JP5359348B2 - 高純度乳酸の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高純度乳酸の製造方法に関する。
乳酸は分子間でエステルを形成し、乳酸の2量体を初めとする多量体を形成する傾向が高く、特に水分が少ない条件下では顕著である。また固体の乳酸は非常に吸湿しやすいことから、乳酸は一般に水溶液として取り扱われている。乳酸の従来技術に従う工業的な高純度精製フローは複雑で、高コストである。
乳酸は発酵生産可能であることはよく知られている。発酵による乳酸の生産は、一般に、まず発酵段階で、炭水化物を含有する基質、例えばグルコース、スクロース、またはでんぷんなどを適切な微生物で乳酸に変化させる。L体乳酸を産出する公知微生物は、乳酸桿菌属のいろいろな細菌、その他かびなどが知られており、最近では遺伝子組換えした酵母などによる生産法も知られている。それらとは別に、また、D体乳酸を選択的に産出する微生物も知られている。次に、その発酵産物の水溶液を精製処理することで乳酸を得る。通常の工業的精製法は、一般に、生物由来の残さを除去した後に酸性化、精製および濃縮を行うことから成る。
そのようにして得た乳酸は食品に添加するに充分な純度を有する。しかしながら、そのような製品は残存糖類および他の不純物を含有する。その上、そのような製品の色は黄色であり、それを加熱すると不純物が反応・分解し褐色または黒色にさえ変化する。従って、そのような乳酸は食品用途には適するが、薬剤用途、キラリティーを持つ化合物の合成、高分子量のポリ乳酸の合成で用いるには全く適さない。
乳酸の純度および光学純度を向上させる方法としては、発酵により得られた乳酸を乳酸アンモニウムにした後、アルコールエステル化して蒸留精製し、それを加水分解することにより、高純度に乳酸を精製することができる(特許文献1)。しかしながら、このようなエステル化/加水分解を用いたプロセスはコスト的に高いことから工業上の実用性が小さく、かつそのように得られた乳酸はエステル化で用いたアルコールを少量含有する。
他の乳酸精製方法としては、晶析を行う方法が知られている(特許文献2)。晶析の最大の利点は、有機化合物を融解させる時のエンタルピーが蒸留などで乳酸を蒸発させる時のエンタルピーよりも一般に低いことから必要なエネルギーが少ない点にある。更に、晶析を蒸留と比較した時の別の利点は、この過程を一般にずっと低い温度で実施することができる点にあり、このことは、有機化合物が熱に不安定な時に有利である。
しかしながら、乳酸の晶析による精製は、特許文献2のように蒸留で留出した直後の乳酸では効率よく実施できるが、一般に工業用に市販されている80重量%から90重量%の乳酸水溶液をそのまま濃縮して乳酸の結晶化を試みても容易に結晶化をさせることは困難であった。
特許第3502419号公報 特表2002−540090号公報
そこで、通常の乳酸水溶液から蒸留などの操作を必要とせず、晶析による乳酸の高純度化、高光学純度化が可能となれば、低コストに高純度、高光学純度の乳酸を工業的に精製することができ、乳酸製造に要する製造コストを低減することが期待される。
したがって、本発明は、高純度、高光学純度乳酸を製造する際に、乳酸水溶液から蒸留など他の精製操作を特に必要とせずとも乳酸を晶析法により精製する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、乳酸水溶液を水分30重量%以上の条件で加水分解し、それを水分10重量%以下に濃縮し、乳酸の単量体比率の高い状態で晶析することにより、蒸留などの操作を特に必要とせず、乳酸の晶析による高純度、高光学純度化することに成功し、その知見に基づき乳酸を晶析精製して、高純度乳酸を製造する方法を確立し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、(a)乳酸多量体を含み、かつ水分含量30重量%以上の原料乳酸水溶液に含まれる乳酸多量体を100℃を超える温度で加熱処理することにより加水分解して乳酸単量体とすることで、総乳酸に占める乳酸単量体比率を高める工程、(b)晶析により乳酸結晶を得る工程を含むことを特徴とする高純度乳酸の製造方法である。
本発明によれば、以下に説明するとおり、通常の乳酸水溶液から蒸留などの操作を必要とせず、晶析による乳酸の高純度化、高光学純度化が可能となり、低コストに高純度、高光学純度の乳酸を製造することが可能となる。
以下、本発明の実施形態の例を説明する。
本発明は、高純度乳酸を製造する方法に関する。
本発明で用いられる乳酸は、いかなる乳酸でもよく、具体的には化学的に合成されたもの、微生物などの発酵により得られるものがあげられる。ただし、乳酸にはD体、L体の光学異性体が存在し、化学的に合成されたものはD体、L体の光学異性体の混合物となることが知られている。好ましくは光学純度の高い発酵で得られた乳酸である。
本発明で使用される乳酸の光学純度としてはいかなる光学純度のものでも好適に高純度化することができる。ただし、D体とL体の混合物は、それぞれ光学純度の高いものに比べて、融点が低下することが知られているため、光学純度の比較的高い乳酸に適用するのが望ましい。好ましくはL体、D体ともに光学純度が80%ee以上の乳酸であり、そのような乳酸は、発酵法により好適に取得できる。ここで光学純度(%ee)は以下の式で表す。
光学純度(%ee)=[(目的物質濃度−光学異性体濃度)/(目的物質濃度+光学異性体濃度)]×100
(上記式中、L体乳酸が主要成分の場合、目的物質がL体乳酸、光学異性体がD体乳酸を意味し、D体乳酸が主要成分の場合、目的物質がD体乳酸、光学異性体がL体乳酸を意味する。)
また用いられる原料乳酸の純度については、どのような純度の乳酸を用いてもよく、含まれる不純物の種類および/または量を本発明の方法により減少させることが可能である。本発明は、各種の用途に対して不適格な乳酸を高純度に精製することを課題とすることから、それぞれの用途に対して不的確な程度に不純物を含有する乳酸が好適に用いられる。しかしながら高純度の乳酸を得るには、ある程度精製された乳酸を原料に用いるのが好適である。好ましくは原料乳酸中に含まれる有機酸としてよく知られる2−ヒドロキシ酪酸、酢酸、蟻酸の含有重量を非水成分の重量で除した比率の総和が0.05以下、さらに好ましくは0.01以下の乳酸が原料として用いられる。
また不純物の存在は各種のクロマトグラフィーや加熱試験での着色により認識することが可能であり、本発明の効果により、逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により不純物に由来する各ピークの面積を減少させ、180℃、2時間の加熱試験によりみられる着色を減少させることが可能である。
乳酸は水溶液として扱われることが多く、総乳酸濃度として20重量%から90重量%の範囲で市販されることが多い。乳酸は分子内に水酸基とカルボキシル基を有しており、容易に乳酸分子間でエステルを形成し多量体化する。水溶液中での単量体乳酸と多量体(主に2量体)相互の変換は平衡反応であり、それらの平衡時の存在比率は水分濃度により規定される。水分80重量%を越えるとほぼ全量が単量体として存在しうるが、水分50重量%以下になると多量体の比率が増加し始め、水分20重量%以下では総乳酸の25%以上が多量体を形成する。
本発明では乳酸多量体を含むものであればいかなる水分濃度の乳酸でも原料乳酸として好適に使用することが可能であり、この原料乳酸に必要に応じて水を添加することで、その水分含量30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上の原料乳酸水溶液とし、これに含まれる乳酸多量体を加水分解して、乳酸単量体とすることにより非水成分に占める乳酸単量体比率を高め、好ましくは84重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上とすることで晶析効率を向上することを特徴とする。
本発明において非水成分とは乳酸を含むサンプルの全体成分から水分を除いた総乳酸と総不純物の総和であり、総乳酸とはすべての乳酸および乳酸に由来する多量体の総和である。それぞれ濃度は重量%で表す。乳酸中の不純物は生物由来の多種多様な成分からなるため、すべての定量は極めて困難である。しかしながら市販乳酸の多くでは不純物の総和は1%にも満たないため、この場合には総乳酸濃度は非水成分濃度にほぼ一致し、全体から水の重量濃度を減じたものとなる。そこで本発明において原料乳酸として市販乳酸を使用する場合には、100重量%から水の重量濃度を減じたものを総乳酸濃度、さらにそこから単量体乳酸濃度を減じたものを多量体乳酸濃度として算出する。
乳酸単量体の濃度は様々な測定法により測定されうることが知られているが、一般に高速液体クロマトグラフィーにより測定されることが多く、好ましくは(株)島津製作所製の有機酸分析システム、すなわちイオン排除クロマトカラム(Shim−pack SCR−102H)を用いて移動相(5mmol/L p−トルエンスルホン酸水溶液)で分離後、ポストカラムでpH緩衝剤(5mmol/L p−トルエンスルホン酸、100μmol/L EDTA、20mmol/L Bis−tris水溶液)を混合し電気電導度検出器(polarity:+)で検出し、そのピーク面積から標準品の検量線を用いて定量する方法が用いられる。
水分の測定法としてはカールフィッシャー型水分測定器などにより好適に測定可能である。例えば、平沼産業(株)製の微量水分測定装置(AQ-6)を用いて発生液をハイドラナールアクアライトRS、対極液をアクアライトCNとして水分量を測定し、測定に用いたサンプルの重量で除することにより水分含量をもとめる方法があげられる。
乳酸は上記のとおり、水分濃度によりその単量体と多量体の比率が変化する。乳酸多量体の比率が高い乳酸水溶液を晶析すると、多量体が不純物のごとく作用して乳酸単量体の結晶生成を阻害するので、本発明においては晶析を効率よく行うために、単量体の結晶生成に対して不純物である多量体を加水分解する。この加水分解の際、単量体の純度(濃度)をできるだけ高くすることが好ましい。工業的に用いられる乳酸、例えば市販の乳酸は総乳酸濃度が80重量%以上(水分20重量%以下)で取り扱われることが多く、総乳酸のうち2割以上が多量体として存在する。
そのため、本発明では、上記市販乳酸のような乳酸多量体を含む原料乳酸を晶析して精製するにあたり、この原料乳酸の水分濃度を30重量%以上、好ましくは40重量%以上に調整して原料乳酸水溶液とし、これに含まれる乳酸多量体を加水分解して単量体比率を増加させ晶析を行うことを特徴とする。この際、単量体比率は0.84以上、特に0.9以上にまで増加させることが好ましい。
この場合、水分濃度が高く、すなわち総乳酸濃度が低いほど加水分解により単量体の比率を増加させることが可能である。ただし、水分濃度が高くなりすぎると水を大量に使用し、また晶析を効率よく行える水分濃度にまで水分を除去するためのエネルギーを多く消費することになるので、単量体比率との兼ね合いにより、最適な水分濃度を決定することが望ましい。一例としては、総乳酸濃度60重量%、水分40重量%で加水分解を行うと総乳酸の約90重量%を単量体に変換させることが可能であり、晶析効率も良好である。また、これよりも水分量を高めると、単量体への変換率を容易に増加させることができる。したがって、水分濃度は、通常30重量%以上とされるが、40重量%以上が好ましい。上限としては、80重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましい。
また加水分解反応速度は温度依存性があることが知られており、高温であるほど短時間で加水分解が完了する。このため、水分濃度を調製した後、高温で処理することが望ましい。実験的には総乳酸濃度60重量%、水分40重量%の原料乳酸水溶液を用いた場合を例にとると、60℃で96時間、80℃で24時間、100℃で6時間、120℃で2時間、160℃で1時間で各温度における平衡組成に達することから、高温ほど単時間の処理で済む。一般的には水の沸点を超えない60℃〜100℃程度で行われる。
本発明における加熱温度はいかなる温度でも加水分解を進行させる温度であれば実施可能であるが、加熱時間が長いと工業的プロセス、とりわけ連続プロセスとして扱いづらいことから、100℃超、さらには102℃以上での処理が好ましい。上限温度としても特に制限はないが、エネルギー消費量を抑え、また加熱による着色を可能な限り抑制するために、160℃、好ましくは130℃程度とするのが望ましい。加水分解を行う時間は平衡まで達するのに十分な時間で行えばよく、水分濃度によっても異なるが、例えば1〜24時間が好ましく、さらには2〜6時間が好ましい。
晶析による乳酸の精製法としては特に制限はなく、通常用いられる方法で行うことができる。すなわち、加水分解した乳酸溶液を調製し適当な晶析用容器にいれ、温度の下降または溶液の濃縮により過飽和状態とし、結晶を生成せしめる。その際、結晶の生成を促進させるために種結晶を添加したり、攪拌することができる。温度下降方法としてはさまざまな方法が可能であり、高温から温度プログラムにより温度下降制御する方法、自然な温度下降を利用する方法などが挙げられる。温度下降のパターンにより、結晶中に巻き込まれる不純物の量が影響されることがあるので、結晶中の不純物含量が最小化されるように、適宜検討により最適な方法を選択する。溶液の濃縮には晶析を減圧下で行う方法などがあげられる。
結晶の生成後、温度をさらに降下させることで結晶の生成量を増加させることができる。この際も結晶の生成量が増えるに従い、結晶中への不純物の巻き込みが増加することが懸念される。そのため結晶化を終了し、母液から分離する温度は前もって検討し、結晶の回収率を最大化し、結晶中の不純物含量を最小化できる温度を求めておくことが望ましい。ここで、母液とは晶析操作後の結晶を含むスラリー液から結晶を除いた液体成分のことを表す。
生成した結晶と母液の分離にあたってはいかなる方法を用いることも可能である。結晶を沈降させたあと上澄みを除去する方法、濾過する方法、遠心分離する方法、洗浄用カラムを用いた方法のうち1つ、またはそのような技術の2つ以上の組み合わせである。
また分離した結晶には一定量の母液が含まれることから洗浄を行う方が望ましい。洗浄液としてはあらゆる水溶液、溶媒が好適に用いられるが、水など乳酸をよく溶かす溶媒を用いると洗浄効果は高いものの、乳酸までもが溶出してしまい回収率を低下させることとなる。乳酸結晶の表面のみを洗浄するためには、乳酸を溶解しない貧溶媒を用いることが望ましい。このような貧溶媒としては高純度乳酸の高濃度溶液、例えば市販高純度品または本発明により得られた精製乳酸の水溶液を80〜100重量%の総乳酸濃度で好ましく用いることができる。
このように得られた乳酸結晶はほぼ単量体の乳酸からなり、不純物の含有量が当初に比べ減少し、また光学純度が向上する。この結晶はさらに水に溶解するなどして各種用途に用いることができる。
乳酸を晶析するにあたっては、加水分解に用いた水を含有する溶媒を用いる。好適には水が用いられる。水溶液から乳酸を結晶化させる場合、水に対する乳酸の溶解度が極めて高いことから加水分解後の原料乳酸水溶液中の水分濃度を濃縮により低くすることが好ましく、これを晶析原料とする。濃縮法としては蒸発による方法、膜を用いる方法、モレキュラーシーブを用いる方法などいかなる方法を用いてもよい。その際、乳酸が重合を起こさないように温度をあまり高くしない条件が望ましい。従って、特に蒸発による濃縮の場合には、減圧下で実施する。好ましくは、温度0〜60℃以下、圧力100hPa以下で行う。
濃縮後の晶析原料の水分濃度としては、室温付近で結晶を生じさせるには水分濃度を10重量%以下にすることが通常である。水分が少ないほど結晶はより高い温度で生じやすく、水分が高いほどより低い温度にまで冷却する必要がある。水分濃度が高いと結晶化後の母液量が大きくなり、結晶中に残存する母液由来の不純物濃度を低くすることが可能であるが、結晶の回収率が低くなる。一方、水分濃度が低ければ、結晶の回収率は向上するが、結晶中の母液由来不純物の量が多くなる。好ましくは水分濃度2重量%から6重量%で結晶を析出させる。
また晶析を行う際の乳酸の単量体比率としてはより高いほうが結晶生成温度が高く、結果的に結晶生成量が大きくなることが本発明により明らかとなった。乳酸単量体の結晶化する際、分子構造の異なる乳酸多量体は乳酸の結晶として含まれることはできず、むしろ不純物として影響し結晶生成温度の低下、それに伴う結晶生成量の低下を引き起こす。よって、本発明では乳酸多量体の加水分解によりできる限り乳酸単量体の比率を増加することが好ましい。
また乳酸の光学的異性体も不純物として影響するので、同様に少ないほうが望ましく、光学純度として80%ee以上であることが好ましい。
またその他の不純物についても、結晶生成温度の低下、それに伴う結晶生成量の低下を引き起こすため可能なかぎり濃度が低いほうが好ましい。晶析原料中の非水性分中の乳酸単量体比率として、84%重量以上、好ましくは90重量%以上が好適である。
このようにして得られた乳酸結晶は、薬剤用途、キラリティーを持つ化合物の合成、ポリ乳酸、乳酸の共重合体の重合原料などに好適に利用可能であり、特にポリ乳酸、乳酸の共重合体の重合原料として好適である。
乳酸の品質評価法としては、光学純度、不純物含量の両面からの評価が用いられる。
光学純度の評価法としては、市販のキラルカラムを用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析する方法が好適に用いられる。分析結果よりL体乳酸の含量、D体乳酸の含量を求め、上述の式より光学純度を算出する。
乳酸の光学純度は、特にポリ乳酸を製造する場合にそのポリマーの融点、結晶化温度に重要であることが知られており、光学純度が高いほど、融点の高いポリマーを得ることができる。
不純物の分析法としては、既知の不純物であればその物質独自の検出法を用いる。発酵由来乳酸中の不純物としては、酢酸、蟻酸、2−ヒドロキシ酪酸などの有機酸、グルコースなどの糖類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、その他種々の生体由来成分や、精製操作中、特に加熱などにより生じた成分があげられる。生体に由来する不純物は微量かつ極めて他種類に及ぶことから、その完全な把握は極めて困難である。これら未知の不純物成分の分析については、ガスクロマトグラフィー(GC)、HPLCなどによりピークとして検出することで、量的な動態を捕捉することが可能である。GC分析ではいかなる分析法を用いることも可能であるが、特に有機物を検出する方法、キャピラリーカラムにより分離した後、FID検出による方法などが好適に用いられる。
またHPLC分析についてもいかなる方法を用いることも可能であるが、逆相カラムを用いてサンプルを分画し、その紫外、可視光吸収を測定することで好適に検出可能である。検出波長についてもいかなる紫外、可視光での吸収を用いてもよいが、好適には紫外領域での吸収、具体的には210nm、283nmなどが好適に用いられる。
本発明ではこのように紫外吸収で検出された不純物の各ピーク面積について乳酸単量体ピークの面積に対する比(対乳酸存在比)で比較したとき、精製前の晶析原料乳酸中に対し、精製後の結晶乳酸中では50%以上の除去率を得ることが可能である。また乳酸中に不純物として含まれる物質として5−ヒドロキシメチルフルフラール、2−ヒドロキシ酪酸が知られており、それぞれ着色原因、ポリ乳酸重合時の重合阻害因子として問題となっている。本発明の方法では、これらの不純物について50%以上の除去率で精製することが可能である。
また不純物を直接検出する方法以外に、不純物に由来する品質を評価する方法として、サンプルの着色を評価する方法があげられる。不純物を多く含む生体由来の乳酸は黄〜褐色に着色していることが多いが、このような乳酸では上述のような工業用途には不適な場合が多い。また無色の乳酸であっても、180℃での加熱試験によって着色する乳酸は、着色しない乳酸に比べてより多くの不純物を含有している。工業用途、例えばポリ乳酸の重合には、このような加熱試験でも無色である乳酸が好ましい。そして本発明の方法を用いて乳酸を精製することにより、このような加熱試験において無色である高純度乳酸が得られる。
加熱試験の方法としては、いかなる方法での加熱でも試験可能であるが、好ましくは180℃で加熱しても水分の蒸発など加熱以外の作用が働かないことが好ましい。好適には、加熱容器の上部に還流管を装着する方法、加圧容器で密封して加熱する方法があげられる。また加熱時間としては、2時間で行われることが多いが、より微妙な差を検出するにはさらに長時間、例えば4時間の加熱時間も採用される。また加熱時の乳酸濃度としては、着色程度への濃度濃淡の影響を避けるために一定濃度での比較が望ましい。特に微妙な着色をも観察するために、総乳酸濃度として90重量%に揃えて加熱および着色度合いの検出を行う。
着色度合いの検出法としては、いかなる方法を用いてもよいが、サンプルの透過率を測定する方法が好適に用いられる。その場合、測定に用いる光の波長としては、黄色〜褐色域の波長であればいかなる波長でも利用可能である。好適には390nmの波長が利用可能である。測定の際にはサンプルを光が透過する光路長を一定にして測定する。波長390nmで乳酸サンプルの透過率を測定した場合、目視で着色していると判断される乳酸サンプルの透過率は90%以下であった。
本発明においては上記精製により得られた高純度乳酸をそのまま最終製品として用い得るものであるが、所望により別の精製に供し、さらに高純度化することも差し支えない。更なる精製の方法としては、再度上記の方法により晶析して高純度化することも可能であり、また蒸留、活性炭処理などその他の精製法による高純度化も可能である。
特に蒸留により高純度化することが好ましく、微量に残存するヒドロキシメチルフルフラール、2−ヒドロキシ酪酸などの不純物をさらに除去することが可能である。
蒸留する際の条件としては、圧力が100hPa以下、特に1から40hPaの範囲であり、温度は80から180℃、特に100から130℃の範囲で好ましく行われる。このような条件下での蒸留の結果として乳酸を蒸気成分として得ることができる。蒸留を一般に知られる精製段数を持った精留装置を付帯した蒸留装置で適当な還流比で運転することにより、低沸の不純物および高沸の不純物との分離が達成される。
また蒸留を精製段数のない単蒸留装置を用いて行うこともできる。この場合、乳酸は蒸発産物として得られ、その際高沸点の不純物や着色成分、乳酸の多量体は釜残留物として除去される。単蒸留装置としては短路蒸留装置などが好適に用いられる。
また晶析の過程で除かれた母液、洗浄液中に残存する乳酸および乳酸多量体を回収し、前工程へと還流することで、工程全体の収率を向上させることができる。この場合、除去された不純物をすべて前工程に還流することを避ける目的で、上記母液、洗浄液を晶析、蒸留などの精製操作を加えて精製することが有効である。この場合、必要に応じて本発明における(a)工程と同様の加水分解を行い、乳酸の多量体を単量体へと変換する。このようにして得られた精製物は最終製品とするか、または晶析などの精製原料へとリサイクルして再利用することが好適に実施可能である。
(実施例1)乳酸多量体濃度の晶析への影響
本実施例では、乳酸多量体濃度を変えた原料乳酸水溶液を晶析し、その影響を評価した。
市販乳酸(水分含量10重量%、総乳酸濃度90%)を等重量の蒸留水と混合した原料乳酸水溶液(水分含量55重量%)を用い、120℃、4時間加熱処理を行うことで乳酸多量体の加水分解を行った。水分を10hPa、40℃で減圧蒸発させ、3重量%にまで濃縮したところ、その組成は乳酸単量体92重量%、乳酸多量体5%であった。これを実施例Aで用いる原料乳酸水溶液サンプルとした。
一方、上記市販乳酸を直接減圧蒸発し、水分3%まで濃縮したところ、組成は乳酸単量体70重量%、乳酸多量体27重量%であった。これを比較例の原料乳酸水溶液サンプルとした。
上記2例のサンプルを等量ずつ混合し、乳酸単量体濃度などが中間となるモデル原料乳酸水溶液サンプル(乳酸単量体81重量%、乳酸多量体16重量%、水分3重量%;実施例B)を調製した。
合計3種類の乳酸濃縮サンプルについて以下の晶析試験を行った。
上記の乳酸濃縮サンプル各60gを40℃に保温し、乳酸種結晶0.3gを加えた。その後、1分に0.1℃の割合でサンプル温度を降下させ、結晶の成長を観察した。その結果、実施例A(乳酸多量体5重量%)のサンプルでは37℃で結晶が成長を開始し、実施例B(乳酸多量体16%)のサンプルでは30℃で結晶が成長を開始したが、比較例(乳酸多量体27重量%)のサンプルでは25℃まで冷却しても結晶の成長はみられなかった(表1)。また実施例AおよびBにおいて、結晶生成後さらに28℃まで冷却し、減圧濾過瓶を用いて濾紙(東洋濾紙(株)製、5C)により固液分離したところ、それぞれ42.1g、12.8gの結晶が得られ、晶析回収率はそれぞれ68.5%、21.3%であった。
この結果より、乳酸の単量体比率として0.84以上(乳酸多量体16重量%)、すなわち非水成分にしめる単量体乳酸の濃度が84重量%以上のとき、冷却に大きなエネルギーを使うことなく晶析が実施可能であり、回収率などを勘案すると乳酸の単量体比率がそれより高いとき好適に実施可能であると結論された。
Figure 0005359348
この結果から、乳酸単量体を効率よく晶析するには、非水成分に占める乳酸単量体比率を84重量%以上にすることが望ましいと結論された。
(実施例2)晶析による高純度化、高光学純度化
実施例1と同じ市販乳酸(原料乳酸:組成を表2に示す)を等重量の蒸留水と混合し原料乳酸水溶液とした。
Figure 0005359348
原料乳酸水溶液を120℃、4時間加熱処理後、水分を10hPa、40℃で減圧蒸発させ3.4重量%にまで濃縮した(晶析原料)。68gの晶析原料を40℃に保温し、種結晶0.3gを加えて1分に0.1℃の割合でサンプル温度を降下させた。結晶生成後、温度32℃まで冷却したところで減圧濾過瓶を用いて濾紙(東洋濾紙(株)製、5C)により固液分離したところ、母液12g、結晶53gを得た。
この結晶を水に溶解し、分析に供した。比較のため、晶析原料、母液についても同様に分析を行った。組成分析結果を表3に、HPLCによる不純物分析により検出された乳酸、乳酸多量体以外の各不純物のピーク面積を乳酸単量体のピーク面積で除した対乳酸存在比の結果をそのサンプル注入後の溶出時間とともに表4に、加熱試験結果を表5に示す。
単量体乳酸および2−ヒドロキシ酪産、酢酸、蟻酸の定量では、(株)島津製作所製の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による有機酸分析システム、すなわちイオン排除クロマトカラム(Shim−pack SCR−102H)を用いて移動相(5mmol/L p−トルエンスルホン酸水溶液)で分離後、ポストカラムでpH緩衝剤(5mmol/L p−トルエンスルホン酸、100μmol/L EDTA、20mmol/L Bis−tris水溶液)を混合し電気電導度検出器(polarity:+)で検出する方法を用いた。得られたピーク面積を標準品由来の検量線により定量し、算出した。
水分の定量では、平沼産業(株)製の微量水分測定装置(AQ−6)を用いて発生液をハイドラナールアクアライトRS、対極液をアクアライトCNとして水分量を測定し、測定したサンプルの重量で除することにより水分含量をもとめた。
光学純度測定では、HPLCを用いて、カラムをChiralPak(MA+)(ダイセル化学工業社製)とし、移動相として2mM硫酸銅水溶液(含0.5%アセトニトリル)による溶出でL−乳酸とD−乳酸を分離、UV236nmで検出、定量し、上記の光学純度の算出式より求めた。
不純物解析では、サンプルをHPLCにより(株)資生堂製の逆相クロマトカラム(90203)を用いて0.1%リン酸水溶液/アセトニトリルのグラジエント(5%アセトニトリル→50%アセトニトリル、8分間)で溶出し、紫外吸収波長210nmを測定した。ヒドロキシメチルフルフラールの定量では標準品を用いて、本法により求めた。
加熱試験では総乳酸濃度を90重量%に調製したサンプルをガラスインサート付きの耐圧容器(オートクレーブ)内に挿入し、180℃で2〜4時間加熱した後の透過率を吸光光度計で測定した。
Figure 0005359348
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得られた結晶(53g)中の総乳酸は51.9gであり、晶析原料(68g)中の総乳酸66.0gに対して回収率は79%であった。不純物として既知の2−ヒドロキシ酪酸(2HBA)、5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の濃度はそれぞれ晶析原料中に含まれていた含量の32%、24%にまで減少した。乳酸単量体の光学純度は原料中が98.8%eeに対して、結晶中では100%eeにまで上昇することができた。
不純物のHPLC解析では紫外(UV)吸収波長210nmにおいて乳酸および不純物6種類を検出し精製前後の比較では、すべての不純物が50%以下にまで減少できることがわかった。
また加熱試験の結果、原料乳酸では180℃、2時間以上の加熱により390nmの透過率が90%未満となり明らかな着色がみられたのに対し、結晶化した乳酸では180℃、4時間の加熱後も390nmの透過率は90%以上であり無色のままであった。
(参考例1)加水分解時の平衡組成
実施例1で用いた市販乳酸に異なった重量比で水分を混合し、120℃、8時間加熱処理し平衡に達したときの乳酸単量体、多量体、水分の組成比を調べた。その結果を表6に示す。
Figure 0005359348
乳酸に水分含量が30重量%以上となるように水を添加することにより、実施例1で判明した晶析実施可能な非水成分中の乳酸単量体濃度である84重量%以上にまで加水分解でき、水分含量40重量%以上とすることで乳酸単量体濃度90重量%以上とできることがわかった。
本発明は、通常の乳酸水溶液から蒸留などの操作を経ることなく、晶析による乳酸の高純度化、高光学純度化を可能とするものであり、低コストで高純度、高光学純度の乳酸を工業的に製造することで、乳酸製造に要する製造コストを低減できる。

Claims (10)

  1. (a)乳酸多量体を含み、かつ水分含量30重量%以上の原料乳酸水溶液に含まれる乳酸多量体を100℃を超える温度で加熱処理することにより加水分解して乳酸単量体とすることで、総乳酸に占める乳酸単量体比率を高める工程、(b)晶析により乳酸結晶を得る工程を含むことを特徴とする高純度乳酸の製造方法。
  2. 原料乳酸水溶液が、原料乳酸に含有する水分濃度を30重量%以上となるよう水を添加して調製されたものであることを特徴とする請求項1に記載の高純度乳酸の製造方法。
  3. (a)工程後の非水成分中の乳酸単量体比率が84重量%以上であることを特徴とする請求項1または2項に記載の高純度乳酸の製造方法。
  4. 原料乳酸または原料乳酸水溶液中の非水成分重量に対する2−ヒドロキシ酪酸、酢酸、蟻酸の各重量の比率を総和した値が0.05を越えないことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の高純度乳酸の製造方法。
  5. 原料乳酸中の乳酸の光学純度が80%ee以上であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の高純度乳酸の製造方法。
  6. 原料乳酸中のL体乳酸の光学純度が80%ee以上であることを特徴とする請求項記載の高純度乳酸の製造方法。
  7. (b)工程により得られた乳酸結晶をさらに追加の精製工程に供することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の高純度乳酸の製造方法。
  8. 追加の精製工程が晶析、活性炭処理、蒸留から選択される1つ以上の工程を含むことを特徴とする請求項に記載の高純度乳酸の製造方法。
  9. 得られた母液を他の精製工程に供した後、再び晶析工程(b)の上流に循環させることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の高純度乳酸の製造方法。
  10. 他の精製工程が蒸留であることを特徴とする請求項に記載の高純度乳酸の製造方法。
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