以下に、本発明にかかる電子ファイル管理方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明にかかる電子ファイル管理方法を実現するための電子ファイル管理装置としての機能を備え、本発明にかかる電子ファイル管理プログラムを実行可能な計算機システムの構成例を示す図である。この計算機システムは、制御部1と記憶部2と表示部3と入力部4と出力部5と通信部6とを備える。
図1において、制御部1は、本発明にかかる電子ファイル管理プログラムを実行する。記憶部2は、RAM,ROMなどの各種メモリを含み、上記制御部1が実行すべきプログラム,処理の過程で得られた必要なデータ,などを記憶する。なお、記憶部2は、外部記憶装置(ハードディスク,CD−R(Compact Disk−Recordable)、CD−RW(Compact Disk−ReWritable),DVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)など)を含んでいてもよい。また、ネットワークを介して接続された他の計算機システム内に存在するなどしてもよい。表示部3は、CRT,LCD(液晶表示パネル)などで構成され、計算機システムのユーザに対して各種画面を表示する。入力部4は、たとえばキーボード41やマウス42などで構成され、計算機システムのユーザが、各種情報の入力を行うために使用する。出力部5は、プリンタなどの印刷装置により構成され、制御部1から出力される各種データに基づいた印刷処理などを行う。また、この計算機システムは、通信部6を介して、通信ネットワークとの接続が可能である。
ここで、本発明にかかる電子ファイル管理プログラムが実行可能な状態になるまでの計算機システムの動作例について説明する。上述した構成をとる計算機システムには、たとえば、CD−ROMドライブユニット(図示せず)にセットされたCD−ROMから、電子ファイル管理プログラムがディスクユニット(図示せず)にインストールされる。そして、電子ファイル管理プログラムの実行時に、ディスクユニットから読み出された電子ファイル管理プログラムが記憶部2の所定の場所に格納される。この状態で、制御部1は、記憶部2に格納されたプログラムに従って、電子ファイル管理処理を実行する。
なお、本発明においては、CD−ROMを記録媒体として、上記電子ファイル管理処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、計算機システムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、フロッピー(登録商標)ディスクなどの磁気ディスク,光磁気ディスク,磁気テープなどの記録媒体を用いることも可能である。また、電子メール,インターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
また、図2は、実施例1の電子ファイル管理装置の構成例を示す図であり、上述した計算機システムの制御部1と記憶部2と表示部3と入力部4により構成される。そして、制御部1は、ファイル操作機能起動部11と電子ファイル一覧取得部12と電子ファイル選択操作部13と整合性判断部14とを含む構成となっている。
また、記憶部2は、自身の特定の領域内に、各種電子ファイルを格納するための領域である電子文書(ファイル)格納部21と、電子ファイル格納部21に格納された電子ファイルを管理するための情報であるクライアント情報を格納するためのクライアントデータベース22と、を含む。また、電子ファイル格納部21は、各種条件に基づいて、電子ファイルを分類して格納するためのファイル格納領域の集合体であり、必要に応じて階層的に構築されたディレクトリ(フォルダ)により構成される。また、図示していないが、記憶部2は、上述した制御部1の各部が各処理を行う際に使用するワーク用メモリ領域を含み、制御部1の各部は、必要に応じてワーク用メモリ領域の全部または一部を使用して後述する処理を実行する。
ここで、電子ファイル格納部21やクライアントデータベース22は、説明の簡便のため一つの装置内に構成されるように図示したが、これに限定する趣旨ではなく、ネットワークを経由した先の装置内に構成されていても構わない。また、管理装置とは別に、ネットワークを介して接続された端末装置(図示せず)に制御部、表示部、入力部を構成し、管理装置の電子ファイル格納部21やクライアントデータベース22にアクセスするように構成しても構わない。
なお、電子文書データとは、主に、財務アプリケーションソフトウェア(以下、財務アプリケーションと呼ぶ)を使用して作成された財務帳表データファイル(以下、財務帳表ファイルと呼ぶ)をいう。また、財務帳表とは、たとえば、貸借対照表,試算表,月次損益計算書,などの財務アプリケーションソフトウェアが作成する印刷形式で出力するファイル群のことをいう。
図3は、クライアント情報の構成の一例を示す図である。図3に示したように、クライアント情報は、クライアント毎の固有情報である名称,住所,代表者名,電話番号,FAX番号,年度,業種,…,などの構成要素を含む。
図4は、電子ファイルの構成の一例を示す図である。図4に示したように、電子ファイルは、電子文書データおよび上述したクライアント情報により構成される。なお、電子文書データが、実際の財務帳表を構成するデータであり、各種帳表の書式(帳表書式)と各種仕訳データである財務データとを含む。また、電子文書データは、たとえば、“住所”,“電話番号”,“年度”など、クライアント情報を構成する構成要素(固有情報)を含む。
つづいて、ユーザが、図1に示したキーボード41またはマウス42を操作することにより、電子ファイル格納部21を構成するフォルダ間で電子ファイルの移動またはコピーを行う(ファイル操作を行う)場合の動作について、図2および図5に基づいて説明する。なお、図5は、電子ファイル格納部21内でファイル操作を行う場合の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、ファイル操作機能起動部11は、入力部4から、ファイル操作の開始を指示する情報を取得すると、ファイル操作機能を起動する(ステップS11)。つぎに、電子ファイル一覧取得部12(請求項8の電子ファイル名リスト作成手段に相当)は、電子ファイル格納部21に格納されている電子ファイルの名称一覧(電子ファイル名リスト)を作成するために必要な情報(たとえば、電子ファイル名,最終更新日の情報など)を、電子ファイル格納部21から読み出し(ワーク用メモリ領域にコピーし)、それら読み出した情報に基づいて電子ファイル名リストを作成し、作成したリストをワーク用メモリ領域に格納するとともに表示部3に対して出力する(ステップS12)。なお、表示部3は、電子ファイル一覧取得部12が作成した電子ファイル名リストを、たとえば、図6に示したように表示する。図6は、“1001△△建築”フォルダの下層に位置する“平成17年”フォルダに格納されている電子ファイルの電子ファイル名リストが表示された場合の例を示している。
つぎに、電子ファイル選択操作部13(ファイル操作情報取得手段に相当)は、入力部4を介して、ファイル操作の対象となる電子ファイル(移動またはコピーされる電子ファイル)がユーザに選択されるのを待つ。具体的には、ユーザは、表示部3に表示されている上記電子ファイル名リスト(図6参照)を確認しながら入力部4のキーボード41またはマウス42を使用して電子ファイルを選択する(ステップS13)。なお、選択する電子ファイルは一つに限らず、複数選択することが可能である。
また、所望の電子ファイル名が電子ファイル名リストに表示されていない場合、ユーザは、マウス42などを使用して、現在電子ファイル名リストを表示中のものとは異なるフォルダを選択し、所望の電子ファイル名を検索し、選択する。ここで、ユーザによって異なるフォルダが選択された場合、上記ステップS12およびS13の処理を再度実行することにより表示部3の表示内容(電子ファイル名リストの表示)を更新する。
電子ファイル名が選択されると、電子ファイル選択操作部13は、入力部4を介して、上記選択した電子ファイル名に対応する電子ファイル(以下、選択済み電子ファイルと呼ぶ)に対して実行する処理がユーザに指定されるのを待つ。具体的には、ユーザは、マウス42を使用した右クリックメニュー(一般的なマウスの右ボタンをクリックすることにより選択可能な各種メニュー)またはこれに相当するメニュー操作を行うことにより、上記選択済み電子ファイルに対するファイル操作(“移動”または“コピー”)を選択する。
そして、電子ファイル選択操作部13は、入力部4を介して、上記選択済み電子ファイルの移動先またはコピー先のフォルダを選択し、上記選択したファイル操作を実行する(ステップS14)。具体的には、マウス42等を使用してフォルダを選択し、マウス42を使用した右クリックメニューまたはこれに相当するメニュー操作を行うことにより、上記選択済み電子ファイルに対する操作(通常は、“貼り付け”)を選択する(ステップS14)。
つぎに、整合性判断部14(ファイル操作判断手段に相当)は、上記選択済み電子ファイルと上記ステップS14において選択された移動またはコピー先のフォルダとの整合性があるかどうかを確認する(ステップS15)。なお、電子ファイル格納部21を構成する各フォルダは、図7に示すように、各電子ファイルに含まれているものと同じクライアント情報(図3および図4参照)およびフォルダの名称,アドレス,などの情報を含んだフォルダ情報(以下、これら2つの情報をまとめてフォルダ管理情報と呼ぶ)により管理されている。
具体的なステップS15の動作として、整合性判断部14は、上記ステップS13において選択された電子ファイル名に対応する電子ファイルを電子ファイル格納部21から取得する。さらに、移動またはコピー先のフォルダのフォルダ管理情報を記憶部2から取得する。そして整合性判断部14は、取得した電子ファイルに含まれるクライアント情報およびフォルダ管理情報に含まれるクライアント情報に基づいて整合性を判断する。なお、電子ファイルとフォルダの整合性有無の判断方法については後述する。
ステップS15において、整合性ありと判断した場合(ステップS15、Yes)、上記ステップS14で選択したファイル操作に対応する動作を実行する(ステップS16)。これに対して、整合性なしと判断した場合(ステップS15、No)、その旨(エラー)を示す表示を表示部3に対して出力し、上記ステップS14で選択したファイル操作に対応する動作を実行せずに動作を終了する(ステップS17)。
ここで、電子ファイルとフォルダとの間で整合性がある場合とは、移動またはコピーされる電子ファイルに含まれているクライアント情報と、移動またはコピー先のフォルダのフォルダ管理情報が有するクライアント情報とを比較して、所定の関係にある(整合性判断条件を満たしている)場合をいう。たとえば、会計事務所の業務においては、クライアント毎の電子ファイルを、さらに年度毎に管理する場合が多い。すなわち、クライアント毎のフォルダ内に年度毎の電子ファイルを格納するためのサブフォルダを構築し、各電子ファイルを管理する場合が多い。そのため、一例として、電子ファイルに含まれるクライアント情報およびフォルダ管理情報に含まれるクライアント情報の構成要素中の名称(クライアント名)および年度が一致している場合に整合性ありと判断する。なお、整合性の判断条件はこれに限らず、クライアント情報の他の構成要素を用いた整合性判定条件を使用してもよい。そして、整合性なしと判断した場合、本発明にかかる電子ファイル管理方法では、選択された電子ファイルが本来格納されるべきフォルダではないと判断する。すなわち、ファイル操作において人為的なミスが発生したと判断する。
このように、本実施例の電子ファイル管理方法においては、電子ファイルに含まれるクライアント情報および電子ファイルを格納するためのファイル格納場所(フォルダ)の管理情報に含まれるクライアント情報に基づいて、あるフォルダに格納されている電子ファイルに対してファイル操作(電子ファイルを他のフォルダに移動またはコピーする操作)を実行する場合、移動またはコピー先のフォルダのフォルダ管理情報に含まれるクライアント情報と操作される電子ファイルに含まれるクライアント情報が一致した場合にのみファイル操作を実行することとした。これにより、ファイル操作において電子ファイルを移動またはコピーすべきフォルダと異なるフォルダを選択するというような人為的な操作ミスが発生するのを防止することができ、電子ファイル管理の確実性を向上させることができる。
つづいて、実施例2の電子ファイル管理方法について説明する。なお、本実施例の電子ファイル管理方法を実現するための電子ファイル管理装置としての機能を備え、本実施例の電子ファイル管理プログラムを実行可能な計算機システムの構成は、上述した実施例1と同様である。
図8は、実施例2の電子ファイル管理装置の構成例を示す図であり、上述した実施例1の電子ファイル管理装置の制御部1に代えて制御部1aを備えた構成となる。ここで、制御部1aは、クライアント情報作成部51とクライアント情報登録部52とフォルダ作成部53とクライアント一覧取得部54とクライアント選択部55と電子文書作成部56とファイル格納処理部57により構成される。なお、クライアント情報作成部51およびクライアント情報登録部52がクライアント情報作成登録手段を構成する。その他の部分については、上述した実施例1と同様であるため同一の符号を付与してその説明を省略する。
まず、図8のような構成をとる電子ファイル管理装置の記憶部2に含まれるクライアントデータベース22に対してクライアント情報を新規登録する動作を図8および図9に基づいて説明する。なお、図9は、クライアントデータベース22に対して新しいクライアント情報を登録する場合の動作の一例を示すフローチャートである。
ユーザからの新規クライアントの登録開始指示を入力部4から取得すると、制御部1aのクライアント情報作成部51は、クライアント情報の新規登録動作を開始する。具体的には、クライアント情報作成部51は、クライアント情報の登録画面を表示部3に対して出力する。なお、図10は、クライアント情報の登録画面の一例を示す図である。そして、ユーザは、表示部3に表示された内容を確認しながら、入力部4(キーボード41およびマウス42)を使用することによりクライアント情報として登録を行いたい構成要素(項目)の情報を入力する(ステップS21)。
ユーザのクライアント情報入力が終了後、入力された情報のクライアントデータベース22への登録指示を入力部4から受けると(ステップS22)、クライアント情報登録部52は、クライアントデータベースに22に対して、上記ステップS21において入力されたクライアント情報を登録する(ステップS23)。さらに、クライアント情報登録部52は、フォルダ作成部53に対して、上記ステップS23において登録したクライアント情報に対応するクライアント用の電子ファイルを格納するためのファイル格納場所(フォルダ)を作成するように指示を出す。
つぎに、フォルダ作成部53は、電子ファイル格納部21の内部に、上記ステップS23において新規登録したクライアント情報に対応するクライアントの電子ファイルを格納するためのフォルダを作成する(ステップS24)。フォルダ作成部53は、クライアント情報に基づいて、たとえば、クライアントの名称と同じ名称のフォルダおよび年度を名称とするサブフォルダを作成する。以後、上記ステップS23において新規登録したクライアント情報に対応するクライアントの電子ファイル(図4に示したような構成の電子ファイル)を、各種財務アプリケーションを使用して作成した場合、本発明にかかる電子ファイル管理装置は、それら作成した電子ファイルを、上記ステップS24において作成したフォルダに格納して管理する。
つづいて、財務アプリケーションを使用して、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報に対応するクライアント向けの各種電子文書(各種財務帳表)を作成する場合の動作および作成された電子ファイルを管理する動作を図8および図11に基づいて説明する。なお、図11は、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報に対応するクライアント向けの電子文書を作成する動作の一例を示すフローチャートである。
(ユーザからの)新規電子文書の作成開始指示を入力部4から取得すると、制御部1aのクライアント一覧取得部54は、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報に対応するクライアントの一覧(クライアントリスト)を作成し、クライアントの選択動作を開始する。具体的には、クライアント一覧取得部54は、クライアントデータベース22からクライアントリストを作成するために必要な情報(たとえば、クライアントコード,クライアント名など)を読み出し(ワーク用メモリ領域にコピーし)、それら読み出した情報に基づいてクライアントリストを作成し、作成したリストをワーク用メモリ領域に格納するとともに表示部3に対して出力する(ステップS31)。なお、表示部3は、クライアント一覧取得部54が作成したクライアントリストを、たとえば、図12に示したように表示する。図12においては、コード(クライアントコード),名称(クライアント名),…、などが表示されている。
つぎに、クライアント選択部55は、ユーザにより上記クライアントリストの中からクライアントが選択される、または、クライアント選択動作の終了が選択されるのを待つ。選択されたクライアントを示す情報を入力部4から受け取ると、クライアント選択部55は、選択されたクライアントを電子文書作成部56に対して通知する(ステップS32)。選択されたクライアントの通知を受けると、電子文書作成部56は、該選択されたクライアントのクライアント情報をクライアントデータベース22から取得し、ワーク用メモリ領域にコピーする(ステップS33)。
そして、電子文書作成部56は、上記取得したクライアント情報に含まれる各種情報(構成要素)の中から必要な情報を抽出し、抽出した情報を、作成する電子文書のクライアントに関する情報を入力する項目(箇所)に対して自動的に埋め込む(入力する)(ステップS34)。なお、電子文書を作成する際のクライアントに関する項目を入力する画面の一例を図13に示す。図13は、上記ステップS33において取得したクライアント情報に名称(クライアント名=法人名),住所(=納税地),代表者名(代表者氏名),申告区分(=青色・白色区分)などが登録されていた場合のクライアントに関する項目を入力する画面の初期表示の例を示している。
その後、電子文書作成部56は、入力部4から電子文書の各項目への入力情報を取得する(電子文書の作成動作を行う)(ステップS35)。さらに、電子文書の各項目への入力終了(電子文書の作成終了)を示す情報(保存指示)を入力部4から取得すると、電子文書作成部56は、その旨をファイル格納処理部57に対して通知する(ステップS36)。
上記ステップS36において通知を受けたファイル格納処理部57(電子ファイル作成格納手段に相当)は、ワーク用メモリ領域内に格納されている上記電子文書作成部56が作成した電子文書のデータを取得する。つぎに、ファイル格納処理部57は、上記ステップS33において電子文書作成部56が取得し、ワーク用メモリ領域内に格納したクライアント情報を取得する。そして、上記電子文書データに対して上記クライアント情報を付加することにより、電子ファイル格納部21に格納するデータ(電子ファイル)を作成する(ステップS37)。
さらに、ファイル格納処理部57は、上記ステップS37において作成した電子ファイルに含まれるクライアント情報(またはステップS33において電子文書作成部56が取得し、ワーク用メモリ領域内に格納したクライアント情報)に基づいて、該電子ファイルの保存先(フォルダ)を選択(識別)する(ステップS38)。そして、ファイル格納処理部57は、上記電子ファイルに対して予め決められた条件の名前を自動的に付与し、上記選択したフォルダに保存(格納)する(ステップS39)。
このように、本実施例の電子ファイル管理方法においては、クライアントデータベースにクライアント情報が登録されているクライアント向けの電子文書を作成する場合、該クライアントのクライアント情報に基づいて、電子文書内のクライアントに関する項目を自動的に入力するようにした。そのため、ユーザのデータ入力作業負担を軽減し、また、入力ミスなどが発生するのを防止できる。
また、電子文書を作成後、そのデータを含んだ電子ファイルを保存する場合、保存先を自動的に選択し、電子ファイル毎に共通なファイル名をつけて保存することとした。これにより、保存先を間違う、間違ったファイル名で登録を行う、などの人為的なミスが発生するのを防止することができる。さらに、関連のある電子ファイル間の整合性を保ちながら電子ファイルを管理することができる。
つづいて、実施例3の電子ファイル管理方法について説明する。本実施例では、財務アプリケーションを使用して、クライアントデータベース22にクライアント情報が登録されていないクライアント向けの各種電子文書(各種財務帳表)を作成する場合の動作および作成された電子ファイルを管理する動作について説明する。なお、本実施例の電子ファイル管理方法を実現するための電子ファイル管理装置としての機能を備え、本実施例の電子ファイル管理プログラムを実行可能な計算機システムの構成は、上述した実施例1と同様である。
図14は、実施例3の電子ファイル管理装置の構成例を示す図であり、上述した実施例2の電子ファイル管理装置の制御部1aに代えて制御部1bを備えた構成となる。また、制御部1bは、制御部1aのクライアント情報作成部51がなく、制御部1aのクライアント情報登録部52,クライアント選択部55,電子文書作成部56に代えてクライアント情報登録部52b,クライアント選択部55b,電子文書作成部56bを備え、さらに、制御部1aへクライアント情報取得部61を追加したものである。なお、クライアント情報取得部61およびクライアント情報登録部52bがクライアント情報取得登録手段を構成する。その他の部分については、上述した実施例2と同様であるため同一の符号を付与してその説明を省略する。
図15は、クライアント情報がクライアントデータベース22に登録されていないクライアント向けの電子文書を作成する動作の一例を示すフローチャートである。以下、図15に示した動作を詳細に説明する。なお、上述した実施例2の電子文書作成動作(クライアントデータベース22に登録されたクライアント情報に対応するクライアント向けの電子文書作成動作)と同様の処理については、同一のステップ番号を付与してその説明を省略する。
ステップS31を実行後、クライアント選択部55bは、ユーザにより上記クライアントリストの中からクライアントが選択される、または、クライアント選択動作の終了が選択されるのを待つ。クライアント選択部55bは、クライアント選択動作の終了を指示する情報(所望のクライアントがクライアントリストに存在しないためクライアントの選択を行なわない旨を示す情報)を入力部4から受け取ると、その旨を電子文書作成部56bに対して通知し、電子文書の作成を指示する(ステップS41)。
電子文書作成部56bは、ステップS35の電子文書作成作業を実行し、その後、電子文書の作成終了を示す情報(保存指示)を入力部4から取得すると、その旨をクライアント情報取得部61に対して通知する(ステップS36b)。電子文書の作成終了を示す情報(保存指示)の通知を受けたクライアント情報取得部61は、電子文書作成部56bが作成した電子文書のデータの中からクライアントに関する情報を取得し、クライアントデータベース22へ登録するためのクライアント情報を生成し、それをワーク用メモリ領域に格納する。さらに、クライアント情報取得部61は、ワーク用メモリ領域に格納に格納したクライアント情報をクライアントデータベース22へ登録するようにクライアント情報登録部52bに対して指示を出す(ステップS42)。
クライアント情報取得部61から指示を受けたクライアント情報登録部52bは、上記ワーク用メモリ領域に格納されたクライアント情報をクライアントデータベース22に対して登録する(ステップS43)。さらに、クライアント情報登録部52bは、フォルダ作成部53に対して、上記ステップS43において登録したクライアント情報に対応するクライアント用の電子ファイルを格納するためのファイル格納場所(フォルダ)を作成するように指示を出す。
つぎに、フォルダ作成部53は、電子ファイル格納部21の内部に、上記ステップS43において新規登録したクライアント情報に対応するクライアントの電子ファイルを格納するためのフォルダを作成する(ステップS44)。なお、ステップS43およびS44の処理は、上記実施例2において説明したクライアント情報をデータベースへ登録する処理のステップS23およびS24と同じ処理である。以下、ファイル格納処理部57が上述した実施例2のステップS37およびS39と同じ処理を実行し、電子ファイルを上記作成したフォルダへ格納する。
このように、本実施例の電子ファイル管理方法においては、クライアントデータベースにクライアント情報が登録されていないクライアント向けの電子文書を作成した場合、電子文書の作成終了後、電子文書に含まれているクライアントに関する情報を抽出し、抽出した情報に基づいてクライアント情報を作成してクライアントデータベースへ登録を行うこととした。これにより、クライアントデータベースに登録されていないクライアント向けの電子文書を作成後、改めてクライアント情報をクライアントデータベースに対して登録する手間が省け、ユーザの作業負担を軽減できる。また、クライアントデータベースに登録されていないクライアント向けに作成された電子ファイルの整合性を容易に保つことが可能となる。また、上述した実施例2と同様に、ファイルの保存先を間違うなどの人為的なミスが発生するのを防止することができる。
つづいて、実施例4の電子ファイル管理方法について説明する。本実施例では、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報が変更(更新)された場合の電子ファイル管理動作について説明する。なお、本実施例の電子ファイル管理方法を実現するための電子ファイル管理装置としての機能を備え、本実施例の電子ファイル管理プログラムを実行可能な計算機システムの構成は、上述した実施例1と同様である。
図16は、実施例4の電子ファイル管理装置の構成例を示す図であり、上述した実施例2の電子ファイル管理装置の制御部1aに代えて制御部1cを備えた構成となる。ここで、制御部1cは、クライアント一覧取得部54とクライアント選択部55cとクライアント情報編集部71とクライアント情報登録部72とファイル検索変換部73により構成される。なお、クライアント一覧取得部54は、上述した実施例2のクライアント一覧取得部と同様であるため説明を省略する。また、その他の部分については、上述した実施例2と同様であるため同一の符号を付与してその説明を省略する。
つづいて、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報を変更する場合の動作を、図16および図17に基づいて説明する。なお、図17は、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報の変更および変更後の電子ファイル管理動作の一例を示すフローチャートである。
クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報の編集開始指示を入力部4から取得すると、制御部1cのクライアント一覧取得部54は、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報に対応するクライアントの一覧(クライアントリスト)を作成する。具体的には、クライアント一覧取得部54は、クライアントデータベース22からクライアントリストを作成するために必要な情報(たとえば、クライアントコード,クライアント名など)を読み出し(ワーク用メモリ領域にコピーし)、それら読み出した情報に基づいてクライアントリストを作成し、作成したリストをワーク用メモリ領域に格納するとともに表示部3に対して出力する(ステップS51)。
つぎに、クライアント選択部55cは、ユーザにより上記クライアントリストの中からクライアントが選択される、または、クライアント選択動作の終了が選択されるのを待つ。選択されたクライアントを示す情報を入力部4から受け取ると、クライアント選択部55cは、選択されたクライアントをクライアント情報編集部71に対して通知する(ステップS52)。選択されたクライアントの通知を受けると、クライアント情報編集部71は、該選択されたクライアントのクライアント情報をクライアントデータベース22から取得し、ワーク用メモリ領域内の編集データ格納領域にコピーする(ステップS53)。さらに、クライアント情報編集部71は、上記取得したクライアント情報を、ワーク用メモリ領域内の非編集データ格納領域に対してコピーする。そして、以下の編集処理においては、編集用データ格納領域に格納されたデータ(クライアント情報)の編集を行い、非編集データ格納領域に格納されたデータ(クライアント情報)は編集しない(変更しない)ものとする。
つぎに、クライアント情報編集部71は、クライアント情報の編集動作を開始する。具体的には、クライアント情報編集部71は、クライアント情報の編集画面を表示部3に対して出力する。なお、編集画面の内容は、上記実施例2において説明したクライアント情報の新規登録動作字と同様の画面(図10参照)であってもよいし、異なる内容であってもよい。ただし、クライアント情報の各項目には登録済みの内容(情報)が表示される。そして、ユーザは、表示部3に表示された内容を確認しながら、入力部4(キーボード41およびマウス42)を使用することにより編集を行いたい項目を選択し、その内容を修正する(ステップS54)。
ユーザのクライアント情報入力(修正)が終了後、修正された情報のクライアントデータベース22への登録指示(更新登録指示)を入力部4から受けると、クライアント情報登録部72は、クライアントデータベースに22に対して、上記ステップS54において編集されたクライアント情報を更新登録する。さらに、クライアント情報登録部72は、ファイル検索変換部73に対して、電子ファイルおよびフォルダ管理情報に含まれているクライアント情報を更新するように指示を出す(ステップS55)。
電子ファイルおよびフォルダ管理情報に含まれているクライアント情報を更新するように指示を受けたファイル検索変換部73(請求項12のクライアント情報更新手段に相当)は、上記ステップS54におけるクライアント情報修正の影響を受ける全ての電子ファイルおよびフォルダを検索する。すなわち、上記編集されたクライアント情報に対応するクライアントの全ての電子ファイルおよび該電子ファイルの格納先であるフォルダを検索する(ステップS56)。たとえば、ファイル検索変換部73は、上記非編集データ格納領域に格納されているクライアント情報(更新前クライアント情報)と同じクライアント情報を有する電子ファイルおよび該更新前クライアント情報と同じクライアント情報を含んだフォルダ管理情報に管理されているフォルダを検索する。
つぎに、ファイル検索変換部73は、ステップS56において検索した電子ファイルに含まれるクライアント情報およびフォルダのフォルダ管理情報に含まれるクライアント情報を、上記ステップS55においてクライアントデータベース22に対して登録したクライアント情報(更新されたクライアント情報)に置き換える(更新する)(ステップS57)。
また、ステップS54においてクライアント情報が修正されずにクライアントデータベース22への登録指示(更新登録指示)を入力部4から受けると、上記ステップS56およびS57の処理を実行せずに動作を終了する。すなわち上記編集用データ格納領域および非編集データ格納領域に格納されている情報が同じものである場合は上記ステップS56およびS57の処理を実行しない。
このように、本実施例の電子ファイル管理方法においては、クライアントデータベースに登録されているクライアント情報が更新された場合、該更新の影響を受ける電子ファイルおよびフォルダを検索し、それら影響を受ける電子ファイルおよびフォルダ管理情報が有するクライアント情報に対して上記更新内容を自動的に反映(自動的に情報を更新)することとした。これにより、データベースの内容変更の影響を受ける電子ファイル等に対してその内容を反映させる作業(更新作業)を、ユーザの手作業で行う必要がなくなるため、ユーザの作業負担を軽減でき、各電子ファイルの整合性を容易に保つことが可能となる。また、更新作業漏れ、更新作業時に誤った内容を入力するなどの人為的なミスが発生するのを防止することができる。
つづいて、実施例5の電子ファイル管理方法について説明する。本実施例では、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報に基づいて電子文書の作成作業(上記実施例2の電子文書作成動作に相当する動作)または作成済みの電子文書の編集作業を行い、その作業中にクライアントに関する情報(クライアント情報構成要素)が変更された場合の電子ファイル管理動作について説明する。なお、本実施例の電子ファイル管理方法を実現するための電子ファイル管理装置としての機能を備え、本実施例の電子ファイル管理プログラムを実行可能な計算機システムの構成は、上述した実施例1と同様である。
図18は、実施例5の電子ファイル管理装置の構成例を示す図であり、上述した実施例2の電子ファイル管理装置の制御部1aに代えて制御部1dを備えた構成となる。ここで、制御部1dは、電子ファイル一名覧取得部81と電子ファイル選択部82と電子文書編集部83と電子ファイル登録部84とクライアント情報更新登録部85とファイル検索変換部73dにより構成される。なお、その他の部分については、上述した実施例2と同様であるため同一の符号を付与してその説明を省略する。
つづいて、電子ファイル格納部21に格納されている電子ファイル(電子文書)を編集する動作を、図18および図19に基づいて説明する。なお、図19は、電子ファイル格納部21に格納されている電子ファイルの編集および編集終了後の電子ファイル管理動作の一例を示すフローチャートである。なお、上述した実施例4の電子ファイル管理動作と同様の処理については、同一のステップ番号を付与してその説明を省略する。
電子ファイル格納部21に登録されている電子ファイルの編集開始指示を入力部4から取得すると、制御部1dの電子ファイル名一覧取得部81は、電子ファイル格納部21に格納されている電子ファイルの名称一覧(電子ファイル名リスト)を作成する。具体的には、電子ファイル一名覧取得部81は、電子ファイル名リストを作成するために必要な情報(たとえば、電子ファイル名,最終更新日の情報など)を、電子ファイル格納部21から読み出し(ワーク用メモリ領域にコピーし)、それら読み出した情報に基づいて電子ファイル名リストを作成し、作成したリストをワーク用メモリ領域に格納するとともに表示部3に対して出力する(ステップS61)。
つぎに、電子ファイル選択部82は、入力部4を介して、編集を行う電子ファイル名がユーザに選択されるのを待つ。そして、電子ファイル選択部82は、選択された電子ファイル名を示す情報を入力部4から受け取ると、選択されたファイル名を電子文書編集部83に対して通知する(ステップS62)。
選択された電子ファイル名の通知を受けると、電子文書編集部83は、通知された電子ファイル名に対応する電子ファイルを電子ファイル格納部21から取得し、ワーク用メモリ領域内の編集データ格納領域にコピーする(ステップS63)。さらに、電子文書編集部83は、上記取得した電子ファイルを、ワーク用メモリ領域内の非編集データ格納領域に対してコピーする。そして、以下の編集処理においては、編集用データ格納領域に格納された電子文書データの編集を行い、非編集データ格納領域に格納された電子文書データは編集しない(変更しない)ものとする。
つぎに、電子文書編集部83は、電子ファイル(電子文書)の編集動作を開始する。具体的には、電子文書編集部83は、電子文書の編集画面を表示部3に対して出力する。そして、ユーザは、表示部3に表示された内容を確認しながら、入力部4(キーボード41およびマウス42)を使用することにより電子文書の編集を行う(ステップS64)。そして、ユーザの電子文書編集が終了後、編集後の電子文書(電子ファイル)の電子ファイル格納部21への登録指示(更新登録指示)を入力部4から受けると、電子文書編集部83は、その旨を電子ファイル登録部84に対して通知する。
電子文書編集部83から更新登録指示があった旨の通知を受けた電子ファイル登録部84は、ワーク用メモリ領域に格納されている上記電子文書編集部83が編集した電子文書のデータ(電子ファイル)を電子ファイル格納部21に格納する(ステップS65)。なお、ステップS64において、仮に電子文書内のクライアント情報構成要素が変更されていても、この時点では、電子ファイルに含まれる(電子文書データに付加されている)クライアント情報は変更されていない。そのため、ステップS65における電子ファイル格納場所(フォルダ)は、上記ステップS63において取得した電子ファイルが格納されていたフォルダ(編集前の電子ファイルが格納されていたフォルダ)となる。
さらに、電子ファイル登録部84は、上記ステップS64においてクライアント情報構成要素が編集(変更)されたかどうかを確認し(ステップS66)、変更ありと判断した場合、クライアント情報が変更されたことをクライアント情報更新登録部85に対して通知する(ステップS66、Yes)。これに対して、変更なしと判断した場合、処理を終了する(ステップS66、No)。なお、クライアント情報の変更の有無を判断する方法としては、たとえば、クライアント情報構成要素の編集の状態(変更の有無)を示すためのフラグを設け、電子文書ファイルの編集終了後、該フラグを確認して判断する。
クライアント情報構成要素が変更された旨の通知を受けたクライアント情報更新登録部85(クライアント情報取得更新手段に相当)は、上記変更された電子文書データの中のクライアント情報構成要素(名称,住所,代表者名,など)の中から、変更された情報(クライアント情報構成要素)を取得する(ステップS67)。そして、クライアント情報更新登録部85は、該取得した情報に基づいて、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報を更新する。さらに、クライアント情報更新登録部85は、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報が更新された旨をファイル検索変換部73dに対して通知する(ステップS68)。
クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報が更新された旨を通知されたファイル検索変換部73d(請求項13のクライアント情報更新手段に相当)は、上記ステップS68におけるクライアント情報更新の影響を受ける全ての電子ファイルおよびフォルダを検索する(ステップS56d)。たとえば、ファイル検索変換部73dは、上記ワーク用メモリ領域内の非編集データ格納領域に格納されている電子文書データに付加されている(電子ファイルに含まれている)クライアント情報(更新前クライアント情報)と同じクライアント情報を有する電子ファイルおよび該更新前クライアント情報と同じクライアント情報を含んだフォルダ管理情報に管理されているフォルダを検索する。そして上述した実施例4と同様にステップS57を実行することにより、クライアント情報の変更内容を、全ての電子ファイルおよびフォルダに対して反映させる。
このように、本実施例の電子ファイル管理方法においては、作成済みの電子文書データに含まれるクライアントに関する情報(クライアント情報構成要素)に変更が生じた場合、その変更内容に対応して、クライアントデータベース内のクライアント情報を自動的に更新し、さらに、該更新の影響を受ける全ての電子ファイルおよびフォルダを検索し、それら影響を受ける電子ファイルおよびフォルダ管理情報が有するクライアント情報に対して上記更新内容を自動的に反映(自動的に情報を更新)することとした。これにより、データベースの内容変更の影響を受ける電子ファイル等に対してその内容を反映させる作業(更新作業)を、ユーザの手作業で行う必要がなくなるため、ユーザの作業負担を軽減でき、各電子ファイルの整合性を容易に保つことが可能となる。また、更新作業漏れ、更新作業時に誤った内容を入力するなどの人為的なミスが発生するのを防止することができる。さらに、データベースに関する知識を有する者の作業を介在させずにデータベースの内容を更新することが可能となる。
上述した実施例1では、クライアント情報を含んだ独自形式のデータ(電子ファイル)をクライアント情報を利用して管理する方法について説明した。すなわち、実施例1の電子ファイル管理方法では、汎用形式(たとえば、PDF(Portable Document Format)、CSV(Comma Separated Value)、HTML(Hyper Text Markup Language)、XML(eXtensible Markup Language)などの形式)のファイルを管理することができない。そのため、本実施例以下では、汎用形式のファイルを管理することが可能な電子ファイル管理方法および電子ファイル管理方法において使用する情報について説明する。まず本実施例では、汎用形式ファイルの管理動作において使用する情報(ファイル情報)の生成方法について説明する。
なお、本実施例のファイル情報生成方法を実現するためのファイル情報生成装置としての機能を備え、本実施例の電子ファイル管理プログラムを実行可能な計算機システムの構成は、上述した実施例1と同様である(図1参照)。
図20は、実施例6のファイル情報生成装置の構成例を示す図であり、計算機システムの制御部1eと記憶部2と表示部3と入力部4により構成される。そして、制御部1eは、ファイル操作機能起動部11eと電子ファイル一覧取得部12eと電子ファイル選択部91とファイル形式変換部92とクライアント情報取得部93とファイル格納処理部94とを含む構成となっている。記憶部2、表示部3および入力部4は、上述した実施例1の記憶部2、表示部3および入力部4と同様である。なお、ファイル形式変換部92が汎用フォーマットファイル生成手段を構成し、クライアント情報取得部93およびファイル格納処理部94が汎用フォーマットファイル格納手段を構成する。また、ファイル格納処理部94が請求項39のファイル情報生成手段およびファイル情報登録手段を構成する。
本実施例以降の実施例において、各種ファイル(独自形式のデータおよび汎用形式のファイル)は電子ファイル格納部21において管理され、電子ファイル格納部21を構成する各フォルダは、実施例1と同様の方法(クライアント情報を使用した管理方法)で管理されているものとする。また、以下の説明においては、独自形式の電子ファイルを独自フォーマットファイルと呼び、また汎用形式のファイルを汎用フォーマットファイルと呼ぶこととする。
また、本実施例以降の実施例においては、上述した実施例1〜5において使用したクライアント情報とは異なるクライアントデータベースデータ(以下クライアントDBデータと呼ぶ)を使用して各種ファイル(独自フォーマットファイルおよび汎用フォーマットファイル)の管理を行う。ここでまず、クライアントDBデータの説明を行う。
図21−1〜図21−4および図22は、実施例6(およびこれ以降の実施例)で使用するクライアントDBデータを説明するための図である。クライアントDBデータは、クライアントデータベース22へ格納されており、クライアント情報、ファイル情報、アプリケーション情報およびファイル属性情報を含む。図21−1はクライアント情報の構成例を示す図であり、このクライアント情報は、実施例1〜5で使用したクライアント情報とは若干異なり、クライアントコード,事務所情報フラグ,名称,住所,…,などの構成要素を含んでいる。図21−2は汎用フォーマットファイルを管理するためのファイル情報の構成例を示す図であり、ファイル情報は、クライアントコード,決算年月日,アプリケーションID,ファイル格納パス,ファイル名を構成要素として含んでいる。図21−3はアプリケーション情報の構成例を示す図であり、アプリケーション情報は、アプリケーションID,アプリケーション名,重要度,…,などの構成要素を含んでいる。図21−4はファイル属性情報の構成例を示す図であり、ファイル属性情報は、重要度,拡張子,…,などの構成要素を含んでいる。
また、各情報(クライアント情報、ファイル情報、アプリケーション情報およびファイル属性情報)は、たとえば図22に示したように、特定の構成要素により互いに関連付けられる。なお、図22は、クライアント情報とファイル情報が「クライアントコード(図示した“0301”,“0456”など)」により関連付けられている様子を示している。また、図示していないが、たとえば、ファイル情報とアプリケーション情報は「アプリケーションID」を使用して関連付けられ、アプリケーション情報とファイル情報は「重要度」を使用して関連付けられる。そして、本実施例以降では、クライアントDBデータの中のファイル情報を使用して各種ファイル(独自フォーマットファイルおよび汎用フォーマットファイル)を管理する。
つづいて、クライアントDBデータを構成するファイル情報の生成・更新方法について説明する。ここでは、電子ファイル格納部21において既に管理されている独自フォーマットファイルに基づいて汎用フォーマットファイルを生成した場合に、該生成した汎用フォーマットファイルを管理するためのファイル情報生成動作を図20〜図23を用いて説明する。なお、独自フォーマットファイルが含んでいるクライアント情報の構成は、図21−1に示したものとする。
図23は、独自フォーマットファイルに基づいて汎用フォーマットファイルを生成し、さらに生成した汎用フォーマットファイルを管理するためのファイル情報を生成する動作の一例を示すフローチャートである。ファイル操作機能起動部11eは、入力部4から、ファイル操作(汎用フォーマットファイル生成操作)の開始を指示する情報を取得すると、ファイル操作機能を起動する(ステップS11e)。つぎに、電子ファイル一覧取得部12eは、電子ファイル格納部21に格納されている独自フォーマットファイルの名称一覧(ファイル名リスト)を作成するために必要な情報(たとえば、電子ファイル名,最終更新日の情報など)を、電子ファイル格納部21から読み出し、それら読み出した情報に基づいてファイル名リストを作成し、作成したリストをワーク用メモリ領域に格納するとともに表示部3に対して出力する(ステップS12e)。以上の動作は、実施例1において示したファイル操作機能起動部11の動作(図5のステップS11およびS12)と同様である。
つぎに、電子ファイル選択部91は、入力部4を介して、汎用フォーマットファイル生成に使用する(汎用フォーマットファイルの元となる)独自フォーマットファイルがユーザに選択されるのを待つ(ステップS13e)。なお、選択する独自フォーマットファイルは一つに限らず、複数選択することが可能である。
独自フォーマットファイル名が選択されると、ファイル形式変換部92は、入力部4を介して、上記選択された独自フォーマットファイル名に対応する独自フォーマットファイルに基づいて生成される汎用フォーマットファイルの形式(たとえば、PDF,CSV,HTMLなど)がユーザに指定されるのを待つ。そして、汎用フォーマットファイルの形式が指定されると、ファイル形式変換部92は、上記選択された独自フォーマットファイル名に対応する独自フォーマットファイルを電子ファイル格納部21から取得し(ワーク用メモリ領域にコピーし)、取得した独自フォーマットファイルに基づいて、上記指定された形式の汎用フォーマットファイルを生成する。すなわちワーク用メモリ領域の独自フォーマットファイルを所定のルールに従って変換することにより、上記指定された形式の汎用フォーマットファイルを生成する(ステップS71)。汎用フォーマットファイルの名称は、予め決められたルールに従って自動的に決定される。たとえば、元の独自フォーマットファイルと同じ名称とする。また、独自フォーマットファイルを汎用フォーマットファイルへ変換する場合、ファイル情報生成装置は、たとえば、選択された独自フォーマットファイルを、それを生成する際に使用したアプリケーション(財務アプリケーションソフトウェアなど)へ渡して、アプリケーションが汎用フォーマットファイルへ変換する。
つぎに、クライアント情報取得部93は、上記ステップS71において生成した汎用フォーマットファイルの格納先(電子ファイル格納部21内のどのフォルダに格納するか)を決定する(ステップS72)。具体的には、上記ステップS71において電子ファイル格納部21から取得した独自フォーマットファイルに含まれるクライアント情報および独自フォーマットファイルを生成したアプリケーションに関する情報に基づいて、格納先を決定する。このときクライアント情報取得部93は、生成した汎用フォーマットファイルと最も整合性が高いフォルダを格納先として選択する。たとえば、電子ファイル格納部21内にクライアント毎のフォルダが構築され、クライアント毎のフォルダの下層フォルダ(サブフォルダ)として会計年度毎のフォルダを含み、さらにアプリケーション毎の下層フォルダが会計年度毎のフォルダに含まれる場合であれば、生成した汎用フォーマットファイルに関するクライアント名、会計年度およびアプリケーション名と同じ情報を含んだフォルダ管理情報により管理されているフォルダを格納先とする。なお、格納先を決定する際に使用するクライアント情報は、ステップS71において取得した独自フォーマットファイルに含まれるものを使用するのではなく、クライアントデータベース22から取得したものを使用してもよい。
ここで、電子ファイル格納部21が複数の記憶装置(たとえば、ローカルのハードディスクとネットワークを介して接続されたサーバ装置のハードディスクなど)にまたがって構成されている場合、ステップS72では格納するファイルの重要度に応じて、どの記憶装置へ格納するかを決定する。重要度は、生成するファイルのフォーマット毎に予め決定されている。一般に、サーバ装置のハードディスクは信頼性が高く、頻繁にデータバックアップが行われるため、重要度が高いファイルの格納先をサーバ装置のハードディスクとする。図24は、重要度を考慮してファイルの格納先を決定する場合の動作例を示している。この例では、PDFファイルの重要度(A)がテキストファイルの重要度(C)よりも高く設定されており(重要度は‘A’が最も高いものとする)、PDFファイルの格納先として、保護レベルの高いサーバHDDが選択され、テキストファイルの格納先として、保護レベルがそれほど高くないローカルHDDが選択される様子を示している。なお、重要度は、フォーマット毎(拡張子毎)に予め決定されているものに固定する必要はなく、入力部4などを使用してユーザが設定を変更できるようにしてもよい。
そして、ファイル格納処理部94は、上記ステップS72において決定した格納先へ、上記ステップS71において得られた汎用フォーマットファイルを格納する(ステップS73)。さらに、ファイル格納処理部94は、この汎用フォーマットファイルについてのファイル情報(図21−2参照)をクライアントDBデータへ追加することによりファイル情報テーブルを更新する(ステップS74)。具体的には、変換元の独自フォーマットファイルの生成に使用したアプリケーションの識別情報(アプリケーションID)と、独自フォーマットファイルに含まれるクライアント情報を構成するクライアントコードおよび決算年月日情報を取得し、これらをファイル名および保存先の情報(ファイル格納パス情報)と一緒に、ファイル情報としてクライアントデータベース22へ格納する。これにより、生成した汎用フォーマットファイルを管理するためのファイル情報を含んだファイル情報テーブルが更新されることとなる。
以降、汎用フォーマットファイルは、クライアントDBデータを使用して管理される。たとえば、実施例1において説明したようなファイル操作(電子ファイル格納部21に管理されている汎用フォーマットファイルの移動またはコピー操作)をユーザが行った場合、実施例1の図5に示した動作に含まれるステップS15(整合性判断)に相当する処理では、「電子ファイルに含まれるクライアント情報およびフォルダ管理情報に含まれるクライアント情報」に基づいて整合性を判断するのではなく、「汎用フォーマットファイルのファイル情報により特定されるクライアント情報、およびフォルダ管理情報に含まれるクライアント情報」に基づいて整合性を判断する。
なお、上記ステップS13eにおいて複数のファイルが選択された場合には、選択されたすべてのファイルに対して、上述したステップS71〜S74の処理を実行する。すなわち、ステップS71〜S74の処理を、選択されたファイル数に相当する回数だけ繰り返す。
また、クライアント情報を含んでいる独自フォーマットファイルの管理は、クライアントDBデータを使用して行ってもよいし、実施例1〜5と同様に、独自フォーマットファイルに含まれているクライアント情報を使用して行ってもよい。
このように、本実施例においては、独自フォーマットファイルに基づいて汎用フォーマットファイルを生成する際に、汎用フォーマットファイルの元となる独自フォーマットファイルの生成に使用したアプリケーション識別情報(ID)、独自フォーマットファイルの識別情報(クライアントコード、決算年月日)、ファイル名および格納先の情報に基づいて、汎用フォーマットファイルの管理情報(ファイル情報)を生成してデータベースへ格納することとした。そして、データベースに格納された管理情報を使用して汎用フォーマットファイルを管理することとした。これにより、汎用フォーマットファイルのファイル操作を行う場合であっても、ファイル操作において電子ファイルを移動またはコピーすべきフォルダと異なるフォルダを選択するというような人為的な操作ミスが発生するのを防止することができ、電子ファイル管理の確実性を向上させることができる。
つづいて、実施例7について説明する。実施例6では、独自フォーマットファイルに基づいた汎用フォーマットファイル生成動作に伴い実行するファイル情報生成動作について説明した。これに対して、本実施例では、生成済みの汎用フォーマットファイルを管理するためのファイル情報を新たに生成する動作および汎用フォーマットファイルを管理する動作について説明する。
本実施例の電子ファイル管理方法を実現するための電子ファイル管理装置としての機能を備え、本実施例の電子ファイル管理プログラムを実行可能な計算機システムの構成は、上述した実施例1と同様である。また、実施例6と同様に、本実施例においてもクライアントDBデータ(図21−1〜図21−4参照)を使用して各種ファイル(独自形式のデータおよび汎用形式のファイル)を管理する。なお、クライアントDBデータの構成は、実施例6で示したものと同様である。
図25は、実施例7の電子ファイル管理装置の構成例を示す図であり、上述した実施例1の電子ファイル管理装置の制御部1に代えて制御部1fを備えた構成となる。また、制御部1fは、ファイル操作機能起動部11fとファイル一覧取得部101と汎用フォーマットファイル選択部102とフォルダ選択部103とクライアント情報取得部104と属性判定部105と格納先振り分け部106とファイル格納処理部107とを含む構成となっている。なお、ファイル一覧取得部101が汎用フォーマットファイル名リスト作成手段を構成し、汎用フォーマットファイル選択部102およびフォルダ選択部103が請求項26のファイル操作情報取得手段を構成する。また、属性判定部105が請求項26のファイル操作判断手段を構成し、ファイル格納処理部107が請求項27のファイル情報生成手段を構成する。また、格納先振り分け部106が請求項28の格納先記憶装置決定手段を構成する。
本実施例の電子ファイル管理装置は、自身が備える記憶部2とは異なる外部の記憶部(図25に示した外部記憶部2aに相当)内の汎用フォーマットファイル格納部23から生成済みの汎用フォーマットファイルを取得する。そして、取得した汎用フォーマットファイルを自装置内の電子ファイル格納部21へ格納し、独自フォーマットファイルと同様に管理する。外部記憶部2aは、たとえば、ネットワークを介して接続された他の計算機システム内に存在する記憶装置、CD−R,CD−RW,DVD−RAM,フロッピーディスク(R),USBメモリなどの記憶媒体、外付けハードディスクなどが考えられるが、記憶部2とは別ドライブとなる同一装置内のハードディスクであっても良い。
以下、図25および図26に基づいて、外部で生成された汎用フォーマットファイル(生成済みの汎用フォーマットファイル)を管理するためのファイル情報生成動作を説明する。なお、図26は、実施例7の電子ファイル管理装置の動作例を示すフローチャートである。図25に示したファイル操作機能起動部11fは、入力部4から、ファイル操作(管理対象ファイル追加操作)の開始を指示する情報を取得すると、ファイル操作機能を起動する(ステップS11f)。つぎに、ファイル一覧取得部101は、電子ファイル格納部21に格納されている電子ファイル(独自フォーマットファイル)の名称一覧(独自フォーマットファイル名リスト)を作成するために必要な情報(たとえば、電子ファイル名,最終更新日の情報など)を、電子ファイル格納部21から読み出し、それら読み出した情報に基づいて独自フォーマットファイル名リストを作成し、作成したリストをワーク用メモリ領域に格納するとともに表示部3に対して出力する(ステップS12f)。表示部3は、たとえば、図27に示したように独自フォーマットファイル名リストを表示する。
ステップS12fを実行後、ファイル一覧取得部101は、外部記憶部2a内の汎用フォーマットファイル格納部23に格納されている汎用フォーマットファイルの名称一覧(汎用フォーマットファイル名リスト)を作成するために必要な情報(たとえば、電子ファイル名,最終更新日の情報など)を、汎用フォーマットファイル格納部23から読み出し、それら読み出した情報に基づいて汎用フォーマットファイル名リストを作成し、作成したリストをワーク用メモリ領域に格納するとともに表示部3に対して出力する(ステップS81)。表示部3は、たとえば、図28に示したように汎用フォーマットファイル名リストを表示する。なお、独自フォーマットファイル名リストと汎用フォーマットファイル名リストは独立に表示される(他のウィンドウへ表示される)。
つぎに、汎用フォーマットファイル選択操作部102は、入力部4を介して、ファイル操作の対象となる汎用フォーマットファイルがユーザに選択されるのを待つ。具体的には、ユーザは、表示部3に表示されている上記汎用フォーマットファイル名リスト(図28参照)を確認しながら入力部4のキーボード41またはマウス42を使用して汎用フォーマットファイルを選択する(ステップS82)。なお、選択する電子ファイルは一つに限らず、複数選択することが可能である。
つぎに、フォルダ選択部103は、入力部4を介して、上記選択した汎用フォーマットファイル名に対応する汎用フォーマットファイル(以下、選択済み汎用フォーマットファイルと呼ぶ)に対して実行する処理がユーザに指定されるのを待つ。具体的には、ユーザは、マウス42を使用した右クリックメニュー(一般的なマウスの右ボタンをクリックすることにより選択可能な各種メニュー)またはこれに相当するメニュー操作を行うことにより、上記選択済み汎用フォーマットファイルに対するファイル操作(“移動”または“コピー”)を選択する。
そして、フォルダ選択部103は、入力部4を介して、上記選択済み汎用フォーマットファイルの移動先またはコピー先のフォルダがユーザに指定されると、指定されたフォルダを選択し、上記選択したファイル操作を実行する(ステップS83)。具体的には、マウス42等を使用してフォルダを選択し、マウス42を使用した右クリックメニューまたはこれに相当するメニュー操作を行うことにより、上記選択済み汎用フォーマットファイルに対する操作(通常は、“貼り付け”)を選択する。
なお、ステップS82およびS83では、“ドラッグ&ドロップ”を使用して汎用フォーマットファイルの選択およびファイル操作を行うことも可能である。
つぎに、クライアント情報取得部104は、上記ステップS83において選択されたフォルダのクライアント情報を含んだフォルダ管理情報を記憶部2から取得する(ステップS84)。
つぎに、属性判定部105は、上記選択済み汎用フォーマットファイルと上記ステップS84において選択された移動またはコピー先のフォルダに整合性があるかどうかを確認する(ステップS85)。整合性があるかどうかの判定は、たとえば、ステップS84において取得したフォルダのクライアント情報と、選択済み汎用フォーマットファイルの情報(ファイル名,拡張子,日付,などのデータ)とを比較し、ファイル名などのデータ中にクライアント名などのクライアントを特定できる情報が含まれている場合に整合性ありと判断する。
ステップS85において、整合性ありと判断した場合(ステップS85、Yes)、格納先振り分け部106は、上記選択済み汎用フォーマットファイルの格納先を決定する(ステップS86)。ここでは、電子ファイル格納部21が複数の記憶装置にまたがって構成されている場合、どの記憶装置へ格納するかを決定する。上記実施例6において説明したように、記憶装置毎にその信頼性が異なるため、選択済み汎用フォーマットファイルの重要度に応じて、その格納先(どの記憶装置へ格納するか)を決定する(図24参照)。なお、電子ファイル格納部21が単一の記憶装置上に存在する場合には、このステップS86は省略される。
つぎに、ファイル格納処理部107は、上記選択済み汎用フォーマットファイルを管理するためのファイル情報をクライアントDBデータへ追加することによりファイル情報テーブルを更新する(ステップS74)。具体的には、ファイルに関する情報(ファイル名,拡張子など)およびファイルを格納するフォルダの情報(フォルダ管理情報に含まれるクライアント情報)から、ファイル情報(図21−2参照)の構成要素を取得してファイル情報を生成し、ファイル情報テーブルへ登録する。さらに、ファイル格納処理部107は、上記ステップS86において決定した格納先へ、上記汎用フォーマットファイルを格納する(ステップS88)。なお、ステップS87とステップS88は逆の順番で実行してもよい。
以上の処理が完了すると、上記ステップS82で選択された汎用フォーマットファイルは、ファイル情報を使用して電子ファイル管理装置により管理されるようになる。たとえば、ステップS28において「1808××××商事−経営資料.xls」および「1807××××商事−経営資料.xls」が選択され、ステップS83において、選択されたフォルダが「××××商事株式会社」の「平成18年度」であれば、上記ステップS88実行後の画面表示(独自フォーマットファイル名リスト)の表示内容は図29のようになる。
なお、図29は、会計事務所の取引先である顧問先の財務会計情報の格納先フォルダ一覧(“会社”タブを選択した状態)を表示している例を示しているが、図30に示したような会計事務所自身の財務会計情報の格納先フォルダ一覧を表示する場合(“事務所”タブを選択した状態)もある。ここで、格納先一覧を会社(取引先)と会計事務所自身とで分けて表示させる理由について説明する。取引先、事務所自身のいずれの場合も行うべき会計などの処理は原則として同じであるが会計事務所には事務所内の管理業務情報(各所員がそれぞれ担当する顧問先を持つといった付加的な情報)が存在し、この情報を格納するためのフォルダも必要となる。一方取引先については不要であるから、取引先の財務会計情報の格納先フォルダ一覧表示において不要なフォルダも一緒に表示させると管理上紛らわしく、また業務の効率を悪化させる可能性もある。そのため、分けて表示することとしている。これを実現するために、本実施例においては、クライアント情報(図21−1参照)の構成要素として「事務所情報フラグ」を含めている。たとえば、このフラグが立っている場合には会計事務自身の情報、そうでなければ取引先の情報として扱い、財務会計情報の格納先フォルダ一覧表示を行う。そして、ユーザは、マウス42などを使用して“会社”タブまたは“事務所”タブを選択することにより、格納先フォルダ一覧表示を切り替えることが可能である。なお、このフラグは図10中「会社/事務所」において事務所を選択した場合のみ立つ。
また、ステップS85において、整合性なしと判断した場合(ステップS85、No)、たとえば、その旨(エラー)を示す表示を表示部3に対して出力し動作を終了する(ステップS89)。
このように、本実施例においては、汎用フォーマットファイルの情報および汎用フォーマットファイルの格納先として指定された電子ファイル格納部内のフォルダの情報に基づいて、汎用フォーマットファイルを指定のフォルダに格納するかどうかを判断することとした。また、格納する場合には、汎用フォーマットファイルの情報および格納先フォルダの情報に基づいて、該汎用フォーマットファイルの管理情報を生成し、データベースで管理することとした。これにより、汎用フォーマットファイルのファイル操作を行う場合であっても、ファイル操作において電子ファイルを移動またはコピーすべきフォルダと異なるフォルダを選択するというような人為的な操作ミスが発生するのを防止することができ、電子ファイル管理の確実性を向上させることができる。
つづいて、実施例8の電子ファイル管理方法について説明する。なお、本実施例の電子ファイル管理方法を実現するための電子ファイル管理装置としての機能を備え、本実施例の電子ファイル管理プログラムを実行可能な計算機システムの構成は、上述した実施例1と同様である。本実施例においては、図21−1〜図21−4に示したクライアントDB情報(クライアント情報,ファイル情報,アプリケーション情報,ファイル属性情報)を使用して各種ファイルの管理を行っている状態において、電子ファイル格納部21を構成するフォルダ間で電子ファイルの移動またはコピーを行う(ファイル操作を行う)場合の動作について説明する。
図31は、実施例8の電子ファイル管理装置の構成例を示す図であり、上述した実施例1の電子ファイル管理装置(図2参照)の制御部1に代えて制御部1gを備えた構成となる。また、制御部1gは、制御部1の整合性判断部14に代えて整合性判断部14gを備える。その他の部分については実施例1と同様であるため、同一の符号を付与してその説明を省略する。また、図32は、電子ファイル格納部21内でファイル操作を行う場合の動作の一例を示すフローチャートであり、図5に示した実施例1の動作に対してステップS18が追加されたものである。以下、図31および図32に基づいてファイル操作を行う場合の動作について説明する。なお、電子ファイル一覧取得部12が請求項29の電子ファイル名リスト作成手段を構成し、電子ファイル選択操作部13が請求項29のファイル操作情報取得手段を構成し、整合性判断部14gが請求項29のファイル操作判断手段および請求項30のファイル情報更新手段を構成する。
図32に示したステップS11〜ステップS14は、実施例1の同一ステップ番号が付与された処理(図5参照)と同じである。ステップ15の移動先との整合性判断において、整合性判断部14gは、実施例1で使用した電子ファイルに含まれるクライアント情報に代えて、クライアントデータベース22内のクライアントDB情報を使用して整合性判断を行う。具体的には、整合性判断部14gは、ステップS13において選択された電子ファイル名に対応する電子ファイルに関連付けられているクライアント情報を前記データベースから取得する。さらに、移動またはコピー先のフォルダのフォルダ管理情報を記憶部2から取得する。そして整合性判断部14gは、取得したクライアント情報およびフォルダ管理情報に含まれるクライアント情報に基づいて整合性を判断する。なお、整合性有無の判断方法は実施例1と同様である。また、ステップS16およびS17は、実施例1のステップS16およびS17の処理と同様である。
ステップS16につづいて実行するステップS18において、整合性判断部14gは、ステップS16における処理結果(電子ファイルの移動またはコピー)に伴い、その移動またはコピーされた電子ファイルの管理情報(ファイル情報)を更新する。具体的には、ファイルが移動されたのであれば、クライアントデータベース22に格納されている、移動されたファイルのファイル情報(図21−2参照)の「ファイル格納パス」情報を移動先(新しい格納先)の情報に更新する。また、ファイルがコピーされたのであれば、コピー元のファイルの管理情報と同じクライアントコード、決算年月日、アプリケーションIDおよびファイル名と、コピー先のファイル格納パスを持つファイル情報を新たに生成し、クライアントデータベース22へ格納する。
このように、データベース上のファイル情報を使用して各種ファイルの管理を行うことにより、上述した実施例1の電子ファイル管理装置と同等の機能を実現することができる。
つづいて、実施例9の電子ファイル管理方法について説明する。なお、本実施例の電子ファイル管理方法を実現するための電子ファイル管理装置としての機能を備え、本実施例の電子ファイル管理プログラムを実行可能な計算機システムの構成は、上述した実施例1と同様である。本実施例においては、図21−1〜図21−4に示したクライアントDB情報(クライアント情報,ファイル情報,アプリケーション情報,ファイル属性情報)を使用して各種ファイルの管理を行っている状態において、財務アプリケーションを使用して、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報に対応するクライアント向けの各種電子文書(各種財務帳表)を作成する場合の動作について説明する。
図33は、実施例9の電子ファイル管理装置の構成例を示す図であり、上述した実施例2の電子ファイル管理装置の制御部1aに代えて制御部1hを備えた構成となる。また、制御部1hは、制御部1aのファイル格納処理部57に代えてファイル格納処理部57hを備える。その他の部分については実施例2と同様であるため、同一の符号を付与してその説明を省略する。また、図34は、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報に対応するクライアント向けの電子文書を作成する動作の一例を示すフローチャートであり、図11に示した実施例2の動作に対してステップS18が追加された点のみが異なる。そのため、本実施例では、ステップS18の動作についてのみ説明する。なお、クライアント一覧取得部54が請求項31のクライアントリスト作成手段を構成し、ファイル格納処理部57hが請求項31の電子ファイル作成格納手段およびファイル情報生成手段を構成する。また、クライアント情報作成部51およびクライアント情報登録部52が請求項32のクライアント情報作成登録手段を構成する。
ステップS18では、ステップS39における処理結果(フォルダへの電子ファイル格納処理)に伴い、その格納された電子ファイルの管理情報(ファイル情報)をファイル格納処理部57hが生成する。具体的には、ファイル格納処理部57hが、ステップS33において取得したクライアント情報、ステップS35の電子文書作成に使用したアプリケーションの情報、およびステップS39において電子ファイルを格納した格納場所の情報(ファイル格納パス)に基づいてファイル情報(図21−2参照)を新たに生成し、クライアントデータベース22へ格納する。
このように、電子文書(電子ファイル)を生成した場合には、生成した電子ファイルを管理するためのファイル情報も生成することとしたので、上述した実施例2の電子ファイル管理装置と同等の機能を実現しつつ、実施例8で説明したファイル情報による各種ファイルの管理機能を実現することができる。
つづいて、実施例10の電子ファイル管理方法について説明する。なお、本実施例の電子ファイル管理方法を実現するための電子ファイル管理装置としての機能を備え、本実施例の電子ファイル管理プログラムを実行可能な計算機システムの構成は、上述した実施例1と同様である。本実施例においては、図21−1〜図21−4に示したクライアントDB情報(クライアント情報,ファイル情報,アプリケーション情報,ファイル属性情報)を使用して各種ファイルの管理を行っている状態において、財務アプリケーションを使用して、クライアントデータベース22にクライアント情報が登録されていないクライアント向けの各種電子文書(各種財務帳表)を作成する場合の動作および作成された電子ファイルを管理する動作について説明する。
図35は、実施例10の電子ファイル管理装置の構成例を示す図であり、上述した実施例3の電子ファイル管理装置の制御部1bに代えて制御部1iを備えた構成となる。また、制御部1iは、制御部1bのファイル格納処理部57に代えてファイル格納処理部57iを備える。その他の部分については実施例3と同様であるため、同一の符号を付与してその説明を省略する。また、図36は、クライアント情報がクライアントデータベース22に登録されていないクライアント向けの電子文書を作成する動作の一例を示すフローチャートであり、図15に示した実施例3の動作に対してステップS18が追加された点のみが異なる。そのため、本実施例では、ステップS18の動作についてのみ説明する。なお、クライアント情報取得部61およびクライアント情報登録部52bが請求項33のクライアント情報作成登録手段を構成し、ファイル格納処理部57iが請求項33の電子ファイル作成格納手段およびファイル情報生成手段を構成する。
ステップS18では、ステップS39における処理結果(フォルダへの電子ファイル格納処理結果)に伴い、その格納された電子ファイルの管理情報(ファイル情報)をファイル格納処理部57iが生成する。具体的には、ファイル格納処理部57iが、ステップS42において文書内から取得したクライアント情報、ステップS35の電子文書作成に使用したアプリケーションの情報、およびステップS39において電子ファイルを格納した格納場所の情報(ファイル格納パス)に基づいてファイル情報(図21−2参照)を新たに生成し、クライアントデータベース22へ格納する。
このように、電子文書(電子ファイル)を生成した場合には、生成した電子ファイルを管理するためのファイル情報も生成することとしたので、上述した実施例3の電子ファイル管理装置と同等の機能を実現しつつ、実施例8で説明したファイル情報による各種ファイルの管理機能を実現することができる。
つづいて、実施例11の電子ファイル管理方法について説明する。なお、本実施例の電子ファイル管理方法を実現するための電子ファイル管理装置としての機能を備え、本実施例の電子ファイル管理プログラムを実行可能な計算機システムの構成は、上述した実施例1と同様である。本実施例においては、図21−1〜図21−4に示したクライアントDB情報(クライアント情報,ファイル情報,アプリケーション情報,ファイル属性情報)を使用して各種ファイルの管理を行っている状態において、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報を変更する場合の動作について説明する。
図37は、実施例11の電子ファイル管理装置の構成例を示す図であり、上述した実施例4の電子ファイル管理装置の制御部1cに代えて制御部1jを備えた構成となる。また、制御部1jは、制御部1cのクライアント情報登録部72に代えてクライアント情報登録部72jを備える。その他の部分については実施例4と同様であるため、同一の符号を付与してその説明を省略する。また、図38は、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報の変更および変更後の電子ファイル管理動作の一例を示すフローチャートであり、図17に示した実施例4の動作のステップS55に代えてステップS55jを実行する点のみが異なる。そのため、本実施例では、ステップS55jの動作についてのみ説明する。なお、クライアント一覧取得部54がクライアントリスト作成手段を構成し、クライアント情報編集部71がクライアント情報編集手段を構成する。また、クライアント情報登録部72jが請求項34のクライアント情報登録手段を構成し、ファイル検索変換部73が請求項34のクライアント情報更新手段を構成する。
ステップS55jでは、ステップS54における処理結果(クライアント情報編集結果)に伴い、その編集されたクライアント情報をクライアントデータベース22へ更新登録する。また、編集されたクライアント情報に基づいて、クライアントデータベース22内の対応するファイル情報を更新する。具体的には、クライアント情報の編集された構成要素がファイル情報の構成要素にも含まれているのであればその構成要素も併せて変更し、ファイル情報を更新する。
このように、データベース上のクライアント情報が更新された場合、影響を受けるファイル情報も併せて更新することとしたので、上述した実施例4の電子ファイル管理装置と同等の機能を実現しつつ、実施例8で説明したファイル情報による各種ファイルの管理機能を実現することができる。
つづいて、実施例12の電子ファイル管理方法について説明する。なお、本実施例の電子ファイル管理方法を実現するための電子ファイル管理装置としての機能を備え、本実施例の電子ファイル管理プログラムを実行可能な計算機システムの構成は、上述した実施例1と同様である。本実施例においては、図21−1〜図21−4に示したクライアントDB情報(クライアント情報,ファイル情報,アプリケーション情報,ファイル属性情報)を使用して各種ファイルの管理を行っている状態において、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報に基づいて電子文書の作成作業(上記実施例2の電子文書作成動作に相当する動作)または作成済みの電子文書の編集作業を行い、その作業中にクライアントに関する情報(クライアント情報構成要素)が変更された場合の電子ファイル管理動作について説明する。
図39は、実施例12の電子ファイル管理装置の構成例を示す図であり、上述した実施例5の電子ファイル管理装置の制御部1dに代えて制御部1kを備えた構成となる。また、制御部1kは、制御部1dのクライアント情報更新登録部85に代えてクライアント情報更新登録部85kを備える。その他の部分については実施例5と同様であるため、同一の符号を付与してその説明を省略する。また、図40は、電子ファイル格納部21に格納されている電子ファイルの編集および編集終了後の電子ファイル管理動作の一例を示すフローチャートであり、図19に示した実施例5の動作のステップS68に代えてステップS68kを実行する点のみが異なる。そのため、本実施例では、ステップS68kの動作についてのみ説明する。なお、電子ファイル名一覧取得部81が請求項35の電子ファイル名リスト作成手段を構成し、クライアント情報更新登録部85kが請求項35のクライアント情報取得更新手段を構成し、ファイル検索変換部73dが請求項35のクライアント情報更新手段を構成する。
ステップS68kでは、ステップS67において取得した情報(変更された電子文書データの中のクライアント情報構成要素であって、変更された情報(クライアント情報構成要素))に基づいて、クライアントデータベース22に登録されているクライアント情報を更新する。また、更新されたクライアント情報に基づいて、クライアントデータベース22内の対応するファイル情報を更新する。具体的には、クライアント情報の編集された構成要素がファイル情報の構成要素にも含まれているのであればその構成要素も併せて変更し、ファイル情報を更新する。
このように、データベース上のクライアント情報が更新された場合、影響を受けるファイル情報も併せて更新することとしたので、上述した実施例5の電子ファイル管理装置と同等の機能を実現しつつ、実施例8で説明したファイル情報による各種ファイルの管理機能を実現することができる。
なお、上述した実施例1〜5の電子ファイル管理方法を複数組み合わせて実現してもよい。具体的には、実施例1と実施例2の電子ファイル管理方法を組み合わせた電子ファイル管理方法とする,実施例1〜5の全ての電子ファイル管理方法を組み合わせた電子ファイル管理方法とする,などが考えられる。
また、上述した実施例7〜12の電子ファイル管理方法を複数組み合わせて実現してもよい。具体的には、実施例7と実施例8の電子ファイル管理方法を組み合わせた電子ファイル管理方法とする,実施例7〜12の全ての電子ファイル管理方法を組み合わせた電子ファイル管理方法とする,などが考えられる。