以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、記憶部(図2の管理サーバ30の記憶部31)に記憶される作業画像を示す説明図である。図1(a)は、比較例の作業画像の記録状態を示し、図1(b)は、本実施形態による作業画像の記録状態を示す。図1(a)には、作業場所に設置された表示装置25に表示される作業手順の表示画面と、作業場所を撮影した動画について記憶部31(図2参照)に記憶された作業画像の記録状態を模式的に示している。表示装置25には、ICタグの置き場所である作業管理ボックス21にICタグを含む指図50を投入すると、作業手順に添って、最初に、作業内容の指示画面を示すシート#1の内容が表示され、作業者がスイッチ24を押下する毎に、順にシート#2、シート#3、・・・・の内容が表示される。
撮影装置であるカメラ23(例えば、Webカメラ)(図2参照)によって動画撮影する際、例えば、フレームレート30fps(frame per second)と設定した場合、1秒間に30枚の静止画が記憶部31に格納され、動画では、時間軸やタイムコードといった時間を利用した管理方法が採用される。ここではタイムコードを用いて説明する。タイムコードが「00:07:50:10」の場合は、表示位置0時7分50秒11フレーム目の位置であることを意味する。なお、フレームのカウントは「0」から始まる。
作業開始とともに、カメラ23によって撮影が開始されると、記憶部31には、タイムコードが「00:00:00:00」、「00:00:00:01」、・・・、「00:00:00:29」、「00:00:01:00」、・・・、「00:07:50:10」の静止画(例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の画像)が格納されていく。図1(a)の作業画像の記録状態においては、作業手順のシート#1、シート#2などと、作業画像の記録状態とが関連付けられていないため、作業終了後にスキルのある者が作業分割する必要がある。
これに対し、図1(b)を参照して、本実施形態に係る作業画像の記憶方法を説明する。ICタグの置き場所である作業管理ボックス21にICタグを含む指図50が投入されると、撮影装置であるカメラ23による撮影が開始するとともに、管理サーバ30(図2参照)は、撮影された画像の格納を開始する(ステップS100)。
次に、スイッチ24の押下が検知されると、管理サーバ30は、シート#1と検知された時刻とを関連付けるとともに、撮影の開始からの経過時間を考慮して、タイムコード「00:00:20:00」の画像を格納する(ステップS101)。すでに、タイムコード「00:00:20:00」の画像がある場合は、上書きまたは置換する。これにより、タイムコードが重複することなく、既存のソフトウェアにより動画として再生することができる。
さらに、スイッチ24の押下が検知されると、管理サーバ30は、シート#2と検知された時刻とを関連付けるとともに、撮影の開始からの経過時間を考慮して、タイムコード「00:00:50:00」の画像を格納する(ステップS102)。同様に、シート#3、シート#4、シート#5とスイッチ24の押下が検知された時刻とを関連付けられた画像を格納する。そして、スイッチ24の押下が検知されると、管理サーバ30は、シート#6と検知された時刻とを関連付けるとともに、撮影の開始からの経過時間を考慮して、タイムコード「00:07:40:00」の画像を格納する(ステップS106)。最後に、作業管理ボックス21から指図50が取出されると、管理サーバ30(図2参照)は、撮影の開始からの経過時間を考慮して、タイムコード「00:07:50:10」の画像を格納し(ステップS107)、一連の処理を終了する。
本実施形態では、リアルタイムに、記憶部31内に作業手順のシートIDを含む画像が挿入されるため、作業管理を容易に管理することができる。以下、具体的に作業画像管理システムSの構成について、図2を参照して説明する。
図2は、作業画像管理システムを示す全体構成図である。作業画像管理システムSは、指図管理端末10と、セル作業端末20(作業端末)と、管理サーバ30とを備えている。指図管理端末10と、セル作業端末20と、管理サーバ30とは、LAN(Local Area Network)などのネットワーク40で接続されている。
本実施形態において、1人または数人の作業員が複数の作業を担当するセル生産方式の作業工程を例に説明する。セル生産方式では、部品や工具などを配置したセルと呼ばれるセル作業台71で作業を行う。セル生産方式は、部品箱の入れ替えやセルでの作業員の作業順序を変えるだけで、生産品目(製品バリエーションなど)を容易に変更でき、多品種少量生産への対応に優れている。また、生産量の調整も、セル内人数の調整やセル数の増減によって対応しやすいことが特徴である。
指図管理端末10は、作業が必要になった際に、指図50を発行・管理するコンピュータ端末であり、管理サーバ30の記憶部31に、指図内容および組付指示情報を登録する。なお、組付指示情報とは、製品・半製品を組み立てていく(組み付けていく)上で必要な部品および手順の情報をいう。ここでは、組付指示情報として、電子回路基板74(作業対象物品)に部品73を組み付ける組付工程を一例としている。
指図管理端末10は、処理部11、入力装置13、表示装置14、ICタグリーダライタ15、およびプリンタ16を備え、処理部11は、指図50を管理する指図管理部12を有する。
指図管理部12は、入力装置13から指図出力要求を受理すると、書き換え可能(リライタブル)なシートである指図50をリライタブルの機能を有するプリンタ16にて出力する。また、ICタグリーダライタ15は、指図管理部12の指示により、作業内容を特定する情報を作業特定用ICタグ51に書き込む。
作業内容を特定する情報とは、例えば、指図50の指図ID、製造する製品・半製品の品名または型番、製作員数である。また、作業対象物品の作業内容を特定する情報の詳細情報として、作業員が、電子回路基板74に部品73を組み付ける際の組付情報が記載されており、具体的には、部品73の種別、員数、および部品の組み付け順序である。
指図50は、作業者が該当する組付工程が記載された書類である。具体的には、電子回路基板74に組み付ける部品には、各種の部品73があり、1枚の電子回路基板74に部品73を組み付けて作成するための工程のルート(順路)が記載されている。例えば、CPU(Central Processing Unit)工程、CPU周辺部品工程、電源工程、I/Oインターフェース工程がある。作業者は、指図50により作業工程のルートを判断することができる。作業特定用ICタグ51は、RFID(Radio Frequency IDentification)などの非接触の無線用ICタグを使用し、指図50の書類に添付される。
セル作業端末20は、投入口を有する作業管理ボックス21と、作業管理ボックス21の側面に付設され作業特定用ICタグ51を読み取るICタグリーダライタ22と、作業指示を表示する表示装置25と、表示装置25に表示された作業手順を作業者が切り替えるためのスイッチ24と、セル作業台71の所定領域の作業画像を取得するカメラ23と、セル作業端末20を統括する制御装置26とを備えている。図2においては、カメラ23は、複数台のカメラが設置された場合を示し、カメラ23Aは、作業全体の様子を撮影し、カメラ23Bは、電子回路基板74に対し異なる角度からの撮影を可能とする。カメラ23には、管理サーバ30に撮影画像を送信する機能を有するWebカメラ、デジタルビデオカメラなどがある。
作業管理ボックス21は、作業者が、指図50を作業の開始時に投入するボックスである。また、作業者は、作業が終了すると、指図50を作業管理ボックス21から取り出し、電子回路基板74に取り出した指図50を添付して、次の工程に配送する。
ICタグリーダライタ22は、作業管理ボックス21に指図50が投入された際、作業特定用ICタグ51との通信を確認すると、指図50に添付されている作業特定用ICタグ51の情報を読み取り、制御装置26を介して管理サーバ30に、作業特定用ICタグ51との通信開始情報と、作業内容を特定する情報とを送信する。通信開始情報には、作業管理ボックス21のID、通信開始時刻がある。作業内容を特定する情報には、例えば、指図50の指図ID、製造する製品・半製品の型番、製作員数がある。また、ICタグリーダライタ22は、作業管理ボックス21から、指図50が取り出された際、作業特定用ICタグ51との通信の断絶を確認すると、制御装置26を介して管理サーバ30に、作業特定用ICタグ51との通信終了情報と、作業内容を特定する情報とを送信する。通信終了情報には、作業管理ボックス21のID、通信終了時刻がある。作業内容を特定する情報には、例えば、指図50の指図ID、製造する製品・半製品の型番、製作員数がある。
なお、ICタグリーダライタ22は、周期的にICタグの読取動作をしているとき、作業特定用ICタグ51と最初に通信の開始を検知したときを通信開始時刻とし、作業特定用ICタグ51と最初に通信の断絶を検知したときを通信終了時刻とするとよい。また、作業管理ボックス21には、複数のICタグを投入してもよい。他のICタグとしては、例えば、作業者を特定する情報が書き込まれた作業者特定用ICタグ52がある。ICタグリーダライタ22は、作業者特定用ICタグ52が投入された際、作業者特定用ICタグ52の情報を読み取り、制御装置26を介して管理サーバ30に、作業者特定用ICタグ52との通信開始情報と、作業者を特定する情報とを送信する。通信開始情報には、例えば、作業管理ボックス21のID、通信開始時刻がある。また、ICタグリーダライタ22は、作業管理ボックス21から、作業者特定用ICタグ52が取り出された際、作業者特定用ICタグ52との通信の断絶を確認すると、管理サーバ30に、作業者特定用ICタグ52との通信終了情報と、作業者を特定する情報とを送信する。通信終了情報には、例えば、作業管理ボックス21のID、通信終了時刻がある。
カメラ23は、前記のとおり、セル作業台71の上方、または、側方に設置されており、セル作業台71に向けられている。カメラ23は、前記のとおり、例えば、Webカメラであり、撮影された画像を、制御装置26を介して、管理サーバ30に送信する。
管理サーバ30は、記憶部31、処理部32を有し、指図50の指図情報、指図50に基づく指図管理情報(図6参照)を記憶部31に記憶し、指図管理情報を分析するサーバであり、指図管理端末10、セル作業端末20からの情報を記憶する。また、カメラ23からの作業画像を、作業手順のシートIDと関連付けて記憶部31に記憶する。
管理サーバ30は、作業時には、セル作業端末20からの情報、例えば、通信開始情報、作業内容を特定する情報、通信終了情報を受信すると、記憶部31に記憶する。受信した情報には、年月日を含む時刻情報(タイムスタンプ)が付加されて記憶される。記憶部31に記憶される時刻情報には、通信開始情報に含まれる通信開始時刻、通信終了情報に含まれる通信終了時刻、および受信された情報に付加される時刻情報(タイムスタンプ)がある。受信した情報に付加される時刻情報(タイムスタンプ)は、通信開始時刻および通信終了時刻のバックアップとして利用してもよい。また、ICタグリーダライタ22から送信された情報に、時刻情報が含まれていない場合は、受信した情報に付加される時刻情報(タイムスタンプ)が、受信した情報の管理に利用される。管理サーバ30の処理部32は、記憶部31の情報から、例えば、指図別の作業時間を演算し、演算結果を記憶部31に記憶する。
なお、管理サーバ30の管理者端末(図示せず)から、指図50の発行状態などの作業内の作業計画および製造工程内の作業実績について、管理サーバ30の記憶部31を検索することにより、監視、分析することができる。
図3は、作業エリアのセル作業台の一例を示す外観斜視図である。セル作業台71の下部には、セル作業端末20の作業管理ボックス21が設置されており、作業管理ボックス21にICタグリーダライタ22が付設されている。作業管理ボックス21は、作業者が、指図50を作業開始時に投入、作業終了時に取出しが容易なように、図面前方に傾斜している。これにより、作業者は、作業管理ボックス21内の指図50の有無を容易に目視確認できる。なお、作業管理ボックス21の投入口は、略垂直で上方向にあることが好ましい。これにより、作業管理ボックス21の設置面積を最小化することができる。
セル作業台71の上部(上面)は、電子回路基板74の組付作業エリアであり、また、作業者の前方には、複数の部品ボックス75が設置されている。表示装置25は、作業補助台72に載置されており、作業特定用ICタグ51の情報を表示する。組み付け作業時には、作業者は、表示装置25に表示された情報に従い、電子回路基板74の組み付け作業を行う。
カメラ23Aは、前記のとおり、セル作業台71の上方に設置されており、カメラ23Bは、セル作業台71の側方から撮影できるように設置されている。カメラ23A,23Bは、撮影方向が可変な構造のカメラであり、ズーム機能も有している。カメラ23A,23Bは、管理サーバ30からの指示を受け、指示されたカメラ角度およびズーム倍率に基づいて撮影し、その撮影した画像をネットワーク40経由で管理サーバ30に送信する。また、カメラ23(23A,23B)は、動体追尾機能を有していてもよい。具体的には、管理サーバ30の表示画面において、初期設定時に撮りたい被写体を選択することで、カメラ23は、選択した被写体にピントと露出を合わせて動体追尾する。被写体(例えば、作業者)が動いても自動的にフォーカスされ追尾することができる。
図4は、表示装置の表示画面例を示す説明図である。適宜図2を参照する。図4に示す表示画面は、作業者が指図50を作業管理ボックス21に投入した際に表示される画面である。表示部251には、セル作業台71での組付指示内容の作業ガイダンスが示されており、シートIDがB0001のときである。セル作業台71のスイッチ24を押下すると、次のシートIDの画面が表示される。例えば、作業者がスイッチ24(図3参照)を押下するごとに、シートIDがB0002、B0003、B0004、B0005、B0006の作業指示の内容が順に表示される。
表示部251に表示される項目は、指図ID2511、指図内容2512(製造する製品・半製品の型番、品名、および員数を含む。)、組付指示情報2513、工程ID2514、作業開始日時・作業終了日時2515、作業者ID2516、完成員数2517を含む。組付指示情報2513には、作業者の組み付け手順(シートID)、作業内容、詳細作業時刻2518の表示欄がある。例えば、手順(シートID)がB0001のときの作業内容は「作業ガイダンス」、手順がB0002のときの作業内容は「Parts001取付」、手順がB0003のときの作業内容は「Parts002取付」である。
作業開始日時・作業終了日時2515には、指図50が作業管理ボックス21(図2参照)に投入された日時、および作業管理ボックス21から取り出された日時が表示される。完成員数2517には、製作員数のうちの完成した員数が表示され、組付指示情報2513の手順が全て終了した際に、制御装置26が完成員数を表示する。
詳細作業時刻2518には、各手順の終了時刻が表示され、制御装置26が、スイッチ24(図2参照)の押下された時刻を表示する。このように、作業者は、表示装置25の表示画面の作業内容の指示に従い、確認しながら作業を進めることができる。
表示装置25の入力部252には、メニューボタン253があり、シート移動を選択すると、カーソルボタン254を利用して、必要がある場合には、これから作業開始する作業手順の画面に遷移することができる。
図5は、表示装置の他の表示画面例を示す説明図である。図5に示す表示画面には、コネクタを挿入する際の具体例を示す。表示部251には、取付部品欄2521、全体図欄2522、詳細欄2523、部品情報欄2524、作業経過時間欄2525、手順番号欄2526、中断ボタン2527が表示されている。なお、詳細欄2523の吹き出しに示す「オ1 2ケ」とは、「オ1」という文字で識別される部品ボックス75(図3参照)から2個のコネクタを、作業者が取ることを意味している。
作業者は、取付部品欄2521のコネクタの組み付け位置を、全体図欄2522および詳細欄2523から確認することができる。また、作業経過時間欄2525の目標時間に対し、現在、どの程度時間が経過しているか確認することができる。作業を中断するときは、中断ボタン2527を押下すると時間経過を一時停止することができるが、作業時間中の中断時間として、管理サーバ30に記録される。
図6は、指図管理情報の例を示す説明図である。指図管理情報311には、指図ID、シートID、作業開始の時刻、作業終了の時刻、作業時間、カメラID、カメラ23により撮影された作業画像の格納先であるフォルダ先、工程ID、作業者IDを含んで構成されている。図6によれば、指図IDがA0001の場合、シートIDがB0001からB0006の作業手順の工程から構成されており、2台のカメラ23(カメラIDがC0001、C0002)により撮影されていることがわかる。また、カメラIDがC0001の撮影画像の格納のフォルダ先のパスは、e:¥A0001¥C0001であり、カメラIDがC0002の撮影画像の格納のフォルダ先のパスは、e:¥A0001¥C0002である。なお、フォルダ先のフォルダは、指図の作業開始とともに、管理サーバ30の処理部32が記憶部31に作成する。
次に、作業画像管理システムの処理について、図7を参照して説明する。
図7は、実施形態1に係る作業画像管理システムの処理を示すフローチャートである。作業エリアの作業者は、指図50が添付された電子回路基板74を受け取ると、指図50を、セル作業台71下部に設置されている作業管理ボックス21に投入する。すると、ICタグリーダライタ22は指図50の投入を検知する(ステップS201)。
ICタグリーダライタ22は、検知した作業特定用ICタグ51の情報を読み取り、制御装置26を介して、管理サーバ30に、作業特定用ICタグ51との通信開始情報と、作業対象物品の作業内容を特定する情報とを作業開始情報として送信する(ステップS202)。
管理サーバ30は、受信した作業特定用ICタグ51との通信開始情報と、作業対象物品の作業内容を特定する情報とを、作業開始情報として記憶部31に記録する。このときに受信された情報には、時刻情報(タイムスタンプ)を付加して記録する(ステップS301)。
管理サーバ30は、指図ID、カメラIDに基づいて、記憶部31に作業画像の格納先のフォルダを作成する(ステップS302)。例えば、指図IDがA0001、カメラIDがC0001の場合、作成されるフォルダのフォルダ先のパス(場所)は、e:¥A0001¥C0001となる。
管理サーバ30は、指図50の組付指示情報(シートID毎に対応するシート画面)を含む指図情報をセル作業端末20に送信する(ステップS303)。
セル作業端末20の制御装置26は、指図情報を受信すると、組付指示情報の手順に従い、表示装置25にシート画面を表示し(ステップS203)、あわせて、カメラ23による撮影開始を通知する(ステップS211)。カメラ23は、カメラID、タイムコードと関連付けた撮像画像を、制御装置26を介して管理サーバ30に送信し続ける(ステップS212)。撮像画像を受理した管理サーバ30は、カメラIDに対応する所定のフォルダに撮影画像を格納する(ステップS305)。
セル作業端末20の制御装置26は、スイッチ24の押圧(押下)があるか否かにより、シート工程終了か否かを判定し(ステップS204)、スイッチ24の押圧を検知した場合(ステップS204,Yes)、ステップS205に進む。スイッチ24の押圧を検知しない場合(ステップS204,No)、ステップS204に戻る。
ステップS205において、セル作業端末20の制御装置26は、シート工程の作業終了の旨の情報(シート工程終了情報)を管理サーバ30に送信する。具体的には、シート工程の作業終了の旨の情報とは、図6に示す指図ID、シートID、作業終了の日時、工程IDである。
管理サーバ30は、受信した情報に、時刻情報(タイムスタンプ)を付加してシート工程終了情報として記憶部31に記録する(ステップS306)。そして、管理サーバ30は、シート#1(例えば、シートIDがB0001)と関連付けられた画像を、図6に示す指図IDの作業開始の日時と、シートIDの作業終了時間に基づいたタイムコードのファイル名として格納する(ステップS307)。作成するシート画像は、インデックス部と、作業内容を表す画像部とにより構成される。インデックス部には、作業開始記録である通信開始時刻情報、作業対象物品の作業内容を特定する情報などが記載されている。
具体的には、作業開始の日時が「200X/05/10 9:00:00」(200X年5月10日9時00分00秒)であり、シートIDがB0001の作業終了の日時が「200X/05/10 9:00:20」(200X年5月10日9時00分20秒)とすると、作業開始からの作業時間は20秒となり、タイムコードは、「00:00:20:00」である。また、作業開始の日時が「200X/05/10 9:00:00」(200X年5月10日9時00分00秒)であり、シートIDがB0004の作業終了の日時が「200X/05/10 9:05:30」(200X年5月10日9時05分30秒)とすると、作業開始からの作業時間は5分30秒となり、タイムコードは、「00:05:30:00」である。
セル作業端末20の制御装置26は、指図50の全ての工程が終了したか否かを判定する(ステップS206)。工程が終了していない場合(ステップS206,No)、ステップS203へ戻る。全ての工程が終了している場合(ステップS206,Yes)、ステップS207へ進む。
セル作業端末20のICタグリーダライタ22は、作業特定用ICタグ51との通信を所定時間毎に実施しており、所定時間において通信が確認できない場合、作業者が指図50を、作業管理ボックス21から取り出したと検知する(ステップS207)。ICタグリーダライタ22は、制御装置26を介して管理サーバ30に、作業特定用ICタグ51との通信終了情報(作業終了情報)を送信し(ステップS208)、処理を終了する。
また、ステップS208において、制御装置26は、カメラ23に撮影終了の通知をする。カメラ23は、撮影終了の通知があるか否かを判定しており(ステップS213)、撮影終了の通知がある場合(ステップS213,Yes)、カメラ23による撮影を終了する(ステップS214)。撮影終了の通知でない場合(ステップS213,No)、ステップS212に戻る。
管理サーバ30は、セル作業端末20から通信終了情報と、作業対象物品の作業内容を特定する情報とを受信すると、受信した情報に、時刻情報(タイムスタンプ)を付加して作業終了情報として記憶部31に記録する(ステップS308)。
次に、管理サーバ30は、シートID毎のシート別フォルダを記憶部31に作成し(ステップS310)、ステップS302で作成したフォルダに格納されている撮影画像を振り分ける。例えば、指図IDがA0001、カメラIDがC0001、シートIDがB0001、B0002、・・・、B0006の場合、シート別フォルダのフォルダ先のパスは、e:¥A0001¥C0001¥B0001、e:¥A0001¥C0001¥B0002、・・・、e:¥A0001¥C0001¥B0006となる。e:¥A0001¥C0001¥B0001のパスで示されるフォルダには、シート#1と関連付けられたシート画像と、タイムコード「00:00:00:00」〜「00:00:19:29」の撮影画像が格納される。そして、撮影画像管理処理の一連の手順が終了する。なお、最後のフォルダである、e:¥A0001¥C0001¥B0006のパスで示されるフォルダには、シート#6と関連付けられたシート画像と、タイムコード「00:06:50:01」〜撮影終了までの画像を格納するとよい。
フォルダに格納された撮影画像は、管理サーバ30にインストールされている画像再生プログラムなどにより、再生することができる。具体的には、図6に示した指図管理情報311を表示装置に表示し、所定の領域(例えば、シートIDがB0004のセル)をマウスなどでクリックすることにより、動画が再生させると効率よく作業点検を行うことができる。
実施形態1の作業画像管理システムによれば、セル作業端末20は、撮影装置(例えば、カメラ23)と、表示装置25に表示された作業手順を作業者が切り替える指令をするためのスイッチ24と、ICタグの置き場所(例えば、作業管理ボックス21)に置かれた、作業内容を特定する情報が書き込まれたICタグを読み取るICタグ読取装置(例えば、ICタグリーダライタ22)と、ICタグ読取装置がICタグとの通信が行われた(できた)場合に管理サーバ30に作業開始の情報を送信する(ステップS202)とともに、撮影装置の撮影を開始して(ステップS211)撮影した撮影画像を順次送信し(ステップS212)、スイッチ24の操作を検知したとき、作業手順の管理識別情報(例えば、シートID)と、スイッチ24の操作を検知した時刻とを関連付けて作業実績収集情報として管理サーバ30に送信する(ステップS205)制御装置26とを有する。
管理サーバ30は、作業開始の情報を受信すると、撮影画像を記憶部に順次格納し(ステップS305)、作業実績収集情報を受信すると、作業実績収集情報と関連付けた画像を記憶部に格納する(ステップS307)処理部32を有する。
セル作業端末20は、ICタグ読取装置がICタグとの通信が断絶した場合に、管理サーバに通信が断絶した時刻を含む作業終了の情報を送信する(ステップS208)とともに、撮影装置の撮影を終了する(ステップS214)。
<実施形態2>
実施形態1に係る作業画像管理システムSによれば、指図の作業開始のときに撮影を開始し、作業終了のときに撮影を終了している。この場合、セル作業端末20が多数あって、長時間の撮影になると、記憶部31に格納される撮影画像の容量も膨大なものとなる。また、管理者は、作業内容の効率を点検する場合、膨大な撮影画像を見る必要がでてくる。
このため、実施形態2においては、撮影画像を限定するように、最初から撮影される作業手順の工程を、品質データに基づいて絞り込み、カメラによる撮影が必要な場合に限定して撮影し、絞りこまれた特定の作業手順の工程の撮影画像を管理する。実施形態2の作業画像管理システムSは、図2に示したものと同様であるので、説明を省略する。
図8は、品質データとカメラ撮影の関係を示す説明図である。図8を参照して、品質データとカメラ撮影の関係とともに、記憶部31に記録された作業実績収集情報との関係も含めて説明する。指図IDがA0001の場合、指図50が作業管理ボックス21に投入されると作業を開始したこととなり、指図50が作業管理ボックス21から取り出されると、作業を終了したこととなる。また、指図IDがA0002の場合、他の指図50aが作業管理ボックス21に投入されると、作業を開始したこととなり、指図50aが作業管理ボックス21から取り出されると、作業を終了したこととなる。指図IDがA0001の詳細は、部品組付工程(シートID)毎に記憶部31に記録されており、例えば、シート#1からシート#6に含んで構成されている。
記憶部31には、品質管理処理プログラム(図示せず)で管理されている品質データが格納されている。具体的には、品質データは、シート#1からシート#6に対応する工程別の過去N日間不良発生回数の移動平均値である。この品質データを基づいて、所定値以上の場合に、カメラによる撮影をする旨の設定をする。例えば、シート#3の品質データは、所定値を超えているとして、シート#3の作業開始時にカメラの撮影を開始し、シート#3の作業終了時にカメラの撮影を終了するとよい。図8の下段部分には、カメラ23により撮影される期間を斜線部分で示している。
図9は、実施形態2に係る作業画像管理システムの処理を示すフローチャートである。図9に示す処理のうち、図7と同一処理の場合は、同一符号を付した。図9のフローチャートは、図7のフローチャートと比較して、ステップS303Aが異なり、ステップS209が追加されている。また、追加されたステップS209に基づいて、カメラ23による撮影を開始、終了を処理している。図7と相違する点について説明する。
管理サーバ30は、ステップS302のフォルダを作成後、指図50の組付指示情報(シートID毎に対応するシート画面)を含む指図情報をセル作業端末20に送信する(ステップS303A)。このとき、指図情報には、シートIDの作業に対して、撮影をするか否かの撮影フラグ(撮影可否情報)も含まれている。例えば、シート#3、シート#5に対して撮影フラグが「1」であり、シート#1、シート#2、シート#4、シート#6に対して撮影フラグが「0」であるとすると、シート#3、シート#5の作業工程のときだけ、撮影をすることを意味する。
セル作業端末20は、ステップS203においてシート画面を表示後、シートの撮影フラグがOKであるか否か(例えば、「1」であるか否か)を判定する(ステップS209)。フラグがOKの場合(ステップS209,Yes)、カメラ23による撮影開始を通知する(ステップS211)。
カメラ23は、カメラID、タイムコードと関連付けた撮像画像を、制御装置26を介して管理サーバ30に送信し続ける(ステップS212)。撮像画像を受理した管理サーバ30は、カメラIDに対応する所定のフォルダに撮影画像を格納する(ステップS305)。
セル作業端末20の制御装置26は、スイッチ24の押圧(押下)があるか否かにより、シート工程終了か否かを判定し(ステップS204)、スイッチ24の押圧を検知した場合(ステップS204,Yes)、ステップS205に進む。スイッチ24の押圧を検知しない場合(ステップS204,No)、ステップS204に戻る。
ステップS205において、セル作業端末20の制御装置26は、シート工程の作業終了の旨の情報(シート工程終了情報)を管理サーバ30に送信する。具体的には、シート工程の作業終了の旨の情報とは、図6に示す指図ID、シートID、作業終了の日時、工程IDである。
また、制御装置26は、カメラ23に撮影終了の通知をする。カメラ23は、撮影終了の通知があるか否かを判定しており(ステップS213)、撮影終了の通知がある場合(ステップS213,Yes)、カメラ23による撮影を終了する(ステップS214)。撮影終了の通知がない場合(ステップS213,No)、ステップS212に戻る。
実施形態2によれば、撮影画像を限定するように、撮影される作業手順の工程を、品質データに基づいて絞り込み、カメラ撮影が必要な場合に限定して撮影し、絞りこまれた特定の作業手順の工程の撮影画像を管理することができる。なお、ステップS303Aに示した撮影フラグは、品質データに基づいて決めているがこれに限定されるものではない。管理者が、作業手順の工程を指定してもよい。例えば、管理者は、熟練していない作業者の作業手順の工程を指定してもよいし、作業内容が切り替わった作業手順の工程を指定してもよい。
実施形態2の作業画像管理システムによれば、管理サーバ30には、作業手順の管理識別情報(シートID)の作業内容を撮影するか否かの撮影可否情報(例えば、撮影フラグ)が記憶部31に記憶されている。
セル作業端末20は、撮影装置(例えば、カメラ23)と、表示装置25に表示された作業手順を作業者が切り替える指令をするためのスイッチ24と、ICタグの置き場所(例えば、作業管理ボックス21)に置かれた、作業内容を特定する情報が書き込まれたICタグを読み取るICタグ読取装置(例えば、ICタグリーダライタ22)と、ICタグ読取装置がICタグとの通信が行われた(できた)場合に管理サーバに作業開始の情報を送信し(ステップS202)、作業手順の管理識別情報の作業内容を撮影するか否かを撮影可否情報に基づいて判定し(ステップS209)、判定結果が撮影する場合、撮影装置の撮影を開始して(ステップS211)撮影した撮影画像を順次送信し(ステップS212)、スイッチ24の操作を検知したとき、作業手順の管理識別情報と、スイッチ24の操作を検知した時刻とを関連付けて作業実績収集情報を管理サーバに送信する(ステップS212)とともに、撮影装置の撮影を終了する(ステップS214)処理装置26とを有する。
管理サーバ30は、作業開始の情報を受信すると、受信する撮影画像を記憶部に順次格納し(ステップS305)、作業実績収集情報を受信すると、作業実績収集情報と関連付けた画像を記憶部に格納する(ステップS307)処理部32を有する。
セル作業端末20は、ICタグ読取装置がICタグとの通信が断絶した場合に、管理サーバ30に通信が断絶した時刻を含む作業終了の情報を送信する(ステップS208)。
撮影可否情報(撮影フラグ)は、作業手順の管理識別情報の作業内容に係る品質データを基づいて設定される。品質データは、例えば、過去所定日数の不良発生回数の移動平均値である。
本実施形態では、図1において、タイムコードを用いて説明したが、撮影画像を撮影時刻の絶対時間で、撮影画像を管理してもよいことは言うまでもない。その場合においても、作業開始時、シート切り替え時、作業終了時にシート画像を、関連する格納フォルダに挿入するとよい。
本実施形態によれば、図2に示すように、セル作業端末20は、ICタグリーダライタ22がICタグとの通信が行われた場合に管理サーバ30に作業開始の情報を送信するとともに、カメラ23が撮影した撮影画像を順次送信する。セル作業端末20は、スイッチ24の操作を検知したとき、作業手順の管理識別情報と、スイッチ24の操作を検知した時刻とを関連付けて作業実績収集情報として管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、作業開始の情報を受信すると、撮影画像を記憶部に順次格納するとともに、作業実績収集情報を受信すると、作業実績収集情報と関連付けた画像を記憶部に格納する。記憶部内に、作業実績収集情報と関連付けた画像をリアルタイムに挿入することにより、複数の工程の作業内容に係る作業画像を容易に管理することができる。