JP2009198281A - 結晶の構造解析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】GaN系試料をX線回折測定して、twist 分布の存否を判定する。
【解決手段】GaN系試料をX線回折測定して、選択した複数の異なる反射指数hklごとのhklプロファイルを求める。選択した反射指数hklで特定される反射指数hkl面と試料表面との角度を面角度θcとし、各hklプロファイルの横軸であるスキャン角度Δθをsinθcで割り、hklプロファイルの横軸をΔθ/sinθcに規格化しなおし、複数の選択した反射指数hklごとの再規格化したhklプロファイルを求める。しかも、面角度θcを60度より小さい範囲とする。複数の再規格化したhklプロファイルを、ピーク頂点をそろえる状態にして重ね、重ねた複数の再規格化したhklプロファイルのピーク拡がり形状が一致する場合には、hklプロファイルのピーク拡がり形状は、結晶のモザイク性により生じる局所的なtwist 分布に起因して生じるピーク拡がり形状だと判定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、バルク結晶、半導体薄膜、多重量子井戸構造などをX線回折測定を用いて構造解析する、結晶の構造解析方法に関する発明である。
本発明は、特に歪を含むエピタキシャル薄膜および歪超格子構造の構造劣化の有無およびその程度、特徴等を調べる上で有用である。
従来、X線回折測定によりGaN系材料などの構造評価を行なう際には、モザイク結晶性に起因したtilt分布およびtwist 分布によるピーク拡がり要因の同定、およびその定量的評価が重要となっている。
ここで、「tilt分布」と「twist 分布」について、その技術的意味を先に説明をしておく。
モザイク結晶状態では単一の大きな結晶状態ではなく、欠陥、転位等により分離された多数の微小結晶領域の集合体となっている。
この際、各微小結晶領域はすべて(基板の結晶方位と)同一の結晶方位に揃っているわけではなく、周囲の欠陥、転位等の生成の影響を受けることにより、それぞれに少しずつ異なる結晶方位に回転して分布している。
このためこれをX線回折で測定するとこれら結晶方位の分布が回折ピークの拡がりとなって観測され、結晶方位分布の種類、程度等を評価できる。
とくに典型的な場合として、結晶方位のずれを表す回転の回転軸が基板表面方向(接線方法)になっているような結晶方位のずれをtiltとよび、このような結晶方位のずれのずれ角度の分布をtilt分布という。
また、結晶方位のずれを表す回転の回転軸が基板表面に垂直な方向(法線方向)になっているような結晶方位のずれをtwist とよび、このような結晶方位のずれのずれ角度の分布をtwist 分布という。
上述したように構造評価を行なう際には、モザイク結晶性に起因したtilt分布およびtwist 分布によるピーク拡がり要因の同定、およびその定量的評価が重要である。
しかるにこれらの要求に対して、従来は逆格子マッピング測定を用いた解析が主として用いられてきた。しかるに逆格子マッピング測定は測定に時間を要する点、微弱なピークに対する測定および解析が困難となる点などの問題から、すべての場合に適用できるとは限らない。この意味でtilt分布およびtwist 分布解析に対しての他の解析手法の開発も重要となる。
この要求に応える他の解析手法として反射指数hkl に対する依存性を用いたピーク拡がり要因解析がある。この解析手法は逆格子マッピング測定法と異なる原理に基づく解析手法であり、上記の逆格子マッピング測定法の欠点を補うという利点のみならず、逆格子マッピング測定法と併用することによりピーク拡がり要因解析をより多角的に行なえるようになることも期待できる。
しかるに、このような反射指数hkl に対する依存性を用いたピーク拡がり要因解析を簡便かつsystematicに行なう手法として本願発明者等はGaAs材料系、InP材料系などの立方晶材料系を対象として、tilt分布、薄膜性、組成歪分布などの各種主要なピーク拡がり要因を反射指数依存性を用いて簡便に解析する手法を提案してきた。
このような本願発明者が提案した手法は、非特許文献1〜4(非特許文献1:K. Nakashima and H.Sugiura, J. Appl. Crystallogr. 30, 1002-1007(1997)、 非特許文献2:K. Nakashima, J. Appl. Crystallogr. 33, 1376-1385(2000)、 非特許文献3:K. Nakashima, Japanese J. Appl. Phys. Part 1 40, 5454-5463(2001)、 非特許文献4: K. Nakashima and Y. Kawaguchi, J. Appl. Crystallogr. 34, 681-690(2001))に示すものである。
これらの方法は従来のピーク拡がり解析でよく用いられてきた半値幅(FWHM)を用いず、ピーク形状自体を直接解析できる普遍的方法として定式化されているという点で、他のピーク拡がり要因解析と比べてより進んだ方法になっている。
K. Nakashima and H.Sugiura, J. Appl. Crystallogr. 30, 1002-1007(1997) K. Nakashima, J. Appl. Crystallogr. 33, 1376-1385(2000) K. Nakashima, Japanese J. Appl. Phys. Part 1 40, 5454-5463(2001) K. Nakashima and Y. Kawaguchi, J. Appl. Crystallogr. 34, 681-690(2001) V. Srikant, J. S. Speck & D. R. Clarke J. Appl. Phys. 82, 4286-4295(1997)
しかるに、本願発明者等が開発した上記非特許文献1〜4の方法は解析対象となる材料系をGaAs材料系、InP材料系などの立方晶材料系に特定して定式化しているため、他の材料系にはそのままでは適用できないという点が欠点として残っていた。
このため結晶系の異なる他の重要な材料系であるGaN系試料でのピーク拡がり要因解析には適用できず、特に同材料系で重要となるtwist 分布に起因したピーク拡がり解析に関しては全く定式化がなされていなかった。
一方、GaN系試料での反射指数hkl に対する依存性を用いたピーク拡がり要因解析に関しては、従来どおり半値幅(FWHM)を用いた単純な解析のみが報告されており、(非特許文献5:V. Srikant, J. S. Speck & D. R. Clarke J. Appl. Phys. 82, 4286-4295(1997).) 、ピーク形状自体を直接解析できる普遍的方法論はまったく検討されていなかった。
このような背景の下、最近本願発明者は、twist分布に起因したピーク拡がりを、ピーク形状自体の反射指数hkl依存性を用いた解析により同定する方法を開発し、特許出願した(特願2007−211185)。しかるにこの方法では反射指数hklの選択の仕方等に対する考察が十分なされておらず、実際の解析に適用する際の指針等も示されていない等、検討の余地が残されていた。
本発明は、バルク結晶、半導体薄膜、多重量子井戸構造などをX線回折測定を用いて構造解析する際、反射指数hkl 依存性を用いてピーク拡がり形状のピーク拡がり要因を簡便に解析、同定する解析手法における課題を解決する。
すなわち、従来同解析手法においてはGaN材料系などにおいて重要となるtwist 分布に起因したピーク拡がり解析に関しての普遍的定式化が不十分という課題を解決するための発明であり、twist 分布に起因したピーク拡がり要因の反射指数依存性を用いた簡便な普遍的解析法を提供する。
特に解析に用いる反射指数hklの選択の仕方に有効な指針を提供する。
上記課題を解決する本発明の構成は、
任意のバルク結晶、あるいは任意の基板上にエピタキシャル成長により作製された任意の材料系からなる多層構造結晶を、X線回折測定することにより構造評価する結晶の構造解析方法であって、
2つ以上の相異なる反射指数hkl の条件を選んで、対称反射配置の測定配置の下に、複数の選んだ反射指数hkl 近傍においてX線回折測定を行なうことにより、横軸がスキャン角度Δθで縦軸がX線強度を表すhklプロファイルを求める工程と、
選んだ反射指数hkl で特定される反射指数hkl面と、前記バルク結晶の表面または前記多層構造結晶の表面あるいは前記基板の表面とのなす角度を面角度θCとしたとき、因子sin θCを計算し、各hklプロファイルの横軸Δθを、Δθ/sinθCに規格化しなおす再規格化処理をして再規格化したhklプロファイルに描きなおす工程と、
前記再規格化した各hkl プロファイル中の解析対象ピークのピーク拡がり形状を集めてきて、ピーク頂点をそろえて重ねて表示することにより、再規格化したピーク拡がり形状を比較し、再規格化したピーク拡がり形状の反射指数hkl に関する依存性を解析する工程と、
前記反射指数hkl に関する依存性解析により、再規格化したピーク拡がり形状が反射指数hkl に依存しない不変な形状になっているか否かを判定することにより、解析対象ピークのピーク拡がり形状が、結晶のモザイク性により生じる局所的なtwist 分布に起因して生じるピーク拡がり形状であるか否かを判定する工程とを有し、
しかも、上記解析に用いる反射指数hklの条件を、特に面角度θCの値が60度より小さい範囲に入るような反射指数hklに限って適用することを特徴とする。
[作用]
本発明においては、上記解析手段を用いることにより、GaN材料系試料などの構造解析において得られるX線回折プロファイル中のピーク拡がり形状がモザイク結晶によるtwist 分布に起因したピーク拡がりか否かを反射指数依存性を用いて、簡便かつ普遍的に解析、同定できるという作用を生み出す。
特に、用いる反射指数hklの範囲を制限することにより、twist分布をより正確に同定、評価することが可能となる。
本発明により、GaN材料系試料などの構造解析において得られるX線回折プロファイル中のピーク拡がり形状がモザイク結晶によるtwist 分布に起因したピーク拡がりか否か、を反射指数依存性を用いて、簡便かつ普遍的に解析、同定することが可能となった。
特に、従来の無差別にhklプロファイルを用いて普遍性を解析する場合に比較して、本発明によりtwist分布に起因したピーク拡がりの普遍的形状をさらに精度よく解析することが可能となった。
また本発明は、立方晶材料系の結晶にも適用することができる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づき詳細に説明する。
本発明の具体的実施例として、(0001)sapphire 基板上にMOVPE成長法により作製したGaNエピタキシャル膜からなる試料を本発明に適用して構造評価した例を以下に述べる。なお以降の説明では、簡単のため同試料をB00試料と呼ぶ。本試料はtwist 分布に起因したピーク拡がりが主となることが予め分かっているような試料であることを注記しておく。
本実施例は、モザイク結晶によるtwist 分布を有する、B00試料のGaNエピタキシャル膜に対してX線回折測定をし、その測定データを処理して構造解析をするものであり、以下にその詳細を説明する。
まず、図1(a),(b)に、選択した反射指数hkl を複数変えて、測定対象であるB00試料GaNエピタキシャル膜をX線回折測定して得た、各種X線回折hkl プロファイルを示す。
ここにGaN系試料はwurtzite結晶構造をもつ材料系であるので、反射指数hkl の表示もwurtzite結晶構造の場合にあわせてhkml(m=−h−k)と表示してある。
プロファイル形状の比較を容易にするため、いくつかの反射指数hklのhklプロファイルを図1(a),(b)に共通に挿入して表示してある。
なお、hkl プロファイルは、X線回折装置を用いて、図2に示すような対称反射配置の測定配置にした条件下において、B00試料にX線を照射してX線回折測定をしたときに発生する回折X線の強度を検出して求めたものである。
このhkl プロファイルの横軸Δθはスキャン角度を表し、縦軸は回折X線の強度を表す。
なお「スキャン角度Δθ」とは、選択した反射指数hklで特定されるX線入射角度よりも予め決めた僅かに小さい角度から、選択した反射指数hklで特定されるX線入射角度よりも予め決めた僅かに大きい角度にまで、反射指数hkl面に対するX線入射角度を変更(スキャン)していったときの角度を示す。
したがって、このように変更(スキャン)されていく反射指数hkl面に対するX線入射角度が、選択した反射指数hklで特定されるX線入射角度になったときには、スキャン角度Δθは0°となる。
この結果、スキャン角度Δθは、図1に示すように、0°を中心としてマイナスの角度と、プラスの角度として示している。
この場合のX線解析手法では、図2に示すように、対称反射配置の測定配置にしており、反射指数 hkl面(図2において斜線で示した面)に対するX線入射角度(図2におけるθin)を変更(スキャン)していっても、反射指数 hkl面に対する照射X線の入射角度θinと、反射指数 hkl面に対する回折X線の出射角度θoutとは常に同じ角度に保ってスキャンしている。
また、図2において、反射指数 hkl面(図2において斜線で示した面)とB00試料の表面(または基板面)とのなす角度を面角度θcとしている。この面角度θcは、後述するように、本願発明において構造解析をする上において重要なファクターである。
図1(a),(b)からわかるように、横軸をスキャン角度Δθにとった測定データ(hkl プロファイル)のままの表示では、選択した反射指数hkl を変えたときのそれぞれの測定プロファイルのピーク拡がり形状はバラバラであり、反射指数依存性を持っていることがわかる。
なお、「ピーク拡がり形状」とは、hklプロファイルがピーク的に立ち上がった部分において、このピーク部分の拡がり形状を意味する。
また「反射指数依存性」とは、選択した反射指数が異なっているときにおいて、ある反射指数hklを選択したときのhklプロファイルのピーク拡がり形状と、他の反射指数hklを選択したときのhklプロファイルのピーク拡がり形状とが一致せず、hklによって決まるある一定の規則にしたがって変化することを意味する。
次に、図1(a),(b)の各hkl プロファイルを、各hkl プロファイルごとにそれぞれ対応する因子sinθCで割って横軸をΔθから、Δθ/sinθCに規格化しなおす再規格化処理をし、測定プロファイルを描きなおした図を図3(a),(b)に、図1(a),(b)と対応させて示す。
図3(a),(b)においてもプロファイル形状の比較を容易にするため、いくつかの反射指数hklのhklプロファイルを図3(a),(b)に共通に挿入して表示してある。
例えば、選択した反射指数 hklが10−15である場合には、この10−15で示す反射指数により特定される反射指数hkl面と、B00試料の表面とのなす角度を面角度θcとする。そして、このときの面角度θcを用いて、図1(a),(b)に示す選択した反射指数 hklが10−15のときのhkl プロファイルの横軸Δθを、sinθCで割ってΔθ/sinθCに規格化しなおす再規格化処理をする。
選択した反射指数 hklが他の値となっているhkl プロファイルの場合であっても、それぞれの選択した反射指数 hklにより特定される反射指数hkl面と、B00試料の表面とのなす角度を面角度θcとし、それぞれの選択した反射指数 hklのときの面角度θcを用いて、上述したのと同様な再規格化処理をして、図3(a),(b)に示すように、それぞれの選択した反射指数 hklのときの再規格化した複数のhkl プロファイルを得る。
図3(a,(b)に示すように、ピーク頂点付近の形状に関しては、選択した反射指数hklの異なるすべての再規格化したhkl プロファイルでほぼ同一のピーク拡がり形状をしており、再規格化したプロファイルがほぼ反射指数hklに依らず、普遍的形状を保っていることがわかる。
しかるにピーク頂点から離れた部分も含めた大域的形状については、いくつかのhklプロファイルで不自然なプロファイル形状をした部分が見られる。これらの部分を図3(a),(b)中に矢印で示してある。これらの矢印で示した部分は再規格化したhklプロファイルが示すべき反射指数hklに依存しない普遍的形状からずれた形状をしている。
このことをより明確に確認するため、上記図3(a),(b)中の再規格化したhklプロファイルのうちの、上記不自然な部分が見られないいくつかのピーク拡がり形状を取り出して、再規格化したピーク拡がり形状のピーク頂点をそろえて重ねて表示することにより、再規格化したピーク拡がり形状の反射指数hkl に関する依存性をより詳細に比較した図を、図4(a),(b)に示す。
これら図4(a),(b)のいずれにおいても再規格化したピーク拡がり形状はよく一致しており、反射指数hkl に関する依存性がないことがより精度よく確認できた。
一方、図3(a),(b)中の不自然な形状を含むプロファイルを含めた形でいくつかのプロファイル形状を取り出して、ピーク頂点をそろえて重ねて表示することにより、再規格化したピーク拡がり形状の指数hklに関する依存性をより詳細に比較した図を5(a),(b)に示す。図5(a),(b)中でも上記不自然なプロファイル形状をした部分を矢印で示してある。
図5(a),(b)からわかるように、これら不自然な形状をした部分は反射指数に依存しない普遍的形状からずれていることが明確に観察され、twist分布に起因したピーク拡がり形状を反映していない部分であることがわかる。これらの部分は受光系開口角の影響をうけて生じる形状であると考えられ、測定試料の特性とは関係ない測定系の問題として生じる。
したがって、twist分布に起因したピーク拡がり形状を同定、解析するという目的からはこのような部分は除いて解析することが望ましい。
図5から特徴的な点は、このような不自然な形状が現れるプロファイルはある特定の反射指数に限られており、それは反射指数hklに対応して得られる面角度θCの値が60度より大きい値をとるような反射指数hklの場合に限られていることである。
twist分布以外の要因としては、転位、結晶欠陥などの結晶上の問題も挙げられるが、結晶上の問題がある場合には、twist分布に起因したピーク拡がりからのずれが指数hklにおいて一定の相関を有する。しかしながら、今回の測定においては、20−21、20−22においてピーク左肩にずれが観測され10−11においてはピーク左に特異な立ち上がりが観測され一定の相関を有していない。したがって、ピーク拡がりの要因は結晶上の問題ではなく測定系などの結晶以外の問題に起因するものと考えられる。
上述したように、不自然な形状が現れるプロファイルはある特定の反射指数に限られていることを用いれば、解析に用いるhklプロファイルを対応する面角度θCの値が60度以下の値をとるような反射指数hklのみを用いて解析すれば、上記のような不自然なプロファイル形状を用いることなく解析が行なえることがわかる。
図4(a),(b)はこのようなhklプロファイルのみを選んで解析した本発明の実施例になっており、図5(a),(b)に比べて精度よくtwist分布に起因した普遍的形状が同定できていることがわかる。
以上より、B00試料のGaNエピタキシャル膜ピークのピーク拡がり形状は、モザイク結晶によるtwist分布に起因したピーク拡がり形状であり、再規格化した普遍的ピーク拡がり形状はモザイク結晶によるtwist分布の分布形状に対応することが本実施例により従来よりもより精度よく結論できた。
以上により本発明によりB00試料のGaNエピタキシャル膜をX線解析測定し、これにより得たhkl プロファイルのピークのうち、解析対象とするピークのピーク拡がり形状がモザイク結晶によるtwist 分布に起因したピーク拡がり形状か否かを反射指数依存性を用いて、簡便かつ普遍的に解析、同定できることが分かった。
本発明は、実施例で示したGaN系試料のみならず、立方晶材料系の結晶にも適用することができる。
反射指数hklを複数変えて測定したB00試料GaNエピタキシャル膜ピークの各種X線回折hklプロファイルを示す特性図である。 X線回折における対称配置の測定配置を示す説明図である。 図1の各hkl プロファイルを、各hkl プロファイルごとにそれぞれ対応する因子sinθCで割って横軸をΔθからΔθ/sinθCに規格化しなおした再規格化プロファイルを示す特性図である。 図3中のhklプロファイルのうち、対応するθcの値が60度以下の値をとるような指数hklからなるhklプロファイルのいくつかのピーク形状を取り出して、ピーク頂点をそろえて重ねて表示したプロファイル形状比較図である。 図3中のhklプロファイルのうち、図3中に矢印で示したような不自然なプロファイル形状をした部分を含むhklプロファイルを含めて無作為にいくつかのピーク形状を取り出して、ピーク頂点をそろえて重ねて表示したプロファイル形状比較図である。
符号の説明
θin 入射角度
θout 出射角度
θc 面角度

Claims (1)

  1. 任意のバルク結晶、あるいは任意の基板上にエピタキシャル成長により作製された任意の材料系からなる多層構造結晶を、X線回折測定することにより構造評価する結晶の構造解析方法であって、
    2つ以上の相異なる反射指数hkl の条件を選んで、対称反射配置の測定配置の下に、複数の選んだ反射指数hkl 近傍においてX線回折測定を行なうことにより、横軸がスキャン角度Δθで縦軸がX線強度を表すhklプロファイルを求める工程と、
    選んだ反射指数hkl で特定される反射指数hkl面と、前記バルク結晶の表面または前記多層構造結晶の表面あるいは前記基板の表面とのなす角度を面角度θCとしたとき、因子sin θCを計算し、各hklプロファイルの横軸Δθを、Δθ/sinθCに規格化しなおす再規格化処理をして再規格化したhklプロファイルに描きなおす工程と、
    前記再規格化した各hkl プロファイル中の解析対象ピークのピーク拡がり形状を集めてきて、ピーク頂点をそろえて重ねて表示することにより、再規格化したピーク拡がり形状を比較し、再規格化したピーク拡がり形状の反射指数hkl に関する依存性を解析する工程と、
    前記反射指数hkl に関する依存性解析により、再規格化したピーク拡がり形状が反射指数hkl に依存しない不変な形状になっているか否かを判定することにより、解析対象ピークのピーク拡がり形状が、結晶のモザイク性により生じる局所的なtwist 分布に起因して生じるピーク拡がり形状であるか否かを判定する工程とを有し、
    しかも、上記解析に用いる反射指数hklの条件を、特に面角度θCの値が60度より小さい範囲に入るような反射指数hklに限って適用することを特徴とする結晶の構造解析方法。
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