以下、図面を参照して、本発明にかかるカプセル型光源装置およびこれを用いた体内画像取得システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる体内画像取得システムの一構成例を示す模式図である。図1に示すように、この実施の形態1にかかる体内画像取得システムは、被検体1の体内画像を撮像するカプセル型医療装置2と、このカプセル型医療装置2の被写体を照明するカプセル型光源装置3と、カプセル型医療装置2が無線送信した被検体1の体内画像を受信する受信装置4と、被検体1の体内画像を表示する画像表示装置5と、受信装置4と画像表示装置5との間のデータの受け渡しを行うための記録媒体6とを備える。
カプセル型医療装置2は、撮像機能と無線通信機能とを備えたカプセル型の医療装置であり、被検体1の体内画像を撮像する。具体的には、カプセル型医療装置2は、経口摂取等によって被検体1の内部に導入され、その後、蠕動運動等によって被検体1の消化管内部を移動し、最終的に被検体1の外部に排出される。かかるカプセル型医療装置2は、被検体1内部に導入されてから被検体1外部に排出されるまでの期間、被検体1の体内画像を順次撮像し、得られた体内画像の画像信号を外部の受信装置4に順次無線送信する。
カプセル型光源装置3は、カプセル型医療装置2とは別体の光源装置であり、被検体1の臓器内部においてカプセル型医療装置2の被写体を照明する。具体的には、カプセル型光源装置3は、カプセル型医療装置2と同様に被検体1の内部に導入され、その後、蠕動運動等によって被検体1の消化管内部をカプセル型医療装置2とともに移動し、最終的に被検体1の外部に排出される。かかるカプセル型光源装置3は、被検体1内部に導入されてから被検体1外部に排出されるまでの期間、カプセル型医療装置2の被写体に対して照射する照明光の発光量を調整しつつ、カプセル型医療装置2の被写体を照明光によって照明する。
受信装置4は、被検体1内部のカプセル型医療装置2によって撮像された被検体1の体内画像群を受信するためのものである。具体的には、受信装置4は、被検体1の体表上に分散配置される複数の受信アンテナ4a〜4hを有し、この被検体1に携帯される。受信アンテナ4a〜4hは、被検体1内部のカプセル型医療装置2からの無線信号を捕捉する。受信装置4は、これら複数の受信アンテナ4a〜4hを介して被検体1内部のカプセル型医療装置2からの無線信号を受信し、その都度、受信した無線信号を画像信号に復調する。受信装置4は、かかる画像信号に基づいた画像データ、すなわち、カプセル型医療装置2が撮像した被検体1の体内画像を順次取得する。また、受信装置4には、記録媒体6が着脱可能に挿着される。受信装置4は、取得した被検体1の体内画像群を記録媒体6内に蓄積する。
なお、受信アンテナ4a〜4hは、被検体1に着用させるジャケットの所定位置に分散配置されてもよい。この場合、受信アンテナ4a〜4hは、被検体1がこのジャケットを着用することによって、被検体1の体表上に分散配置される。また、かかる受信装置4の受信アンテナは、被検体1の体表上に1以上配置されればよく、その配置数は、特に8つに限定されない。
画像表示装置5は、カプセル型医療装置2によって撮像された被検体1の体内画像等の各種情報を表示するワークステーションのような構成を有する。画像表示装置5は、受信装置4から取り外された記録媒体6を挿着され、この記録媒体6内に蓄積された被検体1の体内画像群等を取り込む。画像表示装置5は、医師または看護師等のユーザによる操作に対応して、この被検体1の体内画像群をディスプレイに表示する。また、画像表示装置5は、被検体1の体内画像を観察(検査)して被検体1を診断するための処理機能を有する。
記録媒体6は、可搬型の記録メディアであり、上述した受信装置4と画像表示装置5との間におけるデータの受け渡しを行うためのものである。具体的には、記録媒体6は、受信装置4および画像表示装置5に対して着脱可能であって、両者に対する挿着時にデータの出力および記録が可能な構造を有する。かかる記録媒体6は、受信装置4に挿着された場合、受信装置4が受信した被検体1の体内画像群等を蓄積し、画像表示装置5に挿着された場合、かかる被検体1の体内画像等の蓄積データを画像表示装置5に出力する。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2の構成について詳細に説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型医療装置の一構成例を示す模式図である。図2に示すように、この実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2は、被検体1の消化管内部に導入可能な大きさのカプセル型筐体20と、LED等によって実現される発光部21と、被検体1の体内画像を撮像する撮像部22と、撮像部22によって撮像された体内画像を外部に無線送信する送信ユニット23と、かかるカプセル型医療装置2の各構成部を制御する制御部24と、電池等によって実現される電源ユニット25とを備える。
カプセル型筐体20は、被検体1の消化管内部に導入可能な大きさに形成されたカプセル型の筐体であり、一端がドーム形状をなす筒状筐体20aの他端(開口端)をドーム状の光学筐体20bによって塞いで形成される。光学筐体20bは、所定の波長帯域の光(例えば可視光)に対して透明なドーム形状の筐体である。一方、筒状筐体20aは、可視光に対して略不透明な筐体である。かかる筒状筐体20aと光学筐体20bとによって形成されるカプセル型筐体20の内部には、発光部21、撮像部22、送信ユニット23、制御部24および電源ユニット25が液密状態に収容される。
発光部21は、1以上(望ましくは複数)のLED等を用いて実現され、制御部24の制御に基づいて、撮像部22が被検体1の体内画像を撮像する期間(すなわち露光期間)以外の非露光期間に予備発光を行う。かかる発光部21が予備発光によって発する光(以下、予備光という)は、制御部24によって光量調整され、光学筐体20b越しに撮像部22の撮像方向(図2に示す方向F1)に照射される。
撮像部22は、被検体1内部のカプセル型光源装置3によって照明された被写体の画像、すなわち被検体1の体内画像を撮像する。具体的には、撮像部22は、集光レンズ等の光学系22aと、CCDまたはCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子22bとを備える。光学系22aは、カプセル型光源装置3によって照明された被写体からの反射光を集光して、固体撮像素子22bの受光面に被写体の光学像を結像する。固体撮像素子22bは、例えばカプセル型筐体20の長手軸CL1の方向(長手軸方向)に平行な方向F1を撮像方向とし、この撮像方向と画角とによって規定される撮像範囲内の被写体の画像を撮像する。この場合、固体撮像素子22bは、光学系22aによって結像された被写体の光学像、すなわち被検体1の体内画像を撮像する。
送信ユニット23は、送信アンテナ23aを備え、この送信アンテナ23aを用いて被検体1外部の受信装置4(図1参照)に被検体1の体内画像を無線送信する。具体的には、送信ユニット23は、撮像部22が撮像した被検体1の体内画像を含む画像信号を取得し、その都度、取得した画像信号に対して所定の変調処理等を行って、被検体1の画像信号を含む無線信号を生成する。送信ユニット23は、送信アンテナ23aを介して、かかる無線信号を外部に順次送信する。かかる送信ユニット23によって送信された無線信号(すなわち被検体1の体内画像)は、複数の受信アンテナ4a〜4hを介して受信装置4に受信される。
制御部24は、カプセル型医療装置2の各構成部(発光部21、撮像部22、送信ユニット23)を制御し、且つ、かかる各構成部間における信号の入出力を制御する。具体的には、制御部24は、発光部21の予備発光動作タイミングおよび撮像部22の撮像動作タイミングを制御する。より具体的には、制御部24は、撮像部22の非露光期間に予備発光を行うように発光部21を制御し、カプセル型光源装置3が照明光を発光したタイミングに同期して被検体1の体内画像を撮像するように撮像部22を制御する。
また、制御部24は、信号処理部24a、輝度演算部24bおよび光量調整部24cを有する。信号処理部24aは、撮像部22の固体撮像素子22bによって光電変換された信号を取得し、この取得した信号に対して所定の信号処理を行って、被検体1の画像信号を生成する。なお、かかる信号処理部24aによって生成された画像信号は、撮像部22が撮像した被検体1の体内画像のデータ等を含む。制御部24は、かかる信号処理部24aが生成した被検体1の画像信号を送信ユニット23に順次送信し、かかる被検体1の画像信号(すなわち被検体1の体内画像)を外部に順次無線送信するように送信ユニット23を制御する。
輝度演算部24bは、撮像部22が被検体1の体内画像を撮像する都度、撮像された被検体1の体内画像を構成する画素群の輝度情報(例えば平均輝度値)を算出する。光量調整部24cは、かかる輝度演算部24bが算出した体内画像の輝度情報をもとに、発光部21の予備発光の発光量を調整する。具体的には、光量調整部24cは、かかる体内画像の輝度情報の増大に伴って発光部21の発光量を減少させ、かかる体内画像の輝度情報の減少に伴って増大させる。かかる光量調整部24cは、所定の調光範囲内において発光部21の発光量を調整する。制御部24は、かかる光量調整部24cが調整した発光量の予備光を撮像部22の非露光期間に予備発光するように発光部21を制御する。この場合、制御部24は、発光部21の発光時間または発光部21の通電量(電流値)を制御することによって、発光部21の発光量を制御する。
なお、光量調整部24cは、予め設定された初期輝度情報を有する。光量調整部24cは、撮像部22が1フレーム目の画像を撮像する以前において、この初期輝度情報をもとに発光部21の予備発光の発光量を調整する。
電源ユニット25は、スイッチ回路および電池(例えばボタン型電池)等を用いて実現される。電源ユニット25は、スイッチ回路によってオン状態に切り替わった際に、カプセル型医療装置2の各構成部(具体的には、発光部21、撮像部22、送信ユニット23および制御部24等)に電力を供給し、オフ状態に切り替わった際に、これら各構成部に対する電力供給を停止する。なお、かかる電源ユニット25のスイッチ回路(図示せず)は、外部から印加された外部磁界によってオンオフ状態を切り替える磁気スイッチであってもよいし、外部から入射した所定の光(例えば赤外光等)によってオンオフ状態を切り替える光スイッチであってもよい。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型光源装置3の構成について詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型光源装置の一構成例を示す模式図である。図3に示すように、この実施の形態1にかかるカプセル型光源装置3は、被検体1の消化管内部に導入可能な大きさのカプセル型筐体30と、カプセル型筐体30外部の光量を方向別に各々検出する複数の光検出部32a〜32dと、被検体1内部のカプセル型医療装置2の被写体を照明する複数の照明部33a〜33dと、かかるカプセル型光源装置3の各構成部を制御する光源制御部34と、電池等によって実現される電源ユニット35とを備える。
カプセル型筐体30は、被検体1の消化管内部に導入可能な大きさに形成されたカプセル型の筐体であり、上述したカプセル型医療装置2のカプセル型筐体20とは別体のものである。カプセル型筐体30は、筒状構造の筒状筐体30aの両端(開口端)をドーム状の光学筐体30b,30cによって塞いで形成される。光学筐体30b,30cは、所定の波長帯域の光(例えば可視光)に対して透明なドーム形状の筐体である。一方、筒状筐体30aは、可視光に対して略不透明な筐体であり、光検出部32c,32dおよび照明部33c,33dの各配置に対応して開口部(窓)が形成され、かかる各開口部に光学カバー31a,31bを有する。光学カバー31a,31bは、所定の波長帯域の光(例えば可視光)に対して透明なカバーである。かかる筒状筐体30aと光学筐体30b,30cとによって形成されるカプセル型筐体30の内部には、複数の光検出部32a〜32d、複数の照明部33a〜33d、光源制御部34および電源ユニット35が液密状態に収容される。
複数の光検出部32a〜32dは、カプセル型筐体30の外部であって互いに異なる方向の光量を各々検出する。具体的には、光検出部32a〜32dは、各々フォトダイオード等を用いて実現され、カプセル型筐体30の外部側であって互いに異なる方向に検出面を向ける態様でカプセル型筐体30の内部に各々固定配置される。光検出部32aは、照明部33aの照明方向(図3に示す方向F11)の光量を光学筐体30b越しに検出する。光検出部32bは、照明部33bの照明方向(図3に示す方向F12)の光量を光学筐体30c越しに検出する。光検出部32cは、照明部33cの照明方向(図3に示す方向F13)の光量を光学カバー31a越しに検出する。光検出部32dは、照明部33dの照明方向(図3に示す方向F14)の光量を光学カバー31b越しに検出する。かかる光検出部32a〜32dは、照明方向別の検出光量を示す光量検出結果として光検出信号を光源制御部34に送信する。
複数の照明部33a〜33dは、上述したカプセル型医療装置2の撮像部22の被写体である被検体1の臓器内部を照明するためのものである。具体的には、複数の照明部33a〜33dは、1以上(望ましくは複数)のLED等を用いて各々実現され、互いに異なる照明方向を有する。照明部33aの照明方向は、図3に示す方向F11であり、照明部33aは、この方向F11に照明光を照射して光学筐体30b越しに撮像部22の被写体を照明する。照明部33bの照明方向は、図3に示す方向F12であり、照明部33bは、この方向F12に照明光を照射して光学筐体30c越しに撮像部22の被写体を照明する。照明部33cの照明方向は、図3に示す方向F13であり、照明部33cは、この方向F13に照明光を照射して光学カバー31a越しに撮像部22の被写体を照明する。照明部33dの照明方向は、図3に示す方向F14であり、照明部33dは、この方向F14に照明光を照射して光学カバー31b越しに撮像部22の被写体を照明する。かかる照明部33a〜33dの発光量および発光動作タイミングは、光源制御部34によって制御される。また、かかる照明部33a〜33dの照明光は、連続光であってもよいが、照明光の消費電力の低減を実現するために、繰り返し出力されるパルス光であってもよい。
なお、照明部33aの照明方向である方向F11は、カプセル型筐体30の長手軸CL2の方向(長手軸方向)の一つであり、照明部33bの照明方向である方向F12は、この方向F11の反対方向(長手軸方向の一つ)である。また、照明部33cの照明方向である方向F13は、この長手軸CL2に対して垂直な方向、すなわちカプセル型筐体30の径方向の一つであり、照明部33dの照明方向である方向F14は、この方向F13の反対方向(カプセル型筐体30の径方向の一つ)である。
光源制御部34は、カプセル型光源装置3の各構成部(光検出部32a〜32dおよび照明部33a〜33d)の動作タイミング等を制御する。具体的には、光源制御部34は、上述したカプセル型医療装置2の発光部21が予備光を発光したタイミングにおいて照明部33a〜33dの各照明方向の光量を検出するように光検出部32a〜32dを制御する。光源制御部34は、カプセル型医療装置2の発光部21が予備光を発光する都度、かかる光検出部32a〜32dの各検出光量を取得する。
また、光源制御部34は、発光選択部34aおよび光量調整部34bを有する。発光選択部34aは、複数の照明部33a〜33dの中から照明光を発光させる照明部を選択する。具体的には、発光選択部34aは、上述した光検出部32a〜32dの各検出光量を取得し、取得した各検出光量(すなわち照明部33a〜33dの各照明方向の検出光量)を比較する。発光選択部34aは、かかる各検出光量の比較処理の結果、複数の照明部33a〜33dの中から、最も高い検出光量を検出した光検出部(光検出部32a〜32dのいずれか)に対応する照明部を選択する。光源制御部34は、かかる発光選択部34aによって選択された照明部(以下、選択照明部という場合がある)に照明光を発光させる。この場合、光源制御部34は、上述したカプセル型医療装置2の撮像部22の露光期間に照明光を発光するように選択照明部の発光動作タイミングを制御する。
光量調整部34bは、カプセル型医療装置2の撮像部22の被写体を照明する照明光の発光量を調整する。具体的には、光量調整部34bは、上述した光検出部32a〜32dの各検出光量の中から、発光選択部34aによって選択された照明部(選択照明部)に対応する光検出部の検出光量を抽出し、この抽出した検出光量をもとに選択照明部の発光量を調整する。この場合、光量調整部34bは、かかる検出光量の増大に伴って選択照明部の発光量を減少させ、かかる検出光量の減少に伴って選択照明部の発光量を増大させる。光源制御部34は、かかる光量調整部34bが調整した発光量の照明光を発光するように選択照明部を制御する。この場合、光源制御部34は、選択照明部の発光時間または選択照明部の通電量(電流値)を制御することによって、この選択照明部の発光量を制御する。なお、かかる光源制御部34は、光量調整部34bが調整した発光量の照明光をパルス光の態様で発光するように選択照明部を制御することが望ましい。これによって、照明光を発光する際のカプセル型光源装置3の消費電力を低減することができる。
電源ユニット35は、スイッチ回路および電池(例えばボタン型電池)等を用いて実現される。電源ユニット35は、スイッチ回路によってオン状態に切り替わった際に、カプセル型光源装置3の各構成部(光検出部32a〜32d、照明部33a〜33dおよび光源制御部34等)に電力を供給し、オフ状態に切り替わった際に、これら各構成部に対する電力供給を停止する。なお、かかる電源ユニット35のスイッチ回路(図示せず)は、外部から印加された外部磁界によってオンオフ状態を切り替える磁気スイッチであってもよいし、外部から入射した所定の光(例えば赤外光等)によってオンオフ状態を切り替える光スイッチであってもよい。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2およびカプセル型光源装置3の動作について説明する。図4は、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型医療装置およびカプセル型光源装置の各処理手順を例示するフローチャートである。以下では、まず、カプセル型医療装置2の動作を説明し、つぎに、カプセル型光源装置3の動作を説明する。
起動後のカプセル型医療装置2において、制御部24は、図4に示すように、発光部21の予備発光の発光量を調整する(ステップS101)。このステップS101において、輝度演算部24bは、撮像部22が前回撮像した前フレームの画像(例えば被検体1の体内画像)の輝度情報を算出する。光量調整部24cは、この輝度演算部24bが算出した輝度情報をもとに、発光部21の予備発光の発光量を決定する。なお、撮像部22が1フレーム目の画像を撮像する以前であれば、光量調整部24cは、上述した初期輝度情報をもとに発光部21の予備発光の発光量を調整する。
つぎに、制御部24は、ステップS101において調整した発光量の予備光を発光部21に発光させる(ステップS102)。この場合、制御部24は、発光部21の発光時間または発光部21の通電量を制御することによって、この発光部21の発光量を、ステップS101において光量調整部24cが調整した発光量に制御する。発光部21は、かかる制御部24の制御に基づいて、この調整された発光量の予備光を撮像部22の撮像方向(図2に示す方向F1)に発光する。
その後、制御部24は、発光部21に予備発光させてから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS103)。具体的には、制御部24は、上述したステップS102において発光部21に予備光を発光させたタイミングから計時処理を開始し、この発光部21の予備発光からの経過時間を計測する。制御部24は、この経過時間が所定時間に達していない場合、この発光部21の予備発光から所定時間が未だ経過していないと判断し(ステップS103,No)、このステップS103の処理手順を繰り返す。
一方、制御部24は、この発光部21の予備発光からの経過時間が所定時間に到達した場合、この発光部21の予備発光から所定時間が経過したと判断し(ステップS103,Yes)、被検体1の体内画像を撮像部22に撮像させる(ステップS104)。このステップS104において、制御部24は、ステップS102における発光部21の予備発光から所定時間が経過したタイミングにおいて撮像部22に体内画像の撮像動作を行わせる。かかる制御部24によって動作タイミングが制御された撮像部22は、カプセル型光源装置3が照明した被写体の画像、すなわち被検体1の体内画像を適切な露光状態で鮮明に撮像することができる。
つぎに、制御部24は、送信ユニット23に被検体1の体内画像を無線送信させ(ステップS105)、その後、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理手順を繰り返す。このステップS105において、信号処理部24aは、ステップS104において撮像部22が撮像した体内画像の画像信号を生成する。制御部24は、この信号処理部24aが生成した画像信号(被検体1の体内画像)を外部に無線送信するように送信ユニット23を制御する。かかる送信ユニット23によって無線送信された画像信号は、外部の受信装置4(図1参照)によって受信される。
かかるステップS101〜S105の処理手順を繰り返し行う制御部24は、図4に示すように、撮像部22のブランク期間T1にステップS101〜S103の処理手順を行い、撮像部22の露光期間T2にステップS104の処理手順を行い、体内画像の送信期間T3にステップS105の処理手順を行う。なお、ブランク期間T1は、撮像部22が撮像動作を行う前の非露光期間である。送信期間T3は、撮像部22が撮像動作を行った後の非露光期間であって、送信ユニット23が体内画像を無線送信する期間である。
つぎに、カプセル型光源装置3の動作を説明する。起動後に被検体1の内部に導入されたカプセル型光源装置3において、光源制御部34は、図4に示すように、照明部33a〜33dの各照明方向の光量を光検出部32a〜32dに検出させる(ステップS201)。
このステップS201において、光源制御部34は、照明部33aの照明方向(図3に示す方向F11)の光量を検出するように光検出部32aを制御して光検出部32aの検出光量を取得し、照明部33bの照明方向(図3に示す方向F12)の光量を検出するように光検出部32bを制御して光検出部32bの検出光量を取得する。また、光源制御部34は、照明部33cの照明方向(図3に示す方向F13)の光量を検出するように光検出部32cを制御して光検出部32cの検出光量を取得し、照明部33dの照明方向(図3に示す方向F14)の光量を検出するように光検出部32dを制御して光検出部32dの検出光量を取得する。
ここで、このステップS201において、被検体1内部のカプセル型医療装置2の発光部21は、上述したステップS102の予備発光によって予備光を発光している。すなわち、このステップS201において、光検出部32a〜32dは、照明部33a〜33dの各照明方向における発光部21の予備光の光量を検出する。光源制御部34は、かかる光検出部32a〜32dの各検出光量として、照明部33a〜33dの各照明方向における発光部21の予備発光量を取得する。
つぎに、光源制御部34は、ステップS201において検出した各照明方向の検出光量をもとに、照明光を発光させる照明部(選択照明部)を選択する(ステップS202)。このステップS202において、発光選択部34aは、光検出部32a〜32dの各検出光量を比較し、これら各検出光量のうちの最も高い検出光量を検出した光検出部(光検出部32a〜32dのいずれか)に対応する照明部を複数の照明部33a〜33dの中から選択する。
続いて、光源制御部34は、ステップS202において照明部33a〜33dの中から選択した選択照明部の発光量を調整する(ステップS203)。このステップS203において、光量調整部34bは、光検出部32a〜32dの各検出光量の中から、この選択照明部に対応する光検出部の検出光量を抽出し、この抽出した検出光量をもとに、この選択照明部の発光量を決定する。具体的には、光量調整部34bは、ステップS202において発光選択部34aが照明部33aを選択した場合、この照明部33aに対応する光検出部32aの検出光量をもとに照明部33aの発光量を調整し、ステップS202において発光選択部34aが照明部33bを選択した場合、この照明部33bに対応する光検出部32bの検出光量をもとに照明部33bの発光量を調整する。また、光量調整部34bは、ステップS202において発光選択部34aが照明部33cを選択した場合、この照明部33cに対応する光検出部32cの検出光量をもとに照明部33cの発光量を調整し、ステップS202において発光選択部34aが照明部33dを選択した場合、この照明部33dに対応する光検出部32dの検出光量をもとに照明部33dの発光量を調整する。
その後、光源制御部34は、光検出部32a〜32dが発光部21の予備発光量を検出してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS204)。具体的には、光源制御部34は、上述したステップS201において光検出部32a〜32dが発光部21の予備光の光量を検出したタイミングから計時処理を開始し、この予備光の光量検出からの経過時間を計測する。光源制御部34は、この経過時間が所定時間に達していない場合、この予備光の光量検出から所定時間が未だ経過していないと判断し(ステップS204,No)、このステップS204の処理手順を繰り返す。
一方、光源制御部34は、この予備光の光量検出からの経過時間が所定時間に到達した場合、この予備光の光量検出から所定時間が経過したと判断し(ステップS204,Yes)、上述したステップS202において発光選択部34aが選択した選択照明部に照明光を発光させる(ステップS205)。その後、光源制御部34は、上述したステップS201に戻り、このステップS201以降の処理手順を繰り返す。
このステップS205において、光源制御部34は、この選択照明部の発光時間または通電量を制御することによって、この選択照明部の発光量を、上述したステップS203において光量調整部34bが調整した発光量に制御する。また、光源制御部34は、上述したステップS201における予備光の光量検出から所定時間が経過したタイミングにおいて選択照明部に照明光を発光させることによって、この選択照明部の発光動作タイミングとカプセル型医療装置2の撮像部22の撮像動作タイミングとを同期させる。かかる光源制御部34によって動作タイミングが制御された選択照明部は、撮像部22の露光期間T2において、被検体1の体内画像の撮像に適した光量の照明光を撮像部22の被写体に照射して、この撮像部22の被写体(被検体1の臓器内部)を適切に照明する。
かかるステップS201〜S205の処理手順を繰り返し行う光源制御部34は、図4に示すように、撮像部22のブランク期間T1にステップS201〜S204の処理手順を行い、撮像部22の露光期間T2にステップS205の処理手順を行う。
つぎに、被検体1の胃内部にカプセル型医療装置2およびカプセル型光源装置3が導入された場合を例示して、カプセル型医療装置2およびカプセル型光源装置3の動作を具体的に説明する。図5は、実施の形態1にかかるカプセル型光源装置によって照明された胃内部の体内画像をカプセル型医療装置が撮像する状態を例示する模式図である。
図5に示すように、被検体1の胃内部に導入されたカプセル型医療装置2は、この胃内部における位置P1に到達し、撮像部22の撮像範囲B1内に胃内壁部Wを捕捉する。かかる状態のカプセル型医療装置2において、制御部24は、発光部21の発光量を調整しつつ、発光部21に予備光L1を発光させる。かかる発光部21が発光した予備光L1は、撮像部22の撮像範囲B1内に照射され、例えば撮像範囲B1内の胃内壁部Wを反射してカプセル型光源装置3に到達する。
一方、カプセル型光源装置3は、カプセル型医療装置2と同様に被検体1の胃内部に導入され、その後、このカプセル型医療装置2の発光部21が予備発光した予備光L1を受光する。かかる状態のカプセル型光源装置3において、光源制御部34は、光検出部32a〜32dの各検出光量を取得する。ここで、かかる光検出部32a〜32dの各検出光量は、上述した照明部33a〜33dの各照明方向における予備光L1の光量である。この予備光L1は、主に胃内壁部Wを反射してカプセル型光源装置3に入射する。このため、かかる光検出部32a〜32dの各検出光量うち、胃内壁部W側に受光面を向ける態様の光検出部32aの検出光量が、最も高い値になる。光源制御部34は、かかる検出光量が最も高い光検出部32aに対応する照明部33aを選択する。かかる光源制御部34は、この光検出部32aの検出光量に応じて照明部33aの発光量を調整しつつ、この照明部33aの発光動作タイミングを制御する。照明部33aは、かかる光源制御部34の制御に基づいて、カプセル型医療装置2の撮像部22の露光期間において、照明範囲A1内に照明光を発光する。かかる照明部33aによって発光された照明光は、光源制御部34によって調整された光量を有し、この撮像部22の被写体である胃内壁部Wを撮像に適した状態に照明する。
かかるカプセル型光源装置3の照明部33aによって胃内壁部Wが照明された期間、カプセル型医療装置2においては、制御部24が撮像部22の撮像動作タイミングを制御し、これによって、照明部33aによる胃内壁部Wの照明期間と撮像部22の露光期間とが同期する。この結果、撮像部22は、かかる照明部33aによって照明された胃内壁部Wの体内画像を適切な露光状態で撮像できる。
ここで、被検体1の胃内部のカプセル型医療装置2が上述した位置P1に比して胃内壁部Wから遠くに離れた位置P2に存在する場合、カプセル型光源装置3の光検出部32aが検出する予備光L1の検出光量は、カプセル型医療装置2が位置P1に存在する場合に比して減少する。この場合、カプセル型光源装置3の光源制御部34は、かかる光検出部32aの検出光量の減少に伴って照明部33aの発光量を増大させ、より高い発光量の照明光を照明部33aに発光させる。これによって、カプセル型医療装置2の撮像部22は、胃内壁部Wからの離間距離によらず、被写体から撮像に適した光量の反射光を受光でき、この結果、胃内壁部Wからの離間距離が増大した場合であっても、撮像に適した露光状態で胃内壁部Wの体内画像を撮像できる。
一方、カプセル型医療装置2が上述した位置P1の場合に比して胃内壁部Wに近付いた場合、光検出部32aが検出する予備光L1の検出光量は、カプセル型医療装置2が位置P1に存在する場合に比して増大する。この場合、カプセル型光源装置3の光源制御部34は、かかる光検出部32aの検出光量の増大に伴って照明部33aの発光量を減少させ、より弱い発光量の照明光を照明部33aに発光させる。この結果、撮像部22は、胃内壁部Wからの離間距離が減少した場合であっても、撮像に適した露光状態で胃内壁部Wの体内画像を撮像できる。
つぎに、カプセル型医療装置2の撮像部22がカプセル型光源装置3の照明部33a側を向く場合を例示して、カプセル型医療装置2の撮像停止動作を具体的に説明する。図6は、カプセル型医療装置の撮像部がカプセル型光源装置の照明部側を向いた状態を例示する模式図である。
図6に示すように、被検体1の胃内部においてカプセル型医療装置2の撮像部22がカプセル型光源装置3の照明部33a側を向いた場合、この撮像部22は、照明部33aが照明範囲A1内に発光した照明光を受光しつつ、胃内壁部Wの体内画像を撮像する。この場合、かかる撮像部22が撮像した体内画像を構成する画素群内には、この照明部33aの照明光に対応して、上述した設定閾値(輝度上限値)を超過する輝度値の部分画素群(輝点)が発生する。制御部24は、かかる輝点が体内画像内に存在する場合、この体内画像を撮像してから所定の期間が経過するまで、撮像部22の撮像動作を停止する。
ここで、このように撮像部22が撮像動作を停止している期間、カプセル型医療装置2およびカプセル型光源装置3の少なくとも一方は、蠕動運動等によって移動または回転し、これによって、撮像部22の撮像方向と照明部33aの照明方向とが相対的に変化する。この結果、カプセル型光源装置3は、撮像部22の撮像範囲B1外の位置に回避するようになる。この状態において、カプセル型医療装置2は、上述した発光部21による予備発光動作から撮像部22による体内画像の撮像動作に至る一連の動作を再開し、カプセル型光源装置3は、かかるカプセル型医療装置2の一連の動作に合わせて被検体1内部を照明する。このようにして、カプセル型医療装置2は、カプセル型光源装置3によって照明された被写体の画像(被検体1の体内画像)の撮像を再開する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態1では、発光部および撮像部等を備えたカプセル型医療装置に対して別体のカプセル型筐体の内部に、照明光を発光する照明部と、光量を検出する光検出部と、照明部および光検出部を制御する光源制御部とを備え、被検体内部のカプセル型医療装置が発光部によって予備光を発光した際、光検出部が、この照明部の照明方向における予備光の光量を検出し、光源制御部が、この予備光の検出光量に応じて照明光の発光量を調整しつつ撮像部の露光期間に照明光を発光するように照明部を制御し、照明部が、この調整された発光量の照明光を撮像部の被写体に照射してこの被写体を照明するように構成した。このため、カプセル型医療装置の小型化および省電力化を促進できるとともに、撮像部の露光状態に合わせて照明光の発光量の過剰および不足を抑制できる。これによって、照明光の発光電力を省電力化できるとともに、たとえ胃等の比較的広い空間の臓器内部であっても、被検体の体内画像の撮像に適した光量に被写体の照明光量を調整可能なカプセル型光源装置およびこれを用いた体内画像取得システムを実現することができる。
本発明にかかる体内画像取得システムにおいて、カプセル型医療装置は、かかるカプセル型光源装置が撮像部の被写体(被検体の臓器内部)を照明することによって、ハレーション等を発生させることなく、撮像に適した露光状態で被検体の体内画像を順次撮像することができる。
また、本発明の実施の形態1では、かかる照明部を複数配置するとともに、これら複数の照明部に対応して光検出部を複数配置し、複数の光検出部が、複数の照明部の各照明方向における予備光の光量を各々検出し、光源制御部が、これら複数の光検出部の各検出光量をもとに、これら複数の照明部の中から照明光を発光させる照明部(選択照明部)を選択し、この選択照明部に対応する光検出部の検出光量に応じて照明光の発光量を調整しつつ撮像部の露光期間に照明光を発光するように選択照明部を制御し、選択照明部が、この調整された発光量の照明光を撮像部の被写体に照射してこの被写体を照明するように構成した。このため、複数の照明部の中から撮像部の被写体側に照明範囲(照明方向)を向ける照明部を選択することができ、これによって、適切に調整された光量の照明光によって撮像部の被写体を照明できる可能性を一層高めることができる。
さらに、本発明の実施の形態1では、撮像部が撮像した前フレームの体内画像の輝度情報が所定の設定閾値(例えば輝度上限値)を超過する場合に、撮像部の撮像動作を所定期間停止するように構成した。このため、撮像部の撮像動作を停止している期間にカプセル型医療装置とカプセル型光源装置との相対位置および相対方向の少なくとも一方を変化させて、撮像部の撮像範囲外の位置にカプセル型光源装置を回避させることができ、これによって、過剰な輝度値の画素群を含む体内画像を撮像する可能性を低減することができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、複数の照明部33a〜33dの中から照明光を発光させる照明部を選択していたが、この実施の形態2では、光検出部32a〜32dの各検出光量に応じて照明部33a〜33dの各発光量を各々調整し、この調整した各発光量の照明光を照明部33a〜33dに各々発光させるようにしている。
図7は、本発明の実施の形態2にかかるカプセル型光源装置の一構成例を示す模式図である。図7に示すように、この実施の形態2にかかるカプセル型光源装置41は、上述した実施の形態1にかかるカプセル型光源装置3の光源制御部34に代えて光源制御部44を備える。なお、この実施の形態2にかかる体内画像取得システムは、上述した実施の形態1にかかる体内画像取得システム(図1参照)のカプセル型光源装置3に代えてカプセル型光源装置41を備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
光源制御部44は、上述した実施の形態1に例示したように複数の照明部33a〜33dの中から選択照明部を選択する代わりに、複数の光検出部32a〜32dの各検出光量に応じて複数の照明部33a〜33dの各発光量を各々調整する。具体的には、光源制御部44は、実施の形態1にかかるカプセル型光源装置3の光量調整部34bに代えて光量調整部44bを備え、上述した発光選択部34aを備えていない。
光量調整部44bは、複数の光検出部32a〜32dの各検出光量を取得し、この取得した各検出光量に応じて複数の照明部33a〜33dの各発光量(撮像部22の被写体の照明光量)を調整する。具体的には、光量調整部44bは、光検出部32aの検出光量をもとに照明部33aの発光量を調整し、光検出部32bの検出光量をもとに照明部33bの発光量を調整する。また、光量調整部44bは、光検出部32cの検出光量をもとに照明部33cの発光量を調整し、光検出部32dの検出光量をもとに照明部33dの発光量を調整する。より具体的には、光量調整部44bは、光検出部32aの検出光量の増大に伴って照明部33aの発光量を減少させ、光検出部32aの検出光量の減少に伴って照明部33aの発光量を増大させる。光量調整部44bは、光検出部32bの検出光量の増大に伴って照明部33bの発光量を減少させ、光検出部32bの検出光量の減少に伴って照明部33bの発光量を増大させる。光量調整部44bは、光検出部32cの検出光量の増大に伴って照明部33cの発光量を減少させ、光検出部32cの検出光量の減少に伴って照明部33cの発光量を増大させる。光量調整部44bは、光検出部32dの検出光量の増大に伴って照明部33dの発光量を減少させ、光検出部32dの検出光量の減少に伴って照明部33dの発光量を増大させる。
ここで、光量調整部44bは、かかる検出光量が予め設定された設定光量範囲外である場合、照明光の発光量を零値に調整する。具体的には、光量調整部44bは、光検出部32aの検出光量が設定光量範囲外である場合、照明部33aの発光量を零値に調整し、光検出部32bの検出光量が設定光量範囲外である場合、照明部33bの発光量を零値に調整する。また、光量調整部44bは、光検出部32cの検出光量が設定光量範囲外である場合、照明部33cの発光量を零値に調整し、光検出部32dの検出光量が設定光量範囲外である場合、照明部33dの発光量を零値に調整する。
光源制御部44は、上述した撮像部22の露光期間に、かかる光量調整部44bが調整した発光量の照明光を発光するように照明部33a〜33dを制御する。この場合、光源制御部44は、照明部33a〜33dの各発光時間または各通電量(電流値)を各々制御することによって、照明部33a〜33dの各発光量を制御する。また、光源制御部44は、照明部33a〜33dのうち、光量調整部44bによって発光量を零値に調整された1以上の照明部の発光動作を停止する。かかる光源制御部44は、光量調整部44bが調整した発光量の照明光をパルス光の態様で発光するように照明部33a〜33dを制御することが望ましい。これによって、照明光を発光する際のカプセル型光源装置41の消費電力を低減することができる。なお、光源制御部44は、かかる照明部33a〜33dの各発光量の調整機能および各発光動作の制御機能以外、上述した実施の形態1にかかるカプセル型光源装置3の光源制御部34と同様の機能を有する。
つぎに、本発明の実施の形態2にかかるカプセル型光源装置41の動作について説明する。図8は、本発明の実施の形態2にかかるカプセル型医療装置およびカプセル型光源装置の各処理手順を例示するフローチャートである。なお、この実施の形態2にかかる体内画像取得システムにおいて、カプセル型医療装置2は、図8に示すように、上述した実施の形態1の場合と同様の処理手順(ステップS101〜S105)を繰り返す。以下では、図8を参照しつつ、カプセル型光源装置41の動作を説明する。
起動後に被検体1の内部に導入されたカプセル型光源装置41において、光源制御部44は、図8に示すように、照明部33a〜33dの各照明方向の光量を光検出部32a〜32dに検出させる(ステップS301)。このステップS301において、光源制御部44は、図4に示したステップS201と同様に、光検出部32a〜32dの各検出光量、すなわち照明部33a〜33dの各照明方向における予備光の光量を取得する。
つぎに、光源制御部44は、ステップS301において検出した各照明方向の検出光量をもとに、照明部33a〜33dの各発光量を調整する(ステップS302)。このステップS302において、光量調整部44bは、光検出部32aの検出光量に対応して照明部33aの発光量を調整し、光検出部32bの検出光量に対応して照明部33bの発光量を調整する。また、光量調整部44bは、光検出部32cの検出光量に対応して照明部33cの発光量を調整し、光検出部32dの検出光量に対応して照明部33dの発光量を調整する。かかる光量調整部44の処理によって、照明部33a〜33dの各発光量は、零値から最大発光値(フル発光量)までのいずれかの発光量に設定される。
その後、光源制御部44は、図4に示したステップS204と同様に、光検出部32a〜32dが発光部21の予備発光量を検出してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS303)。このステップS303において、光源制御部44は、所定時間が未だ経過していない場合(ステップS303,No)、このステップS303の処理手順を繰り返す。一方、光源制御部44は、所定時間が経過した場合(ステップS303,Yes)、ステップS302において調整した各発光量の照明光を照明部33a〜33dに各々発光させる(ステップS304)。その後、光源制御部44は、上述したステップS301に戻り、このステップS301以降の処理手順を繰り返す。
このステップS304において、光源制御部44は、照明部33a〜33dの各発光時間または各通電量を制御することによって、照明部33a〜33dの各発光量を、上述したステップS302において光量調整部44bが調整した発光量に制御する。また、光源制御部44は、上述したステップS301における予備光の光量検出から所定時間が経過したタイミングにおいて照明部33a〜33d(発光量を零値に調整された照明部以外)に照明光を発光させることによって、この照明部33a〜33dの発光動作タイミングとカプセル型医療装置2の撮像部22の撮像動作タイミングとを同期させる。かかる光源制御部44によって動作タイミングが制御された照明部33a〜33d(発光量を零値に調整された照明部以外)は、撮像部22の露光期間T2において、被検体1の体内画像の撮像に適した光量の照明光を撮像部22の被写体に照射して、この撮像部22の被写体(被検体1の臓器内部)を適切に照明する。
かかるステップS301〜S304の処理手順を繰り返し行う光源制御部44は、図8に示すように、撮像部22のブランク期間T1にステップS301〜S303の処理手順を行い、撮像部22の露光期間T2にステップS304の処理手順を行う。
つぎに、被検体1の胃内部にカプセル型医療装置2およびカプセル型光源装置41が導入された場合を例示して、カプセル型光源装置41の動作を具体的に説明する。図9は、実施の形態2にかかるカプセル型光源装置によって照明された胃内部の体内画像をカプセル型医療装置が撮像する状態を例示する模式図である。
図9に示すように、被検体1の胃内部に導入されたカプセル型光源装置41は、この胃内部のカプセル型医療装置2の発光部21が予備発光した予備光L1を受光する。かかる状態のカプセル型光源装置41において、光源制御部44は、光検出部32a〜32dの各検出光量、すなわち照明部33a〜33dの各照明方向における予備光L1の光量を取得する。
ここで、かかる光検出部32a〜32dのうち、光検出部32a,32dは、撮像部22の被写体である胃内壁部W側に受光面を向ける態様であるため、この胃内壁部Wを反射した予備光L1を受光する。このため、かかる光検出部32a,32dの各検出光量は、光源制御部44の設定光量範囲内の値である。一方、光検出部32b,32cは、この胃内壁部W側に受光面を向けておらず、且つ撮像部22の撮像範囲B1外に位置する。このため、予備光L1は、かかる光検出部32b,32cの各受光面に殆ど入射せず、この結果、かかる光検出部32b,32cの各検出光量は、光源制御部44の設定光量範囲外の値(詳細には下限値未満)である。
光源制御部44は、かかる設定光量範囲内の光量である光検出部32aの検出光量に応じて照明部33aの発光量を調整しつつ照明部33aの発光動作タイミングを制御し、これと同時に、かかる設定光量範囲内の光量である光検出部32dの検出光量に応じて照明部33dの発光量を調整しつつ照明部33dの発光動作タイミングを制御する。この場合、照明部33a,33dは、かかる光源制御部44の制御に基づいて、カプセル型医療装置2の撮像部22の露光期間において同時に、照明範囲A1,A2内に照明光を各々発光する。かかる照明部33a,33dによって発光された各照明光は、光源制御部44によって調整された光量を有し、より確実に、この撮像部22の被写体である胃内壁部Wを撮像に適した状態に照明する。
一方、光源制御部44は、かかる光検出部32b,32cの各検出光量が設定光量範囲外であることに基づいて、かかる光検出部32b,32cに対応する照明部33b,33cの発光量を零値に制御して照明部33b,33cの各発光動作を停止する。これによって、光源制御部44は、照明部33a〜33dのうち、撮像部22の被写体の照明に寄与しない照明部33b,33cの発光動作を停止することができ、この結果、撮像部22の被写体を照明する際のカプセル型光源装置41の電力消費を低減することができる。
なお、上述した図6に示したように、カプセル型医療装置2の撮像部22が照明部33a側を向いた場合、この照明部33aに対応する光検出部32aは、予備光L1を直接受光する可能性がある。この場合、かかる光検出部32aの検出光量は、上述した設定光量範囲外の光量(詳細には、上限値を超過する光量)になる。光源制御部44は、このように光検出部32aの検出光量が設定光量範囲外の光量である場合、この光検出部32aに対応する照明部33a、すなわち撮像部22側に照明方向(照射範囲A1)を向けた態様の照明部33aの発光動作を停止する。この結果、撮像部22が撮像する体内画像にハレーションが発生する事態を確実に防止することができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態2では、複数の光検出部が、複数の照明部の各照明方向における予備光の光量を各々検出し、光源制御部が、これら複数の光検出部の各検出光量に対応して複数の照明部の各発光量を調整しつつ撮像部の露光期間に照明光を発光するように複数の照明部を制御し、複数の照明部が、各検出光量に対応して調整された各発光量の照明光を撮像部の被写体に照射してこの被写体を照明するようにし、その他を実施の形態1と同様に構成した。このため、上述した実施の形態1の作用効果を享受するとともに、より確実に、撮像部の被写体である臓器内部を撮像に適した状態に照明可能なカプセル型光源装置およびこれを用いた体内画像取得システムを実現することができる。
また、複数の光検出部の各検出光量の光量範囲を予め設定し、これら複数の光検出部ののうち、この設定光量範囲外の検出光量を検出した1以上の光検出部に対応する1以上の照明部の発光量を零値に調整するように構成したので、撮像部の被写体の照明に寄与しない照明部の発光動作を確実に停止することができる。これによって、この結果、撮像部の被写体を照明する際の当該カプセル型光源装置の電力消費を低減できるとともに、撮像部が撮像する体内画像にハレーションが発生する事態を確実に防止することができる。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1では、カプセル型光源装置3によって撮像部22の被写体を照明していたが、この実施の形態3では、さらに、カプセル型医療装置の発光部からも被写体に照明光を照射するようにしている。
図10は、本発明の実施の形態3にかかるカプセル型医療装置の一構成例を示す模式図である。図10に示すように、この実施の形態3にかかるカプセル型医療装置51は、上述した実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2の制御部24に代えて制御部54を備える。このカプセル型医療装置51において、発光部21は、上述した予備発光動作と、撮像部22の被写体を照明する照明光を発光する本発光動作とを行う。なお、この実施の形態3にかかる体内画像取得システムは、上述した実施の形態1にかかる体内画像取得システム(図1参照)のカプセル型医療装置2に代えてカプセル型医療装置51を備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
制御部54は、上述した実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2の光量調整部24cに代えて光量調整部54cを備える。光量調整部54cは、上述した光量調整部24cと同様に、輝度演算部24bが算出した体内画像の輝度情報をもとに発光部21の予備発光の発光量を調整し、さらに、撮像部22の露光期間に発光部21が発光する照明光の発光量を調整する。かかる光量調整部54cは、予め設定された発光量情報を有し、この発光量情報をもとに発光部21の照明光の発光量を調整する。制御部54は、カプセル型光源装置3が照明光を発光したタイミングに同期して、この調整した発光量の照明光を発光するように発光部21の本発光動作タイミングを制御する。この場合、制御部54は、本発光動作時における発光部21の発光時間または発光部21の通電量(電流値)を制御することによって、発光部21の照明光の発光量を制御する。ここで、制御部54は、光量調整部54cが調整した発光量の照明光をパルス光の態様で発光するように発光部21を制御することが望ましい。これによって、照明光を発光する際のカプセル型医療装置51の消費電力を低減することができる。なお、制御部54は、かかる発光部21の照明光の発光量および本発光動作タイミングの制御以外、上述した実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2の制御部24と同様の機能を有する。
つぎに、本発明の実施の形態3にかかるカプセル型医療装置51の動作について説明する。図11は、本発明の実施の形態3にかかるカプセル型医療装置およびカプセル型光源装置の各処理手順を例示するフローチャートである。なお、この実施の形態3にかかる体内画像取得システムにおいて、カプセル型光源装置3は、図11に示すように、上述した実施の形態1の場合と同様の処理手順(ステップS201〜S205)を繰り返す。以下では、図11を参照しつつ、カプセル型医療装置51の動作を説明する。
起動後のカプセル型医療装置51において、制御部54は、図11に示すように、発光部21の予備発光の発光量を調整する(ステップS401)。このステップS401において、制御部54は、図4に示したステップS101と同様に、発光部21の予備発光の発光量を決定する。
つぎに、制御部54は、図4に示したステップS102,S103と同様に、ステップS401において調整した発光量の予備光を発光部21に発光させ(ステップS402)、その後、発光部21に予備発光させてから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS403)。
このステップS403において、制御部54は、所定時間が未だ経過していない場合(ステップS403,No)、このステップS403の処理手順を繰り返す。一方、制御部54は、所定時間が経過した場合(ステップS403,Yes)、発光部21に照明光を発光させるとともに、被検体1の体内画像を撮像部22に撮像させる(ステップS404)。この場合、制御部54は、ステップS402における発光部21の予備発光から所定時間が経過したタイミングにおいて、上述した光量調整部54cが調整した発光量の照明光を発光する本発光動作を発光部21に行わせるとともに、撮像部22に体内画像の撮像動作を行わせる。かかる制御部54によって動作タイミングが制御された撮像部22は、カプセル型光源装置3の照明光および発光部21の照明光の少なくとも一方によって照明された被写体の画像、すなわち被検体1の体内画像を適切な露光状態で鮮明に撮像することができる。
つぎに、制御部54は、図4に示したステップS105と同様に、送信ユニット23に被検体1の体内画像を無線送信させ(ステップS405)、その後、上述したステップS401に戻り、このステップS401以降の処理手順を繰り返す。
かかるステップS401〜S405の処理手順を繰り返し行う制御部54は、図11に示すように、撮像部22のブランク期間T1にステップS401〜S403の処理手順を行い、撮像部22の露光期間T2にステップS404の処理手順を行い、体内画像の送信期間T3にステップS405の処理手順を行う。
つぎに、被検体1の胃内部にカプセル型医療装置51およびカプセル型光源装置3が導入された場合を例示して、カプセル型医療装置51の動作を具体的に説明する。図12は、実施の形態3にかかるカプセル型光源装置によって照明された胃内部の体内画像をカプセル型医療装置が撮像する一状態を例示する模式図である。図13は、実施の形態3にかかるカプセル型光源装置によって照明された胃内部の体内画像をカプセル型医療装置が撮像する別の状態を例示する模式図である。
図12に示すように、被検体1の胃内部に導入されたカプセル型医療装置51は、撮像部22の撮像範囲B1内に胃内壁部Wを捕捉する。かかる状態のカプセル型医療装置51において、制御部54は、発光部21の予備発光量を調整しつつ、発光部21に予備光L1を発光させる。かかる発光部21が発光した予備光L1は、撮像部22の撮像範囲B1内に照射され、例えば撮像範囲B1内の胃内壁部Wを反射してカプセル型光源装置3に到達する。
なお、かかる予備光L1を受光したカプセル型光源装置3は、上述した実施の形態1の場合と略同様に、胃内壁部W側に受光面を向ける態様の光検出部32aの検出光量をもとに、この光検出部32aに対応する照明部33aの発光量を調整しつつ、撮像部22の露光期間において、照明部33aによって照明範囲A1内に照明光を発光する。
カプセル型医療装置51の制御部54は、このカプセル型光源装置3が照明部33aによって照明光を発光させたタイミングにおいて、発光部21に照明光を発光させるとともに撮像部22に体内画像を撮像させる。ここで、カプセル型光源装置3の照明範囲A1が図12に示すように撮像部22の撮像範囲B1からずれている場合、このカプセル型光源装置3からの照明光は、撮像部22の撮像範囲B1全体を照明し尽くせていない。しかし、カプセル型医療装置51は、このカプセル型光源装置3の発光動作タイミングにおいて、撮像部22の撮像範囲B1に発光部21の照明光を追加し、これによって、この撮像部22の撮像範囲B1全体を照明し尽くせていないカプセル型光源装置3の照明範囲A1を補っている。この結果、撮像部22は、かかるカプセル型光源装置3の照明光および発光部21の照明光によって十分に照明された撮像範囲B1内の胃内壁部Wの画像(体内画像)を適切な露光状態で撮像できる。
一方、カプセル型医療装置51が図13に示すようにカプセル型光源装置3の照明範囲A1内に位置する場合、このカプセル型光源装置3からの照明光は、この照明範囲A1内のカプセル型医療装置51とともに撮像部22の撮像範囲B1を照明する。この場合、かかる撮像部22の撮像範囲B1内の被写体である胃内壁部Wには、このカプセル型医療装置51の影が発生する。この結果、かかるカプセル型光源装置3からの照明光は、この撮像部22の撮像範囲B1全体を照明し尽くせない。
この図13に示す状態であっても、カプセル型医療装置51は、このカプセル型光源装置3の発光動作タイミングにおいて、撮像部22の撮像範囲B1に発光部21の照明光を追加してこの撮像範囲B1内における少なくとも影の部分を照明する。これによって、カプセル型医療装置51は、この撮像部22の撮像範囲B1全体を照明し尽くせていないカプセル型光源装置3の照明範囲A1を補う。この結果、撮像部22は、たとえカプセル型医療装置51がカプセル型光源装置3の照明光を遮る状態であっても、かかるカプセル型光源装置3の照明光および発光部21の照明光によって十分に照明された撮像範囲B1内の胃内壁部Wの画像(体内画像)を適切な露光状態で撮像できる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態3では、撮像部の露光期間に、カプセル型光源装置の照明部に照明光を発光させるとともに、カプセル型医療装置の発光部にも照明光を発光させ、かかる照明部からの照明光とカプセル型医療装置からの照明光とによって撮像部の照明範囲を照明するようにし、その他を実施の形態1と同様に構成した。このため、たとえ照明部からの照明光によって撮像部の撮像範囲全体を照明し尽せない状態であっても、カプセル型医療装置からの照明光によって照明部の照明範囲を補うことができ、この結果、上述した実施の形態1の作用効果を享受するとともに、より確実に、撮像部の被写体である臓器内部を撮像に適した状態に照明可能なカプセル型光源装置およびこれを用いた体内画像取得システムを実現することができる。
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4について説明する。上述した実施の形態2では、複数の光検出部32a〜32dの各検出光量に応じた発光量の照明光を複数の照明部33a〜33dに各々発光させていたが、この実施の形態4では、複数の光検出部32a〜32dの各検出光量と光検出部32a〜32dの配置とをもとにカプセル型光源装置に対するカプセル型医療装置の相対位置を推定し、この推定したカプセル型医療装置の相対位置側に照明範囲を向ける態様の照明部の発光動作を禁止するようにしている。
図14は、本発明の実施の形態4にかかるカプセル型医療装置の一構成例を示す模式図である。図15は、本発明の実施の形態4にかかるカプセル型光源装置の一構成例を示す模式図である。図14に示すように、この実施の形態4にかかるカプセル型医療装置61は、上述した実施の形態2にかかるカプセル型医療装置2の制御部24に代えて制御部64を備える。このカプセル型医療装置61において、発光部21は、撮像部22の非露光期間に予備発光を2回行って、フル発光量の予備光である最大予備光と通常の予備光とを発光する。一方、図15に示すように、この実施の形態4にかかるカプセル型光源装置71は、上述した実施の形態2にかかるカプセル型光源装置41の光源制御部44に代えて光源制御部74を備える。なお、この実施の形態4にかかる体内画像取得システムは、上述した実施の形態2にかかる体内画像取得システムのカプセル型医療装置2に代えてカプセル型医療装置61を備え、カプセル型光源装置41に代えてカプセル型光源装置71を備える。その他の構成は実施の形態2と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
まず、この実施の形態4にかかるカプセル型医療装置61について説明する。図14に示すように、制御部64は、上述した実施の形態2にかかるカプセル型医療装置2の光量調整部24cに代えて光量調整部64cを備える。光量調整部64cは、上述した光量調整部24cと同様に、輝度演算部24bが算出した体内画像の輝度情報をもとに発光部21の予備光の発光量を調整し、さらに、撮像部22の非露光期間に発光部21が予備発光する最大予備光の発光量を調整する。かかる光量調整部64cは、予め設定されたフル発光量情報を有し、このフル発光量情報をもとに発光部21の最大予備光の発光量を調整する。
制御部64は、撮像部22の非露光期間において、所定の時間間隔で最大予備光と通常の予備光とを発光部21に順次発光させる。この場合、制御部64は、かかる発光部21の発光時間または通電量(電流値)を順次制御することによって、発光部21の最大予備光および通常の予備光の各発光量を制御する。なお、制御部64は、かかる発光部21の最大予備光の発光量および予備発光動作タイミングの制御以外、上述した実施の形態2にかかるカプセル型医療装置2の制御部24と同様の機能を有する。
つぎに、この実施の形態4にかかるカプセル型光源装置71について説明する。図15に示すように、光源制御部74は、上述した実施の形態2にかかるカプセル型医療装置2の光量調整部44bを備え、さらに発光選択部74aを備える。発光選択部74aは、複数の照明部33a〜33dの中から照明光の発光を禁止する照明部を選択する。具体的には、発光選択部74aは、上述した光検出部32a〜32dの各検出光量(すなわち照明部33a〜33dの各照明方向の検出光量)を取得する。また、発光選択部74aは、カプセル型筐体30内部における光検出部32a〜32dの各配置情報を既知の情報として予め有する。発光選択部74aは、かかる光検出部32a〜32dの各検出光量と各配置情報とをもとに、カプセル型光源装置71に対するカプセル型医療装置61の相対位置を推定し、この推定した相対位置側に照明範囲(照明方向)を向ける態様の照明部を複数の照明部33a〜33dの中から選択する。かかる発光選択部74aが選択した照明部は、光源制御部74によって照明光の発光動作を禁止される照明部である。
光源制御部74は、かかる発光選択部74aによって選択された照明部(以下、特定照明部という場合がある)の発光動作を禁止し、カプセル型医療装置61の撮像部22の露光期間において、この特定照明部に照明光を発光させない。なお、光源制御部74は、かかる特定照明部の選択処理および発光動作の禁止制御以外、上述した実施の形態2にかかるカプセル型光源装置41の光源制御部44と同様の機能を有する。
つぎに、本発明の実施の形態4にかかるカプセル型医療装置61およびカプセル型光源装置71の動作について説明する。図16は、本発明の実施の形態4にかかるカプセル型医療装置およびカプセル型光源装置の各処理手順を例示するフローチャートである。以下では、まず、カプセル型医療装置61の動作を説明し、つぎに、カプセル型光源装置71の動作を説明する。
起動後のカプセル型医療装置61において、制御部64は、図16に示すように、発光部21に最大予備光を発光させる(ステップS501)。このステップS501において、光量調整部64cは、予め設定された発光部21のフル発光量情報をもとに、発光部21のフル発光時の予備光である最大予備光の発光量を調整する。制御部64は、かかる光量調整部64cが調整した発光量(フル発光量)の最大予備光を撮像部22のブランク期間T1に発光するように発光部21を制御する。発光部21は、かかる制御部64の制御に基づいて、ブランク期間T1に撮像部22の撮像方向(図2に示す方向F1)に向けて最大予備光を発光する。
つぎに、制御部64は、かかる発光部21の予備発光の発光量を調整する(ステップS502)。このステップS502において、輝度演算部24bは、上述したように、撮像部22が前回撮像した前フレームの画像(例えば被検体1の体内画像)の輝度情報を算出する。光量調整部64cは、ステップS501におけるフル発光量から輝度演算部24bが算出した輝度情報に基づく通常の予備発光の発光量に発光部21の発光量を調整する。
続いて、制御部64は、図8に示したステップS102と同様に、このステップS502において調整した発光量の予備光を発光部21に発光させる(ステップS503)。この場合、発光部21は、かかる制御部64の制御に基づいて、この調整された通常の発光量の予備光を、ブランク期間T1に撮像部22の撮像方向に向けて発光する。
その後、制御部64は、図8に示したステップS103と同様に、発光部21に予備発光させてから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS504)。このステップS504において、制御部64は、所定時間が未だ経過していない場合(ステップS504,No)、このステップS504の処理手順を繰り返す。
一方、制御部64は、所定時間が経過した場合(ステップS504,Yes)、図8に示したステップS104と同様に、被検体1の体内画像を撮像部22に撮像させ(ステップS505)。かかる制御部64によって動作タイミングが制御された撮像部22は、カプセル型光源装置71が照明した被写体の画像、すなわち被検体1の体内画像を適切な露光状態で鮮明に撮像することができる。
つぎに、制御部64は、図8に示したステップS105と同様に、送信ユニット23に被検体1の体内画像を無線送信させ(ステップS506)、その後、上述したステップS501に戻り、このステップS501以降の処理手順を繰り返す。
かかるステップS501〜S506の処理手順を繰り返し行う制御部64は、図16に示すように、撮像部22のブランク期間T1にステップS501〜S504の処理手順を行い、撮像部22の露光期間T2にステップS505の処理手順を行い、体内画像の送信期間T3にステップS506の処理手順を行う。
つぎに、カプセル型光源装置71の動作を説明する。起動後に被検体1の内部に導入されたカプセル型光源装置71において、光源制御部74は、図16に示すように、照明部33a〜33dの各照明方向の光量を光検出部32a〜32dに初期的に検出させる(ステップS601)。
このステップS601において、光源制御部74は、照明部33aの照明方向(図3に示す方向F11)における最大予備光の光量を検出するように光検出部32aを制御して光検出部32aの検出光量を取得し、照明部33bの照明方向(図3に示す方向F12)における最大予備光の光量を検出するように光検出部32bを制御して光検出部32bの検出光量を取得する。また、光源制御部74は、照明部33cの照明方向(図3に示す方向F13)における最大予備光の光量を検出するように光検出部32cを制御して光検出部32cの検出光量を取得し、照明部33dの照明方向(図3に示す方向F14)における最大予備光の光量を検出するように光検出部32dを制御して光検出部32dの検出光量を取得する。
つぎに、光源制御部74は、複数の照明部33a〜33dの中から発光禁止する照明部(特定照明部)を選択する(ステップS602)。このステップS602において、発光選択部74aは、ステップS601において検出した各照明方向における最大予備光の検出光量とカプセル型筐体30内部における光検出部32a〜32dの配置とをもとに、カプセル型光源装置71に対するカプセル型医療装置61の相対位置を推定する。発光選択部74aは、この推定した相対位置側に照明範囲を向ける態様の特定照明部を複数の照明部33a〜33dの中から選択する。
続いて、光源制御部74は、図8に示したステップS301と同様に、照明部33a〜33dの各照明方向における予備光の光量を光検出部32a〜32dに検出させる(ステップS603)。その後、光源制御部74は、このステップS603において検出した各照明方向における予備光の検出光量をもとに、照明部33a〜33dの各発光量を調整する(ステップS604)。
このステップS604において、光量調整部44bは、ステップS602において発光選択部74aが選択した特定照明部の発光量を零値に調整し、照明部33a〜33dのうちの特定照明部を除く残りの照明部の発光量を、上述したステップS302と同様に予備光の検出光量に応じて調整する。かかる光量調整部44bは、ステップS602において発光選択部74aが照明部33aを選択した場合、この照明部33aの発光量を零値に調整し、ステップS602において発光選択部74aが照明部33bを選択した場合、この照明部33bの発光量を零値に調整する。また、かかる光量調整部44bは、ステップS602において発光選択部74aが照明部33cを選択した場合、この照明部33cの発光量を零値に調整し、ステップS602において発光選択部74aが照明部33dを選択した場合、この照明部33dの発光量を零値に調整する。
その後、光源制御部74は、図8に示したステップS303と同様に、光検出部32a〜32dが発光部21の予備光の光量を検出してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS605)。このステップS605において、光源制御部74は、所定時間が未だ経過していない場合(ステップS605,No)、このステップS605の処理手順を繰り返す。一方、光源制御部74は、所定時間が経過した場合(ステップS605,Yes)、上述したステップS602において発光選択部74aが選択した特定照明部を除く残りの各照明部に照明光を発光させる(ステップS606)。その後、光源制御部74は、上述したステップS601に戻り、このステップS601以降の処理手順を繰り返す。
このステップS606において、光源制御部74は、照明部33a〜33dのうち、この特定照明部に対する通電量を制御して発光量を零値に制御し、これによって、この特定照明部の発光動作を禁止する。これと同時に、光源制御部74は、照明部33a〜33dのうちの特定照明部を除く残りの各照明部の発光時間または通電量を制御し、これによって、これら各照明部の発光量を、上述したステップS604において光量調整部44bが調整した発光量に制御する。また、光源制御部74は、上述したステップS603における予備光の光量検出から所定時間が経過したタイミングにおいて特定照明部以外の残りの各照明部に照明光を発光させることによって、かかる各照明部の発光動作タイミングとカプセル型医療装置61の撮像部22の撮像動作タイミングとを同期させる。かかる光源制御部74によって動作タイミングが制御された各照明部は、撮像部22の露光期間T2において、被検体1の体内画像の撮像に適した光量の照明光を撮像部22の被写体に照射して、この撮像部22の被写体(被検体1の臓器内部)を適切に照明する。
かかるステップS601〜S606の処理手順を繰り返し行う光源制御部74は、図16に示すように、撮像部22のブランク期間T1にステップS601〜S605の処理手順を行い、撮像部22の露光期間T2にステップS606の処理手順を行う。
つぎに、被検体1の胃内部にカプセル型医療装置61およびカプセル型光源装置71が導入された場合を例示して、カプセル型医療装置61およびカプセル型光源装置71の動作を具体的に説明する。図17は、実施の形態4にかかるカプセル型光源装置によって照明された胃内部の体内画像をカプセル型医療装置が撮像する状態を例示する模式図である。
図17に示すように、被検体1の胃内部に導入されたカプセル型医療装置61は、撮像部22の撮像範囲B1内に胃内壁部Wを捕捉する。かかる状態のカプセル型医療装置61において、制御部64は、発光部21の発光量を最大値に調整しつつ、発光部21に最大予備光L11を発光させる。かかる発光部21が発光した最大予備光L11は、例えば、撮像範囲B1内の胃内壁部Wを反射してカプセル型光源装置71に到達し、或いはカプセル型医療装置61からカプセル型光源装置71に直接到達する。
一方、この被検体1の胃内部のカプセル型光源装置71は、かかる発光部21が発光した最大予備光L11を受光する。かかる状態のカプセル型光源装置71において、光源制御部74は、光検出部32a〜32dの各検出光量を取得する。なお、かかる光検出部32a〜32dの各検出光量は、上述した照明部33a〜33dの各照明方向における最大予備光L1の光量である。光源制御部74は、かかる光検出部32a〜32dによる最大予備光L11の各検出光量と光検出部32a〜32dの配置状態とをもとに、現在のカプセル型光源装置71に対する現在のカプセル型医療装置61の相対位置を推定する。光源制御部74は、照明部33a〜33dの中から、このように推定したカプセル型医療装置61の相対位置側に照明範囲を向ける態様の照明部33cを特定照明部として選択する。
その後、カプセル型医療装置61は、発光部21によって撮像部22の撮像範囲B1内に予備光L1を発光する。カプセル型光源装置71は、上述した実施の形態2の場合と同様に、かかる予備光L1を受光する。かかる状態のカプセル型光源装置71において、光源制御部74は、光検出部32a〜32dによって検出された各照明方向における予備光L1の検出光量を取得する。光源制御部74は、複数の照明部33a〜33dのうち、カプセル型医療装置61側を向く特定照明部である照明部33cの発光量を零値に制御して、この照明部33cに発光動作を行わせない(すなわち照明部33cの発光動作を禁止する)。
一方、光源制御部74は、かかる特定照明部(照明部33c)を除く残りの照明部33a,33b,33dの各発光量を、光検出部32a,32b,32dの各検出光量をもとに各々調整する。この場合、光源制御部74は、かかる残りの照明部33a,33b,33dのうち、予備光L1の検出光量が設定光量範囲外(下限値未満)である光検出部32bに対応する照明部33bの発光量を零値に制御して、この照明部33bの発光動作を停止する。これと同時に、光源制御部74は、予備光L1の検出光量が設定光量範囲内である光検出部32a,32dに対応する照明部33a,33dに照明光の発光動作を行わせる。この場合、光源制御部74は、撮像部22の露光期間に、光検出部32aによる予備光L1の検出光量に応じて調整した発光量の照明光を照明部33aに発光させるとともに、光検出部32dによる予備光L1の検出光量に応じて調整した発光量の照明光を照明部33dに発光させる。かかる照明部33a,33dによって発光された各照明光は、カプセル型医療装置61の撮像部22の被写体である胃内壁部Wをより確実に撮像に適した状態に照明する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態4では、カプセル型医療装置が発光部によって予備発光を2回行い、複数の光検出部が、複数の照明部の各照明方向における予備発光量(具体的には最大予備光および通常の予備光の各光量)を各々2回検出し、光源制御部が、かかる各光検出部による2回の光量検出のうちの一方の光量検出によって得られる各検出光量と複数の光検出部の配置とをもとに、当該カプセル型光源装置に対するカプセル型医療装置の相対位置を推定し、この推定した相対位置側を向く態様の特定照明部を複数の照明部の中から選択し、この選択した特定照明部の発光を禁止するとともに、この特定照明部以外の残りの照明部の発光量を予備光の各検出光量に対応して各々調整するようにし、その他を実施の形態2と同様に構成した。このため、複数の照明部のうち、撮像部の被写体の照明に寄与しない照明部の発光動作を停止できるとともに、カプセル型医療装置側を向く照明部の発光動作を確実に停止できる。これによって、上述した実施の形態2の作用効果を享受するとともに、撮像部によって撮像される体内画像のハレーションの発生を確実に防止できるカプセル型光源装置およびこれを用いた体内画像取得システムを実現することができる。
(実施の形態5)
つぎに、本発明の実施の形態5について説明する。この実施の形態5にかかる体内画像取得システムのカプセル型光源装置およびカプセル型医療装置は、被検体1の臓器内部に導入される液体の液面に浮遊し、この浮遊状態において、カプセル型光源装置がカプセル型医療装置の被写体を照明するようにしている。
図18は、本発明の実施の形態5にかかるカプセル型医療装置の一構成例を示す模式図である。図19は、本発明の実施の形態5にかかるカプセル型光源装置の一構成例を示す模式図である。図18に示すように、この実施の形態5にかかるカプセル型医療装置81は、カプセル型筐体20の中心CP1から後端側(光学筐体20bの反対側)に外れた位置に重心G1を有する。一方、図19に示すように、この実施の形態5にかかるカプセル型光源装置91は、カプセル型筐体30の中心CP2から光学筐体30c側に外れた位置に重心G2を有する。また、かかるカプセル型医療装置81およびカプセル型光源装置91は、被検体1内部に導入される液体に比して小さい比重を有する。なお、この実施の形態5にかかる体内画像取得システムは、上述した実施の形態1にかかる体内画像取得システム(図1参照)のカプセル型医療装置2に代えてカプセル型医療装置81を備え、カプセル型光源装置3に代えてカプセル型光源装置91を備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
カプセル型医療装置81は、水等の被検体1内部に導入される液体に比して小さい比重と重心G1とを有すること以外、上述した実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2と同様の機能を有する。ここで、カプセル型医療装置81の比重は、このカプセル型医療装置81の総重量とカプセル型筐体20の体積とを調整することによって、この液体に比して小さい値に設定される。例えば、被検体1内部に導入される液体が水である場合、このカプセル型医療装置81の比重は、この水の比重(=1)未満に設定される。
また、カプセル型医療装置81の重心G1は、カプセル型筐体20の内部における各構成部の配置を調整することによって設定される。具体的には、かかるカプセル型医療装置81の各構成部のうちの比較的重量の大きい部品(例えば電源ユニット25等)をカプセル型筐体20の中心CP1に比して後端側(光学筐体20bと反対側)に配置し、これによって、このカプセル型医療装置81の重心G1は、この中心CP1に比して後端側に外れた位置に設定される。この場合、かかる重心G1は、カプセル型筐体20の中心軸CL1上の位置に設定されることが望ましい。
カプセル型光源装置91は、水等の被検体1内部に導入される液体に比して小さい比重と重心G2とを有すること以外、上述した実施の形態1にかかるカプセル型光源装置3と同様の機能を有する。ここで、カプセル型光源装置91の比重は、このカプセル型光源装置91の総重量とカプセル型筐体30の体積とを調整することによって、この液体に比して小さい値に設定される。例えば、被検体1内部に導入される液体が水である場合、このカプセル型光源装置91の比重は、この水の比重(=1)未満に設定される。なお、かかるカプセル型光源装置91の比重は、上述したカプセル型医療装置81の比重と同値であることが望ましい。
また、カプセル型光源装置91の重心G2は、カプセル型筐体30の内部における各構成部の配置を調整することによって設定される。具体的には、かかるカプセル型光源装置91の各構成部のうちの比較的重量の大きい部品(例えば電源ユニット35等)をカプセル型筐体30の中心CP2に比して光学筐体30c側に配置し、これによって、このカプセル型光源装置91の重心G2は、この中心CP2に比して光学筐体30c側に外れた位置に設定される。この場合、かかる重心G2は、カプセル型筐体30の中心軸CL2上の位置に設定されることが望ましい。
つぎに、被検体1の胃内部の液体15にカプセル型医療装置81およびカプセル型光源装置91が浮遊する場合を例示して、カプセル型医療装置81およびカプセル型光源装置91の動作を具体的に説明する。図20は、実施の形態5にかかるカプセル型光源装置によって照明された胃内部の体内画像をカプセル型医療装置が撮像する状態を例示する模式図である。
図20に示すように、被検体1内部に導入される液体15に比して小さい比重を有するカプセル型医療装置81およびカプセル型光源装置91は、この被検体1の胃内部において、液体15の液面に浮遊しつつ所定の浮遊姿勢をとる。具体的には、カプセル型医療装置81は、上述したようにカプセル型筐体20の後端側に重心G1を有するため、撮像部22の撮像方向である方向F1を鉛直上方に向けた浮遊姿勢をとる。カプセル型光源装置91は、上述したようにカプセル型筐体30の光学筐体30c側に重心G2を有するため、照明部33aの照明方向である方向F11を鉛直上方に向けた浮遊姿勢をとる。これによって、かかるカプセル型医療装置81の撮像方向とカプセル型光源装置91の照明方向とが容易に合致する。
かかる浮遊状態のカプセル型医療装置81において、撮像部22は、撮像範囲B1内に被写体である胃内壁部Wを捕捉し、制御部24は、上述したように、この撮像部22の撮像範囲B1内に予備光を発光するように発光部21を制御する。一方、かかる浮遊状態のカプセル型光源装置91において、照明部33aは、かかる撮像部22の撮像範囲B1内の胃内壁部Wを照明範囲A1内に捉えた状態であり、光検出部32aは、この照明部33aの照明方向における予備光の光量を検出する。光源制御部34は、上述した実施の形態1の場合と同様に、この撮像部22の露光期間に、この光検出部32aの検出光量に応じた発光量の照明光を照明範囲A1に発光するように照明部33aを制御する。なお、かかる照明部33aによって発光された照明光は、このカプセル型医療装置81の撮像部22の被写体である胃内壁部Wを撮像に適した状態に照明する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態5では、被検体内部に導入する液体に比してカプセル型光源装置およびカプセル型医療装置の各比重を小さくし、カプセル型光源装置およびカプセル型医療装置の各重心をカプセル型筐体の中心位置から外れた位置に設定して、この液体の液面において浮遊状態のカプセル型医療装置の撮像方向と浮遊状態のカプセル型光源装置の照明方向とが一致するようにし、その他を実施の形態1と同様に構成した。このため、照明部の照明範囲内に撮像部の撮像範囲を容易に含める(捉える)ことができ、これによって、上述した実施の形態1の作用効果を享受するとともに、撮像部の被写体を容易に照明可能なカプセル型光源装置およびこれを用いた体内画像取得システムを実現することができる。
(実施の形態6)
つぎに、本発明の実施の形態6について説明する。この実施の形態6にかかる体内画像取得システムのカプセル型光源装置およびカプセル型医療装置は、カプセル型筐体内部に磁石等の磁性体を配置し、かかる磁性体の磁力によって被検体内部において特定の姿勢をとるようにしている。
図21は、本発明の実施の形態6にかかるカプセル型医療装置の一構成例を示す模式図である。図22は、本発明の実施の形態6にかかるカプセル型光源装置の一構成例を示す模式図である。図21に示すように、この実施の形態6にかかるカプセル型医療装置101は、カプセル型筐体20の内部に永久磁石等の磁性体102を備える。一方、図22に示すように、この実施の形態6にかかるカプセル型光源装置111は、カプセル型筐体30の内部に永久磁石等の磁性体112を備える。また、このカプセル型光源装置111は、上述した光検出部32c,32dと照明部33c,33dを備えておらず、カプセル型筐体30の筒状筐体30aは、光学カバー31a,31bを配置するための開口部が形成されていない不透明な筒形状の筐体である。なお、この実施の形態6にかかる体内画像取得システムは、上述した実施の形態1にかかる体内画像取得システム(図1参照)のカプセル型医療装置2に代えてカプセル型医療装置101を備え、カプセル型光源装置3に代えてカプセル型光源装置111を備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
カプセル型医療装置101は、カプセル型筐体20の内部に磁性体102を備えること以外、上述した実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2と同様の機能を有する。磁性体102は、図23に示すように、円筒形状の磁性体であり、内側のS極部102aと外側のN極部102bとによって構成される。S極部102aの磁極はS極であり、N極部102bの磁極はN極である。かかるS極部102aとN極部102bとによって構成される磁性体102は、その筒状構造の長手軸方向とカプセル型筐体20の長手軸方向(長手軸CL1の方向)とが略一致する態様でカプセル型筐体20の内壁に固定される。
カプセル型光源装置111は、上述した光検出部32c,32dと照明部33c,33dを備えておらず、且つカプセル型筐体30の内部に磁性体112を備えること以外、上述した実施の形態1にかかるカプセル型光源装置3と同様の機能を有する。磁性体112は、図23に示した円筒形状の磁性体102と同様の構成を有し、具体的には、内側のS極部と外側のN極部とによって構成される。かかる磁性体112は、その筒状構造の長手軸方向とカプセル型筐体30の長手軸方向(長手軸CL2の方向)とが略一致する態様でカプセル型筐体30の内壁に固定される。
なお、かかる磁性体102,112は、カプセル型医療装置101およびカプセル型光源装置111に各々内蔵された状態において互いに反発する磁力を発生するものであればよい。すなわち、磁性体102,112の外側の磁極(または内側の磁極)は、磁性体102,112間で同じであれば、N極であってもよいし、S極であってもよい。
ここで、かかる構成を有するカプセル型医療装置101およびカプセル型光源装置111は、例えば図24に示すように、被検体1の胃内部において、磁性体102,112の磁力(反発力)の作用によって、互いの離間距離を維持しつつ、各々特定の姿勢をとる。この場合、カプセル型医療装置101の撮像部22は、撮像範囲B1内に被写体である胃内壁部Wを捕捉し、カプセル型光源装置111の照明部33aの照明範囲A1は、この撮像範囲B1を容易に捉える。すなわち、かかるカプセル型医療装置101の撮像方向とカプセル型光源装置111の照明方向とが容易に合致する。かかるカプセル型光源装置111の照明部33aは、上述した実施の形態1の場合と同様に、光検出部32aの検出光量に応じた発光量の照明光を照明範囲A1内に発光し、これによって、この撮像部22の被写体である胃内壁部Wを撮像に適した状態に照明する。
なお、特に図24に図示しないが、かかるカプセル型医療装置101およびカプセル型光源装置111は、磁性体102,112の磁力の作用によって、互いに臓器内壁部に押し付けられた態様で各々特定の姿勢を取る場合がある。この場合、カプセル型医療装置101およびカプセル型光源装置111は、撮像方向と照明方向とをより安定した状態で一致させることができる。なお、このような作用効果は、特に大腸等の比較的空間が広い管状の臓器内において顕著である。
以上、説明したように、本発明の実施の形態6では、互いに反発する磁力を発生する磁性体をカプセル型医療装置およびカプセル型光源装置に各々内蔵し、かかる内部の磁性体の磁力の作用によって、互いの離間距離を維持しつつ、各々特定の姿勢をとるカプセル型医療装置の撮像方向とカプセル型光源装置の照明方向とが一致するようにし、その他を実施の形態1と同様に構成した。このため、照明部の照明範囲内に撮像部の撮像範囲を容易に含める(捉える)ことができ、これによって、上述した実施の形態1の作用効果を享受するとともに、撮像部の被写体を容易に照明可能なカプセル型光源装置およびこれを用いた体内画像取得システムを実現することができる。
(実施の形態7)
つぎに、本発明の実施の形態7について説明する。この実施の形態7にかかる体内画像取得システムのカプセル型医療装置は、カプセル型筐体の一部分をなす光学カバーの汚れを除去する汚れ除去機構をさらに備えている。
図25は、本発明の実施の形態7にかかるカプセル型医療装置の一構成例を示す模式図である。図26は、図25に示す方向D1から見たカプセル型医療装置を示す模式図である。図25,26に示すように、この実施の形態7にかかるカプセル型医療装置121は、上述した実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2のカプセル型筐体20に代えてカプセル型筐体122を備え、制御部24に代えて制御部124を備える。また、カプセル型医療装置121は、このカプセル型筐体122の光学部分(後述する光学カバー122b)の汚れを除去する汚れ除去機構123をさらに備える。なお、この実施の形態7にかかる体内画像取得システムは、上述した実施の形態1にかかる体内画像取得システム(図1参照)のカプセル型医療装置2に代えてカプセル型医療装置121を備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
カプセル型筐体122は、被検体1の消化管内部に導入可能な大きさに形成されたカプセル型の筐体であり、一端がドーム形状をなす筒状筐体122aの他端(開口端)を円盤形状の光学カバー122bによって塞いで形成される。光学カバー122bは、所定の波長帯域の光(例えば可視光)に対して透明な円盤形状の光学部材であり、カプセル型筐体122の一部分(光学部分)をなす。一方、筒状筐体122aは、可視光に対して略不透明な筐体である。かかる筒状筐体122aと光学カバー122bとによって形成されるカプセル型筐体122内部には、発光部21、撮像部22、汚れ除去機構123の一部および制御部124が液密状態に収容される。なお、図25に特に図示していないが、かかるカプセル型筐体122内部には、上述した送信ユニット23および電源ユニット25も液密状態に収容される。
汚れ除去機構123は、光学カバー122bに付着した汚れを除去するためのものである。具体的には、汚れ除去機構123は、光学カバー122bの汚れを拭き取る拭き取り部123aと、駆動軸123bと、駆動部123cとを備える。拭き取り部123aは、光学カバー122bに傷を付けないようにするために、ポリウレタン、ゴム、スポンジ、布等の柔らかい部材を用いて実現される。なお、かかる拭き取り部123aの形状は、図25,26に示すような円弧状でもよいが、矩形状または三日月状等の所望の形状であってもよい。
駆動軸123bは、一端が拭き取り部123aの端部と接続され、他端が駆動部123cに接続される。駆動部123cは、制御部124の制御に基づいて駆動し、駆動軸123bを介して拭き取り部123aを回転駆動させる。この場合、拭き取り部123aは、図26に示すように、駆動軸123bを中心に回転駆動して光学カバー122b上を摺動する(拭う)。なお、かかる駆動部123cは、上述した電源ユニット25の電力を消費して駆動するアクチュエータ(モータ)であってもよいし、外部から印加された磁界によって駆動する磁気アクチュエータであってもよい。
制御部124は、所定のタイミングにおいて拭き取り部123aが光学カバー122b上を摺動するように駆動部123cを制御する。具体的には、制御部124は、撮像部22が撮像した体内画像の画素情報を取得し、この取得した画素情報をもとに光学カバー122b上の汚れの有無を判断する。制御部124は、光学カバー122b上に汚れが有る(付着している)と判断した場合、駆動部123cを制御して、拭き取り部123aを回転駆動させる。かかる制御部124は、かかる体内画像の画素情報によらず、所定の時間間隔で定期的に拭き取り部123aを回転駆動するように駆動部123cを制御してもよい。なお、制御部124は、かかる汚れ除去機構123の制御機能以外、上述した実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2の制御部24と同様の機能を有する。
ここで、拭き取り部123aは、かかる制御部124の制御に基づいて、光学カバー122bに汚れが付着したタイミングまたは所定の時間毎に光学カバー122b上を摺動し、これによって、この光学カバー122bの汚れを拭き取る。かかる拭き取り部123aは、この光学カバー122bの汚れを拭き取った後、1回転または逆回転して元の位置(光学カバー122bの周縁部の近傍)に復帰する。このように拭き取り部123aが光学カバー122bの汚れを拭き取ることによって、撮像部22は、汚れが除去された清浄な光学カバー122b越しに被検体1の体内画像をより鮮明に撮像することができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態7では、カプセル型筐体の光学部分をなす光学カバーの汚れを除去する汚れ除去機構をさらに備えるようにし、その他を実施の形態1と同様に構成した。このため、カプセル型筐体の光学カバーに汚れが付着した場合であっても、この光学カバー上の汚れを容易に取り除くことができる。これによって、上述した実施の形態1の作用効果を享受するとともに、清浄な光学カバー越しに体内画像を撮像でき、より鮮明な体内画像を取得可能なカプセル型医療装置および体内画像取得システムを実現することができる。
(実施の形態8)
つぎに、本発明の実施の形態8について説明する。上述した実施の形態7では、汚れ除去機構123の拭き取り部123aを回転駆動して光学カバー122b上の汚れを拭き取っていたが、この実施の形態8では、汚れ除去機構の拭き取り部と光学カバーとをともに回転させて、この光学カバー上の汚れを除去するようにしている。
図27は、本発明の実施の形態8にかかるカプセル型医療装置の一構成例を示す模式図である。図28は、図27に示す方向D1から見たカプセル型医療装置を示す模式図である。図27,28に示すように、この実施の形態8にかかるカプセル型医療装置131は、上述した実施の形態7にかかるカプセル型医療装置121の汚れ除去機構123に代えて汚れ除去機構133を備え、制御部124に代えて制御部135を備える。また、カプセル型医療装置131は、カプセル型筐体122の光学カバー122bを回転させるカバー駆動部134をさらに備える。なお、この実施の形態8にかかる体内画像取得システムは、上述した実施の形態7にかかる体内画像取得システムのカプセル型医療装置121に代えてカプセル型医療装置131を備える。その他の構成は実施の形態7と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
汚れ除去機構133は、上述した実施の形態7における拭き取り部123aに代えて拭き取り部133aを備え、この拭き取り部133aの回転駆動と光学カバー122bの回転駆動とを適宜組み合わせることによって、この光学カバー122b上の汚れを除去する。拭き取り部133aは、光学カバー122bに傷を付けないようにするために、ポリウレタン、ゴム、スポンジ、布等の柔らかい部材を用いて実現される。また、拭き取り部133aは、図28に示すように、光学カバー122bの円周の略1/4の長さの円弧形状に形成され、駆動軸123bを中心に回転駆動する。
カバー駆動部134は、制御部135の制御に基づいて、所望の方向(図28における右回りの方向または左回りの方向)に光学カバー122bを回転する。かかるカバー駆動部134の作用によって、光学カバー122bは、カプセル型筐体122の筒状筐体122aに対して相対的に回転する。なお、かかるカバー駆動部134は、上述した電源ユニット25の電力を消費して駆動するアクチュエータ(モータ)であってもよいし、外部から印加された磁界によって駆動する磁気アクチュエータであってもよい。
制御部135は、所定のタイミングにおいて拭き取り部133aが光学カバー122b上を摺動するように駆動部123cを制御し、必要に応じて、光学カバー122bを回転するようにカバー駆動部134を制御する。具体的には、制御部135は、撮像部22が撮像した体内画像の画素情報を取得し、この取得した画素情報をもとに、光学カバー122b上の汚れの有無および汚れ位置を判断する。制御部135は、光学カバー122b上に汚れが有る場合、光学カバー122b上の汚れが図28に示す領域E3に位置するようにカバー駆動部134を制御して、光学カバー122bを適宜回転させる。また、制御部135は、光学カバー122b上の汚れが図28に示す領域E3に位置するタイミングにおいて拭き取り部133aが光学カバー122b上を摺動する(拭う)ように駆動部123cを制御する。かかる制御部135は、かかる体内画像の画素情報によらず、所定の時間間隔で定期的に拭き取り部133aおよび光学カバー122bを回転駆動するように駆動部123cおよびカバー駆動部134を制御してもよい。なお、制御部135は、かかる汚れ除去機構133およびカバー駆動部134の制御機能以外、上述した実施の形態7にかかるカプセル型医療装置121の制御部124と同様の機能を有する。
つぎに、図28を参照しつつ、光学カバー122b上の汚れを除去する際の拭き取り部133aおよびカバー駆動部134(光学カバー122b)の動作について具体的に説明する。図28において、光学カバー122b上の領域E1に汚れが付着した場合、カバー駆動部134は、この光学カバー122bを左回りに1/4回転(または右回りに3/4回転)して、図28における領域E3の位置(以下、拭き取り実行領域という)に領域E1内の汚れを移送する。拭き取り部133aは、駆動軸123bを中心に回転(例えば1/4回転)往復し、これによって、この拭き取り実行領域内における光学カバー122b上の汚れを拭き取る。
光学カバー122b上の領域E2に汚れが付着した場合、カバー駆動部134は、この光学カバー122bを左回りまたは右回りに1/2回転して、拭き取り実行領域に領域E2内の汚れを移送する。拭き取り部133aは、駆動軸123bを中心に回転(例えば1/4回転)往復し、これによって、この拭き取り実行領域内における光学カバー122b上の汚れを拭き取る。
光学カバー122b上の領域E4に汚れが付着した場合、カバー駆動部134は、この光学カバー122bを右回りに1/4回転(または左回りに3/4回転)して、拭き取り実行領域に領域E4内の汚れを移送する。拭き取り部133aは、駆動軸123bを中心に回転(例えば1/4回転)往復し、これによって、この拭き取り実行領域内における光学カバー122b上の汚れを拭き取る。
なお、光学カバー122b上の領域E3に汚れが付着した場合、この領域E3が拭き取り部133aの拭き取り実行領域であるため、カバー駆動部134は、光学カバー122bを回転させない。拭き取り部133aは、駆動軸123bを中心に回転(例えば1/4回転)往復し、これによって、この領域E3内の汚れ、すなわち拭き取り実行領域内における光学カバー122b上の汚れを拭き取る。
ここで、拭き取り部133aは、光学カバー122b上の領域E1〜E4のいずれに汚れが付着した場合であっても、駆動軸123bを中心に回転(例えば1/4回転)往復して光学カバー122b上の汚れを拭き取る。このため、かかる拭き取り部133aは、カプセル型筐体122から径方向に突出せずに、光学カバー122b上の汚れを拭き取ることができる。このように拭き取り部133aが光学カバー122bの汚れを拭き取ることによって、撮像部22は、汚れが除去された清浄な光学カバー122b越しに被検体1の体内画像をより鮮明に撮像することができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態8では、光学カバー上の一部の領域を拭き取るように拭き取り部の大きさおよび回転量を制限し、光学カバーに付着した汚れの位置に応じて光学カバーを適宜回転して、この光学カバー上の汚れを汚れ拭き取り部の拭き取り実行領域に位置させ、この拭き取り実行領域内の汚れを汚れ拭き取り部によって拭き取るようにし、その他を実施の形態7と同様に構成した。このため、上述した実施の形態7の作用効果を享受するとともに、カプセル型筐体から拭き取り部を突出させずに光学カバー上の汚れを拭き取ることができるカプセル型医療装置および体内画像取得システムを実現することができる。
(実施の形態9)
つぎに、本発明の実施の形態9について説明する。上述した実施の形態7では、汚れ除去機構123の拭き取り部123aを回転駆動して光学カバー122b上の汚れを拭き取っていたが、この実施の形態9では、カプセル型筐体に対して拭き取り部を固定配置し、カプセル型筐体の光学部分をなす球状の光学カバーが、この拭き取り部に対して摺動するように回転し、これによって、この光学カバー上の汚れを除去するようにしている。
図29は、本発明の実施の形態9にかかるカプセル型医療装置の一構成例を示す模式図である。図30は、図29に示すカプセル型医療装置の光学カバー近傍の断面構造を示す模式図である。図29,30に示すように、この実施の形態9にかかるカプセル型医療装置141は、上述した実施の形態7にかかるカプセル型医療装置121のカプセル型筐体122に代えてカプセル型筐体142を備え、汚れ除去機構123に代えて汚れ除去機構143を備え、制御部124に代えて制御部144を備える。なお、この実施の形態9にかかる体内画像取得システムは、上述した実施の形態7にかかる体内画像取得システムのカプセル型医療装置121に代えてカプセル型医療装置141を備える。その他の構成は実施の形態7と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
カプセル型筐体142は、被検体1の消化管内部に導入可能な大きさに形成されたカプセル型の筐体であり、上述した筒状筐体122aの他端(開口端)を球形状の光学カバー142bによって塞いで形成される。光学カバー142bは、所定の波長帯域の光(例えば可視光)に対して透明な略球形状の光学部材であり、カプセル型筐体142の一部分(光学部分)をなす。かかる光学カバー142bは、図30に示すように、球形状の中心を介して互いに対向する位置に管状の回転軸部を有する。筒状筐体122aは、かかる回転軸部を介して光学カバー142bを回転自在に支持する。
かかる筒状筐体122aと光学カバー142bとによって形成されるカプセル型筐体142内部には、発光部21、撮像部22、送信ユニット23、電源ユニット25、汚れ除去機構143の一部および制御部144が液密状態に収容される。この場合、発光部21および撮像部22は、球形状の光学カバー142bの内部に配置される。かかる光学カバー142b内の発光部21および撮像部22は、この光学カバー142bの回転軸部内を通るケーブルまたはフレキシブル回路基板等の配線によって上述した電源ユニット25および制御部144等と接続される。
汚れ除去機構143は、光学カバー142bに付着した汚れを除去するためのものである。具体的には、汚れ除去機構143は、上述した球形状の光学カバー142bを回転する駆動部143aと、この駆動部143aの作用によって回転する光学カバー142b上を拭う拭き取り部143bとを備える。駆動部143aは、制御部144の制御に基づいて駆動し、光学カバー142bの回転軸部を中心に光学カバー142bを回転駆動させる。この場合、駆動部143aは、光学カバー142bの外壁面が拭き取り部143b側から筒状筐体122aの内部に順次入る回転方向(図29,30に示す矢印の方向)に光学カバー142bを回転駆動させる。なお、かかる駆動部143aは、上述した電源ユニット25の電力を消費して駆動するアクチュエータ(モータ)であってもよいし、外部から印加された磁界によって駆動する磁気アクチュエータであってもよい。
拭き取り部143bは、光学カバー142bに傷を付けないようにするために、ポリウレタン、ゴム、スポンジ、布等の柔らかい部材を用いて実現される。拭き取り部143bは、光学カバー142bの円周の略1/2の長さの円弧形状に形成され、光学カバー142bの外壁面と係合する。拭き取り部143bは、図29,30に示すように、光学カバー142bの外壁面に密着する態様で筒状筐体122aの開口端部に固定配置される。かかる拭き取り部143bは、筒状筐体122aの開口端部と光学カバー142bとの間に介在し、上述した駆動部143aの作用によって回転駆動する光学カバー142bの外壁面を順次拭う。
制御部144は、所定のタイミングにおいて光学カバー142bを回転駆動するように駆動部143aを制御する。具体的には、制御部144は、撮像部22が撮像した体内画像の画素情報を取得し、この取得した画素情報をもとに光学カバー142b上の汚れの有無を判断する。制御部144は、光学カバー142b上に汚れが有る(付着している)と判断した場合、駆動部143aを制御して、光学カバー142bを回転駆動させる。これによって、制御部144は、拭き取り部143bに対して光学カバー142bを摺動させる。かかる制御部144は、かかる体内画像の画素情報によらず、所定の時間間隔で定期的に光学カバー142bを回転駆動するように駆動部143aを制御してもよい。なお、制御部144は、かかる汚れ除去機構143の制御機能以外、上述した実施の形態7にかかるカプセル型医療装置121の制御部124と同様の機能を有する。
ここで、駆動部143aは、上述したように、制御部144の制御に基づいて、光学カバー142bに汚れが付着したタイミングまたは所定の時間毎に光学カバー142bを回転駆動させる。光学カバー142bは、その外壁面の一部分を拭き取り部143bに対して密着させた状態を維持しつつ、かかる駆動部143aの作用によって回転駆動する。この場合、拭き取り部143bは、かかる回転状態の光学カバー142b上を相対的に摺動する。これによって、拭き取り部143bは、かかる光学カバー142bの汚れを拭き取る。このように拭き取り部143bが光学カバー142bの汚れを拭き取ることによって、撮像部22は、汚れが除去された清浄な光学カバー142b越しに被検体1の体内画像をより鮮明に撮像することができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態9では、カプセル型筐体の筒状筐体の開口端部に球形状の光学カバーを回転自在に配置し、この光学カバーの外壁面に密着する態様で拭き取り部を筒状筐体の開口部に固定配置し、この光学カバーを拭き取り部に対して相対的に回転することによって、拭き取り部が光学カバー上を相対的に摺動するようにし、その他を実施の形態7と同様に構成した。このため、上述した実施の形態7の作用効果を享受するとともに、光学カバーの外壁面の全範囲に亘って汚れを容易に拭き取ることができるカプセル型医療装置および体内画像取得システムを実現することができる。
(実施の形態10)
つぎに、本発明の実施の形態10について説明する。上述した実施の形態9では、カプセル型筐体142に固定配置した拭き取り部143bに外壁面を密着した状態を維持しつつ、この拭き取り面143bに対して相対的に光学カバー142bを回転駆動することによって、この光学カバー142bの汚れを除去していたが、この実施の形態10では、拭き取り部が、カプセル型筐体の光学部分をなす半球状の光学カバーの外壁面上を摺動して、この光学カバー上の汚れを拭き取るようにしている。
図31は、本発明の実施の形態10にかかるカプセル型医療装置の一構成例を示す模式図である。図32は、拭き取り部が光学カバー上を摺動する状態を示す模式図である。図31,32に示すように、この実施の形態10にかかるカプセル型医療装置151は、上述した実施の形態9にかかるカプセル型医療装置141のカプセル型筐体142に代えてカプセル型筐体152を備え、汚れ除去機構143に代えて汚れ除去機構153を備え、制御部144に代えて制御部154を備える。なお、この実施の形態10にかかる体内画像取得システムは、上述した実施の形態9にかかる体内画像取得システムのカプセル型医療装置141に代えてカプセル型医療装置151を備える。その他の構成は実施の形態9と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
カプセル型筐体152は、被検体1の消化管内部に導入可能な大きさに形成されたカプセル型の筐体であり、上述した筒状筐体122aの他端(開口端)を半球形状の光学カバー152bによって塞いで形成される。光学カバー152bは、所定の波長帯域の光(例えば可視光)に対して透明な略半球形状の光学部材であり、筒状筐体122aの開口端に固定配置されてカプセル型筐体152の一部分(光学部分)をなす。かかる筒状筐体122aと光学カバー152bとによって形成されるカプセル型筐体152内部には、発光部21、撮像部22、送信ユニット23、電源ユニット25、汚れ除去機構153の一部および制御部154が液密状態に収容される。
汚れ除去機構153は、光学カバー152bに付着した汚れを除去するためのものである。具体的には、汚れ除去機構153は、光学カバー152b上を拭うように摺動する拭き取り部153aと、この拭き取り部153aを回転駆動させる駆動部153bとを備える。駆動部153bは、制御部154の制御に基づいて駆動し、拭き取り部153aを回転駆動させる。なお、かかる駆動部153bは、上述した電源ユニット25の電力を消費して駆動するアクチュエータ(モータ)であってもよいし、外部から印加された磁界によって駆動する磁気アクチュエータであってもよい。
拭き取り部153aは、光学カバー152bに傷を付けないようにするために、ポリウレタン、ゴム、スポンジ、布等の柔らかい部材を用いて実現される。拭き取り部153aは、光学カバー152bの円周の略1/2の長さの円弧形状に形成され、光学カバー152bの外壁面と係合する。かかる拭き取り部153aは、駆動部153bの作用によって半回転往復動作して、光学カバー152bの外壁面上を摺動する(図32参照)。これによって、拭き取り部153aは、光学カバー152b上の汚れを拭き取る。
制御部154は、所定のタイミングにおいて拭き取り部153aが光学カバー152b上を摺動するように駆動部153bを制御する。具体的には、制御部154は、撮像部22が撮像した体内画像の画素情報を取得し、この取得した画素情報をもとに光学カバー152b上の汚れの有無を判断する。制御部154は、光学カバー152b上に汚れが有る(付着している)と判断した場合、駆動部153bを制御して拭き取り部153aを回転駆動させる。これによって、制御部154は、光学カバー152bに対して拭き取り部153aを摺動させる。かかる制御部154は、かかる体内画像の画素情報によらず、所定の時間間隔で定期的に拭き取り部153aを回転駆動するように駆動部153bを制御してもよい。なお、制御部154は、かかる汚れ除去機構153の制御機能以外、上述した実施の形態9にかかるカプセル型医療装置141の制御部144と同様の機能を有する。
ここで、駆動部153bは、上述したように、制御部154の制御に基づいて、光学カバー152bに汚れが付着したタイミングまたは所定の時間毎に拭き取り部153aを回転駆動させる。拭き取り部153aは、図32に示すように、光学カバー152bの外壁面に対して密着した状態を維持しつつ、かかる駆動部153bの作用によって光学カバー152b上を往復摺動する。これによって、拭き取り部153aは、かかる光学カバー152bの汚れを拭き取る。このように拭き取り部153aが光学カバー152bの汚れを拭き取ることによって、撮像部22は、汚れが除去された清浄な光学カバー152b越しに被検体1の体内画像をより鮮明に撮像することができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態10では、カプセル型筐体の筒状筐体の開口端部に半球形状の光学カバーを固定配置し、拭き取り部が、この光学カバーの外壁面に密着する態様で光学カバー上を摺動するようにし、その他を実施の形態9と同様に構成した。このため、上述した実施の形態9の作用効果を享受するとともに、カプセル型筐体の光学部分を回転駆動させる必要がなく、カプセル型筐体内部を簡易に構成できるカプセル型医療装置および体内画像取得システムを実現することができる。
なお、上述した実施の形態1〜10では、互いに異なる照明範囲に照明光を発光する複数の照明部を内蔵したカプセル型光源装置を例示したが、これに限らず、本発明にかかるカプセル型光源装置は、1以上の照明部を備えたものであればよい。具体的には、本発明にかかるカプセル型光源装置は、実施の形態1〜5,7〜10に例示したように4つの照明部33a〜33dを備えたものであってもよいし、実施の形態6に例示したように2つの照明部33a,33bを備えたものであってもよい。また、本発明にかかるカプセル型光源装置は、単一の照明部を備えたものであってもよいし、3以上の照明部を備えたものであってもよい。例えば、本発明にかかるカプセル型光源装置は、6つの照明部を内蔵し、図33に示すように、互いに異なる方向11〜16を各々照明するものであってもよい。或いは、本発明にかかるカプセル型光源装置は、図34に示すように、正八面体の各面に光検出部と照明部とのセットを各々配置した機能構造体をカプセル型筐体内部に配置し、互いに異なる8つの方向を各々照明するものであってもよい。なお、上述した光検出部は、かかる1以上の照明部に対応してカプセル型筐体内部に1以上配置すればよい。
また、上述した実施の形態9では、回転可能な球形状の光学カバー142bの外壁面を拭う拭き取り部143bを筒状筐体122aの開口端と光学カバー142bとの間に介在させていたが、これに限らず、カプセル型筐体142内部(詳細には筒状筐体122a内部)に拭き取り部143bを固定配置してもよい。この場合、拭き取り部143bは、図29に示した円弧形状のものに限らず、例えば図35に示すように、光学カバー142bの外壁面と係合する凹部が形成された立体構造体(円柱、多角柱等)であってもよい。かかる立体構造体である拭き取り部143bは、光学カバー142bの外壁面と凹部とを密着した態様で筒状筐体122aの内部に固定配置され、この光学カバー142bの回転駆動によって光学カバー142bの外壁面を順次拭う。なお、かかる拭き取り部143bには、親水コート剤等の生体適合性を有する液体を含ませてもよい。この場合、拭き取り部143bは、光学カバー142b上の汚れを容易に除去できるとともに、親水コート剤等の液体によって光学カバー142bの外壁面を覆うことができ、これによって、光学カバー142bを汚れ難くすることができる。
さらに、上述した実施の形態1,3,5〜10では、複数の光検出部のうちの最も高い検出光量を検出した光検出部に対応する照明部を複数の照明部の中から選択し、この選択した照明部(上述した選択照明部)に照明光を発光させていたが、これに限らず、予め光量範囲(光量の上限値および下限値)を設定し、この設定光量範囲内において最も高い検出光量を検出した光検出部に対応する照明部を複数の照明部の中から選択し、この選択した照明部に照明光を発光させてもよい。また、複数の光検出部のうちの上位所定数(複数)の検出光量を検出した各光検出部に各々対応する各照明部を複数の照明部の中から選択し、この選択した各照明部に照明光を発光させてもよい。或いは、設定光量範囲内において上位所定数(複数)の検出光量を検出した各光検出部に各々対応する各照明部を複数の照明部の中から選択し、この選択した各照明部に照明光を発光させてもよい。
また、上述した実施の形態1〜10では、カプセル型医療装置の発光部21は、体内画像の輝度情報に応じて調整された発光量の予備光を発光していたが、これに限らず、発光部21は、予め設定された一定の発光量の予備光を発光してもよいし、体内画像の輝度情報(輝度値)が所定フレーム続けて一定値に達しなかった場合に、この一定値未満の輝度値に応じて調整された発光量の予備光を発光してもよい。
さらに、上述した実施の形態1〜10では、カプセル型医療装置の発光部21は、撮像部22のブランク期間T1に、上述した予備光または最大予備光を発光(予備発光)していたが、これに限らず、発光部21は、体内画像の送信期間T3(撮像部22の非露光期間内の一部期間)に予備発光してもよいし、撮像部22の露光期間に予備発光してもよい。かかる発光部21は、撮像部22の露光期間に予備発光する場合、この予備発光時に出射した予備光または最大予備光によって撮像部22の被写体を照明してもよい。すなわち、発光部21が予備発光した予備光または最大予備光は、撮像部22の被写体を照明する照明光として用いてもよい。
また、上述した実施の形態5では、カプセル型筐体20,30の各長手軸CL1,CL2の方向と鉛直方向とが一致する浮遊姿勢(すなわち直立姿勢)をとるカプセル型医療装置およびカプセル型光源装置を例示していたが、これに限らず、カプセル型医療装置およびカプセル型光源装置は、照明部の照明範囲内に撮像部の撮像範囲を含む態様であれば、
被検体内部の液面において水平姿勢(液面に対してカプセル型筐体の長手軸が平行である浮遊姿勢)または斜め姿勢(液面に対してカプセル型筐体の長手軸が傾斜する浮遊姿勢)等の所望の浮遊姿勢をとってもよい。
さらに、上述した実施の形態1〜10では、被検体1の体内画像を撮像するカプセル型医療装置を例示したが、これに限らず、本発明にかかるカプセル型医療装置は、被検体の体内情報として少なくとも体内画像を取得するものであれば、体内情報として被検体内部のpH値または温度などをさらに計測するカプセル型医療装置であってもよいし、体内情報として生体組織の状態をさらに検出するカプセル型医療装置であってもよい。また、本発明にかかるカプセル型医療装置は、被検体内部に薬剤を散布または注射する機能をさらに備えたカプセル型医療装置であってもよいし、生体組織などの生体内の物質をさらに採取するカプセル型医療装置であってもよい。
また、本発明にかかるカプセル型光源装置およびこれを用いた体内画像取得システムは、上述した実施の形態1〜10に例示されるものに限らず、これら実施の形態1〜10を適宜組み合わせたものであってもよい。例えば、複数の光検出部の各検出光量に応じて各々調整した各発光量の照明光を複数の照明部によって発光するカプセル型光源装置と、発光部によって予備光のみならず被写体の照明光も発光するカプセル型医療装置とを備えた体内画像取得システム(上述した実施の形態2,3または実施の形態2,4を組み合わせたもの)であってもよい。上述した実施の形態2〜4にかかるカプセル型光源装置は、実施の形態5に例示されるように比重および重心を設定されてもよいし(実施の形態2〜4のいずれかと実施の形態5とを組み合わせたもの)、実施の形態6に例示されるように磁性体を内蔵してもよい(実施の形態2〜4のいずれかと実施の形態6とを組み合わせたもの)。上述した実施の形態2〜4にかかるカプセル型医療装置は、実施の形態5に例示されるように比重および重心を設定されてもよいし(実施の形態2〜4のいずれかと実施の形態5とを組み合わせたもの)、実施の形態6に例示されるように磁性体を内蔵してもよいし(実施の形態2〜4のいずれかと実施の形態6とを組み合わせたもの)、上述した実施の形態7〜10に例示されるように光学カバーの汚れ除去機構を備えたものであってもよい(実施の形態2〜4のいずれかと実施の形態7〜10のいずれかとを組み合わせたもの)。