JP5365367B2 - 磁気センサー - Google Patents

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Description

本発明は、光ポンピング法を用いて心磁や脳磁に代表される生体等から発生する微小な磁場を測定する磁気センサー等に関するものである。
微小磁場を測定する方法として光ポンピング原子磁力計を用いた磁気センサーが考案されている。これは、気体原子を光ポンピングした後、磁場と相互作用させて原子の磁化状態を検出することにより、磁場を測定する方法である。この方式によれば、SQUID(Superconducting Quantum Interference Device;超伝導量子干渉計)等で必要となる大掛かりな冷却機構が必要なくなり、構成の簡素化とコストダウンを図ることが可能となる(例えば、非特許文献1,2を参照)。
図7に最も構成がシンプルな光ポンピング原子磁力計を示す。図7において、ITO等の透明なヒーター101,102の間にガスセル103が配置されており、これらをレーザー光105が透過する。ガスセル103内には、セシウム、ルビジウム、カリウムに代表されるアルカリ金属原子のガス(蒸気)と、ヘリウム、アルゴン、窒素に代表されるバッファーガスとが適当な量で封入されている。レーザー光105の伝搬する方向と直交する磁場Bが測定対象となる磁場である。レーザー光105の透過光量はフォトディテクター104で検出する。
=0のときのアルカリ金属原子は、円偏光のレーザー光105を吸収して光ポンピングし、レーザー光105の伝搬方向に平行な磁気モーメントを持つ原子の数N(ポピュレーション)が、反平行な磁気モーメントを持つ原子の数Nよりも多くなる、いわゆるスピン偏極の状態となる。光ポンピングの繰り返しによりNが飽和すると、原子がポンピング光105を吸収し難くなり、透過率が大きくなる。一方、磁場Bが有限の値を持つ場合には、原子の磁気モーメントは磁場Bを軸とするラーモア歳差運動を生じるため、実質的にNとNとの差が小さくなる。その結果、原子は光105を吸収し易くなり、透過率が低下する。
薮崎 努、「レーザー光による原子物理」、岩波書店(2007)、p.29−57 M. Kitano, T. Yabuzaki, and T. Ogawa, "Symmetry-recovering crises of chaos in polarization-related optical bistability", Phys. Rev. A 29, 1288-1296 (1984)
しかしながら、心磁や脳磁のように生体から発生する磁場は100pTレベル以下とかなり微弱であり、レーザー光105の出力光量ノイズやフォトディテクター104以降の電気的ノイズ等が存在する中では、生体からの磁気信号のみを分離して検出することは非常に難しい。
本発明の一態様は、微小な磁場を高感度で検出することが可能な磁気センサーを提供するものである。
本発明の一態様における磁気センサーは、光ポンピング法を用いて磁場を測定する磁気センサーであって、最外郭電子が1つである原子又はイオンを囲み、前記磁場の中に配置されたセルと、前記セルに対してパルス状の第1の直線偏光を入射させる光源と、前記セルを透過した前記第1の直線偏光である第2の直線偏光の一部を楕円偏光又は円偏光に変換して前記セルに入射させる円偏光入射手段と、前記第1の直線偏光の偏光面である第1の偏光面と前記第2の直線偏光の偏光面である第2の偏光面との回転角を検出する偏光計と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、まず、セルに楕円偏光又は円偏光を入射しない状態では、セル内の前記原子又は前記イオンは磁場によって僅かに磁化(スピン偏極)し、微小な初期磁化を有する状態となる。この状態でセルに第1の直線偏光を入射すると、第1の直線偏光は初期磁化によるファラデー効果によって偏光面が僅かに回転する。この偏光面の回転角(ファラデー回転角)は極めて小さいものであるが、円偏光入射手段によってセルに楕円偏光又は円偏光を入射すると、前記原子又は前記イオンは楕円偏光又は円偏光を吸収し、スピン偏極(磁化)が生じ、ファラデー回転角が増大される。
ここで、楕円偏光又は円偏光をセル内に入射し続けると、前記原子又は前記イオンの磁化は指数関数的に増加し、やがて飽和レベルに収束していく。磁化の増加速度は初期磁化により異なるため、その増加速度を測定することで、初期磁化の大きさ、すなわち、磁場の大きさを測定することができる。
この際、楕円偏光又は円偏光の光強度を一定としてセル内に入射し続けると、前記原子又は前記イオンの磁化が急激に飽和レベルに達してしまうので、本発明の磁気センサーでは、パルス状に射出される第1の直線偏光の一部を楕円偏光又は円偏光に変換し、これをセルに入射している。この構成によれば、前記原子又は前記イオンの磁化は、間欠的に入射する楕円偏光又は円偏光によって徐々に増幅されるようになるため、磁化の時間変化(動特性)を正確に測定することができる。そのため、この磁化の時間変化を所定の理論式に当てはめて解析することで、初期磁化の大きさ、すなわち磁場の大きさを電気回路で増幅することなく正確に得ることが可能となる。
本発明の磁気センサーにおいては、前記円偏光入射手段は、光強度が周期的に変化する楕円偏光又は円偏光を前記セルに入射するものとされ、前記円偏光入射手段から前記セルに入射する楕円偏光又は円偏光の最大の光強度をImax、前記円偏光入射手段から前記セルに入射する楕円偏光又は円偏光の最小の光強度をImin、前記磁場がゼロのときに前記セル内の前記原子又は前記イオンにスピン偏極を生じさせることが可能な最小の楕円偏光又は円偏光の光強度をIとしたときに、前記I,Imax,Iminが、Imax>I>Iminなる関係を満たすことが望ましい。
この構成によれば、セルに入射する楕円偏光又は円偏光の光強度IをIよりも大きくすると、前記原子又は前記イオンの磁化を指数関数的に増大させることができ、セルに入射する楕円偏光又は円偏光の光強度IをIよりも小さくすると、前記原子又は前記イオンの磁化を初期磁化に戻すことができる。そして、この前記原子又は前記イオンの磁化を指数関数的に増大させる時間と初期磁化に戻す時間とを調節することにより、磁化の動特性(時間変化)がより良く制御され、これにより、正確な初期磁化の測定が可能となる。
本発明の磁気センサーにおいては、前記偏光計の出力を前記第2の直線偏光のパルスの周期に合わせてサンプルホールドし、該サンプルホールドされた出力の時間変化に基づいて前記磁場の大きさを演算する演算装置を有することが望ましい。
この構成によれば、演算による誤差を小さくすることができ、これにより正確な磁場の測定が可能となる。
本発明の磁気センサーにおいては、前記円偏光入射手段は、前記セルを透過した前記第2の直線偏光の光軸上に配置され、前記第2の直線偏光に1/8波長の位相差を生じさせる1/8波長板と、前記1/8波長板を透過した前記第2の直線偏光である光を反射し、前記1/8波長板及び前記セルに入射させる第1反射板と、を有することが望ましい。
この構成によれば、簡単な構成で容易にパルス状の楕円偏光又は円偏光をセルに入射することができる。
本発明の磁気センサーにおいては、前記第1反射板は、前記1/8波長板を透過した前記光の一部を透過して前記偏光計に入射させることが望ましい。
この構成によれば、簡単な構成で容易に第1の直線偏光と第2の直線偏光の偏光面の回転角を測定することができる。
本発明の磁気センサーにおいては、前記円偏光入射手段は、前記第1反射板で反射され前記1/8波長板及び前記セルを透過した光の光軸上に配置された第2反射板を有し、前記第1反射板と前記第2反射板とにより、前記光を共振させる光共振器が構成されていることが望ましい。
この構成によれば、磁化の増幅過程を高速にすることができる。そのため、磁化の時間変化をより詳細に測定することができ、これにより正確な磁場の測定が可能となる。
本発明の磁気センサーにおいては、前記第2反射板は、前記光源から前記セルに入射する前記第1の直線偏光の光路上に配置され、前記第1の直線偏光の一部を透過して前記セルに入射させると共に、前記第1反射板で反射され前記1/8波長板及び前記セルを透過した光の一部を反射し前記セルに入射させることが望ましい。
この構成によれば、簡単な構成で容易に光共振器構造を実現することができる。
第1実施形態の磁気センサーの概略構成図である。 スピン偏極の光強度依存性を示す図である。 光強度と磁化の時間変化を示す図である。 光強度を一定とした場合の磁化の時間変化を示す図である。 パルス状の円偏光を入射したときの磁化の時間変化を示す図である。 第2実施形態の磁気センサーの概略構成図である。 従来の磁気センサーの一例を示す概略構成図である。
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1実施形態の磁気センサー10の概略構成図である。磁気センサー10は、光ポンピング法を用いた磁気センサーであり、光源1、セル2、1/8波長板3、第1反射板4、偏光計5、演算装置6を有するものである。なお、以下の説明では、外部磁場Bの方向をZ軸とし、Z軸と直交する平面内の2方向をX軸及びY軸とするXYZ直交座標系を用いて、各部材の構成や配置を説明する。
光源1は、第1の直線偏光Eを射出するレーザー光源である。光源1はセル2に対して外部磁場Bと平行な方向にパルス状の光Eを入射する。光源1から射出される光Eは、実質的に直線偏光のみから構成されていることが望ましいが、当該直線偏光成分を有していれば、他の偏光成分を含むことを除外するものではない。
セル2の内部には、セシウム、ルビジウム、カリウム等のアルカリ金属原子のガス(蒸気)が封入されている。本実施形態では、最外郭電子が1つである原子(アルカリ金属原子)をセル2で囲んでいるが、最外郭電子が1つであるイオンをセル2に封入しても同様の効果が得られる。セル2の内部にはアルカリ金属原子の他にヘリウム、アルゴン、窒素等のバッファーガスを封入しても良い。バッファーガスは、アルカリ金属原子同士が衝突したり、アルカリ金属原子がセル2の内壁に衝突することを防止するものである。セル2は、光源1から射出された光Eを透過しうる材料から構成されていれば良く、ガラスやプラスチック等の透光性材料が使用可能である。
1/8波長板3及び第1反射板4は、セル2を透過した第1の直線偏光Eである第2の直線偏光Eの一部を楕円偏光又は円偏光Eに変換してセル2に入射する円偏光入射手段を構成する。1/8波長板3は複屈折を示す結晶でできており、その2つの光学主軸をX軸とY軸とすると、X方向とY方向に振動する波の間に45°(1/8波長)の位相差を生じさせるものとなっている。
セル2を透過した第2の直線偏光Eは1/8波長板3を透過して第1反射板4に入射し、一部が第1反射板4を透過して偏光計5に入射する。そして、残りの一部が第1反射板4で反射されて1/8波長板3に再度入射する。セル2を透過した第2の直線偏光Eは入射光強度が一定の周期で増減するパルス状の直線偏光であるため、1/8波長板3からセル2に再入射する光E(すなわち円偏光入射手段からセル2に射出される光E)も入射光強度が一定の周期で増減するパルス状の光となる。
光Eは1/8波長板3を2回通過するので、前述の直交した偏光の2つの波の位相差は90°(1/4波長)となる。1/8波長板3に入射する光Eの偏光がX軸に沿う方向であれば偏光の変化は少ないが、少しでも傾いていれば、セル2に帰還される光Eは楕円偏光となる。
楕円偏光は振幅の違う左右円偏光の和で表すことができ、角運動量を持っている。したがって、この楕円偏光をセル2内の原子が吸収すると、光ポンピングが生じ、原子のスピン偏極が作られる。1/8波長板3及び第1反射板4は、厳密には、セル2を透過した光Eの一部を楕円偏光又は円偏光に変換してセル2に入射するものであるが、楕円偏光も円偏光と同様に光ポンピングを行う機能を有するため、本明細書では両者を区別しないで円偏光と表示する場合がある。
上記構成の磁気センサー10においては、セル2にレーザー照射を行わない状態では、セル2の内部に封入されているアルカリ金属原子は外部磁場Bにより僅かに磁化(スピン偏極)する。この磁化の初期値(初期磁化)をMとする。
ここで光源1からX方向に振動する直線偏光のビームEを出力し、セル2を透過させる。セル2に入射する光Eの強度をIとする。セル2を透過した光Eは初期磁化Mによるファラデー効果により偏光面が僅かに回転し、Y方向成分を生じる。その後、1/8波長板3を透過し、第1反射板4で反射した後、再び1/8波長板3を透過する。この過程で、X方向成分とY方向成分とでπ/2(1/4波長)の位相差が生じ、楕円偏光Eとなり、再びセル2に入射する。
楕円偏光は振幅の異なる左右円偏光の和で表すことができるため、セル2内のアルカリ金属原子が楕円偏光Eを吸収すると、スピン偏極が助長され、ファラデー回転角が大きくなる。いわゆるスピン偏極(ファラデー回転角)の正帰還が生じる。ただし、初期磁化Mは最終的には飽和磁化Mに収束する。偏光計5でセル2を透過する前後の光E,Eの偏光面の回転角を測定すると、スピン偏極を検出することができる。演算装置6は、偏光計5で検出された偏光面の回転角に基づいて外部磁場Bの大きさを検出する。
入射光強度Iとスピン偏極との関係を図2に示す。外部磁場B=0において、入射光強度Iが小さいときには、セル2内のアルカリ金属原子は個々のスピンがランダムな方向を向いており、全体としてスピン偏極はできていない。しかし、入射光強度Iを増加させていくと、ある所定の臨界値Iに達したときに対称性の破れが生じ、スピン偏極が生じる。
光Eの偏光方向が1/8波長板3のX軸と完全に一致しており、右手系と左手系が全く対称である場合には、どちらの極性のスピン偏極が生じるかは偶然が支配するところとなるが、外部磁場Bが存在し、初期磁化Mが有限の値を持つ場合には、初期磁化Mの極性が最終的なスピン偏極の極性を決めることになる。
ここで、入射光強度Iが臨界値Iよりも大きい場合のスピン偏極の動特性を考える。スピン偏極の指標として磁化M(t)を導入する。磁化M(t)の導出方法については、非特許文献2を参照されたい。
先程と同じように、入射光強度Iがゼロのときの磁化(初期磁化)をM、飽和磁化をMとし、M(t)<<Mとすると、光Eの入射を開始してt秒後の磁化M(t)は次の式で与えられる。
Figure 0005365367
αは、入射光強度I、磁化の緩和時間、第1反射板4の反射率、セル2の長さW等で決まる定数である。式(1)によれば、磁化M(t)は時間tと共に指数関数的に増大する。そのため、図1の光学系には初期磁化Mを増幅する効果があることが解る。
そこで、この磁化増幅効果を用いて微小な磁場を増幅することを考える。入射光強度Iを一定値としてセル2に光Eを入射し続けると、スピン偏極は急速にどちらかの極性に偏ってしまうため、入射光強度Iを変調し、1周期毎に臨界値I未満の状態、すなわち初期磁化Mに戻すことを考える。このときの入射光強度I(t)と磁化M(t)の挙動を図3に示す。
図3(a)において、光Eは、入射光強度Iが一定の周期tで時間軸に対して増減を繰り返すパルス状の光としてセル2に入射される。入射光強度Iの最大値Imaxは臨界値Iよりも大きく、入射光強度Iの最小値Iminは、臨界値Iよりも小さい。
図3(b)に示すように、入射光強度Iを臨界値Iよりも大きくすると、磁化の正帰還が始まり、磁化が指数関数的に増大する。所定の時間経過後、入射光強度Iを臨界値Iよりも小さくすると(この時間位置をT(i=n,n+1,n+2,n+3…)で示す)、正帰還が止まり、緩和過程を経て初期磁化の状態に戻る。時間Tの位置で偏光計5の出力をサンプルホールドすると、増幅された磁場信号を取り出すことができる。演算装置6は、このサンプルホールドされた出力の時間変化に基づいて外部磁場Bの大きさを演算する。
なお、図3(b)は、非特許文献2に記載された以下の理論式(2)に基づいて行ったシミュレーション結果を示す図である。
Figure 0005365367
図3では、式(2)に基づいてz方向磁化m(t)に対する微分方程式を数値計算により解くことにより、磁化の時間的変化を得ている。初期磁化m(0)は1.0E−5、2.0E−5、及び4.0E−5の3水準とし、計算に用いる定数は表1の値とした。
Figure 0005365367
例えば、入射光強度0.014Wを連続的に照射した場合の結果を図4に示す。初期的には磁化は指数関数的に増加し、初期値により増加速度が異なる。ただし、時間が経つにつれて飽和レベルに収束していく。
次に、照射時間0.14sec経過した後、急激に停止した場合(例えば、入射光強度をゼロとした場合)の結果を図5に示す。光の照射が無くなった瞬間に磁化の増幅は停止し、緩和過程に入る。この過程では、磁化はほぼ指数関数的に減衰する。曲線のピークレベルはほぼ初期磁化m(0)に比例する。ただし、m(0)=4.0E−5の場合は、飽和レベルに近づくため、その影響を受けて比例関係に誤差を持つ。
図3に示すようにパルス状の光を周期的に照射することにより、測定磁場の時間変化を計測することが可能となる。増幅された磁化のピークは初期磁化を反映したレベルとなり、これを検出することにより、微小な磁場を感度良く計測することができる。
[第2の実施の形態]
図6は本発明の第2実施形態の磁気センサー20を示す概略構成図である。本実施形態の磁気センサー20において第1実施形態の磁気センサー10と異なる点は、光源1とセル2との間に第2反射板7を配置し、セル2内に複数回円偏光を透過させるようにした点である。そのため、本実施形態の磁気センサー20において第1実施形態の磁気センサー10と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
第2反射板7は、第1反射板4で反射され1/8波長板3及びセル2を透過した光Eの光軸上に配置されている。第1反射板4と第2反射板7との間隔は、第1反射板4と第2反射板7によって光共振器が構成されるように、その光学的距離(l,L等)が設定されている。
図6では、第2反射板7は光源1からセル2に入射する光Eの光軸上に配置されているため、第2反射板7は光Eの一部を透過してセル2に入射させると共に、第1反射板4で反射され1/8波長板3及びセル2を透過した光Eの一部を反射してセル2に入射させるように構成されている。
磁気センサー20における磁化の増幅過程は図2〜図5で説明したものと同様であるが、磁気センサー20では、第1反射板4と第2反射板7との間を往復する光によって磁化の増幅が高速に行われるため、図3で示したパルスの周期tを短くすることができる。そのため、磁化の時間変化を測定する場合の時間分解能が高くなり、より精度の高い磁場の測定が可能となる。
1…光源、2…セル、3…1/8波長板、4…第1反射板、5…偏光計、6…演算装置、7…第2反射板、10,20…磁気センサー、B…外部磁場、E…第1の直線偏光、ET…第2の直線偏光、ER…楕円偏光又は円偏光、Imax…楕円偏光又は円偏光の入射光強度の最大値、Imin…楕円偏光又は円偏光の入射光強度の最小値、I…スピン偏極が生じ始める楕円偏光又は円偏光の入射光強度の臨界値

Claims (6)

  1. 光ポンピング法を用いて磁場を測定する磁気センサーであって、
    最外郭電子が1つである原子又はイオンを囲み、前記磁場の中に配置されたセルと、
    前記セルに対してパルス状の第1の直線偏光を入射させる光源と、
    前記セルを透過した前記第1の直線偏光である第2の直線偏光の一部を楕円偏光又は円偏光に変換して前記セルに入射させる円偏光入射手段と、
    前記第1の直線偏光の偏光面である第1の偏光面と前記第2の直線偏光の偏光面である第2の偏光面との回転角を検出する偏光計と、を有し、
    前記円偏光入射手段は、光強度が周期的に変化する楕円偏光又は円偏光を前記セルに入射するものとされ、前記円偏光入射手段から前記セルに入射する楕円偏光又は円偏光の最大の光強度をI max 、前記円偏光入射手段から前記セルに入射する楕円偏光又は円偏光の最小の光強度をI min 、前記磁場がゼロのときに前記セル内の前記原子又は前記イオンにスピン偏極を生じさせることが可能な最小の楕円偏光又は円偏光の光強度をI としたときに、前記I ,I max ,I min が、I max >I >I min なる関係を満たすことを特徴とする磁気センサー。
  2. 前記偏光計の出力を前記第2の直線偏光のパルスの周期に合わせてサンプルホールドし、該サンプルホールドされた出力の時間変化に基づいて前記磁場の大きさを演算する演算装置を有することを特徴とする請求項に記載の磁気センサー。
  3. 前記円偏光入射手段は、前記セルを透過した前記第2の直線偏光の光軸上に配置され、前記第2の直線偏光に1/8波長の位相差を生じさせる1/8波長板と、前記1/8波長板を透過した前記第2の直線偏光である光を反射し、前記1/8波長板及び前記セルに入射させる第1反射板と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気センサー。
  4. 前記第1反射板は、前記1/8波長板を透過した前記光の一部を透過して前記偏光計に入射させることを特徴とする請求項に記載の磁気センサー。
  5. 前記円偏光入射手段は、前記第1反射板で反射され前記1/8波長板及び前記セルを透過した光の光軸上に配置された第2反射板を有し、前記第1反射板と前記第2反射板とにより、前記光を共振させる光共振器が構成されていることを特徴とする請求項に記載の磁気センサー。
  6. 前記第2反射板は、前記光源から前記セルに入射する前記第1の直線偏光の光路上に配置され、前記第1の直線偏光の一部を透過して前記セルに入射させると共に、前記第1反射板で反射され前記1/8波長板及び前記セルを透過した光の一部を反射し前記セルに入射させることを特徴とする請求項に記載の磁気センサー。
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