JP5340483B2 - 粒子線照射装置および粒子線治療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子ビームを腫瘍など患部に照射して治療を行う粒子線治療装置における、荷電粒子ビームを患部3次元形状に合わせて照射するための粒子線照射装置に関する。
粒子線による治療法では、光速の約70%まで加速された陽子や炭素線など、高エネルギーの荷電粒子ビームが用いられる。これらの高エネルギーの荷電粒子ビームは体内に照射された際に、以下の特徴を有する。第一に、照射された荷電粒子の殆どが荷電粒子エネルギーの約1.7乗に比例した深さ位置に停止する。第二に、照射された荷電粒子が体内で停止するまでに通過する経路に与えるエネルギー密度(線量と呼ばれる)は荷電粒子の停止位置で最大値を有する。通過した経路に沿って形成した特有の深部線量分布曲線はブラッグカーブと呼ばれる。線量値が最大の位置はブラッグピークと呼ばれる。
3次元の粒子線照射システムは、このブラッグピークの位置を腫瘍の3次元形状に合わせて走査し、各走査位置におけるピーク線量を調整しながら、予め画像診断で決めた標的である腫瘍領域において、所定の3次元線量分布を形成するように工夫されている。荷電粒子ビームの走査は、荷電粒子ビームの照射方向にほぼ垂直な横方向(X、Y方向)と、荷電粒子ビームの照射方向である深さ方向(Z方向)における走査がある。横方向における走査は患者を荷電粒子ビームに対して移動させる方法と、電磁石などを使って荷電粒子ビームの位置を移動させる方法があり、一般的には電磁石を用いる方法が用いられている。深さ方向の走査は荷電粒子のエネルギーを変えるのが唯一の方法である。エネルギーを変える方法には、加速器で荷電粒子のエネルギーを変える方法と、荷電粒子ビームが通過する経路にエネルギー減衰体を挿入して、減衰体の減衰量を変化させる方法がある。
電磁石を用いて荷電粒子ビーム位置を移動させる(スキャニングとも呼ぶ)方法は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1の図2示されたように、従来の粒子線治療装置の粒子線照射システムでは、ビームスポットの位置移動を行う手段として、荷電粒子ビームをビーム進行方向(Z軸方向)に垂直な方向であるX−Y方向に偏向させるスキャニングマグネット(走査電磁石)を用いている。
また、特許文献2に記載された粒子線照射装置では、最終偏向電磁石とその入射側の偏向電磁石との間に複数台のX方向、Y方向独立の走査電磁石を配置して、該複数台の走査電磁石によるキックの重ね合わせにより平行照射野が形成されるように構成されている。
特許文献3には、回転ガントリを用いた粒子線照射装置において、偏向電磁石の上流に照射野移動用電磁石を設置し、下流に1組のX方向、Y方向の走査電磁石を設置して、照射野移動電磁石で照射野を大きく移動し、移動した領域で、走査電磁石によりビームをX方向、Y方向に走査する構成が開示されている。
特開2008−154627号公報(段落「0024」および図2) 特開2002−22900号公報 特開平8−257148号公報
特許文献1の図2に記載された粒子線照射システムでは、粒子線の走査速度を高速にする場合、走査電磁石Xと走査電磁石Yのインダクタンスと走査速度に比例して、大容量の走査電磁石電源が必要であった。そのため、粒子線照射システムの電源容量が、要求される照射野サイズ(照射標的サイズに比例)および要求される走査速度と共に増加してしまう。また、特許文献2に記載された粒子線照射装置では、複数台の走査電磁石を用いて粒子線を走査するが、その構成は荷電粒子ビームが照射位置で平行に照射される平行照射野を形成することを特徴としており、照射野形成の自由度は小さい。さらに特許文献3に記載された粒子線照射装置では、上流に照射野移動用の電磁石を配置して、照射野を大きく移動させ、下流に配置した走査電磁石で荷電粒子ビームを走査する構成となっており、照射野移動用電磁石と走査電磁石は別々に動作させる思想しか開示されていない。
本発明の目的は、上記のような従来の荷電粒子ビームの走査方法に対し、複数の走査電磁石のそれぞれの能力を最大限に発揮させ、荷電粒子ビームの走査自由度を増大させて、精度が高く、低速から高速まで自由度が高い荷電粒子ビームの走査が可能な粒子線照射装置を提供することである。
本発明は、入射される荷電粒子ビームを、荷電粒子ビームの進行方向に垂直なX方向およびY方向の2方向の目標軌道に走査して、照射対象に照射する粒子線照射装置において、荷電粒子ビームを2方向に走査する走査電磁石の組を複数組備え、目標軌道は時間に対応した目標照射位置が決められた時系列目標軌道データで与えられ、時系列目標軌道データを周波数分割した複数のデータを基に、複数組の走査電磁石のそれぞれの走査電磁石の指令値を生成するようにしたものである。
本発明の粒子線照射装置にあっては、複数組の走査電磁石のそれぞれの能力を最大限に発揮させ、精度が高く、低速から高速まで自由度が高い荷電粒子ビームの走査が可能となる効果を奏する。
本発明の実施の形態1による粒子線照射装置を含む粒子線治療装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1による粒子線照射装置により荷電粒子ビームが走査される様子を示す概略図である。 1組のX方向およびY方向の走査電磁石により荷電粒子ビームが走査される様子を説明するイメージ図である。 走査電磁石の指令値と荷電粒子ビームの移動量の関係を説明するブロック線図である。 本発明の実施の形態1による粒子線照射装置の周波数分離部のブロック図である。 本発明の実施の形態1による粒子線照射装置の別の周波数分離部のブロック図である。 本発明の実施の形態1による粒子線照射装置の指令値変換部のブロック図である。 本発明の実施の形態1による粒子線照射装置の別の指令値変換部のブロック図である。 本発明の実施の形態2による粒子線照射装置の周波数分離部のブロック図である。 本発明の実施の形態3による粒子線照射装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4による粒子線照射装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4による別の粒子線照射装置の概略構成を示すブロック図である。 走査電磁石の指令値と荷電粒子ビームの移動量の関係を説明する図4とは別のブロック線図である。 図4の入力および出力の例を示す表である。 図13の入力および出力の例を示す表である。 式(3)および式(4)の各変数、係数などを示す表である。 本発明の実施の形態5による粒子線照射装置の指令値変換部の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5による粒子線照射装置の指令値変換部の他の一例を示すブロック図である。 式(5)および式(6)の各変数、係数などを示す表である。 式(7)および式(8)の各変数、係数などを示す表である。 本発明の実施の形態6による粒子線照射装置を含む粒子線治療装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態7による粒子線照射装置を含む粒子線治療装置の概略構成を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による粒子線照射装置を含む粒子線治療装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、加速器1から陽子線や炭素線などの荷電粒子ビーム2が出力され、電磁石群等で構成されるビーム輸送系3で荷電粒子ビーム2をビーム照射系4に導く。ビーム照射系4には、入射される荷電粒子ビーム2を、荷電粒子ビーム2の進行方向に垂直な方向であるX−Y方向2次元に走査する第一走査電磁石5と第二走査電磁石6の2組の走査電磁石が備えられている。第一走査電磁石5はX方向走査電磁石52とY方向走査電磁石51、第二走査電磁石6はX方向走査電磁石62とY方向走査電磁石61を有している。このように、第一走査電磁石5および第二走査電磁石6はX方向走査電磁石とY方向走査電磁石の2個の電磁石の組で構成されている。第一走査電磁石5はそれぞれの励磁コイルが第一走査電磁石電源53で駆動され、第二走査電磁石6はそれぞれの励磁コイルが第二走査電磁石電源63で駆動される。第一走査電磁石電源53と第二走査電磁石電源63は、加速器1やビーム照射系4など粒子線治療装置全体を制御する粒子線治療装置制御器9に備えられた協調制御用走査制御部7により、第一走査電磁石5と第二走査電磁石6とが協調して荷電粒子ビームを走査するよう制御される。協調制御用走査制御部7は、例えば治療計画段階にデータを作成する治療計画装置8などから、荷電粒子ビームを照射する位置の時系列データを受け取って、治療段階に(あるいは治療準備段階に)該データを周波数分離部71で周波数分離し、指令値変換部72で第一走査電磁石電源53と第二走査電磁石電源63への励磁コイルの励磁電流の指令値に変換する。第一走査電磁石5と第二走査電磁石6とで走査された荷電粒子ビーム21は照射対象22の所定の位置および時間に照射される。
ここで、第一走査電磁石5による荷電粒子ビームの走査領域は、第二走査電磁石6による荷電粒子ビームの走査領域よりも狭い。すなわち、第一走査電磁石5によって荷電粒子ビームを偏向させる最大偏向角度は、第二走査電磁石6による最大偏向角度よりも小さい。また、一般に、走査電磁石による偏向角度が小さいほど電磁石が発生する磁場は小さくて良く、小さい電磁石、すなわち流す電流やインダクタンスが小さい電磁石で良い。よって、第一走査電磁石5は、第二走査電磁石6に比べてインダクタンスが小さい電磁石を採用できる。例えば、第一走査電磁石5は、空芯コイルで構成できる可能性があり、第一走査電磁石5の構成が簡単になる。インダクタンスが小さい電磁石は高速に磁場を変更できるため、第一走査電磁石5は第二走査電磁石6よりも高速に磁場を変更できる。電気的な特性で表現すれば、第一走査電磁石5が第二走査電磁石に比べて、より高速で、周波数応答としてより高周波の応答特性を有する。
また、図1では、最大偏向角度がより小さい第一走査電磁石5を、最大偏向角度がより大きい第二走査電磁石6よりも、荷電粒子ビーム2の上流側に配置している。一般に、最大偏向角度が小さい電磁石の方が、形状を小さくできるため、各電磁石への荷電粒子ビームの入射開口を考慮すると、最大偏向角度がより小さい第一走査電磁石5を上流側に配置するのが、配置や電磁石形状が設計し易いため、より好ましい。ただし、最大偏向角度がより大きい第二走査電磁石6を荷電粒子ビーム2の上流側に配置することも可能である。
図2は、図1の粒子線照射装置で荷電粒子ビームが走査される様子を示す概略図であり、図2(a)は側面図で、Y方向を示す。図2(b)は正面図で、X方向を示す。図2(c)は、図2(b)のA−A面における荷電粒子ビームの走査範囲などを示す図である。また、図3は1組のX方向およびY方向の走査電磁石により荷電粒子ビームが走査される様子を説明するイメージ図である。図3(A)は鳥瞰図、図3(B)はこの鳥瞰図を正面図と側面図で示したものである。例えば、第一走査電磁石5は、上流側に荷電粒子ビームをY方向に走査するY方向走査電磁石51、下流側にX方向に走査するX方向走査電磁石52が配置されている。入射される荷電粒子ビーム2は、まず上流側のY方向走査電磁石51による荷電粒子ビームの走査作用軸100を中心にY方向に偏向される。偏向された荷電粒子ビームが下流側のX方向走査電磁石52による荷電粒子ビームの走査作用軸200を中心にX方向に偏向される。このようにして、X−Yの2次元に拡がった領域に荷電粒子ビームが照射される。本発明の実施の形態1では、図3で示した走査が、2段に亘って行われる。
以下、図1および図2を参照して本発明の実施の形態1による粒子線照射装置の動作を説明する。荷電粒子ビームは、まず、第一走査電磁石5および第二走査電磁石6が動作しない、すなわち荷電粒子ビームが両者の走査電磁石で偏向作用を受けない場合に、基準点であるアイソセンタOに向けて照射されるように、構成機器がアライメントされる。このときの荷電粒子ビームのビーム軸を20で示している。ビーム軸20は、第一および第二走査電磁石5、6が動作しない場合の荷電粒子ビームが通過する軌跡を示す。また、荷電粒子ビーム照射位置を決定するため、座標系が設定される。例えば、図1に示すように、アイソセンタOを原点として、ビーム軸に垂直な方向にX軸、Y軸を、ビーム軸方向にZ軸を設定する。なお、図2のX、Y、Zは方向のみを示すものである。
入射される荷電粒子ビーム2は、第一走査電磁石5および第二走査電磁石6によりX−Y2次元方向に走査される。ビーム照射位置のZ方向の設定は、荷電粒子のエネルギーを調整することにより飛程を変化させ、すなわちブラッグピークの位置を変えて制御することにより行う。この場合、Z方向の照射位置は、照射される線量分布の代表点、例えばブラッグピークの位置で表す。
第一走査電磁石5及び第二走査電磁石6が働かない状態で、ビーム照射位置はアイソセンタOに設定される。ここで、第一走査電磁石5のみを働かせ、ビームを走査可能な範囲を考える。Y方向走査電磁石52により、図3で示したように、ビームはY軸方向の扇状に広がった範囲で走査が可能となる。X方向走査電磁石51により、今度はX軸方向の扇状に広がった範囲で走査が可能となる。結果、走査可能範囲は、図2(c)の24の斜線で示す領域である第一走査電磁石5の走査エリア(デフォルト)となる。
次に、下流にある第二走査電磁石6を働かせた場合に、前記走査エリア24がどうなるかを説明する。やはりY方向走査電磁石61により、ビームはY軸方向の扇状に広がった範囲内で走査される。さらにX方向走査電磁石62により、ビームはX軸方向の扇状に広がった範囲内で走査される。最終的に前記走査エリアは、図2(c)の斜線で示す領域25に移動する。また、第一走査電磁石5と第二走査電磁石6とを働かせて走査することが可能な領域は23で示す領域になる。
第一走査電磁石5のみ働かせてある指令値を入力すると、ビーム照射位置はO→Pへと移る。このときのビーム照射位置の移動量OPは、第一走査電磁石5のみによる移動量である。次に第二走査電磁石6を働かせてある指令値を入力すると、最終的なビーム照射位置はPとなる。最終的なビーム照射位置の移動量OPは、次式にように表すことができる。
Figure 0005340483
つまり、ビーム移動量は、第一走査電磁石5によるものと第二走査電磁石6によるものに分けることができる。
図4は、上記の説明を、ブロック線図を用いて図的に表現したものである。図4において、入力である指令値は走査電磁石の励磁コイルの励磁電流の値であり、その励磁電流の値によって走査電磁石を駆動した結果のビーム照射位置の移動量が出力となる。図4は、第一走査電磁石5の指令値(I1x、I1y)のとき、第一走査電磁石5による移動量がOPで、さらに第二走査電磁石6の指令値(I2x、I2y)としたとき最終的なビーム照射位置の移動量がOP(ビーム照射位置P2の座標(x、y))となることを表現している。このように、各走査電磁石への指令値が決まれば、OP(x、y)、OP(x、y)が唯一に決まる。これは、物理現象によって決まる、4入力4出力の写像ととらえることができる。
ところで、実際の治療にとって意味があるのは、最終的なビーム照射位置である。どの位置にどれだけの線量を照射するかは、患者毎、治療計画装置により計算される。治療計画装置の計算結果により、更に、ビーム照射位置の目標軌道が計算される。
走査電磁石が1組であれば、ビーム照射位置の目標軌道を与えるだけで十分であったが、本発明では走査電磁石が複数組のため、目標軌道を得る解がユニークではない。すなわち、或るビーム照射位置の実現に、第一走査電磁石5と第二走査電磁石6との役割分担が無限通りある。式(1)のOP(左辺)を満たす、OP、Pの組合せが無限通りあるからである。
図5に本発明の実施の形態1による、協調制御用走査制御部7における周波数分離部71のブロック図を示す。治療計画装置から送られてくる目標軌道は、時系列に、時間に対応した目標照射位置が並べられたデータである。すなわち目標軌道は、例えば図5の左側に示したような時系列データ(=信号)である。図5に示した信号は、ひとつの座標について示したが、X座標分とY座標分とが存在する。この目標軌道は、所定の位置にビームを一定時間滞留させて照射した後、ビームを別の位置に移動させてその位置で一定時間滞留させて照射する、という動作を繰り返して広い領域を照射する、スポットスキャニング照射方法による目標軌道の例である。この目標軌道に対して、第一走査電磁石5と第二走査電磁石6の位置指令値を得るために、第一走査電磁石5と第二走査電磁石6の特性を考慮して以下のことを行う。周波数分離部71の入力である図5の左側に示した目標軌道の信号を、フィルタを用いて第一走査電磁石5用と第二走査電磁石6用とに分離する。第一走査電磁石5は小型で高速であり、より高周波の応答特性を有するから、目標軌道の高周波成分を担当するようにする。第二走査電磁石6は大型で走査幅大であり、より低周波の応答特性を有するから、低周波成分を担当するようにする、等である。図5は、目標軌道の信号を、フィルタを用いて分離することを示したものである。ここで、最終的に得られる目標軌道は、当初の計画されたものにならなければいけない。したがって、図5に示したように、ここで用いるフィルタは、相補的(F(s)+G(s)=1)なものを用いる。
図5におけるF(s)は第二走査電磁石6用のフィルタでありローパスフィルタ73、G(s)(=1−F(s))は第一走査電磁石5用のフィルタでありハイパスフィルタ74である。これらのフィルタで分離された目標軌道の信号(位置指令値)が図5の右側に示す2つの信号である。また、図6に示すように、ローパスフィルタ73のみを設けて、ハイパスフィルタを設けずに、演算器76により入力信号である目標軌道の信号からローパスフィルタ73で分離した低周波成分の信号を差し引くことで高周波成分を得るようにしても良い。逆に、ハイパスフィルタのみを設けて、ローパスフィルタを設けずに、入力信号である目標軌道の信号からハイパスフィルタで分離した高周波成分の信号を差し引くことにより低周波成分を得るようにしても良い。
指令値変換部72では、それぞれの走査電磁石によるビーム位置がそれぞれの位置指令値になるように、それぞれの走査電磁石の励磁電流を指令値として出力し、第一走査電磁石電源53および第二走査電磁石電源63を制御する。図7は、最も簡単な指令値変換部72の構成を表したものである。目標照射座標と走査電磁石の励磁電流指令値との関係を、直線近似して得るものであり、指令値演算部721〜724においてそれぞれの電磁石へ指令値の推定値を演算する。例えば、第一走査電磁石のX方向の電磁石の指令値の推定値を演算する指令値演算部721は、指令値の推定値を、
Figure 0005340483
ただし、k1xは比例定数であり、直線近似した直線の傾きである
によって求める。
また、図8は、指令値変換部72の別の例を示すブロック図である。725〜728は、目標照射座標と走査電磁石の励磁電流指令値との関係をテーブルで保持する、ルックアップテーブル(早見換算表)である。目標照射座標と走査電磁石の励磁電流指令値との関係を直線近似では十分な精度が得られない場合、折れ線近似をして、変換結果をルックアップテーブルにより得られるようにしたものである。これらの指令値変換(生成)方法は一般的な方法だが、位置精度上、改善の余地がある。好適な指令値変換(生成)方法は、実施の形態5に後述する。
ここでは、目標軌道としてスポットスキャニング照射法の例を示したが、本発明の実施の形態1の粒子線照射装置は、スポットスキャニング照射法に限らず、種々の目標軌道に適用が可能である。したがって、実施の形態1の粒子線照射装置によれば、2組の走査電磁石によって種々の目標軌道を実現するための各電磁石への指令値を、目標軌道の信号を周波数分離するだけの単純な構成で作成することができ、低速から高速まで自由度の高い荷電粒子ビームの走査が可能となる。また、この粒子線照射装置を粒子線治療装置に適用すれば、患者毎に適切な目標軌道を形成でき、各組の走査電磁石の特性を考慮した走査ができるため、走査時間の短縮が図れる。
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2による粒子線照射装置の協調制御用走査制御器7における周波数分離部71の構成を示すブロック図である。実施の形態1では、2組の走査電磁石を用いたが、本実施の形態2では、図1のビーム照射系4に荷電粒子ビームの上流から下流に向けて、第一走査電磁石、第二走査電磁石、第三走査電磁石3組の走査電磁石を配置する。例えば、第一走査電磁石は最大偏向角度が小さいが高速で磁場変更できる電磁石、第三走査電磁石は、最大偏向角度が大きく広い領域を走査できるが、磁場の変更は低速でしかできない電磁石、第二走査電磁石は、最大偏向角度や磁場の変更速度が、第一走査電磁石と第三走査電磁石との中間の特性を有する電磁石である。よって、それぞれの走査電磁石のインダクタンスは、第一走査電磁石、第二走査電磁石、第三走査電磁石の順に大きくなり、それぞれの電磁石の周波数応答特性も異なったものとなっている。
これら3組の走査電磁石を用いて荷電粒子ビームを走査する場合、協調制御用走査制御部7における周波数分離部71は、治療計画装置8から受け取った目標軌道の信号を、3組の走査電磁石の位置指令信号に分離する。その場合、図9に示すように、3つのフィルタを用いて目標軌道の信号を分割する。図9において、F(s)は第三走査電磁石用のフィルタでありローパスフィルタ73、H(s)は第二走査電磁石用のフィルタでありバンドパスフィルタ75、G(s)(=1−F(s)−H(s))は第一走査電磁石用のフィルタでありハイパスフィルタ74である。指令値変換部72では、これらのフィルタで分離された目標軌道の信号(位置指令値)になるように、それぞれの走査電磁石の励磁電流を指令値として出力し、それぞれの走査電磁石電源を制御する。
なお、実施の形態1で説明したのと同様に、ローパスフィルタ73、バンドパスフィルタ75、ハイパスフィルタ74のいずれか一つは無くても、目標軌道の信号から他の2つのフィルタで分離された信号を差し引くことにより、無くしたフィルタで分離するのと同じ信号が得られる。
以上のように、本実施の形態2では、3組の走査電磁石を用いた場合を説明したが、さらに多くの組の走査電磁石を用いることもできる。このように、本発明は、複数組の走査電磁石を用いた場合に適用でき、複数組の走査電磁石によって種々の目標軌道を実現するための各電磁石への指令値を単純な構成で作成することができ、低速から高速まで自由度の高い荷電粒子ビームの走査が可能となる。
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3による粒子線照射装置の概略構成を示すブロック図である。図10において、図1と同一符号は、同一または相当する部分を示す。実施の形態1では、治療計画装置8から出力される目標軌道信号を一旦粒子線治療装置制御器9に転送・保存し、治療段階において、前記粒子線治療装置制御器9に備えた協調制御用走査制御部7においてフィルタにより周波数分割して、第一走査電磁石の位置指令値および第二走査電磁石の位置指令値をリアルタイムで作成した。本実施の形態3では、治療計画装置80の内部に第一走査電磁石電源53および第二走査電磁石電源63への指令値を作成する機能を有する協調制御用走査制御部7を設けた。協調制御用走査制御部7は、治療計画装置80の内部にある治療計画部81から、目標軌道信号を受け取って、周波数分離部71のフィルタにより周波数分割して、第一走査電磁石5の位置指令値および第二走査電磁石6の位置指令値を作成し、指令値変換部72において、これらの位置指令値をそれぞれの走査電磁石電源への指令値に変換する。すなわち、治療計画装置80が、治療計画段階に、あらかじめ第一走査電磁石5および第二走査電磁石6の各指令値を生成しておく。
このように、治療計画によって作成される目標軌道信号をフィルタで周波数分割し走査電磁石各々の指令値を生成するのはどの部分で行っても良く、従来粒子線照射装置に備えられている計算機内部に、実施の形態1や2で説明した周波数分離部71を備えるようにしても良い。
実施の形態4.
実施の形態4は、本発明が、呼吸等にともない患部が動いたり変形したりする場合にも適用できることを説明する。図11及び図12は、本発明の実施の形態4による粒子線治療装置の概略構成を示すブロック図である。図11及び図12において、図1と同一符号は、同一または相当する部分を示す。粒子線治療装置を用いた治療においては、照射対象である患部が、患者の呼吸等生理的な活動に伴い動いたり変形したりすることがある。このため、「呼吸同期照射」や「患部トラッキング照射」など、効果的かつ安全な治療を行うためのさまざまな工夫が提案されている。
図11は、患者の体表面の動きを監視するカメラ30を備えた粒子線治療装置の構成を示した図である。なお、図11では、監視カメラを1組のみ示したが、患部の3次元位置情報を得ることが目的なので、2組若しくはそれ以上用いるのが通常である。患者の体表面には、あらかじめ複数のマーキングを行い、このマークをいわゆるランドマークとして、画像処理装置31により3次元位置情報が求められる。協調制御用走査制御部7は、画像処理装置31により求めたランドマークの3次元位置情報より、患部の位置・姿勢を推測し、目標照射位置を修正する。協調制御用走査制御部7により修正された目標照射位置も、周波数分離部71により周波数分離されるため、第一走査電磁石と第二走査電磁石とが協調してビーム位置の制御をすることができる。
図12は、図11と同じ目的で構成された粒子線治療装置の構成を示した図である。図12では、X線管32、FPD(Fat Panel Detector)33、および画像処理機能を含むX線制御装置34などで構成されるX線撮像装置を用いる。なお、図12では、X線撮像装置を1組のみ示したが、患部の3次元位置情報を得ることが目的なので、2組もしくはそれ以上用いるのが通常である。X線撮像装置を用いれば、患部を含めた周辺部の透視画像が得られる。したがって、この場合は、骨の特徴的な形状を有する部分等がランドマークとなる。この後の、X線制御装置34がランドマークの3次元位置情報を求める以降
フローは、前述した図11の場合と同様である。
本実施の形態4による粒子線治療装置においては、以上のように照射対象である患部の動きを検出し、この動きに応じて目標照射位置を補正する、すなわちフィードバック補償を行うような構成にしたので、より高精度な照射が実現できる。
実施の形態5.
実施の形態1〜4では、複数組の走査電磁石からなるビーム照射系に対して、それぞれの走査電磁石への指令値を生成するための、各走査電磁石の目標走査量の決定の仕方を説明した。具体的には、それぞれの走査電磁石が分担するビーム走査量を、最終的に与えられた目標軌道を達成するように、フィルタを用いて生成するものである。一見、それぞれの走査電磁石に対して分担するビーム走査量が決まれば、それぞれの走査電磁石への指令値を生成することは容易であると思われる。しかし、ビーム走査量が決まっても、そのビーム走査量を達成する走査電磁石への指令値(励磁電流の値)を正確に求めることは、実は容易ではない。特に、下流に設置された走査電磁石は上流の走査電磁石の影響を受けるため、その指令値の生成に工夫を要する。そこで、本実施の形態5では、目標軌道を達成するための指令値が容易に求められない課題について詳しく説明し、さらにその課題を解決する手段について説明する。
実施の形態1で説明した図4に基づいて、目標軌道を達成するための、走査電磁石への指令値が容易に求められない技術的課題について説明する。図4の左側は、指令値が各走査電磁石へ入力されていることを示す(要因)。図4の右側は、その結果、ビームが走査され(照射位置が移動され)、一意に決まる照射位置が出力されることを示す(結果)。
この物理現象は、全体として4入力4出力の「写像」と捉えることができる。
また、要因があって結果が生じるという考え方、すなわち「因果律」の順序そのものであることから、特に「順方向の写像」又は「順写像」とよぶ。ただし、ここで「指令値」とは、以下のものを言う。走査電磁石を駆動させるための制御量は、一般的に電流である。したがって、ここで指令値とは、制御量の目標値であり、一般的には電流の単位で与える。
この物理現象は、図4の他に、図13のように解釈することもできる。図4において、順写像の入力と出力は、図14に示す表1のようにおいた。表1のように、4つの入力から4つの出力が得られるので、4入力4出力の写像となる。ところで出力1と出力2は、第一走査電磁石にのみ依存して決まるので、すなわち入力1と入力2のみによって決まるので、部分的には2入力2出力である。しかし、全体として見た場合、4入力4出力ととらえることができる。ここで、式(1)により、OP、OP、Pは3ベクトルのうち、いずれか2つのベクトルがわかれば残りの1ベクトルを計算することができる。図4に示した順写像においては、出力をOP、OPの2ベクトルとしたが、図13のように順写像の出力を、OP、Pの2ベクトルとして考えてもよい。図15に示す表2は、図13に示した写像の入出力を表す。
ここで、技術的課題を説明する簡単な例1を示す。ある走査量でビームが走査され、ある照射位置にビームが照射されていると仮定する。これに対し、下流の走査電磁石を用いて、照射位置を例えばX方向に+1cm移動させることを考える。このとき、上流の走査電磁石がビームをどこに走査しているかによって、達成するための下流の走査電磁石の制御量は異なる。すなわち、上流の走査電磁石が働いてなく原点にあるビームの照射位置をX方向に+1cm移動させるための指令値と、上流の走査電磁石が働いていて例えばX方向に10cmの位置にあるビームの照射位置をさらにX方向に+1cm(=11cm)に移動させるための指令値は、同じではない。経験的に、上記のような指令値のずれが生じる現象がわかっている。
技術的課題を説明する、別の簡単な例2を示す。下流の走査電磁石が働いていない状態で、原点にあるビームの照射位置をX座標が2cmの位置に移動させるための上流のX方向走査電磁石への制御量は2[A]であったとする。また、上流の走査電磁石が働いていない状態で、原点にあるビームの照射位置をX座標が2cmの位置に移動させるための下流のX方向走査電磁石への制御量は2[A]であったとする。このとき、上流のX方向走査電磁石への制御量を2[A]与え、下流のX方向走査電磁石への制御量を2[A]与えた場合、ビームの照射位置のX座標が4cmの位置になるとは限らない。むしろ、一般的には4cmとならない。経験的に、上記のようなビーム照射位置のずれが生じる現象がわかっている。
このように、物理現象の要因である制御量(電流)と、物理現象の結果であるビーム位置とは、概念を常に明確にし、区別しておく必要がある。上記の例1は、結果(ビーム位置)における加算法則は、対応する要因(制御量)で成立しないことを示した例である。例2は、要因(制御量)における加算法則は、対応する結果(ビーム位置)で成立しないことを示した例である。これは、物理現象を示す順写像が、線形でないために生じる。
厳密な指令値を生成する難しさを示すものとして、以下の点も考慮に入れる必要がある。走査電磁石は、ビーム軸と直交したX方向及びY方向にそれぞれビームを走査するように取り付ける。理想的には、ビーム位置のX座標成分は純粋にX方向用の走査電磁石により、ビーム位置のY座標成分は純粋にY方向用の走査電磁石により実現できることが望ましい。しかし、現実にはビーム照射位置のX座標成分とY座標成分を完全に独立して制御することは難しい。例えば、Y方向用走査電磁石でビーム位置のY座標が3cmとなるようビームを走査した状態で、X方向用走査電磁石でビームを走査していくと、ビーム照射位置の軌跡は純粋にX軸と平行とはならず、Y座標が3cmからずれていくことが経験的にわかっている。この原因のひとつには、走査電磁石の取り付け誤差等が考えられるが、これに限らない。このように、単一の走査電磁石によってビーム位置の制御を、X座標成分とY座標成分とに独立して単一に行えないことを、「XとYとの干渉項がある」、「XとYとのクロスタームがある」等と表現する。
XとYとの干渉項の問題は、1組の走査電磁石によりビームを走査する場合に既に生じる。本発明におけるビーム照射系4では、上流の第一走査電磁石5と下流の第二走査電磁石6と、少なくとも2組の走査電磁石を用いる。したがって、XとYとの干渉項の問題は、本発明においては更に複雑になる。走査電磁石が2組以上の場合を考える前に、まずはX方向とY方向の走査電磁石1組の場合について述べる。
上記のように、1組の走査電磁石の場合のXとYとの干渉項の問題を課題として見出した。課題解決のため指令値変換部72において、荷電粒子ビームの目標照射位置座標から、その照射を実現するX方向走査電磁石のX方向指令値とY方向走査電磁石のY方向指令値とをそれぞれ生成する、X方向とY方向逆写像数式モデルを有するようにする。また、当該X方向とY方向逆写像数式モデルは、それぞれ、荷電粒子ビームの照射位置平面における目標照射位置座標を2変数で表示したときの2変数のいずれも含んでいるようにする。
1組の走査電磁石を仮定した逆写像数式モデルと、2組の走査電磁石を仮定した逆写像数式モデルとが、どのように対応しているかについて説明する。前述したように、第一走査電磁石5によるビーム移動量OPは、第一走査電磁石5のみに依存する。そのため、図4及び図13いずれの写像の考え方においても、OP部分は2入力2出力である。すなわち、第一走査電磁石5への指令値が、第一走査電磁石5へ入力されてOPを出力する部分は、2組の走査電磁石によるビーム照射系においても、1組の走査電磁石によるビーム照射系の物理現象を表す順写像と同等であると考えてよい。
一方、第一の走査電磁石5の下流にある第二の走査電磁石6によるビーム移動量P(図13の写像の出力)及び最終的なビーム移動量OP(図4の写像の出力)は、第一走査電磁石5と第二走査電磁石6との両方に依存する。したがって、第二走査電磁石6によるビーム移動量Pを出力する写像は、部分的に4入力2出力であるといえる(図13、表2:入力1、入力2、入力3、入力4⇒出力3、出力4)。または、最終的なビーム移動量OPを出力する写像は、部分的に4入力2出力であるといえる(図4、表1:入力1、入力2、入力3、入力4⇒出力3、出力4)。ここの部分が、2組の走査電磁石を用いるビーム照射系に特有の性質であるといえる。全体として、OPとP、若しくはOPとOPを出力する2組の走査電磁石のビーム照射系の物理現象を表す順写像は、全体として4入力4出力であるといえる。
「順写像」である物理現象は、走査電磁石への指令値を決めて与えれば、ビーム照射位置が唯一に決まるというものであり、図4及び図13では、矢印によりその順序を示している。しかし、実際に装置の機能として必要とされるのは、先に目標ビーム照射位置が与えられ、それに対しその目標ビーム照射位置を実現する走査電磁石の指令値を求めることである。すなわち、物理現象とは逆のアプローチである。
1組の走査電磁石を有するビーム照射系の場合においても、同様に逆のアプローチが必要である。この物理現象とは逆のアプローチを達成するため、指令値変換部72に逆写像数式モデルを備えるようにする。逆写像数式モデルには、例えば、以下のような多項式構造のものが考えられる。
Figure 0005340483
Figure 0005340483
ただし、各変数、係数などは図16に示す表3の通り。
なお、式(3)及び式(4)は、最高次数=2の多項式を示したが、最高次数をいくつまでとるか、またどのような項を採用するかは写像の非線形度合い等によって適宜決めてよい。本明細書の趣旨は、指令値変換部72に用いる逆写像を、式(3)又は式(4)に限定するものではない。
さて、式(3)又は式(4)を用いて指令値の推定値を求めるには、未知パラメータ(多項式の係数)が事前に求まっている必要がある。例えば、あらかじめ患者のいない状態で試し照射を行い、実測したデータから最小二乗法又は重み付き最小二乗法によりこの未知パラメータを求めることができる。また、このような作業をキャリブレーションとよぶ。
図17及び図18は、2組の走査電磁石を用いるビーム照射系の場合において、この物理現象とは逆のアプローチを指令値変換部72で達成する「逆写像」を、ブロック線図で表したものである。図17は、図4に示した順写像に対応した逆写像のブロック線図である。また、図18は、図13に示した順写像に対応した逆写像のブロック線図である。本発明における粒子線照射装置における指令値変換部72は、図17又は図18に示す逆写像の数式モデルを備える。
図17又は図18に示すように、第二走査電磁石6(下流の走査電磁石)の指令値の推定値を求める逆写像2は、いずれも4入力2出力になっていることがわかる。すなわち、式(3)や式(4)で示した2入力2出力のものとは異なる数式モデルが必要である。そこで、本発明の実施の形態5においては、以下に示す数式モデルを使用する。
図17に対応した逆写像の数式モデルは、例えば、以下の式(5)、式(6)のようである。
Figure 0005340483
Figure 0005340483
ただし、各変数、係数などは図19に示す表4の通り。
図18に対応した逆写像の数式モデルは、例えば、以下の式(7)、式(8)のようである。
Figure 0005340483
Figure 0005340483
ただし、各変数、係数などは図20に示す表5の通り。
なお、式(5)乃至(8)では、最高次数=2の多項式を示したが、最高次数をいくつまでとるか、またどのような項を採用するかは写像の非線形度合い等によって適宜決めてよい。本発明の趣旨は、指令値変換部72に用いる逆写像を、式(5)乃至(8)に限定するものではない。
式(5)乃至(8)を用いて指令値の推定値を求める場合にも、未知パラメータ(多項式の係数)が事前に求まっている必要がある。当該未知パラメータは、あらかじめ患者のいない状態で試し照射を行い、実測したデータから最小二乗法又は重み付き最小二乗法により求めればよい。なお、この試し照射と区別するため、患者の治療を行うための照射は「本照射」とよぶ。未知パラメータを求めるための作業(試し照射を含む)は、キャリブレーションとよぶ。
本実施の形態5においては、このように協調制御用走査制御部は、2つの走査電磁石を連ねた照射系の順写像を仮定したその逆写像モデルを有し、キャリブレーション時の試し照射の実データから逆写像モデルの未知パラメータを求めるようにしているため、走査電磁石の指令値を求める際の、物理現象(順写像)の非線形性により生じる加算法則が出来ない問題を解決し、またXとYとの干渉項の問題を解決することができる。さらに、逆写像の数式モデルに多項式モデルを採用すれば、足し算と掛け算のみですむので高速に指令値の推定値を演算ができる、という格別な効果を発揮する。
実施の形態6.
図21は、本発明の実施の形態6による粒子線照射装置の構成を示すブロック図である。図21において、図1と同一符号は同一または相当する部分、または部品を示す。本実施の形態6では、粒子線2をX方向に偏向して走査する走査電磁石はX方向走査電磁石620一つのみ設けている。また、粒子線2をY方向に偏向して走査する走査電磁石はY方向走査電磁石610一つのみ設けている。X方向走査電磁石620の励磁コイルは一つのみであるが、この一つの励磁コイルを第一X方向走査電磁石電源535と第二X方向走査電磁石電源635の2つの電源により駆動するようにしている。同様に、Y方向走査電磁石610の励磁コイルは一つのみであるが、この一つの励磁コイルを第一Y方向走査電磁石電源536と第二Y方向走査電磁石電源636の2つの電源により駆動するようにしている。また、X方向走査電磁石620は実施の形態1における第二走査電磁石6のX方向走査電磁石62と同様、粒子線2を標的の最大幅まで偏向できる能力を有している。第二X方向走査電磁石電源635は大電流を出力することができるが、低電圧であり、X方向走査電磁石620の励磁コイルのインダクタンスの値が大きいため電流を高速に変化させることができない電源、すなわち低電圧大電流電源である。また、第一X方向走査電磁石電源535は出力できる電流値は小さいが、高電圧が出力でき、X方向走査電磁石620の励磁コイルのインダクタンスの値が大きくても電流を高速に変化できる高電圧小電流電源である。X方向走査電磁石620の励磁コイルには、第一X方向走査電磁石電源535および第二X方向走査電磁石電源635の両方の電源からの電流が重畳して流れるように構成されている。
同様に、Y方向走査電磁石610の励磁コイルは一つのみであるが、この一つの励磁コイルを第一Y方向走査電磁石電源536と第二Y方向走査電磁石電源636の2つの電源により駆動するようにしている。また、Y方向走査電磁石610は実施の形態1における第二走査電磁石6のY方向走査電磁石61と同様、粒子線2を標的の最大幅まで偏向できる能力を有している。第二Y方向走査電磁石電源636は大電流を出力することができるが、低電圧であり、Y方向走査電磁石610の励磁コイルのインダクタンスの値が大きいため電流を高速に変化させることができない電源、すなわち低電圧大電流電源である。また、第一Y方向走査電磁石電源536は出力できる電流値は小さいが、高電圧が出力でき、Y方向走査電磁石610の励磁コイルのインダクタンスの値が大きくても電流を高速に変化できる高電圧小電流電源である。Y方向走査電磁石610の励磁コイルには、第一Y方向走査電磁石電源536および第二Y方向走査電磁石電源636の両方の電源からの電流が重畳して流れるように構成されている。
本実施の形態6による粒子線照射装置では、第一X方向走査電磁石電源535とX方向走査電磁石620とで、実施の形態1で説明した第一走査電磁石電源53と第一走査電磁石5のX方向走査電磁石52に相当する動作を行い、第二X方向走査電磁石電源635とX方向走査電磁石620とで、実施の形態1で説明した第二走査電磁石電源63と第二走査電磁石6のX方向走査電磁石62に相当する動作を行う。同様に、第一Y方向走査電磁石電源536とY方向走査電磁石610とで、実施の形態1で説明した第一走査電磁石電源53と第一走査電磁石5のY方向走査電磁石51に相当する動作を行い、第二Y方向走査電磁石電源636とY方向走査電磁石610とで、実施の形態1で説明した第二走査電磁石電源63と第二走査電磁石6の方向走査電磁石61に相当する動作を行う。すなわち、実施の形態1で説明したように、目標軌道の信号から周波数分離部71で分離した高周波成分により、指令値変換部72において、第一X方向走査電磁石電源535および第一Y方向走査電磁石電源536に対する指令値を求める。同様に、目標軌道の信号から周波数分離部71で分離した低周波成分により、指令値変換部72において、第二X方向走査電磁石電源635および第二Y方向走査電磁石電源636に対する指令値を求める。
以上のように、実施の形態6による粒子線照射装置によれば、X方向およびY方向、それぞれ一つの走査電磁石に対して、それぞれ高速および低速の応答速度が異なる2個の走査電磁石電源への指令値を、目標軌道の信号を周波数分離するだけの単純な構成で作成することができ、低速から高速まで自由度の高い荷電粒子ビームの走査が可能となる。また、この粒子線照射装置を粒子線治療装置に適用すれば、患者毎に適切な目標軌道を形成でき、各組の走査電磁石の特性を考慮した走査ができるため、走査時間の短縮が図れる。
なお、実施の形態2で説明したのと同じ技術思想を、本実施の形態6に適用しても良い。すなわち、X方向およびY方向、それぞれ一つの走査電磁石に対して、それぞれ高速、中速および低速の3個の電源、あるいは応答速度が異なる4個以上の電源を設けた構成にしても良い。また、指令値の作成などについては、実施の形態1のみならず実施の形態3、実施の形態4、および実施の形態5を本実施の形態6に適用できるのは言うまでもない。
実施の形態7.
図22は、本発明の実施の形態7による粒子線照射装置の構成を示すブロック図である。図22において、図1および図21と同一符号は同一または相当する部分、部品を示す。本実施の形態7では、粒子線2をX方向に偏向させて走査する走査電磁石はX方向走査電磁石621一つのみ設けている。ただし、X方向走査電磁石621は、同一の鉄心に第一X方向励磁コイル625および第二X方向励磁コイル626の2つの励磁コイルが巻かれたものとなっている。ここで、第二X方向励磁コイル626は第一X方向励磁コイル625よりもコイルの巻数が多く、大きなインダクタンスを有し、第一X方向励磁コイル625のインダクタンスは小さい。第一X方向励磁コイル625は応答速度が速い第一X方向走査電磁石電源535により駆動され、第二X方向励磁コイル626は第一X方向走査電磁石電源535よりも応答速度が遅い第二X方向走査電磁石電源635により駆動される。
第一X方向励磁コイル625が第一X方向走査電磁石電源535により駆動されてX方向走査電磁石621を励磁して粒子線2を偏向させて走査できる範囲は、実施の形態1における第一走査電磁石5のX方向走査電磁石52で走査できる範囲と同様である。また、第二X方向励磁コイル626が第二X方向走査電磁石電源635により駆動されてX方向走査電磁石621を励磁して粒子線2を偏向させて走査できる範囲は、実施の形態1における第二走査電磁石6のX方向走査電磁石62で走査できる範囲と同様である。すなわち、第二X方向走査電磁石電源635で駆動する第二X方向励磁コイル626では粒子線2を大きく偏向して走査できるが、高速には走査できない。第一X方向走査電磁石電源535で駆動する第一X方向励磁コイル625では粒子線2を高速に走査できるが、大きく走査できない。
同様に、Y方向走査電磁石611は、同一の鉄心に第一Y方向励磁コイル615および第二Y方向励磁コイル616の2つの励磁コイルが巻かれたものとなっている。ここで、第二Y方向励磁コイル616は第一Y方向励磁コイル615よりもコイルの巻数が多く、大きなインダクタンスを有し、第一Y方向励磁コイル615のインダクタンスは小さい。第一Y方向励磁コイル615は応答速度が速い第一Y方向走査電磁石電源536により駆動され、第二Y方向励磁コイル616は第一Y方向走査電磁石電源536よりも応答速度が遅い第二Y方向走査電磁石電源636により駆動される。
第一Y方向励磁コイル615が第一Y方向走査電磁石電源536により駆動されてY方向走査電磁石611を励磁して粒子線2を偏向させて走査できる範囲は、実施の形態1における第一走査電磁石5のY方向走査電磁石51で走査できる範囲と同様である。また、第二Y方向励磁コイル616が第二Y方向走査電磁石電源636により駆動されてY方向走査電磁石611を励磁して粒子線2を偏向させて走査できる範囲は、実施の形態1における第二走査電磁石6のY方向走査電磁石61で走査できる範囲と同様である。すなわち、第二Y方向走査電磁石電源636で駆動する第二Y方向励磁コイル616では粒子線2を大きく偏向して走査できるが、高速には走査できない。第一Y方向走査電磁石電源536で駆動する第一Y方向励磁コイル615では粒子線2を高速に走査できるが、大きく走査できない。
本実施の形態7による粒子線照射装置では、第一X方向走査電磁石電源535とX方向走査電磁石621の第一X方向励磁コイル625とで、実施の形態1で説明した第一走査電磁石電源53と第一走査電磁石5のX方向走査電磁石52に相当する動作を行い、第二X方向走査電磁石電源635とX方向走査電磁石621の第二X方向励磁コイル626とで、実施の形態1で説明した第二走査電磁石電源63と第二走査電磁石6のX方向走査電磁石62に相当する動作を行う。同様に、第一Y方向走査電磁石電源536とY方向走査電磁石611の第一Y方向励磁コイル615とで、実施の形態1で説明した第一走査電磁石電源53と第一走査電磁石5のY方向走査電磁石51に相当する動作を行い、第二Y方向走査電磁石電源636とY方向走査電磁石611の第二Y方向励磁コイル616とで、実施の形態1で説明した第二走査電磁石電源63と第二走査電磁石6のY方向走査電磁石61に相当する動作を行う。すなわち、実施の形態1で説明したように、目標軌道の信号から周波数分離部71で分離した高周波成分により、指令値変換部72において、第一X方向走査電磁石電源535および第一Y方向走査電磁石電源536に対する指令値を求める。同様に、目標軌道の信号から周波数分離部71で分離した低周波成分により、指令値変換部72において、第二X方向走査電磁石電源635および第二Y方向走査電磁石電源636に対する指令値を求める。
以上のように、実施の形態7による粒子線照射装置によれば、X方向およびY方向、それぞれ一つの走査電磁石に対して、それぞれ小さいインダクタンスおよび大きいインダクタンスの2個の励磁コイルを巻き、それぞれの走査電磁石電源への指令値を、目標軌道の信号を周波数分離するだけの単純な構成で作成することができ、低速から高速まで自由度の高い荷電粒子ビームの走査が可能となる。また、この粒子線照射装置を粒子線治療装置に適用すれば、患者毎に適切な目標軌道を形成でき、各走査電磁石電源と各励磁コイルの特性を考慮した走査ができるため、走査時間の短縮が図れる。
なお、実施の形態2で説明したのと同じ技術思想を、本実施の形態7に適用しても良い。すなわち、X方向およびY方向、それぞれ一つの走査電磁石に対して、それぞれ小さいインダクタンス、大きいインダクタンス、それらの中間のインダクタンスの3個の励磁コイルを設け、あるいはインダクタンスの異なる4個以上の励磁コイルを設けた構成にしても良い。また、指令値の作成などについては、実施の形態1のみならず実施の形態3、実施の形態4、および実施の形態5を本実施の形態7に適用できるのは言うまでもない。
1:加速器 2:荷電粒子ビーム
3:ビーム輸送系 4:ビーム照射系
5:第一走査電磁石 6:第二走査電磁石
7:協調制御用走査制御部 8、80:治療計画装置
20:ビーム軸
21:走査された荷電粒子ビーム
22:照射対象
23:ビーム照射系全体による走査エリア
24:第一走査電磁石による走査エリア(デフォルト)
51、61、610、611:Y方向走査電磁石
52、62、620、621:X方向走査電磁石
535:第一X方向走査電磁石電源
536:第一Y方向走査電磁石電源
615:第一Y方向励磁コイル 616:第二Y方向励磁コイル
625:第一X方向励磁コイル 616:第二X方向励磁コイル
635:第一X方向走査電磁石電源
636:第一Y方向走査電磁石電源
71:周波数分離部 72:指令値変換部
73:ローパスフィルタ 74:ハイパスフィルタ
O:アイソセンタ

Claims (9)

  1. 入射される荷電粒子ビームを、上記荷電粒子ビームの進行方向に垂直なX方向およびY方向の2方向の目標軌道に走査して、照射対象に照射する粒子線照射装置において、
    上記荷電粒子ビームを上記2方向に走査する走査電磁石の組を複数組備え、
    上記目標軌道は時間に対応した目標照射位置が決められた時系列目標軌道データで与えられ、
    上記時系列目標軌道データを周波数分割した複数のデータを基に、上記複数組の走査電磁石のそれぞれの走査電磁石の指令値を生成する
    ことを特徴とする粒子線照射装置。
  2. 異なる組の走査電磁石の電気的な周波数応答特性が異なることを特徴とする請求項1に記載の粒子線照射装置。
  3. 走査電磁石の組数が2であることを特徴とする請求項2に記載の粒子線照射装置。
  4. 荷電粒子ビームに対し上流側に配置された走査電磁石の組の周波数応答特性が、下流側に配置された走査電磁石の組の周波数応答特性よりも高周波の応答特性を有することを特徴とする請求項3に記載の粒子線照射装置。
  5. 時系列目標軌道データを周波数分割した複数のデータを基に、逆写像数式モデルにより、複数組の走査電磁石のそれぞれの走査電磁石の指令値を生成することを特徴とする請求項1に記載の粒子線照射装置。
  6. 入射される荷電粒子ビームを、上記荷電粒子ビームの進行方向に垂直なX方向およびY方向の2方向の目標軌道に走査して、照射対象に照射する粒子線照射装置において、
    上記荷電粒子ビームを上記X方向に走査するX方向走査電磁石と、このX方向走査電磁石を励磁するための応答速度が異なる複数のX方向走査電磁石電源と、
    上記荷電粒子ビームを上記Y方向に走査するY方向走査電磁石と、このY方向走査電磁石を励磁するための応答速度が異なる複数のY方向走査電磁石電源とを備え、
    上記目標軌道は時間に対応した目標照射位置が決められた時系列目標軌道データで与えられ、
    上記時系列目標軌道データを周波数分割した複数のデータを基に、上記複数のX方向走査電磁石電源、および上記複数のY方向走査電磁石電源の指令値を生成する
    ことを特徴とする粒子線照射装置。
  7. 上記X方向走査電磁石を励磁するための一つの励磁コイルに対して、上記複数のX方向走査電磁石電源からの電流が重畳して流れ、上記Y方向走査電磁石を励磁するための一つの励磁コイルに対して、上記複数のY方向走査電磁石電源からの電流が重畳して流れることを特徴とする請求項6に記載の粒子線照射装置。
  8. 上記X方向走査電磁石を励磁するための、インダクタンスが異なる複数のX方向励磁コイルと、上記Y方向走査電磁石を励磁するための、インダクタンスが異なる複数のY方向励磁コイルとを備え、
    上記複数のX方向走査電磁石電源のそれぞれは、上記複数のX方向励磁コイルのそれぞれに電流を供給し、
    上記複数のY方向走査電磁石電源のそれぞれは、上記複数のY方向励磁コイルのそれぞれに電流を供給することを特徴とする請求項6に記載の粒子線照射装置。
  9. 請求項1または請求項6に記載の粒子線照射装置と、上記目標軌道を生成する治療計画装置とを備えたことを特徴とする粒子線治療装置。
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