JP5358534B2 - 行動経路推定方法及びプログラム - Google Patents
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Description
第1の方法は、hをカーネルの広がりを定めるガウス分布の標準偏差とするとき、上記確率密度分布p(xd)を、
このようにすると、位置データに含まれる座標値の誤差の大きさに応じてガウス分布の標準偏差を大きくすることができ、これにより位置データの誤差を考慮して確率密度分布p(xd)を算出することが可能となる。
このようにすると、ユーザの移動方向の標準偏差がユーザの移動方向と直交する方向の標準偏差に対し大きく設定される。したがって、各観測点xi が確率密度分布に与える影響がどの方向についても一定であると仮定せずに、過去にユーザが移動していた方向を利用して、確率密度分布に与える影響の向きを変化させることが可能となる。
一般に、記憶された位置データ集合に、ユーザがある場所に長時間滞留したときのデータが含まれていると、カーネル密度分布によって推定される確率密度分布のスコアがその場所でのみ極端に大きくなり、スコアに偏りが生じる。そこで、上記したように隣接する2点間の距離がしきい値以下となる点の位置データを事前に削除しておくことで、上記したようなスコアの偏りを防止することが可能となる。
このようにすると、小領域ごとのスコアを考慮した最適経路を、ダイクストラ法によって効率よく求めることが可能となる。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる行動経路推定装置を備えたシステムを示す図である。このシステムは、ユーザが所持する複数の携帯端末MS1〜MSnと行動経路推定装置SVとの間を通信ネットワークNWを介して接続し、携帯端末MS1〜MSnの位置データを行動経路推定装置SVに収集可能としたものである。
すなわち、行動経路推定装置SVは、送受信ユニット1と、制御ユニット2と、記憶ユニット3とを備えている。送受信ユニット1は、制御ユニット2の制御の下で通信ネットワークNWとの間で情報の送受信を行う。
位置データ記憶部31は、上記携帯端末MS1〜MSnから取得した過去の一定期間分の位置データzi を位置データ集合Z={z1,z2,…,zN}として記憶するために用いられる。図3はこの位置データ記憶部31に記憶される位置データ集合の一例を示すもので、個々の位置データは先に述べたように計測IDiと、経度xi と、緯度yi と、計測時刻ti とからなる4つの要素で表される。
(1)位置データの収集
制御ユニット2は、位置データ収集処理部21の制御の下で、先ずステップS1により各携帯端末MS1〜MSnに対しそれぞれ異なるタイミングで定期的に位置データの送信要求を送信し、この要求に対し各携帯端末MS1〜MSnから送信される位置データを送受信ユニット1で受信する。そして、この受信された位置データをステップS2で制御ユニット2に取り込み、この取り込んだ位置データをステップS3により位置データ記憶部31に記憶させる。各位置データzi は、計測IDをi とするとき、この計測IDi と、経度xi と、緯度yi と、計測時刻ti とから構成される。このとき位置データZi は、zi =(xi,yi,ti)と表される。
なお、一般にGPS受信機は測位時に水平方向の誤差(Horizontal Dilution of Precision;HDOP)を得ることができ、この誤差も位置データに付加される。この場合位置データzi は、zi =(xi,yi,ωi,ti)と表される。ωiは誤差の半径を示す。
以下、xi,yiの組について、二次元ベクトルxiを用いてxi=(xi,yi)とも書く。
(2)補間対象データの特定
制御ユニット2は、続いてスコア算出処理部22の制御の下で、補間対象データを特定する処理を行う。すなわち、ステップS4において、補間の対象となる2つの座標x(s) ,x(e) を特定する。この座標値はユーザが手動で入力してもよいし、スコア算出処理部22が蓄積された位置データ集合Zの中から選択してもよい。このとき、x(s) を補間処理の始点、x(e) を補間処理の終点とそれぞれ定義し、この2点間の軌跡を求める処理を補間処理と定義する。この特定された補間処理の始点x(s) 及び補間処理の終点x(e) を表す情報は、記憶ユニット3内の制御データ一時記憶部(図示せず)に保存される。
制御ユニット2は、次にステップS4により、スコア算出処理部22の制御の下で位置スコアの算出処理を以下のように実行する。図5はその処理手順と処理内容の概要を示すフローチャートである。
以後、iがNになるまで上記ステップS24〜ステップS28の処理を繰り返す。そして、すべてのiについての処理が終了すると、上記ステップS26において最終的に得られたZ′出力して処理を終了する。
上記スコア計算が終了すると、制御ユニット2はステップS6に移行してここで経路計算処理部23を起動し、この経路計算処理部23の制御の下で、以下のようにスコアが最小となる経路の探索処理を実行する。
先ずステップS31において、始点x(s) を含む小領域を探し、この小領域をsとする。次にステップS32において、スコアをl(s)=0,v∈V(G)\sであるvについて、l(v)=∞とする。なお、v∈V(G)\sは、「要素sを除く集合V(G)」に含まれる要素vを意味する。また、V(G)の部分集合Rを≠0に初期化する。
制御ユニット2は、上記ステップS6によるスコア最小経路計算が終了すると、次にステップS7に移行して補間経路出力部24を起動し、この補間経路出力部24の制御の下で補間経路を表す情報を出力する。例えば、上記経路計算処理部23により計算された補間経路を表す情報をもとに、地図上に最適行動経路を表示した経路案内情報を作成する。そして、この作成された経路案内情報を、送受信ユニット1から該当する携帯端末MS1〜MSnへ向けて送信させる。
このようにすると、ユーザが特定の場所に長時間滞留した場合に、当該場所の位置データが間引きして、スコアの偏りを防止することが可能となる。
したがって、小領域ごとにスコアを算出する方法を採用しているにもかかわらず、ダイクストラ法をそのまま適用して最適経路を探索することが可能となる。
この発明の第2の実施形態は、スコアを算出しさらに最適経路を算出する際に、最初は経路探索範囲を比較的大きいサイズの小領域に分割してスコア計算と補間経路の探索処理を行い、以後小領域のサイズを段階的に小さくしながらスコア計算と補間経路の探索処理を繰り返し行うことにより補間経路を表す小領域を絞り込むようにしたものである。
図12はこの発明の第2の実施形態に係わる行動経路推定装置による行動経路推定処理の手順と処理内容を示すフローチャートである。なお、同図において前記図4と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
そこで、第2の実施形態のように小領域のサイズを最初は大きなサイズ(第1のサイズ)に設定して補間経路の候補を求め、以後探索経路範囲を限定しかつ小領域のサイズを段階的に小さくしながら補間経路の候補を探索することによって、比較的少ない計算量で精細な補間経路を求めることが可能となる。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では例えばWebサーバにより構成される行動経路推定装置SVにおいてユーザの行動経路を推定するようにした。しかし、それに限定されるものではなく、携帯端末MS1〜MSnに行動経路推定処理機能を持たせるようにしてもよい。
その他、行動経路推定装置の構成、行動経路推定処理の手順と処理内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
Claims (8)
- ユーザが所持する携帯端末から当該ユーザの位置データを受信し、この受信された位置データの集合を記憶媒体に記憶する過程と、
地図情報を反映した二次元空間上において、補間対象となる区間の始点と終点を含む経路探索範囲を複数の小領域に分割する過程と、
前記記憶媒体に記憶された位置データの集合に基づいて、前記分割された小領域ごとに当該小領域を前記ユーザが通過する確率を表すスコアを算出する過程と、
前記算出されたスコアに基づいて、前記補間対象区間の始点と終点との間の最適経路を算出する過程と
を具備し、
前記スコアを算出する過程は、前記位置データ集合をZ、前記小領域dの集合をD、小領域の中心座標をxd 、xd の確率密度分布をp(xd)としたとき、スコアscore(d)を
- 前記スコアを算出する過程は、
前記記憶媒体に記憶された位置データ集合から、隣接する2点間の距離が予め設定したしきい値以下となる点の位置データを削除し、この削除後に残った位置データの集合をもとにスコアを算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の行動経路推定方法。 - 前記最適経路を算出する過程は、
前記分割された各小領域をノードに対応付けると共にこれらのノード間をリンクで接続し、かつ前記各ノードに前記小領域ごとに算出されたスコアを反映させた重み付きグラフを作成する過程と、
前記作成された重み付きグラフに対しダイクストラ法を適用して、スコアを最小とする小領域をつないだ小領域列を算出する過程と
を備えることを特徴とする請求項1記載の行動経路推定方法。 - 前記スコアの算出過程及び最適経路の算出過程は、
前記経路探索範囲を第1のサイズからなる複数の小領域に分割し、これらの小領域に対して補間経路の候補を算出する第1の過程と、
前記第1の過程により算出された補間経路の候補に対応する小領域とその周辺領域を含む限定された経路探索範囲を前記第1のサイズより小さい第2のサイズからなる複数の小領域に分割し、これらの小領域に対し補間経路の候補を算出する第2の過程と
を備え、
前記第2の過程を、前記小領域のサイズが予め設定したサイズ以下になるまで当該小領域のサイズを段階的に減少させながら少なくとも1回実行することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の行動経路推定方法。 - 請求項1乃至7記載の行動経路推定方法が備える各過程を実現する処理を、コンピュータに実行させるプログラム。
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