JP5366115B2 - 果樹における水ストレスの判別方法 - Google Patents

果樹における水ストレスの判別方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5366115B2
JP5366115B2 JP2008090987A JP2008090987A JP5366115B2 JP 5366115 B2 JP5366115 B2 JP 5366115B2 JP 2008090987 A JP2008090987 A JP 2008090987A JP 2008090987 A JP2008090987 A JP 2008090987A JP 5366115 B2 JP5366115 B2 JP 5366115B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sap flow
flow velocity
water stress
value
sap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008090987A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009240228A (ja
Inventor
崇嘉 山根
洋司 浜名
幹夫 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hiroshima Prefecture
Original Assignee
Hiroshima Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hiroshima Prefecture filed Critical Hiroshima Prefecture
Priority to JP2008090987A priority Critical patent/JP5366115B2/ja
Publication of JP2009240228A publication Critical patent/JP2009240228A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5366115B2 publication Critical patent/JP5366115B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

この発明は、果樹における水ストレスの判別方法に関する。
従来、ぶどうや桃等果樹の灌水は大方、一週間に一日する程度であり、この灌水時期の判断は、晴れた日数や土の乾き具合を見るなど、生産者の勘と経験に頼ることが多い。しかし、実際には、樹木の根は地中深くまで張っているため、土壌水分計を使っても地表近くの水分しか測定できず、正確な水ストレス(乾燥ストレスともいう)は計測できないものであった。
特に、果樹であるぶどうや桃は、水ストレスに敏感であり、仮に、過灌水(水のやりすぎ)の場合には、根腐れ、桃においては糖度低下を生じ、ぶどうの場合には着色不良の原因となっている。また、灌水が不足すると、桃の渋味やぶどう果粒の軟化、早期落葉の危険性がある。
従って、無降雨日数や土壌の乾燥程度に基づいて行った,生産者の勘と経験による果樹の灌水判断は、正確さに欠けており、樹体の水ストレスは測定できず、果実品質(糖度、着色)の向上には、適度な水ストレスが必要であり、特に、乾燥地であっても、最低限の水で効果的な灌水をする必要がある。
このように、近年の果実に対する高級志向(高品質)を満足するためには、精密な灌水管理が必要であり、長年の生産者の勘に頼るよりも、生体情報に基づき灌水を行う必要がある。
そのため、勘と経験から判断するよりも、植物生体反応の面から水分状態を判断することとし、樹液流速は気孔の開閉を反映し、樹体の水ストレスを把握できる可能性はあるが、本発明者らは、未確立の状態にあった樹液流速の変化パターンからの水ストレスの判別方法を行うものである。
そこで、この発明は、未確立の状態であった,果樹の樹液流速の変化パターンからの水ストレスの判別方法を開発・提供し、生産者のより精密な灌水判断を促すことにある。
この発明は、樹体に水分が少なくなると、樹液の流れが遅くなるという現象に着目し、日々の樹液流速を計測し、その変化に基づいて水分ストレスを判断し、精密な灌水に利用しようとするものである。
正確に樹液流速を算出するためには、センサー長を樹の大きさなどにより変える必要があり、困難であるが、この発明は樹液流速の相対的な変化パターンに注目することによりこの問題を解決しようとするものである。
この発明によると、樹液流速の変化パターンを、変化パターンの勾配に基づき水ストレスを把握することができ、これにより、果樹へ精密に灌水判断を行うことにより、過灌水または過乾燥による果実品質及び収量の低下を防ぐことができる。また、乾燥地域での節水技術に利用できる等の極めて有益なる効果を奏するものである。
先ず、図1は、樹液流速センサーの原理を説明する説明図であり、図2は、ぶどう樹への樹液流速センサーの設置状態を示す説明図であり、図3は、樹液流速の変化パターンに基づく灌水判断時期のグラフ図であり、横軸は、8月8日より8月11日〔1日が24時間〕までの時間を表し、縦軸は、温度差から換算した樹液流速を示すグラフ図であり、図4は、樹液流速の傾きの計算手段を示す説明図である。
この発明の一実施例を図面に従って詳述すると、請求項1の発明は、果樹において、樹体(1)の樹液流速を測定し、該樹液流速の変化パターンから水ストレスの兆候を判別することを特徴とする水ストレスの判別法から構成されるものである。
また、請求項2に記載した樹液流速の変化パターンは、日々測定・表示する樹液流速の測定値から得られた勾配の変化に基づくものであり、そして、請求項3に記載した樹液流速の勾配は、午後の樹液流速値と午前の樹液流速値とを指標とした傾き値であり、さらに、請求項4に記載した樹液流速の勾配の傾き値は、午前中の最高測定値、第2位、そして第3位の上位3点の平均値を、午後の最高測定、第2位、そして第3位の上位3点の平均値で除したものである。
なお、この発明に使用する樹液流速の計測は、樹体(1)に挿入した温度センサー(2)〔サップフローセンサー〕を用いるもので、一対のセンサーの温度差から算出するものであり、先端部側のセンサー(2a)にはヒーター(3)が設置されており、熱を発生する。そして、樹液流速が速いとヒータ(3)の熱が冷却され、後端部側のセンサー(2b)との温度差が小さくなる性質を利用したものである。
さらに、詳しくは、この発明は、果樹が水ストレスを受けた場合、樹液流速は午前10時までにピークを迎え、その後、暫時減ずる日変化パターンを示すため、この際の樹液流速の傾き値(午後の値/午前の値)を指標とし、この変化に基づき水ストレスを把握するものである。
その対象とする樹体(1)のサップフローセンサー(2)の長さは13mmとし、ぶどうにおいては、棚面では日射の影響を避けるため極力下向きとし、かつ、幹の肥大方向に設置する。桃においては南面、上面を避け、節のない滑らかな幹に設置することが望ましい。
樹内の設置位置は、先端ほど水ストレスを受けやすく、検出感度が高まるが、幹径が細くなると樹液流速値が不安定になる可能性があるため、主枝中央部(先端から2〜3m付近)に設置する。
圃場内では最も生育の良好な果樹(樹冠が大きい。樹勢が強い)2樹を代表樹とし、センサーを設置する。尚、ぶどうの樹液流路は幹の肥大の大きい部位に主に分布し、桃の主要な樹液流路は、ぶどうとは異なり年輪に沿って断続的に分布している。
尚、センサーの設置方法としては、
1)センサー長は、13mmとし、ぶどうにおいては、棚面では日射の影響を避けるため極力下向きとし、かつ幹の肥大方向に設置する。
2)樹内の設置位置は、先端ほど水ストレスを受けやすく、検出感度が高まるが、幹径が細くなると樹液流速値が不安定になる可能性があるので、主枝中央部に設置する。
3)圃場内では最も生育の良好な樹(樹冠が大きい,樹勢が強い)2樹を代表樹とし、センサーを設置する。
次に、樹液流速及び日射の計測について、
樹液流速及び日射について、5秒ごとに計測し、10分間の平均値を記録する。(これまでの瞬間値と平均値の間に大きな差はないことから、実際の制作装置では瞬間値でも使用可能と考えられる。その場合より短い間隔で記録する方が日射確保できる可能性が高いので、5分間にしてもよい。
さらに、日射の補正について、
1)日射強度(光合成有効放射量)800μmol s−1,m−2未満の時は、水ストレスに関係なく樹液流速が大きく減少し、バラツキも大きくなるので、800μmol s−1,m−2未満の樹液流速値は除去する。
2)日射強度800μmol s−1,m−2以上では樹液流速値値と直線比例関係にあり、1500μmol s−1,m−2の樹液流速値を1とすると、例えば、800μmol s−1,m−2では0.83となるので、〔補正後の樹液流速値=(日射強度×0.0002+0.6357)×樹液流速値〕の式により補正する。
傾きの算出について、14時から15時までの樹液流速値(補正済み)最大値3点を、7時から11時までの値の樹液流速値(補正済み)の最大3点で除してその日の傾き値とする。日射量が少なく、3点確保できない場合は、傾きの判定を見送る。14時から15時(精度高く、日射確保日が多い)のデータ数が少ない場合は、15時から16時(9月以降日射確保が困難)、13時から14時(精度は多少低下するが日射確保日が多い)、12時から13時(精度は多少低下するが日射確保日が多い)の最大値3点を記載順に利用し、判定できる日を増やす。
水ストレス指数の判定
1)傾き値が例えば1.7以上、0.3未満の値はエラー表示し、演算値から除外する。
2)曇天により傾きが判定できなかった日を除く直近5日分の傾き値を抽出。
3)5データの内、乾燥状態(傾きは小さくなる)を極力排除するため、上位3点の値のみを平均し、基準値(水ストレスを受けていないときの傾き値)として設定する。(生育初期などで5データに満たない場合は、4データの場合は上位3点、3データの場合は上位2点、2データの場合は2点、1データの場合は1点の平均値を基準値とする。)
4)当該日の傾き値が基準値より5%低下したら、水ストレスと判断し、灌水通知をする。(成熟期には10または20%低下まで乾燥させ、糖度と着色を高める。
5)経時的に変化する直近5日分データには、傾き値が基準値より5%低下し、水ストレスと判定した日は含めない。
この発明の技術を実施することにより、高品質の果実の生産が得られ、果樹産業の活性化を通じて産業上の利用可能性がある。
この発明に使用する樹液センサーの原理説明図である。 この発明に使用する樹液センサーの設置状況を示す説明図である。 この発明に使用する樹液流速の変化パターンのグラフ図である。 この発明に使用する樹液流速の変化パターンの説明図である。
符号の説明
1 樹体
2 温度センサー
2a 先端部側のセンサー
2b 後端部側のセンサー
3 ヒーター

Claims (1)

  1. 果樹において、該樹の樹液流速を測定し、午前中の最高測定値、第2位、そして第3位の上位3点の平均値を、午後の最高測定値、第2位、そして第3位の上位3点の平均値で除したものである該樹液流速の勾配の傾き値を算出し、当該日に、前記傾き値が基準値より所定割合低下したら、水ストレスと判断し、灌水通知をすることを特徴とする果樹における水ストレスの判別法。
JP2008090987A 2008-03-31 2008-03-31 果樹における水ストレスの判別方法 Expired - Fee Related JP5366115B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008090987A JP5366115B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 果樹における水ストレスの判別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008090987A JP5366115B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 果樹における水ストレスの判別方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009240228A JP2009240228A (ja) 2009-10-22
JP5366115B2 true JP5366115B2 (ja) 2013-12-11

Family

ID=41302922

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008090987A Expired - Fee Related JP5366115B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 果樹における水ストレスの判別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5366115B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5354500B2 (ja) * 2009-11-02 2013-11-27 島根県 灌水装置
CN102805011B (zh) * 2012-08-07 2013-11-13 中国林业科学研究院森林生态环境与保护研究所 一种用于矫正树干木质部液流测定的装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63123323A (ja) * 1986-10-27 1988-05-27 ザ スタンダ−ド オイル カンパニ− 潅漑計画用装置および方法
JP2000157047A (ja) * 1998-11-20 2000-06-13 Japan Highway Public Corp 植物活性度判定法
JP2001272373A (ja) * 2000-03-24 2001-10-05 Shikoku Natl Agricultural Experiment Station Maff 植物体の水ストレス診断方法
JP2004085507A (ja) * 2002-08-29 2004-03-18 Japan Science & Technology Corp 植物液流量測定方法
JP4524473B2 (ja) * 2004-03-25 2010-08-18 長崎県 植物の受ける水分ストレスの測定方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009240228A (ja) 2009-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chen et al. Response of relative sap flow to meteorological factors under different soil moisture conditions in rainfed jujube (Ziziphus jujuba Mill.) plantations in semiarid Northwest China
Tie et al. Environmental and physiological controls on sap flow in a subhumid mountainous catchment in North China
Duchesne et al. Influence of climate on seasonal patterns of stem increment of balsam fir in a boreal forest of Québec, Canada
Petzold et al. Transpiration of a hybrid poplar plantation in Saxony (Germany) in response to climate and soil conditions
Pou et al. Validation of thermal indices for water status identification in grapevine
Meng et al. Suitable indicators using stem diameter variation-derived indices to monitor the water status of greenhouse tomato plants
González-Altozano et al. Comparative assessment of five methods of determining sap flow in peach trees
Abrisqueta et al. Soil water content criteria for peach trees water stress detection during the postharvest period
Mhizha et al. Use of the FAO AquaCrop model in developing sowing guidelines for rainfed maize in Zimbabwe
Thompson et al. Sustainable irrigation and nitrogen management of fertigated vegetable crops
US20170020091A1 (en) Method and System for Automated Data Analysis of Soil Moisture
JP5366115B2 (ja) 果樹における水ストレスの判別方法
Alizadeh et al. Detecting tree water stress using a trunk relative water content measurement sensor
CN104360418A (zh) 一种通过检测气象和土壤指标实行给水施肥的方法
CN110896836A (zh) 一种无土栽培营养液管控方法及系统
WO2022040756A1 (en) Refill point or target deficit for crop irrigation
JP2006345768A (ja) 蒸発散量算定方法および灌水制御方法
Nassif et al. The role of decoupling factor on sugarcane crop water use under tropical conditions
CN1602668A (zh) 根据作物缺水逆境生理反应进行灌溉的控制方法及其装置
CN111406606B (zh) 一种考虑水稻作物生育期的智能节水灌溉系统及灌溉方法
McCauley et al. Reviewing mini-lysimeter controlled irrigation in container crop systems
Ghazouani et al. Potential of thermal images and simulation models to assess water and salt stress: Application to potato crop in central Tunisia
Kubota et al. Influence of environmental conditions on radial patterns of sap flux density of a 70-year Fagus crenata trees in the Naeba Mountains, Japan
Rybnícek et al. Growth responses of Picea abies to climate in the central part of the Ceskomoravská Upland (Czech Republic)
Kišš et al. Effect of SAP FLOW at optimization irrigation

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130604

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130820

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees