JP5360823B2 - 光電駆動マイクロマシン及び微小可動部材の駆動方法 - Google Patents

光電駆動マイクロマシン及び微小可動部材の駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、光誘起性誘電駆動によって部材を駆動することにより動作する方式のマイクロマシン及び微小可動部材の駆動方法に関する。
光重合性樹脂原料にレーザー光を照射して三次元構造の光重合体を造形する光造形法が知られている。光重合性樹脂(photopolymerizable resin)は、光照射するとモノマー分子が重合し高分子化することによって液体から固体へ変化する材料であり、一般に光硬化性樹脂(photocurable resin)又はフォトポリマー(photopolymer)とも呼ばれる高分子材料である。光重合性樹脂の光造形法を用いた微小構造体の製造方法が、例えば、特許文献1〜3等に開示されている。この光造形法においては、液状の光重合性樹脂原料にレーザー光が照射され、光重合体からなる三次元構造体が、液状の樹脂原料内に造形される。このような光造形法によれば、レーザー光の集光点及び2光子吸収を正確に制御することにより、比較的複雑な三次元構造を有する単ーマイクロギア等の微小構造体を光重合性樹脂原料によって成形することができる。
そして、光重合性樹脂の光造形法によって成形した微小構造体を駆動する方法として、レーザー光を微小構造体の可動部に照射し、可動部を光トラッピングした状態でレーザー光の集光点を移動させて可動部を駆動する微小構造体の駆動方法が特許文献4に開示されている。
また、特許文献5には、中心軸及び羽根部材と、光駆動可能なビーズとから構成される複合構造のロータが開示されている。羽根部材は、中心軸から放射状に延び、ビーズは、羽根部材に取付けられる。ビーズは、光トラッピングにより流路の所定位置に位置決めされるとともに、光ビームの移動によって移動する。ロータは、ビーズの移動により回転し、マイクロポンプのロータとして機能する。更に、光駆動の原理を利用した流体輸送方法として、液体中に浮遊した微粒子をレーザー光で遠隔操作し、微粒子の運動を利用してマイクロチップ内の液体を流動させる方法が、近年において提案されている。
特に、マイクロチップ又はバイオチップにおいては、nL/分(ナノリットル)以下の微少流量の流体を輸送する必要が生じる。しかも、マイクロチップ又はバイオチップに配設される回転体としては、最大直径100μm以下の回転体が想定される。このような微小スケールの回転体をリソグラフィ技術等によって成形した場合、かなりの隙間が回転体の周囲に形成されるので、微少流量の流体を正確に制御し難い。しかも、このような微少流量且つ微小スケールの流体制御デバイスでは、慣性力に比べて粘性力の影響が顕著に顕れるので、流体に作用する遠心力又は揚力に依存して流体を輸送することは困難である。
従って、これらのような微少流量の流体を制御下に輸送する微小スケールの流体制御デバイスの登場が期待されている。
そこで本願発明者は、先に、マイクロチップ又はバイオチップの流路に配置される流体制御デバイスにおいて、光駆動可能な可動部と、該可動部を回転可能に支承する固定部とを有し、前記可動部は、レーザー光の照射による遠隔操作によって回転し、前記流路内の流体を輸送するように、近接する前記可動部と協働して流路の容積変化又は変形を生じさせる流体制御デバイスについて特許出願している。(特許文献6参照)
特開2001−158050号公報 特開平11−170377号公報 特開2000−202916号公報 特開2003−025295号公報 特開2005−027495号公報 国際公開第07/011052号パンフレット
前記特許文献6に開示した可動部の駆動については、単一のレーザー光を可動部に選択的に照射して光トラッピングし、レーザー光の集光点の移動によって前記可動部を回転させる光ピンセットと称される技術が適用されている。
この光ピンセットとは、図20に示す如くレンズ部材100によって数W出力のレーザー光101を微粒子や細胞などの透明な微小物体102に集光すると、微小物体102の界面で光の運動量が変化するので、光の放射圧が発生し、微小物体102を焦点位置に捕捉することが可能となる技術として知られている。
ここで、図20に示す如くレーザー光101のうち、位置Aを通過するレーザー光が透明な微小物体102に入射し、微小物体102に所定の屈折率で入射して通過し、再度微小物体102から出射する場合に作用する力Fと、位置Bを通過するレーザー光が透明な微小物体102に入射し、微小物体102に所定の屈折角で入射して通過し、再度微小物体102から出射する場合に作用する力Fとの合力Fが発生し、微小物体102の中心をレーザー光の集光位置101aに近付けようとする方向に力を発生させる。
この原理を図21に示す如く可動部103の駆動に利用すると、レーザー光101の集光位置101aが可動部103から外れようとすると、合力Fが作用するので可動部103を捕らえてレーザー光101の移動方向に移動することができる。なお、この操作対象とする可動部13の大きさは100μmから数μmオーダーのマイクロマシン機械構造に適用されるものを対象として考慮する。
しかしながら、透明な微小物体102にレーザー光101による放射圧に起因する合力を発生させるためには、数10μm程度の大きさのマイクロマシンの可動部103を駆動するためであってもレーザー光101の出力として数W程度の高出力レーザーが必要であり、更に、高開口数の大型の対物レンズが必要になるので、駆動装置が高価かつ大型となる問題があった。
また、上述の光ピンセットは透明な微小物体102には有効であるが、微小物体がレーザー光を吸収する場合には発熱が生じてしまい、バイオ研究に用いる場合に問題となっていた。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、従来の数Wではなく数mW出力程度の低出力レーザー光によって駆動が可能であり、低開口数の対物レンズを用いて微小物体である可動部材の駆動が出来るマイクロマシンの提供と微小可動部材の駆動方法の提供を目的とする。
本発明は、光誘起性誘電駆動によって誘電体からなる可動部材を操作するマイクロマシンであって、前記可動部材が支持部材により移動自在により支持される構造を有するとともに、操作するべき可動部材を囲む流体を保持するために構成された面と、前記流体に囲まれた可動部材に電場を印加する手段と、受けた光の近傍における、前記受けた光の局所電場への変換のために構成された、前記面上の少なくとも1つの光伝導性領域と、この光伝導性領域を介し流体内の可動部材近傍に光を集光照射し、誘起された局所電場に応じて、前記可動部材に生じる不均一誘電分極力による推進力を生じさせる光源を備えたことを特徴とする。
本発明において、前記可動部材を囲む面が少なくとも2つ対向配置され、各面に形成された電極が電源に接続されて前記可動部材の周囲に電場を印加できるように構成されてなることを特徴とする構成としても良い。
本発明において、前記可動部材を囲む面の少なくとも1つに形成される光導電性領域として光照射により導電率が変化する電場調整層が設けられていることを特徴とする構成としても良い。
本発明において、前記支持部材が前記可動部材を囲む面の少なくとも1つの面に形成された固定型の軸であり、前記可動部材が前記軸を中心に回転するアームまたは翼であることを特徴とする構成としても良い。
本発明において、前記光源がレーザー光の発光光源とレーザー光を集光するレンズ部材とを具備してなることを特徴とする構成としても良い。
本発明において、前記電源が交流電源であっても良い。
本発明の微小部材の駆動方法は、光誘起性誘電駆動によって誘電体からなる微小な可動部材を駆動する方法であって、支持部材により移動自在により支持された可動部材に対し、操作するべき可動部材を囲む流体を保持するために構成された面を介して前記流体に囲まれた可動部材に電場を印加し、受けた光の近傍における、前記受けた光の局所電場への変換のために構成された、前記面上の少なくとも1つの光伝導性領域を用い、この光伝導性領域を介して流体内の可動部材近傍に光を集光照射し、誘起された局所電場に応じて、前記可動部材に生じる不均一誘電分極力による推進力を生じさせて前記可動部材を駆動することを特徴とする。
本発明の微小部材の駆動方法は、前記可動部材を囲む面を少なくとも2つ対向配置し、各面に形成された電極に電源を接続して前記可動部材の周囲に電場を印加することを特徴とする。
本発明の微小部材の駆動方法は、前記可動部材を囲む面の少なくとも1つに光導電性領域として光照射により導電率が変化する電場調整層を設け、この電場調整層にレーザー光を照射して不均一電場を生成することを特徴とする。
本発明のマイクロマシンは、支持部材により移動自在により支持した可動部材に対し、電場を与えながら、電場調整層に光を集光照射して導電率を変化させて不均一電場を可動部材近傍に生成できるので、誘起された局所電場に応じて、前記可動部材に生じる不均一誘電分極力による推進力を生じさせることができ、これを推進力として可動部材を駆動することができる。
また、この発明のマイクロマシンは、均一電場を与えた領域の任意の位置に光を集光照射するならば、光の集光状態に応じて数10μm〜数100μmの微細な可動部材に対して光を集光照射した位置から目的の任意の方向に光誘起性誘電駆動による駆動力を発生できるので、支持部材に支持されている可動部材を任意の方向に駆動することができる。
また、集光照射する光源としてレーザー光を利用することができ、従来の光ピンセットに使用されている数W規模のレーザーに対し、1000分の一程度の微小出力のレーザー光であっても、微細な可動部材に対して十分な駆動力を与えることができる。
よって、本発明により、可動部材を任意の方向に低出力レーザーで安価に駆動できるマイクロマシンを提供できる。
本発明に係るマイクロマシンの第1実施形態を示す構成図。 図1に示す実施形態のマイクロマシンにおける不均一電場による駆動原理を示す説明図。 図1に示す実施形態のマイクロマシンにおける誘電分極に伴う駆動原理を示す説明図。 図1に示すマイクロマシンに備えられた可動部材の第1の例とレーザー光の集光位置を示すもので、図4(A)は斜視図、図4(B)〜図4(E)は回転駆動する際のレーザースポットと可動部材との位置関係を示す図。 図1に示すマイクロマシンに備えられた可動部材の第1の例とレーザー光の集光位置の他の例を示す斜視図。 図1に示すマイクロマシンに備えられた可動部材の第2の例とレーザー光の集光位置を示す斜視図。 図1に示すマイクロマシンに備えられた可動部材の第3の例とレーザー光の集光位置を示す斜視図。 本発明に係るマイクロマシンを複数備えたバイオチップの一例を示す構成図。 本発明に係るマイクロマシンを複数備えたマイクロポンプの一例を示す構成図。 本発明に係るマイクロマシンを備えたマイクロポンプの他の例を示す構成図。 本発明に係るマイクロマシンの一例において、移動距離と時間の関係を示す図。 本発明に係るマイクロマシンの一例において、速度と時間の関係を示す図。 本発明に係るマイクロマシンの一例において、加速度と時間の関係を示す図。 本発明に係るマイクロマシンの一例において、発生力と時間の関係を示す図。 本発明に係るマイクロマシンの一例において、レーザーパワーと発生力と移動距離の関係を示す図。 本発明に係るマイクロマシンの一例において、発生力と電圧と移動距離の関係を示す図。 本発明に係るマイクロマシンの一例において、移動距離と周波数の関係を示す図。 本発明に係るマイクロマシンの一例において、移動距離と電圧の関係を示す図。 本発明に係るマイクロマシンの一例において、移動距離とレーザーパワーの関係を示す図。 従来技術である光ピンセットのレーザー光による駆動力を説明するための説明図。 従来技術である光ピンセットにより可動部材を駆動する場合の説明図であり、図21(A)は可動部材の中心部にレーザー光を集光した状態を示す図、図21(B)は可動部材の端部側にレーザー光の集光位置を移動した状態を示す図。 実施例において製造したマイクロアームのSEM写真。 実施例において製造したマイクロアームの駆動状態の一例を示す図。 実施例において製造したマイクロローターの駆動状態の一例を示す図。
以下、本発明に係るマイクロマシンの一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態において説明する構造は本発明に係る例示であり、これらの構造に本発明が制約されるものではない。
図1は、本発明に係るマイクロマシンの一例構造を示し、図1に示す構造のマイクロマシンAは、対向して平行に配置された上下の基板1、2と、それらの間に支持部材3によって回転自在に支持された可動部材(マイクロアーム)5と、基板1、2間にレーザー光6を集光照射するためのレンズ部材などの集光手段7と、レーザー光の発光光源8とを具備して構成されている。
このレーザー光の発光光源8はHe−Neレーザービームなど、自然光に近い発色でできるだけ安価なレーザー光源を用いることが装置コストの面から好ましく、操作するべき対象物へのダメージを少なくする上で好ましい。しかし、本発明ではレーザーの種別について限定する訳ではなく、Arレーザー、半導体レーザーなどの何れであっても良く、波長についても自然光領域以外に、近赤外光レーザーなどのレーザーを用いても良いのは勿論である。
なお、前記基板1、2は図の例では上下に離間配置されているが、基板1、2の配置は左右対になるように、あるいは斜め方向に対になる配置などを含む、いずれの方向の配置でも良いのは勿論である。この例では説明の容易化のために便宜的に上下に離間配置した例として説明する。
また、基板1,2は通常平面形状であるが、平面に限るものではない。
前記集光手段7としては光学ガラスレンズなどを1つあるいは複数組み合わせて使用することができ、倍率20倍、開口数NA=0.4程度の対物レンズを適用することができる。
また、図面では略しているが、集光手段7はガルバノミラーなどのレーザー光走査光学系によって集光手段7がレーザー光6を集光する位置を基板1、2の面方向の任意の位置に変更することができるようになっている。
前記上方(一方)の基板1は光透過率の高い基板、例えばガラス基板などの透明基板から構成され、その下面側にa−Siなどからなる電場調整層(光導電性領域)9が形成されている。また、下方(他方)の基板2の上面側にはITO(インジウムスズ酸化物)などからなる透明の導電膜10が形成されている。この電場調整層9は、例えば、a−Siの単層膜であっても良く、高濃度にドープされたa−Si:H(水素化アモルファスシリコン)からなる厚さ50nm程度の層と無ドープのa−Si:Hからなる厚さ1μm程度の層と窒化シリコンからなる例えば厚さ20nm程度の層の積層構造で構成されているものでも良い。
なお、電場調整層9の構成材料はこれらの材料の他に、銅フタロシアニンなどを用いた誘起導電薄膜あるいはCdSなどの光電導膜などを用いても良い。
この実施形態の支持部材3は導電層10の上に垂設された樹脂製の軸部材として構成され、その上端部に径の大きな頭部3aが形成されていて、可動部材5の抜け止めをなしている。この実施形態において可動部材5は平面視涙滴型のアーム状(カム状)に形成され、可動部材5の基端部5a側に貫通形成された支持孔5bに前記支持部材3を挿通した状態において支持部材3の軸3b周りに回転自在に支持されている。従って可動部材5の先端部5cは支持部材3の周方向に回転自在に支持されている。
これらの支持部材3と可動部材5はいずれも、本発明者らが先に特許出願している国際公開第07/011052号パンフレットなどに記載されている光造形法により形成されたものである。
例えば、一例を示すと、基板上に塗布した光硬化性樹脂液にフェムト秒レーザー光を照射して2光子吸収現象を誘起し、レーザー光の焦点近傍の樹脂のみを重合して硬化させ、レーザー光を樹脂液の内部において走査し、所望の輪郭形状の光重合体を形成し、未重合の樹脂液を除去し、溶剤で洗浄すると、目的の形状の光重合体を得ることができる。光硬化性樹脂としては、エポキシ系光重合性樹脂(D−MEC 株式会社製商品名SCR−701等)などを用いることができるが、ウレタンアクリレート系光重合性樹脂などを用いることもできる。
この光造形技術において、現状の分解能は約0.1μm程度になっているので、前述の軸型の支持部材3及びカム型の可動部材5として、最も細い部分のサイズが約0.1μm程度の大きさのものまで製造することができる。例えば可動部材5を回転体として見ると、厚さ3μm、長さが数10μmのサイズのものを確実に基板上に形成することができる。本願発明において、マイクロマシンなどのようにマイクロと称する部材については、この光造形技術において製造可能なサイズの部材を示す。従って、0.1μm程度の大きさの部分加工が可能な、1μm〜数100μmサイズの部材による構造体をマイクロマシンと称する。
支持部材3と可動部材5を光造形法により製造する場合、支持部材3の軸部分のみを最初に硬化させて形成し、その後で可動部材5を形成し、最後に頭部3aを形成するなどの作り分けを行うと、2つの部品が組み合わされた複雑な形状の部材でも支障なく製造することができる。例えば、ギアやカムと軸などの複数の部品が関連配置された構造体であっても、ギアやカムと軸を順番に形成し、個々に作り分けるか、ギアやカムを軸上において離間した位置に形成し、硬化後に複数のギアやカムを軸に沿って移動させて係合し、全体構造として作り分けすることによりギアやカムが係合した複雑な構造体を造形することができる。
また、上方の基板1の電場調整層9と他方の基板2の導電層10とに交流電源11が電気的に接続されていて、基板1、2間に交流電場を印加できるように構成されている。この交流電源11は数V程度、例えば3〜7V程度の電圧を印加できれば良く、周波数を数10〜数100kHz程度に調整できるものが好ましい。
前記基板1、2の間には水溶液などの流体が満たされている。なお、図面では略しているが基板1,2の周辺部分には基板1、2の間隙を封止する封止部材が設けられていて基板1、2間に満たされた流体を封止している。基板1、2間に封入されている水溶液は、例えば、非イオン性界面活性剤として知られているTritonX−100(アルドリッチ社製商品名)の0.1質量%水溶液などを例示することができる。この水溶液は一例であってその他の流体、例えば、純水、細胞培養液、緩衝溶液などであっても良い。
次に、図1の構成のマイクロマシンAについて、駆動原理を説明する。
図2は駆動原理の説明図であり、図1の基板1、2を上下逆にして示している。交流電源1から電場調整層9と導電層10に交流を通電すると、基板1,2の間の流体には交流周波数に合わせて交番電場が作用する。この状態において、集光手段7によりレーザー光6を電場調整層9の任意の位置に集光照射すると、電場調整層9においてレーザー光照射部分の導電率が向上する結果、図2に示す不均一電場aが生成する。ここで仮に、この不均一電場aの領域に樹脂製の粒子15が存在すると、この粒子15が不均一電場aの領域から脱離するように移動する。
この原理を更に詳しく説明すると、レーザー光が照射された電場調整層10においては、レーザー光の照射により導電率が向上するが、対向する側の導電層10は導電率が変化しないので、「粒子15の分極率<周辺溶媒(周辺流体)の分極率」の場合、図3に示す如く不均一電場が生じ、誘電分極によって生じた電荷に及ぼす力は、電場が強い側が大きく、電場が弱い側が小さいため、その結果として粒子は電場の弱い方へ移動する。
即ち、電場E中の電荷qはF=qE(F:力、q:電荷、E:電場)の式に従う力を生じるが、同じ電荷qで帯電していても、電場Eが大きい側で大きな力が発生し、結果として粒子は電場の弱い領域に移動することになる。即ち、負の誘電泳動力が生じて粒子15が移動する。この現象を負の誘電泳動と称する。
また、「粒子15の分極率>周辺溶媒(周辺流体)の分極率」の場合、正の誘電泳動力を生じる。
これら正負のいずれかの誘電泳動現象を利用し、図1に示すマイクロマシンAを駆動することができる。
即ち、交流電源11から電場調整層9と導電層10に交流通電するとともに、レーザー光6の集光照射位置を可動部材5の先端部5cの左右近傍(図1では先端部5cの幅方向右側)に位置するように電場調整層9に集光照射すると、このレーザー光6のスポット部分において電場調整層9の導電率が上昇するので、交流電源11から基板1,2間に印加した電場に乱れを生じ、可動部材5の先端部5cの側方側に不均一電場を生成することができる。なお、交流電場を利用するのは、直流電場とすると水溶液などの流体を電気分解することとなり、水溶液の種類によっては好ましくないためである。
この電場制御により、誘電体である樹脂製の可動部材5の先端部5cには先に図2と図3を元に説明した誘電分極に起因する泳動力が作用するので、「可動部材5の分極率<周辺流体の分極率」の場合、負の誘電泳動力が生じて図1矢印Nの方向に可動部材5の先端部5cが反発されて可動部材5は支持部材3を中心に左回り回転を始める。
この回転を更に持続させるために、可動部材5の回転方向に合わせてレーザー光6のスポット位置を可動部材5に沿って移動させることで、可動部材5の回転を永続することができる。
例えば、図4(A)に示す状態から可動部材5を右回りに連続回転させるためには図4(B)〜図4(E)に示す如く可動部材5の先端部近くにレーザー光のスポット6aが位置するようにレーザー光6を円方向に走査する円スキャンを行うことにより、即ち、可動部材5の後を追いかけるようにスポット6aの位置を円スキャンすることにより、常に可動部材5に対して誘電泳動力による回転力を付与することができ、これにより可動部材5を連続回転駆動することができる。
また、可動部材5については、連続回転駆動する場合もあれば、所定の角度のみ間欠的に方向を変更させる場合もあるので、方向変更する場合は、1度のレーザー光照射で生じる誘電泳動力で可動部材5を処置の方向に方向変更するように使用しても良い。この場合において、例えば図4(A)に示す如く可動部材5の先端部5cの左側方にレーザー光6を集光照射した場合、負の誘電泳動力を発生させると可動部材5は反発して矢印A2方向に誘電泳動力の大きさに応じた角度回転し、逆に可動部材5の先端部5cの右側方にレーザー光6を集光照射した場合、負の誘電泳動力を発生させると可動部材5は反発して矢印A1方向に誘電泳動力に応じた角度回転する。
また、可動部材5を高速回転駆動する場合は、図5に示す如く可動部材5の幅方向両側にレーザー光6のスポット6a、6bを高速で交互に照射する操作を行うことにより、可動部材5の左右交互高速駆動を行うことができる。この動作は例えば、高速で流体の流れの方向を切り替える動作などに応用することができる。
次に、可動部材5の他の例として図6に示す如く3本翼のプロペラ型の可動部材20を光造形法により支持部材3の周囲に設けた構造を採用することができる。
この構造の可動部材20を回転駆動するには、翼21の先端部21aの側方位置にレーザー光6を集光照射するようにレーザー光6の集光手段7による集光照射を行えば良い。
次に、図7に示す如く、2基の可動部材20を基板上に定間隔で形成し、各可動部材20の翼21の先端部近傍へのレーザー光6の集光照射位置を調節し、一方の各可動部材20と他方の各可動部材20とが互いに逆回りに回転するように駆動することもできる。図7の例では、左側の可動部材20を右回転駆動し、右側の各可動部材20を左回転駆動するので、左側の可動部材20の翼21においては、翼21の先端部21aに対し回転方向手前側の位置にレーザー光6のスポット6aを集光照射して負の誘電泳動力を発生させて反発移動させることで、右周り回転可能であり、右側の可動部材20の翼21においては、翼21の先端部21aに対し回転方向手前側の位置にレーザー光6のスポット6bを集光照射して負の誘電泳動力を発生させて反発移動させることで、左周り回転可能となる。
図8は本発明に係るマイクロマシンの構造を複数組み込んでなるマイクロチップの一例構造を示す。
この例のマイクロチップは、サイズが異なるマイクロポンプ30を備えたマイクロチップ31として示されている。マイクロチップ31は、例えば被覆層をガラス基板上に被覆した微小な平板構造を有する。被覆層は、所定位置に所定形態の中央流路33を形成する。被覆層及びマイクロポンプ30は、光造形法によって基板上に造形される。マイクロセパレータ36、マイクロピンセット37及びマイクロバルブ38が、流路33の所定位置に配置される。これらのマイクロマシンも又、被覆層及びマイクロポンプ30とともに、光造形法によって流路33内に造形されている。
平面視長方形状のマイクロチップ31の一側端部(一方の短辺側)に、流路33の流入端33a、33b、33c、33dが形成され、他側端(他方の短辺側)に流出端33eが形成され、流入端33a、33b、33c、33dはマイクロチップ31の内部において1つの中央流路33に一体化されている。この中央流路33の他側は、流出端33eと密閉端部33fとに分岐されている。
マイクロセパレータ36は、中央流路33から流出端33eの分岐部分に形成され、支軸36aを中心に回動する可動弁体36bを備える。マイクロピンセット37は、密閉端33fに設けられ、左右一対の支軸37a及び可動把持部37bから構成され、左右の可動把持部37bは、支軸37aを中心に回動自在に構成されている。マイクロバルブ38は、流入端33aが中央流路33に接続する部分に形成され、支軸38aを中心に回動する可動弁体38bを備える。流路33、マイクロセパレータ36、マイクロピンセット37、マイクロバルブ38及びマイクロポンプ30は、図示略の分析装置に給送すべき流体を制御する流体回路を構成する。
また、本実施形態のマイクロチップ31にあっては、流入端33aから中央流路33に至る流路の途中にもマイクロポンプ39が設けられ、流入端33dから中央流路33に至る流路の途中にもマイクロポンプ39が設けられている。また、流入端33bの内部にはバイオフィルタ40が設置され、流出端33eの流路内に円柱を複数整列形成したナノピラー42が配置されている。
マイクロポンプ30の一形態は、図8に示す如く星形の回転体でも良いが、図9に示す如く、流路の一部側壁45を長円形状に膨出させて形成したポンプ室46の内部に離間して対になる支持軸47を形成し、これらの支持軸47に軸支されるように平面視ひょうたん型の回転体48を備えてなる構成のマイクロポンプ30Aとされていても良い。
この形態のマイクロポンプ30Aの回転体48は、集光手段7によって集光照射されるレーザー光6によって先に説明したマイクロマシンと同様に光誘起性誘電駆動することができる。回転体48が平面視長円形状のポンプ室46の内部において互い違いに回転することにより図9の矢印49に示す方向に送液力を得ることができる。
中央流路33に設けたマイクロポンプ30あるいはマイクロポンプ30Aの送液力により、中央流路33の流体を付勢する。マイクロセパレータ36及びマイクロバルブ38は、レーザー光によって光誘起性誘電駆動され、流路33の流体の流れを制御する。マイクロピンセット37は、レーザー光によって光誘起性誘電駆動され、中央流路33内の浮遊物質等を可動把持部37b、37bによって把持することができる。
このように構成されたマイクロチップ31によれば、マイクロポンプ30あるいはマイクロポンプ30Aの回転体をレーザー光6によって回転させることにより、流入端33a〜33d側から中央流路33側への連続流が形成される。マイクロチップ31は、外付けシリンジポンプ等の外部機器に依存することなく、流体を分析装置に給送することができる。
従って、外部機器(外付けシリンジポンプ等)とマイクロチップ31との接続工程を省略し、外部機器接続に伴う液漏れや、気泡混入等の問題を回避することができる。
このようなマイクロチップ31を使用した化学合成分析プロセスにおいては、試料又は試薬等を微量化し、分析プロセスに要するコストを低減するとともに、外部機器接続の手間をなくし、作業の効率化を図ることができる。
また、上記構成のマイクロチップ31は、レーザー光6によって各マイクロマシンを遠隔駆動することができることから、ピエゾデバイスや静電アクチュエータ等の高価且つ精密な機器の使用や、これに伴う配線等を要しない。従って、このようなマイクロチップ31の構成は、実用的に極めて有利な特長を有する。
図10は本発明に係るマイクロマシンをシングルディスク型のマイクロポンプに適用した一実施形態を示すもので、この形態のマイクロポンプPは、平面視U字形に構成した外壁部50の内部に仕切壁51を設けてU字形の流路52が構成され、外壁部50の奥部中央にリング状のローター55が配置され、ローター55の内側に3本の円柱状のトラップポイント56が配置されて構成されている。
この実施形態のマイクロポンプPは3本のトラップポイント56の位置毎に順次レーザー光6を順序に繰り返し集光照射することで、ローター55を光誘起性誘電駆動により回転駆動することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
また、上記実施形態では、マイクロチップ上のマイクロデバイス、流路及びポンプハウジング等の全構成要素を光重合性樹脂の光造形法によって成形しているが、射出成形法で成形した樹脂成形体の流路や、ガラスチップに形成した流路等の如く、他の素材で流路及びポンプハウジングを形成しても良い。この場合、光重合性樹脂原料が流路内に注入され、回転体及び固定軸等の構成要素が流路内に光造形される。
「実施例1」
レーザー光によって発生する光誘起性誘電駆動力を測定するため、波長633nmのHe−Neレーザーを用い、レーザーパワー1mWにおいて集光手段として20倍、NA=0.4の対物レンズを用いてレーザービームを集光照射できるように構成した。一方のガラス基板の一面に厚さ1μmのa−Si層を形成し、他方のガラス基板に厚さ
1μmのITOの透明導電層を形成した対になるガラス基板を用意し、a−Si層と透明導電層を対向させてガラス基板間のギャップ30μmとして両者を対向させ、両ガラス基板間に溶媒を充填するとともにガラス基板を封止材により封止してセルを組み立てた。溶媒は、0.1質量%TritonX−100(アルドリッチ社製商品名)の水溶液(導電率0.013S/cm)を用いた。また、セルを封止する際、その内部に直径10μmのポリスチレンの球状微粒子を投入した。
図2に示す如くa−Si層を形成した基板を下にしてセルを水平配置した状態において、交流電源から、電圧5Vrms、周波数100kHzの交流通電を行うとともに、上述のHe−Neレーザーをポリスチレンの球状微粒子の近傍に集光照射し、その際に生じる光誘起性誘電駆動力によるポリスチレンの球状微粒子の移動距離と時間の関係を図11に示す。なお、この測定結果には、高さ方向の距離は含んでいない。
図11に示す結果から明らかなように、ポリスチレンの球状微粒子について25μmの距離を0.4秒程度で移動させる駆動力を発生させることができた。これは、従来の光ピンセット技術において必要とされる1Wのレーザーパワーの1000分の一程度のレーザーパワーであり、極めて小さい出力のレーザー光により微細な樹脂製の粒子に光誘起性誘電駆動力を作用させることができた。
次に、図12に上述の試験の際の速度(Velocity)と時間の関係を示し、図13に加速度(Acceleration)と時間(Time)の関係を示し、図14に発生力(Force)と時間の関係を示す。なお、発生力については、溶媒におけるストークス流れを仮定し、FDEP=ma+6πμRUの計算式から概算した。なお、これらの測定結果には、高さ方向の距離は含んでいない。
この計算式において、mはポリスチレン微粒子の質量(=5.5×10−13kg)、aは加速度(m/sec)、μは粘度(ここでは100.2×10−5Pa・sec)、Rは半径(ここでは粒子直径10μmなので5×10−6m)、Uは速度(m/sec)を意味する。
これらの結果から、速度、加速度、発生力ともに、レーザー光の照射から0.1秒程度以内の時間で発生しており、このことから光誘起性誘電駆動力を微粒子に対し高速で印加することができることが判明した。このことから光誘起性誘電駆動力を利用して微粒子を高速に駆動できることも判明した。
次に、前述の試験に引き続き、発生力のレーザーパワー(Laser Power)依存性を試験した。上述のセルとレーザー光及び交流電源を用い、レーザーパワーのみを0.1mW、0.5mW、1mW、5mW、10mWに変更して発生力を測定した結果を図15に示し、実際に微粒子が移動した距離を併記した。
また、レーザーパワーを1mWに固定し、交流電源から印加する電圧の変動(2V、4V、6V)による発生力を求め、その結果を図16に示し、実際に粒子が移動した距離を併記した。
これらの結果から、本測定範囲では、発生力と移動距離は相関関係があり、レーザーパワーの大きさに発生力、移動距離が比例すること、印加電圧(即ち、印加する電場強度)の大きさに発生力、移動距離が比例することを確認できた。
このことから、本発明構造を採用することで、樹脂製の誘電体からなる可動部材をレーザー光により駆動することができ、その場合に、0.1〜10mW程度のレーザーパワーにより、印加電圧2〜6V程度の電圧印加により微細粒子を駆動できることが明らかになった。また、ここでは数10pNオーダーの発生力が得られたことが分かるので、マイクロマシンの駆動力として充分な発生力を得ることができた。
次に、レーザーパワーを0.8mW、電圧を7Vrmsとした場合に交流電源からセルに印加する電圧の周波数を0.5kHz〜100kHzまで変更した場合の移動距離(Movement distance)の測定結果を図17に示す。
この結果から、周波数が10kHzの場合に移動量が最大値になることが判明した。また、図17に示す結果から周波数として、20μm以上の移動距離を得るためには、1kHz以上、100kHz以下の範囲を選択することが望ましいと思われる。
次に、レーザーパワーを0.8mW、周波数を50kHzとした場合に交流電源からセルに印加する電圧を1〜7Vrmsまで変更した場合の移動距離(Movement distance)の測定結果を図18に示す。
この結果から、電圧が3Vrmsの場合に移動量が最大値になることが判明した。また、図18に示す結果から電圧として、20μm以上の移動距離を得るためには、2.5〜7Vrmsの電圧を選択することが望ましいと思われる。なお、電圧は大きい方が駆動力が増大するが、大きな電圧とする程消費電力が増大するし、流体に対する負担も大きく、バイオチップなどの応用面から見ても流体内の生体に負荷が増加することとなる。
次に、交流電源からの印加電圧7Vrms、周波数を10kHzとした場合にレーザーパワーの大小による移動距離(Movement distance)の測定結果を図19に示す。
この結果から、本測定範囲ではレーザーパワーが大きくなる程、比例して移動量も大きくなることが判明した。
「試験例2」
次に、ガラス基板上のITO層の上に、光硬化性樹脂液を溶液の状態で形成し、フェムト秒パルスレーザー光を集光し、焦点近傍の樹脂を選択的に硬化させる2光子マイクロ光利用の光造形法により平面視涙滴型のカム状のマイクロアームを形成した。このマイクロアームの軸孔径を10μm、アーム全長は30μmとして図4に示す形状の可動部材と支持部材を形成することができた。
そのカム状のマイクロアームのSEM写真を図22に示す。
次に、このマイクロアームに対し、波長633nmのHe−Neレーザーを用い、レーザーパワー0.8mWにして集光手段として20倍、NA=0.4の対物レンズを用いてレーザービームを集光照射し、印加電圧4.5Vrms、周波数100kHzにてマイクロアームを移動させた状態を図23(A)と図23(B)に示す。光誘起性誘電駆動力を利用してマイクロアームの向きを変更できたことが分かる。
次に、図24(A)、(B)、(C)に示す如く、6枚の風車状の翼を有するマイクロギアに対し、出力16mWの波長377nmの半導体レーザーを用いて翼の近傍に集光照射してマイクロギアを右回りに回転することができた。
次に、図6に示す3本翼のマイクロアームを回転駆動する試験を行った。He−Neレーザーを用いて1mWのレーザーパワーで電圧5Vrms、周波数100kHzにおいて試験したところ、回転数13rpmの回転速度を得ることができた。
次に、図22に示すマイクロアームを高速回転駆動する試験を行ったところ、He−Neレーザーを用いて20mWのレーザーパワーで電圧3Vrms、周波数100kHzにおいて試験したところ、回転数60rpmの回転速度を得ることができた。
これらのような回転速度は、わずか数十mWのレーザー強度のレーザーを用いた場合、従来の光放射圧を利用した光ピンセット技術を用いた駆動力では達成できない回転速度であり、本発明の優位性を示す。
本発明は、マイクロギアやマイクロアームなどの駆動を低出力のレーザー光により駆動制御することができ、バイオチップ向けのマイクロ流体制御素子、細胞操作用マイクロツール用のなどの各種のマイクロマシンを高性能かつ低コストで提供できる。
a…不均一電場、1、2…ガラス基板、3…支持部材(支持軸)、5…可動部材(マイクロアーム)、6…レーザー光、7…集光部材(レンズ部材)、8…光源、9…電場調整層(光導電性領域)、10…透明導電膜、11…交流電源、15…粒子、20…可動部材、21…翼、30…マイクロポンプ、31…マイクロチップ、33…中央流路、36…マイクロセパレータ、37…マイクロピンセット、38…マイクロバルブ、39…マイクロポンプ、47…支持軸、48…回転体、P…マイクロポンプ、50…外壁部、51…仕切壁、52…流路、55…ローター、56…トラップポイント。

Claims (9)

  1. 光誘起性誘電駆動によって誘電体からなる可動部材を操作するマイクロマシンであって、前記可動部材が支持部材により移動自在により支持される構造を有するとともに、操作するべき可動部材を囲む流体を保持するために構成された面と、前記流体に囲まれた可動部材に電場を印加する手段と、受けた光の近傍における、前記受けた光の局所電場への変換のために構成された、前記面上の少なくとも1つの光伝導性領域と、この光伝導性領域を介し流体内の可動部材近傍に光を集光照射し、誘起された局所電場に応じて、前記可動部材に生じる不均一誘電分極力による推進力を生じさせる光源を備えたことを特徴とするマイクロマシン。
  2. 前記可動部材を囲む面が少なくとも2つ対向配置され、各面に形成された電極が電源に接続されて前記可動部材の周囲に電場を印加できるように構成されてなることを特徴とする請求項1に記載のマイクロマシン。
  3. 前記可動部材を囲む面の少なくとも1つに形成される光導電性領域として光照射により導電率が変化する電場調整層が設けられてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマイクロマシン。
  4. 前記支持部材が前記可動部材を囲む面の少なくとも1つの面に形成された固定型の軸であり、前記可動部材が前記軸を中心に回転するアーム又は翼であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロマシン。
  5. 前記光源がレーザー光の発光光源とレーザー光を集光するレンズ部材とを具備してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロマシン。
  6. 前記電源が交流電源であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のマイクロマシン。
  7. 光誘起性誘電駆動によって誘電体からなる微小の可動部材を駆動する方法であって、支持部材により移動自在により支持された可動部材に対し、操作するべき可動部材を囲む流体を保持するために構成された面を介して前記流体に囲まれた可動部材に電場を印加し、受けた光の近傍における、前記受けた光の局所電場への変換のために構成された、前記面上の少なくとも1つの光伝導性領域を用い、この光伝導性領域を介して流体内の可動部材近傍に光を集光照射し、誘起された局所電場に応じて、前記可動部材に生じる不均一誘電分極力による推進力を生じさせて前記可動部材を駆動することを特徴とする微小可動部材の駆動方法。
  8. 前記可動部材を囲む面を少なくとも2つ対向配置し、各面に形成された電極に電源を接続して前記可動部材の周囲に電場を印加することを特徴とする請求項7に記載の微小可動部材の駆動方法。
  9. 前記可動部材を囲む面の少なくとも1つに光導電性領域として光照射により導電率が変化する電場調整層を設け、この電場調整層にレーザー光を照射して不均一電場を生成することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の微小可動部材の駆動方法。
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