JP5368158B2 - インデキサブル式ホロータップ - Google Patents

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Description

本発明はホロータップに係り、特に、切れ刃形状が異なる複数種類のインデキサブルチップをそれぞれ対応するランドに取り付けて使用するインデキサブル式ホロータップに関するものである。
切りくず排出用穴が工具先端から工具軸心Oと同心に設けられている一方、その切りくず排出用穴の周囲の円筒部の外周面におねじが設けられるとともに、その円筒部を周方向において複数に分断するように工具先端から複数のスリットが形成され、そのスリットにより分断された複数のランドにおける工具回転方向の先端部分にそれぞれ切れ刃が設けられる深穴加工用のホロータップ(hollow tap) が知られている(特許文献1参照)。また、特許文献2には、通常のタップではあるが、切れ刃が設けられたインデキサブルチップ(indexable tip)をボデー(工具本体)に対して着脱可能に取り付けるようにしたインデキサブル式タップが記載されており、その場合には高価なインデキサブルチップのみを交換してボデーを何度も利用できるためランニングコストが低減される。
特開2007−237392号公報 実開昭58−47430号公報
ホロータップにおいても、大径化や加工性能アップを図るための工具材料の高価格化などによる工具のコスト高対策、或いは資源の有効活用のため、特許文献2に記載のようにインデキサブル化(切れ刃部材のみの交換可能化)することが考えられる。すなわち、未だ公知ではないが、(a) 前記複数のランドのうち前記切れ刃が設けられる工具回転方向の先端側の端部がそれぞれ切り欠かれることにより、その複数のランドにそれぞれ設けられたチップ取付座と、(b) 前記おねじのリードにより前記複数のランド毎に異なる形状の切れ刃が設けられ、対応するランドのチップ取付座にそれぞれ着脱可能に取り付けられる複数種類のインデキサブルチップと、を有して構成するのである。
しかしながら、ホロータップの場合、軸心部分に切りくず排出用穴が設けられることから、単にねじ等によりインデキサブルチップをチップ取付座に一体的に固定するだけでは、ねじの遊び分だけインデキサブルチップが工具の径方向へ位置ずれすることがあり、切込み寸法がばらついて特定の切れ刃に切削負荷が偏るなどしてタップ立て性能が損なわれる可能性があった。また、複数のインデキサブルチップの切れ刃形状はそれぞれ異なるため、複数のランドに対してそれぞれ対応するものを取り付ける必要があるが、識別が困難で誤って取り付ける可能性があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、切れ刃形状が異なる複数種類のインデキサブルチップをそれぞれ対応するランドに取り付けて使用するインデキサブル式ホロータップにおいて、インデキサブルチップの径方向の位置ずれを防止し、所定のタップ立て性能が安定して得られるようにすることにある。また、別の目的は、複数種類のインデキサブルチップを対応するランドに対して容易に且つ間違いなく取り付けることができるようにすることにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、切りくず排出用穴が工具先端から工具軸心Oと同心に設けられている一方、その切りくず排出用穴の周囲の円筒部の外周面におねじが設けられるとともに、その円筒部を周方向において複数に分断するように工具先端から複数のスリットが形成され、そのスリットにより分断された複数のランドにおける工具回転方向の先端部分にそれぞれ切れ刃が設けられる深穴加工用のホロータップにおいて、(a) 前記複数のランドのうち前記切れ刃が設けられる工具回転方向の先端側の端部がそれぞれ切り欠かれることにより、その複数のランドにそれぞれ設けられたチップ取付座と、(b) 前記おねじのリードにより前記複数のランド毎に異なる形状の切れ刃が設けられ、対応するランドのチップ取付座にそれぞれ着脱可能に取り付けられる複数種類のインデキサブルチップと、を有し、且つ、(c) 前記チップ取付座および前記インデキサブルチップの何れか一方には、工具先端側から見た端面視において、所定の頂角αで周方向へ突き出す三角状凸部が設けられるとともに、そのチップ取付座およびインデキサブルチップの他方には、前記端面視において前記頂角αと等しい凹み角βで周方向に凹んだ三角状凹部が設けられ、それ等の三角状凸部および三角状凹部が周方向に互いに押圧されることにより両頂点が一致するように径方向の位置決めが行われる一方、(d) 前記三角状凸部の頂角αおよびその頂角αと等しい前記三角状凹部の凹み角βは、前記複数のランド毎にそれぞれ相違させられていることを特徴とする。
第2発明は、第1発明のインデキサブル式ホロータップにおいて、前記チップ取付座またはその近傍部分、および前記インデキサブルチップには、互いに同じで且つ前記複数のランド毎に異なる識別表示が付けられていることを特徴とする。
発明は、第1発明または第2発明のインデキサブル式ホロータップにおいて、前記インデキサブルチップは超硬合金または高速度工具鋼にて構成されていることを特徴とする。
発明は、第1発明〜第発明の何れかのインデキサブル式ホロータップにおいて、前記インデキサブルチップには硬質被膜がコーティングされていることを特徴とする。
第1発明のインデキサブル式ホロータップにおいては、チップ取付座およびインデキサブルチップの一方および他方の合せ面部分に、工具先端側から見た端面視において、頂角αで周方向へ突き出す三角状凸部およびその頂角αと等しい凹み角βで周方向に凹んだ三角状凹部が設けられ、周方向においてそれ等の三角状凸部および三角状凹部が互いに押圧されることにより両頂点が一致するように径方向の位置決めが行われるため、インデキサブルチップの径方向の位置ずれが防止されて所定のタップ立て性能が安定して得られるようになる。また、三角状凸部の頂角αおよびその頂角αと等しい三角状凹部の凹み角βは、複数のランド毎にそれぞれ相違させられているため、複数種類のインデキサブルチップを対応するランドに対して容易に且つ間違いなく取り付けることができるようになる。すなわち、間違えた場合には、三角状凸部と三角状凹部との間に隙間が生じたりインデキサブルチップが片当りしてがたついたりするため、その間違いに容易に気が付いて誤取付を防止することができるのである。
第2発明では、更にチップ取付座またはその近傍部分、およびインデキサブルチップに、互いに同じで且つ複数のランド毎に異なる識別表示が付けられているため、その識別表示により複数種類のインデキサブルチップを対応するランドに対して一層容易に且つ間違いなく取り付けることができるようになる。
発明は、インデキサブルチップが超硬合金または高速度工具鋼にて構成されている場合で、インデキサブルチップのみを切削性能や耐摩耗性等に優れた材料製とすることにより、ホロータップを全体として安価に構成しつつ、所定の加工性能や加工品質、工具寿命等を確保することができる。
発明は、インデキサブルチップに硬質被膜がコーティングされている場合で、コーティング炉の大きさやコスト面で硬質被膜をコーティングすることが難しかった大径のホロータップにおいても、インデキサブル化されることにより従来のコーティング設備を用いてインデキサブルチップに硬質被膜を簡単且つ安価にコーティングできるようになり、被削材質等の加工条件に応じて所定の硬質被膜がコーティングされることにより、加工性能や加工品質、工具の耐久性等を向上させることができる。
本発明の一実施例であるインデキサブル式ホロータップを示す図で、(a) は工具軸心Oと直角方向から見た一部を切り欠いた正面図、(b) は工具先端側から見て拡大して示す端面図である。 複数のインデキサブルチップをボデーから取り外した状態を示す図で、(a) は図1の(b) に対応するボデーの端面図、(b) は8種類のインデキサブルチップを先端面側から見た平面図である。 図1の実施例におけるインデキサブルチップの取付構造を説明する図で、(a) はランドに設けられたチップ取付座の斜視図、(b) はインデキサブルチップの斜視図、(c) はインデキサブルチップをチップ取付座に固定するクランプねじの斜視図である。
本発明は、例えば呼び径が50mm程度以上の大径のホロータップに好適に適用されるが、50mm未満のホロータップに適用することもできる。切りくず排出用穴は、軸方向において例えば外周面におねじが設けられるねじ部を超えて設けることもできるが、切れ刃が設けられて切りくずが生成される食付き部を超えて設けられれば良い。この切りくず排出用穴は、シャンク側の後端まで貫通して設けられても良いが、ねじ部の中の完全山部、ねじ部とシャンクとの間、或いはシャンク等の外周面に開口する連通穴に接続され、例えば吸引装置等により切りくずが吸引除去されるようにして用いられる。
外周面におねじが設けられた円筒部を複数に分断するスリットは、工具軸心Oと平行であっても良いが、工具軸心Oに対して傾斜させたり、工具軸心Oまわりにねじれたりしていても良い。このスリットは、少なくとも食付き部を超えて設けられ、前記切りくず排出用穴はスリットと同じかスリットを超える深さ寸法で設けられる。このスリットの数すなわちランドの数は、タップの呼び径に応じて適宜定められる。
本発明ではインデキサブルチップが用いられ、そのインデキサブルチップに設けられた切れ刃によってタップ立て加工(めねじの切削加工)が行われるため、ボデー(工具本体)のランドには必ずしもねじ山が設けられる必要はなく、形成されためねじと干渉しないようにめねじの内径以下の外径の円筒面とすることもできる。必要強度や剛性等を確保するために、ボデーのランドにもインデキサブルチップのねじ山と同じかそれより小径のねじ山が設けられても良い。インデキサブルチップは、めねじを切削加工するために必要な食付き部と少なくとも一つの完全山を含んで構成されるが、多数の完全山を備えて構成することもできる。ボデーにも、必要に応じて完全山を設けることが可能である。
複数のランドの工具回転方向の先端部分に設けられるチップ取付座は、例えば工具軸心Oと直角な底面と、工具軸心Oと略平行な背面とを有する略直角に折れ曲がったL字型の座面を有して構成され、その背面に頂角αの三角状凸部或いは凹み角βの三角状凹部が設けられる。背面全体が三角状凸部或いは三角状凹部であっても良い。頂角αおよび凹み角βは、例えば90°程度以上の角度で適宜設定され、例えば1°〜3°程度ずつ相違させれば良い。インデキサブルチップは、上記チップ取付座の底面に接するように載置された状態で背面に押圧されるように、クランプねじ等のクランプ装置により周方向、厳密には三角状凸部および三角状凹部が互いに接するL字状の一対の接触面に対して何れも鋭角に交差し、頂点側へ向かう方向の分力が発生する方向、へ押圧されるようにして固定される。三角状凸部の凸頂点と三角状凹部の凹頂点とが干渉しないように、三角状凸部の凸頂点に面取を設けるか、三角状凹部の凹頂点に逃がし溝を設けることが望ましい。
識別表示は、数字や文字、記号など目視で区別できる種々の表示が可能で、タップ立て加工の際に被削材に接触したり切りくずが擦れたりしない場所、例えば工具軸方向の先端側に位置するランドの先端面やインデキサブルチップの先端面に設けることが望ましい。この場合は、インデキサブルチップを装着した後も目視で確認することができる。インデキサブルチップを取り付ける際に識別できれば良いため、必ずしも装着後まで見える必要はなく、チップ取付座とインデキサブルチップとが互いに密着させられる合せ面等に識別表示を設けることも可能である。
第1発明の実施に際しては、数字や文字、記号等の識別表示を設けることなく頂角αおよび凹み角βを複数のランド毎に変更するだけでも良い。
複数のインデキサブルチップの高さ寸法、すなわち工具本体への取付状態において工具軸心Oと平行な方向の寸法や、その高さ寸法に対応するチップ取付座の高さ寸法は、総て同じ寸法であっても良いが、複数のインデキサブルチップ毎に異なる寸法とすることも可能である。
インデキサブルチップは、例えば高速度工具鋼や超硬合金にて構成されるが、他の工具材料を採用することも可能である。また、必要に応じてTiNやTiCN、TiAlN、CrN等の化合物被膜やDLC(Diamond Like Carbon ;ダイヤモンド状カーボン)膜、ダイヤモンド被膜等の硬質被膜をコーティングしたり、水蒸気処理、窒化処理等を施したりすることもできる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例であるインデキサブル式ホロータップ10を示す図で、(a) は工具軸心Oと直角方向から見た一部を切り欠いた正面図、(b) は工具の先端側から見て拡大して示す端面図である。このインデキサブル式ホロータップ10は、工具鋼等の金属材料にて構成されているボデー(工具本体)12と、そのボデー12の先端部の所定位置にそれぞれ着脱可能に固設されている多数のインデキサブルチップ14a〜14hとから成り、インデキサブルチップ14a〜14hは高速度工具鋼或いは超硬合金にて構成されている。このインデキサブル式ホロータップ10は、呼び径が50mm以上の大径のめねじを切削加工するためのもので、本実施例はM90×2のめねじ加工用のものであり、インデキサブルチップ14a〜14hの表面には、対象とする被削材質等に応じてTiN等の所定の硬質被膜がコーティングされている。
ボデー12は、円柱形状のシャンク16の先端側に、外周面におねじ18が設けられたねじ部20が同心に一体に設けられたもので、そのねじ部20側の先端部には、工具軸心Oと同心に切りくず排出用穴22が設けられている。ねじ部20は、径寸法が一定の完全山部と、工具先端側へ向かうに従って径寸法が小さくなるようにねじ山がテーパ状に除去された3山程度の食付き部とを備えている。切りくず排出用穴22は、ねじ部20の後端近傍まで達しているとともに底部側程小径となるテーパ穴で、その底面には、それぞれシャンク16の外周面から工具軸心Oに対して傾斜するように設けられた一対の連通穴24が開口させられている。切りくず排出用穴22内の切りくずは、図示しない吸引装置等により連通穴24を介して外部へ吸引除去することができるため、深穴に対するタップ立て加工に好適に用いられる。
上記切りくず排出用穴22が設けられた円筒部のうち、少なくともめねじの切削加工に関与するねじ部20の食付き部および一つの完全山を含む範囲には、その円筒部を周方向において複数に分断するように工具先端から複数のスリット26が設けられている。スリット26は、工具軸心Oと平行に且つ工具軸心Oまわりに等角度間隔で本実施例では8本設けられており、そのスリット26により円筒部が8つのランド30a〜30hに分断されている。各ランド30a〜30hには、工具回転方向の先端側の端部がそれぞれ切り欠かれることによりチップ取付座32a〜32hが設けられており、そのチップ取付座32a〜32hに前記インデキサブルチップ14a〜14hがそれぞれ着脱可能に取り付けられている。前記おねじ18は右ねじで、工具回転方向はシャンク16側から見て右まわり方向であり、図1の(b) では工具軸心Oの左まわり方向が工具回転方向である。
図2は、インデキサブルチップ14a〜14hをボデー12から取り外した状態を示す図で、(a) は図1の(b) に対応するボデー12の端面図、(b) は8つのインデキサブルチップ14a〜14hをそれぞれ先端面側から見た平面図である。また、図3は、1つのインデキサブルチップ14aの取付構造を説明する図で、(a) はランド30aに設けられたチップ取付座32aの斜視図、(b) はインデキサブルチップ14aの斜視図、(c) はインデキサブルチップ14aをチップ取付座32aに固定するクランプねじ34の斜視図である。他のインデキサブルチップ14b〜14hの取付構造も、図3に示すインデキサブルチップ14aと同じである。これ等の図から明らかなように、チップ取付座32a〜32hは、工具軸心Oと直角な底面36と、工具軸心Oと略平行な背面38とを有する略直角に折れ曲がったL字型の座面を有して構成されており、インデキサブルチップ14a〜14hはそれぞれチップ取付座32a〜32hの底面36に接するように載置された状態で背面38に押圧されるように、クランプねじ34により周方向へ押圧されるようにして固定される。背面38には、クランプねじ34のねじ部34bが螺合されるねじ穴40が設けられているとともに、インデキサブルチップ14a〜14hにはそれぞれクランプねじ34の頭部34aが収容される凹所、およびその凹所に連続してねじ部34bを挿通させる挿通穴42が設けられている。
インデキサブルチップ14a〜14hには、それぞれ前記ねじ部20のおねじ18に連続するようにおねじ44a〜44hが設けられているとともに、ボデー12への取付状態における工具回転方向の先端側にはそれぞれ切れ刃46a〜46hが設けられている。これ等の切れ刃46a〜46hは、おねじ18および44a〜44hのリードによりそれぞれ異なる形状を成しており、8種類のインデキサブルチップ14a〜14hはそれぞれ対応するランド30a〜30hのチップ取付座32a〜32hに取り付けられて使用される。
インデキサブルチップ14a〜14hは、工具軸心Oに対する径方向において位置決めする必要があり、ボデー12への取付状態で工具先端側から見た端面視において、チップ取付座32a〜32hの背面38に対面する接合面50が所定の頂角αで周方向へ突き出す三角形状を成している。また、チップ取付座32a〜32hの背面38は、同じく工具先端側から見た端面視において、前記頂角αと等しい凹み角βで周方向に凹んだ三角形状を成している。したがって、クランプねじ34によりインデキサブルチップ14a〜14hがそれぞれチップ取付座32a〜32hに固定される際に、上記接合面50と背面38とが周方向において互いに押圧されることにより、背面38の凹頂点に対して接合面50の凸頂点が一致するように、工具軸心Oに対する径方向においてインデキサブルチップ14a〜14hが位置合せされるとともに、その状態で背面38に対して接合面50が密着させられる。これにより、工具軸心Oに対する径方向において、背面38の凹頂点と接合面50の凸頂点とが一致する所定の位置に、インデキサブルチップ14a〜14hがそれぞれ高い精度で位置決めされて一体的に固定されるようになり、複数のインデキサブルチップ14a〜14hの切込み寸法が略一定になるなど、所定のタップ立て性能が安定して得られるようになる。クランプねじ34による押圧方向、すなわち前記ねじ穴40や挿通穴42の中心線は、背面38および接合面50が互いに接するL字状の一対の接触面に対して何れも鋭角に交差し、押圧により頂点側へ向かう方向の分力が発生する方向に設定されている。上記背面38および接合面50は互いに密着させられる合せ面で、背面38は三角状凹部に相当し、接合面50は三角状凸部に相当する。なお、背面38の凹頂点部分には、図3の(a) に示すように逃がし溝52が設けられ、接合面50の凸頂点と干渉することなく頂点の両側の一対の接触面が同時に確実に密着できるようになっている。
一方、8種類のインデキサブルチップ14a〜14hはそれぞれ切れ刃46a〜46hの形状が異なり、対応するランド30a〜30hのチップ取付座32a〜32hに取り付ける必要があることから、本実施例では、上記接合面50の頂角αおよびその頂角αと等しい背面38の凹み角βが、複数のランド30a〜30hによってそれぞれ相違させられている。すなわち、ランド30aにおけるチップ取付座32aの背面38の凹み角βおよびインデキサブルチップ14aの頂角αは例えば140°程度で、ランド30b〜30hにおけるチップ取付座32b〜32hの背面38の凹み角βおよびインデキサブルチップ14b〜14hの頂角αは、それぞれ140°よりも1°〜3°程度ずつ順番に大きくされている。これにより、8種類のインデキサブルチップ14a〜14hを対応するチップ取付座32a〜32h以外のものに取り付けようとすると、接合面50の頂角αと背面38の凹み角βとが相違することから、それ等の間に隙間が生じたりインデキサブルチップ14a〜14hが片当りしてがたついたりするようになり、その間違いに容易に気が付いて誤取付が防止される。
本実施例ではまた、複数種類のインデキサブルチップ14a〜14hを対応するランド30a〜30hのチップ取付座32a〜32hに対して容易に取り付けることができるようにするため、そのチップ取付座32a〜32hの近傍部分およびインデキサブルチップ14a〜14hに、それぞれ互いに同じで且つ複数のランド30a〜30h毎に異なる丸付き数字の識別表示が付けられている。すなわち、ランド30aにおけるチップ取付座32aの近傍およびインデキサブルチップ14aには丸付き数字「1」が印字されており、ランド30b〜30hにおけるチップ取付座32b〜32hの近傍およびインデキサブルチップ14b〜14hには、それぞれ1ずつ順番に大きくなる丸付き数字「2」〜「8」が印字されている。本実施例では、インデキサブルチップ14a〜14hをチップ取付座32a〜32hに取り付けた後も確認できるとともに、被削材に接触したり切りくずが擦ったりして消失することがないように、ランド30a〜30hおよびインデキサブルチップ14a〜14hの何れについても工具先端方向に面している平坦な先端面54、56に、取付状態において図1(b) に示すように互いに隣接するように設けられている。
このようなインデキサブル式ホロータップ10においては、インデキサブルチップ14a〜14hの接合面50が、工具先端側から見た端面視においてそれぞれ頂角αで周方向へ突き出す凸三角形状とされている一方、チップ取付座32a〜32hの背面38が、工具先端側から見た端面視においてそれぞれ対応するインデキサブルチップ14a〜14hの頂角αと等しい凹み角βで周方向に凹んだ凹三角形状とされているため、各インデキサブルチップ14a〜14hがクランプねじ34により背面38に押圧されるようにして取り付けられる際に、周方向において背面38と接合面50とが互いに押圧されることによりそれ等の凹頂点と凸頂点とが一致するように径方向の位置決めが行われるため、インデキサブルチップ14a〜14hの径方向の位置ずれが防止されて所定のタップ立て性能が安定して得られるようになる。
また、8種類のインデキサブルチップ14a〜14hはそれぞれ切れ刃46a〜46hの形状が異なり、対応するランド30a〜30hのチップ取付座32a〜32hに取り付ける必要があるが、本実施例では接合面50の頂角αおよびその頂角αと等しい背面38の凹み角βが、複数のランド30a〜30h毎にそれぞれ相違させられているため、複数種類のインデキサブルチップ14a〜14hを対応するランド30a〜30hに対して容易に且つ間違いなく取り付けることができるようになる。すなわち、間違えた場合には、接合面50と背面38との間に隙間が生じたりインデキサブルチップ14a〜14hが片当たりしてがたついたりするため、その間違いに容易に気が付いて誤取付を防止することができるのである。
また、本実施例では更にチップ取付座32a〜32hの近傍部分およびインデキサブルチップ14a〜14hに、互いに同じで且つ複数のランド30a〜30h毎に異なる識別表示(丸付き数字)が付けられているため、その識別表示により複数種類のインデキサブルチップ14a〜14hを対応するランド30a〜30hに対して一層容易に且つ間違いなく取り付けることができるようになる。
また、本実施例では上記識別表示が、ランド30a〜30hおよびインデキサブルチップ14a〜14hの何れについても工具先端方向に面している先端面54、56に、取付状態において互いに隣接するように設けられているため、インデキサブルチップ14a〜14hをチップ取付座32a〜32hに取り付けた後も容易に確認できるとともに、被削材に接触したり切りくずが擦ったりして消失することがなく、切れ刃摩耗等によりインデキサブルチップ14a〜14hを交換する際にもランド30a〜30hの識別表示を見て容易に且つ間違いなく交換することができる。
また、本実施例では、インデキサブルチップ14a〜14hのみが切削性能や耐摩耗性等に優れた超硬合金または高速度工具鋼にて構成されているため、インデキサブル式ホロータップ10を全体として安価に構成しつつ、所定の加工性能や加工品質、工具寿命等を確保することができる。
また、本実施例のインデキサブル式ホロータップ10はM90×2のめねじ加工用で比較的大径であるため、コーティング炉の大きさやコスト面でそのまま硬質被膜をコーティングすることは困難であったが、インデキサブル化されることにより従来のコーティング設備を用いてインデキサブルチップ14a〜14hに硬質被膜を簡単且つ安価にコーティングできるようになり、被削材質等の加工条件に応じてTiN等の所定の硬質被膜がコーティングされることにより、加工性能や加工品質、工具の耐久性等が向上する。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:インデキサブル式ホロータップ 14a〜14h:インデキサブルチップ 18、44a〜44h:おねじ 22:切りくず排出用穴 26:スリット 30a〜30h:ランド 32a〜32h:チップ取付座 38:背面(三角状凹部) 46a〜46h:切れ刃 50:接合面(三角状凸部) O:軸心 α:頂角 β:凹み角

Claims (4)

  1. 切りくず排出用穴が工具先端から工具軸心Oと同心に設けられている一方、該切りくず排出用穴の周囲の円筒部の外周面におねじが設けられるとともに、該円筒部を周方向において複数に分断するように工具先端から複数のスリットが形成され、該スリットにより分断された複数のランドにおける工具回転方向の先端部分にそれぞれ切れ刃が設けられる深穴加工用のホロータップにおいて、
    前記複数のランドのうち前記切れ刃が設けられる工具回転方向の先端側の端部がそれぞれ切り欠かれることにより、該複数のランドにそれぞれ設けられたチップ取付座と、
    前記おねじのリードにより前記複数のランド毎に異なる形状の切れ刃が設けられ、対応するランドのチップ取付座にそれぞれ着脱可能に取り付けられる複数種類のインデキサブルチップと、
    を有し、且つ、
    前記チップ取付座および前記インデキサブルチップの何れか一方には、工具先端側から見た端面視において、所定の頂角αで周方向へ突き出す三角状凸部が設けられるとともに、該チップ取付座および該インデキサブルチップの他方には、前記端面視において前記頂角αと等しい凹み角βで周方向に凹んだ三角状凹部が設けられ、それ等の三角状凸部および三角状凹部が周方向に互いに押圧されることにより両頂点が一致するように径方向の位置決めが行われる一方、
    前記三角状凸部の頂角αおよび該頂角αと等しい前記三角状凹部の凹み角βは、前記複数のランド毎にそれぞれ相違させられている
    ことを特徴とするインデキサブル式ホロータップ。
  2. 前記チップ取付座またはその近傍部分、および前記インデキサブルチップには、互いに同じで且つ前記複数のランド毎に異なる識別表示が付けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のインデキサブル式ホロータップ。
  3. 前記インデキサブルチップは超硬合金または高速度工具鋼にて構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のインデキサブル式ホロータップ。
  4. 前記インデキサブルチップには硬質被膜がコーティングされている
    ことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のインデキサブル式ホロータップ。
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