JP5344216B2 - 二次電池の電解液量検出方法およびその装置 - Google Patents
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Description
また、特開2006−147513号公報には、セル本体の凹部外側にOリングやシール材を配置し、蓋体で密閉可能な構造を有する電気化学特性測定用セルに関し、AE信号を測定することが開示されている。同公報では、充放電時に伴う体積膨張、応力発生、胞性破壊に起因するセル内で発生するAE信号が測定されている。
また、特開2005−291832号公報では、電池の劣化診断方法として、被測定電池の外側から超音波を該被測定電池内に印加し、該被測定電池の外側で超音波を検出して被測定電池の劣化を診断することが開示されている。
また、電池ケースの高さ方向に沿って複数のAE信号検出センサを取り付けてAE信号を検出してもよい。
また、AE信号検出センサが検出したAE信号の周波数に基づいて、二次電池の電解液量が所定の量よりも少ないことを検出してもよい。
また、AE信号検出センサが検出したAE信号の大きさに基づいて、二次電池の電解液量が所定の量よりも少ないことを検出してもよい。
なお、閾値は、例えば、AE信号検出センサが検出したAE信号の大きさに対して設定してもよい。また、閾値は、例えば、AE信号検出センサが検出したAE信号の周波数に対して設定してもよい。
なお、相関関係は、AE信号検出センサが検出したAE信号の大きさと、二次電池の電解液量との相関関係でもよい。また、相関関係は、AE信号検出センサが検出したAE信号の周波数と、二次電池の電解液量との相関関係でもよい。
これらの二次電池には電池ケース内に電解液が注入されている。電池ケースは封止材等で塞がれているが、電解液は経年的に封止材を透過するなどして減少していく。電解液が所要の量よりも少なくなると、二次電池の性能が劣化する。このため、二次電池には、予め余剰に電解液が注入されている。
さらに、本発明者は、電池ケースに取り付けたAE信号検出センサで検出されたAE信号が、電池ケース内の電解液量によって変化することを見出した。そこで、かかるAE信号に基づいて二次電池の電解液量を検出できるのではないかと考え、本発明を創案するに至った。
捲回電極体100は、例えば、図2に示すように、正極シート101と、第1セパレータ102と、負極シート103と、第2セパレータ104とが、順に重ねられて巻き取られている。なお、正極シート101は正の電極シートであり、負極シート103は負の電極シートである。また、以下の説明において、適宜、正極シート101と、負極シート103を総称して「電極シート」という。
負極シート103は、この実施形態では、銅箔からなる集電体シート141(負極集電体)の両面に負極活物質を含む電極材料142が塗工されている。当該電極材料142に含まれる負極活物質としては、例えば、グラファイト(Graphite)やアモルファスカーボン(Amorphous Carbon)などの炭素系材料、リチウム含有遷移金属酸化物や遷移金属窒化物等などが挙げられる。
セパレータ102、104は、イオン性物質が透過可能な膜であり、この実施形態では、ポリプロピレン製の微多孔膜が用いられている。
電池ケース300は封止材等で塞いでいるが、電解液は経年的に当該封止材を透過していき、徐々に少なくなっていく。このため、電池ケース300内には、予め必要量以上に余剰の電解液を入れている。電解液は、適当な量が、捲回電極体のセパレータや電極シートの塗工部に浸み込んでいるが、余剰の電解液は、電池ケース300内の隙間に溜まる。この実施形態では、特に、電池ケース300の底部近傍が、余剰の電解液が溜まる部位になる。
AE信号検出センサ11は、それぞれAE信号を検出するセンサである。図4に示す例では、AE信号検出センサ11は、電池ケース300内で電解液が溜まる部位(この実施形態では、電池ケース300の底部近傍)に取り付けられている。また、図5に示す例では、電池ケース300の高さ方向に沿って複数のAE信号検出センサ11が取り付けられている。AE信号検出センサ11は、電池ケース300から所望のAE信号が得られる適当な位置に取り付けるとよい。電池ケース300にAE信号検出センサ11を取り付ける位置は任意に選択できる。AE信号検出センサ11には、公知の種々のセンサのうち、電池ケース300に取り付けるのに適したものを採用するとよい。
当該電解液量検出部16は、例えば、不揮発性メモリーなどの記憶部と、CPUなどの演算処理部を備えた電子演算処理装置(コンピュータ)で構成されており、予め設定されたプログラムに沿って所定の処理を行う。
この場合、AE信号検出センサ11は人が認識できない周波数の音波も検出できる。また、電解液量検出部16は、機械的に周波数等を測定して当該周波数に基づいて定量的に判定するので、電解液量を精度良く検出できる。
この実施形態では、電解液量検出部16は、閾値設定部16aと、相関関係記憶部16bとを備えている。閾値設定部16aは、二次電池1000の電解液量が所定の量よりも少ないことを検出するための閾値が設定される。相関関係記憶部16bは、AE信号検出センサが検出したAE信号と二次電池の電解液量との相関関係を記憶する。
具体的には、AE信号検出センサ11によって、電池ケース300を振動させた際に生じたAE信号を検出し、当該AE信号の周波数に基づいて、二次電池1000の電解液量が所定の量よりも少なくなるのを検出できる。この場合、例えば、電池ケース300内の電解液の量が異なる複数の二次電池1000のサンプルについて、電池ケース300を振動させた際に生じたAE信号を採取する実験を予め行なう。このとき電池ケース300内の電解液の量によって、電池ケース300を振動させた際に生じるAE信号が異なる。そこで、かかる実験に基づいて、電池ケース300内の電解液の量と、電池ケース300を振動させた際に生じるAE信号との相関関係を得るとよい。
この場合には、予め実験に基づいて、電池ケース300内の電解液の量と、電池ケース300を振動させた際に生じるAE信号の大きさとの相関関係を得るとよい。そして、電解液量検出部16において、当該相関関係によりAE信号の大きさに対して適当な閾値を設ける。そして、AE信号検出センサ11で検出されたAE信号の大きさと当該閾値とに基づいて二次電池1000の電解液量が所定の量よりも少なくなるのを検出するとよい。また、他の形態として、電池ケース300内の電解液の量と、電池ケース300を振動させた際に生じるAE信号の大きさとの相関関係を、電解液量検出部16に記憶させてもよい。この場合、電解液量検出部16は、当該相関関係に基づいて、検出されたAE信号の大きさから二次電池1000の電解液の量を検出するように構成できる。
すなわち、本発明者が実験により得た知見によれば、電池ケース300内の電解液の量によって、電池ケース300を叩いた際に生じるAE信号が異なる。かかるAE信号を基に、二次電池1000の電解液量を検出できる。
このため、図5に示すように、電池ケース300の高さ方向に沿って複数のAE信号検出センサ11を取り付けてAE信号を検出してもよい。この場合、電池ケース300を叩くと、それぞれのAE信号検出センサ11からAE信号が得られる。この際、電池ケース300に電解液が溜まっている位置に取り付けられたAE信号検出センサ11と、電池ケース300に電解液が溜まっていない位置に取り付けられたAE信号検出センサ11とでは、検出されるAE信号の大きさまたは周波数が顕著に異なる。かかる複数のAE信号検出センサ11で検出されたAE信号を解析することによって、電池ケース300に電解液が溜まっている位置を検出でき、これによって、二次電池1000の電解液量を検出できる。この場合、電池ケース300の高さ方向に沿って、電池ケース300を叩く位置を変化させる場合に比べて、電池ケース300を叩く回数が少なくてよいので、検査時間を短縮できる。
10 電解液量検出装置
11 AE信号検出センサ
16 電解液量検出部
16a 閾値設定部
16b 相関関係記憶部
17 アンプ
100 捲回電極体
101 正極シート(電極シート)
101a 塗工部
101b 未塗工部
101b1 正極集電体
102 第1セパレータ
103 負極シート(電極シート)
103a 塗工部
103b 未塗工部
103b1 負極集電体
104 第2セパレータ
131 集電体シート
132 電極材料
141 集電体シート
142 電極材料
300 電池ケース(ケース)
301 正極端子
303 負極端子
1000 二次電池
Claims (15)
- ケース内に電解液を有する二次電池の電解液量を検出する方法であって、
前記ケース内に電解液を有する二次電池の電解液量と、前記ケースに取り付けられたAE信号検出センサからAE信号との相関関係を予め得ておき、
前記ケースに取り付けられたAE信号検出センサによってAE信号を検出し、
前記二次電池の電解液量と、前記AE信号との相関関係と、前記AE信号検出センサによって検出されたAE信号とに基づいて、前記ケース内の電解液が予め定められた量よりも少ないことを検出する、二次電池の電解液量検出方法。 - 前記電池ケースが振動させられた際に生じるAE信号に基づいて二次電池の電解液量を検出する、請求項1に記載の二次電池の電解液量検出方法。
- 前記電池ケースが叩かれた際に生じるAE信号に基づいて二次電池の電解液量を検出する、請求項1に記載の二次電池の電解液量検出方法。
- 前記電池ケースの高さ方向に沿って、電池ケースが叩かれる位置を変化させていきながらAE信号を検出する、請求項3に記載の二次電池の電解液量検出方法。
- 前記電池ケースは電解液が溜まる部位を有し、当該電解液が溜まる部位に前記AE信号検出センサを取り付けて前記AE信号を検出する、請求項1から4の何れかに記載の二次電池の電解液量検出方法。
- 前記電池ケースの高さ方向に沿って複数のAE信号検出センサを取り付けて前記AE信号を検出する、請求項1から4の何れかに記載の二次電池の電解液量検出方法。
- 前記AE信号検出センサが検出したAE信号の周波数に基づいて、二次電池の電解液量が所定の量よりも少ないことを検出する、請求項1から6の何れかに記載の二次電池の電解液量検出方法。
- 前記AE信号検出センサが検出したAE信号の大きさに基づいて、二次電池の電解液量が所定の量よりも少ないことを検出する、請求項1から6の何れかに記載の二次電池の電解液量検出方法。
- ケース内に電解液を有する二次電池の電解液量検出装置であって、
前記ケースに取り付けられるAE信号検出センサと、
前記AE信号検出センサが検出したAE信号に基づいて二次電池の電解液量を検出する電解液量検出部とを備えた、二次電池の電解液量検出装置。 - 前記電解液量検出部は、二次電池の電解液量が所定の量よりも少ないことを検出する閾値が設定された閾値設定部を有し、
前記閾値設定部に設定された閾値に基づいて、前記AE信号検出センサが検出したAE信号から、二次電池の電解液量が所定の量よりも少ないか否かを検出する、請求項9に記載の二次電池の電解液量検出装置。 - 前記閾値は、AE信号検出センサが検出したAE信号の大きさに対して設定されている、請求項10に記載の二次電池の電解液量検出装置。
- 前記閾値は、AE信号検出センサが検出したAE信号の周波数に対して設定されている、請求項10に記載の二次電池の電解液量検出装置。
- 前記電解液量検出部は、AE信号検出センサが検出したAE信号と二次電池の電解液量との相関関係を記憶した相関関係記憶部を有し、
前記相関関係記憶部に記憶された相関関係に基づいて、前記AE信号検出センサが検出したAE信号から、二次電池の電解液量を検出する、請求項9に記載の二次電池の電解液量検出装置。 - 前記相関関係は、AE信号検出センサが検出したAE信号の大きさと、二次電池の電解液量との相関関係である、請求項13に記載の二次電池の電解液量検出装置。
- 前記相関関係は、AE信号検出センサが検出したAE信号の周波数と、二次電池の電解液量との相関関係である、請求項13に記載の二次電池の電解液量検出装置。
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