JP5364300B2 - 曲げ加工装置 - Google Patents
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従来、このような曲げ加工を行う手法として、例えば、特許文献1に記載されているように、パイプを任意の角度に曲げる曲げ加工方法がある。
具体的には、回転テーブルにボルトで固定される所要半径の凹部を有する曲げ型を備え、被加工部材であるパイプの一方がクランプ型によって曲げ型の凹部に固定されて、他方が圧力型に当接される。そして、回転テーブルを回転駆動させることで、パイプが曲げ型に巻きつけられるように曲げられる。
本発明の曲げ加工装置は、回転軸線回りに回転可能とされた回転台と、該回転台上に固定される下金型と、該下金型と重なり合う上金型と、前記回転台に前記下金型と前記上金型を一体固定するためのシャフトと、前記下金型および前記上金型を重ね合わせた際に前記シャフトの周囲に位置する曲げ加工面に被加工部材を当接させ、前記回転台を前記回転軸線回りに回転させることによって被加工部材の曲げ加工を行う曲げ加工装置において、前記曲げ加工面は、第1の直線部と、前記直線部から連続して形成されるUターン部と、前記Uターン部から連続して前記第1の直線部に対向する第2の直線部で形成されるU字形状とされ、前記Uターン部の内側端部近傍には、前記シャフトが挿入される貫通孔が設けられ、前記下金型および前記上金型との合わせ面には、嵌合部が設けられ、前記嵌合部は、前記貫通孔から離れた位置の前記第1の直線部と前記第2の直線部との間に形成されていることを特徴とする。
また、加工時に被加工部材を下金型と上金型との間に配置してこれらの金型を固定する際に、上金型と下金型とを重ね合わせる時に嵌合部が同時に嵌合されることになるので、シャフトとは別の固定部を設けるために例えばボルト等を用いる必要がない。したがって、被加工部材のセットを極めて短時間で行うことができる。これは、被加工部材を加熱した後に速やかに曲げ加工を行う場合に特に有効である。
なお、嵌合部を複数設ける場合は、第1の直線部と第2の直線部との間であって、シャフトから最も離れた位置から順にシャフトに向かう位置に設けていくことが好ましい。
なお、本発明の凹凸部は円筒形状としているが、三角形や矩形等の形状であっても同様の作用を奏する。
また、三角形や矩形等の凹凸部であっても複数設けることは可能であり、円筒形状と同様の作用を奏する。
さらに、凹凸部は、ドーナツ状のようなリング形状の凹凸部であってもよく、円筒形状と同様にシャフトにかかる負荷を低減できる。リング形状の凸部であれば、その中心部円を除く外周部円が凸状に形成され、凹部は、その中心部円を除く外周部に凹溝が形成されることとなる。したがって、凹凸部の中心部円と、その外周部円での2箇所の嵌合によって金型のずれを一層防止できることとなる。
凹凸部を複数設ける場合は、円筒形状の凹凸部とリング形状の凹凸部を組み合わせて設けることとしてもよい。
また、キーおよびキー溝は上金型および下金型に十字形状に設けることが好ましい。十字形状とすることにより、シャフトや金型にかかる負荷を長手方向と横方向で受けることとなり、シャフトにかかる負荷が低減されるとともに、金型のずれを防止することができる。
また、下金型と上金型を合わせて被加工部材をセットする際の金型の位置決めも容易に行うことができる。
そこで本発明によれば、固定部材の外側側面部に、下金型と上金型の開きを防止するための金型保持手段を設けることとした。これにより、金型に押し込み力が作用しても上金型の浮き上がり、すなわち、金型の開きを防止することができる。さらに、加工時における金型のずれも防止することができる。
なお、金型保持手段は、下金型に、横断面が矩形状の貫通孔を形成するコ字状部材が設けられ、上金型に、この貫通孔に挿入される突出部材から形成されるものである。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図5を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態にかかる金型構造(曲げ加工装置)の外観斜視図が示されている。金型は、下金型1と、この下金型1の上部から重なり合う上金型2とを備えている。
下金型1は、図2に示すように、鉛直方向に延在する回転軸線回りに回転可能な回転台19上に設置される。
下金型1および上金型2のそれぞれには、対向する金型側に突出する突出部が設けられており、各突出部の頂面には合わせ面27,28が形成されている。この突出部の側面に沿ってU字形状の曲げ加工面が形成されている。この曲げ加工面は、第1の直線部とされた第1の曲げ加工面22,23と、この第1の曲げ加工面22,23から連続して形成されたUターン部曲げ加工面24と、このUターン部曲げ加工面24から連続して形成され、曲げ加工面22,23に対向して同方向に延在する第2の直線部とされた第2の曲げ加工面25,26とから形成されている。すなわち、第1の曲げ加工面22,23と、Uターン部曲げ加工面24と、第2の曲げ加工面25,26は、下金型1と上金型2の中央部の合わせ面27,28を囲むようにU字形状とされている。これら加工面は、被加工部材である横断面が円形状のチューブ15(図2参照)を固定もしくは当接可能なように、その横断面が円弧形状とされている。金型の全体形状も、これら加工面の形状に沿うU字形状とされている(図1参照)。
本実施形態では、凸部が3個設けられているが、1個あるいは2個、3個以上設けることとしてもよい。凸部の個数は、金型の大きさや小径曲げの曲率半径による曲げ応力の負荷に応じてその数を決定すればよい。凸部を1個のみ設ける場合は、下金型1のUターン部曲げ加工面24と対向する合わせ面27の長手方向端部側、すなわち、シャフト12より離れた位置(図1では凸部7の位置)に設けることが好ましい。2個以上設ける場合は、シャフト12より離れた位置から順にシャフト12に徐々に近い位置となるように設けることが好ましく、シャフト12から最も離れた位置から順に必要数設けられることとなる。
このように金型保持手段を構成することで、下金型1と上金型2が重なり合った時、突出部材14の突出部分が、コ字状部材13の貫通孔を貫通して挿入され(図2参照)、金型の結合状態が保持される。
なお、コ字状部材13および突出部材14は、固定部材5,6と一体成形であってもよいし、別体で取り付けてもよい。別体で取り付ける場合は、例えば溶接接合(図示せず)等により取り付け固定される。
また、突出部材14の底面部(下金型2側の面)の各辺に面取り加工を施していれば、金型を重ね合わせる際に貫通孔への挿入がより容易となり好ましい。
所定の加熱装置によって被加工部材である直線形状のチューブ15を加熱した後、図2(a)に示されるように、チューブ15の一方が、下金型1と上金型2の固定部材5,6の間にセットされることによって、チューブセッティングが行なわれる。
小径曲げ加工が行なわれたチューブ15は、図3に示されるようなU字形状のものとなる。その曲がり部は、チューブ15の直径Dと曲率半径Rが同等である、すなわち、R=1.0Dの曲がり部となっている。
チューブクランプ後に回転台19が連続回転して曲げ加工が開始されると、回転力が回転台19から下金型1に伝達され、さらに下金型1から上金型2へと伝達される。この時、シャフト12に回転力、すなわち、曲げ応力が作用する。従来、シャフト12のみにかかっていた曲げ応力は、合わせ面27に形成されている凸部7,8,9にも付加されることになり、その分、曲げ応力は凸部7,8,9に分散されてシャフト12にかかる負荷が低減されることとなる。これにより、金型に円筒形状の凹凸部を設ける簡単な構造で、曲げ応力によるシャフト12の歪や折れ等の破損が防止される。シャフト12への負荷が軽減されれば、チューブ15の径と同等もしくはそれ以下のシャフト径を用いた小径曲げ加工が可能となる。また、円筒形状の凹凸部は、加工時の金型の横方向へのずれも防止されるため金型の破損も防ぐことができる。
なお、凹凸部は、シャフト12の径が小径となるほどその数を増やす方が好ましい。これは、小径のシャフト12にかかる力をより凹凸部の数だけ分散させることができ、シャフト12の破損防止効果が高まるためである。
また、凹凸部が1個の場合は、シャフト12から離れた位置にあるほど、シャフト12にかかる力が分散されることとなる。
本実施形態では、円筒形状の凹凸部としているが、三角形や矩形形状であっても同様の作用効果を奏する。
さらに、凹凸部は、ドーナツ状のようなリング形状の凹凸部(図示せず)であってもよく、円筒形状と同様にシャフトにかかる荷重を低減できる。リング形状の凸部であれば、その中心部円を除く外周部円が凸状に形成される。この中心部円は、凸状部分以外のその周辺の面と同一面であるため、外周部円に比べて凹状となっている。一方、凹部は、その中心部円を除く外周部に凹溝が形成される。この中心部円は、凹溝部分以外のその周辺の面と同一面であるため、凹溝部分より凸状に形成される。
したがって、中心部円の凹凸部の嵌合と、外周部円での凹凸部の嵌合となるため、この2箇所の嵌合によって金型のずれ防止効果を一層高めることができる。
本実施形態の凹凸部は、下金型1に凸部が形成され、上金型2に凹部が形成された例を示しているが、これらが逆に形成されていても同様の作用効果を奏する。
そこで、本実施形態では、上記の金型の開きを防止するため、矩形状の貫通孔を形成するコ字状部材13と、この貫通孔に挿入可能な突出部材14が設けられている。突出部材14は、コ字状部材13の貫通孔を貫通して嵌合されている(図2(b)参照)。このため、押し込み力により上金型2が矢印21の方向に倒れようとする場合であっても、突出部材14が抜けることなく金型の開きを防止することができる。これにより、シャフト12をより小径化することができ、一層安定した小径曲げ加工が可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について図5を参照して説明する。
図5には、本発明の第2実施形態にかかる金型構造(曲げ加工装置)の外観斜視図が示されている。
金型の基本構成については、第1実施形態と同様であるためその説明を省略する。
上述の第1実施形態では、シャフト12にかかる曲げ応力を分散させるため、円筒形状の凹凸部を設けているが、本実施形態では、円筒形状の凹凸部に代えて、キー31およびキー溝32が十字状に形成されている点で相違している。
上金型2の合わせ面28には、キー31と対向する位置に、キー31が嵌合される十字状のキー溝32が形成されている(図5参照)。
第1実施形態と同様に、チューブセッティングとチューブクランプが行なわれる(図2参照)。
チューブクランプ後に回転台19が連続回転して曲げ加工が開始されると、回転力が回転台19から下金型1に伝達され、さらに下金型1から上金型2へと伝達される。この時、チューブ15の曲げ応力がシャフト12と金型に作用する。本実施形態では、合わせ面27および28に、十字状のキー31およびキー溝32が形成されているため、シャフト12にかかる曲げ応力はキー31に分散されることとなる。このキー31は、金型の長手方向と横方向に連続して形成されているため、曲げ応力は、合わせ面27に一様に分散されることとなり、シャフト12にかかる負荷を低減することができる。これにより、金型に直線状のキー31およびキー溝32を設ける簡単な構造で、曲げ応力によるシャフト12の歪や折れ等の破損が防止され、チューブ径と同等もしくはそれ以下のシャフト径を用いた小径曲げ加工が可能となる。さらに、加工時の金型の横方向へのずれも防止されるため金型の破損も防ぐことができる。
2 上金型
3,4 貫通孔
5,6 固定部材
7,8,9 凸部(嵌合部)
10 キー溝
11 キー
12 シャフト
13 コ字状部材(金型保持手段)
14 突出部材(金型保持手段)
15 チューブ(被加工部材)
16 チューブエレメント
17 ナット
18 圧力型
19 回転台
22,23 第1の曲げ加工面
24 Uターン部曲げ加工面
25,26 第2の曲げ加工面
27,28 合わせ面
29,30 金型端部平面
31 キー(十字形状)
32 キー溝(十字形状)
50 曲げ加工装置
Claims (6)
- 回転軸線回りに回転可能とされた回転台と、
該回転台上に固定される下金型と、
該下金型と重なり合う上金型と、
前記回転台に前記下金型と前記上金型を一体固定するためのシャフトと、
前記下金型および前記上金を重ね合わせた際に前記シャフトの周囲に位置する曲げ加工面に被加工部材を当接させ、前記回転台を前記回転軸線回りに回転させることによって被加工部材の曲げ加工を行う曲げ加工装置において、
前記曲げ加工面は、第1の直線部と、前記直線部から連続して形成されるUターン部と、前記Uターン部から連続して前記第1の直線部に対向する第2の直線部で形成されるU字形状とされ、
前記Uターン部の内側端部近傍には、前記シャフトが挿入される貫通孔が設けられ、
前記下金型および前記上金型との合わせ面には、嵌合部が設けられ、
前記嵌合部は、前記貫通孔から離れた位置の前記第1の直線部と前記第2の直線部との間に形成されていることを特徴とする曲げ加工装置。 - 前記嵌合部は、前記第1の直線部と前記第2の直線部との間に、複数整列配置されて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の曲げ加工装置。
- 前記嵌合部は、凸部および凹部とされ、前記凸部は円筒形状であって、前記凹部は円筒形状孔であることを特徴とする請求項1または2に記載の曲げ加工装置。
- 前記嵌合部は、キーおよびキー溝とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の曲げ加工装置。
- 前記第1の直線部を有する前記曲げ加工面には、前記被加工部材を固定するための固定部材が設けられ、
前記固定部材の外側端部には、前記第1の直線部に沿う方向に第2のキーおよび第2のキー溝が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の曲げ加工装置。 - 前記固定部材の外側側面部に、前記下金型と前記上金型の開きを防止するための金型保持手段が設けられていることを特徴する請求項1ないし5のいずれかに記載の曲げ加工装置。
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