JP2020529025A - 一方向複合中間物の欠陥を検出するための非破壊方法 - Google Patents

一方向複合中間物の欠陥を検出するための非破壊方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、主x−y平面を有し、x軸に沿って配向している一方向連続炭素繊維を含む部材(12)を特徴付けるための非破壊方法を提供する。本発明の方法は、複数の時間遅延ステージ位置を用いて時間の関数で広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定することを含み、部材(12)の炭素含有量を示す少なくとも1つのパラメータの値を検索できるようにする。

Description

本発明は、例えば、一方向ドライ炭素繊維、及びポリマーマトリクス(熱可塑性又は熱硬化性樹脂マトリクス)に組み込まれた一方向連続炭素繊維を含む中間複合材料などの、一方向連続炭素繊維を含む部材(コンポーネント)に関し、より詳細には、そのような材料の特性をマッピングし、それによって材料の質を評価し、材料の製造時に用いられるプロセス工程を評価するための非破壊方法に関する。
本発明はまた、検査した材料からできた、又は検査した材料からできる予定の部材及び構造のシミュレーションの目的で、この非破壊方法によって得られた特性を物理的性質(機械的、熱的、電気的)に導入することに関する。
複合材料又は複合部材の物理的性質(機械的、電気的、熱的)をモデル化するためには、その材料又は部材の成分含有量を知らなければならない。また、製造した材料又は部材の質や、材料又は部材の製造時に用いるプロセス工程の信頼性を評価するためにも、成分含有量の知識が必要である。
成分含有量とは、強化繊維、樹脂、空洞(ボイド)、フィラー、及びバインダー材料のバルク量と空間分布の両者を言う。
成分含有量を判定する方法は、ISO14127:2008(炭素繊維強化複合材料−樹脂含有量、繊維含有量、空洞率の判定)、ASTM D3171−15(複合材料の成分含有量の標準試験方法)、及びASTM D2734−16(強化プラスチックの空洞率の標準試験方法)に与えられている。
これらの規格で提案されている方法は、少量の試料を材料又は部材から抽出し、かつ燃焼、点火、又は化学的消化により樹脂を除去するという点において、本質的に破壊的である。
これらの規格内であっても、まさにその樹脂系、繊維系、複合材料に存在するフィラー及びバインダーに応じて、適用には実質的な制限が存在する。例えば、いくつかの樹脂系は、除去することができないか、又は副産物の生成なしには除去することができず、こうした副産物は次に繊維に堆積し、かつ測定に間違いを起こす可能性がある。
そのような場合、成分含有量を判定する方法は、一般的に切断しかつ研磨した部材の断面の破壊検査に限定される。このために、複合材料又は複合部材を局所的にサンプリングする。つまり、材料又は部材の一片を切断し、次いで、その一片の断面を組み込みかつ研磨し、場合によっては研磨した断面に対して表面処理を適用する。次いで、この試料を顕微鏡下で観察する。次いで、この断面の手動測定又は自動画像処理を実行し、繊維、樹脂、及び空洞の量及び分布などの成分含有量を自動的に識別することができる。
しかしながら、上記の技術は全て時間がかかり、局所領域の検査又は試験を代表するだけである。さらに、特徴付けした領域を破壊するので、検査した試料の成分特性と、その材料又は部分の物理的性質との間の直接的な関係を確立することは困難であり、検査した材料に類似した材料からなることを推測できるに過ぎない。
成分含有量以外に、他の要因もまた物理的性質に影響を与える。これらの要因は、繊維の炭化状態を含み、面内の繊維うねり、面外の繊維うねり、繊維損傷、及び樹脂損傷の存在を含む。
本発明は、ポリマーマトリクスに組み込まれた一方向連続炭素繊維を含む中間複合シート又はテープ材料に焦点を合わせており、より詳細には、そのような材料の特性をマッピングする非破壊方法に焦点をあわせている。本発明はまた、この非破壊方法によって得られた特性を、検査した材料からできた部材及び構造の物理的性質(機械的、熱的、電気的)に導入することに関する。
そのような材料の製造ルートは、例えば、溶融含浸、流動床含浸、反応性熱可塑性マトリクス含浸などによる方法を含む。含浸工程の前にドライ炭素繊維をボビンから引き出し、張力を与え、かつ広げて、材料における均等な繊維分布及びポリマーマトリクスの良好な含浸を確保する。次いで、広げた繊維に樹脂を含浸させ(通常は熱及び圧力を加える)、その後冷却する。炭素繊維の公称体積含有量は、特定の材料及び等級によって決まるが、典型的には30%から70%の間である。完全なリストではないが、自動車工業にとって興味を引く典型的な熱可塑性樹脂マトリクスは、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、及びポリフタルアミド(PPA)を含む。自動車工業にとって興味を引く熱硬化性マトリクスは、エポキシ(EP)及びポリウレタン(PU)を含む。
まさにその適用した製造工程と用いた設備に依存して、プロセスの生産物はシートでもテープでもよい。シートの場合、さらに切り込みを入れて、テープにしてもよい。テープの幅は典型的には5mm(ミリメートル)から100mm、しかし、より一般的には12mmから50mmである。シート材料の幅は100mmから500mmの範囲内でよい。シートとテープ両方の厚さは典型的には0.05mmから0.3mmの範囲内である。材料は典型的には250m(メートル)から1000mの長さで連続して作製される。
これらの材料を処理して部材にするための様々なルートがある。熱可塑性マトリクステープ材料は、通常は薄い樹脂表面層を有する。テープを部材に変えるためにテープに適用するほぼ全ての工程のルートは、加熱、圧力、及び後続の冷却を利用し、それによって、このテープの表面層を、他の類似した適合性樹脂系を含むテープ又は基材に結合するようになっている。
いわゆるテープ配置工程において、積層するテープに同時に熱及び圧力を加える。熱源は、赤外線、レーザ、高温ガス、又は超音波でよい。圧力は、典型的には硬い金属ローラー又は柔軟なプラスチックローラーを用いて加えられる。圧力を加えた後は、接合工程を完了するために、強制又は非強制の冷却段階が必要である。工程の特性及び質によっては、例えば、加熱及びプレス機での圧縮などのさらなる強化(一体化)処理の必要なく、強化をその場で達成することができる。
テープ巻き付け工程はテープ配置工程と類似しているが、テープは回転心棒、ライナー、又は工具に巻き付けられる。この場合もやはり熱源は、赤外線、レーザ、高温ガス、又は超音波でよい。圧力は、典型的にはローラーを用いて加えられる。圧力を加えた後は、接合工程を完了するために、強制又は非強制の冷却段階が必要である。
繊維構築(FiberForge)工程において、超音波ホーンを用いてテープを局所的に互いに連結させ、未強化のウェブ又は積層体を構築する。次いで、このウェブ又は積層体をプレス機で強化する。さらなる圧縮熱成形工程により、得られた強化積層体構造を部材に変えることができる。
また、テープ、ウェブ、積層体、及び成形積層体を射出成形型に配置し、かつ適合性射出成形材料でオーバーモールドすることができ、それにより必要とされる形状の柔軟性及び強度の性質を兼ね備えたハイブリッド複合材料を成形することができる。
また、テープを、既存の基材(例えば、射出成形部材、又は再生短繊維ポリマー複合材料シート)に加えることができ、それにより局所的に強度を高め、かつ特定方向の強度及び剛性の実質的な改善を与えることができる。
可能な工程の範囲が広いことから、テープの使用は最小限のものから集約的なものまで幅がある。
集約的な用途は、例えば、高圧ガス貯蔵のための圧力容器の場合である。そのようなタンクはテープ巻き付けとテープ配置の組み合わせによって作製され、必要な機械的性能(例えば、20から200MPa(メガパスカル)の範囲内の破裂圧力)を達成するためには、10mmから30mm厚のテープの層を構築することが必要になり得る。そのような圧力容器は、単一のユニットを作るために数キロメートルのテープ材料が必要になり得る。
またテープ巻き付けによって作製されるパイプラインでの適用においては、厚い壁を作成し、かつ何キロもの配管を作製することが必要となり得る。そのようなパイプラインは数キロメートルの材料を必要とする。
最小限の用途においては、性能を特定ユーザのプロファイル(例えば、人の重量又は強度)、使用ケース、又は荷重ケースに合わせるため、1枚のテープ又は何層かのテープを目的物に局所的に付けてもよい。そのような適用は、選択的又は局所的なテープ配置又はオーバーモールドにより実現することができる。中間容量の作製(20000ユニット/年)から高容量の作製(100000ユニット/年)のための、そのような最小限の用途であっても、テープ材料の総使用量は100km(キロメートル)又はさらに1000kmを容易に超え得る。
1枚の250mから1000mの長さのテープ又はシートの製造時に工程パラメータのばらつき又は非制御要因のランダム誤差の変動が生じ、そのテープ又はシートの特性における変化をもたらすことがある。シート製造の場合、ばらつきはさらにシートの幅にわたって生じ、これはまたその後、切断工程によりシートから引き出されたテープ材料の特性に反映され得る。例えば、シートの端から引き出されたテープはシートの中央から引き出されたテープとは異なる特性を有する可能性がある。
その後、テープの特性におけるばらつきは、テープを部材に変えるためテープに適用した後続の工程と相互作用する。例えば、テープ配置工程の間、テープは加熱され、圧力をかけられ、これらの刺激はテープの比較的乾燥した領域又はテープの樹脂に富む領域に沿ったテープの割れをもたらし得る。そのような割れが生じた場合、工程を停止し部材を処分する必要がある。したがって、ある一定の特性は、廃棄と工程の停止のリスクの上昇と関連がある。また、場合によっては、配置設備からの割れた材料による問題を解決するためメンテナンス活動を増加させる必要があるかもしれない。
部材を作る工程の後は、テープの特性が部材に組み込まれ、それにより部材の特性になる。例えば、材料仕様書/データシートに引用された公称繊維含有量より低い繊維含有量を有するテープ材料は、明らかに、公称繊維含有量を有するテープ材料から期待されるよりも低い性能性質を部材に与えるであろう。よって、繊維含有量におけるそのようなばらつきは、部材の性質のばらつきの原因となり、このことは、次に設計段階ではあまり厳しくない安全因子を適用することを必要とし、かつ最悪のシナリオにおいて安全性を確保するために絶対的に必要なものより多くの材料を使用することを必要とする。これらの材料は比較的高コスト/高価値材料であるため、このことは、次いでエンドユーザに転嫁される実質的な費用に影響を及ぼしたり、他の部材についての予想される支出を減少させたり、あるいはこの複合材料の使用を断念することにつながりかねない。
同じ製造単位の材料を用いる小規模の工程試験及び開発活動であっても、試験片で得られた性質の一部の変化を説明するのは困難な場合がある。この限られた規模の状況では、前述の規格(ASTM D2734−16、ASTM D3171−15、ISO14127:2008)及びミクロトーム/光学顕微鏡を用いることは極めて時間がかかる。さらに、それらは破壊的であるため、加工機を通過した、又は部材に変換したまさにそのテープ材料を特徴付けることができない。
さらに、ポリアミドなど自動車工業にとって興味を引く樹脂系に対して、ASTM D2734−16、ASTM D3171−15、及びISO14127:2008の規格に記載の樹脂除去技術を用いる余地は、実質的には限られている。
この理由から、熱可塑性物質(テープ又はシート)に組み込まれた一方向連続炭素繊維を含む複合材料を特徴付けるための非破壊試験技術が実質的に必要である。この技術は非破壊であるだけではなく、好ましくは非接触、非汚染であるべきであり、複合材料に変化を生じさせず、かつポリマーマトリクスに関係なく幅広く適用できるべきである。
この技術は、特性に単一値を与えるだけでなく、繊維及び樹脂の空間分布の詳細を提供できるべきである。例えば、樹脂に富む領域及び炭素に富む領域を識別するため、テープにわたる繊維含有量又は樹脂含有量のばらつきは、20μm(マイクロメートル)から50μmの範囲の空間分解能で解消する必要がある。
複合材料及び部材に対して様々な非破壊テスト技術が開発され確立されていることは周知である。
これらの試験技術はX線、赤外線サーモグラフィ、超音波、光学、高周波渦電流、及びテラヘルツ技術を含む。今の時点で確立されているこれらの方法は、それぞれ、ポリマーマトリクス(テープ又はシート)に組み込まれた一方向連続炭素繊維の特徴付けに関して制限があり、こうした制限が、空間分解能の観点から、あるいは材料を汚染し又は変化させるリスクの観点から、これらの方法を不適切なものにしている。
X線技術は、ポリマーマトリクスへのドーピング元素の添加なしに、ポリマーマトリクスと炭素繊維とのコントラストを提供しようとするものであるが、材料の性能を変化させ得る。
超音波検査システムの大部分は、プローブと測定対象との間の接触媒質として用いられる水又はジェルを必要とする。使用される接触媒質は、ポリマーマトリクスの変化及びさらなる工程を抑制する表面の汚染をもたらし得る。
レーザ超音波及び空気結合超音波などの非接触及び非流動性結合超音波技術は、欠陥検出に対してはいくぶん成功しているが、構成成分の分析に対しては今までのところ成功していない。
特に、Peter Feyら(19th World Conference on Non−Destructive Testing 2016、一方向複合材料及び複合製品を特徴付ける方法)は、テープのテストのための開発段階の空気結合超音波システムを発表した。開発の現状では、超音波信号と繊維含有量の良し悪しとの間の相関関係を実現したが、定量的相関はない。さらに、そのようなシステムにより実現できる分解能では、20μmから50μmなどのより高い分解能ターゲットに到達する見込みはない。
サーモグラフィは、熱励起の導入を必要とする。熱可塑性又は熱硬化性樹脂マトリクスに組み込まれた一方向連続炭素繊維について、特定のマトリクス材料によっては熱励起の導入は望ましくないことがある。
さらに、サーモグラフィ技術を他の熱工程に直列に/連続して適用する場合、例えば、含浸工程の後では、すでに動的熱状態が材料に存在し、適用した励起と区別するのが難しくなることがある。また、検査のための追加の熱励起によって、加熱及び冷却サイクルに依存する工程を妨げないことが好ましい。
テープを部材に変換する工程(例えば、前述のテープ配置又はテープ巻き付け工程)の前に材料を検査する場合に、サーモグラフィ技術は材料の温度を局所的に上昇させる。したがって、レイアップシステムは、加熱及び強化のために自身の電力を適用する際に、その温度上昇を補償する必要がある。
渦電流技術は炭素繊維含有量について目覚ましい結果をもたらすことができ、工業的な解決手法はSurgaus GmbH(ドレスデン、ドイツ)などの会社から入手できる。そのような検査技術の大きな利点は、複合材料に汚染を起こさず、かつ熱励起を必要としないことである。しかしながら、得られる空間分解能は、コイル型プローブ設計に対する物理的制約により制限される。この技術により、検査システムが20μmから50μmの範囲の特性を解決することはできない。
ガラス繊維で強化した系などのいくつかの一方向複合中間物材料の特徴付けのために、例えば、白色光又は特定波長をテープの主面を通過させ、かつ反対側で検出することにより、光学検査を行うことができる。炭素繊維に基づく系の場合、この測定技術を、含浸工程の前に材料内の間隙の全体を識別するためにのみ用いることができる。この手法は、繊維量などの成分特性を与えるために用いることはできない。
Theuerら(XXIXth URSE General Assembly、August 7−16、2008、THz Imaging and Spectroscopy for Non−Destructive Testing)は、研究室規模で10μmの精度まで、繊維を有さないポリマー層の厚さの測定のためにテラヘルツ時間領域分光法を用いている。Rutsら(Int.J.Infrared and Millimeter Waves、2007、Vol.27(4)、pp 547−556)、Stoikら(Opt Express、2008、Oct.13、16(21)、17039−51)、及びOspaldら(Opt.Eng.、53(3)、031208−Dec.16、2013)は、ガラス繊維複合材料の特性及び欠陥の識別のためにテラヘルツ時間領域分光法を用いている。
Amenabarら(J.Infrared、Millimeter and Terahertz Waves、(2013)34、pp 152−169)により示された国際的な学術的意見は、炭素繊維複合材料はテラヘルツ波を反射するという一般的な国際的学術的意見の限度で、テラヘルツ検査が炭素繊維複合材料にどうにか効果的であろうとするものである。これはまた、Beckerら(3rd Terahertz:Opportunities for Industry、February 3−5、2015、NDT Applications of All−Electronic 3D Terahertz Imaging)などのテラヘルツ検査システムの民間の販売会社によっても裏付けられている。
炭素繊維複合材料のテラヘルツ透過度が、炭素繊維軸に対する偏光方向に依存することは周知である。最近のEuropean Commission funded Framework 7 project(DOTNAC)では、Ospaldら(Opt.Eng.、53(3)、031208−Dec.16、2013)は、一方向炭素繊維複合材料パネルについて、テラヘルツ透過度は、偏光が炭素繊維軸に対して垂直なときは入射振幅のたったの1.2%であり、かつ偏光が炭素繊維軸に対して平行なときは0.11%であると述べている。Imら(Advances in Materials Science and Engineering、Volume 2013、Article ID 563962 and AIP Conference Proceedings 1430、1190(2012))は、このことが多方向性材料を測定する際に大きな問題を引き起こすということを示している。
しかしながら、これらのテラヘルツ測定の試みは、主に部分検査のエンドユーザの要求に基づいており(多数方向の繊維と1mm超の実質的な厚さを典型的には有する複合部材)、0.05mmから0.3mmの範囲の厚さを有するシート又はテープ形状の熱可塑性又は熱硬化性樹脂マトリクスに組み込まれた一方向連続炭素繊維を含む複合材料などの中間材料の検査のためのものではなかった。
工業レベルでは、国際公開第2009/052610号は、紙の作製工程の間に、テラヘルツ放射を用いてシート材料の繊維配向パラメータを決定する装置を開示している。
また、国際公開第2007/082371号においても、製紙工業におけるセルロース繊維に主として焦点を合わせた、テラヘルツ放射を用いた複合繊維材料の繊維の平均配向を評価する方法を開示している。
国際公開第2007/082371号はまた、炭素繊維材料の配向を決定するのに有用であると主張している。そのような場合、繊維に対して偏光角を変更する際に生じる透過のわずかな違いを利用している。
国際公開第2009/052610号及び国際公開第2007/082371号はいずれも、一方向連続炭素繊維を含む部材における炭素繊維の量及び樹脂の量などの成分含有量の偏差には何ら触れていない。
渦電流検査システムと比較して、光学的に励起されたテラヘルツマイクロプローブは、5μm未満の空間分解能でも測定を行う可能性を有しており、これは、シート又はテープ形状の熱可塑性又は熱硬化性樹脂マトリクスに組み込まれた一方向連続炭素繊維について関心のある空間分解能の範囲を満たす。
しかしながら、テラヘルツ検査が炭素繊維複合材料にどうにか効果的であるというのは、炭素繊維複合材料はテラヘルツ波を反射するという一般的な国際的学術的意見の範囲におけるものであるので、そのような技術は一方向連続炭素繊維を含む部材に対して有望な技術であるとは考えられていない。
よって、現時点では、一方向連続炭素繊維を含む部材を特徴付けることは困難である。一般に、一方向連続炭素繊維を含むそのような部材に存在する欠陥を、その部材自体を破壊することなく検出することは困難である。欠陥とは、樹脂に富む領域、繊維に富む領域、空洞、及び/又は割れであり得る。
現在も依然として、一方向連続炭素繊維を含む部材を特徴付ける非破壊方法を提供することが望まれている。
したがって、本発明の実施形態によれば、主x−y平面を有し、x軸に沿って配向している一方向連続炭素繊維を含む部材を特徴付けるための非破壊方法が提供される。この方法は、以下を含む:
(a)放射体が、y軸に沿った単一偏光状態を有する広帯域テラヘルツ電磁放射線を、主x−y平面に対して垂直なz軸に沿って放射するようにして、超短レーザパルスを作動させること、ここで、放射線の偏光状態は繊維の主軸に対して垂直であり;
(b)部材の主x−y平面の所定の場所で、部材の主x−y平面を通して、広帯域テラヘルツ電磁放射線を通過させること;
(c)マイクロプローブを超短レーザパルスで作動させ、ここで、放射体及びマイクロプローブのうちの1つが、時間遅延ステージを時間遅延ステージの1つの位置で通過した超短レーザパルスを受け、かつ部材を通過した広帯域テラヘルツ電磁放射線を、マイクロプローブを用いて測定し、ここで、このマイクロプローブは、放射体に対してx−y平面で固定されていること;
(d)測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線、所定の場所の座標、及び時間遅延ステージ位置を、第1のファイルに保存すること;
(e)時間遅延ステージ位置を修正し、かつ工程(a)から(d)を繰り返して、所定の場所で、時間の関数で広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定すること;
(f)時間の関数での測定広帯域電磁テラヘルツ放射線を、時間の関数での広帯域電磁テラヘルツ放射線のデータベースと比較すること;
(g)時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線に基づくデータベースから、部材の炭素含有量を示す少なくとも1つのパラメータ値を検索すること;及び
(h)部材の炭素含有量を示すパラメータの検索値及び所定の場所を、第2のファイルに保存すること。
一方向連続炭素繊維を含む部材(コンポーネント)とは、一方向に配向した炭素繊維を含む部材を意図している。炭素繊維は少なくとも数メートルの長さを有し得る。しかしながら、全ての炭素繊維が必ずしも厳密に互いに平行であるわけではない。部材の炭素繊維はある程度のうねりを示してもよい。炭素繊維が編まれておらず、かつ炭素繊維の大部分がx方向に沿って延びているという意味において、部材内の炭素繊維は互いにからまっていない。一方向連続炭素繊維を含む部材はまた、15mm又はこれよりも大きい長さを有する炭素繊維を含む部材を包含してもよく、この長さは、10μm又はこれより小さい炭素繊維の直径に比べて重要である。これらの繊維は連結していてもよい。そのような部材では、測定される広帯域テラヘルツ電磁放射線の精度は低いが、平均炭素繊維含有量を非破壊方法から得ることができ、この繊維は、本発明の意味において連続していると考えられる。
テープの幅は典型的には5mm(ミリメートル)から100mm、しかし、より一般的には12mmから50mmである。シート材料の幅は100mmから500mmの範囲内でよい。シートとテープ両方の厚さは典型的には0.05mmから0.3mmの範囲内である。この材料は、典型的には250m(メートル)から1000mの長さで連続して作製される。
テラヘルツ(THz)とは、0.02から5THzに含まれる波長を有する放射線であると見なされる。
上記の方法のおかげで、部材を破壊することなく部材の炭素含有量に関連した情報を得ることができる。
いくつかの実施形態において、工程(e)の前に、放射体及び部材を所定のピッチ分、互いに対して移動させ、広帯域テラヘルツ電磁放射線が、部材の主x−y平面の他の所定の場所で、部材の主x−y平面を通過する。
したがって、異なる所定の場所で、y方向の、つまり、部材の幅方向の線に沿った広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定することができ、その後、他の時間遅延ステージ位置に移動し、かつ同一の線に沿ってその所定の時間遅延ステージ位置で、広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定することができる。
時間遅延ステージを放射体の前又はマイクロプローブの前に置いて、放射体を作動させる超短レーザパルスと、マイクロプローブを作動させる超短レーザパルスとの間の時間遅延を作り出すことができる。
部材の断面図上で(y方向の線に沿って)測定を行うが、この値は表面百分率(srf%)ではなく、体積百分率(vol%)で与えられる。実際に、炭素繊維は連続しており、平均炭素繊維含有量は部材のx方向に沿った小断面において一定であると推測される。
いくつかの実施形態において、工程(h)の後、放射体及び部材を所定のピッチ分、互いに対して移動させ、広帯域テラヘルツ電磁放射線が、部材の主x−y平面の他の所定の場所で部材の主x−y平面を通過する。
したがって、x方向に連続する線を測定することができる。
いくつかの実施形態において、y方向のピッチは20μm以上であり、かつ100μm以下である。
いくつかの実施形態において、この方法は、部材の1つの面の座標x、y、zを測定すること、及びこれらの座標を保存して、部材の面とマイクロプローブとの間の距離を一定に保つことを含む。
また、マイクロプローブと放射体との間の距離を一定に保つことができる。
また、測定線に沿った部材の断面図を決定し、かつその所定の断面での炭素繊維の体積分率及び/又は樹脂マトリクスの体積分率を、部材の全体寸法、つまり公称幅及び公称厚さを使って決定する場合よりも正確に計算できる。
また、部材の周辺の樹脂に富む層の存在を決定し、かつ部材の表面と部材の第1の炭素繊維の間の距離を決定することができる。よって、部材の炭素繊維領域における樹脂の体積分率を決定することができる。
いくつかの実施形態において、時間の関数での測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線を、時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線のデータベースと比較することは、時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線の所定の信号振幅の時間遅延の値を比較することを含む。
したがって、比較時間及び/又は全体の測定時間を短縮することができる。
いくつかの実施形態において、部材は、一方向ドライ炭素繊維トウ、又は熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂マトリクスに組み込まれた一方向連続炭素繊維を有する一方向中間複合材料である。
熱可塑性樹脂マトリクスの例としては、これらに限定されないが、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド6(PA6)などのポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのポリアリールエーテルケトン(PAEK)、及び高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。熱硬化性樹脂マトリクスの例としては、これらに限定されないが、エポキシ(EP)及びポリウレタン(PU)が挙げられる。
いくつかの実施形態において、炭素含有量を示すパラメータが、樹脂の量、炭素繊維の数、及び炭素の量のうちの少なくとも1つを含む。
炭素の量又は炭素含有量は、例えば、炭素繊維の体積パーセント(vol%)で表される体積分率である。樹脂の量又は樹脂含有量は、例えば、樹脂マトリクスの体積パーセント(vol%)で表される体積分率である。
炭素の量及び/又は樹脂の量は、部材の断面が分かっているときに得ることができる。断面は、部材の幅及び厚さの公称値を用いて近似するか、又は例えば光学的測定により局所的に部材の断面を決定することによって近似することができる。
いくつかの実施形態において、この方法は、部材の空洞率を決定するために、部材の弾性表面波測定用の弾性表面波測定システムを含む。
炭素の量及び樹脂の量が分かっている場合、期待される弾性波と比較した弾性波の偏差を検出することによって、部材の空洞率を決定することができる。
いくつかの実施形態において、この方法は、炭素含有量を示すパラメータの検索値のマップを、部材の所定の場所の関数として作成することを含む。
いくつかの実施形態において、この方法は、炭素含有量を示すパラメータの検索値のマップに、簡素化ルールを適用して、炭素含有量を示すパラメータの検索値の簡素化マップを得ることを含む。
例えば、測定を所定のピッチで実施することができ、各測定点の周辺部位を平均して、炭素含有量を示すパラメータの検索値にすることができる。つまり、測定点を中心とした材料の「切断片(スライス)」が測定点と同じ性質を有すると見なす。他の例として、炭素含有量を示すパラメータの検索値をテープの全幅にわたって平均化してもよく、それがテープの幅に沿った全ての測定点の代表となる。さらに他の例として、一連の隣接する線を測定してもよく、所定のテープ長にわたる平均繊維含有量、及び同じ所定のテープ長にわたる面内のうねりの単一の一般化パラメータを含む一般的な統計値を、この領域について作成することもできる。
いくつかの実施形態において、この方法は、
− 時間の関数で測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線を、第1の複数の試料の断面顕微鏡画像のパラメータの測定値と相関させること;
− 時間の関数で測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の関数として、パラメータの測定値をデータベースに保存すること;
によってデータベースを作ることを含む。
所定の部材に対してデータベースを作ることができる。同一の組成(公称炭素繊維含有量、公称厚さなど)の部材に対してデータベースを後で用いることができる。
いくつかの実施形態において、この方法は、
− 炭素含有量を示すパラメータの検索値の作成したマップを、第2の複数の試料の断面顕微鏡画像のパラメータの測定値と比較すること;
− 時間の関数で測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の関数として、このパラメータの測定値をデータベースに保存すること;及び
− 炭素含有量を示すパラメータの検索値の作成したマップと、第2の複数の試料の断面顕微鏡画像のパラメータの測定値との間の偏差が、各所定の場所において15%又はこれより小さくなるまで、先の2の工程を繰り返すこと;
によって、データベースを改良することを含む。
いくつかの実施形態において、断面顕微鏡画像で測定したパラメータは、繊維の数、体積%での繊維の総量、体積%での樹脂の量である。
いくつかの実施形態において、一方向ドライ炭素繊維トウ、又は熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂マトリクスに組み込まれた一方向連続炭素繊維を有する一方向中間複合材料の完全なスプールに対してマップを得て、このマップに関連した情報を、スプール及び/又は部材上に位置する装置に保存する。
したがって、スプール上の部材を用いる場合、部材の上での場所の関数として検索したパラメータを記録することができる。マップを部材に、つまりスプール自体に保存してもよく、又はスプール上の部材に保存した情報を、マップを保存した外部データソースから参照してもよい。
いくつかの実施形態において、時間遅延ステージ位置のピッチは2μm又はこれを超え、好ましくは5μm又はこれを超え、かつ50μm又はこれより小さく、好ましくは20μm又はこれより小さいものとすることができる。
本発明の実施形態によると、部材を有する複合部材の製造工程のための、部材の物理的性質の複数の値を決定する方法が提供される。この部材は、主x−y平面を有し、x軸に沿って配向している一方向連続炭素繊維を含み、かつこのシミュレーション方法は、上記に定義した炭素含有量を示すパラメータの検索値のマップと、製造工程の複数のパラメータとを用いて、製造工程の終わりに部材の所定の場所で部材の物理的性質の値を決定し、それぞれの値を閾値と比較し、かつ閾値に達した場合に警告信号をもたらす。
本開示の実施形態によると、主x−y平面を有する一方向連続炭素繊維を含む部材からできた複合材料又は複合部材の物理的性質を決定する方法が提供され、この連続炭素繊維はx軸に沿って配向しており、この方法は、上記に定義した炭素含有量を示すパラメータの検索値のマップを作成することを含み、その物理的性質は炭素含有量を示すパラメータによって定まる。
矛盾がない限り、上記の要素及び明細書の範囲内の要素を組み合わせてもよいことを意図している。
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は共に、単に例示的かつ説明的なものであり、特許請求の範囲に記載される開示を制限するものではないことを理解すべきである。
この明細書に組み込まれこの明細書の一部を構成する添付図面は、詳細な説明と共に発明の実施形態を説明し、その原理を説明するのに役立つ。
本発明の実施形態に係る方法を実施するための装置の概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る方法の第1のフローチャートである。 本発明の実施形態に係る方法の第2のフローチャートである。 顕微鏡で撮影した試料1の部分断面図である。 試料1の幅(μm−横軸)の関数としての炭素繊維の数(縦軸)のグラフである。 顕微鏡で撮影した試料2の部分断面図である。 試料2の幅(μm−横軸)の関数としての炭素繊維の数(縦軸)のグラフである。 顕微鏡で撮影した試料3の部分断面図である。 試料3の幅(μm−横軸)の関数としての炭素繊維の数(縦軸)のグラフである。 試料1の線に沿ったテラヘルツ測定の結果であり(図10と図11は2つの異なる線である)、測定した広帯域電磁テラヘルツ放射線の振幅(任意の単位−階調レベル)は、試料1のy方向における所定の線上のy位置(mm−横軸)の関数として異なる時間遅延ステージ位置(縦軸)で表されている。 試料1の線に沿ったテラヘルツ測定の結果であり(図10と図11は2つの異なる線である)、測定した広帯域電磁テラヘルツ放射線の振幅(任意の単位−階調レベル)は、試料1のy方向における所定の線上のy位置(mm−横軸)の関数として異なる時間遅延ステージ位置(縦軸)で表されている。 試料1の異なる所定の場所についての時間遅延ステージ位置(mm−横軸)の関数としての、測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅(任意の単位−縦軸)のグラフである。 試料2の線に沿ったテラヘルツ測定の結果であり(図13と図14は2つの異なる線である)、測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅(任意の単位−階調レベル)は、試料2のy方向における所定の線上のy位置(mm−横軸)の関数として異なる時間遅延ステージ位置(縦軸)で表されている。 試料2の線に沿ったテラヘルツ測定の結果であり(図13と図14は2つの異なる線である)、測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅(任意の単位−階調レベル)は、試料2のy方向における所定の線上のy位置(mm−横軸)の関数として異なる時間遅延ステージ位置(縦軸)で表されている。 試料2の異なる所定の場所についての時間遅延ステージ位置(mm−横軸)の関数としての、測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅(任意の単位−縦軸)のグラフである。 試料3の線に沿ったテラヘルツ測定の結果であり(図16と図17は2つの異なる線である)、測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅(任意の単位−階調レベル)は、試料3のy方向における所定の線上のy位置(mm−横軸)の関数として異なる時間遅延ステージ位置(縦軸)で表されている。 試料3の線に沿ったテラヘルツ測定の結果であり(図16と図17は2つの異なる線である)、測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅(任意の単位−階調レベル)は、試料3のy方向における所定の線上のy位置(mm−横軸)の関数として異なる時間遅延ステージ位置(縦軸)で表されている。 試料3の異なる所定の場所についての時間遅延ステージ位置(mm−横軸)の関数としての、測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅(任意の単位−縦軸)のグラフである。 部材からできた複合部材である。 パラメータの検索値の簡素化マップである。
ここで、本発明の例示的な実施形態を詳細に説明し、その例を添付図面に示す。可能な限り、図面において、同一又は類似の部分には同一の参照番号を使用する。
図1は、本発明の実施形態に係る方法を実施するための装置10の概略斜視図を示す。
装置10は、一方向連続炭素繊維を含む部材12を特徴付けるための非破壊方法を実施できる。部材12は、一方向ドライ炭素繊維トウであっても、熱可塑性又は熱硬化性樹脂マトリクスに組み込まれた一方向連続炭素繊維を有する一方向中間複合材料であってもよい。
以下の記述において、x、y、z軸、x、y、z方向、及びx−y平面に言及する。これらの軸/方向及び平面は部材12の主平面に対して定義され、x軸は炭素繊維に平行でありその方向は矢印14によって表され、y軸はx軸に対して垂直でありかつx軸とともに部材のx−y平面を定義し、z軸はx−y平面に対して垂直である。したがって、x軸は部材12の長さを定義し、y軸は部材12の幅16を定義し、z軸は部材12の厚さ18を定義する。
装置10は、部材12を平らに保ち測定領域における張力を保つ固定部20を含む。図1の例示的な実施形態において、固定部20はロールとして表されている。
装置10は、図1において部材12の下に配置した放射体22を含み、放射体22は、実線矢印24で表されるy軸に沿った単一偏光状態を有する広帯域テラヘルツ電磁放射線をz軸に沿って放射することができる。
装置10は、部材12を通過した広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定するためのマイクロプローブ26を含む。マイクロプローブ26は放射体22に対してx−y平面で固定されており、かつマイクロプローブ26は放射体22に対して部材12の反対側に配置されている。つまり、放射体22及びマイクロプローブ26は、部材12の反対側に配置されており、z方向において互いに一直線になっている。
装置10は、部材12のz位置を測定する部分を含んでいてもよい。例えば、その部分は光学的測定システム28であってもよい。図1には、部材12の両側に1つずつ、2つの光学的測定システム28が示されている。しかしながら、装置10は、1つの光学的測定システム28のみを、好ましくは部材12のマイクロプローブ側に含むことができる。装置10はまた、弾性波(音波)測定システム30を含んでもよい。光学的測定システム28及び弾性波(音波)測定システム30は、部材12に行う測定に応じてあってもなくてもよい。
図2を参照し、装置10を用いた一方向連続炭素繊維を含む部材を特徴付けるための非破壊方法100を説明する。非破壊方法100は工程102から始まる。
部材12を、z方向に対して部材12を固定する固定部20の間に配置する。放射体22及びマイクロプローブ26を部材12の反対側に配置する。言い換えると、放射体22及びマイクロプローブ26を互いに向き合わせて配置し、つまり、同一のx、y座標を有するように配置し、部材12は放射体22とマイクロプローブ26の間にある。
この例において、放射体22は、例えば、フェムト秒レーザなどのレーザ光源(図示せず)に接続した光学的に励起される分極性広帯域電磁放射線放射体である。
工程104では、フェムト秒レーザを作動させると、フェムト秒レーザが、時間遅延ステージの第1の位置で時間遅延ステージを経由する超短パルスを放射する。時間遅延ステージを通過したレーザパルスは放射体22を作動させ、放射体22が実線矢印24で表されるy軸に沿った単一偏光状態を有する広帯域テラヘルツ電磁放射線を、主x−y平面に対して垂直なz軸に沿って放射する。
工程106では、広帯域テラヘルツ電磁放射線が、部材12の主x−y平面の所定の場所、つまり、所定のx、y座標で部材12の主x−y平面を通過する。
工程108では、マイクロプローブ26、この例においては光学的に作動させられる電磁放射マイクロプローブが、超短レーザパルスによって作動させられる。この超短レーザパルスは、時間遅延ステージを通過しないこと以外は、放射体22を作動させるものと同一である。マイクロプローブ26は、部材12を通過した広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定する。つまり、広帯域テラヘルツ電磁放射線は部材12の一方の側から放射され、部材12を通過し、部材12の反対側で検出及び測定される。
あるいは、工程104では、フェムト秒レーザを作動させ、時間遅延ステージを通過することなく放射体22を作動させる超短パルスを放射し、この超短パルスは、工程108でマイクロプローブ26を作動させる前に、時間遅延ステージの第1の位置で時間遅延ステージを経由する。
工程110では、工程108で測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線、所定の場所の座標、及び時間遅延ステージ位置を第1のファイルに保存する。
工程112では、テストを実施する。テストは所定の場所での測定が完了したか否かの評価で構成される。
答えが「いいえ」の場合(図2の「O」)、非破壊方法100は、時間遅延ステージの時間遅延ステージ位置を修正する工程114に進む。
工程114の後、非破壊方法100は工程104から再び始まり、テスト工程112に進む。
異なる時間遅延ステージ位置で工程104から工程110を繰り返すことにより、時間の関数で、所定の場所での部材12を通過した広帯域テラヘルツ電磁放射線の測定を可能にする。実際に、所定の場所で測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線を、時間遅延ステージ位置の関数として構築することによって、所定の場所での、時間の関数で測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線が得られる。
例えば、工程104から工程110は、10μmの時間遅延ステージ位置ピッチで10回実行してもよく、10回の測定には全体で約0.3s(秒)の時間がかかる。
工程112のテストの答えが「はい」の場合(図2の「I」)、非破壊方法100は、時間の関数で測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線を、時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線のデータベースと比較する工程116に進む。
工程118では、時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線に基づき、部材12の炭素含有量を示す少なくとも1つのパラメータ値をデータベースから検索する。
部材12の炭素含有量を示すパラメータとしては、樹脂の量、炭素繊維の数、及び炭素の量が挙げられる。
工程120では、部材12の炭素含有量を示すパラメータの検索値及びこの測定の所定の場所を、第2のファイルに保存する。
工程122では、テストを実施する。テストは部材12の測定が完了したか否かの評価で構成される。
答えが「はい」の場合(図2の「I」)、非破壊方法100は、非破壊方法の終了である工程126に進む。
答えが「いいえ」の場合(図2の「O」)、非破壊方法100は工程124に進む。工程124では、放射体22のx−y平面における場所を、部材12に対して所定のピッチ分修正する。マイクロプローブ26が放射体22に対してx−y平面で固定しているため、マイクロプローブ26のx−y平面における場所を部材12に対して同一の所定のピッチ分、放射体22の方向と同一の方向に修正し、それによって、広帯域テラヘルツ電磁放射線が、部材12の主x−y平面の他の所定の場所で部材12の主x−y平面を通過するようにする。
工程124の後、非破壊方法100は工程104から再び始まり、テスト工程122に進む。
工程116から工程120を1回しか実行しない場合、非破壊方法100は部材12の主x−y平面のある一つの所定の場所の、時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線の測定を可能にする。
工程124を経由すると、部材12の主x−y平面の複数の所定の場所の、時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線の測定の実行を可能にする。
図3は非破壊方法200を示し、この方法は、図2の非破壊方法100とは工程110とテスト工程112の間、つまり時間遅延ステージ位置の修正前にテスト工程128を行う点でのみ異なる。
工程128では、テストを実施する。このテストは、部材12の主x−y平面の他の所定の場所での測定を行うか否かの評価で構成される。
答えが「はい」の場合(図3の「I」)、非破壊方法200は工程130に進む。工程130では、放射体22のx−y平面における場所を、部材12に対して所定のピッチ分修正する。マイクロプローブ26が放射体22に対してx−y平面で固定しているため、マイクロプローブ26のx−y平面における場所を部材12に対して同一の所定のピッチ分、放射体22の方向と同一の方向に修正し、それによって、広帯域テラヘルツ電磁放射線が、部材12の主x−y平面の他の所定の場所で部材12の主x−y平面を通過するようにする。
工程130は、所定の時間遅延ステージ位置に対し、異なる所定の場所での部材12の主x−y平面を通過する広帯域テラヘルツ電磁放射線の測定を可能にする。
答えが「いいえ」の場合(図3の「O」)、非破壊方法200は工程112に進み、異なる時間遅延ステージ位置に対して異なる所定の場所での部材12の主x−y平面を通過する広帯域電磁テラヘルツ電磁放射線を測定する。
例えば、所定の時間遅延ステージ位置で、y方向の線に沿った部材12の主x−y平面を通過する広帯域テラヘルツ電磁放射線の測定を行うことができる。次いで、時間遅延ステージ位置を工程114で修正し、各場所で、y方向の同一の線に沿った部材12の主x−y平面を通過する広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定することができる。
いったん、異なる時間遅延ステージ位置での部材12の主x−y平面を通過する広帯域テラヘルツ電磁放射線の測定が、y方向の線に沿った時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線を得るのに十分になれば、非破壊方法200は工程116に進む。
例えば、y方向のピッチは20μm又はこれを超えてもよく、かつ100μm又はこれより小さくてもよい。y方向のピッチが30μmの12mm幅の部材12に対しては、y方向の1つの線について400回の広帯域テラヘルツ電磁放射線の測定がある。これら400回の測定は異なる時間遅延ステージ位置で繰り返される。10の異なる時間遅延ステージ位置に対し、部材12のy方向の1つの線に沿った測定には最大で2分かかる。
部材12によっては、x方向において1mごと、100mごと、又は他の都合の良いパターンで測定を行うことができる(工程124)。
装置10が、部材12の主x−y平面のマイクロプローブ26と同じ側に配置した、光学的測定システム28などの部材12のz位置を測定する部分を含む場合、座標(x、y、z)、つまり部材のマイクロプローブ側の部材12の面を測定してもよい。特に、時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定する所定の場所に対応する点の座標は興味を引くものである。座標(x、y、z)の測定は、必ずしも時間の関数で広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定することになる所定の場所である必要はない。しかしながら、座標(x、y、z)の測定は、時間の関数で広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定することになる所定の場所にできるだけ近いことが好ましい。
z座標に関して、装置10がマイクロプローブ26と部材12の面との間のz方向の距離を調整することにより、マイクロプローブ26と部材12の面との間のz方向の距離が測定の間一定となる。また、装置が放射体22とマイクロプローブ26の間のz方向の距離を調整することによって、放射体22とマイクロプローブ26の間のz方向の距離が測定の間一定となる。
装置10が、部材12の主x−y平面の放射体22と同じ側に配置した光学的測定システム28などの部材12のz位置を測定する部分を含む場合、座標(x、y、z)、つまり部材の放射体側の部材12の面を測定することができる。特に、時間の関数で広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定する所定の場所に対応する点の座標を測定する。
同一のx位置でy方向の線に沿った部材12の両方の面の測定により、その所定のx位置での部材12の断面形状を作り上げることが可能となる。
他の光学的測定システム28が、所定のx位置での部材12の断面形状を提供してもよい。
光干渉断層計などの他の光学的測定システム28は、部材12の面に対して第1の表面下繊維層の面の位置及びz位置を得ることを可能にする。
これらの追加データは、部材12の分析をさらに強化するために用いることができる。
特に、例えばvol%(体積百分率)で、部材12におけるy方向の線に沿った炭素繊維の数又は炭素の量が分かっていると、例えばvol%で、所定のx位置での部材12の断面形状の樹脂含有量を推定することが可能である。
部材12の断面形状を部材12の一般的な全体形状とみなすことができ、あるいは部材12の断面形状を光学的測定システム28で測定することができる。後者の方法の方がより正確な結果をもたらす。
さらに、光干渉断層計を使用し、部材12が樹脂に富む層を有する場合に、部材12の面に近接した樹脂の量を決定することができ、したがって、部材12の繊維に富む領域における樹脂の量を推定することができる。
部材12の厚さが50μm又はこれを超える値に変化してもよい場合、そのような部材12の厚さのばらつきが部材12を通過する広帯域テラヘルツ電磁放射線に影響を及ぼす可能性があるため、光学的測定が有用であることが分かるであろう。50μm未満の厚さの変化については、部材の厚さの変化による広帯域テラヘルツ電磁放射線の変化は、炭素繊維の存在による広帯域テラヘルツ電磁放射線の変化に比べて無視できる程であると考えられる。
装置10はまた、表面波測定システム30を含んでいてもよい。例えばvol%で、部材12における空洞率を決定することができる。
実際に、部材12の炭素繊維含有量及び樹脂含有量に基づき、所定の炭素繊維含有量及び樹脂含有量に対し理想的な波速度からの偏差を識別でき、部材12の空洞率を推定できる。
非破壊方法はまた、測定工程の後に追加の工程を含んでもよい。
例えば、非破壊方法は、パラメータの検索値のマップを部材12の所定の場所の関数として作成する工程を含んでもよい。
簡素化ルールを適用することで、パラメータの検索値の簡素化マップを得ることができる。
測定はスプールの上で行ってもよく、部材12は測定のためのスプールからほどかれ、他のスプールに巻き付けられる。あるいは、測定は複合部材の製造工程の間に行ってもよく、測定の間は部材が静止している可能性があるため、複合部材を製造する設備は、部材12のいくつかの部分を固定して、測定を行うことができるようにしながら、部材12を張力下に保持し、かつ複合部材を作製するために支持部の上に部材を配置することを可能にする部分を含むことになる。
非破壊方法はまた、特徴付けしようとする部材の各タイプ、すなわち、所定の繊維量を有する炭素繊維/樹脂マトリクスの様々な組み合わせのために、測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線を、第1の複数の試料の断面顕微鏡画像のパラメータの測定値と相関させ、かつ測定した広帯域電磁テラヘルツ放射線の関数として、このパラメータの測定値をデータベースに保存することによって、データベースを作り上げる工程を含んでもよい。
例えば、部材12の試料を装置10に配置し、時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線をy方向の複数の線に沿って測定する。次いで、部材12の試料を複数の線の複数の場所で切断し、顕微鏡を用いて断面を詳しく調べる。
試料1
試料1は、ポリアミド6、PA6、又はナイロン6とも称されるポリカプロラクタム熱可塑性樹脂マトリクスに組み込まれた一方向連続炭素繊維を含む部材である。試料1は、公称50vol%の炭素繊維を有し、標準偏差0.18μmの平均直径5.5μm、試料幅12mm、及び厚さ0.15mmを有する。図4は、顕微鏡で撮影した試料1の部分断面画像を示す。
図4及び図5から分かるように、一方向連続炭素繊維は樹脂マトリクス内で均等に分布しておらず、試料1は、試料1の幅に沿って散らばっている、樹脂に富む領域及び繊維に富む領域を有している。
図5は試料1の幅(μm)の関数としての炭素繊維の数を示し、0μmと12000μmが試料1の部材の反対側にある。炭素繊維の数は、試料1を30μm幅で垂直に切断した光学顕微鏡断面像上で数えられる。
試料1の光学顕微鏡断面像から、平均炭素繊維含有量を計算し、公称50vol%より4vol%低い46vol%であることが分かった。標準偏差は15.34%であり、最大炭素繊維含有量、つまり30μm幅の切断片で測定した最大炭素繊維含有量は74vol%であって、最小炭素繊維含有量は3.1vol%である。また、図4の断面における材料の53%が50vol%という公称炭素繊維含有量を下回ることが分かった。炭素繊維含有量(vol%)を光学顕微鏡断面像で測定するように、樹脂含有量(vol%)もまた測定することができる。炭素繊維の直径及び炭素繊維の組成もまた、試料1の断面で測定することができる。特に、前駆体が十分に炭化されたことを確認することが可能である。前駆体は、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)でよい。実際に、炭素繊維の直径及び/又は炭素繊維の組成が公称の仕様とは異なる場合、部材を通過する広帯域テラヘルツ電磁放射線を用いることができる。また、装置10の較正目的のために、試料のテープを作製することによって炭素繊維の組成を考慮することができ、その試料テープは同一の化学組成及び所定の炭化状態を有する。
試料1の断面上で測定を行っているが、値は表面百分率(srf%)ではなくvol%で与えられる。実際に、炭素繊維は連続しており、平均炭素繊維含有量は試料1のx方向に沿って一定であると推測される。炭素繊維のうねりのため、30μm幅の各切断片の炭素繊維含有量はx方向に沿って変化し得る。しかしながら、分布の特性は、x方向において1mにわたっても、ある一つの断面と他の断面とで互いに類似している。すなわち、テープの島状構造は、テープに沿って、また、x方向において短い距離にわたって、つまり、約50mmのx方向における距離内で、依然として島状構造であり、繊維含有量及び/又は分布において一般的に変化はない。
試料2
試料2は、PEEKとも称されるポリエーテルエーテルケトン熱可塑性樹脂マトリクスに組み込まれた一方向連続炭素繊維を含む部材である。試料2は、公称65vol%の炭素繊維を有し、標準偏差0.28μmの平均直径5.57μm、試料幅25mm、及び厚さ0.15mmを有するの。図6は、顕微鏡で撮影した試料2の部分断面画像を示す。
図6及び図7から分かるように、一方向連続炭素繊維は樹脂マトリクス内で均等に分布しておらず、試料2は、試料2の幅方向(y方向)に沿って延びる樹脂に富む領域を有している。
図7は試料2の幅(μm)の関数としての炭素繊維の数を示し、0μmと25000μmが試料2の部材の反対側にある。炭素繊維の数は、試料2を30μm幅で垂直に切断した光学顕微鏡断面像上で数えられる。
試料2の光学顕微鏡断面像から、平均炭素繊維含有量を計算し、公称65vol%より6vol%高い71vol%であることが分かった。標準偏差は7.3%であり、最大炭素繊維含有量、つまり30μm幅での切断片で測定した最大炭素繊維含有量は88vol%であって、最小炭素繊維含有量は35vol%である。また、図6の断面における材料の16%が65vol%という公称炭素繊維含有量を下回ることが分かった。炭素繊維含有量(vol%)を光学顕微鏡断面像で測定するように、樹脂含有量(vol%)もまた測定することができる。炭素繊維の直径及び炭素繊維の組成もまた、試料2の断面で測定することができる。また、装置10の較正目的のために、試料のテープを作製することにより炭素繊維の組成を考慮することができ、その試料テープは同一の化学組成及び所定の炭化状態を有する。
試料2の断面上で測定を行っているが、値はsrf%ではなくvol%で与えられる。実際に、炭素繊維は連続しており、平均炭素繊維含有量は試料2のx方向に沿って一定であると推測される。炭素繊維のうねりのため、30μm幅の各切断片の炭素繊維含有量はx方向に沿って変化し得る。しかしながら、分布の特性は、x方向において1mにわたっても、ある一つの断面と他の断面とで互いに類似している。すなわち、テープの島状構造は、テープに沿って、また、x方向において短い距離にわたって、つまり、約50mmのx方向における距離内で、依然として島状構造であり、繊維含有量及び/又は分布において一般的に変化はない。
試料3
試料3は、HDPEとも称される高密度ポリエチレン熱可塑性樹脂マトリクスに組み込まれた一方向連続炭素繊維を含む部材である。試料3は、公称49vol%の炭素繊維を有し、試料標準偏差0.23μmで平均直径6.69μm、幅12mm、及び厚さ0.13mmを有する。図8は、顕微鏡で撮影した試料3の部分断面画像を示す。
図8及び図9から分かるように、一方向連続炭素繊維は樹脂マトリクス内で均等に分布しておらず、試料3は、均一な一方向連続炭素繊維分布を有する。
図9は試料3の幅(μm)の関数としての炭素繊維の数を示し、0μmと12000μmは試料3の部材の反対側にある。炭素繊維の数は、試料3を30μm幅で垂直に切断した光学顕微鏡断面像上で数えられる。
試料3の光学顕微鏡断面像から、平均炭素繊維含有量を計算し、公称49vol%より10vol%低い39vol%であることが分かった。標準偏差は7.1%であり、最大炭素繊維含有量、つまり30μm幅での切断片で測定した最大炭素繊維含有量は58vol%であって、最小炭素繊維含有量は6.5vol%である。また、図8の断面における材料の92%が49vol%という公称炭素繊維含有量を下回ることが分かった。炭素繊維含有量(vol%)を光学顕微鏡断面像で測定するように、樹脂含有量(vol%)もまた測定することができる。炭素繊維の直径及び炭素繊維の組成もまた、試料3の断面で測定することができる。また、装置10の較正目的のために、試料のテープを作製することにより炭素繊維の組成を考慮することができ、その試料テープは同一の化学組成及び所定の炭化状態を有する。
試料3の断面上で測定を行っているが、値はsrf%ではなくvol%で与えられる。実際に、炭素繊維は連続しており、平均炭素繊維含有量は試料3のx方向に沿って一定であると推測される。炭素繊維のうねりのため、30μm幅の各切断片の炭素繊維含有量はx方向に沿って変化し得る。しかしながら、分布の特性は、x方向において1mにわたっても、ある一つの断面と他の断面とで互いに類似している。すなわち、テープの島状構造は、テープに沿って、また、x方向において短い距離にわたって、つまり、約50mmのx方向における距離内で、依然として島状構造であり、繊維含有量及び/又は分布において一般的に変化はない。
図10及び図11は、試料1の2つの異なる線に沿ったテラヘルツ測定の結果を示す。線は試料1のy方向に沿っており、x方向に互いに917mmの間隔を空けている。2つの測定間のy方向のピッチは、線に沿って30μmである。測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅は任意の単位で与えられ(グラフ下の階調レベル参照)、かつ試料1のy方向における所定の線上のy位置(mm)の関数として、異なる時間遅延ステージ位置で表されている。図10及び図11は、時間遅延ステージ位置のピッチを10μmとした、試料1の幅9000μm、つまり9mmについての、約100回の測定を表している。図5に示すように、試料1のテープの部分32で測定を実行した。図から分かるように、図10及び図11は類似しており、試料1の炭素繊維分布がx方向に沿って類似しており、かつ断面測定に基づきvol%への外挿を行うことができることを示している。
図12は、試料1の異なる所定の場所に対する時間遅延ステージ位置(mm)の関数としての、測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅(任意の単位)のグラフを示す。曲線A、B、Cは、それぞれ、時間の関数として測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線を表しており、30μm幅の切断片での試料1のある所定の炭素繊維の数を代表するものである。曲線A、B、Cは、試料1の73、7、及び199の炭素繊維に対する、時間遅延ステージ位置の関数としての測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅をそれぞれ表す。試料1について、つまり、所定の商用の炭素繊維/樹脂マトリクスの組み合わせについて、曲線A、B、Cを、炭素繊維の数、平均炭素繊維含有量、平均樹脂含有量などと共にデータベースに保存する。表現の簡素化のため、図12は3つの曲線A、B、Cのみを示している。しかしながら、30μmの各切断片に対し、そのような曲線を図10及び図11のデータから作成することができ、データベースに保存することができる。さらに、所定のテープに対し、同一の炭素繊維の数を有する切断片は、試料1についての図12のように類似の曲線を示し、特に、測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅が最大である時間遅延ステージ位置で、類似の曲線を示すことが確認できる。
図13及び図14は、試料2の2つの異なる線に沿ったテラヘルツ測定の結果を示す。線は試料2のy方向に沿っており、x方向に互いに917mmの間隔を空けている。2つの測定間のy方向のピッチは、線に沿って30μmである。測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅は任意の単位で与えられ(グラフ下の階調レベル参照)、かつ試料2のy方向における所定の線上のy位置(mm)の関数として、異なる時間遅延ステージ位置で表されている。図13及び図14は、時間遅延ステージ位置ピッチを10μmとした、試料2の幅6090μm、つまり6.09mmについての、約100回の測定を表している。図7に示すように、試料2のテープの部分32で測定を実行した。図から分かるように、図13及び図14は類似しており、試料2の炭素繊維分布がx方向に沿って類似しており、かつ断面図測定に基づきvol%への外挿を行うことができることを示している。
図15は、試料2の異なる所定の場所に対する時間遅延ステージ位置(mm)の関数としての、測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅(任意の単位)のグラフを示す。曲線A、B、Cは、試料2の113、168、及び176の炭素繊維に対する、時間遅延ステージ位置の関数としての測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅をそれぞれ表す。
図16及び図17は、試料3の2つの異なる線に沿ったテラヘルツ測定の結果を示す。線は試料3のy方向に沿っており、x方向に互いに917mmの間隔を空けている。2つの測定間のy方向のピッチは、線に沿って30μmである。測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅は任意の単位で与えられ(グラフ下の階調レベル参照)、かつ試料3のy方向における所定の線上のy位置(mm)の関数として、異なる時間遅延ステージ位置で表されている。図16及び図17は、時間遅延ステージ位置ピッチを10μmとした、試料3の幅9000μm、つまり9mmについての、約100回の測定を表している。図9に示すように、試料3のテープの部分32で測定を実行した。図から分かるように、図16及び図17は類似しており、試料3の炭素繊維分布がx方向に沿って類似しており、かつ断面図測定に基づきvol%への外挿を行うことができることを示している。
図18は、試料3の異なる所定の場所に対する時間遅延ステージ位置(mm)の関数としての、測定した広帯域電磁テラヘルツ放射線の振幅(任意の単位)のグラフを示す。曲線A、B、Cは、試料3の137、47、及び68の炭素繊維に対する、時間遅延ステージ位置の関数としての測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅をそれぞれ表す。
炭素含有量を示すパラメータの検索の値作成したマップを、第2の複数の試料の断面顕微鏡画像のパラメータの測定値と比較し;測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の関数として、パラメータの測定値をデータベースに保存し;かつ炭素含有量を示すパラメータの検索値の作成したマップと、第2の複数の試料の断面顕微鏡画像のパラメータの測定値との間の偏差が、各所定の場所において15%又はこれより小さくなるまで、先の2工程を繰り返すことにより、データベースを改良することもできる。
一旦、部材12でデータベースを作成すれば、部材12自体の測定を上述の非破壊方法100、200に従って行うことができる。
例えば、y方向の線を選択して、部材12の全幅で測定する。マイクロプローブ26を放射体22に対して主x−y平面で固定しながら、第1の時間遅延ステージ位置で第1の線に沿って、放射体22及びマイクロプローブ26に対して部材12を移動させることによって、図10、11、13、14、16、17のグラフと類似したグラフを得ることができる。異なる所定の場所で第1の線に沿って測定を実行する。ここで、各測定点のy座標は所定のピッチ、例えば30μmずつ増える。所定の場所それぞれについての広帯域テラヘルツ電磁放射線を、時間遅延ステージ位置及び所定の場所のx、y座標と共に第1のファイルに保存する。次いで、同一の第1の線、同一の所定の場所において、異なる時間遅延ステージ位置で測定を実行する。時間遅延ステージ位置は、例えば10μmのピッチずつ増えてもよい。
これらの工程を異なる時間遅延ステージ位置で繰り返すことにより、図12の曲線と類似した曲線、つまり、第1の線上で各所定の場所の時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線を得ることができる。第1の線上の各所定の場所についての曲線を、データベース中に存在する時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線と比較し、例えば、時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線に対応する炭素繊維の数を検索する。所定の場所のx、y座標及び炭素繊維の検索した数を第2のファイルに保存する。これらの工程を各所定の場所に対して繰り返す。
時間の関数で測定した広帯域電磁テラヘルツ放射線を、時間の関数での広帯域電磁テラヘルツ放射線のデータベースと比較するために、時間の関数での広帯域電磁テラヘルツ放射線の所定の信号振幅の時間遅延の値を比較することができる。例えば、所定の信号振幅で、時間遅延ステージ位置の値を比較することができる。時間の関数で測定した広帯域電磁テラヘルツ放射線の最大振幅の時間遅延ステージ位置を比較することもできる。この最大振幅は、例えば数学アルゴリズムを用いて得ることができる。
測定時間を短縮するために、時間遅延ステージ位置の範囲を特定することができ、この範囲で、時間の関数で測定した広帯域電磁テラヘルツ放射線の最大振幅は降下し、したがって、図12、15、18の曲線を作成するのに求められる測定数が減少する。
次いで、マイクロプローブ26を放射体22に対して主x−y平面で固定しながら、放射体22及びマイクロプローブ26に対して部材12を移動させて、第2の線に沿って測定を実行し、かつ第2の線に沿った所定の場所の座標の関数として炭素繊維の数を第2のファイルに保存する。
異なる線に沿った測定を繰り返すことにより、部材における炭素繊維の数のマップを作成することができる。
また、部材12のマイクロプローブ側の面のz座標を測定する場合、各所定の場所のz座標もまた第1のファイル及び第2のファイルに保存される。これらの測定部、この場合光学的測定システム28を、放射体22及びマイクロプローブ26の場所とは異なるx−y平面での場所に置くことができる。しかしながら、x、y、z座標の測定は、広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定する所定の場所で、光学的測定システム28により実行される。これは、鉛直変位、すなわち、マイクロプローブ26及び/又は放射体22のz方向での鉛直変位を可能とし、マイクロプローブ26とマイクロプローブ側の部材12の面との間、及びマイクロプローブ26と放射体22との間の距離を一定に保つことを可能にする。
部材12の放射体側の第2の光学的測定システム28を有することで、部材12の放射体側の部材12の面の測定が可能となり、かつ部材12のマイクロプローブ側の光学的測定システム28の測定と共に部材12の断面を測定することができる。
所定の場所に存在する炭素繊維の直径と数が分かれば、所定の場所の炭素繊維の炭素繊維体積を計算することができ、かつ部材12の断面と共に、部材12の炭素繊維含有量(vol%)及び樹脂含有量(vol%)を計算することができる。デジタル画像解析を用いると、炭素繊維はホワイトピクセルであり樹脂はグレーピクセルである。よって、平均炭素繊維含有量及び樹脂含有量は、ホワイト及びグレーピクセルの総数に対するホワイトピクセルの数の比、及びホワイト及びグレーピクセルの総数に対するグレーピクセルの数の比として、それぞれ計算することができる。
しかしながら、部材12の測定した断面がなくても、部材12の断面の平均推定に基づき、部材12の炭素繊維含有量(vol%)及び樹脂含有量(vol%)を計算することもできる。
例えば、部材12の完全なスプールに対して、部材12及び部材12の使用目的によっては、1mごと、5mごと、20mごと、50mごと、又は100mごとに、線に沿った測定を実行してもよい。
したがって、マップは連続ではなく離散した線の集合ではあるが、完全なスプールのためのマップを得ることができる。
炭素含有量を示すパラメータの検索値のマップに、簡素化ルールを適用することによって、マップを簡素化し、炭素含有量を示すパラメータの検索値の簡素化マップを得るようにすることができる。
有利には、マップをスプール上及び/又は部材12上に位置する装置に保存することができる。
例えば、第2のファイルに保存した情報又はマップに関連しているインクジェット印刷識別コードによって、測定の場所を部材それ自体上で特定することができる。したがって、部材上での測定の場所、及びその場所に関連したパラメータの関連した検索値を正確に記録することができる。
また、マップに関する情報は、スプール上の部材の巻き戻しを記録する慣性装置などの、スプール上に位置する装置に保存してもよい。
部材12からできた複合部材34(図19参照)の製造工程において、部材12は部材12が巻き付けられていたスプールからほどかれ、複合部材は一般的に、少なくとも、支持部上での部材配置方法、部材巻き付け方法、又は両方の方法の組み合わせによって得られる。
所望の機械的性質を複合部材に与えるため、一般的に、部材12のいくつかの層が複合部材の断面に存在する。つまり、断面から見ると、複合部材は、互いに積み重なって配置した部材のいくつかの層を含む(図20参照)。
製造工程の間、支持部上に部材12を配置するか又は巻き付ける時に、部材12をレーザで加熱し、製造工程の間に少なくとも樹脂マトリクスを部分的に溶解し、かつ複合部材を一体化することができ、かつ/又は部材12の配置又は巻き付けの後、例えばオートクレーブで部材12を加熱することができる。
試料1から作製した図19の複合部材34の断面について、簡素化マップの例を図20に示す。ここでは、層の高さは完全に任意であり、部材12の厚さを示すものではないことに留意されたい。
例えば、図10及び図11のテラヘルツ測定の結果を画素化し、それによって、画素が30μm幅の切断片を表すようにしてもよい。図10及び図11の試料1について、第1の線Eに沿った各画素に対し、時間遅延ステージ位置(mm)の関数としての測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線の振幅(任意の単位)の曲線を得る。測定曲線のそれぞれ、つまり時間の関数で測定した広帯域テラヘルツ電磁放射線のそれぞれを、時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線のデータベースと比較し、かつ炭素含有量を示すパラメータの値、この例においては炭素繊維の数をそのデータベースから検索し、かつ所定の場所の座標と共に第2のファイルに保存する。
次いで、各切断片に存在する炭素繊維の数を表すカラーコードで、各切断片を表す(図19の右側の説明参照)。
図20から分かるように、y方向における部材12の2つの異なる線E、Fに沿った部材12の2つの異なる断面が示されており、一方の断面は他方の断面の上に重ねて示されている。線E及び線Fは互いにx方向に間隔を空けて離れていてもよく、部材12を支持部の上に配置して、部材12から複合部材を製造するときに、線Eを線Fの上に配置することができる。
製造工程の間、部材12をけん引してもよく、部材12を小穴に通してもよく、部材12を加熱してもよい。処理後、つまり製造工程の終わりに、部材12の物理的パラメータの値を決定することができるように、製造工程のそれら全てのパラメータを構成することができる。
それぞれの値を閾値と比較することができ、かつ部材の所定の場所で閾値に達した場合に警告信号をもたらすことができる。物理値の非限定的な例として、ヤング率を用いてもよい。したがって、最終複合部材のシミュレーションによって、破損のリスク又は機械的特性の低い複合部材の位置を決定することができる。
例えば、所定のスプールで製造工程を開始するために、又は異なるスプールを使用するために、このシミュレーションに基づき決定を行うことができる。実際に、マップと巻き付けパターン又は配置パターンを組み合わせることによって、低炭素繊維含有量の蓄積が起こるシミュレーションした複合部材における領域を特定することができる。また、実際の炭素繊維分布を含むシミュレーションモデルを作成することができる。低炭素繊維含有量の蓄積のある領域は、巻き付けパターン又は配置パターンによって決まるので、所定の部材12が、ある所定の複合部材の製造工程には適していなくても、他の所定の複合部材の製造工程には適する場合がある。
また、部材12のパターン及び炭素含有量を示すパラメータの検索値のマップに基づいて、複合部材の物理的性質を決定するためにこの非破壊方法を用いてもよい。
図20から分かるように、高い樹脂マトリクス含有量の濃度を示す複合部材における領域を特定することができる。
また、追加の弾性表面波測定システムを使って、部材12の空洞のマップを作成することができる。
このように、部材12における炭素繊維の平均体積含有量のばらつきは、公称値と異なっている可能性がある。例えば、試料1について、4vol%の小さい平均偏差であっても部材12の機械的挙動が変化する可能性がある。
特許請求の範囲を含む明細書全体にわたり、「含む(comprising a)」という用語は、別段の記載がない限り、「少なくとも1つを含む(comprising at least)」と同じ意味であると理解されるべきである。さらに、特許請求の範囲を含む明細書における任意の範囲は、別段の記載がない限り、その端値(複数を含む)を含むものとして理解されるべきである。記載された要素に関する特定の値は、当業者に既知の許容される製造又は業界公差内であると理解されるべきであり、「実質的に」及び/又は「約」及び/又は「一般的に」という用語のいずれの使用も、そのような許容される公差内に含まれることを意味すると理解されるべきである。
国家的、国際的、又は他の規格化団体の任意の規格を参照する場合(例えばISOなど)、そのような参照は、本明細書の優先日時点での国家的又は国際的規格化団体によって定義された規格を参照することを意図している。そのような規格に対するあらゆる後続の実質的な変更は、本発明及び/又は特許請求の範囲の範囲及び/又は定義を修正することを意図しない。
本明細書における本発明は、特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は単に本発明の原理及び応用の例示的なものであることが理解されるべきである。
明細書及び実施例は単に例示的なものと考えられ、本発明の真の範囲は以下の特許請求の範囲によって示されることを意図している。
例えば、少なくとも数メートルの長さの一方向連続炭素繊維を含む部材に対して非破壊方法が開示されているが、この方法は、再生炭素繊維などの15mm又はそれより大きい長さを有する炭素繊維を含む部材に応用することも可能である。時間遅延ステージを放射体の前に配置した実施形態を説明したが、時間遅延ステージを代わりにマイクロプローブの前に置いてもよいことが理解される。

Claims (17)

  1. 主x−y平面を有し、x軸に沿って配向している一方向連続炭素繊維を含む部材(12)を特徴付けるための、以下を含む非破壊方法(100;200):
    (a)放射体(22)が、y軸に沿った単一偏光状態を有する広帯域テラヘルツ電磁放射線を、前記主x−y平面に対して垂直なz軸に沿って放射するようにして、超短レーザパルスを作動させること(104)、ここで、前記放射線の前記偏光状態は前記繊維の主軸に対して垂直であり;
    (b)前記部材(12)の前記主x−y平面の所定の場所で、前記部材(12)の前記主x−y平面を通して、前記広帯域テラヘルツ電磁放射線を通過させること(106);
    (c)マイクロプローブ(26)を前記超短レーザパルスで作動させ(108)、ここで、前記放射体及び前記マイクロプローブのうちの1つが、時間遅延ステージを前記時間遅延ステージの1つの位置で通過した前記超短レーザパルスを受け、かつ前記部材(12)を通過した前記広帯域テラヘルツ電磁放射線を、前記マイクロプローブ(26)を用いて測定し、ここで、前記マイクロプローブ(26)は、前記放射体(22)に対して前記x−y平面で固定されていること;
    (d)測定した前記広帯域テラヘルツ電磁放射線、前記所定の場所の座標、及び前記時間遅延ステージ位置を、第1のファイルに保存すること(110);
    (e)前記時間遅延ステージ位置を修正し(114)、かつ工程(a)から(d)を繰り返して、前記所定の場所で、時間の関数で前記広帯域テラヘルツ電磁放射線を測定すること;
    (f)時間の関数で測定した前記広帯域テラヘルツ電磁放射線を、時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線のデータベースと比較すること(116);
    (g)時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線に基づく前記データベースから、前記部材(12)の炭素含有量を示す少なくとも1つのパラメータの値を検索すること(118);及び
    (h)前記部材(12)の炭素含有量を示す前記パラメータの前記検索値及び前記所定の場所を、第2のファイルに保存すること(120)。
  2. 工程(e)の前に、前記放射体(22)及び前記部材(12)を所定のピッチ分、互いに対して移動させ、前記広帯域テラヘルツ電磁放射線が、前記部材(12)の前記主x−y平面の他の所定の場所で、前記部材(12)の前記主x−y平面を通過する、請求項1に記載の非破壊方法(100;200)。
  3. 工程(h)の後で、前記放射体(22)及び前記部材(12)を所定のピッチ分、互いに対して移動させ、前記広帯域テラヘルツ電磁放射線が、前記部材(12)の前記主x−y平面の他の所定の場所で、前記部材(12)の前記主x−y平面を通過する、請求項1又は2に記載の非破壊方法(100;200)。
  4. y方向の前記ピッチは、20μm以上であり、かつ100μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非破壊方法(100;200)。
  5. 前記部材(12)の1つの面の座標x、y、zを測定すること、及びこれらの座標を保存して、前記部材(12)の前記面と前記マイクロプローブ(26)との間の距離を一定に保つことを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非破壊方法(100;200)。
  6. 時間の関数で測定した前記広帯域テラヘルツ電磁放射線を、時間の関数での広帯域テラヘルツ電磁放射線の前記データベースと比較することは、時間の関数での前記広帯域テラヘルツ電磁放射線の所定の信号振幅の時間遅延の値を比較することを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の非破壊方法(100;200)。
  7. 前記部材(12)は、一方向ドライ炭素繊維トウ、又は熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂マトリクスに組み込まれた一方向連続炭素繊維を有する一方向中間複合材料である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の非破壊方法(100;200)。
  8. 前記炭素含有量を示す前記パラメータが、樹脂の量、炭素繊維の数、及び炭素の量のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の非破壊方法(100;200)。
  9. 前記部材(12)の空洞率を判定するために、前記部材(12)の弾性表面波測定用の弾性表面波測定システム(30)を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の非破壊方法(100;200)。
  10. 前記部材(12)の前記所定の場所の関数として、前記炭素含有量を示す前記パラメータの前記検索値のマップを作成することを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の非破壊方法(100;200)。
  11. 前記炭素含有量を示す前記パラメータの前記検索値の前記マップに、簡素化ルールを適用して、前記炭素含有量を示す前記パラメータの前記検索値の簡素化マップを得ることを含む、請求項10に記載の非破壊方法(100;200)。
  12. − 時間の関数で測定した前記広帯域テラヘルツ電磁放射線を、第1の複数の試料の断面顕微鏡画像のパラメータの測定値と相関させること;及び
    − 時間の関数で測定した前記広帯域テラヘルツ電磁放射線の関数として、前記パラメータの前記測定値を前記データベースに保存すること;
    によって、前記データベースを作ることを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の非破壊方法(100;200)。
  13. − 前記炭素含有量を示す前記パラメータの前記検索値の作成した前記マップを、第2の複数の試料の断面顕微鏡画像のパラメータの測定値と比較すること;
    − 時間の関数で測定した前記広帯域テラヘルツ電磁放射線の関数として、前記パラメータの前記測定値を前記データベースに保存すること;及び
    − 前記炭素含有量を示す前記パラメータの前記検索値の作成した前記マップと、前記第2の複数の試料の前記断面顕微鏡画像の前記パラメータの前記測定値との間の偏差が、各所定の場所において15%又はこれよりも小さくなるまで、先の2つの工程を繰り返すこと;
    によって、前記データベースを改良することを含む、請求項12に記載の非破壊方法(100;200)。
  14. 断面顕微鏡画像で測定した前記パラメータは、繊維の数、体積パーセントでの繊維の総量、体積パーセントでの樹脂の量である、請求項12又は13に記載の非破壊方法(100;200)。
  15. 前記一方向ドライ炭素繊維トウ又は前記熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂マトリクスに組み込まれた一方向連続炭素繊維を有する一方向中間複合材料の完全なスプールに対して前記マップを得て、前記マップに関連した情報を、前記スプール及び/又は前記部材(12)上に位置する装置に保存する、請求項7と組み合わせた請求項10又は11に記載の非破壊方法(100;200)。
  16. 部材(12)を有する複合部材の製造工程のために、前記部材の物理的性質の複数の値を決定する方法であって、前記部材(12)は、主x−y平面を有し、x軸に沿って配向している一方向連続炭素繊維を含み、かつこのシミュレーション方法が、請求項10又は11に記載の前記炭素含有量を示す前記パラメータの前記検索値の前記マップと、前記製造工程の複数のパラメータとを用いて、前記製造工程の終わりに前記部材の所定の場所で前記部材(12)の前記物理的性質の前記値を決定し、それぞれの値を閾値と比較し、かつ前記閾値に達した場合に警告信号をもたらす、方法。
  17. 主x−y平面を有し、x軸に沿って配向している一方向連続炭素繊維を含む部材(12)からできた複合材料又は複合部材の物理的性質を決定する方法であって、前記方法が請求項10又は11に記載の前記炭素含有量を示す前記パラメータの前記検索値の前記マップを作成することを含み、前記物理的性質が前記炭素含有量を示す前記パラメータによって定まる、方法。
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