JP5356306B2 - Frpの評価方法および評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、各種機器の構造部材として用いられるFRPの評価方法と評価装置に関し、より詳細には、非破壊の検査でFRPの強度評価を行う方法と装置に関する。
FRP(Fiber Reinforced Plastics)は、高い強度と弾性率を持つ強化繊維(ガラス、炭素など)を、樹脂を含浸させて固めたものである。比強度が高いという特徴を持つため、各種機器の構造部材として広く使用されている。FRPは扱いやすいため、大型の構造物を製作する際には、予めシート状にした繊維を型に合わせて積層していき樹脂を塗りこむ、またはシート状にした繊維に樹脂を浸み込ませた状態で型に積層していく、という方法で製作されることが多い。
樹脂には、ガラス転移温度(Tg)と呼ばれる特性が大きく変化する温度があり、この温度以上になると、樹脂の弾性率や強度は急激に低下する。この温度は、樹脂の種類や製造時の配合比や硬化条件(温度、時間)など、様々な要因によって変化する。樹脂を同じ製造条件で製作した場合でも、周囲の温度環境や構造物の中の温度分布などにより、製造ばらつきが生じ、ガラス転移温度が変化する場合がある。
使用環境の温度がガラス転移温度の付近、またはガラス転移温度を上回る場合には、FRP構造物の強度が低下し破壊に至る可能性がある。このため、FRP構造物の信頼性を確保するためには、ガラス転移温度を評価し、必要な特性を保証する必要がある。
また、FRPは、強度が強化繊維の方向に依存し、一般的に繊維方向と同一の方向の負荷に対して最も高い強度を有する。しかし、高い異方性を持つため、負荷方向が繊維方向からずれて繊維の形状不整が起こると、繊維方向の負荷に対する強度は大きく低下する。そのため、繊維の形状不整が起こらないように、適切な製造管理をして、設計された負荷方向に繊維方向を合わせて製造することが非常に重要となる。
また、FRPの成形時には、真空注入などにより、FRP内の樹脂が過大な部分やボイドをなくすような製造方法が用いられるが、これが不十分な場合には、全体として繊維の比率(体積率)が不足するため、強度低下の要因となる。
FRPの強度低下の要因の主なものは、上述したような、ガラス転移温度の変化による樹脂特性(弾性率や強度など)の低下、繊維の形状不整、および繊維の体積率不足の3項目である。これらのうちの一つ、または複数が重畳することによりFRPの強度が低下すると、製品として使用できない場合がある。
そのため、このような強度低下がないかを検査して評価することが、FRP構造物の信頼性を保証する上で重要となる。
FRPを検査する従来技術としては、超音波の伝搬時間を測定する方法(例えば、特許文献1に記載の方法)や、板波の群速度と強度の関係を用いて評価する方法(例えば、特許文献2に記載の方法)がある。また、機械強度と硬度の関係から積層品の劣化診断を行う方法(例えば、特許文献3に記載の方法)などもある。
特開平11−337532号公報 特開2004−117035号公報 特開平6−331523号公報
FRP構造物、特に風車翼などの大型構造物では、FRP各部の強度を評価して強度が低下している部分を発見し、強度低下の原因を判別することが、信頼性を確保するために必要である。
超音波の伝搬時間を測定する方法では、超音波の種類および周波数によっては、被検体の劣化している部位を超音波が透過しないことがあるため、劣化を確実に推定できない可能性がある。板波の群速度と強度の関係を用いて評価する方法では、信号の到達時間の差を精度良く測定するためには、測定点間の距離を長くする必要があり、局所的な特性を評価することが難しい。また、いずれの測定法でも2点の測定点間の距離を正確に把握することが精度を確保するために必要であるが、風車翼などの大型構造物では表面が必ずしも平坦ではなく、測定点間の距離を把握するのが困難である。
また、機械強度と硬度の関係から積層品の劣化診断を行う方法は、主に樹脂の劣化の影響によるFRPの強度劣化について検討したものであり、他の影響による特性低下やその原因を評価することについての記載は見られず、繊維の形状不整などによる強度低下については評価対象としていない。
本発明が解決しようとする課題は、FRP構造物の信頼性を確保するために、FRPの特性評価を行い、強度低下部および強度低下の原因を簡易に精度良く判別することができるFRPの評価方法および評価装置を提供することである。
本発明によるFRPの評価方法は、基本的には以下のような特徴を持つ。被検体であるFRPの弾性率を、少なくとも一つの検査温度について測定する。測定した前記FRPの弾性率を、予め求めておいた参照用の弾性率と圧縮強度との関係と照合することにより、前記FRPの圧縮強度を求める。これにより、前記FRPの温度と圧縮強度との関係を求める。求めた前記FRPの温度と圧縮強度との関係と、予め求めておいた参照用の温度と圧縮強度との関係を比較して、前記FRPの強度低下およびその原因の少なくとも一つを判別する。
また、本発明によるFRPの評価装置は、基本的には以下のような特徴を持つ。被検体であるFRPの弾性率を測定する装置と、前記FRPの弾性率測定部の温度を調節する温度調節装置と、記憶装置と、演算装置とを備える。前記記憶装置は、予め求めた弾性率と圧縮強度との関係を示す第1の参照用データと、予め求めた温度と圧縮強度との関係とを示す第2の参照用データとを記憶する。前記演算装置は、少なくとも一つの検査温度について測定した前記FRPの弾性率を第1の参照用データと照合して、前記FRPの温度と圧縮強度との関係を求める。前記演算装置は、さらに、求めた前記FRPの温度と圧縮強度との関係と第2の参照用データとを比較して、前記FRPの強度低下およびその原因の少なくとも一つを判別する。
本発明によれば、FRP構造物の各部の強度を評価して、強度低下部を発見し、強度低下の原因を判別することができる。従って、FRP構造物の信頼性を確保することができる。
FRPの積層方向の弾性率と繊維方向の圧縮強度との関係の例を示す図である。 FRPの標準品と樹脂不良品についての、温度と強度との関係の例を示す図である。 FRPの標準品と構造不良品についての、温度と強度との関係の例を示す図である。 異種材の繊維をFRP構造物内に配置する方法を説明するための模式図である。 本発明によるFRPの評価装置の一実施例を示す構成図である。 FRPの不良原因が、樹脂特性の低下か繊維構造の不良かを判別するためのフロー図の一例である。 FRPの不良原因が、樹脂特性の低下か、繊維の形状不整か、繊維の体積率不足かを判別するためのフロー図の一例である。 FRP構造物の経過時間による強度の変化例を示す図である。 FRP構造物に一定負荷を繰り返しかけた場合の、繰り返し回数と強度の関係の例を示す図である。 FRP構造物の検査範囲内の各検査点について、本発明による評価方法を実施するための構成の一例を説明する図である。
本発明によるFRPの評価方法および評価装置は、FRPの特性と強度との相関関係(例えば、後述する図1に示すような関係)を予め求めておき、被検体であるFRPの特性を非破壊で測定し、予め求めた相関関係と測定した特性とを照合し、被検体であるFRPの強度を求める。FRPの強度は、予め定めた検査温度範囲の各検査温度について求め、この結果から温度と強度との関係(例えば、後述する図2、図3に示すような関係)を求める。検査温度は、検査温度範囲内に少なくとも一つあればよい。この温度と強度との関係から、被検体であるFRPの強度低下の原因を判別することができる。以上の工程を、検査範囲内の何点かの検査点について行い、被検体であるFRPの強度低下部を非破壊で判別する。
本発明によるFRPの評価方法および評価装置によれば、表面が必ずしも平坦ではない風車翼などの大型構造物でもFRPの局所的な特性を非破壊で評価でき、FRPの劣化を確実に推定することができる。
FRPの強度低下の原因の主なものは、ガラス転移温度の変化による樹脂特性の低下、繊維の形状不整、および繊維の体積率(樹脂に対する繊維の比率)不足の3項目である。樹脂特性の低下は、樹脂特性の不良を招き、繊維の形状不整および繊維の体積率不足は、繊維構造の不良を招く。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、FRPの特性としては、弾性率、線膨脹係数、または硬度などを用いることができる。以下の実施例では、弾性率をFRPの特性として用いた例について説明する。また、以下の実施例では、FRPの例として、積層構造の一方向強化FRPを用いた例について説明する。
図1に、一方向強化積層構造FRPの積層方向の弾性率と繊維方向の圧縮強度(以下、単に「強度」とも称する)との関係の例を示す。図1に示した関係は、繊維がガラスで樹脂がエポキシ樹脂のFRPの試験片を用いて行った試験により得られた。試験片は、図内の凡例のカッコ内に示すように、二種類の硬化条件(70℃で4時間の硬化(樹脂硬化不足条件)と、70℃で16時間の硬化(樹脂適正硬化条件))で作成した。これらの試験片を20〜50℃の検査温度範囲で試験し、図1に示すような積層方向の弾性率と繊維方向の圧縮強度との関係を求めた。図1の関係から、積層方向の弾性率と繊維方向の圧縮強度との間には高い相関性があることが分かる。
このようなFRPの積層材の特性は、FRPの樹脂と強化繊維の構成により決まり、複合則によりほぼ推定が可能である。複合則とは、樹脂と強化繊維のそれぞれの特性が、FRPの中に存在する比率(体積率)に応じて反映されるというものである。
一方向強化積層構造FRPについての繊維方向および積層方向の特性は、それぞれ以下の式(1)、(2)で示される。式(1)は繊維方向についての、式(2)は積層方向についての複合材料の特性(すなわち、FRPの特性)を、それぞれ示している。式(1)、(2)において、複合材料の特性をP、強化繊維の特性をP、樹脂の特性をP、強化繊維の体積率をVで表す。なお、ここでいう特性とは、弾性率、線膨脹係数、または硬度などであり、繊維方向については強度を示すこともある。
Figure 0005356306
Figure 0005356306
式(1)に示すように、繊維方向では、強化材である繊維の特性Pが大きいため、繊維の特性PがFRPの特性(複合材料の特性P)の中では支配的となる。但し、樹脂の特性Pが低下した場合、引張負荷に対してはこの関係が成立するが、圧縮負荷に対しては、樹脂による繊維を保持する効果の影響が大きいため、この関係は必ずしも成立せず、FRPの特性(弾性率、強度など)は、樹脂の特性Pに伴って低下する。
一方、式(2)に示すように、積層方向では、樹脂の特性Pのほうが小さいため、樹脂の特性PがFRPの特性の中では支配的なパラメータとなる。特に、ガラス転移温度(Tg)を超えるような温度では、樹脂により繊維を保持する効果が期待できないため、弾性率は大きく低下し、これに伴ってFRPの特性も低下する。
このように、FRPの特性、特に強度および弾性率は、繊維方向、積層方向ともに樹脂の特性と高い相関を持つため、FRP構造物の樹脂特性を評価できれば、FRPの強度と弾性率を推定することができる。FRPを形成した後で樹脂単独の特性を評価するのは、困難である。しかし、上述のように、FRPの積層方向の特性(例えば弾性率)は、樹脂の特性と相関が高いため、樹脂特性の代わりにFRPの積層方向の弾性率を用いてFRPの強度を推定することができる。すなわち、FRPの積層方向の弾性率を測定することにより、FRPの強度を推定することが可能である。特に、繊維方向の圧縮強度は、樹脂の特性との相関が高いため、FRPの積層方向の弾性率と繊維方向の圧縮強度との相関も高くなっている。
FRPの強化繊維には、一方向強化だけでなく、二方向強化や織物構造のものなど種々あるが、いずれも同様の考え方を拡張することで、図1と類似の関係を類推することが可能である。
このような評価法を用いて、FRPの強度低下の原因を判別する方法について以下に説明する。
まず、樹脂特性の低下について評価する方法を示す。
初めに、基準となるデータである、FRPの弾性率と強度との相関関係を予め求める。具体的には、適正に製作されたFRPの標準試験片を用いて、標準的な条件で、積層方向の弾性率と繊維方向の圧縮強度を測定し、図1に示したような両者の相関関係を予め求める。この弾性率と強度との関係を、参照用のデータとして用いる。
このとき、FRPの標準試験片の温度を変えた場合についても、同様の相関関係を調べておき、検査温度範囲での温度と強度との関係を求める。図2と図3は、検査温度範囲での、FRPの標準試験片(標準品)および不良品の温度と強度との関係の例を示す図である。図2は、標準品と樹脂特性が低下したFRP(樹脂不良品)についての、図3は、標準品と繊維構造が不良であるFRP(構造不良品)についての図である。標準品の温度と強度との関係も、参照用のデータとして用いる。
図1〜3に示したような、FRPの標準試験片および不良品についての、積層方向の弾性率と繊維方向の圧縮強度との相関関係、および温度と強度との関係は、データベースとして記憶する。
樹脂特性の低下による不良と繊維構造の不良とは、強度と温度の関係を調べることにより判別することができる。
初めに、樹脂特性の低下により強度が低下した場合を判別する方法について示す。図2は、FRPの標準品と樹脂不良品について、温度と強度との関係を模式的に示した図である。FRPの標準品は、樹脂の特性により定まるガラス転移温度(Tg)以下の温度では、ほぼ一定の強度を示す。強度は、温度が上がりガラス転移温度付近になると低下し始め、さらに温度が上がると著しく低下する。従って、樹脂のガラス転移温度は、製品の使用温度範囲より高くする必要がある。
図2の樹脂不良品についてのグラフで示すように、何らかの要因で樹脂の特性が低下し標準品と同等とならず、ガラス転移温度が低下した場合、そのガラス転移温度付近で強度が低下する。従って、強度が低下した温度を調べて標準品のガラス転移温度と比較することにより、樹脂特性の低下の有無を判別することができる。
樹脂特性の低下の原因としては、硬化温度異常や保持時間不足などによる硬化不良や、二液混合の樹脂の場合は主剤と硬化剤の配合不良などが考えられる。樹脂特性の低下が見られた場合、このような原因について見直すことにより、適正な製造条件に改善することができる。
次に、繊維構造の不良により強度が低下した場合を判別する方法について示す。図3は、FRPの標準品と構造不良品について、温度と強度との関係を模式的に示した図である。構造不良品は、ガラス転移温度は標準品と同様であるが、各温度において全体的に強度が低くなる傾向を示す。従って、各温度での強度を標準品と比較することにより、繊維構造の不良による強度低下の有無を判別することができる。
このように、まず強度と温度の関係を調べることにより、樹脂特性の低下による不良と繊維構造の不良とを判別することができる。
次に、繊維構造の不良により強度が低下した場合において、繊維構造の不良の原因を判別する方法について説明する。繊維構造の不良による特性変化には、温度変化による影響はほとんどないため、測定の際に温度調節を実施しなくてもよい。前述したように、繊維構造の不良の原因には、繊維の形状不整と繊維の体積率不足とがある。
まず、繊維構造の不良の原因が、繊維の形状不整か繊維の体積率不足であるかを判別するために、FRP構造物の各部の強度分布を調べる方法について説明する。
繊維は連続的に配置されているため、強度などの特性は、形状不整がある場合には、形状不整がある部分の周辺で連続的に変化する。従って、FRP構造部材の面内の2次元的な強度分布を調べ、強度が連続的に徐々に変化しているか、強度低下部が点在するか(強度が不連続に変化するか)を調べれば、繊維構造の不良の原因が、繊維の形状不整であるか繊維の体積率不足であるかを判別することができる。強度が連続的に変化している場合は、繊維の形状不整であり、強度低下部が点在する(強度が不連続に変化する)場合は、局所的な内部欠陥による繊維の体積率不足であると判別できる。局所的な内部欠陥の原因としては、樹脂量の過大やボイドなどが考えられる。FRP構造部材の面内の2次元的な強度分布は、上述したように、FRPの弾性率を測定することにより、推定することが可能である。
ボイドの大きさは、構造物の寸法や製作条件などにより異なるが、コンマ数mmから数mm程度である。ボイドが集中して存在するということがない場合、強度低下部は、ボイドの大きさの範囲に限られる。
繊維構造の不良の原因が繊維の形状不整の場合、数mm程度の波長の繊維の形状不整(うねり)が存在すると、繊維シートを積層してFRP構造物を製作する場合には繊維シートの厚さはおおむね1mm程度であるので、かなり大きな不整となる。従って、繊維シートの厚さの変化は、目視で十分確認可能である。目視で確認するときには、繊維の形状不整の波長が10mm以上のものを対象とすればよい。この場合、一定間隔で測定した連続的な強度の変化から、繊維の形状不整の有無を推定することができる。
繊維の形状不整の有無を調べるための別な方法として、強化繊維と異なる材料の繊維を、形状不整判別用の繊維として予めFRPの構造部材内に埋め込み、目視により調べる方法について説明する。
FRPの強化繊維は、一つの構造部材内には通常一つの材料だけを用いる。これは、複数の材料を用いた場合、弾性率や線膨脹係数が異なるので成形しにくいためや、樹脂の硬化時の温度変化により熱応力が発生する可能性があるためである。しかし、FRPの強化繊維に複数の材料を用いた場合でも、主要な強化繊維の中に異なる種類の材料(以下、「異種材」と称する)の繊維を埋め込み、異種材の繊維の量を、形状不整を判別するために必要な最小限に抑えれば、このような問題が生じにくい。
従って、形状不整を判定するために必要最小限の量の異種材の繊維をFRPに埋め込んでおき、異種材の繊維を目安にして目視によりFRPの繊維の形状を評価すれば、非破壊で容易に繊維の形状不整の検査ができる。異種材の繊維は、周囲の強化繊維とは性質が異なるので形状の変化の様子も異なり、形状不整(うねり)が生じた場合には、この形状不整を発見することが容易になる。すなわち、異種材の繊維の形状が変化している場合には、FRPの繊維に形状不整があると容易に判別することができる。このようにして、異種材の繊維を形状不整判別用の繊維として用いることができる。また、異種材の繊維の色を強化繊維の色と異なる色にしてもよい。繊維の色が異なると、外観上で異種材を識別しやすくなり、形状不整の有無がより分かりやすくなる。FRPの構造部材全体について、異種材のうねりの分布状況を調べれば、強化繊維の形状不整の状況を詳細に評価することができる。
図4は、異種材の繊維をFRP構造物内に配置する方法について説明するための模式図である。FRP構造物は、FRPの構造部材3からなり、FRPの構造部材3には、強化繊維1と異種材の繊維2が含まれる。
異種材の繊維2は、強化繊維1を含むFRPの構造部材3内の少なくとも1箇所に予め埋め込んでおけばよい。異種材の繊維2を少なくとも1箇所に埋め込めば、FRPの構造部材3の全体について、強化繊維1の形状不整を評価することが可能である。形状不整の位置や方向を詳細に調べたい場合には、強度上問題にならない範囲内で異種材の繊維2を増やせば、三次元的な形状不整を評価することも可能になり、より詳細な特性評価ができる。
異種材の繊維2は、強化繊維1と弾性率や線膨脹係数が近い材料であれば、成形が容易になるともに、樹脂の硬化時に発生する熱応力を抑制でき、より望ましい。また、例えば風車翼のような屋外で用いられる構造物の場合には、落雷による被害を防ぐために、絶縁材料を用いることが望ましい。
次に、繊維構造の不良の原因のうち、繊維の体積率不足があるかどうかを調べるための方法について示す。繊維の体積率不足は、成形時に不要な樹脂を十分に流出させられず樹脂量が過大になることや、空気がFRP内にボイドとなって残ることなどが原因で起こる。樹脂量の過大が原因の場合には、全体の厚さや幅などの寸法が大きくなるので、これらの寸法を調査し、標準寸法よりも一定値以上大きくなっていれば、樹脂量が過大であると判断できる。また、ボイドが原因の場合は、前述したように、ボイドの大きさはコンマ数mmから数mm程度であるので、この大きさの強度低下部が点在しているかどうかを調べることにより、判別することができる。
以上述べたような樹脂不良品と構造不良品についても、弾性率と強度の関係についてのデータベースを備えることができる。このデータベースは、後述する評価工程の際に、不良原因の判別に用いることができる。また、これら以外にも予想される不具合を反映させた試験片や、経年的に樹脂の特性が劣化した試験片についても、それらのデータについてのデータベースを備えることで、不良原因の判別に用いることができる。
このように弾性率と強度の関係を用いることにより、強度と温度の関係やFRP構造物の面内の強度分布を調べ、併せて繊維の不整を調べることにより、FRPの不良の有無およびその原因を調べることができる。
図5は、本発明によるFRPの評価方法を適用する評価装置の一実施例を示す構成図である。本実施例によるFRPの評価装置は、硬度計11、温度調節装置12、演算/判定装置13、記憶装置14、および表示装置15からなり、被検体10であるFRPを評価する。
硬度計11は、被検体10の弾性率を測定する。硬度計11には、超音波硬度計または超音波探傷器が適している。これは、先端部の接触子を被検体10の表面に押し当て、その時の接触子の接触半径と押し込み深さとの関係から弾性率を求める装置である。この装置では、被検体10の弾性変形の範囲で評価できるため、被検体10に損傷を与えることなく評価をすることができる。
超音波硬度計は、被検体10の表面付近の限られた範囲のみを測定するため、厚さ方向全体についての評価はできないが、逆に樹脂の特性の影響を受けやすいため、樹脂の温度特性を評価する装置として好適である。
超音波探傷器は、超音波の入射波と反射波の関係から、被検体10内の異物や内部欠陥の有無を調べることができる。従って、繊維の状況を調べることにより、形状不整の有無を調べることができる。また、ボイドなどの内部欠陥についての評価や、被検体10の厚さを測定することによる樹脂量の評価も可能である。従って、繊維の体積率不足の有無を調べることができ、内部欠陥が存在する場合や樹脂量が多い場合には、繊維の体積率不足が起きていると分かる。これらの検査結果をデータベースに記憶したデータと照合し、どの不良があるかを判別することにより、強度低下の原因が推定できる。
繊維の形状不整を調べる場合には、温度を変更して測定する必要がないので温度調節装置12を用いなくてもよい。但し、厚さは温度により測定値が変化する恐れがあるため、温度調節装置12により温度を測定し、厚さの測定値を補正する必要がある。
なお、ここでは弾性率の測定装置として超音波硬度計と超音波探傷器を例示したが、これ以外にも、アコースティックエミッションを用いる装置などの非破壊で弾性率を測定できる装置を用いてもよい。
温度調節装置12は、温度計とヒータを備え、被検体10の温度の測定と調節を行う。温度の測定と調節は、被検体10の弾性率測定部とその周辺に対して行う。温度調節は、最低限、硬度計11で測定する範囲(予め定めた検査温度範囲)で行えばよいため、小規模なもので対応できる。
演算/判定装置13は、硬度計11で求めた弾性率と記憶装置14に保存されたデータベースとを比較し、被検体10の強度を求める。また、求めた被検体10の強度とデータベースに記憶されたデータとを比較して、不良の有無および不良原因の推定結果を導出する。また、硬度計11の測定位置を取得し、FRPの強度分布を求めることもできる。
記憶装置14は、被検体10の弾性率の測定結果から強度を推定し被検体10の不良の有無および不良原因を推定するためのデータベースを備える。データベースは、標準的な条件で適正に製作した標準試験片、繊維含有率を変えて製作した試験片、および樹脂硬化条件を変えて製作した試験片などについてのデータを蓄積したものである。具体的には、図1〜3に示したような、試験片の各温度での弾性率と強度の関係や、試験片の温度と強度との関係や、求めたガラス転移温度のデータを備える。不具合の要因となりうるパラメータ(繊維含有率や樹脂硬化条件など)を変更して製作した試験片のデータベースをも備えることにより、不良原因の推定の精度を向上させることができる。但し、不良原因の推定が不要で、不良の有無の評価のみでよい場合には、標準試験片に対するデータのみを備えたデータベースとしてもよい。また、製造上起こりにくい不良に関するパラメータについては、データを備えなくてもよい。
表示装置15は、測定結果や評価結果などを表示する。例えば、測定時の温度、各測定温度での弾性率の値、データベースのデータに基づいて弾性率から求められる強度の値、温度と強度との関係から求められるガラス転移温度、測定結果を標準品のデータと比較して不良の有無を判定した結果、および不良がある場合には推定した不良原因の全て、または、これらの一部を表示することができる。
次に、上述したFRPの評価装置を用いた評価手順を説明する。以下で述べる評価、判別などの演算は、演算/判定装置13が実行する。評価は、FRP構造物のうち予め定めた検査点に対して、それぞれ行う。以下は、1箇所の検査点についての評価手順を説明するが、FRP構造物の全体の評価は、以下の評価手順を全ての検査点について行う。
まず、被検体10であるFRPに対して、硬度計11を用いて弾性率を測定する。また同時に、被検体10の温度を、温度調節装置12が備える温度計により測定する。測定した被検体10の弾性率を、記憶装置14に保存したデータベースの弾性率と強度との関係(図1に示したような関係)と照合し、被検体10の強度を求める。
この弾性率を測定して強度を求める工程を、温度調節装置12で被検体10の温度を変化させて、予め定めた検査温度範囲内の各検査温度に対して行う。すなわち、各検査温度で被検体10の弾性率を測定し、データベースの弾性率と強度との関係に基づいて、測定した弾性率から被検体10の各検査温度での強度を求める。これにより、被検体10の温度と強度との関係(図2、3に示したような関係)が求められる。
被検体10の温度と強度との関係から、ガラス転移温度(Tg)を求める。ガラス転移温度(Tg)は、強度が大きく低下し始める点として求めるが、例えば、基準温度(室温)の強度に対し、強度が90%に低下した温度というように定めて求めることができる。また、測定対象(被検体10)に応じて定めることもできる。
このようにFRPの強度およびガラス転移温度(Tg)を求めた後、図6に示す判別フローで検査結果を評価する。図6は、FRPの不良が、樹脂特性の低下による不良か繊維構造の不良かを判別するためのフロー図の一例である。図6は、1箇所の検査点についてのフロー図である。FRP構造物の全体について評価する場合には、各検査点に対して図6のフローに示した手順を実施する。
ステップ601では、検査温度範囲内の全ての検査温度で、被検体10(FRP)の強度と標準強度とを比較する。標準強度というのは、標準試験片(標準品)の強度のことであり、前述したように、記憶装置14が備えるデータベースに記憶されている。全ての検査温度で、FRPの強度が標準強度以上の場合は、現在の検査点の特性の検査は、合格と判定される。
ステップ601で合格とならなかった場合は、現在の検査点は強度が低下している(弾性率が低い)ため不良と判定され、ステップ602に進む。
ステップ602では、不良の原因を判定するために、ガラス転移温度(Tg)を評価する。被検体10のガラス転移温度が標準試験片のガラス転移温度(標準値)より低い場合、樹脂の配合不良(攪拌不良等による不均一分布を含む)や硬化条件不良等による樹脂特性の低下が、不良の主な原因と推定される(ステップ603)。標準試験片のガラス転移温度(標準値)は、記憶装置14が備えるデータベースに記憶されている。
一方、ガラス転移温度は標準値と差がなく、検査温度範囲内の全ての検査温度で、被検体10の強度が標準強度より低い場合は、樹脂特性の低下以外の原因、すなわち繊維構造の不良が原因として考えられる(ステップ604)。繊維構造の不良の原因としては、繊維の形状不整と繊維の体積率不足が主に考えられる。
繊維構造の不良として最も可能性が高い原因は、樹脂より高い弾性率を持つ繊維の体積率が標準試験片の体積率不足よりも少なくなっているという繊維の体積率不足である。この場合、成型時の圧力不足による成型不良や、真空排気が不十分でボイドが複合材(FRP)の中に残っていることなどのために、体積率不足が起きていると考えられる。
そこで、繊維の形状不整と繊維の体積率不足とを判別する測定を、被検体10の複数の検査点について行い、各検査点の位置と強度の関係を調べる。その結果の強度の分布状況を、記憶装置14に記憶させたデータベースと比較することにより、強度が繊維不整により連続的に変化しているか、ボイドなどにより不連続に変化しているかを調べる。これらの測定結果および判別結果を表示装置15に表示し、結果を検討する。これにより、繊維構造の不良の原因を判別することができる。
このようにして不良の原因が簡易に判別できるため、製造工程における問題点を明らかにし、いち早く製品の改善に反映することができる。
図7は、FRPの不良が、樹脂特性の低下による不良か繊維構造の不良かを判別し、さらに、繊維構造の不良の原因が、繊維の形状不整か繊維の体積率不足かを判別するためのフロー図の一例である。例えば、硬度計11として超音波探傷器を用い、FRPの繊維の形状不整やボイドの有無を求めた後、図7に示す判別フローで試験結果を評価する。図7は、図6と同様に、1箇所の検査点についてのフロー図であり、FRP構造物の全体については、各検査点に対して図7のフローに示した手順を実施する。
まず、硬度計11として超音波硬度計を用い、ステップ701からステップ703までの処理を実施する。ステップ701からステップ703までの処理は、図6に示したステップ601からステップ603までの処理に対応し、それぞれステップ601からステップ603と同様の処理を行う。
ステップ703で、ガラス転移温度は標準値と差がなく、被検体10の強度が標準強度より低い場合は、樹脂特性の低下以外の原因、すなわち繊維構造の不良が原因として考えられるので、ステップ704に進む。
ステップ704では、繊維の形状不整(うねり)がある場合は、FRPの強度低下は、繊維の形状不整が原因であると判別する(ステップ705)。繊維の形状不整の有無は、先に述べた、繊維の形状不整の有無を調べるための方法によって求めることができる。
繊維の形状不整(うねり)がない場合は、FRPの強度低下は、繊維の体積率不足が原因であると判別する(ステップ706)。繊維の体積率不足は、強度がボイドなどにより不連続に変化しているかを調べることによっても判別できる。
以上のように、樹脂特性の低下、繊維の形状不整、または繊維の体積率不足を評価することにより、FRPの不良(強度低下)の原因を判定することができる。従って、本発明によるFRPの評価方法および評価装置を用いると、FRPの強度低下の有無とその原因を容易に求めることができ、高い信頼性を持つFRP構造物を製作できる。
以上で説明した評価方法は、主にFRP構造物の初期特性を評価するのに用いられる方法である。本発明は、FRP構造物の特性の経時変化を評価するのに用いることもできる。
FRPの樹脂は、長年の運転により経年劣化が生じ、強度が低下する傾向を示す。また、繰り返し荷重を受ける部材に用いられる場合には、疲労による強度低下が生じる。これらの強度低下は、それぞれが別々に生じる場合もあり、重畳して生じる場合もある。従って、FRP構造物の中で強度低下が最も顕著に生じる部分について、経過時間または繰り返し回数に伴う強度の変化を定期的に測定することにより、FRP構造物の余寿命を評価することができる。
図8は、FRP構造物の経過時間による強度の変化例を示す図である。図8に示したように、強度は経過時間とともに低下する。
図9は、FRP構造物に一定負荷を繰り返しかけた場合の、繰り返し回数と強度の関係の例を示す図である。標準品(標準試験片)と構造不良品(繊維構造が不良であるFRP)とについて示したが、繰り返し回数の増加に対する強度低下は、構造不良品のほうが標準品よりも大きい。
FRPの強度は、繊維の角度により変化が異なり、特に繊維の形状不整(うねり)がある構造不良部分で低下率が高くなる。これは、形状不整(うねり)によりひずみが集中する部分ができ、疲労特性は応力の局所的な集中により変化するため、形状不整の部分での疲労による強度低下が顕著になりやすいからである。従って、生じた形状不整が初期の評価で許容できる程度だとしても、経年的な変化は形状不整のない部分よりも顕著になる場合があるので、形状不整が生じた部分に対しては、重点的に定期的な評価を実施することが必要となる。
図10は、FRP構造物の検査範囲内の各検査点について、上述した評価方法を実施するための構成の一例を説明する図である。図10の上図は側面図であり、下図は上面図である。一例として、被検体10は、上面形状が長方形であるとしている。
本評価装置のうち硬度計11を備える部分を被検体10の長手方向(図10の左右方向)に移動させながら、被検体10の特性(弾性率)を測定していく。本評価装置は、硬度計11を被検体10の幅方向(図10の下図の上下方向)について動かす機構を備えており、被検体10の幅方向についても特性を測定することができる。従って、硬度計11は、被検体10の面上を2次元的に走査し、特性を測定することができる。
このようにして、本評価装置は、被検体10の面上の各検査点での特性を測定する。その際に、検査点の位置座標、温度ごとの弾性率、繊維方向、ボイドの有無、板厚等の複数の測定データを記憶装置14(図5を参照、図10では図示せず)に記憶させる。測定データを演算/判定装置13(図5を参照、図10では図示せず)で演算して結果を評価し、不良の有無およびその位置を求める。
図10では、FRP構造物(被検体10)の上面形状が長方形であり、硬度計11を直交する2軸方向に走査させる機構を持つ評価装置を示したが、本評価装置は、この例に限らず、FRP構造物の形状に適した走査機構を持つことができる。例えば、FRP構造物が球状であれば、その球面に沿って走査する機構を持つことができる。
これまでは、一方向強化FRPに対して本発明を適用した例について説明したが、これ以外の強化構造を持つFRPに対しても、本発明は適用可能である。特に、積層構造を持つFRPには好適である。
1…強化繊維、2…異種材の繊維、3…FRPの構造部材、10…被検体、11…硬度計、12…温度調節装置、13…演算/判定装置、14…記憶装置、15…表示装置。

Claims (12)

  1. 被検体であるFRPの弾性率を少なくとも一つの検査温度について測定し、
    測定した前記FRPの弾性率を予め求めておいた参照用の弾性率と圧縮強度との関係と照合して前記FRPの圧縮強度を求めて、前記FRPの温度と圧縮強度との関係を求め、
    求めた前記FRPの温度と圧縮強度との関係と、予め求めておいた参照用の温度と圧縮強度との関係を比較して、前記FRPの強度低下およびその原因の少なくとも一つを判別する、
    ことを特徴とするFRPの評価方法。
  2. 請求項1記載のFRPの評価方法において、
    前記FRPの弾性率を複数の検査温度について測定し、
    測定した前記FRPの各弾性率を前記参照用の弾性率と圧縮強度との関係と照合して、前記複数の検査温度での前記圧縮強度を求め、
    前記複数の検査温度とこれらの検査温度での前記圧縮強度との関係から、前記FRPのガラス転移温度を求め、
    求めた前記ガラス転移温度が前記参照用の温度と圧縮強度との関係から求まるガラス転移温度より低い場合には、前記FRPの強度低下の原因は、前記FRPの樹脂特性の低下であると判別するFRPの評価方法。
  3. 請求項1記載のFRPの評価方法において、
    前記FRPの弾性率を複数の検査温度について測定し、
    測定した前記FRPの各弾性率を前記参照用の弾性率と圧縮強度との関係と照合して、前記複数の検査温度での前記圧縮強度を求め、
    前記複数の検査温度とこれらの検査温度での前記圧縮強度との関係と、前記参照用の温度と圧縮強度との関係とを比較し、
    前記複数の検査温度の全てで、前記FRPの圧縮強度が前記参照用の圧縮強度より低い場合には、前記FRPの強度低下の原因は、前記FRPの繊維構造の不良であると判別するFRPの評価方法。
  4. 請求項3記載のFRPの評価方法において、
    前記FRPの弾性率を複数の位置で測定し、前記複数の位置それぞれでの前記FRPの圧縮強度を求めて、前記FRPの圧縮強度分布を求め、
    前記圧縮強度が連続的に変化している場合には、前記繊維構造の不良の原因は、前記FRPの繊維の形状不整であり、
    前記圧縮強度が不連続に変化している場合には、前記繊維構造の不良の原因は、前記FRPの繊維の体積率不足であると判別するFRPの評価方法。
  5. 請求項1から3のいずれか1項記載のFRPの評価方法において、
    前記FRPに、前記FRPの強化繊維とは異なる種類の繊維を予め埋め込んでおき、
    前記異なる種類の繊維の形状が変化している場合には、前記FRPの強度低下の原因は、前記FRPの繊維の形状不整であると判別するFRPの評価方法。
  6. 請求項5記載のFRPの評価方法において、
    前記異なる種類の繊維の色は、前記FRPの強化繊維の色と異なるFRPの評価方法。
  7. 請求項1から3のいずれか1項記載のFRPの評価方法において、
    前記FRPの内部欠陥の有無を測定し、
    前記内部欠陥が存在する場合には、前記FRPの強度低下の原因は、前記FRPの繊維の体積率不足であると判別するFRPの評価方法。
  8. 被検体であるFRPの弾性率を測定する装置と、
    前記FRPの弾性率測定部の温度を調節する温度調節装置と、
    予め求めた弾性率と圧縮強度との関係を示す第1の参照用データと、予め求めた温度と圧縮強度との関係とを示す第2の参照用データとを記憶する記憶装置と、
    少なくとも一つの検査温度について測定した前記FRPの弾性率を第1の参照用データと照合して前記FRPの温度と圧縮強度との関係を求め、さらに、求めた前記FRPの温度と圧縮強度との関係と第2の参照用データとを比較して、前記FRPの強度低下およびその原因の少なくとも一つを判別する演算装置と、
    を備えることを特徴とするFRPの評価装置。
  9. 請求項8記載のFRPの評価装置において、
    前記弾性率を測定する装置は、前記FRPの弾性率を複数の検査温度について測定し、
    前記演算装置は、測定した前記FRPの各弾性率を前記第1の参照用データと照合して、前記複数の検査温度での前記圧縮強度を求め、
    前記複数の検査温度とこれらの検査温度での前記圧縮強度との関係から、前記FRPのガラス転移温度を求め、
    求めた前記ガラス転移温度が前記第2の参照用データから求まるガラス転移温度より低い場合には、前記FRPの強度低下の原因は、前記FRPの樹脂特性の低下であると判別するFRPの評価装置。
  10. 請求項8記載のFRPの評価装置において、
    前記弾性率を測定する装置は、前記FRPの弾性率を複数の検査温度について測定し、
    前記演算装置は、測定した前記FRPの各弾性率を前記第1の参照用データと照合して、前記複数の検査温度での前記圧縮強度を求め、
    前記複数の検査温度とこれらの検査温度での前記圧縮強度との関係と、前記第2の参照用データとを比較し、
    前記複数の検査温度の全てで、前記FRPの圧縮強度が前記第2の参照用データの圧縮強度より低い場合には、前記FRPの強度低下の原因は、前記FRPの繊維構造の不良であると判別するFRPの評価装置。
  11. 請求項10記載のFRPの評価装置において、
    前記弾性率を測定する装置は、前記FRPの弾性率を複数の位置で測定し、
    前記演算装置は、前記FRPの弾性率の測定位置を取得し、前記複数の位置それぞれでの前記FRPの圧縮強度を求めて、前記FRPの圧縮強度分布を求め、
    前記圧縮強度が連続的に変化している場合には、前記繊維構造の不良の原因は、前記FRPの繊維の形状不整であり、
    前記圧縮強度が不連続に変化している場合には、前記繊維構造の不良の原因は、前記FRPの繊維の体積率不足であると判別するFRPの評価装置。
  12. 請求項8から10のいずれか1項記載のFRPの評価装置において、
    前記FRPの内部欠陥の有無を測定する装置を備え、
    前記演算装置は、前記内部欠陥が存在する場合には、前記FRPの強度低下の原因は、前記FRPの繊維の体積率不足であると判別するFRPの評価装置。
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