実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに「1」〜「9」の数字と「−」の記号)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、単色のLEDと7セグメントLEDとの組み合わせによって構成されていていもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、第1特別図柄の可変表示の実行条件である第1始動条件、または第2特別図柄の可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技および小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
なお、この実施の形態において、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の仮停止を除く。)。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して第1特別図柄の変動表示を実行し、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多い場合には、第1特別図柄の変動表示に優先して第2特別図柄の変動表示を実行するようにしている。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
また、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、設けられていなくてもよい。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、所定条件が成立したときにソレノイド16によって開放状態とされる。この実施の形態では、後述するように、普通図柄の可変表示結果が当りとなったときに、可変入賞球装置15が所定時間開放状態とされる。なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態(確率変動状態)または時短状態(時間短縮状態)であるときには、通常状態であるときと比較して可変入賞球装置15が長い時間開放状態とされる。可変入賞球装置15が開放状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開放状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
図1には示していないが、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示領域という)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示領域が設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示領域が設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に(所定条件が成立したときに)、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。なお、普通図柄の可変表示結果が当りとなった場合に限らず、例えば、遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて所定条件が成立したと判断して、可変入賞球装置15を開放状態に制御するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄の可変表示を行うことなく、直ちに可変入賞球装置15を開放状態に制御するようにしてもよい。また、例えば、遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄の可変表示は行うものの、普通図柄の可変表示結果を当りとするか否かを判定することなく、無条件に可変入賞球装置15を開放状態に制御するようにしてもよい。この場合、普通図柄の当りを示す当りフラグを格納する領域が不要となり、RAM容量を削減することができる。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
さらに、通常状態および時短状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。なお、通常状態と比較して可変入賞球装置15の開放期間が延長された状態は、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められた状態を意味する。確変状態または時短状態であるときに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数のいずれも高める必要はなく、可変入賞球装置15の開放時間のみを長くするようにしてもよく、開放回数のみを増やしてもよい。
この実施の形態では、確変状態において特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が通常状態および時短状態よりも高いことを除いて、確変状態と時短状態とは同じように制御される。すなわち、確変状態および時短状態のいずれの状態においても、特別図柄の可変表示時間が短縮され、普通図柄の可変表示結果の当りとなる確率が高められ、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放延長が行われる。このように、この実施の形態では、確変状態においても特別図柄の可変表示時間が短縮されるので、この実施の形態における確変状態を確変時短状態といってもよい。なお、確変状態と時短状態とで異なる制御を行うようにしてもよい。例えば、時短状態のときにのみ、特別図柄の可変表示時間を短縮するようにしてもよい。
なお、確変状態や時短状態のときのように、普通図柄の可変表示結果の当りとなる確率が高められ、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放延長が行われている遊技状態を高ベース状態といい、通常状態のときのように高ベース状態でない遊技状態を低ベース状態という。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
また、打球供給皿(上皿)3の上面には、遊技中に遊技者が操作するための操作ボタン120が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
次に、大当りの種別および小当りについて説明する。
特別図柄の停止図柄が大当り図柄のうちの確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)になると、大当り遊技状態(以下、確変大当りという。)に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。なお、特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、特別図柄の停止図柄が大当り図柄のうちの非確変図柄になると、大当り遊技状態(以下、非確変大当りまたは通常大当りという。)に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。この実施の形態では、停止図柄が非確変図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときも、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、特別図柄の停止図柄が特別な確変図柄(以下、突然確変図柄という。)になると、遊技状態が確変状態に突然移行されたように遊技者に認識させる特別な大当り遊技状態(以下、突然確変大当りという。)に移行する。突然確変大当りでは、特別可変入賞球装置20が短い期間(例えば5秒)だけ2回開放される。突然確変大当りにおいて、特別可変入賞球装置20が開放されてから閉鎖されるまでが1ラウンドであり、突然確変大当りの遊技状態が2ラウンドだけ継続されることになる。突然確変大当りが発生したときは、15ラウンドの大当りの場合と異なり、演出表示装置9において各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せるための特別な演出が実行される。
また、特別図柄の停止図柄が小当り図柄になると、大当り遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が小さい小当り遊技状態に移行する。すなわち、短い期間(例えば5秒)だけ特別可変入賞球装置20が2回開放される遊技状態に移行する。このように、小当り遊技状態では、突然確変大当りが発生したときに遊技者に付与される遊技価値と同じ遊技価値が付与されることになる。しかし、突然確変大当りの場合と異なり、小当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に移行されない。このことから、遊技者は、小当りよりも突然確変大当りの発生を期待する。なお、小当りが発生したときも、突然確変大当りのときと同様の特別な演出が実行される。このような特別な演出を2ラウンド用演出という。
次に、遊技状態の遷移について説明する。
(1)通常状態または時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態または時短状態から確変状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄等の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景(背景画像および背景色のいずれか一方または双方)が確変状態中であることを示す背景に変更される。
(2)確変状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景が確変状態中であることを示す背景に変更される。
(3)通常状態または時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態または時短状態から確変状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められる。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。
(4)確変状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められる。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。
(5)通常状態または時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、遊技状態が通常状態であったときは通常状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行され、遊技状態が時短状態であったときは所定の変動回数だけ時短状態が継続される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景が時短状態中であることを示す背景に変更される。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。このとき、演出表示装置9の表示画面の背景が通常状態中であることを示す背景に変更される。
(6)確変状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、確変状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景が時短状態中であることを示す背景に変更される。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。このとき、演出表示装置9の表示画面の背景が通常状態中であることを示す背景に変更される。
(7)通常状態、時短状態または確変状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、通常状態、時短状態または確変状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。
以上のような遊技状態の遷移は一例であって、このような構成に限られるわけではない。
なお、この実施の形態では、演出図柄の確変図柄を「1」「3」「5」「7」のいずれかの奇数の同一図柄が揃った組み合わせとし、非確変図柄を「2」「4」「6」「8」のいずれかの偶数の同一図柄が揃った組み合わせとしているが、例えば、演出図柄の確変図柄を「3」「5」「7」のいずれかの奇数の同一図柄が揃った組み合わせとし、非確変図柄を「4」「6」「8」のいずれかの偶数の同一図柄が揃った組み合わせとし、「1」「2」のいずれかの同一図柄が揃った組み合わせを確変図柄でも非確変図柄でもない大当り図柄(確変か否かを認識できない大当り図柄)としてもよい。この場合、通常大当りおよび確変大当りが決定されたときに所定の割合(例えば乱数抽選等により決定する)で大当り図柄を、確変図柄でなく非確変図柄でもない大当り図柄(「1」または「2」)とすることにより、遊技状態が時短状態に移行されたか確変状態に移行されたかをわからなくすることができる。
次に、情報端子盤34の設置位置および情報端子盤34の内部構成について説明する。図2は、情報端子盤の設置位置を説明するための遊技盤を裏面から見た背面図である。図2に示すように、遊技盤6の裏面の右側上部に情報端子盤34が設けられている。なお、情報端子盤34の設置位置は任意の位置でよく、例えば遊技盤6の裏側から見た場合の演出制御基板ボックス2000の手前に取付部材を用いて設置するようにしてもよい。また、遊技盤6の裏面の下部には、主基板31を収容した主基板ボックス3000が設けられ、遊技盤6の裏面の中央部には、演出制御基板80を収容した演出制御基板ボックス2000が設けられている。また、遊技盤6の裏面における演出制御基板ボックス2000の奥に(遊技盤6を裏側から見た場合の演出制御基板ボックス2000の奥に)、中継基板77が設けられている。
また、情報端子盤34には、主基板31と接続されたケーブル(信号線)を接続するためのコネクタCNと、ホールコンピュータと接続されたケーブル(信号線)を接続するための複数のコネクタCN1〜CN11とが設けられている。コネクタCNとコネクタCN1〜CN11は、複数の半導体リレー(図2において図示せず。図10参照。)を介して接続されている。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が接続されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数値を抽出するための条件が成立すると、乱数回路503から乱数値を読み出す。乱数回路503は、所定周波数のクロック信号を計数するカウンタであり、カウンタのカウント値が乱数値になる。乱数回路503に供給されている所定周波数のクロック信号は、監視回路(ウォッチドッグタイマ(WDT))のクリア端子に入力されている。監視回路は、クリア端子に入力されるクロック信号の周波数よりも高い周波数のクロック信号を計数するカウンタであるが、クリア端子に入力されるクロック信号が例えばハイレベルになるとカウント値がリセットされる。よって、クリア端子に入力されるクロック信号が何らかの理由で停止した場合には、監視回路はカウントアップする。監視回路がカウントアップしたということは、乱数回路503にクロック信号が供給されていないことを示す。監視回路は、カウントアップすると、乱数回路503が正常に動作していないことを示す乱数エラー信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値、時短回数カウンタの値、遊技状態を示すフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、大入賞口内の磁気異常を検出する磁気センサ90、遊技機の異常な振動状態を検出する振動センサ91、大入賞口の開放状態を検出する開放検出センサ92および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、ホールコンピュータ等の外部装置に接続された情報端子盤34を介して、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(図61に示す始動口1信号、図柄確定回数2信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、大当り3信号、大当り4信号、異常信号、賞球信号、ドア開放信号)を外部装置に出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。なお、情報端子盤34は、遊技機の裏面に設置されており、主基板31のみと接続されている。
また、この実施の形態では、遊技機1は、前面枠に対してガラス扉枠2または機構板が開放されたことを検出するためのドア開放スイッチ154と、外枠に対して遊技枠11自体が開放されたことを検出するためのドア開放スイッチ155とが取り付けられている。主基板31には、バックアップ電源(例えば、バッテリ。コンデンサでもよい)505を含むバックアップ電源回路506が搭載されており、遊技機1への電力供給が停止されたときであっても、ドア開放スイッチ154およびドア開放スイッチ155にはバックアップ電源505からの電圧が加えられる。なお、バックアップ電源505をRAM55に供給するバックアップ電源と共通化してもよい。そのように共通化することによって、バックアップ電源のコストを削減することができる。また、ドア開放スイッチ154からのドア開放信号およびドア開放スイッチ155からのドア開放信号は、バックアップ電源回路506および遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力され、バックアップ電源回路506に入力された方のドア開放信号は情報端子盤34に入力される。
この実施の形態では、ドア開放スイッチ154からのドア開放信号およびドア開放スイッチ155からのドア開放信号の信号線が、主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に物理的に接続されているので、遊技機への電力供給が停止された場合であっても、ドア開放スイッチ154からのドア開放信号およびドア開放スイッチ155からのドア開放信号が情報端子盤34に供給される。また、バックアップ電源回路506が搭載するバックアップ電源505からの電力が情報端子盤34に供給されるので、遊技機への電力供給が停止された場合であっても、情報端子盤34は、バックアップ電源回路506を経由してドア開放信号を外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に出力することができる。
なお、この実施の形態において、RAM55用のバックアップ電源は、バックアップ電源回路506が搭載するバックアップ電源505とは別に設けられる。この実施の形態では、そのようにバックアップ電源を別々に設けることによって、ドア開放の検出状態によりRAM55が記憶する情報が破損してしまう事態を防止している。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、操作ボタン120からの検出信号を入力したことにもとづいて、操作ボタン120が操作されたこと(押されたこと)を認識する。
図4は、払出制御基板37および球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図4に示すように、払出制御基板37には、払出制御用CPU371を含む払出制御用マイクロコンピュータ(電気的に駆動される電気部品の制御を行う電気部品制御用マイクロコンピュータの一例)370が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。払出制御用CPU371、RAM(図示せず)、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。すなわち、払出制御手段は、払出制御用CPU371、RAMおよびROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ370と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ370に内蔵されていてもよい。
球切れスイッチ187の検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。満タンスイッチ48の検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。払出個数カウントスイッチ301の検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。払出個数カウントスイッチ301は、入賞にもとづいて払い出される遊技球およびカードユニット50からの球貸し要求にもとづいて払い出される遊技球をそれぞれ検出し、検出信号を出力するスイッチである。また、払出モータ位置センサ295からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。払出モータ289は、球払出装置97に設けられ、回転することによって、遊技機の裏面において貯留されている払出用の遊技球を払い出す。払出モータ位置センサ295は、払出モータ289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわち、いわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。さらに、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、打球発射装置からの球発射を停止させる。なお、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していても、打球発射装置からの球発射を停止させないようにしてもよい。また、打球発射装置に遊技制御用マイクロコンピュータ560からの信号線が接続されるように構成されている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が打球発射装置からの球発射を停止させるようにしてもよい。
入賞口への遊技球の入賞があると、主基板31の出力回路67から、払出指令信号として、払い出すべき賞球個数を示す賞球個数信号(払出数データ)および賞球個数信号の取り込み(受信)を要求する賞球REQ信号(取込要求信号)が出力(送信)される。具体的には、オン状態になる。賞球個数信号は、4ビットのデータ(2進4桁のデータ)によって構成され、4本の信号線によって出力される。なお、信号のオン状態すなわち出力状態は、信号が有意である状態であり、オン状態になることは、信号を受ける側に対してその信号にもとづく何らかの処理を開始することを指令することを意味する。例えば、賞球個数を示す賞球個数信号および賞球REQ信号がオン状態になるということは、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して、賞球個数信号が示す払出数を認識するように指令することを意味する。また、信号を出力することによってオン状態とし、信号出力を停止することによってオフ状態としてもよいが、オン状態にするときにはオン状態に応じた信号を出力し、オフ状態にするときにはオフ状態に応じた信号を出力することによって、オン状態とオフ状態とを切り替えてもよい。
賞球REQ信号および賞球個数信号は、入力回路373Aを介してI/Oポート372eに入力される。払出制御用マイクロコンピュータ370は、I/Oポート372eを介して賞球個数信号を入力すると、賞球個数信号が示す個数の遊技球を払い出すために球払出装置97を駆動する制御を行う。なお、賞球REQ信号および賞球個数信号は、払出数を指定する払出指令信号に相当する。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372aおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図4では記載省略されている。
遊技機に隣接して設置されているカードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インタフェース基板(中継基板)66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62および返却スイッチ63(図1において図示せず)が接続される。
インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372fおよび出力ポート372dを介して送受信される。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図4に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間で送受信されることになる。
インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372fおよび出力ポート372dを介して送受信される。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図4に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間で送受信されることになる。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御手段から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
なお、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187および払出個数カウントスイッチ301の検出信号に相当する信号を出力ポート372bおよび出力回路373Bを介して主基板31に出力する。しかし、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される満タンスイッチ48、球切れスイッチ187および払出個数カウントスイッチ301の検出信号を、払出制御基板37において分岐させ、分岐された検出信号を出力回路373Bを介して主基板31に出力するように構成してもよい。そのように構成した場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187および払出個数カウントスイッチ301の検出信号に相当する信号を出力ポート372bから出力する必要はない。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行うとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図5には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、操作ボタン120からの検出信号を入力ポートを介して入力し、入力した検出信号にもとづいて所定の遊技演出を行う。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図6は、情報端子盤34の構成例を示すブロック図である。図6に示す例では、情報端子盤34には、ケーブル343およびコネクタ341を介して主基板31から信号が入力される。そして、ケーブル343を介して入力された信号は、ドライバ回路345、コネクタ347およびケーブル349を介して、例えばホールコンピュータに対して出力される。
図7および図8は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図7に示すように、出力ポート0は、払出制御基板37に送信される払出指令信号(賞球個数信号、賞球REQ信号)および電源確認信号の出力ポートである。賞球個数信号のハイレベル「1」がオン状態に対応し、電源確認信号のハイレベル「1」がオン状態(電力供給が行われている状態)に対応する。また、賞球REQ信号のローレベル「0」がオン状態(払出要求が行われている状態)に対応する。
出力ポート1から、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号が出力される。
図8に示すように、出力ポート2,3は、情報端子盤34(を介してホールコンピュータ)に出力される信号の出力ポートである。なお、出力ポート2,3から出力される信号は、図6に示すコネクタ341から情報端子盤34に入力される。出力ポート2から、始動口1信号、図柄確定回数2信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、大当り4信号、大当り3信号が出力される。なお、出力ポート2から出力される信号は、遊技制御処理の実行中に発生する制御情報の信号である。
また、出力ポート3から、異常信号、賞球情報信号(賞球信号、払出情報ともいう。)が出力される。なお、この実施の形態では、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合や、大入賞口への磁気異常を検出した場合、遊技機の振動異常状態を検出した場合、大入賞口の異常開放を検出した場合に異常信号が出力される。また、賞球情報信号は、払出制御基板37から主基板31に入力された信号である。
なお、出力ポート1〜3は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、信号がオン状態になっているときが、「信号が出力されている」状態に相当する。
図9は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図9に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ39a,30a,29a,33a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力される。
また、入力ポート1のビット0〜3には、それぞれ、払出制御基板37からの賞球カウント信号、満タン信号、球切れ信号、払出エラー信号が入力される。賞球カウント信号のハイレベル「1」はオン状態(払出個数カウントスイッチ301がオンした状態)に対応する。満タン信号のハイレベル「1」はオン状態(満タンスイッチ48がオンした状態)に対応する。球切れ信号のハイレベル「1」はオン状態(球切れスイッチ187がオンした状態)に対応する。払出エラー信号のハイレベル「1」はオン状態(払出エラーが生じた状態)に対応する。
また、入力ポート1のビット5には、大入賞口に設けられた磁気センサ90からの磁気検出信号が入力される。磁気検出信号のハイレベル「1」はオン状態(磁気センサ90が磁気異常を検出してオンした状態)に対応する。入力ポート1のビット6には、遊技機に取り付けられた振動センサ91からの振動検出信号が入力される。振動検出信号のハイレベル「1」はオン状態(振動センサ91が振動異常状態を検出してオンした状態)に対応する。入力ポート1のビット7には、大入賞口に設けられた開放検出センサ92からの大入賞口開信号が入力される。大入賞口開信号のハイレベル「1」はオン状態(開放検出センサ92が大入賞口の開放状態を検出してオンした状態)に対応する。
入力ポート2のビット0,1には、それぞれ、電源基板からの電源断信号およびクリアスイッチの検出信号(クリア信号)が入力される。電源断信号は、電源基板に搭載されている電源監視回路が所定電圧の低下を検出したときに出力する信号である。クリアスイッチは遊技店員等が操作可能なスイッチあり、RAM55を初期化したいときに操作されるスイッチである。入力ポート2のビット2には、払出制御基板37からの賞球BUSY信号が入力される。賞球BUSY信号は、賞球払出が行われているときに出力される信号である。なお、入力ポート0〜2は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、信号がオン状態になっているときが、「信号が入力されている」状態に相当する。
なお、図7〜図9に示された「論理」と逆の論理を用いてもよい。例えば、1がオン状態である入力信号を0をオン状態である入力信号にしてもよい。なお、図7〜図9に示されたポート(出力ポート、入力ポート)は、一時にアクセス可能なポート、すなわち、同一割込みでアクセス可能なポートである。
図10は、情報端子盤の内部構成を示す回路図である。図10に示す情報端子盤34において、左側のコネクタCNは、図6に示した主基板31からの信号を伝達するケーブル343を接続するためのコネクタ341に相当し、右側のコネクタCN1〜CN11は、図6に示したホールコンピュータに対して信号を伝達するケーブル349を接続するためのコネクタ347に相当する。また、半導体リレー(PhotoMOSリレー)PC1〜PC11は、図6に示したドライバ回路345に相当する。
主基板31からのケーブル343がコネクタCNに接続されることにより、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から各種信号が情報端子盤34に入力される。具体的には、コネクタCNの端子「2」に始動口1信号が入力され、コネクタCNの端子「3」に図柄確定回数2信号が入力され、コネクタCNの端子「4」に図柄確定回数1信号が入力され、コネクタCNの端子「5」に大当り1信号が入力され、コネクタCNの端子「6」に大当り2信号が入力され、コネクタCNの端子「7」に時短信号が入力され、コネクタCNの端子「8」に大当り4信号が入力され、コネクタCNの端子「9」に大当り3信号が入力され、コネクタCNの端子「10」に異常信号が入力され、コネクタCNの端子「11」に賞球情報信号が入力される。
図10に示すように、情報端子盤34では、コネクタCNの端子「1」に基準電位の信号線が接続され、その信号線が分岐して、各々の半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「1」に接続されている。また、コネクタCNの端子「2」〜「11」に接続された信号線は、それぞれ、1KΩの抵抗R1〜R10を介して半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「2」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「4」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「3」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「2」に接続されている。
一方、図10に示すように、ドア開放信号については、ドア開放スイッチ154,155からの検出信号(ドア開放信号)が、主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に入力される。そして、情報端子盤34に搭載された半導体リレーPC11に入力される。図10に示すように、半導体リレーPC11の入力端子「2」には、主基板31のバックアップ電源回路506を経由して基準電位の信号線が接続されている。また、半導体リレーPC11の入力端子「1」には、主基板31のバックアップ電源回路506を経由してグランド線が接続されている。また、半導体リレーPC11の出力端子「4」に接続された信号線は、コネクタCN11の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC11の出力端子「3」に接続された信号線は、コネクタCN11の端子「2」に接続されている。なお、この実施の形態では、主基板31のバックアップ電源回路506の基準電位の入力側に逆流防止用のダイオード506aが設けられていることによって、情報端子盤34に設けられている半導体リレーPC11以外の各回路や各回路素子に、バックアップ電源505からの電流が逆流して供給されることを防止している。なお、この実施の形態では、「ドア開放スイッチ154,155からのドア開放信号が入力される」などの表現を用いているが、具体的には、図10の回路図に示すように、ドア開放スイッチ154,155のいずれか一方または両方がオン状態(通電状態)となると、ドア開放スイッチ154,155のいずれか一方または両方からの検出信号が主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に入力された状態となる。
半導体リレーPC1〜PC11では、入力端子に信号電流が流れると、入力側の発光素子(LED)が発光する。発光された光は、LEDと対向に設けられた光電素子(太陽電池)に透明シリコンを通って照射される。光を受けた光電素子は、光の量に応じて電圧に交換し、この電圧は制御回路を通って出力部のMOSFETゲートを充電する。光電素子より供給されるMOSFETゲート電圧が設定電圧値に達すると、MOSFETが導通状態になり、負荷をオンさせる。入力端子の信号電流が切れると、発光素子(LED)の発光が止まる。LEDの発光が止まると、光電素子の電圧が下がり、光電素子から供給される電圧が下がると制御回路により、MOSFETのゲート負荷を急速に放電させる。この制御回路によりMOSFETが非導通状態になり、負荷をオフさせる。
以上のような半導体リレーPC1〜PC11の動作により、入力側のコネクタCNから入力された信号およびドア開放スイッチ154,155からのドア開放信号が出力側のコネクタCN1〜CN11に伝達され、ホールコンピュータに対して出力される。具体的には、コネクタCN1から始動口1信号が出力され、コネクタCN2から図柄確定回数2信号が出力され、コネクタCN3から図柄確定回数1信号が出力され、コネクタCN4から大当り1信号が出力され、コネクタCN5から大当り2信号が出力され、コネクタCN6から時短信号が出力され、コネクタCN7から大当り4信号が出力され、コネクタCN8から大当り3信号が出力され、コネクタCN9から異常信号が出力され、コネクタCN10から賞球情報信号が出力され、コネクタCN11からドア開放信号が出力される。
なお、この実施の形態では、図10に示すように、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞、大入賞口周辺の磁気異常、遊技機の振動異常状態、大入賞口の異常開放を検出した場合に、共通のコネクタCN9を用いて異常信号が出力される。そのため、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
上記のように、半導体リレーPC1〜PC11を情報端子盤34に設けたことにより、外部から遊技機内部への信号入力を防止することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。なお、上記の例では、情報端子盤34に半導体リレーPC1〜PC11を設けていたが、半導体リレーPC1〜PC11ではなく、機械式のリレー等の他のリレー素子であってもよい。
また、この実施の形態では、ドア開放スイッチ154,155からのドア開放信号を主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に入力するので、遊技機の電源が切られている場合であっても、バックアップ電源回路506が搭載するバックアップ電源505の電源がドア開放スイッチ154,155および情報端子盤34の半導体リレーPC11に供給され、ドア開放信号が出力側のコネクタ11に伝達されて、ホールコンピュータに対して出力される。
また、この実施の形態では、ドア開放スイッチ154,155は、ドア(ガラス扉枠2や機構板)や遊技枠が開放されていないときにはオフ状態(非通電状態)であり、開放されているときには通電状態となってオン状態となる。そのため、ドアや遊技枠が開放されていないときにオン状態であり開放されているときにオフ状態となるようにドア開放スイッチ154,155を構成する場合と比較して、消費電力を低減することができる。なお、ドア開放スイッチ154,155として、ドア(ガラス扉枠2や機構板)や遊技枠が開放されていないときにはオン状態(通電状態)であり、開放されているときには非通電状態となってオフ状態となるものを用いてもよい。
図11は、大入賞口の近傍に設置された開放検出センサ92が、大入賞口が開放されたことを検出する構成を示す説明図である。なお、開放検出センサ92は、発光部92aと、当該発光部92aに対向する向きに設置され、発光部92aが発した光を受光する受光部92bとを備えているとして説明する。
図11(A)は、特別可変入賞球装置20が、閉鎖状態であることを示している。図11(A)に示すように、ソレノイド21のソレノイドアーム21bは、スプリング21cによって、当該ソレノイド21の本体から離れる方向に押し出された位置で停止している。また、軸140aを中心に回転するリンク130は、凸部130a,130b,130cを有し、凸部130bの端部でソレノイドアーム21bに連結されている。そして、図11(A)に示すように、特別可変入賞球装置20の扉の端部に設けられた凸部20aが、リンク130の凸部130aと凸部130cとによって、特別可変入賞球装置20が閉鎖状態となる位置で係止されている。
そして、図11(A)に示すように、特別可変入賞球装置20の閉鎖状態では、リンク130に設けられた凸部130aが、開放検出センサ92の発光部92aと受光部92bとの間に位置する。したがって、開放検出センサ92の受光部92bは、発光部92aが発した光を受光できない。開放検出センサ92の受光部92bは、発光部92aが発した光を受光できない場合には、大入賞口開信号を出力しない。
そして、ソレノイド21が通電された場合に、プランジャ21aに結合されたソレノイドアーム21bは、ソレノイド21の本体に近づく方向に移動する。ソレノイドアーム21bがソレノイド21の本体に近づく方向に移動すると、凸部130bの端部でソレノイドアーム21bに連結されているリンク130は、軸140aを中心に回転し、凸部130aが、特別可変入賞球装置20の扉の端部に設けられた凸部20aを押上げて、特別可変入賞球装置20を開放するように、当該特別可変入賞球装置20を軸140bを中心に回転させる。
そして、図11(B)に示すように、特別可変入賞球装置20の開放状態で、リンク130に設けられた凸部130aは、開放検出センサ92の発光部92aと受光部92bとの間に位置せず、開放検出センサ92の受光部92bは、発光部92aが発した光を受光することができる。開放検出センサ92の受光部92bは、発光部92aが発した光を受光した場合に、大入賞口開信号を出力する。
なお、特別可変入賞球装置20が開放状態であるか否かは他の方法で検出してもよい。具体的には、例えば、特別可変入賞球装置20の開放状態で、リンク130に設けられた凸部のいずれかによって押下される位置に設置されたスイッチによって、特別可変入賞球装置20が開放状態であるか否かを検出してもよい。また、例えば、特別可変入賞球装置20の開放状態で、ソレノイドアーム21bによって押下される位置に設置されたスイッチによって、特別可変入賞球装置20が開放状態であるか否かを検出してもよい。また、開放検出センサ92が反射型のフォトセンサによって実現されてもよい。また、開放検出センサ92が、他の位置(具体的には、例えば、特別可変入賞球装置20の天面)に設置されていてもよい。つまり、開放検出センサ92は、特別可変入賞球装置20が物理的に開放したことを検出できるのであれば、設置される場所やセンサの種類はどのようなものであってもよい。なお、遊技球が開放検出センサ92に衝突して当該開放検出センサ92が破損することを防止するため、本実施の形態の説明で図11に例示したように、開放検出センサ92は、直接遊技球に接触しない場所に設けられることが好ましい。
次に、遊技機の動作について説明する。図12は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。なお、ルーチンとは、プログラムにおいて、特定の処理を実行するための命令(コード)の集まりのことである。ある処理を行うための一連の命令を手順として記述したプロシージャや、与えられた情報に演算処理を加えて処理の結果を返す機能であるファンクション(関数)などがルーチンに分類される。特に個別のプログラムコードとして独立していなくても、ある分量のコードが特定の処理のために集中して配置されていれば、その部分はルーチンであるとみなすことができる。ルーチンはプログラム内での立場によって大きく2つに分けられ、プログラムを開始する際に最初に呼び出され、プログラム全体の進行を管理するルーチンを「メインルーチン」、プログラムの実行中に他のルーチンから呼び出されて動作するルーチンを「サブルーチン」と呼ぶ。
遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、合算保留記憶数カウンタの値、時短回数カウンタの値など)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧に関するコマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。ここで、停電復旧に関するコマンドとしては、停電復旧画面を表示することを指定する停電復旧指定コマンド、停電発生時の遊技状態を指定する停電時遊技状態指定コマンド、停電発生時の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドが設けられている。なお、合算保留記憶数指定コマンドを送信する代わりに、第1保留記憶数をカウントする第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて、第1保留記憶数を指定するコマンド(第1保留記憶数指定コマンド)を送信し、第2保留記憶数をカウントする第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて、第2保留記憶数を指定するコマンド(第2保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。また、第1保留記憶数カウンタの値や第2保留記憶数カウンタの値が0のときは、それらのコマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り種別決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図13に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、各種異常状態を検出した場合に異常報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常報知処理)。この実施の形態では、正規の時期以外の時期において大入賞口や第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行わせる。また、この実施の形態では、大入賞口への磁気異常を検出した場合や、遊技機の振動異常状態を検出した場合、大入賞口の異常開放状態を検出した場合に異常報知を行わせる。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図14は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)MR1:第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)MR2:大当りを発生させるときの大当りの種別(「通常」「第1確変」「第2確変」「第3確変」「突確」)を決定する(大当り種別決定用)
(3)MR3:演出図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(4)MR4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)MR5:MR4の初期値を決定する(MR4初期値決定用)
図13に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り種別決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。例えば、大当り種別決定用乱数の初期値を決定するためのMR2初期値用乱数を設けてもよい。そして、MR4初期値用乱数に加えてMR2初期値用乱数もステップS18,S25の初期値用乱数更新処理で更新するようにしてもよい。そのようにすれば、大当り決定時の大当り種別(特別図柄の大当り図柄)をよりランダムに決定することができ、特に確変図柄(例えば、「7」)や突然確変図柄(例えば、「5」)をよりランダムに発生させることができる。そのため、確変大当りをよりランダムに発生させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。なお、乱数回路503を遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵させずに、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは別の回路であってもよい(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外付けであってもよい)。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図14に示された乱数(特に、MR1,MR2,MR3)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の開閉状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホールコンピュータに出力される信号(具体的には、出力ポート2から出力される始動口1信号、図柄確定回数2信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、大当り4信号、大当り3信号)を出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、後述する変動パターン設定処理でセットされる開始フラグや特別図柄プロセスフラグの値に応じて、特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理で開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を更新するようにしてもよい。例えば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン設定処理に対応した値(この実施の形態では1)となると、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理に対応した値(この実施の形態では4)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
なお、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタを確認し、第1特別図柄と第2特別図柄のうち特別図柄ポインタが示す特別図柄に対応する方の特別図柄表示器8a,8bにおける可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を切り替えるようにしてもよい。例えば、普通図柄プロセス処理において、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて、ゲート通過記憶数を確認して普通図柄を当りとするか否かや普通図柄の停止図柄を決定する普通図柄通常処理、普通図柄の変動中の各種処理を実行する普通図柄変動処理、普通図柄を停止表示する普通図柄停止処理、普通図柄が当りとなった後に普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉制御を行う普通電動役物作動処理を実行する。この場合、例えば、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動処理に対応した値(例えば1)となると、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理に対応した値(例えば2)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図15は、大当り判定テーブルおよび大当り種別決定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、0〜65535の数値範囲内で更新されるランダムR(大当り判定用乱数)と比較される大当り判定値および小当り判定値が設定されているテーブルである(図15(A)(B))。大当り判定テーブルには、通常状態または時短状態において用いられる通常時大当り判定テーブル(図15(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図15(B)参照)とがある。図15(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値および小当り判定値である。CPU56は、ランダムRの値と大当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りとすることに決定する。また、CPU56は、ランダムRの値と小当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの小当り判定値と一致すると、小当りとすることに決定する。
また、大当り種別決定テーブルとは、大当り種別決定用乱数(MR2)と比較される各大当り種別(「通常」「第1確変」「第2確変」「第3確変」「突確」)に割り振られる判定値が設定されているテーブルである(図15(C))。ランダムRにもとづいて大当りとすることに決定された場合には、大当り種別決定用乱数にもとづいて大当り種別が決定される。
ここで、「通常」は、図柄の変動停止時に非確変図柄(カス図柄)が導出表示されることにより発生する通常大当り(非確変大当り)を意味する。「第1確変」は、図柄の変動停止時に確変図柄が導出表示されることにより発生する確変大当り(第1確変大当り)を意味する。「第2確変」は、図柄の変動中に非確変図柄が仮停止された後に、変動中昇格演出が実行されることにより発生する確変大当り(第2確変大当り)を意味する。「第3確変」は、図柄の変動停止時に非確変図柄が導出表示されるが、大当り遊技中の所定のタイミングにおいて大当り中昇格演出が実行されることにより発生する確変大当り(第3確変大当り)を意味する。「突確」は2ラウンドの突然確変大当りを意味する。
大当り種別と特別図柄の大当り図柄とは対応している。具体的には、大当り種別として「通常大当り」が決定されたときは、特別図柄の停止図柄(確定特別図柄)が「3」となる。大当り種別として「確変大当り(第1確変大当り、第2確変大当り、第3確変大当り)」が決定されたときは、特別図柄の停止図柄(確定特別図柄)が「7」となる。大当り種別として「突然確変大当り」が決定されたときは、特別図柄の停止図柄(確定特別図柄)が「5」となる。なお、この実施の形態では、図15(C)に示すように、第1特別図柄用の大当り種別決定テーブルと、第2特別図柄用の大当り種別決定テーブルとは別々に設け、第2特別図柄用の大当り種別決定テーブルには、大当り種別「突確」に判定値が割り振られていない。したがって、第2始動入賞が発生にもとづき大当りが発生したときは、大当り種別として「突確」が決定されないことになる。ただし、第2始動入賞が発生にもとづき大当りが発生したときも、大当り種別として「突確」が決定されるように判定値を割り振るようにしてもよい。また、第1特別図柄用のテーブルと第2特別図柄用のテーブルに分けずに、一つの大当り種別決定テーブルを用いて第1特別図柄および第2特別図柄の大当り種別を決定するようにしもよい。
なお、ランダムRにもとづいて小当りとすることに決定された場合には、自動的に(大当り種別決定用乱数を用いることなく)特別図柄の停止図柄は「1」と決定される。また、ランダムRにもとづいてはずれとすることに決定された場合には、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて特別図柄の停止図柄として「2」「4」「6」「8」「9」「−」のいずれかが決定される。
なお、飾り図柄の停止図柄は、2つのLEDのうち、いずれか一方が大当り図柄・小当り図柄(大当り・小当り共通の図柄)であり、他方がはずれ図柄である。また、演出図柄の停止図柄は、CPU56にて決定された表示結果(第1確変大当り、第2確変大当り、第3確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当り、はずれ)を指定する表示結果特定コマンドにもとづいて演出制御用CPU101によって決定される。
このように、この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果として、第1確変大当り、第2確変大当り、第3確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当りまたははずれのいずれかに決定される。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図15に示す大当り判定値または小当り判定値に一致すると、第1特別図柄および第2特別図柄に関して大当りまたは小当りとすることに決定する。
図16は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図16において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、各変動パターンは、特別図柄(演出図柄)の停止図柄が「はずれ図柄」となる場合の変動パターンと、特別図柄(演出図柄)の停止図柄が「大当り図柄」となる場合の変動パターンと、特別図柄(演出図柄)の停止図柄が「突然確変大当り図柄」となる場合の変動パターンと、特別図柄(演出図柄)の停止図柄が「小当り図柄」となる場合の変動パターンとが設けられている。
はずれの変動パターンとして、リーチを伴わない通常変動の変動パターンと、リーチを伴わない短縮変動の変動パターンと、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターンと、ロングリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとが設けられている。
大当りの変動パターンとして、ノーマルリーチを伴う変動パターンと、ロングリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンと、スーパーリーチDを伴う変動パターンと、スーパーリーチDを伴う変動パターンとが設けられている。
突然確変大当りの変動パターンとして、突然確変用の特別変動の変動パターンのみ設けられている。また、小当り専用の変動パターンとして、小当り用の特別変動の変動パターンのみ設けられている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図17は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図17に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図18に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号(取り込みの指示信号)に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図18に示された極性と逆極性であってもよい。
図19および図20は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図19に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において可変表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C07(H)は、大当り、小当りまたははずれのいずれとするか、および大当り遊技の種類(大当りの種別)を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C07(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C07(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、この実施の形態では、第1特別図柄に対応する飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止する場合と、第2特別図柄に対応する飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止する場合とで共通の図柄確定指定コマンドを送信する場合を示すが、第1特別図柄に対応する変動表示を停止する場合と第2特別図柄に対応する変動表示を終了する場合とで別々の図柄確定指定コマンド(例えば、第1図柄確定指定コマンド、第2図柄確定指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される、初期画面を表示することを指定する演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される、停電復旧画面を表示することを指定する演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
なお、CPU56は、停電から復旧したときに電源バックアップされている遊技状態を示すフラグ(確変フラグ、時短フラグなど)を確認し、遊技状態に応じて異なる停電復旧画面を表示することを指定する停電復旧指定コマンドを送信するようにしてもよい。具体的には、停電から復旧したときの遊技状態が通常状態であればコマンド9200(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態が確変状態であればコマンド9201(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態が時短状態であればコマンド9202(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態がチャンスモード状態であればコマンド9203(H)が送信されるようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、CPU56からの停電復旧指定コマンドにもとづいて遊技状態に応じて異なる停電復旧画面を演出表示装置9に表示する。
コマンド93XX(H)は、停電発生時の遊技状態を指定する停電時遊技状態指定コマンドである。CPU56は、停電から復旧したときに電源バックアップされている遊技状態を示すフラグ(確変フラグ、時短フラグなど)を確認し、遊技状態に応じた停電時遊技状態指定コマンドを送信する。なお、XXには、遊技状態に応じた値が設定される。具体的には、停電から復旧したときの遊技状態が通常状態であればコマンド9300(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態が確変状態であればコマンド9301(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態が時短状態であればコマンド9302(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態がチャンスモード状態であればコマンド9303(H)が送信される。この場合、演出制御用CPU101は、CPU56からの停電時遊技状態指定コマンドにもとづいて遊技状態に応じた背景(背景画像、背景色など)を演出表示装置9に表示する。
コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンド9503(H)は、遊技状態がチャンスモード状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(チャンスモード状態背景指定コマンド)である。なお、コマンド9500(H)〜9503(H)を背景指定コマンドという。
なお、CPU56がチャンスモード状態であるか否かを管理しない場合には、CPU56は遊技状態がチャンスモード状態であることを示すチャンスモード状態背景指定コマンド(9503(H))を送信する必要がない。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
図20に示す例において、コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技(または小当り遊技)の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始4指定コマンドがある。なお、このうち、大当り開始1指定コマンドA001(H)は、通常大当り(非確変大当り)遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始2指定コマンドA002(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始3指定コマンドA003(H)は、確変大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始4指定コマンドA004(H)は、突然確変大当り(2ラウンド大当り)遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、非確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突然確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、突然確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、小当り終了画面を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンドを設けていないが、そのようなコマンドを設けてもよい。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。なお、この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドコマンドC2XX(H)が遊技制御の実行中のみならず停電復旧時にも送信される(ステップS43参照)。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD001(H)は、大入賞口への異常入賞が発生したことを報知することを指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。コマンドD002(H)は、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したことを報知することを指示する演出制御コマンド(始動異常入賞報知指定コマンド)である。コマンドD003(H)は、大入賞口周辺において異常な磁気を検出したことを報知することを指示する演出制御コマンド(磁気異常報知指定コマンド)である。コマンドD004(H)は、遊技機において異常な振動を検出したことを報知することを指示する演出制御コマンド(振動異常報知指定コマンド)である。コマンドD005(H)は、大入賞口の異常開放を検出したことを報知することを指示する演出制御コマンド(異常開放報知指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図19および図20に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図19に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1飾り図柄表示器9aでの識別情報の可変表示と第2飾り図柄表示器9bでの識別情報の可変表示とで共通に使用でき、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図21は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図21(A)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
また、図21(B)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、図柄変動指定コマンド、表示結果特定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、これらのコマンドを送信する順序は図21(A)(B)に示す順序に限られるわけではなく、適宜変更することが可能である。
図22および図23は、ステップS20の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS450)。オン状態でなければ、RAM55に形成されているバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS451)。オン状態であれば、バックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS452)。
次いで、バックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と一致すれば(ステップS453)、CPU56は、入賞累積数カウンタをクリアする(ステップS453A)。入賞累積数カウンタは、特別可変入賞球装置20が開放状態以外の状態のときに大入賞口に入賞した遊技球の累積数をカウントするためのカウンタである。この実施の形態では、入賞累積数カウンタは、後述するように、大入賞口への異常入賞の判定を行う際に用いられる。
次いで、CPU56は、始動入賞累積数カウンタをクリアする(ステップS453B)。始動入賞累積数カウンタは、可変入賞球装置15が開放状態以外の状態のときに第2始動入賞口14に入賞した遊技球の累積数をカウントするためのカウンタである。この実施の形態では、始動入賞累積数カウンタは、後述するように、第2始動入賞口14への異常入賞の判定を行う際に用いられる。なお、この実施の形態では、可変入賞球装置15が開放状態である(第2始動入賞口14が開放状態であるともいう)とは、可変入賞球装置15が物理的に開いている状態のときと、可変入賞球装置15が物理的に閉鎖されてから所定のインターバル期間(例えば1秒)を経過するまでの状態とを含む。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞を検出したことを示す異常入賞検出フラグや、第2始動入賞口への異常入賞を検出したことを示す始動異常入賞検出フラグがセットされていれば、それらのフラグをリセットする(ステップS453C)。
次いで、CPU56は、ステップS454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。なお、「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS7では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、CPU56は、パリティデータを作成する(ステップS454〜S463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS458)、ポインタの値を1増やし(ステップS459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS460)。そして、ステップS457〜S460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータになる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、CPU56は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければステップS474に戻る(ステップS480)。処理数が0であれば、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS481)、ループ処理に入る。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS454〜S481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(判定値になっているバックアップ監視タイマのおよびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
また、CPU56は、遊技機への電力供給が停止されると(電源断確認信号がオン状態であることを確認すると)、入賞累積数カウンタおよび始動入賞累積数カウンタをクリアする。そのため、必要以上に長期間にわたる入賞数の累積を行わないようにし、大入賞口および第2始動入賞口14に対する不正行為による入賞異常を確実に検知することができる。また、遊技機の電源をオフにすることによって入賞累積数をクリアすることができ、異常報知のリセットを容易に行うことができる。
図24は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8a,8bや大入賞口を制御するための処理が実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13(図1参照)に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14(図1参照)に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞または第2始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する。具体的には、スイッチオンバッファのデータを読み出して、例えばレジスタやRAM55の所定領域にロードする(ステップS321)。そして、ロードした内容(ロードしたデータ)とC0(H)とのビット毎の論理積演算を行い演算結果が0でない場合には(ステップS322)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS1323)。そして、ステップS300〜S311のうちのいずれかの処理を行う。また、C0(H)は、スイッチオンバッファの第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aからの検出信号の入力ビットに対応する値である。
なお、この実施の形態では、スイッチ処理(ステップS21)で入力ポート0の内容をセットしたスイッチオンバッファの内容をロードする場合を示しているが、入力ポート0の内容を直接ロードするようにしてもよい。また、ノイズによる誤判定を防止するため、RAM55の所定領域に入力ポート0の内容が複数回のタイマ割込みに亘って設定されたときにスイッチオンとするフラグをセットし、そのフラグがセットされたときに始動口スイッチ通過処理を実行するようにしてもよい。また、ステップS322の処理を、ロードした内容(ロードしたデータ)のビット0〜5をマスク(0にすること)した後、00(H)との排他的論理和をとる演算に代えてもよい。
その後、ステップS300〜S311のいずれかの処理を実行する。ステップS300〜S311の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、タイマ(停止時間タイマ)によって特別図柄の停止図柄を停止させる時間(図柄停止時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、図柄停止時間が経過すると、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開放状態にして大入賞口を開放する処理や、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する処理を行う。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。具体的には、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理や大当り遊技状態中のインターバル表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する処理を行う。また、大入賞口の閉成条件が成立したときには、大入賞口を閉成する制御を行う。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を閉状態にして大入賞口を閉成する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放後処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態の残りラウンドがあるか否かを確認する処理等を行う。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値(この例では8)に更新する。
大当り終了処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS311に対応した値(この例では11(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS311):特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図25および図26は、ステップS323の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。ステップS322に示されたようにスイッチオンバッファからロードした内容(ロードされたデータ)とC0(H)との論理積演算を行い演算結果が0でない場合に、すなわち第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、ロードされたデータのビット7が1であるか否か確認する(ステップS210)。この実施の形態では、第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合には、後述するスイッチ処理のステップS338で、スイッチオンバッファのビット7に値1が格納されている。ステップS210では、CPU56は、スイッチオンバッファのビット7に格納された値が1であるか否かを確認する。
また、ロードされたデータのビット7が1でないということは、入力ポート0のビット6の方が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを意味する。
CPU56は、スイッチオンバッファのビット7が1でない場合には、始動口ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS211)。また、CPU56は、スイッチオンバッファのビット7が1である場合には、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS210のY)、普通図柄プロセスフラグの値が3であるかどうかを確認する(ステップS212)。
ここで、普通図柄プロセスフラグの値が3であるということは、後述するように、普通図柄プロセス処理(ステップS28)における普通電動役物作動処理(図43)が実行され、可変入賞球装置(普通電動役物)15の開閉動作が行われていることを意味する。可変入賞球装置15の開閉動作が行われているときは(ステップS212のY)、第2始動入賞口14への入賞が発生し得るので、始動口ポインタに「第2」を示すデータを設定し(ステップS213)、ステップS214A以降の処理を実行する。一方、普通図柄プロセスフラグの値が3でないとき、つまり、可変入賞球装置15の開閉動作が行われていないときに、第2始動口スイッチ14aがオンしたということは、不正行為(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに可変入賞球装置15を開放させて遊技球を第2始動入賞口14に入賞させるような行為)にもとづく異常入賞が発生した可能性が高いことになる。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3でないときは(ステップS212のN)、ステップS214Aの処理を実行せずに、ステップS222に移行して、第2始動入賞自体を無効にする。これにより、不正行為によって第2始動入賞口14への入賞を発生させたような場合であっても、その入賞にもとづいて大当りが発生するのを確実に防止することができる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に可変入賞球装置15を開放していないとき(すなわち、図43に示す普通電動役物作動処理において遊技状態に応じた開放パターンにもとづいて可変入賞球装置15が開閉動作を繰り返すときの可変入賞球装置15が閉鎖状態のとき)に第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。例えば、可変入賞球装置15が複数回に亘って開放されたり閉鎖されたりする場合には、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化するが、普通図柄プロセスフラグにより判定することで処理を簡素化することができる。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数(第1始動入賞口13に入った有効入賞球数)をカウントする保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタ)と、第2保留記憶数(第2始動入賞口14に入った有効入賞球数)をカウントする保留記憶数カウンタ(第2保留記憶数カウンタ)とが設けられている。そして、始動口ポインタには、第1保留記憶数カウンタのアドレスまたは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示すデータが設定される。すなわち、始動口ポインタに設定される「第1」を示すデータは第1保留記憶数カウンタのアドレスを示し、「第2」を示すデータは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示す。始動口ポインタはRAM55に形成されている。また、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタもRAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、始動口ポインタの代わりに、遊技制御用マイクロコンピュータ560内部のレジスタに「第1」または「第2」を示すデータを設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS214A)。保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS221に移行する。保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数を示す第2保留記憶数カウンタの値を1増やす。そして、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS215)。
また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする(ステップS216)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータをセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータをセットする。この場合、対応する保留記憶がない場合には(「第1」を示すデータも「第2」を示すデータもセットされていない場合には)、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。なお、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータ(アドレスデータ)に対応するデータをセットするようにしてもよい。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータに対応するデータとして01(H)をセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータに対応するデータとして02(H)をセットする。
図27(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図27(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図27(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図27(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
なお、第2特別図柄の変動表示を常に第1特別図柄の変動表示に優先して実行するようにする場合には、第2保留記憶が1つでもあれば第1保留記憶の有無にかかわらず常に第2特別図柄の変動表示を実行し、第2保留記憶がなく第1保留記憶のみがあるときに限って第1特別図柄の変動表示を実行するように制御するのであるから、第1始動入賞口13単独の入賞順と第2始動入賞口14単独の入賞順さえ特定できれば、必ずしも第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定する必要はない。そのため、第2特別図柄の変動表示を常に優先して実行する場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)を設けないようにしてもよい。
図27(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図27(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとのうちの始動口ポインタが示す方の保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS217)。具体的には、CPU56は、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第1保留記憶バッファの第1保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第2保留記憶バッファの第2保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納する。
なお、第1保留記憶数バッファにおいて、第1保留記憶数に対応する各保存領域は連続するアドレスの領域とされ、また、第2保留記憶数バッファにおいても、第2保留記憶数に対応する各保存領域は連続するアドレスの領域とされている。この場合、CPU56は、始動口ポインタが示すデータによって保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)の先頭アドレスを認識する。そして、1つの保留記憶あたりのデータ数(各乱数の数)に保留記憶数(保留記憶数カウンタが示す値)を乗算した値をオフセット値として保存領域にソフトウェア乱数およびランダムRを格納する。
なお、ステップS217では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてMR1〜MR4の値を抽出し、乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、図27(A)に例示された保留特定領域における第1〜第8の領域のそれぞれに、さらに、抽出した乱数値を格納する2つの保存領域(第1保留記憶に対応する保存領域と第2保留記憶に対応する保存領域)を形成してもよい。そのように構成した場合には、CPU56は、ステップS217の処理では、合算保留記憶数カウンタの値を確認し、そのカウント値(合算保留記憶数)に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する(始動口ポインタのデータに対応する)保存領域に乱数値を保存する。または、合算保留記憶数カウンタを設けずに、ステップS217の処理の実行ごとに、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値を足し合わせ、その合計値に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する保存領域に乱数値を保存する。合算保留記憶数カウンタを設ける構成では、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値を足し合わせる処理(演算処理)が不要となり、処理数を削減することができ、合算保留記憶数カウンタを設けない構成では、RAM55の容量を削減することができる。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には第1始動入賞指定コマンドを送信し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には第2始動入賞指定コマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS219)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータには合算保留記憶数カウンタの値が設定される。
なお、ステップS219では、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されているが、このような構成に限られず、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、ステップS218にて始動入賞指定コマンドのみ送信するようにし、ステップS219では合算保留記憶数指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、始動口ポインタが「第2」を示している場合(ステップS221のY)、または普通図柄プロセスフラグの値が3でないときは(ステップS212のN)、CPU56は、ロードされたデータのビット6が1であるか否か確認する(ステップS222)。ロードされたデータのビット6が1である場合には、始動口ポインタに「第1」を示すデータをセットし(ステップS223)、ステップS214Aに移行する。ステップS221〜S223の処理によって、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合、すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、ビット7に対応する第2始動口スイッチ14aについてステップS214A〜S219の処理が実行された後、直ちに、ビット6に対応する第1始動口スイッチ13aについてステップS214A〜S219の処理が実行されることになる。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、2ms内で実行される処理によって、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづく処理が実行される。2ms内(1タイマ割込処理内)で、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづくステップS214A〜S219の処理が完了するので、ソフトウェア乱数の値が1増えないうちに乱数が抽出される。そのため、入賞タイミングに対応した正確なソフトウェア乱数の値を抽出することができる。
始動口ポインタが「第2」を示していない場合(ステップS221のN)、または始動口ポインタが「第2」を示しているがロードされたデータのビット6が1でない場合(ステップS222のN)には、ステップS231に移行する。
ステップS231では、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1であるか否か確認する。ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合には、始動口ポインタをクリアして(ステップS239)、処理を終了する。つまり、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になっていた場合にはステップS232以降の処理を実行しない。すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態であるということは、特定処理(いずれの始動入賞口13,14への入賞が生じたのかを特定する処理)において誤判定されたという事態は生じないのであるから、特定処理の結果と入力ポートに入力されている検出信号の状態とが整合しているか否かの確認処理(ステップS232〜S238)を行うことなく、始動口ポインタをクリアして処理を終了する。
ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1でない場合(ビット6とビット7とのうちの一方のみが1である場合)には、CPU56は、始動口ポインタが「第2」を示しているか否か確認する(ステップS232)。始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力されているスイッチオンバッファのビット7が1であるか否か確認する(ステップS233)。ステップS210,S213の処理で、スイッチオンバッファのビット7が1であるときに始動口ポインタに「第2」が設定されている。よって、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、スイッチオンバッファのビット7が1であるはずである。スイッチオンバッファのビット7が1である場合には、入力ポートの入力検出に関して正常であったと判断し、ステップS239に移行する。
スイッチオンバッファのビット7が1でない場合には、ステップS210における判定結果と整合していないことになるので、あらためてステップS210の判定処理を実行し直すために、始動口ポインタをクリアし(ステップS237)、スイッチオンバッファのデータを読み出して(ステップS238)、ステップS210に移行する。なお、ステップS214Bで第2保留記憶数カウンタの値を+1し、ステップS219で合算保留記憶数カウンタの値を+1しているので、+1する前の値に戻しておく。すなわち、第2保留記憶数カウンタの値および合算保留記憶数カウンタの値を−1しておく(ステップS234)。
始動口ポインタが「第2」を示していない場合すなわち「第1」を示している場合には、第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力されているスイッチオンバッファのビット6が1であるか否か確認する(ステップS235)。ステップS210,S211の処理で、スイッチオンバッファのビット6が1であるときに始動口ポインタに「第1」が設定されている。よって、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、スイッチオンバッファのビット6が1であるはずである。スイッチオンバッファのビット6が1である場合には、入力ポートの入力検出に関して正常であったと判断し、ステップS239に移行する。
スイッチオンバッファのビット6が1でない場合には、ステップS210における判定結果と整合していないことになるので、あらためてステップS210の判定処理を実行し直すためにステップS237,S238の処理を実行し、ステップS210に移行する。なお、ステップS214Bで第1保留記憶数カウンタの値を+1し、ステップS219で合算保留記憶数カウンタの値を+1しているので、+1する前の値に戻しておく。すなわち、第1保留記憶数カウンタの値および合算保留記憶数カウンタの値を−1しておく(ステップS236)。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、スイッチオンバッファの内容(すなわち、入力ポート0に入力された検出信号)にもとづいて特定処理(いずれの始動口への入賞が生じたのかを特定する処理)を実行した後、特定処理の結果と入力ポートに入力されている検出信号の状態とが整合していないときには、再度特定処理を実行するので、第1始動口13への入賞が生じたのか第2始動口14への入賞が生じたのかが確実に判定される。例えば、第1保留記憶数が上限値である4であるときに第1始動口13への入賞が生じた場合には、その入賞は有効な始動入賞とは見なされないが、その第1始動口13への入賞が誤って第2始動口14への入賞であると判定された場合には、第2保留記憶数の値が増やされる(第2保留記憶数が上限値である4でない場合)。つまり、有効な始動入賞とされるべきではないのに、有効な始動入賞とされてしまう。この実施の形態では、そのような状況が生ずる可能性が低減する。
ただし、再度特定処理を実行するように構成しなくてもよい。そのように構成する場合に、ステップS231〜S238の処理を実行しないようにしてもよい。その場合には、プログラム容量が、再度特定処理を実行する場合に比べて削減される。なお、再度特定処理を実行しないように構成する場合には、図26におけるステップS231に移行する処理に代えてステップS239に移行するようにプログラムを構成する。
また、特定処理を際限なく繰り返し実行してしまう事態を防止するため、特定処理を所定回数(例えば2回)繰り返し実行した後には、ステップS231〜S238の処理を実行せずに、保留記憶特定情報記憶領域に記憶したデータや、保留記憶数バッファに格納した乱数値をクリアして、始動口スイッチ通過処理を終了するようにしてもよい。そのようにすれば、ノイズなどの影響によって特定処理を際限なく繰り返し実行してしまい、遊技機が動作しなくなってしまうような事態を防止することができる。
また、ステップS231〜S238の処理を実行した後に、再度特定処理を実行しないようにしてもよい。その場合には、ステップS238の処理を実行したら始動口スイッチ通過処理を終了する。なお、ステップS234,S236の処理で減算される前の保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域の内容は、以後にステップS214B,S216の処理が実行されるときに新たに抽出された乱数値で上書きされるが、ステップS238の処理を実行して始動口スイッチ通過処理を終了する場合に(この実施の形態のようにステップS238の処理を実行してステップS210に移行する場合も同様)、念のため、ステップS234,S236の処理で減算される前の保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域の内容をクリアするようにしてもよい。
なお、再度ステップS210以降の処理が実行される場合に、再びステップS218,S219の処理が実行されと、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドが二重に送信されることになる。そのような状況になることを避けるには、第1始動口13への入賞が生じたのか第2始動口14への入賞が生じたのかが確実に判定された時点で(すなわち、ステップS233でYと判定されたときに、またはステップS235でYと判定されたとき)、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信するように構成すればよい。
また、この実施の形態では、ステップS321,S322の処理の実行後にステップS323のサブルーチンを実行するように構成したが、ステップS323のサブルーチンを実行するのではなく、ステップS321,S322の処理に続けて、ステップS322でN(すなわち、始動入賞あり)と判定したときに特別図柄プロセス処理内においてステップS210〜S239の処理を実行するように構成してもよい。
始動口スイッチ通過処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが始動口ポインタに設定される。そして、以降の処理では、始動口ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。例えば、ステップS214Bの処理を例にすると、具体的には、第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタとをRAM55において連続アドレスに形成しておき、ステップS214Bの処理の最初で第1保留記憶数カウンタのアドレスをレジスタに設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値(例えば、「第1」を示すデータが「0」で、「第2」を示すデータが「1」)を加算し、加算後のレジスタの値をRAM55のアドレスとして、そのアドレスのデータに1を加算する処理を行う。そのような処理によれば、加算処理の対象は、始動口ポインタに「第1」を示すデータが設定されているときには第1保留記憶数カウンタであり、始動口ポインタに「第2」を示すデータが設定されているときには第2保留記憶数カウンタである。つまり、一の加算処理で、自動的に、オン状態になった始動入賞口に対応する保留記憶数カウンタの値が+1される。換言すれば、双方の始動入賞口についての処理が共通化されている。
なお、ここでは、ステップS214Bの処理を例にしたが、ステップS216およびステップS218の処理についても処理を共通化できる。例えばレジスタに第1始動入賞口に対応するデータ(第1保留記憶数バッファのアドレスや第1始動入賞指定コマンドのコマンド送信テーブルのアドレス)を設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値をオフセットとして加算し、加算後のレジスタの値にもとづいてデータをセットする処理(ステップS216の場合)やコマンド送信テーブルのアドレスの指定(ステップS218の場合)を行うことによって、一の処理で、データをセットする処理やコマンド送信テーブルのアドレスの指定を行うことができる。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数バッファと第2保留記憶数バッファとを別々に備える場合を例にしたが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通の保留記憶数バッファを備えるようにしてもよい。図28は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通に備える共通保留記憶数バッファの構成例を示す説明図である。図28に示すように、共通保留記憶数バッファは、保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域とを組み合わせた領域を8つ含む。また、共通保留記憶数バッファにおいて、保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の各領域には連続したアドレスが割り当てられている。
共通保留記憶数バッファを用いる場合、CPU56は、ステップS214Bで始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やし、ステップS215で合算保留記憶数カウンタの値を1増やした後、ステップS216の処理に代えて、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする処理を実行する。具体的には、CPU56は、合算保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数とを毎回加算して求めてもよい)にもとづいてデータ格納先のアドレスを指定するポインタの位置を更新することによって、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。
共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭を特定する場合、例えば、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、図28に示す例では、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域との2つのデータ格納領域が設けられている。そのため、合算保留記憶数を2倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、合算保留記憶数が3である場合には、図28に示すように、オフセット値+7(合算保留記憶数3を2倍して1を加えた値)に対応する保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。この場合、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットする。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り種別決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新するようにすればよい。
また、データ格納先のアドレスを指定するポインタの初期位置を共通保留記憶数バッファの1つ目の領域(図28に示す保留記憶1用の保留記憶特定情報保存領域)とする場合には、CPU56は、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。例えば、図28に示す例では、合算保留記憶数を2倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。そして、CPU56は、ポインタの位置を初期位置からオフセット値の分だけ移動した位置とすることによって、ポインタを更新するように制御してもよい。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り種別決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにすればよい。
また、CPU56は、ステップS217の処理に代えて、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の乱数値保存領域に格納する処理を実行する。具体的には、CPU56は、保留記憶特定情報保存領域にデータをセットした後に、アドレスを指定するポインタの位置を1つ更新して、更新後のポインタが指すアドレスの乱数値保存領域に乱数値を格納する。なお、CPU56は、格納する乱数値の種類の数分だけ同様の処理を行ってもよい。
図29および図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値(具体的には「0」)となっている場合、つまり、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でも小当り中でもない場合)には(ステップS51)、合算保留記憶数を確認する(ステップS52)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
合計保留記憶数が「0」でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多いか否かを確認する(ステップS53A)。具体的には、CPU56は、まず、第1保留記憶数カウンタの値および第2保留記憶数カウンタの値がともに1以上であるか否かを確認し、ともに1以上であれば、第2保留記憶数カウンタの値が第1保留記憶数カウンタの値よりも多いか否かを確認する。第2保留記憶数が第1保留記憶数より多ければ、CPU56は、ステップS53Eに移行する。第2保留記憶数が第1保留記憶数より多くなければ、CPU56は、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多いか否かを確認する(ステップS53B)。具体的には、CPU56は、まず、第1保留記憶数カウンタの値および第2保留記憶数カウンタの値がともに1以上であるか否かを確認し、ともに1以上であれば、第1保留記憶数カウンタの値が第2保留記憶数カウンタの値よりも多いか否かを確認する。第1保留記憶数が第2保留記憶数よりも多ければ、CPU56は、ステップS53Dに移行する。
なお、ステップS53A,S53Bにおいて、第1保留記憶数または第2保留記憶数のいずれか一方が0である場合には、CPU56は、0でない方の保留記憶数に対応する特別図柄の変動表示を実行するように制御する。例えば、第1保留記憶数が1以上であるとともに第2保留記憶数が0であれば、CPU56は、第1特別図柄の変動表示を実行するように制御する。また、第2保留記憶数が1以上であるとともに第1保留記憶数が0であれば、CPU56は、第2特別図柄の変動表示を実行するように制御する。
第1保留記憶数が第2保留記憶数よりも多くなければ(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが等しければ)、CPU56は、保留特定領域(図27(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS53C)。
第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い場合(ステップS53BのY)、または保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS53CのY)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53D)。
第2保留記憶数が第1保留記憶数より多い場合(ステップS53AのY)、または保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS53CのN)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS53E)。
以上のように、ステップS53A〜S53Eの処理が実行されることによって、CPU56は、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して第1特別図柄の変動表示を実行するように制御する。また、CPU56は、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多い場合には、第1特別図柄の変動表示に優先して第2特別図柄の変動表示を実行するように制御する。そのように、保留記憶数が多い方の特別図柄の変動表示を優先して実行するように制御することによって、無効な始動入賞が発生する事態を低減している。
なお、例えば、遊技状態が通常状態である場合に第1始動入賞口13が始動入賞しやすく、遊技状態が確変状態や時短状態であるときに第2始動入賞口14が始動入賞しやすく構成されている場合には、合計保留記憶数が0でないと判定したときに、確変状態であることを示す確変フラグや時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、第2保留記憶数が0でないことを条件にステップS53Eに移行し、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する用にしてもよい。また、確変フラグや時短フラグがセットされていなければ、第1保留記憶数が0でないことを条件にステップS53Dに移行し、第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態に応じて保留記憶が溜まりやすい方の特別図柄の変動表示を優先して実行することができ、無効な始動入賞が発生する事態を低減することができる。
また、例えば、第2保留記憶数が0でないことを条件に常に第2特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよいし、第1保留記憶数が0でないことを条件に常に第1特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS54)、保留記憶数の値(特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタの値)を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS55)。すなわち、特別図柄ポインタが示す保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、特別図柄ポインタが示す保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)=n−1に対応する保存領域に格納する。また、合算保留記憶数カウンタの値を1減らす(ステップS56)。なお、上述したように、保留記憶数(合算保留記憶数)に対応した保存領域には、「第1始動入賞」または「第2始動入賞」を示すデータが保存(格納)されている。CPU56は、「第1始動入賞」または「第2始動入賞」を示すデータにもとづいて、今回の特別図柄の変動が「第1始動入賞」にもとづく第1特別図柄の変動であるか、「第2始動入賞」にもとづく第2特別図柄の変動であるかを認識可能である。
次に、CPU56は、現在の遊技状態(遊技状態が通常遊技状態、確変状態または時短状態であるか、チャンスモードに移行されているかなど)を確認し、遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信する制御を実行する(ステップS57)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図15参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図15(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態または時短状態(すなわち非確変状態)であるときには、図15(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。
大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄または第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS72)、大当り種別決定用乱数にもとづいて、図15(C)に示す大当り種別決定テーブルを用いて大当り種別(「通常」「第1確変」「第2確変」「第3確変」「突確」)を決定する(ステップS73)。なお、大当り種別決定テーブルは第1特別図柄用のテーブルと第2特別図柄用のテーブルに分けられているので、CPU56は、ステップS73の処理を実行する前に、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」であるか「第2」であるかを確認し、大当り種別を決定するテーブルを選択する。
次いで、CPU56は、確変大当りとすることに決定された場合には、確変大当りの種別(「第1確変」「第2確変」「第3確変」)に応じた確変大当りフラグ(「第1確変大当りフラグ」「第2確変大当りフラグ」「第3確変大当りフラグ」)をセットする(ステップS74,S75)。また、特別図柄の停止図柄を確変図柄(「7」)に決定する(ステップS76)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS86)。
また、突然確変大当りに決定された場合には、CPU56は、突然確変大当りフラグをセットする(ステップS77,S78)。また、特別図柄の停止図柄を突然確変図柄(「5」)に決定する(ステップS79)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS86)。
また、突然確変大当りにも決定されていない場合(すなわち、通常大当りとすることに決定された場合)には、CPU56は、特別図柄の停止図柄を非確変図柄(「3」)に決定する(ステップS80)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS86)。
大当りとしない場合において(ステップS63のN)、小当りとすることに決定された場合には、CPU56は、小当りフラグをセットする(ステップS81,S82)。また、特別図柄の停止図柄を小当り図柄(「1」)に決定する(ステップS83)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS86)。
小当りとしない場合には(ステップS81のN)、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS84)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS85)。この場合には、はずれ図柄(「2」「4」「6」「8」「9」「−」のいずれか)を決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS86)。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数にもとづいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り種別決定用乱数にもとづいて所定の大当り種別(すなわち、非確変大当り、第1確変大当り、第2確変大当り、第3確変大当り、突然確変大当りの種別)を決定しているが、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしてもよい。
図31は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS91)。このとき、大当りフラグがセットされていれば(ステップS91のY)、変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルとして大当り種別に応じた大当り用変動パターン判定テーブルをセットする(ステップS92)。大当り用変動パターン判定テーブルには、大当り種別として「通常大当り」または「確変大当り」が決定されたときの15ラウンド大当り用テーブルと、大当り種別として「突然確変大当り」が決定されたときの2ラウンド大当り用テーブルとが設けられている。
なお、15ラウンド大当り用テーブルには、図16に示す変動番号8〜14の変動パターンが設定されている。また、2ラウンド確変大当り用テーブルには、図16に示す変動番号15の変動パターンのみ設定されている。
ステップS91にて大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS91のN)、小当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS93)。このとき、小当りフラグがセットされていれば(ステップS93のY)、変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルとして、小当り用変動パターン判定テーブルをセットする(ステップS94)。なお、小当り用テーブルには、図16に示す変動番号16の変動パターンのみ設定されている。
ステップS93にて小当りフラグがセットされていない場合には(ステップS93のN)、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を確認することにより合算保留記憶数を特定する(ステップS95)。そして、合算保留記憶数が所定個(例えば4個)以上であるか否か判定する(ステップS96)。
合算保留記憶数カウンタの値が所定個以上であれば(ステップS96のY)、変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルとして、短縮はずれ用変動パターン判定テーブルをセットする(ステップS97)。なお、短縮はずれ用テーブルには、図16に示す変動番号2〜7の変動パターンが設定されている。合算保留記憶数カウンタの値が所定個未満であれば(ステップS96のN)、変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルとして、非短縮はずれ用変動パターン判定テーブルをセットする(ステップS98)。なお、非短縮はずれ用テーブルには、図16に示す変動番号1,3〜7の変動パターンが設定されている。
なお、ステップS95〜S98におけるはずれ用の変動パターン判定テーブルの選択処理では、遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態)に応じてテーブルを選択するように構成されていないが、遊技状態に応じて変動パターン判定テーブルを選択するように構成するのが好ましい。例えば、遊技状態が通常状態の場合に、合算保留記憶数が所定個(4個)以上であれば、短縮はずれ用変動パターン判定テーブルを選択し、合算保留記憶数が所定個(4個)未満であれば、非短縮はずれ用変動パターン判定テーブルを選択する。また、遊技状態が時短状態または確変状態の場合に、合算保留記憶数が所定個(1個)以上であれば、短縮はずれ用変動パターン判定テーブルを選択し、合算保留記憶数が所定個(1個)未満であれば、非短縮はずれ用変動パターン判定テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから変動パターン決定用の乱数値MR3(変動パターン決定用乱数値)を読み出す(ステップS99)。そして、ステップS99にて読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3の値に基づき、ステップS92、S94、S97、S98のいずれかにてセットしたテーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS100)。
その後、CPU56は、特別図柄の変動を示す図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS101)。具体的には、CPU56は、保存領域に「第1始動入賞」を示すデータが設定されている場合には、第1特別図柄の変動を示す第1図柄変動指定コマンドを送信し、保存領域に「第2始動入賞」を示すデータが設定されている場合には、第2特別図柄の変動を示す第2図柄変動指定コマンドを送信する。
また、CPU56は、ステップS100で決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS102)。なお、ステップS100の処理によって、特別図柄の変動時間(可変表示時間)が決定されたことになる。
なお、ステップS102の処理を実行した後にステップS101の処理を実行するようにしてもよい。つまり、変動パターンコマンドを送信する制御を実行した後に、図柄変動指定コマンドを送信する制御を実行するようにしてもよい。
そして、特別図柄ポインタの設定に応じて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動を開始する(ステップS103)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。なお、開始フラグや終了フラグを用いずに、ステップS33の特別図柄表示制御処理において、特別図柄プロセスフラグの値のみにもとづいて特別図柄の変動を制御する場合には、ステップS103において、CPU56は、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動であるかを示すフラグをセットするようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS104)。なお、第1特別図柄の変動が実行される場合も、第2特別図柄の変動が実行される場合も、変動時間が設定される領域(変動時間タイマ)は共通である。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS105)。
なお、ステップS103において、CPU56は、保存領域に「第1始動入賞」を示すデータが設定されている場合には、第1特別図柄の変動を開始し、保存領域に「第2始動入賞」を示すデータが設定されている場合には、第2特別図柄の変動を開始する。
この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されている。すなわち、特別図柄プロセス処理も共通化されている。よって、ROM54において特別図柄プロセス処理のプログラムを格納する領域も節減されている。また、例えば、ステップS104で設定される変動時間タイマ(RAM55に形成されている)は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されるので、RAM55の容量節減にもつながる。
図32は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されているはずれ・大当り・小当り、または大当りの種類に応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの演出制御コマンド(図19参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否かを確認し(ステップS116)、小当りフラグもセットされていなければ、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。また、小当りフラグがセットされているときには、表示結果7指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116,S117)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果3〜5指定コマンドのいずれかを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。すなわち、第1確変大当りフラグがセットされているときは表示結果3指定コマンドを送信する制御を行い、第2確変大当りフラグがセットされているときは表示結果4指定コマンドを送信する制御を行い、第3確変大当りフラグがセットされているときは表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う。また、確変大当りフラグがセットされておらず、突然確変大当りフラグもセットされていないときは、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。突然確変大当りフラグがセットされているときは、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
次いで、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS119)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図33は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、停止時間タイマに図柄停止時間(特別図柄の停止図柄の停止時間;例えば1秒)をセットしスタートさせる(ステップS123)。
次いで、CPU56は、図柄確定回数1情報タイマに所定時間(本例では0.500秒)をセットする(ステップS124)。図柄確定回数1情報タイマは、情報端子盤34から出力する図柄確定回数1信号のオン時間を計測するためのタイマである。次いで、CPU56は、特別図柄ポインタの値が「第1」であるか否かを確認する(ステップS125)。特別図柄ポインタの値が「第1」であれば(すなわち、第1特別図柄の変動を停止するときであれば)、CPU56は、図柄確定回数2情報タイマに所定時間(本例では0.500秒)をセットする(ステップS126)。図柄確定回数2情報タイマは、情報端子盤34から出力する図柄確定回数2信号のオン時間を計測するためのタイマである。特別図柄ポインタの値が「第1」でなければ(すなわち、第2特別図柄の変動を停止するときであれば)、そのままステップS127に移行する。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図34は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、保存領域に「第1始動入賞」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄の変動を終了させ、保存領域に「第2始動入賞」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄の変動を終了させる。
次いで、CPU56は、図柄確定指定コマンドを送信済みであることを示す図柄確定指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131A)。セットされていれば、ステップS132Aに移行する。セットされていなければ、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS131B)とともに、図柄確定指定コマンド送信済フラグをセットする(ステップS131C)。そして、ステップS132Aに移行する。
なお、図柄確定指定コマンドは第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの停止を指定する場合にも用いる共通のコマンドとされているが、第1特別図柄の停止(確定)を指定する第1図柄確定指定コマンドと第2特別図柄の停止(確定)を指定する第2図柄確定指定コマンドを設けてもよい。この場合、例えば、ステップS131AでNのときに、保存領域に「第1始動入賞」を示すデータが設定されているか「第2始動入賞」を示すデータが設定されているかを特定し、対応する図柄確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、停止時間タイマの値を1減算し(ステップS132A)、停止時間タイマの値が0になったか(タイムアウトしたか)どうか確認する(ステップS132B)。停止時間タイマの値が0になっていないとき(タイムアウトしていないとき)は、そのまま処理を終了する。停止時間タイマの値が0になったときは、ステップS133A以降の処理を実行する。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133A)。セットされていれば、大当り開始2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133B)。次いで、CPU56は、入賞累積数カウンタをクリアする(ステップS133C)。次いで、CPU56は、異常入賞検出フラグがセットされていれば、異常入賞検出フラグをリセットする(ステップS133D)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS133E)。
小当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133F)。セットされていれば、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り4指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、ラウンド開始前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。なお、大当り表示時間は、15ラウンドの大当りの場合と2ラウンドの大当りの場合とで異なる時間とされている。次いで、CPU56は、入賞累積数カウンタをクリアする(ステップS137)。次いで、CPU56は、異常入賞検出フラグがセットされていれば、異常入賞検出フラグをリセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
大当りフラグもセットされていない場合には(ステップS133FのN)、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS139A)。セットされていれば、そのままステップS140に移行する。セットされていなければ、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS139B)。セットされていれば、時短状態における特別図柄および飾り図柄の変動表示の回数をカウントするための時短回数カウンタを1減算し(ステップS139C)、減算後の時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS139D)。時短回数カウンタの値が0であれば、時短フラグをリセットする(ステップS139E)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行されてから100回の特別図柄の変動が終了するまで時短状態が継続される。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS140)。
なお、ステップS133A〜S133Fの処理をステップS140の処理の直前にて実行するようにしてもよい。このような構成によれば、時短回数を正確にカウント(減算)することができる。すなわち、この実施の形態では、小当りが発生してから小当り遊技が終了した場合であっても、遊技状態が変更されない。従って、小当りが発生したときの遊技状態が時短状態であれば、小当り遊技の終了後の遊技状態も時短状態になる。そして、仮に、小当り遊技の終了後における時短状態が継続可能な変動回数を、小当りが発生する前の時短状態の残り変動回数であるとすると、図34に示す構成では、小当りが発生したときの変動において時短回数を減算する処理が行われないことになってしまう。しかし、ステップS133A〜S133Fの処理をステップS140の処理の直前にて実行するようにすれば、小当りが発生したときの変動において時短回数を減算する処理が行われることになり、時短回数を正確に減算することができる。
図35は、大当り遊技における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放中指定コマンドを送信していなければ大入賞口開放中指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1470,S1471)。また、ラウンド開始前タイマの値を−1する(ステップS1472)。なお、第1ラウンドを開始する前である場合には、ラウンド開始前タイマには大当り表示時間がセットされている。ラウンド開始前タイマがタイムアウト(ラウンド開始前タイマの値が0)したら(ステップS1473)、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS1474)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
そして、CPU56は、開放時間タイマに開放時間に相当する値を設定する(ステップS1475)。なお、CPU56は、15ラウンドの大当りである場合には、開放時間タイマに開放時間として、例えば29.5秒をセットする。また、CPU56は、突然確変大当りである場合には、開放時間タイマに開放時間として、例えば5秒をセットする。さらに、大入賞口を開放状態に制御する。具体的には、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開放状態にする(ステップS1476)。また、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS1477)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS1478)。
図36は、大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS1480)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS1485に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS1481)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS1485に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS1482)。また、カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS1483,S1484)。
ステップS1485では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。また、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1486)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS1487)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS1488)。
図37は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了3指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。なお、図37に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。例えば、遊技球が大入賞口に入賞してからカウントスイッチ23で検出されるまでに最長1.0秒かかるとすると、カウントスイッチ検出時間は1.0秒よりも長い時間である。そのため、特別可変入賞球装置20が物理的に閉鎖された後に所定のインターバル期間(例えば1秒)を設けることができる。そのようにすることによって、特別可変入賞球装置20が閉鎖される直前に大入賞口に入賞した遊技球が過って異常入賞と判定されてしまう事態を防止することができる。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS156)。
確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS157)、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS158)。次いで、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS159)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS156のN)、突然確変大当りフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS161)。突然確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(突然確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS162)、チャンスモードフラグをセットしてチャンスモード状態に移行させる(ステップS163)。また、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS164)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
突然確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS161のN)、CPU56は、時短回数カウンタに所定値(この実施の形態では100)をセットする(ステップS165)。また、時短フラグをセットする(ステップS159)。すなわち、この実施の形態では、通常大当り遊技状態を終了後に、所定回数(例えば100回)の変動表示が終了するまで、遊技状態が時短状態に制御される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
図38は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS311)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットする(ステップS171)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(ステップS173)、処理を終了する。なお、図38に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。
ステップS174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、チャンスモードフラグをセットしてチャンスモード状態に移行させる(ステップS176)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS177)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図39は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS4111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS4112)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS4100〜S4103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS4112):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(MR4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS4100):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS4100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS4101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS4101):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS4102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS4102):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS4100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、可変入賞球装置15の開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS4103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS4103):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS4100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図40は、普通図柄通常処理(ステップS4100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS4121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS4121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS4121のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS4122)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS4123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS4124)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS4125)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。
なお、ステップS4125において、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かに応じて、異なる確率で当りと判定するようにしてもよい。この場合、例えば、時短フラグがセットされていれば、セットされていないときと比較して高い確率で当りと判定するようにしてもよい。例えば、遊技状態が時短状態である場合に用いる時短時当り判定テーブルと、遊技状態が時短状態でない場合に用いる通常時当り班手テーブルとをあらかじめ用意する。そして、時短フラグがセットされていれば、時短時当り判定テーブルを選択し、選択した時短時当り判定テーブルの当り判定値に普通図柄当り判定用乱数の値が一致するか否かを判定することによって、当りとするか否かを判定する。また、時短フラグがセットされていなければ、通常時当り判定テーブルを選択し、選択した通常時当り判定テーブルの当り判定値に普通図柄当り判定用乱数の値が一致するか否かを判定することによって、当りとするか否かを判定する。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(ステップS4126)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(ステップS4127)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS4101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS4128)。
なお、ステップS4126において、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かに応じて、異なる普通図柄変動時間をセットするようにしてもよい。この場合、例えば、時短フラグがセットされていれば、セットされていないときと比較して短い普通図柄変動時間をセットするようにしてもよい。
図41は、普通図柄変動処理(ステップS4101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS4131)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS4131のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS4135)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS4131のY)、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS4132)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS4133)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS4102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS4134)。
図42は、普通図柄停止処理(ステップS4102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS4141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS4141のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS4142)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS4141のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS4125にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS4143)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、ステップS4125にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS4143のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(ステップS4144)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。
そして、CPU56は、可変入賞球装置15の開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS4145)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行われる。
次いで、CPU56は、始動入賞累積数カウンタをクリアする(ステップS4146)。また、CPU56は、始動異常入賞検出フラグがセットされていれば、始動異常入賞検出フラグをリセットする(ステップS4147)。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS4103)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS4148)。
なお、ステップS4145において、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かに応じて、異なる開放パターンをセットするようにしてもよい。この場合、例えば、時短フラグがセットされていれば、セットされていないときと比較して、可変入賞球装置15の開放時間が長い開放パターンや開放回数が多い開放パターンをセットするようにしてもよい。
ステップS4143において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS4143のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS4100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS4149)。
図43は、普通電動役物作動処理(ステップS4103)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS4161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS4161のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS4162)。
そして、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS4163)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
CPU56は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(ステップS4164)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS4164のN)、ステップS4168の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS4164のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPU56は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(ステップS4165)。そして、CPU56は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(ステップS4166)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(ステップS4166のN)、つまり8以上である場合は、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(ステップS4167)。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(ステップS4161のY、S4172参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS4168)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS4169)。タイムアウトしていなければ(ステップS4169のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS4169のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS4170)。そして、CPU56は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(ステップS4171)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉鎖状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開放状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
なお、この実施の形態では、例えば、可変入賞球装置15の開放パターンとして、所定の開放時間の後に少なくとも1秒間の閉鎖時間を含むパターンが用いられる。そのため、可変入賞球装置15が物理的に閉鎖された後に所定のインターバル期間(例えば1秒)を設けることができる。そのようにすることによって、可変入賞球装置15が閉鎖される直前に第2始動入賞口14に入賞した遊技球が過って異常入賞と判定されてしまう事態を防止することができる。
ステップS4161において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(ステップS4161のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS4100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS4172)。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される制御信号について説明する。図44は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータ370に対して送信される払出指令信号等の内容の一例を示す説明図である。
電源確認信号は、主基板31の立ち上がり時にハイレベル(オン状態)になり、電源断検出時にローレベル(オフ状態)になる信号である。賞球REQ信号は、賞球の払出要求時(賞球個数コマンドの送信時)にローレベル(オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。また、賞球REQ信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370から賞球BUSY信号がオン状態になった後にオフ状態になると、ハイレベル(オフ状態)になる。4ビットの賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(1個〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
賞球BUSY信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370が賞球REQ信号のオン状態を確認するとハイレベル(オン状態)にされ、あらかじめ決められている所定期間後にオフ状態になる信号である。すなわち、賞球REQ信号に対する受付確認信号に相当する。従って、賞球BUSY信号がオフである状態は、賞球個数コマンド受信待ちの状態に相当する。払出エラー信号は、賞球払出のエラーが生じたときにハイレベル(オン状態)になる信号である。球切れ信号は、球切れスイッチ187がオンしたときにハイレベル(オン状態)になる信号である。満タン信号は、満タンスイッチ48がオンしたときにハイレベル(オン状態)になる信号である。賞球カウント信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して送信される払出制御信号であり、払出個数カウントスイッチ301の検出信号に相当する信号である。
なお、賞球REQ信号を、賞球の払出要求時(賞球個数コマンドの送信時)にローレベル(オン状態)になり、賞球の払出の完了受信時(賞球BUSY信号のオフ時)にハイレベル(オフ状態)になる信号とし、賞球BUSY信号を、賞球の払出の要求受信時(賞球REQ信号のオン時)にハイレベル(オン状態)になり、払出完了時にローレベル(オフ状態)になる信号としてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球の払出要求時に賞球REQ信号をオン状態にし、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球REQ信号がオン状態になると、賞球BUSY信号をオン状態にするとともに賞球の払出制御を実行し、要求された個数の賞球払出が完了すると、賞球BUSY信号をオフ状態にし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球BUSY信号がオフ状態になると賞球REQ信号をオフ状態にするようにしてもよい。
図45は、図44に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図45には、払出に関する異常を示す信号(払出エラー信号、球切れ信号、満タン信号)も、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して送信されることが示されている。また、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して、賞球払出時の払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態を示す賞球カウント信号も送信される。図45に示すように、電源確認信号、賞球REQ信号および賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対する信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370によって出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。
図46は、払出指令信号等の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図46に示すように、入賞検出スイッチ(第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a)が遊技球の入賞を検出したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことを入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数を総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると5個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球REQ信号がオン状態になると、所定時間(賞球BUSY信号オン時間)だけ賞球BUSY信号のオン状態を継続し、所定時間が経過すると、賞球BUSY信号をオフ状態にする。そして、払出制御用マイクロコンピュータ370において、球払出装置97を動作させることによって賞球払出の処理が実行される。具体的には、払出モータ289を賞球個数信号で指定された個数分回転させて、賞球個数信号で指定された個数の賞球の払出を行う。払出個数カウントスイッチ301が、賞球の払出を検出し、賞球が払出を検出する毎に検出信号を払出制御用マイクロコンピュータ370に出力する。また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号を入力する毎に賞球カウント信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球BUSY信号がオフ状態に変化したことを確認すると所定時間(賞球REQ信号オフ待ち時間)の経過後に、賞球BUSY信号をオフ状態にする。そのとき、賞球個数信号の出力状態をクリアしてオフ状態にする。すなわち、賞球個数信号が0個を示す状態(無効コマンドを出力する状態)にする。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図47は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、上述したように、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、入力ポート0のビット0〜7に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図48は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、CPU56は、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、7つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
CPU56は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図49は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS341)と賞球制御処理(ステップS342)とを実行する。そして、RAM55に形成されるポート0バッファの内容を出力ポート0に出力する(ステップS343)。なお、ポート0バッファの内容は、賞球制御処理において更新される。
賞球個数加算処理では、図50に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図9参照)。
図51は、ステップS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS356)。
ステップS355における演算結果が0であれば(ステップS361のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS354に戻る(ステップS360)。
ステップS355における演算結果が0でなければ(ステップS361のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、CPU56は、異常入賞検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS362)。異常入賞検出フラグがセットされていれば、ステップS359に移行する。異常入賞検出フラグがセットされていれば、CPU56は、始動異常入賞検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS363)。始動異常入賞検出フラグがセットされていれば、ステップS359に移行する。
異常入賞検出フラグがセットされているということは、後述する異常報知処理(ステップS23参照)において大入賞口への異常入賞が検出された場合である。この場合、CPU56は、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。また、始動異常入賞検出フラグがセットされているということは、後述する異常報知処理(ステップS23参照)において第2始動入賞口14への異常入賞が検出された場合である。この場合、CPU56は、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
なお、この実施の形態では、異常入賞検出フラグまたは始動異常入賞検出フラグがセットされている場合に必ず賞球払出を実行しないようにする場合を示したが、異常入賞検出フラグがセットされている場合には大入賞口への入賞に対する賞球払出のみを行わないように制御し、始動異常入賞検出フラグがセットされている場合には第2始動入賞口14への入賞に対する賞球払出にみを行わないように制御してもよい。例えば、CPU56は、ステップS361でNと判定すると、ポインタが指す値がカウントスイッチ入力ビット判定値を示す値であるか否かを確認する。カウントスイッチ入力ビット判定値を示す値であれば、異常入賞検出フラグがセットされているか否かを確認する。異常入賞検出フラグがセットされていれば、ステップS359に移行し、賞球払出を行わないように制御する。異常入賞検出フラグがセットされていなければ、ステップS364に移行し、賞球払出を実行するように制御する。カウントスイッチ入力ビット判定値を示す値でなければ、CPU56は、ポインタが指す値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値を示す値であるか否かを確認する。第2始動口スイッチ入力ビット判定値を示す値でなければ、そのままステップS364に移行し、賞球払出を実行するように制御する。第2始動口スイッチ入力ビット判定値を示す値であれば、始動異常入賞検出フラグがセットされているか否かを確認する。始動異常入賞検出フラグがセットされていれば、ステップS359に移行し、賞球払出を行わないように制御する。始動異常入賞検出フラグがセットされていなければ、ステップS364に移行し、賞球払出を実行するように制御する。
始動異常入賞検出フラグもセットされていなければ(ステップS363のN)、CPU56は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
図52は、ステップS342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球プロセスコードの値に応じて、ステップS371〜S374のいずれかの処理を実行する。
図53は、賞球プロセスコードの値が0の場合に実行される賞球待ち処理1(ステップS371)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球待ち処理1において、賞球BUSY信号がオン状態になっていないか否か確認する(ステップS3701)。この段階では賞球BUSY信号はオン状態になっていないはずであるから、賞球BUSY信号がオン状態になっている場合には、賞球異常状態出力値(20(H))をポート0バッファにセットして処理を終了する(ステップS3702)。なお、賞球異常状態出力値がポート0バッファにセットされると、ステップS343(図49参照)においてポート0バッファの内容が出力ポート0に出力されることによって、賞球REQ信号、電源確認信号および賞球個数信号の全てがオフ状態になる(図7参照)。
賞球BUSY信号がオフ状態であれば、賞球待機中出力値(30(H))をポート0バッファにセットする(ステップS3703)。なお、賞球待機中出力値がポート0バッファにセットされると、ステップS343においてポート0バッファの内容が出力ポート0に出力されることによって、賞球REQ信号がオフ状態になり、電源確認信号のオン状態が維持される(図7参照)。また、賞球個数信号が無効コマンド(00(H))を出力する状態になる。次いで、賞球タイマが0であるか否か確認する(ステップS3704)。賞球タイマが0でなければ、賞球タイマの値を1減らして(ステップS3705)、処理を終了する。賞球タイマは賞球処理において必要となる時間を計測するためのタイマであるが、この段階で賞球タイマの値が0でないということは、前回の払出処理が完了した後、次に賞球REQ信号をオン状態にするまでの待ち時間(連続して賞球払出が実行される場合に複数の賞球REQ信号をオン期間の間に間隔を設けるための時間、図46に示す00(H)の賞球個数信号が出力されている期間)が終了していないことを意味する。なお、賞球タイマは、後述する賞球待ち処理3のステップS3735でセットされる。また、ステップS3703〜S3705の処理は、ステップS374の賞球待ち処理3の実行が完了して前回の払出処理が完了した後に、賞球REQ信号をオフ状態にするとともに、賞球個数信号として無効コマンド(00(H))を出力するための処理である。
賞球タイマの値が0であれば、次いで、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS3706)。その値が0であれば処理を終了し、0でなければ、賞球プロセスコードの値を1にした後(ステップS3707)、処理を終了する。
図54は、賞球プロセスコードの値が1の場合に実行される賞球送信処理(ステップS372)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球送信処理において、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS3711)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS3712)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS3713)。
その後、賞球REQ中出力値(10(H))をポート0バッファにセットする(ステップS3714)。なお、賞球REQ中出力値がポート0バッファにセットされると、ステップS343においてポート0バッファの内容が出力ポート0に出力されることによって、賞球REQ信号がオン状態になり、電源確認信号のオン状態が維持される(図7参照)。また、賞球個数バッファの内容をポート0バッファの下位4ビットにセットする(ステップS3715)。その後、賞球プロセスコードの値を2にして(ステップS3716)、処理を終了する。
この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
図55は、賞球プロセスコードの値が2の場合に実行される賞球待ち処理2(ステップS373)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球待ち処理2において、賞球REQがオン状態になったことに応じて払出制御手段が出力する(オン状態にする)賞球BUSY信号がオン状態になったか否か確認する(ステップS3721)。オン状態にならないときには、賞球タイマにBUSY開始判定時間値(例えば2)をセットする(ステップS3722)。BUSY開始判定時間値は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、その値が示す時間だけ賞球BUSY信号のオン状態が継続したら、確かに賞球BUSY信号が出力された(オンした)と確認するための値である。
従って、CPU56は、賞球BUSY信号がオン状態になったら賞球タイマの値を確認し(ステップS3723)、その値が0でなければ賞球タイマの値を1減らして(ステップS3724)、処理を終了する。賞球タイマの値が0になったら、確かに賞球BUSY信号がオンしたとして、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS3725)。そして、賞球プロセスコードの値を3にして(ステップS2726)、処理を終了する。
図56は、賞球プロセスコードの値が3の場合に実行される賞球待ち処理3(ステップS374)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球待ち処理3において、賞球BUSY信号がオフ状態になったか否か確認する(ステップS3731)。オフ状態にならないときには、賞球タイマにBUSY終了判定時間値(例えば3)をセットする(ステップS3732)。BUSY終了判定時間値は、賞球REQ信号オフ待ち期間を作成するための値である。
従って、CPU56は、賞球BUSY信号がオフ状態になったら賞球タイマの値を確認し(ステップS3733)、その値が0でなければ賞球タイマの値を1減らして(ステップS3734)、処理を終了する。賞球タイマの値が0になったら、すなわち賞球REQ信号オフ待ち期間が終了したら、賞球REQ待ち時間を賞球タイマにセットする(ステップS3735)。そして、賞球プロセスコードの値を0にして(ステップS3736)、処理を終了する。上述したように、賞球REQ待ち時間は、次に賞球REQ信号をオン状態にするまでの待ち時間(連続して賞球払出が実行される場合に、複数の賞球REQ信号のオン期間の間に間隔を設けるための時間)である。
以上の処理によって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出条件の成立にもとづいて払い出される賞球としての遊技球の総数を特定可能に総賞球数格納バッファに記憶する。総賞球数格納バッファは、遊技機への電力供給が停止した場合に変動データ保存手段としてのバックアップ電源により記憶内容を少なくとも所定期間保存する景品遊技媒体数記憶手段に相当する。また、遊技制御手段は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数にもとづいて払出制御手段に対して所定数の賞球の払出数を指定する払出指令信号を送信する。ここで、所定数は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数が15個以上であれば15であり、15個未満であれば、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数である。そして、所定の条件が成立すると総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数から払出指令信号で指定した払出数を減算する減算処理を行う。
図57〜図59は、ステップS23の異常報知処理を示すフローチャートである。異常報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS251)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(ステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS255に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS252)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS253,S254)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する(ステップS255)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS255のY)、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS267の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態は、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞である可能性がある。従って、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば(ステップS255のN)、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS256)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図9,図47参照)との論理積をとる(ステップS257)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS258のN)、大当り遊技状態および小当り遊技状態以外であるにもかかわらず、大入賞口に遊技球が入賞した場合である。この場合、CPU56は、入賞累積数カウンタの値を1加算する(ステップS259)。次いで、CPU56は、入賞累積数カウンタの値が第2所定値(本例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS260)。入賞累積数カウンタの値が第2所定値以上でなければ、ステップS263に移行する。入賞累積数カウンタの値が第2所定値以上である場合には、CPU56は、大入賞口への異常入賞が生じたことを報知すると判定し、異常入賞検出フラグをセットするとともに(ステップS261)、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS262)。
次いで、CPU56は、加算後の入賞累積数カウンタの値が第1所定値(本例では1)以上であるか否かを確認する(ステップS263)。第1所定値以上である場合には、CPU56は、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS264)。異常信号情報タイマは、情報端子盤34から出力する異常信号のオン時間を計測するためのタイマである。異常信号情報タイマの値が0でなければ、後述する情報出力処理において情報端子盤34を介して異常信号が外部出力される。従って、ステップS264において、異常信号情報タイマに所定時間がセットされることによって、情報端子盤34を介した異常信号の外部出力が開始される。
なお、第1所定値を1とする場合には、ステップS260でNと判定したとき、またはステップS262の処理を実行したときに、ステップS263の判定処理を行わずに、そのままステップS264の処理を実行し、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットするようにしてもよい。
以上のように、ステップS263,S264の処理が実行されることにより、異常信号が外部出力され、異常入賞発生の可能性を早期に外部(具体的には、遊技店)に知らせることができる。また、ステップS260〜S262の処理が実行されることにより、異常入賞報知指定コマンドが送信されることによって、遊技機側において確実に異常入賞が発生してから異常報知を行うようにすることができ、遊技者に不快感を与えないようにすることができる。
ステップS267では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開放状態であると判断される状態(可変入賞球装置15が物理的に開いている状態のときと、可変入賞球装置15が物理的に閉鎖されてから所定のインターバル期間を経過するまでの状態のときとを含む)である。そのような状態であれば(ステップS267のY)、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS279の処理に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は(ステップS267のN)、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開放状態以外のの状態と判断される状態である。このような状態のときに第2始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞である可能性がある。従って、以下に示す第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ(ステップS267のN)、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS268)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(80(H)、図9,図47参照)との論理積をとる(ステップS269)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS270のN)、第2始動入賞口14が開放状態(所定のインターバル期間の状態を含む)以外の状態であるにもかかわらず、第2始動入賞口14に遊技球が入賞した場合である。この場合、CPU56は、始動入賞累積数カウンタの値を1加算する(ステップS271)。次いで、CPU56は、始動入賞累積数カウンタの値が第2所定値(本例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS272)。始動入賞累積数カウンタの値が第2所定値以上でなければ、ステップS275に移行する。始動入賞累積数カウンタの値が第2所定値以上である場合には、CPU56は、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことを報知すると判定し、始動異常入賞検出フラグをセットするとともに(ステップS273)、演出制御基板80に、始動異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS274)。
次いで、CPU56は、加算後の始動入賞累積数カウンタの値が第1所定値(本例では1)以上であるか否かを確認する(ステップS275)。第1所定値以上である場合には、CPU56は、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS276)。
以上のように、ステップS275,S276の処理が実行されることにより、異常信号が外部出力され、始動異常入賞発生の可能性を早期に外部(具体的には、遊技店)に知らせることができる。また、ステップS272〜S274の処理が実行されることにより、始動異常入賞報知指定コマンドが送信されることによって、遊技機側において確実に始動異常入賞が発生してから始動異常報知を行うようにすることができ、遊技者に不快感を与えないようにすることができる。
なお、第1所定値を1とする場合には、ステップS272でNと判定したとき、またはステップS274の処理を実行したときに、ステップS275の判定処理を行わずに、そのままステップS276の処理を実行し、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットするようにしてもよい。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常信号が情報端子盤34を介して外部出力されるとともに、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態(第2始動入賞口14が開放状態以外の状態)において第2始動口スイッチ14aがオンした場合にも、異常信号が情報端子盤34を介して外部出力されるとともに、始動異常入賞報知指定コマンドが送信される。
また、ステップS251〜S253の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、ステップS255の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理または小当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置20が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。また、この実施の形態では、遊技状態が大当り遊技状態以外の状態である場合に、大入賞口に複数個(第2所定値(例えば5))遊技球が入賞したことにもとづいて、異常入賞報知指定コマンドを送信し異常入賞報知を行うので、大当り遊技状態以外の状態において大入賞口への入賞が1回検出されただけで、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまう事態を防止している。
また、ステップS267の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に第2始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第2始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。また、この実施の形態では、可変入賞球装置15が開放状態以外の状態である場合に、第2始動入賞口14に複数個(第2所定値(例えば5))遊技球が入賞したことにもとづいて、始動異常入賞報知指定コマンドを送信し始動異常入賞報知を行うので、可変入賞球装置15が開放状態以外の状態において第2始動入賞口14への入賞が1回検出されただけで、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまう事態を防止している。
なお、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、磁気センサ90が出力する磁気検出信号がオン状態となったか否かを確認する(ステップS279)。磁気検出信号がオン状態であれば、CPU56は、大入賞口への磁気異常を検出したと判定し、演出制御基板80に、磁気異常報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS280)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS281)。
ステップS279〜S281の処理が実行されることによって、磁石などを用いて大入賞口に遊技球を入賞させるような不正行為が行われた場合に異常を検出することができ、異常の発生を報知できるとともに情報端子盤34を介して外部出力することができる。
次いで、CPU56は、振動センサ91が出力する振動検出信号がオン状態となったか否かを確認する(ステップS282)。振動検出信号がオン状態であれば、CPU56は、遊技機の振動異常状態を検出したと判定し、演出制御基板80に、振動異常報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS283)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS284)。
ステップS282〜S284の処理が実行されることによって、遊技機を振動させて遊技球を不正に入賞させるような行為が行われた場合に異常を検出することができ、異常の発生を報知できるとともに情報端子盤34を介して外部出力することができる。
次いで、CPU56は、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS285)。大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS285のY)、大入賞口が開放状態に制御されているときである。そのような状態で、大入賞口開信号がオン状態でない場合には(ステップS289のN)、大入賞口に異常が発生している可能性がある。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって大入賞口を開放状態にする制御が行われたにもかかわらず、大入賞口が開放されていない異常が発生していると考えられる。そこで、CPU56は、演出制御基板80に、異常開放報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS290)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS291)。
また、大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS285のN)、大入賞口が閉鎖状態に制御されているときである。そのような状態で、大入賞口開信号がオン状態である場合には(ステップS286のY)、大入賞口に異常が発生している可能性がある。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって大入賞口を閉鎖状態にする制御が行われたにもかかわらず、大入賞口が閉鎖されていない異常が発生していると考えられる。そこで、CPU56は、演出制御基板80に、異常開放報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS287)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS288)。
なお、大入賞口開放中フラグがセットされている場合に大入賞口が開放されていないこと、および大入賞口開放中フラグがセットされていない場合に大入賞口が開放されていることを、異常開放と記す。
ここで、ステップS287,288の処理は、大入賞口が開放状態に制御されていない状態において、大入賞口が開放された場合に実行される処理である。つまり、不正行為がなされたと考えられる場合に実行される処理である。一方、ステップS290,291の処理は、大入賞口が開放状態に制御されている状態において、大入賞口が開放されない場合に実行される処理である。つまり、不正行為がなされていないと考えられる場合(例えば、ソレノイド21の故障などにより大入賞口が開放されない場合)に実行される処理である。したがって、不正行為がなされていないと考えられる場合にも、不正行為発生時と同様な異常報知が行われる。そこで、ステップS290の処理では、ステップS287で送信されるコマンドと異なるコマンドを送信し、ステップS287でコマンドが送信された場合とは異なる態様で異常の発生を報知するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、不正行為がなされていないと考えられる場合に、不正行為発生時と同様な異常報知を行うことによる遊技興趣の低下や、遊技者とのトラブル発生を防止することができる。
図60は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態と賞球カウント信号の出力状態との関係を示す説明図である。図60に示すように、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態と賞球カウント信号の出力状態とは、ほぼ相似している。賞球カウント信号の出力状態の、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態からの遅れ時間は、払出制御用マイクロコンピュータ370における処理時間に相当する。なお、この実施の形態では、カードユニット50からの球貸し要求にもとづく遊技球の払い出しが行われているときも払出個数カウントスイッチ301の検出信号はオン状態になるが、払出制御用マイクロコンピュータ370は、入賞にもとづく賞球払出が行われているときにのみ賞球カウント信号を送信する。
なお、払出制御用マイクロコンピュータ370が入賞にもとづく遊技球の払い出しが行われている場合のみならず、球貸し要求にもとづく遊技球の払い出しが行われているときも、賞球カウント信号を送信するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、例えば賞球REQ信号がオン状態であるかどうかなどによって、遊技球の払い出しが入賞にもとづく遊技球の払い出しであるかどうかを判定する。また、入賞にもとづく遊技球の払い出しを検出するカウントスイッチ(賞球払出個数カウントスイッチ)と球貸し要求にもとづく遊技球の払い出しを検出するカウントスイッチ(球貸し払出個数カウントスイッチ)とを別々に設けるようにしてもよい。この場合、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球払出個数カウントスイッチの検出信号の入力にもとづいて賞球カウント信号を出力する。また、賞球払出個数カウントスイッチと球貸し払出個数カウントスイッチとを別々に設けた場合に、賞球払出個数カウントスイッチの検出信号を伝達する信号線を分岐させて(例えば払出制御基板37上で分岐させて)、その信号線を主基板31に接続することにより、賞球払出個数カウントスイッチからの検出信号を直接、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)に入力させるようにしてもよい。この場合は、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に賞球カウント信号を出力する必要はない。
図61は、情報端子盤に出力される各種信号を示すブロック図である。図61に示すように、この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から情報端子盤34に対して、始動口1信号、図柄確定回数2信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、大当り4信号、大当り3信号、異常信号、および賞球情報信号(賞球信号)が情報出力処理(ステップS30)によって出力される。また、この実施の形態では、主基板31に搭載されるバックアップ電源回路506を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由せずに、情報端子盤34に対してドア開放信号が出力される。
始動口1信号は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を通知するための信号である。図柄確定回数2信号は、第1特別図柄の変動回数を通知するための信号である。図柄確定回数1信号は、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数を通知するための信号である。大当り1信号は、大当り遊技中または小当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)であることを通知するための信号である。大当り2信号は、大当り遊技中または小当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)で、または特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。時短信号は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。大当り4信号は、確率変動機能が作動中(確変状態中)であることを通知するための信号である。大当り3信号は、15ラウンドの大当り遊技中であることを通知するための信号である。
異常信号は、各種異常を検出したことを通知するための信号である。この実施の形態では、異常信号は、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合、大入賞口への磁気異常を検出した場合、遊技機の振動異常状態を検出した場合、大入賞口の異常開放を検出した場合に出力される。
賞球情報信号(賞球信号、払出情報ともいう。)は、遊技機が払い出した賞球数を通知するための信号である。ドア開放信号は、遊技機のドア(ガラス扉枠2や機構板)および遊技枠11が開放中であることを通知するための信号である。
図62は、始動口1信号の出力タイミングを示す波形図である。図62に示すように、始動口1信号は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aが遊技球の通過を検出する度に(オン状態になる度に)、0.200秒間出力される(オン状態となる)。ただし、第1始動口スイッチ13aが0.200秒よりも短い間隔で複数の遊技球の通過を検出する場合や、第2始動口スイッチ14aが0.200秒よりも短い間隔で複数の遊技球の通過を検出する場合、第1始動口スイッチ13aによる遊技球の検出と第2始動口スイッチ14aによる遊技球の検出との間隔が0.200秒よりも短い間隔となる場合がある。この場合は、2つの始動入賞にもとづく信号が重複してしまい、ホールコンピュータにおいて各々の始動入賞を認識できなくなってしまう。そこで、上記の場合には、始動口1信号の出力終了時から0.200秒の間隔を空けてから始動口1信号が出力される。これにより、始動入賞の発生が所定の期間(0.200秒)内に連続して発生した場合であっても、各々の始動入賞にもとづく始動口1信号をホールコンピュータにおいて確実に認識させることができる。
図63は、図柄確定回数2信号の出力タイミングを示す波形図である。図63に示すように、図柄確定回数2信号は、第1特別図柄の変動停止から0.500秒間出力される。
図64は、図柄確定回数1信号の出力タイミングを示す波形図である。図64に示すように、図柄確定回数1信号は、第1特別図柄および第2特別図柄の変動停止から0.500秒間出力される。
図65は、大当り1信号の出力タイミングを示す波形図である。図65に示すように、大当り1信号は、特別可変入賞球装置(役物連続作動装置)の作動中(大当り遊技中または小当り遊技中)に出力される。
図66は、大当り2信号の出力タイミングを示す波形図である。図66に示すように、大当り2信号は、特別可変入賞球装置(役物連続作動装置)の作動中(大当り遊技中または小当り遊技中)、または特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)に出力される。
図67は、時短信号の出力タイミングを示す波形図である。図67に示すように、時短信号は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)に出力される。
図68は、大当り4信号の出力タイミングを示す波形図である。図68に示すように、大当り4信号は、確率変動機能が作動中(確変状態中)に出力される。
図69は、大当り3信号の出力タイミングを示す波形図である。図69に示すように、大当り3信号は、特別可変入賞球装置(大入賞口)の連続作動回数が15回となる大当り遊技中(すなわち15ラウンドの大当り遊技中)に出力される。
図70は、異常信号の出力タイミングを示す波形図である。図70に示すように、異常信号は、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞、大入賞口周辺の磁気異常、遊技機の振動異常状態、大入賞口の異常開放を検出してから30秒間出力される。また、異常信号の出力を開始してから30秒以内にさらに他の異常を検出した場合には、異常信号は、最後に異常を検出してから30秒間が経過するまで出力される。図70に示す例では、磁気異常を検出したことにもとづいて異常信号の出力を開始した後、30秒を経過する前に大入賞口への異常入賞を検出したときに、最後に検出した大入賞口の異常入賞の検出時から30秒間が経過するまで異常信号が出力される例が示されている。
図71は、賞球個数カウントスイッチの賞球払出検出と賞球信号との関係を示す説明図である。図71に示すように、賞球払出時に払出個数カウントスイッチ301が10個の遊技球の通過を検出する度に(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560に賞球カウント信号のパルスが10回入力される度に)賞球信号(賞球情報信号)が0.100秒間オン状態となる。なお、賞球信号が0.100秒間オン状態となった後は、少なくとも0.100秒間オフ状態となる。
図72〜図77は、ステップS30の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図72〜図77に示す処理のうち、ステップS1002〜S1030が始動口1信号を出力するための処理であり、ステップS1031〜S1036が図柄確定回数1信号を出力するための処理であり、ステップS1037〜S1042が図柄確定回数2信号を出力するための処理であり、ステップS1050〜S1068が大当り1信号、大当り2信号、時短信号、大当り4信号および大当り3信号を出力するための処理である。また、ステップS1069〜S1074が異常信号を出力するための処理であり、ステップS1075〜S1101が賞球情報信号を出力するための処理である。
情報出力処理において、CPU56は、初期値(00(H))をRAM55に形成されている情報バッファにセットする(ステップS1001)。そして、始動口1情報設定テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS1002)、ポインタの指す処理数をロードする(ステップS1003)。始動口1情報設定テーブルには、処理数(=2)と始動口1スイッチ入力ビット(第1始動口スイッチ入力ビット判定値(40(H))と始動口2スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ入力ビット判定値(80(H))とが設定されている。ステップS1003では、ポインタが始動口1情報設定テーブルの処理数のアドレスを指しているので、始動口1情報設定テーブルにおける処理数(=2)のデータがロードされることになる。
次いで、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(ステップS1005)。そして、ポインタを1加算し(ステップS1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビット(このときは始動口1スイッチ入力ビット)をレジスタにロードし(ステップS1007)、始動口1スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(ステップS1008)。スイッチオンバッファの内容が40(H)であったとき、すなわち第1始動口スイッチ13aがオンしているときは、論理積の演算結果は40(H)になる。第1始動口スイッチ13aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。
論理積の演算結果が0の場合には(ステップS1009のY)、ステップS1015の処理に移行する。論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS1009のN)、第1始動入賞口13への入賞が生じたと判定し、始動口1情報記憶カウンタをレジスタにロードする(ステップS1010)。始動口1情報記憶カウンタは、始動口1信号の残り出力回数(つまり、始動口1信号の未出力の第1始動入賞の残り入賞個数)をカウントするカウンタである。次いで、CPU56は、始動口1情報記憶カウンタを1加算する(ステップS1011)。そして、演算結果(加算した結果)が0でないかどうかを確認する(ステップS1012)。演算結果が0のときは(ステップS1012のN)、演算結果を1減算する(ステップS1013)。そして、演算結果を始動口1情報記憶カウンタにストアする(ステップS1014)。
次に、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS1015)、処理数が0でないかどうかを判定する(ステップS1015)。処理数が0でないときは(ステップS1016のY)、ステップS1004の処理に移行する。そして、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(ステップS1005)。そして、ポインタを1加算し(ステップS1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビット(このときは始動口2スイッチ入力ビット)をレジスタにロードし(ステップS1007)、始動口2スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(ステップS1008)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときは、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。その後、上述したステップS1009〜S1016の処理が実行される。
ステップS1016で処理数が0であると判定されると(ステップS1016のN)、CPU56は、始動口1情報記憶タイマをロードし(ステップS1017)、始動口1情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1018)、始動口1信号が出力中であるか否かを判定する(ステップS1019)。始動口1情報記憶タイマは、始動口1信号のオン時間およびオフ時間(後述するオン時間200msとオフ時間200ms)を計測するためのタイマである。始動口1情報記憶タイマの値が0でなければ始動口1信号が出力中であると判定され、始動口1情報記憶タイマの値が0であれば始動口1信号が出力中でないと判定される。
始動口1信号が出力中であれば(ステップS1019のY)、ステップS1026の処理に移行する。始動口1信号が出力中でなければ(ステップS1019のN)、CPU56は、始動口1情報記憶カウンタをロードし(ステップS1020)、始動口1情報記憶カウンタの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1021)、始動口1信号の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS1022)。なお、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしたときは(ステップS1009のN)、始動口1情報記憶カウンタが1加算されるので、始動口1信号の出力回数の残数があると判定されることになる。
始動口1信号の出力回数の残数がなければ(ステップS1022のY)、ステップS1031の処理に移行する。始動口1信号の出力回数の残数があれば(ステップS1023のN)、CPU56は、始動口1情報記憶カウンタを1減算し(ステップS1023)、演算結果(1減算した結果)を始動口1情報記憶カウンタにストアする(ステップS1024)。そして、入賞情報動作時間(200)をレジスタにセットする(ステップS1025)。なお、入賞情報動作時間(200)は、2msのタイマ割込みが200回実行される時間、すなわち、0.400秒(400ms)の時間となっている。
次に、CPU56は、ステップS1025で入賞情報動作時間がセットされていなければ始動口1情報記憶タイマを1減算し、ステップS1025で入賞情報動作時間がセットされていれば入賞情報動作時間を1減算する(ステップS1026)。そして、演算結果(1減算した結果)を始動口1情報記憶タイマにストアする(ステップS1027)。
CPU56は、演算結果と入賞情報オン時間(100)を比較し(ステップS1029)、演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS1030)。なお、入賞情報オン時間(100)は、2msのタイマ割込みが100回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。
演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(始動口1情報記憶タイマの残り時間)が入賞情報オン時間(200ms)よりも長い時間である場合は(ステップS1029のN)、CPU56は、情報バッファの始動口1出力ビット位置(図8に示す例では出力ポート2のビット0)をセットする(ステップS1030)。情報バッファの始動口1出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、始動口1信号が出力ポート2から出力されることになる。
以上に示したステップS1001〜S1030の処理によって、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞(第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aのオン)が発生すると、始動口1信号が出力される。すなわち、始動口1信号が200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になる。この始動口1信号がホールコンピュータに入力されることによって、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を認識させることができる。
始動口1信号は、200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、200ms間のオフ状態の後に次の始動口1信号が出力される。すなわち、始動口1信号は少なくとも200msの間隔をあけて出力される。
このように、始動口1信号は少なくとも200msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、全始動入賞数を確実に把握することができる。
次に、CPU56は、図柄確定回数1情報タイマをレジスタにロードし(ステップS1031)、図柄確定回数1情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1032)、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1033)。この実施の形態では、特別図柄変動中処理(ステップS303)において、変動時間がタイムアウトすると、第1特別図柄の変動を停止するときおよび第2特別図柄の変動を停止するときに、図柄確定回数1情報タイマに図柄確定回数出力時間(本例では0.500秒)がセットされ(ステップS124参照)、その図柄確定回数出力時間が経過していないときは、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、図柄確定回数出力時間が経過したとき(図柄確定回数1情報タイマの値が0のとき)に、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1033のN)、図柄確定回数1情報タイマを1減算し(ステップS1034)、演算結果を図柄確定回数1情報タイマにストアする(ステップS1035)。そして、情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置(図8に示す例では出力ポート2のビット1)をセットする(ステップS1036)。情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、図柄確定回数1信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。なお、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1033のY)、ステップS1036の処理が実行されない結果、図柄確定回数1信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1031〜S1036の処理によって、第1特別図柄の変動が停止(停止図柄が確定)する度および第2特別図柄の変動が停止する度に、図柄確定回数1信号が図柄確定回数出力時間(例えば500ms)オン状態となる。
次に、CPU56は、図柄確定回数2情報タイマをレジスタにロードし(ステップS1037)、図柄確定回数2情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1038)、図柄確定回数2情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1039)。この実施の形態では、特別図柄変動中処理(ステップS303)において、変動時間がタイムアウトすると、第1特別図柄の変動を停止するときにのみ、図柄確定回数2情報タイマに図柄確定回数出力時間(本例では0.500秒)がセットされ(ステップS125,S126参照)、その図柄確定回数出力時間が経過していないときは、特別図柄停止情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、図柄確定回数出力時間が経過したとき(図柄確定回数2情報タイマの値が0のとき)に、図柄確定回数2情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
図柄確定回数2情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1039のN)、図柄確定回数2情報タイマを1減算し(ステップS1040)、演算結果を図柄確定回数2情報タイマにストアする(ステップS1041)。そして、情報バッファの図柄確定回数2出力ビット位置(図8に示す例では出力ポート2のビット2)をセットする(ステップS1042)。情報バッファの図柄確定回数2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、図柄確定回数2信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。なお、図柄確定回数2情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1039のY)、ステップS1042の処理が実行されない結果、図柄確定回数2信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1037〜S1042の処理によって、第1特別図柄の変動が停止(停止図柄が確定)する度に、図柄確定回数2信号が図柄確定回数出力時間(例えば500ms)オン状態となる。
また、以上に示したステップS1031〜S1042の処理によって、第1特別図柄の変動停止時および第2特別図柄の変動停止時に、図柄確定回数1信号が0.500秒間出力される。また、第1特別図柄の変動停止時にのみ、図柄確定回数2信号が0.500秒間出力される。
次に、CPU56は、特別図柄プロセスフラグをロードし(ステップS1050)、特別図柄プロセスフラグの値と大入賞口開放前処理指定値(「5」)を比較し(ステップS1051)、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるかどうかを判定する(ステップS1052)。特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるときは(ステップS1052のY)、ステップS1055の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS1052のN)、情報バッファの大当り1出力ビット位置をセットする(ステップS1053)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1054)。情報バッファの大当り1出力ビット位置および大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、大当り1信号および大当り2信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。
また、CPU56は、高確率状態であるか否かを確認する特別図柄高確率チェック処理を実行し(ステップS1055)、高確率状態であるか否かを判定する(ステップS1056)。具体的には、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認することによって、高確率状態であるか否かを判定する。高確率状態であるときは(ステップS1056のY)、情報バッファの大当り4出力ビット位置をセットする(ステップS1057)。情報バッファの大当り4出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、大当り4信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。
また、CPU56は、時短状態であるか否かを確認する時短チェック処理を実行し(ステップS1058)、時短状態であるか否かを判定する(ステップS1059)。具体的には、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認することによって、時短状態であるか否かを判定する。時短状態であるときは(ステップS1059のY)、情報バッファの時短出力ビット位置をセットする(ステップS1060)。時短出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、時短信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1061)。大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、大当り2信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグをロードし(ステップS1062)、特別図柄プロセスフラグの値と大入賞口開放前処理指定値(「5」)を比較し(ステップS1063)、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるかどうかを判定する(ステップS1064)。特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるときは(ステップS1064のY)、ステップS1069の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS1064のN)、大当り図柄判定バッファの内容をロードし(ステップS1065)、大当り図柄判定バッファの内容と高確率図柄指定値3を比較する(ステップS1066)。ここで、大当り図柄判定バッファは、図30のステップS73で決定された大当り種別の内容やステップS62の大当り判定で小当りと決定されたことを示す内容が格納されており、例えば、「1」が通常大当り、「2」が確変大当り、「3」が突然確変大当り、「4」が小当りとされている。そして、大当り図柄判定バッファの内容と高確率図柄指定値3とを比較して、大当り図柄判定バッファの内容が高確率図柄指定値3以上でないときは(ステップS1067のN)、大当り時のラウンド数が15ラウンドであると判断される。この場合、情報バッファの大当り3出力ビット位置をセットする(ステップS1068)。大当り3出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、大当り3信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。
以上に示したステップS1050〜S1068の処理によって、大当りの種別や遊技状態に応じた大当り1信号、大当り2信号、時短信号、大当り4信号および大当り3信号が出力される(オン状態になる)。
ホールコンピュータは、大当り1信号および大当り3信号を入力し、これらの信号によって、15ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り(突然確変大当りまたは小当り)のいずれが発生したかを把握することができる。具体的には、大当り1信号がオン状態、大当り3信号もオン状態であるとき(いずれの大当り信号もオン状態のとき)は、15ラウンドの大当りが発生していると判断することができ、大当り1信号がオン状態、大当り3信号がオフ状態であるときは、2ラウンドの大当り(突然確変大当り)または小当りが発生していると判断することができる。なお、突然確変大当りが発生したか小当りが発生したかを区別できるように、大当り1信号および大当り3信号とは別の大当り信号をホールコンピュータに出力するようにしてもよい。
また、ホールコンピュータは、大当り4信号および時短信号を入力し、これらの信号によって、遊技状態を把握することができる。具体的には、大当り4信号がオン状態で、時短信号がオフ状態であるときは、遊技状態が確変状態であると判断することができ、大当り4信号がオン状態で、時短信号もオン状態であるときは、遊技状態が確変時短状態であると判断することができ、大当り4信号がオフ状態で、時短信号がオン状態であるときは、遊技状態が時短状態であると判断することができ、大当り4信号がオフ状態で、時短信号もオフ状態であるときは、遊技状態が通常遊技状態であると判断することができる。
次いで、CPU56は、異常信号情報タイマをロードし(ステップS1069)、異常信号情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1070)、異常信号情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1071)。異常報知処理(ステップS23)において、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ、その所定時間が経過していないときは、異常信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(異常信号情報タイマの値が0のとき)に、異常信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
異常信号情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1071のN)、異常信号情報タイマを1減算し(ステップS1072)、演算結果を異常信号情報タイマにストアする(ステップS1073)。そして、情報バッファの異常信号出力ビット位置(図8に示す例では出力ポート3のビット0)をセットする(ステップS1074)。情報バッファの異常信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート2に出力することによって、異常信号が出力ポート3から出力される(オン状態となる)。なお、異常信号情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1071のY)、ステップS1074の処理が実行されない結果、異常信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1069〜S1074の処理によって、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞、大入賞口周辺の磁気異常、遊技機の振動異常状態、大入賞口の異常開放を検出してから30秒間が経過するまで、情報端子盤34の共通のコネクタCN9を用いて異常信号が出力される。また、異常信号の出力を開始してから30秒以内にさらに他の異常を検出した場合には、最後に異常を検出してから30秒間が経過するまで異常信号が出力される。
なお、この実施の形態では、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞、大入賞口周辺の磁気異常、遊技機の振動異常状態、大入賞口の異常開放の全てについて、異常検出した場合に情報端子盤34の共通のコネクタCN9を用いて異常信号を出力する場合を示したが、必ずしもこれら全ての異常を共通のコネクタを用いて出力する必要はなく、いずれか2以上を共通のコネクタを用いて出力するようにしてもよい。また、この実施の形態では、大入賞口への異常入賞と第2始動入賞口14への異常入賞の両方について、異常検出した場合に情報端子盤34を介して外部出力する場合を示したが、いずれか一方の異常入賞のみを検出した場合に情報端子盤34を介して外部出力するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技機の異常として、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞、大入賞口周辺の磁気異常、遊技機の振動異常状態、大入賞口の異常開放を検出した場合に、異常信号を外部出力する場合を示したが、遊技機の他の異常を検出したことにもとづいて異常信号を外部出力するようにしてもよい。例えば、球払出装置97内の遊技球検出部において異常を検出したことや、球払出装置97の払い出し動作中以外のタイミングで遊技球を検出したこと、球払出装置97内で遊技球が詰まったことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、払い出し動作が行なわれたにもかかわらず、払出個数カウントスイッチ301が遊技球を1個も検出できなかったことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、満タンエラーが発生したこと(具体的には、満タンスイッチ48からのオン信号を入力したこと)や、球切れエラーが発生したこと(具体的には、球切れスイッチ187からのオン信号を入力したこと)にもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。
また、例えば、遊技機が搭載する電源回路に過電流が流れたことを検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、主基板31と払出制御基板37との未接続状態を検出したことや、主基板31と払出制御基板37との間の通信エラー(例えば、賞球REQ信号通信エラー)を検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、球払出装置97と払出制御基板37との未接続状態を検出したことや、球払出装置97と払出制御基板37との間の通信エラーを検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載する乱数回路503の異常を検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ドア開放スイッチ154,155からのドア開放信号を、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由せずに、バックアップ電源回路506を介して、情報端子盤34に出力する場合を示したが、ドア開放スイッチ154,155からのドア開放信号も異常信号として、他の異常を検出した場合と共通の情報端子盤34のコネクタCN9を用いて外部出力するようにしてもよい。
次に、CPU56は、賞球払出個数カウンタのアドレスをポインタにセットする(ステップS1075)。賞球払出個数カウンタは、払出制御用マイクロコンピュータ370からの賞球カウント信号のパルスをカウントするカウンタである。次いで、CPU56は、入力ポート1の賞球カウント信号のビットのデータを読み込む(ステップS1076)。そして、賞球カウント信号タイマをロードする(ステップS1077)。賞球カウント信号タイマは、賞球カウント信号のオン状態の時間を判定するタイマである。
そして、CPU56は、賞球カウント信号のビットのデータが「1」であるかどうかを判定し(ステップS1078)、「1」であれば、賞球カウント信号タイマを1加算し(ステップS1079)、「1」でなければ(「0」であれば)、賞球カウント信号タイマを0クリアする(ステップS1080)。次いで、CPU56は、賞球カウント信号タイマとスイッチオン判定値(2)を比較し(ステップS1081)、賞球カウント信号タイマの値がスイッチオン判定値(2)と一致するかどうかを判定する(ステップS1082)。賞球カウント信号タイマの値がスイッチオン判定値(2)と一致しなければ(ステップS1082のY)、ステップS1088の処理に移行する。一致すれば(ステップS1082のN)、確かに賞球カウント信号が入力されたと判断して(4ms連続して賞球カウント信号が入力されたと判断して)、賞球払出個数カウンタを1加算する(ステップS1083)。なお、ステップS1077〜S1081の処理は、確実に賞球カウント信号が入力されたことを確認する処理であるが、払出制御用マイクロコンピュータ370においても、ステップS1077〜S1081と同様の処理で、確実に払出個数カウントスイッチ301からの検出信号が入力されたことを確認するようにしてもよい。
そして、賞球払出個数カウンタの値が10であるかどうかを判定する(ステップS1084)。賞球払出個数カウンタの値が10でなければ(ステップS1084のN)、ステップS1088の処理に移行する。賞球払出個数カウンタの値が10であれば(ステップS1084のY)、クリアデータを賞球払出個数カウンタにストアする(ステップS1085)。これにより、賞球払出個数カウンタがクリアされる。次いで、CPU56は、賞球信号出力回数カウンタをロードし(ステップS1086)、賞球信号出力回数カウンタを1加算する(ステップS1087)。賞球信号出力回数カウンタは、賞球信号の残り出力回数をカウントするカウンタである。
そして、CPU56は、賞球信号出力タイマをロードし(ステップS1088)、賞球信号出力タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1089)、賞球信号が出力中であるかどうかを判定する(ステップS1090)。賞球信号出力タイマは、賞球信号のオン時間およびオフ時間(後述するオン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。賞球信号出力タイマの値が0でなければ賞球信号が出力中であると判定され、賞球信号出力タイマの値が0であれば賞球信号が出力中でないと判定される。
賞球信号が出力中であれば(ステップS1090のY)、ステップS1097の処理に移行する。賞球信号が出力中でなければ(ステップS1090のN)、CPU56は、賞球信号出力回数カウンタをロードし(ステップS1091)、賞球信号出力回数カウンタの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1092)、賞球信号の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS1093)。
賞球信号の出力回数の残数がなければ(ステップS1093のY)、ステップS1102の処理に移行する。賞球信号の出力回数の残数があれば(ステップS1093のN)、CPU56は、賞球信号出力回数カウンタを1減算し(ステップS1094)、演算結果(1減算した結果)を賞球信号出力回数カウンタにストアする(ステップS1095)。そして、遊技情報信号動作動作時間(100)をレジスタにセットする(ステップS1096)。なお、遊技情報信号動作時間(100)は、2msのタイマ割込みが100回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。
次に、CPU56は、ステップS1096で遊技情報信号動作時間がセットされていなければ賞球信号出力タイマを1減算し、ステップS1096で遊技情報信号動作時間がセットされていれば遊技情報信号動作時間を1減算する(ステップS1097)。そして、演算結果(1減算した結果)を賞球信号出力タイマにストアする(ステップS1098)。
CPU56は、演算結果(賞球信号出力タイマの残り時間)と遊技情報信号出力時間判定値(50)を比較し(ステップS1099)、賞球信号出力タイマの残り時間が遊技情報信号出力時間判定値(50)よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS1100)。なお、遊技情報信号出力時間判定値(50)は、2msのタイマ割込みが50回実行される時間、すなわち、0.100秒(100ms)の時間となっている。
賞球信号出力タイマの残り時間が遊技情報信号出力時間判定値よりも短い時間でない場合、つまり、賞球信号出力タイマの残り時間が遊技情報信号出力時間判定値(100ms)よりも長い時間である場合は(ステップS1100のN)、CPU56は、情報バッファの賞球出力ビット位置(図8に示す例では出力ポート3のビット1)をセットする(ステップS1101)。情報バッファの賞球出力ビット位置がセットされると、ステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート3に出力することによって、賞球信号が出力ポート3から出力される。
以上に示したステップS1075〜S1101の処理によって、賞球カウント信号を10回カウントする度に賞球信号がホールコンピュータに出力される。すなわち、10個の賞球払出が行われる度に賞球信号がホールコンピュータに出力される(10個1パルス)。よって、ホールコンピュータは遊技機で払い出された遊技球数を認識することができる。
なお、以上の信号の定義(信号がオン状態であるときに意味する内容)は一例であって、大当りの種別や遊技状態の違いがホールコンピュータにおいて認識可能であれば、異なる定義としてもよい。また、信号の数や種類も上記したものに限られるわけではない。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ370による払出制御手段の動作を説明する。図78は、払出制御用マイクロコンピュータ370における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図78に示すように、出力ポート0は、ステッピングモータによる払出モータ289に供給される各相の信号とを出力するための出力ポートである。また、出力ポート1は、遊技制御用マイクロコンピュータ560への払出エラー信号、球切れ信号、満タン信号および賞球カウント信号を出力するための出力ポートである。出力ポート2は、7セグメントLEDによるエラー表示LED374の各セグメント出力の出力ポートである。出力ポート3は、カードユニット50へのPRDY信号およびEXS信号を出力するための出力ポートである。なお、出力ポート0,1,2,3は、図4に示された出力ポート372a,372b,372c,372dに相当する。
図79は、払出制御用マイクロコンピュータ370における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図79に示すように、入力ポート0のビット0〜3には、4ビットの賞球個数信号が入力され、ビット4,5,6,7には、それぞれ、主基板31からの賞球REQ信号、主基板31からの電源確認信号、球切れスイッチ187の検出信号、払出モータ位置センサ295の検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット1〜3には、それぞれ、払出個数カウントスイッチ301の検出信号、エラー解除スイッチ375からの操作信号、満タンスイッチ48の検出信号が入力される。入力ポート1のビット4〜6には、それぞれ、カードユニット50からのVL信号、BRDY信号、BRQ信号が入力される。また、出力ポート2には、電源基板からの電源断信号およびクリア信号が入力される。なお、入力ポート0,1,2は、図4に示された入力ポート372e,372fに相当する。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ370(具体的には、払出制御用CPU371)の動作について説明する。図80は、払出制御手段(払出制御用マイクロコンピュータ370)が実行する払出制御処理を示すフローチャートである。払出制御処理は、例えば、2ms毎に発生するタイマ割込にもとづくタイマ割込処理で実行される。払出制御処理において、払出制御用CPU371(払出制御用マイクロコンピュータ370)は、まず、入力判定処理を行う(ステップS752)。入力判定処理は、入力ポート0および入力ポート1の状態を検出して検出結果をRAMの所定の2バイト(入力状態フラグという。)に反映する処理である。なお、払出制御処理において、入力ポート0および入力ポート1の状態にもとづいて制御を行う場合には、直接入力ポートの状態をチェックするのではなく、入力状態フラグの状態をチェックする。また、入力判定処理において、払出制御用CPU371は、入力ポート0,1の入力データを主基板31に送信する処理も行う。
次に、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理を実行する(ステップS753)。払出モータ制御処理では、払出モータ289を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理を行う。
また、払出制御用CPU371は、カードユニット50と通信を行うプリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS754)。次いで、払出制御用CPU371は、主基板31の遊技制御手段と通信を行う主制御通信処理を実行する(ステップS755)。さらに、カードユニット50からの球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行い、また、主基板からの賞球個数信号が示す個数の賞球を払い出す制御を行う賞球球貸し制御処理を実行する(ステップS756)。
そして、払出制御用CPU371は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(ステップS757)。また、払出制御用CPU371は、エラー処理の結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行う表示制御処理を実行する(ステップS758)。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用CPU371は、ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファおよび出力ポート3バッファの内容を出力ポートに出力する(ステップS760:出力処理)。ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファおよび出力ポート3バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)、プリペイドカードユニット制御処理(ステップS754)、主制御通信処理(ステップS755)、情報出力処理(ステップS758)および表示制御処理(ステップS759)で更新される。
図81は、ステップS755の主制御通信処理を示すフローチャートである。主制御通信処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、主制御通信制御コードの値に応じて、ステップS1531〜S1533のいずれかの処理を実行する。
図82は、主制御通信制御コードの値が0の場合に実行される主制御通信通常処理(ステップS1531)を示すフローチャートである。主制御通信通常処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、エラービット(主制御未接続エラービットまたは賞球REQ信号エラービット)がオンしている場合には、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS1541)。ステップS1541では、エラーフラグ中の2つのビットのうち1つでもセットされていたら、エラービットがセットされていると判断する。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、BRDY信号がオン状態であれば、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS1542)。BRDY信号がオン状態であるということは、カードユニット50から球貸し要求が発生していることを意味する。すなわち、球貸し要求が発生しているときには、主基板31の遊技制御手段との通信(賞球払出に関する通信)が進行しない。
ステップS1541〜S1542の条件が成立せず、電源確認信号がオン状態である場合には、払出制御用CPU371は、賞球REQ信号がオン状態になっているか否か確認する(ステップS1543,S1544)。オン状態になっている場合には、賞球個数信号が示す賞球数を賞球未払出個数カウンタの内容に加算し(ステップS1545)、賞球BUSY信号をオン状態にするための処理を行う(ステップS1546)。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポート1バッファにおける賞球BUSY信号に対応したビットをオン状態に設定する。そして、主制御通信制御タイマに賞球BUSY信号出力時間(この例では10)をセットし(ステップS1547)、主制御通信制御コードの値を1にして(ステップS1548)、処理を終了する。主制御通信制御タイマは、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560との通信に関わる時間の監視等に使用されるタイマであるが、この段階では、賞球BUSY信号をオフするタイミングを設定するための賞球BUSY信号出力時間がセットされる。なお、賞球未払出個数カウンタは、不揮発性(この例では電源バックアップされている)のRAM領域に形成されている。
図83は、主制御通信制御コードの値が1の場合に実行される主制御通信中処理(ステップS1532)を示すフローチャートである。主制御通信中処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、電源確認信号がオン状態であれば(ステップS1551)、賞球REQ信号の状態を確認する(ステップS1552)。賞球REQ信号がオフ状態になっていたら、エラーフラグのうち賞球REQ信号エラービットをセットする(ステップS1553)。この段階で、直ちに賞球REQ信号がオフ状態になってしまうのはおかしいからである。
次いで、払出制御用マイクロコンピュータ370は、主制御通信制御タイマの値を確認し(ステップS1554)、0になっていなければ主制御通信制御タイマの値を1減算して(ステップS1555)処理を終了する。主制御通信制御タイマの値が0になっていたら、賞球BUSY信号をオフ状態にするための処理を行う。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポート1バッファにおける賞球BUSY信号に対応したビットをオフ状態に設定する(ステップS1556)。また、主制御通信制御タイマに賞球REQ信号オフ監視時間(この例では24)をセットする(ステップS1557)。そして、主制御通信制御コードの値を2にして(ステップS1558)、処理を終了する。
図84は、主制御通信制御コードの値が2の場合に実行される主制御通信終了処理(ステップS1533)を示すフローチャートである。主制御通信中処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、エラービット(主制御未接続エラービットまたは賞球REQ信号エラービット)がオンしている場合には、ステップS1567に移行する(ステップS1561)。また、電源確認信号がオフ状態である場合にもステップS1567に移行する(ステップS1562)。エラービットがともにオフ状態であって電源確認信号がオン状態である場合には、賞球REQ信号がオフ状態になったか否かを確認する(ステップS1563)。オフ状態になったらステップS1567に移行する。
賞球REQ信号がオフ状態になっていない場合には、主制御通信制御タイマの値を確認する(ステップS1564)。主制御通信制御タイマの値が0になっていなければ主制御通信制御タイマの値を−1する(ステップS1565)。主制御通信制御タイマの値が0になっていたら、監視時間内に賞球REQ信号がオフしなかったとして、エラーフラグのうち賞球REQ信号エラービットをセットし(ステップS1566)、ステップS1567に移行する。
ステップS1567では、主制御通信制御コードの値を0にして、処理を終了する。
図85は、ステップS756の賞球球貸し制御処理を示すフローチャートである。賞球球貸し制御処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になったことを確認したら(ステップS1601のY)、球貸し中であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減らし(ステップS1602のY,S1604)、球貸し中でなければ賞球未払出個数カウンタの値を1減らす(ステップS1602のN,S1603)。次に、RAMに形成されている払出制御状態フラグの払出球検知ビットをセットする(ステップS1605)。払出球検知ビットは、払出通過待ち処理において、1回の賞球払出処理(最大15個)または1回の球貸し処理において(25個の払出)、払出モータ289を駆動したにもかかわらず遊技球が1個も払出個数カウントスイッチ301を通過しなかったことを検知するために用いられる。その後、払出制御コードの値に応じてステップS1610〜S1612のいずれかの処理を実行する。
賞球球貸し制御処理において、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の確認や未払出個数カウンタの減算処理を行うときには、エラービットのチェックは実行されない。従って、遊技球の払い出しに関わるエラー状態であっても、払出個数カウントスイッチ301によって遊技球の払い出しが検出される毎に、払い出された遊技球が貸し球であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減算し、賞球であれば賞球未払出個数カウンタの値を1減算する処理を実行する。よって、払い出しに関わるエラーが発生しても、未払出の遊技球数を正確に管理することができる。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370がエラーの発生を検出する前に球払出装置97から払い出された遊技球は、払い出された時点からやや遅れて払出個数カウントスイッチ301によって検出されるのであるが、払出制御用マイクロコンピュータ370は、球払出装置97から遊技球が払い出された後、その遊技球が払出個数カウントスイッチ301によって検出される前にエラーの発生を検出したような場合に、エラーの発生を検出する前に球払出装置97から払い出された遊技球を、賞球未払出個数カウンタまたは球貸し未払出個数カウンタに反映できる。
図86は、払出制御コードが0の場合に実行される払出開始待ち処理(ステップS1610)を示すフローチャートである。払出開始待ち処理において、払出制御用CPU371は、エラービット(エラーフラグにおける全てのエラービットのうちの1つ以上)がセットされていたら、以降の処理を実行しない(ステップS1621)。なお、エラーフラグは、RAMに形成されている。
また、BRDY信号がオン状態でなければ、ステップS1631以降の賞球払出のための処理を実行する。BRDY信号がオン状態であって、さらに、球貸し要求信号であるBRQ信号がオン状態になっていたら球貸し動作中フラグをセットする(ステップS1623,S1624)。そして、球貸し未払出個数カウンタに「25」をセットし(ステップS1625)、払出モータ回転回数バッファに「25」をセットする(ステップS1626)。
払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。
その後、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動準備処理に応じた値(具体的は「1」)をセットし(ステップS1627)、払出制御コードの値を1にして(ステップS1628)、処理を終了する。
なお、払出モータ制御処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ制御コードの値に応じて、払出モータ通常処理(ポインタをROMに格納されているテーブルの先頭アドレスにセットする等の処理)、払出モータ起動準備処理(出力ポート0の出力状態に対応したポート0バッファのビット4〜7に励磁パターンの初期値を設定する等の処理)、払出モータスローアップ処理(払出モータ289を滑らかに回転開始させるために、定速処理の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔に近づくような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応したポート0バッファのビット4〜7に設定する等の処理)、払出モータ定速処理(定期的に払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応したポート0バッファのビット4〜7に設定する等の処理)、払出モータブレーキ処理(払出モータ289を滑らかに停止させるために、定速処理の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔から遠ざかるような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応したポート0バッファのビット4〜7に設定する等の処理)、および球噛み時払出モータブレーキ処理(球噛みを解除するための回転の場合に、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応したポート0バッファのビット4〜7に設定する処理)のいずれかの処理を実行する。
ステップS1631では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球未払出個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS1631)。0であれば処理を終了する。なお、賞球未払出個数カウンタには、主制御通信終了処理において、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560との間で払出指令信号に関わる通信が正常に完了したときに、0でない値(賞球個数信号が示す数)が加算される。賞球未払出個数カウンタの値が0でない場合には、15以上であるか否か確認する(ステップS1632)。15未満であれば、払出モータ回転回数バッファに賞球未払出個数カウンタの値をセットし(ステップS1633)、15以上であれば、払出モータ回転回数バッファに「15」をセットする(ステップS1634)。そして、賞球動作中フラグをセットし(ステップS1635)、ステップS1627に移行する。
図87は、払出制御コードが1の場合に実行される払出モータ停止待ち処理(ステップS1611)を示すフローチャートである。払出モータ停止待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出動作が終了したか否か確認する(ステップS1641)。
払出動作が終了した場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出制御監視タイマに払出通過監視時間をセットする(ステップS1642)。払出通過監視時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから払出個数カウントスイッチ301を通過するまでの時間に、余裕を持たせた時間である。そして、払出制御コードの値を2にして(ステップS1643)、処理を終了する。
図88〜図90は、払出制御コードの値が2の場合に実行される払出通過待ち処理(ステップS1612)を示すフローチャートである。払出通過待ち処理では、賞球払出が行われているときには、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、1個の遊技球の再払出動作を、2回を上限として試みる。再払出動作において払出個数カウントスイッチ301によって遊技球が実際に払い出されたことが検出されたら正常に払出が完了したと判定される。なお、この実施の形態では、1回の賞球払出動作で払い出される遊技球数は最大15個であり、また、賞球払出中に賞球個数信号を受信したら賞球未払出個数カウンタの値が増加するので、正常に払出が完了した場合でも、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていないことがある。
また、球貸し払出が行われているときには、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、1個の遊技球または球貸し残数(球貸し未払出個数カウンタの値に相当)の再払出動作を試みる。なお、この実施の形態では、1回の球貸し払出動作で払い出される遊技球数は25個(固定値)であり、25個の遊技球が払い出されるように払出モータ289を回転させたのであるから、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、正常に払出が完了していないことになる。
払出通過待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、払出制御タイマの値を確認し、その値が0になっていればステップS1653に移行する(ステップS1650)。払出制御タイマの値が0でなければ、払出制御タイマの値を−1する(ステップS1651)。そして、払出制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS1652)、すなわち払出制御タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。
払出制御タイマがタイムアウトしていれば(ステップS1652)、球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたか否か確認する(ステップS1653)。球貸し動作を実行していたか否かは、RAMに形成されている払出制御状態フラグにおける球貸し動作中ビットがセットされているか否か(ステップS1623,S1624参照)によって確認される。球貸し動作を実行していない場合、すなわち、賞球払出処理(賞球動作)を実行していた場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球未払出個数カウンタの値を確認する(ステップS1654)。賞球未払出個数カウンタの値が0になっている場合には、正常に賞球払出処理が完了したとして、払出制御状態フラグにおける払出球検知ビット、再払出動作中1ビット、再払出動作中2ビット、賞球動作中フラグおよび球貸し動作中ビットをリセットし(ステップS1655)、払出制御コードを0にして(ステップS1656)、処理を終了する、なお、払出球検知ビットは、払出個数カウントスイッチ301がオンしたときにセットされるビットであり、払出動作中に払出個数カウントスイッチ301が少なくとも1個の遊技球を検出したことを示すビットである。また、再払出動作中1ビットおよび再払出動作中2ビットは、2回の再払出動作からなる再払出処理を実行する際に用いられる制御ビットである。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラーフラグ(具体的には、払出スイッチ異常エラー1ビット、払出スイッチ異常エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS1659)、また、払出球検知ビットがセットされていないことを条件として(ステップS1661)、再払出動作を実行する。なお、エラーフラグがセットされている場合には、再払出動作を実行しない。
上述したように、この実施の形態では、正常に払出が完了した場合でも、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていないことがある。そこで、払出球検知ビットがセットされていれば、すなわち払出個数カウントスイッチ301が賞球払出処理中に少なくとも1個の遊技球の払出を検出していたら、正常に賞球払出処理が完了したとして、ステップS1655に移行する。なお、例えば、1回の賞球払出処理で15個の遊技球を払い出すべきところ、実際には14個の遊技球しか払い出されなかった場合(払出個数カウントスイッチ301が14個の遊技球しか検出しなかった場合)にも、払出球検知ビットがセットされるので正常に賞球払出処理が完了したとみなされるが、その場合には、賞球未払出個数カウンタの値は14しか減算されていないはずであり、不足分は次回の賞球払出処理で払い出されるので、遊技者に不利益を与えることはない。
再払出処理を実行するために、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、再払出動作中2ビットがセットされているか否か確認する(ステップS1662)。セットされていなければ、再払出動作中1ビットがセットされているか否か確認する(ステップS1663)。再払出動作中1ビットもセットされていなければ、初回の再払出動作を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS1664)、再払出動作中1ビットをセットし(ステップS1665)、払出モータ回転回数バッファに再払出動作個数または球貸し未払出数個数カウンタの値をセットする(ステップS1666)。払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。なお、ステップS1666において、球貸し未払出数個数カウンタの値も取り扱われるのは、球貸し払出処理における再払出処理でもステップS1666が用いられるからである。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370は、ステップS1666において、賞球払出処理における再払出処理では再払出動作個数をセットし、球貸し払出処理における再払出処理では球貸し未払出数個数カウンタの値をセットする。その後、払出制御コードを1にして(ステップS1667)、処理を終了する。
ステップS1663において、再払出動作中1ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、2回目の再払出を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS1668)、再払出動作中1ビットをリセットし(ステップS1669)、再払出動作中2ビットをセットする(ステップS1670)。そして、ステップS1666に移行する。
ステップS1662において、再払出動作中2ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、2回の再払出処理を実行しても遊技球が払い出されなかった(払出個数カウントスイッチ301が遊技球を検出しなかった)として、エラーフラグにおける払出ケースエラービットをセットする(ステップS1672)。その際に、再払出動作中2ビットをリセットしておく(ステップS1671)。そして、処理を終了する。
以上のように、再払出処理(補正払出処理)において2回の再払出動作を行っても遊技球が1個も払い出されない場合には、遊技球の払出動作不良として、払出個数カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)がセットされる。
従って、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出検出手段としての払出個数カウントスイッチ301からの検出信号にもとづいて、遊技球の払い出しが行われなかったことを検出したときに、あらかじめ決められた所定回(この例では2回)を限度として、払出手段に1個の遊技球の払い出しを行わせるように制御を行う。なお、この実施の形態では、遊技球を払い出すためのリトライ動作を2回行っても遊技球の払い出しが行われなかった場合には、払出ケースエラービットをセットしてエラー発生中状態になるが(ステップS1672)、遊技球の払い出しが行われなかったことを初めて検知したときに払出ケースエラービットをセットしてもよい。なお、「リトライ動作(あるいは「リトライ」、「リトライ動作処理」)」とは、所定数の遊技球の払い出しを行うための通常の払出処理を実行したのにもかかわらず、実際の払い出し数が少ない場合に実行させる動作であって、通常の払出処理とは別に、未払出の遊技球を払い出すために払出処理を再度実行させるための動作を意味する。
賞球球貸し制御処理において、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を行うか否か判定するためにエラービットがチェックされるのは、図86に示された払出開始待ち処理においてのみである。図87に示された払出モータ停止待ち処理および図88等に示された払出通過待ち処理では、エラービットはチェックされない。なお、払出通過待ち処理におけるステップS1659等でもエラービットがチェックされているが、そのチェックは再払出動作を行うか否かを判断するためであって、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を開始するか否か判定するためではない。従って、ステップS1626、S1633またはステップS1634の処理が行われて遊技球の払出処理が開始された後では、エラーが発生しても払出処理は中断されない。すなわち、エラーが発生すると、遊技球の払出処理は、切りのよい時点(1回の賞球払出または1回の球貸しが終了した時点)まで継続される。なお、ステップS1621でチェックされるエラーフラグにおけるエラービットの中には、主基板31からの電源確認信号がオフ状態になったことを示すエラービットが含まれている。よって、電源確認信号がオフ状態になったときにも、遊技球の払出処理は、切りのよい時点で停止される。
ステップS1653で球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたことを確認すると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS1657)。0になっていれば、正常に球貸し払出処理が完了したとしてステップS1655に移行する。
ステップS1657で、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていなければ、エラーフラグ(具体的には、払出スイッチ異常エラー1ビット、払出スイッチ異常エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS1675)、再払出処理を実行する。なお、エラーフラグがセットされている場合には、再払出処理を実行しない。
再払出処理を実行するために、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、再払出動作中2ビットがセットされているか否か確認する(ステップS1676)。セットされていなければ、再払出動作中1ビットがセットされているか否か確認する(ステップS1677)。再払出動作中1ビットもセットされていなければ、初回の再払出動作を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS1678)、再払出動作中1ビットをセットし(ステップS1679)、さらに払出球検知ビットをリセットした後(ステップS1680)、ステップS1666に移行する。
ステップS1677において、再払出動作中1ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、再払出動作を再度実行するための処理を行う。具体的には、再払出動作中1ビットをリセットする(ステップS1681)。そして、払出球検知ビットがセットされていたら、すなわち、最初の再払出動作で遊技球が払い出されていたら、ステップS1683に移行する。払出球検知ビットがセットされていなかったら、2回目の再払出動作を実行するためにステップS1684に移行する。
ステップS1683では払出球検知ビットをリセットし、その後、ステップS1666に移行する。従って、この場合には、再払出動作中1ビットがセットされたままになっているので、再度、初回(最初)の再払出動作が行われる。ステップS1684では、再払出動作個数として1をセットし(ステップS1684)、再払出動作中2ビットをセットし(ステップS1685)、ステップS1666に移行する。
ステップS1676において、再払出動作中2ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、再払出動作中2ビットをリセットし(ステップS1686)、払出球検知ビットがセットされていたら、すなわち、再払出動作で遊技球が払い出されていたらステップS1683に移行して残りの未払出分を解消することを試みる。払出球検知ビットがセットされていなかったら、2回の再払出処理を実行しても遊技球が払い出されなかった(払出個数カウントスイッチ301が遊技球を検出しなかった)として、エラーフラグにおける払出ケースエラービットをセットする(ステップS1688)。そして、処理を終了する。
以上のように、球貸し処理に係る再払出処理(補正払出処理)において連続して2回の再払出動作を行っても遊技球が1個も払い出されない場合には、遊技球の払出動作不良として、払出個数カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)がセットされる。なお、この実施の形態では、球貸し制御処理が賞球制御処理(ステップS1631以降の処理)よりも優先して実行されるが(ステップS1622参照)、賞球制御処理を球貸し制御処理よりも優先して実行するようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図91は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示領域の表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。また、図柄や演出などを決定するための各乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS709)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS710)。その後、ステップS702に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、共通の飾り図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した図柄変動指定コマンドにもとづいて第1飾り図柄または第2飾り図柄いずれの変動であるかを特定し、特定した飾り図柄に対応する飾り図柄表示器9a,9bに表示信号を出力するように制御する。
図92は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図19および図20参照)であるのか解析する。
図93〜図96は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが、演出表示装置9における背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド:9500(H)〜9503(H))であれば(ステップS614のY)、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドがチャンスモード状態背景指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS615A)。チャンスモード状態背景指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の背景(背景画像、背景色など)としてチャンスモード状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS615B)。
チャンスモード状態背景指定コマンドでなければ、演出制御用CPU101は、復旧時背景変更フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS615C)。復旧時背景変更フラグは、停電復旧時に送信される停電時遊技状態指定コマンドにおいて高ベース状態(時短状態または確変状態)が指定されているときにセットされる(ステップS636〜S638参照)。復旧時背景変更フラグがセットされているときは(ステップS615CのY)、演出表示装置9の背景(背景画像、背景色など)として時短状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS615D)。一方、復旧時背景変更フラグがセットされていないときは(ステップS615CのN)、演出制御用CPU101は、背景指定コマンドの内容に応じた背景表示状態フラグをセットする(ステップS615E)。具体的には、背景指定コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば通常状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば確変状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば時短状態のときの背景表示状態フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS616)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS617)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS629)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS630)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS631)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
また、受信した演出制御コマンドが停電時遊技状態指定コマンドであれば(ステップS636)、演出制御用CPU101は、停電時遊技状態指定コマンドで指定されている遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変状態)であるかどうかを確認する(ステップS637)。高ベース状態であれば、復旧時背景変更フラグをセットする(ステップS638)。上述したように、復旧時背景変更フラグをセットすると、その後に遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される背景指定コマンドで指定される遊技状態にかかわらず、演出表示装置9の背景が時短状態のときの背景に制御される(ステップS615C,S615D参照)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1〜3指定コマンドのいずれかであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1〜3指定コマンド受信フラグのいずれかをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが始動異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、始動異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが磁気異常報知指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、磁気異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが振動異常報知指定コマンドであれば(ステップS649)、演出制御用CPU101は、振動異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS650)。
受信した演出制御コマンドが異常開放報知指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、異常開放報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(ステップS654)。なお、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信することなく、同じ合算保留記憶数指定コマンドを2回受信した場合には、1回目に受信した合算保留記憶数指定コマンドを破棄し(例えば、合算保留記憶数保存領域を一旦クリアし)、2回目に受信した合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータを合算保留記憶数保存領域に格納するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS656)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS658)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS660)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS661)。そして、ステップS611に移行する。
なお、図25のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理の代わりに、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信するように構成されている場合は、ステップS654において、その保留記憶数指定コマンドを所定の保存領域(保留記憶数保存領域)に格納する処理が行われる。
また、図25のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理を行わないように構成された場合には、ステップS651のNの場合にステップS655の処理に移行する。そして、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)の内容にもとづいて第1始動入賞が発生したか第2始動入賞が発生したかを認識し(ステップS655、S657)、第1始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数保存領域のデータを更新(現在の合算保留記憶数を示す値に対応するデータに更新)するとともに、第1始動入賞カウンタの値を+1する。また、第2始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数保存領域のデータを更新するとともに、第2始動入賞カウンタの値を+1する。このような構成によれば、合算保留記憶数指定コマンドの送信が不要となり、コマンド数を削減することができるとともに、CPU56および演出制御用CPU101の処理負担を軽減することが可能となる。
図97は、図91に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知(小当りの発生の報知も含む)するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図98は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図99は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS822)。第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS823)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS824)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS825)。その後、ステップS828に移行する。
第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているはずである。そこで、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS826A)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS826B)とともに、第2保留記憶数を1減算することを示す第2保留記憶数減算フラグをセットする(ステップS826C)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS827)。その後、ステップS828に移行する。
ステップS828では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果特定コマンドの内容、変動パターンコマンドの内容などにもとづいて、変動停止時に導出表示する演出図柄の停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出制御パターン(変動パターン)に応じたプロセステーブル(演出表示装置9の表示制御を実行する表示制御実行データ、ランプの点灯制御を実行するランプ制御実行データ、スピーカ27の音声出力を制御する音番号データ、各制御を実行する時間が設定されたプロセスタイマ設定値からなるプロセスデータが複数定義されたテーブル)を選択する(ステップS831)。そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ(プロセステーブルを構成するデータ)におけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマにセットしてプロセスタイマをスタートさせる(ステップS834)。
演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグ(異常入賞報知中フラグ、始動異常入賞報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、振動異常報知中フラグまたは異常開放報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS835A,S835B)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS835A,S835C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常報知(異常入賞の報知や始動異常入賞の報知、磁気異常の報知、振動異常の報知、異常開放の報知)に応じた音出力が継続される。
また、ステップS835Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知や始動異常入賞の報知、磁気異常の報知、振動異常の報知、異常開放の報知がなされている。)と、演出図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常報知(異常入賞の報知や始動異常入賞の報知、磁気異常の報知、振動異常の報知、異常開放の報知)に応じた表示も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS837)。
図100は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。
そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843のY)、プロセスデータの切替を行う(ステップS844)。このとき、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。そして、演出制御用CPU101は、次のプロセスタイマをスタートさせる(ステップS845)。そして、異常報知中フラグ(異常入賞報知中フラグ、始動異常入賞報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、振動異常報知中フラグまたは異常開放報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS846,S847A)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS846,S847B)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常報知(異常入賞の報知や始動異常入賞の報知、磁気異常の報知、振動異常の報知、異常開放の報知)に応じた音出力が継続される。
また、ステップS847Bの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常報知(異常入賞の報知や始動異常入賞の報知、磁気異常の報知、振動異常の報知、異常開放の報知)に応じた表示も継続される。
なお、表示結果特定コマンドで「第2確変」が指定されていれば(すなわち、変動中に非確変図柄を確変図柄に昇格させることが指定されていれば)、ステップS847A,S847Bにて昇格演出が実行される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS848)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS849)、ステップS850に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図101は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。また、演出図柄変動終了フラグをセットする(ステップS854)。そして、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS855)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS856)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS857)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄および演出図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄および演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図102は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかを受信したことを示す大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれか)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信している場合には、小当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドを受信している場合には、大当り遊技の開始を報知する画面(小当り遊技の開始を報知する画面とは異なる。)を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始4指定コマンドを受信している場合には、突然確変大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。なお、この実施の形態では、小当り遊技の開始を報知する画面と突然確変大当り遊技の開始を報知する画面とは同じ画面であるものとする。
図103は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1〜3指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、小当りである場合には、大当り終了指定コマンドを受信しないので、演出制御用CPU101は、ステップS881,S882を実行することなく、そのまま大当り終了演出タイマに小当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883参照)、演出表示装置9に、小当り終了画面(小当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884参照)。そして、小当り終了表示の演出期間が経過したことにもとづいて、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新されることになる(ステップS894参照)。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合であって、大当り終了1指定コマンドを受信している場合(ステップS889のY)、つまり、通常大当りの終了を指定する演出制御コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタに所定値(100回)をセットする(ステップS890)。演出用時短回数カウンタは、演出制御用CPU101側で通常大当りの終了後における時短回数(100回)をカウントするカウンタである。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS894)。
大当り終了1指定コマンドを受信している場合には(ステップS889のN)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS894)。
図104は、図91に示された演出制御メイン処理におけるステップS706の第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS781)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、ステップS785に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS782)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(ステップS783)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(ステップS784)。
ステップS785では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(ステップS786)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータに従って第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(ステップS791)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(ステップS792)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(ステップS787)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(ステップS788)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切り替え(ステップS789)、飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を再設定する(ステップS790)。なお、ステップS825,S827では、飾り図柄切替タイマに0.5秒に相当する値を再設定する処理を実行しなくてもよい。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDが例えば0.5秒ごとに切り替えられ、第1飾り図柄の可変表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
なお、第1飾り図柄表示制御処理(ステップS706)と第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)を共通の処理としてもよい。この場合、第1飾り図柄変動中フラグ等のフラグをリセットする処理(ステップS781〜S784,S786)については、第1飾り図柄用の処理と第2飾り図柄用の処理とを別々に設ける必要があるが、ステップS785,S787〜S792の処理は共通にすることが可能である。例えば、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか、第2飾り図柄変動中フラグがセットされているかによって、対応するLED(第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9b)に表示制御信号を出力する制御を実行する。
図105〜図107は、演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図105(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図105(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。
図106(C)には、演出制御用CPU101が、異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する異常報知画面(大入賞口への異常入賞を報知する画面)の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図106(C)の右側参照)。図106(D)には、演出制御用CPU101が、始動異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する始動異常報知画面(第2始動入賞口14への異常入賞を報知する画面)の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、始動異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図106(D)の右側参照)。
図107(E)には、演出制御用CPU101が、磁気異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する磁気異常報知画面(大入賞口周辺の磁気異常検出を報知する画面)の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、磁気異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図107(E)の右側参照)。図107(F)には、演出制御用CPU101が、振動異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する振動異常報知画面(遊技機の振動異常状態を報知する画面)の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、振動異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図107(F)の右側参照)。図107(G)には、演出制御用CPU101が、異常開放報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する異常開放報知画面(大入賞口の異常開放を報知する画面)の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、異常開放報知画面の表示が継続されることが示されている(図107(G)の右側参照)。
図108および図109は、ステップS710の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1901)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図94におけるステップS631参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1906に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632で設定された期間タイマの値を−1する(ステップS1902)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS1903,S1904)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1905)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS1906では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1911に移行する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1907)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常入賞報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1908)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常入賞報知画面を重畳表示する(図106(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1909)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、大入賞口への異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口への異常入賞の報知を行っていることを示す異常入賞報知中フラグをセットし(ステップS1910)、ステップS1911に移行する。
ステップS1911では、演出制御用CPU101は、始動異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す始動異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1917に移行する。始動異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、始動異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1912)。また、異常入賞報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1913)。セットされていれば、ステップS1917に移行する。すなわち、既に大入賞口への異常入賞報知が行われている場合には、その異常入賞報知を優先して継続実行するように制御する。異常入賞報知中フラグがセットされていなければ、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、始動異常入賞報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1914)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に始動異常入賞報知画面を重畳表示する(図106(D)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1915)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、第2始動入賞口14への異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、第2始動入賞口14への異常入賞の報知を行っていることを示す始動異常入賞報知中フラグをセットし(ステップS1916)、ステップS1917に移行する。
ステップS1917では、演出制御用CPU101は、磁気異常報知指定コマンドを受信したことを示す磁気異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1923に移行する。磁気異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、磁気異常報知指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1918)。また、いずれかの異常報知中フラグ(異常入賞報知中フラグまたは始動異常入賞報知中フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1919)。セットされていれば、ステップS1923に移行する。すなわち、既に大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞報知が行われている場合には、その異常入賞報知を優先して継続実行するように制御する。いずれの異常報知中フラグもセットされていなければ、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、磁気異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1920)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に磁気異常報知画面を重畳表示する(図107(E)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、磁気異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1921)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、磁気異常の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、磁気異常の報知を行っていることを示す磁気異常報知中フラグをセットし(ステップS1922)、ステップS1923に移行する。
ステップS1923では、演出制御用CPU101は、振動異常報知指定コマンドを受信したことを示す振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1929に移行する。振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、振動異常報知指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1924)。また、いずれかの異常報知中フラグ(異常入賞報知中フラグ、始動異常入賞報知中フラグまたは磁気異常報知中フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1925)。セットされていれば、ステップS1929に移行する。すなわち、既に大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞報知、磁気異常報知が行われている場合には、その異常入賞報知や磁気異常報知を優先して継続実行するように制御する。いずれの異常報知中フラグもセットされていなければ、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、振動異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1926)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に振動異常報知画面を重畳表示する(図107(F)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、振動異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1927)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、振動異常の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、振動異常の報知を行っていることを示す振動異常報知中フラグをセットし(ステップS1928)、ステップS1929に移行する。
ステップS1929では、演出制御用CPU101は、異常開放報知指定コマンドを受信したことを示す異常開放報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。異常開放報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常開放報知指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1930)。また、いずれかの異常報知中フラグ(異常入賞報知中フラグ、始動異常入賞報知中フラグ、磁気異常報知中フラグまたは振動異常報知中フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1931)。セットされていれば、そのまま処理を終了する。すなわち、既に大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞報知、磁気異常報知、振動異常報知が行われている場合には、その異常入賞報知や磁気異常報知、振動異常報知を優先して継続実行するように制御する。いずれの異常報知中フラグもセットされていなければ、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常開放報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1932)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常開放報知画面を重畳表示する(図107(G)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常開放の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1933)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常開放の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常開放の報知を行っていることを示す異常開放報知中フラグをセットし(ステップS1934)、処理を終了する。
図110〜図112は、演出表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図110(A)には、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図110(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図111(C)には、演出表示装置9において異常入賞報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常入賞報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常入賞報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常入賞報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。
図111(D)には、演出表示装置9において始動異常入賞報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から始動異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に始動異常入賞報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における始動異常入賞報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における始動異常入賞報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。
図112(E)には、演出表示装置9において磁気異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から磁気異常報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に磁気異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における磁気異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における磁気異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。
図112(F)には、演出表示装置9において振動異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から振動異常報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に振動異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における振動異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における振動異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。
図112(F)には、演出表示装置9において異常開放報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常開放報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常開放報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常開放報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常開放報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面(異常入賞報知画面、始動異常入賞報知画面、磁気異常報知画面、振動異常報知画面、異常開放報知画面)を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。また、この実施の形態では、異常報知は、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成してもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドや、始動異常入賞報知指定コマンド、磁気異常報知指定コマンド、振動異常報知指定コマンド、異常開放報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。また、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成する場合にも、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、ランプ・LEDを用いた異常報知を継続する。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、大入賞口や第2始動入賞口への異常入賞、磁気異常、振動異常、異常開放の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドや、始動異常入賞報知指定コマンド、磁気異常報知指定コマンド、振動異常報知指定コマンド、異常開放報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、常時、大入賞口や第2始動入賞口への異常入賞、磁気異常、振動異常、異常開放の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドや、始動異常入賞報知指定コマンド、磁気異常報知指定コマンド、振動異常報知指定コマンド、異常開放報知指定コマンドを受信した場合には、異常報知を行わないようにしてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期化報知が実行されている期間であるか否かに関わらず、大入賞口や第2始動入賞口への異常入賞、磁気異常、振動異常、異常開放が生じたことを検出したら異常入賞報知指定コマンドや、始動異常入賞報知指定コマンド、磁気異常報知指定コマンド、振動異常報知指定コマンド、異常開放報知指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、初期化報知が実行されている期間では異常入賞報知指定コマンドや、始動異常入賞報知指定コマンド、磁気異常報知指定コマンド、振動異常報知指定コマンド、異常開放報知指定コマンドを受信しても異常報知の処理を行わずに初期化報知を継続することによって、初期化報知を異常報知よりも優先させるようにしてもよい。その場合、初期化報知が実行されている期間中に異常入賞報知指定コマンドや、始動異常入賞報知指定コマンド、磁気異常報知指定コマンド、振動異常報知指定コマンド、異常開放報知指定コマンドを受信したら、初期化報知が実行されている期間が終了したときに異常報知を行うようにしてもよい。
図113は、大入賞口(または、第2始動入賞口14)への異常入賞を検出する検出タイミング、および異常入賞報知(または、始動異常入賞報知)を実行する報知タイミングを示すタイミング図である。
図113に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口(または、第2始動入賞口14)が開放状態である場合(物理的に特別可変入賞球装置20(または、可変入賞球装置15)が開いている状態と所定のインターバル期間(本例では1秒)の状態とを含む)において、大入賞口(または、第2始動入賞口14)への遊技球の入賞(カウントスイッチ23のオン(または、第2始動口スイッチ14aのオン))を検出した場合には、正常な入賞として処理を行う。大入賞口(または、第2始動入賞口14)が開放状態以外の状態である場合に(ステップS255(第2始動入賞口14の場合、ステップS267)参照)、大入賞口(または、第2始動入賞口14)への遊技球の入賞(カウントスイッチ23のオン(または、第2始動口スイッチ14aのオン))を検出した場合には(ステップS258(第2始動入賞口14の場合、ステップS270)参照)、異常な入賞と判断し、入賞累積数カウンタ(または、始動入賞累積数カウンタ)の値をカウントアップする(ステップS259(第2始動入賞口14の場合、ステップS271)参照)。そして、大入賞口(または、第2始動入賞口14)が開放状態以外の状態において、大入賞口(または、第2始動入賞口14)への遊技球の入賞(カウントスイッチ23のオン(または、第2始動口スイッチ14aのオン))を検出した回数が累積して第1所定値(本例では1回)に達すると(ステップS263(第2始動入賞口14の場合、ステップS275)参照)、大入賞口(または、第2始動入賞口14)への異常入賞が生じたと判定し、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力する(ステップS264(第2始動入賞口14の場合、ステップS276)参照)。
また、大入賞口(または、第2始動入賞口14)が開放状態以外の状態において、大入賞口(または、第2始動入賞口14)への遊技球の入賞(カウントスイッチ23のオン(または、第2始動口スイッチ14aのオン))を検出した回数が累積して第2所定値(本例では5回)に達すると(ステップS260(第2始動入賞口14の場合、ステップS272)参照)、大入賞口(または、第2始動入賞口14)への異常入賞が生じたことを報知すると判定し、異常入賞報知指定コマンド(または、始動異常入賞報知指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS262(第2始動入賞口14の場合、ステップS274)参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンド(または、始動異常入賞報知指定コマンド)を受信したことにもとづいて、異常入賞報知(または、始動異常入賞報知)を開始する(ステップS1906〜S1910(第2始動入賞口14の場合、ステップS1911〜S1916)参照)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、大入賞口または第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定されたこと、または所定の異常状態(大入賞口周辺の磁気異常、遊技機の振動異常状態、大入賞口の異常開放状態)が発生したと判定されたことにもとづいて、情報端子盤34を介して、遊技機の外部に設けられている外部装置(本例では、ホールコンピュータ)に所定の異常信号を出力する。そのため、異常入賞が発生したことおよび遊技機において所定の異常状態が発生したことなど複数の異常が発生したことを示す情報を外部装置に出力することができる。また、この実施の形態によれば、異常入賞が発生したと判定されたときと所定の異常状態が発生したと判定されたときとで、遊技機に設けられた共通の出力端子(情報端子盤34の共通のコネクタCN9)から所定の異常信号を出力可能とするように構成されている。そのため、外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
また、この実施の形態によれば、特別可変入賞球装置20が開放状態であるときに開放検出信号を出力する開放検出センサ92を備える。また、特別可変入賞球装置20が開放状態に制御されていないときに、開放検出センサ92が開放検出信号を出力したことにもとづいて、遊技機において所定の異常状態が発生したと判定する。そのため、不正行為を未然に報知して、不正行為の発見を早期化し、不正に対する報知の効果を向上させることができる。また、不正行為者に利益を与える前に不正行為の発生を報知するので、不正行為に対する抑止効果を生ずる。
また、この実施の形態によれば、異常入賞が発生したと判定されたときまたは所定の異常状態が発生したと判定されたときから、外部装置に所定の異常信号を所定期間(本例では、30秒)出力可能とする。また、所定の異常信号を出力しているときに、さらに、異常入賞が発生したと判定されたときまたは所定の異常状態が発生したと判定されたときには、最後に異常入賞が発生したと判定されたときまたは所定の異常状態が発生したと判定されたときから、外部装置に所定の異常信号を所定期間(本例では、30秒)出力可能とするように構成されている。そのため、所定の異常信号を受信する外部装置側に、異常入賞の発生状態や所定の異常状態が長期化していることを認識させ報知させることができる。
なお、異常信号を外部装置であるホールコンピュータに外部出力する場合に、ホールコンピュータは、異常信号を受信している期間中において異常の発生を報知する。例えば、ホールコンピュータは、異常を報知する異常報知画面や異常報知音を出力するともに、異常信号の受信回数などを集計し、その集計結果を表示するようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、第1始動入賞口13への始動入賞が生じたときに、情報端子盤34を介して始動口1信号を外部装置に出力する。また、第2始動入賞口14への始動入賞が生じたときに、情報端子盤34を介して始動口1信号を外部装置に出力する。そして、予め設定した期間内において第1始動入賞口13への始動入賞と第2始動入賞口14への始動入賞とが生じたときは、一方の始動入賞にもとづく始動口1信号を出力してから予め設定した期間が経過した後に他方の始動入賞にもとづく始動口1信号を出力可能とするように構成されている。そのため、第1始動入賞口13への始動入賞と第2始動入賞口14への始動入賞とが予め設定した期間内に連続して発生した場合であっても、各々の始動入賞にもとづく始動口1信号を外部装置において認識させることができる。
具体的には、第1始動口スイッチ13aによる遊技球の検出と第2始動口スイッチ14aによる遊技球の検出との間隔が0.200秒よりも短い間隔となる場合に、情報出力処理において、始動口1信号の出力終了時から所定期間(0.200秒の間隔)を空けてから始動口1信号が出力される。これにより、始動入賞の発生が所定期間(0.200秒)内に連続して発生した場合であっても、各々の始動入賞にもとづく始動口1信号をホールコンピュータにおいて確実に認識させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞が発生したと判定されたときまたは所定の異常状態が発生したと判定されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して所定の異常コマンド(本例では、異常入賞報知指定コマンド、始動異常入賞報知指定コマンド、磁気異常報知指定コマンド、振動異常報知指定コマンド、異常開放報知指定コマンド)を送信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した所定の異常コマンドにもとづいて、異常入賞が発生したことまたは異常状態が発生したことを示す異常報知(本例では、異常入賞報知、始動異常入賞報知、磁気異常報知、振動異常報知、異常開放報知)を実行する。そのため、遊技機側でも異常入賞が発生したことや所定の異常状態が発生したことを報知することができ、遊技者など(遊技店内の店員を含む)に対して異常入賞が発生したことや所定の異常状態が発生したことを認識させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞が発生したと判定されたときに第1の異常コマンド(本例では、異常入賞報知指定コマンド、始動異常入賞報知指定コマンド)を送信する。また、所定の異常状態が発生したと判定されたときに第1の異常コマンドとは異なる第2の異常コマンド(本例では、磁気異常報知指定コマンド、振動異常報知指定コマンド、異常開放報知指定コマンド)を送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1の異常コマンドを受信したときと第2の異常コマンドを受信したときとで、異なる報知態様で異常報知を実行する。そのため、異なる報知態様で異常報知を実行することによって、異常入賞と所定の異常状態とのいずれの異常が発生したかを報知することができる。よって、異常入賞と所定の異常状態とのいずれの異常が発生したかを認識することによって、異常を解除するための適切な措置を講じることができる。
なお、この実施の形態では、検出した異常の種類(大入賞口への異常入賞、第2始動入賞口14への異常入賞、磁気異常、振動異常、異常開放)ごとに異なる演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド、始動異常入賞報知指定コマンド、磁気異常報知指定コマンド、振動異常報知指定コマンド、異常開放報知指定コマンド)を送信する場合を示したが、一部の異常について送信する演出制御コマンドを共通化するようにしてもよい。例えば、大入賞口への異常入賞を検出した場合と第2始動入賞口への異常入賞を検出した場合とで、共通の異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。また、例えば、大入賞口周辺の磁気異常を検出した場合と、遊技機の振動異常状態を検出した場合と、大入賞口の異常開放状態を検出した場合とで、共通の異常状態報知コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞、磁気異常、振動異常、異常開放に加えて、ドア開放スイッチ154,155からドア開放信号も、情報端子盤34を介して外部装置に出力するようにし、遊技機側ではドア開放異常を報知しないようにする場合を示したが、情報端子盤34を介して外部装置に異常信号として外部出力する異常の種類と、遊技機側で異常報知を行う異常の種類とを全て共通としてもよい。また、例えば、ドア開放以外の満タンエラーや払出エラーなど他の異常を検出した場合にも、情報端子盤34を介して外部装置にのみ出力するようにして(または、遊技機側のみで報知するようにして)、情報端子盤34を介して外部装置に異常信号として外部出力する異常の種類と、遊技機側で異常報知を行う異常の種類とを異ならせてもかまわない。
なお、この実施の形態では、ドア開放スイッチ154,155によってドア開放状態(ガラス扉枠2や機構板、遊技枠の開放異常)を検出した場合に、外部装置に外部出力のみ行うようにし、遊技機側で異常報知を行わないようにすることによって、不正行為をかえって助長してしまうような事態を防止している。例えば、ドア開放状態も遊技機側で報知するようにしてしまうと、偶然ガラス扉枠2が閉まりきっていないときに報知によってガラス扉枠2が開いていることが遊技者に認識されてしまう。そのため、ガラス扉枠2の隙間から遊技球を入賞口に直接入賞できることが遊技者に認識されてしまい、かえって不正行為を助長してしまうような事態が生じる可能性がある。この実施の形態では、遊技機側ではドア開放状態を報知しないように構成しているので、ドア開放状態を遊技者に認識されないようにすることができ、不正行為をかえって助長してしまう事態を防止している。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定されたことにもとづいて、異常入賞が発生したことを示す異常入賞報知や始動異常入賞報知を実行する。また、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15が開放状態に制御されていない所定期間に、カウントスイッチ23や第2始動口スイッチ14aが入賞検出信号を複数回数(本例では、第2所定値(5))出力したことを条件に、異常入賞報知や始動異常入賞報知を実行する。そのため、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15に対する不正行為を確実に防止することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示の開始と可変表示時間とを特定可能な変動パターンコマンドを送信する。また、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15が開放状態に制御されていないときにカウントスイッチ23や第2始動口スイッチ14aが入賞検出信号を出力した累積数を記憶する入賞累積数カウンタや始動入賞累積数カウンタを備える。そして、異常入賞報知や始動異常入賞報知を実行するか否かを判定するための第2所定値(本例では5)および入賞累積数カウンタや始動入賞累積数カウンタが記憶する累積数にもとづいて、異常入賞報知や始動異常入賞報知の実行を指示するための異常入賞報知指定コマンドや始動異常入賞報知指定コマンドを送信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始し、可変表示時間が経過したときに演出表示装置9に表示結果を導出表示する。また、受信した異常入賞報知指定コマンドや始動異常入賞報知指定コマンドにもとづいて異常入賞報知や始動異常入賞報知を実行し、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を実行しているときにも異常入賞報知や始動異常入賞報知を実行可能であるように構成されている。そのため、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15に対する不正行為を確実に防止することができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100側で異常入賞報知や始動異常入賞報知を実行することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を増加させることなく、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15に対する不正行為による入賞異常を報知することができる。
なお、この実施の形態では、入賞累積数カウンタや始動入賞累積数カウンタの値が第1所定値(本例では1)となったことにもとづいて異常信号を外部出力し、入賞累積数カウンタや始動入賞累積数カウンタの値が第1所定値とは異なる第2所定値(本例では5)となったことにもとづいて異常入賞報知や始動異常入賞報知を行う場合を示したが、入賞累積数カウンタや始動入賞累積数カウンタが共通の所定値となったことにもとづいて、異常信号を外部出力すると同時に、異常入賞報知指定コマンドや始動異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信して異常入賞報知や始動異常入賞報知を行うようにしてもよい。
図114は、異常報知処理の他の例を示すフローチャートである。図114において、ステップS251〜S259の処理、ステップS267〜S271の処理は、図57および図58で示したそれらの処理と同様である。CPU56は、入賞累積数カウンタの値を1加算すると(ステップS259参照)、加算後の入賞累積数カウンタの値が所定値(本例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS261A)。所定値以上である場合には、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS262A)とともに、異常入賞検出フラグをセットし(ステップS265A)、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS266A)。
また、CPU56は、始動入賞累積数カウンタの値を1加算すると(ステップS271参照)、加算後の始動入賞累積数カウンタの値が所定値(本例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS273A)。所定値以上である場合には、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS274A)とともに、始動異常入賞検出フラグをセットし(ステップS277A)、演出制御基板80に、始動異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS278A)。
図114に示す処理が実行されることによって、入賞累積数カウンタや始動入賞累積数カウンタが共通の所定値(本例では5)となったことにもとづいて、異常信号を外部出力すると同時に、異常入賞報知指定コマンドや始動異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信して異常入賞報知や始動異常入賞報知が実行される。したがって、図114に示す例によれば、異常信号を外部出力するか否かを判定するための閾値と、異常コマンド(異常入賞報知指定コマンド、始動異常入賞報知指定コマンド)を送信して遊技機側で異常報知を行うか否かを判定するための閾値とを共通の閾値としたので(ステップS261A,S273A参照)、遊技機の制御負担を軽減することができる。
なお、この実施の形態では、以下の(1)〜(6)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技機は、遊技媒体(例えば、遊技球)を用いて遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、払出条件が成立(例えば、遊技球が入賞口に入賞)したことにもとづいて遊技媒体を遊技者に払い出す遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)が搭載された遊技制御基板(例えば、主基板31)と、遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば、球払出装置97)と、払出手段を制御する払出制御処理を実行する払出制御手段(例えば、払出制御用マイクロコンピュータ370)が搭載された払出制御基板(例えば、払出制御基板37)と、払出手段による遊技媒体の払い出しを検出する払出検出手段(例えば、払出個数カウントスイッチ301)と、遊技制御基板のみと接続され、入力した情報を遊技機の外部に設けられている外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に出力する1つの情報出力基板(例えば、情報端子盤34)と、を備え、遊技制御手段は、遊技制御処理の実行中に発生する制御情報(例えば、始動1信号、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、大当り3信号、大当り4信号)を出力する遊技制御情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS1001〜S1068,S1102,S1103を実行する部分)を含み、情報出力基板は、遊技制御情報出力手段が出力した制御情報と払出検出手段が所定数の遊技媒体の払い出しを検出したことを示す払出情報(例えば、賞球信号;ステップS1075〜S1103で情報端子盤34に出力される信号)とを入力し、入力した情報を外部装置に出力する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560による情報出力処理(ステップS1001〜S1103)にて出力された信号を入力してホールコンピュータに出力する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、情報出力基板に対する配線作業の容易化を実現することができる。
(2)払出検出手段が遊技媒体の払い出しを検出したときに出力される検出信号は、払出制御基板に入力され、該払出制御基板から遊技制御基板に入力される(例えば、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号が払出制御基板37に入力され、払出制御基板37から賞球カウント信号として主基板31に入力され、または払出個数カウントスイッチ301からの検出信号が払出制御基板37にて分岐されて、払出制御基板37から主基板31に入力される)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、情報出力基板に対する配線作業の容易化を実現することができる。
(3)遊技機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄や演出図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9)を備え、該可変表示装置に特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、特定遊技状態において開放状態に変化可能な特別可変入賞装置(例えば、特別可変入賞球装置20)と、特別可変入賞装置を含む入賞領域(例えば、大入賞口、第1始動口入賞13、第2始動入賞口14、入賞口29,30,33,39)に入賞した遊技媒体を検出して検出信号を出力する入賞検出手段(例えば、カウントスイッチ23、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a)と、を備え、遊技制御手段は、入賞領域に遊技媒体が入賞したことにもとづく払出条件が成立したことにもとづいて、払い出すべき遊技媒体の数を指定する払出個数コマンド(例えば、払出指令信号)を送信する払出個数コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS342の賞球制御処理を実行する部分)と、入賞検出手段からの検出信号にもとづいて遊技媒体が特別可変入賞装置に入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS331〜S338、S351〜S356,S361の処理を実行する部分。特に、カウントスイッチ入力ビット判定値を用いてステップS355,S361の処理を実行する部分)と、を含み、払出制御手段は、払出個数コマンドの受信にもとづいて、該払出個数コマンドで指定された数の遊技媒体を払い出す払出制御を実行する遊技媒体払出制御手段(例えば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS755の主制御通信処理およびステップS756の賞球球貸し制御処理を実行する部分)を含み、遊技制御手段は、特定遊技状態以外の遊技状態において入賞判定手段が特別可変入賞装置に入賞したと判定した場合には、払出個数コマンド送信手段による払出個数コマンドの送信を禁止するコマンド送信禁止手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS362を実行する部分)を含む構成とされていてもよい。そのような構成によれば、不正行為にもとづく賞球払出を防止することができるとともに、実際に行われた払出制御に合った払出情報を外部装置に出力することができる。
(4)遊技機は、第1の始動領域(例えば、第2始動入賞口14)に遊技媒体が入賞したことにもとづいて各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄や演出図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9)を備え、該可変表示装置に特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、第1の始動領域に遊技媒体が入賞しない閉状態(例えば、閉鎖状態)と第1の始動領域に遊技媒体が入賞可能な開状態(例えば、開放状態)とに変化可能であり、第2の始動領域(例えば、ゲート32)に遊技媒体が入賞したことにもとづいて当該開状態となる可変入賞装置(例えば、可変入賞球装置15)と、第1の始動領域を含む入賞領域(例えば、大入賞口、第1始動口入賞13、第2始動入賞口14、入賞口29,30,33,39)に入賞した遊技媒体を検出して検出信号を出力する入賞検出手段(例えば、カウントスイッチ23、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a)と、を備え、遊技制御手段は、入賞領域に遊技媒体が入賞したことにもとづく払出条件が成立したことにもとづいて、払い出すべき遊技媒体の数を指定する払出個数コマンド(例えば、払出指令信号)を送信する払出個数コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS342の賞球制御処理を実行する部分)と、入賞検出手段からの検出信号にもとづいて遊技媒体が第1の始動領域に入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS331〜S338、S351〜S356,S361の処理を実行する部分。特に、第2始動口スイッチ入力ビット判定値を用いてステップS355,S361の処理を実行する部分)と、を含み、払出制御手段は、払出個数コマンドの受信にもとづいて、該払出個数コマンドで指定された数の遊技媒体を払い出す払出制御を実行する遊技媒体払出制御手段(例えば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS755の主制御通信処理およびステップS756の賞球球貸し制御処理を実行する部分)を含み、遊技制御手段は、可変入賞装置の閉状態において入賞判定手段が第1の始動領域に入賞したと判定した場合には、払出個数コマンド送信手段による払出個数コマンドの送信を禁止するコマンド送信禁止手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS363を実行する部分)を含む構成とされていてもよい。そのような構成によれば、不正行為にもとづく賞球払出を防止することができるとともに、実際に行われた払出制御に合った払出情報を外部装置に出力することができる。
(5)遊技機は、第1の始動領域(例えば、第2始動入賞口14)に遊技媒体が入賞したことにもとづいて各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄や演出図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9)を備え、該可変表示装置に特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、第1の始動領域に遊技媒体が入賞しない閉状態(例えば、閉鎖状態)と第1の始動領域に遊技媒体が入賞可能な開状態(例えば、開放状態)とに変化可能であり、第2の始動領域(例えば、ゲート32)に遊技媒体が入賞したことにもとづいて当該開状態となる可変入賞装置(例えば、可変入賞球装置15)と、第1の始動領域を含む入賞領域(例えば、大入賞口、第1始動口入賞13、第2始動入賞口14、入賞口29,30,33,39)に入賞した遊技媒体を検出して検出信号を出力する入賞検出手段(例えば、カウントスイッチ23、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a)と、を備え、遊技制御手段は、入賞検出手段からの検出信号にもとづいて遊技媒体が第1の始動領域に入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS331〜S338、S315の処理を実行する部分)を含み、遊技制御情報出力手段は、第1の始動領域に遊技媒体が入賞したときに、制御情報として第1の始動領域への遊技媒体の入賞を示す始動情報(例えば、始動口1信号)を出力し(例えば、ステップS1001〜S1030,S1102,S1103を実行し)、識別情報の可変表示の表示結果が導出表示されたときに、制御情報として識別情報の可変表示の表示結果が導出表示されたことを示す識別情報確定情報(例えば、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号)を出力し(例えば、ステップS1031〜S1042,S1102,S1103を実行し)、遊技制御手段は、可変入賞装置の閉状態において入賞判定手段が第1の始動領域に入賞したと判定した場合には、可変表示装置における識別情報の可変表示の開始を禁止する可変表示禁止手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS212を実行する部分)を含み、遊技制御情報出力手段は、可変表示禁止手段により識別情報の可変表示の開始が禁止されたときは、識別情報確定情報を出力するのを禁止する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第2始動入賞口14への入賞(異常入賞)にもとづいて始動口1信号は情報端子盤34に出力するが、識別情報の可変表示が開始されない結果、図柄確定回数1信号、図柄確定回数2信号は出力しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、不正行為によって特定遊技状態に移行されるのを確実に防止することができるとともに、実際に行われた可変表示制御に合った識別情報確定情報を外部装置に出力することができる。
(6)遊技制御手段は、払出検出手段が遊技媒体の払い出しを検出したときに出力される検出信号にもとづいて特定される遊技媒体の払出数を計数し、所定数計数する毎に払出情報を情報出力基板に出力する払出情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS1075〜S1103を実行する部分)を含む構成とされていてもよい。そのような構成によれば、外部装置への情報出力に関する処理を一元化することができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、第2始動入賞口14または大入賞口への異常入賞の報知の実行を遊技制御用マイクロコンピュータ560が判定する場合を説明したが、演出制御用マイクロコンピュータ100側で異常入賞の報知を判定するようにしてもよい。以下、演出制御用マイクロコンピュータ100側で第2始動入賞口14または大入賞口への異常入賞の報知を判定する第2の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
まず、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)の動作について説明する。図115は、第2の実施の形態における演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図115に示すように、この実施の形態では、第1の実施の形態で示した異常入賞報知指定コマンドおよび始動異常入賞報知指定コマンドに代えて、演出制御コマンドとして異常入賞検出指定コマンドおよび始動異常入賞検出指定コマンドが用いられる。なお、それら以外の演出制御コマンドについては、第1の実施の形態で示した各演出制御コマンドと同様である。
コマンドD006(H)は、大入賞口への遊技球の異常入賞を検出したことを指定する演出制御コマンド(異常入賞検出指定コマンド)である。コマンドD007(H)は、第2始動入賞口14が開放状態以外の状態のときに第2始動入賞口14への遊技球の異常入賞を検出したことを指定する演出制御コマンド(始動異常入賞検出指定コマンド)である。
図116は、第2の実施の形態におけるステップS23の異常報知処理を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS251〜S258の処理、ステップS267〜S270の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。この実施の形態では、論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS258のN参照)、CPU56は、入賞数の累積数を確認することなく、そのまま異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS262B)。そして、異常入賞検出フラグをセットし(ステップS265B)、演出制御基板80に、異常入賞検出指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS266B)。
また、論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS270のN参照)、CPU56は、入賞数の累積数を確認することなく、そのまま異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS274B)。そして、始動異常入賞検出フラグをセットし(ステップS277B)、演出制御基板80に、始動異常入賞検出指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS278B)。
次に、演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)の動作を説明する。図117は、第2の実施の形態におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。なお、この実施の形態において、コマンド解析処理におけるステップS611〜S642の処理およびステップS647〜S661の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
受信した演出制御コマンドが異常入賞検出指定コマンド(D006(H))であれば(ステップS643A)、演出制御用CPU101は、異常入賞検出指定コマンドの受信回数をカウントするための異常入賞累積数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS643B)、加算後の異常入賞累積数カウンタの値が所定値(本例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS643C)。所定値以上である場合には、演出制御用CPU101は、大入賞口への異常入賞の発生を報知すると判定し、異常入賞報知を行うことを決定する。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞報知決定フラグをセットする(ステップS643D)。なお、異常入賞報知決定フラグとは、大入賞口への異常入賞の発生にもとづいて、異常入賞報知を行うことを決定したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが始動異常入賞検出指定コマンド(D007(H))であれば(ステップS645A)、演出制御用CPU101は、始動異常入賞検出指定コマンドの受信回数をカウントするための始動異常入賞累積数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS645B)、加算後の始動異常入賞累積数カウンタの値が所定値(本例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS645C)。所定値以上である場合には、演出制御用CPU101は、第2始動入賞口14への異常入賞の発生を報知すると判定し、始動異常入賞報知を行うことを決定する。そして、演出制御用CPU101は、始動異常入賞報知決定フラグをセットする(ステップS645D)。なお、始動異常入賞報知決定フラグとは、第2始動入賞口14への異常入賞の発生にもとづいて、始動異常入賞報知を行うことを決定したことを示すフラグである。
図118は、第2の実施の形態における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS851〜S855の処理およびステップS856,S857の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には(ステップS855のY参照)、異常入賞累積数カウンタをクリアする(ステップS855A)とともに、始動異常入賞累積数カウンタをクリアし(ステップS855B)、ステップS856に移行する。
なお、普通図柄の変動表示の表示結果が当りと決定されたことにもとづいて、始動異常入賞累積数カウンタをクリアするようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、普通図柄停止処理のステップS4143においてYと判定したときに、普通図柄の変動表示結果が当りであることを特定可能な演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、普通図柄の変動表示結果が当りであることを特定可能な演出制御コマンドを受信したことにもとづいて、始動異常入賞累積数カウンタをクリアしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技機への電源が投入されてメイン処理が開始されたときに、メイン処理の初期化処理(ステップS701参照)においても、異常入賞累積数カウンタおよび始動異常入賞累積数カウンタがクリアされる。
図119は、第2の実施の形態における報知制御処理を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS1901〜S1905の処理、ステップS1908〜S1910の処理、ステップS1913〜S1934の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。演出制御用CPU101は、ステップS1906Aにおいて、異常入賞報知決定フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていなければ、ステップS1911Aに移行する。セットされていれば、異常入賞報知決定フラグをリセットし(ステップS1907A)、ステップS1908以降の異常入賞報知を開始する処理を実行する。
演出制御用CPU101は、ステップS1911Aにおいて、始動異常入賞報知決定フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていなければ、ステップS1917に移行する。セットされていれば、始動異常入賞報知決定フラグをリセットし(ステップS1912A)、ステップS1913以降の始動異常入賞報知を開始する処理を実行する。
図120は、第2の実施の形態における大入賞口(または、第2始動入賞口14)への異常入賞を検出する検出タイミング、および異常入賞報知(または、始動異常入賞報知)を実行する報知タイミングを示すタイミング図である。
図120に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口(または、第2始動入賞口14)が開放状態である場合(物理的に特別可変入賞球装置20(または、可変入賞球装置15)が開いている状態と所定のインターバル期間(本例では1秒)の状態とを含む)において、大入賞口(または、第2始動入賞口14)への遊技球の入賞(カウントスイッチ23のオン(または、第2始動口スイッチ14aのオン))を検出した場合には、正常な入賞として処理を行う。大入賞口(または、第2始動入賞口14)が開放状態以外の状態である場合に(ステップS255(第2始動入賞口14の場合、ステップS267)参照)、大入賞口(または、第2始動入賞口14)への遊技球の入賞(カウントスイッチ23のオン(または、第2始動口スイッチ14aのオン))を検出した場合には(ステップS258(第2始動入賞口14の場合、ステップS270)参照)、異常な入賞と判断し、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力する(ステップS262B(第2始動入賞口14の場合、ステップS274B)参照)。また、異常入賞検出指定コマンド(または、始動異常入賞検出指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS266B,S278B参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞検出指定コマンド(または、始動異常入賞検出指定コマンド)を受信すると、異常入賞累積数カウンタ(または、始動異常入賞累積数カウンタ)の値をカウントアップする(ステップS643B,S645B参照)。そして、異常入賞検出指定コマンド(または、始動異常入賞検出指定コマンド)を受信した回数が累積して所定回数(本例では5回)に達すると(ステップS643C,S645C参照)、大入賞口(または、第2始動入賞口14)への異常入賞が生じたことを報知すると判定し、異常入賞報知(または、始動異常入賞報知)を開始する(ステップS1906A〜S1910(第2始動入賞口14の場合、ステップS1911A〜S1916)参照)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示の開始と可変表示時間とを特定可能な変動パターンコマンドを送信する。また、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15が開放状態に制御されていないときにカウントスイッチ23や第2始動口スイッチ14aが入賞検出信号を出力したことにもとづいて、異常入賞や始動異常入賞を検出したことを示す異常入賞検出指定コマンドや始動異常入賞検出指定コマンドを送信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した異常入賞検出指定コマンドや始動異常入賞検出指定コマンドにもとづいて、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15が開放状態に制御されていないときにカウントスイッチ23や第2始動口スイッチ14aが入賞検出信号を出力した累積数を記憶する異常入賞累積数カウンタや始動異常入賞累積数カウンタを備える。また、受信した変動パターンコマンドにもとづいて演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始し、可変表示時間が経過したときに演出表示装置9に表示結果を導出表示する。また、異常報知を実行するか否かを判定するための所定の異常報知基準値(本例では、5)および異常入賞累積数カウンタや始動異常入賞累積数カウンタが記憶する累積数にもとづいて、異常入賞報知や始動異常入賞報知を実行する。そして、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を実行しているときにも異常入賞報知や始動異常入賞報知を実行可能であるように構成されている。そのため、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15に対する不正行為を確実に防止することができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を増加させることなく、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15に対する不正行為による入賞異常を検知することができる。
また、この実施の形態によれば、以上の処理が実行されることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞を1つ検出したことにもとづいて異常入賞が発生したと判定し、情報端子盤34を介して異常信号が外部装置に外部出力される。また、演出制御用マイクロコンピュータ100側で異常入賞検出指定コマンドや始動異常入賞検出指定コマンドを所定数(本例では5)受信したことにもとづいて、異常入賞報知や始動異常入賞報知が実行される。
実施の形態3.
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、特別図柄や飾り図柄、演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において、異常信号を外部装置に外部出力したり異常報知したりするように構成してもよい。以下、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において、異常信号を外部装置に外部出力したり異常報知したりするように構成する第3の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
また、この実施の形態では、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機に外部出力や異常報知を行う構成を適用する場合を説明するが、特別図柄や飾り図柄、演出図柄の可変表示の処理が実行されないことを除いて、第二種の遊技機に外部出力や異常報知を行う構成を適用する場合も同様である。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図121は、第3の実施の形態におけるパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。図120に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球発射装置が遊技球を発射する速さ(すなわち、遊技球を弾くばねの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができる。具体的には、操作ノブ5を右に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを越えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には誘導レールで区画された遊技領域7が形成されている。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。可変入賞球装置20の下方には、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12と、第3始動入賞口13を形成する可変入賞球装置15とが設けられている。第1始動入賞口11に入った入賞球は第1始動口スイッチ11aによって検出され、第2始動入賞口12に入った入賞球は第2始動口スイッチ12aによって検出され、それぞれ、遊技盤6の背面に導かれる。また、可変入賞球装置15が開状態になることによって入賞可能になる第3始動入賞口13に入った入賞球は第3始動口スイッチ13aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。可変入賞球装置15は、ソレノイド15aによって開状態にされる。以下、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12と、第3始動入賞口13とを、「始動入賞口」と総称したり、始動入賞口11,12,13と表すことがある。また、第1始動口スイッチ11aと、第2始動口スイッチ12aと、第3始動口スイッチ13aとを、「始動口スイッチ」と総称したり、始動口スイッチ11a,12a,13aと表すことがある。
特別図柄の変動表示の表示結果が小当りとなった場合には、可変入賞球装置20が1回または2回開閉制御される。開閉制御によって、左側の開放扉76Aが初期位置から左方向に移動し、右側の開放扉76Bが初期位置から右方向に移動することによって、可変入賞球装置20は開放状態になり、開放扉76A,76Bが初期位置に戻ることによって可変入賞球装置20は閉鎖状態になる。このように始動口スイッチの入賞検出に応じて可変入賞球装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態という。以下、可変入賞球装置20を役物ということがある。また、遊技盤6には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、可変入賞球装置20を意味する。
可変入賞球装置20の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変入賞球装置20の右方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。特別図柄表示器8は、例えば、7セグメント表示器によって構成される。
特別図柄表示器8の上方には、始動入賞口に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。特別図柄始動記憶表示器18は、始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口11,12,13に有効始動入賞がある毎に、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、特別図柄始動記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。なお、後述するように、演出表示装置9でも始動記憶数が表示されるので、特別図柄始動記憶表示器18を設けなくてもよい。
可変入賞球装置20の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。遊技領域7に設けられているゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄(この例では、7セグメントLEDでの数字表示)の可変表示が開始される。この実施の形態では、当りの場合には可変表示の終了時に「7」が停止表示され、はずれの場合には「7」以外が停止表示される。当りの場合には、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば12/13である。普通図柄表示器10の上方には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板16が開状態にされる大入賞口が設けられている。開閉板16は、大入賞口を開閉する手段である。大入賞口に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。なお、大入賞口の内部には特定入賞領域(V入賞領域)が形成され、V入賞領域を通過した遊技球は、V入賞スイッチ22で検出される。遊技球がV入賞領域を通過することを条件に、大当り遊技状態における次のラウンドが開始される(最終ラウンドの場合を除く。)。
また、開閉板16の右方には入賞口(普通入賞口)38が設けられ、開閉板16の左方には入賞口(普通入賞口)39が設けられている。遊技球の入賞口38,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ38a,39aによって検出される。入賞口38,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成し、大入賞口の内部にも入賞領域が設けられている。入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が景品(賞球)として遊技者に払い出される。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(可変入賞球装置20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球が始動入賞口に入り始動口スイッチで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始めるとともに、演出表示装置9において飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18における点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄(「0」〜「9」)の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「3」、「7」)であると、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態(始動動作状態を経ずに開始される大当り遊技状態)に移行する。また、それ以外の図柄(小当り図柄)である場合には、始動動作状態に移行する。始動動作状態において、可変入賞球装置20の内部に設けられている特別領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態(始動動作状態を経た後に開始される大当り遊技状態)に移行する。
図122は、第3の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1の実施の形態で用いた異常入賞報知指定コマンドに代えて、上異常入賞報知指定コマンドおよび下異常入賞報知指定コマンドを用いる。また、磁気異常報知指定コマンドの意味合いが第1の実施の形態と異なる。また、第1の実施の形態で用いた異常開放指定コマンドに代えて、上異常開放報知指定コマンドおよび下異常開放報知指定コマンドを用いる。また、第1の実施の形態で用いた振動異常報知指定コマンドに代えて、通常時振動異常報知指定コマンドおよび入賞時振動異常報知指定コマンドを用いる。また、第1の実施の形態で示した演出制御コマンドに加えて、役物点検表示指定コマンド、役物点検表示解除指定コマンド、役物入賞指定コマンド、およびV入賞指定コマンドを用いる。
コマンドD000(H)は、可変入賞球装置(役物)20への異常入賞が発生したことを報知することを指示する演出制御コマンド(上異常入賞報知指定コマンド)である。コマンドD001(H)は、大入賞口への異常入賞が発生したことを報知することを指示する演出制御コマンド(下異常入賞報知指定コマンド)である。
また、この実施の形態では、大入賞口内に磁気センサを設けるのではなく、可変入賞球装置(役物)20内に磁気センサが設けられ、可変入賞球装置20内の異常磁気を検出可能に構成されている。この実施の形態では、コマンドD003(H)は、可変入賞球装置(役物)20周辺において異常な磁気を検出したことを報知することを指示する演出制御コマンド(磁気異常報知指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、可変入賞球装置(役物)20内の磁気異常を検出したことにもとづいて、異常信号を外部出力するとともに磁気異常報知を行う場合を示すが、可変入賞球装置(役物)20内の磁気異常に加えて、第1の実施の形態と同様に、大入賞口内の磁気異常を検出したことにもとづいて、異常信号を外部出力するとともに磁気異常報知を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大入賞口内に開放検出センサが配置されているとともに、可変入賞球装置(役物)20内にも開放検出センサが配置されている。コマンドD005(H)は、可変入賞球装置(役物)20の異常開放を検出したことを報知することを指示する演出制御コマンド(上異常開放報知指定コマンド)である。コマンドD006(H)は、大入賞口の異常開放を検出したことを報知することを指示する演出制御コマンド(下異常開放報知指定コマンド)である。
コマンドD008(H)は、可変入賞球装置(役物)20内で遊技球が球詰まりしていないか点検を促す点検表示を指示する演出制御コマンド(役物点検表示指定コマンド)である。コマンドD009(H)は、可変入賞球装置(役物)20内の点検表示を解除すること指示する演出制御コマンド(役物点検表示解除指定コマンド)である。
コマンドD00A(H)は、可変入賞球装置(役物)20内に遊技球がないときに、遊技機において異常な振動を検出したことを報知することを指示する演出制御コマンド(通常時振動異常報知指定コマンド)である。コマンドD00B(H)は、可変入賞球装置(役物)20内に遊技球があるときに、遊技機において異常な振動を検出したことを報知することを指示する演出制御コマンド(入賞時振動異常報知指定コマンド)である。
コマンドE401(H)は、可変入賞球装置(役物)20への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(役物入賞指定コマンド)である。コマンドE402(H)は、可変入賞球装置(役物)20内に設けられた特定入賞口(V入賞口)への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(V入賞指定コマンド)である。
図123は、第3の実施の形態における特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8、大入賞口および役物20を制御するための処理が実行される。
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ(第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12aまたは第3始動口スイッチ13a)がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
役物開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作を行わせるための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値(この例では5)に更新する。
役物開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特定領域スイッチ66aがオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。特定領域スイッチ66aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物を閉鎖状態にする。そして、役物開放回数カウンタの値を−1し、役物開放回数カウンタの値が0でなければ、再び始動動作を行わせるために役物を開放状態にする。役物開放回数カウンタの値が0であれば、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(ステップS306)に対応した値(この例では6)に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口開放中処理(ステップS308)に応じた値(この例では8)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)に応じた値(この例では9)に更新する。
大入賞口閉鎖後処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口から全ての遊技球が排出されたことを確認する処理等を行う。全ての遊技球が排出され、かつ、まだ残りラウンドがあって大当り遊技の継続条件(V入賞があったこと)が成立している場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合、または大当り遊技の継続条件が成立しなかった場合には、内部状態を大当り終了処理(ステップS310)に対応した値(この例では10)に更新する。
大当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。
なお、第二種の遊技機に外部出力や異常報知を行う構成を適用する場合には、特別図柄の可変表示を行なわないので、特別図柄プロセス処理においてステップS304〜S310の処理のみを実行するように構成すればよい。
図124は、役物開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。小当り遊技状態において可変入賞球装置(役物)20を1回または2回開放する場合には、役物開放前処理において、CPU56は、始動動作における可変入賞球装置20(役物)の開放回数を示す役物開放回数カウンタに1または2を設定し(ステップS411)、役物の開放時間を示す役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS412)。なお、役物開放回数カウンタに設定される値は、特別図柄通常処理において決定された特別図柄の停止図柄に対応する値である。そして、役物20を開放状態にする(ステップS413)。具体的には、役物20の開閉扉を駆動する開閉モータの駆動を開始して、役物(可変入賞球装置)20を開放状態にさせる。また、役物20の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS414)、可変入賞球装置(役物)20を開放中であることを示す役物開放中フラグをセットする(ステップS415)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS416)。
図125は、役物開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS420)。タイムアウトしていれば、役物開放回数カウンタの値が0になっているか否か(始動動作状態における最終回の開放が既に終了しているか否か)確認する(ステップS420A)。役物開放回数カウンタの値が0になっている場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、役物開放回数カウンタの値を−1する(ステップS420B)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。役物開放回数カウンタの値が0になった場合、すなわち、始動動作の終了条件が成立した場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、CPU56は、役物を再度開放するための制御を行う。すなわち、役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS420D)。さらに、役物20を開放状態に制御する(ステップS420E)。そして、役物開放中フラグをセットする(ステップS420F)。
ステップS434では、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS424に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になった場合には、後述する可変入賞球装置(役物)20閉鎖後の経過時間を計測するための役物閉鎖後タイマをリセットする(ステップS434A)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS435)。
以上のように、CPU56は、最終回の開放についての役物開放時間(0.9秒)が経過した後、役物内遊技球個数カウンタの値が0になったときに、すなわち全ての遊技球が役物20から排出されたときに、特別図柄プロセスフラグの値を役物閉鎖後処理に応じた値に更新する(ステップSS420,S420A,S420C,S434,S435)。つまり、役物開放中処理において、全ての遊技球が役物20から排出されたことを条件に、遊技状態(この場合には、特別図柄プロセスフラグの値)を変化させる。なお、役物閉鎖後処理において、V入賞が生じなかったことを条件に特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に応じた値に更新する(図126におけるステップS454,S462参照)。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、役物開放時間タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS422)。タイムアウトしていれば、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS432)。具体的には、役物20の開閉扉を閉鎖する方向に開閉モータを回転させる。役物開放中フラグをリセットする(ステップS432A)とともに、役物閉鎖後タイマに所定時間(例えば、41.5秒)をセットする(ステップS432B)。また、役物20内の回転体を初期位置で停止させるとともに、役物20内の可動部材における可動部を初期位置(遊技球を阻止しない位置)で停止させる(ステップS433)。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、回転体・可動部制御を実行する(ステップS423)。また、役物20への遊技球の入賞を検出する役物入賞スイッチがオンしたら、すなわち役物に入賞した遊技球を検出したら(ステップS424)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS425)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS426)。また、役物20から遊技球が排出されたことを検出する役物排出スイッチがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(ステップS427)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS428)。
遊技球が特定入賞口に進入したことを示す特定領域スイッチがオンしたら(ステップS429)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS430)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS431)。
図126は、役物閉鎖後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS454)。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS455)、開放回数カウンタに第2大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットする(ステップS456)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、特別図柄通常処理で決定された特別図柄の停止図柄に対応するラウンド数である。
さらに、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS457)。また、大当りフラグをセットする(ステップS458)。
そして、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS459)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS460)。
ステップS454の処理でV入賞フラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、小当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS461)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS462)。
図127〜図130は、第3の実施の形態における異常報知処理を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS251〜254は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。ステップS255Cでは、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるか否か確認する。特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるときは(ステップS255CのY)、大当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS255Dの処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が7未満である状態は、大当り遊技が行われていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞である可能性がある。従って、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が7未満であれば(ステップS255CのN)、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS256C)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値との論理積をとる(ステップS257C)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS258CのN)、大当り遊技状態以外であるにもかかわらず、大入賞口に遊技球が入賞した場合である。この場合、CPU56は、大入賞口への異常入賞数をカウントするための下入賞累積数カウンタの値を1加算する(ステップS259C)。次いで、CPU56は、下入賞累積数カウンタの値が第2所定値(本例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS260C)。下入賞累積数カウンタの値が第2所定値以上でなければ、ステップS263Cに移行する。下入賞累積数カウンタの値が第2所定値以上である場合には、CPU56は、大入賞口への異常入賞が生じたことを報知すると判定し、下異常入賞検出フラグをセットするとともに(ステップS261C)、演出制御基板80に、下異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS262C)。
次いで、CPU56は、加算後の下入賞累積数カウンタの値が第1所定値(本例では1)以上であるか否かを確認する(ステップS263C)。第1所定値以上である場合には、CPU56は、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS264C)。
なお、第1所定値を1とする場合には、ステップS260CでNと判定したとき、またはステップS262Cの処理を実行したときに、ステップS263Cの判定処理を行わずに、そのままステップS264Cの処理を実行し、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットするようにしてもよい。
ステップS255Dでは、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるとともに7未満であるか否かを確認する(ステップS255D,S255E)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上かつ7未満であるときは(ステップS255D,S255EのY)、小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、可変入賞球装置(役物)20に遊技球が入賞する可能性があるので、役物20への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS267の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が4以上かつ7未満でない状態は、小当り遊戯中以外の状態である。このような状態のときに役物20に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞である可能性がある。従って、以下に示す役物20への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が4以上かつ7未満でなければ(ステップS255DのN、またはS255EのN)、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS256D)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と役物入賞検出スイッチ入力ビット判定値との論理積をとる(ステップS257D)。役物入賞検出スイッチがオンしているときには、論理積の演算結果は00(H)以外の値になる。役物入賞検出スイッチがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS258DのN)、小当り遊技状態以外であるにもかかわらず、役物20に遊技球が入賞した場合である。この場合、CPU56は、役物20への異常入賞数をカウントするための上入賞累積数カウンタの値を1加算する(ステップS259D)。次いで、CPU56は、上入賞累積数カウンタの値が第2所定値(本例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS260D)。上入賞累積数カウンタの値が第2所定値以上でなければ、ステップS263Dに移行する。上入賞累積数カウンタの値が第2所定値以上である場合には、CPU56は、役物20への異常入賞が生じたことを報知すると判定し、上異常入賞検出フラグをセットするとともに(ステップS261D)、演出制御基板80に、上異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS262D)。
次いで、CPU56は、加算後の上入賞累積数カウンタの値が第1所定値(本例では1)以上であるか否かを確認する(ステップS263D)。第1所定値以上である場合には、CPU56は、役物20への異常入賞が生じたと判定し、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS264D)。
なお、第1所定値を1とする場合には、ステップS260DでNと判定したとき、またはステップS262Dの処理を実行したときに、ステップS263Dの判定処理を行わずに、そのままステップS264Dの処理を実行し、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットするようにしてもよい。
この実施の形態において、ステップS267〜S282の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。ただし、この実施の形態では、ステップS267〜S276の処理で、可変入賞球装置15を備えた第3始動入賞口13への異常入賞の発生が検出される。また、ステップS279〜S281の処理で、役物20周辺における磁気異常の発生が検出される。
ステップS282で振動検出信号がオン状態であれば、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS282A)。役物内遊技球個数カウンタの値が0であれば、役物20内に遊技球がない状態において遊技機の振動異常状態を検出したと判定し、演出制御基板80に、通常時振動異常報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS283A)。役物内遊技球個数カウンタの値が0でなければ、役物20内に遊技球がある状態において遊技機の振動異常状態を検出したと判定し、演出制御基板80に、入賞時振動異常報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS283B)。そして、第1の実施の形態と同様の処理に従って、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS284)。
ステップS282〜S284の処理が実行されることによって、遊技機を振動させて遊技球を不正に入賞させるような行為が行われた場合に異常を検出することができ、異常の発生を報知できるとともに情報端子盤34を介して外部出力することができる。また、この実施の形態では、遊技機の振動異常状態を検出した場合に、役物20内に遊技球がある状態であるかない状態であるかに応じて異なる振動異常報知指定コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS285A)。大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS285AのY)、大入賞口が開放状態に制御されているときである。そのような状態で、大入賞口開信号がオン状態でない場合には(ステップS289AのN)、大入賞口に異常が発生している可能性がある。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって大入賞口を開放状態にする制御が行われたにもかかわらず、大入賞口が開放されていない異常が発生していると考えられる。そこで、CPU56は、演出制御基板80に、下異常開放報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS290A)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS291A)。
また、大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS285AのN)、大入賞口が閉鎖状態に制御されているときである。そのような状態で、大入賞口開信号がオン状態である場合には(ステップS286AのY)、大入賞口に異常が発生している可能性がある。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって大入賞口を閉鎖状態にする制御が行われたにもかかわらず、大入賞口が閉鎖されていない異常が発生していると考えられる。そこで、CPU56は、演出制御基板80に、下異常開放報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS287A)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS288A)。
次いで、CPU56は、役物開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS285B)。役物開放中フラグがセットされているときは(ステップS285BのY)、役物20が開放状態に制御されているときである。そのような状態で、役物20に配置された開放検出センサからの役物開信号がオン状態でない場合には(ステップS289BのN)、役物20に異常が発生している可能性がある。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって役物20の開放扉を開放状態にする制御が行われたにもかかわらず、役物20の開放扉が開放されていない異常が発生していると考えられる。そこで、CPU56は、演出制御基板80に、上異常開放報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS290B)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS291B)。
また、役物開放中フラグがセットされていないときは(ステップS285BのN)、役物20が閉鎖状態に制御されているときである。そのような状態で、役物開信号がオン状態である場合には(ステップS286BのY)、役物20に異常が発生している可能性がある。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって役物20の開放扉を閉鎖状態にする制御が行われたにもかかわらず、役物20の開放扉が閉鎖されていない異常が発生していると考えられる。そこで、CPU56は、演出制御基板80に、上異常開放報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS287B)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS288B)。
以上のように、ステップS285B〜S291Bの処理が実行されることによって、この実施の形態では、大入賞口の異常開放状態に加えて、可変入賞球装置(役物)20の異常開放状態も検出される。なお、この実施の形態では、役物開放中フラグがセットされている場合に役物20が開放されていないこと、および役物開放中フラグがセットされていない場合に役物20が開放されていることも、異常開放と記す。
次いで、CPU56は、役物閉鎖後タイマがセットされている場合には、役物閉鎖後タイマの値を1減算する(ステップS292A)とともに、役物内遊技球個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS292B)。役物内遊技球個数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、役物閉鎖後タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS292C)。役物閉鎖後タイマがタイムアウトしていれば、CPU56は、役物点検表示指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS292D)。また、CPU56は、異常信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)をセットする(ステップS292E)。そして、役物20内の点検を促す旨の点検表示を行っていることを示す役物点検表示フラグをセットする(ステップS292F)。
以上のように、ステップS292A〜S292Fの処理が実行されることによって、この実施の形態では、可変入賞球装置(役物)20を閉鎖した後に所定時間(本例では41.5秒)が経過しても役物20内の遊技球が全て排出されなかった場合には、情報端子盤34を介して外部装置に異常信号が外部出力されるとともに、役物点検表示指定コマンドが送信され、役物内における遊技球の球詰まりの点検を促す旨の役物点検表示が行われる。
次いで、CPU56は、役物点検表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS292G)。役物内点検表示フラグがセットされていれば、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS292H)。役物内遊技球個数カウンタの値が0であれば、役物点検表示解除指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS292I)とともに、役物点検表示フラグをリセットする(ステップS292J)。
以上のように、ステップS292G〜S292Jの処理が実行されることによって、役物点検表示が開始された後に役物20内の遊技球が全て排出された場合には、役物点検表示解除指定コマンドが送信され、役物点検表示が解除される。
なお、この実施の形態では、ステップS264C,S264D,S276,S281,S284,S288A,S291A,S288B,S291B,S292Eで異常信号情報タイマがセットされたことにもとづき、情報出力処理のステップS1069〜S1074の処理が実行されて、大入賞口への異常入賞、役物20への異常入賞、可変入賞球装置15が設けられた第3始動入賞口13への異常入賞、役物20周辺の磁気異常、遊技機の振動異常、大入賞口の異常開放、役物20の異常開放、役物20内の球詰まりを検出した場合に、情報端子盤34を介して外部装置に異常信号が外部出力される。
また、この実施の形態では、遊技機の異常として、大入賞口や役物20、第3始動入賞口13への異常入賞、役物20周辺の磁気異常、遊技機の振動異常状態、大入賞口や役物20の異常開放、役物20内の球詰まりを検出した場合に、異常信号を外部出力する場合を示したが、遊技機の他の異常を検出したことにもとづいて異常信号を外部出力するようにしてもよい。例えば、球払出装置97内の遊技球検出部において異常を検出したことや、球払出装置97の払い出し動作中以外のタイミングで遊技球を検出したこと、球払出装置97内で遊技球が詰まったことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、払い出し動作が行なわれたにもかかわらず、払出個数カウントスイッチ301が遊技球を1個も検出できなかったことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、満タンエラーが発生したこと(具体的には、満タンスイッチ48からのオン信号を入力したこと)や、球切れエラーが発生したこと(具体的には、球切れスイッチ187からのオン信号を入力したこと)にもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。
また、例えば、遊技機が搭載する電源回路に過電流が流れたことを検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、主基板31と払出制御基板37との未接続状態を検出したことや、主基板31と払出制御基板37との間の通信エラー(例えば、賞球REQ信号通信エラー)を検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、球払出装置97と払出制御基板37との未接続状態を検出したことや、球払出装置97と払出制御基板37との間の通信エラーを検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載する乱数回路503の異常を検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。また、例えば、主基板31のスイッチ電源の短絡異常を検出したことにもとづいて、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態において、開閉板16によって構成される大入賞口の開放のみを行う場合を示したが、可変入賞球装置(役物)20も大入賞口として用いてもよい。この場合、開閉板16によって構成される大入賞口を下大入賞口といい、可変入賞球装置(役物)20によって構成される大入賞口を上大入賞口という。この場合、大当り遊技状態以外のときに上大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合や、上大入賞口を開放する大当り中のラウンド以外のラウンド(下大入賞口を開放するラウンド)において上大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合に、上大入賞口への異常入賞が発生したと判定し、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力するようにしてもよい。
図131は、第3の実施の形態におけるコマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS611〜S642の処理、ステップS645〜S648の処理およびステップS653〜S661の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
受信した演出制御コマンドが上異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS643E)、演出制御用CPU101は、上異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644E)。受信した演出制御コマンドが下異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS643F)、演出制御用CPU101は、下異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644F)。
受信した演出制御コマンドが通常時振動異常報知指定コマンドであれば(ステップS649A)、演出制御用CPU101は、通常時振動異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS650A)。受信した演出制御コマンドが入賞時振動異常報知指定コマンドであれば(ステップS649B)、演出制御用CPU101は、入賞時振動異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS650B)。
受信した演出制御コマンドが上異常開放報知指定コマンドであれば(ステップS651A)、演出制御用CPU101は、上異常開放報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS652A)。受信した演出制御コマンドが下異常開放報知指定コマンドであれば(ステップS651B)、演出制御用CPU101は、下異常開放報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS652B)。
受信した演出制御コマンドが役物点検表示指定コマンドであれば(ステップS652C)、演出制御用CPU101は、役物点検表示指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS652D)。受信した演出制御コマンドが役物点検表示解除指定コマンドであれば(ステップS652E)、演出制御用CPU101は、役物点検表示解除指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS652F)。
図132〜図134は、第3の実施の形態における演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。なお、初期画面と停電復旧画面については、第1の実施の形態で示した画面(図105(A),(B)参照)と同様である。
図132(C1)には、演出制御用CPU101が、上異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する上異常報知画面(役物20への異常入賞を報知する画面)の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、上異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図132(C1)の右側参照)。図132(C2)には、演出制御用CPU101が、下異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する下異常報知画面(大入賞口への異常入賞を報知する画面)の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、下異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図132(C2)の右側参照)。
始動異常入賞報知画面、磁気異常報知画面および振動異常報知画面については、第1の実施の形態で示した画面(図106(D)、図107(E),(F)参照)と同様である。ただし、この実施の形態では、振動異常報知を行う場合には、役物20内に遊技球がある状態であるか遊技球がない状態であるかに応じて、2種類の振動異常報知を行う。具体的には、役物20内に遊技球がない場合には、振動異常の報知に応じたランプ表示のみを行う演出が実行される。また、役物20内に遊技球がある場合には、演出表示装置9に振動異常報知画面を表示するとともに、振動異常の報知に応じたランプ表示および音出力を行う演出が実行される。
図133(G1)には、演出制御用CPU101が、上異常開放報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する上異常開放報知画面(役物20の異常開放を報知する画面)の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、上異常開放報知画面の表示が継続されることが示されている(図133(G1)の右側参照)。図133(G2)には、演出制御用CPU101が、下異常開放報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する下異常開放報知画面(大入賞口の異常開放を報知する画面)の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、下異常開放報知画面の表示が継続されることが示されている(図133(G2)の右側参照)。
図134には、演出制御用CPU101が、役物点検表示指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する役物点検表示画面(役物20内の遊技球の球詰まりの確認を促す画面)の例が示されている。なお、図134に示す役物点検表示画面の表示は、役物点検表示解除指定コマンドを受信したことにもとづいて解除される。なお、役物点検表示が行われている間には、役物内遊技個数カウンタの値が0となっていないことから、特別図柄プロセス処理における役物開放中処理が繰り返し実行され(ステップS434参照)、特別図柄や演出図柄の次の変動は開始されない。
図135〜図137は、第3の実施の形態における報知制御処理を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS1901〜S1905の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ステップS1906Aでは、演出制御用CPU101は、上異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す上異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1906Bに移行する。上異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、上異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1907A)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、上異常入賞報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1908A)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に上異常入賞報知画面を重畳表示する(図132(C1)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1909A)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、役物20への異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、役物20への異常入賞の報知を行っていることを示す上異常入賞報知中フラグをセットし(ステップS1910A)、ステップS1906Bに移行する。
ステップS1906Bでは、演出制御用CPU101は、下異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す下異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1911に移行する。下異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、下異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1907B)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、下異常入賞報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1908B)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に下異常入賞報知画面を重畳表示する(図132(C2)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1909B)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、大入賞口への異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口への異常入賞の報知を行っていることを示す下異常入賞報知中フラグをセットし(ステップS1910B)、ステップS1911に移行する。
ステップS1911〜S1922の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。ただし、この実施の形態では、ステップS1911〜S1916の処理が実行されることによって、可変入賞球装置15を備えた第3始動入賞口13への異常入賞の報知が開始される。また、ステップS1917〜S1922の処理が実行されることによって、役物20周辺の磁気異常の報知が開始される。
ステップS1923Aでは、演出制御用CPU101は、通常時振動異常報知指定コマンドを受信したことを示す通常時振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1923Bに移行する。通常時振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、通常時振動異常報知指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1924A)。また、いずれかの異常報知中フラグ(上異常入賞報知中フラグ、下異常入賞報知中フラグ、始動異常入賞報知中フラグまたは磁気異常報知中フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1925A)。セットされていれば、ステップS1923Bに移行する。すなわち、既に大入賞口や役物20、第3始動入賞口13への異常入賞報知、磁気異常報知が行われている場合には、その異常入賞報知や磁気異常報知を優先して継続実行するように制御する。
いずれの異常報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、振動異常の報知に応じたランプ表示を行うためのランプ制御信号をランプドライバ基板35に出力する(ステップS1927A)。よって、以後、振動異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、役物20内に遊技機がないときに振動異常の報知を行っていることを示す通常時振動異常報知中フラグをセットし(ステップS1928A)、ステップS1923Bに移行する。
ステップS1923Bでは、演出制御用CPU101は、入賞時振動異常報知指定コマンドを受信したことを示す入賞時振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1929Aに移行する。入賞時振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、入賞時振動異常報知指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1924B)。また、いずれかの異常報知中フラグ(上異常入賞報知中フラグ、下異常入賞報知中フラグ、始動異常入賞報知中フラグまたは磁気異常報知中フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1925B)。セットされていれば、ステップS1929Aに移行する。すなわち、既に大入賞口や役物20、第3始動入賞口13への異常入賞報知、磁気異常報知が行われている場合には、その異常入賞報知や磁気異常報知を優先して継続実行するように制御する。いずれの異常報知中フラグもセットされていなければ、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、振動異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1926B)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に振動異常報知画面を重畳表示する(図133(F)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、振動異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1927B)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、振動異常の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、振動異常の報知に応じたランプ表示を行うためのランプ制御信号をランプドライバ基板35に出力する(ステップS1927C)。よって、以後、振動異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、役物20内に遊技球があるときに振動異常の報知を行っていることを示す入賞時振動異常報知中フラグをセットし(ステップS1928B)、ステップS1929Aに移行する。
以上のように、ステップS1923A〜S1928Bの処理が実行されることによって、遊技機の振動異常を検出した場合に、役物20内に遊技球がある場合と遊技球がない場合とで異なる態様で異常報知を行う。具体的には、役物20内に遊技球がない場合には、振動異常に応じたランプ表示のみが実行される。また、役物20内に遊技球がある場合に振動異常を検出した場合には、遊技機を揺するなどにより役物20内の遊技球を特定入賞口にV入賞させる不正が行われている可能性が高いのであるから、振動異常に応じたランプ表示に加えて、振動異常報知画面を表示するとともに異常報知音を出力させる。
ステップS1929Aでは、演出制御用CPU101は、上異常開放報知指定コマンドを受信したことを示す上異常開放報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1929Bに移行する。上異常開放報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、上異常開放報知指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1930A)。また、いずれかの異常報知中フラグ(上異常入賞報知中フラグ、下異常入賞報知中フラグ、始動異常入賞報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、通常時振動異常報知中フラグまたは入賞時振動異常報知中フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1931A)。セットされていれば、ステップS1929Bに移行する。すなわち、既に大入賞口や役物20、第3始動入賞口13への異常入賞報知、磁気異常報知、振動異常報知が行われている場合には、その異常入賞報知や磁気異常報知、振動異常報知を優先して継続実行するように制御する。いずれの異常報知中フラグもセットされていなければ、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、上異常開放報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1932A)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に上異常開放報知画面を重畳表示する(図133(G1)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常開放の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1933A)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常開放の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、役物20の異常開放の報知を行っていることを示す上異常開放報知中フラグをセットし(ステップS1934A)、ステップS1929Bに移行する。
ステップS1929Bでは、演出制御用CPU101は、下異常開放報知指定コマンドを受信したことを示す下異常開放報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1935に移行する。下異常開放報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、下異常開放報知指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1930B)。また、いずれかの異常報知中フラグ(上異常入賞報知中フラグ、下異常入賞報知中フラグ、始動異常入賞報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、通常時振動異常報知中フラグまたは入賞時振動異常報知中フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1931B)。セットされていれば、ステップS1935に移行する。すなわち、既に大入賞口や役物20、第3始動入賞口13への異常入賞報知、磁気異常報知、振動異常報知が行われている場合には、その異常入賞報知や磁気異常報知、振動異常報知を優先して継続実行するように制御する。いずれの異常報知中フラグもセットされていなければ、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、下異常開放報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1932B)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に下異常開放報知画面を重畳表示する(図133(G2)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常開放の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1933B)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常開放の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口の異常開放の報知を行っていることを示す下異常開放報知中フラグをセットし(ステップS1934B)、ステップS1935に移行する。
ステップS1935では、演出制御用CPU101は、役物点検表示指定コマンドを受信したことを示す役物点検表示指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1941に移行する。役物点検表示指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、役物点検表示指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1936)。また、いずれかの異常報知中フラグ(上異常入賞報知中フラグ、下異常入賞報知中フラグ、始動異常入賞報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、通常時振動異常報知中フラグ、入賞時振動異常報知中フラグ、上異常開放報知中フラグまたは下異常開放報知中フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1937)。セットされていれば、ステップS1941に移行する。すなわち、既に大入賞口や役物20、第3始動入賞口13への異常入賞報知、磁気異常報知、振動異常報知、大入賞口や役物20の異常開放報知が行われている場合には、その異常入賞報知や磁気異常報知、振動異常報知、異常開放報知を優先して継続実行するように制御する。いずれの異常報知中フラグもセットされていなければ、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、役物点検表示画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1938)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に役物点検表示画面を重畳表示する(図134参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、役物点検表示に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1939)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、役物点検表示に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、役物点検表示を行っていることを示す下役物点検表示中フラグをセットし(ステップS1940)、ステップS1941に移行する。
ステップS1941では、演出制御用CPU101は、役物点検表示解除指定コマンドを受信したことを示す役物点検表示解除指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。役物点検表示解除指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、役物点検表示解除指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS1942)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する役物点検表示画面を消去する指令をVDP109に出力する(ステップS1943)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に表示する役物点検表示画面を消去する。さらに、演出制御用CPU101は、役物点検表示に応じた音出力を解除するための解除データを音声出力基板70に出力する(ステップS1944)。すると、音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された解除データにもとづいて役物点検表示に応じた音出力を停止する。そして、役物点検表示中フラグをリセットする(ステップS1945)。
以上のように、ステップS1935〜S1945の処理が実行されることによって、役物20の閉鎖後に所定時間(例えば、41.5秒)以内に遊技球が役物20から排出されなかった場合には役物点検表示が行われ、その後、役物20内から全ての遊技球が排出された場合には役物点検表示が解除される。
なお、上記に示した実施の形態では、大入賞口や役物の異常開放を検出した場合に、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力したり異常開放報知を行う場合を示したが、可変入賞球装置15の異常開放を検出した場合に、情報端子盤34を介して異常信号を外部出力したり異常開放報知を行うようにしてもよい。
また、異常入賞報知や始動異常入賞報知、磁気異常報知、振動異常報知、異常開放報知などの異常報知を行う場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27を用いた音出力、演出表示装置9への異常報知画面の表示、および各ランプ25,28a,28b,28cを用いた表示のいずれを用いて異常報知を行ってもよいし、それらのいずれか2つまたは全てを組み合わせて異常報知を行ってもよい。また、異常報知の種類(異常入賞報知や始動異常入賞報知、磁気異常報知、振動異常報知、異常開放報知)に応じて、スピーカ27を用いた音出力、演出表示装置9への異常報知画面の表示、および各ランプ25,28a,28b,28cを用いた表示のうちのいずれを用いて異常報知を行うかを異ならせてもよい。
また、上記に示した実施の形態では、異常入賞報知、始動異常入賞報知、磁気異常報知、振動異常報知および異常開放報知の順に優先して異常報知を行う場合を示したが、異常報知を行う優先順位は、この実施の形態で示した順位に限られない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常コマンド(例えば、異常入賞報知指定コマンド、始動異常入賞報知指定コマンド、磁気異常報知指定コマンド、振動異常報知指定コマンド、異常開放報知指定コマンド)を受信した順に、先に受信した異常コマンドに対応する異常報知を優先して実行するようにしてもよい。また、例えば、後から受信した異常コマンドに対応する異常報知を優先して実行するようにしてもよい。また、上記に示した実施の形態では、同時に1種類の異常報知のみを行う場合を示したが、同時に複数種類の異常報知を行うようにしてもよい。例えば、演出表示装置9の一表示領域に異常入賞報知の表示を行うと共に、演出表示装置9の別の表示領域に磁気異常報知の表示を行うようにしてもよい。
また、上記に示した実施の形態では、演出図柄の変動表示中にも継続して異常報知を行う場合を示したが、大当り遊技中や小当り遊技中にも継続して異常報知を行うようにしてもよい。特に、第3の実施の形態で示したように、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機や第二種の遊技機では、振動異常報知や排出エラーの報知を小当り遊技中も継続して行うようにすることが望ましい。
また、異常を検出したことにもとづいて賞球払出を禁止したり変動を禁止したりする場合に、異常コマンドを送信するか否かを判定するための閾値(例えば、第2所定値)と同じ閾値を用いた判定を行って賞球払出を禁止したり変動を禁止したりしてもよいし、異なる閾値を用いた判定を行って賞球払出を禁止したり変動を禁止したりしてもよい。
また、第3の形態に示した第一種と第二種とを組み合わせた遊技機や第二種の遊技機においても、第2の実施の形態と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信したコマンド数にもとづいて異常入賞数をカウントし、異常報知を行うか否かを決定するようにしてもよい。
また、上記に示した実施の形態では、演出表示装置9やスピーカ27、ランプ25,28a,28b,28cなどの演出装置が、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される場合を示したが、複数の制御基板に搭載されたマイクロコンピュータによって制御されるようにしてもよい。例えば、遊技機は、スピーカ27およびランプ25,28a,28b,28cを制御する音/ランプ制御用マイクロコンピュータを搭載した音/ランプ制御基板と、演出表示装置9を制御する図柄制御用マイクロコンピュータを搭載した図柄制御基板とを備えていてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータによって送信された異常コマンド(例えば、異常入賞報知指定コマンド、始動異常入賞報知指定コマンド、磁気異常報知指定コマンド、振動異常報知指定コマンド、異常開放報知指定コマンド)は、まず、音/ランプ制御用マイクロコンピュータによって受信されるようにしてもよい。次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータは、受信した異常コマンドにもとづいて、異常報知に応じた音出力やランプ表示を行うとともに、遊技制御用マイクロコンピュータから受信した異常コマンドを図柄制御用マイクロコンピュータに転送する(加工を加えた上で転送してもよい)ようにしてもよい。そして、図柄制御用マイクロコンピュータは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータから転送された異常コマンドにもとづいて、演出表示装置9に異常報知画面を表示させてもよい。
また、上記に示した実施の形態において、主基板31側でリセット信号が入力され初期化処理が実行されてバックアップRAMがクリアされたときから所定期間にも、情報端子盤34を介して、初期化が行われたことを示す信号を外部出力するようにしてもよい。この場合、初期化処理が実行されたことにもとづいて、異常入賞や始動異常入賞、磁気異常、振動異常、異常開放が検出されたときに出力する異常信号と同じ信号を外部出力するようにしてもよいし、異常信号とは異なる信号を外部出力するようにしてもよい。そのように構成すれば、リセット信号を不正に入力して初期化処理を実行させて所定の乱数の初期値をねらう行為を防止することができ、外部に知らせることができる。
なお、上記に示した各実施の形態では、以下の(1)〜(6)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技球が進入可能な開放状態と遊技球が進入不可能な閉鎖状態とに変化可能な可変入賞装置(例えば、特別可変入賞球装置20、可変入賞球装置15)と、所定の開放条件が成立(例えば、特別図柄の可変表示結果が大当りとなって大当り遊技状態に移行したこと、普通図柄の可変表示結果が当りとなったこと)したときに可変入賞装置を閉鎖状態から開放状態に変化させる可変入賞装置制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS1476を実行する部分。遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS4171を実行して可変入賞球装置15を開放状態に制御する部分)と、可変入賞装置に進入した遊技球を検出して入賞検出信号を出力する入賞検出手段(例えば、カウントスイッチ23、第2始動口スイッチ14a)と、可変入賞装置制御手段によって可変入賞装置が開放状態に制御されていないときに、入賞検出手段が入賞検出信号を出力したことにもとづいて、異常入賞が発生したと判定する異常入賞判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS255〜S259,S263を実行する部分。ステップS267〜S271,S275を実行する部分)と、遊技機において異常入賞と異なる所定の異常状態(例えば、磁気異常、振動異常、異常開放)が発生したか否かを判定する異常状態判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS279,S282,S285,S286,S289を実行する部分)と、異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたことにもとづいて、異常入賞が発生したことを示す異常報知(例えば、異常入賞報知、始動異常入賞報知)を実行する異常報知手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS835A,S835C,S846,S847B,S1906〜S1916,S1906A〜S1916を実行する部分)と、異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたことまたは異常状態判定手段によって所定の異常状態が発生したと判定されたことにもとづいて、遊技機の外部に所定の異常信号を出力するための外部出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS264,S276,281,S284,S288,S291,S1069〜S1074,S1102,S1103を実行する部分)とを備え、異常報知手段は、可変入賞装置制御手段によって可変入賞装置が開放状態に制御されていない所定期間(例えば、ステップS137で入賞累積数カウンタがクリアされて大当り遊技が開始されるまでの期間。ステップS4146で始動入賞累積数カウンタがクリアされて普通図柄の可変表示結果が当りとなるまでの期間。ステップS855A,855Bで異常入賞累積数カウンタおよび始動異常入賞累積数カウンタがクリアされて大当り遊技が開始されるまでの期間。演出制御用マイクロコンピュータ100が、普通図柄の変動表示結果が当りであることを特定可能な演出制御コマンドを受信したことにもとづいて、始動異常入賞累積数カウンタをクリアするまでの期間。)に、入賞検出手段が入賞検出信号を複数回数出力したことを条件に、異常報知を実行し(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってステップS260で入賞累積数カウンタの値が第2所定値(5)以上であると判定されたことにより送信された異常入賞報知指定コマンド、またはステップS272で始動入賞累積数カウンタの値が第2所定値(5)以上であると判定されたことにより送信された始動異常入賞報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、ステップS835A,S835C,S846,S847B,S1906〜S1916,S1906A〜S1916を実行する)、外部出力手段は、異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたときと異常状態判定手段によって所定の異常状態が発生したと判定されたときとで、遊技機に設けられた共通の出力端子から所定の異常信号を出力可能とした(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、情報端子盤34の共通のコネクタCN9を用いて異常信号をホールコンピュータに出力する)ことを特徴とする遊技機。
そのような構成により、異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたことまたは異常状態判定手段によって所定の異常状態が発生したと判定されたことにもとづいて、遊技機の外部に所定の異常信号を出力するための外部出力手段を備えるように構成されているので、異常入賞が発生したことおよび遊技機において所定の異常状態が発生したことなど複数の異常が発生したことを示す情報を外部に出力することができる。また、外部出力手段が、異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたときと異常状態判定手段によって所定の異常状態が発生したと判定されたときとで、遊技機に設けられた共通の出力端子から所定の異常信号を出力可能とするように構成されているので、外部に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。また、異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたことにもとづいて、異常入賞が発生したことを示す異常報知を実行する異常報知手段を備え、異常報知手段が、可変入賞装置制御手段によって可変入賞装置が開放状態に制御されていない所定期間に、入賞検出手段が入賞検出信号を複数回数出力したことを条件に、異常報知を実行するように構成されているので、可変入賞装置に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、可変入賞装置に対する不正行為を確実に防止することができる。
(2)遊技機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、演出図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、演出表示装置9)と、遊技の進行を制御し、可変入賞装置制御手段、異常入賞判定手段、異常状態判定手段および外部出力手段を含み、演出用の電気部品(例えば、演出表示装置9、スピーカ27、ランプ25,28a,28b,28c)を制御させるための演出制御コマンドを出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、異常報知手段を含み、遊技制御手段が出力した演出制御コマンドに応じて演出用の電気部品を制御する演出制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、遊技制御手段は、可変表示装置における識別情報の可変表示の開始と可変表示時間とを特定可能な可変表示コマンド(例えば、変動パターンコマンド)を送信する可変表示コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS29,S102を実行する部分)と、可変入賞装置制御手段によって可変入賞装置が開放状態に制御されていない所定期間に入賞検出手段が入賞検出信号を出力した累積数を記憶する検出累積数記憶手段(例えば、入賞累積数カウンタ、始動入賞累積数カウンタ)と、異常報知を実行するか否かを判定するための所定の異常報知基準値(例えば、第2所定値(5))および検出累積数記憶手段が記憶する累積数にもとづいて、異常報知の実行を指示するための異常報知コマンド(例えば、異常入賞報知指定コマンド、始動異常入賞報知指定コマンド)を送信する異常報知コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS29,S262,S274を実行する部分)とを含み、演出制御手段は、可変表示コマンド送信手段が送信した可変表示コマンドにもとづいて可変表示装置において識別情報の可変表示を開始し、可変表示時間が経過したときに可変表示装置に表示結果を導出表示する可変表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS835A〜S837,S841〜S850,S853を実行する部分)を含み、異常報知手段は、異常報知コマンド送信手段が送信した異常報知コマンドにもとづいて異常報知を実行し(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS643でYのときにステップS644でセットした異常入賞報知指定コマンド受信フラグや、ステップS645でYのときにステップS646でセットした始動異常入賞報知指定コマンド受信フラグにもとづいて、ステップS1906〜S1909やステップS1911〜S1915を実行して報知する)、可変表示制御手段が可変表示装置において識別情報の可変表示を実行しているときにも異常報知を実行可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS835A,S835C,S846,S847B,S1906〜S1916を実行する部分)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、遊技制御手段が、可変表示装置における識別情報の可変表示の開始と可変表示時間とを特定可能な可変表示コマンドを送信する可変表示コマンド送信手段と、可変入賞装置制御手段によって可変入賞装置が開放状態に制御されていない所定期間に入賞検出手段が入賞検出信号を出力した累積数を記憶する検出累積数記憶手段と、異常報知を実行するか否かを判定するための所定の異常報知基準値および検出累積数記憶手段が記憶する累積数にもとづいて、異常報知の実行を指示するための異常報知コマンドを送信する異常報知コマンド送信手段とを含み、演出制御手段が、可変表示コマンド送信手段が送信した可変表示コマンドにもとづいて可変表示装置において識別情報の可変表示を開始し、可変表示時間が経過したときに可変表示装置に表示結果を導出表示する可変表示制御手段を含み、異常報知手段が、異常報知コマンド送信手段が送信した異常報知コマンドにもとづいて異常報知を実行し、可変表示制御手段が可変表示装置において識別情報の可変表示を実行しているときにも異常報知を実行可能であるように構成されているので、可変入賞装置に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、可変入賞装置に対する不正行為を確実に防止することができる。また、演出制御手段側で異常報知を実行することによって、遊技制御手段の処理負担を増加させることなく、可変入賞装置に対する不正行為による入賞異常を報知することができる。
(3)遊技機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、演出図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、演出表示装置9)と、遊技の進行を制御し、可変入賞装置制御手段、異常入賞判定手段、異常状態判定手段および外部出力手段を含み、演出用の電気部品(例えば、演出表示装置9、スピーカ27、ランプ25,28a,28b,28c)を制御させるための演出制御コマンドを出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、異常報知手段を含み、遊技制御手段が出力した演出制御コマンドに応じて演出用の電気部品を制御する演出制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、遊技制御手段は、可変表示装置における識別情報の可変表示の開始と可変表示時間とを特定可能な可変表示コマンド(例えば、変動パターンコマンド)を送信する可変表示コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS29,S102を実行する部分)と、可変入賞装置制御手段によって可変入賞装置が開放状態に制御されていない所定期間に入賞検出手段が入賞検出信号を出力したことにもとづいて、異常入賞を検出したことを示す異常検出コマンド(例えば、異常入賞検出指定コマンド、始動異常入賞検出指定コマンド)を送信する異常検出コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS29,S266B、S278Bを実行する部分)とを含み、演出制御手段は、異常検出コマンド送信手段が送信した異常検出コマンドにもとづいて、可変入賞装置制御手段によって可変入賞装置が開放状態に制御されていないときに入賞検出手段が入賞検出信号を出力した累積数を記憶する検出累積数記憶手段(例えば、図117に示す異常入賞累積数カウンタ、始動異常入賞累積数カウンタ)と、可変表示コマンド送信手段が送信した可変表示コマンドにもとづいて可変表示装置において識別情報の可変表示を開始し、可変表示時間が経過したときに可変表示装置に表示結果を導出表示する可変表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS835A〜S837,S841〜S850,S853を実行する部分)とを含み、異常報知手段は、異常報知を実行するか否かを判定するための所定の異常報知基準値(例えば、図117に示す所定値(5))および検出累積数記憶手段が記憶する累積数にもとづいて、異常報知を実行し、可変表示制御手段が可変表示装置において識別情報の可変表示を実行しているときにも異常報知を実行可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS835A,S835C,S846,S847B,S1906A〜S1916を実行する部分)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、遊技制御手段が、可変表示装置における識別情報の可変表示の開始と可変表示時間とを特定可能な可変表示コマンドを送信する可変表示コマンド送信手段と、可変入賞装置制御手段によって可変入賞装置が開放状態に制御されていない所定期間に入賞検出手段が入賞検出信号を出力したことにもとづいて、異常入賞を検出したことを示す異常検出コマンドを送信する異常検出コマンド送信手段とを含み、演出制御手段が、異常検出コマンド送信手段が送信した異常検出コマンドにもとづいて、可変入賞装置制御手段によって可変入賞装置が開放状態に制御されていないときに入賞検出手段が入賞検出信号を出力した累積数を記憶する検出累積数記憶手段と、可変表示コマンド送信手段が送信した可変表示コマンドにもとづいて可変表示装置において識別情報の可変表示を開始し、可変表示時間が経過したときに可変表示装置に表示結果を導出表示する可変表示制御手段とを含み、異常報知手段が、異常報知を実行するか否かを判定するための所定の異常報知基準値および検出累積数記憶手段が記憶する累積数にもとづいて、異常報知を実行し、可変表示制御手段が可変表示装置において識別情報の可変表示を実行しているときにも異常報知を実行可能であるように構成されているので、可変入賞装置に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、可変入賞装置に対する不正行為を確実に防止することができる。また、演出制御手段側で累積数を記憶し、累積数にもとづいて異常報知を実行することによって、遊技制御手段の処理負担を増加させることなく、可変入賞装置に対する不正行為による入賞異常を検知することができる。
(4)遊技機は、可変入賞装置が開放状態であるときに開放検出信号を出力する開放検出手段(例えば、開放検出センサ92)を備え、異常状態判定手段は、可変入賞装置制御手段によって可変入賞装置が開放状態に制御されていないときに、開放検出手段が開放検出信号を出力したことにもとづいて、遊技機において所定の異常状態が発生したと判定する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS285,S286を実行する部分)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、可変入賞装置が開放状態であるときに開放検出信号を出力する開放検出手段を備え、異常状態判定手段が、可変入賞装置制御手段によって可変入賞装置が開放状態に制御されていないときに、開放検出手段が開放検出信号を出力したことにもとづいて、遊技機において所定の異常状態が発生したと判定するように構成されているので、不正行為を未然に報知して、不正行為の発見を早期化し、不正に対する報知の効果を向上させることができる。また、不正行為者に利益を与える前に不正行為の発生を報知するので、不正行為に対する抑止効果を生ずる。
(5)外部出力手段は、異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたときまたは異常状態判定手段によって所定の異常状態が発生したと判定されたときから、外部装置に所定の異常信号を所定期間(例えば、30秒間)出力可能とし、所定の異常信号を出力しているときに、さらに、異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたときまたは異常状態判定手段によって所定の異常状態が発生したと判定されたときには、最後に異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたときまたは異常状態判定手段によって所定の異常状態が発生したと判定されたときから、外部装置に所定の異常信号を所定期間出力可能とする(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS264,S276,281,S284,S288,S291,S1069〜S1074,S1102,S1103を実行することによって、図70に示すように、異常を検出してから30秒間を経過するまで異常信号を外部出力し、異常信号の外部出力開始してから30秒を経過するまでに他の異常を検出した場合には、最後に異常を検出してから30秒を経過するまで異常信号を外部出力する)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、外部出力手段が、異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたときまたは異常状態判定手段によって所定の異常状態が発生したと判定されたときから、外部装置に所定の異常信号を所定期間出力可能とし、所定の異常信号を出力しているときに、さらに、異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたときまたは異常状態判定手段によって所定の異常状態が発生したと判定されたときには、最後に異常入賞判定手段によって異常入賞が発生したと判定されたときまたは異常状態判定手段によって所定の異常状態が発生したと判定されたときから、外部装置に所定の異常信号を所定期間出力可能とするように構成されているので、所定の異常信号を受信する外部装置側に、異常入賞の発生状態や所定の異常状態が長期化していることを認識させ報知させることができる。
(6)遊技機は、可変表示の第1実行条件が成立(例えば、第1始動入賞口13への入賞)した後に第1開始条件が成立(例えば変動中でなく大当り中・小当り中でもないとき)したことにもとづいて各々を識別可能な第1識別情報(例えば第1特別図柄)の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第1可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示器8a)と、可変表示の第2実行条件が成立(例えば、第2始動入賞口14への入賞)した後に第2開始条件が成立(例えば変動中でなく大当り中・小当り中でもないとき)したことにもとづいて各々を識別可能な第2識別情報(例えば第2特別図柄)の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第2可変表示手段(例えば、第2特別図柄表示器8b)とを備え、第1可変表示手段と第2可変表示手段のいずれかに特定表示結果(例えば大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、外部出力手段は、第1実行条件が成立したときおよび第2実行条件が成立したときに実行条件が成立したことを示す実行条件成立情報(例えば、始動口1信号)を外部装置に出力するための実行条件成立情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS1001〜S1030、S1102,S1103を実行する部分)を含み、実行条件成立情報出力手段は、予め設定した期間(例えば200ms)内において第1実行条件と第2実行条件とが成立したときは、一方の実行条件の成立にもとづく実行条件成立情報を出力してから予め設定した期間が経過した後に他方の実行条件の成立にもとづく実行条件成立情報を出力可能とする(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1025〜S1029の処理を実行することによって、始動口1信号が出力されている場合は該信号の出力終了時から200ms経過後に新たな始動口1信号を出力する)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、外部出力手段が、第1実行条件が成立したときおよび第2実行条件が成立したときに実行条件が成立したことを示す実行条件成立情報を外部装置に出力するための実行条件成立情報出力手段を含み、実行条件成立情報出力手段が、予め設定した期間内において第1実行条件と第2実行条件とが成立したときは、一方の実行条件の成立にもとづく実行条件成立情報を出力してから予め設定した期間が経過した後に他方の実行条件の成立にもとづく実行条件成立情報を出力可能とするように構成されているので、第1実行条件の成立と第2実行条件の成立が予め設定した期間内に連続して発生した場合であっても、各々の実行条件の成立にもとづく実行条件成立情報を外部装置において認識させることができる。