[実施例1]
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
<印刷システム>
図1は本発明に係る印刷システムの構成の一例を示すブロック図であり、PC40及び画像処理装置10が、LAN50に接続されている。なお、LAN50に換えて或いは加えて、WAN(公衆回線)などの任意のネットワーク、USBなどのシリアル伝送方式、セントロニクスやSCSIなどのパラレル伝送方式なども適用可能である。
PC40は、ホストコンピュータであり、パーソナルコンピュータの機能を有している。PC40は、LAN50を介してFTPやSMBプロトコルを用いファイルを送受信したり電子メールを送受信したりすることができる。また、PC40から画像処理装置10に対して、プリンタドライバを介した印字命令を行うことが可能となっている。
画像処理装置10は、画像入力デバイスであるスキャナ部13、画像出力デバイスであるプリンタ部14、画像処理装置10全体の動作制御を司るコントローラ11、ユーザインターフェース(UI)である操作部12から構成される。
スキャナ部13は、原稿上の画像を露光走査して得られた反射光をCCDに入力することで画像の情報を電気信号に変換する。さらに電気信号をR,G,B各色からなる輝度信号に変換し、当該輝度信号を画像データとしてコントローラ11に対して出力する。スキャナ部13は、複数のCCDを有している。この各CCDの感度が夫々異なっていると、たとえ原稿上の各画素の濃度が同じであったとしても、各画素が夫々違う濃度であると認識されてしまう。そのため、スキャナ部13では、最初に白板(一様に白い板)を露光走査し、露光走査して得られた反射光の量を電気信号に変換してコントローラ11に出力している。
なお、スキャナ部13で読み取られる原稿は、不図示の原稿フィーダのトレイにセットされる。ユーザが操作部12から読取り開始を指示すると、コントローラ11からスキャナ部13に原稿読取り指示が与えられる。スキャナ部13は、この指示を受けると原稿フィーダのトレイから原稿を1枚ずつフィードして、原稿の読取り動作を行う。なお、原稿の読取り方法は原稿フィーダによる自動送り方式ではなく、原稿をガラス面上に載置し露光部を移動させることで原稿の走査を行う方法であってもよい。
コントローラ11は、スキャナ画像処理部212により、トナー等の印刷材料を節約することによって印刷された原稿(以下、「節約印刷原稿」と呼ぶ。)を、節約しなかった場合(オリジナル原稿)に近い状態に復元するための制御処理を行う。又、コントローラ11は、プリンタ画像処理部215により節約印刷原稿の画像データを生成するための制御処理も行う。コントローラ11については、後述する。
プリンタ部14は、コントローラ11から受け取った画像データを用紙上に形成する画像形成デバイスである。なお、本実施例の説明で用いる画像形成方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式である。しかし、本発明は電子写真方式に限られることはない。例えば、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に印字するインクジェット方式などでも適用可能である。プリンタ部14には、異なる用紙サイズ又は異なる用紙向きを選択可能とする複数の用紙カセット(不図示)が設けられている。又、印字後の用紙は排紙トレイ(不図示)やフィニッシャ部(不図示)に排出される。
<コントローラ11>
図2(A)は、画像処理装置10のコントローラ11の構成をより詳細に説明するためのブロック図である。
コントローラ11は、スキャナ部13やプリンタ部14と電気的に接続されており、一方ではLAN50やWAN231といったネットワークを介してPC40や外部の装置などと接続されている。これにより画像データやデバイス情報の入出力が可能となっている。
CPU201は、ROM203に記憶された制御プログラム等に基づいて接続中の各種デバイスとのアクセスを統括的に制御すると共に、コントローラ11の内部で行われる各種処理についても統括的に制御する。
RAM202は、CPU201が動作するためのシステムワークメモリであり、かつ画像データを一時記憶するためのメモリでもある。このRAM202は、記憶した内容を電源OFF後も保持しておくSRAM及び電源OFF後には記憶した内容が消去されてしまうDRAMにより構成されている。
ROM203には装置のブートプログラムなどが格納されている。
HDD204はハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データを格納することが可能となっている。
操作部I/F205は、システムバス210と操作部12とを接続するためのインターフェース部である。この操作部I/F205は、操作部12のディスプレイ上に表示する画像データをシステムバス210から受け取って操作部12に出力すると共に、操作部12から入力された情報をシステムバス210へと出力する。
NetworkI/F206はLAN50及びシステムバス210に接続し、情報の入出力を行う。
Modem207はWAN231及びシステムバス210に接続しており、情報の入出力を行う。
画像バス230は画像データをやり取りするための伝送路であり、PCIバス又はIEEE1394で構成されている。
スキャナ画像処理部212は、スキャナ部13からスキャナI/F211を介して受け取った画像データに対して、補正、加工、及び編集といった処理を行う。さらに、スキャナ画像処理部212は、受け取った画像データがカラー原稿か白黒原稿か、また文字原稿か写真原稿かなどの判定も行う。判定結果は付随情報として画像データに付される。画像データに付される付随情報を属性データと称する。このスキャナ画像処理部212で行われる処理の詳細については後述する。
圧縮部213は、受け取った画像データを32画素×32画素といったブロック単位に分割する。このように32画素×32画素のブロック単位で分割された画像データをタイルデータと称する。図3は、タイルデータを概念的に表したものである。紙媒体である原稿において、タイルデータに対応する領域の画像をタイル画像と称する。なお、タイルデータには、その32画素×32画素のブロック単位における平均輝度情報やタイル画像の原稿上の座標位置がヘッダ情報として付加されている。また、圧縮部213は、複数のタイルデータからなる画像データの圧縮も行う。
伸張部216は、複数のタイルデータからなる画像データを伸張した後にラスタ展開してプリンタ画像処理部215に送信する。
プリンタ画像処理部215は、伸張部216から受け取った画像データに付されている属性データを参照しながら当該画像データに所定の処理を施す。処理された画像データは、プリンタI/F214を介してプリンタ部14に出力される。このプリンタ画像処理部215で行われる処理の詳細については後述する。
画像変換部217は、画像データに対して回転、変倍、色空間変換、2値多値変換、多値2値変換、合成などの変換処理を施す。
RIP部228は、PC40などから送信されたPDLコードデータを元に圧縮部229で生成された中間データを受け取り、ビットマップデータ(多値)を生成する。
送信画像処理部232は、画像データの送信要求を受けて、アプリケーションによって処理可能な形式の電子ファイルを生成する。具体的には、スキャナ部13から入力された画像データに対し、ブロックセレクション(オブジェクト化)処理、OCR処理、ベクトル化処理、アプリケーションデータ変換処理などを実行し、所定のフォーマットの電子ファイルを生成する。生成された電子ファイルは、RAM202や、HDD204といった記憶部に格納され、NetworkI/F206を介して送信先(例えば、PC40)へと送信される。
<スキャナ画像処理部212>
図5は、スキャナ画像処理部212の構成の詳細を示した図である。
スキャナ部13から入力されたRGB各8bitの輝度信号からなる画像データは、シェーディング補正部500に入力される。
シェーディング補正部500は、入力された画像データに対して、CCDの感度のばらつきによって原稿の明るさが誤認識されてしまうことを防止するためのシェーディング補正処理を行う。
マスキング処理部501は、シェーディング補正された画像データをCCDのフィルタ色に依存しない標準的な画像データに変換する。
間引きパターン補間部502は、入力された画像データに対して、間引きパターンに基づいて生じた現像されない画素(空白画素)の復元を行う。ここで、間引きパターンについて説明する。
図4は、印刷材料の消費を50%節約する場合の間引きパターンの一例を示す図である。本実施例における間引きパターンは、図4(D)に示すように、「11110000」の2進数で表現され、全8画素で構成されている。このような間引きパターンは、図14に示されるような間引きテーブルに格納されている。図4(A)は、当該間引きパターンをタイル配置した画像であり、画像データから空白画素を間引きする際の論理演算で使用される。図4(B)は、図4(A)の一部を拡大した図である。図4(C)は、周波数平面変換を行った後の画像である。周波数平面変換後の画像の水平軸、垂直軸は、それぞれX方向、Y方向の周波数軸で約±300LPI(Lines Per Inch)までを表わしている。なお、A点は、75LPIに相当する点であり、原点(0,0)からの直線距離で求められる。 図14(A)及び(B)は、間引きテーブルの一例であり、間引きパターン情報のプログラム上での管理形態の一例を示すものである。この間引きテーブルは、ROM203やHDD204などの記憶部に格納される。図14で示す間引きテーブルは、「No.」、「節約種別」、「パラメータ」、「間引きパターン」、「周波数平面画像」及び「補間方法」の各レコードで区分けされており、それぞれ対応する値等が格納されている。間引きパターン補間部502の説明に戻る。
間引きパターンを利用した空白画素復元の方法は、上述した間引きテーブルの「補間方法」レコードに格納された内容に従う。図14(A)の例では、間引きテーブルNo.1の「補間方法」として、「平坦化/強度5」及び「エッジ強調/強度2」の内容が格納されている。ここで、「平坦化/強度5」とは、例えばローパスフィルタによる画像データの平坦化を強さ5で画素補間することを意味する。「エッジ強調/強度2」とは、例えばハイパスフィルタによる輪郭などのエッジ部の尖鋭化を強さ2で画素補間することを意味する。図11は、スキャナ部13で読み取って得られた節約印刷原稿の画像データ(図10(A))を、ローパスフィルタにより平坦化した場合の一例である。画素補間の手法については、フィルタによる画素変換、最近傍法、線形補間法及び3次畳込補間法による空白画素の補間など、公知の技術を組み合わせて間引きパターンに応じた最適な補間処理を行えばよい。なお、間引きパターン補間部502は、入力された画像データが節約印刷原稿のものではなく通常印刷原稿のものであった場合(具体的には、後述の節約印刷原稿判定信号が「1.00」の場合)には、画素補間は不要であるので行わない。
フィルタ処理部503は、入力された画像データに対して、例えば7×7のマトリクスを用いた演算処理を行い、受取った画像データの空間周波数を任意に補正する。フィルタ処理の内容は、操作部12を介したユーザのモード選択に応じて異なる。文字モードの場合には、文字のシャープさを出すために、強めのエッジ強調を行うような係数が設定されている。写真モードの場合には、画像のざらつきを目立たせないために、高周波成分のみ平滑化が行われるような係数が設定されている。文字/写真モードの場合には、後述の文字写真判定信号に応じて画素ごとに適応的にフィルタの切り替えがなされる。つまり、画素毎に写真用のフィルタをかけるか文字用のフィルタをかけるかが決定される。
ヒストグラム生成部504は、入力された画像データを構成する各画素の輝度データをサンプリングする。具体的には、主走査方向、副走査方向にそれぞれ指定した開始点から終了点で囲まれた矩形領域内の輝度データを、主走査方向、副走査方向に一定のピッチでサンプリングする。そして、サンプリング結果を元にヒストグラムデータを生成する。生成されたヒストグラムデータは、下地飛ばし処理を行う際に下地レベルを推測するために用いられる。
入力側ガンマ補正部505は、入力された画像データを、テーブル等を利用して非線形特性を持つ輝度データに変換する。また入力側ガンマ補正部505は、節約印刷原稿の画像データが入力された場合には、間引きパターンによる色の濃度低下を復元する為に、節約印刷原稿判定信号から下記に示す式1により色の濃さ増幅率(%)を求め、得られた値を用いて輝度信号の2次補正を行う。これにより節約印刷原稿の輝度信号は、通常印刷に近い色の濃さの輝度信号へと変換される。
色の濃さ増幅率(%)=1.00÷節約印刷原稿判定信号×100 ・・・(式1)
式1は、線形特性的な補正式であるが、間引きパターン補間部502による画素補間の特性を考慮した非線形特性的な補正式としてもよい。また、輝度信号の補正方法については、RGB色空間を輝度、色相、彩度(例えばLab色空間)に変換し、視覚特性に準じて色を濃くする補正を行い、その後で再びRGB色空間に戻しても良い。図12(A)は、上述の図11(A)の画像データを補正し、色の濃度低下を復元した様子を示している。なお、図12(B)及び図11(B)は、それぞれ12(A)、図11(A)の一部を拡大した図である。
節約印刷原稿判定部506は、入力された画像データが節約印刷原稿のものか否かを判定する。節約印刷原稿を判定する処理の内容を、図13のフローチャートを用いて説明する。なお、本フローチャートの各ステップは、CPU201により統括的に制御される。
ステップ1301で、節約印刷原稿判定部506は、画像データの入力の有無を判定する。画像データが入力されている場合はステップ1302に進む。画像データの入力がない場合は画像データの入力を待機する。
ステップ1302で、節約印刷原稿判定部506は、シェーディング補正部500から入力されたRGBの画像データの周波数平面変換を行い、RAM202に展開する。例えば、入力された画像データが、図9(A)に示すような通常印刷により出力された原稿(以下、「通常印刷原稿」と呼ぶ。)のものであったとする。なお、図9(B)は、図9(A)の一部を拡大した図である。この場合、周波数平面変換を行った後の画像は、図9(C)のようになる。また、入力された画像データが、上述した図10(A)に示すような節約印刷原稿のものであった場合は、周波数平面変換後の画像は図10(C)のようになる。これら周波数平面変換後の画像から、図9(A)の画像データは、図9(C)のA点に周波数の最大ピークが発生しており、A点から原点(0,0)までの距離から、141LPIの周波数特性を有した画像であることが分かる。同様に、図10(A)の画像データは、図10(C)のA点に周波数の最大ピークが発生しているので、75LPIの周波数特性を有した画像であることが分かる。
ステップ1303で、節約印刷原稿判定部506は、記憶部から間引きテーブルを読み出し、間引きテーブル内の「周波数平面画像」と入力された画像データの周波数平面画像とを比較する。そして、間引きテーブル内の「周波数平面画像」の最大ピーク周波数が、入力された画像データの周波数平面画像の中に存在するかどうかを判定する。例えば、入力された画像データが図9(A)である場合において、図14(A)の間引きテーブルを用いて判定した場合には、図14(A)の間引きテーブル内の「周波数平面画像」における最大ピーク周波数は75LPIである。これに対し、図9(A)の画像データの最大ピーク周波数は141LPIである。したがって、間引きテーブル内の「周波数平面画像」の最大ピーク周波数は、入力された画像データの周波数平面画像の中には存在しないと判定されることになる。一方、入力された画像データが図10(A)の場合には、最大ピーク周波数が共に75LPIであるので、存在すると判定されることになる。なお、この判定処理においては、用紙の種類や伸縮率、光学系(読取りデバイス)のメカ的な誤差等による周波数特性の変化を考慮して、一定の許容範囲(例えば、3LPI)を持たせることが望ましい。ただし、この許容範囲の値を大きくし過ぎると誤判定の原因となるので留意が必要である。
この判定の結果、間引きテーブル内の周波数平面画像の最大ピーク周波数が、入力された画像データの最大ピーク周波数に存在しない場合はステップ1304に進む。一方、存在する場合はステップ1305に進む。
ステップ1304で、節約印刷原稿判定部506は、画像データが節約印刷原稿のものではなく通常印刷原稿のものであったことを示す「1.00」を、節約印刷原稿判定信号の値として記憶部に格納する。
一方、ステップ1305で、節約印刷原稿判定部506は、画像データが節約印刷原稿のものであることを示す「0.50」を間引きテーブルの「パラメータ」から取得し、節約印刷原稿判定信号の値としてHDD204などの記憶部に格納する。
そして、記憶部に格納された節約印刷原稿判定信号は、属性データの一部として画像データに付される。
以上が節約印刷原稿判定部506についての説明である。
カラー/モノクロ判定部507は、入力された画像データを構成する各画素が有彩色か無彩色かを判定し、その判定結果をカラー/モノクロ判定信号の値として記憶部に格納する。カラー/モノクロ判定信号は、属性データの一部として画像データに付される。
文字/写真判定部508は、画像データを構成する各画素が文字を構成する画素なのか、網点を構成する画素なのか、網点中の文字を構成する画素なのか、ベタ画像を構成する画素なのかを各画素の画素値と各画素の周辺画素の画素値とに基づいて判定する。なお、どれにもあてはまらない画素は、白領域を構成している画素と判定される。そして、その判定結果を文字/写真判定信号の値として記憶部に格納する。文字/写真判定信号は、属性データの一部として画像データに付される。
<プリンタ画像処理部215>
図6にプリンタ画像処理部215の構成の詳細を示す。
プリンタ画像処理部215に入力されるデータは、複写動作などスキャナ画像処理部212からの出力データを扱うRGB系データと、ネットワークプリント動作などRIP部228からの出力データを扱うCMYK系データとに大別される。
RGB系データの場合は下地飛ばし処理部601に入力され、CMYK系データの場合は出力側ガンマ補正部605に入力される。
下地飛ばし処理部601は、スキャナ画像処理部212で生成されたヒストグラムを用いて画像データの下地色を飛ばす(除去する)。
モノクロ生成部602は、モノクロ印刷をする場合に、カラーデータをモノクロデータに変換する。
Log変換部603は、輝度/濃度変換を行う。このLog変換部603は、例えば、RGBで入力された画像データを、CMYの画像データに変換する。
出力色補正部604は、出力色の補正処理を行う。例えばCMYで入力された画像データを、テーブルやマトリックスを用いてCMYKの画像データに変換する。
出力側ガンマ補正部605は、入力される信号値と、複写出力後の反射濃度値とが比例するように補正処理を行う。
中間調補正部606は、出力するプリンタ部の階調数に合わせて中間調処理を行う。例えば、受け取った高階調の画像データに対し2値化や32値化などを行う。
マスク処理部607は、前述の間引きパターンを用いて、画像データに対して間引き処理を行う。具体的には、まず、間引きテーブルから間引きパターンを取得する。そして、出力側ガンマ補正部605において補正された画像データに対して、取得した間引きパターンによる論理積演算を行い、現像しない画素を間引く処理を行う。図7は、この間引き処理を行った場合の一例を示している。図7(A)に示す画像データを図4(A)の間引きパターンで論理積演算した結果、現像される画素(有効画素)が50%の面積に削減された画像データ(図7(B))が得られている。
なお、スキャナ画像処理部212やプリンタ画像処理部215における各処理部では、入力された画像データに各処理を施すことなく出力することも可能である。
<操作部12>
画像処理装置10のユーザインタフェースである操作部12について説明する。
図15は、操作部12のディスプレイ上に表示される画面であって、コピー機能選択タブ1500の押下によって表示されるコピー操作画面の一例である。
1501は表示領域であり、画像処理装置10がコピーできる状態にあるか否かを示すメッセージ「コピーできます。」及び設定したコピー部数「1」が表示されている。
1502は読取りモードタブであり、原稿の読取りモードを選択するためのタブである。このタブが押下されるとカラー、ブラック、自動(ACS)の3種類の選択メニューがポップアップ表示され、選択可能な状態になる。ここでは、「自動」が選択されている様子を示している。「カラー」が選択された場合にはカラーコピーが、「ブラック」が選択された場合にはモノクロコピーが行われる。また、「自動」が選択された場合には、上述したカラー/モノクロ判定信号によりコピーモードが決定される。
1503は濃度タブであり、画像の濃淡を調整するためのタブである。つまみ1511を左右にスライドすることで印刷対象となる画像の濃淡を調整することができる。
1504は原稿選択タブであり、原稿のタイプを選択するためのタブである。このタブが押下されると文字、写真、文字/写真モードの3種類の選択メニューがポップアップ表示され、選択可能な状態になる。ここでは、「文字/写真」が選択されている様子を示している。
1505は応用モードタブであり、コピー標準画面で設定できない様々なコピーモードを設定する場合に使用するタブである。
1506はフィニッシングタブであり、各種フィニッシングに関わる設定を行うためのタブである。
1507は両面設定タブであり、両面読込み及び両面印刷に関する設定を行うためのタブである。
1508は印刷モードタブであり、節約印刷機能を使用するか否かの設定をする場合に使用するタブで、このタブが押下されると後述する印刷モード設定画面が表示される。
1509は節約印刷原稿復元タブであり、節約印刷原稿の復元機能を使用するか否かの設定をする場合に使用するタブで、このタブが押下されると後述する節約印刷原稿復元設定画面が表示される。
1510はスタートタブであり、コピー処理を開始する為のスタートボタンである。
さらに、送信機能選択タブ1600及びボックス機能選択タブ1700が選択された場合には、上記に準じて当該選択された機能に応じた画面が表示される。すなわち、送信機能選択タブ1600が選択された場合には、図16に示すような送信操作画面が表示され、ソート、両面、印刷モードの各タブ(1506〜1508)に換えて送信設定タブ1601やファイル形式の設定を行うタブ1602が表示される。また、ボックス機能選択タブ1700が選択された場合には、図17(A)に示すようなボックス操作画面が表示される。そして、ソート、両面、印刷モードの各タブ(1506〜1508)に換えて、保存場所、ファイル操作及びファイル形式の設定を行うタブ(1701〜1703)が表示される。
<印刷モード設定画面>
図18(A)は、印刷モード設定画面の一例を示している。
ボタン1801は印刷材料を節約しない通常印刷を指示するボタンであり、ボタン1802は節約印刷を指示するボタンである。ボタン1801とボタン1802は排他的に選択可能となっている。
ボタン1803は、印刷モード設定画面で指示された内容を適用するためのOKボタンである。
<節約印刷原稿復元設定画面>
図19(A)は、節約印刷原稿復元設定画面の一例を示している。
ボタン1901は節約印刷原稿の復元機能を使わないことを指示するボタンであり、ボタン1902は節約印刷原稿の復元機能を使うことを指示するボタンである。ボタン1901とボタン1902は排他的に選択可能となっている。
ボタン1903は、節約印刷原稿復元設定画面で指示された内容を適用するためのOKボタンである。
<コピー印刷>
次に、本実施例に係る画像処理装置で行うコピー印刷処理について、図20のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、コピー印刷が開始される前には、あらかじめ、前述の印刷モード設定画面において、通常印刷モードであるか節約印刷モードであるかが選択され、そのいずれかが設定されているものとする。さらに、前述の節約印刷原稿復元設定画面において、復元機能を使用するか否かが選択され、そのいずれかが設定されているものとする。
ユーザにより、操作部12のディスプレイ上に表示されたコピー操作画面内のスタートタブ1510が押下されると、コピー印刷処理が開始する。
ステップ2001で、CPU201はスキャナ部13にセットされた原稿の読み取りを指示し、スキャナ部13は原稿を読み取る。読み取りにより得られた画像データは、スキャナ画像処理部212に送信される。
ステップ2002で、CPU201は、節約印刷原稿復元機能の設定内容を確認する。「使わない」に設定されている場合はステップ2003に進み、「使う」に設定されている場合は2004へと進む。
ステップ2003で、スキャナ画像処理部212は、画像データに対して通常印刷用の処理を行う。具体的には、シェーディング補正部500、マスキング処理部501、フィルタ処理部503及びヒストグラム処理部504、カラー/モノクロ判定部、文字/写真判定部及び入力側ガンマ補正部505において、前述した各処理が実行される。
ステップ2004で、スキャナ画像処理部212は、画像データが、通常印刷原稿を読み取って得られた画像データなのか、節約印刷原稿を読み取って得られた画像データなのかを節約印刷原稿判定部506において判定する。節約印刷原稿ではなく通常印刷原稿の画像データであると判定した場合はステップ2003へと進む。一方、節約印刷原稿の画像データであると判定した場合はステップ2005へと進む。
ステップ2005で、スキャナ画像処理部212は、画像データに対して節約印刷用の処理を行う。具体的には、上述の通常印刷用の各処理に加えて、間引きパターン補間部502及び入力側ガンマ補正部505において、前述した節約印刷原稿の復元処理が実行される。
ステップ2006で、CPU201は、印刷モードの設定が、通常印刷モードか節約印刷モードかを確認する。「通常印刷モード」に設定されている場合はステップ2007に進み、「節約印刷モード」に設定されている場合は2008へと進む。
ステップ2007で、プリンタ画像処理部215は、画像データに対して通常印刷用の処理を行う。具体的には、下地飛ばし処理部601、モノクロ生成部602、Log変換部603、出力色補正部604、出力側ガンマ補正部605及び中間調補正部606において、前述した各処理が実行される。すべての処理が施された画像データはプリンタ部14に送信される。
ステップ2008で、プリンタ画像処理部215は、画像データに対して節約印刷用の処理を行う。具体的には、上述の通常印刷用の各処理に加え、マスク処理部607における、前述の間引き処理が実行される。すべての処理が施された画像データはプリンタ部14に送信される。
ステップ2009で、プリンタ部14は、受信した画像データを用紙上に形成する処理を実行する。
これにより、節約印刷原稿を用いてコピー印刷をする場合であっても、印刷材料を節約していない原稿(通常印刷原稿)に近い品質の原稿を得ることができる。
<PDL印刷>
次に、本実施例に係る画像処理装置で行うPDLデータの印刷処理について、図21のフローチャートを用いて詳細に説明する。
なお、PDLデータの印刷が開始される前には、あらかじめ、PC40上で動作する不図示のプリンタドライバの設定画面にて、印刷モードの設定が通常印刷モード或いは節約印刷モードのいずれかに設定され、その内容がPDLデータに含まれているものとする。PDLデータの印刷で使用される印刷モードの設定を、別途、操作部12のディスプレイ上に表示される不図示の「プリント処理用節約印刷モード」設定画面において設定するように構成してもよい。
ユーザによりPDLデータの印刷処理がPC40等で指示されると、ステップ2101で、画像処理装置10は、LAN50を介してPC40等からPDLデータを受信し、圧縮部229で中間データを生成する。
ステップ2102で、RIP部228は、圧縮部229で生成された中間データを受け取り、ビットマップデータを生成する。
ステップ2103で、CPU201は、PDLデータに含まれる印刷モードの設定内容を確認する。「通常印刷モード」に設定されている場合はステップ2104に進み、「節約印刷モード」に設定されている場合は2105へと進む。
ステップ2104で、プリンタ画像処理部215は、ステップ2102において生成されたビットマップデータに対し、通常印刷用の処理を行う。すなわち、出力側ガンマ補正部605、中間調補正部606において、前述した各処理が実行される。すべての処理が施された画像データはプリンタ部14に送信される。
ステップ2105で、プリンタ画像処理部215は、ステップ2102において生成されたビットマップデータに対し、上述の通常印刷用の処理に加え、マスク処理部607において、間引き処理を実行する。すべての処理が施された画像データはプリンタ部14に送信される。
ステップ2106で、プリンタ部14は、処理された画像データを用紙上に形成する処理を実行する。
これにより、PDLデータを用いて節約印刷を行った場合でも、その節約印刷原稿から印刷材料を節約していない原稿(通常印刷原稿)に近い品質の原稿を得ることができる。
<送信/ボックス保存>
次に、本実施例に係る画像処理装置で行う電子ファイルの送信及びボックス保存処理について説明する。
最初に、送信処理について図22のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、送信処理が開始される前には、あらかじめ、前述の節約印刷原稿復元設定画面において、復元機能を使用するか否かが選択され、そのいずれかが設定されているものとする。
ユーザにより、操作部12のディスプレイ上に表示された不図示の送信操作画面内のスタートタブが押下されると、送信処理が開始する。
ステップ2201で、CPU201は、スキャナ部13にセットされた原稿の読み取りを指示し、スキャナ部13は原稿を読み取る。読み取りにより得られた画像データはスキャナ画像処理部212に送信される。
ステップ2202で、CPU201は、節約印刷原稿復元機能の設定の内容を確認する。「使わない」に設定されている場合はステップ2203に進み、「使う」に設定されている場合は2204へと進む。
ステップ2203で、スキャナ画像処理部212は、画像データに対して通常印刷用の処理を行う。具体的には、シェーディング補正部500、マスキング処理部501、フィルタ処理部503及びヒストグラム処理部504、カラー/モノクロ判定部、文字/写真判定部及び入力側ガンマ補正部505において、前述した各処理が実行される。
ステップ2204で、スキャナ画像処理部212は、画像データが、通常印刷原稿を読み取って得られた画像データなのか、節約印刷原稿を読み取って得られた画像データなのかを節約印刷原稿判定部506において判定する。節約印刷原稿ではなく通常印刷原稿の画像データであると判定した場合はステップ2203へと進む。一方、節約印刷原稿の画像データであると判定した場合はステップ2205へと進む。
ステップ2205で、スキャナ画像処理部212は、画像データに対して節約印刷用の処理を行う。具体的には、上述の通常印刷用の処理に加えて、間引きパターン補間部502及び入力側ガンマ補正部505において、前述した節約印刷原稿の復元処理が実行される。
ステップ2206で、送信画像処理部232は、画像データの印字内容をオブジェクト化し、不図示のファイル形式設定画面において指定された形式で、電子ファイルを生成する。
ステップ2207で、CPU201は、生成された電子ファイルを、NetworkI/F206又はModem207を介して指定された送信先(外部装置)に送付する。
これにより、節約印刷原稿の画像データが、印刷材料を節約していない原稿(通常印刷原稿)に近い品質の電子ファイルへと復元され、外部装置に送信される。
次に、ボックス保存処理について説明する。ボックス保存処理の場合、ステップ2207で生成された電子ファイルを画像処理装置10内の記憶部に格納・保存することになる。したがって、ステップ2206までの各処理は、送信処理の場合と同じであるので、説明を省略する。
なお、ボックス保存処理が開始される前には、あらかじめ、図17に示すようなボックス操作画面において、以下の設定がなされる必要がある。
まず、上述のコピー印刷などと同様に、節約印刷原稿復元設定画面において、復元機能を使用するか否かが選択され、そのいずれかが設定される。さらに、ボックスに保存する電子ファイルの形式に関する設定や、保存場所に関する設定がなされる。
上記すべての設定を終え、ユーザがボックス操作画面においてスタートを指示すると、画像処理装置10は、ボックス保存処理を開始する。すると、上述のステップ2201〜ステップ2206の各処理が実行された後、ステップ2207において、生成された電子ファイルがHDD204に格納され保存される。
これにより、節約印刷原稿の画像データが、印刷材料を節約していない原稿(通常印刷原稿)に近い品質の電子ファイルへと復元された状態で画像処理装置10内に格納され、再利用可能な電子ファイルとして保存される。
以上説明したように、実施例1の画像処理装置では、印刷材料の使用が抑えられた節約印刷原稿について、コピー印刷、PDL印刷、及び電子ファイルの送信/ボックス機能を利用する際に、オリジナル原稿に近い状態へと復元することが可能である。また、本発明に係る画像処理装置によって節約印刷を行った原稿の場合、レイアウトの自由度やデザイン性を確保しつつ、後でオリジナル原稿に近い品質に復元することが可能となる。
[実施例2]
実施例1においては、印刷モードを「通常印刷モード」と「節約印刷モード」の2種類から選択する構成とし、節約印刷モードにおける節約率は1種類のみとしていた。しかし、節約率は、複数設定することも可能である。本実施例では、節約印刷モードにおける節約率を3種類とした場合について、図14(B)及び図18(B)を参照しつつ説明する。
実施例1で用いた図14(A)に示す間引きテーブルの場合、印刷材料を50%節約する為の間引きパターン1種類のみの設定情報が登録されていた。本実施例で用いる図14(B)に示す間引きテーブルには、No.1〜No.3までが用意され、それぞれ「25%節約印刷」、「50%節約印刷」、「75%節約印刷」の計3種類の設定情報が登録されている。そして、この間引きテーブルの構成に併せて、印刷モード設定画面は、図18(B)に示すような構成となる。すなわち、通常印刷モードと節約印刷モードの選択ボタンに加えて、節約印刷モードを選択する場合にはさらに「25%節約印刷」、「50%節約印刷」、「75%節約印刷」のいずれかのボタンを選択することによって節約率を選択可能な構成(1804)とされる。
その他の処理は実施例1と共通であるため説明を省略する。
以上のとおり、実施例2の画像処理装置では、節約印刷の際の節約率をユーザの選択によって任意に指定することが可能となる。
[実施例3]
実施例1における節約印刷原稿の復元は、当該節約印刷原稿は間引きテーブルに登録された間引きパターンを使用して生成されたものであることを前提としていた。その為、間引きテーブルには登録されていない間引きパターンを使用して生成された節約印刷原稿の場合には、最適な復元を実現できないこともあり得る。そこで、本実施例では、ユーザが節約印刷原稿の節約率を手動で入力し、入力された節約率を基に原稿を復元する方法について、コピー印刷の場合を例に説明する。
図19(B)は、本実施例で使用される節約印刷原稿復元設定画面の一例を示している。
1904は、節約印刷原稿の復元機能を、節約率を自動で設定する態様で使うことを指示するボタンである。節約率を画像処理装置側で自動で設定する場合に選択するボタンであるから、実施例1や実施例2における「使う」ボタン1902に相当する。
1905は、節約印刷原稿の復元機能を、節約率を手動で設定する態様で使うことを指示するボタンである。ユーザは、つまみ1906を任意の位置にスライド移動させることにより節約印刷原稿の濃さに応じた所定の節約率を設定することができる。
続いて、本実施例に係るコピー印刷処理について、図23のフローチャートを用いて詳細に説明するが、実施例1に係る図20のフローチャートと共通する部分については簡略化ないしは省略し、ここでは差異点を中心に説明する。なお、本実施例においても、コピー印刷が開始される前には、あらかじめ、前述の印刷モード設定画面において、通常印刷モードであるか節約印刷モードであるかが選択され、そのいずれかが設定されているものとする。さらに、前述の節約印刷原稿復元設定画面において、復元機能の使用の有無、復元機能を使用する場合には自動設定か手動設定かが選択され、手動設定の場合には所定の節約率が指定されているものとする。
まず、ステップ2301で、原稿がスキャナ部13によって読み取られ、ステップ2302へと進む。
ステップ2302で、CPU201は、節約印刷原稿復元機能の設定内容を確認する。ここでは、「使わない」か、「自動設定」か、或いは「手動設定」かが確認される。「使わない」に設定されている場合はステップ2303に進み、「自動設定」に設定されている場合はステップ2304へと進む。「手動設定」に設定されている場合はステップ2305へと進む。
ステップ2305で、CPU201は、ユーザがつまみ1906を用いて設定した値(節約率)を取得する。そして、取得した節約率を下記の式2に当てはめて「パラメータ」を算出し、得られた値を節約印刷原稿判定信号として格納し、ステップ2306へと進む。
パラメータ=1.00−(節約率(%)÷100) ・・・(式2)
例えば、ユーザが任意に設定した節約率が30%であった場合には、
パラメータ=1.00−(30(%)÷100)
となり、0.70が節約印刷原稿判定信号として格納される。
ステップ2304では、ステップ2004と同様、画像データが節約印刷原稿なのか同かが判定され、判定結果に応じて、ステップ2303又はステップ2306に進む。
ステップ2303では、スキャナ画像処理部212において、通常印刷用の処理が実行される。その後、ステップ2307へと進む。
一方、ステップ2306では、スキャナ画像処理部212は、以下のような節約印刷用の処理を行う。
まず、節約印刷原稿の復元機能が「自動設定」の場合には、ステップ2005と同じ処理が実行される。節約印刷原稿の復元機能が「手動設定」の場合には、間引きパターン補間部502における補間方法の設定は、例えば、下記の式3及び式4に示すように、節約率に応じて平坦化(ローパスフィルタ)とエッジ強調(ハイパスフィルタ)の強度が調整される。
平坦化強度=節約率(%)÷10 ・・・(式3)
エッジ強調強度=節約率(%)÷20 ・・・(式4)
ここでも、ユーザが任意に設定した節約率を30%と仮定すると、それぞれ、
平坦化強度=30(%)÷10
エッジ強調強度=30(%)÷20
となり、平坦化強度:3、エッジ強調強度:1.5を用いて補間処理がなされることになる。
ステップ2307〜ステップ2310は、図20のフローチャートのステップ2006〜ステップ2009と同様であるので省略する。
以上説明したように、実施例3の画像処理装置では、間引きテーブルに登録されていない間引きパターンによって印刷された節約印刷原稿であっても、適切に原稿を復元し、コピー印刷等の処理を行うことができる。
[実施例4]
実施例1では、スキャナ部13で読み取った原稿の画像データが節約印刷原稿かどうかを判定する際(図20のフローチャートのステップ2004)に、周波数平面変換を用いた。本実施例では、間引きパターンのパターンマッチングを用いる方法を説明する。
まず、間引きテーブルの間引きパターンをタイル配置し、画素値が「0」となる画素(間引き画素)の配置パターンを取得する。
次に、シェーディング補正部500から入力された画像データの輝度値の高い画素(印刷材料が塗布されていない画素)の配置パターンを取得する。
そして、取得された双方の配置パターンを比較する。比較の結果、画像データの輝度値の高い画素に間引き画素が全て含まれている場合は、当該画像データは節約印刷原稿であると判定される。
なお、パターンマッチングについては、公知の技術が適用可能であり、その具体的な処理内容は本発明のポイントではないので、その詳細についての説明を省略する。
[実施例5]
実施例1では、ボックス機能によって保存される画像データはスキャナ部13で読み取られた画像データであった。本実施例では、LAN50などを介して外部装置から入力された画像データをもボックス保存する場合の画像処理装置について説明する。すなわち、ボックス(HDD204)への(又はからの)画像データの入出力を、NetworkI/F206等を介して接続された外部の読取り装置や印刷装置に対しても行い得る画像処理装置について説明する。
上記の内容の実現に適した構成とするため、本実施例では、間引きパターンの補間処理、節約印刷原稿の判定処理及びガンマ補正処理を行う各処理部を、スキャナ画像処理部212内ではなく、画像変換部217内の構成要素とする。
図2(B)は、本実施例に係る画像処理装置10のコントローラ11の構成を示すブロック図である。ここでは、実施例1におけるコントローラ11の構成との差異点についてのみ説明する。
コントローラ11の画像変換部217は、画像データに対して回転、変倍、色空間変換、2値多値変換、多値2値変換、合成と伸張/圧縮を行う各処理部に加え、ガンマ補正部218、間引きパターン補間部219及び節約印刷原稿判定部220とからなる。その結果、本実施例におけるスキャナ画像処理部212の構成は、図5に示された各部から、入力側ガンマ補正部505、間引きパターン補間部502及び節約印刷原稿判定部506を除いたものとなる。なお、各処理部における処理の詳細については、実施例1で説明した通りであるので省略する。
また、ガンマ補正部218、間引きパターン補間部219及び節約印刷原稿判定部220は、スキャナ画像処理部212から呼び出し可能となっており、CPU201により統括的に制御される。なお、HDD204等に保存されている画像データのスキャナ画像処理部212への入力も可能となっている。
上記のような構成のため ボックス機能による保存処理の段階では、外部装置から入力される画像データの場合はもちろん、スキャナ部13で読み取った画像データについても、スキャナ画像処理部212による処理は行われずにHDD204に格納される。
以下、本実施例に係る画像処理装置において、ボックス機能を利用した画像データの送信及び印刷(以下、それぞれ「ボックス送信」、「ボックス印刷」と呼ぶ。)について、詳しく説明する。
まず、本実施例に係るボックス機能全般について説明する。
図17(B)は、ボックス機能を利用する際に操作部12のディスプレイ上に表示されるボックス操作画面の一例である。そして、図17(C)は、当該ボックス操作画面内のファイル操作タブ1702の押下により表示される、保存中の画像データの操作をする為のファイル操作画面の一例である。
1704〜1707は、それぞれ読取りモードタブ、濃度タブ、原稿種類選択タブ及び応用モードタブであり、HDD204に保存されている画像データに対しボックス送信やボックス印刷時の調整や設定をする場合に使用するタブである。
1708は、保存されている画像データを一覧表示するための領域であり、表示された画像データのファイル名を選択することで、操作対象となるファイルを指定することが可能となる。
1709は、節約印刷原稿の復元機能を使用するか否かを設定するためのタブであり、このタブが押下されると節約印刷原稿復元設定画面が表示される。
1710は、保存されている画像データを外部の装置に送信する時の各種設定を行うためのタブである。このタブの押下により送信種別や、送信する電子ファイルの形式に関する設定画面が表示される。
1711は、保存されている画像データを印刷する時の各種設定をするためのタブである。このタブの押下により、解像度の指定や、印刷先の指定や、印刷モードの指定に関する設定画面が表示される。
1712及び1713は、それぞれボックス送信/ボックス印刷を開始するためのタブであり、これらのタブが押下されると送信又は印刷の処理が開始される。
(ボックス印刷)
本実施例におけるボックス印刷について、図24のフローチャートを用いて詳細に説明する。
なお、ボックス印刷が開始される前には、あらかじめ、前述の印刷モード設定画面において、通常印刷モードであるか節約印刷モードであるかが選択され、そのいずれかが設定されているものとする。さらに、前述の節約印刷原稿復元設定画面において、復元機能を使用するか否かが選択され、そのいずれかが設定されているものとする。
ユーザにより、操作部12のディスプレイ上に表示されたファイル操作画面内の印刷開始タブ1713が押下されると、ボックス印刷処理が開始する。
ステップ2401で、CPU201は、HDD204に保存されている画像データを読み込み、スキャナ画像処理部212に送信する。
ステップ2402で、CPU201は、節約印刷原稿復元機能の設定内容を確認する。「使わない」に設定されている場合はステップ2403に進み、「使う」に設定されている場合は2404に進む。
ステップ2403で、スキャナ画像処理部212は、画像データに対して通常印刷用の処理を行う。その内容は、実施例1における図20のフローチャートのステップ2003と同様であるので説明は省略する。
ステップ2405で、スキャナ画像処理部212は、節約印刷原稿判定部220を呼び出し、ステップ2401において読み込まれた画像データが通常印刷原稿なのか節約印刷原稿なのかを判定する。通常印刷原稿と判定した場合はステップ2403へと進む。一方、節約印刷原稿と判定した場合はステップ2405へと進む。
ステップ2405で、スキャナ画像処理部212は、ガンマ補正部218及び間引きパターン補間部219を呼び出して、節約印刷原稿用の復元処理を実行する。
ステップ2406〜ステップ2408は、図20のフローチャートのステップ2006〜ステップ2008に対応するため説明は省略する。ステップ2407又はステップ2408における処理が完了すると、画像データはプリンタ部14に送信される。
ステップ2409で、プリンタ部14は、受信した画像データを用紙上に形成する処理を実行する。
<ボックス送信>
次に、本実施例におけるボックス送信について図25のフローチャートを用いて説明するが、その処理の大半は上述のボックス印刷に係る図24のフローチャートと同様であるので、共通する部分については簡略化ないしは省略し、ここでは差異点を中心に説明する。
なお、ボックス送信が開始される前には、あらかじめ、前述の印刷モード設定画面において、通常印刷モードであるか節約印刷モードであるかが選択され、そのいずれかが設定されているものとする。さらに、前述の節約印刷原稿復元設定画面において、復元機能を使用するか否かが選択され、そのいずれかが設定されているものとする。
ユーザにより、操作部12のディスプレイ上に表示されたファイル操作画面内の送信開始タブ1712が押下されると、ボックス送信処理が開始する。
ステップ2501〜ステップ2505は、図24のフローチャートのステップ2401〜ステップ2405に対応するため説明は省略する。ステップ2503又はステップ2505における処理が完了すると、画像データは送信画像処理部232に送信される。
ステップ2506で、送信画像処理部232は、画像データの印字内容をオブジェクト化し、不図示のファイル形式設定画面(送信設定タブ1710の押下により表示される)において指定された形式の電子ファイルを生成する。
ステップ2507で、CPU201は、生成された電子ファイルを、NetworkI/F206又はMOでm207を介して指定された送信先(外部装置)に送信する。
以上説明したように、本実施例に係る画像処理装置の場合、外部装置から画像データを受信した時点又はスキャナ部13で原稿を読み取った時点では、節約印刷原稿の復元処理をせずにボックスに保存する。そして、その後の送信や印刷を行う際に復元処理を行う。
その結果、例えば復元処理機能を持たないスキャナ装置で読み取った画像データを画像処理装置のボックスに保存し、その後、印刷等の処理が必要になったときに画像データを復元して用いるといった利用法が可能となる。また、画像処理装置のボックスに保存された画像データに復元処理を施し、その後、復元処理機能を持たない印刷装置に印刷データを送信して印刷するという利用法も可能となる。
このように、本実施例に係る画像処理装置は、外部接続されたスキャナや印刷装置で扱われる画像データをも対象に節約印刷原稿の復元処理機能を利用することができ、これら外部装置を含めた1つのシステムとして機能させることが可能となる。