以下に本発明の実施形態を説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。
〔第1の実施形態〕
図1は一実施形態に係る記録装置の斜視図である。図1の記録装置は、ロール紙軸31から送り出されるロール紙10に記録ヘッド16により記録を行うように構成されている。図1において、10はロール紙軸としての紙管に巻回されたロール紙であり、紙管に一体回転するように嵌合された軸を回転させることにより送り出しおよび巻き戻し可能に記録装置にセットされている。図示のロール紙10は、最大サイズの場合が示されており、例えば60インチ幅のものである。紙管(ロール紙軸)は、一対のローラからなる搬送ローラ11のニップに挟持されており、不図示のステッピングモータからなる搬送モータで搬送ローラ11を正逆回転させることにより、送り出しおよび巻き戻し方向に搬送される。搬送ローラ11上にはロータリーエンコーダが配され、このロータリーエンコーダにより搬送ローラ11の実際の回転が検出される。なお、ロール紙10には、ロール紙軸を介して、弛み防止用のバックテンションが付与されている。
搬送ローラ11の搬送下流側には、搬送されるロール紙10を支持するためのプラテン15で配設されている。プラテン15と対向する上方位置には、記録ヘッド16を搭載して紙幅方向に往復移動可能なキャリッジ12が配されている。キャリッジ12の移動(主走査)に同期して、画像情報に基づいて記録ヘッド16を駆動することにより、ロール紙10に画像を記録していく。インクジェット記録装置の場合は、記録ヘッド16の吐出面に配された吐出口からロール紙へインクを吐出することにより記録が行われる。1ライン分の記録と所定ピッチの搬送(紙送り)を交互に繰り返すことにより、全体の記録が行われる。
搬送ローラ11の搬送上流側の近接位置に、用紙有無センサ13が配されている。このセンサ13は、光学式センサであり、発光素子(LED)と受光素子(フォトダイオード)とを有し、発光素子から用紙へ向けて光を照射し、反射した光を受光素子により受光することにより用紙の有無を検出する。用紙有無センサ13は、ロール紙10の終端を検出するために使用され、センサ13により用紙無しを検出した位置をロール紙の終端位置とする。本実施形態のように用紙有無センサ13を搬送ローラ11の搬送上流側近接位置(搬送が可能な限界位置)に配することにより、ロール紙を終端ぎりぎりの位置まで使い切ることができ、用紙の無駄を無くすことができる。
プラテン15上には紙幅センサ14が配されている。紙幅センサ14は、用紙有無センサ13と同様の構成を有し、用紙の有無を検出する。ロール紙10のサイズを変えると、図中の右側端縁の位置は変わらず、左側の端縁の位置のみが左右に変化する。従って、紙幅センサ14が紙有りを検出するときは用紙サイズが大きく、紙無しを検出するときは用紙サイズが小さいと判断する。なお、本実施形態では、用紙有無センサ13が搬送ローラ11の近接位置に配されており、用紙有無センサ13が紙無しを検出した時点でロール紙10が終端に達したと判断し、搬送ローラ11の駆動を停止している。
図2は一実施形態に係る記録装置の制御系のブロック図である。20は記録装置全体の制御を行う制御部である。記録装置は、I/F(インターフェース)24を介して不図示のホストコンピュータに接続される。ホストコンピュータからコマンド及び記録データが送られ、そのコマンドに応じて記録装置が動作することで、記録データ(画像情報)に基づいて記録ヘッド16によりロール紙10に記録が行われる。また、記録装置からホストコンピュータに対して記録装置の状態を示す情報が送られることで、ユーザーは記録装置の状態を知ることができる。(I/F)24としては、セントロニクスおよびUSBインターフェースが多く使用される。画像処理部21は、(I/F)24から送られてくる記録データ(多値画像データ)に関してγ補正、色処理、拡大/縮小処理、2値化等を行う。この画像処理部21は、一例として、メモリ、ASICおよびDSP、RISCチップ等で構成される。画像処理部21に関しては、装置本体のコストを低減するために、ホスト側のドライバーやRIP(Raster Image Processor)により処理するように構成にしても良い。
画像処理部21における処理の最終段階でドットパターンに展開された印字データはメモリ部26に一旦蓄積される。メモリ部26は、記録ヘッド16が主走査方向に1回スキャンして記録を行うために必要な1バンド分以上のメモリから構成されている。メモリ部26は用紙端部情報などの本体情報の記憶にも用いられる。メモリ部26への印字データの書込み/読み出しは画像処理部21のDSPもしくはRISCチップの制御の下にメモリコントローラ25により行われ、メモリ部26に対してアドレス信号及び書込み/読み出しタイミング信号が生成される。メモリ部26からの印字データの読み出しは、ヘッドコントローラ27からの読み出し信号に同期してヘッドコントローラ27に出力される。ヘッドコントローラ27は、不図示のリニアスケールからの信号に基づいて、ヘッド部28でのインク吐出のタイミング信号やヒートパルスを制御部20の制御のもとで生成する。ヘッド部28は各色インクに対応する記録ヘッド16からなり、制御部20及びヘッドコントローラ27によりヒータ部を加熱してインクを吐出することで、紙面上への画像記録を行う。
ヘッド部28は、実際にはメカ駆動部23のキャリッジ12上に取り付けられている。メカ駆動部23は、記録ヘッド16を主走査方向に移動させるためのキャリッジ部及びキャリッジ駆動部、ロール紙10を動作させるモータおよび該モータの回転を検出するエンコーダーや用紙有無センサなどからなる用紙駆動部、記録ヘッドの目詰まりを回復する回復ユニット部、その他センサなどで構成されている。用紙搬送部にあるモータの駆動量やエンコーダの回転量などは制御部によって演算され制御している。本実施形態では、制御部20によって演算子制御を行っているが、回路等により同様の制御を行っても良い。
図3は一実施形態に係る記録装置における通常紙送りの状態を示す側面図である。記録動作における通常紙送りの状態では、ロール紙10はロール紙軸としての紙管31に巻かれた状態になっている。このロール紙10は、紙管31の内径部に挿通して固定された駆動軸を介して、記録装置に送り出しおよび巻き戻し可能にセットされる。ロール紙10の紙管31の回転方向および回転量はエンコーダにより検出される。ロール紙軸31は、モータ(ロール紙駆動モータ)により駆動可能であり、巻き戻し時には用紙が弛まないように巻き取ることができ、送り出し方向に駆動されるときはロール紙に一定のバックテンションを作用させる。かかる動作により、ロール紙をなるべく弛みが生じない状態で送り出すことができる。
ロール紙10の終端検出は、ロール紙10の終端に近づいて終端付近を検出した場合に行われる。終端付近検出では、ロール紙10の一定量の紙送りに対するロール紙軸31の回転量を検出し、ロール紙軸の回転量が少ない場合に終端付近と判定する。通常紙送り時では、搬送ローラ11による搬送量とロール紙軸(紙管)31の矢印32方向の回転量はほぼ同じである。しかし、終端までの長さがロール紙軸31の一周より短くなると、ロール紙がロール紙軸の周面から離れ、ロール紙10を送り出すときでもロール紙軸31はほとんど回転しなくなる。また、終端付近では、終端がテープ止め等でロール紙軸31に固定されている場合(図4の(b))は、ロール紙軸31はほとんど回転しなくなる。また、ロール紙10が弛んだ場合も、ロール紙軸31はほとんど回転しなくなる。
そこで、終端付近検出では、搬送ローラ11の駆動量から算出される実際の搬送量と、と搬送ローラのエンコーダのパルス数から算出されるロール紙軸31の駆動量(回転量)とを比較する。搬送ローラ11の搬送量に対してロール紙軸31の回転量が少ない場合に終端位置が近づいたと判断し、終端付近を検出する。
この終端付近検出は、ロール紙軸31上のロール紙10の残量を記憶しておき、ロール紙の使用量(送り出し量)から終端付近を検出する残量管理手段により行っても良い。また、ロール紙軸31の回転量やロール紙10の重量を検出するなど、他の判別方法によって終端付近を検出しても良い。
図4はロール紙の終端付近の状態を例示する部分断面図である。図4の(a)はロール紙がロール紙軸に弛みの無い正常状態で巻かれて状態を示し、図4の(b)はロール紙の終端がロール紙軸に固定されている場合に弛みが発生している状態を示す。図4の(c)はロール紙の終端がロール紙軸に固定されていない場合に弛みが発生している状態を示し、図4の(d)はロール紙の終端がロール紙自体に固定されている場合を示す。
図4の(a)は正常な通常紙送り時の状態でもあり、この場合はロール紙10の搬送に伴ってロール紙軸31が回転する。図4の(b)の場合は、ロール紙10が搬送されても、ロール紙軸31は回転せず、ある時間が経過した後に図4の(a)の状態となってロール紙軸31が回転を始める。図4の(c)の場合は、ロール紙10が搬送されても、ロール紙軸31は回転せず、仮に回転しても搬送量に対して極めてわずかしか回転しない。図4の(d)の場合は、弛みがない状態であれば図4の(a)の場合と同様であるが、弛みが生じた場合はロール紙10が搬送されてもロール紙軸31は回転せず、仮に回転しても極めてわずかしか回転しない。また、図4の(a)〜(d)のいずれの場合も、終端最後になったときはロール紙軸31が回転しない。終端付近検出では、図4の(a)のような正常に送られている通常状態ではなく、図4の(b)、(c)、(d)のような状態を検出する。
図5は本発明を適用した記録装置においてロール紙10の終端がロール紙軸31に固定されていない場合に終端付近を検出したときの側面図である。ロール紙10の終端が止められていない場合は、終端部がロール紙軸31の一周よりも短くなると、終端がロール紙軸31から離れた状態になる。この状態では、搬送ローラ11の駆動量に対するロール紙軸31の駆動量(回転量)が少ないことを検出した場合に紙終端付近を検出する。
一方、図4の(a)に示すような通常紙送り時には、搬送ローラ11を駆動するステッピングモータの駆動量と、実際の搬送する搬送ローラ11の回転量との間に差があると、搬送モータの電流値を増大させていく。このときの搬送ローラ11の回転量は、搬送モータと搬送ローラとの間に配されたエンコーダによって検出される。この搬送モータの電流の増大によりロール紙10を一定速度で駆動し、エンコーダの回転量が目的の搬送量に達したときに駆動を停止する。すなわち、電流増大によってもエンコーダにより検出される実際の搬送量が所定値に到達しない場合に、異常が発生したと判定し、駆動(搬送)を停止する。この場合、搬送モータの電流値と駆動量との差に閾値を設定し、閾値を超えると搬送モータの異常を検出したことにしている。また、通常紙送り時におけるモータの異常検出は、例えば紙ジャムであったり、ハードウェアの異常であったり、テープ止め等で固定されたロールエンドによる異常であったりする。
ただし、紙ジャムの場合はロール紙をさらに搬送すると状態を悪化させる可能性があることから、通常紙送り時のモータの異常検出は紙ジャムが原因であるとして、その旨を表示している。そして、ユーザー(操作者)対し、セットされているロール紙を取り外し、新しいロール紙をセットするように通知する。しかし、モータの異常判定方法では、ロール紙の搬送不能がテープ止め等による終端固定が原因である場合、その原因を特定することが困難である。その理由は、ロール紙を用いる場合は重い用紙に対応するために通常の搬送状態でも、搬送ローラの駆動量やモータの最大電流値に対する実際の搬送の閾値が大きく設定されている点にある。つまり、重いロール紙をセットした場合でも、送り出し量の増加に伴って用紙が減少して軽くなった場合に異常を検出することが困難になるからである。そのため、場合によっては用紙が送られていないにもかかわらず、搬送ローラ11と用紙との間の紙すべりなどにより異常が検出されないことがあり、記録ヘッド16により用紙の同じ位置に繰り返し記録するなどの不都合が生じることがある。
本発明を適用した記録装置では、ロール紙の終端に近づいたことを検出するための終端付近検出手段と、ロール紙を駆動するためのロール紙駆動手段と、を備える。そして、終端付近検出手段によりロール紙の終端付近を検出した場合に、ロール紙駆動手段の駆動条件を変更することによりロール紙の終端がロール紙軸に固定されて搬送不可能な状態であるか否かを判断するように構成されている。かかる構成においては、終端付近検出手段によりロール紙の終端が近づいたことを検出した場合に、ロール紙駆動手段である搬送モータの駆動条件を変えることにより、該モータの異常を検出しやすい状態にすることができる。そして、異常を検出しやすい状態で、ロール紙の終端がロール紙軸に固定されて搬送不可能な状態であるか否かを判断する。なお、ロール紙軸31には送り出し方向と逆方向にバックテンションが付与されているため、通常紙送りの状態では、ロール紙10が弛むことは稀であるが、このロール紙10が弛んだ場合も考慮する必要がある。
さらに、ロール紙10を駆動するためのロール紙駆動手段は、ロール紙を送り出すための搬送ローラ11と、搬送ローラを駆動するための搬送モータと、搬送モータの異常を検出するためのモータ異常検出手段とを具備している。そして、ロール紙駆動手段の駆動条件の変更は、搬送モータの異常を検出するための値を通常紙送り時とは異なる値に変更することであり、搬送モータの異常検出の有無により、ロール紙の終端がロール紙軸に固定されて搬送不可能な状態であるか否かを判断する。
先ず、ロール紙駆動手段が搬送モータである場合のロール紙の終端検出の実施例について説明する。第1の実施例として、ロール紙10の終端付近を検出すると、搬送モータ11の駆動量とエンコーダの回転量(実際の搬送量)との差で異常を検出するときの閾値を、通常の紙送り時よりも緩和することにより、モータの異常を検出しやすい状態にする。図4の(b)および(d)に示すようなロール紙が弛んだ状態では、ロール紙は軽いが、弛んだ状態からロール紙を送り出すといずれは図4の(a)のように重い状態となる。弛みが残されて軽い状態である限り、図4の(a)の重い状態に比べ、搬送モータ11の駆動量に対するエンコーダの回転量の差の閾値(限界値)を緩和する方向に変更することによりモータの異常を検出しやすい状態になる。すなわち、第1の実施例では、ロール紙駆動条件の変更は、搬送モータの駆動量と搬送ローラ11の搬送量との差を通常紙送り時と異なる値に変更する方法で行われる。このような状態で、モータの異常を検出することにより、図4の(b)のようにロール紙の終端がロール紙軸に固定されて搬送不可能である状態を検出することができる。
搬送モータの異常が検出されると、複数回の駆動または一定量の搬送を行った時点で、閾値を異常が起こりやすい状態から通常紙送り時の設定に戻す。そして、通常紙送り状態でもモータの異常が検出されない場合は、ロール紙10の終端がテープ止め等でロール紙軸31に固定されて搬送不可能であることを一層確実に検出することができる。もし、通常紙送り状態でもモータの異常が検出される場合は、当然、紙ジャムやハード故障が生じている可能性がある。また、図4の(c)もしくは(d)の終端が止められていない状態では、ロール紙は軽く、モータの異常を検出することなく、通常通りにロール紙を送ることができる。一方、図4の(a)の重い状態では、通常紙送り時のモータの異常検出により紙ジャムもハードウエアの異常などが検出される。かかる第1の実施例では、終端付近を検出すると、例えば最大電流値の方は通常紙送り時の設定値(例えば1.8A)に固定しておく。そして、モータの駆動量とエンコーダから算出される搬送量との差で異常を検出する際の閾値(差の限界値)を大きくすることで、異常を検出しやすい状態に設定することができる。
また、ロール紙の終端検出の第2の実施例として、ロール紙駆動手段の駆動条件の変更を、搬送モータの最大電流値を変更することによっても行うことができる。まず、終端付近検出手段によりロール紙の終端付近が検出される。その場合のロール紙駆動手段の駆動条件の変更は、搬送モータの最大電流値を通常紙送り時と異なる値(小さい値)に変更することである。これにより、モータの異常(モータの駆動量と搬送ローラ11の搬送量との差が設定値を越えた状態)を検出しやすい状態に変更することができる。そして、モータの駆動量とエンコーダの回転量との差に基づいてモータの異常を検出する。この場合も、第1の実施例と同様に、図4の(c)もしくは(d)の終端が止められていない状態では、モータの異常を検出することなく、通常通りにロール紙を送ることができる。また、図4の(b)の場合も、同様にモータの異常を検出することで、終端がテープ止め等で固定されて搬送不可能であることを検出することができる。この場合も、複数回の駆動または一定量の搬送を行った時点で、閾値を異常が起こりやすい状態から通常紙送り時の設定に戻す。そして、通常紙送り状態でもモータの異常が検出されない場合には、終端がロール紙軸31に固定されて搬送不可能であることを一層確実に検出することができる。
さらに、ロール紙の終端検出の第3の実施例として、上述の第1の実施例と上述の第2の実施例を同時に実施する方法を採っても良い。もちろん、具体的な条件は、個々のケースに応じて適宜設定される。すなわち、第3の実施例では、上述の搬送モータの駆動量と搬送ローラの搬送量との差の閾値を変更する方法と、駆動モータの最大電流値を変更する方法と、の両方を併用する。かかる構成によれば、終端付近検出におけるモータの異常検出を容易にすることができ、モータの異常状態によってロール紙の終端検出を容易に行うことができる。
図6は図5の状態からロール紙の搬送を続けた後に用紙後端60を用紙有センサ13で検出したときの側面図である。図5の状態で終端が固定されていないロール紙10の終端付近を検出した場合は、モータの異常を検出することなく、通常紙送り時と同じように搬送することによりロール紙10の終端を用紙有無センサ13で検出することができる。従って、用紙有無センサ13を搬送ローラ11の近くに配置することで、ロール紙10を無駄なく使い切ることができる。このため、従来の終端付近検出の時点で紙ジャムやロールエンドエラーなどの異常が生じたとする検出方法に比べ、図6中に鎖線で示すロール紙10の部分の無駄を無くすことができる。
次に、ロール紙の終端検出の手順を具体的に説明する。通常紙送り時では、駆動手段におけるモータの異常を検出したときは紙ジャム等の搬送不良が発生したと判断し、ロール紙を取り除くなどの操作を行う。これに対し、ロール紙10が終端付近と検出された場合、搬送モータの駆動量もしくは最大電流値とエンコーダのパルス数(搬送ローラ11の実際の送り量に対応する回転量)との差分の閾値を変えることで、モータの異常を検出しやすい状態に切り換える。図4の(a)のような通常紙送り時では、モータの駆動量が250ステップに達したときに、エンコーダのパルス数(回転量)がモータの駆動量の50%以上であるか否かを確認する。そして、50%以下であれば異常発生を検出し、50%以上では異常なしと判定する。この50%が閾値となる。エンコーダの回転量がモータの駆動量の50%以上であれば、モータの異常がないと判定し、目的の回転量に達するまで駆動を継続する。エンコーダの回転量がモータの駆動量の50%未満であれば、モータの異常が発生していると判定し、モータの駆動を停止する。このとき、1回目は駆動を停止せずに連続して2回起こった場合に駆動を停止することにより、誤検知を防ぐ。
一方、ロール紙10の終端付近が検出されると、上記閾値を50%から上げてモータの異常を検出しやすくすることにより、ロール紙10の終端がテープ止め等によりロール紙軸31に固定されて搬送不可能であることを判別できるようになる。図4の(a)の状態では、モータの異常を検出しやすくすると、ロール紙10が重いために誤検知しやすくなる。しかし、ロール紙10の終端付近を検出した場合に閾値を変えて検出するため、誤検知を減少させることができる。また、前述のように終端付近と検出されたときは、駆動の有無に関わらず、次の駆動の後に50%以上に上げた閾値を元の値に戻す。この際に弛んだだけの状態から弛まなくなった状態になったことで、後検出することを減らす対応をする。
また、閾値を上げて異常を発生しやすくした状態での駆動距離が長い場合は、搬送モータの駆動量が一定量に達した時点で、上げた閾値を元の通常紙送り時の値に戻す。これにより、図5の状態では、モータの異常を検出するための閾値を上げても、ロール紙10は軽く送り出され、モータの異常を検出することはほとんどない。モータの異常を検出しない場合は、ロール紙10の終端は搬送可能な状態であると判定することができる。従って、図6における通常紙送り時の終端検出のようにロール紙10を搬送することができるため、ロール紙10の終端は用紙有無センサ13により検出することが可能となる。
なお、一律にモータの異常を起こりやすい状態に変更しているが、ロール紙10を巻き戻すときはモータの異常が起こらないため、送り出し方向に動作するときだけ変更させても良い。また、搬送モータの駆動量に対するエンコーダの回転量の差の閾値のみを変化させたが、搬送モータの最大電流を下げても良いし、閾値とモータの最大電流の両方を変更しても良い。両方を変更する場合は、例えば図4の(b)からしばらくして図4の(a)のようになり、突っ張った状態を誤検出することが減少する。このため、異常を検出しやすいように最大電流を下げ、閾値の方は逆に異常が起こり難くなるように下げるように変更しても良い。さらに、他の方法により、モータの異常を検出するためのパラメータを、異常が起こりやすいように変更するだけでも良い。
図7は本発明を適用した記録装置においてロール紙の終端がテープ止め等によりロール紙軸に固定されて搬送不可能な状態である場合の終端付近を検出したときの側面図である。次に、ロール紙10の終端がテープ止め等によりロール紙軸31に固定されて搬送不可能であることを検出する手順について説明する。ロール紙10をロール紙軸(紙管)31から送り出すために搬送ローラ11を矢印70で示す方向に回転させる。しかし、ロール紙10の終端がロール紙軸31に固定されているため、搬送ローラ11を回転させてロール紙を矢印71の方向に送り出そうとしても、送り出すことはできない。この状態では、一定量の紙送りに対してロール紙軸31がほとんど回転しないことから、ロール紙の終端付近が検出される。
ロール紙が終端付近と検出されると、搬送モータの異常を検出するための閾値を上げて異常が発生しやすい状態に切り換える。図7のようにロール紙10の終端がテープ止め等でロール紙軸31に固定されている場合は、搬送ローラ11により送り出そうとしても、ロール紙は動作しない。そして、ロール紙10に対し、搬送ローラ11の回転方向70の搬送力とは逆の矢印72方向の力が作用する。このため、搬送モータの駆動量もしくは最大電流値に対するエンコーダの回転量が閾値に満たない状態となり、搬送モータの異常が検出される。そして、複数回の駆動もしくは一定量の駆動をした時点で閾値を通常紙送り時の設定に戻し、通常紙送り時では搬送モータの異常が検出されないことを確認することで、ロール紙10の終端がロール紙軸31に固定されて搬送不可能であると判断する。
なお、図4の(b)、(c)および(d)に示すようなロール紙10が弛んだ状態では、ロール紙自体の重さが小さい。しかし、このような弛んだ状態からロール紙を送り出していくとやがて図4の(a)のようになり、ロール紙10の終端が搬送不可能な状態であると検知してしまうことがある。従って、閾値を下げた状態で搬送モータを駆動し、上述のようにモータの異常を検出したときに、通常紙送り状態に戻したときに異常を検出しない場合に終端が固定されて搬送不可能な状態である判断し、搬送モータの駆動を止める。一方、閾値を下げた状態でもモータの異常を検出しない場合は、終端がロール紙軸31に止められていないか、ロール紙軸から外れた状態であり、図6に示すように、用紙有無センサ13により終端を検出することができる。
表1は本発明を適用した記録装置における搬送モータの駆動量に対するエンコーダの回転量の閾値を例示する表である。
このエンコーダは、搬送ローラ11の搬送量を検知するものであり、搬送モータと搬送ローラとの間に配されている。ロール紙の重さは用紙幅によって変わり、紙幅センサ14が紙有りを検知すると用紙幅が大きく、用紙無しを検知すると用紙幅が小さいと判別する。通常紙送り時では、表1のように、用紙幅が大きい場合は閾値を50%とし、搬送モータを250ステップ駆動した時点でのエンコーダの回転量が50%に満たない場合にモータの異常が発生したとする。用紙幅が小さい場合は閾値を70%とし、搬送モータを250ステップ駆動した時点でのエンコーダの回転量が70%に満たない場合にモータ異常が発生したとする。
一方、ロール紙10の終端付近を検出した場合は、ロール紙側の抵抗が軽く、閾値を異常が発生しやすい値に上げても、異常を検出せずに搬送することが可能である。このことから、表1のように、用紙幅に関わらず閾値を一律85%として駆動する。これにより、搬送モータが250ステップ駆動した時点でのエンコーダの回転量が85%を満たない場合にモータの異常が発生したとする。ここで、モータの異常が発生した場合は、前述のように、ある回数までは異常発生とせずに情報を保持しておき、2回連続で異常が発生した場合にロール紙の終端がテープ止め等で搬送不可能な状態である判断する。あるいは、モータの異常が発生したときに、その場で、ロール紙の終端が固定されて搬送不可能な状態であると判断しても良い。
以上の検出方法では、搬送モータの駆動量とエンコーダの回転量との差によりエラーとする閾値を変更したが、これは最大電流値を変更しても良いし、両方を変更しても良い。また、終端付近を検出したかどうかの他に、用紙幅が大きいか小さいかにより値を異ならせたが、さらにロール紙の残量や用紙種類等により細かく分類しても良い。その場合は、分類した分の終端付近の最大電流値や閾値を設定しても良く、そうすることにより、より細かく検出することが可能となり、例えば誤検出の可能性を減少させることができる。また、本実施形態では、終端付近を検出した場合に閾値を下げたときのモータの異常により、ロール紙の終端がテープ止め等によりロール紙軸に固定されて搬送不可能な状態であると判断している。ただし、通常紙送り時におけるモータの異常によっても、ロール紙の終端が固定されて搬送不可能な状態であると判断しても良い。
以上の第1の実施形態においては、ロール紙駆動手段の駆動条件の変更は、搬送モータの異常を検出するための値を通常紙送り時とは異なる値に変更することである。そして、搬送モータの異常検出の有無により、ロール紙の終端がロール紙軸に固定されて搬送不可能な状態であるか否かを判断する。その際、搬送モータの駆動量と搬送ローラの搬送量との差の値、および搬送モータの最大電流値の少なくとも一方を、通常紙送り時と異なる値に変更している。かかる構成によれば、ロール紙10の終端付近を検出した場合に、ロール紙の終端がロール紙軸31に固定されているか否かを検出することができる。そして、固定されていない場合にはそのまま搬送することで終端部分を無駄なく使い切ることができ、ロール紙の無駄を最小限に抑えることが可能となる。
以上の第1の実施形態では、さらに、ロール紙駆動手段の駆動条件を変更した後、搬送モータを複数回駆動した時点もしくは一定量搬送した時点で、モータの異常を検出するための閾値を通常紙送り時の設定値に戻すように構成されている。そして、通常紙送り状態でモータの異常が検出されないことを確認して、ロール紙の終端が搬送不可能な状態であることを検出している。こうして搬送不可能な状態を検出したところで、ロール紙駆動手段の駆動を停止し、自動で巻き戻し動作を行うことにより、自動的にロール紙の無駄を無くすように構成されている。また、ロール紙の終端が搬送不可能な状態であると判断した場合に処理を一時中断し、搬送不可能であることをユーザーに通知して搬送可能な状態にする操作を行う。そして、操作の終了を確認する信号を得た後でロール紙の駆動を続行することにより、終端固定の場合でも用紙の無駄を生じないように処理する。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態では、ロール紙10を駆動するためのロール紙駆動手段は、ロール紙軸31を駆動するロール紙軸駆動モータと、ロール紙軸の駆動量を検出する駆動量検出手段と、を具備している。本実施形態におけるロール紙駆動手段の駆動条件の変更は、ロール紙軸駆動モータによりロール紙軸を巻き戻し方向に駆動することである。そして、駆動量検出手段により検出したロール紙軸の駆動量により、ロール紙の終端がロール紙軸に固定されて搬送不可能な状態であるか否かを判断する。本実施形態も,その他の点では、前述の第1の実施形態と同様の構成を有する。
本実施形態でも、通常紙送り時には、第1の実施形態と同様、駆動手段における搬送モータの異常を検出した場合は、紙ジャム等の搬送不良が発生したと判断し、ロール紙を取り除くなどの操作が行われる。本実施形態では、ロール紙10が終端付近と検出されると、ロール紙駆動モータにより、ロール紙10のロール紙軸31を一定量巻き戻し方向に回転させる。ロール紙軸31の回転は、モータとロール紙軸31との間に配されたエンコーダ(ロール紙軸エンコーダ)からのパルス信号を取得して検出される。ロール紙10の終端部が図5のように弛んだ状態では巻き取りが可能であるため、ロール紙軸31の巻き戻し回転量はロール紙軸駆動モータの駆動量とほぼ同じである。従って、ロール紙軸31の回転量とエンコーダの回転量が同じであることから、ロール紙10の終端が固定されておらず、搬送可能な状態であると判断することができる。
この場合、ロール紙10が弛んだ状態からロール紙軸31の巻き戻しにより図4の(a)のような弛みのない巻き状態になることがある。このため、搬送ローラ11の送り方向の駆動によりロール紙軸31が回転し始めた場合は、再度ロール紙軸が回転しなくなった時点でロール紙軸を巻き戻し方向に回転させる動作を繰り返す。これにより、ロール紙10の終端がロール紙軸31に固定されておらず搬送可能な状態であると判断することができる。この状態では、搬送ローラ11の駆動により、図6の通常紙送り時と同じ状態でロール紙を送ることが可能であり、ロール紙10の終端を用紙有無センサ13で検出することができる。従って、ロール紙10を終端まで使い切ることができる。
本実施形態では、終端付近検出によってロール紙軸31を巻き戻し方向に回転させるが、図7のように終端がテープ止め等によりロール紙軸31に固定されている場合は、ロール紙軸31はほとんど回転しない。従って、ロール紙軸31の回転を検出しない場合は、終端がテープ止め等で固定されて搬送不可能な状態であると判断し、直ちに駆動を止める。なお、巻き戻し方向に回転させたときに、ロール紙軸31がほとんど回転しないことから、終端がロール紙軸に固定されていると判断する前に、終端がロール紙軸31から外れることがある。この場合は、図6に示すように、搬送ローラ11でそのまま搬送することで用紙有無センサ13による終端を検出することができる。
また、ロール紙軸31を巻き戻し方向に回転させたときに回転が検出される場合は、第1の実施形態にならって、搬送モータにより搬送ローラ11を駆動して送り動作を行うことができる。そこで、搬送モータの異常が発生しやすい状態となるように搬送モータの駆動量もしくは最大電流値に対する搬送ローラのエンコーダの回転量の閾値を変更する。そして、第1の実施形態と同様の手順で終端がロール紙軸31に固定されて搬送不可能であることを検出し、ロールエンドエラーとすることができる。つまり、この場合のロールエンドエラーは用紙有無センサ13で検出したときと異なる状態のロールエンドであり、この点から、ロール紙10の終端が固定されていると判断することができる。そして、ロール紙軸31を戻し方向に回転させることにより、自動でロール紙10を巻き戻すことができる。また、第1の実施形態と同様、ロール紙10を送り方向に搬送したときにロール紙軸31へのテープ止め等の固定が外れた場合を考慮して、搬送ローラ11等の別の駆動手段により自動的に巻き戻すことが可能である。
さらに、複数のロール紙を備えた記録装置では、一方のロール紙を自動巻き戻しにより巻き取った後、別のロール紙を自動で取り付けるなど、無人の自動操作により記録動作を継続することができる。その際、用紙有無センサ13で終端を検出した場合と異なる状態のロールエンドと判断できることから、エンコーダの停止位置及び目標回転位置を記憶しておき、操作パネル上に終端確認等の表示を行う。それに基づいて、操作者は、ロール紙の終端の確認し、ロール紙を取り除いたり、搬送不可能な場合にはテープ止め等の固定部を外したりすることができる。さらには、ロール紙を終端位置で切断するなどの作業を行うこともできる。その後、操作パネルに搬送不可能な状態から搬送可能な状態になった旨の情報を入力し、その情報を受け取った時点で再度目標位置まで搬送ローラ11を動作させて、記録動作を継続することができる。これにより、用紙有無センサ13により終端を検出するまでロール紙10を使い切ることが可能となる。
以上の第2の実施形態では、終端付近を検出した後、ロール紙軸31を巻き戻し方向に回転させたときに回転が検出されない場合に、ロール紙10の終端が固定されて搬送不可能な状態であると判断している。そして、ロール紙の終端が搬送不可能な状態であると判断した場合に、ロール紙駆動手段の駆動を停止し、自動で巻き戻し動作を行うように構成されている。また、ロール紙10の終端が搬送不可能な状態であると判断した場合に処理を一時中断し、搬送不可能であることをユーザーに通知して搬送可能な状態にする操作を行い、操作の終了を確認する信号を得た後でロール紙の駆動を続行するように構成されている。以上のような第2の実施形態によっても、終端付近を検出した場合にロール紙の終端が固定されて搬送不可能であるか否かを検出することができる。そして、固定されていない場合にはそのまま搬送することで終端部分を無駄なく使い切ることができ、ロール紙の無駄を無くすことができる。一方、終端が固定されている場合でも、自動で巻き取ることにより、ユーザーの手を煩わすことなく、記録動作を継続することができる。
〔第3の実施形態〕
図8は第3の実施形態に係る記録装置の側面図である。第3の実施形態では、ロール紙10の他にロール紙110がセットされ、複数のロール紙を自動的に切り替えて使用可能に構成されている。図示の例では、第1の実施形態のロール紙10の下段に同じ構成の第2のロール紙110が追加されているが、第2のロール紙の位置および数は適宜選定することができる。各ロール紙に共通の搬送ローラ11およびその駆動手段は第1の実施形態と同様の構成を有し、搬送モータと搬送ローラ11との間に搬送ローラの回転量(実際の搬送量)を検出するためのエンコーダが配されている。本実施形態では、各ロール紙10、110を自動給紙するため、ロール紙10の近くに給紙ローラ83が配されており、第2のロール紙110の近くに第2の給紙ローラ183が配されている。これらの給紙ローラ83、183はモータにより駆動される。また、給紙ローラ83、183とモータとの間にもエンコーダが配され、ロール紙の給送量を検出することができる。
給紙ローラ83の給送上流側近接位置にはロール紙10の終端を検知するための終端検知センサ86が配され、第2の給紙ローラ183の給送上流側近接位置には第2のロール紙110の終端を検知するための終端検知センサ186が配されている。これらの終端検知センサ86、186は、搬送ローラ11の近接位置に配された用紙有無センサ13と同じ構成を有する。また、各ロール紙軸31、131は同じ構成を有し、各給紙ローラ83、183も同じ構成を有する。また、搬送ローラ11で搬送されるロール紙に対応する給送ローラ(図8の給紙ローラ83)は開放されており、このように一方の給紙ローラを開放した状態は、第1の実施形態の図3の構成と同じである。従って、第1の実施形態および第2の実施形態における終端検出と同じ手順により、ロール紙の終端がロール紙軸にテープ止め等で固定されて搬送不可能であるか否かを検出することができる。
終端検知センサ86、186としても用紙有無センサ13と同じものが使用されており、用紙の有無を検知することでロール紙の終端到着を検出する。ロール紙を使い切るときは、図3と同様、用紙有無センサ13が用紙無しを検出するまで画像を記録することができる。一方、ロール紙10、110を自動で切り換える場合は、終端検知センサ86、186が用紙無しになるまで印刷を続け、用紙無しになった時点で、給紙ローラ83、183により自動でロール紙を記録装置外へ排出することが可能となる。また、自動で排出しなくても、ロール紙軸31、131にテープ止めされていたテープが記録装置本体内部に入り込むことを防ぎたい場合は、終端検知センサ86、186で終端を検知した時点でロールエンドとして操作パネル等の表示部によりその旨の通知を行う。図8の第3の実施形態に係る記録装置は、以上説明した以外の点では、図3に示した第1の実施形態と同じ構成を有する。
なお、ロール紙10または110の先端が搬送ローラ11まで届いていないときは、給紙ローラ83もしくは183によりロール紙の搬送を行う。この場合も、第1の実施形態と同様にロール紙が終端付近と検出されると、給紙ローラ83もしくは183の駆動手段のパラメータを、第1の実施形態における搬送ローラ11で検出するときと同様の状態にする。これによって、ロール紙駆動手段の駆動条件を変えることにより、ロール紙の終端がロール紙軸にテープ止め等で固定されて搬送不可能な状態であるか否かを判断することが可能となる。
また、ロール紙10もしくは110の終端付近が検出されると、第2の実施形態と同様、ロール紙軸31もしくは131を巻き戻し方向に回転させることにより、終端がテープ止め等でロール紙軸に固定されて搬送不可能な状態であると判断することができる。終端が固定されて搬送不可能であると判断すると、ロール紙をその場で切断し、搬送時間を設けて給紙ローラで用紙を挟み込む。そして、巻き戻し方向にロール紙を送って、他方のロール紙と干渉しない位置もしくは記録装置本体外へ排出する。これにより、他方のロール紙(例えば第2のロール紙110)の先端を搬送ローラ11まで持っていくことが可能となり、操作者を介することなくロール紙を切り替えて記録動作を続行することが可能となる。
また、第1の実施形態と同様に、ロール紙の終端がテープ止め等で搬送不可能な状態であると判断すると、停止した給紙ローラに接続されているエンコーダの現在位置及び目標位置を記憶しておき、操作パネル上に終端確認等を表示する。これにより、操作者にロール紙の終端を確認させたり、ロール紙を取り除かせたりする。また、終端がテープ止め等で搬送不可能である場合は、テープ止め等を剥がしたり、用紙を終端近傍で切断するなどの操作をしてもらう。その後、操作パネルに、終端が搬送不可能な状態から搬送可能な状態になったことを入力してもらい、入力信号を受け取った時点で、駆動手段により再度目標位置まで送り出して記録動作を続行する。以上により、用紙有無センサ13にて終端を検知するまで各ロール紙10、110を使い切ることが可能となる。このように、複数のロール紙を送るために複数の駆動手段がある場合や、これらが異なる場所にある場合でも、第1の実施形態および第2の実施形態における終端検知動作を適用することができる。これにより、ロール紙がテープ止め等でロール紙軸に固定されて搬送不可能である状態を検出することができ、固定されていない場合にはそのまま搬送することで終端部分を無駄なく使い切ることができる記録装置が提供される。