JP5343776B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置等の画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置の一種として、インクジェット記録装置(プリンター)が知られている。このインクジェット記録装置は、吐出ヘッドからインクを吐出し、用紙に付着させることで画像形成やテキスト印字を行うものである。
インクジェット記録装置においては、鮮明な画像を維持するために、吐出ヘッドに印加する電圧を制御する吐出制御や、吐出ヘッドに取り付けられたサブタンクへのインク供給量の制御を正確に行なうことが望まれている。そして、こうした制御は、インクの温度やサブタンク周辺の湿度によって最適な制御量、制御目標が変化する。従って、温度センサや湿度センサを搭載し、これらの出力値を用いて制御目標を決定することになる。
ところで、温度センサや湿度センサの出力が変化している場合、サブタンク内の温度やその吸湿性のある部材に影響を及ぼしている実効湿度は、センサの出力に対してある程度のディレイ(遅れ)を生じる場合がある。
こうした課題に関連し、温度や湿度の変化等の環境特性値に基づいてサブタンクへのインク供給量の制御を行なう装置についての発明が開示されている(例えば、特許文献1)。この装置では、温度センサ及び湿度センサによって検出された温度や湿度の変化等の環境特性値に相当する補正係数を加味して、サブタンクへのインク供給量の指標値となるフィラーの開き量に対する目標値を決定している。
しかしながら、現実にインクジェット記録装置が使用される場面においては、装置の主電源がオフの状態である期間に温度や湿度が急変する場合がある。上記特許文献1に記載の装置では、このような場合を考慮していないため、電源投入時から所定時間の間は正確な制御を行なうことができない可能性がある。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、正確に推定された温度や湿度を使用することによって、より適切な制御を行なうことが可能な画像形成装置を提供することを、主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、
メインタンクから供給されたインクをサブタンクに貯え、該サブタンクからインクが供給される吐出ヘッドがインクを用紙に吐出することにより画像形成を行なう画像形成装置であって、
温度センサと、
湿度センサと、
該温度センサ及び湿度センサの出力値が記憶される記憶手段と、
該記憶手段に記憶された温度センサ及び湿度センサの出力値の履歴に基づいて、前記温度センサ及び湿度センサの出力値に対して遅延した推定温度及び推定湿度を算出する推定演算手段と、
前記温度センサ及び湿度センサの出力値、又は前記推定演算手段による演算結果を用いて、前記吐出ヘッドの吐出制御、及び/又は前記サブタンクへのインク供給制御を行なう制御手段と、を備え、
前記温度センサ、前記湿度センサ、及び前記記憶手段は、当該画像形成装置の主電源がオフの状態であっても作動可能であることを特徴とする、
画像形成装置である。
この本発明の第1の態様によれば、正確に推定された温度や湿度を使用することによって、より適切な制御を行なうことができる。
本発明の第1の態様において、
前記主電源がオフの状態のときに、当該画像形成装置の耐用期間を超えて使用可能な電池によって、前記温度センサ、前記湿度センサ、及び前記記憶手段に電力供給することを特徴とするものとしてもよい。
また、本発明の第1の態様において、
前記主電源がオフの状態のときに、前記主電源により充電可能な二次電池によって、前記温度センサ、前記湿度センサ、及び前記記憶手段に電力供給することを特徴とするものとしてもよい。
本発明の第2の態様は、
メインタンクから供給されたインクをサブタンクに貯え、該サブタンクからインクが供給される吐出ヘッドがインクを吐出することにより画像形成を行なう画像形成装置であって、
温度センサと、
湿度センサと、
該温度センサ及び湿度センサの出力値が記憶される記憶手段と、
該記憶手段に記憶された温度センサ及び湿度センサの出力値の履歴に基づいて、前記温度センサ及び湿度センサの出力値に対して遅延した推定温度及び推定湿度を算出する推定演算手段と、
前記温度センサ及び湿度センサの出力値、又は前記推定演算手段による演算結果を用いて前記記録ヘッドに関する制御を行なう制御手段と、
外部から温度及び湿度に関する情報を取得する情報取得手段と、を備え、
前記推定演算手段は、当該画像形成装置の主電源がオフの状態である期間については、前記記憶手段に記憶された温度センサ及び湿度センサの出力の履歴に代えて、前記情報取得手段により取得された温度及び湿度に関する情報を用いて前記推定温度及び推定湿度を算出することを特徴とする、
画像形成装置である。
この本発明の第2の態様によれば、正確に推定された温度や湿度を使用することによって、より適切な制御を行なうことができる。
本発明の第1又は第2の態様において、
前記制御手段は、例えば、少なくとも前記温度センサの出力値又は前記推定演算手段により算出された推定温度に基づいて前記吐出ヘッドの制御を行ない、少なくとも前記湿度センサの出力値又は前記推定演算手段により算出された推定湿度に基づいて前記サブタンクへのインク供給制御を行なう手段である。
本発明によれば、正確に推定された温度や湿度を使用することによって、より適切な制御を行なうことが可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明の第1実施例に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置100を前方から見た斜視図である。 インクジェット記録装置100の機構部の概要を示す側面図である。 インクジェット記録装置100の機構部の要部平面図である。 本実施例のインクジェット記録装置100が備える制御機構の構成を示す概略図である。 制御部200を中心とした機能ブロック図である。 推定温度T*の算出手法を説明するための説明図である。 従来の装置において生じうる問題を説明するための説明図である。 従来の装置において生じうる問題を説明するための他の説明図である。 インク供給制御の処理の流れを示すフローチャートである。 図9のフローチャートを実行した結果として生じるフィラー206の変位を模式的に示した図である。 インクジェット記録装置100の主電源がオフの状態とされてからオンの状態とされたタイミングまでに行われる電源投入時警報制御の処理の流れを示すフローチャートである。 制御部200を中心とした機能ブロック図の他の例である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
以下、図面を参照し、本発明の実施例である画像形成装置について説明する。
<第1実施例>
[基本構成]
図1は、本発明の第1実施例に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置100を前方から見た斜視図である。インクジェット記録装置100は、装置本体101と、装置本体101に装着された用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、を備える。また、装置本体101の前面の一端部側には、カートリッジ装填部104が設けられており、カートリッジ装填部104の上面には操作ボタンや表示器などの操作/表示部105が設けられている。カートリッジ装填部104には、色の異なる色材であるインク(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数のインクカートリッジ110(特許請求の範囲における「メインタンク」に相当する)を装填可能としている。また、操作/表示部105には、各色のインクカートリッジに対応した残量表示部や電源ボタン112、用紙送り/印刷再開ボタン113、キャンセルボタン114等が配置されている。
図2は、インクジェット記録装置100の機構部の概要を示す側面図であり、図3は、インクジェット記録装置100の機構部の要部平面図である。インクジェット記録装置100の機構部では、フレーム121を構成する左右の側板121A、121Bに横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132によりキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持している。そして、図示しない主走査モータによって、タイミングベルトを介してキャリッジ133をキャリッジ主走査方向に移動走査させる。
キャリッジ133には、上記4色のインク滴を吐出する4個の吐出ヘッドを有する記録ヘッド134が装着されている。吐出ヘッドがインクを液滴するための構成としては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等が採用される。記録ヘッド134には、後述する制御部200とハーネス(フレキシブルプリントケーブル)122を介して接続されたドライバICが搭載されている。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135が搭載されている。この各色のサブタンク135には、各色のインク供給チューブ136を介して、前述したように、カートリッジ装填部104に装着された各色のインクカートリッジ110から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填104にはインクカートリッジ110内のインクを送液するための供給ポンプユニット124が設けられ、またインク供給チューブ136は這い回しの途中でフレーム121を構成する後板121Cに係止部材125にて保持されている。
また、インクジェット記録装置100は、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として給紙コロ143、及び給紙コロ143側に付勢された分離パッド144を備える。そして、給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側に送り込むためのガイド部材145、カウンタローラ146、搬送ガイド部材147、先端加圧コロ149を有する押さえ部材148、給送された用紙142を静電吸着して記録ヘッド134に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト151を備える。搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ152とテンションローラ153との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回する。また、この搬送ベルト151の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156を備えている。帯電ローラ156は、搬送ベルト151の表層に接触し、搬送ベルト151の回動に従動して回転するように配置されている。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材157が配置されている。搬送ベルト151は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ152が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。また、インクジェット記録装置100は、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪161、排紙ローラ162、及び排紙コロ163を備え、排紙ローラ162の下方に排紙トレイ103を備えている。
更に、インクジェット記録装置100は、キャリッジ133の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド134のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構181を配置している。維持回復機構181は、記録ヘッド134の各ノズル面をキャピングするためのキャップ182a〜182d、ワイパーブレード183、空吐出受け184等を備えている。
このように構成したインクジェット記録装置100では、給紙トレイ102から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142はガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ146との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド137で案内されて先端加圧コロ149で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、後述する制御部のACバイアス供給部から帯電ローラ156に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように電圧が印加され、搬送ベルト151が交番する帯電電圧パターンで帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト151上に用紙142が給送されると、用紙142が搬送ベルト151に吸着され、搬送ベルト151の周回移動によって用紙142が副走査方向に搬送される。
そこで、リニアエンコーダ137による主走査位置情報に基づいてキャリッジ133を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次の行の記録を行う。そして、記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ133は維持回復機構181側に移動されて、キャップ182で記録ヘッド134がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ182で記録ヘッド134をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルからインクを吸引し、増粘したインクや気泡を排出する回復動作(パージ動作)を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド134の安定した吐出性能を維持する。
[特徴的な制御内容]
以下、本実施例のインクジェット記録装置100が備える制御部200による特徴的な記録ヘッド134の制御及びサブタンク135へのインク供給制御について説明する。図4は、係る制御機構の構成を示す概略図である。
インクジェット記録装置100の制御機構は、インクカートリッジ110からインクをサブタンク135に供給するための供給ポンプ203と、サブタンク135内のインクを吸引する吸引ポンプ204と、サブタンク135に収容するインク量に応じて動作するフィルム205に追随して動作するフィラー206と、複数のフィラー206の内の所定のフィラー206の位置を検出してフィラー206の開き量を検出する位置センサ207と、を備える。フィラー206は、バネ材等によって外側に付勢されており、取り付けられたフィルム205を外側に引き出すことによってサブタンク135の内部に負圧を発生させる。
また、インクジェット記録装置100は、吸引ポンプ204で吸引したインクを溜めておく廃液タンク209と、サブタンク135内の負圧状態を大気状態に開放する大気開放ピン210と、サブタンク135の近傍に設けられてサブタンク135の周辺温度を検出する温度センサ211と、サブタンク135の近傍に設けられてサブタンク135の周辺湿度を検出する湿度センサ212と、を備える。
制御部200は、例えばバスによって接続されたCPU、ROM、RAM等を有するマイクロコンピュータである。図5は、制御部200を中心とした機能ブロック図である。
制御部200は、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより機能する機能ブロックとして、推定演算部200A、吐出制御部200B、インク供給量制御部200C、電源投入時警報制御部200D等を備える。なお、これらの機能ブロックは、独立したプログラムによって実現される必要はなく、統合されたプログラムによって実現されてもよい。また、制御部200は、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置200Gを内蔵している。
制御部200に検出値を出力する温度センサ211、湿度センサ212、記憶装置200Gは、例えばそれぞれ内部電池211A、212A、200GAを内蔵し、インクジェット記録装置100の主電源がオフの状態であっても作動可能となっている。そして、温度センサ211及び湿度センサ212の出力値は、インクジェット記録装置100の主電源がオフの状態であるか否かに拘わらず、所定周期でサンプリングされて記憶装置200Gに格納される(主電源の状態に応じてサンプリング周期が異なってもよい)。
なお、内部電池211A、212A、200GAは、統合された一個又は二個のものであってもよい。これらの内部電池は、インクジェット記録装置100の耐用期間を超えて使用可能な電池であってもよいし、インクジェット記録装置100の主電源によって充電される二次電池であってもよい。
(推定演算)
推定演算部200Aは、記憶装置200Gに記憶された温度センサ211及び湿度センサ212の出力値T、Hの履歴に基づいて、温度センサ211及び湿度センサ212の出力値に対して遅延した推定温度T*及び推定湿度H*を算出する。この推定温度T*は、サブタンク135の内部のインクの温度を推定した遅延値であり、推定湿度H*は、湿度変化がフィルム205の弾力性に影響を与えるのに時間を要することを考慮し、フィルム205の弾性に影響を与えている実効値としての遅延値である。
外気温が上昇している過程では、サブタンク135の内部のインクの温度は外気温の上昇に追いつかず、外気温に比して低くなる。また、湿度が上昇している過程では、フィルム205が十分に吸湿して伸縮性が増加するのに時間がかかり、外気の湿度から算出される弾性とは異なる弾性を有することになる。温度や湿度の低下場面にはその逆の現象が生じる。従って、実際の温度変化や湿度変化に比して遅延した推定温度T*及び推定湿度H*を用いることにより、後述の吐出電圧制御、及びインク供給量制御をより適切に行なうことができるのである。
推定温度T*及び推定湿度H*の算出は、例えば以下のように行なうことができる。図6は、推定温度T*の算出手法を説明するための説明図である。まず、記憶装置200Gに記憶された温度センサ211の出力値Tの履歴に基づいて、温度センサ211の出力値Tとサブタンク135の内部のインクの温度が一致していると考えられる一致時点t0を発見する。この一致時点t0は、例えば温度変化が所定幅以内に収まる状態が所定時間以上継続している直近の期間を発見し、その直近の期間における最終時点を一致時点t0とする。
(A)温度変化が継続している場合は、一致時点t0から現在tに至るまでの温度センサ211の出力値の変化率αを求め(例えば直近の3点を抽出して求める)、一致時点における温度センサ211の出力値T0に、一致時点t0から現在tまでの時間(t−t0)に変化率α、及び所定の遅延係数β(0<β<1)を乗じた値を推定温度T*とする(次式(1)参照)。
T*=T0+(t−t0)×α×β …(1)。
(B)一方、一致時点t0から現在tに至るまでに、温度変化が終了している場合は(温度変化が所定幅以内に収まる状態がある程度継続している場合は)、例えば変化率α×βでサブタンク135の内部のインクの温度が上昇し続けている(但し、温度センサ211の出力値Tを上限とする)ものと仮定し、推定温度を算出する。
図T*=Max{T,T0+(t−t0)×α×β} …(2)。
推定湿度H*に関しても、同様の原理で算出することができる。なお、こうした手法はあくまで簡易な例であり、一致時点t0から現在tに至るまでに温度変化や湿度変化の方向が逆転した場合等に対しては、他のより複雑な手法を適用してよい。
ここで、温度センサ211及び湿度センサ212の出力値T、Hが、インクジェット記録装置100の主電源がオフの状態である期間にサンプリングされないと、以下のような問題が生じうる。図7は、従来の装置において生じうる問題を説明するための説明図である。図6では、インクジェット記録装置100の主電源がオフの状態とされると同時に装置が置かれた室内の空調装置(暖房)がオフの状態とされ、その後、空調装置がオンの状態とされてからインクジェット記録装置100の電源投入が行われた場面を想定している。この場合、図示するように、外気温が低下するよりもサブタンク135の内部のインクの温度は遅れて低下し、外気温が安定してからサブタンク135の内部のインクの温度が追いつくことになる。また、空調装置がオンの状態とされると、外気温が上昇するよりもサブタンク135の内部のインクの温度は遅れて上昇し、外気温が安定してからサブタンク135の内部のインクの温度が追いつくことになる。そして、サブタンク135の内部のインクの温度が外気温に追いついてからインクジェット記録装置100の電源投入が行われると特段の問題は生じないが、追いつくまでにインクジェット記録装置100の電源投入が行われた場合、それまでの温度変化の履歴がなければ、外気温とサブタンク135の内部のインクの温度が等しいものとして制御を行わざるを得ないことになる。この結果、乖離が大きければ、記録ヘッド134の吐出不良等の問題が生じうるのである。
また、図8は、従来の装置において生じうる問題を説明するための他の説明図である。本図では、図7と同様の場面を想定しており、湿度センサ212の出力値Hの変化に対して、フィルム205の弾性に影響を与えている実効値としての想定湿度が遅れる様子を示している。この場合も、実効値としての想定湿度が湿度センサ212の出力値Hに追いつくまでにインクジェット記録装置100の電源投入が行われた場合、それまでの湿度変化の履歴がなければ、実効値としての想定湿度と湿度センサ212の出力値Hが等しいものとして制御を行わざるを得ないことになる。この結果、乖離が大きければ、同様に記録ヘッド134の吐出不良等の問題が生じうる。
この点、本実施例のインクジェット記録装置100では、温度センサ211、湿度センサ212、記憶装置200Gが、インクジェット記録装置100の主電源がオフの状態であっても作動可能となっており、この期間においてもサンプリングデータが記憶されるため、当該主電源がオフの状態である期間における温度変化や湿度変化を把握可能となっている。従って、インクジェット記録装置100の電源投入時から、適切な制御目標値を設定することが可能となっている。この結果、正確に推定された温度や湿度を使用することによって、より適切な制御を行なうことができる。
(吐出制御)
吐出制御部200Bは、主に温度センサ211の出力値T又は推定演算部200Aによって算出された推定温度T*を用いて記録ヘッド134の吐出ヘッドに印加する電圧を調整する。一般にこの種の装置に用いられるインクは、低温になると粘性が高くなるため、低温になる程印加電圧を高くする傾向で制御が行われる。この他にも、印加電圧の波形や印加時間等を調整してもよい。
なお、温度センサ211の出力値Tを用いるのは、出力値Tと推定湿度T*の乖離が所定値以内である場合である。推定誤差等を考慮すると、実測値との乖離が十分に小さい場合にまで推定値を用いて制御を行なうのは余り適切でないからである。
また、吐出制御部200Bは、更に好ましくは、湿度センサ212の出力値H又は推定演算部200Aによって算出された推定湿度H*を加味して吐出電圧制御を行なうと好適である。この場合、吐出制御部200Bは、温度(実測値又は推定値)と湿度(実測値又は推定値)の二軸からなる平面上に吐出電圧がマッピングされたマップ(ROM等に予め記憶させておく)を用いて吐出電圧を導出する。
(インク供給制御)
インク供給量制御部200Cは、温度センサ211の出力値T又は推定演算部200Aによって算出された推定温度T*、及び湿度センサ212の出力値H又は推定演算部200Aによって算出された推定湿度H*を用いてサブタンク135のインク充填量を制御する。
図9は、インク供給制御の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、温度センサ211の出力値T又は推定演算部200Aによって算出された推定温度T*、及び湿度センサ212の出力値H又は推定演算部200Aによって算出された推定湿度H*を選択し(S300)、選択した温度及び/又は湿度が前回の大気開放充填時から所定量以上(例えば30[%]以上)変化したか否かを判定する(S302)。S300においてセンサ出力値と推定値のいずれを選択するかは、(吐出制御)と同様に、センサ出力値と推定値の乖離が所定値以内である場合にセンサ出力値を選択し、所定値を超える場合に推定値を選択する。
選択した温度及び/又は湿度が前回の大気開放充填時から所定量以上変化した場合は、サブタンク135の大気開放を行なうと共に所定量のインクをサブタンク135に補充し(S304)、フィラー206の位置を位置センサ207によって検出して「初期位置」とする(S306)。続いて、フィラー206の位置が「通常位置」に至るまでインクを排出する(ステップS308)。
ここで、「通常位置」とは、上記「初期位置」を基準とし、所定角度を差し引いた位置である。「初期位置」として検出されたフィラー206の位置は、湿度がフィルム205の弾性に影響を与えた結果によって変動する値であり、従って、「通常位置」も湿度に応じて変動する位置となる。換言すると、湿度の影響に応じて「通常位置」を可変位置としているのであり、こうすることによって、フィラー206が「通常位置」にあるときのサブタンク135内部の圧力が、湿度に影響されずに略一定に保たれることになる。従って、サブタンク135内部の圧力を所望の範囲でコントロールすることができ、インクを吐出する際の吐出量等を正確に制御することができることになる。
S304〜S308の処理を行った後、或いはS302において否定的な判定を得た場合は、位置センサ207の出力を参照してサブタンク135のインク排出量(「通常位置」からの変位によって算出する)が所定量以上となったか否かを判定する(S310)。サブタンク135のインク排出量が所定量未満である場合は、何も処理を行わずに本フローを終了する。
一方、サブタンク135のインク排出量が所定量以上である場合は、前述した「通常位置」に至るまでインクをサブタンク135に供給する(S312、S314、S316)。
図10は、図9のフローチャートを実行した結果として生じるフィラー206の変位を模式的に示した図である。図示するように、温度や湿度に大きい変化が生じた際には大気開放及びインク補充が行われて図中(1)の「初期位置」となる。次に、「初期位置」を基準とした図中(2)の「通常位置」となる。そして、以降は、インク排出量が所定量以上となった図中(3)の位置に至ると「通常位置」に戻すようにインク供給がなされる。なお、本図は、中央に仕切りを設け、その両側に異なる色のインクを貯える構成として例示した。
(電源投入時警報制御)
電源投入時警報制御部200Dは、温度センサ211の出力値T、又は推定演算部200Aによって算出された推定湿度T*を用いて、インクジェット記録装置100の電源投入時における警報制御を行なう。
図11は、インクジェット記録装置100の主電源がオフの状態とされてからオンの状態とされたタイミングまでに行われる電源投入時警報制御の処理の流れを示すフローチャートである。
インクジェット記録装置100の主電源がオフの状態とされると(S400)、前述のように、温度センサ211及び湿度センサ212の出力値は、継続して所定周期でサンプリングされて記憶装置200Gに格納される(S402)。また、内部時計のカウントが継続して行われる(S404)。内部時計のカウント値は、所定周期を計測するのに用いられる。
インクジェット記録装置100の主電源がオンの状態とされると(S406)、推定演算部200Aは、記憶装置200Gに記憶された温度センサ211及び湿度センサ212の出力値T、Hの履歴に基づいて、温度センサ211及び湿度センサ212の出力値に対して遅延した推定温度T*及び推定湿度H*を算出する(S408)。
そして、電源投入時警報制御部200Dは、温度センサ211の出力値T、又は推定温度T*を参照し(いずれを選択するかは前述の通りである)、電源投入時における環境が正常範囲内であるか否かを判定する(S410)。ここで、正常範囲とは、例えば−30[℃]〜43[℃]等、使用されるインクの特性に応じて予め決定されている。
電源投入時における環境が正常範囲内である場合は、何も処理を行わずに本フローを終了する。一方、電源投入時における環境が正常範囲外である場合は、ユーザに対する警報を行なうように、スピーカ、表示装置等を制御する(S412)。これによって、吐出不良やインク詰まり等を未然に防止することができる。
以上説明した本実施例のインクジェット記録装置200によれば、正確に推定された温度や湿度を使用することによって、より適切な制御を行なうことができる。
なお、制御部200は、上記説明した各種の制御の他に、温度及び/又は湿度の実測値又は推定値を用いてパージ頻度を調整する等、種々の制御を行なうことが可能である。
また、制御部200は、吐出制御、インク供給制御、電源投入時警報制御の全てを行なうのではなく、一部のみ行なうものとしてもよい。
[変形例]
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、温度センサ211、湿度センサ212、記憶装置200Gは、インクジェット記録装置100の主電源がオフの状態であっても作動可能なものではなく、外部から有線又は無線通信によって、インクジェット記録装置100の主電源がオフの期間における温度や湿度の情報を取得するものとしてもよい。この場合、インクジェット記録装置100は、図12に示すように、情報取得用インターフェース200Hを備える。情報取得用インターフェース200Hは、ケーブル、又は無線通信装置に接続され、インクジェット記録装置100と同じ空間内に設置された他の装置(PC等)から温度や湿度に関する情報を取得する。取得された情報は、記憶装置200Gに格納され、推定演算部200Aは、電源オンの期間にサンプリングされた情報を、情報取得用インターフェース200Hにより取得された情報で補完して推定演算を行なう。係る構成によっても、上記説明した実施例と同様の効果を奏することができる。
本発明は、インクジェット記録装置の製造産業等に利用可能である。
100 インクジェット記録装置
110 インクカートリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
200 制御部
200A 推定演算部
200B 吐出制御部
200C インク供給量制御部
200D 電源投入時警報制御部
200G 記憶装置
200H 情報取得用インターフェース
203 供給ポンプ
204 吸引ポンプ
205 フィルム
206 フィラー206
207 位置センサ
210 大気開放ピン
211 温度センサ
212 湿度センサ
200GA,211A、212A 内部電池
特開2009‐233329号公報

Claims (5)

  1. メインタンクから供給されたインクをサブタンクに貯え、該サブタンクからインクが供給される吐出ヘッドがインクを用紙に吐出することにより画像形成を行なう画像形成装置であって、
    温度センサと、
    湿度センサと、
    該温度センサ及び湿度センサの出力値が記憶される記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された温度センサ及び湿度センサの出力値の履歴に基づいて、前記温度センサ及び湿度センサの出力値に対して遅延した推定温度及び推定湿度を算出する推定演算手段と、
    前記温度センサ及び湿度センサの出力値、又は前記推定演算手段による演算結果を用いて、前記吐出ヘッドの吐出制御、及び/又は前記サブタンクへのインク供給制御を行なう制御手段と、を備え、
    前記温度センサ、前記湿度センサ、及び前記記憶手段は、当該画像形成装置の主電源がオフの状態であっても作動可能であることを特徴とする、
    画像形成装置。
  2. 前記主電源がオフの状態のときに、当該画像形成装置の耐用期間を超えて使用可能な電池によって、前記温度センサ、前記湿度センサ、及び前記記憶手段に電力供給することを特徴とする、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記主電源がオフの状態のときに、前記主電源により充電可能な二次電池によって、前記温度センサ、前記湿度センサ、及び前記記憶手段に電力供給することを特徴とする、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  4. メインタンクから供給されたインクをサブタンクに貯え、該サブタンクからインクが供給される吐出ヘッドがインクを吐出することにより画像形成を行なう画像形成装置であって、
    温度センサと、
    湿度センサと、
    該温度センサ及び湿度センサの出力値が記憶される記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された温度センサ及び湿度センサの出力値の履歴に基づいて、前記温度センサ及び湿度センサの出力値に対して遅延した推定温度及び推定湿度を算出する推定演算手段と、
    前記温度センサ及び湿度センサの出力値、又は前記推定演算手段による演算結果を用いて前記記録ヘッドに関する制御を行なう制御手段と、
    外部から温度及び湿度に関する情報を取得する情報取得手段と、を備え、
    前記推定演算手段は、当該画像形成装置の主電源がオフの状態である期間については、前記記憶手段に記憶された温度センサ及び湿度センサの出力の履歴に代えて、前記情報取得手段により取得された温度及び湿度に関する情報を用いて前記推定温度及び推定湿度を算出することを特徴とする、
    画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、少なくとも前記温度センサの出力値又は前記推定演算手段により算出された推定温度に基づいて前記吐出ヘッドの制御を行ない、少なくとも前記湿度センサの出力値又は前記推定演算手段により算出された推定湿度に基づいて前記サブタンクへのインク供給制御を行なう手段である、
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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