しかしながら、実際にデバイス間を高速データ通信により接続する場合、CPUからディスプレイへ一定速度でデータ通信をする際に、ディスプレイを駆動するコントローラ内部で、例えば、電圧降下を検知したり、コントローラ内部のメモリへの書き込みが間に合わなくなったりして、データ転送を一時中断せざるを得ない情況が発生する場合がある。
現在は、これらの問題が受信側のコントローラ内部で発生しても、送信側に一時停止を促す仕組みが存在しないため、送信される情報(以降、パケットとよぶ。)を一時記憶メモリ(FIFO:First In First Outメモリ)に蓄積し、パケットとパケットの間の、パケットが送信されない期間に、コントローラ内部で必要な処理を実行している。
ところが、パケットとパケットの間の、パケットが送信されない期間に、コントローラ内部で必要な処理を実行する解決法は、1つのパケットの長さが大きくなればなるほど、一時記憶メモリに必要とされる容量が増加してコストアップにつながり、また、受信側のコントローラ内部での電圧降下など、送信側でも瞬時に対応を講じる必要がある場合には対応できないといった問題がある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、ホスト装置からクライアント装置へのデータ転送中にデータ転送を中断することを可能とするインターフェース装置を得ることを目的とする。
本発明に係るインターフェース装置は、ホスト装置とクライアント装置との間で通信路を介してデジタル信号を転送するインターフェース装置であって、該ホスト装置内に設けられ、該デジタル信号を送信するホストコントローラと、該クライアント装置内に設けられ、該ホストコントローラから送信されたデジタル信号を受信するクライアントコントローラとを備え、該ホストコントローラは、該デジタル信号を1組の差動信号に変換して該通信路に出力する2つ以上の差動ラインドライバと、該通信路で発生する、該1組の差動信号の差電圧を検出する1つ以上の通信路電圧検出手段とを有し、該通信路電圧検出手段の検出出力に基づいて該デジタル信号の送信を一時停止するよう構成されており、該クライアントコントローラは、該通信路からの1組の差動信号を受信して該デジタル信号に変換する2つ以上の差動ラインレシーバと、該通信路のインピーダンスを変換する1つ以上の通信路インピーダンス変換手段とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
本発明は、上記インターフェイス装置において、前記クライアント装置では、前記ホスト装置からのデジタル信号の処理状況に応じて、該ホスト装置に対して、該ホスト装置からのデジタル信号の転送の停止を要求するとき、前記クライアントコントローラは、前記通信路インピーダンス変換手段により、前記通信路のインピーダンスを変化させるようにしてもよい。
本発明は、上記インターフェース装置において、前記ホスト装置は、前記デジタル信号を前記ホストコントローラに出力するマイクロプロセッサを有し、該マイクロプロセッサは、送信するデジタル信号の種類に応じて、前記クライアント装置による中断要求禁止を指令する中断要求禁止信号を該クライアント装置に送信するよう構成されていてもよい。
本発明は、上記インターフェース装置において、前記ホスト装置は、前記デジタル信号を前記ホストコントローラに出力するマイクロプロセッサを有し、該マイクロプロセッサは、送信するデジタル信号の種類に応じて、前記クライアント装置による中断要求の解消を指令する中断要求解消信号を該クライアント装置に送信するよう構成されており、前記クライアントコントローラは、該マイクロプロセッサからの中断要求解消信号を受けたとき、該ホスト装置からのデジタル信号の転送の停止が無効となるよう、前記通信路インピーダンス変換手段により、前記通信路のインピーダンスを変化させてもよい。
本発明は、上記インターフェイス装置において、前記通信路は、一対の差動信号を送信するための一対の差動信号ラインを複数組有しており、各組の差動信号ラインの一端には、前記差動ラインドライバが一対の差動信号ラインに該一対の差動信号を出力するよう接続され、各組の差動信号ラインの他端には、前記差動ラインレシーバが一対の差動信号ラインから該一対の差動信号を受信するよう接続されていてもよい。
本発明は、上記インターフェース装置において、前記複数組の一対の差動信号ラインのうちの各組の一対の差動信号ラインは、終端抵抗により接続されており、該一対の差動信号ラインの他端に接続された前記差動ラインレシーバは、該一対の差動信号ラインの一端に接続された前記差動ラインドライバが該一対の差動信号ラインに出力する一定電流により該終端抵抗に発生する電位差を検出するようにしてもよい。
本発明は、上記インターフェース装置において、前記ホストコントローラを構成する通信路インピーダンス変換手段は、該ホストコントローラを構成する通信路電圧検出手段が接続されていない一対の差動信号ラインに接続されていてもよい。
本発明は、上記インターフェース装置において、前記クライアントコントローラを構成する通信路電圧検出手段は、前記ホストコントローラを構成する通信路インピーダンス変換手段が接続されている一対の差動信号ラインに接続されていてもよい。
本発明は、上記インターフェース装置において、前記ホストコントローラを構成する通信路インピーダンス変換手段は、前記終端抵抗と並列に接続された抵抗成分を生成するよう構成されていてもよい。
本発明は、上記インターフェース装置において、前記クライアントコントローラを構成する通信路インピーダンス変換手段は、該クライアントコントローラを構成する通信路電圧検出手段が接続されていない一対の差動信号ラインに接続されていてもよい。
本発明は、上記インターフェース装置において、前記ホストコントローラを構成する通信路電圧検出手段は、前記クライアントコントローラを構成する通信路インピーダンス変換手段が接続されている一対の差動信号ラインに接続されていてもよい。
本発明は、上記インターフェース装置において、前記クライアントコントローラを構成する通信路インピーダンス変換手段は、前記終端抵抗と並列に接続された抵抗成分を生成するよう構成されていてもよい。
本発明は、上記インターフェイス装置において、前記通信路インピーダンス変換手段は、前記一対の差動信号ライン間に接続され、導通状態と非導通状態とで切り替わるオンオフ機能を有する低インピーダンス回路により構成されていてもよい。
本発明は、上記インターフェース装置において、前記通信路インピーダンス変換手段は、前記一対の差動信号ラインの一方の差動信号ラインと電源との間に接続され、導通状態と非導通状態とで切り替わるオンオフ機能を有する第1の低インピーダンス回路と、該一対の差動信号ラインの他方の差動信号ラインと電源との間に接続され、導通状態と非導通状態とで切り替わるオンオフ機能を有する第2の低インピーダンス回路とから構成されていてもよい。
本発明は、上記インターフェース装置において、前記ホスト装置は、前記デジタル信号を前記ホストコントローラに出力するマイクロプロセッサを有し、前記ホストコントローラは、該マイクロプロセッサから出力されたデジタル信号をストローブ信号とデータ信号とに変換して出力する信号変換手段と、該信号変換手段から出力されたストローブ信号を、一対のストローブ差動信号に変換して、対応する一対のストローブ差動信号ラインに出力する第1の差動ラインドライバと、該信号変換手段から出力されたデータ信号を、一対のデータ差動信号に変換して、対応するデータ差動信号ラインに出力する第2の差動ラインドライバとを有し、前記クライアントコントローラは、該一対のストローブ差動信号ラインに出力された一対のストローブ差動信号を検出して、ストローブ信号を出力する第1の差動ラインレシーバと、該一対のデータ差動信号ラインに出力された一対のデータ差動信号を検出して、データ信号を出力する第2の差動ラインレシーバと、該第1および第2の差動ラインレシーバからのデジタル信号およびストローブ信号をデジタル信号に変換して、前記クライアント装置を構成する電子装置に出力する受信手段とを有していてもよい。
本発明は、上記インターフェース装置において、前記デジタル信号は、デジタル音声データとデジタル画像データとを含み、前記クライアント装置は、前記電子装置として、前記デジタル音声データに基づいて音声出力を行うスピーカと、画像を表示する液晶モジュールと、該液晶モジュールを前記デジタル画像データに基づいて画像表示を行うよう制御する液晶コントローラとを含んでいてもよい。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明においては、デジタル信号を送信するホストコントローラと、デジタル信号を受信するクライアントコントローラとを備え、ホストコントローラを、該デジタル信号を1組の差動信号に変換して通信路に出力する2つ以上の差動ラインドライバと、該通信路で発生する、該1組の差動信号の差電圧を検出する1つ以上の通信路電圧検出手段とを有し、該通信路電圧検出手段の検出出力に基づいて該デジタル信号の送信を一時停止する構成とし、該クライアントコントローラを、該通信路からの1組の差動信号を受信して該デジタル信号に変換する2つ以上の差動ラインレシーバと、該通信路のインピーダンスを変換する1つ以上の通信路インピーダンス変換手段とを有するものとしたので、クライアント装置では、クライアントコントローラからホストコントローラに情報を伝達可能となる。このため、クライアントコントローラ内部のメモリへの書き込みが間に合わなくなったりして、クライアント装置にてデータの受信を一時中断せざるを得ない情況が発生した場合には、直ちに、ホストコントローラにデータ転送の中断を要求することができる。
また、本発明においては、マイクロプロセッサは、送信するデジタル信号の種類に応じて、クライアント装置による中断要求禁止を指令する中断要求禁止信号を該クライアント装置に送信するよう構成されているので、ホスト装置は、送信するデジタルデータの種類に応じて、クライアント装置に対して、該クライアント装置からホスト装置に対するデータ転送の中断要求を行わないように指令するコマンドを、デジタル信号の送信前にクライアント装置に送ることができる。
また、本発明においては、マイクロプロセッサは、送信するデジタル信号の種類に応じて、クライアント装置による中断要求の解消を指令する中断要求解消信号を該クライアント装置に送信するよう構成されており、クライアントコントローラは、該マイクロプロセッサからの中断要求解消信号を受けたとき、該ホスト装置からのデジタル信号の転送の停止が無効となるよう、前記通信路インピーダンス変換手段により、前記通信路のインピーダンスを変化させるので、前記クライアントコントローラは、該マイクロプロセッサからの中断要求解消信号を受けたとき、データ信号の通信路のインピーダンスを、データ信号の送信可能な状態に変化させることで、ホスト装置からクライアント装置へのデータの送信を可能とできる。
本発明においては、ホストコントローラとクライアントコントローラとの間の通信路を構成する一対の差動ラインの各々のラインの間に、その終端抵抗と並列に、抵抗とトランジスタとの直列接続体を接続して、インピーダンス変更手段を構成しているので、簡単な回路構成で、一対の差動ラインの間の終端抵抗に並列接続の抵抗成分を形成することが可能となる。
本発明においては、通信路インピーダンス変換手段は、一対の差動信号ラインの一方の差動信号ラインと電源との間に接続され、導通状態と非導通状態とで切り替わるオンオフ機能を有する第1の低インピーダンス回路と、該一対の差動信号ラインの他方の差動信号ラインと電源との間に接続され、導通状態と非導通状態とで切り替わるオンオフ機能を有する第2の低インピーダンス回路とから構成されているので、一方のインピーダンス変換回路のみをオンしたり、両方のインピーダンス変換回路をオンしたりするといった切り替えにより、通信路のインピーダンスの値を複数設定することができ、クライアント装置側でのデータの処理状況に合わせて、データの転送の中断を強く要求する、データの転送の中断をホスト装置の事情が許せば行ってもらいたいといった要求をするといった切り替えが可能となる。
以上のように、本発明によれば、デジタル信号を送信するホストコントローラと、デジタル信号を受信するクライアントコントローラとを備え、ホストコントローラを、該デジタル信号を1組の差動信号に変換して該通信路に出力する2つ以上の差動ラインドライバと、該通信路で発生する、該1組の差動信号の差電圧を検出する1つ以上の通信路電圧検出手段とを有し、該通信路電圧検出手段の検出出力に基づいて該デジタル信号の送信を一時停止する構成とし、該クライアントコントローラを、該通信路からの1組の差動信号を受信して該デジタル信号に変換する2つ以上の差動ラインレシーバと、該通信路のインピーダンスを変換する1つ以上の通信路インピーダンス変換手段とを有するものとしたので、ホスト装置からクライアント装置へのデータ転送中にデータ転送を中断することが可能なインターフェース装置を得ることができる。
本発明によれば、上記インターフェース装置において、前記ホスト装置は、前記デジタル信号を前記ホストコントローラに出力するマイクロプロセッサを有し、該マイクロプロセッサは、送信するデジタル信号の種類に応じて、前記クライアント装置による中断要求禁止を指令する中断要求禁止信号を該クライアント装置に送信するよう構成されているので、データが喪失しても問題の無いデータ転送の場合に、ホストコントローラでは、データ送信をクライアント装置の事情で中断させられることなく、高速にデータを送信することが可能となる。
本発明によれば、上記インターフェース装置において、ホスト装置は、デジタル信号をホストコントローラに出力するマイクロプロセッサを有し、該マイクロプロセッサは、送信するデジタル信号の種類に応じて、前記クライアント装置による中断要求の解消を指令する中断要求解消信号を該クライアント装置に送信するよう構成されており、クライアントコントローラは、該マイクロプロセッサからの中断要求解消信号を受けたとき、該ホスト装置からのデジタル信号の転送の停止が無効となるよう、通信路インピーダンス変換手段により、通信路のインピーダンスを変化させるので、前記クライアントコントローラは、該マイクロプロセッサからの中断要求解消信号を受けたとき、データ信号の通信路のインピーダンスを、データ信号の送信可能な状態に変化させることで、ホスト装置からクライアント装置へのデータの送信を可能な状態に戻すことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1および図2は、本発明の実施形態1によるインターフェース装置を説明する図であり、図1は、本実施形態1のインターフェース装置を用いた最も一般的な携帯電話の主要構成を示している。また、図2は、この携帯電話におけるインターフェース装置の詳細な構成を示している。
本実施形態1の携帯電話10は、データ送信側装置としてのホスト装置110と、データ受信側装置としてのクライアント装置111とを有しており、これらのホスト装置110とクライアント装置111とは、有線の通信路SL,DLを用いたインターフェース装置102によりデータ転送が可能となるよう接続されている。また、この実施形態1では、このインターフェース装置102は、デジタルデータとしてのデジタル信号を、クロックなどのストローブ信号と、音声情報や画像情報などを含むデータ信号とに分けて、ストローブ信号とデータ信号とをそれぞれ一対の差動ラインにより転送するよう構成されている。
ここで、ホスト装置110は、高周波信号を受信するRFモジュール100と、RFモジュール100で受信した高周波信号を処理して映像データ、音声データなどのデジタルデータを出力するマイクロプロセッサ101とを有している。また、このホスト装置110は、該マイクロプロセッサ101にバス103を介して接続され、該マイクロプロセッサ101での信号処理などに用いられるメモリ104と、該マイクロプロセッサ101にバス103を介して接続され、ユーザによる情報入力を行うためのキーパッドおよび音声入力のためのマイクなどの入力デバイス105とを有している。また、ホスト装置110は、該マイクロプロセッサ101からのデジタルデータをデジタル信号としてクライアント装置111へ転送するホストコントローラ108を有している。
また、クライアント装置111は、ホストコントローラ108からデジタル信号として転送されてきたデジタルデータを受信し、該デジタルデータに含まれる音声データや画像データを出力するクライアントコントローラ109と、該クライアントコントローラで受信された音声データに基づいて音声出力を行うスピーカ103と、画像表示を行う液晶表示モジュールと、該クライアントコントローラ109で受信された画像データに基づいて該液晶表示モジュール107をこれが画像表示を行うよう制御する液晶コントローラ106とを有している。
この実施形態1の携帯電話10は、その構成部品を実装するための、上下に重ねて配置された2つの基板110aおよび111aを有しており、それらの下側に位置する下基板110aには、該ホスト装置110を構成する、RFモジュール100、マイクロプロセッサ101、メモリ104、キーパッドおよびマイクなどの入力デバイス105、およびホストコントローラ108が実装されている。また、上記2つの基板のうちの上側に位置する上基板111aには、上記クライアント装置111を構成する、クライアントコントローラ109、スピーカ103、液晶コントローラ106、および液晶モジュール107が実装されている。
ここで、ホストコントローラ108およびクライアントコントローラ109は、下基板110に実装された電子部品と上基板111に実装された電子部品とを接続するインターフェース装置(通信手段)102を構成しており、本発明の特徴は、このインターフェース装置にある。
ところで、折りたたみ型機構やスライド型機構をもつ携帯電話では、ヒンジ部(上基板と下基板のつなぎ目)での信号線の本数をいかに減らし可動部の自由度を確保するかが大きな課題となっているが、本発明の実施形態1のインターフェース装置102によれば、ストローブ信号に対応する1組の差動ラインと、データ信号に対応する1組の差動ラインとを用いて、合計4本の信号線でデータを送受信することが可能となる。また、実際には、これらの4本の信号線のほかに、電源ライン2本(高電位側電源ラインであるVDDライン、低電位側電源ラインであるGNDライン)が必要であるが、高々6本の信号線で、ヒンジ部での通信路を構成可能となり、本発明に係るインターフェース装置は、従来のマイクロプロセッサのバス信号を接続する方式で、信号線を20本以上用いていた場合に比べて有利なものである。
このヒンジ部での具体的な配線の構成、さらに、如何にして、従来20本以上の信号線が該ヒンジ部に必要であったものが今や4本足らずで実現できるようになるかは、特許文献1の記載のとおりであり、本発明の言及するところではないので、ここでは割愛し、以下、本発明の課題およびその解決法を具体的に説明する。
例えば、ホストコントローラ108から連続して画像データをクライアントコントローラ109に送信する場合に、クライアント装置111における液晶コントローラ106や液晶モジュール107がその速度に追従できない場合が発生し、それを解決するために、従来は、クライアントコントローラ109に大きなメモリを装備するという構成を取っている。この従来の構成では、一時記憶メモリに必要とされる容量が増大し、コストアップにつながり、また、電圧降下など送信側でも瞬時に対応を講じる必要がある場合に対応できないという課題がある。
本発明は、このような課題を、メモリを装備せず、安価に解決する手法を提供しており、以下、このような課題を解決した、本発明の実施形態としての具体的なインターフェース装置の構成例を図2を用いて説明する。
図2は、図1に示す携帯電話を構成するインターフェース装置(通信手段)102の詳細な構成を示している。
このインターフェース装置102は、ホスト装置110を構成するホストコントローラ108と、クライアント装置111を構成するクライアントコントローラ109とを有し、ホストコントローラ108からクライアントコントローラ109にストローブ信号220とデータ信号221とを転送するものである。なお、ストローブ信号はクロック信号などの周期的に変化するタイミング信号であり、データ信号は、マルチメディアデジタルデータとして画像情報や音声情報などを含むものである。
ホストコントローラ108は、マイクロプロセッサ101から出力されるデジタルデータ101aをストローブ信号220とデータ信号221とに変換する送信手段200と、該送信手段200からのストローブ信号220を一対の差動ライン信号220aおよび220bに変換して、ストローブ信号の通信路SLを構成する一対の差動ストローブラインSL1およびSL2に出力する第1の差動ラインドライバ201と、該送信手段200からのデータ信号221を一対の差動ライン信号221aおよび221bに変換して、データ信号の通信路DLを構成する一対の差動データラインDL1およびDL2に出力する第2の差動ラインドライバ202とを有している。ここで、一対の差動ストローブラインSL1およびSL2間には、ストローブ差動ライン終端抵抗210が接続されており、また、一対の差動データラインDL1およびDL2間には、データ差動ライン終端抵抗211が接続されている。ここでは、上記終端抵抗210および211の抵抗値はそれぞれ100Ω(オーム)としている。
また、このホストコントローラ108は、上記一対の差動データラインDL1およびDL2に接続され、この一対の差動データラインにより構成される通信路の電圧を検出する通信路電圧検出手段203と、一対の差動ストローブラインSL1およびSL2に接続され、この差動ストローブラインにより構成される通信路のインピーダンスを変換するインピーダンス変換手段204とを有している。ここで、インピーダンス変換手段204は、上記一対の差動ストローブラインSL1およびSL2間に直列に接続されたNMOSトランジスタ204aおよびインピーダンス調整抵抗204bを有し、送信手段200からの制御信号204cにより該NMOSトランジスタ204aのスイッチングが行われるよう構成されている。ここでは、インピーダンス変換手段204を構成する抵抗204bの抵抗値は、10Ω(オーム)としている。
また、上記通信路電圧検知手段203は、差動データライン221aおよび221bでの電圧差が125mV以下の電圧しかない場合、クライアントコントローラ109からウェイト信号が送信されていると判断し、送信手段200に通信停止信号222を出力するよう構成されている。なお、この通信路電圧検出手段203は一般的な差動増幅器と同様な構成を有している。
上記送信手段200は、この通信停止信号222を受けると、ただちに送信を停止し、同時にマイクロコントローラ101にも通信停止信号101bを出力するよう構成されている。マイクロコントローラ101は、この通信停止信号101bを受けると、送信を停止するよう構成されている。このようにマイクロコントローラ101が送信を停止した状態(以下、アボート状態ともいう。)では、通信は一切行われない。
また、上記送信手段200は、マイクロプロセッサから、その動作が停止したことを示す信号を受け、ホストコントローラ側のインピーダンス変換手段204を制御する。これにより、ホスト装置110のマイクロプロセッサ101が送信動作を停止したことが、通信手段200により通信路SLを介して、クライアント装置111のスピーカ103や液晶コントローラ106に通知されることとなる。
一方、クライアントコントローラ109は、上記一対の差動ストローブラインSL1およびSL2に接続され、この一対の差動ストローブラインからの差動ライン信号220aおよび220bを受け、ストローブ信号205aに変換する第1の差動ラインレシーバ205と、一対の差動データラインDL1およびDL2に接続され、該一対の差動データラインからの差動ライン信号221aおよび221bを受け、データ信号206aを出力する第2の差動ラインレシーバ206とを有している。
また、クライアントコントローラ109は、上記一対の差動ストローブラインSL1およびSL2に接続され、この一対の差動ストローブラインにより構成される通信路SLの電圧を検出する通信路電圧検出手段207と、上記一対の差動データラインDL1およびDL2に接続され、この一対の差動データラインにより構成される通信路DLのインピーダンスを変換するインピーダンス変換手段209と、該第1の差動ラインレシーバ205からのストローブ信号205aおよび第2の差動ラインレシーバ206からのデータ信号206aとに基づいてデジタルデータ208aを出力する受信手段208とを有している。
ここで、また、上記受信手段208は、スピーカ103や液晶コントローラ106からウェイト信号208bが入力されるようになっており、受信手段208は、ウェイト信号208bに基づいてインピーダンス変換手段209に制御信号208cを出力する構成となっている。上記インピーダンス変換手段209は、上記一対の差動データラインDL1およびDL2間に直列に接続されたNMOSトランジスタ209aおよびインピーダンス調整抵抗209bを有し、受信手段208からの制御信号208cにより該NMOSトランジスタ209aのスイッチングが行われるよう構成されている。なお、上記第1および第2の差動ラインレシーバ205および206、並びに、通信路電圧検出手段207は、一般的な差動増幅器と同様な構成を有している。
なお、上記2つのペア信号(一対の差動ライン信号)を出力する差動ラインドライバ201および202はいずれも、電流駆動方式と呼ばれる。
図3は、上記差動ラインドライバ202の具体的構成を説明する図であり、差動ラインドライバ202の等価回路を示している。
この差動ラインドライバ202は、VDDノードPとGNDノードGとの間に直列に接続された第1のNMOSトランジスタ22bおよび第1のPMOSトランジスタ22cと、電源ノードPと接地ノードGとの間に直列に接続された第2のNMOSトランジスタ22dおよび第2のPMOSトランジスタ22eと、該第1のNMOSトランジスタ22bのゲートと第1のPMOSトランジスタ22cのゲートとの間に接続されたインバータ22aとを有し、該インバータ22aの入力とNMOSトランジスタ22bのゲートとの共通接続ノードにデータ信号(DATA)221が入力され、トランジスタ22dおよび22eの接続ノードN2とトランジスタ22bおよび22cの接続ノードN1とから、一対の差動ライン信号(DATA+)221aおよび(DATA−)221bが出力されるようになっている。
なお、差動ラインドライバ201も図3に示す差動ラインドライバ202と同一の回路構成となっている。
次に動作について説明する。
本実施形態1の携帯電話10では、データ転送元装置としてのホスト装置110が、画像情報や音声情報を含む送信信号を受信し、受信した送信信号に対する信号処理を行い、この送信信号の信号処理により得られたデジタルデータが、デジタル信号としてデータ転送先装置としてのクライアント装置111に転送される。クライアント装置では、デジタル信号として転送されてきたデジタルデータに基づいて、画像表示および音声出力が行われる。
つまり、上記ホスト装置110では、RFモジュール100が高周波信号を受信すると、マイクロプロセッサ101では、RFモジュール100で受信した高周波信号が処理され、映像データ、音声データなどのデジタルデータが、インターフェース装置102に供給される。ここで、マイクロプロセッサ101は、データバス103を介してメモリー104、およびキーパッド、マイク等を含む入力デバイス5に接続されており、ユーザ操作に応じて、メモリ104などを用いて、受信した高周波信号の処理を行う。
インターフェース装置102では、マイクロプロセッサ101からデジタルデータが供給されると、ホストコントローラ108が、デジタルデータをデジタル信号としてクライアント装置111へ転送する。
クライアント装置111では、クライアントコントローラ109がホストコントローラ108からデジタル信号として転送されてきたデジタルデータを受信し、デジタルデータから得られた画像データを液晶コントローラ106に出力し、また、このデジタルデータから得られた音声データをスピーカ103に出力する。スピーカ103は、該クライアントコントローラ109で受信された音声データに基づいて音声出力を行い、液晶コントローラ106は、該クライアントコントローラ109で受信された画像データに基づいて該液晶表示モジュール107をこれが画像表示を行うよう制御する。
以下、このようにホスト装置110とクライアント装置111との間で行われる、インターフェース装置102によるデータ転送動作について詳しく説明する。
まず、インターフェース装置102におけるホストコントローラ108では、送信手段200は、図1に示すマイクロプロセッサ101から出力されるデジタルデータ101aを、クロック信号などのストローブ信号220とデジタルデータの情報を含むデータ信号221に変換し、ストローブ信号220をストローブ差動ラインドライバ(以下、単に差動ラインドライバともいう。)201に出力し、データ信号をデータ差動ラインドライバ(以下、単に差動ラインドライバともいう。)202に出力する。
このような送信手段200での信号処理は、従来技術でもよく採用されている、デジタルデータ101aのパラレル−シリアル変換処理である。
送信手段200から出力されたストローブ信号220が差動ラインドライバ201に出力されると、この差動ラインドライバ201では、ストローブ信号220に基づいて一対の差動ライン信号であるSTRB+信号220aおよびSTRB−信号220bが生成される。
同様に、送信手段200から出力されたデータ信号221が差動ラインドライバ202に出力されると、この差動ラインドライバ202では、データ信号221に基づいて差動ライン信号であるDATA+信号221aおよびDATA−信号221bが生成される。
そして、各差動ラインドライバ201、202で生成された差動ライン信号220a、220bおよび差動ライン信号221a、221bが、差動ストローブラインSL1、SL21および差動データラインDL1、DL2に出力されると、図2に示す回路から分かるように、終端抵抗210には、差動ストローブラインSL1およびSL2を流れる電流差に応じた電圧差が現れ、差動ラインレシーバ205はその電圧差に応じた信号レベル205aを検知して出力する。また、終端抵抗211には、差動データラインDL1およびDL2を流れる電流差に応じた電圧差が現れ、差動ラインレシーバ206はその電圧差に応じた信号レベル206aを検知して出力する。
ここで、上記各一対の差動ラインに現れる電圧差は終端抵抗210、211の抵抗値で決められ、本実施形態では、その抵抗値を100Ωとしており、この抵抗値をインピーダンス変換手段204および209により制御することで、差動ラインに現われる電圧差を調整することが可能となる。
こうして、それぞれ一対の差動ライン信号として送信されたストローブ信号205aおよびデータ信号206aは、差動ラインレシーバ205および206にて受信されて増幅され、受信手段208にてシリアル−パラレル変換が行われてデジタルデータ208aが出力される。
このパラレル変換により得られたデジタルデータ208aは、図1に示すスピーカ103および液晶コントローラ106に音声データおよび画像データとして送信される。
これまでの動作の説明では、信号の流れが、マイクロプロセッサから液晶コントローラやスピーカ103へ一方通行である場合のデータ送信について説明したが、これは、通常、ホスト装置110からクライアント装置111へデジタルデータが転送される動作である。
以下に、信号の流れが、液晶コントローラやスピーカ103からマイクロプロセッサへの流れとなる、データ転送アボート動作について説明する。
クライアントコントローラ109は、一対の差動データライン221aおよび221bに接続されたインピーダンス変換手段209を有しているので、受信手段208にスピーカ103や液晶コントローラ106からウェイト信号208bが入力されたとき、受信手段208は、ウェイト信号208bに基づいてインピーダンス変換手段209を制御する。
このようにウエイト信号208bが上記受信手段208に入力されることで、クライアントコントローラ109にその周辺機器からウェイトが掛かると、受信手段208からの制御信号208cによりインピーダンス変換手段209内のトランジスタ209aがオンし、一対の差動データラインDL1およびDL2に、上記終端抵抗211と並列接続の抵抗成分が現れ、データ通信路DL自体のインピーダンスが下がる。
具体的には、インピーダンス変換手段209内では、インピーダンス調整抵抗209bとして10オームの抵抗を接続しているため、通信路DLの一対の差動ラインDL1およびDL2間のインピーダンスは、1/((1/100)+(1/10))≒9.1Ωとなり、前記トランジスタ209aのオフ時の抵抗値100Ωに比べ極端に小さくなる。
このインピーダンスが100Ωの時に差動データラインDL1およびDL2には電流値として250mVが現れる。つまり第2の差動ラインドライバ202を構成するトランジスタのON電流は2.5mAである。この値は変わらないので、終端抵抗が約9Ωになると、差動データライン終端抵抗211に現れる電圧は、23mV程度となる。
一方、ホストコントローラ210では、一対の差動データライン221aおよび221bに通信路電圧検知手段203が接続されているので、通信路電圧検出手段222が一対の差動データライン221aおよび221b間の電圧差の変化を検知する。
本実施形態では、通信路電圧検知手段203は、差動データライン221aおよび221bの間の電圧差が125mV以下の電圧しかない場合、クライアントコントローラ109からウェイト信号が送信されていると判断し、送信手段200に通信停止信号222を出力する。
この通信停止信号222を受けた送信手段200はただちに送信を停止し、同時にマイクロプロセッサ101にも通信停止信号101bを出力する。
マイクロプロセッサ101は、この通信停止信号101bを受けると、デジタルデータの送信を停止する。このようにマイクロプロセッサ101が送信を停止した状態(アボート状態)では、通信は一切行われない。
また、ホスト装置110のマイクロプロセッサ101が送信動作を停止したことを、クライアント装置111のスピーカ103や液晶コントローラ106に知らせる必要があり、マイクロプロセッサ101は、インターフェース装置102を介してその通知を行う。
ホスト装置110の送信手段200は、マイクロプロセッサ101からその動作が停止したことを示す信号を受け、ホストコントローラ側のインピーダンス変換手段204を制御する。このインピーダンス変換手段204は、上述したクライアントコントローラ109に内蔵しているインピーダンス変換手段209と同じ回路構成を有するものであり、インピーダンス変換手段204のトランジスタ204aがオンすることで、同様に、差動ストローブライン220aおよび220bの間の終端抵抗210と並列接続の抵抗成分が現われる。これにより、差動ストローブライン220aおよび220bの間の電圧差が急激に小さくなり、この変化をクライアントコントローラ109に内蔵されている通信路電圧検知手段207が感知し、受信手段208に停止検知信号207aを出力する。受信手段208は、停止検知信号207aを受信すると、スピーカ103や液晶コントローラ106に停止信号208aを出力する。
本実施形態のように、クライアント装置111の液晶コントローラ109は、該液晶コントローラ106の内部にメモリを持ち、インターフェース装置を介して送信される画像データを液晶に表示するが、上記のような機能は、通信速度が液晶コントローラ109内のメモリの容量に相等する速度を追い越した場合に、マイクロプロセッサ101がクライアント装置111からの中断要求を認識し、データ転送を停止、その旨を液晶コントローラ106に知らせ、液晶コントローラ106が、メモリがあふれる前までのデータを表示しながら、次に送られてくるデータに対する準備を行うといった一連のハンドシェークを確立するものである。
このように本実施形態では、ホスト装置110とクライアント装置111との間で通信路を介してデジタル信号を転送するインターフェース装置102において、ホスト装置110からデジタル信号を送信するホストコントローラ102と、このデジタル信号を受信するクライアントコントローラ109とを備え、ホストコントローラ102を、デジタル信号を送信手段200によりストローブ信号とデータ信号とに変換し、データ信号221を差動ラインドライバ202により一対の差動データ信号221aおよび221bに変換して一対の差動ラインDL1およびDL2に出力するよう構成し、しかも、クライアントコントローラでは、該差動ラインDL1およびDL2が形成する通信路のインピーダンスを変換するインピーダンス変換手段209を設け、ホストコントローラ102で、この通信路のインピーダンスの変化を検出するようにしたので、クライアント装置では、クライアントコントローラからホストコントローラに情報を伝達可能となる。
このため、クライアントコントローラ内部のメモリへの書き込みが間に合わなくなったりして、クライアント装置で、データの受信を一時中断せざるを得ない情況が発生した場合には、直ちに、ホストコントローラにデータ転送の中断を要求することができる。
また、本実施形態では、ホストコントローラ108を、上記ストローブ信号220を差動ラインドライバ201により一対の差動データ信号220aおよび220bに変換して一対の差動ラインSL1およびSL2に出力し、該差動ラインSL1およびSL2が形成する通信路SLのインピーダンスを、インピーダンス変換手段204により変更するよう構成し、クライアントコントローラ109で、この通信路SLのインピーダンスの変化を検出するようにしたので、ホスト装置では、ホストコントローラ108からクライアントコントローラ109に情報を伝達可能となる。
このため、ホスト装置は、送信するデジタルデータの種類に応じて、クライアント装置に対して、該クライアント装置からホスト装置に対するデータ転送の中断要求を行わないように指令するコマンドを、デジタル信号の送信前にクライアント装置に送ることができる。
このような構成のインターフェース装置は、上記実施形態で説明したインターフェース装置において、前記マイクロプロセッサを、送信するデジタル信号の種類に応じて、前記クライアント装置による中断要求禁止を指令する中断要求禁止信号を該クライアント装置に送信するよう構成することにより実現できる。
さらに、本実施形態によるインターフェース装置102では、データ信号を送信する通信路DLのインピーダンスを変更する手段209をクライアントコントローラ109に設け、データ信号を送信する通信路DLのインピーダンスの変化を検出する手段203をホストコントローラ108に設けるとともに、ストローブ信号を送信する通信路SLのインピーダンスを変更する手段204をホストコントローラ109に設け、ストローブ信号を送信する通信路SLのインピーダンスの変化を検出する手段207をクライアントコントローラ109に設けているので、データ信号の送信が中断されている、データ信号の通信路DLのインピーダンスが低い状態で、ストローブ信号の通信路により、クライアント装置による中断要求の解消を指令する中断要求解消信号を該クライアント装置に送信することができる。この場合、前記クライアントコントローラは、該マイクロプロセッサからの中断要求解消信号を受けたとき、該ホスト装置からのデジタル信号の転送の停止が無効となるよう、前記通信路インピーダンス変換手段により、データ信号の通信路のインピーダンスを、データ信号の送信可能な状態に変化させることで、ホスト装置からクライアント装置へのデータの送信を再開させることができる。
このような構成のインターフェース装置は、上記実施形態1のインターフェース装置において、該マイクロプロセッサを、送信するデジタル信号の種類に応じて、前記クライアント装置による中断要求の解消を指令する中断要求解消信号を該クライアント装置に送信するよう構成し、前記クライアントコントローラを、該マイクロプロセッサからの中断要求解消信号を受けたとき、該ホスト装置からのデジタル信号の転送の停止が無効となるよう、通信路インピーダンス変換手段により、データ信号の通信路のインピーダンスを変化させるよう構成することで実現できる。
また、上記のように、ホストコントローラからクライアントコントローラへの情報の伝達を、ストローブ信号の通信路のインピーダンスを変化させることで行うインターフェース装置では、データ信号の通信路によるデータ信号の転送を中断した後に、ホストコントローラからクライアントコントローラに対し、データ信号の転送を中断する旨を連絡可能であり、この場合、連絡を受けたクライアントコントローラは、転送を中断されたデータの次のデータを受信するための処理に移行することができる。
本実施形態では、ホストコントローラとクライアントコントローラとの間の通信路を構成する一対の差動ラインの各々のラインの間に、その終端抵抗と並列に、抵抗とトランジスタとの直列接続体を接続して、インピーダンス変更手段を構成しているので、簡単な回路構成で、一対の差動ラインの間の終端抵抗に並列接続の抵抗成分を形成することが可能となる。
なお、上記インピーダンス変更手段は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、例えば、図4(a)および(b)に示すものでもよい。
図4(a)に示すインピーダンス変更手段は、データ信号を転送する一対の差動ラインDL1およびDL2の一方のラインDL1と接地ラインとの間に、NMOSトランジスタ311aとインピーダンス調整抵抗311bとを直列に接続してなる第1のインピーダンス変換回路311と、該一対の差動ラインDL1およびDL2の他方のラインDL2と接地ラインとの間に、NMOSトランジスタ312aとインピーダンス調整抵抗312bとを直列に接続してなる第2のインピーダンス変換回路312とから構成されている。
このような構成のインピーダンス変更手段では、一方のインピーダンス変換回路のみをオンしたり、両方のインピーダンス変換回路をオンしたりするといった切り替えにより、通信路のインピーダンスの値を複数設定することができ、クライアント装置側でのデータの処理状況に合わせて、データの転送の中断を強く要求する、データの転送の中断をホスト装置の事情が許せば行ってもらいたいといった要求をするといった切り替えが可能となる。
図4(b)に示すインピーダンス変更手段は、データ信号を転送する一対の差動ラインDL1およびDL2の一方のラインDL1と電源ラインとの間に、NMOSトランジスタ321aとインピーダンス調整抵抗321bとを直列に接続してなる第1のインピーダンス変換回路321と、該一対の差動ラインDL1およびDL2の他方のラインDL2と電源ラインとの間に、NMOSトランジスタ322aとインピーダンス調整抵抗322bとを直列に接続してなる第2のインピーダンス変換回路322とから構成されている。
このような構成のインピーダンス変更手段においても、図4(a)に示すインピーダンス変更手段と同様の効果が得られる。
さらに、図4(a)に示すインピーダンス変換手段の構成と、図4(b)に示すインピーダンス変換手段の構成を使い分けることで、差動ラインドライバ206の内部回路との関係で、データ信号の通信路のインピーダンスを変更したときの値が異なる場合は、ホスト装置で、この値を予め記録しておくことで、クライアント装置からホスト装置に対するデータの転送要求に種々のバリエーションを持たせることができる。
図4(a)に示すインピーダンス変換手段の構成を用いている場合は、クライアント装置の状況を重視してデータの転送を中断し、図4(b)に示すインピーダンス変換手段の構成を用いている場合は、ホスト装置の状況を重視してデータの転送を中断するといったことが可能となる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。