JP5258755B2 - 捕捉プローブを含み、pcr槽を開けることなしにハイブリダイゼーションによるpcr産物の検出を可能にするリアルタイムpcr用反応チェンバ - Google Patents

捕捉プローブを含み、pcr槽を開けることなしにハイブリダイゼーションによるpcr産物の検出を可能にするリアルタイムpcr用反応チェンバ Download PDF

Info

Publication number
JP5258755B2
JP5258755B2 JP2009510441A JP2009510441A JP5258755B2 JP 5258755 B2 JP5258755 B2 JP 5258755B2 JP 2009510441 A JP2009510441 A JP 2009510441A JP 2009510441 A JP2009510441 A JP 2009510441A JP 5258755 B2 JP5258755 B2 JP 5258755B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction chamber
pcr
capture
molecule
window
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009510441A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009537125A (ja
Inventor
レマクル,ヨセ
アレクサンドル,イザベル
コーン,ハインツ
ザイペル,マルテイーン
Original Assignee
エッペンドルフ アレイ テクノロジーズ エス.アー.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from EP06114103A external-priority patent/EP1788095B1/en
Application filed by エッペンドルフ アレイ テクノロジーズ エス.アー. filed Critical エッペンドルフ アレイ テクノロジーズ エス.アー.
Publication of JP2009537125A publication Critical patent/JP2009537125A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5258755B2 publication Critical patent/JP5258755B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ヌクレオチド配列のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、固定化された捕捉分子におけるその検出とあわせて実施するための閉装置に関する。より詳細には、この装置は、配列の増幅をリアルタイムでモニタリングするのに有用である。本発明は、ワンステップ検定で行われる増幅および検出により、特定の遺伝子または生体の同定および定量を可能にする。
生体、または遺伝子のような生体の一部の検出および定量は、ヌクレオチド配列の分子増幅とそれに続く検出を利用することによって最良の形で行うことができる。所与の配列の増幅は、最も一般的なものとして、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許第4683195号明細書および第4683202号明細書)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(WuおよびWallace、「Genomics」、第4巻、560頁、1989年)、またはサイクリングプローブ反応(CPR)(米国特許第5011769号明細書)など、いくつかの方法によって行われる。
PCRは、最も一般的に使用される増幅方法である。PCRは、2つのオリゴヌクレオチドプライマー、重合剤、ターゲット核酸テンプレートを使用する。核酸の変性、プライマーのアニーリングおよび伸長の連続サイクルにより、特定の核酸セグメントの複製が多数作製される。ゲノムDNAのセグメントは、最適化された条件を用いた場合、きわめて高い特異性と忠実度で1000万倍まで増幅することができる。
通常、PCRは、単一のチューブ内で、96ウェルまたは384ウェルプレートフォーマットの一部であるウェルの中で行われ、その後、アンプリコンと呼ばれる増幅された配列の存在が解析される。
PCR産物の検出方法は米国特許第4683195号明細書に記載されている。これらの方法は、増幅されたターゲット核酸とのハイブリダイゼーションが可能なオリゴヌクレオチドプローブを必要とする。これらの方法は、増幅、捕捉および検出という個別のステップを必要とし、一般に完了までに数時間を要する。
PCR法は大幅な増幅となるため、DNA含有量の多い試料からの、または以前の増幅からのわずかなDNAキャリーオーバーのレベルによって、たとえ意図的に加えられるテンプレートDNAがなくても、非特異的なアンプリコンが生成される可能性がある。試料に汚染DNAが入り込む可能性は、試料の調製、処理および解析のために要求される取扱いステップの数が増えるのとともに増大することから、検出および定量のための試料の取扱いは、とりわけ増幅反応が完了した後は、最小限とすることが好ましい。
試料汚染の問題を最小限にすることを目指して、ターゲット核酸の増幅と検出を同時に行う方法や装置について説明がなされてきた。
所与のターゲット核酸配列の存在、したがって特定の生体の存在を検出する1つの具体的な方法は、PCRサイクル中にアンプリコンの出現をモニタリングするというものである。この方法はリアルタイムPCRと呼ばれる。この方法は、サイクルの進行にあわせて、増幅された配列を定量し、元の試料に含まれる配列の量を計算する可能性を与えるものである。この方法は、均質なフォーマットを使用し、PCRおよび検出は1つのチューブ内で行われる。閉チェンバ内で増幅と検出の両方を行うことにより、従来のPCR後検出の方法でチューブを開けることによる汚染のリスクが小さくなる。
アンプリコンの存在を検定する1つの方法は、二本鎖DNAに挿入されたときに、その蛍光が増大するか、またはそのパラメータに変化を生じるある種の挿入色素を活用するというものである。最も一般的に用いられる色素の1つがSYBR緑である。この方法は、溶液中に存在するアンプリコンを中心に、二本鎖DNAの量を検定する。米国特許第4683195号明細書および米国特許第6171785号明細書も、検出可能なDNA結合剤(臭化エチジウムなど)の増幅反応への導入を利用しており、結合剤は、二本鎖DNAを結合したときに強まる検出可能なシグナルをPCR溶液中で生成する。PCR混合物の蛍光の増大は、増幅が起きたことを示す。非特異的な増幅も同様にシグナルをもたらすため、有用であるためには、増幅はきわめて特異的なものである必要がある。
米国特許第6814934号明細書も、PCRサイクル中に二本鎖アンプリコンが生成されることによって溶液混合物中で起こる蛍光の増大をリアルタイムで検出するための器具を提案している。
これまでに利用可能となっているPCR産物の最良の検出方法は、アンプリコンに対して特異的なプローブの使用に基づくもので、そのプローブの蛍光は、アンプリコンが生成されたとき、または溶液中に存在するときに変化するか、または放出される。PCR産物の初期の検出方法は米国特許第4683195号明細書に記載されている。これらの方法は、増幅されたターゲット核酸とのハイブリダイゼーションが可能なオリゴヌクレオチドプローブを必要とする。これらの方法は、増幅、捕捉および検出という個別のステップを必要とし、完了するまでに一般に数時間を要する。
分子ビーコンプローブ、二重色素オリゴヌクレオチドプローブ、AmplifluorまたはScorpionsプライマーおよびTaqManプローブを含め、新しい方法が開発されている。分子ビーコンは、ビーコンの両端が、遊離状態では互いに結合して先の丸い末端のステムで終わるループを形成する同じ長さの自己相補的セグメントを有する点を除いて、従来型の一本鎖ハイブリダイゼーションプローブと構造的に類似している。ステムの終端は、一方の側に蛍光体が付加され、もう一方の側に消光剤が付加されており、そのため、非結合状態では自己消光性を持つ。ビーコンがターゲットアンプリコンに付加すると、フルオロフォアと消光剤が空間的に隔てられ、試料は蛍光を放つことができるようになる。TaqManプローブは、具体的なリアルタイム検出方法として最もよく知られているものの1つであり、市販されている。TaqManプローブは、蛍光体と消光剤の両方を互いにごく接近した形で含んでおり、ターゲットアンプリコンにハイブリダイゼーションされたプローブ、または溶液中の過剰なプローブでは、蛍光が阻害される。蛍光色素は、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を持つTaqポリメラーゼによってアンプリコン鎖が複製される際のプローブの消化により、消光剤の近傍から解放される。これらにより、連続するサイクルの間に溶液中に蓄積する検出可能な分子が提供される。
消光剤および蛍光体分子を持つ線形(TaqManプローブ)またはヘアピン(分子ビーコン)プローブの利用には、いくつかの重大な難点がある。第一に、プローブは、合成するのに複雑な分子であり、高価である。第二に、定量するそれぞれのアンプリコンごとに異なる蛍光体が必要である。この特徴のために、同一検定で検出され得るアンプリコンの数が限定される。第三に、蛍光体と消光剤の間隔が、遊離プローブの蛍光体の有効な消光のために決定的な意味を持つ。プローブに二次的な構造があると、蛍光体と消光剤の間隔に影響を与える可能性があり、その結果、遊離プローブが正しく消光されなくなる。
米国特許第5716784号明細書は、1つが、その5’末端にエネルギー移動ドナーフルオロフォアで標識づけされた解析プローブであり、もう1つが、その3’末端にエネルギー移動アクセプターフルオロフォアで標識づけされた検出プローブである、2つの相補的なプローブの利用に基づいた代替的な方法を提供している。溶液中でオリゴヌクレオチド検出プローブとハイブリダイゼーションされたオリゴヌクレオチド解析プローブの定量的検出は、ターゲット核酸配列の増幅で使用されたオリゴヌクレオチド解析プローブの量についての尺度を与えるものであり、したがって、PCR複製手順で増幅されたターゲット核酸配列の量についての尺度を与える。解析プローブの定量的検出は、溶液中における分光学的なエネルギー移動検出を伴う。
米国特許第5928907号明細書は、試料の体積内に焦点を合わせた光ファイバを使用して核酸増幅反応の産物の生成をリアルタイムでモニタリングするための装置について記載している。通常、蛍光は、チューブまたはウェルの先端または底を通して溶液中で検出される。
これらの方法は、均質なPCRハイブリダイゼーションシステムにおける核酸の定量をリアルタイムでモニタリングすることができるが、これらの方法は、1つの蛍光色素につき1つのターゲット核酸の定量に限定される。多重化のためには、検出装置は、溶液中に存在する限りのターゲットまたは標準の数の蛍光色素を検出できなければならないことから、その実施は容易でない。これには、同一装置内で幾つかの個別のターゲット核酸配列の増幅に関係したシグナルの増大を測定するため、重複しない蛍光色素を使用する必要がある。多くの使用例において、使用される蛍光プローブは1つであり、時として2つである。それより多数のプローブを使用することは、それぞれのプローブが固有の励起波長と発光波長を必要とすることから、検出システムの複雑さとコストを劇的に増大させることになる。
国際公開第04/101733号パンフレットは、遺伝子の直接検出のためのウォッシュフリーPCR増幅チューブを開示している。PCR用に設計された反応チューブの中に分子ビーコンが固定化される。PCRチューブは、さらに、PCRチューブ内で分子ビーコンが固定される部位に透明窓を備える。固定化されたプローブは蛍光体と消光剤を有する。消光剤はプローブの自由端に配置される。PCRの間に、消光剤は、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を持つTaqポリメラーゼによってアンプリコン鎖が複製される際の固定化プローブの消化によって、蛍光体の近傍から解放される。これらにより、連続するサイクルの間に支持体上に蓄積する検出可能な分子が提供される。
この方法は、溶液中で行われるリアルタイムPCRにきわめて近いものである。いずれの場合も、プローブ部が増幅ステップにかかわる。
分子ビーコンを(支持体に固定化された)捕捉分子として使用することには、溶液中で使用する分子ビーコンと比較した場合にさらに難点がある。PCRを固体支持体の近傍にあるプローブ上で行う場合、溶液中で行われるPCRと比べてはるかに効率が悪く、実施も難しい。異なるターゲットを定量するために、マイクロアレイとして構成したものなど、同一支持体の上で複数の分子ビーコンを使用する場合には、基本的な蛍光バックグラウンド(ターゲットなしで)がプローブごとに異なるため、状況はさらに劇的となる。そのため、異なるターゲットの定量は較正が難しい。
本発明は、検出のための特異的なプローブを使用した上述のリアルタイムPCR法の利点を持つ方法のための装置であって、1回の検定につき1つの(またはごく少数の)検出だけという制限、および/または、特異性と消光もしくはFRETのような物理化学的制約とをあわせ持つ標識プローブの設計という複雑性を克服する装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、先行技術の方法に伴う欠点を回避しつつ、不均質系でPCRをリアルタイムでモニタリングする装置を提供することにある。装置はきわめて多数の用途および検出ターゲットのために使用され、多数のターゲット配列の増幅をリアルタイムでモニタリングする可能性を提供する。そうすることで、1回の検定で、試料に含まれる複数の生体または遺伝子の存在を検出し、定量することが可能になり、溶液中で検出を行うリアルタイムPCRの場合のように、蛍光色素の数による制限を受けることがない。
本発明による装置は、PCR溶液を収容するように構成されたリアルタイムPCRのための反応チェンバであって、該チェンバがチェンバ内面上に固定化された捕捉分子を有し、該内面がPCR溶液と断続的に接触するように構成されている反応チェンバと、該内面からのシグナルをチェンバ外にある読取り装置によって検出することを可能にする窓とを備え、固定化された捕捉分子が標識づけされない。
検出の特異性は、固定化された捕捉分子に対するアンプリコンのハイブリダイゼーションによって与えられる。本発明のもう1つの特徴は、捕捉分子がPCR反応に関与せず、したがって、溶液中で起こるPCRに干渉しないところにある。
本発明の特徴および利点は、以下の図面を参照することによって理解されるであろう。
コンパートメントが1つの反応チェンバ(1)を持つ本発明の好ましい装置の図である。装置は以下の方法で使用される。ステップ1で、ヌクレオチド分子ならびに増幅および標識用の試薬を含んだ溶液(3)が反応チェンバ(1)の中に導入される。捕捉分子(4)は反応チェンバ(1)の底に固定化される。ステップ2で、反応チェンバは蓋(2)で密封される。ステップ3で、温度調節装置(5)と接する反応チェンバ(1)内でPCR増幅が行われる。標識ターゲット分子は、溶液中にも、捕捉分子(4)にハイブリダイゼーションされた状態でも存在する。ステップ4で、反応チェンバ(1)を回転させて、捕捉分子を担持する表面が検出装置(6)の前に来るようにし、結合した標識ターゲット分子が窓(7)を通して検出装置(6)によって測定される。 コンパートメントが1つの反応チェンバ(1)を持つ本発明の好ましい装置の図である。装置は以下の方法で使用される。ステップ1で、ヌクレオチド分子ならびに増幅および標識用の試薬を含んだ溶液(3)が反応チェンバ(1)の中に導入される。ステップ2で、反応チェンバは、捕捉分子(4)を表面に固定した蓋(2)で密封される。ステップ3で、温度調節装置(5)と接する反応チェンバ(1)内でPCR増幅が行われる。標識ターゲット分子は溶液中に存在し、捕捉分子(4)との干渉は起こらない。ステップ4で、反応チェンバ(1)を回転させて、捕捉分子を担持する表面が標識ターゲット分子を担持する溶液と接するようにする。このステップの間に、標識ターゲット分子は捕捉分子(4)にハイブリダイゼーションする。ステップ5(図1のステップ4と等価)で、反応チェンバ(1)を回転させて、捕捉分子(4)を担持する表面が検出装置(6)の前に来るようにし、結合した標識ターゲット分子が窓(7)を通して検出装置(6)によって測定される。 コンパートメントが2つある反応チェンバ(1)を持つ本発明の好ましい装置の図であり、装置を使用する方法のステップを示した図である。ステップ1で、ヌクレオチド分子ならびに増幅および標識用の試薬を含んだ溶液(3)が反応チェンバ(1)の第1のコンパートメントの中に導入される。捕捉分子(4)は反応チェンバ(1)の第2のコンパートメントの上部に固定化される。ステップ2で、反応チェンバは蓋(2)で密封され、温度調節装置(5)と接する反応チェンバ(1)の第1のコンパートメント内でPCR増幅が行われる。ステップ3で、反応チェンバ(1)は遠心分離機にかけられ、裏返されて、標識ターゲット分子を含む溶液が第2のコンパートメントに固定化された捕捉分子(4)と接するようにする。ステップ4で、反応チェンバ(1)は表に戻され、結合した標識ターゲット分子が窓(7)を通して検出装置(6)によって測定される。 コンパートメントが2つある反応チェンバ(1)を持つ本発明の好ましい装置の図であり、装置の遠心分離を容易に行うことができるディスク支持体の一部であることが好ましい装置の図である。 コンパートメントが2つある反応チェンバ(1)を持つ本発明の代替装置の図である。装置の使用原理は図3aで示されているものと同じである。第1のコンパートメントはマイクロチューブであり、捕捉分子(4)を担持する第2のコンパートメントは、マイクロチューブに結合された平坦な溝である。 コンパートメントが3つある反応チェンバ(1)を持つ本発明の好ましい装置の図であり、2つのコンパートメントが、捕捉分子(4)を担持する溝である第3のコンパートメントによって隔てられている。ステップ1で、ヌクレオチド分子ならびに増幅および標識用の試薬を含んだ溶液(3)が反応チェンバ(1)の第1のコンパートメントの中に導入される。溶液(3)は第2および第3のコンパートメントに毛管現象によって拡散する。ステップ2で、第1のコンパートメントは蓋(2)で密封され、温度調節装置(5)と接する反応チェンバ(1)内でPCR増幅が行われる。このステップの間、標識ターゲットヌクレオチド分子のその捕捉分子に対する結合反応の速度を速めるため、溶液は捕捉分子(4)の上を移動させられる。これは、反応チェンバ(1)を回転させ、並進させ、もしくは上下動させることによって、またはチェンバ内の圧力を増減させることによって行われる。ステップ3で、反応チェンバ(1)が遠心分離機にかけられ、それによって捕捉分子(4)を担持する表面から標識ターゲット分子を含む溶液が取り除かれ、結合した標識ターゲット分子が窓(7)を通して検出装置(6)によって測定される。
以下、本発明の幾つかの実施形態について、あくまでも例として、図面を参照しながら説明する。
定義
用語「核酸」、「オリゴヌクレオチド」、「アレイ」、「プローブ」、「ターゲット核酸」、「ほぼ結合」、「に対して特異的にハイブリダイゼーションする」、「バックグラウンド」、および「定量」は、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第97/27317号パンフレットに記載されているとおりのものである。
用語「ヌクレオチド三リン酸」、「ヌクレオチド」、および「プライマー配列」は、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第00/72018号パンフレットに記載されているとおりのものである。
用語「相同配列」および「コンセンサス配列」は、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第01/77372号パンフレットに記載されている。用語「相同性」は、1つのポリヌクレオチド配列がもう1つのポリヌクレオチド配列に対して持つ同一性の度合いを意味するものとして意図される。2つまたはそれ以上のポリヌクレオチドの間には完全な相同性(すなわち、100%同一)がありうる。相同性の度合いは、配列の整列後に計算されるものであり、当業者によく知られている任意の方法によって判定されることができる。
本明細書で用いる「捕捉分子」とは、1つのターゲット分子、一群のターゲット分子、複数のターゲット分子の構成要素の1つもしくはそれ以上、またはそれらの一部に特異的に結合することができる分子、または分子の錯体もしくは組合わせをいう。捕捉分子は、好ましくは、支持体表面にその位置で(in situ)化学的に合成されるか、または他の位置で(ex situ)合成され、その後に支持体に付加される核酸である。核酸結合は、2つのポリヌクレオチドの間、すなわち、1つは固定化された捕捉分子、もう1つは検出対象のターゲットの間の塩基対合によって達成される。捕捉分子には、ターゲットポリヌクレオチド分子を特異的に結合できる限りにおいて、PNAまたはLNAのような核酸の誘導体も含まれる。
用語「単一の捕捉分子種」とは、ポリペプチドまたはプロテインの間の塩基対合ハイブリダイゼーションまたは分子認識による所与の配列の検出のための一連の関連するポリヌクレオチドである。ポリヌクレオチドは化学的もしくは酵素的に合成されるか、または試料から単離されるが、合成または単離は常に完璧なわけではなく、捕捉分子は、より短いポリヌクレオチドのような他の関連分子によって汚染される。本発明における単一の捕捉種の基本的特徴は、所与のターゲットヌクレオチド分子の捕捉のために種全体を使用できるところにある。
本明細書で使用される用語「1つまたは複数の遺伝子またはゲノム配列に対して相補的なポリヌクレオチド配列」とは、該遺伝子もしくはゲノムまたはそれらの複製のヌクレオチド配列の少なくとも一部に対して厳密な条件のもとでハイブリダイゼーションすることができるポリヌクレオチドをいう。ポリヌクレオチドには、特定の条件のもとで使用できるオリゴヌクレオチド(2個超、100個未満の塩基を含む)も含まれる。このようにハイブリダイゼーションしたポリヌクレオチドは、典型的には、ヌクレオチドレベルで該遺伝子またはゲノムに対して少なくとも約75%の配列同一性を、好ましくは該遺伝子またはゲノムに対して約80%または95%の配列同一性、または好ましくは95%超のヌクレオチド配列同一性を示す。ポリヌクレオチドは、検定で要求される特異性および感度に応じて、典型的には塩基15−30個の長さの短い配列か、または塩基30から100個まで、さらにはそれ以上の100から800個までの長さの長めの配列のいずれかからなる。
「マイクロアレイ」とは、所与の特異性を持つターゲット分子に結合することができるように複数の捕捉分子が固定化されている支持体を意味する。マイクロアレイは、好ましくは、支持体の表面もしくは内部のまたは支持体を覆う基質の特異的局所域に存在する捕捉分子によって構成される。特異的局所域とは、所定のターゲット分子に対して特異性を持つ結合した捕捉分子を含む表面区域である。特異的局所域は、マイクロアレイの構築に用いられた方法から知られているか、または検出中もしくは検出後に画定される。スポットは、特異的なターゲット分子がその捕捉分子に固定される区域であり、検出器によって観察される区域である。マイクロアレイは、標識づけされた検出対照を含むこともできる。それらの対照は、検出性能をチェックするもので、アレイを取り囲むが、特異的なターゲット分子の検出には使用されない。本発明の1つの具体的適用では、異なる支持体が特異的な捕捉分子を含み、特異的なターゲット分子を定量できるように互いを区別することができるのであれば、捕捉分子のマイクロアレイはその異なる支持体にも用意される。これは、特有の特性を有し、結合した分子を定量するために互いを区別することができるビーズの混合物を使用することによって達成することができる。その場合、1つのビーズまたは1つの集団のビーズは、1つのターゲット分子に対して特異的な捕捉分子を持つスポットであるものと見なされる。
本発明の「アンプリコン」とは、生体物質中にあるヌクレオチド分子のPCR増幅の結果であるターゲットヌクレオチド分子を意味する。
「断続的接触」とは、何らかの時間枠において、物理的に接触し、または接触しないことを意味する。本発明のある具体的態様で、PCR溶液が捕捉分子と断続的に接触するということは、捕捉分子を固定した表面からPCR溶液が一定時間にわたって移され、または移動させられ(非接触)、その後、PCR溶液が元の位置に戻される(接触)ことを意味する。好ましくは95%超、また、好ましくは99%超のPCR溶液が反応チェンバ内で移され、移動させられる。PCR溶液は、反応チェンバの向きの変化、好ましくは反応チェンバの回転、並進、または側方運動によってもたらされる重力排出によって移動させられることが好ましい。
好ましい実施形態の説明
有利には、本発明による反応チェンバは、複数の捕捉分子が、少なくとも4つの異なる局所域を持つマイクロアレイの形をなして固定される窓を有する。
ある好ましい実施形態では、PCRサイクルの間に生成されるアンプリコンはその合成の間に標識づけされ、チェンバ表面に固定化された捕捉分子に結合したところを反応チェンバの窓を通して検出される。
もう1つの好ましい実施形態では、チェンバは蓋で密封され、チェンバ内にある液体の蒸発は、35回のPCRサイクルの後で10%未満であり、好ましくは1%未満である。
もう1つの好ましい実施形態では、反応チェンバは、90℃、好ましくは95℃に耐える固体材料で製造される。
もう1つの好ましい実施形態では、窓の表面は、85℃超、好ましくは95℃超の温度で平坦に保たれる。ハイブリダイゼーションしたアンプリコンは検出装置によって検出されなければならず、好ましくは、異なる捕捉分子を含む異なる局所域は、同じ量のターゲットと結合した場合、同じシグナルの強さを示さなければならない。したがって、反応チェンバの好ましい実施形態は、検出される窓の異なる局所域の平坦度公差が100ミクロン未満、好ましくは25ミクロン未満であるものである。
ある好ましい実施形態では、検出に使用される波長における窓の光線透過率は80%超、好ましくは90%超である。
もう1つの好ましい実施形態では、固定化された捕捉分子へのアンプリコンの結合に由来し、窓を通して検出されるシグナルは、アンプリコンが存在しないとき、または結合が行われ得ない条件下のように、結合なしで得られるシグナルと比べて、少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、さらに好ましくは少なくとも10倍である。
ある好ましい実施形態では、チェンバはチェンバ外にある温度調節装置で温度調節される。結合したアンプリコンを測定できるようにするため、温度調節装置は窓位置には存在しない。
ある好ましい実施形態では、マイクロアレイは、異なる捕捉分子(20)を10種超、好ましくは20種超、さらに好ましくは50種超含む。それらは、好ましくはポリヌクレオチド分子である。捕捉分子は、また、好ましくは、アンプリコンを特異的に結合する配列(捕捉部位)と、チェンバ表面に結合するスペーサ部位とを備える。固定化された捕捉分子は、好ましくは、捕捉部位と、少なくとも20個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも50個のヌクレオチド、より好ましくは90個超のヌクレオチドによるスペーサ部位とを持つポリヌクレオチドである。
ある具体的な実施形態では、捕捉分子はサブコンパートメントを持つ表面に固定される。好ましくは、それぞれのコンパートメントは異なる捕捉分子を含む。もう1つの実施形態では、それぞれのコンパートメントは同じ捕捉分子を含む。より好ましくは、チェンバは、サブコンパートメントに物理的に切り離された少なくとも4つの異なる捕捉分子を含む。
1つの具体的な実施形態では、捕捉分子は、PCRの間にアンプリコンを含む溶液と流体的に接触しない。
もう1つの実施形態では、捕捉分子は、PCRの間にアンプリコンを含む溶液と流体的に接触する。
好ましい実施形態では、結合された標識アンプリコンの測定は液体の不在下で行われる。液体の不在は、好ましくは、反応チェンバの向きを変えることによるものなど、重力排出によって得られる。反応チェンバの向きは、例えば、反応チェンバの回転、並進、または側方運動からなる一群の中から選ばれる方法によって変わる。ある具体的実施形態では、反応チェンバは流体的に接触する2つのコンパートメントを持ち、1つはPCR用であり、もう1つは結合したアンプリコンの検出用の窓を含む。
もう1つの実施形態では、反応チェンバは、流体的に接触する3つのコンパートメントを持ち、2つはPCR用であり、もう1つは結合したアンプリコン検出用の窓を含む。
もう1つの好ましい実施形態では、反応チェンバ(1)の少なくとも1つのコンパートメントまたはチェンバそのものが、チューブ、ウェル、キャビティおよびリザーバからなる一群の中から選ばれる形状を持つ。
より具体的には、反応チェンバまたはチェンバのコンパートメントは蓋によって閉ざされる。好ましくは、蓋は、結合したアンプリコンを検出するための窓の役割を果たす。本発明によれば、蓋は、ガラス、金属、ポリマー(好ましくは、自己蛍光の少ない耐熱性のもの)、またはマイクロアレイ技術で使用されるその他の材料(好ましくは、アルデヒド基、エポキシド基またはアクリレート基を含有する活性ガラス)からなる一群の中から選ばれる材料を含むか、またはそれによってなり、該蓋は、検定を改善するための特定のコーティング、マーカまたは装置(バーコード、電子デバイスなど)をさらに備える。
ガラスは多くの利点を有するが(不活性であることや、自己蛍光が少ないことなど)、化学的に明確に定義された様々な基をその表面に持つことでヌクレオチド配列の結合を可能にするポリマーのようなその他の支持体も有用である。もう1つの好ましい実施形態では、捕捉分子を担持する支持体が三次元多孔質構造を持つ。従来からのガラススライドは、その表面に60%未満の二酸化ケイ素を含む。そのため、その表面で提供され得る化学結合の量は本質的に制限される。多孔質材料では、捕捉分子の負荷能力が高まる。典型的な多孔質支持体には、ゲルパッド、溶融繊維マトリクス、繊維ポリマーマトリクスが含まれる。捕捉分子は、多孔質材料の中に、または、ガラス、プラスチック、もしくは金属のような平坦な平面の上に重ねた多孔質材料の層の上にすべて固定化することができる。
マイクロ流体技術および「チップ上のラボ」概念の発展に伴い、ガラスに加え、ポリマーが、マイクロアレイ用支持体として、そして生体検定の小型化のために次第に使用されるようになっている。ある好ましい実施形態では、蓋のポリマー材料は、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、またはそれらの混合物からなる一群の中から選ばれる。好ましいCOP製品として挙げられるのは、その優れた光学特性、化学的強度、熱安定性、低い蛍光性から、Zeonex(登録商標)である。ある好ましい実施形態では、蓋は耐熱性を持ち、85℃超の温度で平坦に保たれる。もう1つの好ましい実施形態では、検出に使用される波長における蓋の光線透過率は80%超であり、さらには90%超である。
ある具体的実施形態では、反応チェンバまたはチェンバのコンパートメントは、4.5mmまたはその倍数のピッチで互いに隔てられたマルチウェルプレートのウェルである。好ましくは、反応チェンバまたはチェンバのコンパートメントは、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも8つ、より好ましくは少なくとも24、いっそう好ましくは少なくとも96、なおいっそう好ましくは少なくとも384のチェンバを持つマルチウェルプレートである支持体の一部である。
ある好ましい実施形態では、チェンバは、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、またはそれらの混合物からなる一群の中から選ばれるポリマーによって製造される。好ましくは、シクロオレフィンコポリマー(COC)または環状オレフィンポリマー(COP)はZeonex(登録商標)製品である。ある好ましい実施形態では、チェンバおよび/または窓は、90%超の光線透過率を持つZeonex(登録商標)製である(http://www.zeonchemicals.com)。
好ましい実施形態では、捕捉分子として使用されるポリヌクレオチドは、ヌクレオチド10個から1000個までの長さであり、好ましくはヌクレオチド100個から400個までの長さである。同じ試料中に存在する可能性のある相同配列の特異結合のために、ポリヌクレオチド捕捉分子は国際公開第0177372号パンフレットによるスペーサ部位を備える。同じ試料中に存在する可能性のある相同配列またはSNPの特異結合は、10個から30個までのヌクレオチドの特異的な部分を持つ捕捉分子を使用することで得られる。
ある好ましい実施形態では、捕捉分子として使用されるポリヌクレオチドは、固体支持体の表面1cm当たり10fmol超、好ましくは1cm当たり100fmol超の密度でマイクロアレイの局所域に存在する。
本発明によるマイクロアレイは、1cm当たり4個から100000個までのスポット、好ましくは1cm当たり20個から1000個までのスポットを含む。それぞれのスポットは、好ましくは1つの捕捉分子のための局所域である。小型化により、多数の表面スポット(通常は直径約0.1mmから約1mmまでの円形スポット)に対して1回で検定を行うことが可能となる。20個から400個までのスポットを含む低密度のアレイは、直径0.2mmから0.4mmまでのピンによって低コストで容易に得られる。1cm当たり1600個までのより高密度のスポットは、スポットの大きさを例えば直径0.1mmから0.2mmまでに縮小することによって得ることができる。より高密度の捕捉分子を得るための方法は、これまでに米国特許第5445934号明細書などに記載されている。スポットサイズの小型化は、多数のデータを取得し、同時に解析することを可能にするものであり、追試を行う可能性、しかも検定に少量の生体試料しか必要とせずに行える可能性を内包するものである。マイクロアレイ上での検出のための小型化は、細胞抽出物からのヌクレオチド分子の分離、抽出のためのマイクロ流体基質と連携させることが好ましい。
ある好ましい実施形態では、局所域は約10μmから約1mmまでの間、好ましくは約1μmから約100μmまでの間である。
1つの好ましい実施形態では、マイクロアレイ上にある捕捉分子は、溶液中にある1つの増幅されたターゲットヌクレオチド配列の少なくとも一部分に対して相補的である。捕捉分子は、増幅されたターゲットヌクレオチド配列を特異的に結合させることができるヌクレオチド配列を含んでおり、該特異的ヌクレオチド配列(捕捉部位)はさらに、増幅されたターゲット分子に対して結合親和性を持たず、二本鎖の形をなす少なくとも約6.8nmまたはヌクレオチド20個のスペーサアーム(スペーサ部位)によって固体支持体の表面から隔てられることが好ましい。ある好ましい実施形態では、捕捉分子は、標識ターゲットヌクレオチド分子を特異的に結合できる捕捉部位と、少なくとも20個、好ましくは90個超のヌクレオチドからなるスペーサ部位とを持つ、一本鎖のポリヌクレオチドである。スペーサ部位は一本鎖または二本鎖のいずれのDNAであってもよい。
ある好ましい実施形態では、捕捉分子の捕捉部位は、ヌクレオチド15個から100個まで、より好ましくはヌクレオチド15個から35個までによって構成される。
本発明での使用に好適な検出可能な標識には、電磁的な発光によって検出可能なあらゆる組成が含まれる。ある実施形態では、ターゲット分子は蛍光色素によって標識づけされる。蛍光標識は、酵素反応または化学反応によってターゲットに組み込むことができる。典型的な酵素反応には、ターゲットへのヌクレオチド類似体の組み込みが含まれる。あるいは、5’末端に蛍光色素で標識づけしたプライマーをターゲットに組み込むことができる。また、蛍光色素は、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)基を持つ蛍光色素とターゲットのアミン基の反応のような化学反応によってターゲットに組み込むこともできる。本発明における有用な蛍光色素には、シアニン染料(Cy3、Cy5、Cy7)、フルオレセイン、Texas Red、ローダミン、緑色蛍光タンパク質が含まれる。好ましくは、シアニン3の励起波長は540nmから558nmまでの間で、ピークが550nmであり、発光波長は562nmから580nmまでの間で、ピークが570nmである。
好ましくは、シアニン5の励起波長は639nmから659nmまでの間で、ピークが649nmであり、発光波長は665nmから685nmまでの間で、ピークが670nmである。好ましくは、シアニン7の励起波長は733nmから753nmまでの間で、ピークが743nmであり、発光波長は757nmから777nmまでの間で、ピークが767nmである。
こうした標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3817837号明細書、第3850752号明細書、第3939350号明細書、第3996345号明細書、第4277437号明細書、第4275149号明細書、および第4366241号明細書がある。ある好ましい実施形態では、蛍光色素はシアニン3、シアニン5、またはシアニン7である。
元のヌクレオチド分子は、必ずしも増幅前に標識づけされる必要はないが、増幅ステップの間に増幅された標識ターゲット分子となる必要がある。
増幅されたヌクレオチド分子は、変性ステップの後、捕捉分子へのハイブリダイゼーションが可能である。増幅されたヌクレオチド分子は、二本鎖であることから、理論的には、固体支持体に固定された捕捉分子にハイブリダイゼーションするよりもはるかに速く溶液中で再会合するはずである。固体支持体上では、拡散は小さく、特異結合配列も短いために反応速度はいっそう低下する。そのため、短いインキュベーション時間の後、複数の熱サイクルの間に捕捉分子における著しいシグナルの増大が観測されることは予想されなかった。
ある具体的な実施形態では、結合した標識ターゲット分子に対して、熱サイクルのアニーリングおよび/または伸長の際にそれらが溶液中で二本鎖の形で再会合する間に測定が行われる。
有利には、増幅されたターゲットヌクレオチド分子は、好ましくは塩基100個から2000個まで、より好ましくは塩基200個から1500個まで、さらにより好ましくは塩基300個から800個までの限られた長さのものである。好ましいとされるこの要件は、試料中に存在する可能性のある要求される配列を増幅するためのプライマーが見つかるかどうかによる。長すぎるターゲットは、より速く再配置し、二次構造をとることがあり、それによって捕捉分子への固定が阻害されることがある。
熱サイクル装置は、96ウェルのMicrotiterプレートの支持体フォーマットに適合するように構成される。代替の加熱および冷却は、好ましくはペルチエ素子またはパルスエアを用いて得られる。
ある好ましい実施形態では、光線は、蛍光分子を直接励起するために蓋コンパートメントの表面に焦点を合わせたレーザー光である。レーザー光は、好ましくは蓋の表面に直角に焦点を合わせる。放出される光は、励起レーザー光とは反対方向に検出される。放出される光は、好ましくは、共焦点光として検出され、光電子増倍管によって増幅された後に測定される。ある好ましい実施形態では、蓋コンパートメントの表面がレーザー光によってスキャンされ、結合したターゲットの光励起が最大限となるようにする。
ある好ましい実施形態では、蓋コンパートメントの捕捉分子と関係づけられたシグナルが定量される。好ましい方法は、レーザー共焦点スキャナであることが好ましいスキャナでアレイをスキャンして、蛍光標識づけしたターゲットを検出するというものである。画像の解像度は1μmから500μmまでの間、好ましくは5μmから50μmまでの間である。
好ましくは、窓コンパートメントがスキャンされ、マイクロアレイのそれぞれの局所域またはそれぞれのサブコンパートメントがそれに続いて測定される。アレイのスキャンは、好ましくは1分以内、より好ましくは30秒以内、さらにより好ましくは10秒以内に行われる。複数の熱サイクルにわたって読み取りが繰り返される場合は、それぞれの局所域のスキャンは温度ステップの正確に同じ瞬間に測定されることが好ましい。
それぞれの局所域が順次測定されることを有利に利用して、時間依存的にスキャンされる支持体の異なる局所域に固定化された同じ捕捉分子に対する標識ターゲットヌクレオチド分子のハイブリダイゼーションを速度論的にモニタリングすることができる。測定中は温度は一定に保たれるため、ターゲットヌクレオチド分子はスキャン中もその捕捉分子へのハイブリダイゼーションを続ける。
ある具体的な実施形態では、それぞれのPCRサイクルで行われた増幅されたターゲット分子の定量に関するデータが処理され、増幅前に元の溶液中に存在したヌクレオチド分子の量が定量される。増幅サイクルは、増幅の効率が最大であるとき、それぞれのサイクルでターゲット配列の倍加をもたらす。元のヌクレオチド濃度の定量は、検出可能な値をもたらす最初のサイクルの外挿をもとに、または定められた閾値を超える値をもとに計算される。その上で、基準曲線をもとに、または標準分子で得られたデータをもとに濃度が計算される。
ある好ましい実施形態では、それぞれの局所域についてシグナル値を得るためにデータが処理される。もう1つの好ましい実施形態では、それぞれの局所域について、さらに局所的なバックグラウンドについてシグナル値を得るためにデータが処理される。それぞれの局所域のシグナル値からバックグラウンドを差し引くことで、データがさらに処理される。
ある好ましい実施形態では、ヌクレオチド分子の定量は、局所域のシグナル値を固定値と比較することによって行われる。
ある代替の実施形態では、ヌクレオチド分子の定量は、固定値に到達するのに必要な熱サイクル数(サイクル閾値、すなわちCT)と基準ヌクレオチド分子のCTとを比較することによって行われる。基準ヌクレオチド分子は、同じ溶液中で増幅され、同じマイクロアレイでターゲットヌクレオチド分子として検出されることが好ましい。
もう1つの実施形態では、ヌクレオチド分子の定量は、固定値に到達するのに必要な熱サイクル数(CT)を、CTが標準濃度に対してプロットされた標準曲線と比較することによって行われる。
元のヌクレオチド分子から増幅されたターゲットの測定の決定に適用することができる本発明の一例を以下に示す。
(実施例1.アルデヒド基で活性化された96ウェルプレートの調製)
96個のウェルを持つZeonex(登録商標)製マルチウェルプレートが、以下のプロトコルに従ってアルデヒド基の存在のために官能基化された。
1.アミノ化したマルチウェルプレートの調製
一次アミン機能がCOC Zeonex 330R製マルチウェルプレートのウェルにアンモニアプラズマ処理によって導入された。
NHプラズマ中で従来型の低圧rfプラズマ放電によって表面の変性が行われた。マルチウェルプレートはトレイ上に配置され、そのトレイがチェンバ内に載置された。電極はトレイと同じ大きさを持つようにして、試料が覆われ、均一に処理されるようにした。電極と試料の間の距離は8cmであった。反応チェンバ(幅305mm、高さ300mm、長さ370mm)内に試料を導入し、8×10−2ミリバールまでポンプで減圧(真空ポンプはLeybold、Type D16B)した後、ガス流が開始され、プラズマ放電が行われた(作業圧力0.3ミリバール、30%出力の40kHz発生機、放電時間5分)。
2.デキストランポリアルデヒドの調製
デキストラン2.5g(分子量70000、Aldrich番号D1537)を50mlの蒸留水に溶かし、次いで3.594gの過ヨウ素酸カリウム(15.6mmol、Aldrich番号322423)を加えた。調製物は室温の暗所で14時間にわたってよく振り混ぜ、4℃で3日間透析した(カットオフ値10000、蒸留水1リットルを3回)。溶液を遠心分離し、凍結乾燥させた。これによって2.15gのデキストランポリアルデヒドが得られ(収率は86%)、使用まで室温で保管された。
0.125gのデキストランポリアルデヒドを0.1M、pH6のリン酸緩衝液12.5mlに溶解させた。混合物をよく撹拌しながら完全に溶けるまで60℃で数分間過熱した(最終的な溶液は1%)。使用に先立って、溶液は室温まで冷やされた。
3.アルデヒドマルチウェルプレートの調製
ステップ2で得たデキストランポリアルデヒド溶液70μlを、アミノ基を有するマルチウェルプレートのそれぞれのウェルに加えた。プレートを蓋で覆い、室温で2時間インキュベーションした後、蒸留水で3回洗浄した。マルチウェルプレートは使用まで真空下で保管された。
(実施例2.マルチウェルプレートへの捕捉分子の固定化)
96のウェルを持つZeonex(登録商標)製マルチウェルプレートが、実施例1に記載された方法に従ってアルデヒドの存在のために官能基化された。次いで、アミノ化されたDNAが、アルデヒド基で誘導体化された96ウェルプレートのウェルにマイクロアレイのパターンで分注された。アミノ化された捕捉分子は、3μMの濃度の溶液から分注された。捕捉分子は、スプリットピン(Genetix Limited、No.1545)を使用してウェル上にプリントされた。分注後、ウェルを0.2%SDSで1分間1回、蒸留水で2回洗浄した。次いで、NaBH溶液(1mlのPBS75%/エタノール25%に対して2.5mg)でウェルを5分間インキュベーションし、蒸留水で2回洗浄した後、乾燥させた。96ウェルプレートは4℃で真空下で保管した。こうして得た96ウェルプレートのウェルの1つを本発明の好ましい装置として図1に示す。
以上、本発明について、上述の幾つかの実施形態を参照しながら説明した。これらの実施形態が、当業者によく知られている様々な変更および代替の対象となり得るものであることは理解されよう。
ここに記した構造および技法に対しては、本発明の精神および範囲を外れることなく、上述したもの以外に数多くの変更を加えることができる。そのため、ここでは具体的な実施形態について説明したが、これらはあくまでも例であり、本発明の範囲に制限を加えるものではない。

Claims (28)

  1. 少なくとも4つの異なる局所域を持つマイクロアレイの形をなしてチェンバ内面上に固定化された複数の捕捉分子(4)であって、各局所域が所定のターゲット分子に対して特異性を持つ捕捉分子を含み、捕捉分子(4)が、捕捉部位と、チェンバ表面に結合する少なくとも20のヌクレオチドによるスペーサ部位とを持つポリヌクレオチド分子である、捕捉分子(4)と、前記内面からのシグナルをチェンバ外にある読取り装置(6)によって検出することを可能にする窓(7)とを有し、前記内面がPCR溶液(3)と断続的に接触するように構成されており、固定化された捕捉分子(4)が標識づけされておらず、反応チェンバが、結合された標識づけされたアンプリコンの測定を液体の不在下で行えるように構成されている、PCR溶液(3)を収容するように構成されたリアルタイムPCRのための密封可能な反応チェンバ(1)。
  2. PCRの間に生成されるアンプリコンがPCRサイクルにおけるその合成の間に標識づけされ、捕捉分子(4)に結合されたところを反応チェンバ(1)の窓(7)を通して検出される、請求項1に記載の反応チェンバ。
  3. 液体の蒸発が、35回のPCRサイクルの後で10%未満である、請求項1に記載の反応チェンバ。
  4. 反応チェンバ(1)が、90℃に耐える固体材料で製造される、請求項1に記載の反応チェンバ。
  5. 窓(7)の表面が、85℃超の温度で平坦に保たれる、請求項1に記載の反応チェンバ。
  6. 窓(7)が複数の局所域を持ち、窓(7)の検出される局所域の平坦度公差が100ミクロン未満である、請求項1に記載の反応チェンバ。
  7. 光による検出用として意図され、検出に使用される波長における窓(7)の光線透過率が80%超である、請求項1に記載の反応チェンバ。
  8. 窓(7)を通して検出する対象が、固定化された捕捉分子(4)へのアンプリコンの結合に由来するシグナルであり、前記シグナルが、結合のないときのシグナルの少なくとも5倍である、請求項1に記載の反応チェンバ。
  9. チェンバがチェンバ外にある温度調節装置(5)で温度調節される、請求項1に記載の反応チェンバ。
  10. マイクロアレイが異なる捕捉分子(4)を20種超含む、請求項1に記載の反応チェンバ。
  11. 固定化された捕捉分子(4)が、捕捉部位と、少なくとも50個のヌクレオチドによるスペーサ部位とを持つポリヌクレオチド分子である、請求項1に記載の反応チェンバ。
  12. 複数の捕捉分子(4)が、サブコンパートメントを持つ表面に固定される、請求項1に記載の反応チェンバ。
  13. それぞれのサブコンパートメントが異なる捕捉分子(4)を含む、請求項1に記載の反応チェンバ。
  14. 幾つかのサブコンパートメントが同じ捕捉分子(4)を含む、請求項1に記載の反応チェンバ。
  15. それぞれの局所域が、少なくとも4種の捕捉分子(4)をサブコンパートメントに物理的に切り離された状態で含む、請求項1に記載の反応チェンバ。
  16. アンプリコンを含む溶液を収容し、捕捉分子(4)がPCR中に前記溶液と流体的に接触しない、請求項1に記載の反応チェンバ。
  17. アンプリコンを含む溶液を収容し、捕捉分子がPCR中に前記溶液と流体的に接触し、結合された標識づけされたアンプリコンの測定が液体の不在下で行われる、請求項1に記載の反応チェンバ。
  18. 液体の不在が、反応チェンバ(1)の回転、並進、または側方運動からなる一群の中から選ばれる方法により、反応チェンバの向きが変わることによってもたらされる重力排出によって得られる、請求項1に記載の反応チェンバ。
  19. 反応チェンバ(1)が流体的に接触する2つのコンパートメントを持ち、1つはPCR用のコンパートメントであり、もう1つは結合したアンプリコンの検出用の窓(7)を含むコンパートメントである、請求項1に記載の反応チェンバ。
  20. 反応チェンバが流体的に接触する3つのコンパートメントを持ち、2つはPCR用のコンパートメントであり、3つめは結合したアンプリコンの検出用の窓(7)を含むコンパートメントである、請求項1に記載の反応チェンバ。
  21. 反応チェンバ(1)の少なくとも1つのコンパートメントが、チューブ、ウェル、キャビティ、リザーバからなる一群の中から選ばれる形状を持つ、請求項19または2に記載の反応チェンバ。
  22. 反応チェンバ(1)が、チューブ、ウェル、キャビティ、リザーバからなる一群の中から選ばれる形状を持つ、請求項1に記載の反応チェンバ。
  23. 反応チェンバ(1)またはチェンバのコンパートメントが蓋(2)によって閉ざされる、請求項2または2に記載の反応チェンバ。
  24. 蓋(2)が、結合したアンプリコンを検出するための窓の役割を果たす、請求項2に記載の反応チェンバ。
  25. 反応チェンバ(1)またはチェンバのコンパートメントが、4.5mmまたはその倍数のピッチで互いに隔てられたマルチウェルプレートのウェルである、請求項2または2に記載の反応チェンバ。
  26. 反応チェンバ(1)またはチェンバのコンパートメントが、少なくとも24のチェンバ(1)を持つマルチウェルプレートである支持体の一部である、請求項1に記載の反応チェンバ。
  27. チェンバが、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、またはそれらの混合物からなる一群の中から選ばれるポリマーによって製造される、請求項1に記載の反応チェンバ。
  28. 請求項1から2のいずれか一項に記載の反応チェンバを有する装置。
JP2009510441A 2006-05-17 2007-05-14 捕捉プローブを含み、pcr槽を開けることなしにハイブリダイゼーションによるpcr産物の検出を可能にするリアルタイムpcr用反応チェンバ Expired - Fee Related JP5258755B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP06114103A EP1788095B1 (en) 2005-11-18 2006-05-17 Reaction chamber for real time PCR comprising capture probes and permitting detection of the PCR product by hybridisation without opening the PCR vessel
EP06114103.2 2006-05-17
PCT/EP2007/054663 WO2007131995A1 (en) 2005-11-18 2007-05-14 Reaction chamber for real time pcr comprising capture probes and permitting detection of the pcr product by hybridisation without opening the pcr vessel

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009537125A JP2009537125A (ja) 2009-10-29
JP5258755B2 true JP5258755B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=41314476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009510441A Expired - Fee Related JP5258755B2 (ja) 2006-05-17 2007-05-14 捕捉プローブを含み、pcr槽を開けることなしにハイブリダイゼーションによるpcr産物の検出を可能にするリアルタイムpcr用反応チェンバ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5258755B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2386791A1 (en) * 1999-10-08 2001-04-19 Protogene Laboratories, Inc. Method and apparatus for performing large numbers of reactions using array assembly
WO2002058848A1 (en) * 2001-01-26 2002-08-01 Hitachi Chemical Co., Ltd. Robot-friendly pcr plates
JP2003038161A (ja) * 2001-05-08 2003-02-12 Takara Holdings Inc 遺伝子検査容器
CN1537229A (zh) * 2001-07-31 2004-10-13 ���ְ�˹��ʽ���� 基因检查装置和使用该装置检测靶核酸的方法
US20060134639A1 (en) * 2004-04-06 2006-06-22 Huffel Christophe V Method for the determination of cellular transcriptional regulation

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009537125A (ja) 2009-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090191618A1 (en) Reaction chamber for real time pcr comprising capture probes and permitting detection of the pcr product by hybridisation without opening the pcr vessel
EP1788095B1 (en) Reaction chamber for real time PCR comprising capture probes and permitting detection of the PCR product by hybridisation without opening the PCR vessel
US20090186401A1 (en) Lid for pcr vessel comprising probes permitting pcr amplification and detection of the pcr product by hybridisation without opening the pcr vessel
JP6226887B2 (ja) 多重デジタルpcr
EP2182077B1 (en) A method for single nucleotide polymorphism and mutation detection using real time polymerase chain reaction microarray
US9388467B2 (en) Biochip and target DNA quantitative method
US20050202433A1 (en) Novel high density arrays and methods for analyte analysis
US20060292617A1 (en) Methods and compositions for analysis of microRNA
US20120040853A1 (en) Real time multiplex pcr detection on solid surfaces using double stranded nucleic acid specific dyes
US20110160090A1 (en) Nanocrystal-Based Lateral Flow Microarrays and Low-Voltage Signal Detection Systems
WO2005028629A2 (en) Whole genome expression analysis system
JP2006223309A (ja) 化学的な増幅反応のためのマクロ多孔質支持体及びその利用
EP2180066B1 (en) Single nucleotide polymorphism genotyping detection via the real-time invader assay microarray platform
EP3006938B1 (en) Real time quantitative and qualitative analysis method for biosubstance
EP2035142B1 (en) Lid for pcr vessel comprising probes permitting pcr amplification and detection of the pcr product by hybridisation without opening the pcr vessel
CN112892622B (zh) 多平面微阵列
JP5258755B2 (ja) 捕捉プローブを含み、pcr槽を開けることなしにハイブリダイゼーションによるpcr産物の検出を可能にするリアルタイムpcr用反応チェンバ
JP5505646B2 (ja) 生体試料定量方法
AU2007251538A1 (en) Reaction chamber for real time PCR comprising capture probes and permitting detection of the PCR product by hybridisation without opening the PCR vessel
WO2010046807A1 (en) Real-time high multiplex detection by primer extension on solid surfaces

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100513

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111018

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120116

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130228

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20130315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130326

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130423

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees