JP5376451B2 - 複数の(微)生物又はそれらの成分の同定及び定量 - Google Patents

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Description

1.発明の分野
本発明は、リアルタイムPCRを実施するための方法並びに本発明の方法を実施するための試薬及び手段及び装置を含むキットに関する。この方法は、リアルタイム増幅における、同じアレイ上での、異なる群(とりわけ、綱、科、属、種、個体)の(微)生物の多数の同定又はその成分の同定による、それらの多数の同定、検出及び/又は定量に適している。
本発明は、同じ生物学的試料中に存在する(微)生物の群及び亜群又は関連する遺伝子の同時同定及び/又は定量に特に適している。
本発明は、探索(微)生物又は遺伝子の何れかの定量と一緒に、探索(微)生物又は遺伝子の何れかを検出及び同定するための簡略化された方法も提供する。
2.関連分野の記述
生物又は微生物の同定は、それらの遺伝物質中における特異的な配列の存在に基づいて行うことができる。特異的な生物の同定は、特異的なプライマーを用いて生物の所定の配列を増幅し、増幅された配列を検出又は同定することによって容易に実施することができる。
しかしながら、特に診断における多くの用途において、生物学的試料中に存在する可能性がある生物は多数であり、異なる科、属、種、亜種又は個体にさえ属する。存在する可能性がある生物の各々を増幅することは困難であり、高価である。従って、このような多パラメトリック、マルチレベルの分析のための簡易な方法が必要とされている。
所定の配列の増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許第4,683,195号及び同第4,683,202号)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Wu and Wallace,1989,Genomics 4:560−569)又はサイクリングプローブ反応(CPR)(米国特許第5,011,769号)などの幾つかの方法によって実施されており、これらが最も一般的である。所定の配列の存在、従って特定の生物の存在を検出するための1つの具体的な方法は、アンプリコンサイクルの間にアンプリコンの溶液中での出現を追跡することである。この方法は、リアルタイムPCRと称される。蛍光シグナルはアンプリコンが形成されるときに溶液中に出現し、増幅は、閾値に達したときに陽性と考えられる。
アンプリコンを検出することは、固体支持体上に固定化された相補的配列へのアンプリコンの特異的な認識に基づく方法によって、増幅後に行うことも可能である。このようなハイブリッド形成のために使用される第一の支持体は、ニトロセルロース又はナイロン膜であった。しかしながら、前記の方法は小型化されており、検出プロセスの小型化とともに、伝導性表面、シリカ及びガラスなどの新しい支持体が提案された。増幅工程の後に(PCR)又はcDNA及び増幅への逆転写(RT−PCR)後に、生物に対して特異的なDNA又はRNAヌクレオチド配列の多重分析のためにマイクロアレイ又はDNAチップが使用されている。検出されるべき標的配列は、増幅又は複製工程の間に標識され、次いで、アレイ上で検出され、おそらく定量される。アレイ上の特異的な標的配列の存在は、試料中の所定の遺伝子又はDNA配列の存在の指標であり、従って、所定の生物の指標となり、これは、次いで同定され得る。幾つかの配列が互いに相同的であるが、同じアレイ上で特異的に識別しなければならない場合に、検出の問題は困難となる。目的の生物又は微生物は、しばしば、分類学的に他の生物又は微生物に極めて似通っており、ほぼ同じDNA配列を呈するので、このような診断目的のためにアレイを使用するために、この技術的問題を解決することが望ましい。
Affymetrix Inc.社は、加工処理の各工程でマスクを使用することによって、特定の位置における、固体支持体上へのオリゴヌクレオチドの直接的な合成のための方法を開発した。前記方法は、所望の位置に所望の配列を得るために、成長している合成されたオリゴヌクレオチド上にヌクレオチドを付加することを含む。この方法は、フォトリソグラフ技術から得られ、新たなヌクレオチドが付加される前に放出される光保護基の使用と組み合わされる(米国特許第5,510,270号)。しかしながら、小さなオリゴヌクレオチドのみが表面上に存在し、前記方法は、アレイ上に結合された各特異的なオリゴヌクレオチドに対応する陽性スポットのパターンを配列決定し、又は同定するために主として用途を見出す。標的配列の性質決定は、このポリヌクレオチドを小さなオリゴヌクレオチドへ切断し、基準配列とのハイブリッド形成パターンを比較することによって得られる。前記技術は、マイコバクテリウム・チュバキュロシス(Mycobacterium tuberculosis)rpoB遺伝子(WO97/29212)の同定に適用され、本技術において、捕捉分子は30未満のヌクレオチドを含み、単一のヌクレオチドが異なり得る2つの異なる配列の分析(SNPの同定又は遺伝子型決定)から得られる。1つの塩基が異なる2つのオリゴヌクレオチド間の識別は、それらの長さが小さいほど高いので、(10と20の間のヌクレオチドを含む長さを有する)小さな捕捉オリゴヌクレオチド配列が好ましい。
この方法は、遺伝的増幅(PCR)から生じたアンプリコンを直接検出することができないという事実によって困難となる。二重増幅はT3又はT7配列を有するプライマー、次いで、RNAポリメラーゼを用いた逆転写を用いて行われる。これらのRNAは、アレイ上で検出される前に、約40塩基の片に切断される(WO97/29212の実施例1)。各配列は、アレイ上に、同定されるべき10の捕捉分子及び10の対照ヌクレオチド配列の存在を必要とする。長いDNA又はRNA断片は表面上に存在する小さなオリゴヌクレオチド捕捉分子上では極めてゆっくりハイブリッド形成することがこの複雑な操作の理由である。相同性は配列に従って変動し、片の一部が同じ捕捉分子上でハイブリッド形成するので、従って、前記方法は、相同的な配列の検出には適していない。従って、得られたデータの解釈を可能とするために、結果を解釈するためのソフトウェアが方法中に組み込まれる。アレイ上でアンプリコンの単一のハイブリッド形成が行われない主な理由は、アレイの小さな捕捉分子上でハイブリッド形成するよりもずっと早く、溶液中においてアンプリコンが再度ハイブリッド形成するからである。
このような制約の結果、ポリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドへ切断された後にのみ、オリゴヌクレオチドをベースとするアレイ上で分析される。mRNAのcDNAコピーの検出を基礎とする遺伝子発現アレイに関しては、cDNAが一本鎖であるので、問題はなお存在するが、より切実でない。また、断片はより小さな種へ切断され、所定の遺伝子の存在を証明するシグナルのパターンを得るために、前記方法は数個の捕捉オリゴヌクレオチド配列を使用する必要がある。前記切断は標識されたヌクレオチドの数も減少させ、従って、得られたシグナルを低下させる。cDNA分析の場合には、長い捕捉ポリヌクレオチド配列の使用が検出に対してずっと優れた感度を与える。ポリヌクレオチドが捕捉分子として使用できるように、配列の差は、100塩基より長い配列上でさえ、検出されるべきcDNA間の交差反応を回避するのに十分であるので、多くの遺伝子発現用途において、検出されるべきcDNAが異なる配列を有する遺伝子を起源とする場合には、長い捕捉分子の使用は問題ではない。しかしながら、長い捕捉分子は必要とされる感度を与えるが、他の相同的配列にハイブリッド形成する。
DNA中の一ヌクレオチド多型の検出は、相同的な配列の検出の1つの具体的な側面に過ぎない。配列の特定位置において1つのヌクレオチドが異なる2つの配列を識別するために、アレイの使用が提案されてきた。DNA又はRNA配列は低コピー数なので、二本鎖配列がアレイ上で分析されるように、まず、それらの配列は増幅される。1つの位置におけるこのような塩基の変化を検出するために、幾つかの方法が提案されている。文献WO97/31256は、標的配列特異的部分及び位置指定可能なアレイ特異的部分を有する1つのオリゴヌクレオチドプローブと標的配列特異的な部分及び検出可能な標識を有する第二のオリゴヌクレオチドプローブとの間の連結検出反応を提案している。2つのオリゴヌクレオチドが標的上でハイブリッド形成すると、それらは連結される。溶液中での連結後、位置指定可能なアレイ特異的部分によって、標識された産物はアレイ上に固定化される。個体のゲノムは、同じ種又は亜種では、互いにSNPだけ異なるので、SNPの検出は各生物の多型決定のための基礎であるが、その遺伝子型決定のための基礎でもある。特定のSNPの存在は、P450のような酵素の活性に影響を及ぼさず、薬物の代謝において、多かれ少なかれ、それらを活性な状態とする。
アレイ上に存在する捕捉オリゴヌクレオチドは、一旦、標的ヌクレオチドハイブリッドが形成されたら、伸長のためのプライマーとしても使用することができる。文献WO96/31622号は、所定のスポットを検出するために、検出可能な修飾されたヌクレオチドで捕捉分子を伸長することによって、配列上の所定の位置におけるヌクレオチドを同定することを提案し、標的は、この特定の位置において標的配列と相補的な捕捉分子の最後のヌクレオチドと結合されている。文献WO98/28438号は、標的配列の低いハイブリッド形成収率を補うために、スポットを標識するためのハイブリッド形成−伸長工程の数回のサイクルを完了することを提案している。この方法は、伸長された捕捉分子のスポットを標識することによって、配列の所定の位置におけるヌクレオチドの同定を可能とする。
伸長の前に、合致したヘテロ二重鎖と合致していないヘテロ二重鎖間を識別するために、アレイ上に存在する捕捉分子はヌクレターゼによって消化することができる(米国特許第5,753,439号)。配列を同定するためのヌクレア−ゼの使用も提案されている(EP0721016)。標的の最後のヌクレオチドがこの位置において標的と相補的である場合には、標的に相補的な第二の標識されたヌクレオチド配列をハイブリッド形成された標的に付加し、捕捉分子に連結することも提案されている(WO96/31622)。
文献EP−0785280は、それぞれ、一塩基だけ異なる幾つかのオリゴヌクレオチド配列を含有するブロック上での標的ヌクレオチドのハイブリッド形成を基礎として多型を検出し、何れの配列が完璧なハイブリッド形成の合致であるかを決定するための強度の比を取得することを提案している。
支持体と捕捉分子の間にスペーサーを組み込むことによって、固体支持体上のポリヌクレオチドの検出感度を増加させるために、膜又はナイロン支持体を使用することが提案されている。Van Nessら(Nucleic Acids Research,vol.19,p.3345,1991)は、ナイロン膜上でのDNAの結合のためのポリ(エチレンイミン)アームについて記載している。文献EP−0511559号は、膜上に小さなオリゴヌクレオチドを結合するためのスペーサーとして、ヘキサエチレングリコール誘導体について記載している。ナイロンのような膜が支持体として使用される場合には、固体支持体とオリゴヌクレオチドの間における結合の部位の調節は存在せず、ポリdTテイルが固定収率を増加させ、従って、得られたハイブリッド形成を増加させることが観察された(WO89/11548)。
Guoら(Nucleic Acids Research,Vol.22,p.5456,1994)は、ハイブリッド形成の増加した感度で、ガラス上のオリゴヌクレオチドを結合するためのスペーサーとして、15塩基のポリdTを使用することを教示している。
Anthonyらの刊行物(Journal of clinical microbiology,Vol.38,p.7817,2000)は、PCR増幅後に様々な細菌種の23SリボソームのDNAを検出するための、膜アレイの使用について記載している。検出するための標的はコンセンサスPCRによって細菌から増幅されたrDNAであり、前記細菌に対する捕捉分子を含有し、及びナイロンに共有結合されている20と30の間の塩基を有する捕捉分子を有するナイロンアレイ上で検出が得られ、ハイブリッド形成のために利用可能な配列の部分の調節は存在しない。rDNAは、方法の低い検出収率を補うために使用される複数コピーのDNAである。また、小さな捕捉分子を使用するために、それらは、科又は属ではなく、個別の細菌種の特異的な配列によって、個別の細菌種を検出できるに過ぎない。
相同的なポリヌクレオチド配列間の結合を区別するために、並びに(微)生物の他の種、属若しくは科の配列又はその成分の中から1つの標的配列を同定することを可能とするために、並びに増幅の間に、標的の存在を検出及び/又は定量するために、オリゴヌクレオチドより長いポリヌクレオチドをマイクロアレイ中の捕捉配列として使用できることは、技術水準において、暗示又は示唆されていない。
増幅中に、対応する捕捉分子上の増幅された配列のハイブリッド形成によって、(多型分析において観察されるような)配列の1つの位置において1つのヌクレオチドだけ異なる相同的配列を検出できることも暗示又は示唆されていない。
本発明より前に、一工程プロセス(すなわち、アレイ上でのアンプリコンの直接的なハイブリッド形成と一緒になった増幅)において、同じ群、2つの群又はそれ以上の群そのものの特異的な同定と一緒に、前記群に属する生物を同定することが可能であることは公知でなかった。群及び亜群に属する生物の配列の1つを増幅する間に、これらの群及び亜群の特異的な同定と一緒に、群及び亜群に属する前記生物を同定することが可能であることも公知でなかった。全ての検出に対して、捕捉配列としてポリヌクレオチドを使用することによって、このような同定が得られることも公知でなかった。
配列の増幅の間に、配列の特定位置中に存在する1つのヌクレオチドが異なる相同的ポリヌクレオチド配列を同定するために、オリゴヌクレオチドより長いポリヌクレオチドを使用できることも公知でなかった。
関連する技術分野は、小さなオリゴヌクレオチドアレイ上でアンプリコンを検出するためにアンプリコンの断片化を必要としていたので、相同的ポリヌクレオチド配列の増幅中に、極めて高い感度で、アレイ上において相同的ポリヌクレオチド配列を直接識別及び検出できることも公知でなかった。断片化されたアンプリコンはそれ以上増幅することができず、従って、増幅の停止をもたらすので、断片化はリアルタイム検出と両立しない。
(発明の概要)
本発明は、1つには、幾つかの群に属する同じ又は異なる(微)生物の配列の増幅工程中に、これらの群の同定及び/又はそれらの定量とともに、幾つかの群に属する同じ又は異なる(微)生物の相同的(生物学的)成分(遺伝的配列又はmRNAなど)間で識別を得るために、アレイを使用することができるという発見を前提としている。
本発明は、
a)少なくとも1つのPCRサイクルを実施してアンプリコンを形成する工程;
b)固定化された標識されていない捕捉分子に前記アンプリコンをハイブリッド形成させる工程;
c)ハイブリッド形成されたアンプリコンを検出する工程;
d)工程a)b)c)を少なくとも1回反復する工程;
を含む、リアルタイムPCRのための方法を提供する。
本発明は、リアルタイムPCRによって、幾つかの群をそのまま同定するとともに、幾つかの群に属する相同的ヌクレオチド配列間を識別するためにアレイを使用する上で特に有用である。
本発明は、さらに、リアルタイムでのRT−PCRによる遺伝子含量の測定による、mRNAの形態の発現された遺伝子などの生物の一部を同定及び/又は定量する方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、前記マイクロアレイ上での及び同じ実験プロトコールでの同定を単一スポットにおいて記録することによって、特異的な標的又は標的遺伝子配列の群を同定(検出及び/又は定量)するとともに、特異的な標的又は標的配列の群の存在を検出するために、一工程の増幅で、プライマー対の単一又は限定された数の使用を必要とする簡略化された技術を基礎とする診断キット(前記シグナルは生物又は生物の群若しくは亜群に対して特異的である。)を提供する。
さらに別の実施形態において、本発明は本発明の方法を実施するための装置を提供する。
本発明は、リアルタイムPCRアッセイにおいて、アレイ上で生物の増幅されたポリヌクレオチド配列をハイブリッド形成させることによって、所定のヌクレオチド配列の単一塩基が異なる生物を同定するための手段も提供する。
(例示的実施形態の記述)
以下は、例示のためにのみ、及び図面を参照しながら与えられる、本発明のある種の実施形態の記載である。
定義
「核酸、オリゴヌクレオチド、アレイ、ヌクレオチド配列、標的核酸、実質的に結合する、に特異的にハイブリッド形成する、バックグラウンド、定量する」という用語は、参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願WO97/27317に記載されているものである。ポリヌクレオチドという用語は、通常DNA又はRNA配列から構成されているヌクレオチド又はヌクレオチド様配列を表す。オリゴヌクレオチドは、通常15と40ヌクレオチド長の間であり、何れにしろ100ヌクレオチド長未満である小配列と考えられる。
「ヌクレオチド三リン酸、ヌクレオチド、プライマー配列」という用語は、参照により、本明細書に組み込まれる文献WO00/72018及びWO01/31055に記載されているものである。
ヌクレオチド、ポリヌクレオチドなどの表記には、糖−リン酸骨格が修飾及び/又は置換されている(但し、そのハイブリッド形成特性は破壊されていない。)同類の種が含まれる。例として、骨格は、ペプチド核酸(PNA)と称される等価な合成ペプチドによって置換され得る。
「相同的遺伝的配列」という用語は、対応する位置において同一であるアミノ酸又は核酸のパーセントが純粋に無作為な並置と比べてより高いアミノ酸又はヌクレオチド配列を意味する。比較されるべき2つの配列の1つにおいて付加又は(ギャップのような)欠失を考慮に入れながら配列を最適に併置した後に、ヌクレオチド又はアミノ酸の合計と比べて、各位置に見出される同一のヌクレオチド又はアミノ酸のパーセントとして定義される相同性(又は配列同一性)の最小限を示す場合に、配列は相同的と考えられる。所定のタンパク質をコードするが、異なる生物のような遺伝的に異なる源の中に存在する遺伝子は、通常相同的である。また、所定の生物において、遺伝子は同じファミリーのタンパク質又は酵素(インターロイキン、チトクロムb、チトクロムP450)をコードする。相同的配列は1つの部分、数個の部分若しくは一部のみ又はそれらの配列全長において相同的であり得るので、相同性(又は配列同一性)の程度は大きく変動し得る。両配列中において同一である配列の部分又は一部は保存されていると称される。同一である配列のかなりの部分を有する配列は相同的と考えられる。この部分は少なくとも10、より好ましくは15、さらに好ましくは20の連続的なヌクレオチド長である。保存された三次元構造を呈するタンパク質ドメインは、通常相同的配列によってコードされ、多くの場合、特有のエキソンによってコードされる。その中に不変性の高い程度を示す配列は高度に保存的であると称され、それらは相同性の高い程度を呈する。
「群、亜群及び亜亜群」という用語は、まず、界、分科(branch)、綱、目、科、属、種、亜種、変種又は個体という分類群(taxus)における生物の分類を表す。これらは、生物学的な分類上の組織の異なるレベルを構成する。群は、トランスジェニック又はキメラ動物のような、幾つかの態様を共通に有するが、幾つかの遺伝的な差を有する生物も表す。本発明において、共通の態様は、共通の又は相同性DNA又はRNA配列の中に反映されなければならず、非類似性又は差異はDNA配列中に反映されなければならない。遺伝子配列は、それらの生物起源とは独立に群及び亜群にも分類されることができ、そのようなものとして本発明の一部を成す。次いで、それらは、チトクロムP450遺伝子、タンパク質キナーゼ、G受容体共役型タンパク質及びその他などの所定のファミリーに属する遺伝子の群又は亜群を表す。これらの遺伝子は、本明細書において上記されているように互いに相同的である。
遺伝子(ヌクレオチド配列)の分類は、種、属、科、目、綱、分科、界及び分類群(taxus)への生物の分類を確立するための分子古生物学の基礎として使用される。
「マイクロアレイ」は、所定の特異的標的分子に結合できるようにするために複数の捕捉分子がその上に固定されている支持体を意味する。マイクロアレイは、好ましくは、表面上又は支持体内又は支持体を覆う基材上の特異的に局所化された領域に存在する捕捉分子から構成される。特異的に局所化された領域とは、所定の標的分子に対して特異的な結合された捕捉分子を含有する表面の領域である。特異的な局所化された領域はマイクロアレイを構築する方法によって知られ、又は検出中若しくは検出後に定義される。スポットとは、特異的な標的分子がそれらの捕捉分子上に固定されており、検出装置によって観察される領域である。本発明の一つの特定の応用において、異なる支持体が特異的捕捉分子を含有する限りにおいて、捕捉分子のマイクロアレイは、異なる支持体又は別個の支持体上にも与えられ、特異的標的分子を定量可能とするために、互いと区別され得る。これは、特定の特徴を有し、及び結合された分子を定量するために互いから認識され得るビーズの混合物を使用することによって達成することができる。次いで、一つのビーズ又はビーズの集団は、一つの標的分子と特異的な捕捉分子を有するスポットと考えられる。マルチウェルプレートの一部であり、捕捉分子を有するウェルも、アレイと考えられる。
マイクロアレイは、好ましくは、表面に触れるピン又は「ピン及び環」などの物理的手段によって、又は圧電又はナノ分配装置などの方法による溶液の微小滴の放出によって行われる基材上への捕捉分子の堆積によって得られる。あるいは、基材上での捕捉分子の原位置合成は、5,744,305及び6,346,413によって記載されているような、所定の位置でのオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの合成の光空間分割を用いる本発明の実施形態の一つである。
本明細書において使用される「捕捉分子」とは、一つの標的分子へ、又は標的分子のファミリーへ、又は標的分子若しくはその一部の複数の1つ若しくはそれ以上の要素へ特異的に結合することができる分子若しくは複合体又はこれらの組み合わせを表す。好ましくは、捕捉分子は、支持体の表面上で化学的に原位置で合成され、又は支持体の表面上に敷設されるオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドである核酸である。核酸結合は、一方が固定化された捕捉分子であり、他方が検出されるべき標的である2つのポリヌクレオチド間での塩基対合を介して達成される。
「リアルタイムPCR」という用語は、PCRサイクルの間にアンプリコンの存在を検出及び/又は定量することを可能とする方法を意味する。リアルタイムPCRでは、増幅のサイクルの少なくとも1つにおいて、アンプリコンの存在が検出及び/又は定量される。PCRサイクルの間に形成されるアンプリコンの量に関連するアンプリコン又はシグナルの増加は、PCR溶液中の所定のヌクレオチド配列の検出及び/又は定量のために使用される。
安定な(又は一定の)及び調節された温度という用語は、温度制御装置である制御系によって得られ、及び所定の測定の経過中に、10%超の標的ハイブリッド形成速度の変動を回避するのに十分安定である温度を意味する。典型的な安定な温度は、少なくとも1分間、より好ましくは、5分間、さらに好ましくは60分間又は24時間、5℃を超えて、好ましくは1℃を超えて変動しない温度である。
本発明の「アンプリコン」は、生物学的材料中に存在するヌクレオチド分子のPCR増幅の結果として得られる標的ヌクレオチド分子を意味する。
「接触している溶液」という用語は、液体の形態であり、又は液体の移動を可能とすることを意味する。例えば、遠心された又は上下逆さまに反転された表面は、液体の薄いフィルムが表面をなお覆っている場合でさえ、液体的に接触していない。
「断続的な接触」とは、物理的に接触しており、又はある時間枠において接触していないことを意味する。本発明の特定の態様において、PCR溶液が捕捉分子と断続的に接触しているとは、PCR溶液が所定の期間にわたって、固定された捕捉分子を有する表面から移動又は追い出され(非接触)、次いで、その元の位置に戻される(接触)ことを意味する。PCR溶液の好ましくは95%超、好ましくは99%が、反応チャンバー中に移動され、又は追い出される。好ましくは、PCR溶液は、反応チャンバーの方向の変化、好ましくは、反応チャンバーの回転、並進(translation)又は側方移動から生じる重力排水によって追放される。
本発明は、試料中の生物又は生物の一部の同定及び/又は定量のための方法に関する。この方法は、前記生物に対して特異的なヌクレオチド配列を検出することを含み、前記ヌクレオチド配列は、他の生物に由来する少なくとも2つの、好ましくは少なくとも4つの他の相同的ヌクレオチド配列と相同性を呈する。この方法には、好ましくは、ゲノムDNA又はmRNAである遺伝物質の抽出及び/又は精製が先行する。
方法は、
a)少なくとも1つのPCRサイクルを実施してアンプリコンを形成する工程;
b)固定化された標識されていない捕捉分子に前記アンプリコンをハイブリッド形成させる工程;
c)ハイブリッド形成されたアンプリコンを検出する工程;
d)工程a)b)c)を少なくとも1回反復する工程;
を含む。
好ましくは、PCRサイクルは変性、徐冷及び伸長の工程を含み、徐冷工程の間に、アンプリコンが捕捉分子にハイブリッド形成されるように、PCR溶液が捕捉分子と絶えず接触している。
別の実施形態において、捕捉分子はPCR溶液と断続的に接触される。
PCRサイクルそのものは3つの工程を含むので、一実施形態において、本発明の方法は、
a)変性、
b)徐冷、
c)伸長、
d)変性、
e)ハイブリッド形成及び
f)検出
という6つの工程を含む。
一実施形態において、捕捉分子は、工程e)の間のみ、及び場合によって、工程d)の間、PCR溶液と接触される。
別の実施形態において、本発明の方法は、
a)変性、
b)徐冷、
c)伸長、
d)変性、
e)ハイブリッド形成及び
f)検出
という6つの工程を含む。
一実施形態において、捕捉分子は、好ましくは、工程a)及びe)の間のみ、PCR溶液と接触される。別の実施形態において、捕捉分子は、工程f)の間を除く全ての工程において、PCR溶液と接触される。
PCR増幅は主に溶液中で起こることが望ましく、PCRサイクルに沿って、形成されたアンプリコンに対して検出が行われ、増幅方法を妨害しないことが望ましい。この理由のため、好ましい捕捉分子はスペーサー部分と捕捉部分とを含むものであることが見出された。捕捉分子の捕捉部分のみがアンプリコンに対して特異的である。望ましくは、スペーサー部分が固体支持体と捕捉部分の間に位置するように、捕捉分子が固体支持体上に固定化される。好ましくは、捕捉分子の捕捉部分は少なくとも6.8nmのスペーサー部分によって固体支持体の表面から隔てられている。
都合よく、スペーサー部分はヌクレオチド配列であり、捕捉分子を固体支持体に結合するために、スペーサー部分の遠位末端(すなわち、捕捉部分から離れる方向を指す末端)のヌクレオチドが使用され得る。この目的のために、スペーサー部分の遠位末端のヌクレオチドには、例えば、予め処理された固体支持体の表面に存在するアルデヒド基と共有結合を形成することができるアミノ基が付与される。
スペーサー部分は、少なくとも20ヌクレオチド、好ましくは40ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも90ヌクレオチドを含むべきであり、約20と約120塩基の間から構成される。
特に好ましいのは、以下の配列と少なくとも60%の相同性、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%を有するスペーサー部分を含む捕捉分子である。
Figure 0005376451
特に好ましいのは、以下の配列と少なくとも60%の相同性、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%を有するスペーサー部分を含む捕捉分子である。
Figure 0005376451
捕捉分子の捕捉部分は、PCRの間に産生されたアンプリコンに対して特異的な10から100のヌクレオチド、好ましくは15から40のヌクレオチド、より好ましくは20から30のヌクレオチドを含有し得る。好ましくは、捕捉分子の捕捉部分は、10と600塩基の間、好ましくは20と50塩基の間、より好ましくは15と40塩基の間で構成される。
捕捉分子は、その5’末端によって、又はその3’末端によって固定化され得る。
多重化のために、捕捉分子は、少なくとも4つの捕捉分子/cm、好ましくは少なくとも20の捕捉分子/cm、より好ましくは少なくとも100の捕捉分子/cmのマイクロアレイの形態で、固体支持体の特異的に局在化された領域中に固定化される。支持体上の捕捉分子の密度は、20から2000fmole/cmである。
特定の実施形態において、前記捕捉部分がアンプリコンの2つの非相補的末端及び少なくとも20ヌクレオチドを有するスペーサー部分を規定するように、捕捉分子はアンプリコンの特異的な配列に対して相補的である10から100ヌクレオチドの捕捉部分を含み、並びにスペーサー末端が捕捉分子のスペーサー部分に対して非相補的であるように、アンプリコンの2つの非相補的末端が、それぞれスペーサー末端及び非スペーサー末端を含み、並びに前記スペーサー末端が少なくとも50塩基だけ前記非スペーサー末端を超過する。
好ましい実施形態において、試料中の生物又は生物の一部の同定及び/又は定量は、増幅プロセスの少なくとも2つのサイクルにおいて位置当り少なくとも2つの測定が行われる、アレイの異なる位置上のシグナルをモニタリングすることによって実施される。続いて、データは処理される。
特定の実施形態において、位置上の測定はPCR増幅の各サイクルで行われる。
別の好ましい実施形態において、アレイは、固体支持体の1cm当りに異なる位置に結合された少なくとも4つの異なる一本鎖捕捉分子を含む。望ましくは、4つの異なる一本鎖捕捉分子は、4つの標的相同的ヌクレオチド配列に特異的に結合することができる。
好ましい実施形態において、本発明の方法は、同じく試料中に存在する可能性がある少なくとも4つの他の相同的ヌクレオチド配列と30%より高い、好ましくは60%より大きい、より好ましくは80%より大きい相同性を有するヌクレオチド配列を含有する試料に対して適用される。極端な状況において、試料中に存在するヌクレオチド配列は、同じく前記試料中に存在する可能性がある他の相同的ヌクレオチド配列と一ヌクレオチドだけ異なる。
別の実施形態において、少なくとも2つのアンプリコンは少なくとも2つの捕捉分子を用いて検出され、前記少なくとも2つの捕捉分子の捕捉部分は少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%異なる。
有利なことに、増幅されるべきヌクレオチド分子は、WO0177372号に記載されているようなコンセンサスプライマーを用いて、PCRの間にマイクロアレイ上で定量される相同的ヌクレオチド配列である。試料中に存在する可能性がある全ての相同的配列を増幅するために、同じプライマーが使用される。同じ蛍光色素で標識されたアンプリコンは、各々が異なる相同的配列を標的とする異なる捕捉分子上で識別される。従って、1つのプライマー対と1つの蛍光色素のみを用いて、マイクロアレイ上に存在する複数の捕捉プローブの使用によって、アッセイは多重化される。このように、本発明は、好ましくは、60%超、好ましくは90%超の相同性を有する少なくとも2つの標的配列を増幅することができるコンセンサスプライマー対を使用し、及び2つの標的配列の各々を検出することができる捕捉分子の使用を含む。
一実施形態において、同じプライマー対によって増幅される配列の数が5より多く、及びさらには20より多く、並びに溶液中に存在する場合に、増幅された標的がアレイ上で検出される。
特定の実施形態において、本発明の方法は、生物又は生物の一部から該生物に特異的なヌクレオチド配列を抽出する工程を含む。
別の好ましい実施形態において、標識された標的ヌクレオチド配列を形成するために、PCRサイクルは前記生物に対して特異的なヌクレオチド配列を標識することを含む。
好ましい実施形態において、生物に対して特異的なヌクレオチド配列はDNAヌクレオチド配列である。
別の実施形態において、生物に特異的なヌクレオチド配列は、PCRの前にcDNAへ逆転写されるmRNAである。
別の実施形態において、プライマー対は少なくとも1つのPCRサイクルにおいて使用され、及び同じプライマー対は生物に対して特異的なヌクレオチド配列を複製するために使用される。
特定の実施形態において、捕捉分子は、標的と85%未満の相同性を有する別のアンプリコン配列から、アンプリコンの1つの鎖である標的配列を識別することができる。
好ましい実施形態において、本発明の方法は、60%超、好ましくは90%超の相同性を有する少なくとも2つの標的配列を増幅することができるコンセンサスプライマー対の使用を含み、及び前記2つの標的配列の各々を検出することができる捕捉分子の使用を含む。特定の実施形態において、コンセンサスプライマー対は、60%超、好ましくは90%超の相同性を有する少なくとも4つ、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも20の標的配列を増幅することができ、4、10又は20の標的配列の各々を検出することができる捕捉分子の使用を含む。
別の実施形態において、少なくとも1つのPCRサイクルは、25と300mMの間で含まれる塩の濃度で活性を示す熱安定性DNAポリメラーゼ酵素の使用を含む。好ましい塩は、グルタミン酸カリウム、塩化カリウム及び塩化ナトリウムである。ポリメラーゼ酵素は、好ましくは、サーマス・アクアティカスのDNAポリメラーゼ酵素である。熱安定性とは、1つのPCRサイクル後に、その初期活性の少なくとも50%をなお保持していることを意味する。塩濃度において活性とは、25mMより低い塩を有する溶液中での活性と比べて、好ましくは、その活性の少なくとも5%、より好ましくは少なくとも20%、さらに好ましくは少なくとも50%を示す酵素を意味する。
標的ヌクレオチド配列は、好ましくは、マーカーによって標識されており、ハイブリッド形成されたアンプリコンを検出する工程は前記マーカーの検出を含む。
特定の実施形態において、PCRサイクルは2以上のヌクレオチド配列の増幅のために2以上のプライマー対を使用することを含む。
好ましい実施形態において、PCRサイクルは捕捉分子の配列とは異なる配列を有するプライマーを使用することを含む。
別の実施形態において、前記捕捉分子への、生物に特異的なアンプリコンのハイブリッド形成が、所定の位置における単一のスポットシグナルを形成し、前記単一のスポットシグナルの検出が他の生物由来の相同的アンプリコンからの前記特異的なアンプリコンの識別を可能とする。
好ましい実施形態において、捕捉分子にハイブリッド形成したアンプリコンを検出する工程及びPCRサイクルの両方が1つのチャンバー中で実施される。また、チャンバーは、増幅されるべき特異的なヌクレオチド配列を含有する溶液及びヌクレオチド分子増幅のための試薬及び固定化された捕捉分子のアレイを含有する。
別の好ましい実施形態において、ハイブリッド形成されたアンプリコンを検出する工程の間、チャンバー中に含有される溶液はアレイから離れる方向に移動される。例えば、アレイの異なる位置上のシグナルのモニタリングの間に、チャンバー中に含有される溶液をアレイから除去するために、チャンバーの位置は移動される。特定の実施形態において、この移動は、チャンバーを上下逆さまに反転することを含む。
好ましい実施形態において、方法は、アレイの異なる位置上のシグナルをモニタリングすることによって行われ、少なくとも5、好ましくは少なくとも10のPCRサイクル、より好ましくは少なくとも20のPCRサイクルにおいて、位置当り少なくとも5つの測定が実施される。続いて、データは処理される。特定の実施形態において、方法は、20超のPCRサイクルを含み、及び最初の20PCRサイクルの間、測定は実施されない。
好ましい実施形態において、PCRの開始後の所定の時間に、シグナルを測定し、前記所定の時間は、好ましくは、異なるPCRサイクルにおいて、各位置に対して同一である。
別の実施形態において、PCRサイクルは徐冷工程を含み、及び、シグナルが、徐冷工程の開始後に5分以内、好ましくは2分以内、より好ましくは1分以内に測定される。
別の実施形態において、PCRサイクルは3つの温度工程を含み、及び、PCRサイクルの3つの温度工程の少なくとも1つの終了時にシグナルが測定される。
別の代替実施形態において、PCRサイクルの3つの温度工程の少なくとも1つの間、少なくとも2つの測定を実施されることによって、シグナルが時間とともにモニターされる。
別の実施形態において、PCR増幅は、各々が変性、徐冷及び伸長という3つの工程を含む少なくとも20のPCRサイクルを用いて得られ、各サイクルは10秒ないし6分の間、好ましくは1分ないし3分の間、実施される。
さらに別の実施形態において、3つの温度工程の後には、捕捉分子へのハイブリッド形成の工程が続く。場合によって、このハイブリッド形成には、変性工程が先行する。
好ましい実施形態において、捕捉分子は、ハイブリッド形成工程の間のみ、PCR溶液と接触され、検出されるシグナルは、異なるPCRサイクルに関連するハイブリッド形成工程の間に、捕捉分子上にアンプリコンが蓄積する結果である。この実施形態は、好ましくは、図8bに図示されている6つの工程の増幅/検出サイクルによって得られる。
別の実施形態において、捕捉分子は、ハイブリッド形成工程及び変性工程の間、PCR溶液と接触され、検出されるシグナルは、所定のサイクルにおいて捕捉分子上にアンプリコンが蓄積した結果である。
好ましい実施形態において、データは、変性温度工程で得られた第一のシグナルを徐冷又は伸長工程で、又はハイブリッド形成工程で得られた第二のシグナルから差し引くことによって処理される。変性工程は、アンプリコンの二重鎖の分離及び捕捉分子からのハイブリッド形成された鎖の分離を可能とする。
別の実施形態において、異なる位置の各々に対して、バックグラウンドシグナル及びシグナルが測定され、バックグラウンドシグナルを異なる位置の各々に対するシグナル値から差し引くことによって、データが処理される。好ましくは、バックグラウンドシグナルは、捕捉分子が結合されている位置付近の局所的バックグラウンドである。好ましくは、スポット及び/又はデータ解析の定量は、de Longueville et al,2002(Biochem.Pharmacol.64,137−149)によって記載されているように実施される。
好ましい実施形態において、試料中の生物又は生物の一部の定量は、異なる位置のシグナル値を固定値と比較することによって得られる。
別の実施形態において、固定値(CT)に到達するために必要なPCRサイクルの数を、好ましくは標的ヌクレオチド分子と同一の溶液中で増幅され、同じアレイ上で検出されるヌクレオチド分子である基準ヌクレオチド分子の固定値と比較することによって、定量が得られる。あるいは、固定値(CT)に到達するために必要なPCRサイクルの数を、CTが標準濃度に対してプロットされている標準曲線と比較することによって、定量が得られる。
別の実施形態において、試料中の生物又は生物の一部の定量は、少なくとも2つのサイクルのシグナルの速度定数を比較することによって得られる。
生物の定量は、好ましくは、生物中に存在する遺伝要素に対するシグナルの定量によって実施される。あるいは、特定の生物の定量は、生物に特異的な標的のシグナルデータを、分析される溶液に添加された標準コピーの予め決められた数と比較することによって、試料中のコピー数に関して実施される。
別の実施形態において、ある生物に特異的である標的の量を科に特異的である標的と比較することによって、ある生物の定量はその科との比較において実施される。
特定の実施形態において、異なる標的のPCR増幅は、テイル付きプライマーを有し、及び前記テイル付きプライマーのテイルと同一の又は相補的な第二のプライマーを用いるPCRによって行われる。特定の実施形態において、標的及び標準の増幅のために、テイル付きプライマーが使用される。PCR溶液は、テイル付きプライマーのテイルと同一又は相補的な第二のプライマーも含有する。Knutら(Nucleic Acids Research,Vol.31,p.e62,2003)に記載されているように、共通のテイルを有する第一のテイル付きプライマー対は、特異的な標的及び/又は標準に対して誘導され、第二のプライマー対はテイルに対して誘導される。Knutらは、第二のプライマー対を用いた増幅の前に、5から40サイクルにわたって、テイル付きプライマーを破壊することも提案した。
本発明の好ましい実施形態において、テイル付きプライマー及び第二のプライマー(何れも、増幅の当初から存在する。)を用いて、テイル付きプライマーを一切破壊せずに増幅が実施される。この方法は、テイル付きプライマーと第二のプライマーの間の適切な比を使用することが必要であり、前者は後者より少なくとも5倍、好ましくは10倍低い。
特定の実施形態において、検出及び/又は定量されるべき生物の一部は、発現された遺伝子又はmRNA又はその相補的cDNAである。方法は、
mRNAをcDNAへ複製する工程、同じ動物から得られる少なくとも2つの相同的ヌクレオチド配列を増幅することができるプライアー対を用いる少なくとも2つのPCRサイクルによって、前記cDNA又はその一部を二本鎖標的ヌクレオチド配列へ増幅する工程、
前記標的ヌクレオチド配列を一本鎖捕捉分子と接触させる工程(前記一本鎖捕捉分子は、アレイのある位置において、不溶性固体支持体に共有結合されており、及び前記捕捉分子は、前記少なくとも4つの他の相同的なヌクレオチド配列に結合せずに、前記標的ヌクレオチド配列へ特異的に結合することができる10と600塩基の間の捕捉部分を含む。)、及び前記捕捉分子への前記標的ヌクレオチド配列の特異的なハイブリッド形成を検出する工程(捕捉分子上でのハイブリッド形成は、試料中の生物又は生物の一部の同定及び/又は定量のためのリアルタイムPCRと1つのプロセス中で組み合わされる。)とを含む。
特定の実施形態において、ヌクレオチド配列は、増幅のために使用されるプライマー対を使用することによって複製される。
別の実施形態において、試料中に存在する1と4の間のヌクレオチド配列、好ましくは1と20の間のヌクレオチド配列は、同じアッセイにおいて、増幅及び同定及び/又は定量される。
有利なことに、本発明の方法は、成分又は(微)生物の幾つかの群、亜群又は亜亜群の存在を同定及び/又は定量するために使用され得る。互いに関連する成分は、コンセンサスプライマーを用いて増幅される。試料中に存在する可能性があると予測される可能な各遺伝的配列(ヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列)は、予想される位置にシグナルを形成する対応する特異的な捕捉分子に結合する。これによって、成分又は前記成分を含む(微)生物の群、亜群又は亜亜群に特異的な標的の同定が可能になる。
例えば、本発明の方法によって同定された生物学的成分は、同じ(微)生物に特異的な又は異なる(微)生物に特異的な異なるヌクレオチド配列であり得る。前記分子の例は、受容体、HLA分子、チトクロムP450など、高い相同性を呈する相同的ヌクレオチド配列である。
さらに、本発明者らは、このような生物学的試料中に存在する他の多くのものの中から、1つ若しくは数個の(微)生物又はその部分の同定又は定量を大幅に簡略化できることを発見した。同定及び/又は定量は、共通のプライマー対を用いる単一の増幅と、特異的な捕捉分子及びその対応する標的ヌクレオチド配列から一意的に生じる単一のシグナルの存在をアレイ上で検出し、定量し及び/又は可能であれば記録することによる、存在する可能性がある(微)生物又はその一部の同定とを組み合わせることによって得られる。続いて、前記検出された標的ヌクレオチド配列の存在は、前記(微)生物に特異的なヌクレオチド配列の正体と相関する。
これは、本発明の方法が他の相同的配列の中からの特異的な配列の簡易な同定/検出及び標的ヌクレオチド配列(標的配列は、特定の(微)生物に特異的なヌクレオチド配列を有する。)の定量を可能とすることを意味する。
本発明の好ましい実施形態において、このような同定及び/又は定量は、特異的な捕捉分子が予め結合されている1つの特異的な位置における単一のスポットシグナルを検出し、可能であれば記録することによって、洗浄せずに、及び存在する可能性があるきょう雑物の存在下でさえ、増幅サイクルの間に直接得られる。同定は、従来技術のシステムにおいて提案されているように、マイクロアレイ上の特異的なパターンの分析の結果ではない。従って、本発明の方法は、従来技術のシステムによって必要とされるような画像処理手段及び対応するソフトウェアによるパターンの詳細な解析を必ずしも必要としない。
本発明は、同じ溶液中にそれらの相補鎖が存在する場合でさえ、一本鎖として存在する標的配列は、少なくとも2つの部分(一方は、単一の、有利には所定の(確定された)連結によって支持体(好ましくは、非多孔性支持体)に結合されたスペーサー部分であり、他方の部分は、ヌクレオチド標的配列とハイブリッド形成することができる特異的なヌクレオチド配列である捕捉部分である。)から構成される結合された捕捉分子を使用することによって、高い感度で、アレイ上において、他の相同的な鎖から識別することができるという発見によって可能となった。
捕捉分子の高濃度が固体支持体の表面に結合されている場合に、この検出が増加される。
さらに、ハイブリッド形成されたアンプリコン鎖の遊離末端に対する捕捉分子の捕捉部分の位置が、捕捉分子のスペーサー部分側に位置するアンプリコンの遊離末端(スペーサー末端)が、溶液中に位置する遊離末端(非スペーサー末端)を少なくとも50塩基超過するという特徴に該当する場合には、検出は大幅に増加される。
高濃度、長いヌクレオチド配列及び捕捉分子の捕捉部分の特異的な設計の使用によって、本発明を可能とする予測されない特性が与えられる。DNAハイブリッド形成の理論は、溶液中の2つのDNA相補的配列間のハイブリッド形成の速度は、DNA長の平方根に比例し、より小さなものが制限要因であることを提案する(Wetmur and Davidson,J.Mol.Biol,Vol.3,p.584,1968)。必要とされる特異性を得るために、捕捉分子の特異的な配列は標的と比べて小さくなければならない。さらに、拡散が少なく、従って、反応の速度をさらに低下させる固体支持体上に固定された小配列上でハイブリッド形成するより、標的は溶液中においてずっと速く再会合するように、標的はPCR増幅によって得られ、二本鎖である。短い特異的な捕捉部分配列とのハイブリッド形成の収率の大幅な増加を観察することもは予想されなかった。本発明において、検出は、PCRの異なるサイクルの間に行われる。これは、アンプリコンが切断された場合には、その後のサイクルにおいて増幅が停止されるので、アンプリコンは切断できないことを意味している。装置、溶液及び物理的パラメータが2つの完全に異なるプロセス(すなわち、固体支持体アレイ上での特異的な増幅及び完全なアンプリコンの特異的検出)と両立しなければならないという観点から、検出がPCRサイクルと両立可能であるという点で、結果はさらに予想できないものである。必要とされる増幅時間が、反応チューブ中で行われる慣用のPCRを超えない、又は僅かに超えるように、読み取りが1から5分以内に、及びアニーリング工程の間にさえ完了され得るという事実も予想できない。
本発明は、(微)生物又はその一部から得られた標的ヌクレオチド配列、特に、少なくとも4つの他の相同的(微)生物又はその一部から得られた生物学的試料中に存在する可能性がある遺伝子の同定にも関する。これらの他の(微)生物は、同じ生物学的試料中に存在し得、標的と相同的なヌクレオチド配列を有する。
前記同定は、共通のプライマー対による前記ヌクレオチド配列(標的及び相同的配列)の遺伝的増幅によって最もよく得られる。生じ得る、異なる標的増幅されたヌクレオチド間での識別を得ることが可能である。この識別は、アレイの表面上で増幅された配列をハイブリッド形成させることによって有利に得られる。アレイは、生物学的試料中に存在する可能性がある各(微)生物に対して特異的な標的ヌクレオチド配列に対して特異的である捕捉分子を所定の位置に含有する。特異的な標的ヌクレオチド配列は、予想される位置のその対応する捕捉分子へのこの標的ヌクレオチド配列の特異的な結合から得られるシグナルの同定及び可能であれば記録を通じて検出される。
本発明によれば、遺伝的増幅のための好ましい方法は、全ての前記標的相同的ヌクレオチド配列を認識することができる2つの反平行コンセンサスプライマーを用いるPCRであるが、他の遺伝的増幅法も使用し得る。
(微)生物は、ウイルス、真菌、細菌、植物又は動物細胞(ヒト身体を含む。)から得られた遺伝的材料を含むあらゆる生物学的材料又は試料中に存在し得る。生物学的試料は、微生物、生体異物又は汚染物質が存在するあらゆる培地及び植物又は動物(ヒトを含む。)の器官、組織、細胞又は生物学的液体(血液、血清、尿、痰など)から得られた抽出物でもあり得る。
本発明の方法は、本発明の方法を実施するための手段及び媒体を含む、生物又は生物の一部の特異的同定(診断及び/又は定量)キットを使用することによって実施することができる。具体的には、好ましいキットは、
−一本鎖捕捉分子がその上に共有結合されている不溶性固体支持体表面と(前記捕捉分子はアレイに従って固体支持体の表面上に配置されており、前記アレイは、固体支持体のcm当り、支持体の異なる位置に結合された少なくとも4つの異なる一本鎖捕捉分子を含み、前記捕捉分子は前記生物又はその一部のヌクレオチド配列へ特異的に結合することができる10と600塩基の間の捕捉部分を含む。)、
−前記生物又はその一部から得られた増幅されたヌクレオチド配列の同定及び/又は定量と一緒に遺伝的増幅を行うための反応チャンバーと(生物の何れかの増幅された配列の存在に対する検出及び遺伝的増幅はリアルタイムに行われる。)、
を含む。
好ましい実施形態において、少なくとも4つの相同的標的配列へ特異的に結合する捕捉分子は生物又はその一部の、検出及び/又は定量されるべき増幅されたヌクレオチド配列である。
好ましい実施形態において、捕捉分子は30%より高い、好ましくは60%より高い、より好ましくは80%より大きな相同性を有する標的配列に特異的に結合することができる。
さらに別の好ましい実施形態において、捕捉分子の捕捉部分は90%より低く、及びさらに80%より低い配列相同性を有する。
好ましい実施形態において、アレイは、固体支持体表面の1cm当りに支持体の異なる位置に結合された少なくとも4つ、好ましくは20の異なる一本鎖捕捉分子の密度を含む。
さらに別の実施形態において、アレイは、固体支持体表面の1cm当りに支持体の異なる位置に結合された少なくとも100つ、好ましくは300の異なる一本鎖捕捉分子の密度を含む。
一実施形態において、反応チャンバーは、液体を通じて互いに接触されている2つの区画から構成される。
さらに別の実施形態において、1つの区画には、結合された捕捉分子を有するアレイが付与される。
別の実施形態において、診断及び/又は定量キットは、dNTP、熱安定性DNAポリメラーゼ及び緩衝液をさらに含む。より完全なキットは、プライマーも含有する。
好ましい実施形態において、診断及び/又は定量キットは、内部標準として使用されるべきヌクレオチド分子をさらに含む。
別の実施形態において、支持体及び反応チャンバーはカートリッジの一部である。
キットの好ましい実施形態において、それらの対応する標的ヌクレオチド配列とハイブリッド形成することができ捕捉分子(捕捉部分)の特異的な配列は15と50の間の塩基を有する配列を有し、あるいは、少なくとも6.8nmのスペーサー部分によって固体支持体の表面から隔てられている。
キットの別の実施形態において、スペーサー部分は20塩基超、好ましくは40塩基超、より好ましくは90塩基超のヌクレオチド配列である。
本発明のキットにおいて、捕捉分子は、1ミクロンと75mmの間、好ましくは、0.005と0.2mmの表面積を有する局所領域において不溶性固体支持体上に存在する。
本発明の方法、キット及び装置は、標的の同定のために特に適している。好ましくは、標的は、(微)生物又はその一部の中に存在する。標的は、少なくとも4、12、15又はそれ以上の相同的配列も存在する生物学的試料中に存在し得る。高い相同性の故に、標的ヌクレオチド配列が対応する捕捉分子(マイクロアレイ上の所定の位置に予め結合されている。)と結合した後における識別によって、標的ヌクレオチド配列の同定が特異的に得られるように、前記ヌクレオチド配列は共通のプライマーによって増幅することができる。捕捉分子が、ロボットによって、高密度に、アレイに従って固体支持体表面にスポット状に与えられる場合に、感度はより大きく増加し得る。本発明の好ましい実施形態は、アレイ上にスポット付与された捕捉分子の量を使用することであり、固体支持体表面の1cm当り配列同等物の約0.01pmoleないし約5pmoleの結合をもたらす。
本発明のキットは、本発明の方法を実施するための様々な媒体又は装置も取り込み得る。前記キットは、分析されるべき生物学的試料中に存在する複数のヌクレオチド配列の検出及び/又は定量のための高処理量スクリーニング装置などの自動装置中にも含まれ得る。前記キット又は装置は、本発明の方法の全ての工程を実施するために、又は幾つかの特定の工程のみを実施するために改変することができる。
本発明の方法及びキットにおいて、結合される捕捉分子の長さは、約30と約600塩基の間、好ましくは、約40と約400塩基の間、さらに好ましくは、約40と約150塩基の間から構成される。ヘアピンをベースとする二次構造を採ることから、又は互いとの相互作用によって起こり得るように、標的ヌクレオチド配列の結合収率を低下させなければ、より長いヌクレオチド配列を使用することができる。
好ましい実施形態において、それらの対応する標的ヌクレオチド配列とハイブリッド形成することができる捕捉分子(すなわち、捕捉部分)の特異的な配列は、少なくとも6.8nmの長さ(少なくとも44の炭素結合に対応する。)を有するスペーサー部分によって、固体支持体の表面から隔てられている。
スペーサー部分は、20超のヌクレオチド、好ましくは40より長いヌクレオチド、より好ましくは90より長いヌクレオチドのヌクレオチド配列である。ヌクレオチドは、PNAなどのヌクレオチド誘導体を含み得る。
好ましい実施形態において、捕捉部分の特異的配列の長さは、約10と600塩基の間、好ましくは20と50塩基の間、より好ましくは15と40塩基の間で構成される。
別の好ましい実施形態において、全ての捕捉分子が100塩基長を超えるポリヌクレオチドである。
別の実施形態において、捕捉分子は、固体支持体に結合されたポリマー分子に連結されている。ポリマーは、好ましくは、ポリ−エチレングリコール、ポリアミノ酸、ポリアクリルアミド、ポリアミノ糖、ポリグルシド、ポリアミド、ポリアクリラート、ポリカーボナート、ポリエポキシド又はポリエステル(分岐ポリマーであり得る。)からなる群から好ましく選択される少なくとも10原子の鎖である。
特定の実施形態において、反応チャンバーは、増幅プロセスの間防水性とされる入り口と出口を含む。
別の実施形態において、チャンバーは非対称であり、第一の部分は第二の部分より低い高さを有する。本実施形態において、アレイは、好ましくは、チャンバーの第一の部分上に存在する。
特定の実施形態において、チャンバーは、マイクロチャンネルを通じて、互いに液体を通じて接触している2つの部分から構成され、前記部分の1つはマイクロアレイを有する。特定の設計において、マイクロチャンネルは、3mm以下、好ましくは1mm未満の幅を有する。
特定の実施形態において、支持体及び/又はチャンバー材料はガラス、電子装置、ケイ素支持体、プラスチック支持体、シリカ、金属及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記支持体はスライド、円板、ゲル層及びミクロビーズからなる群から選択される形式で調製される。
さらに具体的な実施形態において、支持体及び/又はチャンバー材料はシクロオレフィンポリマー、好ましくは、Zeonex(R)又はZeonor(R)(Zeon Chemicals,Louisville,USA)、Topas、Udel、Radel又はTHVを含む。
検出されるべき配列間の相同性が低ければ(30と60%の間)、特異的な捕捉分子の設計のために、各個別の標的配列に対して特異的である配列の一部を使用することができる。しかしながら、所望の配列全てを増幅又は複製する「コンセンサス」配列を与えるのに十分に保存されている配列の一部を見出すことはさらに困難である。コンセンサスプライマーの一対が全ての相同的配列を増幅するのに十分でなければ、所望の増幅を得るために2つ又はそれ以上のプライマー対の混合物が使用される。同じコンセンサスプライマーによって増幅された相同的配列の最小数は2つであるが、この数に上限は存在しない。
配列が60%より高い、さらには90%より高い相同性の高い程度を示すのであれば、コンセンサスプライマーのための共通配列の発見は容易に得られるが、特異的な捕捉分子の選択はより困難となる。
本発明の別の好ましい実施形態において、捕捉分子は、100塩基より短い化学的に合成された(プログラム化された自動合成装置上で容易に行われる。)オリゴヌクレオチドである。このような配列は、支持体への共有結合のための官能化された基を有することができる。
より長い捕捉分子は、好ましくは、捕捉分子の捕捉部分及びスペーサー部分の両方を含有するプラスミド中に取り込まれた配列の(PRR)増幅によって合成される。
本発明の方法において、捕捉分子の捕捉部分は、約3と約60塩基の間、好ましくは、約15と約40塩基の間、さらに好ましくは、約20と約30塩基の間から構成される。これらの塩基は、好ましくは、捕捉分子の一方の末端に又は末端付近に位置する連続的配列として割り当てられる。この部分は、検出のための特異的配列と考えられる。本発明の好ましい実施形態において、捕捉部分と支持体の間に位置する配列は非特異的配列、好ましくはスペーサー部分である。
本発明の別の実施形態において、約3と約60塩基の間、好ましくは、約15と約40塩基の間、さらに好ましくは、約20と約30塩基の間を含む捕捉部分が、約30と約600塩基の間の捕捉部分上に位置する。
本発明の方法は、それらの全長に対して部分的に又は完全に相同的である配列など、DNA又はRNAから構成される標的の検出及び/又は定量に適している。
本発明の方法は、標的が他の分子30%超、60%超、さらには80%の相同性(又は配列同一性)を呈する場合でさえ実施することができる。
本発明の方法において、捕捉分子は、好ましくは、本明細書の以下に記載されているように、それらの末端の1つによって、不溶性固体支持体へ有利に共有結合(又は固定)される。
本発明の方法は、約10nM未満、約1nM未満、好ましくは約0.1nM未満、より好ましくは約0.01nM(=1fmole/100μL)未満の濃度で、溶液中のアンプリコンを用いて同定(検出及び定量)を可能とする結果を与える。
本発明の別の重要な態様は、表面上の極めて濃縮された捕捉分子を使用することである。この濃度が低すぎれば、結合の収率は検出不能であり得る。スポッティング溶液中の約600nMと約3,000nMの間の捕捉分子の濃度が好ましい。しかしながら、好ましい事例では(共有固定の収率が高い場合、又は検出されるべき標的が一本鎖であり、高濃度で存在する場合)、約100nMの低い濃度がなお陽性の結果を与える。このような低いスポッティング濃度は、20fmole/cmの低い捕捉分子の密度に対応する。他方で、より高い密度は、アッセイにおいて、捕捉溶液の濃度によってのみ制約された。3,000nMより高い濃度は優れた結果を与える。
スポット上に「結合する」標的の量は存在する捕捉分子の量と比べて少なく、溶液中に存在する標的分子と比べても少ない。
一実施形態において、検出は、増幅又は複製後に得られる完全長配列に対して行われる。標識されたヌクレオチドの取り込みによって標識が実施される場合、ハイブリッド形成された標的上により多くのマーカーが存在し、アッセイが感度を有するようにする。
一実施形態において、本発明の方法は、以前の特性と同じ特性を有し、相同的な配列の別の基由来の標的を同定するために使用される他の結合された捕捉分子の使用を含む。これらの相同的配列は、好ましくは、共通のプライマーによって増幅される。
微生物学の分野において、属服は微生物の各科又は属に対して特異的なコンセンサスプライマーを用いて好ましく実施され、次いで、本発明に従って捕捉分子を使用することによって、これらの様々な科の幾つか又は全ての種がアレイ上で同定される。他の配列の検出は、(例えば、定量のために使用される標準的なヌクレオチド配列との、同じ又は異なる微生物株に対するコンセンサス捕捉分子との、微生物による可能な抗生物質耐性遺伝子の検出を可能にする又はハイブリッド形成の陽性若しくは陰性対照のための配列とハイブリッド形成を可能とすることによって)同じアレイに対して有利に実施することができる。前記他の捕捉分子は、10から60塩基より長く、最高600塩基の全長の特異的配列を有し得、(好ましくは、本発明に関連する他の結合された捕捉分子を用いて作製されたアレイにおいて)不溶性固体支持体にも結合される。長い捕捉分子は、同じ科又は属由来の微生物の全ての配列とハイブリッド形成するためのコンセンサス捕捉分子としてアレイ上にも存在し得、従って、生物学的試料中のこのような科、属の微生物の存在又は不存在に関する情報を与える。
特定の実施形態において、同じアレイは、グラム陽性若しくはグラム陰性株又は全ての細菌に対する具体的な適用として、細菌の群に対して特異的な捕捉分子も有する。
別の適用は、生物学的試料中に存在する可能性がある全てのチトクロムP450に対するコンセンサス捕捉分子の存在あり又はなしで、特異的な捕捉分子によって、様々なチトクロムP450などの同じ種のコンセンサスタンパク質由来の相同的遺伝子を検出することである。このような検出は、cDNAへの逆転写によって遺伝子レベルで行われる。
本発明の固体支持体は、好ましくは、スライド、コンパクトディスク、ゲル層、層、ミクロビーズなどの形式で、ガラス、電子装置、ケイ素支持体、プラスチック支持体材料、シリカ、金属及びこれらの混合物からなる群から選択される材料で作製される。有利には、前記固体支持体は、本発明の方法を改善するためのさらなる手段(バーコード、マーカーなど)又は媒体を含み得る単一のスライドグラスである。好ましい支持体の1つは、化学的及び熱的安定性、低い蛍光及び光学的安定性を有するポリマー、好ましくは、シクロオレフィンポリマー、好ましくは、Zeonex(R)若しくはZeonor(R)(Zeon Chemicals,Louisville,USA)、又はTopas、Udel、Radel若しくはTHV(但し、これらに限定されない。)を含む。
本発明の方法において使用される増幅工程は、好ましくはPCR、RT−PCR、LCR、CPT、NASBA、ICR又はAvalanche DNA技術からなる群から選択される周知の増幅プロトコールによって有利に得られる。
有利には、一本鎖捕捉分子とのハイブリッド形成の前に、同定されるべき標的ヌクレオチド配列は標識される。(当業者に公知の技術を用いた)前記標識は、好ましくは、(方法が増幅工程を含む場合には)変性前に増幅された配列上にも得られる。
有利には、標的ヌクレオチド配列の長さは、限られた長さ、好ましくは50と2000塩基の間、より好ましくは200と800塩基の間の限られた長さとして選択される。この好ましい要件は、試料中に存在する可能性がある必要とされる配列を増幅するためのコンセンサスプライマーを見出す可能性に依存する。長すぎる標的ヌクレオチド配列はより速く再配分を行い、捕捉分子上での固定を阻害し得る二次構造を採り得る。
発現された相同的遺伝子の検出は、コンセンサスプライマー(好ましいコンセンサスプライマーは、ポリdTである。)によるmRNAの逆転写をまず実施することによって得られる。一実施形態において、逆転写されたcDNAは、次いで、本明細書に記載されたコンセンサスプライマーによって増幅される。
本発明のさらなる態様に従えば、本発明の方法は、様々なスタフィロコッカス(Staphylococcus)種又は変種、好ましくは、S.オーレウス(S.aureus)、S.エピデルミディス(S.epidermidis)、S.サプロフィティカス(S.saprophyticus)、S.ホミニス(S.hominis)又はS.ヘモリティカス(S.haemolyticus)の同定のために有利に使用される。生物学的試料中に一緒に又は別々に存在し得るこの種の相同器官に関しては、前記様々な種の中のFemA遺伝子の遺伝的変種を検出することによって、好ましくは、FemA遺伝子配列中の共通の位置を使用することによって、同定が得られる。本発明の別の態様において、同じプライマーによる増幅及びアレイ上での同定後に、16のスタフィロコッカス種が検出され得る。
本発明のさらなる態様は、マイコバクテリア(Mycobacteria)種、M.チュバキュロシス及びその他の種、好ましくは、M.アビウム(M.avium)、M.ガストリイ(M.gastrii)、M.ゴルドナエ(M.gordonae)、M.イントラセルラーレ(M.intracellulare)、M.レプラエ(M.leprae)、M.カンサシ(M.kansasi)、M.マルモエンス(M.malmoense)、M.マリナム(M.marinum)、M.スクロフラセウム(M.scrofulaceum)、M.シミマエ(M.simiae)、M.スズルガイ(M.szulgai)、M.ゼノピ(M.xenopi)、M.ウルセランス(M.ulcerans)の検出である。
本発明のさらなる適用において、1つのアレイは、同じ属若しくはスタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、エンテロコッカス(Enterococcus)、ヘモフィラス(Haemophilus)のような幾つかの属に属する幾つかの細菌種又はグラム陽性細菌及び/又はグラム陰性細菌に属する異なる細菌種及び属から得られる増幅された配列を特異的に検出することができる。
好ましくは、増幅された産物を得るために、プライマー及びジャイレース(サブユニットA)配列の特異的部分が使用される。これらのプライマーは、検査される細菌の全てのジャイレース遺伝子を増幅するためのコンセンサスプライマーとして選択されており、それらは、おそらく、他の多くの可能な細菌種及び属及び科からのジャイレースを増幅する。
本発明は、以下の属の群:スタフィロコッカス(Staphylococcus)、エンテロコッカス(Enterococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ヘモリティカス(Haemolyticus)、シュードモナス(Pseudomonas)、カンピロバクター(Campylobacter)、エンテロバクター(Enterobacter)、ナイセリア(Neisseria)、プロテウス(Proteus)、サルモネラ(Salmonella)、シモンシエラ(Simonsiella)、リエメレラ(Riemerella)、エシェリヒア(Escherichia)、ナイセリア(Neisseria)、メニンゴコッカス(Meningococcus)、モラケセラ(Moraxella)、キンゲラ(Kingella)、クロモバクテリウム(Chromobacterium)、ブランハメラ(Branhamella)の少なくとも2つに属する細菌の検出に特に適している。
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)に対して、同じ適用が開発された。これらの受容体はリガンドの全ての種類を結合し、転写因子の活性を調節することによって、細胞質へのシグナル伝達に必要であり、極めて多くの場合に、核への伝達に必要である。コンセンサスプライマーは、ドーパミンに対する並びにセロトニン及びヒスタミンに対するGPCRの様々なサブタイプに対して形成される。同じことが、ヒスタミン及びその他のリガンドに対して可能である。様々なHAL種の検出も、本発明の応用の一つである。HLAは、個体ごとに異なる相同的配列である。HLA種の決定は、ドナーとレシピエント間での適合性の程度を決定するために、組織移植において極めて有用である。HLA種の決定は、免疫化のための有用なパラメータでもある。サブタイプの数が多く、相同的配列間での関連性が近いことに鑑みれば、ある配列を他の全ての配列の中から完全に識別することが常に可能であるとは限らず、それらの幾つかに関しては、1つ又は2つの交叉反応が存在した。この場合には、同定を絶対的なものにするために、増幅された配列の別の位置に対して相補的な第二の捕捉部分がアレイ上に加えられた。
(1つの塩基のみが異なる場合でさえ相同的と考えることができる)多型配列の検出も、本発明の方法によって為し得る。ある種のイソフォームの存在が幾つかの薬物の代謝を修飾するので、チトクロムP450形態の識別は本発明の具体的な1つの応用である。本発明は、チトクロムP4502D6、2C9及び2C19のイソフォーム間での識別に特に有用であることが見出された。より一般的には、生物の遺伝子型決定のために、又は一塩基多型(SNP)と呼ばれる一塩基の変異又は欠失によって相違する配列の識別のために、本発明は特に上手く改変される。本発明の特有の特徴は、RNAへ複製し、それらを片へ切断する必要なしに、ハイブリッド形成工程は増幅された配列に対して直接実施される。
さらに、1つのアレイが、ガリナセア(Galinacea)、レポリダエ(Leporidae)、スイダエ(Suidae)及びボビダエ(Bovidae)のような幾つかの科に属する幾つかの動物種及び属から得られる増幅された配列を特異的に検出することができる。
1つのアレイが、スコムブリダエ(Scombridae)、サルモニダエ(Salmonidae)、メルルシダエ(Merluccidae)、プルーロネクチダエ(Pleuronectidae)、ガジダエ(Gadidae)及びクルペイダエ(Clupeidae)などの幾つかの魚の科から得られる、オーキス(Auxis)、サルダ(Sarda)、スコンバー(Scomber)、サンヌス(Thunnus)、オンコリンク(Oncorhynch)、サルモ(Salmo)、メルルシウス(Merluccius)、プルーロネクテス(Pleuronectes)、プラチクトリス(Platichtlys)、レインハーディウス(Reinhardtius)、ポラキウス(Pollachius)、ゲイダス(Gadus)、サルディナ(Sardina)などの幾つかの属に属する、G.モルフア(G.morhua)、G.マクロセファラス(G.macrocephalus)、P.フレサス(P.flesus)、M.メルルシウス(M.merluccius)、O.マイキス(O.mykiss)、P.プラテッサ(P.platessa)、P.バイレンス(P.virens)、S.サラール(S.salar)、S.ピカルダス(S.pilchardus)、A.サザード(A.thazard)、T.アラルンガ(T.alalunga)、T.オベサス(T.obesus)、R.ヒポグロッソイデス(R.hippoglossoides)、S.トゥルッタ(S.trutta)、S.サルダ(S.sarda)、T.サイナス(T.thynnus)、S.スコンブラス(S.scombrus)などの幾つかの魚の種から得られる増幅された配列を特異的に検出することができる。他の相同的な配列は、幾つかの科に属する、芋、トマト、オリザ属(oryza)、ゼア属(zea)豆、小麦、大麦、豆、ニンジンなどの植物種及び属の決定を可能とする。
本発明のさらなる態様によれば、本発明の方法は、肉の起源の同定のために有利に使用される。
好ましくは、増幅された産物を得るために、プライマー及びチトクロムb配列の特異的部分が使用される。これらのプライマーは、検査される細菌の全てのチトクロムB遺伝子を増幅するためのコンセンサスプライマーとして選択されており、おそらく、他の多くの動物種、属及び科由来のチトクロムBを増幅する。
本発明のさらなる態様によれば、本発明の方法は、魚の起源の同定のために有利に使用される。
本発明のさらなる態様によれば、本発明の方法は、植物の起源の同定のために有利に使用される。
好ましくは、増幅された産物を取得するために使用されるプライマー及びスクロース合成酵素配列の特異的部分は、以下の実施例に記載されているものである。これらのプライマーは、検査される植物の全てのスクロース合成酵素遺伝子を増幅するためのコンセンサスプライマーとして選択されており、おそらく、他の多くの可能な植物種及び属及び科由来のスクロース合成酵素を増幅する。
本発明のさらなる態様によれば、本発明の方法は、遺伝子改変生物(GMO)の同定のために有利に使用される。GMOは、他の制御配列又は構造配列と一緒に、1つ又は数個の外部遺伝子を生物のゲノム中に挿入することによって作製される。
好ましくは、増幅された産物を取得するために使用されるプライマー及び前記スクロース合成酵素配列の特異的部分は、以下の実施例に記載されているものである。これらのプライマーは、コンセンサスプライマーとして選択されてきた。
本発明のさらなる態様に従えば、本発明の方法は、本明細書に上で引用されている例に記載されているような、及び実施例1から2に示されている生物又はその一部の同定のために有利に使用される。
本発明の別の態様は、上記配列(特に、実施例中に記載されている特異的捕捉分子)を含むバイオチップ又はマイクロアレイのあらゆる一部に関し、及び何れかの方法によって、マイクロアレイ又はバイオチップのあらゆる種類上で相同的な配列から識別された科の種類の前記(微)生物に対して特異的な標的配列を同定するための一般的なスクリーニング方法に関する。
ハイブリッド形成された標的は、PCRによって与えられる制約と両立する限り、記載されている一連の方法(但し、本明細書に示されている方法に限定されない。)によってアレイ上で検出される。非標識法がアレイ上で適用可能であることが提案されており、現在アレイに対して適合された質量分析法による標的の同定に基づいており(米国特許第5,821,060号)、又は。
標識を伴う検出法は数多く存在する。様々な標識分子の総説は、WO97/27317に記載されている。それらは、すでに標識されたプライマーを用いて、又は複製若しくは増幅工程の間に標識されたヌクレオチドを酵素的に取り込むことによって、又はインターカレート剤に続く蛍光検出によって得られる(WO97/27329)。
好ましい標識は、蛍光検出装置を用いて、高感度で検出される蛍光色素である。蛍光色素には、(例えば、General Scanning,Genetic Microsystemから入手可能な)市販のアレイスキャナーを使用することによって、アレイを分析するのに適したトシアニン色素(Cy3、Cy5及びCy7)が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、シアニン3に対する励起波長は、540と558nmの間を含み、550nmがピークであり、発光波長は、562と580nmの間を含み、570nmがピークである。
好ましくは、シアニン5に対する励起波長は、639と659nmの間を含み、649nmがピークであり、発光波長は、665と685nmの間を含み、670nmがピークである。好ましくは、シアニン7に対する励起波長は、733と753nmの間を含み、743nmがピークであり、発光波長は、757と777nmの間を含み、767nmがピークである。
本発明の好ましい実施形態において、捕捉分子上のアンプリコンの存在に関連する蛍光シグナルの検出は、溶液中の蛍光に比べて、アレイ上でのシグナルのシグナル増加に。
特定の実施形態において、アレイ上に存在する蛍光色素の検出の差は、溶液中で自由に移動する分子と比べて、二重螺旋として捕捉分子上にハイブリッド形成された、結合された分子に伴われている蛍光色素の異方性が異なることに基づく。異方性は、検出されるべき蛍光色素の移動度及び寿命に依存する。アレイ上での異方性に関するアッセイの方法は、現在、Blueshift Biotechnologies Inc.,238 East Caribbean Drive,Sunnyvale,CA 94089(http://www.blueshiftbiotech.com/dynamicfl.html)から得られる。
特定の実施形態において、蛍光色素分子の検出は、好ましくは、時間分解された様式で得られる。蛍光分子は、発光プロセスに伴う蛍光寿命を有する。典型的には、フルオレセイン及びローダミンなどの小さな蛍光色素に対する寿命は、2から10ナノ秒の範囲である。時間分解された蛍光(TRF)アッセイは、ほとんど常に、10ナノ秒よりずっと短い寿命を有するマトリックス又は蛍光試料の自己蛍光のような短寿命の干渉からアッセイシグナルを識別するために、長寿命の(1000ナノ秒より長い)蛍光色素を使用する。寿命は、好ましくは、共鳴エネルギー転移が起こる別の蛍光色素又は消光物質の近くに存在することによって調節される。TRF用の装置は、単純に、短寿命の蛍光が消滅し、長寿命のレポーター蛍光がなお持続している後まで、発光の測定を遅延させる。蛍光寿命は、2つの基礎的方法で決定することができる。時間ドメイン技術は、励起の極めて短いパルス(ピコ秒)を使用し、次いで、ナノ秒の寿命にわたって、リアルタイムで発光をモニターする。崩壊曲線を指数関数にフィッティングさせることによって、寿命が得られる。周波数ドメイン技術は、メガヘルツの周波数で励起を調節し、次いで、応答して発光強度が上下するのを観察する。次いで、寿命を測定するために相の遅延及び振幅の変調を使用することができる。現在、迅速で、経済的な寿命の画像化のための周波数技術が、Blueshift Biotechnologies Inc.から入手可能である。
本発明の好ましい実施形態において、ハイブリッド形成されたアンプリコンを検出する工程は、ハイブリッド形成された捕捉分子上におけるより、溶液中でより低いアンプリコンの蛍光シグナルを。
特定の実施形態において、ハイブリッド形成されたアンプリコンと比較した、溶液中のアンプリコンのより低い蛍光シグナルは蛍光色素の消光によって得られる。プライマーは、溶液中で遊離の状態にある場合に蛍光性であり、アンプリコン中に取り込まれた場合に消光される蛍光色素で標識される。蛍光消光は、好ましくは、第二の非蛍光アンプリコン鎖中に取り込まれたDabcylなどの消光物質(但し、これに限定されない。)を使用することによって得られる。一つの特定の実施形態は、PlexorTMTechnology(Promega)を使用した。この技術は、イソグアニン(イソ−dG)及び5’−メチルイソシトシン(イソ−dC)という2つの修飾されたヌクレオチド間での高度に特異的な相互作用を活用する。リアルタイムPCR反応において、一つのプライマーは、イソ−dC残基及び5’末端の蛍光色素を用いて合成される。第二のプライマーは、標識されていない。反応ミックス中には、消光物質としてDabcylを含むように修飾されたイソーdGTPヌクレオチドが含まれる。増幅の間、Dabcyl−イソ−dGTPのみがイソ−dC残基に相補的な位置に取り込まれ、2つの残基が近接する結果、蛍光が消光される。捕捉分子上に蛍光色素を担持するアンプリコン鎖のハイブリッド形成は、蛍光発光を復活させる。
別の代替実施形態において、溶液中のアンプリコンのより低いシグナルは、溶液中に存在するアンプリコンと捕捉分子上に固定化されたアンプリコンとの間の蛍光励起の至適波長の差によって得られる。さらに別の実施形態において、溶液中のアンプリコンのより低いシグナルは、溶液中に存在するアンプリコンと捕捉分子上に固定化されたアンプリコンとの間の蛍光発光の至適波長の差によって得られる。
好ましくは、蛍光発光の波長の差は蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)によって得られる。一つの特定の実施形態において、所定の至適蛍光発光波長を有し、溶液中において、その励起波長で励起された場合に蛍光性となるドナーとして機能する蛍光色素(F1)でプライマーが標識される。蛍光色素アクセプター(F2)の近くで、アンプリコン中にプライマーが取り込まれることによって、蛍光色素F1とは異なる至適蛍光発光波長をもたらす。F1の至適波長に対応する波長において蛍光発光を検出することによって、シグナルはハイブリッド形成されたアンプリコンに対して最適であり、溶液中に存在するアンプリコンに対してより低い。特に、プライマーは、5’末端のイソ−dC残基及び蛍光色素ドナー(すなわち、TAMRA)を用いて合成され、溶液は、蛍光色素アクセプター(すなわち、Cy5)を含むように修飾されたイソ−dGTPヌクレオチドを含有する。PCRの間、PlexorTMTechnology(Promega)に関して既に説明されているように、アンプリコンは近接した2つの蛍光色素を用いて形成される。次いで、ドナーに対して最適な励起/発光波長を用いて、検出が行われる。ドナーとアクセプターが近接する結果、溶液中で、検出される蛍光は減少する。捕捉分子上にドナーを担持するアンプリコン鎖のハイブリッド形成は、至適蛍光発光を復活させる。
上記方法は、溶液中に存在するアンプリコンと捕捉分子上にハイブリッド形成されたアンプリコンとのより優れた識別を可能にする。
別の好ましい実施形態において、蛍光色素分子の励起は、好ましくは、溶液中に存在する蛍光色素に対してではなく、捕捉分子に結合された標的上に存在する蛍光色素に対して得られる。好ましい方法において、励起は、アレイの表面上に集光されるレーザー光線によって得られる。レーザー光線の集光を用いるスキャナー法は、ピンホールを含む共焦点スキャン法を使用した。PerkinElmer(R)LifeのスキャナーシリーズProScanArray(R)、Affymetrix428スキャナー、Virtek Vision Chipreaderラインなど、多くのこのようなスキャナーが市販されている。現在、例えば、TecanのSafir(Tecan Trading AG,Mannedorf,Switzerland(http://www.tecan.com/)のようなマルチウェル形式のために、蛍光レーザーをベースとする幾つかの検出が利用可能である。それらは、本発明に適合するように改変することができる。
別の実施形態において、蛍光色素の励起は、表面近くの分子に励起を与えるためにアレイ基材の側面を照射することによって得られる。好ましい実施形態において、シグナルを検出するための装置が不溶性固体支持体の側面を照射する光源を含む。光源は、好ましくは、非平行レーザー源又はAuroraPhotonicsInc.26791 West Lakeview,Lake Barrington,USA(info@auroraphotonics.com)によって提案されたような光ファイバー束の対による発光ダイオードである。
さらに別の実施形態において、蛍光励起は、その上に捕捉分子が固定された光ファイバーを通じて提供される。米国特許第6,503,711号は、固定化層中の蛍光色素の直接的励起が標的核酸の検出をもたらすように、光学素子の相互作用表面の屈折率と等しい又は上回る固定化された層の屈折率を使用することを基礎とするシステムを提供する。
蛍光特性を有するナノ結晶粒子などの幾つかの蛍光標識が特に興味深いものであり得る。最も一般的なものは、Quantumドットである(Han et al,Nature Biotechnology,Vol.19,p.631,2001)。それらは蛍光性であり、時間とともに又は照射とともに退色しない。それらの安定性のために、それらは本発明で提案されているような継続的読み取りにおいて使用するのに特に適している。また、それらは、捕捉分子へのそれらの付着をモニターするために、蛍光以外の他の方法を使用することができるように、これらの粒子に特異的な特性を付与する金属を含有する。これらの粒子の熱的加熱は、時間とともにモニターされ得るパラメータの1つである。金属が光線、好ましくはレーザー光線のエネルギーを吸収し、粒子の加熱を誘導するという事実は、支持体上の低密度の金粒子を検出するための基礎として使用されており、単一の粒子さえ検出される(Boyer et al,Science,Vol.297,p.1160,2002)。方法は、光熱干渉コントラスト(Photothermal Interference contrast)と称される。
マイクロアレイの捕捉分子上での標的分子の結合を検出するための直接的な方法は、非線形周波発生分光法(GFS;generation frequency spectroscopy)という光学的方法を基礎とする化学的地図作成法である(L.Dreesen et al.,Chem Phys Chem,Vol.5 ,p.1719,2004)。この技術は、サブミクロンの空間的解像度で、表面及び界面の振動特性をリアルタイムに画像化することを可能とする。測定は、基材の表面において、2つのレーザー光線(一方は可視(緑)に固定された周波数を有し、他方は赤外に可変周波数を有する。)を混合することによって得られる。界面における振動シグナチャは、赤外レーザー光線の周波数の関数として、試料によって発せられた光を測定することによって得られる。この方法は、検出されるべき標的の標識を回避し、従って、特定の実施形態に相当する。
ナノ粒子の直接的な測定のための別の技術はレーリー散乱である。検出可能な電磁気的放射が粒子から得られるように、この方法は、金属粒子中の電子の振動を得るために適合された光線の使用を基礎とする(Stimpson et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.100,p.11350,2003)(real−time detection of DNA hybridization and melting on oligonucleotide arrays by using optical wave guides)。しかしながら現在まで、この方法は生物学的試料に対して適用するために必要な感度を欠いている。
あるいは、本発明において、ラマン散乱及び表面プラズモン共鳴を利用することができ、これらの技術は抗体/抗原結合の検出のために広く使用されてきたが、アレイのマルチパラメトリック測定に、及び生物学的試料に対して必要とされる感度にも極めて適している。(Thiel et al.,Analytical Chemistry,Vol.69,p.4948,1997)。
別の実施形態において、現在では1ナノグラム未満の質量の変化を測定できるのに十分な感度を有する水晶振動子微量天秤が使用され得る(Caruso et al,Analytical Chemistry,Vol.69,p.2043,1997参照)。これは、リアルタイムでのマイクロアレイ検出に関する1つの提案である。
カンチレバーは、マイクロアレイ上のDNAを検出するための別の選択肢である。(McKendry et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.99,p.9783,2002)。
また、別の技術は、ナノ粒子の電気的検出であり、これはナノ粒子の金属特性を考慮に入れる。まず、電気化学的検出が適用されたが、感度は低かった。より高度で、より高感度な方法は、示唆パルスボルタメトリーによる検出である(Ozsoz et al.,Analytical Chemistry,Vol.75,p.2181,2003)。
金属の抵抗率と電気容量特性は、とりわけ、金属チップ上で検出されるべき最良の特性である。2つの電極間の金属の存在は、抵抗率又は電気容量及び/又はコンダクタンス及び/又はインピーダンスの変化など、チップ又は電極の電気的特性の変化を誘導する。次いで、捕捉分子が電極の1つの上に存在する場合に、DNA又はタンパク質の検出が観察される(Moreno−Hagelsieb et al.,Sensors and Actuators B−Chemical,Vol.98,p.269,2004)。金標識されたDNAのキャパシタンスアッセイがGuiducciらによって記載されている(Biosens Bioelectron,Vol.19,p.781,2004)。電子チップは数個のプロットを含むように作製することができるので、異なる標的は異なるプロット上で検出され得、抵抗率又は電気容量の変化が記録され得る。1つの有望な方法は、アレイパターンと電極上の位置の間に互換性をもたらす互いに組み合わされた電極を使用することである。これらの方法は生物学的試料によって必要とされる信頼性があり、高感度な検出を与えることはできなかったが、それらの幾つかはリアルタイム検出のための必要条件を充足することに成功する(Foultier et al.,IEE Proc.Nanobiotechnol.,Vol.l52,p.3,2005による、ナノ粒子のための検出方法の総説を参照されたい。)。
粒子を検出するための別の方法は、Blabらによって記載されているような光学的方法によって、アレイ上におけるそれらの位置に従って、粒子を計数することである(Biophysical J.,Vol.90,p.L13,2006)。この方法は、ナノ吸収体周囲のレーザー誘発された散乱(LISNA;Laser Induced Scattering around a NanoAbsorder)に依存している。LISNAは、アレイの各スポット上の各ナノ粒子の直接的な計数を提供する。
好ましい実施形態において、アレイの異なる位置上でモニターされるシグナルは、比色分析、蛍光、時間分解蛍光、光熱干渉コントラスト、レーリー散乱、ラマン散乱、表面プラズモン共鳴、質量の変化、水晶振動子微量天秤、カンチレバー、示差パルスボルタメトリ、非線形周波発生分光法による化学的地図作成法、光学的変化、抵抗率、電気容量、異方性、屈折率及び/又はナノ粒子からなる群から選択される。
定量は、ハイブリッド形成収率及びアレイ上の検出スケール(これは、標的及び基準配列で等しい。)のみならず、抽出、増幅(又は複製)及び標識工程も考慮に入れなければならない。
本発明の方法は、既知の濃度で添加された標準的なヌクレオチド配列(外部又は内部標準)を使用することによって、標的ヌクレオチド配列の定量を得るための手段も含み得る。(おそらく、増幅又は複製の後に)前記標的として同じ条件で標準を固定するために、アレイ上には捕捉分子も存在する。この方法は、捕捉分子と標準の間での相補的な塩基対合によって形成された二本鎖ヌクレオチド配列の形成から生じたシグナルを定量する工程、生物学的試料中の検出及び/又は定量されるべき元のヌクレオチド配列の存在を定量するために、捕捉分子と標的の間での相補的塩基対合によって形成された二本鎖ヌクレオチド配列から生じたシグナルと、前記二本鎖ヌクレオチド配列の形成から生じたシグナルとの相関分析の工程を含む。
有利なことに、標準は最初の生物学的試料に添加され、又は抽出工程の後に添加され、同じプライマーを用いて増幅若しくは複製され、及び/又は標的と同一の、又は20%以下で相違する長さ及びGC含量を有する。より好ましくは、標準は、文献WO98/11253中に見出される内部標準の特徴を有する競合的内部標準として設計することができる。前記内部標準は、標的と共通するその配列の一部及び異なる特異的部分を有する。内部標準は、標的及び類似のGC含量の増幅又は複製のために使用される2つのプライマーと相補的である配列もその2つの末端に又は2つの末端付近に有する(WO98/11253)。本発明の好ましい実施形態において、「標準及び標的の共通部分」という用語は、同じプライマー(すなわち、定量されるべき生物の同じ科に属する。)によって増幅された全ての標的に相同的であるヌクレオチド配列を意味する。
好ましくは、この特異的な配列を通じた標準のハイブリッド収率は、標的配列のハイブリッド収率と同じであり、又は標的配列のハイブリッド収率と20%以下異なっており、定量は、WO98/11253に記載されているように得られる。
前記標準的なヌクレオチド配列、外部及び/又は内部標準も、おそらくは、本発明の様々な工程を実施するために必要な全ての媒体及び手段(ハイブリッド形成及び培養培地、ポリメラーゼ及びその他の酵素、標準配列、標識分子など)とともに、本発明のキットに有利に含められる。
有利には、固体支持体又はバイオチップは、標識された捕捉分子の様々な(すなわち、4つの)濃度を有するスポットも含有する。これらの標識された分子は公知の溶液濃度からスポットとして付与され、それらのシグナルは、ハイブリッド形成の結果を絶対量へ変換することを可能とする。それらは、検出の再現性を検査することも可能とする。
バイオチップの固体支持体は、微少溶液技術の使用に基づく液体溶液の調節を通じて、別のチャンバー及び自動機器に接続された支持体中に挿入することができる。このような小型研究室システム中に挿入されることによって、(DNAの抽出、遺伝的増幅工程のような)事前の工程又は同定及び識別工程(標識及び検出)のためにさえ、バイオチップの固体支持体は自動機器によって温置、加熱、洗浄及び標識されることができる。これらの全ての工程は、同じ固体支持体に対して実施することができる。
本発明は、アレイタイプの形式でそれらの遺伝材料をアッセイすることによって、生物学的試料中に存在する可能性がある相同的配列(並びに、それらが属する群、最終的には、生物及びそれらの群)を同定するための方法にも関する。この方法は、それ自体、超群(super−group)の要素である幾つかの群に属する生物を決定するために上手く適合される。前記方法は、例えば、動物、植物、真菌又は微生物の生物学的測定及び/又は分類のために上手く適合される。
前記方法は、アレイとして存在する複数の捕捉分子の使用、対応する標的配列の捕捉及びそれらの分析、及びおそらくはそれらの定量を含む。前記方法は、必要とされる捕捉分子を有するアレイの陽性領域の性質決定によって、これらの生物及びそれらの群を同定することも可能とする。本発明の1つの具体的な仕様は、アレイ上にスポットをもたらす陽性のハイブリッド形成が、配列又は生物又は生物が属する群若しくは亜群の同定のために必要な情報を与えるという事実である。
本発明の具体的な仕様は、研究される何れかの生物の存在を遺伝的増幅の間に連続的に分析した後、アレイ上のアンプリコンを検出し、対応する生物又は群をその後に同定する方法も提供する。
さらに、本発明者らは、
固体支持体表面の1cm当り少なくとも5個の異なる結合された一本鎖捕捉分子を有するアレイ上で、捕捉配列とその(又はそれらの)対応する標的配列間の結合から生じた単一のシグナルの存在を検出し、可能であれば記録し、その後、前記検出された標的配列の存在を、その他の配列中の特異的な遺伝的配列の同定に相関させることによる異なるレベルでの生物の同定と一緒に、共通のプライマー対を使用する単一ヌクレオチド増幅(好ましくは、PCRによる)によって、本発明の方法によって、互いに相同的である配列の幾つかの群又は亜群又は亜亜群に属するこのような複数の配列の極めて迅速且つ簡易な同定を可能な個別の配列まで得ることが可能であることを発見した。前記方法は、発現されたそれらのゲノム又は遺伝子の所定の部分の分析を通じて、生物の種、属及び科の同定に極めて上手く適合され、これらの配列は、異なる生物において互いに相同的である。
単一のシグナルとは、これに対して設計された1つ又はそれ以上の標的ヌクレオチド配列を同定するのに単独で十分であり、従って、試料中に存在する生物若しくは生物の群又は前記試料が得られた生物又は生物群の存在若しくは不存在に関して(必要であれば)明確な応答を与えるシグナルを意味する。
本発明の方法は、存在し得る他の増幅されたヌクレオチド配列の中から特異的なヌクレオチド配列を簡易に同定/検出することを可能にし、場合によって、標的配列の定量(生物学的試料中におけるコピー数又は前記生物の存在の特定)を可能にする(前記標的ヌクレオチド配列は、前記生物又は生物の群に特異的なヌクレオチド配列を有する。)。
アレイは、幾つかの生物の属に由来する捕捉分子、及びある属内の幾つかの種に由来する捕捉分子を含有し得る。捕捉分子は、属、種を検出し得、これらの属が属している科も検出し得る。捕捉分子は、亜種も検出し得、一つ又は数個の種の各生物さえ検出し得る。所定の種の各生物は、それらの幾つかのDNA配列又は遺伝子内において、主に単一の塩基が異なる極めて相同的な配列を有すると考えられる。相同性は、コンセンサスプライマーを得るために重要であり、単一の塩基変化は2つの標的アンプリコン間の識別を得るのに十分である。完璧でなければ、アレイ上に存在し、異なる同一のアンプリコンの配列位置において結合することができる第二の捕捉分子を使用することによって識別を確認することができる。
前記同定は、まず、共通のプライマー対によって前記ヌクレオチド配列(標的配列)を(洗浄後に)遺伝的増幅し、続いて、上記方法に従って増幅された可能性がある異なる標的を識別することによって得られる。
増幅された配列は同一の遺伝子に属し得、同じDNA坐の一部であり得、互いに相同的である。
前記方法は、生物から独立に得られるヌクレオチド配列そのものの同定に適用され、おそらく、その性質決定にも適用される。遺伝子又はDNA配列は、それらの配列相同性に従って、群及び亜群及び亜亜群に分類することができる。配列の並置及び比較のための生物情報学プログラム(Clustal、Intelligenetics、Mountain View、Calif又はGAP、BESTFIT、FASTA及びTFASTA、Wisconsin Genetics Software Package,Genetics computer Group Madison,Wis.,U.S.A.中、又はBoxshadeなど)が存在する。分類は、相同性のパーセント及び配列の並置に従って行うことができる。所定の生物、組織又は細胞中の所定のファミリーに由来する配列の検出及び同定への興味は、例えば、1つ又は数個のファミリーの遺伝子全般又は特異的遺伝子の両方に対して、(プロテオミクス、機能的ゲノミクスなどによって)何らかの所定の分子、生物学的又は病理的条件の効果を検出する可能性である。
本発明者らは、支持体上に固定された捕捉分子の高い密度、好ましくは、固体支持体表面1cm当り約100fmoleより高い密度を使用することによって、アレイの感度が増大することも見出した。
生物の群の測定に対して特異的な捕捉分子は、様々な群に属する異なる配列を特異的に捕捉することができるように設計される。これらの捕捉分子は、生物のこの群に対するコンセンサスと称される。コンセンサス捕捉分子は、群の異なる要素の特異的な捕捉分子より長い特異的配列を含有し得る。これらの捕捉分子はコンセンサス配列(すなわち、並置された場合に、群の要素の異なる配列中に最も多く存在する塩基をその位置の各々に含有する配列)である。別の実施形態において、コンセンサス捕捉分子は増幅された配列の長さを有する。
塩濃度及び温度及び反応の速度による。
本発明によれば、生物は、それらの特異的多型によって、そのように同定される。ゲノムの特定の位置中の単一の塩基置換は、とりわけ、同じ種の各生物に特徴的である。多型を同定するための方法は、アレイの捕捉分子上の増幅された配列の直接的ハイブリッド形成と固定された標的配列の検出とともに本発明の一部を成す。
本発明は、固体支持体表面の1cm当り少なくとも5つの異なる結合された一本鎖捕捉ポリヌクレオチド配列を有するアレイを使用することによる、多型の存在の同定、並びに、捕捉配列と標的配列間の結合から生じ、ポリヌクレオチド配列をテンプレートとして用いて、その3’末端ヌクレオチドを越えて、ハイブリッドの少なくとも1つのポリヌクレオチドプライマーを3’から5’方向へ伸長する単一のシグナルの測定を可能とし、前記伸長は、重合剤と伸長されたプライマー分子中に組み込まれた少なくとも1つのヌクレオチドが検出可能に修飾されたヌクレオチドであるヌクレオチド前駆体の存在下で実施される。)。
アレイはマルチウェルの表面中に存在し得、結果の読み取りのために、マルチウェルプレート検出装置を使用し得る。
特定の実施形態において、アレイは、隔てられた領域中に、捕捉分子中の同じ場所に位置する1つのヌクレオチドのみが異なる数個の同一の捕捉分子を有しており、最後の遊離末端は照合塩基(interrogation base)である。次いで、アレイは、配列の所定位置に存在する4つの塩基の何れの存在をも同定することができる。このようなアレイは、ホモ接合若しくはヘテロ接合の生物中の多型を検出するときに、又は多型が不明であるときに特に有用である。
本発明の方法において、標的配列と相補的な捕捉分子の捕捉部分(又は一部)は、少なくとも2つのファミリーから構成される。第一のファミリーは、約5と約60塩基の間、好ましくは約15と約40塩基の間、より好ましくは約20と約30塩基の間を含む。第二の捕捉ファミリーにおいて、捕捉分子配列の捕捉部分は、約10と1000塩基の間、好ましくは、100と600塩基の間から構成される。好ましくは、これらの塩基は、捕捉分子の末端に又は末端付近に位置する連続的配列として割り当てられる。この捕捉部分は、検出のための特異的配列と考えられる。本発明の好ましい形態において、捕捉部分と支持体表面の間に位置する配列は非特異的配列又は捕捉部分である。
本発明の別の好ましい実施形態において、捕捉分子の第一のファミリーは群の要素を検出するのに対して、捕捉分子の第二のファミリーは群そのものを検出する。しかしながら、捕捉分子の両ファミリーはポリヌクレオチドであり得る。
異なる配列及び配列の群を増幅するために、コンセンサスプライマーを選択することができる。プライマーの同じ対は、各々が生物の一つ又は数個の群と関連している相同的配列の異なる群に関して異なる配列の幾つかの群を増幅する。コンセンサスプライマーの対は、アレイ上での群の同定及び/又は種の同定を伴い得る。
特定の実施形態において、一つの特定の基に関連する又は関連しない、試料中の検出されるのに有用な他の配列をおそらく増幅するために、第二又は第三又はそれ以上のプライマーが増幅工程に対して添加される。細菌とともに臨床試料中に存在し易いウイルスは、ウイルス検出の組み合わせのように、本発明のこのような態様が特に有用である例の一つである。
別の特定の実施形態において、(コンセンサスであり得る)プライマーの2対(一方はグラム陽性の配列の増幅のため、及び他方はグラム陰性細菌のため)が増幅のために使用される。増幅された配列はグラム陽性又はグラム陰性細菌の何れかに対して特異的であり、その後、特異的な細菌の種及び/又は属及び/又は科としてアレイ上で検出される。2つのプライマー対の各々は、次いで、アレイ上で特定の種及び/又は属、科として検出される1つ又は幾つかの科に対して特異的な様々な配列を増幅する。同じアレイは、好ましくは、細菌の科又は属に対して特異的な捕捉ヌクレオチド配列を有する。
本発明の好ましい一実施形態において、まず、リアルタイムPCRのような方法を用いて、群の何れかの要素の存在の検出がPCRの間に検出され、その後、アレイ上での同定のために、アンプリコンが使用される。
増幅溶液の蛍光シグナルが登録され、シグナルが閾値を超えれば、アレイの捕捉分子上でのハイブリッド形成のために溶液が処理される。好ましい実施形態において、アレイを支える固体支持体が増幅チャンバー中及びハイブリッド形成プロセス中に添加される。別の好ましい実施形態において、ハイブリッド形成は、PCRと同じチャンバーの表面上で実施される。チャンバー、好ましくは、閉鎖されたチャンバーは、アレイに適合するあらゆるサイズ、形式及び素材のものである。チャンバーは、ポリカーボナート、ポリプロピレンなどのポリマー、又はキャピラリーなどのガラス又は素材の混合物であり得る。ポリアクリラートをベースとする表面は光透過性であり、アレイのために必要な捕捉分子の共有結合を可能とするので、特に有用である。捕捉分子の遊離末端は、好ましくは、伸長を回避するために修飾された5’又は3’−OH又はホスファート基の何れかを有する。好ましくは、捕捉分子の捕捉部分は、PCRサイクル中のハイブリッド形成を避けるために、増幅のために使用されるプライマーより低い融点を有する。また、好ましくは、ハイブリッド形成は、増幅サイクル装置の加熱及び調節系を用いて、所定の温度で行われる。好ましくは、継続するために、又は増幅工程後のアレイ上での検出でなく、調節プロセスは増幅サイクル装置上に提供される。
本発明の一実施形態は、同じチャンバー中で、同じ装置を用いて、標的分子又は生物を同定するために、一つのプロセス中に、リアルタイムPCRを捕捉分子上でのハイブリッド形成と組み合わせる。
一実施形態において、PCR増幅及びアレイ上での検出を行うために必要な診断及び/又は定量装置の異なる部分は、増幅のPCRサイクルの間に、アレイの捕捉分子上に結合された標的ヌクレオチド分子を検出するために、同じ装置中に一体化される。捕捉分子上に結合されたヌクレオチド標的の存在を読み取ることは、PCR自体の工程の一つの間に、又はサイクル間の工程中に、検出を実施しなければならないことを意味する。好ましい実施形態における読み取りには、サイクルに1つ、好ましくは2つの工程(一方は二本鎖アンプリコンの変性のために必要であり、他方はハイブリッド形成そのもののために必要である。)を付加することが必要である。
本発明は、
a)アレイに従って特異的な位置において、不溶性固体支持体表面に結合された捕捉分子、
b)熱制御用の装置、
c)アンプリコンと捕捉分子の間の結合の位置において形成されるシグナルを検出するための装置、
d)シグナルをデジタルデータへ変換するためのコンピュータプログラム、
を含む、主として、試料中に存在する可能性がある(微)生物又は生物の一部を診断及び/又は定量するための方法の様々な工程を実施するために必要な機械及び装置も包含する。
別の実施形態において、コンピュータプログラムは、シグナルが形成されるアレイの位置をさらに認識する。
特定の実施形態において、この装置は、増幅のPCRサイクルの間にハイブリッド形成されたアンプリコンを検出するために、アレイ上の増幅及び検出が同じ装置中に一体化されるように、PCR増幅用の反応チャンバーも含む。
前記装置において、好ましくは、捕捉分子は、アレイのある位置において不溶性固体支持体に共有結合されている一本鎖捕捉分子であり、前記捕捉分子は10と600塩基の間の捕捉部分を含み、前記捕捉部分が前記アンプリコンへ特異的に結合することができる。
好ましくは、アレイは互いに一ヌクレオチドだけ異なる少なくとも2つの捕捉分子を含有する。
装置は、生物又は生物の一部から得られたヌクレオチド配列の二本鎖標的ヌクレオチドへの自動化されたPCR増幅を実施するためのサーマルサイクラーをさらに含み、前記サーマルサイクラーは、標識された標的ヌクレオチドを産生するために前記支持体を交互に加熱及び冷却することができる。
好ましい装置は、検出が増幅のサイクルの間に実施される装置である。
好ましくは、シグナルを検出するための装置は、PCRの間に少なくとも2回、好ましくは5回、より好ましくは10回超、それらの捕捉分子上の結合された標的ヌクレオチド配列を測定する。
別の実施形態において、シグナルを検出するための装置は、増幅のサイクルが完了した後に、それらの捕捉分子上の結合された標的ヌクレオチド配列を測定する。
装置は、好ましくは、比色分析、蛍光、時間分解蛍光、光熱干渉コントラスト、レーリー散乱、ラマン散乱、表面プラズモン共鳴、質量の変化、水晶振動子微量天秤、カンチレバー、示差パルスボルタメトリ、非線形発生周波数分光法による化学的地図作成法、光学的変化、抵抗率、電気容量、異方性、屈折率及び/又はナノ粒子の計数からなる方法の群から選択される検出装置を有する。
好ましくは、蛍光スキャナーは、共焦点スキャン法を含むレーザー光線及び好ましくはピンホールを使用する。
装置は、さらに、
熱的サイクルの所定のタイミングで、支持体の少なくとも5つの異なる位置に対する異なる測定から得られたデータを記憶するための記憶システムと、
アレイの各位置に対して、少なくとも1つの熱的サイクルにおいて、少なくとも1回、検出と記憶の工程を反復する調節装置と、
増幅前に試料中に存在するヌクレオチド分子の量を検出及び/又は定量するために、少なくとも1つの熱的サイクルにおいて得られたデータを処理するためのコンピュータプログラムと
を含み得る。
装置は、
レーザー源と、
前記レーザー源によって生成されたレーザー光線に対する集光装置と、
光増倍装置と、
ピンホールと、
をさらに含み得る。
装置は、ある位置において形成されたシグナルを特定の標的の存在と関連するデータへ変換するためのコンピュータプログラムをさらに含み得る。
特定の実施形態において、装置は、PCR増幅、ポリヌクレオチド検出、リアルタイムPCR、定量リアルタイムPCR、マイクロアレイ検出及び/又は定量、SNP検出を実行する遺伝子、DNA及びポリヌクレオチド配列の増幅及び検出のための多機能装置である。
本発明の装置は、2つの異なるシステムを含有する。第一のシステムは、標的の増幅及びそれらの捕捉分子上へのハイブリッド形成のために必要な条件を得るための温置部分を含有する。好ましくは、第一のシステムは、増幅及び結合反応が起こるための温度を与える加熱用のプロセスを含有する。加熱システムは、調節されたペルティエ素子、Minco製のThermal−ClearTM透明ヒーターのような光学品質等級のポリエステルシート間のパターン中に配置されたミクロの薄さのワイヤー加熱素子、又は外的に温度制御された流体を循環させる流体システムであり得る。加熱システムは、能動温度調節系及び温度調節単位(8)から構成され、温度を正確に制御すること、及び温度サイクルを実施することを可能とする。システムは、好ましくは、液体をチャンバー内部に移動させ、及び反応速度を増加させるための混合又は撹拌系も含有する。
第二のシステムは、その捕捉分子に結合されるべき標的からの発光を検出するための検出システムを含有する。光源は、支持体上の標識された標的を励起するための光線を生成する。光源は、1.2mrad未満であり得る発散を用いて、約15mWの出力で送達された約532nmの波長を有する光線を生成するレーザーであり得る。
レーザーによって生成されたレーザー光線は、好ましくは、ほぼ平行であり、及びほぼガウス部分である。目的の波長のみを集めるために、交換可能な励起フィルターを使用し得る。さらなるフィルター輪を配置し、レーザー出力を正確に制御するための減衰フィルターとして使用し得る。このフィルター輪は、様々な公知の吸収レベルで異なる陰影が付され得る。支持体(2)上にレーザー光線を集光させるために、抗反射被覆され得るレンズを使用することができる。光源、レンズ及び支持体間の距離は、集光を可能とするために変動可能であり得る。
その後、光は、二色性ミラーを通過する。この鏡は、約530nmより低い波長を有する光を通過させ得るが、560nmを超える波長を有する光を反射する。その結果、レーザーから来る532nmの光は、二色性ミラーを通過して支持体に到達する。次いで、光はチャンバー(11)及び蛍光標識された試料を通過し、支持体(2)に到達し、ここで、結合された標識された標的は励起され、約560nmで蛍光を発する。発光された蛍光の波長は約560nmを上回るので、発光された蛍光は二色性ミラー上で反射されて、画像試料を拡大するための顕微鏡の対物レンズに到達する。次いで、蛍光発光された光は、その中に存在する光子の数を検出するための光増倍管に集光される。特定の実施形態において、約550nmを超える波長を有する光を伝達するさらなる発光フィルターを付加し得る。従って、光増倍管は蛍光発光された光のみを実質的に検出する。光増倍管は、検出される各光子に対するパルスを生成する。これらのパルスの各々を増幅し、光電効果によって電子シグナルへ変換される。次いで、データ獲得ボード(7)は、得られたシグナルを集める。
基材の領域からデータが集められた後、光が支持体(2)上の異なる領域に誘導され得るように、担体(1)は支持体を移動させる。基材上の全ての領域が走査されるまで、このプロセスは繰り返される。
一実施形態において、捕捉分子を含有する固体支持体は2つの系に対して移動する。次いで、結合の検出は第一のシステムとは独立に、第二のシステム中で行われる。
別の実施形態において、2つのシステムは固定され、2つのシステムに対して固体支持体が動かないように共同して動作する。
さらに別の実施形態において、光学的システムの解像度は、0.1ミクロンと500ミクロンの間、より好ましくは、10と100ミクロンの間である。別の実施形態において、温置システム中と、検出システム中では距離が異なり、温置システムと比べて、検出システムでは2倍と100倍の間でより小さいことが好ましい。
図9のフローチャートは、リアルタイム装置がプログラム可能なコンピュータによって調節される特定の実施形態を記載する。スキャナーは、Axonの書き込み可能なGenepix6.0ソフトウェアと組み合わされたAxonのGenepix 4200Aスキャナーであり得る。
工程1では、使用者は、解像度、PMTの電圧、レーザー出力、走査領域、変性温度、変性時間、徐冷温度、徐冷時間、伸長温度、伸長時間及びサイクルの数などの必要とされるパラメータを入力するように求められる。
様々なパラメータの説明
解像度は、ピクセルサイズを規定する。一般に、合成領域(「フィーチャー」)当り50を超えるピクセルをもたらすピクセルサイズが選択される。高すぎる解像度を設定すると、データの過剰負荷が生じるのに対して、低すぎるピクセルサイズを有すると低品質の結果が生じる。
PMT電圧は、検出されたシグナルを増加させる。レーザー出力を増加させることは、各ピクセル中の光子数を増加させる。
「サイクル数」パラメータは、使用者が望む温度の繰り返し及び基材の走査回数に対応する。このように、反応の速度論を追跡するために、使用者は一連の走査を実施し得る。
走査領域パラメータは、検査されるべき基材のサイズに対応する。温度は、検査されているポリマーの種類に応じて変動し得る。好ましくは、検査は、ミスマッチを最小限に抑えながら、最大の結合親和性を生じる温度で行われる。
温度パラメータは異なる増幅工程の温度を調節する。
温度時間パラメータは、各増幅工程の持続時間を規定する。これらのパラメータは、どの時点で検出が行われるかについても規定する。
工程2では、システムは初期化される。すなわち、レーザー出力をチェックしながら、担体は原位置に移動される。
工程3では、所定の変性時間の間、所定の変性温度への最初の加熱が行われる。
工程4は、徐冷温度に関する工程3と同様である。
工程5では、第一の走査が行われ、基材の選択された領域上で発せられた蛍光が集められる。画像は保存される。
行われるべき走査数に到達しなければ、プログラムは所定の時間、伸長温度まで加熱する工程6を実行し、サイクルは工程3に戻る。
行われるべき走査数に到達した場合には、工程7が行われる。支持体上に存在する各標的に対してシグナル及びバックグラウンド値を抽出するために、画像が集められる。
工程8は、画像の定量に対応する。
工程9は、データ解析に対応する。
装置は、異なる作業を有し、完全に異なる仕様を必要とする2つの異なるプロセスを実行することができる。
第一のプロセスは、標的ポリヌクレオチドを正しく増幅し、その捕捉ポリヌクレオチドを結合することができるが、相同的な又は無関係の配列を結合できない(又は実質的に結合できない)条件において、増幅及びハイブリッド形成が実施されるように完璧に調節しなければならない加熱システムである。好ましくは、温置は、標的分子捕捉分子とともに溶液中に存在する標的分子間での接触が好まれやすくするために、液体の混合又は撹拌又は移動を提供しなければならない。好ましい実施形態において、混合は、静電波又は圧電気振動によって行われる。
第二のプロセスは、固体支持体の表面上に存在する標的分子の捕捉分子に結合された標的分子の検出である。検出のレベルは、スポット当りfmole又はそれ未満の桁であり、これは、溶液中に同じ分子が存在する場合に、結合された標的を検出するのに困難な問題である。また、スキャナーは、全表面上において同じ効率で検出を実行しなければならず、同じ効率で実行されないと、同じ試料中に存在する標的定量の比較を実施することができない。
(仕様を有するために必要な)技術部分が互いに適合的である限り、2つのプロセスは一体化されたシステム中で実施される。光源は、自動温度調節された担体(1)と接触している表面とは反対側の支持体(2)の表面上に誘導される。
他の配列の検出は、(例えば、定量のために使用される標準的なヌクレオチド配列との、同じ又は異なる微生物株に対するコンセンサス捕捉分子との、微生物による可能な抗生物質耐性遺伝子の検出を可能にする配列との、又はハイブリッド形成の陽性若しくは陰性対照のための配列とのハイブリッド形成を可能とすることによって)同じアレイに対して有利に実施することができる。前記他の捕捉分子は、10から60塩基より長く、最高600塩基の全長の特異的配列を有し得、好ましくは本発明に関連する他の結合された捕捉分子を用いて作製されたアレイ中の不溶性固体支持体にも結合される。
ヌクレオチド配列の具体的な検出及び分析に関して詳しく記載されているこれらの特徴は、受容体、抗体、酵素などの(微)生物の他の成分に対して、当業者によって適切に改変されることができる。
本発明は、添付の図面を参照しながら、以下の非限定的な実施例において詳しく記載される。
実施例
マイクロアレイ上における相同的配列のPCR増幅をモニターする
(捕捉分子の固定化)
特許出願WO02/18288に記載されている方法に従って、アルデヒドの存在下において、Diaglassスライド(Eppendorf,Hamburg,Germany)を官能化した。アルデヒド誘導体化されたガラスにアミン化されたDNAを植設するために、この特許出願に記載されているプロトコールに従った。300nMでスポット状に付加されたBAT−973を除いて、3μMの濃度で、溶液からアミノ化された捕捉分子をスポット状に付加した。直径250μMのピンを用いた手製のロボット装置を用いて、顕微鏡ガラススライド上に捕捉分子を印刷した。スポットは直径400μMであり、分配される容量は約0.5nLであった。スライドを室温で乾燥させ、使用するまで、4℃で保存した。
この実験において使用される捕捉分子の捕捉部分は、以下の配列を有していた。
Figure 0005376451
BAT−973(ハイブリッド形成対照)(配列番号3):
Figure 0005376451
Figure 0005376451
Figure 0005376451
BAT−973を除き、各捕捉分子は捕捉部分の5’末端に90塩基長のスペーサー部分を含み、前記スペーサーは、以下の配列を有する。
Figure 0005376451
(DNA精製)
LB培地(1L当りペプトン10g、酵母抽出物5g及びNaCl5g)中の単一コロニーから、好気的条件中で、37℃で一晩、細菌の株を増殖させた。遠心(5000g、5分)によって、一晩培養物の分取試料(0.1mL)を沈降させた。リゾスタフィン100μg(Sigma,Mo,USA)及びRNアーゼ100μgを含有する溶解緩衝液(50mMTrisHClpH8.0、100μMEDTA、150mMNaCl、1%SDS)300μL中に、細菌の沈降物を再懸濁し、37℃で30分間温置した。プロテイナーゼK(Boehringer,Mannheim,Germany)の200μgの存在下で、30分間、37℃での温置によって、溶解を達成し、5分間沸騰させた。4000gで5分間、可溶化液を遠心し、製造業者の指示に従って、Nucleospin C+Tカラム(Macherey−Nagel,Duren,Germany)上での吸着によって、上清200μLからDNAを抽出した。蒸留水200μL中にDNAを溶出し、−20℃で保存した。
(PCR及びハイブリッド形成)
コンセンサスプライマーを用いて、S.オーレウス及びS.ニューモニアエの細菌培養から得られたゲノムDNA試料を増幅するためのPCRを設計した。1つの陽性ハイブリッド形成対照を反応混合物に添加し、捕捉分子BAT−973(配列番号3)に対して相補的であるcy3で標識されたアンプリコンに対応していた。この対照は、ハイブリッド形成相をチェックするために使用した。
この実験で使用されたプライマーは、以下の配列を有する。
Figure 0005376451
増幅された産物は、捕捉分子AATSauG2(配列番号1)及びAATSpneG2(配列番号2)に特異的なその鎖配列の1つの一部を有していた。
PCR反応のための475μLの混合物を以下のように調製した。1倍の濃縮されたTopo緩衝液、dNTPミックス(200μMの最終濃度のdNTPの各々)、プライマーAAPgry1の0.05μM(配列番号10)、AAPgyr3Cy3(配列番号11)0.1μM、5’で標識されたCy3、95μL中の5UのTopoTaqDNAポリメラーゼ、150mMのグルタミン酸カリウム。各PCR反応に対して、この混合物の45μLを使用した。本発明者らは、(臨床試料から単離された)S.オーレウスの純粋な培養物から抽出されたゲノムDNA1μL、(臨床試料から単離された)S.ニューモニアエの純粋な細菌培養物から抽出されたゲノムDNA1μL、蒸留水1μL、Cy3−BATアンプリコン(40ng)2μLを添加した。350μMの厚さを有するZeonex中のスライドガラスで密閉された9×9mmのハイブリッド形成チャンバーによって囲まれたマイクロアレイ上に、このPCR反応50μLを搭載した。
本発明者らは、温度制御された特殊な熱電対をスライドの裏側上に固定した。完全な加熱プロセスの実験台は、以下の関連する成分から構成された。
「熱電対」:RS−COMPONENTn°219−4321自己接着性熱電対タイプK−ニッケルクロム/ニッケルアルミニウム(RS成分、Northamptonshire、UK)
「伝達装置」:RS−COMPONENTn°363−0222伝達装置温度熱電対4−20mA(RS成分、Northamptonshire、UK)
「変換装置」:NATIONAL INSTRUMENTS779026−01USB−6009 48K試料/秒DAQ 多機能14ビット、USB用(National Instruments,Austin,TX,USA、
「加熱装置」:MINCO加熱サーモホイル柔軟加熱装置:Kapton0,75”×0,75”HK5578R18,3L12F(MINCO,Minneapolis,MN,U.S.A)。
加熱するために表面に可能な限り近接して配置された熱電対は、伝達装置を通じて温度を測定する。この温度情報は、変換装置を介してコンピュータに与えられた。
毎秒、ソフトウェアは、測定された温度を最終ユーザによって要求された温度設定点と比較し、調節装置は、要求された温度を与えるために加熱を調整した。
次いで、上下逆さまにして、Axonスキャナー(4100パーソナル)中にスライドを入れ、実験全体を通じて、スライドはスキャナー中に入れたままとした。20μmの解像度を用いて、600のゲインで、Cy3検出のための532チャンネルを用いて、走査を行った。
加熱カバーは、94℃で30秒(変性)、56℃で1分(徐冷)及び76℃で30秒(伸長)を50サイクル行うようにプログラムされた。サイクル5、10、15、19、20、25、30、33、35、37、39、41、43、45、47、48、49及び50の(56℃での)徐冷工程の開始の30秒後から始めて、マイクロアレイ表面を走査することによって蛍光発光を測定した。スキャナーは、支持体の表面上に集光されたレーザーを励起光として使用した。発光を検出し、光増倍装置によって増幅した。画像獲得後、シグナル強度を定量するために使用されたソフトウェア“Genepix5”(Axon,Union city,Ca,USA)に、走査された16ビットの画像を移入した。アレイ上に3つ反復して存在する2つの捕捉分子AATSauG(配列番号1、S.オーレウス)及びAATSpneG2(配列番号2、S.ニューモニアエ)上でシグナルを定量した。局所的バックグラウンドを差し引き、サイクル数に対して、バックグラウンドを差し引いたシグナルをプロットする。アレイは、陰性ハイブリッド形成対照(配列番号4から9)及びアレイ上に4つ反復して存在するCy3で標識された陽性検出対照に対する捕捉分子も含有した。陰性ハイブリッド形成対照として使用される捕捉分子は何れも、陽性シグナルを与えなかった。
マイクロアレイ上でのリアルタイムPCRの結果は、図10に示されている。結果は、サイクル37で、特異的捕捉分子S.オーレウス上にシグナルが出現することを示している。シグナルは、サイクル50まで、一定の割合で増加し続ける。捕捉分子S.ニューモニアエ上のシグナルは、サイクル46で出現し始め、サイクル50まで、一定の割合で増加する。ハイブリッド形成対照は、サイクルの進行とともに一定に保たれたその捕捉分子BAT−973(配列番号3)上に陽性シグナルを与えた。
5段階PCRプロセスの1サイクルの間における、マイクロアレイ上でのアンプリコンのハイブリッド形成の速度論をモニターする
本実施例は、図7bに示されている実施形態に対応する。
捕捉分子の配列及びそれらの固定化は、スペーサーを含み、実施例1と同じであった。
ハイブリッド形成を追跡するために使用される捕捉分子の捕捉部分は、以下のとおりである。
2C9*3(配列番号4):
5’−GGTGGGGAGAAGGTCAAGGTA−3’
(PCR及びハイブリッド形成)
PCRのためのDNAテンプレートは、ベクターpCR4Topo中にクローニングされたCYP2C9遺伝子のエキソン7全体を含有するプラスミドDNAであった。プラスミドは、変異3を含有する。プラスミドは、以下のプライマーを用いるPCRによって増幅した。
Figure 0005376451
アンプリコンの予想サイズは、1114塩基対であった。増幅から得られるアンプリコンは、捕捉分子2C93(配列番号4)に対して特異的であった。
PCR混合物は、以下のとおりであった。1倍濃縮されたTopo緩衝液、dNTPミックス(200μMの最終濃度のdNTPの各々)、5’末端が標識されたプライマーMP2C903Cy3(配列番号12)0.125μM、MP2C904(配列番号13)0.125μM、50μL中の2.5UのTopoTaqDNAポリメラーゼ、150mMのグルタミン酸カリウム。本発明者らは、200μLのPCRチューブ中のこのPCRミックス45μLに、変異3を担持するCYP2C9のエキソン7のプラスミドDNA5μL(5ng/μL)を添加した。
サーモサイクラー(Eppendorf,Hambrug,Germany)中で、PCRを行った。まず、94℃で5分間、試料を変性させた。次いで、94℃で30秒、63℃で1分、72℃で1分、及び72℃で10分の最終伸長工程からなる増幅の40サイクルを行った。
40サイクルの終了時点で、ハイブリッド形成チャンバーによって取り囲まれたマイクロアレイ上に及びスライドの裏側上に、このPCR反応の50μLを搭載し、本発明者らは、実施例1に挙げられている特殊な熱電対を固定した。
次いで、上下逆さまにして、Axonスキャナー(4100パーソナル)中にスライドを入れた。
5つの段階の追加サイクルのために、加熱カバーを以下のようにプログラムした。
94℃で30秒(変性)、次いで、60℃で5分(徐冷)、次いで、72℃で30秒(伸長)、次いで、94℃で30秒(変性)、最後に、40℃で5分(ハイブリッド形成)。
5つの温度のこのサイクルの間、0秒、80秒、140秒、220秒、300秒、380秒、450秒、530秒、600秒、680秒、760秒及び840秒という(捕捉分子2C9*3の走査時間に対応する)異なる時点で、アレイを走査した。
600のゲインの代わりに500のゲインを使用したことを除き、実施例1のように走査を実施した。アレイ上に3つ反復して存在する捕捉分子MT2C9*3(配列番号4)上でシグナルを定量した。局所的バックグラウンドを差し引き、41番目のサイクルの5つの段階の時間に対して、バックグラウンドを差し引いたシグナルをプロットする。
結果は図11に示されている。結果は、特異的な捕捉分子MT2C93(配列番号4)上のシグナルを示している。シグナルは、60℃での徐冷工程の間に出現した。徐冷工程の終了まで、シグナルは一定の割合で増加した。次いで、伸長及び変性の工程の間にシグナルは消失し、バックグラウンドレベルまで戻った。次いで、40℃でのハイブリッド形成工程の間に、シグナルは再び出現し、ハイブリッド形成工程の終了まで一定の割合で増加した。徐冷及びハイブリッド形成の工程の間におけるシグナルの増加の回帰曲線が、図11に示されている。
5段階PCRプロセスの3サイクルの間における、マイクロアレイ上でのアンプリコンのハイブリッド形成の速度論をモニターする
本実施例は、図7bに示されている実施形態に対応する。
捕捉分子の配列及びそれらの固定化は、スペーサーを含み、実施例1と同じであった。
以下の点を除き、実験は、実施例2に記載されているように行った。本発明者らは、200μLのPCRチューブ中のPCRミックス90μLに、変異3を担持するCYP2C9のエキソン7のプラスミドDNA10μL(5ng/μL)を添加した。
サーモサイクラー(Eppendorf,Hamburg,Germany)中で、PCRを行った。まず、94℃で5分間、試料を変性させた。次いで、94℃で30秒、63℃で1分、72℃で1分、次いで72℃で10分間の最終工程からなる増幅の40サイクルを行った。
25番目、30番目及び35番目のPCRサイクル後に、PCRチューブからPCR産物30μLを採取し、ハイブリッド形成チャンバーによって取り囲まれたマイクロアレイ上に及びスライドの裏側上に搭載し、本発明者らは、実施例1に挙げられている特殊な熱電対を固定した。
次いで、上下逆さまにして、Axonスキャナー(4100パーソナル)中にスライドを入れた。
5つの段階の追加サイクルのために、加熱カバーを以下のようにプログラムした。
94℃で30秒(変性)、次いで、63℃で1分(徐冷)、次いで、72℃で30秒(伸長)、次いで、94℃で30秒(変性)、最後に、55℃で5分(ハイブリッド形成)。
5つの温度のこのサイクルの間、0秒、100秒、300秒、400秒、500秒及び600秒の(捕捉分子2C9*3走査時間に対応する)異なる時点で、アレイを走査した。
30番目及び35番目のサイクル後に採取されたPCR産物に対して、読み取りを繰り返した。
600のゲインの代わりに550のゲインを使用したことを除き、実施例1のように走査を実施した。アレイ上に3つ反復して存在する捕捉分子MT2C9*3(配列番号4)上でシグナルを定量した。局所的バックグラウンドを差し引き、26番目、31番目及び36番目のサイクルの5つの段階の時間に対して、バックグラウンドを差し引いたシグナルをプロットする。
結果は図12に示されている。(100秒の時点での)徐冷工程の間に、1つの測定を実施した。3つの測定されたサイクルに関して、シグナルは極めて低く、バックグラウンドレベルの範囲であった。ハイブリッド形成工程の間に、(300秒、400秒、500秒及び600秒の時点で)次の4つの測定を行った。特異的な捕捉分子MT2C93(配列番号4)上にシグナルが観察された。ハイブリッド形成の時間につれて、シグナルは線形的に増加し、サイクル数とともに曲線の勾配が増加する(勾配=26番目のサイクルに関して0.422、31番目のサイクルに関して1.562及び36番目のサイクルに関して2.514)。ハイブリッド形成工程の間におけるシグナルの時間枠の回帰曲線が、図12に示されている。
5段階PCRプロセスの複数サイクルの間における、マイクロアレイ上でのアンプリコンのハイブリッド形成の速度論をモニターする
捕捉分子の配列及びそれらの固定化は、スペーサーを含み、実施例1と同じであった。
以下の態様を除き、実験は、実施例3に記載されているように行った。
実施例1に記載されているように、ハイブリッド形成チャンバーによって囲まれたマイクロアレイ上に、このPCR反応50μLを搭載した。実施例1におけるように、スライドの裏側に固定された熱電対によって、PCRの温度を調節した。
次いで、上下逆さまにして、Axonスキャナー(4100パーソナル)中にスライドを入れ、実験全体を通じて、スライドはスキャナー中に入れたままとした。
まず、94℃で5分間、試料を変性するために、加熱カバーをプログラムした。次いで、94℃で30秒(変性)、次いで、63℃で1分(徐冷)、次いで、72℃で30秒(伸長)、次いで、94℃で30秒(変性)、最後に、55℃で5分(ハイブリッド形成)からなる5つの工程のPCR中で、増幅の50サイクルを行った。
走査は、実施例3におけるように実施した。35番目、40番目及び45番目のPCRサイクルの間、サイクルの開始から0秒、100秒、300秒、400秒、500秒及び600秒後の(捕捉分子2C9*3走査時間に対応する)異なる時点で、アレイを走査した。
特異的な捕捉分子MT2C93(配列番号4)上にシグナルが観察された。ハイブリッド形成の時間につれて、シグナルは線形的に増加し、サイクル数とともに曲線の勾配が増加する。
上に論述されているある種の実施形態を参照することによって、本発明を記載してきた。これらの実施形態には、当業者に周知の様々な変更及び別の形態を施すことができることが認識される。
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された構造および技術に対して、上記のものに加えて、多くの修飾を施すことができる。従って、特定の実施形態が記載されているが、これらは例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
図1aは、マイクロアレイ上でリアルタイムPCR及び検出を行うための好ましい装置を表す。装置は、空洞(3)を有する支持体(2)から構成される担体(1)を含み、アレイ(4)を含み、カバーガラス(5)で密封され、入り口(6)を有する。図1bは装置の上面図であり、図1cは側面図A−Bを表す。図1dは、PCR増幅のための温度調節ユニット(8)と、及びマイクロアレイ分析のための検出装置(7)と接触されている装置の表す。図1eは、図1の装置の多重化を表す。 図2aは、アレイを有する空洞の形態のチャンネル(10)によって隔てられた、蓋(9)を有する2つのチャンバー(11)を有するマイクロアレイ上での多重リアルタイムPCR及び検出を実施するための装置を表す。図2bは、PCR増幅のための温度調節ユニット(8)と、及びマイクロアレイ分析のための検出装置(7)と接触されている装置を表す。 図3aは、環上に存在し、温度調節ユニット(8)付近で徐冷される数個のチャンバー(11)を有するマイクロアレイ上でリアルタイムPCR及び検出を行うための好ましい装置を表している。アレイ(4)は、チャンバー中で特定の位置に配置されている。蓋(9)は、入り口(6)を通じてチャンバー中に溶液を導入することを可能とする。図3bは、検出装置(7)が含まれた場合の装置の側面図A−Bを表す。 図4は、2つのチャンバー(11)(1つのチャンバーはアレイ(4)を有する。)を有するマイクロアレイ上でのリアルタイムPCR及び検出を実施するための別の装置を表す。液体は、チャンネル(10)を通じて、1つのチャンバーから別のチャンバーへ移動することができる。 図5aは、1つの部分がアレイ(4)を有する非対称チャンバー(11)を有するマイクロアレイ上でのリアルタイムPCR及び検出を実施するための好ましい装置を表す。装置は、好ましくは、装置の簡易な遠心を可能とするために、円板状支持体の一部である(図5b)。装置が使用される方法の工程が、図5aに示されている。工程1では、ヌクレオチド分子及び増幅用試薬及び標識を含有する溶液が反応チャンバー(11)の第一の区画中に導入される。捕捉分子(4)は、反応チャンバー(11)の第二の区画の上部に固定化される。工程2では、反応チャンバーは蓋(9)で密封されており、温度調節ユニット(8)と接触している反応チャンバー(11)の第一の区画中でPCR増幅が実施される。工程3では、標識された標的分子を含有する溶液を第二の区画中に固定化された捕捉分子(4)と接触させるために、反応チャンバー(11)を遠心し、ひっくり返す。工程4では、チャンバー(11)が再度反転され、結合された、標識された標的分子は検出装置(7)によってウィンドウを通じて測定される。 図6aは、PCR中にアンプリコンを検出するために異なるミクロアレイを有し、円板の異なる部分に沿って異なる温度を有する円板を表す。変性(12)、徐冷T°(13)、伸長T°(14)、読み取り用のウィンドウ(15)を有する部分。図6bは、PCR増幅のための温度調節ユニット(8)と、及びマイクロアレイ分析のための検出装置(7)と接触されている図6aの装置の側面図A−Bを表す。円板は、ステップモーター(16)を用いて、その軸上で回転する。 図7aは、変性(12)、徐冷(13)及び伸長(14)という3つの工程の1つの増幅/検出サイクルを表す。捕捉分子上でのアンプリコンのハイブリッド形成(17)及びそれらの検出(18)は、好ましくは、サイクルの徐冷工程の間に実施される。次のサイクルの開始は、点線によって表されている。図7bは、変性(12)、徐冷(13)、伸長(14)、変性(12’)及びハイブリッド形成(17)、検出(18)という5つの工程の増幅/検出サイクルを表す。本実施形態において、捕捉分子上のシグナルをゼロにするために、アンプリコンの検出はPCRサイクルの間に実施されず、変性工程(12)が先行する特定のハイブリッド形成工程の間にアンプリコンの検出が実施される。次のサイクルの開始は、点線によって表されている。本実施形態は、実施例2に示されている。 図8は、捕捉分子がPCR溶液と断続的に接触している、本発明の特定の実施形態における6段階の1つの増幅/検出を表している。連続する工程は、変性(12)、徐冷(13)、伸長(14)、変性(12’)、ハイブリッド形成(17)及び検出(18)である。図8aは、反応チャンバー中の、好ましくは底部に捕捉分子が固定化されている実施形態を表す。捕捉分子は、検出(18)の間を除く全ての工程の間、PCR溶液と接触している。その目的を達するために、液体は、捕捉分子から離れる方向に移動される。一実施形態は、検出工程(18)の前(T)及び後(T’)の後に、チャンバーを上下反転させることである。次のサイクルの開始は、点線によって表されている。図8bは、捕捉分子が反応チャンバーの蓋(9)の中に固定化されている別の実施形態を表す。捕捉分子は、ハイブリッド形成(17)の工程の間のみ、PCR溶液と接触している。その目的に到達するために、ハイブリッド形成工程(17)の前(T)及び後(T)に、チャンバーを上下反転させることである。次のサイクルの開始は、点線によって表されている。 PCRの異なるサイクルと一緒にリアルタイム検出を行うための、及び得られた値に従って検出を停止するための本発明の方法の異なる工程の一般的な模式フローチャート。この一般的なフローチャートは、図7bの5段階サイクルに対応する。 実施例1に提供されている標識されたコンセンサスプライマーを用いるマイクロアレイ上でのPCR増幅のオンライン検出の結果。異なる結合された捕捉分子を含むマイクロアレイの存在下で、S.オーレウス(S.aureus)及びS.ニューモニアエ(S.pneumoniae)のゲノムDNAに対してPCRを行った。一つの捕捉分子は増幅された産物S.オーレウス(配列番号1)に特異的であり、別の捕捉分子は増幅された産物S.ニューモニアエ(配列番号2)に特異的であった。1つの陽性ハイブリッド形成対照を反応混合物に添加し、捕捉分子BAT−973(配列番号3)に対して相補的であるcy3で標識されたアンプリコンに対応していた。ハイブリッド形成相をチェックするために、この対照を使用した。異なる熱的サイクルの徐冷工程の間に、S.オーレウス(S.aureus)(配列番号1)、S.ニューモニアエ(S.pneumoniae)(配列番号2)及びBAT−973(配列番号3)の捕捉分子に対して測定を行った。 図11は、図7bに示されているように、5段階の増幅/検出の1サイクルの間における、マイクロアレイ上でのアンプリコンのハイブリッド形成の速度論をモニタリングした結果を示している。異なる結合された捕捉分子を含むマイクロアレイの存在下で、CYP2C9遺伝子に対してPCRを行った。1つの捕捉分子は、増幅された産物MT2C93(配列番号4)に対して特異的であった。測定は、94℃での変性、60℃での徐冷、72℃での伸長、94℃での変性及び40℃でのハイブリッド形成というサイクル41の5段階の間に定期的に行った。T℃(黒い菱形)。徐冷及びハイブリッド形成の工程の間におけるシグナルの増加の回帰曲線を記載した(黒い三角)。 図12は、5段階の増幅/検出の3サイクルの間における、マイクロアレイ上でのアンプリコンのハイブリッド形成の速度論をモニタリングした結果を示している。実験は、図11に記載されているように実施した。26番目(黒三角)、31番目(黒丸)及び36番目(黒四角)のサイクルでのハイブリッド形成工程の間、測定を規則的な間隔で行い、これらの測定に関する回帰曲線を記載した。T℃(黒い菱形)。

Claims (19)

  1. a)PCR溶液中の少なくとも1つのPCRサイクルを実施して標識されたアンプリコンを形成する工程;
    b)固定化された標識されていない捕捉分子に前記アンプリコンをハイブリッド形成させる工程;
    c)ハイブリッド形成されたアンプリコンを検出する工程、ここで、PCR溶液は、検出の間、捕捉分子から離れる方向に移動される
    d)工程a)b)c)を少なくとも1回反復する工程;
    を含む、リアルタイムPCRのための方法であって、捕捉分子がPCR溶液と断続的に接触される、方法。
  2. 捕捉分子が、工程c)を除く全ての工程の間、PCR溶液に接触される請求項1に記載の方法。
  3. 捕捉分子が、工程)の間のみPCR溶液に接触される請求項1に記載の方法。
  4. a)変性、
    b)徐冷、
    c)伸長、
    を含む、PCR溶液中の少なくとも1つのPCRサイクルを実施して標識されたアンプリコンを形成する工程Iと、
    d)変性、
    e)固定化された標識されていない捕捉分子との前記アンプリコンのハイブリッド形成及び
    f)ハイブリッド形成されたアンプリコンの検出、ここで、PCR溶液は、検出の間、捕捉分子から離れる方向に移動される
    を含む、工程IIと
    工程a)〜f)を少なくとも1回反復する工程と
    を含む、リアルタイムPCRのための方法であって、捕捉分子がPCR溶液と断続的に接触される、方法。
  5. 捕捉分子が工程e)及び任意選択的に工程d)の間のみ、PCR溶液に接触される、請求項4に記載の方法。
  6. 捕捉分子が、工程a)及びe)の間のみ、PCR溶液に接触される、請求項4に記載の方法。
  7. 捕捉分子が、工程f)を除く全ての工程の間、PCR溶液に接触される、請求項4に記載の方法。
  8. 捕捉分子がスペーサー部分及び捕捉部分を含み、前記捕捉部分はアンプリコンの特異的配列に相補的であり、前記スペーサー部分は非特異的な配列を有し、捕捉分子は、前記スペーサー部分が固体支持体と前記捕捉部分との間に位置するよう、好ましくは固体支持体に固定化され、捕捉分子の前記捕捉部分は好ましくは、PCRの間に産生されたアンプリコンに特異的な10〜100ヌクレオチド、より好ましくは15〜40ヌクレオチド、更に好ましくは20〜30ヌクレオチドを含み、前記スペーサー部分は好ましくは20〜120塩基の間のヌクレオチド配列である、請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
  9. 捕捉分子が、アンプリコンの2つの遊離末端を規定し、アンプリコンの遊離の両末端は捕捉分子と相補的ではなく、捕捉分子のスペーサー部分側に位置するアンプリコンの遊離末端は、溶液中に位置するアンプリコンの他方の遊離末端より少なくとも50塩基上回る長さである、請求項8に記載の方法。
  10. 少なくとも4つの捕捉分子/cm、好ましくは少なくとも20の捕捉分子/cm、より好ましくは少なくとも100の捕捉分子/cmのマイクロアレイの形態で、捕捉分子が、固体支持体の特異的に局在化された領域中に固定化され、アレイの異なる位置から発せられるシグナルをモニターし、少なくとも2つのPCRサイクルにおいて、位置当り少なくとも2つの測定が実施され、これらの測定において得られたデータを処理することによって、アンプリコンの検出が行われる、請求項1から9の何れか一項の方法。
  11. ハイブリッド形成されたアンプリコンを検出する工程及び少なくとも1つのPCRサイクルが1つのチャンバー中で実施される、請求項1から10の何れか一項の方法。
  12. ハイブリッド形成されたアンプリコンを検出する工程の間、チャンバー中に含有される溶液が、好ましくはチャンバーの位置を変えることによって、より好ましくは変更がチャンバーを上下逆さまに反転させることによって、捕捉分子から離れる方向に移動される、請求項11の方法。
  13. 検出されたシグナルが、異なるPCRサイクルに関連するハイブリッド形成工程の間における、捕捉分子上へのアンプリコンの蓄積の結果である、請求項1又は4の方法。
  14. 同じく試料中に存在する可能性がある少なくとも4つの他の相同的ヌクレオチド配列と30%より高い、好ましくは60%より高い、より好ましくは80%より高い相同性を有する配列を有するヌクレオチドを含有する試料に対して適用される、請求項1から13のいずれか1項の方法。
  15. 標識されたアンプリコンが、PCRの前にcDNAに逆転写されるmRNAに由来する、請求項1から14のいずれか1項の方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項の方法の工程を行うための、生物又は生物の一部の診断及び/又は定量キットの使用であって、前記キットは、
    −一本鎖捕捉分子がその上に共有結合されている不溶性固体支持体表面と、ここで、前記捕捉分子は前記生物又はその一部のヌクレオチド配列へ特異的に結合することができる10〜600塩基の捕捉部分を含む、
    −前記生物又はその一部から増幅されたヌクレオチド配列の同定及び/又は定量と一緒に遺伝的増幅を行うための、PCR溶液を含む反応チャンバー
    を含む、使用
  17. 反応チャンバーが流体を通じて互いに接触している2つの区画から構成され、1つの区画が、結合された捕捉分子を有するアレイを備えている、請求項16の使用
  18. 請求項1〜15のいずれか1項の方法において使用するための装置の使用であり、前記装置は、
    a)アレイに従って特異的な位置において、不溶性固体支持体表面に結合された標識されていない捕捉分子、
    )PCR増幅のための反応チャンバー、
    c)熱制御用の装置、
    d)アンプリコンと捕捉分子の間の結合の位置において形成されるシグナルを検出するための装置、
    )シグナルをデジタルデータへ変換するためのコンピュータプログラム、ここで、コンピュータプログラムはシグナルが形成されるアレイの位置を認識する、
    を含み、
    好ましくは、生物又は生物の一部から得られたヌクレオチド配列の二本鎖標的ヌクレオチド配列への自動化PCR増幅を実施するためのサーマルサイクラーであって、標識された標的ヌクレオチドの産生のための固体支持体を交互に加熱及び冷却することができる、サーマルサイクラーを含む、使用
  19. 前記装置が、
    −熱的サイクルの所定のタイミングで、支持体の少なくとも5つの異なる位置に対する異なる測定から得られたデータを記憶するための記憶システム、
    −アレイの各位置に対して、少なくとも1つの熱的サイクル内で、少なくとも一回、検出及び記憶の工程を反復する調節装置、
    −増幅前に試料中に存在するヌクレオチド分子の量を検出及び/又は定量するための、少なくとも1つの熱的サイクルにおいて得られたデータを処理するためのコンピュータプログラム、
    をさらに含む、請求項18の使用
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