JP5363664B1 - 可燃性ガス含有機器の処理方法および処理機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器内部を減圧して可燃性ガス含有機器の処理を行う際の安全性を確実に確保する。
【解決手段】可燃性ガス含有機器から可燃性ガス等を回収する容器を密閉して容器の内部を減圧した状態で、可燃性ガス含有機器内部の残留ガスを容器内に放出させる回収作業を行う。この回収作業時に、減圧された容器の内部に、空気のリーク量に応じた不活性ガスを供給し、容器内部の酸素濃度が限界酸素濃度以下に保たれるようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、可燃性ガスを含有した機器(カセットボンベ、ガスライター、エアゾール缶及び可燃性冷媒を使用した冷蔵庫等冷凍機類)を真空域で処理する可燃性ガス含有機器の処理方法および処理機構に関する。
缶の内容物を噴射するために液化石油ガスなどの可燃性ガスを噴射用ガスとして用いるエアゾール缶が、多様な用途に使用されている。また、可燃性ガスを燃料としたガスライターやカセットボンベも普及している。またより低い温暖化係数の可燃性冷媒も冷蔵庫等に使用されている。
これらの可燃性ガス含有機器は、使用済みになると廃棄されるが、内部に可燃性ガスが残っているため、静脈の大きな事故原因となっている。
これに対して、本出願人は、ガス缶を安全に破砕処理できる処理装置(特許文献1)や可燃性冷媒処理装置を提案した。
共に不活性ガス雰囲気で減圧して処理する。前者のガス缶の処理装置は、ガス缶を穿孔する穿孔機を備えた容器内を密閉できる構造とし、穿孔或いは破砕機を運転するものである。後者は管路より冷媒に混じって混入する空気中の酸素を酸化触媒と該可燃性冷媒により酸化除去するものである。
これらの可燃性ガス含有機器を安全に処理する方法としては、大気圧以上で処理するものと、真空域で処理するものに大別できるが、(但し可燃性冷媒を処理するものは真空域に限られる)大気圧以上で処理するものは、処理中常に圧力の上昇があるため外部漏出の危険が内在する。また相対的に酸素分圧が高い為不活性性ガスも多くを必要とする。一方真空域で処理するものは、外部漏出の危険が無く、不活性ガスの消費量が少ない為、優れて安全であり経済的であるが、逆に外部より内部への空気の流入が懸念される。とりわけバッチ処理を行うため開閉扉を有するエアゾール缶カセットボンベ及びライターの処理装置は、シールの劣化が激しく流入空気量もその都度変動する。
これらはいずれも処理前の置換により容器内の酸素濃度を低くすることで、安全を担保しているが、いずれも気密性能の低下による、外部からの空気流入に関する対処については触れられていない。
可燃性ガスの爆発、燃焼を防ぐ指標は幾つか知見があり、空気中では爆発範囲がまた閉鎖系では限界酸素濃度が良く使われる。
次の表1は、可燃性ガスの爆発や燃焼を防ぐ限界酸素濃度にするための、空気に対する不活性ガス(窒素)の添加量の例を示すものである。この添加量は、空気1に対する窒素の添加量をNとし、限界酸素濃度をCとしたとき、空気中の酸素濃度が20.9%であるため、N=(0.209−C)/Cの式より求まる。
Figure 0005363664
限界酸素濃度は可燃性ガス種、付加不活性ガス種により決まる、水(水蒸気)は運転温度と、必要分圧が水蒸気の凝縮しない範囲であれば最も経済的であるが、本題の装置類は運転温度が常温のため使用できない。窒素は空気の主要成分であり、酸素、可燃性ガスの三成分系で制御できるので経済的で手軽な手段である。装置の設置環境でボイラー等のオフガスが使用できる場合は、これを不活性ガスとして利用することも可能である。
流体は圧力差により流動するが気体は圧縮性(圧力により大きな体積変化を伴う性質)流体であるから、高圧側から隙間を経由して低圧側に熱収支を伴わず流れる場合、一定差圧まで差圧が増大すると、低圧側の流速は増大するが噴出流速が音速になると圧縮性をなくし衝撃波となる為流速は音速で一定になる。
これを臨界流量として、この時の圧力比は0.5で臨界圧力比として知られている。この原理を、広く使われている流量計算式で表す。
高圧側圧力をP1、低圧側圧力をP2、とすると、(P1/P2)>2のとき((P2/P1)<0.5)の流量は、
Q=C・P1(T)−0.5
Q:流量
C:ガス種、単位、により決まる定数
T:温度(K)
P1:高圧側絶対圧力
で表記されP2に依存しない。
ちなみに圧力比は0.5以上の領域では、
Q=2・C・(((P1−P2)・P2)/T)0.5
Q:流量
C:ガス種、単位、により決まる定数
T:温度(K)
P1:高圧側絶対圧力
P2:低圧側絶対圧力
本明細書で説明する例では常にP1は大気圧であり、1atm=101325Pa=760mmHgを基準に装置内圧力が50662Pa=380mmHg以下では流量が一定になる。これを図4のグラフで示す。
図4に示すように、低圧側圧力P2が、高圧側圧力P1(大気圧)の1/2以下のとき、流量Qが一定になる。この一定の流量が臨界流量である。なお、図4は臨界流量を説明するために示した図であり、図4に示した数値は、本例の装置で発生するリーク量を示すものではない。
特許第5060585号公報
ところで、上述の様に優れた安全性や経済性を持つ真空域の処理装置は、空気の流入を克服し完璧に安全な物にする為には、劣化の無い完璧な気密構造が必要であるが、実際には不可能に近く、現実的には処理容器に空気の流入があることを前提として、安全性を確保する必要がある。
可燃性ガスの爆発、燃焼を防ぐ為には、爆発範囲外或いは対象可燃性ガスの限界酸素濃度以下に系内を保つ必要がある。例えば、容器内を減圧して破砕作業を行うガス缶の処理装置は、ガス缶の容器への投入作業と、破砕後の破砕物の容器からの取り出し作業が必要である。これらの投入作業や取り出し作業のために、ガス缶の破砕作業を行う前後には、必ず容器の蓋などを開閉する必要がある。したがって、容器の蓋やハッチは比較的頻繁に開閉が行われ、開閉の繰り返しで容器内部の気密性が徐々に低下する。また、長期間の使用による劣化が生じていない場合でも、ガス缶の破砕で生じた細かい屑がハッチと容器の間に挟まる等で、一時的に容器内部の気密性が十分でない場合もある。
ここで、容器の気密性が十分でない状況で破砕作業を行うと、破砕作業時に、外部から容器内に空気が侵入する量が増えることになる。容器内に空気が侵入するということは、容器内の酸素濃度が高くなることであり、容器内部を上述した限界酸素濃度以下に保つ上で好ましくない。もし、内部の酸素濃度が限界酸素濃度を超える空気が侵入したときには、破砕作業中の安全が確保できないことになる。
本発明は、容器内部を減圧して可燃性ガス含有機器の処理作業を行う際の安全を確実に担保することを目的とする。
本発明の可燃性ガス含有機器の処理方法は、以下の各工程を含む。
(a)可燃性ガス含有機器から可燃性ガスを回収する容器を密閉して前記容器の内部を減圧する減圧工程。
(b)容器内の圧力と減圧速度を計測する工程。
(c)減圧工程で減圧された容器内部に外部から流入する流入空気量を計測する流入量計測工程。
(d)前記流入量計測工程で計測算出された流入空気量に基づいて、減圧された前記容器の内部への不活性ガスの供給量を設定し、その設定した供給量の不活性ガスを、可燃性ガス含有機器から可燃性ガス等を回収や処理の作業を行う間、供給する不活性ガス供給工程。
ここで、不活性ガス供給工程では、限界酸素濃度に到達する圧力若しくは作業の開始時から限界酸素濃度に到達する時間に基づいて、不活性ガスの供給を行う。
また本発明の可燃性ガス含有機器の処理機構は、密閉可能な容器と、容器内の圧力を計測する圧力センサと、密閉状態となった前記容器の内部を減圧するポンプと、圧力センサが計測した圧力の変化に基づいて、減圧された容器に外部から漏れる空気の流入量を判定する流入量判定部と、流入量判定部で判定された流入空気量に基づいて、減圧された容器の内部への不活性ガスの供給量を設定し、その設定した供給量の不活性ガスを、減圧された容器が可燃性ガス含有機器から可燃性ガスを回収する作業を行う間、供給する不活性ガス供給部とを備える。不活性ガス供給部は、限界酸素濃度に到達する圧力若しくは作業の開始時から限界酸素濃度に到達する時間に基づいて、不活性ガスの供給を行うようにした。
本発明によると、可燃性ガス等の回収、処理時に容器内に不活性ガスが供給されるため、外部から容器内に酸素が侵入しても、限界酸素濃度以下に保つことができ、安全に可燃性ガス等の回収、処理作業を実行することができる。
本発明の一実施の形態によるガス缶処理装置の全体構成例を示す構成図である。 本発明の一実施の形態によるガス缶の処理の流れを示すタイムチャートである。 本発明の一実施の形態による破砕前と破砕工程中の処理例を示すフローチャートである。 低差圧から臨界圧力比以上の無限大(P1/0)までの差圧時の流量変化及び臨界流量を示す図である。 本発明の一実施の形態による破砕時の組成と圧力変化の例を示す模式図である。 本発明の一実施の形態による窒素添加有無時の圧力と酸素濃度変化の例を示す図である。 本発明の一実施の形態によるポンプ能力及び空気流入量と限界酸素濃度到達圧力との関係の例を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態の例(以下「本例」と称する)を、添付図面を参照して説明する。
[1.ガス缶処理装置の全体構成]
図1は、本例のガス缶処理装置の構成を示す図である。本例においては、可燃性ガス含有機器の処理機構を、可燃性ガスを含有する缶を破砕或いは穿孔(以下開口)するガス缶処理装置に適用したものである。ガス缶処理装置100は、破砕処理装置101と排気処理装置102と不活性ガス発生装置103とを備える。
破砕処理装置101は、ガス缶が投入される容器110を有する。
容器110は、ガス缶を投入するための上部の蓋111と、開口されたガス缶を取り出すための下方のハッチ112とを有する。蓋111とハッチ112を閉じた状態のとき、容器110内は密閉状態となり、気密性が保たれる構造である。
容器110の内部には、可燃性ガス含有機器の開口機構としての構成が備えられる。本実施例では、容器110は、ガス缶を破砕する破砕部としての回転刃161,162を備える。この回転刃161,162が回転することで、容器110の内部のガス缶が破砕される。回転刃161,162により破砕されたガス缶(粉砕物)が、容器110の下方に溜まる。
ガス缶処理装置100は排気系統として容器110には、管路121,122,123及び弁V1,V2,V3を介して真空ポンプ120に接続している。
同様に置換系統として容器110には、管路131及び弁V10が、また窒素供給系統として、管路132及び弁V11が、窒素タンク170に接続してある。容器110に酸素濃度維持用の不活性ガスを供給する管路132は、容器110の上部に接続する。この酸素濃度維持用の不活性ガスを供給する管路132を容器110の上部に接続したのは、容器110内を減圧する真空ポンプ120から最も離れた側(つまり圧力が高い側)に、酸素濃度維持用の不活性ガスを供給するためである。
弁V5,V7、V9とその接続管路、及び廃液タンク141、油洗浄槽143、水洗浄槽144、は可燃性ガス等の回収、処理工程時に制御される。
不活性ガス発生装置103は、不活性ガスである窒素を発生する装置である。不活性ガス発生装置103が発生した窒素が、不活性ガスタンク170に溜められる。この不活性ガス発生装置103と不活性ガスタンク170が不活性ガス供給部になる。
ガス缶処理装置100での破砕処理を制御する制御部200は、実装されたプログラムの実行で、ガス缶の破砕処理を制御する。この制御部200は、破砕処理時に容器110に外部から流入する空気量を判定する。また、制御部200は、破砕処理の実行中に容器110内に供給する不活性ガス(窒素)の供給量を設定する。
[2.ガス缶処理装置での処理の流れ]
図2は、本例のガス缶処理装置100でのガス缶処理の流れを示す図である。図2の縦軸は容器110内の圧力(絶対圧力)であり、横軸は時間である。
図2に従いガス缶処理装置での処理の流れの概要をガス缶処理装置で示す。ガス缶処理装置100での処理は、破砕前の工程と、破砕運転中の工程と、破砕後の工程に分けられる。
[破砕前の工程]では、真空ポンプ120の能力測定、想定される最大空気流入量の計測及容器110内の酸素濃度が限界酸素濃度以下の規定値になるよう窒素による空気置換と開口処理のための規定圧力以下に減圧する。タイミングT11よりガス缶が投入された容器110の減圧を開始して、容器110内を減圧する減圧工程を行う。T11からT12で真空ポンプ120の能力測定で減圧速度の計測を行う。T12で短時間保持し最大空気流入量の計測を行い、これに基づき容器110内の酸素濃度が限界酸素濃度以下の規定値になるよう窒素供給量を算出決定(図3のステップS16)する。T12からT13は窒素を供給して、容器内部の酸素濃度を限界酸素濃度以下に下げる工程。T13からT14はガス缶開口の為の減圧工程を行う。
[破砕運転工程]で運転中の圧力の山はガス缶から放出された可燃性ガスにより発生する。谷へ向かう右下がりの曲線は真空ポンプの排気により発生する。T21、T23では内部圧力が大気圧を越えないよう破砕を中止する。T22、T24の圧力では流入空気による内部の酸素濃度が限界酸素濃度を越える恐れがあるため、所定の窒素を供給する。T25は処理の終了を検知したことを示す。
[破砕後の工程]のT31〜は可燃性ガスを窒素で置換し容器110内の可燃性ガス濃度を爆発下限界以下にして終了する。以下に詳細を述べる。
[3.破砕前及び破砕の処理の例]
図3は、破砕前及び破砕中の制御部200の制御例を示すフローチャートである。次に述べる各ステップの内で、ステップS11からステップS24は、前述の破砕前の工程で行われる処理であり、処理前窒素置換と、リーク量計測と、真空ポンプ判定とが行われる。また、ステップS25からステップS31は、破砕工程時の処理である。
容器110にガス缶を装てんし運転スイッチを押すと制御部200は真空ポンプ120及び排気ファン150を起動し、弁V1、V2,V3,V5、V6、V9を開き容器110内を規定圧力まで減圧する(ステップS11、S12)。
このときには、容器110内が、例えば臨界圧力比を越える(P2/P1)>0.5 圧力(例えば図2に示した40kPa)までの減圧所要時間が規定された最短時間であるとき、真空ポンプ120の能力を100%とし、規定された時間内で遅れるとき、その遅れ時間に応じて、真空ポンプの能力を算定する(ステップS13)。
続けて弁V3を閉じ減圧を停止し一定時間保持する。そして、制御部200は、臨界圧力比以下に減圧した状態での圧力センサ180の圧力変化を計測し、処理装置真空系に流入する最大空気流入量(=臨界流量)を算定する(ステップS14)。到達圧力、減圧所要時間、臨界流量が制御許容範囲を超える時は警報を発し破砕を行わない(ステップS12、S13、S15)。図7に真空ポンプの能力に関係した流入空気量に対応した到達圧力を示す。
ステップS15でリーク量が規定値以内であると判断した場合には、制御部200は、リーク量に対応した添加窒素量を算出し(ステップS16)、ポンプ能力とリーク量とに基づいて窒素の添加開始圧力を算出する(ステップS17)。
そして、制御部200は、弁V10を開けて容器110内に窒素を大気圧まで供給する(ステップS18)。さらに、ステップS19で大気圧になったと判断したとき、真空ポンプ120による排気を開始し、容器110内の圧力を減圧する(ステップS20)。そして、破砕処理を開始する圧力に減圧されたら、破砕処理を開始する(ステップS25)。開始圧力は図2の例では40kPaである。
この破砕運転中には、ステップS15で取得した添加量の窒素の添加を継続して行う(ステップS32)。これにより最大流入空気量と添加窒素の合成された酸素濃度は限界酸素濃度を下回るため、容器110内の酸素濃度は限界酸素濃度を超えない。このように破砕運転中に継続して、リーク量に対応した窒素の添加を行うのは一つの例であり、継続した窒素添加は行わず、後述する圧力に応じた窒素添加だけを行うようにしてもよい。
減圧下では絶えず空気の流入により酸素濃度は空気組成の20.9%に向かい上昇を続ける。そのため処理開始から一定時間経過後から算定した窒素を添加しても良い。この場合のステップS13のポンプ能力から添加開始時間を設定すればより合理的である。
減圧下では絶えず空気の流入により酸素濃度は空気組成の20.9%に向かい上昇を続ける。本機構の低真空域(数kPa〜100kPa)では真空ポンプ能力は流入空気量より遥かに大きな真空ポンプ能力のため、圧力の低下と酸素濃度の上昇は相関し、算定した圧力で窒素を添加することで常に酸素濃度を制御できる。この様子を図6に示す。この図6は、窒素無添加時の酸素濃度と圧力(実線)、及び窒素無添加時の酸素濃度と圧力(破線)を示す。図6の例は、作業の開始から27秒で窒素の添加を開始した。この図6では、27秒のとき酸素濃度が約11%になり、その濃度に対応した圧力の検出で窒素の添加が開始され、酸素濃度が低下する。窒素無添加時には、酸素濃度が11%を越えて上昇する。
可燃性ガスのガス缶からの放出も全く窒素の添加と同様な効果があるため、缶の破砕時に可燃性ガスの放出があれば容器110内の酸素濃度を低下させる。可燃性ガスのガス缶からの放出は、酸素濃度の観点からより高い圧力での窒素添加と同効果があるため、圧力による窒素添加制御による安全性を高める働きがある。
真空ポンプの劣化等により真空ポンプ能力が低下した場合、減圧速度と容器110内の酸素濃度上昇速度が遅くなる。また流入空気量が増加すると容器110内の酸素濃度上昇速度が速くなる。真空ポンプ120の能力が100%,90%,80%,70%のときの臨界空気流入量変化と限界酸素濃度到達圧力の変化の関係を図7に示す。これは図3のフローチャートのステップS13(真空ポンプ能力算出)とステップS14(臨界流量)からステップS17で窒素添加開始圧力を決定する。破砕→可燃性ガス放出により窒素添加開始圧力を越えた場合には酸素濃度が低下しているため、窒素添加は中断する。
[4.容器内部の酸素濃度の変化例]
ここで、図5の模式図を参照して、破砕時の容器110内部の組成と圧力の変化例を示す。
容器110内の圧力Pは、ガス缶を破砕して、ガス缶から残留ガス(可燃性ガス)が容器110内に放出されることで上昇する。「破砕」と記載したタイミングが、可燃性ガスが放出されるタイミングであり、そのタイミングで可燃性ガス濃度Gが上昇すると共に、相対的に酸素濃度と窒素濃度は低下している。当然容器110内の圧力Pについても上昇する。また、真空ポンプ120による減圧が常時行われているため、容器110内の圧力Pが徐々に低下している。
ここで、容器110内の酸素濃度Oについては、可燃性ガスが燃焼せず爆発もしない限界酸素濃度以下を保つよう窒素を添加している。すなわち、破砕作業中には、破砕前の工程で計測した空気流入量の空気の流入が絶えずあり、仮に窒素の供給がない場合、その空気の流入量に対応した酸素濃度破線で示すO′は徐々に増加し限界酸素濃度を越え可燃性ガス濃度は低下し爆発範囲に入ってしまう。
破砕運転のステップS29に移行したとき、制御部200は、回転刃161,162の回転駆動時に加わるトルクの監視から、負荷がある状態か否かの判断を行う(ステップS30)。負荷があるのとき、ステップS26の判断に戻る。
そして、ステップS30で負荷がない状態であると判断したとき、破砕運転を終了し、容器110の内部の窒素置換工程に移る(ステップS31)。
以上説明したように、本例のガス缶処理装置100によると、ガス缶の粉砕作業中には、作業開始前に計測した空気のリーク量と容器110内の圧力に基づいて、容器110の内部が、可燃性ガスの爆発や燃焼を防ぐ限界酸素濃度以上になる圧力時には、限界酸素濃度以下になるように不活性ガス(窒素ガス)が供給され、破砕作業中の安全が保たれる。
また、真空ポンプと臨界流量の計測は、可燃性ガス含有機器(ガス缶)の処理を行う毎の空気の置換工程で行うため、1バッチごとに計測され、破砕作業時に的確な制御値が得られる為、高い安全性が確保される。
また、本例のガス缶処理装置100が備える真空ポンプ120が劣化したときには、流入空気による内部健全ガスとの置換を阻害することになるが、本実施の形態の処理を行うことで、常に内部が限界酸素濃度以下に保たれ、容器110内が安全サイドに保たれ、安全性が確実に確保される。
また、臨界流量から不活性ガスの添加量を算出したことで、圧力センサ180の圧力変化を監視するだけの簡単な構成で制御できる。
[5.変形例]
なお、制御部200は、破砕工程の間、不活性ガスを絶えず容器110内に供給する場合と、内部圧力に応じて不活性ガスを随時容器110内に供給する場合のいずれでもよい。不活性ガスを絶えず容器110内に供給する場合には、図3のフローチャートに示したステップS32での窒素添加を継続して行い、容器内が限界酸素濃度以下に保たれるようにすればよい。
また、ガス缶処理装置100の各工程を制御する制御部200は、汎用のコンピュータ装置で構成してもよい。この場合、そのコンピュータ装置に実装するプログラムが、図3のフローチャートに示した処理を実行するようにすればよい。
また、上述した実施の形態で説明したガス缶処理装置の構成や、各処理工程の詳細については、好適な一例を示したものであり、請求項に記載した本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成や処理について変形ができることは勿論である。例えば、破砕処理装置101は、容器110内に配置した回転刃161,162でガス缶を破砕する構成としたが、その他の構成でガス缶を開口して、可燃性ガスを容器110内に放出させるようにしてもよい。
また、破砕工程時の破砕圧力帯などの圧力値についても一例を示したものであり、上述した実施の形態の中で説明した圧力値に限定されるものではない。
また、上述した実施の形態の例では、可燃性ガス含有機器の処理装置を、ガス缶処理装置に適用した例とした。これに対して、その他の可燃性ガス含有機器の処理装置に、本発明の処理や構成を適用してもよい。例えば、冷蔵庫などの各種電気製品としての可燃性ガス含有機器内のブタン冷媒を、管路を通じて冷媒、冷凍機油を容器内に回収する処理装置にも、本発明は適用が可能である。
この冷媒などを回収する場合には、例えば可燃性ガス含有機器から冷媒などのガスを取り出した後、真空度や温度条件などを判定して、回収が終了したか否か判断することで対処できる。すなわち、例えば図3のフローチャートのステップS29の処理運転開始後に、破線で示すように、容器内の真空度が処理を完了した真空度であるか等の判定を行い(ステップS41)、真空度などから処理を完了したと判断したとき、さらに温度条件の判定を行い(ステップS42)、温度条件を満たすとき処理を終了するようにすればよい。
10…ガス缶、100…ガス缶処理装置、101…破砕処理装置、102…排気処理装置、103…不活性ガス発生装置、110…容器、111…蓋、112…ハッチ、120…真空ポンプ、121〜126,128,129,131,132…管路、141…廃液タンク、143…油洗浄槽、144…水洗浄槽、150…排気ファン、161,162…回転刃、170…不活性ガスタンク、180…圧力センサ、200…制御部、V1〜V3,V5〜V7,V9〜V11…自動弁

Claims (6)

  1. 可燃性ガス含有機器から可燃性ガスを回収する容器を密閉して前記容器の内部を減圧する減圧工程と、
    前記容器内の圧力を計測する圧力計測工程と、
    前記減圧工程で減圧された前記容器内部に外部から流入する流入空気量を計測する流入量計測工程と、
    記流入量計測工程で計測された流入空気量に基づいて、減圧された前記容器の内部への不活性ガスの供給量を設定し、その設定した供給量の不活性ガスを、可燃性ガス含有機器から可燃性ガスを回収する作業を行う間、供給する不活性ガス供給工程とを含み、
    前記不活性ガス供給工程は、限界酸素濃度に到達する圧力若しくは作業の開始時から限界酸素濃度に到達する時間に基づいて、不活性ガスの供給を行う
    可燃性ガス含有機器の処理方法。
  2. 前記流入量計測工程は、前記減圧工程で前記容器の内部を減圧した状態で、前記容器の圧力変化から臨界流量を求め、その臨界流量を流入空気量とする
    請求項1記載の可燃性ガス含有機器の処理方法。
  3. 前記減圧工程で前記容器の内部を減圧するポンプの能力を判断し、判断したポンプの能力と、前記流入空気量とに基づいて、前記不活性ガス供給工程で不活性ガスの供給を開始する前記容器内の圧力を設定する
    請求項2記載の可燃性ガス含有機器の処理方法。
  4. 可燃性ガス含有機器から可燃性ガスを回収する密閉可能な容器と、
    前記容器内の圧力を計測する圧力センサと、
    密閉状態となった前記容器の内部を減圧するポンプと、
    前記圧力センサが計測した圧力の変化に基づいて、減圧された前記容器に外部から漏れる空気の流入量を判定する流入量判定部と、
    記流入量判定部で判定された流入空気量に基づいて、減圧された前記容器の内部への不活性ガスの供給量を設定し、その設定した供給量の不活性ガスを、減圧された前記容器が可燃性ガス含有機器から可燃性ガスを回収する作業を行う間、供給する不活性ガス供給部とを備え
    前記不活性ガス供給部は、限界酸素濃度に到達する圧力若しくは作業の開始時から限界酸素濃度に到達する時間に基づいて、不活性ガスの供給を行う
    可燃性ガス含有機器の処理機構。
  5. 前記流入量判定部は、前記ポンプが前記容器の内部を減圧した状態での圧力変化から臨界流量を求め、その臨界流量を空気流入量とする
    請求項4記載の可燃性ガス含有機器の処理機構。
  6. 前記容器の内部を減圧するポンプの能力を判断し、判断したポンプの能力と、前記流入空気量とに基づいて、前記不活性ガス供給部が不活性ガスの供給を開始する前記容器内の圧力を設定する
    請求項5記載の可燃性ガス含有機器の処理機構。
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