JP5368956B2 - 食材包装用シート材料と食材包装容器 - Google Patents

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本発明は食材包装用シート材料と食材包装容器に関し、特に、ファーストフード店等において提供されるハンバーガー等の食材を収納するのに適した食材包装容器と、その食材包装容器を作るのに好適な食材包装用シート材料に関する。
ファーストフード店等でハンバーガー等の食材を提供する場合、図7に示すような、箱形下容器部分2と箱形上容器部分3とがヒンジ部4を介して開放姿勢と閉鎖姿勢とを選択的に取り得るようにされた食材包装容器1が用いられており、この形態の食材包装容器1の一例は、特許文献1あるいは特許文献2などに記載されている。また、食材包装容器1は、所要面積の食材包装用シート材料から、展開した形状の台紙(不図示)の複数個が打ち抜かれ、それが図7に示す形状の食材包装容器1として製函される。
図7に示すような食材包装容器1において、パンの上にハンバーグを積層した形態の食材等を箱形下容器部分2内に収容したときに、ハンバーグから出てくる肉汁が箱形下容器部分2の底部にそのまま溜まってしまい、その多くがパン側に吸収されるとパンの食味が低下することが起こり得る。
それを回避するために、通常、この種の食材包装容器では、少なくとも食材と接する面には紙材からなるシートを用い、例えばハンバーグから出てくる肉汁等を紙材シートに吸収させることで、多くの肉汁が箱形下容器部分の底部に滞留しないようにている。
近年、より多くの量のハンバーグをパンの上に乗せた状態で、食材包装容器内に収容しかつ包装することが求められるようになってきており、その場合、従来よりも多くの肉汁がハンバーグから出てくることが予測されることから、肉汁に対する新たな対策を立てることが、食材包装容器において課題となってきている。
その課題に答えることができると期待される吸水シートおよびその吸水シートからなる紙容器の一例が特許文献3に記載されている。この吸水シートでは、原紙に熱可塑性樹脂層を介してパルプ繊維を主体とした吸水紙層を積層し、該吸水紙層の上に合成樹脂からなる非透水層をさらに設け、該非透水層に多数の切目を、非透水層の表面側から非透水層を貫通し、かつ熱可塑性樹脂に達しない深さに設定された断続的なミシン目状として形成するようにしている。
特開2007−204050号公報 特開2007−210660号公報 特開2004−330526号公報
特許文献3に記載されるように、吸水紙層に多数の切れ目を形成することにより、そのような切り目を有しない吸水紙と比較して、より多くの水分(肉汁等)を吸水紙に吸収させることができる。しかし、紙に対する吸収量には限度があり、また、一度吸収した肉汁等が、再びシート表面に滲み出すことも起こり得る。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、食材包装用シート材料あるいは食材包装容器において、収容した食材から出てくる肉汁等の液体を、より完全に食材包装容器の素材内に吸収できるようにし、それにより、収容した食材の食味低下をより確実に回避できるようにした食材包装用シート材料と食材包装容器を提供することを課題とする。
本発明による食材包装用シート材料は、外表面シートと波形形状をなす中芯シートと内表面シートとの積層体からなる食材包装用シート材料であり、包装時に包装すべき食材と接する側の面となる前記内表面シートには該内表面シートを貫通する切り込み部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明による食材包装容器は、外表面シートと波形形状をなす中芯シートと内表面シートとの積層体からなる食材包装用シート材料を素材とし、前記内表面シートが食材と接する側として製函されてなる食材包装容器であって、該食材包装容器の少なくとも一部の領域には前記波形形状をなす中芯シートの波の頂部と交差するように前記内表面シートを貫通する切り込み部が形成されていることを特徴とする。
上記の食材包装用シート材料および食材包装容器では、収容した食材から出てくる肉汁等の液体の一部は紙材である内表面シートに吸収されるが、液体の一部は内表面シートに形成した切り込み部を通過して波形形状をなす中芯シートにまで到達する。そして、切り込み部を通過してきた液体は、中芯シートに吸収されるか、その波形形状内に留まった状態となる。従って、収容した食材から出てくる液体の量が多い場合でも、その液体が内表面シートの表面、すなわち食材が接している側の面に滞留するのを少なくすることができ、滞留した液体によって食材の食味が毀損されるのを確実に回避することができる。
本発明において、好ましくは、前記切り込み部は前記波形形状をなす中芯シートの波の頂部と交差するように形成される。波の頂部が走る方向と同じ方向に切り込み部を入れると、食材包装用シート材料の強度が低下する恐れがあるが、中芯シートの波の頂部と交差するように切り込み部を形成することで、強度低下を回避することができる。
本発明において、好ましくは、前記内表面シートは前記中芯シートと接する面に合成樹脂層が形成され、前記切り込み部は前記合成樹脂層をも貫通して形成されている。この態様では、合成樹脂層として樹脂フィルムをラミネートすることで内表面シートの強度が向上するとともに、一度切り込み部を通って波形形状をなす中芯シートにまで入り込んだ液体が、再び内表面シートの表面側に滲み出るのを確実に阻止することができる。
本発明による食材包装容器の1つの具体的な態様では、食材包装容器は、箱型下容器部分と箱型上容器部分とがヒンジ部を介して開放姿勢と閉鎖姿勢とを選択的に取りうるようにされている。そして、より好ましくは、前記切り込み部が少なくとも前記箱型下容器部分の側壁部に形成されている。
この態様の食材包装容器では、収容する食材の周囲の部分が箱形下容器部分の側壁部に接した状態で包装されることが多い。そのために、少なくとも箱形下容器部分の側壁部に前記切り込み部を形成しておくことで、食材の周囲の部分から出てくる液体を切り込み部を通って確実に内部に入り込ませることが可能となり、側壁(内表面シート)に沿って容器底面まで流下してしまうのを、より確実に阻止することができる。
本発明による食材包装容器は任意の食材の包装に用いることができる。なかでも、内表面シートが液体が通過できる切り込みを有している構成を備えることから、液体が出やすい食材を包装する容器として用いることが特に有効であり、具体的な食材の例としては、肉汁が出やすいハンバーグ類、果汁あるいは液汁がでやすいトマト等を含む食材、等を挙げることができる。
本発明による食材包装用シート材料あるいは食材包装容器では、収容した食材から出てくる肉汁等の液体の一部を、当該食材包装用シート材料あるいは食材包装容器食材包装容器を構成する内表面シートの内側に入り込ませることができるようになり、収容した食材の食味が容器内に滞留する肉汁等の液体によって低下するのを、より確実に回避することができる。
本発明による食材包装用シート材料の一例を説明するための図。 食材包装用シート材料の他の例を説明する2つの図。 本発明による食材包装容器の一例を示す図。 図3に示す食材包装容器における箱型下容器部分の展開図。 図3のa−a線による断面図。 食材包装容器の4つの他の例における箱型下容器部分の展開図。 従来の食材包装容器の一例を説明するための図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
最初に、食材包装用シート材料の一例を説明する。この例において、食材包装用シート材料10は、図1に示すように、ともに紙材である、外表面シート11と、波形形状をなす中芯シート13と、内表面シート12とで構成される、いわゆる段ボール構造の食材包装用シート材料10である。そして、内表面シート12の中芯シート13に面する側には、合成樹脂層として樹脂フィルム14の層が形成されている。なお、この樹脂フィルム14は、省略することもできる。
外表面シート11は、限定されないが、図示されるもののように、紙材単独でもよく、図示しないが、紙材とポリエチレンフィルム等の樹脂フィルムの積層体であってもよい。樹脂フィルムを紙材の一面に貼り付けることにより、水気、湿気、油が容器の外側に染み出すことを防ぐことができる。
内表面シート12には、該内表面シート12を貫通する複数本の切り込み部15が、縦方向および横方向に所定の間隔をおいて形成されている。この例において、前記切り込み部15は内表面シート12にラミネートした樹脂フィルム14をも貫通するようにして形成されている。図1に示す例において、切り込み部15は、波形形状をなす中芯シート13の波の頂部(図1で仮想線Lで示される)が走る方向に対して、例えば45度の角度で傾斜する方向とされている。この切り込み部15は、食材包装用シート材料10の全面に形成されていてもよく、図示のように、選択した何本かの波の頂部のみを横切るようにして形成されていてもよい。
食材包装用シート材料10の製造に当たっては、従来法により波形形状をなす中芯シート13を作り、その一方の面に、商品名やブランド名を印刷した意匠性の高い外表面シート11を張り付ける。外表面シート11が紙材のみである場合には、例えばコーンスターチのようなでんぷんのりを用いて、外表面シート11を貼り付ける。また、外表面シート11が紙材の一面に図示しないポリエチレンフィルム等の樹脂フィルムを予め貼り合わせたものである場合には、樹脂フィルム側を中芯シート13に当てて、熱融着によって貼り付ける。
次に、中芯シート13の反対の側に、内表面シート12を貼り付ける。この例において、内表面シート12は樹脂フィルム14をラミネートしており、樹脂フィルム14側を中芯シート13に当てて、熱融着によって貼り付ける。そのようにして3層構造とした後、内表面シート12側に適宜の切断刃を当てて、前記した切り込み部15を形成することで、本発明による食材包装用シート材料10とされる。
前記切り込み部15は、少なくとも内表面シート12および樹脂フィルム14を貫通していることは必須であるが、中芯シート13の一部にまで切り込み部が入り込んでいても差し支えない。また、切り込み15は、図示のように一本の線状体であってもよく、破断部と非破断部が連続するミシン目状のものであってもよく、小径の貫通孔が連続することで形成されていてもよい。また、全体が直線であってもよく、一部または全部が曲線であってもよい。
他の製造方法として、前記切り込み部15を予め形成した樹脂フィルム14を含む内表面シート12を用意し、樹脂フィルム側を中芯シート13に熱融着によって貼り付けるようにしてもよい。ただし、この場合には、熱融着によって切り込み部の一部が閉塞する恐れがあるので、それを加味して切り込み部15の大きさを設定することが望ましい。
食材包装用シート材料10の1つの具体例において、外表面シート11は38g/mの耐油性紙材であり、中芯シート13は50g/mの紙材であり、内表面シート12は50g/mの紙材に厚み12μmのポリエチレンフィルムである樹脂フィルム14をラミネートしている。
図2は、食材包装用シート材料10の他の2つの例を内表面シート12側から見た平面図として示している。この食材包装用シート材料10a,10bは、切り込み15の方向においてのみ、図1で説明した食材包装用シート材料10と異なっている。図2(a)に示す食材包装用シート材料10aでは、切り込み部15は中芯シート13の波の頂部の方向Lに直角に形成されており、図2(b)に示す食材包装用シート材料10bでは、切り込み部15は中芯シート13の波の頂部の方向Lと平行な方向であって、隣接する頂部と頂部との間の領域に形成されている。
上記した食材包装用シート材料10、10a、10bをそのまま用いて、ハンバーグのような肉汁を含む食材、あるいはパンの上にハンバーグを載せた食材を包装することもできる。その場合でも、ハンバーグから滲み出てくる肉汁の一部は、内表面シート12に形成した前記切り込み部15を通って、中芯シート13の波型が形成する空間領域に入り込むことができ、肉汁によってパン等の食材の食味が低下するのを抑えることができる。また、食材を持つときに肉汁の溜まりに手が触れる不快感をもなくすことができる。
図3は、上記したような食材包装用シート材料を用いて製函した食材包装容器1の一例を示している。製函に当たっては、従来知られた方法により、食材包装用シート材料10から台紙を型抜きし、この台紙を用いて立体状の食材包装容器1に組み立てる。食材包装容器1の全体形状は、図7に基づき説明した食材包装容器1と同じであり、箱形下容器部分2と箱形上容器部分3とがヒンジ部4を介して接続している。
上記した食材包装用シート材料10、10a、10bから台紙を型抜きして食材包装容器1とする場合には、台紙の全面にほぼ均等に前記した切り込み部15が位置するようになる。図3に示す食材包装容器1では、切り込み部15は箱形下容器部分2の4つの側壁部にのみ形成されている。この形態の台紙を得る一つの方法では、食材包装用シート材料を作る段階で、各台紙の前記側壁部に当たることとなる領域にのみ切り込み部15を形成しておくようにする。また、他の方法は、内表面シート12に切り込み部を備えない食材包装用シート材料を作り、台紙を打ち抜くときに、打ち抜き機に備えた切り込み刃により、箱形下容器部分2の4つの側壁部に前記切り込み部15を形成するようにする。
図4に箱形下容器部分2のみの展開部を示すように、この例で、中芯シート13の波の頂部Lが走る方向は、前記ヒンジ部4の方向と同じ方向(図4では上下方向)であり、図4で、左右の側壁5a,5cでは、切り込み部15は頂部Lが走る方向に対して45度の角度で傾斜するようにして各4本が形成されており、上下の側壁5b,5dでは水平方向すなわち頂部Lが走る方向に直交する方向に各1本の切り込み部15が形成されている。なお、図4で、仮想線で示すサークルは、食材の一例であるハンバーグ32を示している。
図5は、上記の箱形下容器部分2に食材(ハンバーグ)30を収容した状態を、図3のa−a線での断面で示している。ここで、食材(ハンバーグ)30はパン31の上により大径のハンバーグ32を載せたものである。そして、大径のハンバーグ32の周縁部分は箱形下容器部分2の側壁に圧接した状態となっている。このような包装品では、ハンバーグ32からの肉汁は、容器側壁に圧接しているハンバーグの周縁部から滲み出やすくなる。上記した形態の食材包装容器1では、側壁部に切り込み部15が形成されており、ハンバーグの周縁部から滲み出てくる肉汁の多くは、切り込み部15を通って、食材包装用シート材料の内表面シート12の裏面と中芯シート13の波型とで形成される空間領域に入り込む。そのために、箱形下容器部分2の底面にまで流下する肉汁の量は低減し、肉汁によってパン31の食味が変化するあるいは低下するのを効果的に回避することができる。
図6は、箱形下容器部分2の他の形態を示す、図4に相当する図である。図6(a)では、上下の側壁にも、左右の側壁と同様に、中芯シート13の波の頂部Lが走る方向に対して45度の角度で傾斜するようにして各4本の切り込み部15が形成されており、すべての切り込み部15は、ミシン目状とされている。図6(b)では、左右の側壁では、頂部Lが走る方向に直交する切り込み部15が各6本形成され、上下の側壁では、やはり頂部Lが走る方向に直交する方向のより長さの長い切り込み部15が、各1本形成されている。また、すべての切り込み部15は、ミシン目状とされている。
図6(c)では、左右の側壁では、頂部Lが走る方向と平行に長さの長い切り込み部15が各1本形成されており、上下の側壁では頂部Lが走る方向に直交する方向の長さの長い切り込み部15が各1本形成されている。ここでも、すべての切り込み部15は、ミシン目状とされている。
図6(d)では、箱形下容器部分2の側壁ではなく、底板と側壁の4か所の折り曲げ部にミシン目状の切り込み部15が形成されている。一般に、図5に断面を示したような形態の包装品では、側壁に沿って流下する肉汁が、一時的に容器底部の角部に滞留するのが普通である。したがって、底板と側壁の4か所の折り曲げ部に切り込み部15を形成しておくことにより、そこに滞留しようとする肉汁を積極的に容器底部における内表面シート12の裏面と中芯シート13の波型とで形成される空間領域に入り込むことが可能となり、結果として、肉汁が付着することでパン31の食味が変化するあるいは低下するのを効果的に回避することができる。
次に、前記切り込み部15を形成した本発明による食材包装容器の有意性を実施例と比較例により説明する。
以下、実施例と比較例により、本発明の優位性を説明する。
[実施例その1:吸収性テスト]
内表面シートに切り込み部を備えない食材包装用シート材料を作り、台紙を打ち抜くときに、打ち抜き機に備えた切り込み刃により、箱形下容器部分の4つの側壁部に切り込み部を形成する方法により切り込み部を備えた台紙を打ち抜き、該台紙を組み立てることにで、同じ形状ではあるが、側壁に形成された切り込み部の位置および形状が異なる5つの包装容器を作成して、油の吸水性をテストした。
実施例品1の包装容器では、図3に示す位置に直線状の切り込み部を形成した。
実施例品2の包装容器では、図6(a)に基づき説明したようにしてミシン目状の切り込み部を形成した。
実施例品3の包装容器では、図6(b)に基づき説明したようにしてミシン目状の切り込み部を形成した。
実施例品4の包装容器では、図6(c)に基づき説明したようにしてミシン目の切り込み部を形成した。
実施例品5の包装容器では、図6(d)に基づき説明したようにしてミシン目状の切り込み部を形成した。
それぞれの包装容器の箱型下容器部分の内表面に、こはく色のごま油2gを、均一に分散するようハケを用いて塗布した。
30分放置後、内表面に残った油を紙(ティッシュペーパー)で吸い取り、紙への吸い取り量を演算することで、箱型下容器部分への油の吸収量を算出した。その吸収量を2gを100%としたときの割合(%)で表1に示した。
[比較例]
実施例で用いたと同じ食材包装用シート材料を用い、同様にして台紙を打ち抜き、実施例品と同じ形状の包装容器を作成した。ただし、打ち抜き機に備えた切り込み刃を取り外すことで、切り込み部の形成は行わなかった。
この包装容器に実施例品と同じようにしてごま油を塗布し、以下同様にして、箱型下容器部分への油の吸収量を算出した。その吸収量を2gを100%としたときの割合(%)で表1に示した。
Figure 0005368956
[考察]
実施例品1〜5の包装容器は、すべてが比較例品と比較して、油の吸収性が向上している。このことは、実施例品では、包装容器の内表面に切り込み部を形成したことで、油が該切り込み部を通過して中芯シートにまで達したことによると解される。
また、実施例品4と実施例品5での油の吸収量はともに平均では93%であったが、中芯シートの波の頂部が走る方向と平行な方向に走る切り込み部が、波の頂部に位置するか、頂部と頂部との間に位置するかで、紙へ油の吸収量に違いがあり、頂部に切り込み部が位置する領域での紙へ油の吸収量は、波の頂部に切り込み部が位置する領域での紙へ油の吸収量よりも、吸収量が1〜2%多い結果が得られた。このことから、中芯シートの波の頂部が走る方向と平行な方向に切り込み部を形成する場合には、波の頂部に切り込み部が位置する方が好ましいとがわかった。
[実施例その2:製函性のテスト]
実施例品1〜5および比較例品について、打ち抜いた台紙を組み立てるときに発生する不良品の率(%)が多いか少ないかで、製函性をテストした。不良率1%以下を○、1%を超えたものを△として、その結果を表2に示した。
Figure 0005368956
[考察]
台紙に切り込み部を設けたことによって、製函性が低下するのではないかと思い、上記の製函性テストを行ったが、実施例品での不良率は最大で3%であり、格別の低下は観察されなかった。特に、実施例品1〜3では、すべての切り込み部を中芯シートの波の頂部と交差するように形成してあることにより、不良品の発生率は、比較例品すなわち切り込み部を形成しない従来品と同じであり、製函性の観点からもまったく問題が生じないことがわかった。
実施例品4では、3%となっているが、これは、中芯シートの波の頂部と並行に形成した切り込み部の位置で台紙が折れてしまうことによる不良品の発生であった。さらに、実施例品2では、2%となっているが、これは、底面と側壁との折り込み箇所に切り込み部を形成した結果、製函時の物理的な衝撃によるストレスでその部分に切れが発生したことによる不良品であった。
このことから、本発明による食材包装容器では、切り込み部は、波形形状をなす中芯シートの波の頂部と交差するように形成されていることが、より好ましいことがわかった。
1…食材包装用シート材料を用いて製函した食材包装容器、
2…箱形下容器部分、
3…箱形上容器部分、
4…ヒンジ部、
10…食材包装用シート材料、
11…外表面シート、
12…内表面シート、
13…波形形状をなす中芯シート、
15…内表面シートを貫通する切り込み部、
L…中芯シートの波の頂部が走る方向。

Claims (3)

  1. 外表面シートと波形形状をなす中芯シートと内表面シートとの積層体からなる食材包装用シート材料を素材とし、前記内表面シートが食材と接する側として製函されてなる食材包装容器であって、
    前記食材包装容器は、底板と側壁とを備える箱型下容器部分と箱型上容器部分とがヒンジ部を介して開放姿勢と閉鎖姿勢とを選択的に取りうるようにされている食材包装容器であり、
    前記内表面シートにおける前記箱型下容器部分の側壁部の領域には該内表面シートを貫通する切り込み部が形成されており、底板および底板と側壁の折り曲げ部には切り込み部が形成されていないことを特徴とする食材包装容器。
  2. 前記切り込み部は、前記波形形状をなす中芯シートの波の頂部と交差するように形成されていることを特徴とする請求項に記載の食材包装容器。
  3. 前記内表面シートは前記中芯シートと接する面に合成樹脂層が形成されており、前記切り込み部は前記合成樹脂をも貫通して形成されていることを特徴する請求項1または2に記載の食材包装容器
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