側に位置する切断帯体である第4領域112dにおいて山折り線111dがカバーフィルム121にそれぞれシルク印刷されていたが、山折り線111bを第1領域112a側、山折り線111cを第2領域112a側及び山折り線111dを第3領域112a側にそれぞれシルク印刷されていてもよい。このように構成しても、第1領域112aに面実装された発光ダイオード108a,108b、第2領域112bに面実装された発光ダイオード108c〜108e、第3領域112cに面実装された発光ダイオード108f〜108h、及び第4領域112dに面実装された発光ダイオード108i〜108kが同一直線上にすべて配置された長尺状のフレキシブルプリント基板107を製造することができる。
次に、第2実施形態に係るガラスユニット70Aと第1実施形態に係るガラスユニット70との大きな相違点について説明すると、第1実施形態に係るガラスユニット70にはガラス板80で挟持された密閉空間内の湿気を取るための乾燥剤77がユニット枠71に形成されているのに対し、第2実施形態に係るガラスユニット70Aには乾燥剤77がなく、ガラス板80によって挟持されたユニット枠71の内側空間を取り囲むように配設された発光ダイオード106,108の発光によってその空間内を明るく照らすことができるようになっていると共に、内側空間内の湿気を通気孔95を介して外部に吐き出す点である。これにより、第2実施形態に係るガラスユニット70Aでは、演出として発光ダイオード106,108が点灯したり、点滅したりすると、発光ダイオード106,108の発光による熱によって空間内の温度を上げることができる。そうすると、この空間を挟持するガラス板80Aの表面温度は空間の温度が伝わって上昇することとなる。したがって、第2実施形態に係るガラスユニット70Aでは、発光ダイオード106,108の点灯又は点滅による演出機能に加えて、その空間と接するガラス板80Aの表面に水滴が付着しても発光熱によって水滴を気化させて通気孔95から外部に放出するため、早期に結露を解消することができる機能を有している。
また、ガラス板80によって挟持されたユニット枠71の内側空間を取り囲むように配設された発光ダイオード106,108の発光によってその空間内を明るく照らすことができるようになっているので、例えば、木製のベニヤ盤200による遊技盤4(図34参照)では遊技領域205に貼られた装飾セル全体を明るく照らすことができるし、透明な合成樹脂製盤(例えば、透明なアクリル盤)によるパネル遊技盤4であってアクリル盤の後方からパチンコ遊技機1の前方、つまり遊技者側に向かって複数のランプを発光させて遊技領域205を装飾する場合では遊技領域205を流下する遊技球の後側がそのランプの発する光によって照らされてその遊技球の前側が陰となっても発光ダイオード106,108の発光によって遊技球の前側を照らすことができ、遊技者に遊技球を明るくきれいに見せることができる。同様の理由により障害釘の頭部を含む障害釘全体を明るくきれいに見せることができる。
なお、ユニット枠71の下部右を除く内周面には、その内周面に沿って、中継基板100と電気的に接続される2つのフレキシブルプリント基板107,107が溝82に挿入されているが、これは、ユニット枠71の下部右の近傍に、遊技盤に設けられて遊技の進行を表示する表示器やランプ(図46に示す特別図柄表示器や普通図柄表示器等の図柄表示器614、それら図柄表示器の変動許容記憶回数を表示する図柄記憶ランプ615、確変等の遊技状態を表示する状態表示ランプ616)が集約して実装される機能表示基板613(図46参照)からなる機能表示装置(図示しない)が配置されるので、フレキシブルプリント基板107,107に面実装された発光ダイオード106,108の発光によって機能表示装置の表示内容を遊技者が視認しにくくなることを防止するためである。
[1−2−2.ハンドル装置]
次に、扉枠5の開放側下部に取り付けられるハンドル装置46について、主として図1、図2、図6、図7、及び図30を参照して説明する。ハンドル装置46は、扉枠5の開放側下部前面に設けられる回動操作部材48を有する操作ハンドル部47と、該操作ハンドル部47に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部47の回動操作部材48の回動操作に応じて回転する回転軸と連携され且つ該回転軸の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット49と、から構成されている。
まず、操作ハンドル部47は、図1に示すように、扉枠5の前面を構成する装飾板(例えば、貯留皿36の外側構成板と兼用して形成される装飾板)に突設される円筒状のハンドル支持筒部に挿入固定される。このハンドル支持筒部は、図5に示すように、パチンコ遊技機1の上方から見た平面視で外側(右側)に向くように傾斜して形成されているため、ハンドル支持筒部に挿入固定される操作ハンドル部47も平面視で外側に傾斜(換言するならば、パチンコ遊技機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ遊技機の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されることになる。このように、操作ハンドル部47を平面視で外側に向けて傾斜させることにより、遊技者が操作ハンドル部47を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行いやすいという利点がある。そして、本実施形態においては、操作ハンドル部47を傾斜設置しても、操作ハンドル部47の回動軸の回転運動がスムーズに伝達されて打球発射装置250の弾発力を調整することができる構造が採用されている。なお、操作ハンドル部47のハンドル支持筒部への挿入後、ハンドル支持筒部と操作ハンドル部47とをビス等で連結して操作ハンドル部47がハンドル支持筒部から引き抜きできないようになっている。
また、操作ハンドル部47には、前記回動操作部材48に密着して設けられるタッチスイッチ628(図46参照)や、遊技者の操作によって打球の発射を停止したり発射したりする単発機能を有する発射停止スイッチ629(図46参照)が設けられている。そして、タッチスイッチ628や発射停止スイッチ629からの配線が扉枠5の裏面に導き出され、ジョイントユニット49の側方に取り付けられるハンドル中継端子板627(図46参照)に接続されるようになっている。このハンドル中継端子板627からの配線は、上述した下補強板55に沿って取り付けられており、後述する払出制御基板603(図46参照)に電気的に接続されるようになっている。更に、回動操作部材48の軸嵌合穴86の外側にはスイッチ接触凸部87が突設され、回動操作部材48が元位置にある場合に、発射停止スイッチ629をOFFとし、回動操作部材48が遊技者によって回動操作されると発射停止スイッチ629をONとする。また、発射停止スイッチ629がONとなっている状態で回動操作部材48の近傍に設けられる単発ボタン(図示しない)が揺動可能になるので、単発ボタンを押圧することにより、発射停止スイッチ629をOFF操作することができるようになっている。なお、回動操作部材48の外周表面には、導電性のメッキが施されており、遊技者が回動操作部材48に接触することによりタッチスイッチ628が接触を検出するようになっている。そして、遊技者が回動操作部材48を回動して発射停止スイッチ629がONとなり且つタッチスイッチ628が接触を検出しているときに打球発射装置250の後述する発射モータ617(図46参照)が回転駆動されるようになっている。
次に、上記した操作ハンドル部47と連結されるハンドル装置46の他方の構成要素であるジョイントユニット49について図30を参照して簡単に説明する。ジョイントユニット49は、操作ハンドル部47の回動操作部材48を回転させることにより、カム等のリンク機構を介してジョイントユニット49のスライド突片50が左右方向にスライドするようになっている。スライド突片50は、薄板状に形成され、スライド時の進行方向が傾斜辺となっている。
しかして、操作ハンドル部47の回動操作部材48を遊技者が回動操作すると、回転軸が回動し、それにつれてカム等のリンク機構を介してスライド突片50が一方向(図30の場合には、図示の右側方向)にスライド移動する。そして、このジョイントユニット49のスライド突片50のスライド移動が、打球発射装置250のスライド杆258に伝達されて打球発射装置250の付勢バネ257(図36参照)の張力を調節し、もって打球槌252の付勢力の強弱を調整して遊技者の望む打球の弾発力を得ることができる。なお、ハンドル装置90と打球発射装置250との関係については、打球発射装置250についての説明の後で詳細に説明する。
[1−3.本体枠]
次に、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置250と、賞球を払い出すための賞球タンク300とタンクレール部材320と球通路ユニット330と賞球ユニット350と満タンユニット380と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置400と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット450と、後面開口196を覆うカバー体500と、等の各種の部品が装着される本体枠3について、図面を参照して説明する。
まず、図31〜図33を参照して、上記した各種の部品が装着される本体枠3自体について説明する。図31は、部品を取り付ける前の本体枠3の背面から見た斜視図であり、図32は、部品を取り付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図33は、部品を取り付けた本体枠3の背面から見た斜視図である。
図32において、本体枠3の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具152及び下軸支金具158(共に図32参照)を取り付けるための軸支金具取付段部150,151が形成され、この軸支金具取付段部150,151に上軸支金具152及び下軸支金具158を取り付けた状態では、本体枠3の上辺及び側辺が上軸支金具152の上辺及び側辺とほぼ同一平面状となり、本体枠3の下辺及び側辺が下軸支金具158の下辺及び側辺とほぼ同一平面状となっている。ここで、上軸支金具152と下軸支金具158について、より詳細に説明すると、上軸支金具152は、本体枠3の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン153が立設固定され、その軸ピン153の側方に扉軸支穴154が穿設されている。一方、下軸支金具158は、本体枠3の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板155,156が一体的に突設されている。下方に位置する支持板155は、本体枠3を外枠2の下支持金具155に支持するための枠支持板155を構成するものであり、上方に位置する支持板156は、扉枠5の下開閉金具52を本体枠3に支持するための扉支持板156を構成するものである。このため、枠支持板155に外枠2の下支持金具18の支持突起21を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板156に扉枠5の下開閉金具52に突設される軸ピン(図示しない)を挿入するための軸支穴157が穿設されている。
ところで、本体枠3は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部159(図32参照)となっており、その遊技盤設置凹部159の下方のやや奥まった領域が板部160となっている。まず、板部160の構成について図31及び図32を参照して説明する。板部160の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部161となっており、その遊技盤載置部161のほぼ中央に、当該載置部161に遊技盤4を載置したときに遊技盤4に形成されるアウト口206(図34参照)の下面を支持する通路支持突起162が突設されている。
また、図32に示すように、板部160の前面の中央部から開放側の端部に向かって発射レール163がビス止め固定されている。また、発射レール163の先端位置に対応する板部160の前面には、レール接続部材164が突設され、遊技盤設置凹部159に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の外滑走面202の下流端である接続通路部209(図34参照)と隣接するようになっている。また、レール接続部材164の側方位置(発射レール163と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具165が回動自在に固定されている。即ち、遊技盤固定具165は、前記遊技盤載置部161に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具165を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤を取り外す場合には、遊技盤固定具165を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。
また、板部160の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部166が形成されており、この発射装置取付部166に本体枠3の裏面から打球発射装置250が固定されている。発射装置取付部166の前面壁部分には、前述したジョイントユニット49のスライド突片50と連携されるスライド部材(図示しない)が収納されるハンドル連結窓168が形成されている。また、発射装置取付部166の開放端側の斜め上方の板部160の前面に錠装置400のシリンダー錠404が貫通するシリンダー錠貫通穴167(図31参照)が開設されている。
一方、板部160の裏面には、図31に示すように、軸支側の上部から板部160の中央部分に向けて延設された後下方に向かう球抜排出通路169が形成されている。この球抜排出通路169は、後述する球抜接続通路377(図32参照)から排出される遊技球をパチンコ遊技機1の下方から島の内部に排出するためのものである。また、上述した発射装置取付部166の上方には、円柱状の案内突起170が後方に向かって突設され、この案内突起170に後述する基板ユニット450の案内孔481(図45参照)が差し込まれて基板ユニット450の取付けを容易にしている。また、基板ユニット450をビスで取り付けるための取付穴部171が板部160の左右上下に形成され、この取付穴部171に基板ユニット450の取付片469を対応させてビスで止着する。また、発射装置取付部166の凹状の内部には、打球発射装置250を取り付けるための発射装置取付ボス173が後方に向かって突設され、更に、開放側の最下端部には、本体枠3を外枠2に対して閉じる際に、下部前面カバー板6の上面に当接しながら本体枠3の閉止動作を案内するために先端が先細状で縦長形状の案内突片172が後方に向かって突設されている。
板部160には、以上説明した構成以外に、図31に示すように、軸支側の端部上面に前記球抜排出通路169の上流端の開口である球抜接続開口174が形成されている。この球抜接続開口174に球抜接続通路377の下流端が接続されるようになっている。また、球抜接続開口174に隣接する部分は、後に詳述する満タンユニット380(図32参照)を載置するための満タンユニット載置部175が板部160と直交するように水平状に形成され、その満タンユニット載置部175の前方部分に満タンユニット380の係合片386(図42参照)と係合するユニット係合溝176が形成されている。更に、図32に示すように、満タンユニット載置部175の前方の板部160の前面には、扉枠5の開放時に満タンユニット380の出口384から排出される賞球を堰き止める出口開閉装置390が設けられている。この出口開閉装置390については、詳細に説明しないが、扉枠5が閉じているときには、扉枠5の裏面に当接するレバーによって開閉板が下降した状態となっているが、扉枠5が開放されるとレバーへの当接がなくなるため開閉板が上昇して出口384を閉塞するものである。このため、扉枠5の開放時においても満タンユニット380内に貯留された賞球が出口384から零れ落ちることがない。
次に、遊技盤設置凹部159の構成について説明する。遊技盤設置凹部159は、正確には、図32に示すように、上辺部と開放側の一部に遊技盤4を収納しない前向きの鍔面部分があり、上辺部の鍔面部分には特に何も形成されていないが、開放側の鍔面部分には、錠装置400の扉枠用フック部405が貫通する扉用フック穴186が上中下の3箇所開設されている。つまり、開放側の鍔面部分の裏面に錠装置400が固定されている。
しかして、遊技盤設置凹部159は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される段差状側面壁180により、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。なお、段差状側面壁180は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が僅かな段差をもって後方にほぼ真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が後方に向かうにしたがって内側に傾斜する傾斜段差状(図5参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の段差状側面壁180を後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、段差状側面壁180の最後端部が外枠2の側枠板13の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の段差状側面壁180が内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。それと同時に開放側の段差状側面壁180の前端辺部に沿って錠装置400が取り付けられるが、その取付けを段差状側面壁180の途中(前方の第1段目の段差の後面)に設けられる錠取付穴184(図31参照)を利用して行うため、その錠取付穴184を形成するためにも開放側の段差状側面壁180を傾斜段差状に形成したものである。更に、段差状側面壁180の段差の寸法も、前記錠取付穴184が形成される位置の段差は、後述する遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それより後方の段差は、極めて小さな段差となっている。もちろん、段差状側面壁180は段差を形成することなく連続的な傾斜側面壁として形成してもよい。
そして、上記した段差状側面壁180は、本実施形態の場合、4段で約135mmとなっている。特に、段差状側面壁180の第1段目までの段差は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの3段の段差によって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。つまり、段差状側面壁180は、第1段目が遊技盤4の厚さとほぼ同じ奥行寸法を有する前側面壁を構成し、第2段目〜第4段目は、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁を構成するものである。特に、本実施形態の場合には、図5に示すように、第2段目〜第4段目の段差状側面壁180のすべての部位の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク300の遊技球を貯留する貯留部の後面壁302とほぼ同じ位置となるように形成されている。これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第2段目〜第4段目の段差状側面壁180によって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、図31に示すように、段差状側面壁180の後端辺からは背面から見てその左辺、上辺及び右辺に、左後面壁181、上後面壁182及び右後面壁183がそれぞれパチンコ機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。右後面壁183は、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット330と賞球ユニット350とが着脱自在に取り付けられるようになっている。したがって、右後面壁183の内側(後面開口196側)への突出幅は、球通路ユニット330と賞球ユニット350とを取り付ける幅があれば充分である。また、上後面壁182は、その後面にタンクレール部材320が取り付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。したがって、上後面壁182の内側(後面開口196側)への突出幅は、傾斜状に取り付けられるタンクレール部材320の高さ幅寸法があれば充分である。更に、右後面壁914には、その後面に後述するカバー体500を軸支するカバー体支持筒部195が形成されている。したがって、右後面壁194の内側(後面開口196側)への突出幅は、カバー体支持筒部195を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、段差状側面壁180の後端辺から内側に向かって突設される左後面壁181、上後面壁182及び右後面壁183の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第2段目〜第4段目の段差状側面壁180によって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、左後面壁181、上後面壁182及び右後面壁183の内側は、後面開口196となっており、この後面開口196が後述するカバー体500によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
次に、遊技盤設置凹部159の更に詳細な構成について説明すると、前述したように、開放側の平面部分には、錠装置400の扉枠用フック部405が貫通する扉用フック穴186が上中下の3箇所開設されているが、その上下の扉用フック穴186のさらに上中下に錠装置400の後述する係止突起403が係合される錠係止穴185(図31参照)が形成されている。また、開放側の段差状側面壁180に沿って錠装置400が取り付けられるが、その取付けをビスで行うための錠取付穴184(図31参照)が段差状側面壁180の1段目の後端部の上部と中程に形成されている。なお、錠装置400のビスによる取付けは、上部と中程だけではなく、前記シリンダー錠貫通穴167の上方近傍に形成される錠取付穴(図示しない)とを対応させてビスで止着することにより、錠装置400の下方も取り付けられるようになっている。
また、図31に示すように、段差状側面壁180の裏側上辺前方の左右には、本体枠3を外枠2に対して閉止する際に、外枠2の上枠板10の内周面と当接する案内円弧突起189が突設され、段差状側面壁180の後端辺中央に後述する賞球タンク300の切欠部303と連通する逃げ凹部188が形成され、段差状側面壁180の1段目と2段目とを接続する垂直面にタンク取付溝187が形成されている。そして、このタンク取付溝187に賞球タンク300の取付鍔部309を取り付けたときには、図33に示すように、賞球タンク300の切欠部303が逃げ凹部188と連通して賞球タンク300内に貯留された遊技球の球圧が増加したときに圧抜きして球詰まりが発生しないように機能する。また、賞球タンク300を本体枠3に取り付けたときには、平面視で賞球タンク300の正面側から見て奥側の後面壁302がほぼ一致(図5参照)するようになっている。なお、上記した案内円弧突起189は、本体枠3の上辺を外枠2の上枠板10の内周面と当接させることにより、本体枠3を持ち上げて本体枠3の下辺と下部前面カバー板6との間に隙間を形成し、その隙間から不正器具を挿入するような不正行為を防止するためのものでもある。
また、前述した上後面壁182には、タンクレール部材320を取り付けるためのレール係止溝190が後面開口196の開口縁に沿って形成されており、また、段差状側面壁180後端縁と上後面壁182の屈曲部にレール係止溝191が形成されている。そして、これらレール係止溝190,191にタンクレール部材320の係止突片326,327(図39参照)を係止させることにより、タンクレール部材320を本体枠3に取り付けることができる。また、タンクレール部材320を取り付けたときの下流側に対応する上後面壁182の上部には、レール掛止弾性片192が形成され、レール係止溝190,191にタンクレール部材320の係止突片326,327を係止させて、タンクレール部材320を本体枠3に取り付けたときに、その係止状態が外れないようにレール掛止弾性片192がタンクレール部材320の下流側上端の上から当接するようになっている。タンクレール部材320を取り外すときには、レール掛止弾性片192を後方へ押圧しておいてからレール係止溝190,191と係止突片326,327との係止状態を解除すべくタンクレール部材320を上方に持ち上げればよい。
また、右後面壁183には、図31に示すように、ほぼ右後面壁183に左右両端に垂直状の立壁193を立設し、その立壁193の間に球通路ユニット330と賞球ユニット350とが取り付けられる。ただし、後面開口196側の立壁193は、右後面壁183の下方に形成される切欠部のやや上方までしか形成されていないのに対し、反対側の立壁193は、右後面壁183の側辺から下辺にかけてL字状に形成されている。
また、左右の立壁193の間の最上流部から中流部よりやや上方まで、球通路ユニット330を取り付けたときに、該球通路ユニット330の球落下通路332(図39参照)に対応する球案内突起や、球通路ユニット330をビスで止着するための取付ボスや、位置決めするための位置決めピンが突設されると共に、後述する球切れスイッチ333(図40参照)に対面するスイッチ対応突起が突設されている。更に、左右の立壁193の中流部から下流部にかけて賞球ユニット350を取り付けるための係合部等も形成されている。また、右後面壁183の開放側の端部には、カバー体500の開放側の端辺が入り込むカバー体当接溝194が形成されている。
以上、遊技盤設置凹部159及び板部160とからなる本体枠3の構成について説明してきたが、上記に説明した以外に、本体枠3の構成として、図32に示すように、軸支側の段差状側面壁180の内周の上下に遊技盤4の位置決め凹部211(図34参照)が係合される盤位置決め突起197が形成される。
本体枠3は、上記したように、遊技盤4、打球発射装置250、賞球タンク300、タンクレール部材320、球通路ユニット330、賞球ユニット350、満タンユニット380、錠装置400、基板ユニット450及びカバー体500が取り付けられるが、以下、これらを順次説明する。
[1−4.遊技盤]
遊技盤4の構成について図34及び図35を参照して説明する。図34は、遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図35は、遊技盤4の背面図である。なお、遊技盤4には、図46に示す機能表示基板613からなる機能表示装置が取り付けられるものもあるが、図示の実施形態においては、機能表示装置は、取り付けられていない。
図34において、遊技盤4は、ほぼ正方形状の木製のベニヤ盤200と、該ベニヤ盤200の前面に遊技領域205を囲むように取り付けられる飾り枠201と、から構成されている。ベニヤ盤200の表面には、装飾セルともいわれる装飾板が貼付されると共に遊技領域205に各種の遊技装置や多数の障害釘(いずれも図示省略)が植立されている。そして、それらの遊技装置や障害釘が設けられた後に飾り枠201がベニヤ盤200の前面に取り付けられるが、その飾り枠201は、ベニヤ盤200の周囲を囲むように内部が円形の空洞状に形成され且つ外形がベニヤ盤200の外形に沿った形状に形成されており、その下辺中程から上辺の中心を過ぎた斜め上方までの円弧面が外滑走面202として形成され、その外滑走面202の終端に設けられる衝止部208の下部位置から上辺の前記衝止部208の対称の逆流防止部材204が設けられる位置までが内滑走面203として形成されている。外滑走面202は、その始端部に前記発射レール163の延長状に設けられたレール接続部材164に連接する接続通路部209が斜め状に形成されており、その接続通路部209に隣接してファール口207が形成されている。また、ファール口207の上流端から衝止部208までの外滑走面202には、金属製のレールが密着して取り付けられている。なお、衝止部208は、勢いよく外滑走面202を滑走してきた打球が衝突したときに、その衝突した打球を遊技領域205の内側に反発させるようにゴムや合成樹脂の弾性体が設けられるものであり、逆流防止部材204は、一端発射されて遊技領域205の内側に取り入れられた打球が再度外滑走面202に逆流しないように防止するものである。
また、内滑走面203の下部中央には、アウト口206が設けられ、そのアウト口206から逆流防止部材204までの内滑走面203と外滑走面202との間は、発射された打球が遊技領域205まで誘導される誘導通路を構成するものであるが、遊技領域205に到達せずに外滑走面202を逆流した打球はファール口207に取り込まれて後述する満タンユニット380(図42参照)に導かれて再度貯留皿36に排出されるようになっている。なお、遊技領域205は、実質的に内滑走面203によって囲まれる領域である。なお、機能表示基板613からなる機能表示装置が設けられる遊技盤4にあって、その機能表示装置の配設位置は、内滑走面203の外側であって図34の右側の証紙貼付部214のややアウト口206寄りの位置である。
ところで、遊技盤4の一側には、本体枠3に形成される前記盤位置決め突起197に嵌合する位置決め凹部211が形成され、遊技盤4の他側には、本体枠3に形成される前記盤止め具挿入穴(図示しない)に挿入される遊技盤止め具210が設けられている。遊技盤止め具210は、押し込み固定したときにその端部が盤止め具挿入穴に挿入されるようになっている。しかして、遊技盤4を本体枠3に固定するためには、本体枠3の前面側から位置決め凹部211が盤位置決め突起197に嵌合するように斜め方向から差し込んだ後、遊技盤4の全体を本体枠3の段差状側面壁180に押し込み、その状態でフリーな状態となっている遊技盤止め具210を押し込み固定してその端部を盤止め具挿入穴に挿入して固定する。その後、遊技盤固定具165を回動して遊技盤4の下部前面を固定する。これによって遊技盤4を本体枠3に簡単に装着することができる。遊技盤4を取り外すには、上記の手順と逆の手順で取り外せばよい。
また、遊技盤4の外形形状は、その上部左右に前記扉枠5の裏面に設けられるスピーカ53の後方突出部分を受け入れるようにスピーカ用切欠部212が形成され、また、ファール口207の側方斜め下に後述する満タンユニット380の出口384の直前の通路部分の一部が挿入される通路用切欠部213が形成されている。また、飾り枠201の下方左右には、証明確認用の証紙を貼付する証紙貼付部214が設けられている。
一方、遊技盤4の裏面には、遊技領域205に設けられる各種の遊技装置(例えば、大入賞口装置や一般入賞口等の入賞口)に入賞した遊技球を下流側に整列して誘導する入賞空間形成カバー体215が取り付けられており、その入賞空間形成カバー体215の裏面に遊技領域205のほぼ中央に配置される表示装置としての液晶表示器(図46に「625」の符号のみ表示)の表示を制御する液晶制御基板610(図46参照)や、各種ランプ及びスピーカ53等を制御するサブ統合基板609(図46参照)等が収納される演出制御基板ボックス216が取り付けられている。
更に、遊技盤4の裏面には、入賞空間形成カバー体215の下方に盤用基板ホルダー217が固定されている。この盤用基板ホルダー217は、その前方に前記入賞空間形成カバー体215によって整列誘導された入賞球を集めるように空間部(この空間部は、前後方向の幅が入賞空間形成カバー体215の幅よりも比較的広いものとして形成されている。)が形成され、その空間部の底面に落下口(図示しない)が形成されている。この落下口は、前記アウト口206の後面部分で合流して後述する基板ユニット450に形成されるアウト球通路468(図45参照)に連通するものである。また、盤用基板ホルダー217には、その裏面に遊技動作を制御する主制御基板を収納する遊技制御基板ボックス218と、後述する基板ユニット450に設けられる払出制御基板ボックス455(図44参照)に内蔵される払出制御基板603(図46参照)や電源基板ボックス453に内蔵される電源基板(図示しない)等と接続するための中継端子板219と、が取り付けられている。中継端子板219には、遊技盤4を本体枠3に装着するだけで自動的に前記基板ユニット450に設けられるドロワコネクタ477,478と接続されるドロワコネクタ220,221が設けられている。また、盤用基板ホルダー217には、ドロワコネクタ220,221の間から中継端子板219を貫通するように後方に向かって突出する接合案内突起222が形成されている。この接合案内突起222は、後に詳述するように遊技盤4を本体枠3に装着する作業を行ったときに、基板ユニット450側に設けられるドロワコネクタ477,478と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ220,221とが自然に接続されるように基板ユニット450の枠用基板ホルダー451に形成される接合案内孔479に挿入される(図45参照)ものである。
[1−5.打球発射装置]
打球発射装置250について図36を参照して説明する。図36は、打球発射装置250の全体の斜視図(A)、発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)である。図において、打球発射装置250は、発射ベース枠251に打球槌252を回動自在に軸支すると共に、その打球槌252に往復回動を付与する発射モータ617(図36に図示しないがモータカバー270の内部に固定されている。ただし、図46に「617」として符号のみ表示。)を発射ベース枠251に取り付け、さらに打球槌252に復帰する付勢力を付与する付勢バネ257の付勢力を調節するスライド杆258及びスライド部材271が発射ベース枠251に設けられることにより構成される。
より詳細に説明すると、発射ベース枠251は、合成樹脂によって横長な長方形状に成型されるものであり、そのほぼ中心に打球槌252が回動自在に軸支され、その上部及び側方に打球槌252の発射原点位置を規制するゴムストッパー部材266,267が取り付け固定されている。即ち、ゴムストッパー部材266,267は、打球槌252が付勢バネ257の付勢力により発射原点位置に戻ったときに打球槌252の衝撃を受け止めるものである。また、発射ベース枠251の後方(発射レール163の下方に対応する部位の反対側)の上部に横長細溝状のスライド案内孔262が形成され、そのスライド案内孔262の下方にスライド部材271が左右方向に移動可能に収納配置されている。スライド案内孔262は、後述するスライド杆258の後端上部に突設される案内係止片263が挿入されてスライド杆258のスライド移動を案内するものである。なお、スライド杆258の前方部分も図示しないが左右方向にスライドするように案内されている。
また、発射ベース枠251の上辺には、前記打球槌252に対応する側方に、前記扉枠5の貯留皿36の下流側の打球供給口61に臨んで設けられている供給揺動片62と当接する作動片268が揺動自座に設けられており、この作動片268は、打球槌252の往復動作に連動して供給揺動片62を揺動させ、供給揺動片62の揺動動作により打球供給口61から流出する打球を1個ずつ発射レール163の発射位置に供給するようになっている。更に、発射ベース枠251には、発射モータ617を内蔵するモータカバー270を止着するためのモータ取付ボス269が後方下部に2箇所と前方上部に1箇所の合計3箇所に突設されていると共に、スライド杆258をスライドさせるためにスライド部材271と連結される揺動片264がその下端を軸支されて設けられている。
上記した発射ベース枠251には、打球発射装置250の剛性を高めるために金属プレート261がほぼ密着するように取り付けられている。また、揺動片264は、縦長杆状に形成され、その中程にスライド部材271の連結凸部が挿入されるやや縦長穴形状の連結穴が形成されている。このため、揺動片264は、スライド部材271のスライドに伴って下端を中心にしてその上方部分が揺動するようになっている。
また、金属プレート261の上部前面には、横長杆状のスライド杆258が左右方向にスライド可能に取り付けられる。即ち、スライド杆258の後方上部に突設されるL字状の案内係止片263を金属プレート261のスライド案内孔262に貫通係合させることにより、スライド杆258が金属プレート261を介して発射ベース枠251にスライド可能に装着される。また、スライド杆258には、その一端(後端)に上述した揺動片264の当接部265と当接する被当接部260が形成され、その他端(前端)に付勢バネ257の一端の係止輪を掛け止めるためのバネ係止部259が突設されている。
また、前記打球槌252の軸受の軸には、打球槌252の下端部が固着されると共に同時にベース板254が固着される。ベース板254には、その前方裏面側に前記作動片268と当接する作動片当接部(図示しない)が突設され、その前方前面に付勢バネ257の他端の係止輪を掛け止めるためのバネ係止部256が突設され、さらにその後方前面に発射モータ617のモータカム(図示しない)と係脱するモータ当接突片255が突設されている。打球槌252の上端には、合成樹脂製の槌先253が固着されており、この槌先253が発射レール163の下端部の発射位置に突入するように臨んでいる。
一方、発射ベース枠251の前述したモータ取付ボス269には、モータカバー270に収納された発射モータ617が取り付けられる。より具体的には、図36(B)に示すように、モータカバー270は、内部に発射モータ617を収納するように形成された円筒部と、該円筒部の前方に拡大して前記モータ取付ボス269に取り付けるための取付固定穴が形成される取付部と、が一体的に形成され、円筒部の内部に収納される発射モータ617のモータ軸の先端にモータカムとが固定されている。また、モータカムは、一般的に採用されている勾玉状に形成されており、発射モータ617の回転に伴いモータ当接突片255と間欠的に係脱しながら打球槌252を往復動作させる。なお、モータカバー270をモータ取付ボス269に取り付けたときには、図36(A)に示すように、打球発射装置250の主たる構成が後面から見て被覆されたような状態となっている。
上記したスライド部材271と打球発射装置250の付勢バネ257の強弱を調整する関係について説明すると、スライド部材271が移動しない初期位置にあるときには、該スライド部材271に連結された揺動片264がほぼ垂直状態となっている。このため、揺動片264と当接しているスライド杆258も付勢バネ257の付勢力により一方向に付勢された状態で揺動片264の当接部265とスライド杆258の被当接部260とが当接した状態となっている。この状態では、付勢バネ257の張力が極めて弱いので、打球槌252が発射モータ617の回転に従動して往復回動しても、打球槌252の復帰力も弱く、発射位置にある打球が弾発されても遊技盤4の遊技領域205に到達することはない。
一方、スライド部材271が初期位置からスライド移動したとき、揺動片264が下端を軸として揺動して傾動するため、当接部265と被当接部260との当接によりスライド杆258が他方向に向かってスライド移動する。すると、スライド杆258のバネ係止部259に係止されている付勢バネ257に徐々に張力が付与されて伸びた状態となる。この状態では、付勢バネ257に強い張力が付与されているので、打球槌252が発射モータ617の回転に従動して往復回動したときの打球槌252の復帰力が強くなり、発射位置にある打球が強く弾発されて遊技盤4の遊技領域205に到達する。そして、この打球の弾発力の強弱は、スライド部材271のスライド量に応じて調整することができる。
上記したように、スライド部材271を移動させることにより、打球発射装置250による弾発力を調整することができるが、このスライド部材271の移動は、前述したハンドル装置46の操作ハンドル部47の回動操作部材48の回動操作に応じて移動するジョイントユニット49のスライド突片50の移動と連動するようになっている。この点について図30を参照して説明する。
前述したように、ハンドル装置46の操作ハンドル部47の回動操作部材48を回転させることにより、ジョイントユニット49のスライド突片50がスライド移動することになる。スライド突片50は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、本体枠5の発射装置取付部166に形成されるハンドル連結窓168を貫通してスライド部材271の後面内部に挿入されるようになっている。この場合の挿入状態は、スライド突片50が一方向に向かってスライド移動すると、スライド部材271も同一方向に向かってスライド移動することになる。スライド部材271のスライド移動に伴ってスライド杆258もスライド移動するので、付勢バネ257の付勢力を調整することができる。つまり、ハンドル装置46の回動操作部材48を回動操作することにより、打球発射装置250の打球の弾発力を調整することができるものである。
ところで、本実施形態においては、ハンドル装置46が扉枠5に設けられ、打球発射装置250が本体枠3に設けられているので、扉枠5を開閉する毎にハンドル装置46のスライド突片50と打球発射装置250のスライド部材271とが連携したり離れたりすることになる。しかし、本実施形態においては、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じることにより、スライド突片50がスライド部材271の後面内部に自動的に挿入されてハンドル装置46と打球発射装置250とが連携され、逆に、本体枠3に対して扉枠5を開放することにより、スライド突片50がスライド部材271の後面内部から離れてハンドル装置46と打球発射装置250とを分離することができるので、極めて簡単に扉枠5の開閉に伴ってハンドル装置46と打球発射装置250との連携・分離を行うことができる。
[1−6.賞球タンク]
次に、本体枠3の裏面上部に取り付けられる賞球タンク300について、主として図37を参照して説明する。図37は、賞球タンク300の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク300は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝187(図31参照)に着脱自在に取り付けられるものである。しかして、賞球タンク300は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ遊技機1の正面側から見て、その前面壁301に切欠部303が形成され、その底面が一方から他方に傾斜する第1傾斜底面304と次に説明する排出口306に向かって傾斜する第2傾斜底面305とによって形成されている。また、その第2傾斜底面305の傾斜下端に排出口306が形成されるが、この排出口306は、パチンコ遊技機1の正面側から見て賞球タンク300の後面壁302よりも外側に突出するように形成されている。また、賞球タンク300の前面壁301の両端外側には、前記タンク取付溝187と係合する取付鍔部309が形成されていると共に、賞球タンク300の底面の裏面側に本体枠3の前記段差状側面壁180に載置当接する載置当接片307,308が突設され、さらに、賞球タンク300の上流側の後面壁302の下部に後述する球ならし部材321を取り付けるための球ならし取付軸311が突設されている。また、排出口306を除く賞球タンク300の後面壁302及び上流側側壁には、遊技球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材310が着脱自在に取り付けられるようになっている。
上記のように構成される賞球タンク300においては、本体枠3のタンク取付溝187に対して取付鍔部309を上方から差し込むように取り付け、載置当接片307,308を本体枠3の段差状側面壁180に当接させる。これによって、賞球タンク300が本体枠3の裏面側上部に載置して取り付けられるが、この取り付けられた状態においては、図33に示すように、前面壁301の切欠部303と本体枠3の裏面に形成された逃げ凹部188とが連通し、また、図5に示すように、排出口306が次に説明するタンクレール部材320の上流端部に臨むようになっている。したがって、賞球タンク300において、遊技球を貯留する貯留部(第1傾斜底面304及び第2傾斜底面305に対応する貯留空間部分)の前後方向の幅は、本体枠3の段差状側面壁180の第2段目から第4段目までの前後方向の幅とほぼ同じとなるように形成されると共に、それらの段差状側面壁180の上部に載置されるようになっている。しかして、前述したように、本体枠3の段差状側面壁180の第2段目から第4段目までは、遊技盤4の周辺部の後方突出空間を覆うように深く形成されているので、その段差状側面壁180の上部に載置される賞球タンク300の貯留部の深さは、従来の貯留タンクにくらべて浅く形成されているものの、賞球が貯留されて重量が増加しても賞球タンク300の全体を本体枠3の段差状側面壁180で支持しているので、傾斜底面402,403が変形することなく貯留された遊技球をスムーズに排出口306に導くことができる。また、排出口306が賞球タンク300の後面壁302から外側に外れた位置に設けられているため、貯留部に貯留された遊技球の流れが第2傾斜底面305から外側に向かって流れるように構成されている。このため、従来のように傾斜底面の一部に開口を設けて排出口としていた賞球タンクに比べて、排出口近傍の貯留部に球詰まり解消のための球崩し部を突出形成することなく球詰まりが発生し難い構造とすることができる。
[1−7.タンクレール部材]
上記した賞球タンク300の下方に配置されるタンクレール部材320について主として図38及び図39を参照して説明する。図38は、賞球タンク300、タンクレール部材320、球通路ユニット330、賞球ユニット350、及び満タンユニット380の関係を示すパチンコ遊技機1の背面側から見た斜視図であり、図39は、賞球タンク300、タンクレール部材320、球通路ユニット330、賞球ユニット350、及び満タンユニット380の関係を示すパチンコ遊技機1の正面側から見た斜視図である。
タンクレール部材320は、前述したように、本体枠3の上後面壁182のレール係止溝190,191(図31参照)に着脱自在に取り付けられるものである。そのため、タンクレール部材320には、その後面側の側面の左右辺及び下辺にレール係止溝190に上から差し込まれる複数の係止突片326が突設されると共に、その後面側側面の上辺中央にレール係止溝191に上から掛け止められる鉤状の係止突片327が突設されている。しかして、タンクレール部材320は、上面が開放した傾斜樋状に形成され、その上流端上面が賞球タンク300の排出口306に臨み、その下流端下面が後に詳述する球通路ユニット330に臨んでいる。また、タンクレール部材320の内部は、図5に示すように仕切壁328によって遊技球が2列に整列して流下する通路となっている。
また、タンクレール部材320の中流域のやや下流側に重錘を有する卵形状の球ならし部材321が揺動自在に設けられている。この球ならし部材321は、前述した賞球タンク300の球ならし取付軸311に揺動自在に軸支されるものであり、タンクレール部材320の2列のそれぞれの通路内に向かって垂下され、各通路を流下する遊技球が上下方向に複数段で流下してきたときに1段となるように整流するものである。また、球ならし部材321の設置位置より下流側のタンクレール部材320の上面が球押え板322によって被覆されている。この球押え板322は、球ならし部材321によって1段とならなかった遊技球を強制的に1段とするように傾斜円弧状に形成されるものである。更に、タンクレール部材320の下流端部には、それぞれの通路に臨んで一対の整列歯車324が軸ピン325によって回転自在に軸支されている。この整列歯車324は、外周に複数の歯が形成され、一対の整列歯車324の歯のピッチが半ピッチずつずれるようにして軸ピン325に固定されている。このため、タンクレール部材320の各通路を流下してきた遊技球の上部が整列歯車324の歯と噛み合いながら下流側に流下するときに2列の通路の遊技球が交互に1つずつ送られることになる。なお、整列歯車324は、その上面を円弧状の歯車カバー323によって被覆されている。
[1−8.球通路ユニット]
上記したタンクレール部材320から一列状に落下される遊技球を賞球ユニット350に導くための球通路ユニット330について、主として図38乃至図40を参照して説明する。図38及び図39は、前述したとおりであり、図40は、本体枠3と球通路ユニット330及び賞球ユニット350との関係を示す分解斜視図である。
球通路ユニット330は、ほぼ長方形状の板材の裏面(背面から見える面を表面という。)に屈曲した一対の屈曲通路壁331によって球落下通路332が形成されている。この球落下通路332は、図40に示すように、その上流が前後方向(背面から見て奥行方向)に屈曲する前後屈曲通路部と、該前後屈曲通路部に連通して左右方向(背面から見て左右方向)に屈曲する左右屈曲通路部と、該左右屈曲通路部に連通してほぼ垂直状となっている垂直通路部とからなっている。また、垂直通路部を構成する一方の屈曲通路壁331に切欠部が形成され、その切欠部に上端が支軸によって軸支される球切れ検出片334が揺動自在に取り付けられている。この球切れ検出片334の側方には、球切れスイッチ333が取り付けられ、球切れスイッチ333のアクチュエータが球切れ検出片334に当接している。
しかして、球落下通路332の垂直通路部に遊技球が存在しているときには、垂直通路部に存在する遊技球によって球切れ検出片334が押圧されてアクチュエータを押して球切れスイッチ333をONとするが、垂直通路部に球詰まりや球欠乏により遊技球が存在しなくなると球切れ検出片334が垂直通路部内に向かって揺動するので、アクチュエータが球切れスイッチ333をOFFとする。球切れスイッチ333がOFFになると、後述する賞球ユニット350の払出モータ364の回転が停止して賞球の払出が停止されるようになっている。更に、球通路ユニット330には、その一側中程にカバー体500の係合片502(図3参照)と係合するカバー体係合溝335が形成されている。
[1−9.賞球ユニット]
次に、上記した球通路ユニット330の下流側に配置される賞球ユニット350について、主として図38乃至図41を参照して説明する。図38乃至図40は、前述した通りであり、図41は、払出モータ364と払出部材としてのスプロケット356との関係を説明するための背面図である。
図41において、賞球払出機構としての賞球ユニット350は、一対の屈曲通路壁352によって球通路を構成する屈曲通路353、賞球通路359、及び球抜通路360が形成されるユニットベース体351と、該ユニットベース体351の後面を覆うカバー板の上部表面(後面側)に取り付けられる賞球ユニット内中継端子板(図示しないが、図46に符号「626」のみ表示)を覆う中継基板カバー375(図38参照)と、前記ユニットベース体351の後面を覆うカバー板のほぼ中央表面領域(後面側領域)に設けられるギヤ群367,368,369及び検出円盤370(回転伝達部材)を被覆するギヤカバー376(図38参照)とから構成されている。以下、これらの構成を順次説明する。
図41に示すように、ユニットベース体351に形成される屈曲通路壁352は、ユニットベース体351の上部中央から下流側のほぼ中程まで遊技球の直径よりもやや大きな間隔で突設されるが、その中程から下流側に大きく左右に分かれて中程から下流端までユニットベース体351の両端辺の側壁を兼ねている。また、中程の屈曲通路壁352が大きく左右に分かれた部分は、球送り回転体としてのスプロケット356が配置される振分空間355を構成し、その振分空間355の下部からユニットベース体351の下流端までに左右に分かれた前記屈曲通路壁352の対をなすように通路区画壁358が突設形成されている。つまり、中程から下流側の左右の屈曲通路壁352と通路区画壁358とによって振分空間355から左右に2つの通路が構成されることなり、一方の通路が賞球通路359を構成し、他方の通路が球抜通路360を構成している。なお、通路区画壁358も左右に大きく分かれており、その分かれた通路区画壁358の内側に払出モータ364を収納するモータ収納空間363が形成されている。即ち、払出モータ364は、球通路(屈曲通路353、賞球通路359、球抜通路360)を避けた位置であって当該球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間363に収納固定される。なお、屈曲通路353は、該通路353内に停留する遊技球のスプロケット356への圧力を弱めるために蛇行状に形成されて振分空間355に到達しているが、その振分空間355の上流側の底面に楕円形状の開口354が形成されている。この開口354は、屈曲通路353内に入った小さなゴミ等を貯留するもので、賞球ユニット350を本体枠3から取り外したときに溜まったゴミ等を取り出すことができるようになっている。
また、上記した振分空間355には、外周に遊技球が嵌り合う複数(図示の場合は、3つ)の凹部が形成された払出部材としてのスプロケット356が回転軸357を中心に回転自在に配置される。また、振分空間355の底部を構成する通路区画壁358の上端部は、スプロケット356の回転円弧に沿った凹円弧状に形成され、その一方に形成される賞球通路359の上流部には、計数スイッチ361が着脱自在に装着されている。計数スイッチ361は、先端部に遊技球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、その後端部の形状と合致する取付部を屈曲通路壁352で形成することにより、簡単に着脱自在に取り付けられるものである。なお、計数スイッチ361からの配線(図示しない)は、賞球ユニット内中継端子板626に接続されるようになっている。更に、賞球通路359を構成する屈曲通路壁352の下流側には、当該賞球通路359を閉塞する通路蓋板(図示しない)を係止する係止爪362が複数形成されている。
また、ユニットベース体351の下方であって賞球通路359と球抜通路360との間には、払出モータ364を収納する円形状のモータ収納空間363が形成されるが、このモータ収納空間363の内部に払出モータ364の円筒状本体が収納されるようになっている。ただし、払出モータ364は、その前面に形成される一対の取付片365によってユニットベース体351の後面を覆うカバー板の下方に取り付けられるアルミ放熱板(図示しない)の裏面側にビスで固着されるようになっている。そして、払出モータ364がユニットベース体351の後面を覆うカバー板のアルミ放熱板に取り付けられた状態で、払出モータ364のモータ軸366は、アルミ放熱板に穿設された軸挿通穴を貫通して第1ギヤ367が固着されるようになっている。また、ユニットベース体351の後面を覆うカバー板及びアルミ放熱板でユニットベース体351の後面側を被覆することにより、上記した屈曲通路353、賞球通路359、及び球抜通路360が形成される奥行幅方向の空間内に払出モータ364の円筒状本体部分も収納配置されることになる。そして、払出モータ364を収納するモータ収納空間363と前述したスプロケット356が配置される振分空間355とが、上下方向の極めて近い位置関係に形成されているため、ユニットベース体351の上下方向の長さを短くすることができ、結果的に賞球ユニット350のコンパクト化を図ることができる。
次に、ユニットベース体351の後面を覆うカバー板に設けられるギヤ367,368,369、及び検出円盤370について説明する。前述したように、払出モータ364のモータ軸366の先端は、ユニットベース体351の後面を覆うカバー板のアルミ放熱板に穿設される軸挿通穴を貫通してユニットベース体351の後面を覆うカバー板の表面(後面側)に突出しており、その突出した部分に第1ギヤ367(駆動ギヤ、歯数Z1=30)が固着されている。第1ギヤ367の上方には、該第1ギヤ367と噛合する第2ギヤ368(回転伝達ギヤ、歯数Z2=30)が回転自在に設けられ、その第2ギヤ368の上方には、該第2ギヤ368と噛合する第3ギヤ369(回転伝達ギヤ、歯数Z3=20)が回転自在に設けられている。更に、第3ギヤ369の上方には、該第3ギヤ369と噛合するギヤ部(従動ギヤ、歯数Z4=34)を有する検出円盤370が前記スプロケット356を軸支する回転軸357に回転自在に設けられている。また、回転軸357は、振分空間355においてスプロケット356を回転自在に軸支し、ユニットベース体351の後面を覆うカバー板とギヤカバー376とによって形成される空間において検出円盤370を回転自在に軸支している。ただし、スプロケット356の後端部が検出円盤370の中心前面部と係合した状態となっているので、スプロケット356と検出円盤370とは、回転軸357を中心として一体的に回転するようになっている。したがって、払出モータ364が回転駆動すると、その回転が第1ギヤ367、第2ギヤ368、第3ギヤ369、検出円盤370のギヤ部を介して、スプロケット356を回転するように伝達される。
ここで、スプロケット356の回転速度は、第1ギヤ367、第2ギヤ368、第3ギヤ369、検出円盤370のギヤ部によって、払出モータ364の回転速度を減速したものとなる。この減速比nは、機構学による計算により、第1ギヤ497の歯数Z1(=30)/検出円盤370のギヤ部の歯数Z4(=34)に設定されている。本実施形態では、払出モータ364は48ステップで1回転する4相ステッピングモータであるため、スプロケット356が1回転するには、払出モータ364が約54ステップ回転することとなる。この場合、払出モータ364は1ステップで7.5度(=360度/48ステップ)回転し、スプロケット356は払出モータ364の1ステップで約6.6度(7.5度×減速比n)回転することとなる。
検出円盤370の外周は、ギヤ部の円よりも一回り大きく形成されており、そのギヤ部よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット356の凹部と同じ数(図示の場合には、3個)の検出切欠371が形成されている。この検出切欠371は、ユニットベース体351の後面を覆うカバー板の表面に支持されるセンサ基板372に設けられる投受光方式の回転角スイッチ373(回転位置検出手段)によって検出されるものである(回転角スイッチ373の検出信号は、コネクタ374に接続される配線を介して賞球ユニット内中継端子板626に伝わる)。そして、回転角スイッチ373は、払出動作時において所定時間内に検出切欠371の検出個数を検出することにより、スプロケット356が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、回転角スイッチ373により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット356による球噛み状態)には、スプロケット356を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球噛み状態)を解消するものである。なお、実際に払いだされた遊技球の個数は、前述した賞球通路359に設けられる計数スイッチ361によって検出して計数のために使用している。
ここで、上述したように、検出切欠371は、スプロケット356の凹部と同じ数の3個であり、検出円盤370の外周に等分(120度ごと)に形成されている。また、払出モータ364は、第1ギヤ367、第2ギヤ368、第3ギヤ369、検出円盤370のギヤ部を介してスプロケット356の回転となる。払出モータ364が約54ステップ回転することでスプロケット356が1回転するため、検出円盤370(スプロケット356)の各検出切欠371間(120度)の回転は、払出モータ364の18ステップ(=約54ステップ/3)の回転となる。
以上、賞球ユニット350の構成について説明してきたが、ユニットベース体351とユニットベース体351の後面を覆うカバー板と賞球ユニット内中継端子板626の中継基板カバー375とギヤカバー376とを組み付けた状態においては、払い出すべき遊技球が導かれる屈曲通路353の下方位置に払出モータ364の円筒状の本体部分が収納されるように位置する。また、ユニットベース体351には、球通路(屈曲通路353、賞球通路359、球抜通路360)内に配置されたスプロケット356と、球通路を避けた位置であって球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間363に収納された払出モータ364と、を設け、ユニットベース体351の後面を覆うカバー板には、その非閉塞面側に沿って払出モータ364のモータ軸366の回転をスプロケット356の回転軸357に伝達する回転伝達部材(第1ギヤ367、第2,3ギヤ368,369、及び検出円盤370のギヤ部)を設け、しかも、払出モータ364と屈曲通路353の振分空間355に配置される払出部材としてのスプロケット356とをユニットベース体351の後面を覆うカバー板の後面に設けられる複数のギヤ367,368,369,370(ギヤ部)によって回転駆動するように連結した構造となっている。即ち、ユニットベース体351とユニットベース体351の後面を覆うカバー板との間に形成される球通路(屈曲通路353、賞球通路359、球抜通路360)の奥行き幅内にスプロケット356と払出しモータ465とを収納し、しかも、スプロケット356と払出モータ364とを連結する回転伝達部材(第1ギヤ367、第2,3ギヤ368,369、及び検出円盤370のギヤ部)をユニットベース体351の後面を覆うカバー板の非閉塞面側の所定幅内に沿って設けたので、球通路の外側に払出モータやスプロケットの一部を配置したものに比べて、賞球ユニット350を薄型化することができる。また、このような賞球ユニット350は、当該賞球ユニット350内の球通路(屈曲通路353、賞球通路359、球抜通路360)が一条の通路形状で形成されることにより、より一層の薄型化が図られている。即ち、従来のように、払出モータ364を賞球ユニットの前面側又は後面側又は側方側に突出させるものと異なり、本体枠3の右後面壁183の後面側に取り付けたときに、賞球ユニット350のいずれの部分もさらに後方に向かって突出することがない構造とすることができる。そして、このような構造により、本実施形態では、賞球ユニット350が取り付けられる本体枠3の右後面壁183と遊技盤4の裏面との間に、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部分を収納する収納空間を奥行き幅方向で大きくとることができる。
[1−10.満タンユニット]
上記した賞球ユニット350の下流側に配置される満タンユニット380について、主として図42を参照して説明する。図42は、賞球ユニット350と満タンユニット380との関係を示す斜視図である。満タンユニット380は、前述したように本体枠3の満タンユニット載置部175に載置固定されるものであり、上面が開放したボックス状に形成されるボックス主体381と、該ボックス主体381の上面を覆うカバー体382とから構成されている。ボックス主体381は、賞球通路359の下流端から流入した遊技球が内部をジグザグ状の通路に誘導されて出口384から排出されるようになっている。そして、このジグザグ状の通路の途中に満タン揺動板(図示しない)が揺動自在に設けられ、この満タン揺動板の揺動を満タンスイッチ383によって検出している。また、前記出口384の一側方にファール球入口385が形成されている。このファール球入口385は、前述したファール口207に連通しているため、ファール口207に取り入れられたファール球は、ファール球入口385から満タンユニット380内に取り込まれた後、前記ジグザグ状の通路の下流部で合流して出口384及び賞球排出口59を通って貯留皿36に戻される。また、ボックス主体381には、前記出口384の両側方と前記ファール球入口385の一側方に前記満タンユニット載置部175に形成されるユニット係合溝176に係合される係合片386が突設されている。
上記のように構成される満タンユニット380においては、賞球ユニット350の賞球通路359から払出された遊技球が内部のジグザグ状の通路を流下して出口384から賞球排出口59を通って貯留皿36に導かれる。また、ファール球入口385から入ったファール球もジグザグ状の通路の下流部で合流し、出口384から賞球排出口59を通って貯留皿36に導かれる。そして、貯留皿36に賞球が貯留されて満タンユニット380内にも遊技球が充満してきたときには、貯留された球の圧力により満タン揺動板が揺動して満タンスイッチ383をONとする。満タンスイッチ383がONすると、賞球ユニット350の払出モータ364の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。
上記したように、本実施形態に係る満タンユニット380においては、本体枠3の満タンユニット載置部175に着脱自在に取り付けるものであるため、従来のように、満タン装置を本体枠に形成された払出通路の内部に組み付けるものに比べて、本体枠に満タン構造のための通路を形成する必要がない。また、満タンユニット380の内部をジグザグ状の通路とすることにより、賞球ユニット350の賞球通路359から払出された遊技球の勢いを弱めながら貯留皿36に誘導することができるので、払い出された賞球が貯留皿36から外に飛び出すこともない。更に、本実施形態に係る満タンユニット380は、ファール球が賞球を払い出す通路の下流側で遊技球の勢いを弱めて合流されるようになっているので、賞球の流れを阻害することなくファール球を合流させることができる。
[1−11.錠装置]
次に、本体枠3の開放側の裏側端辺に沿って垂直方向に取り付けられる錠装置400について主として図43を参照して説明する。図43は、錠装置400と本体枠3との関係を示す背面斜視図である。錠装置400は、本体枠3の開放側の段差状側面壁180に沿って本体枠3のほぼ上端から下端にかけて取り付けられるものであり、本体枠3の外周側辺と段差状側面壁180の立ち上がり部との間の上下端近い部分及び中程に形成される複数(図示の場合、3個)の錠係止穴185と、段差状側面壁180の垂直面の上部と中程に切り欠けられて形成される錠取付穴184とシリンダー錠貫通穴167の上部近傍に形成される錠取付穴(図示しない)と、によって次に説明する錠装置400のコ字状基体401が支持固定されるものである。
錠装置400は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体401と、該コ字状基体401の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆(図示しない)と、前記コ字状基体401内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆(図示しない)と、からなる。コ字状基体401は、金属を断面コ字状となるように折り曲げ、その内部に扉枠用摺動杆と本体枠用摺動杆とを摺動可能に設けるものであるが、その横幅寸法は従来の断面L字状に成形された基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これは、前述したように遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁180で囲まれる空間を大きくしたため、側面壁180と本体枠3の外周辺との間の寸法が極めて小さくなっていることにより、本実施形態に係る錠装置400の横幅寸法を小さく形成して錠装置400を本体枠3の裏側に取り付けることができるような取付構造として改良したためである。そして、コ字状基体401の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取り付けられるため、錠装置400が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆と本体枠用摺動杆とが、それぞれのフック部405,406を除いてコ字状基体401に完全に被覆された状態の不正防止構造となっている。
まず、コ字状基体401の開放側と反対の閉塞側上下に本体枠用摺動杆のフック部406が貫通されると共に、閉塞側であって段差状側面壁180と密着する側面401b上部と中程に水平方向にビス止め部402が突設され、更に、コ字状の開放側の段差状側面壁180と密着しない側面401aの上端部及び中間部と、開放側の両側面401a,401bの下端部に係止突起403が突設形成されている。ビス止め部402と係止突起403は、錠装置400を本体枠3の裏面に取り付けるためのものであり、係止突起403を本体枠3の錠係止穴185に差し込んで上方に移動させ、その状態でビス止め部402と錠取付穴184とが一致するため、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置400を本体枠3に強固に固定することができる。なお、錠装置400のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部402だけではなく、前記シリンダー錠貫通穴167の上方近傍に形成される錠取付穴にビスで止着することにより、錠装置400の下方も取り付けられるようになっている。
また、その取り付けに際し、コ字状基体401の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起403を錠係止穴185に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体401の閉塞側(後方部)の上中の2箇所に形成されたビス止め部402を錠取付穴184にビスで固定する構造であるため、錠装置400の前方部を係止突起403と錠係止穴185で係止し、錠装置400の後方部をビス止め部402と錠取付穴184で固定し且つ錠装置400の下方部を図示しないビス止め穴と錠取付穴で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置400を本体枠3に強固に固定することができるものである。換言するならば、錠装置400を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体401に集約して構成した場合でも、錠装置400の前方部と後方部との係止及び固定により、錠装置400を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起403がコ字状基体401の段差状側面壁180と密着しない側面401aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部402及びビス止め穴がコ字状基体401の段差状側面壁180と密着する側面401bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が段差状側面壁180と密着する側面401bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置400を本体枠3に固定することができるものである。
更に、コ字状基体401の下方部には、その開放側の本体枠3の段差状側面壁180と密着する側面401bの前端部にシリンダー錠404が取り付けられている。シリンダー錠404の錠軸には、図示しない係合カムが固定されており、この係合カムが上下の2箇所に枠用フック部406を有する本体枠用摺動杆と、上中下の3箇所に扉枠用フック部405を有する扉枠用摺動杆とにそれぞれ係合するようになっている。
上記のように構成される錠装置400においては、本体枠3が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態で、外枠2の閉鎖用突起22,23と本体枠用摺動杆の枠用フック部406とが係止し且つ扉枠用摺動杆の扉枠用フック部405と扉枠5のフック係止片58とが係止した状態となっている。その状態でシリンダー錠404に図示しない鍵を差し込んで一方向に回動すると、係合カムと本体枠用摺動杆とが係合して当該本体枠用摺動杆が下方に向かってスライド移動し、外枠2の閉鎖用突起22,23と本体枠用摺動杆の枠用フック部406とが係止状態が解除されるため、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。なお、本体枠3を閉じる場合には、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、枠用フック部406が自動的に閉鎖用突起22,23と係止した状態となる。
一方、シリンダー錠404に図示しない鍵を差し込んで他方向に回動すると、係合カムと扉枠用摺動杆とが係合して当該扉枠用摺動杆が上方に向かってスライド移動し、扉枠5のフック係止片58と扉枠用摺動杆の扉枠用フック部405とが係止状態が解除されるため、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。なお、扉枠5を閉じる場合には、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部405が自動的にフック係止片58と係止した状態となっる。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆は、コ字状基体401の全長とほぼ同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体401が本体枠3の縦方向の側面のほぼ全長に亘って取り付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部405が扉枠用摺動杆の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているため、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠が確実に行われ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないという利点もある。
上記したように、本実施形態に係る錠装置400は、シリンダー錠404に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。なお、シリンダー錠404に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆610のフック部406にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させる不正行為が行われることがあるが、本実施形態において、図示は省略するが、このような不正行為を行うことができないように不正防止機能が備えられている。
[1−12.基板ユニット]
次に、本体枠3の裏面下部に取り付けられる基板ユニット450について、主として図44及び図45を参照して説明する。図44は、基板ユニット450を背面側から見た斜視図であり、図45は、基板ユニット450の背面側から見た分解斜視図である。
基板ユニット450は、本体枠3の裏面下部に複数形成されるホルダー用の取付穴部171(図31参照)に取り付けられるものであり、合成樹脂成形された枠用基板ホルダー451に、扉中継基板452、電源基板ボックス453、端子基板ボックス454、払出制御基板ボックス455、主ドロワ中継基板457、及び副ドロワ中継基板458の各種基板を取り付けることにより構成されている。上記の基板のうち、扉中継基板452、電源基板ボックス453、端子基板ボックス454、及び払出制御基板ボックス455は、枠用基板ホルダー451の後面側に前後方向に重複して取り付けられ、主ドロワ中継基板457及び副ドロワ中継基板458は、枠用基板ホルダー451の前面側に取り付けられるものである。電源基板ボックス453に収納される電源基板は+34V、+18V及び+9Vを作成して供給するため極めて高温な熱源となっており、電源基板から発せられた熱が上昇する。このため、払出制御基板603(図46参照)を収納する払出制御基板ボックス455を電源基板ボックス453の上面に重複して取り付けることによって、その上昇する熱を受けずに済むようになっている。なお、払出制御基板ボックス455の裏面には、電源基板等からの電磁波の影響を防止すると共に電源基板から発せられる熱を放熱するために金属製のシールド放熱板456が取り付けられ、また、主ドロワ中継基板457及び副ドロワ中継基板458は、基板カバー459に被覆されて取り付けられている。以下、基板ユニット450を構成する各部材について詳細に説明する。
なお、本実施形態におけるシールド放熱板456は、特に、電源基板ボックス453の上面から熱が発せられた熱を外部(外気)に放熱するために、図45に示すように、シールド放熱板456の板面が凹凸状の凹凸面として形成されている。シールド放熱板456によって払出制御基板603に伝達される熱を小さく抑えることができる。凹凸面によって外部(外気)との接触面積を増加させて放熱効果を高めるものである。また、凹凸面は、設置したときに熱が放熱し易いように垂直状若しくは傾斜状に形成することが望ましい。もちろん、シールド放熱板456に凹凸面を形成しても電磁波に対するシールド効果が損なわれることはない。シールド放熱板456は電源基板等からの電磁波の影響を防止する。これにより、電磁波によるノイズの影響を抑えることができるため、ノイズの影響による払出制御基板ボックス455に収納された払出制御基板603の誤動作を防止することができる。また、このシールド放熱板456のシールド放熱機能は、電源基板ボックス453と払出制御基板ボックス455との間だけではなく、枠用基板ホルダー451に他の複数の基板ボックスが重複して取り付けられる場合には、その下側に位置する基板ボックスと上側に位置する基板ボックスとの間に、本実施形態と同じシールド放熱板456を設けることによっても奏されるものである。
まず、枠用基板ホルダー451は、横長状に合成樹脂で成形され、図45に示すように、その後面側一側部(図45において右側部)に配線用開口470が形成され、該配線用開口470内側に扉中継基板452を取り付けるための中継基板用凹部460が形成されている。この中継基板用凹部460は、ほぼ正方形状の扉中継基板452の外形に合致するように正方形状の凹部として形成され、この中継基板用凹部460内の上下辺には、扉中継基板452の裏面を支える当接突部463が突設されると共に、中継基板用凹部460に扉中継基板452を収納した状態で扉中継基板452の一側縦辺の表面と係止する止め爪461が形成されている。また、中継基板用凹部460の外側寄りの上下には、電源基板ボックス453の一端辺に形成される係合係止穴474に係合されて図示しないビスで止着するための取付ボス462が突設されている。
また、枠用基板ホルダー451の後面側において、上記した中継基板用凹部460よりも中央寄りに内部に通す配線を係止して纏めるための配線処理片464が形成されている。この配線処理片464は、垂直面に対して側方から見たときにL字状に突出形成されるもので、その垂直面とL字状突片との間に配線を掛け止めるようになっている。更に、枠用基板ホルダー451の前記中継基板用凹部460の上部からほぼ中央よりやや他端側に近い部分までが電源基板ボックス453を取り付けるための領域(次に説明する右側の低い領域)となっており、その上下辺に電源基板ボックス453の裏面と当接する当接突部465が突設されている。したがって、この電源基板ボックス取付領域に電源基板ボックス453を当接突部465に当接するように取り付けた状態では、電源基板ボックス453の裏面と枠用基板ホルダー451の垂直面との間に空間が形成され、この空間内に基板相互を接続する配線が収納されることになり、この収納された配線を係止して纏めるものが前記配線処理片464である。
なお、電源基板ボックス453を取り付ける領域の他端辺から枠用基板ホルダー451の他端辺(図45において左側辺)までは、後方への突出量が大きく形成されている。つまり、枠用基板ホルダー451は、背面から見たときに、中央よりやや左側の位置で左側が高く右側が低い段差状に形成されており、その右側の低い領域が前記電源基板ボックス453を取り付けるための領域(以下、「電源基板ボックス取付領域」という場合がある。)となっている。そして、この電源基板ボックス取付領域の他端辺側には、電源基板ボックス453の他端辺上下に突設される挿入突起473が挿入される挿入口(図示省略)が形成されている。このため、電源基板ボックス453を取り付けるためには、挿入突起473を挿入口に差し込んだ後、電源基板ボックス453の一端辺上下に形成される係合係止穴474を取付ボス462に上から差し込んで図示しないビスで止着することにより、電源基板ボックス453を枠用基板ホルダー451に固定することができる。
更に、枠用基板ホルダー451の背面側において、上記した段差状の高い領域は、払出制御基板ボックス455を取り付けるための領域(以下、「払出制御基板ボックス取付領域」という場合がある。)の一部を構成するものであり、この段差状の高い領域の一部には、横L字状の凹状の配線引き廻し空間466が形成されている。この配線引き廻し空間466の底面には、配線用開口(図示省略)が形成されており、前記電源基板ボックス取付領域内の配線処理片464に掛け止められた配線を配線引き廻し空間466及び配線用開口から枠用基板ホルダー451の前面側に引き出すようになっている。また、払出制御基板ボックス取付領域の他端側(図45の左端部側)には、払出制御基板ボックス455の係合弾性片480が係合するための係止突部467が突設形成されている。
一方、枠用基板ホルダー451の前面側において、枠用基板ホルダー451の前面側のほぼ中央にアウト球通路468が逆さL字状に形成されている。このアウト球通路468は、前述したアウト口206(図34参照)、球抜排出通路169(図31参照)の下流側、及び盤用基板ホルダー217に形成される落下口(入賞玉が集合して落下する口)と対応するように上方が幅広く形成され、下流側が球を列状に排出するように幅狭く形成されている。したがって、基板ユニット450を本体枠3に取り付けたときには、アウト球通路468の幅広上流部がアウト口206の下面を支持する通路支持突起162の後方に位置するようになっている。そして、アウト球通路468の下流端からアウト球や入賞球、あるいは球抜き球がパチンコ遊技機の外部(一般的に、島の回収樋)に向かって放出されるものである。
また、枠用基板ホルダー451の前面側であって前記払出制御基板ボックス取付領域に対応する前面側には、その上方領域に主ドロワ中継基板457と副ドロワ中継基板458とを横方向に所定間隔を空けて並列状に取り付けるドロワ取付領域が形成されている。ドロワ取付領域には、それぞれの中継基板457,458を取り付けた状態で基板カバー459が各中継基板457,458を被覆するようにとりつけられる。基板カバー459には、そのほぼ中央上下に接合案内孔479と案内孔481が穿設されている。この接合案内孔479は、遊技盤4を本体枠3に装着する作業に伴って、基板ユニット450側に設けられるドロワコネクタ477,478(ホルダー側コネクタ)と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ220,221(遊技盤側コネクタ)とが自然に接続されるように遊技盤4の盤用基板ホルダー217に形成される接合案内突起222(図35参照)が挿入されるものである。一方、案内孔481は、基板ユニット450を本体枠3に取り付ける際に、本体枠3に突設される前記案内突起170(図31参照)が挿入されるもので、基板ユニット450の位置決めを行うと共に装着作業の容易化を図っているものである。また、枠用基板ホルダー451の左右両辺及び下辺には、基板ユニット450を本体枠3に取り付けるための取付片469が外側に向かって突設され、該取付片469を本体枠3の前記取付穴部171(図31参照)に対応させて図示しないビスで止着することにより、基板ユニット450が本体枠3の背面下部に取り付けられる。
枠用基板ホルダー451の構成は、概ね上記した通りであるが、そのような構成を有する枠用基板ホルダー451に取り付けられる各種の基板の構成について説明する。まず、枠用基板ホルダー451の後面側の前記中継基板用凹部460に装着される扉中継基板452について説明すると、扉中継基板452には、多ピンコネクタ形式の内部接続端子471と扉枠用接続端子472とが設けられている。扉枠用接続端子472は、枠用基板ホルダー451にすべての基板を取り付けた状態においても、背面から見て外部から視認できるようになっており、扉枠5に設けられるランプ及びLEDからなる電飾部品やスピーカ等の扉枠用配線が配線用開口470を通って扉枠用接続端子472に接続されるものである。また、内部接続端子471は、副ドロワ中継基板458と内部配線(図示しない)によって接続されるものである。ただし、この内部配線は、前述した配線処理片464及び配線引き廻し空間466、配線用開口を敷設されるように枠用基板ホルダー451の内部に設けられている。
また、枠用基板ホルダー451の後面側の前記電源基板ボックス取付領域に取り付けられる電源基板ボックス453は、図示しない電源基板を収納するものであるが、その一端部の上下に前記取付ボス462と係合する係合係止穴474が一体的に形成され、その他端部の上下に枠用基板ホルダー451に形成される図示しない挿入口に挿入される挿入突起473が一体的に形成されている。また、電源基板ボックス453の収納される電源基板は、その一部(図45において右端部分)が電源基板ボックス453から外部に露出しており、その露出している電源基板上に、図示しないが電源スイッチと電源線コネクタとCRユニット電源コネクタと複数個のアース用コネクタと払出制御基板用電源コネクタとが設けられている。電源スイッチは、パチンコ遊技機1の全ての電気機器に電源を供給するためのスイッチであり、パチンコ遊技機1を使用する際にONとするものである。また、電源線コネクタは、島内に供給されている交流24V(AC24V)の電源用配線からの電源配線を接続したり、パチンコ遊技機1に帯電したノイズ等を外部にフレームグランドとしてアースしたりするためのコネクタである。CRユニット電源コネクタは、図示しないパチンコ島台にパチンコ遊技機1と隣接して設置されているCRユニット8(図2及び図3参照)への電源を供給したりするためのコネクタである。アース用コネクタは、パチンコ遊技機1に設けられる帯電防止用の種々のアース線が電気的に接続されており、パチンコ遊技機1に侵入したノイズ等を、電源線コネクタを介して、外部にアースするためのコネクタである。具体的には、扉枠5(補強板54〜57)からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタと電気的に接続され、タンクレール部材320を流下する遊技球からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタと電気的に接続され、賞球ユニット350からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタと電気的に接続され、CRユニット8からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタと電気的に接続されている。これらのフレームグランドは、電源線コネクタのフレームグランドと電気的に接続されており、このフレームグランドを介して、パチンコ遊技機1の外部にアースされる。更に、払出制御基板用電源コネクタには、電源供給用配線が接続され、該電源供給用配線が払出制御基板603の電源用端子に接続されている。そして、この電源供給用配線により、払出制御基板603を介して他の制御基板(例えば、演出制御基板ボックス216に収納される液晶制御基板や遊技制御基板ボックス218に収納される主制御基板)等に電源を供給するようになっている。なお、電源供給用配線は、払出制御基板用電源コネクタから前記配線引き廻し空間466に導かれ払出制御基板ボックス455の裏面から後方に引き出されて電源用端子に接続されるようになっている。つまり、この電源供給用配線も枠用基板ホルダー451の内部に敷設された状態となっている。
ところで、電源基板ボックス453の後面は、段差状に形成され、その段差の高い領域が端子基板ボックス454を取り付けるための取付領域となっており、段差の低い領域が払出制御基板ボックス455を取り付けるための取付領域の一部となっている。また、上記した段差部のほぼ中央には、払出制御基板ボックス455の係合片(図示省略)が係合挿入される係合穴476が形成されている。 端子基板ボックス454を取り付けるための取付領域を構成する電源基板ボックス453には、端子基板ボックス454の裏面側に形成される係合片部(図示省略)と係合する取付係合穴475が形成されている。なお、端子基板ボックス454には、複数の外部情報端子と払出制御基板用端子とが設けられる外部端子板618(図46参照)と、度数表示器用端子と電源アース端子とCRユニット用端子と払出制御基板用端子とが設けられるCRユニット端子板619(図46参照)と、の2つの基板が上下方向に並列状に収納されている。外部端子板618に設けられる複数の外部情報端子は、大当り情報出力信号や始動口入賞情報出力信号等のパチンコ遊技機1の管理に必要な各種の情報信号を外部(例えば、遊技場に設置してある管理コンピュータ(ホールコンピュータ))に導出するためのコネクタであり、それらの情報信号は、主として遊技制御基板ボックス218に収納されている主制御基板602(図46参照)から主ドロワ中継コネクタ457を介して払出制御基板603(図46参照)に伝送され、さらに払出制御基板603に設けられる外部端子板用端子と前記払出制御基板用端子との接続により、最終的に複数の外部情報端子のそれぞれに伝達される。CRユニット端子板619の度数表示器用端子は、パチンコ遊技機1の、例えば貯留皿36に設けられるプリペイドカードの残度数表示部39(図2参照)、球貸操作部40(図2参照)、及び返却操作部41(図2参照)との配線が接続されるものである。また、電源アース端子は、2つのコネクタから構成され、一方のコネクタには電源基板のCRユニット電源コネクタからの配線が接続され、他方のコネクタには電源基板の複数のアース用コネクタのうちの1つのアース用コネクタからの配線が接続されるものである。更に、CRユニット用端子は、CRユニット8(図2及び図3参照)からの配線が接続されるものであり、払出制御基板603のCRユニット端子板用端子619と前記払出制御基板用端子とが接続されることにより、払出制御基板603とCRユニット8とが接続されることになる。
上記したように、端子基板ボックス454は、遊技制御基板ボックス218に収納される主制御基板602からの遊技情報を外部に導出する外部端子板618と、払出制御基板603とCRユニット8との接続を中継するCRユニット端子板619と、の両方の基板を収納するものであり、これらは従来別々の基板ボックスに収納されてパチンコ遊技機1の裏面に別々の位置に設けられていたが、本実施形態においては、1つの端子基板ボックス454に纏めて枠用基板ホルダー451に装着したものである。このため、特に、本実施形態の場合、主制御基板と外部端子板とを直接配線で接続することなく、払出制御基板603を介して接続した独特な構成を有するものとなっている。
次に、枠用基板ホルダー451の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス453に形成される取付領域とにわたって取り付けえる払出制御基板ボックス455は、電源基板ボックス453に形成される係合穴476に差し込まれる係合片(図示省略)が突設形成され、他側短辺下部には、枠用基板ホルダー451に形成される係止突部467に弾性係合する係合弾性片480が形成されている。したがって、払出制御基板ボックス455を枠用基板ホルダー451に取り付けるには、係合片を係合穴476に差し込んだ後、係合弾性片480を係止突部467に係合させることにより、簡単に取り付けることができる。そして、枠用基板ホルダー451の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス453に形成される取付領域とにわたって払出制御基板ボックス455を取り付けた状態においては、それらの取付領域内に払出制御基板ボックス455が収納された状態となり左右方向にも上下方向にも移動できないように固定された状態となっている。逆に、取り外す場合には、係合弾性片480を弾性方向と逆方向に押圧して係合弾性片480と係止突部467との係合を外して払出制御基板ボックス455を引き上げながら、係合穴476から係合片を引き抜くことにより、払出制御基板ボックス455を枠用基板ホルダー451から外すことができる。
なお、上記した払出制御基板ボックス455に収納される払出制御基板603には、図46に示すように、扉枠開放スイッチ5a、本体枠開放スイッチ3a、満タンスイッチ383、発射モータ617、賞球ユニット内中継端子板626、外部端子板618、CRユニット端子板619、ハンドル中継端子板627、をそれぞれ接続するためのコネクタと、エラーLED表示器606と、エラー解除スイッチ607と、及び球抜きスイッチ608とが設けられている。
次に、枠用基板ホルダー451の前面側に形成されるドロワ取付領域に取り付ける主ドロワ中継基板457と副ドロワ中継基板458について説明する。主ドロワ中継基板457には、遊技盤4の裏面側に取り付けられる中継端子板219に設けられる主ドロワコネクタ220(遊技盤側コネクタ;図35参照)と接続される主ドロワ中継コネクタ477(ホルダー側コネクタ;図45参照)と、払出制御基板603の内部接続端子(図示省略)と信号電源配線を介して接続される払出制御基板用コネクタ(図示省略)とが上下に設けられている。また、副ドロワ中継基板458には、遊技盤4の裏面側に取り付けられる中継端子板219に設けられる副ドロワコネクタ221(遊技盤側コネクタ;図35参照)と接続される副ドロワ中継コネクタ478(ホルダー側コネクタ;図45参照)と、扉中継基板452の内部接続端子(図示省略)と内部配線を介して接続される扉枠用コネクタ(図示省略)とが上下に設けられている。
以上、基板ユニット450の構成について説明してきたが、本実施形態の場合には、パチンコ遊技機1を駆動制御するために必要な各種の基板のうち、遊技盤4の変更に伴って交換される主制御基板及び液晶制御基板以外の基板である扉中継基板452、電源基板ボックス453に収納された電源基板、端子基板ボックス454に収納された外部端子板618、払出制御基板ボックス455に収納された払出制御基板603を、枠用基板ホルダー451に予め組み付けてユニット化し、その組み付けてユニット化した基板ユニット450を本体枠3の背面側下部に取り付けるだけの簡単な作業によって、従来別々に本体枠3の背面側に取り付けていた各種の基板取付作業に比べ、作業能率を向上することができる。また、この場合、基板ユニット450にユニット化される各基板同士の配線も枠用基板ホルダー451の内部に収めることができるので、基板同士を接続する配線が乱雑に入り乱れることがなく、整然と敷設することができる。
また、本実施形態においては、基板ユニット450の前面に主ドロワコネクタ477(ホルダー側コネクタ)を有する主ドロワ中継基板457と副ドロワコネクタ478(ホルダー側コネクタ)を有する副ドロワ中継基板458とが設けられているので、本体枠3に遊技盤4をその前面側から装着する作業に伴って、遊技盤4の裏面側に設けられる中継端子板219の主ドロワコネクタ220と副ドロワコネクタ221(遊技盤側コネクタ)がそれぞれ対応する主ドロワコネクタ477と副ドロワコネクタ478(ホルダー側コネクタ)とに接続されるので、遊技盤4の装着と基板間の接続とを同時に行うことができる。このため、遊技盤4の交換作業を手際よく行うことができる。
更に、本実施形態においては、基板ユニット450を本体枠3の裏面に固定した後に、本体枠3に設けられる各種の電気機器との配線の接続作業が必要な払出制御基板ボックス455と、外部のCRユニット8や管理コンピュータとの接続作業が必要な端子基板ボックス454と、を基板ユニット450の最も後方の視認し易い位置に並列状に配置する一方、外部との接続作業の必要性が少ない電源基板ボックス453や扉中継基板452を内部に配置しているので、複数の基板を前後方向に効率よく重複配置することができ、基板ユニット450の大きさを最小限に設計することができる。ただし、内部に配置される電源基板ボックス453や扉中継基板452においても、外部に接続される端子部分は、すべて外部から視認できるようになっているので、それらの接続作業が手探りになるという問題はない。
[1−13.カバー体]
次に、カバー体500について、図3及び図33を参照して説明する。カバー体500は、本体枠3の後面開口196を覆うものであり、その一側の上中下の3箇所に本体枠3の背面一側に形成されるカバー体支持筒部195に上方から挿入される軸支ピン501が形成され、その他側のほぼ中央に、球通路ユニット330に形成されるカバー体係合溝335と係合する係合片502が形成されている。しかして、カバー体500の軸支ピン501をカバー体支持筒部195に差し込むことにより、カバー体500を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片502をカバー体係合溝335に係止することにより、カバー体500を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる各種部品の背面を保護することができる。なお、開放する場合には、係合片502とカバー体係合溝335との係合を解除すればよい。
[2.主基板及び周辺基板]
以上説明したパチンコ遊技機1に設けられる各種制御の関係について図46を参照して説明する。図46は主基板及び周辺基板のブロック図である。パチンコ遊技機1の制御構成は、図46に示すように、主基板600のグループ及び周辺基板601のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。まず、主基板600のグループについて説明し、続けて周辺基板601のグループについて説明する。
[2−1.主基板のグループ]
主基板600のグループは、図46に示すように、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板602と、遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板603と、を備えて構成されている。
[2−1−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板602は、マイクロプロセッサとしての主制御MPU602aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート602bと、RAMクリアスイッチ602cと、を備えて構成されている。主制御MPU602aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU602aは、遊技盤上の各スイッチ611からの検出信号が主制御I/Oポート602bを介して入力されたりする。主制御MPU602aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート602bを介して遊技盤上の各ソレノイド612(ソレノイドではなくモータ等の他の電気的駆動源の場合もある。)に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート602b及び機能表示基板613を介して機能表示装置上の各図柄表示器614、各機構表示装置上の各図柄記憶ランプ615、及び確変や時短等の遊技状態を表示する状態表示ランプ616に駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU602aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンド等を主ドロワ中継基板457を介して払出制御基板603に送信したり、この払出制御基板603からのパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンド等を主ドロワ中継基板457を介して受信したりする。更に主制御MPU602aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドを主制御I/Oポート602bを介して後述する周辺基板601のサブ統合基板609に送信したりする。主制御基板602とサブ統合基板609との基板間は、図示しないハーネスより電気的に接続されている。なお、主制御MPU602aは、払出制御基板603からパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形してサブ統合基板609に送信したりする。
主制御基板602には、電源基板ボックス453に収納される電源基板から各種電圧が供給されている。この電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板602に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU602aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板602のRAMクリアスイッチ602cが操作されると、内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ602cの操作信号(検出信号)は、主ドロワ中継基板457を介して払出制御基板603にも出力されるようになっている。
また、主制御基板602には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート602bを介して主制御MPU602aに入力される他に、主ドロワ中継基板457を介して払出制御基板603等にも伝達されている。
[2−1−2.払出制御基板]
遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板603は、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部604と、発射モータ617の発射制御を行う発射制御部605と、パチンコ遊技機1の状態を表示するエラーLED表示器606と、エラー解除スイッチ607と、球抜きスイッチ608と、を備えて構成されている。
払い出しに関する各種制御を行う払出制御部604は、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU604aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート604bと、払出制御MPU604aが正常に動作しているか否かを監視する外部ウォッチドックタイマ604c(以下、「外部WDT604c」と記載する。)と、払出モータ364に駆動信号を出力する払出モータ駆動回路604dと、を備えて構成されている。払出制御MPU604aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御MPU604aは、主制御基板602からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを受信したり、主制御基板602からのRAMクリアスイッチ602cの操作信号(検出信号)が入力されたりする他に、満タンスイッチ383からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ333、計数スイッチ361及び回転角スイッチ373からの検出信号が賞球ユニット内中継端子板626を介して入力されたりする。
また、払出制御MPU604aは、主制御基板602からの払い出しに関する各種コマンドを受信すると、その受信した払い出しに関する各種コマンドに基づいて払出モータ駆動回路604dから払出モータ364に駆動信号を出力したり、球抜きスイッチ608が操作されると、この操作信号(検出信号)に基づいて前述した、賞球タンク300及びタンクレール部材320に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出モータ駆動回路604dから払出モータ364に駆動信号を出力したり、CRユニット8(図2及び図3参照)からの貸球要求信号がCRユニット端子板619を介して入力されると、この貸球要求信号に基づいて払出モータ駆動回路604dから払出モータ364に駆動信号を出力したり、満タンスイッチ383からの検出信号が入力されると、この検出信号に基づいて払出モータ駆動回路604dから払出モータ364への駆動信号を停止して払出モータ364を停止したりする。
更に払出制御MPU604aは、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器606に表示したり、その状態を示す各種コマンドを主制御基板602に送信したり、計数スイッチ361からの検出信号が入力されると、この検出信号に基づいて、実際に払い出した遊技球の球数を外部端子板618に出力したりする。この外部端子板618は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。なお、エラーLED表示器606は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ遊技機1の状態を表示している。エラーLED表示器606が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板602と払出制御基板603との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨を報知している。
発射モータ617の発射制御を行う発射制御部605は、各種信号が入力される入力回路605aと、定時間ごとにクロック信号を出力する発振回路605bと、このクロック信号に基づいて発射モータ617の回転速度を決定する基準パルスを出力する発射制御回路605cと、この発射制御回路605cからの基準パルスに基づいて発射モータ617に駆動信号を出力する発射モータ駆動回路605dと、を備えて構成されている。発射制御回路605cは、発振回路605bからのクロック信号に基づいて、1分当たり約99.95個の遊技球が遊技領域205に向けて発射されるよう発射モータ617の回転速度を制御している。つまり、前述した打球槌252の可動を制御している。
入力回路605aには、前述したハンドル装置46(操作ハンドル部47)に内蔵されたタッチスイッチ628及び発射停止スイッチ629からの検出信号が入力されている。具体的には、操作ハンドル部47の回動操作部材48に触れると、タッチスイッチ628に内蔵された接触検出基板により検出されて検出信号が入力回路605aに入力され、発射停止スイッチ629が操作されると、その検出信号が入力回路605aに入力されるようになっている。
なお、払出制御基板603には、電源基板から各種電圧が主制御基板602と同様に供給されている。この電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板603に電力を供給するキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPU604aは電源遮断時にでも払い出しに関する各種の払出情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板602のRAMクリアスイッチ602cが操作されると、内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。
[2−2.周辺基板のグループ]
周辺基板601は、図46に示すように、演出制御を行うサブ統合基板609と、多くのパチンコ遊技機1の遊技盤4に設けられる液晶表示器625の描画制御を行う液晶制御基板610と、を備えて構成されている。サブ統合基板609と液晶制御基板610との基板間は、図示しないハーネスによって電気的に接続されている。
[2−2−1.サブ統合基板]
演出制御を行うサブ統合基板609は、マイクロプロセッサとしてのサブ統合MPU609aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するサブ統合ROM609bと、高音質の演奏を行う音源IC609cと、この音源IC609cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM609dと、を備えて構成されている。
サブ統合MPU609aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート等の各種入出力ポートを内蔵しており、主制御基板602から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、ガラスユニット70Aの発光ダイオード106,108に点灯信号又は点滅信号を出力するガラスユニット点灯点滅コマンドをランプ駆動基板620に出力したり、扉枠装飾ランプ34,35,42,43に点灯信号又は点滅信号を出力する扉枠側点灯点滅コマンドをランプ駆動基板620に出力したり、遊技盤上の演出・装飾ランプ621に点灯信号又は点滅信号を出力する遊技盤側点灯点滅コマンドをランプ駆動基板620に出力したり、遊技盤上の可動装置622に駆動信号を出力する可動装置駆動コマンドをランプ駆動基板620に出力したり、音ROM609dから抽出する音情報を示す制御信号(音コマンド)を音源IC609cに出力したり、液晶表示器625に表示させる画面を示す表示コマンドを液晶制御基板610に出力したり、その表示コマンドと対応するアニメーションによる演出から実写による演出に切り替える切替点を液晶制御基板610に出力したりする。この切替点は、サブ統合ROM609bに予め記憶されている。またこのサブ統合ROM609bには、ガラスユニット点灯点滅コマンド、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド及び可動装置駆動コマンドに対応する演出用スケジュールデータや音コマンドに対応する音用スケジュールデータ等も予め複数記憶されている。演出用スケジュールデータは、発光ダイオード106,108、扉枠装飾ランプ34,35,42,43及び遊技盤上の演出・装飾ランプ621の発光態様(例えば、点灯、点滅及び階調点灯等)のほかに、遊技盤上の可動装置622の可動態様(例えば、小刻みに振動したり、視認困難な待機位置から突然出現して所定時間経過後に再び待機位置に戻ったりする等)を時系列に規定されて構成されている。音用スケジュールデータは、音の進行を時系列に規定されて構成されている。
サブ統合MPU609aから液晶制御基板610に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートを介して行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、サブ統合MPU609aからランプ駆動基板620に出力される、初期データ、ガラスユニット点灯点滅コマンド、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、及び可動装置駆動コマンドは、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
ランプ駆動基板620は、受信したガラスユニット点灯点滅コマンドに基づいて点灯信号又は点滅信号を副ドロワ中継基板458、そして中継基板100を介して発光ダイオード106,108に出力したり、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基づいて点灯信号又は点滅信号を副ドロワ中継基板458を介して扉枠装飾ランプ34,35,42,43に出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基づいて点灯信号又は点滅信号を演出・装飾ランプ621に出力したり、受信した可動装置駆動コマンドに基づいて駆動信号を遊技盤上の可動装置622に出力したりする。
更に、サブ統合MPU609aは、液晶制御基板610が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御基板610から入力されたり、前述した演出選択スイッチ37からの演出選択信号(検出信号)が副ドロワ中継基板458、そしてランプ駆動基板620を介して入力されたりする。
音源IC609cは、サブ統合MPU609aから出力された音コマンドに基づいて音ROM609dから音情報を抽出し、ランプ駆動基板620そして副ドロワ中継基板458を介してスピーカ53から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
[2−2−2.液晶制御基板]
液晶表示器625の描画制御を行う液晶制御基板610は、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU610aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM610bと、液晶表示器625を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)610cと、液晶表示器625に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM610dと、このキャラROM610dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM610eと、を備えて構成されている。
液晶制御MPU610aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート等を内蔵しており、サブ統合基板609から表示コマンドを受信すると、この受信した表示コマンドに基づいてVDP610cを制御して液晶表示器625の描画制御を行う。なお、液晶制御MPU610aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号をサブ統合基板609に出力する。
液晶制御ROM610bは、液晶表示器625に描画する画面を生成するための各種プログラムの他に、表示コマンドに対応する表示用スケジュールデータ、表示コマンドに対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。表示用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示器625に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM610dに記憶されている各種データをキャラRAM610eの後述する非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、表示用スケジュールデータの進行に従って液晶表示器625に描画される画面データを、前もって、キャラROM610dからキャラRAM610eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU610aは、サブ統合基板609から表示コマンドを受信すると、この表示コマンドに対応する表示用スケジュールデータを抽出し、この抽出した表示用スケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM610bから抽出してVDP610cに出力する。そして液晶制御MPU610aは、先頭の画面データに続く画面データを抽出してVDP610cに出力する。このように、液晶制御MPU610aは、表示用スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ、液晶制御ROM610bから抽出してVDP610cに出力する。
VDP610cは、液晶制御MPU610aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAM610eから後述するスプライトデータを抽出して液晶表示器625に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示器625に出力する。なお、VDP610cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示器625の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示器625に出力する方式である。
キャラROM610dは、極めて多くのスプライトデータを記憶しており、その容量が大きくなっている。キャラROM610dの容量が大きくなると、つまり液晶表示器625に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM610dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示器625に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM610eに、キャラROM610dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM610eからスプライトデータを抽出している。スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM610dに記憶されている。ここで、「スプライト」とは、液晶表示器625にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示器625に種々の人物を表示させる場合にはそれぞれの人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示器625に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示器625に表示される。なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示器625は、左右方向に800画素、上下方向に600画素(SVGA)を有しており、液晶表示器625の左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示器625は、液晶制御基板610から出力された1ライン分の描画データが入力されると、液晶ドライブ回路は、この1ライン分の描画データに基づいて、主走査として液晶表示器625の左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて、主走査として液晶表示器625の左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。また液晶表示器625は、インバータ基板624によって点灯されるバックライト(冷陰極管)が内蔵されている。
[3.ガラスユニットの発光ダイオード調光制御]
次に、図17に示した第2実施形態に係るガラスユニット70Aの発光ダイオード106,108の調光制御について、図48及び図49を参照して説明する。図48は、待機中における発光ダイオードの通常時点灯用輝度設定処理の一例を示すフローチャートであり、図49は、演出用スケジュールデータによる発光態様設定処理の一例を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1では、その対面に遊技者が着座して遊技を開始しない状態となると、遊技者待ちの待機中となってパチンコ遊技機1のデモンストレーション(いわゆる、「デモ」)を実行したりする。この待機中には、遊技がいつでも開始できる状態となっており、図2に示した演出選択スイッチ37を操作すると、発光ダイオード106,108の輝度レベルを調節することができるようになっている。このような発光ダイオード106,108の輝度レベルの調節は、図46に示した、サブ統合基板609のサブ統合MPU609aによる調光制御により行われている。本実施形態では、発光ダイオード106,108の輝度として通常時点灯用輝度と演出点灯用輝度との2種類が用意されている。通常時点灯用輝度には、遊技中に常用として設定される発光ダイオード106,108の輝度レベルが設定され、演出点灯用輝度には、演出用スケジュールデータに規定される発光ダイオード106,108の輝度レベルが設定される。この演出用スケジュールデータは、図46に示した、サブ統合ROM609aに予め複数記憶されており、主制御基板602からのコマンドに基づいて抽出されるようになっている。まず、待機中における発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度の設定について説明し、続いて演出用スケジュールデータによる演出点灯用輝度の設定について説明する。
[3−1.待機中における発光ダイオードの通常時点灯用輝度設定処理]
待機中における発光ダイオードの通常時点灯用輝度設定処理は、遊技中に常用として用いる発光ダイオード106,108の輝度レベルを設定する処理であり、待機中に繰り返し実行される処理である。この待機中における発光ダイオードの通常時点灯用輝度設定処理が開始されると、サブ統合基板609のサブ統合MPU609aは、図48に示すように、演出選択スイッチ37が操作されたか否かを判定する(ステップS10)。この判定では、演出スイッチ37からの操作信号が、図47に示した、扉中継基板452、副ドロワ中継基板458そしてランプ駆動基板620を介して入力されたか否かにより行う。
ステップS10で演出選択スイッチ37が操作されていないとき、つまり演出スイッチ37からの操作信号が入力されていないときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS10で演出選択スイッチ37が操作されたとき、つまり演出スイッチ37からの操作信号が入力されたときには、サブ統合MPU609aの内蔵RAMから通常時点灯用輝度として設定されている現状の輝度レベルを読み出す(ステップS12)この輝度レベルは、本実施形態では、輝度レベル1を「最弱」、輝度レベル2を「弱」、輝度レベル3を「中」、輝度レベル4を「強」、及び輝度レベル5を「最強」の5段階の輝度レベルに設定されており、輝度レベル1から輝度レベル5に向かって発光ダイオード106,108の輝度レベルが高くなるようになっている。通常時点灯用輝度として設定される輝度レベルは、輝度レベル1〜輝度レベル4の4段階となっており、輝度レベル5は演出点灯用輝度に設定される。ステップS12では、輝度レベル1〜輝度レベル4の4段階のうち、通常時点灯用輝度として設定されている現状の輝度レベルがいずれの輝度レベルに設定されているかを確認している。なお、輝度レベル5には、デューティ比が4095/4095に設定されており、視覚的にはまぶしく感じる輝度となっている。輝度レベル4には、デューティ比が1319/4095に設定されており、視覚的には輝度レベル5の輝度より弱く感じる輝度となっている。輝度レベル3には、デューティ比が538/4095に設定されており、視覚的には輝度レベル4の輝度より弱く感じる輝度となっている。輝度レベル2には、デューティ比が174/4095に設定されており、視覚的には輝度レベル3の輝度より弱く感じる輝度となっている。輝度レベル1には、デューティ比が6/4095に設定されており、視覚的には輝度レベル2の輝度より弱く感じる輝度となっている。輝度レベル1は、輝度レベル5と比べると、その輝度が極めて低くいものの、発光ダイオード106,108の発光態様を視認できる輝度となっている。
ステップS12に続いて、輝度レベルの報知処理を行う(ステップS14)。この輝度レベルの報知処理では、ステップS12で読み出した、通常時点灯用輝度として設定されている現状の輝度レベルを、図2に示した、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35との発光態様により報知するとともに、設定されている通常時点灯用輝度で発光ダイオード106,108を発光させる。具体的には、輝度レベル1の「最弱」では、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35とがともに消灯する発光態様となることによりその旨を報知し、輝度レベル2の「弱」では、装飾板32の扉枠装飾ランプ35が消灯するとともに装飾板33の扉枠装飾ランプ35が点灯する発光態様となることによりその旨を報知し、輝度レベル3の「中」では、装飾板32の扉枠装飾ランプ35が点灯するとともに装飾板33の扉枠装飾ランプ35が消灯する発光態様となることによりその旨を報知し、輝度レベル4の「強」では、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35とがともに点灯する発光態様となることによりその旨を報知するようになっている。
ステップS14に続いて、報知時間の計時を開始する(ステップS16)。ここでは、設定されている輝度レベルを報知し続けるための報知時間の計時を開始するようになっている。本実施形態では、報知時間として2秒が設定されている。
ステップS16に続いて、再び演出選択スイッチ37が操作されたか否かを判定する(ステップS18)。この判定では、ステップS10の判定と同様に、演出スイッチ37からの操作信号が、図47に示した、扉中継基板452、副ドロワ中継基板458そしてランプ駆動基板620を介して入力されたか否かにより行う。
ステップS18で演出選択スイッチ37が操作されていないとき、つまり演出スイッチ37からの操作信号が入力されていないときには、後述する報知時間の経過を判定する処理を行う一方、ステップS18で演出選択スイッチ37が操作されたとき、つまり演出スイッチ37からの操作信号が入力されたときには、輝度レベルのシフト処理を行う(ステップS20)。この輝度レベルのシフト処理では、ステップS12で読み出した輝度レベルを1つ下の輝度レベルに下げて通常時点灯用輝度として設定更新する。具体的には、ステップS12で読み出した輝度レベルが輝度レベル3であった場合には、この輝度レベル3の1つ下の輝度レベルである輝度レベル2に輝度レベルを設定する。なお、ステップS12で読み出した輝度レベルが輝度レベル1である場合には、輝度レベル4を設定する。つまり本実施形態では、ステップS20の処理を行うごとに、輝度レベル4から輝度レベル1に向かって発光ダイオード106,108の輝度レベルを1つずつ順に下がるように設定し、その輝度レベルが輝度レベル1に達すると、再び輝度レベル4に戻り、輝度レベル1に向かって1つずつ順に下がるなるように設定する。
ステップS20に続いて、輝度レベルの報知処理を行う(ステップS22)。この輝度レベルの報知処理では、ステップS20で設定された輝度レベルを、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35との発光態様により報知するとともに、ステップS20で設定更新した通常時点灯用輝度で発光ダイオード106,108を発光させる。なお、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35との発光態様による報知方法は、ステップS14の処理における報知方法と同一である。
ステップS22に続いて、報知時間のリセットを行い、報知時間の計時を再び開始する(ステップS24)。ステップS24で報知時間をリセットして報知時間を計時開始する。
ステップS24に続いて、報知時間が経過したか否かを判定する(ステップS26)。この判定では、ステップS18の判定を介してステップS16で計時開始した報知時間が経過したか否かを判定したり、又はステップS24で計時開始した報知時間が経過したか否かを判定したりする。ステップS16で計時開始した報知時間が経過したとき、又はステップS24で計時開始した報知時間が経過したときには、輝度レベルの報知終了処理を行い(ステップS28)、このルーチンを終了する。この輝度レベルの報知終了処理では、輝度レベルを報知している、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35との発光態様を、待機中の演出態様に戻す設定を行う。
一方、ステップS26で報知時間が経過していないときには、ステップS18に戻り、演出選択スイッチ37が操作されていないとき、つまり演出スイッチ37からの操作信号が入力されていないときには、再びステップS26で報知時間の経過を判定する処理を行う一方、演出選択スイッチ37が操作されたとき、つまり演出スイッチ37からの操作信号が入力されたときには、ステップS20で輝度レベルのシフト処理を行い、ステップS22で輝度レベルの報知処理を行い、ステップS24で報知時間をリセットして計時開始し、再びステップS26で報知時間の経過を判定する処理を行い、ステップS18〜ステップS26を繰り返し行う。
このように、待機中に演出選択スイッチ37が操作されると、ステップS12で発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度として設定されている現状の輝度レベルを読み出し、ステップS14で通常時点灯用輝度の輝度レベルが装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35との発光態様により報知するようになっている。つまり、待機中に演出選択スイッチ37が操作されると、まず、現時点における通常時点灯用輝度の輝度レベルを報知するようになっている。ステップS16で報知時間を計時開始してこの報知時間が経過するまでに選出選択スイッチ37が操作された場合には、ステップS24で報知時間をリセットして再び計時開始するようになっているため、選出選択スイッチ37が操作されるごとにステップS20〜ステップS24の処理を繰り返し行うことができる。これにより、報知時間が2秒という短い時間に設定されていても、選出選択スイッチ37が操作されるごとに、報知時間を繰り返し継続することができる仕組みとなっているため、通常時点灯用輝度の輝度レベルの設定期間を伸張することができる。遊技者やホール店員等は、通常時点灯用輝度の輝度レベルの設定期間という制限された期間を気にすることなく、通常時点灯用輝度の輝度レベルを設定することができる。
また、ホールの店員等や遊技者は、待機中に演出選択スイッチ37を一度操作することで、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35との発光態様によって発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度として設定されている現状の輝度レベルを確認することができるとともに、これを契機として、演出選択スイッチ37を操作するごとに、通常時点灯用輝度の輝度レベルが1つずつ順に下がったことを装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35との発光態様によって確認することができる。
[3−2.演出用スケジュールデータによる発光態様設定処理]
次に、演出用スケジュールデータによる演出点灯用輝度の設定について説明する。この演出用スケジュールデータによる演出点灯用輝度の設定は、図49に示す演出用スケジュールデータによる発光態様設定処理において行われる。この演出用スケジュールデータによる発光態様設定処理が開始されると、サブ統合基板609のMPU609aは、図49に示すように、各種ランプ系統設定処理を行う(ステップS30)。この各種ランプ系統設定処理では、主制御基板609からのコマンドに基づいてサブ統合ROM609bから演出用スケジュールデータを抽出し、この抽出した演出用スケジュールデータに従って、図2に示した扉枠装飾ランプ34,35,42,43、図17に示した発光ダイオード106,108、及び図46に示した遊技盤上の演出・装飾ランプ621等のランプ系統の発光態様の設定を行う。これにより、扉枠装飾ランプ34,35,42,43、発光ダイオード106,108、及び遊技盤上の演出・装飾ランプ621等のランプ系統の演出点灯用輝度がそれぞれ設定される。
ステップS30に続いて、演出用スケジュールデータに発光ダイオード106,108による演出が規定されているか否かを判定する(ステップS32)。この判定では、ステップS30で抽出した演出用スケジュールデータに発光ダイオード106,108による演出が規定されているか否かを判断する。
ステップS32で演出用スケジュールデータに発光ダイオード106,108による演出が規定されているときには、発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度として設定されている、上述した輝度レベルを無効化し(ステップS34)、このルーチンを終了する。ステップS34では、発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度として設定されている輝度レベルを強制的に無効化することにより、演出点灯用輝度として設定された輝度、つまり演出用スケジュールデータの発光ダイオード106,108の演出として規定されている輝度を有効化し、この演出点灯用輝度で発光ダイオード106,108を発光させる。なお、演出用スケジュールデータの発光ダイオード106,108の演出として規定されている輝度は、上述した輝度レベル5の「最強」に設定されており、演出点灯用輝度は輝度レベル5が設定される。つまり、演出点灯用輝度は、通常時点灯用輝度に設定される輝度レベル1〜輝度レベル4よりも高い輝度レベル5に強制的に設定されるようになっている。
一方、ステップS32で演出用スケジュールデータに発光ダイオード106,108による演出が規定されていないときには、そのままこのルーチンを終了する。これにより、演出用スケジュールデータに発光ダイオード106,108による演出が規定されていないときには、通常時点灯用輝度として設定されている輝度レベルで発光ダイオード106,108を発光させる。
このように、ステップS32では、演出用スケジュールデータに発光ダイオード106,108による演出が規定されているときには、発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度として設定されている輝度レベルを強制的に無効化して演出点灯用輝度として設定された輝度、つまり演出用スケジュールデータの発光ダイオード106,108の演出として規定されている輝度を有効化し、演出点灯用輝度で発光ダイオード106,108を発光させる一方、演出用スケジュールデータに発光ダイオード106,108による演出が規定されていないときには、通常時点灯用輝度として設定されている輝度レベルで発光ダイオード106,108を発光させるようになっている。つまり、待機中だけでなく、演出中に演出用スケジュールデータに発光ダイオード106,108による演出が規定されていないときには、通常時点灯用輝度として設定されている輝度レベルで発光ダイオード106,108を発光させることができるようになっている。これにより、ホールの店員等は、パチンコ遊技機1の待機中となっているときには、演出選択スイッチ35を操作して通常時点灯用輝度の輝度レベルを下げる設定を行うことで電飾である発光ダイオード106,108の省電力化を図ることができる。
また、演出中には、通常時点灯用輝度として設定することができない輝度レベル5の「最強」を演習点灯用輝度として強制的に設定して発光ダイオード106,108を発光させることができるようになっている。これにより、ホールの店員等が設定した通常時点灯用輝度の輝度レベルに関係なく、発光ダイオード106,108の発光による迫力ある演出を遊技者に提供することができる。したがって、電飾である発光ダイオード106,108による演出効果を維持しつつ電飾である発光ダイオード106,108の省電力化を図ることができる。
なお、前述した特許文献1に記載されるパチンコ遊技機では、遊技盤及び枠部(扉枠)にフルカラーの発光ダイオード等の電飾を複数配置して遊技者の興味を増大させているものの、このような電飾による煌びやかな発光がかえって遊技者にまぶしく感じさせることとなり、遊技者は、目が疲れやすくなって遊技を長時間継続することが困難となる場合もある。このため、特許文献1に記載されるパチンコ遊技機を設置したホールの店員等は、遊技者が遊技盤等に複数配置された電飾をまぶしく感じないように、電飾の一部の配線を制御基板から外したりする作業を行う必要がある。つまり、本来迫力ある演出を発揮するために配置された電飾の一部が演出として使用されないことにより、その目的を達成することが困難となるという問題が生ずる。そこで、本実施形態では、待機中となっているときに、遊技者は、発光ダイオード106,108の発光態様をまぶしく感じる場合には、演出選択スイッチ35を操作して通常時点灯用輝度の輝度レベルを変更設定することができるようになっており、演出選択スイッチ35を操作するごとに、通常時点灯用輝度の輝度レベルを下げることができる。また、演出中には、上述したように、通常時点灯用輝度として設定することができない輝度レベル5の「最強」を演出点灯用輝度として強制的に設定して発光ダイオード106,108を発光させることができるようになっている。遊技者は、遊技を開始しても演出が開始されないと、演出点灯用輝度で発光ダイオード106,108が発光しないため、遊技中において、専ら、通常時点灯用輝度で発光ダイオード106,108が発光する状態となり、目が疲れにくいし、かつ、演出が開始された際には、遊技者が待機中に設定した通常時点灯用輝度の輝度レベルに関係なく、演出点灯用輝度で発光ダイオード106,108が発光するため、発光ダイオード106,108の発光による迫力ある演出を遊技者に提供することができる。
以上説明した本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技盤4の遊技領域205を視認し得るガラス板80を具備したガラスユニット70Aを扉枠5の遊技窓30の裏面に沿って着脱自在に装着することができるようになっており、演出選択スイッチ37が設けられている。ガラスユニット70Aは、遊技窓30よりも大きな開口を有する合成樹脂で成形したユニット枠71と、このユニット枠71の開口の前後面に取り付けられるガラス板80,80と、から構成されており、ユニット枠71の開口の前後面がガラス板80,80により狭持されることによってユニット枠71の内側空間が密閉空間となっている。
ガラス板80,80に挟まれるユニット枠71の内周面には、発光ダイオード106を有するフレキシブルプリント基板105と、発光ダイオード108を有するフレキシブルプリント基板107が設けられており、これらの発光ダイオード106,108はサブ統合基板609により点灯、点滅及び階調点灯等の発光制御が行われている。
サブ統合基板609は、遊技を開始していない待機中に、演出選択スイッチ37が操作されてその操作信号が入力されると、図48の待機中における発光ダイオードの通常時点灯用輝度設定処理では、発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度を任意の輝度として輝度レベル1〜輝度レベル4のうちいずれかの輝度レベルに設定して発光ダイオード106,108を発光させている。またサブ統合基板609は、遊技における演出中に、図49の演出用スケジュールデータによる発光態様設定処理におけるステップS34の処理では、図48の待機中における発光ダイオードの通常時点灯用輝度設定処理において設定した通常時点灯用輝度を無効化して演出点灯用輝度で発光ダイオード106,108させている。
このように、遊技を開始していない待機中では、通常時点灯用輝度で電飾である発光ダイオード106,108を発光させることができるため、電飾の省電力化を図ることができるし、遊技における演出中では、待機中に設定した通常時点灯用輝度を無効化して演出点灯用輝度で電飾である発光ダイオード106,108を発光させることができるため、電飾である発光ダイオード106,108による迫力ある演出を遊技者に提供することができる。したがって、電飾による演出効果を維持しつつ電飾の省電力化を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、図48の待機中における発光ダイオードの通常時点灯用輝度設定処理は、演出選択スイッチ37からの操作信号が入力されると、この操作信号が入力されるごとに、通常時点灯用輝度を高い輝度である輝度レベル4から低い輝度である輝度レベル1に向かって設定して発光ダイオード106,108を発光させ、図49の演出用スケジュールデータによる発光態様設定処理におけるステップS34の処理は、図48の待機中における発光ダイオードの通常時点灯用輝度設定処理が設定した通常時点灯用輝度より高い輝度レベルを演出点灯用輝度として強制的に設定して発光ダイオード106,108を発光させている。このように、演出選択スイッチ37が操作されるごとに、つまり操作信号が入力されるごとに、高い輝度である輝度レベル4から低い輝度である輝度レベル1に向かって順に設定して発光ダイオード106,108を発光させることができるため、演出選択スイッチ37の次操作後における、発光ダイオード106,108を発光させる輝度を予測しやすい。これにより、演出選択スイッチ37を連続操作した際に、操作しすぎて希望とする輝度と大きく外れるおそれが少なくなるため、このような輝度設定の作業時間を抑えることができ、数百台のパチンコ遊技機が設置される一般的なホールでは、その営業開始前における各種設定の作業時間の短縮化に寄与することができる。また、通常時点灯用輝度より高い輝度レベルである輝度レベル5を演出点灯用輝度として強制的に設定して発光ダイオード106,108を発光させることができるため、電飾である発光ダイオード106,108による迫力ある演出を遊技者に提供することができる。
更に、本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技盤4の遊技領域205を視認し得るガラス板80を具備したガラスユニット70Aを扉枠5の遊技窓30の裏面に沿って着脱自在に装着することができるようになっており、演出選択スイッチ37が設けられている。ガラスユニット70Aは、遊技窓30よりも大きな開口を有する合成樹脂で成形したユニット枠71と、このユニット枠71の開口の前後面に取り付けられるガラス板80,80と、から構成されており、ユニット枠71の開口の前後面がガラス板80,80により狭持されることによってユニット枠71の内側空間が密閉空間となっている。
ガラス板80,80に挟まれるユニット枠71の内周面には、発光ダイオード106を有するフレキシブルプリント基板105と、発光ダイオード108を有するフレキシブルプリント基板107が設けられており、これらの発光ダイオード106,108はサブ統合基板609により点灯、点滅及び階調点灯等の発光制御が行われている。このサブ統合基板609は、遊技を開始していない待機中に、演出選択スイッチ37が操作されてその操作信号が入力されると、演出選択スイッチ37が操作されるごとに、つまり操作信号が入力されるごとに、発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度を、高い輝度である輝度レベル4から低い輝度である輝度レベル1に向かって設定する一方、遊技における演出中に、演出選択スイッチ37の操作の有無にかかわらず、つまり演出選択スイッチ37からの操作信号の入力の有無にかかわらず、発光ダイオード106,108の演出点灯用輝度を通常時点灯用輝度として設定した輝度レベル1〜輝度レベル4よりも高い輝度レベル5に強制的に設定する。サブ統合基板609は、待機中では通常時点灯用輝度で発光ダイオード106,108を発光させる一方、演出中では通常時点灯用輝度を無効化して演出点灯用輝度で発光ダイオード106,108を発光させている。
このように、遊技を開始していない待機中では、演出選択スイッチ37が操作されるごとに、発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度を高い輝度から低い輝度に向かって設定する一方、遊技における演出中では、演出選択スイッチ37の操作にかかわらず、発光ダイオード106,108の演出点灯用輝度を通常時点灯用輝度として設定した輝度レベル1〜輝度レベル4より高い輝度レベル5に強制的に設定するようになっている。これにより、待機中では通常時点灯用輝度で電飾である発光ダイオード106,108を発光させることができるため、電飾の省電力化を図ることができるし、演出中では通常時点灯用輝度として設定した輝度レベル1〜輝度レベル4よりも高い輝度レベル5が設定された演出点灯用輝度で電飾である発光ダイオード106,108を発光させることができるため、電飾による迫力ある演出を遊技者に提供することができる。したがって、電飾による演出効果を維持しつつ電飾の省電力化を図ることができる。
[4.別例]
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、待機中に演出選択スイッチ37を操作すると、発光ダイオード106,108の輝度レベルを調節する際に、その輝度レベルを装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35との点灯による発光態様により報知していたが、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35とにフルカラータイプのランプを用いて発光色による発光態様により報知してもよい。例えば、輝度レベル1の「最弱」では、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35とがともに赤色で発光する発光態様となることによりその旨を報知し、輝度レベル2の「弱」では、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35とがともに緑色で発光する発光態様となることによりその旨を報知し、輝度レベル3の「中」では、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35とがともに青色で発光する発光態様となることによりその旨を報知し、輝度レベル4の「強」では、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35とがともに白色で発光する発光態様となることによりその旨を報知する。
また、上述した実施形態では、発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度を高い輝度である輝度レベル4から低い輝度である輝度レベル1に向かって設定していたが、輝度レベル5から輝度レベル1に向かって設定してもよい。これにより、通常点灯用輝度を輝度レベル5に設定することもできるため、遊技における演出中では、演出選択スイッチ37の操作にかかわらず、発光ダイオード106,108の演出点灯用輝度を通常時点灯用輝度として設定した輝度以上に高い演出点灯用輝度に強制的に設定することができる。つまり、通常点灯用輝度を演出点灯用輝度と同一の輝度レベル5に設定することができる。発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度を輝度レベル5から輝度レベル1に向かって設定することができるため、通常時点灯用輝度の輝度レベルの設定範囲を広げることができる。換言すると、遊技者にとっては、パチンコ遊技機1の待機中に選択することができる通常時点灯用輝度の輝度レベルの選択幅を広げることができる。また、このように輝度レベルの設定範囲を広げても、ホールの店員等がパチンコ遊技機1の待機中に通常時点灯用輝度を、例えば輝度レベル2に設定することにより、発光ダイオード106,108の省電力化を図ることができる。なお、通常点灯用輝度を輝度レベル5の「最強」に設定した際にその旨の報知としては、図48の待機中における発光ダイオードの通常時点灯用輝度設定処理におけるステップS14及びステップS22の輝度レベルの報知処理において、装飾板32の扉枠装飾ランプ35と装飾板33の扉枠装飾ランプ35とがともに点滅する発光態様を挙げることができる。
更に、上述した実施形態では、貯留皿36のほぼ中央前方には演出選択スイッチ37を有する演出選択スイッチユニットが取り付けられていたが、この演出選択スイッチユニットに換えて3つボタンタイプの演出選択スイッチ37Aを有する演出選択スイッチユニットとしてもよい。3つボタンタイプの演出選択スイッチ37Aを有する演出選択スイッチユニットは、例えば図50に示すように、左演出選択スイッチ37AL、中演出選択スイッチ37C及び右演出選択スイッチ37ARを備えて構成することができる。ホールの店員等がパチンコ遊技機1の待機中に左演出選択スイッチ37AL、中演出選択スイッチ37C及び右演出選択スイッチ37ARのうちいずれを操作しても、発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度を高い輝度である輝度レベル4から低い輝度である輝度レベル1に向かって設定することができるようにしてもよし、又は、左演出選択スイッチ37ALを操作すると、発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度を高い輝度である輝度レベル4から低い輝度である輝度レベル1に向かって設定することができるようにして右演出選択スイッチ37ARを操作すると、発光ダイオード106,108の通常時点灯用輝度を低い輝度である輝度レベル1から高い輝度である輝度レベル5に向かって設定することができるようにしてもよい。
更にまた、上述した実施形態では、発光ダイオード106,108の輝度レベルが輝度レベル1〜輝度レベル5の5段階に設定されていたが、輝度レベル1と輝度レベル2との輝度レベル間を多段階の輝度レベルに設定したり、輝度レベル2と輝度レベル3との輝度レベル間を多段階の輝度レベルに設定したり、輝度レベル3と輝度レベル4との輝度レベル間を多段階の輝度レベルに設定したり、輝度レベル4と輝度レベル5との輝度レベル間を多段階の輝度レベルに設定したりしてもよい。こうすれば、通常点灯用輝度の輝度レベルの設定範囲がさらに広がるし、遊技者が選択する通常点灯用輝度の輝度レベルの選択範囲も広がる。
そして、上述した実施形態では、遊技における演出中に演出点灯用輝度として輝度レベル5を強制的に設定していたが、演出する内容に合わせて演出点灯用輝度を輝度レベル1〜輝度レベル5のうちいずれかの輝度レベルに設定してもよい。こうすれば、例えば、ある1つの演出を開始して当り又はハズレの当落結果を導出するまでの間、演出点灯用輝度を輝度レベル1に設定したときには当落結果がハズレとなる可能性が高いことを遊技者に報知する演出や、演出点灯用輝度を輝度レベル1から輝度レベル5に1つずつ順に設定して輝度を徐々に上げることにより、当落結果が当りとなる可能性が高いことを遊技者に報知する演出等を行うことができる。
そしてまた、上述した実施形態では、パチンコ遊技機1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、パチンコ遊技機以外の遊技機、例えばスロットマシン又はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技球を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。