JP2004279083A - Frpの曲げ試験方法 - Google Patents
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Abstract
【解決課題】FRP板の曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ破壊歪を高精度で測定できる曲げ試験方法を提供する。
【解決手段】FRPの試験片に軸圧縮荷重を加え、曲げ変形させ、破壊させて曲げ試験を行うに際し、次式、
λ=120.5L/t
ただし、L:試験片の長さ(mm)
t:試験片の厚み(mm)
で表される細長比λが、次式、
15E0.5<λ<40E0.5
ただし、E:試験片の曲げ弾性率(GPa)
の範囲内にある試験片を用い、かつ、試験片を、両端部を試験片の曲げ変形の方向に回動自在な治具で支持するとともに、一端部は軸圧縮荷重の軸中心で支持し、他端部は軸圧縮荷重の軸中心からオフセットした位置で支持する。
【選択図】 図1
【解決手段】FRPの試験片に軸圧縮荷重を加え、曲げ変形させ、破壊させて曲げ試験を行うに際し、次式、
λ=120.5L/t
ただし、L:試験片の長さ(mm)
t:試験片の厚み(mm)
で表される細長比λが、次式、
15E0.5<λ<40E0.5
ただし、E:試験片の曲げ弾性率(GPa)
の範囲内にある試験片を用い、かつ、試験片を、両端部を試験片の曲げ変形の方向に回動自在な治具で支持するとともに、一端部は軸圧縮荷重の軸中心で支持し、他端部は軸圧縮荷重の軸中心からオフセットした位置で支持する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FRP板の曲げ試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FRP構造体に限らず、一般に構造体は、曲げ負荷がかかる場合が多く、そのため、それを構成する部材の曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ破壊歪を正確に測定することは、構造体の評価、設計等にとって極めて重要なことである。
【0003】
ところで、力学上明らかなように、部材に曲げ応力が作用した場合、部材には引張りと圧縮の双方の歪が発生するが、部材の破壊は引張強度と圧縮強度のいずれか低いほうの強度に依存する。これらの強度を知るために曲げ試験が行われる。曲げ試験には、一般に3点曲げ試験法や4点曲げ試験法が用いられている。
【0004】
FRPの場合も例外ではなく、JIS K 7055「ガラス繊維強化プラスチックの曲げ試験方法」や、JIS K 7074「炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法」に3点曲げ試験法や4点曲げ試験法が規定されている。ところが、これらの曲げ試験法では、試験片に曲げ荷重を負荷する圧子による局部的な応力集中があり、圧子の曲率半径や試験片のスパン、厚みによって測定値が大きく変わることから、絶対値やポテンシァル値をとらえにくいという問題がある。そこで、圧子を用いない、試験片に軸圧縮荷重を加え、曲げ変形させ、破壊させて曲げ試験を行う方法が提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0005】
この方法は、試験片の両端部を、試験片の曲げ変形の方向に回動自在な治具を用いて軸圧縮荷重の軸中心で支持し、試験片に軸圧縮荷重を加えて曲げ変形させ、破壊させることによって曲げ強度、弾性率、曲げ破壊歪を測定するものである。このときの曲げ強度σ(MPa)、曲げ弾性率E(GPa)、曲げ破壊歪ε(%)は、
δ=2L(1−E(p)/K(p)) ・・・(1)
ただし、L :試験片の長さ(mm)
K(p):第1種完全楕円積分
E(p):第2種完全楕円積分
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
で表される治具の移動量δ(mm)と、破壊荷重P(N)から、次の式(2)、(3)、(4)で表される。
【0006】
σ=6PL(p/K(p))/(wt2) ・・・(2)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
E=3PL2/(1,000wt3K(p)2) ・・・(3)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
K(p):第1種完全楕円積分
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
ε=200t(pK(p))/L ・・・(4)
ただし、t :試験片の厚み(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
L :試験片の長さ(mm)
この方法によれば、圧子を用いないので、それによる局部的な応力集中は回避できる。しかしながら、一方で、この方法は、試験片の両端部を軸圧縮荷重の軸中心で支持しているためにそれによる拘束の影響が大きく、初期の圧縮座屈応力が高くて試験片に軸圧縮応力が残存するようになるため、正確な曲げ破壊荷重値を得にくい。
【0007】
また、試験片は治具に設けた溝で支持するが、溝が深いと試験片の曲げ変形に伴って試験中に支点が溝の底部から開口部に変わってしまい、試験片長が実質的に変わって測定精度が低下してしまうこともある。
【0008】
さらに、治具の移動量δと破壊荷重Pから曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εを求める場合、式(1)〜(4)にみられるように数値計算によらざるを得ない完全楕円積分が媒介変数として含まれていることから、算出に手間がかかる。そのため、一般的にはその計算結果を数表にし、その数表から具体的数値を求めている。しかしながら、数表では変数αまたはp等の離散的値に対してのみK(p)、E(p)が求められているだけで、その間の変数に対しては補完法等で求めるほかはなく、その計算にも手間がかかり、また、精度も悪くなる。数表を図にしておけば計算の手間は省けるが、図では読み取りの誤差が大きく、やはり精度が悪くなる。
【0009】
【非特許文献1】
福田博著、「日本航空宇宙学会誌」、第41巻、第475号、第482〜487頁(1993年8月)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の技術の上述した問題点を解決し、測定精度の高い、FRPの曲げ試験方法を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、FRPの試験片に軸圧縮荷重を加え、曲げ変形させ、破壊させて曲げ試験を行うに際し、次式、
λ=120.5L/t
ただし、L:試験片の長さ(mm)
t:試験片の厚み(mm)
で表される細長比λが、次式、
15E0.5<λ<40E0.5
ただし、E:試験片の曲げ弾性率(GPa)
の範囲内にある試験片を用い、かつ、試験片を、両端部を試験片の曲げ変形の方向に回動自在な治具で支持するとともに、一端部は軸圧縮荷重の軸中心で支持し、他端部は軸圧縮荷重の軸中心からオフセットした位置で支持することを特徴とするFRPの曲げ試験方法を提供する。
【0012】
上記において、治具としては、次式で表される支持溝を有し、かつ、他端部においては、支持溝が治具の軸中心からその治具の半径方向に治具の半径の1/2以内の位置にオフセットして配されている治具を用いるのが好ましい。
【0013】
1.01 < W/t < 2.0
(1−(W/t)−2)0.5 < H/t < 2.0
ただし、W:支持溝の幅
t:試験片の厚み
H:支持溝の深さ
また、次式、
δ=2L(1−E(p)/K(p))
ただし、L :試験片の長さ(mm)
K(p):第1種完全楕円積分
E(p):第2種完全楕円積分
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
で表される治具の移動量δ(mm)と、破壊荷重P(N)から、次式、
σ=6PL(p/K(p))/(wt2)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
E=3PL2/(1,000wt3K(p)2)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
K(p):第1種完全楕円積分
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
ε=200t(pK(p))/L
ただし、t :試験片の厚み(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
L :試験片の長さ(mm)
に基づいて試験片の曲げ強度σ(MPa)、曲げ弾性率E(GPa)および曲げ破壊歪ε(%)を求めるに際し、媒介変数として含まれる完全楕円積分項について、入力変数に対して誤差が小数点以下4桁以下の完全楕円積分の近似式による関数計算結果が出力される数表を作成しておき、この数表を参照して曲げ強度、曲げ弾性率および曲げ破壊歪を求めるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明においては、FRPの試験片に軸圧縮荷重を加え、曲げ変形させ、破壊させて圧縮曲げ試験を行うに際し、次の式(5)、
λ=120.5L/t ・・・(5)
ただし、L:試験片の長さ(mm)
t:試験片の厚み(mm)
で表される細長比λが、式(6)、
15E0.5<λ<40E0.5 ・・・(6)
ただし、E:試験片の曲げ弾性率(GPa)
の範囲内にある試験片を用いる。
【0015】
試験片は、FRP板を成形し、矩形状ないし短冊状に切り出すことによって容易に得ることができる。細長比を15E0.5よりも大きくすることで、初期圧縮座屈を容易に起こさせることができるようになる。細長比を大きくするほど初期圧縮座屈は起こりやすくなるが、大きくなりすぎると曲げの変形量が破壊歪に達することができなくなって試験そのものが不能になったり測定時間が長くなったりするようになるので、実用的には40E0.5よりも小さくする。治具への支持端での破壊や縦方向の割れ、剥離等を確実に防止するという意味では、18E0.5〜40E0.5の範囲内とするのが好ましい。なお、試験片は細長比が上記(6)式の範囲を満たす必要があるが、試験機を大がかりなものとせず、また、材料も少なくてすむように、幅5〜25mm、厚み0.5〜4mmの範囲とするのが好ましい。
【0016】
上述した試験片は、曲げ試験にあたり、両端部を試験片の曲げ変形の方向に回動自在な治具で支持するとともに、一端部は軸圧縮荷重の軸中心で支持し、他端部は軸圧縮荷重の軸中心からオフセットした位置で支持する。これにより、圧縮座屈をさらに起こりやすくし、曲げ変形を円滑に行わせることで試験片の中心軸上における軸方向圧縮が軽減され、純粋な曲げ変形を可能とする。
【0017】
図1、図2は本発明の方法を実施している様子を示すもので、試験片Sは、上端部を治具1で、下端部を治具2で支持されている。治具1は、図4に示すように、試験片Sを支持する部分を除き全体として円柱状をしていて、試験片Sを支持するための支持溝1aを有している。これに対して、治具2は、図5に示すように、全体として半割円柱状をしていて、試験片を支持するための、全体を円柱としてみたときの軸中心からその円柱の半径方向にオフセットした位置に設けられた支持溝2aを有している。
【0018】
再び図1、図2を参照するに、治具1は、支持具3に嵌着され、試験片Sの曲げ変形の方向(図2における左右方向)に回動自在にその支持具3に支持されている。また、治具2は、円弧状の摺動面を有する支持具4に嵌着され、同様に試験片Sの曲げ変形の方向に回動自在にその支持具4に支持されている。したがって、これら治具1、2に試験片Sを支持し、軸圧縮荷重(図1、図2における上下方向の荷重)を加えると、図3に示すように、治具1、2が回動するとともに試験片Sが曲げ変形し、ついには破壊する。
【0019】
上記において、治具1の支持溝1aもまた、治具2の支持溝2aと同様にオフセットさせることも可能であるが、そうすると試験片の取り付けや軸圧縮荷重の印加が難しくなるので、治具2の支持溝2aのみをオフセットさせ、これにより、試験片の円滑な曲げ変形への移行と、試験片の取り付け、軸圧縮荷重の印加を確実なものとしている。なお、治具1を下側の治具として用い、治具2を上側の治具として用いてもよい。
【0020】
また、治具1の支持溝1a、治具2の支持溝2aは、支点の移動を抑制するとともに、変形中でも試験片を確実に支持し、また、試験片の異常な破壊を起こさせないよう、次の式(7)、(8)で表されるものとするのが好ましい。
【0021】
1.01 < W/t < 2.0 ・・・(7)
(1−(W/t)−2)0.5 < H/t < 2.0 ・・・(8)
ただし、W:支持溝の幅(mm)
t:試験片の厚み(mm)
H:支持溝の深さ(mm)
また、治具2の支持溝2aは、測定誤差を抑制するためには、治具2の半径方向に治具2の半径の1/2以内の位置にオフセットさせておくのが好ましい。
【0022】
さて、上述した曲げ試験法によれば、試験片の曲げ強度σ(MPa)、曲げ弾性率E(GPa)、曲げ破壊歪(%)を求めることができるが、以下においてそれらの求め方を説明する。
【0023】
図6において、治具1の移動量δ(mm)、試験片の中央部の撓みya(mm)、試験片の中央部の曲率半径ρa(mm)は、試験片の撓み角をα(°)、そのαをパラメータとする変数pとそれぞれ次の式(9)、(10)、(11)で示す関係になる。すなわち、上述の式(1)から、
δ/L=2(1−E(p)/K(p)) ・・・(9)
また、
ya/L=p/K(p) ・・・(10)
ρa/L=1/(4pK(p)) ・・・(11)
上記において、Lは試験片の長さ(mm)であり、p=sin(α/2)である。また、K(p)、E(p)は、それぞれ次の式(12)、(13)で表される第1種完全楕円積分、第2種完全楕円積分である。
【0024】
【数1】
【0025】
【数2】
【0026】
したがって、治具1の移動量δ、試験片の中央部の撓みya、試験片の中央部の曲率半径ρaのいずれかを求めればそのときのpは一義的に決まり、曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εはそれぞれ式(2)、(3)、(4)から求めることができるが、最も簡単に求めることができることから、治具1の移動量δに注目する。
【0027】
σ=6PL(p/K(p))/(wt2) ・・・(2)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
E=3PL2/(1,000wt3K(p)2) ・・・(3)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
K(p):第1種完全楕円積分
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
ε=200t(pK(p))/L ・・・(4)
ただし、t :試験片の厚み(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
L :試験片の長さ(mm)
ここで、式中に媒介変数として含まれる完全楕円積分は数値計算によって求めるものであるが、算出に手間がかかる。そのため、一般的にはその計算結果を数表にし、その数表から具体的数値を求めている。しかしながら、数表では変数αまたはp等の離散的値に対してのみK(p)、E(p)が求められているだけで、その間の変数に対しては補完法等で求めるほかはなく、その計算にも手間がかかり、また、精度も悪くなる。数表を図にしておけば計算の手間は省けるが、図では読み取りの誤差が大きく、やはり精度が悪くなる。
【0028】
そこで、市販の表計算ソフト、たとえばマイクロソフト社の“エクセル”を用い、図7に示すような数表を作成しておく。ここで、任意の変数αの入力数値セルaに対し、上述のp、すなわちsin(α/2)の関数計算結果出力セルb、誤差が±2×10−8以下の次の第1種完全楕円積分K(p)の近似式(14)による関数計算結果出力セルcおよび誤差が±2×10−8以下の次の第2種完全楕円積分E(p)の近似式(15)による関数計算結果出力セルdをそれぞれ作成しておく。
【0029】
ここで、係数an、bnおよび、cn、dnは、それぞれ次の表1および表2に示す値である。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
さらに、それらを媒介変数とする、式(9)〜(11)によるδ/L、ya/L、ρa/Lそれぞれの関数計算出力セルe、f、gを作成してなる表を作成する。そして、セルaの数値を変更して測定値δ/Lと表のセルeの数値とを必要とする精度で一致させる。そのときのセルb、cの数値が測定に対応するp、K(p)それぞれの値となるので、それらの値を式(2)、(3)、(4)に代入すれば曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εを求めることができる。
【0033】
全く同様に、表のセルaの数値を変更して測定値δ/Lと表のセルeの数値を必要とする精度で一致させる。そのときのセルf、gの数値が測定に対応するya/L、ρa/Lそれぞれの値となるので、それらの値を式(16)、(17)、(18)に代入すれば曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εを求めることもできる。
【0034】
σ=(6PL/(wt2))(ya/L) ・・・(16)
E=(12PL2/(1,000wt3))(ya/L)(ρa/L)・・・(17)
ε=(50t/L)(ρa/L)−1 ・・・(18)
【0035】
【実施例および比較例】
以下に示す実施例および比較例における試験は、図1〜5に示した方法によった。圧縮負荷の付加、歪ゲージによる検定は次のようにして行った。
軸圧縮荷重の付加:
米国インストロン社製万能試験機を用い、図1〜3に示した支持具3をそのロードセルに取り付け、支持具4は架台上に置き、クロスヘッドの移動速度を40mm/分として軸圧縮荷重を付加した。
歪ゲージによる検定:
試験片の中央部の面に歪ゲージを貼り付けて曲げ破壊歪を検出するとともに、式(18)から導いた次の式(19)により求めたρa/Lと、上述した数表のセルgの数値が一致するようセルaの数値を変更することによってp、K(p)を求め、それと破壊荷重Pとから曲げ強度、曲げ弾性率を求めた。
【0036】
ρa/L=50t/εL ・・・(19)
実施例1:
引張弾性率が230GPaの炭素繊維とエポキシ樹脂とからなる一方向プリプレグ(炭素繊維目付:150g/m2 、炭素繊維含有率:67重量%)を炭素繊維の方向を揃えて7枚積層したものをオートクレーブ中にて温度135℃、圧力0.34MPaで2時間加熱、加圧成形し、厚みtが1.02mmのFRP板を得た。このFRP板から、長さLが80mm、幅wが15mmの試験片を切り出した。式(5)による試験片の細長比λは272であり、これは、後述する曲げ弾性率の測定値から式(6)では159<λ<425となって式(6)の範囲内である。
【0037】
上記試験片を、幅Wが1.3mm、深さHが1.3mmの支持溝を有する、半径10mmの、試験片を支持する部分を除いて全体として円柱状の治具1と、幅Wが1.3mm、深さHが1.3mmの支持溝を有する、半径10mmの、全体として半割円柱状の治具2とで支持し、軸圧縮荷重を付加した。治具2の支持溝は、治具2の回動中心、すなわち軸圧縮荷重の軸中心から、半径方向に2.5mmオフセットした位置に設けられている。W/tは1.27となって式(7)の範囲内である。また、H/tは1.27となり、式(8)では0.62<H/t<2.0となって式(8)の範囲内である。
【0038】
試験片は、初期に異常な荷重ピークを示すことなく座屈し、曲げ破壊した。破壊時の荷重Pとクロスヘッドの移動量(治具1の移動量)を読み取り、米国マイクロソフト社製表計算ソフト“エクセル”で作成した上述の数表を用いて曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εを計算した。5本の試験片についての合計の計算時間は約5分であり、曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εは、5本の試験片の平均値で、
曲げ強度σ :2,640MPa
曲げ弾性率E:113GPa
曲げ破壊歪ε:2.3%
であった。歪ゲージによる検定結果は、
曲げ強度 :2,620MPa
曲げ弾性率:112GPa
曲げ破壊歪:2.3%
であった。
実施例2:
実施例1において、試験片を次のものに変えた。すなわち、引張弾性率が295GPaの炭素繊維とエポキシ樹脂とからなる一方向プリプレグ(炭素繊維目付:100g/m2 、炭素繊維含有率:70重量%)を炭素繊維の方向を揃えて11枚積層したものをオートクレーブ中にて温度135℃、圧力0.34MPaで2時間加熱、加圧成形し、厚みtが1.02mmのFRP板を得た。このFRP板から、長さLが100mm、幅wが15mmの試験片を切り出した。式(5)による試験片の細長比λは340であり、これは、後述する曲げ弾性率の測定値から式(6)では187<λ<500となって式(6)の範囲内である。
【0039】
以下、実施例1と同様に試験した。試験片は、初期に異常な荷重ピークを示すことなく座屈し、曲げ破壊した。実施例1と同様に曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εを計算した。5本の試験片についての合計の計算時間は約5分であり、曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εは、5本の試験片の平均値で、
曲げ強度σ :2,700MPa
曲げ弾性率E:156GPa
曲げ破壊歪ε:1.7%
であった。歪ゲージによる検定結果は、
曲げ強度 :2,690MPa
曲げ弾性率:154GPa
曲げ破壊歪:1.7%
であった。
比較例1:
実施例1において、FRP板から、長さ40mm、幅15mmの試験片を切り出した。式(5)による試験片の細長比λは136であり、これは、式(6)ではλ<159=15E0.5となって式(6)の範囲外である。
【0040】
この試験片を実施例1と同様に試験したところ、初期に異常な荷重ピークが認められ、試験片は縦割れや剥離破壊を示し、曲げ破壊しなかった。
比較例2:
実施例1において、FRP板から、長さ200mm、幅15mmの試験片を切り出した。式(5)による試験片の細長比λは679であり、これは、式(6)ではλ<425=40E0.5となって式(6)の範囲外である。
【0041】
この試験片を実施例1と同様に試験したところ、撓みが大きくなっても試験片が破壊せず、はじけ飛んだり縦割れしたりして曲げ破壊しなかった。
比較例3:
実施例1において、治具1、2の支持溝の深さHを0.5mmとした。W/tは1.27となり、式(7)の範囲内である。しかしながら、H/tは0.49であり、H/t<0.62=(1−(W/t)−2)0.5となって式(8)の範囲外である。
【0042】
この試験片を実施例1と同様に試験したところ、試験片が破壊しないではじけ飛ぶ場合があった。
比較例4:
実施例1において、治具2の支持溝をオフセットさせることなく回動中心に設けた。
【0043】
実施例1と同様に試験したところ、初期に異常な荷重ピークが認められた。また、実施例1と同様に求めた曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εは、
曲げ強度σ :1,980MPa
曲げ弾性率E:118GPa
曲げ破壊歪ε:1.7%
であった。
比較例5:
実施例1において、治具1として治具2と同じ治具を用いた。治具1が不安定で試験片に軸圧縮荷重をかけることができなかった。
比較例6:
実施例1において、治具2として、支持溝を、治具2の回動中心、すなわち軸圧縮荷重の軸中心から、半径方向に6.0mmオフセットした位置に設けた。すなわち、治具2の軸中心から半径方向に半径の1.2/2の位置に設けた。治具2が不安定で試験片に軸圧縮荷重をかけることができない場合があった。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、FRPの試験片に軸圧縮荷重を加え、曲げ変形させ、破壊させて曲げ試験を行うに際し、次式、
λ=120.5L/t
ただし、L:試験片の長さ(mm)
t:試験片の厚み(mm)
で表される細長比λが、次式、
15E0.5<λ<40E0.5
ただし、E:試験片の曲げ弾性率(GPa)
の範囲内にある試験片を用い、かつ、試験片を、両端部を試験片の曲げ変形の方向に回動自在な治具で支持するとともに、一端部は軸圧縮荷重の軸中心で支持し、他端部は軸圧縮荷重の軸中心からオフセットした位置で支持するので、実施例と比較例との対比からも明らかなように、高い測定精度を得ることができる。そのため、FRPの曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ破壊歪の測定に大変好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施している様子を示す、治具周りの概略斜視図である。
【図2】本発明の方法を実施している様子を示す、治具周りの概略側面図である。
【図3】本発明の方法を実施している様子を示す、治具周りの概略側面図である。
【図4】本発明で用いる治具1の概略斜視図である。
【図5】本発明で用いる治具2の概略斜視図である。
【図6】本発明の原理図である。
【図7】本発明で用いる数表の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1:治具
1a:支持溝
2:治具
2a:支持溝
3:治具1の支持具
4:治具2の支持具
S:試験片
【発明の属する技術分野】
本発明は、FRP板の曲げ試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FRP構造体に限らず、一般に構造体は、曲げ負荷がかかる場合が多く、そのため、それを構成する部材の曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ破壊歪を正確に測定することは、構造体の評価、設計等にとって極めて重要なことである。
【0003】
ところで、力学上明らかなように、部材に曲げ応力が作用した場合、部材には引張りと圧縮の双方の歪が発生するが、部材の破壊は引張強度と圧縮強度のいずれか低いほうの強度に依存する。これらの強度を知るために曲げ試験が行われる。曲げ試験には、一般に3点曲げ試験法や4点曲げ試験法が用いられている。
【0004】
FRPの場合も例外ではなく、JIS K 7055「ガラス繊維強化プラスチックの曲げ試験方法」や、JIS K 7074「炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法」に3点曲げ試験法や4点曲げ試験法が規定されている。ところが、これらの曲げ試験法では、試験片に曲げ荷重を負荷する圧子による局部的な応力集中があり、圧子の曲率半径や試験片のスパン、厚みによって測定値が大きく変わることから、絶対値やポテンシァル値をとらえにくいという問題がある。そこで、圧子を用いない、試験片に軸圧縮荷重を加え、曲げ変形させ、破壊させて曲げ試験を行う方法が提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0005】
この方法は、試験片の両端部を、試験片の曲げ変形の方向に回動自在な治具を用いて軸圧縮荷重の軸中心で支持し、試験片に軸圧縮荷重を加えて曲げ変形させ、破壊させることによって曲げ強度、弾性率、曲げ破壊歪を測定するものである。このときの曲げ強度σ(MPa)、曲げ弾性率E(GPa)、曲げ破壊歪ε(%)は、
δ=2L(1−E(p)/K(p)) ・・・(1)
ただし、L :試験片の長さ(mm)
K(p):第1種完全楕円積分
E(p):第2種完全楕円積分
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
で表される治具の移動量δ(mm)と、破壊荷重P(N)から、次の式(2)、(3)、(4)で表される。
【0006】
σ=6PL(p/K(p))/(wt2) ・・・(2)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
E=3PL2/(1,000wt3K(p)2) ・・・(3)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
K(p):第1種完全楕円積分
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
ε=200t(pK(p))/L ・・・(4)
ただし、t :試験片の厚み(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
L :試験片の長さ(mm)
この方法によれば、圧子を用いないので、それによる局部的な応力集中は回避できる。しかしながら、一方で、この方法は、試験片の両端部を軸圧縮荷重の軸中心で支持しているためにそれによる拘束の影響が大きく、初期の圧縮座屈応力が高くて試験片に軸圧縮応力が残存するようになるため、正確な曲げ破壊荷重値を得にくい。
【0007】
また、試験片は治具に設けた溝で支持するが、溝が深いと試験片の曲げ変形に伴って試験中に支点が溝の底部から開口部に変わってしまい、試験片長が実質的に変わって測定精度が低下してしまうこともある。
【0008】
さらに、治具の移動量δと破壊荷重Pから曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εを求める場合、式(1)〜(4)にみられるように数値計算によらざるを得ない完全楕円積分が媒介変数として含まれていることから、算出に手間がかかる。そのため、一般的にはその計算結果を数表にし、その数表から具体的数値を求めている。しかしながら、数表では変数αまたはp等の離散的値に対してのみK(p)、E(p)が求められているだけで、その間の変数に対しては補完法等で求めるほかはなく、その計算にも手間がかかり、また、精度も悪くなる。数表を図にしておけば計算の手間は省けるが、図では読み取りの誤差が大きく、やはり精度が悪くなる。
【0009】
【非特許文献1】
福田博著、「日本航空宇宙学会誌」、第41巻、第475号、第482〜487頁(1993年8月)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の技術の上述した問題点を解決し、測定精度の高い、FRPの曲げ試験方法を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、FRPの試験片に軸圧縮荷重を加え、曲げ変形させ、破壊させて曲げ試験を行うに際し、次式、
λ=120.5L/t
ただし、L:試験片の長さ(mm)
t:試験片の厚み(mm)
で表される細長比λが、次式、
15E0.5<λ<40E0.5
ただし、E:試験片の曲げ弾性率(GPa)
の範囲内にある試験片を用い、かつ、試験片を、両端部を試験片の曲げ変形の方向に回動自在な治具で支持するとともに、一端部は軸圧縮荷重の軸中心で支持し、他端部は軸圧縮荷重の軸中心からオフセットした位置で支持することを特徴とするFRPの曲げ試験方法を提供する。
【0012】
上記において、治具としては、次式で表される支持溝を有し、かつ、他端部においては、支持溝が治具の軸中心からその治具の半径方向に治具の半径の1/2以内の位置にオフセットして配されている治具を用いるのが好ましい。
【0013】
1.01 < W/t < 2.0
(1−(W/t)−2)0.5 < H/t < 2.0
ただし、W:支持溝の幅
t:試験片の厚み
H:支持溝の深さ
また、次式、
δ=2L(1−E(p)/K(p))
ただし、L :試験片の長さ(mm)
K(p):第1種完全楕円積分
E(p):第2種完全楕円積分
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
で表される治具の移動量δ(mm)と、破壊荷重P(N)から、次式、
σ=6PL(p/K(p))/(wt2)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
E=3PL2/(1,000wt3K(p)2)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
K(p):第1種完全楕円積分
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
ε=200t(pK(p))/L
ただし、t :試験片の厚み(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
L :試験片の長さ(mm)
に基づいて試験片の曲げ強度σ(MPa)、曲げ弾性率E(GPa)および曲げ破壊歪ε(%)を求めるに際し、媒介変数として含まれる完全楕円積分項について、入力変数に対して誤差が小数点以下4桁以下の完全楕円積分の近似式による関数計算結果が出力される数表を作成しておき、この数表を参照して曲げ強度、曲げ弾性率および曲げ破壊歪を求めるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明においては、FRPの試験片に軸圧縮荷重を加え、曲げ変形させ、破壊させて圧縮曲げ試験を行うに際し、次の式(5)、
λ=120.5L/t ・・・(5)
ただし、L:試験片の長さ(mm)
t:試験片の厚み(mm)
で表される細長比λが、式(6)、
15E0.5<λ<40E0.5 ・・・(6)
ただし、E:試験片の曲げ弾性率(GPa)
の範囲内にある試験片を用いる。
【0015】
試験片は、FRP板を成形し、矩形状ないし短冊状に切り出すことによって容易に得ることができる。細長比を15E0.5よりも大きくすることで、初期圧縮座屈を容易に起こさせることができるようになる。細長比を大きくするほど初期圧縮座屈は起こりやすくなるが、大きくなりすぎると曲げの変形量が破壊歪に達することができなくなって試験そのものが不能になったり測定時間が長くなったりするようになるので、実用的には40E0.5よりも小さくする。治具への支持端での破壊や縦方向の割れ、剥離等を確実に防止するという意味では、18E0.5〜40E0.5の範囲内とするのが好ましい。なお、試験片は細長比が上記(6)式の範囲を満たす必要があるが、試験機を大がかりなものとせず、また、材料も少なくてすむように、幅5〜25mm、厚み0.5〜4mmの範囲とするのが好ましい。
【0016】
上述した試験片は、曲げ試験にあたり、両端部を試験片の曲げ変形の方向に回動自在な治具で支持するとともに、一端部は軸圧縮荷重の軸中心で支持し、他端部は軸圧縮荷重の軸中心からオフセットした位置で支持する。これにより、圧縮座屈をさらに起こりやすくし、曲げ変形を円滑に行わせることで試験片の中心軸上における軸方向圧縮が軽減され、純粋な曲げ変形を可能とする。
【0017】
図1、図2は本発明の方法を実施している様子を示すもので、試験片Sは、上端部を治具1で、下端部を治具2で支持されている。治具1は、図4に示すように、試験片Sを支持する部分を除き全体として円柱状をしていて、試験片Sを支持するための支持溝1aを有している。これに対して、治具2は、図5に示すように、全体として半割円柱状をしていて、試験片を支持するための、全体を円柱としてみたときの軸中心からその円柱の半径方向にオフセットした位置に設けられた支持溝2aを有している。
【0018】
再び図1、図2を参照するに、治具1は、支持具3に嵌着され、試験片Sの曲げ変形の方向(図2における左右方向)に回動自在にその支持具3に支持されている。また、治具2は、円弧状の摺動面を有する支持具4に嵌着され、同様に試験片Sの曲げ変形の方向に回動自在にその支持具4に支持されている。したがって、これら治具1、2に試験片Sを支持し、軸圧縮荷重(図1、図2における上下方向の荷重)を加えると、図3に示すように、治具1、2が回動するとともに試験片Sが曲げ変形し、ついには破壊する。
【0019】
上記において、治具1の支持溝1aもまた、治具2の支持溝2aと同様にオフセットさせることも可能であるが、そうすると試験片の取り付けや軸圧縮荷重の印加が難しくなるので、治具2の支持溝2aのみをオフセットさせ、これにより、試験片の円滑な曲げ変形への移行と、試験片の取り付け、軸圧縮荷重の印加を確実なものとしている。なお、治具1を下側の治具として用い、治具2を上側の治具として用いてもよい。
【0020】
また、治具1の支持溝1a、治具2の支持溝2aは、支点の移動を抑制するとともに、変形中でも試験片を確実に支持し、また、試験片の異常な破壊を起こさせないよう、次の式(7)、(8)で表されるものとするのが好ましい。
【0021】
1.01 < W/t < 2.0 ・・・(7)
(1−(W/t)−2)0.5 < H/t < 2.0 ・・・(8)
ただし、W:支持溝の幅(mm)
t:試験片の厚み(mm)
H:支持溝の深さ(mm)
また、治具2の支持溝2aは、測定誤差を抑制するためには、治具2の半径方向に治具2の半径の1/2以内の位置にオフセットさせておくのが好ましい。
【0022】
さて、上述した曲げ試験法によれば、試験片の曲げ強度σ(MPa)、曲げ弾性率E(GPa)、曲げ破壊歪(%)を求めることができるが、以下においてそれらの求め方を説明する。
【0023】
図6において、治具1の移動量δ(mm)、試験片の中央部の撓みya(mm)、試験片の中央部の曲率半径ρa(mm)は、試験片の撓み角をα(°)、そのαをパラメータとする変数pとそれぞれ次の式(9)、(10)、(11)で示す関係になる。すなわち、上述の式(1)から、
δ/L=2(1−E(p)/K(p)) ・・・(9)
また、
ya/L=p/K(p) ・・・(10)
ρa/L=1/(4pK(p)) ・・・(11)
上記において、Lは試験片の長さ(mm)であり、p=sin(α/2)である。また、K(p)、E(p)は、それぞれ次の式(12)、(13)で表される第1種完全楕円積分、第2種完全楕円積分である。
【0024】
【数1】
【0025】
【数2】
【0026】
したがって、治具1の移動量δ、試験片の中央部の撓みya、試験片の中央部の曲率半径ρaのいずれかを求めればそのときのpは一義的に決まり、曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εはそれぞれ式(2)、(3)、(4)から求めることができるが、最も簡単に求めることができることから、治具1の移動量δに注目する。
【0027】
σ=6PL(p/K(p))/(wt2) ・・・(2)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
E=3PL2/(1,000wt3K(p)2) ・・・(3)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
K(p):第1種完全楕円積分
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
ε=200t(pK(p))/L ・・・(4)
ただし、t :試験片の厚み(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
L :試験片の長さ(mm)
ここで、式中に媒介変数として含まれる完全楕円積分は数値計算によって求めるものであるが、算出に手間がかかる。そのため、一般的にはその計算結果を数表にし、その数表から具体的数値を求めている。しかしながら、数表では変数αまたはp等の離散的値に対してのみK(p)、E(p)が求められているだけで、その間の変数に対しては補完法等で求めるほかはなく、その計算にも手間がかかり、また、精度も悪くなる。数表を図にしておけば計算の手間は省けるが、図では読み取りの誤差が大きく、やはり精度が悪くなる。
【0028】
そこで、市販の表計算ソフト、たとえばマイクロソフト社の“エクセル”を用い、図7に示すような数表を作成しておく。ここで、任意の変数αの入力数値セルaに対し、上述のp、すなわちsin(α/2)の関数計算結果出力セルb、誤差が±2×10−8以下の次の第1種完全楕円積分K(p)の近似式(14)による関数計算結果出力セルcおよび誤差が±2×10−8以下の次の第2種完全楕円積分E(p)の近似式(15)による関数計算結果出力セルdをそれぞれ作成しておく。
【0029】
ここで、係数an、bnおよび、cn、dnは、それぞれ次の表1および表2に示す値である。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
さらに、それらを媒介変数とする、式(9)〜(11)によるδ/L、ya/L、ρa/Lそれぞれの関数計算出力セルe、f、gを作成してなる表を作成する。そして、セルaの数値を変更して測定値δ/Lと表のセルeの数値とを必要とする精度で一致させる。そのときのセルb、cの数値が測定に対応するp、K(p)それぞれの値となるので、それらの値を式(2)、(3)、(4)に代入すれば曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εを求めることができる。
【0033】
全く同様に、表のセルaの数値を変更して測定値δ/Lと表のセルeの数値を必要とする精度で一致させる。そのときのセルf、gの数値が測定に対応するya/L、ρa/Lそれぞれの値となるので、それらの値を式(16)、(17)、(18)に代入すれば曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εを求めることもできる。
【0034】
σ=(6PL/(wt2))(ya/L) ・・・(16)
E=(12PL2/(1,000wt3))(ya/L)(ρa/L)・・・(17)
ε=(50t/L)(ρa/L)−1 ・・・(18)
【0035】
【実施例および比較例】
以下に示す実施例および比較例における試験は、図1〜5に示した方法によった。圧縮負荷の付加、歪ゲージによる検定は次のようにして行った。
軸圧縮荷重の付加:
米国インストロン社製万能試験機を用い、図1〜3に示した支持具3をそのロードセルに取り付け、支持具4は架台上に置き、クロスヘッドの移動速度を40mm/分として軸圧縮荷重を付加した。
歪ゲージによる検定:
試験片の中央部の面に歪ゲージを貼り付けて曲げ破壊歪を検出するとともに、式(18)から導いた次の式(19)により求めたρa/Lと、上述した数表のセルgの数値が一致するようセルaの数値を変更することによってp、K(p)を求め、それと破壊荷重Pとから曲げ強度、曲げ弾性率を求めた。
【0036】
ρa/L=50t/εL ・・・(19)
実施例1:
引張弾性率が230GPaの炭素繊維とエポキシ樹脂とからなる一方向プリプレグ(炭素繊維目付:150g/m2 、炭素繊維含有率:67重量%)を炭素繊維の方向を揃えて7枚積層したものをオートクレーブ中にて温度135℃、圧力0.34MPaで2時間加熱、加圧成形し、厚みtが1.02mmのFRP板を得た。このFRP板から、長さLが80mm、幅wが15mmの試験片を切り出した。式(5)による試験片の細長比λは272であり、これは、後述する曲げ弾性率の測定値から式(6)では159<λ<425となって式(6)の範囲内である。
【0037】
上記試験片を、幅Wが1.3mm、深さHが1.3mmの支持溝を有する、半径10mmの、試験片を支持する部分を除いて全体として円柱状の治具1と、幅Wが1.3mm、深さHが1.3mmの支持溝を有する、半径10mmの、全体として半割円柱状の治具2とで支持し、軸圧縮荷重を付加した。治具2の支持溝は、治具2の回動中心、すなわち軸圧縮荷重の軸中心から、半径方向に2.5mmオフセットした位置に設けられている。W/tは1.27となって式(7)の範囲内である。また、H/tは1.27となり、式(8)では0.62<H/t<2.0となって式(8)の範囲内である。
【0038】
試験片は、初期に異常な荷重ピークを示すことなく座屈し、曲げ破壊した。破壊時の荷重Pとクロスヘッドの移動量(治具1の移動量)を読み取り、米国マイクロソフト社製表計算ソフト“エクセル”で作成した上述の数表を用いて曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εを計算した。5本の試験片についての合計の計算時間は約5分であり、曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εは、5本の試験片の平均値で、
曲げ強度σ :2,640MPa
曲げ弾性率E:113GPa
曲げ破壊歪ε:2.3%
であった。歪ゲージによる検定結果は、
曲げ強度 :2,620MPa
曲げ弾性率:112GPa
曲げ破壊歪:2.3%
であった。
実施例2:
実施例1において、試験片を次のものに変えた。すなわち、引張弾性率が295GPaの炭素繊維とエポキシ樹脂とからなる一方向プリプレグ(炭素繊維目付:100g/m2 、炭素繊維含有率:70重量%)を炭素繊維の方向を揃えて11枚積層したものをオートクレーブ中にて温度135℃、圧力0.34MPaで2時間加熱、加圧成形し、厚みtが1.02mmのFRP板を得た。このFRP板から、長さLが100mm、幅wが15mmの試験片を切り出した。式(5)による試験片の細長比λは340であり、これは、後述する曲げ弾性率の測定値から式(6)では187<λ<500となって式(6)の範囲内である。
【0039】
以下、実施例1と同様に試験した。試験片は、初期に異常な荷重ピークを示すことなく座屈し、曲げ破壊した。実施例1と同様に曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εを計算した。5本の試験片についての合計の計算時間は約5分であり、曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εは、5本の試験片の平均値で、
曲げ強度σ :2,700MPa
曲げ弾性率E:156GPa
曲げ破壊歪ε:1.7%
であった。歪ゲージによる検定結果は、
曲げ強度 :2,690MPa
曲げ弾性率:154GPa
曲げ破壊歪:1.7%
であった。
比較例1:
実施例1において、FRP板から、長さ40mm、幅15mmの試験片を切り出した。式(5)による試験片の細長比λは136であり、これは、式(6)ではλ<159=15E0.5となって式(6)の範囲外である。
【0040】
この試験片を実施例1と同様に試験したところ、初期に異常な荷重ピークが認められ、試験片は縦割れや剥離破壊を示し、曲げ破壊しなかった。
比較例2:
実施例1において、FRP板から、長さ200mm、幅15mmの試験片を切り出した。式(5)による試験片の細長比λは679であり、これは、式(6)ではλ<425=40E0.5となって式(6)の範囲外である。
【0041】
この試験片を実施例1と同様に試験したところ、撓みが大きくなっても試験片が破壊せず、はじけ飛んだり縦割れしたりして曲げ破壊しなかった。
比較例3:
実施例1において、治具1、2の支持溝の深さHを0.5mmとした。W/tは1.27となり、式(7)の範囲内である。しかしながら、H/tは0.49であり、H/t<0.62=(1−(W/t)−2)0.5となって式(8)の範囲外である。
【0042】
この試験片を実施例1と同様に試験したところ、試験片が破壊しないではじけ飛ぶ場合があった。
比較例4:
実施例1において、治具2の支持溝をオフセットさせることなく回動中心に設けた。
【0043】
実施例1と同様に試験したところ、初期に異常な荷重ピークが認められた。また、実施例1と同様に求めた曲げ強度σ、曲げ弾性率E、曲げ破壊歪εは、
曲げ強度σ :1,980MPa
曲げ弾性率E:118GPa
曲げ破壊歪ε:1.7%
であった。
比較例5:
実施例1において、治具1として治具2と同じ治具を用いた。治具1が不安定で試験片に軸圧縮荷重をかけることができなかった。
比較例6:
実施例1において、治具2として、支持溝を、治具2の回動中心、すなわち軸圧縮荷重の軸中心から、半径方向に6.0mmオフセットした位置に設けた。すなわち、治具2の軸中心から半径方向に半径の1.2/2の位置に設けた。治具2が不安定で試験片に軸圧縮荷重をかけることができない場合があった。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、FRPの試験片に軸圧縮荷重を加え、曲げ変形させ、破壊させて曲げ試験を行うに際し、次式、
λ=120.5L/t
ただし、L:試験片の長さ(mm)
t:試験片の厚み(mm)
で表される細長比λが、次式、
15E0.5<λ<40E0.5
ただし、E:試験片の曲げ弾性率(GPa)
の範囲内にある試験片を用い、かつ、試験片を、両端部を試験片の曲げ変形の方向に回動自在な治具で支持するとともに、一端部は軸圧縮荷重の軸中心で支持し、他端部は軸圧縮荷重の軸中心からオフセットした位置で支持するので、実施例と比較例との対比からも明らかなように、高い測定精度を得ることができる。そのため、FRPの曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ破壊歪の測定に大変好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施している様子を示す、治具周りの概略斜視図である。
【図2】本発明の方法を実施している様子を示す、治具周りの概略側面図である。
【図3】本発明の方法を実施している様子を示す、治具周りの概略側面図である。
【図4】本発明で用いる治具1の概略斜視図である。
【図5】本発明で用いる治具2の概略斜視図である。
【図6】本発明の原理図である。
【図7】本発明で用いる数表の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1:治具
1a:支持溝
2:治具
2a:支持溝
3:治具1の支持具
4:治具2の支持具
S:試験片
Claims (3)
- FRPの試験片に軸圧縮荷重を加え、曲げ変形させ、破壊させて曲げ試験を行うに際し、次式、
λ=120.5L/t
ただし、L:試験片の長さ(mm)
t:試験片の厚み(mm)
で表される細長比λが、次式、
15E0.5<λ<40E0.5
ただし、E:試験片の曲げ弾性率(GPa)
の範囲内にある試験片を用い、かつ、試験片を、両端部を試験片の曲げ変形の方向に回動自在な治具で支持するとともに、一端部は軸圧縮荷重の軸中心で支持し、他端部は軸圧縮荷重の軸中心からオフセットした位置で支持することを特徴とするFRPの曲げ試験方法。 - 治具として、次式で表される支持溝を有し、かつ、他端部においては、支持溝が治具の軸中心からその治具の半径方向に治具の半径の1/2以内の位置にオフセットして配されている治具を用いる、請求項1に記載のFRPの曲げ試験方法。
1.01 < W/t < 2.0
(1−(W/t)−2)0.5 < H/t < 2.0
ただし、W:支持溝の幅(mm)
t:試験片の厚み(mm)
H:支持溝の深さ(mm) - 次式、
δ=2L(1−E(p)/K(p))
ただし、L :試験片の長さ(mm)
K(p):第1種完全楕円積分
E(p):第2種完全楕円積分
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
で表される治具の移動量δ(mm)と、破壊荷重P(N)から、次式に基づいて試験片の曲げ強度σ(MPa)、曲げ弾性率E(GPa)および曲げ破壊歪ε(%)を求めるに際し、媒介変数として含まれる完全楕円積分項について、入力変数に対して誤差が小数点以下4桁以下の完全楕円積分の近似式による関数計算結果が出力される数表を作成しておき、この数表を参照して曲げ強度、曲げ弾性率および曲げ破壊歪を求める、請求項1または2に記載のFRP板の曲げ試験方法。
σ=6PL(p/K(p))/(wt2)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
E=3PL2/(1,000wt3K(p)2)
ただし、P :破壊荷重(N)
L :試験片の長さ(mm)
w :試験片の幅(mm)
t :試験片の厚み(mm)
K(p):第1種完全楕円積分
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
ε=200t(pK(p))/L
ただし、t :試験片の厚み(mm)
p :sin(α/2)
α:破壊時における試験片の撓み角(°)
K(p):第1種完全楕円積分
L :試験片の長さ(mm)
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