JP5369023B2 - 文字入力装置および文字入力方法 - Google Patents

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Description

本発明は文字入力装置および文字入力方法に関し、特に携帯端末向けの表示装置と文字入力装置を組み合わせた装置であるタッチパネル上での文字入力に適した文字入力装置および文字入力方法に関する。
図10は、従来の携帯端末(主に携帯電話など)の文字入力方法を説明するための図であり、従来の携帯端末では、キーパッド領域206に含まれる「0」〜「9」までの数字キーに「*」と「#」を加えた12個のキーと追加のキーを用いて文字入力を行っている。例えば「あ」と入力したい場合には、「あ」の文字が割り当てられた入力キー207を押下することにより、表示部201に「あ」が表示される。ユーザーは更に文章を入力するためにキーパッド領域206に含まれるキーおよび表示部201内の操作ガイド領域202に対応する左ガイドキー203、中央ガイドキー204、右ガイドキー205を利用し、文字の入力、決定、および消去などの操作を行う。
しかしながら、小型の携帯端末では、ユーザーが操作可能なキーの数は図10で示すように、12個と追加キーのみで構成されているため、英語(大文字、小文字)、数字、ひらがな、カタカナ、記号の他、全角・半角などの数百種類の文字候補が存在するため、1つのキーに対して多くの文字が割り当てられており、例えばひらがなの「お」を入力したい場合には、必要があれば、文字種変更に割り当てられた左ガイドキー203を数回押下することで、入力文字種をひらがなに設定し、あ行の割り当てられた入力キー207を5回押下することで、「お」の文字を入力できるが、1文字入力するために5回以上のキー押下が必要で、キー操作が多くなると言った課題があった。
また、上記のように同じキーに複数の文字を割り当てる方法ではなく、「ツータッチ入力方式」「ポケベル入力方式」などと呼ばれる予め定められた文字コードテーブルに基づき最小2回のキー押下で文字入力が可能な方法も存在する。この場合、「お」を入力したい場合、あ行をしめす「1」キーを押下した後、お段を示す「5」キーを押すことにより、2回のキー押下で「お」を入力が可能になる。しかしながら、文字種の切替や、濁音・半濁音の文字を入力する場合には、さらに入力したい文字に対応したキー操作が必要になり、キー操作が多くなるといった問題があった。
上記の2つの方法は、表示部201がタッチパネルとなり、キーパッド領域206がソフト的に表示部201に表示され操作可能な形態になっても変わらない。
また、現在の携帯端末には、図11で示されるように、タッチパネル部301に入力された文字を表示する部分と、入力する文字を指定するためのキーパッド領域302を表示する形態において、ソフトウェアキーボード形式で多くの文字を表示することにより、文字を入力するものもある。この場合、ユーザーは、例えば「あ」と入力したい場合には、「あ」が割り当てられた入力キー領域303をタッチ押下することにより、タッチパネル部301の文字表示領域に「あ」が表示されるようになっている。
しかしながら、小型の形態端末では、多くの文字を含むソフトウェアキーを表示すると、それぞれのキー領域が小さくなり指での操作がしづらくなり、また、ソフトウェアキーボードでも、数百ある文字候補を同時には表示できないため、文字種切替など複数回のキー操作が必要になるといった問題があった。
これらの問題点を解決するために、例えば、特許文献1には、タッチパネルのタッチ時の指のずらす方向に対して文字種切替の機能を付与することにより、文字種切替と文字入力を同時に行う事を可能にする方法が提案されている。
また、特許文献2には、ソフトウェアキーボードでのキータッチ位置付近の文字およびその文字から変換されると予想される文字候補を補助するための拡大キーと、押し間違いを考慮した隣接キーの拡大キーを別画面に表示することにより、ソフトウェアキーボードの押しづらさと、濁音・半濁音などの補助候補の選択を容易する方法が提案されている。
特開2009−169451号公報 特開2005−182487号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、ユーザーは切り替えたい文字種の方向を覚える必要があり、携帯端末ではタッチパネル自体が小さいため、端の方のキーでは思った方へ指をずらして文字切替がしにくくなるおそれがある。また、複数の文字が1つのキーに割り当てられている点は変わらないため、文字種切替後のキー押下数(タッチ数)は変わらないといった課題がある。
また、特許文献2に開示された方法では、操作範囲が広くなりすぎて、操作時の手や指の移動距離が大きくなるため、ユーザーの入力負担面での課題がある。
本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、ユーザーによるタッチ操作数2回および1回目のタッチ時のスライド操作のみによって、入力可能な文字を全て表示し、確定することができる文字入力装置および文字入力方法を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、文字を入力するためのキー表示が可能なタッチ操作部と、該タッチ操作部のイベントを処理するタッチイベント処理部と、入力した文字を表示するための表示部と、予め設定されている文字種を記憶するための第一文字種記憶部と、文字入力開始時に、該第一文字種記憶部に記憶されている文字種に応じたキー表示を行うための表示文字を格納した第一表示文字テーブル記憶部と、文字入力操作時に、前記タッチイベント処理からのユーザーのタッチ操作時のスライド操作による移動距離情報に基づいて選択可能な入力文字候補の文字種の切替を行う文字種切替判定部と、該文字種切替判定部によって文字入力操作時に一時的に切り替えられた前記選択可能な入力文字候補の文字種を記憶するための第二文字種記憶部と、文字入力操作時のタッチアップ操作時に、該第二文字種記憶部に記憶されている文字種に応じたキー表示を行うための表示文字を格納した第二表示文字テーブル記憶部と、該第二表示文字テーブル記憶部に記憶した表示文字に応じたキー表示中に、前記タッチイベント処理部からのユーザーのタッチ操作の情報に応じて、文字入力処理の制御を行う文字入力制御部を具備することを特徴としたものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記文字切替判定部は、前記タッチイベント処理からのユーザーのタッチ操作時のスライド操作による移動距離情報に基づき、前記選択可能な入力文字候補の文字種を複数回切り替えることを特徴としたものである。
第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記文字種切替判定部は、前記タッチイベント処理部からのユーザーのタッチ操作時のスライド操作による移動距離情報に基づき、前記選択可能な入力文字候補の文字種の切り替えを循環して切り替えることを特徴としたものである。
第4の技術手段は、第1から3のいずれか1の技術手段において、前記文字入力制御部は、第二表示文字テーブル記憶部に記憶した表示文字に応じたキー表示中に、ユーザーのタッチ操作によってタッチされキーに対応する文字を入力文字として確定することを特徴としたものである。
第5の技術手段は、表示部とタッチ操作部とを備える装置において文字入力を行う方法であって、表示部に、予め設定されている文字種のキーパッドを表示するステップと、前記タッチ操作部へのタッチダウンイベントにより、タッチ位置に応じたキーに対応した入力文字候補をキーパッドに表示するステップと、前記タッチ操作部に対するユーザーによるタッチダウンのままでのタッチ位置スライドの移動量に基づいて選択可能な入力文字候補の文字種を切り替え、切り替えた文字種に応じたキーパッドを表示するステップと、
前記タッチ操作部への第二のタッチダウンイベントにより、タッチ位置に表示されている文字を入力文字として確定するステップとを含むことを特徴としたものである。
本発明によれば、表示装置と文字入力装置を組み合わせたタッチパネルのような装置を備えた携帯端末上での文字入力時に、ユーザーはタッチ操作数2回および1回目のタッチ時のスライド操作によって、入力可能な文字を全て入力表示し、確定することが可能となるため、文字入力時、特に長文などの文章入力時のユーザー負担を軽くすることが可能になる。
本発明の文字入力装置のブロック図を示す図である。 本発明の文字入力装置を携帯端末に適用した場合の表示例を示した図である。 本発明の文字入力装置の処理フローを示したフローチャートである。 本発明の文字入力装置の処理フローを示したフローチャートである。 タッチパネル上でのキー表示領域の座標とタッチダウン座標との関係を示す図である。 本発明の文字入力装置に関して、図2の「あ」キーを選択した場合の表示例を示した図である。 本発明の文字入力装置に関して文字入力手順を時系列に示すための図である。 本発明の文字入力装置に関し、「あ」キーの第二文字種に対応した各キー表示領域に表示する文字を格納した第二表示文字テーブルを示す図である。 本発明の文字入力装置に関し、「は」キーの第二文字種に対応した各キー表示領域に表示する文字を格納した第二表示文字テーブルを示す図である。 本発明の文字入力装置に関し、「ら」キーの第二文字種に対応した各キー表示領域に表示する文字を格納した第二表示文字テーブルを示す図である。 従来の携帯端末の文字入力方法を説明するための図である。 従来の携帯端末でタッチパネル搭載表示装置の場合文字入力方法を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の文字入力装置および文字入力方法に係る好適な実施の形態について携帯端末を例に説明する。
図1は、本発明の文字入力装置のブロック図である。
図1において、1は本発明の後述のタッチイベント処理部8からのイベント情報に基づき、文字入力のための処理を制御する文字入力制御部であり、2は携帯端末の現在の文字種を記憶する第一文字種記憶部であり、3は、第一文字種記憶部2に応じたキーパッドを表示するための第一表示文字テーブル記憶部であり、4はユーザーが一連の文字入力処理を行う際に切り替えられた文字種を記憶するための第二文字種記憶部であり、5は第二文字種記憶部4に応じたキーパッドを表示するための第二表示文字テーブル記憶部であり、6は、タッチイベント処理部8からの情報に応じて、第二文字種記憶部の文字種の切替判定を行う文字種切替判定部であり、7はユーザーが文字入力処理を行うためのタッチ操作部であり、8はタッチ操作部7でのユーザー操作を分類し文字入力制御部1に通知するタッチイベント処理部であり、9は文字入力制御部1の表示要求に応じて表示を行う表示部である。
図2は、本発明の文字入力装置を携帯端末に適用した場合の表示例を示す図である。
10は表示およびタッチ操作が可能なタッチパネルであり、20は現在の入力文字の文字種を表示する文字種表示領域であり、30は入力した文字・文章を表示するための入力文字列表示領域であり、40は文字入力時の制御用のキーを表示するための文字入力制御キー表示領域であり、50は文字入力時に文字を入力するために使用するキーを表示する文字入力キー表示領域であり、101から115は、前記文字入力キー表示部に表示される15個のキー1表示領域〜キー15表示領域である。なお、ここで、文字入力キー表示領域50は少なくとも表示切り替え可能なタッチパネルとして構成される必要があるが、文字列表示領域30や文字入力制御キー表示領域40は必ずしもタッチパネルで構成される必要はない。
ここで、各キー表示領域は、図4で示すように、左上座標(Kn_xs、Kn_ys)と右下座標(Kn_xe、Kn_ye)で示される。ここで、nは1,2,3、・・・、15であり、それぞれのキー表示領域番号に対応するものとする。
図3A、図3Bは、本発明の文字入力装置における入力文字確定までの処理の流れを示したフローチャートである。図5は、図2の「あ」キーを選択した場合の表示例を示す図である。
図6は、本発明の文字入力装置に関し、文字入力手順に応じて表示がどのように変化するかを示した図である。
図6において、60は文字入力のためにタッチ操作を行うユーザーの指であり、41は入力文字に応じて文字列変換候補を切り替えるための変換キー表示領域であり、42は入力文字を消去するためのクリアキー表示領域であり、43は現在の文字入力モードを終了するための終了キー表示領域である。70は指60をタッチパネル上でスライドさせた方向および移動量を示す矢印であり、31は入力操作によって入力され確定され、入力文字列表示領域30に表示された表示入力文字である。
なお、図5、図6において、他の部分は図2と共通するため省略する。
以下に、図3A、図3Bのフローチャートに沿って文字入力の処理順を説明する。
ユーザーが携帯端末上で文字入力モードに変更した際、図1の文字入力制御部1は図3A、図3Bのフローチャートに従った文字入力制御を行う。
最初に、文字入力制御部1は、端末の既定の文字種(CT)を設定する(ステップS1)。文字種CT=0の場合は漢字(かな)、文字種=1の場合はカナ(全角)、文字種=2の場合はカナ(半角)、文字種=3の場合は英数(全角)、文字種=4の場合は英数(半角)とした場合、既定の文字種が漢字(かな)の場合は、文字入力制御部1は、CT=0とし、第一文字種記憶部2に格納する。
次に、文字入力制御部1は、現在選択されている文字種を第一文字種記憶部2から読み出す(ステップS2)。入力開始時では、規定値が設定されているため、読み出された文字種CTはステップS1で設定した値である。
次に、文字入力制御部1は、ステップS2で取得した文字種CTに応じたキーパッド表示内容を第一表示文字テーブル記憶部3から取得する(ステップS3)。
第一表示文字テーブル記憶部3から取得したキーパッドの表示のための情報を元に、表示部9の文字入力キー表示領域50へキーパッドを表示する(ステップS4)。
図2は入力開始時で、CT=0(漢字)の場合のときのタッチパネル10での表示状態を示している。文字種表示領域20はCT=0に対応した種別が表示され、文字入力キー表示領域50内のキー1表示領域101〜キー15表示領域115は、それぞれ、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「*」、「わ」、「#」、「文字種」、「決定」、「メニュー」と表示される。
キー13表示領域113〜キー15表示領域115は、この段階ではそれぞれ、「文字種」選択用キー、「決定」キー(確定キー)、「メニュー」キーとして文字入力制御用に割り当てられている。文字入力キー表示領域50以外の文字入力制御キー表示領域40に関しては、所定キーや表示情報(アイコンなど)が表示される。
ここで、タッチパネルへのユーザー操作について以下のように定義しておく。
・タッチダウン・・・ユーザーの指がタッチパネルに触れる操作(離していない)。
・タッチムーブ・・・タッチダウンの状態で、タッチパネル上でユーザーが指をスライドさせる操作。
・タッチアップ・・・タッチダウンの状態からタッチパネルからユーザーが指を離す操作。
ユーザーがそれぞれの操作をタッチ操作部7で行うと、タッチイベント処理部8はそれぞれ、タッチダウンイベント、タッチムーブイベント、タッチダウンイベントとして、文字入力制御部1に通知する。
この段階で、文字入力制御部1は、ユーザーがタッチパネル操作の内、タッチダウンされるまで待ち状態になる(ステップS5)。
ユーザーがタッチ操作部7に触れ、タッチイベント処理部8からタッチダウンイベントが文字入力制御部1へ通知されれば、次のステップS6へ進み、通知がなければ、ステップS5でのタッチダウン待ちになる。
次に、ステップS5で、文字入力制御部1は、タッチイベント処理部8からタッチダウンイベントが通知されたら、タッチダウン時の座標(TD_x、TD_y)を取得する(ステップS6)。文字入力制御部1は、ステップS6で取得したタッチダウン座標(TD_x、TD_y)からユーザーが選択した選択キーを取得する(ステップS7)。ここでは、各表示キー領域内にタッチダウン座標が含まれるかどうかをチェックする。
次に、文字入力制御部1は、選択キーが文字入力用キーかどうかを判定する。文字入力用キーが選択されればステップS10へ、文字入力用キー以外(文字制御用キーなど)が選択されれば、ステップS9の処理へ進む(ステップS8)。
ステップS8における文字入力キーかどうかの判断は、次の式1で判定できる。
(Kn_xs ≦ TD_x< Kn_xe)かつ (Kn_ye≦ TD_y<Kn_ys) ・・・(式1)
ここで、n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、11
図4に、タッチパネル上でのキー表示領域の座標とタッチダウン座標との関係を示す。
次に、選択されたキーが文字入力用キーでない場合は、選択されたキーに予め設定されている処理を実行する。文字入力制御キー表示領域40の文字制御用キーであれば、対応した処理を実施する(ステップS9)。
ステップS9では、例えば、具体的には、文字入力制御キー表示領域40中の「変換」キー領域41に該当する場合には、確定していない文字または文字列に対して変換候補もしくは変換候補リストをユーザーに提示する。また、文字入力制御キー表示領域40中の「クリア」キー領域42に該当する場合には、文字が1文字以上入力されている場合には、カーソル位置の文字を1文字削除し、文字が1文字も入力されていない場合には、文字入力モードを終了して、所定の画面に遷移する。また、文字入力制御キー表示領域40中の「終了」キー43に該当する場合には、文字入力処理を終了してよいかどうかの確認メッセージをユーザーに提示するなどを行う。
また、選択されたキーが文字入力キー表示領域50中のキー13表示領域113の「文字種」キーに該当する場合には、現在端末で選択されている文字種CTを予め定められた方法で切り替える。また、文字入力キー表示領域50中のキー14表示領域114の「決定」キーに該当する場合には、未確定の文字もしくは文字列もしくは変換候補が存在した場合には、入力確定文字列を、入力文字列表示領域30の現在のカーソル位置に挿入した文字列を表示し、それ以外の場合は、文字入力処理を終了し、所定の画面へ遷移する。また、文字入力キー表示領域50中のキー15表示領域115の「メニュー」キー領域に該当する場合には、文字入力に関するメニューをユーザーに提示する。
また、文字入力キー表示領域50中のキー11表示領域110の「*」キーに該当する場合には、現在入力中の文字列が未確定文字の場合には、濁音、半濁音が付加できる文字であれば、濁音→半濁音→濁音および半濁音なし→濁音→半濁音→・・・のように未確定文字を切り替え、小文字に変換できる文字であれば、小文字→大文字→小文字のように未確定文字を切り替える。そうでない場合には、該当キーを改行用キーとする。また、上記記載以外の場所がタッチされた場合には、特に何もせず、処理をステップS5のタッチダウン待ち状態に戻す。
次に、文字入力制御部1は、ステップS8にて、ユーザーによるタッチダウンによって選択された領域が文字入力用キーと判定した場合には、一時的な文字種切替用として第二文字種(CT2)を現在の端末で表示されている文字種(CT)と同じになるように初期化し、第二文字種記憶部4に格納する(ステップS10)。
次に、文字入力制御部1は、ステップS7で取得した選択キーと、ステップS10で初期化した第二文字種CT2に対応し、文字入力キー表示領域50中のキーパッド表示内容を変更するためのデータを第二表示文字テーブル記憶部5から取得し、表示部9の文字入力キー表示領域50へ表示する。(ステップS11)
第二表示文字テーブル記憶部5には、具体的には、各キー領域毎に、図7から図9に示すようなテーブルが格納されており、例えば、図7は、ステップS7でキー1表示領域101が選択された場合のテーブルを示しており、第二文字種CT2=0(漢字モード) の場合には、文字入力キー表示領域50中の各キー領域の表示は、図5に示すように、それぞれ、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」、「ぁ(小)」、「ぃ(小)」、「ぅ(小)」、「ぇ(小)」、「ぉ(小)」、「ア」、「イ」、「ウ」、「エ」、「オ」となる。ここで、前記記載の『(小)』は、小文字であることを分かりやすくするために表示に付加したものであるが、実施の際には特に付加しなくてもよい。これにより、ユーザーは、ひらがなに関してあ行の文字とその小文字を選択することが可能になる。
また、図7に示すテーブルでは、文字種CT2=0(漢字)が選択されているが、キー11表示領域111からキー15表示領域115には第二文字種CT2=1(カナ(全角)モード)が選択されている場合の上位5個分を表示するようなテーブルになっている。
これは、第二文字種CT2=0、1、2、・・・と切り替えていく場合、文字入力キー表示領域50中のキー1表示領域101からキー15表示領域115の15個の表示領域が余る場合が発生する場合に、隣接する第二文字種のテーブルから余った領域分、この例の場合、5個分を表示するようにしておき、文字種によって変換候補が少ない場合のキー表示領域の有効活用を行うようにするための一例である。
また、例えば図8では、ステップS7でキー6表示領域106、すなわち「は」キーが選択された場合のテーブルを示しており、第二文字種CT2=0の場合には、文字入力キー表示領域50中の各キー領域の表示は、それぞれ、「は」、「ひ」、「ふ」、「へ」、「ほ」、「ぱ」、「ぴ」、「ぷ」、「ぺ」、「ぽ」、「ば」、「び」、「ぶ」、「べ」、「ぼ」となる。これにより、ユーザーは、ひらがなに関しては行の文字とその半濁音および濁音を選択することが可能になる。
また、図7と同様にテーブル中の第二文字種CT2=3(英数(全角)),4(英数(半角))における、キー8表示領域からキー15表示領域の余ったキー表示領域に、テーブル中の隣接する第二文字種列と同等のデータで埋めているが、これは、文字種によって変換候補が少ない場合のキー表示領域の有効活用を行うようにするための一例である。
ここで、ステップS11までの動作を図6を用いて説明する。
図6(A)のように第一文字種CT=0(漢字モード)の状態で指60にてキー9表示領域109の「ら」に相当するキー9表示領域109にユーザーがタッチダウンの操作を行うと、第二文字種CT2が第一文字種CT=0(漢字モード)と同じになるように初期化され、第二文字種記憶部4に格納される。また、文字入力制御部1は、キーパッドが図6(B)のように、キー9表示領域109に該当し、かつ第二文字種CT2=0(漢字モード)に相当する表示データを第二表示文字テーブル記憶部5から取得し、文字入力キー表示領域50中の表示内容を切り替える。図9は、キー9表示領域109、すなわち「ら」キーが選択された場合のテーブルを示している。
次に、文字入力制御部1は、タッチダウン後の指60の累積移動距離MLを0に初期化した後(ステップS12)、タッチダウン後の指60の累積移動方向MDを所定の値に初期化する(ステップS13)。ここで、累積移動方向MDは、例として、タッチパネル部10に対して上方向、下方向、右方向、左方向の4方向を取るものとする。
次に、文字入力制御部1は、タッチイベント処理部8からのイベントの通知を待ち、ユーザーがタッチムーブ操作を行ったかどうかを判定する(ステップS14)。そして、タッチムーブ操作が行われた場合、処理をステップS15に移し、タッチムーブイベント以外であれば処理をステップS24へ移す。
ステップS14でユーザーがタッチムーブ操作を行ったと判断した場合、文字入力制御部1は、タッチイベント処理部8からタッチムーブイベントに付随するイベント発生時の移動方向MDcを取得する(ステップS15)。
次に、文字入力制御部1は、ステップS15で取得したタッチムーブイベントの移動方向MDcとこれまでの移動方向MDが同一かどうかをチェックする(ステップS16)。そして、両者の移動方向が同一の場合、処理をステップS19に移し、同一で無い場合、すなわち、移動方向が変わった場合には、処理をステップS17に移す。
ステップS16で、移動方向が変わったと判定された場合には、文字入力制御部1は、累積移動距離MDを0に初期化した後(ステップS17)、タッチムーブ操作での移動方向MDを新しい移動方向MDcに設定しなおす(ステップS18)。
次に、文字入力制御部1は、タッチイベント処理部8からのタッチムーブイベントに付随する移動距離情報dMLをこれまでの移動距離に加算し、累積移動距離を更新する。(ステップS19)
次に、文字入力制御部1は、文字種切替判定部6に対し、文字切替が発生したかの判定処理要求を出し、結果を取得する。具体的には、累積移動距離MLが予め定められた閾値TH_ML以上かどうかを判定する(ステップS20)。累積移動距離が閾値TH_ML以上の場合には、移動方向MDに基づいて第二文字種を1増加、もしくは1減少させる。
より詳細な例として、移動方向MDが上方向、もしくは右方向であれば、
CT2 = (CT2+1) mod 5 ・・・(式2)
とし、移動方向MDが下方向、もしくは左方向であれば、
CT2 = (CT2+4) mod 5 ・・・(式3)
とする。ここで、mod Nは、Nで割った際のあまりを示す。
こうすることにより、同方向に指60をスライドさせることにより、式2に従えば、1,2,3,4,0,1,・・・と順方向の切替になり、式3に従えば、4,3,2,1,0,4,3,・・・と逆方向の切替になる。
文字入力制御部1は、文字種切替判定部6から第二文字種CT2が切替られたと判定された場合、切り替えられた第二文字種CT2を第二文字種記憶部4に格納する(ステップS21)。
次に、文字入力制御部1は、新しく切り替えられた第二文字種CT2に応じたキーパッド表示内容を第二文字種テーブル記憶部5から取得し、表示部9に表示した後(ステップS22)、累積移動距離MLを0に初期化する(ステップS23)。
ステップS12からステップS23までの動作を図6にて説明する。
図6(B)の指60をタッチダウン操作した状態から、図6(C)で示すように指をスライド方向70で示す左方向に移動させたることにより、累積移動距離MDが2回TH_MLを越え、第二文字種CT2の切り替えが2回発生した場合、式3に従い、CT2=3(英数(全角)モード)となり、文字種表示領域20の文字種表示は「A」となる。
文字入力制御部1は、キーパッドがキー9表示領域109「ら」に該当し、かつ第二文字種CT2=3(英数(全角)モード)に相当する表示データを第二表示文字テーブル記憶部5から取得し、文字入力キー表示領域50中の表示内容を切り替える。これにより、図6(C)に示すように、キー9表示領域109「ら」に割り当てられている英数(全角)文字と、余った6個のキー領域に英数(半角)文字である「9」、「W」、「X」、「Y」、「Z」、「w」、「x」、「y」、「z」、「9(半)」、「W(半)」、「X(半)」、「Y(半)」、「Z(半)」、「W(半)」が表示されるようになる。
次に、文字入力制御部1は、タッチイベント処理部8からのユーザーのタッチアップイベント操作に相当するイベント通知が来るのを待つ(ステップS24)。タッチアップイベント以外(指60を離す操作以外)であれば、処理をステップS14に移し、タッチアップイベントであれば処理をステップS25に移す。
ステップS25では、文字入力制御部1は、ユーザーがタッチパネル操作の内、タッチダウンされるまで待ち状態になる。この状態で、ユーザーがタッチ操作部7に触れ、タッチイベント処理部8からタッチダウンイベントが通知されれば、次のステップS26へ進み、通知がなければ、ステップS25でのタッチダウン待ちになる。
次に、文字入力制御部1は、タッチイベント処理部8からタッチダウンイベントが通知されたら、タッチダウン時の座標(TD_x、TD_y)を取得し(ステップS26)、次に、ステップS26で取得したタッチダウン座標(TD_x、TD_y)からユーザーが選択した選択キーを取得する(ステップS27)。ステップS27では、各表示キー領域内にタッチダウン座標が含まれるかどうかをチェックする。
次に、文字入力制御部1は、選択キーが文字入力用キーかどうかを判定する(ステップS28)。文字入力用キーが選択されればステップS30へ進み、文字入力用キー以外(文字制御用キーなど)が選択されれば、ステップS29の処理へ進む。
文字入力キーかどうかは下記式4で判定できる。
(Kn_xs ≦ TD_x< Kn_xe)かつ (Kn_ye≦ TD_y<Kn_ys) ・・・(式4)
ここで、1≦n≦15
選択されたキーが文字入力用キーでない場合は、選択されたキーに予め設定されている処理を実行する。文字入力制御キー表示領域40の文字制御用キーであれば、対応した処理を実施する。(ステップS29)
例えば、具体的には、文字入力制御キー表示領域40中の「変換」キー領域41に該当する場合には、この場合何もしない。もしくは、予め無効なキーとして選択不可状態(グレーアウト)にしておく。また、文字入力制御キー表示領域40中の「クリア」キー領域42に該当する場合には、これまでの文字入力処理を破棄し、処理をステップS2に戻す。また、文字入力制御キー表示領域40中の「終了」キー43に該当する場合には、文字入力処理を終了してよいかどうかの確認メッセージをユーザーに提示するなどを行う。また、上記記載以外の場所がタッチされた場合には、特に何もせず、処理をステップS25のタッチダウン待ち状態に戻す。
次に、ステップS30で、文字入力制御部1は、選択されたキーから入力文字を確定する。具体的には、第二表示文字テーブル記憶部5から取得し表示しているキーパッドの内選択されたキーに表示されている文字を入力確定文字とし、表示部9のカーソル位置に表示する。ただし、各図において『(小)』や『(半)』の表示は、説明を分かりやすくするために表示したものであって、これらの『(小)』や『(半)』の部分は表示部9のカーソル位置への表示に含まないものとする。
次に、文字入力制御部1は、その後処理をステップS2に移し、次の文字入力のために処理を移す。
ステップS24からステップS30までの動作を図6にて説明する。
図6(D)にて、所望の文字、ここでは英数(全角)の「Z」を指60でタッチダウン操作することにより、入力文字列表示領域30に、入力確定し表示される表示入力文字31「Z」が表示される。この後ユーザーが指を離すと、文字入力画面は初期状態の図6(A)の状態に戻る。
ここまでの処理において、ユーザーはタッチダウン→タッチムーブ→タッチアップと、タッチパネル部10に、入力文字を選択するために一度指60をタッチし、文字種を切り替えるために60をスライドさせた後、指60を離すといった単純な操作をすることによって、あるキーに割り当てられている文字の中の入力したい文字をキーパッド上に表示させることができ、さらに、その中から入力したい文字にタッチダウン操作を行う事によって、1つのキーに割り当てられている数十個以上の文字を簡単に入力することが可能になる。
なお、本実施例において、タッチパネルをユーザーの指で操作することを前提に記載しているが、スタイラスなどの道具を用いてタッチパネル操作をしても良い。また、本実施例において、ステップS11において、選択キーおよび第二文字種に応じた表示を行う際に、次のタッチダウンによって文字が確定されること明確にするために、文字入力キー表示領域50のキーパッド表示の際、各キー領域の文字、領域内部、領域枠の1つ以上の描画色を、ステップS3で表示した第一文字種に応じた表示から変更してもよい。
また、本実施例では、第二表示文字テーブル記憶部5の表示テーブルに関して、図7〜図9のように各キーの表示順とテーブル上の文字の表示順番を合わせた実施例を挙げているが、テーブル上の表示文字配置はこれに限定されるものではない。
1…文字入力制御部、2…第一文字種記憶部、3…第一表示文字テーブル記憶部、4…第二文字種記憶部、5…第二表示文字テーブル記憶部、6…第二文字種切替判定部、7…タッチ操作部、8…タッチイベント処理部、9…表示部、10…タッチパネル部、20…文字種表示領域、30…入力文字列表示領域、31…表示入力文字、40…文字入力制御キー表示領域、41…変換キー表示領域、42…クリアキー表示領域、43…終了キー表示領域、50…文字入力キー表示領域、60…指、70…矢印、101…キー1表示領域、102…キー2表示領域、103…キー3表示領域、104…キー4表示領域、105…キー5表示領域、106…キー6表示領域、107…キー7表示領域、108…キー8表示領域、109…キー9表示領域、110…キー10表示領域、111…キー11表示領域、112…キー12表示領域、113…キー13表示領域、114…キー14表示領域、115…キー15表示領域、201…表示部、202…操作ガイド領域、203…左ガイドキー、204…中央ガイドキー、205…右ガイドキー、206…キーパッド領域、207…入力キー、301…タッチパネル部、302…仮想キーパッド領域、303…入力キー領域。

Claims (5)

  1. 文字を入力するためのキー表示が可能なタッチ操作部と、
    該タッチ操作部のイベントを処理するタッチイベント処理部と、
    入力した文字を表示するための表示部と、
    予め設定されている文字種を記憶するための第一文字種記憶部と、
    文字入力開始時に、該第一文字種記憶部に記憶されている文字種に応じたキー表示を行うための表示文字を格納した第一表示文字テーブル記憶部と、
    文字入力操作時に、前記タッチイベント処理からのユーザーのタッチ操作時のスライド操作による移動距離情報に基づいて選択可能な入力文字候補の文字種の切替を行う文字種切替判定部と、
    該文字種切替判定部によって文字入力操作時に一時的に切り替えられた前記選択可能な入力文字候補の文字種を記憶するための第二文字種記憶部と、
    文字入力操作時のタッチアップ操作時に、該第二文字種記憶部に記憶されている文字種に応じたキー表示を行うための表示文字を格納した第二表示文字テーブル記憶部と、
    該第二表示文字テーブル記憶部に記憶した表示文字に応じたキー表示中に、前記タッチイベント処理部からのユーザーのタッチ操作の情報に応じて、文字入力処理の制御を行う文字入力制御部を
    具備することを特徴とする文字入力装置。
  2. 前記文字切替判定部は、前記タッチイベント処理からのユーザーのタッチ操作時のスライド操作による移動距離情報に基づき、前記選択可能な入力文字候補の文字種を複数回切り替えることを特徴とする請求項1に記載の文字入力装置。
  3. 前記文字種切替判定部は、前記タッチイベント処理部からのユーザーのタッチ操作時のスライド操作による移動距離情報に基づき、前記選択可能な入力文字候補の文字種の切り替えを循環して切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の文字入力装置。
  4. 前記文字入力制御部は、第二表示文字テーブル記憶部に記憶した表示文字に応じたキー表示中に、ユーザーのタッチ操作によってタッチされキーに対応する文字を入力文字として確定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の文字入力装置。
  5. 表示部とタッチ操作部とを備える装置において文字入力を行う方法であって、
    表示部に、予め設定されている文字種のキーパッドを表示するステップと、
    前記タッチ操作部へのタッチダウンイベントにより、タッチ位置に応じたキーに対応した入力文字候補をキーパッドに表示するステップと、
    前記タッチ操作部に対するユーザーによるタッチダウンのままでのタッチ位置スライドの移動量に基づいて選択可能な入力文字候補の文字種を切り替え、切り替えた文字種に応じたキーパッドを表示するステップと、
    前記タッチ操作部への第二のタッチダウンイベントにより、タッチ位置に表示されている文字を入力文字として確定するステップとを含むことを特徴とする文字入力方法。
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