JP5367878B2 - 供給ライン用連結装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ジャケット管とその中に配置された少なくとも2つのインナーラインを備える供給ライン用の連結装置に関し、この連結装置には、ジャケット管用の第一の連結領域とインナーライン用の第二の連結領域を有する筐体が設けられている。
このような供給ラインは、たとえば、水中設備と補給船との連結に使用される。供給ラインにより、水中設備に対し、それがたとえば海底または湖底で所望の通りに動作できるように、たとえばエネルギー、データおよび各種の流体が供給される。こうした供給ラインは、ジャケット管の中に、提供される供給物に応じた各種のラインを備えている。
しかしながら、まさに海においては、たとえば高波や荒天によって必要な場合等、短期間で供給ラインを切断することが繰り返し必要となる。これが行われない、または適時に行われないと、供給ラインを介して水中設備に不要な力が伝えられる危険性があり、これによって、その安全性と機能能力が損なわれかねない。また、供給ラインが制御不能な状態で断裂する危険性もあり、これは、連結部を回復できない、または回復できたとしても多額の費用がかかることを意味する。
一般的な連結装置は、たとえば特許文献1が知られている。この連結装置は、供給管の端に、スリーブ型のプラグソケット装置が設置され、これを通じて、外側スリーブを、対応する受容ソケットに軸方向に挿入できる。軸方向の連結手段が取り付けられており、これらをスリーブ内で軸方向に移動させることによって、連結のために、まずインナーラインを連結してから、外側のジャケット管を固定できるようにすることができる(特許文献1)。
この公知の連結装置においては、したがって、外側のジャケット管がまだ機械的に固定されないうちにインナーラインが連結される。荒れた海の場合、連結されているインナーラインは、ジャケット管が固定されていないと、たとえば補給船の制御不能の動きによって断裂する可能性がある。これに加えて、ある緊急時においてあまり素早く供給ラインを解放できず、これは、まず包囲しているジャケット管の連結を解放しなければならず、それからでなければインナーラインの軸方向のプラグ連結を解放できないからである。
本発明の目的は、確実かつ安全に連結でき、しかも迅速に解放できる供給ライン用連結装置を提供することである。
上記の目的は、本発明によれば、特許請求の範囲の請求項1の特徴を有する連結装置を通じて実現される。好ましい実施形態は、従属項に記載されている。
本発明による連結装置は、第一の連結領域がジャケット管を保持または解放するために取り付けられる少なくとも1つの保持要素を含み、保持要素を半径方向にジャケット管へと移動させ、またそこから戻すことができるようになっていることと、第二の連結領域が第一の連結領域から軸方向に離間されて配置され、インナーラインのための、軸方向に作動されるプラグ連結要素を含むことを特徴とする。
本発明の第一の態様によれば、半径方向に調節可能な保持要素がジャケット管を連結するために設置される。ジャケット管は供給ラインの基本的な機械力を吸収する。軸方向に連結される場合に機械的な横方向の大きな力がかかると、挟み込みが発生するかもしれないが、半径方向に調節可能な保持要素であれば、ジャケット管に大きな機械的応力がかかったとしても、容易に移動させ、または戻すことができる。これによって、特に緊急時に、供給ラインのジャケット管を迅速かつ確実に、機械的に解放することが可能となる。
本発明の別の態様によれば、ジャケット管を連結するための第一の連結領域が、インナーラインの軸方向のプラグ連結要素のための第二の連結領域から軸方向に離間されて配置される。このようにして、まず外側のジャケット管を連結することが可能となる。このように機械的に安定に連結されると、離間された第二の連結領域において、ジャケット管から突出するインナーラインを安全に連結または解放することができる。このようにして、補給船が激しく動いても、内側の油圧ラインが断裂して、したがって油圧油が制御不能な状態で漏出することが防止される。それに加えて、本発明の装置によれば、使用者が容易に、確実に操作できるようにプラグ連結要素を配置するための十分な空間がある。
本発明による連結装置により、したがって、特に海が荒れて高波の発生する状態において、船舶用供給ラインの安全な連結と解放が可能となる。
本発明の好ましい実施形態によれば、2枚の板状の保持要素が設置され、これらはジャケット管の両側で変位可能に取り付けられる。このような板状の保持要素によって、ジャケット管を第一の連結領域に確実に留め付けることができる。単純に保持要素を戻すことにより、大きな張力があっても、連結部を迅速かつ安全に解放することが可能となる。
原則的に、板状の保持要素は手で変位させることができる。本発明によれば、少なくとも1つの保持要素を動作シリンダによって作動させることができる点が特に有利である。動作シリンダは好ましくは、対応する制御手段によって制御される油圧シリンダである。
本発明によれば、確実に連結するために、プラグ連結要素を、連結板上に少なくとも1列で横並びに配置することがさらに好ましい。この配置はまた、特に2つまたはそれ以上の列とすることもできる。その結果、省スペースのコンパクトな装置とすることができるが、オペレータは依然として容易にこれにアクセスできる。
インナーラインのための個々のプラグ連結要素は、原則的に、第二の連結領域上の対応する相手の要素の中に手で挿入される。解放も同様の方法によって手で行うことができる。しかしながら、本発明によれば、特に迅速に解放するために、インナーラインをプラグ連結要素から一括解放するための解放手段が設けられる。この解放手段は、たとえば、インナーラインの対応するプラグをプラグ連結要素から能動的に引き出すことができる。ある迅速な油圧継ぎ手の場合、解放のための移動にはまた、インナーラインのプラグをプラグ要素に向かう方向に移動させることを含めることができ、それによってプラグがプラグ連結要素から外れ、解放される。解放手段は、プラグ連結要素の種類に応じて、対応する解放運動を起こすことができる。プラグ連結要素を同時に一括解放することにより、特に緊急時に、供給ラインを迅速に制御的に切断できる。
本発明によれば、解放手段が作動カムを有する少なくとも1つの解放板を備え、作動カムは部分的に、インナーラインのプラグ要素を包囲し、軸方向に作動させることが特に好ましい。この目的のために、プラグ要素に半径方向の突起またはカラーを設けることができ、これは解放板と接触して軸方向の解放運動を加える。解放板は、たとえば櫛状に形成でき、櫛の歯が作動カムを形成する。
本発明による解放は、解放手段を動作シリンダによって作動させることができる点において、特に確実に実現できる。この動作シリンダも好ましくは、同様に油圧シリンダである。
制御的に切断するために、本発明によれば、制御手段を設置し、これを通じてジャケット管のための少なくとも1つの保持要素とインナーラインのための解放手段を相互に対して正しい方向で作動させることができることが有利である。それによって、インナーラインの解放がジャケット管の解放の前、または少なくともそれと同時に行われることが好ましい。このようにして、過剰な機械的負荷が、敏感な電気、電子または油圧プラグ要素または継手に伝えられることが防止される。
原則的に、ほとんどの様々なラインをインナーラインとして使用することができる。本発明によれば、インナーラインは電源ケーブル、データケーブルおよび/または流体管である。流体管は、油圧または空気圧管とすることができる。水、空気またはその他の液体および気体のための供給管とすることも可能である。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、筐体は外側プレートを含み、そこにジャケット管のための第一の連結領域が設けられ、外側プレートは通路用開口部を有し、そこを通って、インナーラインを筐体の中の第二の連結領域へと延ばすことができ、漏斗状の案内手段が外側プレートと第二の連結領域の間に配置され、前記漏斗状の案内手段には通路用開口部に向かってテーパが付けられる。
この配置により、インナーラインはジャケット管内に非常にコンパクトに配置することができ、ジャケット管はたとえば、建設機械および特にスロット壁式フライス旋盤において知られている供給管とすることができる。個別のプラグ連結部を作動させるために、インナーラインはジャケット管を出た後で分岐させてもよく、それによって、第二の連結領域に十分な使用空間が確保される。制御的に切断する場合に、プラグ連結要素を連結板の通路用開口部の中に確実に通すために、漏斗状の案内手段が設けられる。この漏斗状の案内手段は、通路用開口部に配置されて、第二の連結領域に向かって広くなっている。
本発明によれば、連結板と第二の連結領域の連結板との間に案内バーが配置されることがさらに好ましい。これらの案内バーは、漏斗状の案内手段と同様に、供給ラインを制御的に切断する場合に、インナーラインが制御的に通路用開口部を通過できるようにする役割を果たす。
本発明は、確実かつ安全に連結でき、しかも迅速に解放できる供給ライン用連結装置を提供することができるという効果を奏する。
図に概略的に示されている例示的実施形態を参照しながら、本発明の実施形態について詳しく説明する。本実施形態の連結装置10の概観が、部分的に切断された状態で、図1の斜視図に示されている。連結装置10は箱型の筐体12を含み、これはスチール製支持手段からなる基底枠14の上に固定されている。基底枠14は、補給船に固定連結することができる。
連結装置10は、供給ライン60と、外側のジャケット管62およびその中に配置されたインナーライン64を解放可能に連結する役割を果たし、これらのインナーライン64は対応する固定ラインに解放可能に連結されることになる。このようにして、固定ライン16によって、補給船からたとえば水中設備へ、供給ライン60を介して連結することができる。
連結装置10は、その前側に外側のジャケット管62のための第一の連結領域20を有する。この連結部分において、筐体12は前方の外側プレート24を備え、その上下に、2つの対向する板状の保持要素22を直線的に案内するための案内レール26が設けられている。保持要素22は、動作シリンダ28によって、開放位置(図の位置)とジャケット管62を保持するための閉鎖位置の間で直線的に変位させることができる。構造と機能を、図2と図3を参照しながら後でより詳しく説明する。
インナーライン64は、データケーブル、電気ケーブル、油圧油、空気またはその他の流体のための導管とすることができ、ジャケット管62の端を通過し、外側プレート24の通路用開口部30を通って、連結装置10の筐体12の中へと延びる。図1において部分的に切断されて示されているインナーライン64は、後方の第二の連結領域40まで延び、第二の連結領域40には固定ライン16が延びている。プラグ要素66がインナーライン64の端に配置され、これらは、第二の連結領域40の、対応するプラグ連結要素と嵌合してライン連結を実現するように形成されている。
これらのライン連結を迅速に解放するために、解放手段50が設置されており、これは、図の実施形態によれば、旋回可能に配置された2枚の櫛状の解放板52からなる。解放手段50の構造と機能は、図4から図6に関連して後でより詳しく説明する。
連結装置10の、図1に示される解放、すなわち開放位置においては、供給ライン60を筐体12から容易に取り外すことができる。インナーライン64が筐体12の中に引っ掛からないようにするために、筐体12の中に板状の案内バー34と漏斗状の案内手段32が配置され、前記漏斗状の案内手段32には、筐体12の内側空間から外側プレート24の通路用開口部30に向かってテーパが付けられている。
外側のジャケット管62を連結するための第一の連結領域20の構造と機能は、図2と図3からより詳細に知ることができる。ジャケット管62の端に、管連結手段70が配置されている。柔軟な管部分がスリーブ型のシャフト76に固定連結され、シャフト76にはセンタリングリング72が連結される。センタリングリング72の外面には、2つの反対側のセンタリングピン74が配置され、これらは半径方向に突出している。
図2に示されるように連結領域20が閉鎖位置にあると、センタリングピン74は板状のセンタリングマウント21の中に突出し、センタリングマウント21は板状の保持要素22の前面から垂直に突出している。このようにして、センタリングマウント21と係合しているセンタリングピン74が、ジャケット管62の回転防止手段となる。
管連結手段70のエンドスリーブ77はセンタリングリング72の前面と連結し、環状カラー78がエンドスリーブ77の自由端において半径方向に外側に突出しており、これは図3の開放位置において見られる。図3によるこの位置において、ジャケット管62を軸方向に第一の連結領域20へのストッパ(図示せず)まで押すことができる。
動作シリンダ28を移動させることによって、2枚の板状の保持要素22は相互に関して軸方向に移動される。保持要素22はこれによって、案内レール26の上側と下側で直線的に案内され、案内レール26は筐体12の外側プレート24に固定されている。
このように保持要素22を押し合うことを通じて、管連結手段70の環状カラー78は保持要素22の弓形内面の環状溝23と係合する。その結果、軸方向に形状を利用してロックされた状態となり、ジャケット管62が連結装置10の中で固定される。同時に、板状のセンタリングマウント21が押されて、U字型の凹部が半径方向に外側に突出するセンタリングピンを挟み込み、それゆえ、ジャケット管62のための回転防止手段が確保される。
全体として、連結装置10へのジャケット管62の確実で機械的に安定な連結が、第一の連結領域20を通じて確保される。
第二の連結領域40の設計を、図4から図6に関して以下に説明する。第二の連結領域40は、筐体12の後方を形成する連結板44を含む。固定ライン16は、前記連結板44へと延びてプラグ連結要素42に入り、プラグ連結要素42は筐体12の内側空間へと突出する。インナーライン64の端において、対応するプラグ要素66が形成されて、軸方向に挿入することによって、これに対応するライン連結が行われる。
図4は、閉鎖位置にあり、したがってインナーライン64が連結された状態の第二の連結領域40を示している。プラグ連結要素42は、連結板44の上に、相互に上下の関係の2列に配置されている。プラグ要素66をプラグ連結要素42の中に保持するために、解放手段50の2枚の櫛状の解放板52がそれぞれの旋回軸53の周囲でロック位置まで旋回し、この位置においては解放板52が連結板44に略平行となる。
図4によれば、2枚の解放板52は、ロッキングバー46によってそれぞれの閉鎖位置にロックされる。ロッキングバー46は、それに平行な連結板44の上に直線的に変位可能に、プラグ連結要素42に関して横方向に取り付けられている。直線的に変位させるために、動作シリンダ56が連結板44の裏側に配置されており、これは軸受ブロック49によってロッキングバー46に連結されている。
図5から特に明瞭にわかるように、ロッキングバー46は、上下にある保持面47を有し、これが鋸歯のように解放用凹部48へと続く。図4の閉鎖位置において、ロッキングバー46の保持面47は、解放板52がその旋回軸53の周囲で前方に旋回できないように配置される。このロック位置において、インナーライン64のプラグ要素66は、関連するプラグ連結要素42の中に形状を利用してロックされるように保持され、ライン連結が確実に確保される。
動作シリンダ56を移動させることによって、ロッキングバー46が変位されて、解放板52の櫛状の作動カム54が解放用凹部48を通って上下に自由に旋回できるようになる。解放板52の旋回運動は、別の動作シリンダ、別の張力ばね、またはプラグ連結要素42を通じて、および/またはプラグ要素66そのものの中のばね張力を通じて起こすことができる。
特に図6からよりよくわかるように、解放板52が旋回軸53の周囲で自由に旋回することによって、半径方向に外側に突出する突起67を有するプラグ要素66が、軸方向に形状を利用してロックされて固定された状態が解除されて、インナーライン64を軸方向に取り外すことができる。解放板52を安定に取り付けるために、複数の軸受ソケット45が連結板44の上に相互に離間されて配置され、この軸受ソケット45から解放手段50の旋回軸53が突出する。
10 連結装置、12 筐体、14 基底枠、16 固定ライン、20 連結領域、21 センタリングマウント、22 保持要素、23 環状溝、24 外側プレート、26 案内レール、28 動作シリンダ、30 通路用開口部、32 案内手段、34 案内バー、40 連結領域、42 プラグ連結要素、44 連結板、45 軸受ソケット、46 ロッキングバー、47 保持面、48 解放用凹部、49 軸受ブロック、50 解放手段、52 解放板、53 旋回軸、54 作動カム、56 動作シリンダ、60 供給ライン、62 ジャケット管、64 インナーライン、66 プラグ要素、67 突起、70 管連結手段、72 センタリングリング、74 センタリングピン、76 スリーブ型シャフト、77 エンドスリーブ、78 環状カラー。
Claims (11)
- ジャケット管とその中に配置された少なくとも2つのインナーラインを備える供給ラインのための連結装置において、前記ジャケット管のための第一の連結領域と前記インナーラインのための第二の連結領域を有する筐体が設けられ、
前記第一の連結領域が、前記ジャケット管を保持または解放するために取り付けられた少なくとも1つの保持要素を含み、前記保持要素を半径方向に前記ジャケット管へと移動し、またそこから戻すことができるようになっており、
前記第二の連結領域が、前記第一の連結領域から軸方向に離間されて配置され、前記インナーラインのための、軸方向に作動されるプラグ連結要素を含む
ことを特徴とする連結装置。 - 請求項1に記載の連結装置において、
前記ジャケット管の反対側で変位可能であるように取り付けられた、2つの板状の保持要素が設けられていることを特徴とする連結装置。 - 請求項1に記載の連結装置において、
前記少なくとも1つの保持要素が、動作シリンダによって作動させることができることを特徴とする連結装置。 - 請求項1に記載の連結装置において、
前記プラグ連結要素が、連結板上で、少なくとも1列で横並びに配置されることを特徴とする連結装置。 - 請求項1に記載の連結装置において、
前記インナーラインを前記プラグ連結要素から一括解放するための解放手段が設けられていることを特徴とする連結装置。 - 請求項5に記載の連結装置において、
前記解放手段が、軸方向に作動させるために前記インナーラインのプラグ要素を部分的に包囲する作動カムを有する少なくとも1つの解放板を備えることを特徴とする連結装置。 - 請求項5に記載の連結装置において、
前記解放手段が、動作シリンダによって作動させることができることを特徴とする連結装置。 - 請求項5に記載の連結装置において、
制御装置が設けられ、それを通じて、前記ジャケット管のための前記少なくとも1つの保持要素と、前記インナーラインのための前記解放手段を相互に正しい方向で作動させることができることを特徴とする連結装置。 - 請求項1に記載の連結装置において、
前記インナーラインが電源ケーブル、データケーブルおよび/または流体用導管であることを特徴とする連結装置。 - 請求項1に記載の連結装置において、
前記筐体が外側プレートを有し、その上に前記ジャケット管のための前記第一の連結領域が設けられ、
前記外側プレートが通路用開口部を有し、そこを通って、前記インナーラインが前記筐体の中の前記第二の連結領域へと延びることができ、
前記外側プレートと前記第二の連結領域との間に漏斗状の案内手段が配置され、前記漏斗状の案内手段に前記通路用開口部に向かってテーパが付けられている
ことを特徴とする連結装置。 - 請求項10に記載の連結装置において、
前記外側プレートと前記第二の連結領域の連結板との間に案内バーが配置されていることを特徴とする連結装置。
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