JP5355104B2 - 園芸療法を用いた行動観察測定制御システム - Google Patents
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Description
この園芸療法にあっては、園芸と人間とを結びつけ、植物を育てる行為によって障害を持つ人々の身体や心の健康を回復を図っている。
つまり、人間の五感を刺激する体験を通して、人の心を癒している。
また、代替医療の教育カリキュラムの供給方法として、コンピュータネットワークを用いたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
つまり、この園芸療法を用いた行動観察測定制御システムにおいては、指導者が手作業によって対象者の個人情報の蓄積・更新を行い、この蓄積・更新した個人情報に基づいて対象者に園芸療法の作業を指導していた。
この結果、指導者が異なる場合には、画一した評価を下すことが困難となり、指導者毎に同一の対象者であっても評価が大きく相違してしまうおそれがあり、対象者の個人情報が一律なものとならず、対象者の治療に支障を来すという不都合がある。
また、対象者が異なる複数の場所で治療を受ける場合には、環境が相違する以外にも、指導者も相違する場合が考えられ、上記の不都合がより一層拡大してしまうという不都合がある。
療法場にて対象者が指導者から園芸療法の提供を受け、前記対象者の個人情報を蓄積・更新しつつ、前記指導者が蓄積・更新された個人情報に基づいて前記対象者に園芸療法の作業を指導するとともに、この園芸療法の作業後に前記指導者が経過記録を前記対象者の個人情報を更新して蓄積する園芸療法を用いた行動観察測定制御システムにおいて、
対象者の行動を観察するために対象者を撮影する撮影手段を設け、
この撮影手段からの映像データを表示する表示手段を設け、
この表示手段に表示される前記対象者の行動を数値化するために、前記撮影手段からの映像データが前記表示手段に表示された際に、この表示手段の映像データを確認し、人為的に数値を入力して数値化する手動数値化手段と、前記撮影手段からの映像データが前記表示手段に表示された際に、この表示手段の映像データを解析・測定して所定のゲージに当てはめ、自動的に数値化する自動測定数値化手段とを備える数値化手段を設け、
前記撮影手段からの映像データを記憶する一方、前記数値化手段からの数値化した値から対象者の状態を評価する制御手段を設け、
前記撮影手段からの映像データに基づいて前記数値化手段により前記対象者の行動を数値化し、
前記制御手段が、
数値化した値によって前記対象者の行動を把握し、前記対象者の状態を総合的に評価するために、
前記行動観察測定制御システムの制御用プログラムをスタートさせた後に、前記撮影手段によって前記対象者の行動を撮影する際に、対象者の表情や頭部の傾斜状態、手の開き具合、足のかかとの上がり具合を撮影する撮影工程と、
前記撮影手段によって撮影された映像データを前記表示手段に表示させ、前記数値化手段の手動数値化手段によって評価判定するための入力を行う行動記憶工程と、
前記撮影手段によって撮影された映像データを前記表示手段に表示させ、前記数値化手段の手動数値化手段によって評価判定するための入力を行うゲージ評価工程と、
上述の撮影工程と行動記憶工程とゲージ評価工程との後に、個別評価や総合評価、評価グラフの作成を行う評価工程と
を備えることを特徴とする。
これにより、園芸療法を円滑且つ適正に実施し、対象者の治療を効果的に行うことができる。
図2において、1は行動観察測定制御システムである。
この行動観察測定制御システム1は、園芸療法に用いるためのものである。
そして、この園芸療法においては、「ケアガーデン」(「療法場」ともいう。)と称される、図3に示すバルコニー敷設タイプのセラピーハウス2や図4に示す標準全方向型のセラピーハウス3を備えている。
このとき、バルコニー敷設タイプのセラピーハウス2や標準全方向型のセラピーハウス3は、透明性があり、全方向から光りが差し込む例えば八角形を基本とした形状を有している。
そして、指導者によって前記対象者4の個人情報を蓄積・更新しつつ、前記指導者が蓄積・更新された個人情報に基づいて前記対象者4に園芸療法の作業を指導するとともに、この園芸療法の作業後に前記指導者が経過記録を前記対象者4の個人情報を更新して蓄積している。
そして、前記行動観察測定制御システム1は、前記撮影手段5からの映像データに基づいて前記数値化手段7により前記対象者4の行動を数値化し、前記制御手段8が、数値化した値によって前記対象者4の行動を把握し、前記対象者4の状態を総合的に評価する構成を有する。
このとき、前記撮影手段5は、前記「ケアガーデン」であるバルコニー敷設タイプのセラピーハウス2や標準全方向型のセラピーハウス3内に配設され、前記対象者4の行動を撮影する際に、対象者4の表情や頭部の傾斜状態、手の開き具合、足のかかとの上がり具合などを撮影するために、複数個、例えば4個のビデオカメラ(「ネットワークカメラ」と換言することもできる。)により構成する。
なお、前記撮影手段5においては、前記対象者4の映像データを動画撮影のみでなく、静止画をも含めた撮影機能とし、前記指導者(あるいは「操作者」とも換言できる。)が任意に映像データを選択可能な状態とするために、多様な撮影方策を試みる。
このとき、この数値化手段7は、前記撮影手段5からの映像データが前記表示手段6に表示された際に、この表示手段6の映像データを確認し、人為的に数値を入力して数値化する手動数値化手段9と、前記撮影手段5からの映像データが前記表示手段6に表示された際に、この表示手段6の映像データを解析・測定して所定のゲージに当てはめ、自動的に数値化する自動測定数値化手段10とにおいて、少なくともこの自動測定数値化手段10からなる。
この実施例においては、前記手動数値化手段9を例えばパーソナルコンピュータの入力手段であるキーボードやマウスとする一方、前記自動測定数値化手段10を前記制御手段8内にインストールした処理ソフトとする。
そして、この実施例においては、前記手動数値化手段9と、前記自動測定数値化手段10との両方を使用する構成とする。
また、上述した所定のゲージは、長年の経験によって設定される。
そして、この制御手段8には、データを出力するためのプリンタなどからなる出力手段12を接続して設ける。
また、前記制御手段8には、必要に応じて、複数個の外部端末機13、例えば第1、第2外部端末機13−1、13−2、…を接続することも可能である。
追記すれば、これらの第1、第2外部端末機13−1、13−2、…は、遠隔地から前記制御手段8に内蔵されるデータベース11の蓄積・更新状況を確認できるようにするものであり、インターネット回線や携帯電話回線などの種々の通信回線を使用する。
(1)前記行動観察測定制御システム1の制御用プログラムを記憶し、制御用プログラムを動作させる機能。
(2)制御用プログラムによって、所定の前記撮影手段5を動作させ、この撮影手段5によって前記対象者4を撮影する機能。
(3)この撮影手段5によって撮影された映像データを前記表示手段6に表示させる機能。
(4)前記数値化手段7の手動数値化手段9によって評価判定するための入力を可能とする機能。
(5)前記表示手段6の映像を前記数値化手段7の自動測定数値化手段10により解析・測定して所定のゲージに当てはめ、自動的に評価判定する機能。
(6)前記手動数値化手段9及び自動測定数値化手段10によ評価判定を個別評価、総合評価、評価グラムを夫々作成する機能。
(7)前記対象者4の映像データや個人情報を前記データベース11に蓄積・更新する機能。
<撮影工程>
前記行動観察測定制御システム1の制御用プログラムをスタートさせた後に、前記撮影手段5によって前記対象者4を撮影する工程。
<行動記憶工程>
前記撮影手段5によって撮影された映像データを前記表示手段6に表示させ、前記数値化手段7の手動数値化手段9によって評価判定するための入力を行う工程。
<ゲージ評価工程>
前記撮影手段5によって撮影された映像データを前記表示手段6に表示させ、この表示手段6の映像を前記数値化手段7の自動測定数値化手段10により解析・測定して予め設定される所定のゲージに当てはめ、自動的に評価判定のための数値化を行う工程。
<評価工程>
上述の<撮影工程>や<行動記憶工程>、<ゲージ評価工程>の後に、以下の3つの作業を行う工程。
I.個別評価
II.総合評価
III.評価グラフ
この<撮影工程>(ステップ101)は、前記行動観察測定制御システム1の制御用プログラムをスタートさせた後に、前記撮影手段5によって前記対象者4を撮影する工程である。
このとき、撮影手段5を、例えば4個としたことにより、前記対象者4の行動を撮影する際に、対象者4の表情や頭部の傾斜状態、手の開き具合、足のかかとの上がり具合などを撮影する。
この<行動記憶工程>(ステップ102)は、図1及び図5に示す如く、「五感行動観察評価判定I−−−行動記録(判定手動型)−−−」と記載されるものである。
そして、この「五感行動観察評価判定I−−−行動記録(判定手動型)−−−」は、以下の4種類をチェックする。
1.表情
2.首
3.手
4.足
なお、「五感」とは人間の視覚や聴覚も、嗅覚、触覚、味覚からなり、植物との触れ合いが、人間の五感を刺激して脳に働きかけ、前記対象者4の動作や表情、情緒、意欲などの回復を促すため、前記行動観察測定制御システム1によって前記対象者4の五感行動を観察する。
上述の「1.表情」は、指導者が前記表示手段6に表示される映像データから前記対象者4の顔、つまり対象者4の口の横方向への開き具合(「口の幅寸法L1」)とも換言できる。)を見て、対象者4がリラックスしているか否かを「%」で表し、対象者4の「心の開放性」を判断する。
また、上述の「2.首」は、指導者が前記表示手段6に表示される映像データから前記対象者4の首、つまり対象者4の頭部の傾斜状態(「傾斜角度θ1」とも換言できる。)を見て、対象者4の首が垂れているか否かを「%」で表し、対象者4の「情緒の安定」を判断する。
更に、上述の「3.手」は、指導者が前記表示手段6に表示される映像データから前記対象者4の手、つまり対象者4の手の開き具合(「手の指の開き幅L2」とも換言できる。)を見て、指の間が開いているか否かを「%」で表し、対象者4の「動作の活発性」を判断する。
更にまた、上述の「4.足」は、指導者が前記表示手段6に表示される映像データから前記対象者4の足、つまり対象者4の、足のかかとの上がり具合(「足のかかとの上がり角度θ2」とも換言できる。)を見て、足のかかとが上がっているか否かを「%」で表し、対象者4の「意欲」を判断する。
この<ゲージ評価工程>(ステップ103)は、図1及び図6に示す如く、「五感行動観察評価判定II−−−ゲージ評価−−−」と記載されるものである。
そして、この「五感行動観察評価判定II−−−ゲージ評価−−−」は、以下の4種類にて行う。
1.表情
2.首
3.手
4.足
上述の「1.表情」は、前記数値化手段7の自動測定数値化手段10が前記表示手段6に表示される映像データから前記対象者4の顔、つまり対象者4の口の横方向への開き具合(「口の幅寸法L1」)とも換言できる。)を解析・測定し、対象者4の「口の幅寸法L1」を予め設定される開放ゲージに照らし合わせ、「開放ゲージ8 80mm以上」あるいは「開放ゲージ6 60mm以上」を決定して対象者4の「心の開放性」を判断する。
また、上述の「2.首」は、前記数値化手段7の自動測定数値化手段10が前記表示手段6に表示される映像データから前記対象者4の首、つまり対象者4の頭部の傾斜状態(「傾斜角度θ1」とも換言できる。)を解析・測定し、対象者4の「傾斜角度θ1」を予め設定される角度ゲージに照らし合わせ、「角度ゲージ 45度以上」あるいは「角度ゲージ 45度未満」を決定して対象者4の「情緒の安定」を判断する。
更に、上述の「3.手」は、前記数値化手段7の自動測定数値化手段10が前記表示手段6に表示される映像データから前記対象者4の手、つまり対象者4の手の開き具合(「手の指の開き幅L2」とも換言できる。)を解析・測定し、対象者4の「手の指の開き幅L2」を予め設定される開放ゲージに照らし合わせ、「開放ゲージ 1以上」あるいは「開放ゲージ 1未満」を決定して対象者4の「動作の活発性」を判断する。
更にまた、上述の「4.足」は、前記数値化手段7の自動測定数値化手段10が前記表示手段6に表示される映像データから前記対象者4の足、つまり対象者4の、足のかかとの上がり具合(「足のかかとの上がり角度θ2」とも換言できる。)を解析・測定し、対象者4の「足のかかとの上がり角度θ2」を予め設定される角度ゲージに照らし合わせ、「角度ゲージ 40度以上」あるいは「角度ゲージ 40度未満」を決定して対象者4の「意欲」を判断する。
I.個別評価
II.総合評価
III.評価グラフ
この<評価工程>(ステップ104)において、「I.個別評価」は、図7に示す如く、
1.心の開放性
2.情緒の安定
3.動作の活発性
4.意欲
を夫々の評価位置に黒丸印を付けて一覧表として表示する。
また、<評価工程>(ステップ104)の「II.総合評価」は、図7に示す如く、
1.心と身体の安定度
を評価する。
つまり、心と身体の安定度を0%から100%までの5つの領域に分割し、各領域の中間部位に「不安定」や「やや不安定」、「やや安定」、「安定」などの評価語句を記載し、上記の該当する領域内に黒丸印を付けて表示する。
更に、<評価工程>(ステップ104)の「III.評価グラフ」は、図7に示す如く、「I.個別評価」における「心の開放性」や「情緒の安定」、「動作活発性」、「意欲」の各項目を%にて表し、折れ線上の評価グラフを作成し、目視を容易としている。
従って、園芸療法を行う際に、映像データから対象者4の行動を自動的に数値化し、その数値化した値に基づいて対象者4の状態を自動的かつ総合的に判断して対象者4の状態を正確に把握し、対象者4の個人情報を画一的なものとすることができる。
これにより、園芸療法を円滑且つ適正に実施し、対象者4の治療を効果的に行うことができる。
従って、前記自動測定数値化手段10によって前記表示手段6に表示された前記対象者4の映像データを解析・測定して予め設定される所定のゲージに当てはめ、自動的に数値化することができることにより、数値化された前記対象者4の個人情報が画一的なものとなり、対象者4の個人情報の信頼性を高めることができる。
また、前記自動測定数値化手段10と前記手動数値化手段9とを併用することにより、前記自動測定数値化手段10による前記対象者4の個人情報を適正な状態に修正することが可能となり、熟練を積んだ指導者が修正を加えることによって、前記対象者4の個人情報の信頼性をより一層高めることが可能である。
すなわち、映像データとしては、人間の動作を観察することができるものであればよく、目の動きによる視線の変化や頭の左右・横方向への振り動作を映像データとして使用し、対象者の情緒の安定チェックに使用するものである。
さすれば、対象者のチェック項目が増加することにより、対象者の状態をより一層正確に把握することが可能となり、前記行動観察測定制御システムの信頼性の向上に寄与し得るものである。
すなわち、対象者においては、対象者の動作や表情、情緒、意欲などが回復されると、動作速度が変化する傾向にあるため、一般的な動作速度の値を予め設定しておき、この一般的な動作速度を対象者の状態の判断に使用するものである。
さすれば、前記行動観察測定制御システムのチェック項目に一般的な動作速度の値を加えることにより、前記行動観察測定制御システムの信頼性の向上に寄与し得るものである。
また、対象者においては、個人差があるため、上述した一般的な動作速度の値を加えるのみでなく、個人差を補正できる機能をも加えることにより、前記行動観察測定制御システムの汎用性が大となり、使い勝手の向上に寄与し得る。
2 バルコニー敷設タイプのセラピーハウス
3 標準全方向型のセラピーハウス
4 対象者
5 撮影手段
6 表示手段
7 数値化手段
8 制御手段
9 手動数値化手段
10 自動測定数値化手段
11 データベース
12 出力手段
13 外部端末機
13−1 第1外部端末機
13−2 第2外部端末機
Claims (1)
- 療法場にて対象者が指導者から園芸療法の提供を受け、前記対象者の個人情報を蓄積・更新しつつ、前記指導者が蓄積・更新された個人情報に基づいて前記対象者に園芸療法の作業を指導するとともに、この園芸療法の作業後に前記指導者が経過記録を前記対象者の個人情報を更新して蓄積する園芸療法を用いた行動観察測定制御システムにおいて、
対象者の行動を観察するために対象者を撮影する撮影手段を設け、
この撮影手段からの映像データを表示する表示手段を設け、
この表示手段に表示される前記対象者の行動を数値化するために、前記撮影手段からの映像データが前記表示手段に表示された際に、この表示手段の映像データを確認し、人為的に数値を入力して数値化する手動数値化手段と、前記撮影手段からの映像データが前記表示手段に表示された際に、この表示手段の映像データを解析・測定して所定のゲージに当てはめ、自動的に数値化する自動測定数値化手段とを備える数値化手段を設け、
前記撮影手段からの映像データを記憶する一方、前記数値化手段からの数値化した値から対象者の状態を評価する制御手段を設け、
前記撮影手段からの映像データに基づいて前記数値化手段により前記対象者の行動を数値化し、
前記制御手段が、
数値化した値によって前記対象者の行動を把握し、前記対象者の状態を総合的に評価するために、
前記行動観察測定制御システムの制御用プログラムをスタートさせた後に、前記撮影手段によって前記対象者の行動を撮影する際に、対象者の表情や頭部の傾斜状態、手の開き具合、足のかかとの上がり具合を撮影する撮影工程と、
前記撮影手段によって撮影された映像データを前記表示手段に表示させ、前記数値化手段の手動数値化手段によって評価判定するための入力を行う行動記憶工程と、
前記撮影手段によって撮影された映像データを前記表示手段に表示させ、前記数値化手段の手動数値化手段によって評価判定するための入力を行うゲージ評価工程と、
上述の撮影工程と行動記憶工程とゲージ評価工程との後に、個別評価や総合評価、評価グラフの作成を行う評価工程と
を備えることを特徴とする園芸療法を用いた行動観察測定制御システム。
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