JP5349875B2 - 車輪用軸受装置のハブ輪の製造方法 - Google Patents

車輪用軸受装置のハブ輪の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は車輪用軸受装置および車輪用軸受装置のハブ輪の製造方法に関する。
自動車用の車輪用軸受装置は第1世代から始まって現在では第4世代まで発展してきており、図14および図16は第3世代の車輪用軸受装置(従動輪用)の例である。この車輪用軸受装置は、内方部材10と外方部材20と転動体30を主要な構成要素としており、転動体30を介し内方部材10と外方部材20が相対回転自在の関係にある。内方部材10は外周に2列の内側軌道10rを有し、外方部材20は内周に2列の外側軌道20rを有している。
内方部材10はハブ輪12と内輪14とからなり、内輪14はハブ輪に嵌合させた上でハブ輪の端部を半径方向外側にかしめて内輪の端面に当てることによりハブ輪上に固定してある。ハブ輪12は車輪を取り付けるための第一のフランジ(以下ではハブフランジとも称する)16を有し、第一のフランジ16の円周方向に所定間隔で複数のハブボルト18が固定してある。外方部材20は車体に取り付けるための第二のフランジ22を有し、第二のフランジ22の円周方向に所定間隔で複数のねじ孔24が形成してある。外方部材20の両側の開口端部に密封装置26、28が設けてある。
2列の内側軌道10rのうちの一方はハブ輪12に形成してあり、もう一方は内輪14に形成してある。2列の外側軌道20rは外輪20の内周に形成してある。対向した内側軌道10rと外側軌道20rとの間に転動体30が転動自在に介在させてある。各列の転動体30は保持器32で円周方向に所定間隔に保持される。
図14はハブフランジ16が異形(図15参照)の場合、図16はハブフランジ16が丸形(図17参照)の場合である。ここで、異形とは非円形の意で、図15(B)の場合、大径部と小径部が円周方向に交互に現れる5弁の花冠状を呈している。車輪用軸受装置には駆動輪用と従動輪用とがあるが、いずれも、ハブフランジ16を有する部品であるハブ輪12は、自動車の旋回走行時に遠心力によるモーメント荷重の繰返し負荷に耐える必要から高強度が要求されるため、鍛造によって製造するのが一般的である。図15(A)および図17(A)において、実線は鍛造仕上がり、二点鎖線は最終製品の外形を表している。
ハブ輪12の鍛造は、1200℃程度の熱間鍛造が一般的である。なお、内輪14、外方部材20も同様に熱間鍛造される。ハブ輪12と外方部材20の材料は、S53C等のC=0.40〜0.80wt%の中炭素鋼が主に使用される。硬度は、後述の高周波熱処理されない部分はハブボルト18を圧入してセレーションを食い込ませるために鍛造後のままの硬度13〜25HRCに、内側軌道10rや内輪14を嵌合させる部分、密封装置26のオイルシールが接触するシールランド部等の高周波熱処理された部分は58〜64HRCとなっている。内輪14は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼(や相当材)が使用され、ズブ焼入れにより芯まで58〜64HRCとなっている。
ハブ輪12の熱間鍛造工法としてはバリ出し鍛造(半密閉鍛造)と密閉鍛造が主である。バリ出し鍛造は、図18(A)に示すように、鋼材切断、据え込み、押出し、仕上げ打ちの各工程を経た後、ハブフランジ周りにはみ出したバリ(以下横バリとする)を製品から取り除くトリム工程が必要である。一方、密閉鍛造は、図18(B)に示すように、鋼材切断、据え込み、押出し、仕上げ打ちの4工程で完了する。密閉鍛造では横バリは発生しないため、横バリがない分バリ出し鍛造より投入材料を有効に使用でき、加工途中に除去される重量(マテリアルロス)の削減に有効な手段である。
鍛造後のハブ輪12は、一般に、外径などの旋削→軌道面などの高周波熱処理→軌道面などの研削・超仕上げを経て製品となり、車輪用軸受装置の組立工程へ供給される。図15(A)および図17(A)に関連して上に述べたとおり、二点鎖線が最終製品の外形を表している。
また、省資源と低公害の面から、自動車の燃費向上のため車両重量の軽量化が強く要求されている。自動車部品において、車輪用軸受装置の軽量化は、ばね下重量の軽量化による乗り心地の向上や、タイヤの接地性向上による走行安定性の向上等の面からも望まれている。軽量化の方法のひとつとして、ハブフランジの外形を従来の丸形から異形とする方法がある。また、丸形フランジに軽量化のための穴を開ける方法もあるが、外輪取付け時の作業穴を兼ねる場合は仕方がないものの、軽量化穴を打ち抜いたポンチカスが廃棄重量となるため、マテリアルロスの削減の面では異形フランジとするほうが有利である。特許文献1には、ハブボルト間を大きく切り欠いたいわゆる手裏剣形状のハブフランジが記載されている。
特開2003−094905号公報
特許文献1のもののようにハブボルト間を大きく切り欠いた異形フランジのハブ輪について密閉鍛造を試みたが、うまくいかなかった。それは、図19に示すように、ハブフランジのハブボルト間部分の外周に軸方向の縦バリが発生したからである。図19(A)は縦断面を示し、図19(B)は平面を示し、図19(C)は図19(A)の縦バリ部分をさらに拡大したものである。なお、図19(B)中の平行斜線は断面表示ではなく縦バリ52を表しているにすぎない。鍛造後のハブ輪について縦バリを測定したところ、最大厚さは0.7mm程度、最大高さは6mm程度であった。縦バリの厚さは図19(B)に符号tで示してあり、高さはハブフランジ面からの軸方向寸法で、図19(C)に符号hで示してある。縦バリの高さhは、ハブフランジが最も小径となるハブボルト間で最も高く、最も大径となるハブボルト付近ではほとんど零で、半径方向から見て円弧状を呈していた。
縦バリは軸方向に延在するため、従来のバリ出し鍛造のトリム工程では除去できない。縦バリを除去せずに旋削加工を行なってみたが、縦バリのない形状良好なものと比較して、旋削工具の欠けが早期に発生した。その理由として、縦バリはハブフランジの外径部分にある上薄いために鍛造後の冷却時にハブ輪本体より早く冷え、硬度がハブ輪(ハブフランジ)より高くなっていたためと考えられる。これでは異形フランジとすることにより軽量化し、密閉鍛造によりマテリアルロスが削減でき、製作コストの低減に寄与できたとしても、旋削工具が短寿命となり、旋削工具のコストが掛かるため、結局コスト高となってしまう。破損した旋削工具で旋削加工すると、旋削物の寸法精度が出ないために廃棄するか修理が必要となってしまう。安定した旋削とするために、従来は鍛完品が冷えた後に、手作業でハブ輪の1個1個につきグラインダーで縦バリを除去するのが一般的であったため、手間がかかり、時間・費用が必要であった。
縦バリは次のようにして発生する(図20参照)。密閉鍛造では下金型42の内部に上金型44が入り込むことで密閉されたキャビティ46ができるが(図20(A))、下金型42と上金型44との間には径方向にわずかなクリアランス48が設けてある(図20(B))。このクリアランスが大きい場合、キャビティ46内に素材がほぼ充足した後更に完全に充足させるために加工力が加えられると、クリアランス48に素材がはみ出して縦バリ52となる(図20(C))。クリアランス48が大きくなるのは、(1)クリアランスが元々大きいとき、(2)下金型42に対し上金型44が偏心したとき、(3)多数の鍛造加工後に上金型44の下金型42に入り込む部分が摩耗して金型間のクリアランス48が大きくなったとき、等がある。これらの理由により、縦バリが丸形フランジの全周に発生したり、一部に発生したりする。
また、使用鋼材の径が(公差範囲内で僅かに)大きかった等で、元々の設計重量よりも重い(設計寸法より大きい)鍛造ビレットを鍛造した場合にも、余分な重量分が縦バリとして発生することがある。図21を参照して、仕上げ打ち工程が進むにつれて鍛造素材50がキャビティ46内を充足していく過程を説明すると次のとおりである。図21(A)は仕上げ打ち工程開始前の状態、図21(B)はフランジ小径部が充足し始めた状態、図21(C)は矢印で示すようにフランジ大径部に向かって充足していく状態、図21(D)はフランジ大径部も充足した状態である。このように、鍛造のフランジ成形工程(仕上げ打ち工程)においては素材が同心円状に広がっていくため、異形フランジのハブ輪の場合、ハブボルト間の小径部に先に充足し、ハブボルト部分の大径部が後から充足することになる。その結果、先に充足する小径部では充足後は圧力が高くなるため、上金型と下金型との間のクリアランスが適切でないと、そこから縦バリがはみ出すこととなる。加工力を低くすることで小径部の縦バリの発生を抑えても、大径部が充足しないという不具合が発生することもある。
縦バリの発生を抑えるためには金型のクリアランスをより狭める方法があるが、上下の金型同士がぶつかったり、また、体積の大きな鍛造素材50が入ってしまった場合に余肉の逃げ場がなくなることで金型や鍛造設備自体が破損したり、といった問題があった。丸形フランジの場合はストロークや加工力の調整をすることで対策できることもあるが、異形フランジの場合はフランジ外径の大径部分の充足具合にも注意を払わなければならず、縦バリを発生させないこととフランジ大径部の充足を両立させることが難しかった。上記の理由より、密閉鍛造は異形フランジのハブ輪に採用することはほとんどなく、丸形フランジのものに主に採用されていた。
この発明の主な課題は、ハブ輪の鍛造に伴って発生した縦バリを除去することに起因する旋削工具の短寿命を改善することにある。
この発明の車輪用軸受装置のハブ輪の製造方法は、熱間の密閉鍛造でハブ輪を成形する工程と、成形後にまだ赤熱の状態で、ハブフランジの外周に発生した縦バリをフランジ面に倒し込む工程とを有することを特徴とするものである。
縦バリを倒し込む工程は、据え込み、押出し、仕上げ打ち、の成形工程と同一の鍛造設備内で行われ、縦バリを上金型で押さえ込むようにしてもよい。
前記ハブフランジの外形が大径部と小径部が円周方向に交互に現れる非円形の場合、前記小径部の縦バリを倒し込むようにしてもよい。
この発明によれば、縦バリがフランジとほぼ同じ冷却速度で冷える。その結果、縦バリの硬度がフランジの硬度とほぼ同じになるため、高硬度の縦バリを切削することに起因する従来の問題が解消する。より具体的には、縦バリの硬度がフランジより大幅に高くなりにくいため、今まで速く冷えて高硬度となっていた縦バリを切削することによって発生していた旋削工具の欠けがなくなる。したがって、旋削工具の短寿命が改善される。したがってまた、旋削工具の短寿命対策として行なわれていた鍛造後の縦バリ部のグラインダーを用いた手作業による除去の工程が不要となるため、工数が省略でき、コスト低減、時間削減が可能となる。
以下、図面に従ってこの発明の実施の形態を説明する。まず、図9〜図13を参照して車輪用軸受装置について述べる。
図9は第1世代の車輪用軸受装置の例で、複列アンギュラ玉軸受を介して、ハブ輪112を車体のナックル34に取り付けてある。複列アンギュラ玉軸受は、内側軌道110rをもった分離式の一対の内輪114と、2列の外側軌道120rをもった複列外輪120と、内側軌道110rと外側軌道120rとの間に介在させた転動体ここでは玉130とを主要な構成要素としている。内輪114はハブ輪112に嵌合させてあり、外輪120はナックル34の取付け孔36に嵌合させてある。ハブ輪112は丸形(図9(B)参照)のハブフランジ116を有し、このハブフランジ116にハブボルト118で車輪(図示せず)を固定する。なお、ハブ輪112は等速自在継手(図示せず)とトルク伝達可能に接続するようになっている。第1世代の場合、内側軌道110rを有する一対の内輪114とハブ輪112とが内方部材110を構成し、外側軌道120rを有する外輪120が軸受外輪に相当する外方部材を構成する。
図10は第2世代の車輪用軸受装置の例であって、次の4点で図9のものと相違している。(1)転動体として円すいころ230aを使用した複列円すいころ軸受である。(2)ハブフランジ216aが異形である。(3)ハブ輪212aの端部を加締めて内輪214aを固定してある。(4)外輪220aがナックルに固定するための部材と一体となっている。より詳しく述べると、複列円すいころ軸受は、分離式の一対の内輪214aと、複列外輪220aと、2列の転動体ここでは円すいころ230aとを主要な構成要素としている。内輪214aはハブ輪212aに嵌合させてあり、外輪220aはフランジ222にてナックル(図示せず)に固定するようになっている。ハブ輪212aは異形(図10(B)参照)のハブフランジ216aを有し、このハブフランジ216aにハブボルト218aで車輪(図示せず)を固定する。なお、ハブ輪212aは等速自在継手(図示せず)とトルク伝達可能に接続するようになっている。この場合、一対の内輪214aとハブ輪212aとが車輪軸受装置の内方部材210aを構成し、外輪220aが外方部材を構成する。
図11は同じく第2世代の車輪用軸受装置の例であるが、図10の駆動輪用に対し従動輪用で、従動車輪をアクスル軸(図示せず)に対して回転自在に支持するようになっている。図示するように、この車輪用軸受装置は内側軌道をもった一対の内輪214bと、2列の外側軌道をもったハブ輪220bと、2列の転動体230bとを主要な構成要素としており、分離式の一対の内輪214bをアクスル軸(図示せず)に嵌合させ、ハブ輪220bに一体的に形成した異形のハブフランジ216b(図11(B)参照)に従動車輪を取り付けてハブボルト218bで固定する。この図11の構造の場合、内側軌道を有する一対の内輪214bが内方部材210bを構成し、ハブ輪220bが外方部材を構成する。なお、ハブ輪220bは外側軌道を有することから外方部材となるが、車輪を取り付けるためのハブフランジ216bを有することからハブ輪と呼ぶこととする。
図12は第3世代の車輪用軸受装置の例である。図14を参照して既に述べた同じく第3世代の車輪用軸受装置が従動輪用であるのに対しこれは駆動輪用であって、ハブ輪312が等速自在継手(図示せず)とトルク伝達可能に接続するようになっている。ハブ輪312は異形のハブフランジ316(図12(B)参照)が一体的に形成してある。ハブフランジ316に駆動車輪を取り付け、ハブボルト318で固定する。ハブ輪312の端部に別体の内輪314が嵌合させてあり、ハブ輪312と内輪314に内側軌道310rが配分的に形成してある。外輪320は2列の外側軌道320rと、車体に取り付けるためのフランジ322を有する。対向する内側軌道310rと外側軌道320rとの間に転動体としてここでは玉330が転動自在に介在させてある。2列の内側軌道310rのうちの一方をハブ輪312に、もう一方を内輪314に、配分的に形成した点に第3世代の特徴がある。したがって、この場合、内側軌道310rを有するハブ輪312と内輪314とで車輪用軸受装置の内方部材310を構成する。
図13は第4世代の車輪用軸受装置の例である。ハブ輪412にはハブフランジ416が一体的に形成してあり、ハブフランジ416には円周方向に所定間隔でタップ孔418aが設けてある。ハブフランジ416に駆動車輪(図示せず)とブレーキロータを取り付け、タップ孔418aにホイールボルト(図示せず)をねじ込んで固定する。この固定方法と、上述の実施例におけるハブフランジに植え込んだハブボルトを使用する固定方法とは、互換性があって、どちらを採用してもよい。ハブ輪412は等速自在継手460の外側継手部材462と結合させてある。結合方法の一例として、ここでは、はめあいと拡径加締めの組み合わせが示してある。外輪420は2列の外側軌道420rと、車体に取り付けるためのフランジ422を有する。対向する内側軌道410rと外側軌道420rとの間に転動体としてここでは玉430が転動自在に介在させてある。2列の内側軌道410rのうちの一方をハブ輪412に、もう一方を等速自在継手の外側継手部材462に、配分的に形成した点に第4世代の特徴がある。したがって、この場合、内側軌道410rを有するハブ輪412と外側継手部材462とで車輪用軸受装置の内方部材410を構成する。
次に、車輪用軸受装置のハブ輪の製造方法について述べる。上述の各実施例におけるハブ輪112、212a、220b、312、412を代表するものとして、以下ではハブ輪512について述べる。
ハブ輪は密閉鍛造で成形する。そして、1000〜1200℃の熱間の密閉鍛造で成形し、図1に示すように、縦バリ552が発生したハブ輪512を、まだ赤熱の状態(約800℃以上)において、縦バリ552を外径側から内径側に押し倒してハブフランジ516に密着させる。これにより、縦バリ552がハブフランジ516の冷え方と同じように冷えるようにする。縦バリ552がハブフランジ516と同じように冷えるようにすれば、従来のように縦バリ552の硬度がハブフランジ516の硬度よりも高くなるのを抑制できるため、ハブフランジ516の旋削時に旋削工具の欠けが発生することもなくなり、ハブフランジ516の旋削工程に同時に縦バリ552を除去することができる。なお、図19(B)と同様に、図1(B)中の平行斜線は断面表示ではなく縦バリ552を表しているにすぎない。
図2を参照して説明すると、ハブ輪512の製造方法は、鋼材切断(A)、据え込み(B)、押出し(C)、仕上げ打ち(D)、縦バリ押さえ込み(E)の各工程からなる。なお、この発明はハブ輪の鍛造加工一般に関するものではないことから、ここでは専ら鍛造に伴ってハブフランジ516に発生した縦バリ552の処理すなわち縦バリ押さえ込みに関して述べるにとどめる。
縦バリ552を押し倒すタイミングは、バリ出し鍛造における横バリのトリミングと同様に仕上げ打ち後の赤熱の状態で行なう。縦バリ552を押し倒す方法は、鍛造の仕上げ打ち工程の後に、図3に示すように、仕上げ打ち工程と類似の下金型542と上金型544で挟み込み、縦バリ552をハブフランジ516のフランジ面に押し付ける方法が考えられる。下金型542に縦バリ552のある製品すなわちハブ輪512を置き(図3(A))、上金型544で縦バリ552をハブ輪512の軸心側へ押し倒すようにしている(図3(B))。また、図4に示すように、縦バリ552のある製品(ハブ輪512)を下金型542で受け、ローラ状の治具554を縦バリ552に押し付けるようにしてハブ輪512の外径側から軸心側に転がすことにより倒すようにしてもよい。あるいは、ハブ輪512の軸線に対して垂直に動く爪状の治具(図示せず)で押し倒す、等の方法も考えられる。
縦バリ552は、ハブフランジ516の外形が丸い丸形フランジのものでも、軽量化などの目的で切欠きが設けられた異形フランジのものでも発生するが、縦バリ552を倒すこのやり方は異形フランジに適用するのが効果的である。その理由は次のとおりである。すなわち、丸形フランジの場合、フランジ外径側のみの旋削工程を追加で行なうことにより縦バリの根元部分を切り離せば縦バリを除去することができ、コストアップはするが、工数と縦バリ旋削用の高硬度用の旋削工具の追加で対応できる可能性はあるからである。もっとも、切り離された縦バリが旋削品や旋削工具に絡まらずに除去できるかどうか、また、取代が大きくなる、といった付随する問題は別途解決しなければならない。
これに対して異形フランジの場合、外形が円形ではなく大径部と小径部の繰り返しであることから、丸形フランジのようにフランジ外径の旋削では切り離すことができず、それゆえにグラインダーで削る方法が行なわれていたのは既に述べたとおりである。
図5から図7は、鍛造に伴うファイバーフローを細線で模式的に表したものである。図5はバリ出し鍛造(半密閉鍛造)の場合で、図5(A)は鍛造の終了時点を示し、図5(B)は取り出した製品を示す。図5(B)において、二点鎖線は鍛完状態で、旋削を経て実線で示されるような製品となる。ハブフランジ516からハブ輪512の半径方向に張り出したバリすなわち横バリ556は、ハブフランジ516のファイバーフローが半径方向に延びているため、製品ではハブフランジ516の外周面に縞状のファイバーフローが現れる。これに対して密閉鍛造の場合、図6に示すように途切れないか、あるいは、縦バリ552が出た場合でも、図7に示すようにフランジ面に縞状のファイバーフローが現れることとなる。したがって、表面に現れるファイバーフローの痕跡の有無、有の場合はその位置によって、当該製品の製造方法が判別できる。
バリ出し鍛造では、図18(A)に関連して既に述べたように、鍛造仕上げ打ち工程後にフランジ部からはみ出たバリを除去するトリム工程があるが、剪断によりバリ除去するため、フランジ外径形状の精度は鍛造金型内部で充足した場所と比較して悪く、軸心とのずれが生じることがある。この場合、フランジ外径部にトリムによる段差・偏肉が生じ、ブレーキロータとフランジ外径の干渉を避ける理由から、フランジの外径部分は旋削加工されていた。密閉鍛造であればトリム工程がないため、充足が十分に行なわれるならばフランジ外径は金型形状となるため寸法精度がよく、旋削せずともブレーキロータとフランジ外径が接触しないようにできる。
図8は異形フランジのハブ輪512の例で、二点鎖線が製品の外形を示し、ハブフランジ516の外周では二点鎖線と実線が重なっている。このことから分かるように、ハブフランジ516の外径を旋削せず、密閉鍛造で成形されたままの状態、すなわち鍛造肌のままで使用するようにしてもよく、そうすることによって、フランジ外径を旋削する工程とマテリアルロスを削減することができる。
第1世代から第4世代までの各車輪用軸受装置に適用した実施例に共通する構成を基本的態様としてまとめると、転動体を介して相対回転自在の内方部材と外方部材とを有し、回転する方の部材にハブフランジを設けてハブ輪としたものにおいて、熱間の密閉鍛造で成形されたハブ輪を有する車輪用軸受装置ということができる。
そして、第1世代は、上記基本的態様の車輪用軸受装置において、内方部材はそれぞれ内側軌道をもった一対の内輪と前記一対の内輪を嵌合させたハブ輪とからなり、外方部材は2列の外側軌道をもった外輪からなり、前記ハブ輪のハブフランジに車輪を取り付け、前記外輪をナックルに嵌合するようにしたものである。
第2世代の駆動輪用は、上記基本的態様の車輪用軸受装置において、内方部材はそれぞれ内側軌道をもった一対の内輪と前記一対の内輪を嵌合させたハブ輪とからなり、外方部材は2列の外側軌道と車体に取り付けるためのフランジをもった外輪からなり、前記ハブ輪のハブフランジに車輪を取り付け、前記外輪のフランジで車体に取り付けるようにしたものである。また、第2世代の従動輪用は、上記基本的態様の車輪用軸受装置において、内方部材はそれぞれ内側軌道をもった一対の内輪からなり、外方部材は2列の外側軌道をもったハブ輪からなり、前記一対の内輪をアクスル軸に嵌合させ、前記ハブ輪のハブフランジに車輪を取り付けるようにしたものである。
第3世代は、上記基本的態様の車輪用軸受装置において、内方部材は一列の内側軌道をもったハブ輪と、一列の内側軌道をもち前記ハブ輪に嵌合させた内輪とからなり、外方部材は2列の外側軌道と車体に取り付けるためのフランジをもった外輪からなり、前記ハブ輪のハブフランジに車輪を取り付け、前記外輪のフランジで車体に取り付けるようにしたものである。
第4世代は、上記基本的態様の車輪用軸受装置において、内方部材は一列の内側軌道をもったハブ輪と、一列の内側軌道をもち、前記ハブ輪と結合した等速自在継手の外側継手部材とからなり、外方部材は2列の外側軌道と車体に取り付けるためのフランジとをもった外輪からなり、前記ハブ輪のハブフランジに車輪を取り付け、前記外輪のフランジで車体に取り付けるようにしたものである。
(A)は実施例を説明するためのハブ輪の縦断面図、(B)は平面図、(C)は図1(A)の部分拡大図である。 縦バリを押さえ込む工程を含む工程図である。 (A)(B)は上金型で縦バリを倒す過程を示す部分拡大断面図である。 ローラ治具で縦バリを倒す過程を示す部分拡大断面図である。 (A)はバリ出し鍛造の場合のファイバーブローを示す部分拡大断面図、(B)は製品の部分拡大断面図である。 (A)は密閉鍛造(縦バリなし)の場合のファイバーブローを示す部分拡大断面図、(B)は製品の部分拡大断面図である。 (A)は密閉鍛造(縦バリあり)の場合のファイバーブローを示す部分拡大断面図、(B)は製品の部分拡大断面図である。 ハブ輪の縦断面図である。 (A)は第1世代の車輪用軸受装置の縦断面図、(B)は側面図である。 (A)は第2世代の車輪用軸受装置(駆動輪用)の縦断面図、(B)は側面図である。 (A)は第2世代の車輪用軸受装置(従動輪用)の縦断面図、(B)は側面図である。 (A)は第3世代の車輪用軸受装置の縦断面図、(B)は側面図である。 (A)は第4世代の車輪用軸受装置の縦断面図、(B)は側面図である。 従来の技術を説明するための、異形フランジのハブ輪をもった車輪用軸受装置(第3世代)の縦断面図である。 (A)は図14におけるハブ輪の縦断面図、(B)は側面図である。 従来の技術を説明するための、丸形フランジのハブ輪をもった車輪用軸受装置の縦断面図である。 (A)は図16におけるハブ輪の縦断面図、(B)は側面図である。 ハブ輪の熱間鍛造の工程図であって、(A)はバリ出し鍛造の場合、(B)は密閉鍛造の場合を示す。 (A)は異形フランジのハブ輪の縦断面図、(B)は平面図、(C)は図19(A)の部分拡大図である。 (A)は密閉鍛造の仕上げ打ち工程を示す縦断面図、(B)(C)は図20(A)の部分拡大図である。 仕上げ打ち工程で異形フランジが成形される過程を示す断面図である。
符号の説明
542 下金型
544 上金型
552 縦バリ
554 治具
556 横バリ
110、210a、210b、310、410 内方部材
110r、310r、410r 内側軌道
112、212a、220b、312、412、512 ハブ輪
114、214a、214b、314 内輪
116、216a、216b、316、416、516 ハブフランジ
118、218a、218b、318 ハブボルト
418a タップ孔
120、220a、320、420 外輪
120r、320r、420r 外側軌道
130、230a、230b、330、430 転動体

Claims (4)

  1. 熱間の密閉鍛造でハブ輪を成形する工程と、成形後にまだ赤熱の状態で、ハブフランジの外周に発生した縦バリをフランジ面に倒し込む工程とを有する車輪用軸受装置のハブ輪の製造方法
  2. 縦バリを倒し込む工程が、据え込み、押出し、仕上げ打ち、の成形工程と同一の鍛造設備内で行われ、縦バリを上金型で押さえ込む請求項1の車輪用軸受装置のハブ輪の製造方法
  3. 前記ハブフランジの外形が大径部と小径部が円周方向に交互に現れる非円形で、前記小径部の縦バリを倒し込む請求項1または2の車輪用軸受装置のハブ輪の製造方法
  4. 請求項1から3のいずれか1項の製造方法によって製造された車輪用軸受装置のハブ輪。
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