JP5349002B2 - 工具ホルダ位置決め固定装置 - Google Patents
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図1に示すように、この主軸装置1は、主軸2と、主軸2が収納された主軸ケース3と、クランプ機構10と、アンクランプ機構15などを有している。主軸2は複数の軸受を介して主軸ケース3に回転自在に支持され、電動モータにより回転駆動される。尚、図1の上下左右を上下左右として説明する。
クランプ機構10は、主軸2に工具ホルダ25を主軸2の軸心方向へ引っ張り駆動して固定する為のものである。クランプ機構10は、コレット機構11と、このコレット機構11に連結されたドローバー5と、このドローバー5をクランプ駆動する皿バネ積層体12とを有する。主軸2の中心部分の貫通孔4の内部において、ドローバー5の外側に環状のバネ装着穴13が形成され、複数の皿バネを積層した皿バネ積層体12がバネ装着穴13に弾性的に圧縮した圧縮状態に装着され、この皿バネ積層体12によりドローバー5が上方へ強力に弾性付勢されている。
アンクランプ機構15は、ドローバー5の上端部に設けられた押圧部材14と、押圧部材14を下方へ押圧するアンクランプ用油圧シリンダ16と、油圧シリンダ16に油圧を供給・排出する油圧発生装置20と、油圧発生装置20を制御する制御ユニット21とを有している。油圧シリンダ16は複動型のもので、シリンダ本体17と、往動室18aと復動室18bからなる油圧作動室18と、ピストン部材19とを備えている。
図1,図2に示すように、工具付き工具ホルダ25(以下、工具ホルダという)は、シャンク部27と、フランジ部28と、工具支持部29とを備えている。シャンク部27は、テーパ穴7に嵌めるためテーパ状に構成してある。このシャンク部27の外周面には、後述するテーパ係合雄部33が形成されている。フランジ部28は、シャンク部27の下端部に形成され、このフランジ部28には、工具交換アームが係合可能な把持部28aが設けられている。工具支持部29はフランジ部28から下方に突出し、この工具支持部29に工具29aが支持されている。この工具ホルダ25のシャンク部27の上端部にプルスタッド27aが設けられている。
この工具ホルダ位置決め固定装置30(以下、位置決め固定装置30という)は、マシニングセンタ1の主軸2の先端部に工具ホルダ25を位置決めし且つ回転伝達可能に装着する為のものである。位置決め固定装置30は、工具ホルダ25に形成された基準面31と第1係合部(シャンク部27)と、主軸2に形成された環状面32と第2係合部(テーパ穴7)と、主軸2に工具ホルダ25を固定する為の前述したクランプ機構10とを有している。上記工具ホルダ25のシャンク部27が第1係合部に相当し、主軸2のテーパ穴7が第2係合部に相当する。
尚、辺部分35,38とは、図4における範囲Aの部分を示すものであり、円弧状角部34,37とは、図4における範囲Bの部分を示すものである。
主軸装置1の主軸2の先端部に、工具29aが保持された工具ホルダ25を位置決めして固定するとき、先ず、油圧発生装置20により油圧シリンダ16の往動室18aに油圧を供給し、復動室18bをドレン圧にしてピストン部材19を下方に移動させ、押圧部材14を介してドローバー5を下方に移動させて、コレット機構11の4つのコレット11aの先端部分を開いた状態にする。
従って、安定した切削加工を行うことができ、切削加工の精度を高めることができる。また、シャンク部27の直径を相対的に大きくすることができるので、回転伝達トルクを大きくすることができる。シャンク部27の軸心方向の長さを極端に短くするため、工具ホルダ25の小型化、軽量化を図り、自動工具交換装置による工具交換の所要時間を短縮でき、自動工具交換装置の負荷の軽減と高速化を図ることができる。また、主軸装置1の主軸2の小型化も可能になる。
図5に示すように、第1変形例の辺部分35A,38Aでは、1対の係合密着部35bA,38bAは、逃し凹部35a,38aに近づくほど相手側へ接近するようにテーパ状に形成されている。
図6に示すように、第2変形例の辺部分35B,38Bでは、1対の係合密着部35bB,38bBは、逃し凹部35a,38aから遠のくほど相手側へ接近するようにテーパ状に形成されている。
図8に示すように、第4変形例の辺部分35A,38Cでは、逃し凹部35aと1対の係合密着部35bAは、テーパ係合雄部33にのみ形成され、1対の係合密着部35bAは逃し凹部35aに近づほど相手側に接近するようにテーパ状に形成されている。
図10に示すように、第6変形例の辺部分35C,38では、逃し凹部38aと1対の係合密着部38bは、テーパ係合雌部36にのみ形成され、1対の係合密着部38bは対向するテーパ係合雄部33の辺部分35Cと平行となるように形成されている。
図12に示すように、第8変形例の辺部分35C,38Bでは、逃し凹部38aと1対の係合密着部38bBは、テーパ係合雌部36にのみ形成され、1対の係合密着部38bBは逃し凹部38aから遠のくほど相手側へ接近するようにテーパ状に形成されている。
図15に示す、第1例の弾性変形促進部40Aは、テーパ係合雌部36を囲繞する壁部に形成された先端解放状の環状溝47を備えている。この環状溝47の断面形状は径方向の幅が小さな矩形状である。テーパ係合雌部36と環状溝47の間には、径拡大方向へ弾性変形可能で且つある程度の剛性を有する環状壁48が形成されている。環状壁48の径方向の厚さを適切に設定することにより、環状壁48の剛性と弾性変形性を適切に設定することができるため、設計の自由度に優れる。
[1]テーパ係合雄部33の内周側壁部が径縮小方向への弾性変形を介してテーパ係合雌部36に密着状に係合するように構成しても良いし、テーパ係合雄部33とテーパ係合雌部36の両方の壁部が径方向へ弾性変形して密着状に係合しても良い。
[2]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能で、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
2 主軸
5 ドローバー
7 テーパ穴
10 クランプ機構
11 コレット機構
25 工具ホルダ
27,27D〜27H シャンク部
30 工具ホルダ位置決め固定装置
31 基準面
32 環状面
33,33D〜33H テーパ係合雄部
34,34D〜34H 円弧状角部
35,35A〜35C,35D〜35H 辺部分
35a,38a 逃し凹部
35b,35bA,35bB 係合密着部
36 テーパ係合雌部
37,37D〜37H 円弧状角部
38,38A〜38C 辺部分
38b,38bA,38bB 係合密着部
40,40A〜40D 弾性変形促進部
Claims (8)
- 工作機械の主軸の先端部に工具付き工具ホルダを位置決めし且つ回転伝達可能に装着する為の工具ホルダ位置決め固定装置において、
前記工具ホルダは、主軸の軸心と直交する主軸の環状面に当接して主軸の軸心方向に位置決め可能な基準面と、主軸の軸心と直交する方向の断面が外側へ凸の複数の円弧状角部と複数の辺部分とを有する正多角形に形成され且つ主軸側ほど小径化するテーパ係合雄部を有する第1係合部とを備え、
前記主軸は、前記基準面を受け止める環状面と、前記テーパ係合雄部に係合可能で且つ主軸の軸心と直交する方向の断面が外側へ凸の複数の円弧状角部と複数の辺部分とを有する正多角形に形成されたテーパ係合雌部を有する第2係合部とを備え、
前記第1係合部の主軸の軸心方向の長さが、第1係合部の直径の1/30〜1/8のサイズに形成され、
前記主軸に工具ホルダを主軸の軸心方向へ引っ張り駆動して固定する為のクランプ手段を設け、
前記テーパ係合雌部と前記テーパ係合雄部の少なくとも一方における前記複数の辺部分の各々は、その中央部に形成された逃し凹部と、この逃し凹部の両側に形成された1対の係合密着部とを有し、
前記テーパ係合雄部の内周側壁部とテーパ係合雌部の外周側壁部の少なくとも一方の径方向への弾性変形を介して、前記テーパ係合雄部がテーパ係合雌部に密着状に係合するように構成したことを特徴とする工具ホルダ位置決め固定装置。 - 前記テーパ係合雌部と前記テーパ係合雄部の両方における前記複数の辺部分の各々は、その中央部に形成された逃し凹部と、この逃し凹部の両側に形成された1対の係合密着部とを有することを特徴とする請求項1に記載の工具ホルダ位置決め固定装置。
- 前記テーパ係合雄部の前記主軸の軸心と直交する方向の断面における複数の辺部分の各々が、外側へ僅かに膨らんだ円弧状に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の工具ホルダ位置決め固定装置。
- 前記テーパ係合雄部の前記主軸の軸心と直交する方向の断面における複数の辺部分の各々が、直線状に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の工具ホルダ位置決め固定装置。
- 前記正多角形の形状が、五角形、六角形、八角形の何れかの形状であることを特徴とする請求項2に記載の工具ホルダ位置決め固定装置。
- 前記テーパ係合雌部の外周側壁部には、前記テーパ係合雌部が前記テーパ係合雄部に密着状に係合する際の径拡大方向への弾性変形を促進する弾性変形促進部を有することを特徴とする請求項2に記載の工具ホルダ位置決め固定装置。
- 前記クランプ手段が、コレット機構と、このコレット機構に連結されたドローバーと、このドローバーをクランプ駆動する皿バネ積層体とを有することを特徴とする請求項2に記載の工具ホルダ位置決め固定装置。
- 前記テーパ係合雄部と前記テーパ係合雌部のテーパ勾配は、1:5〜1:10であることを特徴とする請求項2に記載の工具ホルダ位置決め固定装置。
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