JP5375562B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

バルブタイミング調整装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5375562B2
JP5375562B2 JP2009273238A JP2009273238A JP5375562B2 JP 5375562 B2 JP5375562 B2 JP 5375562B2 JP 2009273238 A JP2009273238 A JP 2009273238A JP 2009273238 A JP2009273238 A JP 2009273238A JP 5375562 B2 JP5375562 B2 JP 5375562B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plunger
coil
permanent magnet
valve timing
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009273238A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011117317A (ja
Inventor
二郎 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2009273238A priority Critical patent/JP5375562B2/ja
Publication of JP2011117317A publication Critical patent/JP2011117317A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5375562B2 publication Critical patent/JP5375562B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

本発明は、内燃機関(以下、エンジンと称す)のカムシャフトの進角量を油圧制御によってコントロールし、吸気バルブまたは排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを可変させるバルブタイミング調整装置(以下、VVTと称す)に関する。
なお、以下では、電磁アクチュエータの通電量が減らされる時にスプールが移動する方向を一方(遅角方向:後)、電磁アクチュエータの通電量が増やされる時にスプールが移動する方向を他方(進角方向:前)と称して説明するが(図1参照)、この前後は、説明のための前後であって、実際の搭載方向にかかるものではない。
(従来技術)
VVTは、エンジンのカムシャフトに取り付けられて、バルブの開閉タイミングを連続的に可変可能なバルブタイミング可変機構(以下、VCTと称す)を備える。
油圧式のVCTは、このVCTの作動を油圧制御する油圧制御回路と、油圧制御回路に設けられる位相制御弁(以下、OCVと称す)を電気的に制御するECU(エンジン・コントロール・ユニットの略:制御装置)とから構成されている(例えば、特許文献1参照)。
VCTは、クランクシャフトに回転駆動される入力側ロータ(後述する実施例では外部ロータに相当する)と、カムシャフトを回転駆動する出力側ロータ(後述する実施例では内部ロータに相当する)とを備え、入力側ロータと出力側ロータの周方向間に形成された進角室(出力側ロータを進角側へ変位させる油圧室)および遅角室(出力側ロータを遅角側へ変位させる油圧室)に与える油圧差により、入力側ロータに対して出力側ロータを相対回転させて、クランクシャフトに対するカムシャフトの進角量の調整を行うものである。
OCVは、進角室に通じる進角室出力ポートに対するオイルの給排状態と、遅角室に通じる遅角室出力ポートに対するオイルの給排状態とを、1つのスプール弁によって制御する制御バルブであり、電磁アクチュエータにより駆動される。
具体的に、OCVにおけるスプール弁は、円筒形状を呈したスリーブと、このスリーブの内部で軸方向に摺動自在に支持されたスプールと、スプールを後方(遅角方向)へ付勢するリターンスプリングとを備える。
一方、電磁アクチュエータは、通電停止の状態から通電量が増やされることで、スプールを後端(遅角方向の端部)から前端(進角方向の端部)へ向けて駆動する。
スプールが、後端から前端へ向け移動することで、
(i)遅角室出力ポートに油圧を供給するとともに、進角室出力ポートをドレンさせる「遅角状態」、
(ii)遅角室出力ポートを遮断するとともに、進角室出力ポートを遮断する「中間位相保持状態」、
(iii)遅角室出力ポートをドレンさせるとともに、進角室出力ポートに油圧を供給する「進角状態」が達成される。
このため、ECUは、
(i)「最遅角状態(スプール弁が後端で停止する状態)」が要求される時に、電磁アクチュエータの通電を停止し、
(ii)「中間位相保持状態」が要求される時に、スプールのストローク量を後端から前方に向けて約1/2ほどストロークさせるために所定の通電量(以下、位相保持通電量と称す)を電磁アクチュエータに与え、
(iii)「最進角状態(スプール弁が前端で停止する状態)」が要求される時に、電磁アクチュエータに対して通電範囲の最大値を与える。
(従来技術の問題点)
VVTの運転中における制御状態を検討すると、「最遅角状態」および「最進角状態」の頻度は僅かであって、大部分はカムシャフトの位相角を保持する「中間位相保持状態」である。
このため、VVTの運転中における制御状態の大部分において、「中間位相保持状態」を達成するために、上述した「位相保持通電量」を電磁アクチュエータに与え続ける必要がある。
ここで、「位相保持通電量」は、上述したように、スプールのストローク量を後端から前方に向けて約1/2ほどストロークさせるための通電量であるため、その通電量は小さいものではない。
そして、VVTの運転中における制御状態の大部分において、通電量の小さくない「位相保持通電量」を電磁アクチュエータに与え続けるために、VVTの運転中における電磁アクチュエータの消費電力が大きくなり、結果的にVVTの消費電力の電力消費を抑えることの妨げになっている。
特開2003−97756号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、「中間位相保持状態」における電磁アクチュエータの消費電力の低減を図り、省電力を達成できるVVTの提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1のVVTは、進角室および遅角室に油圧の給排を行なうOCVを備える。このOCVは、スプール弁と電磁アクチュエータとからなる電磁スプール弁によって設けられる。そして、電磁アクチュエータのプランジャには、このプランジャの軸方向に着磁されて、電磁アクチュエータの磁気吸引ステータに対して軸方向の磁気吸引力が生じる永久磁石が設けられている。
プランジャに設けられた永久磁石が、磁気吸引ステータに対して磁気吸引力を生じることで、プランジャには前方に向かうアシスト力が発生するため、「中間位相保持状態」に用いられる「位相保持通電量」を従来技術に比較して下げることができる。「中間位相保持状態」は、VVTの運転中における制御状態の大部分であるため、「位相保持通電量」を下げることで、VVTの運転中における電磁アクチュエータの消費電力を大幅に下げることができ、VVTの省電力を達成することができる。
また、請求項1のVVTは、コイルの通電が停止されている時、永久磁石の磁力の設定磁力により、スプールのストローク位置が、後端(移動開始端)から前方へ移動し、且つ遅角室出力ポートが僅かに開口した状態で「遅角状態」が達成される。
これにより、コイルの通電が停止されている時に、遅角室出力ポートに油圧を供給するとともに、進角室出力ポートをドレンさせる「遅角状態」が達成される。
このため、万一、何らかの不具合によってVVTが故障して、コイルの通電が停止された場合であっても、カムシャフトの進角量を遅角側(フェールセーフ側)へ戻すことができる。
[請求項2の手段]
請求項2の永久磁石は、プランジャの外周において全周に亘って形成された環状溝の内部に嵌め入れられるリング円盤形状を呈する。また、プランジャの軸芯には、軸方向へ貫通するプランジャ呼吸路が設けられる。そして、環状溝の底とプランジャ呼吸路との厚み寸法が、0.5mm以下に設けられる。
このように、永久磁石の内側に存在するプランジャにおけるコア材(環状溝の底とプランジャ呼吸路の間の磁性材)を薄く設けることで、永久磁石の内側のコア材(磁性材:薄肉部)を磁気飽和させることができる。これにより、永久磁石の軸方向に向かうべき磁束が、永久磁石の内側のコア材を通ることで弱まる不具合を回避することができ、永久磁石の磁力を効率的に磁気吸引ステータに与えることができる。
[請求項3の手段]
請求項3の永久磁石は、プランジャの外周において全周に亘って形成された環状溝の内部に嵌め入れられるリング円盤形状を呈する。また、プランジャの軸芯には、軸方向へ貫通するプランジャ呼吸路が設けられる。そして、環状溝の底には、周方向に沿って多数の貫通穴が設けられる。
このように、環状溝の底に、周方向に沿って多数の貫通穴を設けることで、永久磁石の内側に存在するプランジャにおけるコア材(環状溝の底とプランジャ呼吸路の間の磁性材)を磁気飽和させることができる。これにより、永久磁石の軸方向に向かうべき磁束が、永久磁石の内側のコア材を通ることで弱まる不具合を回避することができ、永久磁石の磁力を効率的に磁気吸引ステータに与えることができる。
[請求項4の手段]
請求項4のプランジャは、円筒形状を成す磁性体製の第1鉄心と、この第1鉄心の内径と同径の内径穴を備え、リング円盤形状に設けられた永久磁石と、第1鉄心および永久磁石と同径の内径穴を備え、円筒形状を成す磁性体製の第2鉄心と、第1鉄心、永久磁石、第2鉄心の内径に嵌め入れられて、第1鉄心、永久磁石、第2鉄心をセンタリングする非磁性体製の中心筒とを備える。
これにより、永久磁石の内側に、プランジャにおけるコア材が存在しなくなる。このため、永久磁石の軸方向に向かうべき磁束が、永久磁石の内側のコア材を通ることで弱まる不具合を回避することができ、永久磁石の磁力を効率的に磁気吸引ステータに与えることができる。
[請求項5の手段]
請求項5においてリング円盤形状を呈する永久磁石の外径寸法は、プランジャの外径寸法よりも小さく設けられる。
これにより、永久磁石に吸い寄せられる異物が存在しても、永久磁石の外径寸法とプランジャの外径寸法の差による溝の内部に異物が吸い寄せられる。このため、永久磁石に吸い寄せられる異物によって、プランジャに摺動不良が発生するトラブルを未然に防ぐことができる。
[請求項6の手段]
請求項6のVVTは、プランジャのストロークに伴う永久磁石の全ストローク範囲が、磁気吸引ステータの後端と、磁気受渡ステータの前端との軸方向間に収まるように設けられている。
これにより、プランジャのストローク途中において、永久磁石が磁気吸引ステータ(または磁気受渡ステータ)と軸方向に交差する際に生じる「ディテントトルク」が発生しない。このため、プランジャの全ストローク範囲において、プランジャをスムーズにストロークさせることができる。即ち、永久磁石を設けたことにより、プランジャおよびスプールの制御性が悪化する不具合を回避することができる。
[請求項7の手段]
請求項7のECUは、コイルの通電量を算出する演算装置と、この演算装置により算出された通電量をコイルに与えるコイル駆動回路とを備える。そして、このコイル駆動回路は、コイルに印加する電圧を、正電圧と負電圧に切り替え可能に設けられる。
これにより、コイルの通電が停止されている時に、永久磁石の磁力の設定磁力によって、スプールのストローク位置が、後端(移動開始端)から前方へ移動した状態のOCVであっても、スプールを後端から前端の全範囲でストロークさせることができる。即ち、「最遅角状態」と「最進角状態」を達成することができる。
[請求項8の手段]
請求項8のECUは、正電圧のデューティ比信号および負電圧のデューティ比信号によってコイルを通電制御するものであり、正電圧のみによる第1正デューティ比信号(+側a%)をコイルに与えることで、「中間位相保持状態」を達成する。即ち、「第1正デューティ比信号(+側a%)」は、「位相保持通電量」である。
このように、正電圧のみによる第1正デューティ比信号(+側a%)により、「中間位相保持状態」を達成することができる。
[請求項9の手段]
請求項9のECUは、入力側ロータに対する出力側ロータの位相角を保持する際、ECUの算出する目標の位相角をα、
入力側ロータに対する出力側ロータの実際の位相角をβとし、
目標の位相角αに対して実際の位相角βが「遅角側」の場合、
(a)α−βの偏差が第1設定値e1よりも小さい時に、
正電圧のみによる第1正デューティ比信号(+側a%)をコイルに与え、
(b)α−βの偏差が第1設定値e1よりも大きく設定された第2設定値e2よりも小さい時に、
正電圧の第1正デューティ比信号(+側a%)に、負電圧による第2負デューティ比信号(−側b%)を追加してコイルに与え、
(c)α−βの偏差が第2設定値e2よりも大きい時に、
第1正デューティ比信号(+側a%)よりも通電割合の大きい正電圧のみの第3正デューティ比信号(+側a’%)をコイルに与える。
上記(c)において、第3正デューティ比信号(+側a’%)をコイルに与えてスプールのストローク方向を変更する。この直前に、上記(b)において正負電圧のデューティ比信号をコイルに与えることで、OCVの可動部(スプール、プランジャ等)にディザ振動を生じさせる。
これにより、スプールのストローク方向を変更する直前に、OCVの可動部における摺動部を「動摩擦状態」にさせて摩擦係数を小さくすることができるため、スプールの円滑なストローク制御を行なうことができる。
[請求項10の手段]
請求項10のECUは、入力側ロータに対する出力側ロータの位相角を保持する際、 ECUの算出する目標の位相角をα、
入力側ロータに対する出力側ロータの実際の位相角をβとし、
目標の位相角αに対して実際の位相角βが「進角側」の場合、
(a)α−βの偏差の絶対値が第1設定値e1よりも小さい時に、
正電圧のみによる第1正デューティ比信号(+側a%)をコイルに与え、
(b)α−βの偏差の絶対値が第1設定値e1よりも大きく設定された第2設定値e2よりも小さい時に、
正電圧の第1正デューティ比信号(+側a%)に、負電圧による第2負デューティ比信号(−側b%)を追加してコイルに与え、
(c)α−βの偏差の絶対値が第2設定値e2よりも大きい時に、
コイルに与えるデューティ比信号を、第1正デューティ比信号(+側a%)よりも減らす。
上記(c)においてコイルに与えるデューティ比信号を、第1正デューティ比信号(+側a%)よりも減らすことでスプールのストローク方向を変更する。この直前に、上記(b)において正負電圧のデューティ比信号をコイルに与えることで、OCVの可動部(スプール、プランジャ等)にディザ振動を生じさせる。
これにより、スプールのストローク方向を変更する直前に、OCVの可動部における摺動部を「動摩擦状態」にさせて摩擦係数を小さくすることができるため、スプールの円滑なストローク制御を行なうことができる。
[請求項11の手段]
請求項11のECUは、OCVの可動部(スプール、プランジャ等)に異物の噛み込みの可能性があるか否かを判断する異物噛込判断手段を備える。
そして、ECUは、異物噛込手段が異物の噛み込みの可能性があると判断した場合に、コイルに対して、正電圧を印加する状態と、負電圧を印加する状態とを、繰り返して与える。
このように、コイルに対して、正電圧と負電圧とが交互に繰り返して印加されることで、可動部が噛み込んだ異物を、噛み切ったり、脱落させることができる。即ち、OCVの噛み込みによる不具合の発生を自己復旧することができる。
OCVの軸方向に沿う断面図である(実施例1)。 VVTの概略図である(実施例1)。 OCVの作動説明図である(実施例1)。 電磁アクチュエータの要部断面図である(実施例1)。 電磁アクチュエータの要部断面図、および永久磁石が装着されていないプランジャの側面図である(他の実施例)。 電磁アクチュエータの要部断面図である(他の実施例)。 電磁アクチュエータの要部断面図である(実施例1)。 永久磁石のストローク範囲を示す説明図である(実施例1)。 OCVのコイル駆動回路の概略図である(実施例1)。 位相差とOCVの印加電圧との関係を示すタイムチャートである(実施例1)。 噛み込み発生時におけるOCVの印加電圧を示すタイムチャートである(実施例1)。
図面を参照して[発明を実施するための形態]を説明する。
VVTは、油圧式のVCT1と、このVCT1の油圧制御を行なうOCV2とを具備する。
VCT1は、クランクシャフトに回転駆動される外部ロータ(入力側ロータの一例)3に対してエンジンのカムシャフトを回転駆動する内部ロータ(出力側ロータの一例)4を油圧によって進角側に駆動する進角室A、および外部ロータ3に対して内部ロータ4を油圧によって遅角側に駆動する遅角室Bを備える。
OCV2は、進角室Aおよび遅角室Bに油圧の給排を行なう電磁スプール弁であり、スプール弁5と、電磁アクチュエータ6とを結合して構成されている。
スプール弁5は、筒形状を呈するスリーブ7と、このスリーブ7の内部において軸方向へ摺動自在に配置されるスプール8と、このスプール8を後側に向けて付勢するリターンスプリング9とからなる。
スリーブ7には、軸方向の後方から前方へ向けて、オイルパン10にオイルを戻す遅角室排出ポート11、遅角室Bに通じる遅角室出力ポート12、オイルポンプ(油圧供給源)13に通じる油圧入力ポート14、進角室Aに通じる進角室出力ポート15、オイルパン10にオイルを戻す進角室排出ポート16が形成されている。
そして、スプール8を、リターンスプリング9の付勢力に抗して、後側の移動開始端から前側の移動終了端へ移動することで、
遅角室出力ポート12および進角室出力ポート15の切替状態を、
(i)遅角室出力ポート12を油圧入力ポート14に連通させるとともに、進角室出力ポート15を進角室排出ポート16に連通させる「遅角状態」、
(ii)遅角室出力ポート12を遮断するとともに、進角室出力ポート15を遮断する「中間位相保持状態」、
(iii)遅角室出力ポート12を遅角室排出ポート11に連通させるとともに、進角室出力ポート15を油圧入力ポート14に連通させる「進角状態」に切り替える。
電磁アクチュエータ6は、
通電により磁力を発生するコイル21と、
軸方向へ摺動自在に支持された磁性体製のプランジャ22と、
コイル21の発生する磁力によりプランジャ22を前側へ磁気吸引する磁性体製の磁気吸引ステータ23と、
プランジャ22の外周に配置されてプランジャ22と径方向の磁気の受け渡しを行なう磁性体製の磁気受渡ステータ24とを備えるものであり、
リターンスプリング9の付勢力によって、プランジャ22が後側へ付勢される。
そして、プランジャ22には、このプランジャ22の軸方向に着磁されて、磁気吸引ステータ23に対して磁気吸引力が生じる永久磁石25が設けられている。
本発明を適用した具体的な一例を、図1〜図11を参照して説明する。なお、以下の実施例において、上記[発明を実施するための形態]と同一符号は、同一機能物を示すものである。
(VVTの説明)
VVTは、エンジンのカムシャフト(吸気バルブ用、排気バルブ用、吸排気兼用カムシャフトのいずれか)に取り付けられて、吸気バルブまたは排気バルブの少なくとも一方のバルブの開閉タイミングを連続的に可変可能なVCT1と、このVCT1の作動を油圧制御する油圧制御回路31と、この油圧制御回路31のOCV2を電気的に制御するECU32とから構成されている。
(VCT1の説明)
VCT1は、エンジンのクランクシャフトに同期して回転駆動される外部ロータ3(ハウジングロータ)と、この外部ロータ3に対して相対回転可能に設けられ、カムシャフトと一体に回転する内部ロータ4(ベーンロータ)とを備えるものであり、外部ロータ3内に構成される油圧アクチュエータによって外部ロータ3に対して内部ロータ4を相対的に回転駆動して、カムシャフトを進角側あるいは遅角側へ変化させるものである。
外部ロータ3は、内部ロータ4を収容してエンジンのクランクシャフトにタイミングベルトやタイミングチェーン等を介して回転駆動される回転体であり、例えば、リング円盤形状を呈したリングプレート、内部ロータ4の外周を覆うシューハウジング、タイミングベルトやタイミングチェーン等が噛合するスプロケットの3部品を複数のボルトで結合したものである。なお、フロントプレートとシューハウジングを、1つの部品で形成するものであっても良い。
外部ロータ3におけるシューハウジングには、図2に示すように、内径方向に仕切り部材として複数(この実施例では3つ)のシュー3aが設けられており、各シュー3aの間に略扇状凹部が形成される。なお、外部ロータ3は、図2において時計方向に回転するものであり、この回転方向が進角方向である。
内部ロータ4は、カムシャフトの端部にノックピンで位置決めされた後、センターボルト等によってカムシャフトの端部に固定されて、カムシャフトと一体に回転するものである。
内部ロータ4は、各シュー3aの間に形成される略扇状凹部を進角室Aと遅角室Bに区画する複数(この実施例では3つ)のベーン4aを備えるものであり、内部ロータ4は外部ロータ3に対して所定角度内で回転可能に設けられている。
進角室Aは、油圧によってベーン4aを進角側へ駆動するための油圧室であって、ベーン4aの反回転方向側の略扇状凹部内に形成される。逆に、遅角室Bは、油圧によってベーン4aを遅角側へ駆動するための油圧室であって、ベーン4aの回転方向側の略扇状凹部内に形成される。また、各ベーン4aには、略扇状凹部の内周面に摺動するシール部材33が設けられており、進角室Aと遅角室Bの連通を遮断している。
(油圧制御回路31の説明)
油圧制御回路31は、進角室Aおよび遅角室Bのオイルを給排して、進角室Aと遅角室Bに油圧差を発生させて内部ロータ4を外部ロータ3に対して相対回転させるための手段であり、クランクシャフト等によって駆動されるオイルポンプ13から圧送されるオイル(油圧)を進角室Aまたは遅角室Bに切り替えて供給するOCV2を備える。
(OCV2の説明)
OCV2は、図1に示すように、スプール弁5と電磁アクチュエータ6とを結合した電磁スプール弁である。
(スプール弁5の説明)
スプール弁5は、スリーブ7、スプール8およびリターンスプリング9を備える。
スリーブ7は、内部にスプール8を軸方向へ摺動自在に支持する挿通穴が形成された略円筒形状を呈する。スリーブ7の径方向には、複数の入出力ポートが形成されている。
具体的にスリーブ7の径方向には、軸方向の前側から後側に向けて、オイルパン10にオイルを戻す進角室排出ポート16、進角室Aに通じる進角室出力ポート15、オイルポンプ13のオイル吐出口に連通する油圧入力ポート14、遅角室Bに通じる遅角室出力ポート12、オイルパン10にオイルを戻す遅角室排出ポート11が形成されている。
また、スリーブ7には、上記入出力ポートとは別に、オイルパン10にオイルを戻す呼吸用ポート34も形成されている。
スプール8は、スリーブ7の内径寸法(挿通穴の径)にほぼ一致した外径寸法を有する4つの大径部(ランド)35a〜35dを備える。
また、各大径部35a〜35dの各間には、スプール8の軸方向位置に応じて複数の入出力ポートの連通状態を変更する3つの小径部36a〜36cが形成されている。
具体的に、各大径部35a〜35dの各間には、軸方向の前側から後側に向けて、進角室ドレーン用小径部36a、オイル出力用小径部36b、遅角室ドレーン用小径部36cが形成されている。
進角室ドレーン用小径部36aは、図3(a)に示すように、スプール8がストローク中央よりも後側に移動している時に進角室出力ポート15と連通して進角室Aの油圧のドレーンを行なうものである。
オイル出力用小径部36bは、図3(a)に示すように、スプール8がストローク中央よりも後側に移動している時に遅角室出力ポート12と連通して遅角室Bに油圧の供給を行い、図3(c)に示すように、スプール8がストローク中央よりも前側に移動している時に進角室出力ポート15と連通して進角室Aに油圧の供給を行うものである。
遅角室ドレーン用小径部36cは、図3(c)に示すように、スプール8がストローク中央よりも前側に移動している時に遅角室出力ポート12と連通して遅角室Bの油圧のドレーンを行なうものである。
また、進角室ドレーン用小径部36aとオイル出力用小径部36bの間の大径部35bは、図3(b)に示すように、スプール8がストローク中央の時に進角室出力ポート15を閉塞する幅に設けられている。
同様に、オイル出力用小径部36bと遅角室ドレーン用小径部36cと間の大径部35cも、図3(b)に示すように、スプール8がストローク中央の時に遅角室出力ポート12を閉塞する幅に設けられている。
即ち、大径部35bおよび大径部35cは、スプール8のストローク位置が前後方向の略中央の時に、進角室出力ポート15と遅角室出力ポート12とを同時に閉塞するように設けられている。
スリーブ7とスプール8が上記の構成に設けられているため、スプール8を後端から前端へ移動することで、遅角室出力ポート12および進角室出力ポート15の切替状態を、
(i)遅角室出力ポート12を油圧入力ポート14に連通させるとともに、進角室出力ポート15を進角室排出ポート16に連通させる「最遅角状態」{図3(a)参照}、
(ii)遅角室出力ポート12を遮断するとともに、進角室出力ポート15を遮断する「中間位相保持状態」{図3(b)参照}、
(iii)遅角室出力ポート12を遅角室排出ポート11に連通させるとともに、進角室出力ポート15を油圧入力ポート14に連通させる「最進角状態」{図3(c)参照}
に切り替えることができる。
リターンスプリング9は、スプール8を後方に向けて付勢する圧縮コイルスプリングであり、スリーブ7の前部のバネ室内において、スリーブ7の軸端壁面とスプール8の間で軸方向に圧縮された状態で配置される。
(電磁アクチュエータ6の説明)
電磁アクチュエータ6は、コイル21、プランジャ22、ステータ41、ヨーク42、コネクタ43を備える。
コイル21は、通電されるとプランジャ22を磁気吸引するための磁力を発生する磁力発生手段であり、樹脂製のボビン44の周囲に絶縁被覆された導線(エナメル線等)を多数巻回したものである。
プランジャ22は、ステータ41の内側(具体的には、ステータの内側に挿入配置されるオイルシール用のカップガイド45の内側)で軸方向へ摺動自在に支持され、コイル21の磁力により前方へ向かって磁気吸引される可動子であり、軸芯にはプランジャ呼吸路22aが軸方向に貫通して設けられている。なお、プランジャ22の詳細は、後述する。
ステータ41は、プランジャ22を軸方向に磁気吸引する磁気吸引ステータ23と、カップガイド45の外周を覆い、プランジャ22の周囲と磁気の受け渡しを行う磁気受渡ステータ24とからなる。
磁気吸引ステータ23は、スリーブ7とコイル21(具体的には、コイル21をモールドする2次成形樹脂46)との間に挟まれて配置される円盤部23aと、この円盤部23aの磁束をプランジャ22の近傍まで導く筒状部23bとからなる磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であって、プランジャ22と筒状部23bとの軸方向間には磁気吸引ギャップ(メインギャップ)が形成される。
筒状部23bは、プランジャ22の前端部と軸方向に交差可能に設けられている。筒状部23bの後端外周には後方へ向けて縮径するテーパが形成されており、プランジャ22のストローク量に対して磁気吸引力が変化しない特性に設けられている。
磁気受渡ステータ24は、カップガイド45を介してプランジャ22の外周を覆うとともに、コイル21の内側に挿入配置されるステータ筒部24a、およびこのステータ筒部24aから外径方向に向かって形成され、外周に配置されるヨーク42と磁気結合されるステータフランジ24bからなる磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、ステータ筒部24aとプランジャ22の径方向間には磁束受渡ギャップ(サイドギャップ)が形成される。
ヨーク42は、コイル21の周囲を覆う円筒形状を呈した磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、前端部に形成された爪部をカシメることでスリーブ7と結合される。
コネクタ43は、コイル21および磁気受渡ステータ24を樹脂モールドする2次成形樹脂46の一部によって形成された結合手段であり、その内部には、コイル21の導線端部とそれぞれ接続されるコネクタ端子43aが配置されている。このコネクタ端子43aは、一端がコネクタ43内で露出するとともに、他端がボビン44に差し込まれた状態で2次成形樹脂46により樹脂モールドされている。
OCV2は、プランジャ22の前方へ向かう駆動力をスプール8へ伝えるとともに、リターンスプリング9からスプール8に与えられた後方へ向かう付勢力をプランジャ22へ伝えるシャフト51を備える。
この実施例のシャフト51は、非磁性体の金属板(例えば、ステンレス板等)をカップ形状に加工した中空部品によって設けられている。
シャフト51の内部は、シャフト51の前端に形成された穴51aを介してスプール8の軸心に形成されたスプール呼吸路15aと連通するとともに、シャフト51の後端のカップ開口を介してプランジャ22の軸心に形成されたプランジャ呼吸路22aと連通する。
これにより、プランジャ22の後側の容積変化部は、プランジャ呼吸路22a→シャフト51内→スプール呼吸路15aを介して、バネ室の呼吸用ポート34と連通する。
シャフト51の軸方向の中間位置には、シャフト51を成すカップの内外を貫通するシャフト呼吸孔51bが設けられている。
これにより、プランジャ22の前側の容積変化部は、シャフト呼吸孔51b→シャフト51内→スプール呼吸路15aを介して、バネ室の呼吸用ポート34と連通する。
この実施例に示すOCV2には、カップガイド45の前側に、磁気吸引ステータ23と磁気結合してプランジャ22の吸引力を高める磁性体金属製の磁気対向部材52が挿入されている。
この磁気対向部材52は、非磁性体性金属(例えば、ステンレス板等)よりなる板バネ53により、磁気吸引ステータ23に固定されている。
なお、図1中に示す符号54はシール用のOリングであり、符号55はOCV2を油圧ケース等に固定するためのブラケットである。
〔特徴技術1〕
プランジャ22の詳細を説明する。
プランジャ22は、カップガイド45の内側面において軸方向へ摺動自在に支持されるものであり、磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)よりなる略円筒形状を呈したコア材によって設けられる。
そして、このプランジャ22には、軸方向に着磁されて、磁気吸引ステータ23に対して軸方向の磁気吸引力が生じる永久磁石25が設けられている。
この実施例に採用される永久磁石25を具体的に説明する。
永久磁石25は、プランジャ22の外周において全周に亘って形成された環状溝61の内部に嵌め入れられるリング円盤形状を呈するものであり、例えば半円状に2分割した永久磁石25を環状溝61の内部に嵌め入れることで取り付けられている。なお、プランジャ22に対する永久磁石25の固定は、永久磁石25の磁力によりプランジャ22に吸着することで成されるものであっても良いし、接着剤等の結合手段を用いるものであっても良い。
永久磁石25は、ネオジウムマグネットなど、小型であっても発生磁力の強い希土類磁石を用いることが望ましい。このように、希土類磁石を用いることで、プランジャ22に取り付けられる永久磁石25が比較的薄くても、強い磁力を発生して、プランジャ22の前端から磁気吸引ステータ23に対して磁気吸引力を発生する。
この特徴技術1で示すように、プランジャ22に設けた永久磁石25が、磁気吸引ステータ23に対して磁気吸引力を生じさせ、プランジャ22に前方に向かうアシスト力が発生するため、「中間位相保持状態」に用いられる「位相保持通電量」を従来技術に比較して下げることができる。
この「中間位相保持状態」は、VVTの運転中における制御状態の大部分であるため、「位相保持通電量」を下げることで、VVTの運転中における電磁アクチュエータ6の消費電力を大幅に下げることができ、VVTの省電力を達成することができる。
〔特徴技術2〕
永久磁石25の磁力の設定について説明する。
永久磁石25の磁力は、図3(a’)に示すように、コイル21の通電が停止されている時に、スプール8のストローク位置が、後端(移動開始端)から前方へ少量移動して、遅角室出力ポート12が僅かに開口する状態(遅角状態)が達成されるように設定されている。
このように、コイル21の通電が停止されている時に、「遅角状態」が達成されるため、万一、何らかの不具合によってVVTが故障して、コイル21の通電が停止された場合であっても、カムシャフトの進角量を遅角側(フェールセーフ側)へ戻すことができ、エンジンの始動性が悪化するなどの不具合を回避することができる。
〔特徴技術3〕
上述したように、プランジャ22には、リング円盤形状を呈した永久磁石25を嵌め入れるための環状溝61が、プランジャ22の外周において全周に亘って設けられている。また、プランジャ22の内側には、軸方向へ貫通するプランジャ呼吸路22aが設けられている。
この構成を採用するため、永久磁石25の内側に、プランジャ22におけるコア材(環状溝61の底とプランジャ呼吸路22aの間の磁性材)が設けられる。
そして、この特徴技術3では、図4に示すように、環状溝61の底とプランジャ呼吸路22aの間の磁性材の厚み寸法(径方向寸法)t1を、0.5mm以下に薄く設けている。
このように、永久磁石25の内側に存在するプランジャ22におけるコア材(環状溝61の底とプランジャ呼吸路22aの間の磁性材)を薄く設けることで、永久磁石25の内側のコア材(磁性材:薄肉部)を磁気飽和させることができる。これにより、永久磁石25の軸方向に向かうべき磁束が、永久磁石25の内側のコア材を通ることで弱まる不具合を回避することができ、永久磁石25の磁力を効率的に磁気吸引ステータ23に与えることができる。
〔特徴技術4〕
この特徴技術4は、上記特徴技術3とは異なる手段を開示するものである。
この特徴技術4は、上記特徴技術3と同様な構成として、プランジャ22には、リング円盤形状を呈した永久磁石25を嵌め入れるための環状溝61が、プランジャ22の外周において全周に亘って設けられている。また、プランジャ22の内側には、軸方向へ貫通するプランジャ呼吸路22aが設けられている。
この構成を採用するため、この特徴技術4は、上記特徴技術3と同様、永久磁石25の内側に、プランジャ22におけるコア材(環状溝61の底とプランジャ呼吸路22aの間の磁性材)が設けられる。
そして、この特徴技術4では、図5に示すように、環状溝61の底に、周方向に沿って多数の貫通穴62を連続的に設けている。
このように、環状溝61の底に、周方向に沿う多数の貫通穴62を設けることで、永久磁石25の内側に存在するプランジャ22におけるコア材(環状溝61の底とプランジャ呼吸路22aの間の磁性材)を磁気飽和させることができる。これにより、永久磁石25の軸方向に向かうべき磁束が、永久磁石25の内側のコア材を通ることで弱まる不具合を回避することができ、永久磁石25の磁力を効率的に磁気吸引ステータ23に与えることができる。
〔特徴技術5〕
この特徴技術5は、上記特徴技術3および上記特徴技術4とは異なる手段を開示するものである。
この特徴技術5におけるプランジャ22は、図6に示すように、円筒形状を成す磁性体製の第1鉄心63と、この第1鉄心63の内径と同径の内径穴を備え、リング円盤形状に設けられた永久磁石25と、第1鉄心63および永久磁石25と同径の内径穴を備え、円筒形状を成す磁性体製の第2鉄心64と、第1鉄心63、永久磁石25、第2鉄心64の内径に圧入等により嵌め入れられて、第1鉄心63、永久磁石25、第2鉄心64をセンタリングする非磁性体製(アルミ、黄銅、銅、ステンレス等)の中心筒65と結合したものである。
このように設けることで、永久磁石25の内側に、プランジャ22におけるコア材が存在しなくなる。このため、永久磁石25の軸方向に向かうべき磁束が、永久磁石25の内側のコア材を通ることで弱まる不具合を回避することができ、永久磁石25の磁力を効率的に磁気吸引ステータ23に与えることができる。
〔特徴技術6〕
上述したように、プランジャ22の外周からリング円盤形状を呈した永久磁石25を嵌め入れる構成である。
そして、この実施例では、図7に示すように、リング円盤形状を呈する永久磁石25の外径寸法を、プランジャ22の外径寸法よりも小さく設け、永久磁石25の外周に環状の溝を設けている。なお、この溝の深さ寸法t2は、例えば0.5〜2mmほどに設けられるものである。
このように設けられることにより、永久磁石25の磁力に摩耗粉や脱落したバリなどの異物が吸い寄せられても、永久磁石25の外径寸法とプランジャ22の外径寸法の差による溝の内部に異物が吸い寄せられて溜まる。
このため、永久磁石25に吸い寄せられる異物によって、プランジャ22に摺動不良が発生するトラブルを未然に防ぐことができる。
〔特徴技術7〕
OCV2は、磁気吸引ステータ23の後端と、磁気受渡ステータ24の前端との軸方向間に、永久磁石25の全ストローク範囲が収まるように設けられている。
具体的には、
(i)図8(a)に示すように、プランジャ22が後端で停止する「最遅角状態」であっても、永久磁石25の後端と磁気受渡ステータ24の前端との軸方向間に距離L1が形成されるとともに、
(ii)図8(b)に示すように、プランジャ22が前端で停止する「最進角状態」であっても、永久磁石25の前端と磁気吸引ステータ23の後端との軸方向間に距離L2が形成されるように設定されている。
これにより、プランジャ22のストローク途中において、永久磁石25が、磁気吸引ステータ23あるいは磁気受渡ステータ24と軸方向に交差する際に生じる「ディテントトルク」が発生しない。このため、プランジャ22の全ストローク範囲において、プランジャ22をスムーズにストロークさせることができる。即ち、永久磁石25を設けたことにより、プランジャ22およびスプール8の制御性が悪化する不具合を回避することができる。
〔特徴技術8〕
ECU32は、図9に示すように、OCV2のコイル21の通電量を算出する演算装置66と、この演算装置66により算出された通電量をコイル21に与えるコイル駆動回路67とを備える。なお、図9における符号68は、車両に搭載されるバッテリである。
コイル駆動回路67は、コイル21に印加する電圧を、正電圧と負電圧に切り替え可能なものであり、具体的には図9に示すように、ECU32によって通電状態が制御されるH形のブリッジ回路を用いて、コイル21に対して正負両方向の電圧を印加可能に設けられている。
一方、演算装置66は、周知のコンピュータであり、各種センサ等により読み込まれたエンジン運転状態(乗員の運転状態を含む)と、メモリに記憶されたプログラムとに基づいて、コイル21に印加する正電圧のデューティ比と負電圧のデューティ比を算出し、算出結果に基づいてコイル駆動回路67することで、コイル駆動回路67からコイル21に正電圧および負電圧のデューティ比信号を印加するものである。
なお、この実施例では、
(i)コイル21に正電圧を印加することで、磁気吸引ステータ23の内側にスプール8の前端とは異なる磁極が発生してスプール8に前方(進角側)へ向かう軸力が発生し、
(ii)コイル21に負電圧を印加することで、磁気吸引ステータ23の内側にスプール8の前端と同極の磁極が発生してスプール8に後方(遅角側)へ向かう軸力が発生するものである。
このように設けられることにより、コイル21の通電停止状態において、永久磁石25の磁力により、図3(a’)に示すように、スプール8のストローク位置が、後端から前方へ移動するOCV2であっても、コイル21に正電圧および負電圧が印加可能であるため、スプール8を後端から前端の全範囲でストロークさせることができる。即ち、「最遅角状態」と「最進角状態」を達成することができる。
〔特徴技術9〕
コイル21の通電停止状態は、図3(a’)に示す「遅角状態」が達成される。このため、図3(b)に示す中間保持状態を達成するためには、プランジャ22を前方に向けて磁気吸引する必要がある。
即ち、「中間位相保持状態」が要求される時には、スプール8の位置を図3(a’)の位置から図3(b)の位置まで移動させるために、電磁アクチュエータ6に「位相保持通電量」を与える必要がある。
この特徴技術9は、「位相保持通電量」の具体例を示すものであり、ECU32は、「中間位相保持状態」を達成する際に、正電圧のみによる第1正デューティ比信号(+側a%:正電圧のデューティ比割合がa%)をコイル21に与えることで、「中間位相保持状態」を達成する。
即ち、「第1正デューティ比信号(+側a%)」がこの実施例における具体的な「位相保持通電量」に相当するものである。
このことを、図10を参照して具体的に説明する。なお、図10は、目標の位相角αと目標の位相角βの偏差(α−β)と、コイル21に印加されるデューティ比信号との関係を示すタイムチャートである。
ECU32は、エンジン運転状態(乗員の運転状態を含む)に応じて目標の位相角を算出する機能を備える。
一方、ECU32は、外部ロータ3に対する内部ロータ4の実際の位相角を検出する手段を備える。
ECU32の算出する目標の位相角をα、
外部ロータ3に対する内部ロータ4の実際の位相角をβとし、
α−βによって求められる偏差の絶対値が第1設定値e1よりも小さい時に、
図10の区間X範囲に示すように、正電圧のみによる第1正デューティ比信号(+側a%)をコイル21に与え、「中間位相保持状態」を達成する。
プランジャ22に設けられた永久磁石25が、プランジャ22を前方に向かわせるアシスト力を与えているため、従来技術における「位相保持通電量」に比較して小さい通電量である第1正デューティ比信号(+側a%)により、「中間位相保持状態」を達成することができる。
〔特徴技術10〕
この実施例のECU32は、「中間位相保持状態」を達成する際で、目標の位相角αに対して実際の位相角βが「遅角側」の場合、α−βによって求められる偏差が大きくなった際、スプール8を進角側に駆動してα−βの偏差を小さくする方向にコイル21を通電制御する直前に、コイル21に正電圧と負電圧のデューティ比信号を交互に与えて、スプール8およびプランジャ22にディザ振動を与える手段が設けられている。
このことを、図10を参照して具体的に説明する。
(a)α−βによって求められる偏差が第1設定値e1よりも小さい時は、図10の区間X範囲に示すように、正電圧のみによる第1正デューティ比信号(+側a%)をコイル21に与える。
(b)α−βによって求められる偏差が第1設定値e1よりも大きく設定された第2設定値e2よりも小さくなると、スプール8およびプランジャ22にディザ振動を与えるべく、図10の区間Y範囲に示すように、正電圧による第1正デューティ比信号(+側a%)を維持したままで、負電圧による第2負デューティ比信号(−側b%:負電圧のデューティ比割合がb%)を追加してコイル21に与える。
(c)さらに、α−βによって求められる偏差が第2設定値e2よりも大きくなると、スプール8およびプランジャ22を進角側へ移動させるべく(偏差を少なくするために)、図10の区間Z範囲に示すように、第1正デューティ比信号(+側a%)よりも通電割合の大きい正電圧のみの第3正デューティ比信号(+側a’%:正電圧でデューティ比a%より大きいa’%)をコイル21に与える。
そして、α−βによって求められる偏差が第1設定値e1よりも小さくなると、再び上記(a)の制御状態、即ち正電圧のみによる第1正デューティ比信号(+側a%)をコイル21に与える状態に戻る。
上記(c)において、第3正デューティ比信号(+側a’%)をコイル21に与えてスプール8のストローク方向を変更する。この直前に、上記(b)において正負電圧のデューティ比信号をコイル21に与えることで、OCV2の可動部(スプール8、プランジャ22等)にディザ振動を生じさる。
このように、スプール8のストローク方向を変更する直前に、OCV2の可動部における摺動部を「動摩擦状態」にさせて摩擦係数を小さくすることができるため、スプール8の円滑なストローク制御を行なうことができる。
〔特徴技術11〕
この実施例のECU32は、「中間位相保持状態」を達成する際で、目標の位相角αに対して実際の位相角βが「進角側」の場合、α−βによって求められる偏差の絶対値が大きくなった際、スプール8を遅角側に駆動してα−βによって求められる偏差を小さくする方向にコイル21を通電制御する直前に、コイル21に正電圧と負電圧のデューティ比信号を交互に与えて、スプール8およびプランジャ22にディザ振動を与える手段が設けられている。
このことを、具体的に説明する。
(a)α−βによって求められる偏差の絶対値が第1設定値e1よりも小さい時は、上述したように、正電圧のみによる第1正デューティ比信号(+側a%)をコイル21に与える。
(b)α−βによって求められる偏差の絶対値が第1設定値e1よりも大きく設定された第2設定値e2よりも小さくなると、スプール8およびプランジャ22にディザ振動を与えるために、正電圧による第1正デューティ比信号(+側a%)を維持したままで、負電圧による第2負デューティ比信号(−側b%:負電圧のデューティ比をb%)を追加してコイル21に与える。
(c)さらに、α−βによって求められる偏差の絶対値が第2設定値e2よりも大きくなると、スプール8およびプランジャ22を遅角側へ移動させるために(偏差を少なくするために)、コイル21に与えるデューティ比信号を、第1正デューティ比信号(+側a%)よりも減らす(一時的な通電停止を含む)。
そして、α−βによって求められる偏差の絶対値が第1設定値e1よりも小さくなると、再び上記(a)の制御状態、即ち正電圧のみによる第1正デューティ比信号(+側a%)をコイル21に与える状態に戻る。
上記(c)においてコイル21に与えるデューティ比信号を、第1正デューティ比信号(+側a%)よりも減らすことでスプール8のストローク方向を変更する。この直前に、上記(b)において正負電圧のデューティ比信号をコイル21に与えることで、OCV2の可動部(スプール8、プランジャ22等)にディザ振動を生じさせる。
このように、スプール8のストローク方向を変更する直前に、OCV2の可動部における摺動部を「動摩擦状態」にさせて摩擦係数を小さくすることができるため、スプール8の円滑なストローク制御を行なうことができる。
〔特徴技術12〕
この実施例のECU32は、OCV2の可動部(スプール8、プランジャ22等)に「異物の噛み込みの可能性がある」か否かを判断する異物噛込判断手段(制御プログラム)を備える。
そして、ECU32は、異物噛込手段が「異物の噛み込みの可能性がある」と判断した場合に、図11に示すように、コイル21に対して、正電圧を所定時間に亘って印加する状態と、負電圧を所定時間に亘って印加する状態とを、繰り返して与える噛込除去手段(制御プログラム)が設けられている。
なお、噛込除去手段が作動する期間、および回数は、適宜設定可能なものである。
このように、コイル21に対して、正電圧と負電圧とが交互に繰り返して印加されることで、OCV2の可動部(スプール8やプランジャ22等)が噛み込んだ異物を、噛み切ったり、脱落させることができる。即ち、OCV2の噛み込みによる不具合の発生を自己復旧することができ、VVTの信頼性を高めることができる。
上記の実施例では、永久磁石25を円盤形状に設ける例を示したが、永久磁石25の形状は円盤形状に限定されるものではなく、適宜他の形状を用いても良い。また、永久磁石25の取付位置をプランジャ22の内周側に設けるなど、他の位置に設けても良い。
また、スプール弁5に、他の切替弁の機能を追加しても良い。
上記の実施例では、VCT1をカムシャフトに設ける例を示したが、VCT1をエンジンのクランクシャフトに設けるなど、他の部位に設けるものであっても良い。
上記の実施例では、外部ロータ3内を3つのシュー3aにより3つの略扇状凹部に区画し、内部ロータ4の外周部に3つのベーン4aを設けた例を示したが、シュー3aの数やベーン4aの数は構成上1つあるいはそれ以上であればいくつでも構わないものであり、シュー3aおよびベーン4aの数を他の数にしても良い。
上記の実施例では、外部ロータ3がクランクシャフトと同期回転し、内部ロータ4がカムシャフトと一体回転する例を示したが、逆に内部ロータ4をクランクシャフトと同期回転させ、外部ロータ3がカムシャフトと一体回転するように構成しても良い。
1 VCT(バルブタイミング可変機構)
2 OCV(位相制御弁)
3 外部ロータ(入力側ロータ)
4 内部ロータ(出力側ロータ)
5 スプール弁
6 電磁アクチュエータ
7 スリーブ
8 スプール
9 リターンスプリング
10 オイルパン
11 遅角室排出ポート
12 遅角室出力ポート
13 オイルポンプ(油圧供給源)
14 油圧入力ポート
15 進角室出力ポート
16 進角室排出ポート
21 コイル
22 プランジャ
22a プランジャ呼吸路
23 磁気吸引ステータ
24 磁気受渡ステータ
25 永久磁石
32 ECU(制御装置)
61 環状溝
62 貫通穴
63 第1鉄心
64 第2鉄心
66 演算装置
67 コイル駆動回路
A 進角室
B 遅角室

Claims (11)

  1. 内燃機関のクランクシャフトに回転駆動される入力側ロータ(3)に対して前記内燃機関のカムシャフトを回転駆動する出力側ロータ(4)を油圧によって進角側に駆動する進角室(A)、および前記入力側ロータ(3)に対して前記出力側ロータ(4)を油圧によって遅角側に駆動する遅角室(B)を備えるバルブタイミング可変機構(1)と、
    前記進角室(A)および前記遅角室(B)に油圧の給排を行なう位相制御弁(2)と、を具備するバルブタイミング調整装置において、
    前記位相制御弁(2)は、
    (a)軸方向の一方側から他方側に向けて、オイルパン(10)にオイルを戻す遅角室排出ポート(11)、前記遅角室(B)に通じる遅角室出力ポート(12)、油圧供給源(13)に通じる油圧入力ポート(14)、前記進角室(A)に通じる進角室出力ポート(15)、前記オイルパン(10)にオイルを戻す進角室排出ポート(16)が形成された筒形状を呈するスリーブ(7)と、
    このスリーブ(7)の内部において軸方向へ摺動自在に配置され、軸方向の一方端から他方端へ移動することで、前記遅角室出力ポート(12)および前記進角室出力ポート(15)の切替状態を、
    前記遅角室出力ポート(12)を前記油圧入力ポート(14)に連通させるとともに、前記進角室出力ポート(15)を前記進角室排出ポート(16)に連通させる遅角状態、
    前記遅角室出力ポート(12)を遮断するとともに、前記進角室出力ポート(15)を遮断する中間位相保持状態、
    前記遅角室出力ポート(12)を前記遅角室排出ポート(11)に連通させるとともに、前記進角室出力ポート(15)を前記油圧入力ポート(14)に連通させる進角状態に切り替えるスプール(8)と、
    このスプール(8)を軸方向の一方側に向けて付勢するリターンスプリング(9)と、からなるスプール弁(5)を備えるとともに、
    (b)通電により磁力を発生するコイル(21)と、
    軸方向へ摺動自在に支持された磁性体製のプランジャ(22)と、
    前記コイル(21)の発生する磁力により前記プランジャ(22)を軸方向の他方側へ磁気吸引する磁性体製の磁気吸引ステータ(23)と、
    前記プランジャ(22)の外周に配置されて前記プランジャ(22)と径方向の磁気の受け渡しを行なう磁性体製の磁気受渡ステータ(24)と、を備え、
    前記スプール(8)を介して付与される前記リターンスプリング(9)の付勢力により前記プランジャ(22)が軸方向の一方側へ付勢される電磁アクチュエータ(6)を備え、
    (c)前記プランジャ(22)は、このプランジャ(22)の軸方向に着磁されて、前記磁気吸引ステータ(23)に対して軸方向の磁気吸引力が生じる永久磁石(25)を備えており、
    (d)前記コイル(21)の通電が停止されている時、前記永久磁石(25)の磁力の設定磁力により、
    前記スプール(8)のストローク位置が、軸方向の一方端から前記他方側へ移動し、且つ前記遅角室出力ポート(12)が僅かに開口した状態で前記遅角状態が達成されることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 請求項1に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記永久磁石(25)は、前記プランジャ(22)の外周において全周に亘って形成された環状溝61の内部に嵌め入れられるリング円盤形状を呈し、
    前記プランジャ(22)の軸芯には、軸方向へ貫通するプランジャ呼吸路(22a)が設けられ、
    前記環状溝(61)の底と前記プランジャ呼吸路(22a)との厚み寸法は、0.5mm以下に設けられることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記永久磁石(25)は、前記プランジャ(22)の外周において全周に亘って形成された環状溝(61)の内部に嵌め入れられるリング円盤形状を呈し、
    前記プランジャ(22)の軸芯には、軸方向へ貫通するプランジャ呼吸路(22a)が設けられ、
    前記環状溝(61)の底には、周方向に沿って多数の貫通穴(62)が設けられることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  4. 請求項1に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記プランジャ(22)は、
    円筒形状を成す磁性体製の第1鉄心(63)と、
    この第1鉄心(63)の内径と同径の内径穴を備え、リング円盤形状に設けられた前記永久磁石(25)と、
    前記第1鉄心(63)および前記永久磁石(25)と同径の内径穴を備え、円筒形状を成す磁性体製の第2鉄心(64)と、
    前記第1鉄心(63)、前記永久磁石(25)、前記第2鉄心(64)の内径に嵌め入れられて、前記第1鉄心(63)、前記永久磁石(25)、前記第2鉄心(64)をセンタリングする非磁性体製の中心筒(65)と、
    を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれかに記載のバルブタイミング調整装置において、
    リング円盤形状を呈する前記永久磁石(25)の外径寸法は、前記プランジャ(22)の外径寸法よりも小さいことを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  6. 請求項2〜請求項5のいずれかに記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記プランジャ(22)のストロークに伴う前記永久磁石(25)の全ストローク範囲は、
    前記磁気吸引ステータ(23)の一方側の端部と、前記磁気受渡ステータ(24)の他方側の端部との軸方向間に収まることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記コイル(21)の通電を行なう制御装置(32)は、前記コイル(21)の通電量を算出する演算装置(66)と、この演算装置(66)により算出された通電量を前記コイル(21)に与えるコイル駆動回路(67)とを備え、
    前記コイル駆動回路(67)は、前記コイル(21)に印加する電圧を、正電圧と負電圧に切り替え可能に設けられていることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  8. 請求項7に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記制御装置(32)は、正電圧のデューティ比信号および負電圧のデューティ比信号によって前記コイル(21)を通電制御するものであり、
    正電圧のみによる所定の第1正デューティ比信号を前記コイル(21)に与えることで、前記中間位相保持状態を達成することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  9. 請求項8に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記制御装置(32)は、前記入力側ロータ(3)に対する前記出力側ロータ(4)の位相角を保持する際、
    前記制御装置(32)の算出する目標の位相角をα、
    前記入力側ロータ(3)に対する前記出力側ロータ(4)の実際の位相角をβとし、
    目標の位相角αに対して実際の位相角βが「遅角側」の場合、
    (a)α−βの偏差が第1設定値e1よりも小さい時に、
    前記第1正デューティ比信号を前記コイル(21)に与え、
    (b)α−βの偏差が第1設定値e1よりも大きく設定された第2設定値e2よりも小さい時に、
    前記第1正デューティ比信号に、負電圧による所定の第2負デューティ比信号を追加して前記コイル(21)に与え、
    (c)α−βの偏差が第2設定値e2よりも大きい時に、
    前記第1正デューティ比信号よりも通電割合の大きい正電圧のみによる第3正デューティ比信号を前記コイル(21)に与えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記制御装置(32)は、前記入力側ロータ(3)に対する前記出力側ロータ(4)の位相角を保持する際に、
    前記制御装置(32)の算出する目標の位相角をα、
    前記入力側ロータ(3)に対する前記出力側ロータ(4)の実際の位相角をβとし、
    目標の位相角αに対して実際の位相角βが「進角側」の場合、
    (a)α−βの偏差の絶対値が第1設定値e1よりも小さい時に、
    前記第1正デューティ比信号を前記コイル(21)に与え、
    (b)α−βの偏差の絶対値が第1設定値e1よりも大きく設定された第2設定値e2よりも小さい時に、
    前記第1正デューティ比信号に、負電圧による所定の第2負デューティ比信号を追加して前記コイル(21)に与え、
    (c)α−βの偏差の絶対値が第2設定値e2よりも大きい時に、
    前記コイル(21)に与えるデューティ比信号を、前記第1正デューティ比信号よりも減らすことを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  11. 請求項7〜請求項10のいずれかに記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記制御装置(32)は、前記位相制御弁(2)の可動部に異物の噛み込みの可能性があるか否かを判断する異物噛込判断手段を備え、
    この異物噛込手段が異物の噛み込みの可能性があると判断した場合、前記コイル(21)に対して、正電圧を印加する状態と、負電圧を印加する状態とを、繰り返して与える噛込回復手段を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
JP2009273238A 2009-12-01 2009-12-01 バルブタイミング調整装置 Expired - Fee Related JP5375562B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009273238A JP5375562B2 (ja) 2009-12-01 2009-12-01 バルブタイミング調整装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009273238A JP5375562B2 (ja) 2009-12-01 2009-12-01 バルブタイミング調整装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011117317A JP2011117317A (ja) 2011-06-16
JP5375562B2 true JP5375562B2 (ja) 2013-12-25

Family

ID=44282942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009273238A Expired - Fee Related JP5375562B2 (ja) 2009-12-01 2009-12-01 バルブタイミング調整装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5375562B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5630354B2 (ja) * 2011-03-25 2014-11-26 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 リニアソレノイドバルブおよびその異常判定方法
JP2013047504A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Aisin Seiki Co Ltd ソレノイドバルブ及び弁開閉時期制御装置
JP5724778B2 (ja) * 2011-09-13 2015-05-27 株式会社デンソー 電磁スプール弁
US8973542B2 (en) 2012-09-21 2015-03-10 Hilite Germany Gmbh Centering slot for internal combustion engine
US9366161B2 (en) 2013-02-14 2016-06-14 Hilite Germany Gmbh Hydraulic valve for an internal combustion engine
US9784143B2 (en) 2014-07-10 2017-10-10 Hilite Germany Gmbh Mid lock directional supply and cam torsional recirculation

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4013274B2 (ja) * 1997-02-20 2007-11-28 株式会社デンソー 内燃機関用バルブタイミング制御装置
JP4099749B2 (ja) * 2002-01-17 2008-06-11 Smc株式会社 エアサーボバルブ
JP2009185723A (ja) * 2008-02-07 2009-08-20 Nissan Motor Co Ltd 可変動弁機構の制御装置
JP4513890B2 (ja) * 2008-04-03 2010-07-28 トヨタ自動車株式会社 電磁弁

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011117317A (ja) 2011-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5655771B2 (ja) 電磁アクチュエータ
JP5375562B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP4545127B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP5870971B2 (ja) 電磁弁
US6688334B2 (en) Solenoid valve with improved magnetic attractive force
US7114472B2 (en) Electromagnetic valve
JP2002286151A (ja) 電磁弁
US6968816B2 (en) Oil flow control valve
JP2007182962A (ja) 電磁アクチュエータ
JP5724770B2 (ja) 油圧制御バルブ
JP2012107677A (ja) 可変バルブタイミング装置
US7661653B2 (en) Electromagnetic actuator
JP2008111542A (ja) 電磁アクチュエータ
JP2008069916A (ja) 複数機能一体型スプール弁
JP2004301224A (ja) デューティ比制御装置
JP4665869B2 (ja) 電磁弁
JP2004301010A (ja) オイルフローコントロールバルブ
JP5724778B2 (ja) 電磁スプール弁
JP6054762B2 (ja) 電磁弁
JP6650999B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置に用いる制御弁及びその制御方法、内燃機関のバルブタイミング制御システム
JP5281614B2 (ja) 電磁弁
JP2004304921A (ja) 電磁アクチュエータの制御装置
JP6042740B2 (ja) 制御弁
JP2004301172A (ja) 電磁アクチュエータ
JP2004301165A (ja) オイルフローコントロールバルブ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130827

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130909

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5375562

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees