JP5359091B2 - 含フッ素エラストマーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、含フッ素エラストマーの製造方法に関する。
含フッ素エラストマーの乳化重合において、パーフルオロ脂肪酸及びその誘導体が乳化剤として広く使用されており、なかでも、パーフルオロオクタン酸アンモニウム(C15COONH)が最もよく使用されている。パーフルオロオクタン酸アンモニウムは、優れた乳化重合性を示すものの、高価であり、凝析時に生成ポリマー中に残存し易く、そのために加硫用ゴム組成物の加硫時間が遅くなったり、得られる加硫物の特性が劣ったりするため、乾燥の前に充分な洗浄工程が必要であった。
特許文献1には、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの代替乳化剤として、C13CHCHSOMが記載されているが、メチレン基の連鎖移動反応に起因すると思われるポリマーの変化が見られるため、その使用には制限があった。
特許文献2には、CF(CFCOO(NHを用いてテトラフルオロエチレン/プロピレン共重合体ラテックスを得ることが記載されているが、ビニリデンフルオライドを含む含フッ素エラストマーを得ることについては記載されていない。
引用文献3には、ヘキサフルオロプロピレンとビニリデンフルオライドとの乳化重合に使用する乳化剤として、パーフルオロヘキサン酸のカリウム又はナトリウム塩が記載されているが、実施例では使用されておらず、問題点も明確になっていない。
特表2004−509993号公報 特開2006−321797号公報 英国特許第823974号明細書
本発明の目的は、上記現状に鑑み、低価であり、生成ポリマー中に残存しにくい乳化剤を使用して含フッ素エラストマーを製造する方法を提供することにある。
本発明は、C11COOM(式中、MはH、NH又はアルカリ金属を表す。)で表される乳化剤の存在下に、ビニリデンフルオライドと上記ビニリデンフルオライド以外の含フッ素オレフィンモノマーとを乳化重合により共重合させることを特徴とする含フッ素エラストマーの製造方法である。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の製造方法は、C11COOM(式中、MはH、NH又はアルカリ金属を表す。)で表される乳化剤の存在下に乳化重合を行い、含フッ素エラストマーを製造するものである。上記乳化剤は、水溶性が高く凝析工程で水相へ溶解しやすいため、生成含フッ素エラストマー中に残留しにくい。従って、本発明の製造方法は、乳化剤の残留濃度が低く加硫が容易な含フッ素エラストマーを得ることができる。
11COOMで表される乳化剤は、上記のような利点を有する反面、乳化能が必ずしも充分とはいえないため、含フッ素樹脂や含フッ素エラストマーの乳化重合に使用する乳化剤としては必ずしも好ましくなかった。具体的には乳化重合においてその重合速度に大きな影響を与える乳化液中の乳化粒子数を増大させることが効果的にできないことである。例えば特許文献2に示されているテトラフルオロエチレン/プロピレン共重合体を重合する場合には重合時間が非常に長くなるという問題が見られた。しかし、本発明の特定の含フッ素エラストマーの乳化重合においては、C11COOMで表される乳化剤を使用しても乳化重合を円滑に行うことができる。
11COOMで表される乳化剤は、水溶性が非常に高く、水に対して50質量%以上溶解させることが可能であるが、パーフルオロオクタン酸アンモニウムは、水に対して20質量%以上溶解させることができない。また、凝析時に生成すると考えられる金属塩自身の水溶性もパーフルオロオクタン酸アンモニウムと比較すると高いのが特徴である。
上記乳化剤は、水性媒体の100〜5000ppmに相当する量を添加することが好ましい。上記乳化剤が水性媒体の100ppmに相当する量よりも少ないと、重合初期でのポリマー粒子の発生数が極端に少なくなり反応の進行が遅くなるため、生産効率が悪くなることがあり、また、エマルションの安定化効果が得られない場合がある。上記乳化剤が水性媒体の5000ppmに相当する量よりも多くても、重合速度は大きくならず、そればかりか後処理工程における洗浄が困難になる場合がある。本発明の製造方法においては上記乳化剤を比較的多量に使用するが、上記乳化剤は水溶性が高いので、生成含フッ素エラストマー中から除去することが容易であり、再利用することも容易である。上記乳化剤は、好ましくは500ppm以上、4000ppm以下である。
本発明の製造方法は、上記乳化剤の存在下、ビニリデンフルオライド〔VdF〕とVdF以外の含フッ素オレフィンモノマーとを共重合させることにより、含フッ素エラストマーを製造するものである。
VdF以外の含フッ素オレフィンモノマーとしては、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、ヘキサフルオロプロピレン〔HEP〕、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、フッ化ビニル〔VF〕、等が挙げられ、さらにヨウ素や臭素、ニトリル基など含フッ素エラストマーの架橋反応に用いるキュアサイトを含有するモノマーも挙げられる。
VdF以外の含フッ素オレフィンモノマーとしては、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、ヘキサフルオロプロピレン〔HEP〕、及び、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕よりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーであることが好ましい。上記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)が好ましい。
本発明の製造方法は、更に、炭化水素オレフィンを共重合モノマーとして共重合させるものであってもよい。上記炭化水素オレフィンとしては、特に限定されないが、例えばエチレン、プロペン〔Pr〕等が挙げられるが、プロペンが好ましい。
上記含フッ素エラストマーとしては、例えば、VdF/HFP共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、VdF/TFE/CTFE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/TFE/Pr共重合体等が挙げられる。
上記含フッ素エラストマーにおいて、VdF単位は、全単量体単位の10〜80質量%であることがより好ましい。本明細書において、VdF単位は、含フッ素エラストマーの分子構造上の一部分であって、VdFに由来する部分であり、−(CH−CF)−で表されるものを意味し、全単量体単位とは、含フッ素エラストマーの分子構造における全ての単量体に由来する部分を意味する。上記VdF単位の含有量は、F19−NMRを測定して得られる。
本発明における乳化重合は、乳化剤のほか、各種添加剤の存在下に水性媒体中で行うことができる。上記添加剤としては、連鎖移動剤、重合開始剤、緩衝剤等が挙げられる。上記水性媒体は、脱イオンされた高純度の純水であることが好ましい。
上記乳化重合を連鎖移動剤の存在下で行うと、得られる含フッ素エラストマーの分子量と分子量分布とを調整することができる。上記連鎖移動剤としては、炭素数1〜6の飽和炭化水素、炭素数3〜5のケトン、炭素数10〜12のメルカプタン、酢酸エチル、マロン酸ジエチル等のエステル等が挙げられ、なかでも、炭素数1〜6の飽和炭化水素が好ましく、例えば、メタン、エタン、プロパン、イソペンタン等が挙げられる。また、後述の含ヨウ素化合物、含臭素化合物も挙げられる。
上記重合開始剤としては、水溶性ラジカル重合開始剤が挙げられる。上記水溶性ラジカル重合開始剤としては、開始末端に−COOH基を発生させるものが好ましく、水溶性無機化合物又は水溶性有機化合物のパーオキシド、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩やビスコハク酸パーオキシド、ビスグルタル酸パーオキシドが一般的であり、これらは単独又は二種以上を組み合わせて用いることができる。開始末端に−COOH基を発生させると、得られた含フッ素エラストマーが自己乳化性を有するものとなることにより、ラテックスの安定性がより改善される点で好ましい。
低温域の重合ではレドックス系の開始剤を用いることが好ましい。更に、ラテックスの安定性を損なわない範囲で、水不溶性の有機過酸化物やアゾ化合物の何れか又は両方を、単独又は水溶性無機化合物若しくは水溶性有機化合物のパーオキシドとともに使用することもできる。
上記重合開始剤の添加量は、得られる含フッ素エラストマーの組成、収量、重合温度や重合圧力等に応じて適宜設定することができるが、得られる含フッ素エラストマー100質量部に対し0.01〜0.5質量部の量で添加することが好ましく、0.03〜0.4質量部の量で添加することがより好ましい。
上記乳化重合は、回分操作、半回分操作及び連続操作の何れの操作にて行うものであってもよいが、半回分操作にて行うことが好ましい。
上記乳化重合において、上記含フッ素モノマー、重合開始剤、連鎖移動剤等は、重合反応の間、所望の含フッ素エラストマーの組成や収量に応じ、適宜追加することができる。
上記乳化重合は、一般に、10〜120℃の範囲の温度に維持して行う。上記温度が10℃未満である場合、工業スケールにおいて有効な大きさの反応速度にすることができず、120℃を超える場合、重合反応を維持する為に必要な反応圧力が高くなり、反応を維持することができなくなる。
上記乳化重合は、一般に、0.5〜10MPaの範囲の圧力に維持して行う。上記圧力は、好ましい下限が0.7MPaであり、好ましい上限が6.2MPaである。上記圧力が0.5MPa未満である場合、重合反応系におけるモノマー濃度が低くなり過ぎて、満足する反応速度にすることができず、重合の完了までに長時間を要する。また、得られる含フッ素エラストマー分子の分子量が充分大きくならないことがある。上記圧力が10MPaを超える場合、圧力を維持する装置にコストがかかる。
上記乳化重合を半回分操作で行う場合、所望の重合圧力は、初期供給時のモノマーガスの量を調整することにより重合初期に達成することができ、反応開始後は、モノマーガスの追加供給量を調整することにより圧力を調整する。上記重合を連続操作で行う場合、重合圧力は、得られる含フッ素エラストマー水性分散液の流出管の背圧を調整することにより調整する。上記重合は、一般に、24〜300時間程度行う。
本発明の製造方法は、過硫酸塩を用いて乳化重合を行う工程(A)、及び、前記工程(A)の後、有機パーオキサイドを用いて乳化重合を行う工程(B)を含むものであることが好ましい。上記工程(A)及び工程(B)を含むものであると、得られる含フッ素エラストマーの加硫性及び加硫物の特性を向上することができる。
本発明の製造方法は、C11COOM(式中、MはH、NH又はアルカリ金属を表す。)で表される乳化剤の存在下に乳化重合を行うものであるので、重合により乳化液中に生成するポリマー粒子数がパーフルオロオクタン酸アンモニウムに比べて少ない傾向がある。重合の初期段階である工程(A)において過硫酸塩を使用すると、過硫酸塩由来の−COOH末端がポリマー粒子を安定化させる。このため、過硫酸塩は多量に使用することが好ましく、上記乳化剤の存在下でも多数のポリマー粒子を生成することができる。
工程(A)では、生成するポリマー粒子の個数を1×1012個(水性媒体1ccあたりの個数)以上とすることが好ましく、1×1013〜1×1016個とすることがより好ましく、1×1014〜1×1015個とすることが更に好ましい。工程(A)におけるポリマー粒子の個数の調節は、乳化剤及び過硫酸塩の使用量のほか、撹拌速度の制御、モノマー濃度などによって行うことができる。工程(A)で製造するポリマー粒子の平均粒径は、30〜300nmであることが好ましく、40〜200nmであることより好ましい。300nmよりも大きくなると工程(B)の後に得られる乳濁液の平均粒径が大きくなりすぎて乳化液の安定性が悪くなり、重合槽へのポリマー付着が増大するなどの問題が起こりうる。30nmより小さくなると工程(B)において粒子が不安定となるおそれがある。
更に、工程(A)に引き続き、有機パーオキサイドを用いて乳化重合を行う工程(B)を行うことにより、過硫酸塩に起因するポリマー末端の−COOH基の量を低減することができ、得られる含フッ素エラストマーの加硫時の特性や加硫成形品の物性を向上させることができる。
上記有機パーオキサイドとしては、油溶性の過酸化物が好ましく、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジsec−ブチルパーオキシジカーボネートなどのジアルキルパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレートなどのパーオキシエステル類、ジt−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類などが、また、ジ(ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロ−テトラデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロ−ヘキサデカフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(パーフルバレリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−ヘキサフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−デカフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−テトラデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル−ω−ハイドロヘキサデカフルオロノナノイル−パーオキサイド、ω−クロロ−ヘキサフルオロブチリル−ω−クロ−デカフルオロヘキサノイル−パーオキサイド、ω−ハイドロドデカフルオロヘプタノイル−パーフルオロプチリル−パーオキサイド、ジ(ジクロロペンタフルオロブタノイル)パーオキサイド、ジ(トリクロロオクタフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(テトラクロロウンデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(ペンタクロロテトラデカフルオロデカノイル)パーオキサイド、ジ(ウンデカクロロドトリアコンタフルオロドコサノイル)パーオキサイド等のジ[パーフロロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類などが挙げられる。
本発明の製造方法は、水溶性ラジカル重合開始剤を用いて重合を行う乳化工程(A)、及び、上記工程(A)の後、ヨウ素化合物又は臭素化合物の存在下に乳化重合を行う工程(C)を含むものであってもよい。
本発明の製造方法は、工程(A)に引き続き、ヨウ素化合物又は臭素化合物の存在下に乳化重合を行う工程(C)を含むものであると、得られる含フッ素エラストマーが高活性のヨウ素原子又は臭素原子をポリマー末端に有するものとなり、その加硫時の特性や加硫成形品の物性を向上させることができる。
上記ヨウ素化合物または臭素化合物としては、一般式:
R(I)x(Br)y
(式中、Rは炭素数1〜16の飽和もしくは不飽和の2価のフルオロ炭化水素基または2価のクロロフルオロ炭化水素基または炭素数1〜3の飽和もしくは不飽和の2価の炭化水素基であり、x及びyは0、1又は2であり、x+y=2である。)で表わされる化合物を用いることができる。たとえば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカンおよび1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロパン、CFBr、BrCFCFBr、CFCFBrCFBr、CFClBr、BrCFCFClBr、CFBrClCFClBr、BrCFCFCFBr、BrCFCFBrOCF、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブタン、2−ブロモ−3−ヨードパーフルオロブタン、3−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、2−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、ベンゼンの各種置換位置のモノヨードモノブロモ置換体、ジヨードモノブロモ置換体、モノヨードジブロモ置換体、(2−ヨードエチル)および(2−ブロモエチル)置換体である。これらの化合物は単独で使用してもよく、相互に組み合わせて使用することもできる。なかでも、重合反応性、架橋反応性、入手の容易さなどから、1,4−ジヨードパーフルオロブタンが好ましい。ヨウ素化合物又は臭素化合物の添加量は、含フッ素モノマー全質量に対して0.01〜1質量%であることが好ましい。
工程(C)において使用するラジカル重合開始剤は、上述の水溶性ラジカル重合開始剤が挙げられ、過硫酸アンモニウム(APS)が好ましい。
本発明の製造方法により得られる含フッ素エラストマーは、上記重合から得られるものであれば何れの形態にあってもよく、重合上がりの水性分散液であってもよいし、上記重合上がりの水性分散液から従来公知の方法で凝析、乾燥等することにより得られるガム(gum)又はクラム(crumb)として使用することもできる。本発明の製造法で用いる乳化剤は乳化液の安定性を向上させることが可能であり、上記のように重合途中で有機パーオキサイドのような開始剤、ヨウ素または臭素化合物のような連鎖移動剤など難水溶性物質を添加する重合方法においてより好ましく使用される。
上記ガム(gum)は、含フッ素エラストマーからなる粒状の小さな塊であり、上記クラム(crumb)とは、含フッ素エラストマーが、室温でガムとして小粒状の形を保つことができず互いに融着した結果、不定形な塊状の形態となったものである。
上記含フッ素エラストマーは、硬化剤、充填剤等を加え、含フッ素エラストマー組成物に加工することができる。
上記硬化剤としては、ポリオール、ポリアミン、有機過酸化物、有機スズ、ビス(アミノフェノール)テトラアミン、又は、ビス(チオアミノフェノール)等が挙げられる。
上記含フッ素エラストマー組成物は、上述の含フッ素エラストマーからなるものであるので、乳化剤を実質的に含有せず、成形加工時に架橋し易い点で優れている。
上記含フッ素エラストマーを用いて成形加工することにより含フッ素エラストマー成形体を得ることができる。上記成形加工する方法としては、特に限定されず、上述の硬化剤を用いて行う公知の方法が挙げられる。
上記含フッ素エラストマー成形体は、シール、ガスケット、電線被覆、ホース、チューブ、積層体等として好適であり、特に半導体製造装置用部品、自動車部品等に好適である。
本発明の製造方法は、安定に重合を完結させることが可能で、さらに乳化剤の残留量が少ない含フッ素エラストマーを製造することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特に断りの無い限り「質量部」及び「質量%亅をそれぞれ意味する。
(1)水性分散液中の固形分含有量(P%)
水性分散液(Xg)を150℃にて3時間加熱した加熱残分(Zg)に基づき、式:P=Z/X×100(%)にて決定した。
(2)乾燥後のポリマー中の乳化剤含有量の測定
フッ素ゴムサンプルをアセトンに溶解し、脱イオン水中に滴下、析出した固形分を除去した。得られた溶液を80℃で濃縮、放冷したものを液体クロマトグラフ(LC)測定に供した。装置は下記の通りである。
装置:ウォーターズ社製アライアンス2695型セパレーションモジュール
検出器:ウォーターズ社製2487型UV検出計
カラム:東ソー社製TSKgel ODS−120T 4.6mm径×150mm長
実施例1
内容積6LのSUS製重合槽に純水3273m1を入れ、C11COONH50%水溶液、16.4g(固形分;対水2500ppm)を入れ、真空窒素置換した後、80℃にて、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、及び、ヘキサフルオロプロピレンからなるモノマー組成が44/16/40モル%の混合モノマーを1.52MPaとなるように圧入し、280rpmで撹拌しながらイソペンタン0.14m1、過硫酸アンモニウム0.51gを純水4mlに溶解させたものを入れ、重合を開始させた。
圧力が1.42MPaまで下がったところで、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、及び、ヘキサフルオロプロピレンの58/20/22モル%の混合モノマーで1.52MPaまで昇圧した。このことを繰り返し、仕込んだモノマーの重さが1210gとなったところでモノマーの供給を停止し、重合槽内のガスモノマーをブローし、冷却して、内容物を取り出した。回収された分散液は4483gで、白色であった。
重合時間は7.6h、固形分含有量は26.0wt%であった。また、撹拌翼などに付着していたポリマーは0.2g(濡れた状態)であった。分散液を硫酸アルミニウム溶液で凝析させ、洗浄せずに乾燥させた後、ポリマー中のC11COONH含有量を測定すると185ppmであった。
実施例2
内容積6LのSUS製重合槽に純水3273m1を入れ、C11COONH50%水溶液13.1g(固形分:対水2000ppm)を入れ、真空窒素置換した後、80℃にて、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの70/30モル%の混合ガスで1.52MPaとし、280rpmで撹拌しながらイソペンタン0.1ml、過硫酸アンモニウム0.86gを純水4mlに溶解させたものを入れ、重合を開始させた。
圧力が1.42MPaまで下がったところで、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの78/22モル%の混合ガスで1.52MPaまで昇圧した。これを、繰り返し混合モノマーを572g追加した時点で温度を60℃に下げ、圧力が1.03MPaになった時点でジイソプロピルパーオキシジカーボネートをHCFCFCHOHに40wt%で溶解させたもの28.7gを窒素で圧入した。圧力が0.92MPaまで下がったところで、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンの78/22モル%の混合ガスで1.03MPaまで昇圧することを繰り返し、仕込んだモノマーの重さが1430gとなったところでモノマーの供給を停止し、重合槽内のガスモノマーをブローし、冷却して、内容物を取り出した。回収された分散液は5297gで、白色であった。
重合時間は4.6h、固形分含有量は26.9wt%であった。また、撹拌翼などに付着していたポリマーは7g(濡れた状態)であった。分散液を硫酸アルミニウム溶液で凝析させ、洗浄せずに乾燥させた後、ポリマー中のC11COONH含有量を測定すると110ppmであった。
比較例1
11COONH50%水溶液をC15COONH20%水溶液16.35g(固形分:対水1000ppm)にする以外は実施例1と同様に行い、重合槽内のガスモノマーをブローし、冷却して、内容物を取り出した。回収された分散液は4502gで、白色であった。
重合時間は7.2h、固形分含有量は26.1wt%であった。また、撹拌翼などに付着していたポリマーは0.1g(濡れた状態)であった.分散液を硫酸アルミニウム溶液で凝析させ、洗浄せずに乾燥させた後、ポリマー中のC15COONH含有量を測定すると339ppmであった。
比較例2
11COONH50%水溶液をC15COONH20%水溶液16.35g(固形分:対水1000ppm)にする以外は実施例2と同様に行い、重合槽内のガスモノマーをブローし、冷却して、内容物を取り出した。回収された分散液は5321gで、白色であった。
重合時間は4.7h、固形分含有量は26.1wt%であった。また、撹拌翼などに付着していたポリマーは1.1g(濡れた状態)であった。分散液を硫酸アルミニウム溶液で凝析させ、洗浄せずに乾燥させた後、ポリマー中のC15COONH含有量を測定すると791ppmであった。
本発明の製造方法は、シール、電線被覆、チューブ、積層体等に好適である含フッ素エラストマーの製造に利用可能である。

Claims (2)

  1. 11COOM(式中、MはH、NH又はアルカリ金属を表す。)で表される乳化剤の存在下に、ビニリデンフルオライドと前記ビニリデンフルオライド以外の含フッ素オレフィンモノマーとを乳化重合により共重合させるものであり、
    乳化剤は、水性媒体の500〜5000ppmに相当する量を添加するものであり、
    水溶性ラジカル重合開始剤を用いて乳化重合を行う工程(A)、及び、前記工程(A)の後、油溶性有機パーオキサイドを用いて乳化重合を行う工程(B)を含む
    ことを特徴とする含フッ素エラストマーの製造方法。
  2. ビニリデンフルオライド以外の含フッ素オレフィンモノマーは、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及び、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)よりなる群から選択される少なくとも一種のモノマーである請求項1記載の含フッ素エラストマーの製造方法。
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