JP5357537B2 - 照明装置 - Google Patents

照明装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5357537B2
JP5357537B2 JP2008334886A JP2008334886A JP5357537B2 JP 5357537 B2 JP5357537 B2 JP 5357537B2 JP 2008334886 A JP2008334886 A JP 2008334886A JP 2008334886 A JP2008334886 A JP 2008334886A JP 5357537 B2 JP5357537 B2 JP 5357537B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
diffractive optical
optical element
light emitting
emitting element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008334886A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010157422A (ja
Inventor
健一郎 田中
和幸 山江
憲明 宮永
孝治 椿本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008334886A priority Critical patent/JP5357537B2/ja
Publication of JP2010157422A publication Critical patent/JP2010157422A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5357537B2 publication Critical patent/JP5357537B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)

Description

本発明は、互いに主波長の異なる光を放射する複数種の発光素子を利用した照明装置に関するものである。
従来から、互いに主波長の異なる光を放射する複数種の発光素子として赤色光(R)を放射するLEDチップ、緑色光(G)を放射するLEDチップ、および青色光(B)を放射するLEDチップを有する発光部と、発光部から放射された光の配光を制御するガラス製の配光レンズとを備えた照明装置が提案されている。
しかしながら、この種の照明装置では、主波長の異なる光R,G,Bに対して媒質の屈折率が異なるので、図8に示すようにガラス中で同じ光路を辿った光R,G,Bでもスネルの法則に従って空気中への屈折方向が分かれてしまう。ここにおいて、ガラスと空気との界面にガラス側から光R,G,Bが同じ光路で入射する場合の入射角をθ、屈折角をθ,θ,θ、ガラスにおける光R,Bそれぞれの屈折率をn,nとすると、スネルの法則により、sinθ=nsinθの関係、並びに、sinθ=nsinθの関係が成り立ち、ガラスでは、n>nであるから、θ>θとなる。したがって、配光レンズを用いて発光部からの光を集光すると、色収差が発生し、光軸上から見た際に、図9に示すように赤色領域イと緑色領域ロと青色領域ハとの全てが重なる領域(R+G+B)と2つが重なる領域(R+G,G+B)と重ならない領域(R、G)とが存在し、色むらが見られる。
ところで、照明系の光学設計では、光線追跡法を用いた幾何学光学設計を行っているのが一般的であるが、幾何学光学設計では、屈折率が変化する界面での屈折により光の進行方向を制御することを前提としており、配光レンズの厚み寸法を大きくする必要があり、光の進行方向の制御範囲には限界がある。
これに対して、従来から、ガラス基板からなる透明基板と、当該透明基板の一表面側に形成され互いに主波長の異なる複数の発光素子部(有機EL部)とを備え、各発光素子部それぞれと透明基板との間それぞれに回折光学素子を設けることにより、各発光素子部から放射される光の指向性を高め、光取り出し効率を向上させるようにした照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−63838号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された照明装置では、主波長の異なる複数の発光素子部を備えている場合、色収差が生じて被照射面に色むらが発生するので、白色の照明用途には適していなかった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、被照射面における色むらを小さくできる照明装置を提供することにある。
請求項1の発明は、互いに主波長の異なる光を放射する複数種の発光素子を有する発光部と、前記発光部から放射された光の配光を制御する配光レンズとを備えた照明装置であって、各前記発光素子それぞれの光取り出し面に形成され回折により光の進行方向を変える第1の回折光学素子と、前記配光レンズの光入射面側と光出射面側との少なくとも一方側に設けられ回折により光の進行方向を変える第2の回折光学素子とを有し、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子とを色収差を除去する形状に形成してなることを特徴とする。
この発明によれば、各前記発光素子それぞれの光取り出し面に設けられた第1の回折光学素子と、前記配光レンズの光入射面側と光出射面側との少なくとも一方側に設けられた第2の回折光学素子とを有し、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子とを色収差を除去する形状に形成してあるので、被照射面における色むらの発生を抑制することができる。
本願の別の第1の発明は、互いに主波長の異なる光を放射する複数種の発光素子を有する発光部と、前記発光部から放射された光の配光を制御する配光レンズとを備えた照明装置であって、各前記発光素子それぞれの光取り出し面側に設けられ回折により光の進行方向を変える第1の回折光学素子と、前記配光レンズの光入射面側と光出射面側との少なくとも一方側に設けられ回折により光の進行方向を変える第2の回折光学素子とを有し、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子とを色収差を除去する形状に形成してなり、前記第1の回折光学素子は、前記発光素子の前記光取り出し面側の最表層の材料と同じ屈折率の材料により形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、各前記発光素子それぞれの光取り出し面側に設けられた第1の回折光学素子と、前記配光レンズの光入射面側と光出射面側との少なくとも一方側に設けられた第2の回折光学素子とを有し、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子とを色収差を除去する形状に形成してあるので、被照射面における色むらの発生を抑制することができる。また、この発明によれば、前記発光素子と前記第1の回折光学素子との屈折率差に起因したフレネル損失の発生を防止でき、光取り出し効率向上を図れる。
本願の別の第2の発明は、互いに主波長の異なる光を放射する複数種の発光素子を有する発光部と、前記発光部から放射された光の配光を制御する配光レンズとを備えた照明装置であって、各前記発光素子それぞれの光取り出し面側に設けられ回折により光の進行方向を変える第1の回折光学素子と、前記配光レンズの光入射面側と光出射面側との少なくとも一方側に設けられ回折により光の進行方向を変える第2の回折光学素子とを有し、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子とを色収差を除去する形状に形成してなり、前記第1の回折光学素子は、前記発光素子の前記光取り出し面側に直接形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、各前記発光素子それぞれの光取り出し面側に設けられた第1の回折光学素子と、前記配光レンズの光入射面側と光出射面側との少なくとも一方側に設けられた第2の回折光学素子とを有し、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子とを色収差を除去する形状に形成してあるので、被照射面における色むらの発生を抑制することができる。また、この発明によれば、前記第1の回折光学素子の薄型化を図れ、また、前記第1の回折光学素子を前記発光素子ごとに準備して前記発光素子に固着する必要がないので、製造工程の簡略化および低コスト化を図れる。
請求項1の発明では、被照射面における色むらを小さくできるという効果がある。
以下、本実施形態の照明装置について図1を参照しながら説明する。
本実施形態の照明装置は、互いに主波長の異なる光を放射する複数種(ここでは、3種類)の発光素子21(21a),21(21b),21(21c)を有する発光部20Aと、発光部20Aから放射された光の配光を制御する配光レンズ40とを備えている。ここにおいて、発光部20Aは、発光素子21(21a)として主波長が650nmで発光色が赤色のLEDチップ(赤色LEDチップ)を用い、発光素子21(21b)として主波長が550nmで発光色が緑色のLEDチップ(緑色LEDチップ)を用い、発光素子21(21c)として主波長が450nmで発光色が青色のLEDチップ(青色LEDチップ)を用いている。なお、発光素子21a,21b,21cは、LEDチップに限らず、有機ELチップを採用してもよい。
また、発光部20Aは、各発光素子21a,21b,21cそれぞれの光取り出し面側(ここでは、光取り出し面上)に回折(回折現象)により光の進行方向を変える第1の回折光学素子(Diffractive Optical Element:DOE)31(31a),31(31b),31(31c)が設けられている。ここで、第1の回折光学素子31は、発光素子21と略同じチップサイズであり、発光素子21側とは反対側の一面に多数の凹部32を設けることにより形成されている。また、第1の回折光学素子31の材料としては、ガラス系材料(例えば、溶融石英、硼珪酸ガラスなど)を採用している。
ここにおいて、発光部20Aの複数種の発光素子21a〜21cは、実装基板24の一表面側において横一列に等間隔で実装されており、実装基板24には、各発光素子21a〜21cへの給電用の導体パターン(図示せず)が形成されている。また、発光部20Aは、実装基板24の上記一表面側において各発光素子21a〜21cおよび各回折光学素子31a〜31cを封止した透光性封止材(例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなど)からなる凸レンズ状の封止部25を備えており、赤色光と緑色光と青色光との混色光として白色光を得ることができる。ここで、封止部25を備えていることにより、各LEDチップ21a〜21cの耐久性を高めることができるとともに、光取り出し効率を高めることができる。
また、上述の配光レンズ40は、発光部20Aを収納する凹所41を有して発光部20に光軸が一致する形で配置される。ここで、配光レンズ40は、例えば、実装基板24に対して接着剤などを用いて適宜固着してもよいし、実装基板24に適宜設けた保持枠などの保持手段により保持するようにしてもよい。なお、本実施形態では、実装基板24と発光部20AとでLEDモジュール20を構成しているが、本実施形態の照明装置を照明器具に適用する場合には、例えば、1枚の実装基板24に対して複数の発光部20Aを設けてLEDモジュール20を構成し、当該LEDモジュール20を器具本体に収納するとともに、各発光部20Aそれぞれに対応する各部位ごとに配光レンズ40を有するレンズブロックを実装基板24あるいは器具本体などに保持させるようにすればよい。
配光レンズ40は、凹所41の内底面41aと内側面41bとにより光入射面40aが構成され、凹所41の内底面41aから入射した光を当該配光レンズ40の光出射面側(図1(a)における上面側)に直接導く機能と、凹所41の内側面41bから入射した光を外側面42で反射して上記光出射面側に導く機能とを有するように形状を設計してある。ここで、配光レンズ40は、実装基板24から離れるにつれて外径が徐々に大きくなる形状に形成されており、発光部20Aの中心に光軸が一致する形では位置される。また、配光レンズ40の凹所41は、開口形状が円形状であり、凹所41の内底面41aが発光部20A側に凸となる凸曲面となっている。なお、図1(a)中の実線で示した矢印「イ」は同図中の右側の発光素子(ここでは、赤色LEDチップ)21aから放射された光の進行経路を示し、破線で示した矢印「ロ」は同図中の中央の発光素子(ここでは、緑色LEDチップ)21bから放射された光の進行経路を示し、二点鎖線で示した矢印「ハ」は同図中の左側の発光素子(ここでは、青色LEDチップ)21cから放射された光の進行経路を示している。
また、本実施形態の照明装置は、配光レンズ40の光出射面側に設けられ回折により光の進行方向を変える第2の回折光学素子50を有している。第2の回折光学素子50は、配光レンズ40の光出射面側に多数の凹部51を設けることにより配光レンズ40に直接形成されている。配光レンズ40の材料としては、例えば、ガラス、ポリカーボネイト、アクリル樹脂などを採用すればよい。
ところで、本実施形態の照明装置は、上述のように発光部20Aにおいて各発光素子21それぞれの光取り出し面側に設けられた第1の回折光学素子31と、配光レンズ40の光出射面側に設けられた第2の回折光学素子50とを有しており、第1の回折光学素子31と第2の回折光学素子50とを色収差を除去する形状に形成してある。
複数の回折光学素子を重ね合わせて用い、光の波動性を利用して色消し(光の波長依存性による色収差を打ち消す)効果を得るための回折光学素子の形状の設計方法は、参考文献1〔Yoel Arieli,et al、「Design of diffractiveoptical elements for multiple wavelength」,APPLIED OPTICS,Vol.37,No.26,1998,p.6174-6177〕に記載されている。ここで、参考文献1には、一例として、図2に示すように2つの回折光学素子31,50を重ね合わせて用いる場合(図2には各回折光学素子31,50それぞれについて1ピクセルのみ図示してある)、第1の回折光学素子31に関して、主波長がλ,λそれぞれの光に対する屈折率をそれぞれn(λ),n(λ)とし、第2の回折光学素子50に関して、主波長がλ,λそれぞれの光に対する屈折率をそれぞれn(λ),n(λ)とし、第1の回折光学素子31と第2の回折光学素子50との間に介在する媒質に関して主波長がλ,λそれぞれの光に対する屈折率をそれぞれn(λ),n(λ)とし、波長λ,λそれぞれの光が第1の回折光学素子31と第2の回折光学素子50とを伝搬することによる位相遅延をそれぞれφ,φ、任意の整数をm,m、第1の回折光学素子31および第2の回折光学素子50それぞれの凹部32,51の深さをd、dとすると、光の波動性を利用して色消し効果を得る(光の波長依存性による色収差を打ち消す)には、凹部32,51の深さd,dを下記の数式に基づいて設定すればよいことが記載されている。
Figure 0005357537
Figure 0005357537
ここにおいて、参考文献1には、主波長が3つ以上の場合、回折光学素子が3つ以上の場合についての各回折光学素子の設計方法についても記載されているので、参考文献1に開示された数式をベースとして市販の光学シミュレーションソフト、例えば、汎用の反復フーリエ変換アルゴリズム(Iterative Fourier Transform Algorithm:IFTA)法を用いた電磁光学解析ソフトを利用して数値計算を行うことにより、各回折光学素子31,50の凹部32,51の深さd,dを決定することができる。また、1ピクセル当たりの横方向の長さの設計指針に関して、凹部32,51の横方向のサイズは、1ピクセルの周期をΛ、レベル(階段の階調数)をN、光の主波長をλ、1次回折光の回折角度をθとすれば、Λ/N=λsinθとなるので、各凹部32,51の横方向のサイズは、発光素子21a〜21cの主波長に応じて設計すればよい。なお、汎用のIFTA法を用いたソフトで設計する場合には、階調数N、θ、λを入力することにより、Λが自動的に算出される。さらに、説明すれば、(1)フィールド設定、(2)入力光源、理想出力などの決定、(3)シミュレーションソフトによる計算、を行う。ここにおいて、(1)フィールド設定では、光源である各発光素子21a〜21cから第1の回折光学素子31a〜31cまでの距離、各発光素子21a〜21cから第2の回折光学素子50までの距離、サンプリング周期(Λと連動)を上記シミュレーションソフトを搭載したコンピュータに接続されたキーボードやマウスなどの入力装置により入力し、(2)入力光源、理想出力などの決定では、光源である各発光素子21a〜21cの発光波長、各発光素子21a〜21cの位置、各発光素子21a〜21cの光強度(位相)分布、第1の回折光学素子31a〜31cおよび第2の回折光学素子50それぞれについての大きさ(多数の凹部32,51が形成されている領域の大きさ)、階調数N、材料(屈折率)、出力サイズ(照射エリアのサイズ)、出力位置(照射エリアの位置)、色収差のない出力強度(位相)分布などを上記入力装置により入力し、電磁光学解析ソフトでシミュレーションを実施することにより、ITFA法に基づく最適化が行われ、回折効率が高く出力の再現性が最も高い各回折光学素子31a〜31c,50の凹部32,51の形状(凹部32,51の深さ方向の分布)が自動的に算出され、各回折光学素子31a〜31c,50の深さプロファイル、回折効率、照射エリアの色分布が得られる。
以上説明した本実施形態の照明装置によれば、発光部20Aにおいて各発光素子21a〜21cそれぞれの光取り出し面側に設けられた第1の回折光学素子31a〜31cと、配光レンズ40の光出射面側に設けられた第2の回折光学素子50とを有し、第1の回折光学素子31a〜31cと第2の回折光学素子50とを色収差を除去する形状に形成してあるので、混色性が向上し、被照射面における色むらの発生を抑制することができる(空間的な色度のずれを小さくすることができる)。なお、本実施形態では、配光レンズ40の光出射面側に第2の回折光学素子50を設けてあるが、配光レンズ40に設ける第2の回折光学素子50は、配光レンズ40の光入射面側に設けてもよく、光出射面側と光入射面側との少なくとも一方側に設けてあればよい。
ところで、発光素子21における第1の回折光学素子31に接する最表層の材料の屈折率をn、第1の回折光学素子31の屈折率をnとした場合、n>nであると、発光素子21側から当該発光素子21と第1の回折光学素子31との界面へ光が入射したときにフレネル反射が生じ、フレネル反射による反射率をR01(%)すると、反射率R01(%)は下記の数式で求められる。
Figure 0005357537
要するに、発光素子21で発光した光のうち少なくともR01(%)の光は発光素子21側に戻るため、発光素子21の裏面で再び反射された後に取り出されたとしても損失が発生する。そこで、上述の反射率R01(%)を小さくするために、第1の回折光学素子31の材料の屈折率nを発光素子21の上記最表層の材料の屈折率nに近づける(つまり、屈折率差を小さくする)のが望ましい。
ここにおいて、発光素子21としてLEDチップを用いる場合、発光素子21の上記最表層の材料としては、例えば、GaN、サファイア、SiC、ZnO、GaAsなどが挙げられ、波長が550nmの光に対する屈折率は、それぞれ、2.45、1.77、2.63、2.05、3.62である。これに対して、第1の回折光学素子31の材料としては、例えば、硼珪酸ガラス(BK7)、溶融石英、シリコーン樹脂、ポリカーボネイト、PMMA(ポリメチルメタクリレート)などが挙げられ、波長が550nmの光に対する屈折率は、それぞれ、1.52、1.46、1.61、1.50である。
なお、発光素子21の光取り出し面に第1の回折光学素子31を形成していない場合には、図3(a)中に矢印で示すように発光素子21と空気との界面での全反射される光が多くなり、反射回数が多い光ほど発光素子21の内部で吸収される確率が大きくなる。これに対して、発光素子21の光取り出し面に第1の回折光学素子31を形成している場合には、図3(b)中に矢印で示すように全反射による光取り出し損失を低減することができる。
ところで、図4に示すように、第1の回折光学素子31を発光素子21に直接形成すれば、第1の回折光学素子31の材料の屈折率nと発光素子21の上記最表層の材料の屈折率nとが同じになり、フレネル損失および全反射損失の発生を防止することができる。また、発光素子21とは別に第1の回折光学素子31を準備して発光素子21に固着する必要もなくなり、第1の回折光学素子31の薄型化を図れる。また、第1の回折光学素子31a〜31cを互いに主波長の異なる発光素子21a〜21cごとに準備して発光素子21a〜21cに固着する必要がないので、製造工程の簡略化および低コスト化を図れる。
なお、図4に示した発光素子21は、結晶成長用基板などからなるベース基板211の一表面側にn形半導体層212と発光層213とp形半導体層214との積層構造を有するLEDチップであり、発光層213にて発光する光に対して透明なベース基板211の他表面側を光取り出し面側とするようにn形半導体層212およびp形半導体層214それぞれがバンプ222,224を介して実装基板24に接合されており(要するに、実装基板24にフリップチップ実装されており)、ベース基板211の他表面に多数の凹部32を形成することで第1の回折光学素子31を直接形成してある。なお、凹部32の深さは上述の数値計算によって求めればよい。
また、第1の回折光学素子31を図5に示すような断面鋸歯状の回折光学素子として16レベルの階段構造とすることで1次の回折効率を高めることが考えられ、このような16レベルの階段構造を有する第1の回折光学素子31では、1ピクセルの周期をΛ、深さをL、光の主波長をλ、当該第1の回折光学素子31の材料の屈折率をnとすると、深さLは下記の数式で求められる。
Figure 0005357537
ここにおいて、上述のピッチΛは、レベル(階段の階調数:通常は2となる)をN、回折角度をθとして、おおよそ下記数式で導かれる。
Figure 0005357537
回折の効果を得るためには、Λ≫λであることが望ましいため、必然的に、N×sinθ≫1であることが必要となる。但し、N=∞と見なせるような連続形状の場合は図5の構造で得られる現象と異なってくるので、必ずしも上記の数式が当てはまらなくなる。レベルNの値が大きくなる(つまり、階調数が大きくなる)につれて、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを利用して形成する場合のプロセス数が増加するため、適切な値までにしておくことが望ましく、Nの値としては、4、8、16などが妥当な値である。なお、上述の汎用のIFTA法を用いたソフトで設計する場合には、階調数N、θ、λを入力することにより、Λが自動的に算出される。
ところで、上述のように回折効率の高い16レベルの第1の回折光学素子31を発光素子21の光取り出し面側に形成する方法としては、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを利用することが考えられるが、この場合には、何度も露光・現像・エッチングを繰り返す必要があり、コストが高くなるとともに、高精度化が難しい。これに対して、回折効率の高い第1の回折光学素子31を高精度で且つ安価に形成する方法としては、ナノインプリント法を適用すればよい。以下、発光素子21の光取り出し面側に第1の回折光学素子31をナノインプリント法により形成する方法について図6に基づいて説明するが、配光レンズ40の第2の回折光学素子50を同様の16レベルの階段構造を有する形状とする場合についても同様にして形成することができる。
まず、発光素子21の光取り出し面側に転写層60を形成する転写層形成工程を行ってから、第1の回折光学素子31の形状に応じてパターン設計した凹凸パターン71を形成したモールド70を転写層60に対向させ(図6(a))、その後、モールド70の凹凸パターン71を転写層60に転写する転写工程を行う(図6(c))。転写層形成工程では、例えば、熱可塑性樹脂(例えば、PMMAなど)スピンコート法により塗布することにより転写層60を形成し、転写工程では、モールド70を転写層60に対向させて位置合わせを行ってから、転写層60を加熱して軟化させた状態でモールド70を転写層60に接触させモールド70を所定圧力で加圧することで図6(b)に示すように転写層60を変形させ、転写層60を冷却してから、モールド70を転写層60から離すことで図6(c)に示す構造を得るようにしている。なお、転写層形成工程では、転写層60の加熱、冷却を行っているが、転写層60ではなく、モールド70の加熱、冷却を行うようにしてもよい。また、ナノインプリント法としては、上述のように熱可塑性樹脂を転写層60の材料として用いる熱ナノインプリント法に限らず、転写層60の材料として光硬化性樹脂を用いる光ナノインプリント法を採用してもよく、この場合には、粘度の低い光硬化性樹脂層からなる転写層60をモールド70により変形させて、その後に紫外光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、モールド70を転写層60から離すようにすればよい。
上述の転写工程の後、転写層60および転写対象物である発光素子21をドライエッチングすることで発光素子21の光取り出し面側に第1の回折光学素子31を形成するパターン形成工程を行うことにより、図6(d)に示す構造を得る。
しかして、モールド70用の金型さえ1度作れば、格子パターンの複雑さによる制限を受けずに同じ形状を再現性良く形成することができ、低コスト化を図れる。
(実施形態2)
本実施形態の照明装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図7に示すように、配光レンズ40の光出射面側に形成された回折光学素子50に、別途形成した回折光学素子53を重ねて配置してある点が相違する。要するに、本実施形態では、配光レンズ40の光出射面側に、2つの回折光学素子50,53を積層した積層型回折光学素子を第2の回折光学素子として設けてある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
ここで、回折光学素子53の材料としては、回折光学素子50と同じ材料を採用しており、回折光学素子53は、回折光学素子50との対向面に多数の凹部54を形成することで形成されている。なお、回折光学素子53の形状の設計については、実施形態1と同様、参考文献1に記載の数式をベースとした数値計算により行えばよい。
しかして、本実施形態の照明装置では、第2の回折光学素子が2つの回折光学素子50,53を積層した積層型回折格子により構成されているので、混色性が向上する。
また、上述の各実施形態では、発光部20Aが赤色LEDチップからなる発光素子21aと緑色LEDチップからなる発光素子21bと青色LEDチップからなる発光素子21cとを備え、所望の混色光として白色光を得るようにしているが、発光部20Aを構成する発光素子21a〜21cの発光色の組み合わせは、赤色、緑色、青色の組み合わせに限定するものではなく、所望の混色光を得ることが可能な複数の発光色の組み合わせであればよい。また、発光部20Aにおける複数種の発光素子21の個数や配置は、特に限定するものではない。
また、各発光素子21a〜21cと実装基板24との線膨張率差が比較的大きい場合には、各発光素子21a〜21cを、各発光素子21a〜21cと実装基板24との線膨張率の差に起因して各発光素子21a〜21cに働く応力を緩和するサブマウント部材を介して実装基板24に実装するようにしてもよい。ここで、サブマウント部材は、各発光素子21a〜21cごとに1つずつ設けてもよいが、複数種の発光素子21a〜21cに対して1つだけ設けるようにした方が部品点数の削減および発光部20Aの小型化の点で有利である。
実施形態1の照明装置を示し、(a)は概略断面図、(b)は要部概略断面図である。 同上の回折光学素子の設計方法の説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の他の構成例の要部概略断面図である。 同上の他の構成例の要部概略断面図である。 同上の他の構成例の製造方法を説明するための主要工程概略断面図である。 実施形態2の照明装置を示す概略断面図である。 従来例における色むらの発生原因の説明図である。 同上における色むらの発生原因の説明図である。
符号の説明
20A 発光部
21(21a) 発光素子
21(21b) 発光素子
21(21c) 発光素子
31(31a) 第1の回折光学素子
31(31b) 第1の回折光学素子
31(31c) 第1の回折光学素子
32 凹部
40 配光レンズ
50 第2の回折光学素子
51 凹部

Claims (1)

  1. 互いに主波長の異なる光を放射する複数種の発光素子を有する発光部と、前記発光部から放射された光の配光を制御する配光レンズとを備えた照明装置であって、各前記発光素子それぞれの光取り出し面に形成され回折により光の進行方向を変える第1の回折光学素子と、前記配光レンズの光入射面側と光出射面側との少なくとも一方側に設けられ回折により光の進行方向を変える第2の回折光学素子とを有し、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子とを色収差を除去する形状に形成してなることを特徴とする照明装置
JP2008334886A 2008-12-26 2008-12-26 照明装置 Active JP5357537B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008334886A JP5357537B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 照明装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008334886A JP5357537B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 照明装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010157422A JP2010157422A (ja) 2010-07-15
JP5357537B2 true JP5357537B2 (ja) 2013-12-04

Family

ID=42575171

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008334886A Active JP5357537B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 照明装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5357537B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5118659B2 (ja) * 2009-02-24 2013-01-16 パナソニック株式会社 発光素子
JP5562177B2 (ja) * 2010-08-25 2014-07-30 パナソニック株式会社 発光装置
CN102095163B (zh) * 2011-02-14 2013-08-21 中国科学院光电技术研究所 一种led整形一体化透镜
JP5909419B2 (ja) * 2012-07-24 2016-04-26 スタンレー電気株式会社 プロジェクタ型前照灯
JP2014229590A (ja) * 2013-05-27 2014-12-08 ローム株式会社 Led照明装置
WO2016074898A1 (en) * 2014-11-10 2016-05-19 Philips Lighting Holding B.V. Collimator for a lighting device, lighting device and method of manufacturing a collimator

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003115377A (ja) * 2001-10-03 2003-04-18 Nec Corp 発光素子、その製造方法およびこれを用いた表示装置
KR20090005194A (ko) * 2006-04-18 2009-01-12 라미나 라이팅, 인크. 피제어 색 혼합용 광 디바이스
JP5118659B2 (ja) * 2009-02-24 2013-01-16 パナソニック株式会社 発光素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010157422A (ja) 2010-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5357537B2 (ja) 照明装置
US7737636B2 (en) LED assembly with an LED and adjacent lens and method of making same
JP5118659B2 (ja) 発光素子
US20090008662A1 (en) Lighting device package
TWI520383B (zh) 發光二極體封裝結構
JP2010129202A (ja) Led照明装置
JP2010033772A (ja) 導光板、発光装置、液晶表示装置、および導光板の製造方法
US10381532B2 (en) Wavelength conversion device and lighting apparatus
WO2019024605A1 (zh) 面光源及显示装置
US9759843B2 (en) Optical beam shaping and polarization selection on LED with wavelength conversion
US20150153009A1 (en) Light-emitting Device and Illuminating Apparatus Comprising the Light-emitting Device
JP4223032B2 (ja) 回折光学素子を用いたバックライトモジュール
WO2019134562A1 (zh) 背光源及其制作方法、显示装置
Motogaito et al. Fabrication of binary diffractive lenses and the application to LED lighting for controlling luminosity distribution
WO2022177725A1 (en) Light-emitting device assembly with emitter array, micro- or nano-structured lens, and angular filter
US9323095B2 (en) Lens with light-diffusion capping layers and backlight module incorporating the same
US8556490B1 (en) Systems, methods and devices for providing quantum dot lighting solutions
JP2005197728A (ja) 照明装置
TW201224623A (en) Display device
JP6604473B2 (ja) 照明器具、及び、照明装置
TW202239035A (zh) 微型發光二極體顯示裝置
JP2015018822A (ja) 発光素子
CN108139517B (zh) 光学部件及微透镜阵列
JP6761991B2 (ja) 波長変換装置及び照明装置
JP5732617B2 (ja) 発光素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100715

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110824

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130305

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5357537

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150