本発明は、電解水注出装置に関する。図1には、本発明の一実施形態に係る電解水注出装置A、および、当該電解水注出装置Aに連結されて電解生成水の供給源として機能する電解水生成装置Bを示している。また、図2には、当該電解水生成装置Bの構成を概略的に示し、図3〜図6には、当該電解水注出装置Aを示している。
当該電解水注出装置Aは、洗面台Cにおける手洗い用シンクC1の上方の起立壁部C2に取付けられていて、互いに連結されている当該電解水生成装置Bにて生成される各電解生成水を手洗い用シンクC1内へ注出すべく機能する。当該電解水生成装置Bは、自ら生成した各電解生成水を当該電解水注出装置Aに導入するものであり、当該電解水注出装置Aの説明に先立って詳細に説明する。
当該電解水生成装置Bは、各構成部品を収納するケースに収納してなる装置本体B1と、電解生成酸性水を貯溜する第1の貯溜タンクB2と、電解生成アルカリ性水を貯溜する第2の貯溜タンクB3にて構成されている。装置本体B1は、支持台Dの中央部に設置されて取付けられている。また、第1の貯溜タンクB2は支持台Dにおける装置本体B1に向かって右側に設置されて取付けられ、第2の貯溜タンクB3は支持台Dにおける装置本体B1に向かって左側に設置されて取付けられている。
装置本体B1を構成する主たる構成部品は、図2に示すように、ケース本体11内に収納されている軟水器21、塩水タンク22、一対の電解槽23,24、および、中和槽25であって、これらの各構成部品はケース本体11内にて水系管路によって適宜接続されている。ケース本体11は、前側開口部を開閉扉12によって開閉可能に閉鎖されている。ケース本体11の下方の前部には、アウタカバー13が嵌合して取付けられている。開閉扉12には、その前面側に操作パネル14が配設されている。
装置本体B1を構成する各電解槽23,24は有隔膜電解槽であって、槽本体は隔膜にて区画された一対の電解室を備えている。各電解室は、電解運転が所定時間経過した時点で、その極性を正負反転するように制御され、陽極側電解室が陰極側電解室に切換えられるとともに、陰極側電解室が陽極側電解室に切換えられるように構成されている。
電解槽23,24を構成する各電解室の上流側には、被電解水の供給管路31a,31bが接続されており、各電解室の下流側には、各電解室にて生成される電解生成水を流出する流出管路32a,32b、33a,33bがそれぞれ接続されている。各流出管路32a,32bは切換弁41aを介して導入管路32c,32dに接続されており、各流出管路33a,33bは切換弁41bを介して導入管路33c,33dにそれぞれ接続されている。
電解槽23側に接続されている導入管路32cは、第1の貯溜タンクB2の側部上方に接続されていて、導入管路32cには、電解槽24側に接続されている導入管路33cが接続されている。また、電解槽23側に接続されている導入管路32dは、第2電解生成水槽24側に接続されている導入管路33dに接続されていて、導入管路33dは第2の貯溜タンクB3の側部上方に接続されている。
電解槽23側の導入管路32cは、電解生成酸性水の専用の導入管路であって、各電解槽23,24の陽極側電解室にて生成される電解生成酸性水を、第1の貯溜タンクB2内に導入すべく機能する。また、電解槽24側の導入管路33dは、電解生成アルカリ性水の専用の導入管路であって、各電解槽23,24の陰極側電解室にて生成される電解生成アルカリ性水を、第2の貯溜タンクB3内に導入すべく機能する。
各電解槽23,24においては、電解運転時、電解運転が設定された所定の時間継続された時点で、各電解室の極性を正負反転させる制御がなされるが、これと同期して、各切換弁41a,41bが切換動作して、電解槽23側の各流出管路32a,32bと各導入管路32c,32dとの接続関係が変更されるとともに、電解槽24側の各流出管路33a,33bと各導入管路33c,33dとの接続関係が変更される。
これにより、各電解槽23,24の各陽極側電解室にて生成される電解生成酸性水は、常に、導入管路32cを通って第1の貯溜タンクB2に導入され、また、各電解槽23,24の各陰極側電解室にて生成される電解生成アルカリ性水は、常に、導入管路33dを通って第2の貯溜タンクB3内に導入されることになる。
各電解槽23,24に供給される被電解水は、軟水器21を通って軟水化された原水に塩水タンク22から設定された量の塩水を、パルスポンプ42aにて供給することによって調製される。水道管等の給水源に接続されている給水管路34には、減圧弁43aおよび軟水器21が介装されていて、給水管路34の分岐管路部が塩水タンク22に接続されている。分岐管路部には、開閉弁43bが介装されている。
塩水タンク22は、被電解水を調製するための濃塩水をタンク内で調製するもので、調製された濃塩水は、塩水供給管路35を通して給水管路34に供給される。塩水タンク22内には、常時、例えば食塩等の塩が収容されていて、給水管路34から供給される原水によって、飽和食塩水等の飽和塩水が調製される。当該飽和塩水は、被電解水を調製するために、給水管路34内に供給される。塩水タンク22は、塩水供給管路35を介して給水管路34の途中に接続されていて、塩水の供給管路35には、パルスポンプ42aが介装されている。
当該水系管路においては、給水管路34内に軟水化された原水が設定された所定の流量で流動し、流動する原水に塩水タンク22にて調製された所定の高濃度の塩水が、パルスポンプ42aにて設定された所定量継続して供給される。これにより、給水管路34内にて被電解水(設定された所定濃度の希薄塩水)が調製され、調製された被電解水は、被電解水の供給管路31a,31bを通って各電解槽23,24に供給される。各電解槽23,24に供給された被電解水は、各電解槽23,24を流動する間に、各電解槽23,24の電解室内にて有隔膜電解される。
なお、当該電解水生成装置Bにおいては、各電解槽23,24を同時に電解運転することができるとともに、各電解槽23,24のいずれか一方を選択して電解運転することができる。このため、被電解水の供給管路31a,31bには、開閉弁43c,43dがそれぞれ介装されていて、各電解槽23,24を同時に電解に供する場合には、各開閉弁43c,43dを開いた状態として、各電解槽23,24に被電解水を同時に供給し得るようにする。また、各電解槽23,24のいずれか一方の電解槽を電解に供する場合には、各開閉弁43c,43dのいずれか一方の開閉弁を開いた状態として、一方の電解槽にのみ被電解水を供給し得るようにする。
当該電解水生成装置Bが有する中和槽25は、寒水石等の中和剤が収容されているもので、余剰の電解生成酸性水を中和処理して、塩素ガスが発生しない中性の処理済み液として排水すべく機能する。中和槽25には、各貯溜タンクB2,B3が有するオーバーフローパイプb1,b2に接続する流出管路36a,36bが接続されている。これにより、第1の貯溜タンクB2内にてオーバーフローパイプb1を通ってオーバーフローする電解生成酸性水は流出管路36aを通って中和槽25内に流入し、中和槽25内の中和剤にて中和処理されて、中性の処理済み液として排水管路36cを通って排水される。
また、第2の貯溜タンクB3内にて、オーバーフローパイプb2を通ってオーバーフローする電解生成アルカリ性水は、流出管路36bを通って中和槽25内に流入するが、中和槽25内では中和剤とは反応することなく、そのままの状態で排水管路36cを通って排水されることになる。
当該電解水生成装置Bにおいては、第1の貯溜タンクB2内に貯溜されている電解生成酸性水は第1注出管路37aを通して注出されて、第1注出管路37aに接続されている第1導入管路38aを通して、洗面台Cに配設されている電解水注出装置Aに導入されるようになっている。また、第2の貯溜タンクB3内に貯溜されている電解生成アルカリ性水は第2注出管路37bを通して注出されて、第2注出管路37bに接続されている第2導入管路38bを通して、洗面台Cに配設されている電解水注出装置Aに導入されるようになっている。
第1注出管路37aは、第1の貯溜タンクB2の下方の前側部にて接続されていて、ケース本体11の下方の前側部に沿って延びてケース本体11の下方の前側部を貫通し、ケース本体11の底部に沿って後方に延び、後方にて、ケース本体11内を上方に延びてケース本体11の上方の右側部に設けた吐出口部に接続されている。吐出口部には、当該電解水生成装置の設置時に、第1導入管路38aが接続される。また、第2注出管路37bは、第2の貯溜タンクB3の下方の前側部に接続されていて、ケース本体11の下方の前側部に沿って延びてケース本体11の下方の前側部を貫通し、ケース本体11の底部に沿って後方に延び、後方にて、ケース本体11内を上方に延びてケース本体11の上方の左側部に設けた吐出口部に接続されている。当該吐出口部には、当該電解水生成装置Bの設置時に、第2導入管路38bが接続される。
しかして、第1注出管路37aには、注出ポンプ42bと開閉弁43eが介装されており、また、第2注出管路37bには、注出ポンプ42cと開閉弁43fが介装されている。当該電解水生成装置Bにおいては、第1注出管路37aの開閉弁43eを開いた状態で、注出ポンプ42bを駆動すれば、第1の貯溜タンクB2内に貯溜する電解生成酸性水が第1注出管路37aを通って注出されて消費者に供される。また、第2注出管路37bの開閉弁43fを開いた状態で、注出ポンプ42cを駆動すれば、第2の貯溜タンクB3内に貯溜する電解生成アルカリ性水が第2注出管路37bを通って注出されて消費者に供される。
当該電解水生成装置Bにおいては、各注出ポンプ42b,42cは、第1注出管路37a,37bにおけるケース本体11内の部位に介装されており、各開閉弁43e,43fは、各注出管路37a,37bにおけるケース本体11の下方の前側部に沿って延びる部位の中間部に介装されている。各開閉弁43e,43fは、レバーの回動操作により開閉するレバー回動式の開閉弁であって、レバーが管路部の頂部に位置するように介装されている。
このため、開閉弁43e,43fのレバーを管路部の頂部にて水平に回動操作すれば、開閉弁43e,43fを開閉することができる。当該電解水生成装置Bでは、当該レバーが管路部に沿う平行位置にある状態が開閉弁43e,43fが開いている状態に設定されていて、当該レバーを回動して管路部に対して略直交する交差状態にした状態で開閉弁43e,43fが閉じるようになっている。各注出管路37a,37bのおける開閉弁43e,43fが介装されている管路部は、ケース本体11における下方の前側部に脱着可能に嵌合させたアンダカバー13にて覆蓋されて保護されている。
当該電解水生成装置Bは、図示しない制御装置を装備している。当該制御装置は、当該電解水生成装置Bの電解運転、各貯溜タンクB2,B3内への各電解生成水の導入、各貯溜タンクB2,B3からの各電解生成水の注出、および、中和槽25における中和処理を制御することを基本構成としている。制御装置はマイクロコンピュータであって、CPUおよび駆動回路を備えている。
制御装置は、開閉扉12の前面側に設けた操作パネル14に配設されている操作スイッチ、押しボタン等の操作によって、電解指令、注出指令、中和剤等の補充指令等を受けて、電解運転、注出運転等の制御を行い、また、中和剤等の補充を認知させるべく警告ランプを点滅させる。当該制御装置は、以上の機能を備えることを基本構成としている。
制御装置は、電解運転時には、パルスポンプ42aを駆動して給水管路34内を流動する軟水化された原水に、設定された濃度の高濃度塩水を設定された量だけ継続して供給して、設定された濃度の希薄塩水(被電解水)を調製する。また、制御装置は、電解運転時、運転者の電解モードの選択の指令に基づき開閉弁43c,43dを開閉動作して、各電解槽23,24の同時の電解運転と、各電解槽23,24のいずれか一方の選択的な電解運転との電解モードを選択する。
制御装置は、電解運転時、電解槽23,24の各電解室の極性の正負反転の指令に基づき、各電解室のうち、陽極側電解室を陰極側電解室に、陰極側電解室を陽極側電解室に変更し、これに同期して、切換弁41a,41bを切換動作させる。これにより、制御装置は、電解槽23,24の陽極側電解室にて生成された電解生成酸性水を、常に導入管路32cを通して第1の貯溜タンクB2内に導入させ、また、電解槽23,24の陰極側電解室にて生成された電解生成アルカリ性水を、常に導入管路33dを通して第2の貯溜タンクB3内に導入させる。
各貯溜タンクB2,B3内にはフロートスイッチb3,b4が配設されていて、オーバーフローパイプb1,b2と共働して、満タン時の各貯溜タンクB2,B3内の電解生成水を設定された一定量に維持する。電解生成酸性水と電解生成アルカリ性水は、電解運転時には同期的に生成されて、各貯溜タンクB2,B3内には略同量導入される。
制御装置は、各貯溜タンクB2,B3内に貯溜された各電解生成水が同量となって、両フロートスイッチb3,b4が満タンに達したことを検知した場合には、電解槽23,24の電解運転を停止する。また、制御装置は、各貯溜タンクB2,B3の少なくとも一方の貯溜タンク内の電解生成水が設定された所定量消費された場合、これを検知したフロートスイッチの検出信号に基づき電解運転を再開して、両貯溜タンクB2,B3内に各電解生成水を導入して補充する。
制御装置は、ユーザによる電解生成水の注出指令に基づき、消費者が選択した電解生成水側の注出ポンプを駆動して、選択された電解生成水を専用の注出管路を通して注出させる。制御装置は、ユーザが電解生成酸性水を選択した場合には、注出ポンプ42bを駆動して、第1の貯溜タンクB2内の電解生成酸性水を注出管路37aを通して注出し、また、ユーザが電解生成アルカリ性水を選択した場合には、注出ポンプ42cを駆動して、第2の貯溜タンクB3内の電解生成アルカリ性水を注出管路37bを通して注出する。さらにまた、ユーザが電解生成混合水を選択した場合には、両注出ポンプ42c,42dを同時に駆動して、第1の貯溜タンクB2内の電解生成酸性水、および、第2の貯溜タンクB3内の電解生成アルカリ性水を同時に注出する。
電解生成水の注出運転については、所定時間経過した時点で自動的に停止させることができるとともに、ユーザの手動による停止操作によっても停止させることができる。各電解生成水の注出運転については、後述する電解水注出装置Aの構成の詳細な説明と併せて、詳細に説明する。
ところで、当該電解水生成装置Bにおいては、第1の貯溜タンクB2内に貯溜されている電解生成酸性水の消費量と、第2の貯溜タンクB3内に貯溜されている電解生成アルカリ性水の消費量とに差が生じて、両貯溜タンクB2,B3の一方のみの電解生成水が設定された所定の消費量に達する場合がある。当該貯溜タンクを便宜上空タン状態にある貯溜タンクと称する。この場合には、貯溜タンクが空タン状態になったことをフロートスイッチが検出すると、制御装置はその検出信号に基づき電解運転を開始して、両貯溜タンクB2,B3内に各電解生成水を導入する。
このため、各貯溜タンクB2,B3内には各電解生成水が導入されて貯溜タンクB2,B3内が満タン状態となるが、空タンク状態を呈していなかった貯溜タンクの方が、空タンク状態を呈していた貯溜タンクよりも先に満タン状態となる。この結果、先に満タン状態となった貯溜タンクからは、その後に導入される電解生成水に応じて、余剰の電解生成水がオーバーフローパイプからオーバーフローして排水管路を通して中和槽25内に流入することになる。
例えば、第1の貯溜タンクB2内が早く満タン状態となった場合には、第1の貯溜タンクB2内の電解生成酸性水が排水管路36aを通って中和槽25内に流入し、中和槽25内に収容されている寒水石等の中和剤にて中和処理されて、中性の処理済み液として排水管路36cを通して排水される。また、第2の貯溜タンクB3内が早く満タン状態となった場合には、第2の貯溜タンクB3内の電解生成アルカリ性水が排水管路36bを通って中和槽25内に流入し、中和剤とは反応することなく、そのまま排水管路36cを通して排水される。
従って、電解生成酸性水が第1の貯溜タンクB2内から流入して中和槽25内に流入する場合には、中和槽25内に収容されている中和剤は、第1の貯溜タンクB2内から流入する電解生成酸性水の量に応じて消費されることになり、中和剤が所定量消費された時点では、中和剤を中和槽25内に補充する必要がある。しかしながら、当該電解水生成装置Bにおいては、中和槽25は開閉扉12に閉鎖されているケース本体11内に配設されていることから、中和槽25内の中和剤の量を外部から視認することは困難であり、中和剤の補充タイミングを失することが起こり得る。
当該電解水生成装置Bでは、かかる問題に対処すべき手段を備えている。当該電解水生成装置Bが装備する制御装置には、中和剤の消費量を中和槽25内に流入された電解生成酸性水の量から算出する機能と、中和剤が設定量消費されたことを認知させる認知手段を駆動する機能を持たせている。さらに、当該制御装置には、中和槽25内の中和剤が設定量消費されたことを認知させる認知手段を駆動させ、かつ、中和剤が設定された消費量限界に達したときには有隔膜電解槽23,24の電解運転を停止させる機能をも持たせている。
当該電解水生成装置Bにおいては、制御装置は、第1の貯溜タンクB内が満水になったことを検出したフロートスイッチb3からの検出信号に基づき、満水時点からの電解運転の継続時間と電解生成水の生成流量から中和槽25内に流入した余剰の電解生成酸性水の水量を算出するとともに、余剰の電解生成酸性水量から中和槽25内の中和剤の消費量を算出する。刻々算出される中和剤の消費量が設定された消費量に達した時点で、制御装置は操作パネル14に設置されている認知手段、例えば警告ランプを点滅して、当該電解水生成装置Bの管理者に、中和剤を補充すべきタイミングを認知させる。
このため、当該管理者は、当該警告ランプの点滅により中和剤の補充タイミングを認知して、中和槽25内に所定量の中和剤を補充する。これにより、中和槽25内に中和剤が存在しない状態での電解運転を回避することができる。なお、当該電解水生成装置Bでは、認知手段として警告ランプを使用しているが、認知手段としては公知の適宜の警告手段を採ることができ、例えば、警告ブザー等は認知手段としては極めて有効である。
また、当該管理者が当該警告ランプの点滅に気付かず、または、当該警告ランプの点滅を認知したにも関わらず中和剤の補充を忘れる場合があり、この場合には、制御装置は以下のように機能する。制御装置は、中和槽25内の中和剤が設定された所定の消費量に達した後に、中和剤が消費量限界に達したときには、有隔膜電解槽23,24の電解運転を緊急停止させる。これにより、中和槽25内に中和剤が存在しない状態での電解運転を確実に回避することができる。
本発明の一実施形態に係る電解水注出装置Aは、電解水生成装置Bにて生成される電解生成酸性水、電解生成アルカリ性水を選択的に、かつ、電解生成酸性水と電解生成アルカリ性水を混合して電解生成混合水として、これを選択的に注出させる注出機能を備えている。
当該電解水注出装置Aは、本体ケース50a内に装置本体60を収納してなるもので、装置本体60は、図3,5,6に示すように、電解生成酸性水が導入される第1の導入管61aと、電解生成アルカリ性水が導入される第2の導入管61bと、これら両導入管61a,61bの連結部位に直交状に連結する導出管61cからなる水系管路を備えている。
第1の導入管61aは、電解生成酸性水を注出する第1注出管路37aに接続されている第1導入管路38aに継手62aを介して接続される第1導入管部61a1と、第1導入管部61a1に継手62bを介して接続された第2導入管61a2にて形成されている。また、第2の導入管61bは、電解生成アルカリ性水を注出する第2注出管路37bに接続されている第2導入管路38bに継手62cを介して接続される第1導入管部61b1と、第1導入管部61b1に継手62dを介して接続された第2導入管部61b2とからなる。
第1の導入管61aにおいては、第1導入管部61a1の途中に第1の電磁開閉弁63aが介装されており、また、第2の導入管61bにおいては、第1導入管部61b1の途中に第2の電磁開閉弁63bが介装されている。各電磁開閉弁63a,63bは、各第2導入管部61a1,61b2に対する各電解生成水の導入を断続すべく機能する。
また、注出管61cは、第1の導入管61aの第2導入管部61a2と第2の導入管61bの第2導入管部61b2の連結部位に直交状に連結する第1導出管部61c1と、第1導出管部61c1に継手62eを介して接続された第2導出管部61c2にて形成されている。第2導出管部61c2の先端部には、本体ケース50aの下端開口部に取付けられているノズルケース50bに収納されているノズル機構70が連結される。
かかる構成の水系管路においては、図5に示すように、第1の導入管61aの第2導入管部61a2と、第2の導入管61bの第2導入管部61b2と、導出管61cの第1導出管部61c1の3者は、合成樹脂を成形材料として一体的に形成されていて、T字状の水系管路を形成している。従って、第1の導入管61aの第2導入管部61a2と、第2の導入管61bの第2導入管部61b2とは互いに対向して連通し、また、導出管61cの第1導出管部61c1は両導入管部61a2,61b2の連結部位にて直交状に対向して連通している。
当該水系管路を構成する第1の導入管61aの第2導入管部61a2,第2の導入管61bの第2導入管部、および、導出管61cの第1導出管部61c1が互いに連結する連結部位には、合成樹脂を成形材料とする遮蔽部材64がこれらの管部と一体に形成されている。遮蔽部材64は、図5および図7に示すように、円筒管64aの前後の外周面に一対のフランジ部64bを有するもので、各フランジ部64bは当該連結部位の内周面の前後に固着し、円筒管64aは当該連結部位を貫通した状態にある。
この状態で、遮断部材64を構成する円筒管64aおよび両フランジ部64bは、当該連結部位を構成する導出管61cの第1導出管部61c1における基端部(先端部)内に臨んでいる。
これにより、遮断部材64を構成する両フランジ部64bは、第1の導入管61aの第2導入管部61a2と第2の導入管61bの第2導入管部61b2との対向を遮断して、これらの導入管部61a2,61b2の互いの連通状態を遮断すべく機能する。また、円筒管64aにおいては、当該連結部位を貫通して外側へ突出する先端部は、水源からの水を導入する管路に連結可能に構成されていて、必要時には、水導入管として機能する。このため、以下では、円筒管64aを水導入管64aと称する。
ノズル機構70は、図6に示すように、ノズルケース50b内に収納してなる機構本体70aと、ノズルケース50bの先端開口部に嵌着されて機構本体70aに連結するキャップノズル70bにて構成されている。機構本体70aは、略円筒状の支持体71の中央部に貫通した状態で位置する注出管部72と、支持体71に収納されて注出管部72の外周側に位置する複数の発光ダイオード73(LED)を備えている。
各LED73は、互いに異なる色彩を発光するダイオードであって、本実施形態では、3種類の電解生成水を注出することから、異なる色彩に発光する3個のLED73(73a,73b,73c)が採用されている。例えば、赤色に発光するLED73a、青色に発光するLED73b、黄色に発光するLED73c等が採用される。
各LED73のON−OFF動作は、電磁開閉弁63a,63bの開閉動作に連動している。例えば、第1のLED73aは第1の電磁開閉弁63aが開成動作するとONして赤色に発光し、閉成動作するとOFFして消灯するように構成されている。第2のLED73bは、第2の電磁開閉弁63bが開成動作するとONして青色に発光し、閉成動作するとOFFして消灯するように設定されている。第3のLED73cは、両電磁開閉弁63a,63bが共に開成動作するとONして黄色に発光し、共に閉成動作するとOFFして消灯するように構成されている。
キャップノズル70bは、合成樹脂を成形材料として形成された円盤状を呈するものであって、図6および図8に示すように、円盤状の基体74と、基体74の中央部に一体に形成されて背面側に所定長さ突出する取付筒部75と、基体74における取付筒部75より所定距離外周にて一体に形成されて背面側に突出する環状壁部76を備えている。環状壁部76の背面側の端部は3段状に形成されていて、機構本体70aの先端部に斜めに取付けられた状態で上側位置となる部位76aは最も低く(低段部位)、下側位置となる部位76bは最も高く(高段部位)、中間位置となる部位76cが中間の高さ(中段部位)となっている。
当該キャップノズル70bにおいては、基体74における取付筒部75と環状壁部76の間に、多数の注出穴77a1,77a2が2列に形成され、また、環状壁部76の外側の部位に多数の空気導入穴77b1,77b2,77b3が形成されている。注出穴77a1,77a2は、取付筒部75を中心に2列の格子状に形成されていて、内側に位置する注出穴77a1は外側に位置する注出穴77a2に比較して大きく開口している。また、環状壁部76の外側に位置する各空気導入穴77b1,77b2,77b3は、環状壁部76の低段部位76aでは大きい開口(77b1)に、中断部位76cでは中程度の開口(77b2)に、高段部位76bでは小さい開口(77b3)に形成されている。
当該キャップノズル70bは、機構本体70aを収納しているノズルケース50bの先端開口部に嵌合された状態で、取付筒部75を先端側から挿入した取付ボルト78を注出管部72の先端に螺着することによって、機構本体70aに取付けられる。
キャップノズル70bをこのように機構本体70aに取付けられた状態では、注出管部72に導入された各電解生成水は、キャップノズル70bの基体74に設けた多数の注出穴77a1,77a2から噴射され、この際、電解生成水の噴射力に起因する吸引作用にて、基体74に設けた多数の空気導入穴77b1,77b2,77b3から空気が吸引されて噴射直前に電解生成水に混入して、電解生成水を泡沫状に注出噴射させる。
なお、当該キャップノズル70bは、光透過性の合成樹脂を成形原料として形成されているもので、キャップノズル70bの各注出穴77a1,77a2から泡沫状に注出噴射される各電解生成水は、設定されたLED73a〜73cが発光する設定された色彩に曝されて、ライトアップ状態を呈することになる。
当該電解水注出装置Aにおいては、本体ケース50aの上側面に、注出装置専用の操作パネル50cが設けられている。操作パネル50cは、図4に示すように、ユーザが操作し易い部位に設けられているもので、中央部に注出/停止ボタン51が設けられている。注出/停止ボタン51は、電解生成水の注出運転の開始および停止を操作するものであり、その右側および左側にデータ送りボタン52a,52b、データ送りボタン52aの右側にデータ設定ボタン53a、データ送りボタン52bの左側に注出切換ボタン53bが設けられている。
データ設定ボタン53aは、定量注出の注出量等を設定するボタンであり、データ送りボタン52a,52bは、データ設定時、および、「自動注出」モード、「電解生成酸性水の注出」モード、「電解生成アルカリ性水の注出」モード、「電解生成混合水の注出」モードの送りボタンである。
注出切換ボタン53bは、定量注出モードおよび手動注出モードを互いに切換えるボタンであり、注出切換ボタン53bにて定量注出モードに切換えた際には、定量表示ランプ54が点灯する。なお、注出/停止ボタン51の左右の肩部に配設されているランプ55a,55bは、注出/停止ボタン51の操作により注出を選択した場合の選択表示ランプであって、右側が電解生成酸性水を選択した場合に点灯する選択表示ランプ55a、左側が電解生成アルカリ性水を選定した場合に点灯する選択表示ランプ55bである。
一方、これらのボタン類およびランプ類の後列側には、タイマー表示部56が設けられていて、タイマー表示部56の右側には実行中の電解生成酸性水の注出モードを点灯して表示する注出モード表示ランプ57aが、左側には実行中の電解生成アルカリ性水の注出モードを点灯して表示する注出モード表示ランプ57bが設けられている。
また、注出モード表示ランプ57bの左側には自動注出モードを点灯して表示する注出モード表示ランプ57cが、注出モード表示ランプ57aの右側には電解生成混合水の注出モードを点灯して表示する注出モード表示ランプ57dが、注出モード表示ランプ57dの右側には水の注出モードを点灯して表示する注出表示ランプ57eが設けられている。タイマー表示部56は、電解生成水の注出のカウントアップが表示される。
また、本体ケース50aの左右の側部には、図4に示すように、モーションセンサ65a,65bがそれぞれ設けられている。右側のモーションセンサ65aは電解生成酸性水の注出を選択するセンサであり、左側のモーションセンサ65bは電解生成アルカリ性水の注出を選択するセンサである。ユーザが手をモーションセンサに翳した際に動作して、ユーザの選択した電解生成水を検知する。
ユーザが手をモーションセンサ65aに翳すと、モーションセンサ65aはユーザが電解生成酸性水の注出を選択したものとして、注出モード表示ランプ55aを点灯させる。ユーザは、この状態で注出/停止ボタン51を押動操作すると、電解生成酸性水が注出され、同時に表示ランプ57aが点灯して、注出されている電解生成水が電解生成酸性水であることを表示する。
また、ユーザが手をモーションセンサ65bに翳すと、モーションセンサ65bはユーザが電解生成アルカリ性水の注出を選択したものとして、注出モード表示ランプ55bを点灯させる。ユーザは、この状態で注出/停止ボタン51を押動操作すると、電解生成アルカリ性水が注出され、同時に表示ランプ57bが点灯して、注出されている電解生成水が電解生成アルカリ性水であることを表示する。
当該電解水注出装置Aにおいては、電解生成水の注出運転は、搭載されている制御装置によって制御される。当該電解水注出装置Aにおいては、ユーザが電解生成酸性水の注出を選択した場合には、第1の電磁開閉弁63aが開成動作するとともに、これに連動してLED73aがONして赤色に発光し、さらには、これに同期して、電解水生成装置B側の注出ポンプ42bが駆動する。
これにより、電解生成酸性水は、第1の貯溜タンクB2から第1注出管路37aおよび第1導入管路38aを通って、当該電解水注出装置Aの第1の導入管61a内に導入されるとともに、第1の導入管61aから導出管61cに導入されて、キャップノズル70bの注出管部72を経て多数の注出穴77a1,77a2から噴射される。
この際、キャップノズル70bが有する多数の空気導入穴77b1〜77b3からは、電解生成酸性水の注出力による吸引作用にて、空気が噴射直前の電解生成酸性水に吸入されて混合し、電解生成酸性水は泡沫状となって注出されて噴射される。泡沫状態で注出噴射する電解生成酸性水は、LED73aが発光する赤色に曝されてライトアップされる。
一方、ユーザが電解生成アルカリ性水の注出を選択した場合には、第2の電磁開閉弁63bが開成動作するとともに、これに連動してLED73bがONして青色に発光し、さらには、これに同期して、電解水生成装置B側の注出ポンプ42cが駆動する。これにより、電解生成アルカリ性水は、第2の貯溜タンクB3から第2注出管路37bおよび第2導入管路38bを通って、当該電解水注出装置Aの第2の導入管61b内に導入されるとともに、第2の導入管61bから導出管61cに導入されて、キャップノズル70bの注出管部72を経て多数の注出穴77a1,77a2から噴射される。
この際には、電解生成酸性水が注出噴射する場合と同様に、キャップノズル70bが有する多数の空気導入穴77b1〜77b3からは、電解生成アルカリ性水の注出力による吸引作用にて、空気が噴射直前の電解生成アルカリ性水に吸入されて混合し、電解生成アルカリ性水は泡沫状となって注出されて噴射される。泡沫状態で噴射する電解生成アルカリ水は、LED73bが発光する青色に曝されてライトアップされる。
また、ユーザが電解生成酸性水と電解生成アルカリ性水とが混合した電解生成混合水(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)の注出を選択した場合には、第1、第2の電磁開閉弁63a,63bが同時に開成動作するとともに、これに連動してLED73cがONして黄色に発光し、さらにはこれに同期して、電解水生成装置B側の注出ポンプ42b,42cが同時に駆動する。
これにより、電解生成酸性水は第1の貯溜タンクB2から第1注出管路37aおよび第1導入管路38aを通って、当該電解水注出装置Aの第1の導入管61a内に導入され、第1の導入管61aから導出管61cに導入される。また、電解生成アルカリ性水はこれに同期して、第2の貯溜タンクB3から第2注出管路37bおよび第2導入管路38bを通って、当該電解水注出装置Aの第2の導入管61b内に導入され、第2の導入管61bから導出管61cに導入される。導出管61cに導入された電解生成酸性水と電解生成アルカリ性水は、導入直後に合体して均一に混合して、電解生成混合水として、キャップノズル70bの注出管部72を経て多数の注出穴77a1,77a2から注出噴射される。
この際には、電解生成酸性水や電解生成アルカリ性水が注出噴射される場合と同様に、キャップノズル70bが有する多数の空気導入穴77b1〜77b3からは、電解生成混合水の注出力による吸引作用にて、空気が噴射直前の電解生成混合水に吸入されて混合し、電解生成混合水は泡沫状となって注出されて噴射される。泡沫状態で注出噴射する電解生成混合は、LED73cが発光する黄色に曝されてライトアップされる。
なお、各LED73a,73b,73cのON−OFF動作は、電磁開閉弁63a,63bの開閉動作に連動していて、LED73aは上記したように、第1の電磁開閉弁63aが開成動作するとONして赤色に発光し、閉成動作するとOFFして消灯する。また、LED73bは上記したように、第2の電磁開閉弁63bが開成動作するとONして青色に発光し、閉成動作するとOFFして消灯するように設定されている。また、LED73cは上記したように、第1、第2の電磁開閉弁63a,63bが同時に開成動作するとONして黄色に発光し、同時に閉成動作するとOFFして消灯するように設定されている。
当該電解水注出装置Aの注出運転では、ユーザが定量注出モードを選択している場合には、電解生成水の注出時間が設定されている所定の時間経過すると、注出運転が自動的に停止される。また、ユーザが手動注出モードを選択している場合には、電解生成水の注出時間が所望の時間経過した時点で、ユーザが注出/停止ボタン51を押動操作する。これにより、注出運転が停止される。また、ユーザが自動注出モードを選択した場合には、先ず、電解生成アルカリ性水が設定された所定時間注出された後、電解生成酸性水の注出に自動的に切換わり、電解生成酸性水が設定された所定時間注出された時点で、注出運転が自動的に停止される。
ところで、当該形式の電解水注出装置においては、電解生成酸性水および電解生成アルカリ性水は、注出ポンプ42b,42cを駆動することによって、第1の導入管61aおよび第2の導入管61bに供給されるが、電解生成混合水を注出する場合には、電解生成酸性水および電解生成アルカリ性水が第1の導入管61aおよび第2の導入管61bに同時に導入される。この場合、両導入管61a,62bの連結部位が完全に連通状態にあると、第1の導入管61aに導入された電解生成酸性水と、第2の導水管61bに導入された電解生成アルカリ性水は、導出管61cに導入される前にこれらの導入管61a,61bの連結部位にて衝突する。
第1の導水管61aおよび第2の導水管61bに導水される電解生成酸性水および電解生成アルカリ性水は、注出ポンプ42b,42cの影響を受けて導入圧および導入量に変動をきたし、衝突時の差圧によって、電解生成酸性水および電解生成アルカリ性水のいずれか一方のみが導出管61cに導入され、または、電解生成酸性水および電解生成アルカリ性水のいずれか一方がわずかに逆流する現象が発生する。このため、当該現象が発生すると、電解生成混合水を注出し得ないことになり、または、設定された混合率の安定した特性の電解生成混合水を注出し得ないことになる。
しかしながら、本発明に係る電解水注出装置Aにおいては、第1の導入管61aと第2の導入管61bの連結部位に、第1の導入管61aと第2の挿入管61b内を直交状に延びて導出管61cの基端部内に臨んで両導入管61a,61bの互いの連通を遮断する遮断部材64を設けている。
このため、当該遮断部材64は、第1の導入管61aに導入された電解生成酸性水と第2の導入管61bに導入された電解生成アルカリ性水の当該連結部位での衝突状態を回避して、電解生成酸性水と電解生成アルカリ性水を同時に導出管61cに円滑に導入する。この際、電解生成酸性水と電解生成アルカリ性水は、その差圧により互いに吸引しあって、導出管61cに安定した状態で導入される利点もある。この結果、ノズル機構70のキャップノズル70bからは、設定された混合率の安定した特性の電解生成混合水を注出噴射することができる。
一方、電解生成酸性水および電解生成アルカリ性水のいずれか一方を選択的に注出する場合には、両導入管61a,62bの連結部位が完全に連通した状態にあると、例えば、電解生成酸性水を注出する場合には、第1の導入管61aに導入された電解生成酸性水の一部は導出管61cに導入され、その残りが第2の導入管61bに導入されて、当該連結部位には逆流に起因する乱流が発生する。
電解生成アルカリ性水を注出する場合には、第2の導入管61bに導入された電解生成アルカリ性水の一部が導出管61cに導入され、その残りが第1の導入管61aに導入されて、当該連結部位に逆流に起因する乱流が発生する。乱流現象が発生すると、電解生成酸性水や電解生成アルカリ性水のキャップノズル70bが吐出する吐出圧が常時変動することになって、電解生成酸性水や電解生成アルカリ性水を安定した状態で円滑に注出噴射することができない。
しかしながら、本発明に係る電解水注出装置Aにおいては、当該連結部位に配設した遮断部材64が電解生成酸性水の第2の導入管61bへの導入を阻止し、また、電解生成アルカリ性水の第1の導入管61aへの導入を阻止する。この結果、電解生成酸性水は第1導入管61aから導出管61cに円滑に導入されることになり、また、電解生成アルカリ性水は第2の導入管61bから導出管61cに円滑に導入されることになって、当該連結部位での乱流現象の発生は阻止され、電解生成酸性水や電解生成アルカリ性水は安定した状態で円滑に注出されることになる。
本発明に係る電解水注出装置Aにおいては、第1の導入管61aと第2の導入管61bが連結する連結部位に、外部から貫通して導出管61cの基端部(先端部)内に臨んで導出管61c内に水を供給する水導入管64aを備える構成としている。これにより、電解生成酸性水や電解生成アルカリ性水の導出管61cへの導入の有無にかかわらず、必要により、水導入管64aを通して、水を導出管61cに安定した状態で円滑に導入し、水、水で希釈された電解生成酸性水、または、水で希釈された電解生成アルカリ性水を、キャップノズル70bから注出噴射させることができる。
必要時とは、電解生成酸性水による殺菌洗浄終了後にシンク等を水洗浄する場合、注出される電解生成酸性水を水で薄めて殺菌作用を若干弱めた状態で殺菌洗浄する場合、注出される電解生成アルカリ性水を水で薄めて洗浄作用を若干弱めた状態でアルカリ洗浄する場合等である。
この場合には、水導入管64aを通して、水を導出管61cに安定した状態で円滑に導入することができる。なお、水の導入が不要な場合は、水導入管64aの外側開口端を閉鎖しておき、必要により、例えば水源である水道管に連結して使用するようにする。
なお、本実施形態では、水導入管64aの使用を前提とするもので、水の使用を全く必要としないユーザがいることを考慮して、水導入管64aはその先端を予め閉鎖状態に形成されている。水導入管64aの使用を必要な場合には、水導入管64aの先端を容易に開口することができるように、水導入管64aの先端閉鎖部を、合成樹脂を原料として水導入管64aと一体に形成している。
本発明に係る電解水注出装置Aにおいては、ノズル機構70を構成するキャップノズル70bを特殊な構造に構成して、電解生成水を注出噴射する場合に不具合を生じないように配慮している。
当該キャップノズル70bにおいては、円盤状の基体74と、基体74の中央部に一体に形成されて背面側に所定長さ突出する取付筒部75と、基体74における取付筒部75より所定距離外周にて一体に形成されて背面側に突出する環状壁部76を備える構成とし、環状壁部76の背面側の端部を、機構本体70aの先端部に斜めに取付けられた状態で上側位置となる低段部位76aと、下側位置となる高段部位76bと、中間位置となる中段部位76cとの3段に形成している。
このため、当該キャップノズル70bが機構本体70aに斜めに取付けられた状態では、環状壁部76の下側に位置する部位(高段部位76b)が高くなって、電解生成水の注出噴射時に、電解生成水の空気導入穴77b3側への漏洩を抑制し得て、電解生成水を安定した泡沫状に注出噴射させることができる。
また、当該キャップノズル70bにおいては、基体74における取付筒部75と環状壁部76の間に、多数の注出穴77a1,77a2を2列に形成するとともに、内側に位置する注出穴77a1を外側に位置する注出穴77a2に比較して大きく開口させている。これにより、電解生成水の注出時には、キャップノズル70bの中心寄りでの注出流量が多く、流速が早い時でも電解生成水の空気導入穴77b1〜77b3側への漏洩を抑制し得て、電解生成水を安定した泡沫状に注出噴射させることができる。
さらにまた、当該キャップノズル70bにおいては、電解生成水の注出穴77a1,77a2を格子状に形成して長穴状としている。このため、リブの厚みが薄くなって、電解生成水の流速が早い時でも電解生成水の空気導入穴77b1〜77b3側への漏洩を抑制し得て、電解生成水を安定した泡沫状に注出噴射させることができる。