JP5373660B2 - 結晶の構造解析方法 - Google Patents

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本発明は、バルク結晶、又は、半導体薄膜結晶や多重量子井戸構造の結晶の構造解析方法に関する。
従来、X線回折測定によりGaN系材料などの構造評価を行う場合には、モザイク結晶性に起因したtilt分布及びtwist分布によるピーク拡がり要因の同定及びその定性的、定量的評価が重要となっている。
ここで、モザイク結晶性に起因したtilt分布及びtwist分布について説明する。モザイク結晶状態においては、単一の大きな結晶状態ではなく、欠陥、転位等により分離された多数の微小結晶領域の集合体となっている。この際、各微小結晶領域は、全て同一の結晶方位(基板の結晶方位と同一の結晶方位)に揃っているわけではなく、周囲の欠陥、転位等の生成の影響を受けることにより、各々少しずつ異なる結晶方位に回転して分布している。このため、これをX線回折で測定すると、これら結晶方位の分布が、ピーク拡がりとなって観測され、結晶方位分布の種類、程度等を評価できる。
特に典型的な場合として、結晶方位のずれを表す回転の回転軸が、基板表面方向(接線方法)になっているような結晶方位のずれをtiltと呼び、このような結晶方位のずれのずれ角度の分布をtilt分布という。又、結晶方位のずれを表す回転の回転軸が、基板表面に垂直な方向(法線方向)になっているような結晶方位のずれをtwistと呼び、このような結晶方位のずれのずれ角度の分布をtwist分布という。
上述したような、tilt分布及びtwist分布によるピーク拡がり要因の同定及びその定性的、定量的評価の要求に対して、従来は、逆格子マッピング測定を用いた解析が主として用いられてきた。しかしながら、逆格子マッピング測定は、測定に時間を要する点、微弱なピークに対する測定及び解析が困難となる点などの問題から、全ての場合に適用できるとは限らない。この意味で、tilt分布及びtwist分布解析に対する他の解析方法の開発も重要となる。
この要求に応える他の解析方法として、反射指数hklに対する依存性を用いたピーク拡がり要因解析がある。この解析方法は、逆格子マッピング測定法と異なる原理に基づく解析方法であり、上記の逆格子マッピング測定法の欠点を補うという利点のみならず、逆格子マッピング測定法と併用することにより、ピーク拡がり要因解析をより多角的に行えるようになることも期待できる。特に、近年研究が盛んなGaN系試料の構造評価においては、twist分布の評価が重要であり、上記のような新しい解析方法が必要とされている。
このような反射指数hklに対する依存性を用いたピーク拡がり要因解析のGaN系試料を用いた報告例として、従来は、主ピークのピーク半値幅(FWHM)を用いた単純な解析のみが報告されており(非特許文献1)、ピーク形状自体を直接詳細に解析できる普遍的方法は知られていなかった。
このような背景のもと、本発明者らは、twist分布に起因したピーク拡がりを、ピーク形状自体の反射指数hkl依存性を用いた解析により同定する方法を開発した(特許文献1、非特許文献2)。この方法をさらに詳細に検討し、解析に用いる反射指数の選択に関する改良等も報告した(特許文献2)。これは、測定の際の受光系の影響をさけるための改良であった。
特開2009−047443号公報 特開2009−198281号公報
V. Srikant, J. S. Speck, and D. R. Clarke, "Mosaic structure in epitaxial thin films having large lattice mismatch", J. Appl. Phys. 82, 1 November 1997, pp. 4286-4295 K. Nakashima and T. Matsuoka, "A simple method for analyzing peak broadening due to tilt and twist distributions in X-ray diffraction measurements of materials of arbitrary type", J. Appl. Cryst. 41, 2008, pp. 191-197
本発明者らは、上述した改良方法を開発してきたが、測定試料の結晶品質が著しく劣化し、twist分布に起因したピーク拡がりが著しく大きくなる場合には、上述した改良方法でも不十分であり、受光系開口角の影響をより大きく受けてしまう。そして、このような場合において、twist分布に起因したピーク拡がりを効率よく同定する方法の検討はなされていなかった。
本発明は、任意のバルク結晶、又は、任意の基板上にエピタキシャル成長により作製された任意の材料系からなる単層及び多層構造結晶を、X線回折により構造評価する際、反射指数hkl依存性を用いて、ピーク拡がり形状のピーク拡がり要因を簡便に解析、同定する解析方法において、上記課題を解決するものである。
即ち、従来の結晶の構造解析方法では、GaN材料系などにおいて重要となるtwist分布に起因したピーク拡がり解析に関しての検討、定式化が不十分であったが、本発明では、上記課題を解決するため、twist分布に起因したピーク拡がり解析に関して、反射指数依存性を用いた簡便かつ普遍的な結晶の構造解析方法を提供することを目的とする。
特に、これまで検討されていなかった、測定試料の結晶品質が著しく劣化し、twist分布に起因したピーク拡がりが著しく大きくなる場合にも、twist分布に起因したピーク拡がりを同定する結晶の構造解析方法を新たに提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明に係る結晶の構造解析方法は、
任意のバルク結晶、又は任意の基板上にエピタキシャル成長により作製された任意の材料系からなる単層及び多層構造結晶を解析対象の試料とし、当該試料をX線回折測定により構造評価する結晶の構造解析方法において、
2つ以上の相異なる反射指数hklを選択し、選択した反射指数hkl各々について、選択した反射指数hklで特定されるX線入射角度を中心値とするスキャン角度ΔθでX線入射角度を変更し、X線受光器を対称反射配置としてX線回折測定を行うことにより、横軸がスキャン角度Δθで縦軸がX線強度を表すhkl反射プロファイルを求める測定工程と、
選択した反射指数hklで特定されるhkl面と、前記バルク結晶の表面又は前記多層構造結晶の表面或いは前記基板の表面とのなす面角度θcを用いて、前記測定工程で求めたhkl反射プロファイル各々について、前記横軸Δθを[Δθ/sinθc]で規格化する再規格化処理を行って、各hkl反射プロファイルを描き直す再規格化工程と、
前記再規格化工程で再規格化した各hkl反射プロファイル中の解析対象のピークについて、hkl反射プロファイル同士の前記ピークの頂点を揃えて重ねて表示し、hkl反射プロファイル同士のピーク拡がり形状を比較することにより、前記ピーク拡がり形状の反射指数hklに関する依存性を解析する形状解析工程と、
前記形状解析工程における解析により、前記ピーク拡がり形状が反射指数hklに依存しない不変な形状になっていることを確認することにより、前記ピーク拡がり形状が結晶のモザイク性により生じる局所的なtwist分布に起因して生じることを判定する判定工程とを有し、
前記測定工程において、前記X線受光器の位置は固定し、前記試料のみを回転させるスキャンモードを用いて、前記X線回折測定を行うことにより、横軸がスキャン角度Δθで縦軸がX線強度を表すhkl反射プロファイルを求め、求めたhkl反射プロファイルについて、前記再規格化工程、前記形状解析工程及び前記判定工程を適用することを特徴とする。
本発明によれば、X線回折測定により構造評価する際、反射指数hkl依存性を用いて、ピーク拡がり形状のピーク拡がり要因を簡便に解析、同定する解析方法の中で、特に、twist分布に起因したピーク拡がり解析に関して、簡便かつ普遍的な解析方法を提供することができる。
即ち、これまで検討されていなかった、測定試料の結晶品質が著しく劣化し、twist分布に起因したピーク拡がりが著しく大きくなる場合であっても、本発明によれば、受光系開口角の影響を極力小さくし、twist分布に起因したピーク拡がりを効率よく同定、解析することができ、従来の解析方法を改善することができる。
結晶品質が著しく劣るGaN試料に対して、θ−2θスキャンモードを用いてX線回折測定を行い、[Δθ/sinθc]で再規格化した再規格化hklプロファイルのグラフである。 図1に示した再規格化hklプロファイルのいくつかを抽出し、重ねて表示したグラフである。 結晶品質の比較的良いGaN試料に対して、図1、図2の場合と同様のX線回折測定、再規格化、抽出を行い、再規格化hklプロファイルのいくつかを重ねて表示したグラフである。 図1、図2で用いた結晶品質が著しく劣るGaN試料に対して、ωスキャンモードを用いてX線回折測定を行い、[Δθ/sinθc]で再規格化した再規格化hklプロファイルのグラフである。 図4に示した再規格化hklプロファイルのいくつかを抽出し、重ねて表示したグラフである。 本発明で用いるX線回折装置の概略図である。 図6に示したX線回折装置において、θ−2θスキャンモードを説明する図である。 図6に示したX線回折装置において、ωスキャンモードを説明する図である。
以下、図1〜図5を参照して、本発明に係る結晶の構造解析方法を説明する。又、図6〜図8を参照して、X線回折装置におけるθ−2θスキャンモード、ωスキャンモードを説明する。
(実施例1)
本発明においては、任意のバルク結晶、又は、任意の基板上にエピタキシャル成長により作製された任意の材料系からなる単層及び多層構造結晶が、解析対象の試料となるが、ここでは、対象試料の一例として、(0001)サファイア基板上にMOVPE成長法によりGaNエピタキシャル薄膜試料を作製した。この材料系は、twist分布に起因したX線回折のピーク拡がりが主に観測される典型例となっているものである。なお、GaNエピタキシャル薄膜試料以外にも、例えば、InGaAs/GaAs、Si/SiGeなどの材料系を用いた歪系エピタキシャル層、歪超格子構造等でもよい。
以降においては、一例として、本発明に係る結晶の構造解析方法を上記GaN試料に適用して構造評価した例を説明する。
図1(a)、(b)は、結晶品質が著しく劣るGaN試料の再規格化hklプロファイルを示すグラフである。なお、図1(a)、(b)では、各hkl反射プロファイルの形状が分かり易いように、これらを2つに分けて記載すると共に、各hkl反射プロファイル同士が重ならないように、その位置をシフトして示している。
図1(a)、(b)に示した再規格化hklプロファイルは、結晶品質が著しく劣るGaN試料について、X線回折装置を用いて、種々のhkl反射プロファイルを対称反射配置で測定し(測定工程)、各hkl反射プロファイルの横軸Δθを、[Δθ/sinθc]に規格化しなおす再規格化処理を行い、再規格化した横軸[Δθ/sinθc]で各hkl反射プロファイルを描き直したものである(再規格化工程)。以降、再規格化したhkl反射プロファイルを、再規格化hklプロファイルと呼ぶ。なお、hkl反射プロファイルは、反射指数hklに対するものであり、反射指数hklとしては、2つ以上の相異なるものを選択する。
測定に際しては、X線回折装置のX線受光器の前に、通常の受光系スリットを挿入せずに測定した。つまり、受光系開口角は約2度程度である。又、測定の際のスキャンモードは、従来の方法で通常用いられているθ−2θスキャンモードを用いた。
ここで、θ、Δθ、θc、θ−2θスキャンモードについて説明する。
θは、対象試料の表面(又は基板面)に対するX線入射角であり、Δθは、測定の際のX線入射角度のスキャン角度である。又、θcは、反射指数hklで特定されるhkl面と対象試料の表面(又は基板面)がなす面角度である。スキャン角度Δθは、具体的には、反射指数hklで特定されるhkl面に対して、当該反射指数hklにより特定される角度を中心値として、予め決めた僅かに小さい角度から予め決めた僅かに大きい角度まで、X線入射角度を変更(スキャン)した角度である。従って、スキャンされる照射X線の入射角度が、反射指数hklで特定される角度になったときに、スキャン角度Δθは0°となる。
又、本発明で用いるX線回折装置10は、図6に示すように、X線源11とX線受光器12とを有し、試料台13に試料14が取り付けられている。X線源11は、通常、位置が固定されているが、試料台13はωステージ15により回転(スキャン)可能となっており、X線受光器12は2θステージ16により回転(スキャン)可能となっている。なお、X線回折装置10には、試料14の面角度θcを回転(スキャン)するステージ等、他のステージも備えているが、本実施例では、説明を簡単にするため、後述の図7、図8も含めて、図示及び詳細な説明を省略している。
そして、図7に示すように、θ−2θスキャンモードは、X線入射角θに対して、X線入射線の延長線とX線受光器12の位置がなす角度を2θとすると共に、X線入射角θの変化量(スキャン角度)Δθに対するX線受光器12の位置(角度)の変化量も丁度2倍になるように、即ち、2Δθとなる角度位置関係を保って、スキャンするモードであり、ωステージ15と2θステージ16により、試料14とX線受光器12の位置を連動させてスキャンしている。例えば、X線入射角が、初期の位置からΔθ移動して、θ’となった場合には、X線受光器12も2Δθ移動することになり、X線入射線の延長線とX線受光器12の位置がなす角度も2θ’となる。
図2は、図1(a)、(b)に示した再規格化hklプロファイルのいくつかを抽出し、重ねて表示したグラフである。具体的には、各々の再規格化hklプロファイル中の解析対象のピークについて、再規格化hklプロファイル同士のピークの頂点を揃えて重ねて表示している。このように、再規格化hklプロファイルを抽出し、重ねて表示することで、それらのピークプロファイル、即ち、ピーク拡がり形状を、より明確に比較することができる(形状解析工程)。なお、「ピーク拡がり形状」とは、hkl反射プロファイルがピーク的に立ち上がった部分において、このピーク部分の拡がり形状を意味する。
そして、上記解析により、ピーク拡がり形状が反射指数hklに依存しない不変な形状になっていることを確認することにより、ピーク拡がり形状が結晶のモザイク性により生じる局所的なtwist分布に起因して生じることを判定することができる(判定工程)。
しかしながら、図2からわかるように、指数の異なる再規格化プロファイル同士の形状は一致しておらず、反射指数hklに関する指数依存性が観測される。この結果から、測定されたプロファイル形状には、twist分布以外の要因に起因した成分が含まれていることが結論づけられる。
この結論自体は正しいのであるが、上記twist分布以外の要因として、測定系の影響、特に、受光系開口角の影響が想定される。これは、結晶品質の比較的良いGaN試料の再規格化hklプロファイルとの比較からも示唆される。即ち、結晶品質の比較的良いGaN試料について、図1〜図2と同じ方法を適用して、再規格化hklプロファイルのいくつかを抽出し、重ねて表示してみると、結晶品質の比較的良いGaN試料の場合は、図3に示すように、図1、図2と異なり、指数の異なる再規格化プロファイル同士の形状はよく一致した普遍的形状を示しており、twist分布に起因したX線回折のピーク拡がりであることが結論づけられる。
しかるに、通常、結晶品質が著しく劣るGaN試料では、twist分布が著しく大きくなることが知られている。実際、図3に比べて、図1、図2のプロファイルのピーク拡がりの程度は著しく大きくなっており、結晶品質の劣化を反映していることがわかる。
以上のことから、結晶品質が著しく劣るGaN試料でも、twist分布に起因した、プロファイルが著しく拡がったピーク拡がり形状を同定したいのであるが、測定系の影響で、本来観測したいピーク拡がり形状が同定できていないことが示唆される。このように、結晶品質が著しく劣化し、twist分布が著しく大きくなる試料では、twist分布を直接同定しにくくなることが、従来の解析方法の問題点として初めて認識された。
この問題点を解決し、結晶品質が著しく劣化して、twist分布が著しく大きくなる試料においても、測定系の影響を受けずに、twist分布を同定できる方法を新たに提示することが本発明の主眼である。
上記問題点を解決するための技術的な改善点は、測定の際のスキャン方法の変更である。即ち、従来用いられていたθ−2θスキャンモードに換えて、図8に示すように、X線受光器12の位置(角度)は固定しておき、試料14のみを回転させて、X線入射角度θ(ω)のみをスキャンする、所謂、ωスキャンモードを採用している。このスキャンモードの変更が、上記問題点の解決に極めて有効であることを見出した点が、本発明の技術的ポイントである。
具体的には、本実施例の結晶の構造解析方法では、上述した測定工程において、スキャンモードとして、X線受光器12の位置を固定し、ωステージ15により、試料14のみを回転させるωスキャンモードを用いて、対称反射配置でX線回折測定を行っている。なお、このとき、X線入射角θに対し、X線入射線の延長線とX線受光器12の位置がなす角度は2θとなるようにしている。そして、この測定により、横軸がスキャン角度Δθで縦軸がX線強度を表すhkl反射プロファイルを求め、求めたhkl反射プロファイルについて、上述した再規格化工程、形状解析工程及び判定工程を適用している。なお、測定に際には、X線回折装置10のX線受光器12の前に、通常の受光系スリットを挿入せずに測定している(光系開口角約2度程度)。
図4に、本実施例の結晶の構造解析方法を適用して測定した、結晶品質が著しく劣るGaN試料の再規格化hklプロファイルを示す。図4でも、図1、図2で用いたものと同一の、結晶品質が著しく劣るGaN試料を対象試料としている。
そして、比較をより明確にするため、図4に示した再規格化hklプロファイルのいくつかを抽出し、それらを重ねて表示したグラフが図5である。図4、図5では、図1、図2とは異なり、指数の異なる再規格化プロファイル同士の形状はよく一致した普遍的形状を示しており、twist分布に起因したX線回折のピーク拡がりを同定していることが結論づけられる。
又、図5のグラフは、図3に示したグラフ、即ち、結晶品質の比較的良いGaN試料の再規格化hklプロファイルのグラフと比較してみても、指数に依存しない普遍的プロファイル形状の一致の程度は、遜色ないことが結論づけられる。
以上述べたように、本発明により、従来の解析方法では解析が不十分であった測定試料、即ち、結晶品質が著しく劣化し、twist分布に起因したピーク拡がりが著しく大きくなる場合にも、受光系開口角の影響を極力小さくして、twist分布に起因したピーク拡がりを効率よく同定、解析できることがわかった。
本発明は、バルク結晶、又は、半導体薄膜結晶や多重量子井戸構造の結晶の構造解析に適用されるものであるが、特に、格子不整合度の大きいヘテロエピタキシャル成長薄膜結晶の不完全性、歪を含むエピタキシャル薄膜及び歪超格子構造において、その構造劣化の有無、程度及び特徴等を調べる上で有用である。
10 X線回折装置
11 X線源
12 X線受光器
13 試料台
14 試料
15 ωステージ
16 2θステージ

Claims (1)

  1. 任意のバルク結晶、又は任意の基板上にエピタキシャル成長により作製された任意の材料系からなる単層及び多層構造結晶を解析対象の試料とし、当該試料をX線回折測定により構造評価する結晶の構造解析方法において、
    2つ以上の相異なる反射指数hklを選択し、選択した反射指数hkl各々について、選択した反射指数hklで特定されるX線入射角度を中心値とするスキャン角度ΔθでX線入射角度を変更し、X線受光器を対称反射配置としてX線回折測定を行うことにより、横軸がスキャン角度Δθで縦軸がX線強度を表すhkl反射プロファイルを求める測定工程と、
    選択した反射指数hklで特定されるhkl面と、前記バルク結晶の表面又は前記多層構造結晶の表面或いは前記基板の表面とのなす面角度θcを用いて、前記測定工程で求めたhkl反射プロファイル各々について、前記横軸Δθを[Δθ/sinθc]で規格化する再規格化処理を行って、各hkl反射プロファイルを描き直す再規格化工程と、
    前記再規格化工程で再規格化した各hkl反射プロファイル中の解析対象のピークについて、hkl反射プロファイル同士の前記ピークの頂点を揃えて重ねて表示し、hkl反射プロファイル同士のピーク拡がり形状を比較することにより、前記ピーク拡がり形状の反射指数hklに関する依存性を解析する形状解析工程と、
    前記形状解析工程における解析により、前記ピーク拡がり形状が反射指数hklに依存しない不変な形状になっていることを確認することにより、前記ピーク拡がり形状が結晶のモザイク性により生じる局所的なtwist分布に起因して生じることを判定する判定工程とを有し、
    前記測定工程において、前記X線受光器の位置は固定し、前記試料のみを回転させるスキャンモードを用いて、前記X線回折測定を行うことにより、横軸がスキャン角度Δθで縦軸がX線強度を表すhkl反射プロファイルを求め、求めたhkl反射プロファイルについて、前記再規格化工程、前記形状解析工程及び前記判定工程を適用することを特徴とする結晶の構造解析方法。
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