JP5340087B2 - 列車内伝送制御システム - Google Patents
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Description
先ず、本発明における列車内伝送制御システムが適用される列車内ネットワークの構成について図1および図2を用いて説明する。
図1に示すように、列車内ネットワークは、2つの基幹ネットワーク101,102と複数の走行制御単位200から構成される。
走行制御単位200は、1以上の車両の集合であり、走る、止まる等の走行に関わる制御を行う基本単位となる。これらの制御の信頼性を高めるため、列車内ネットワークは、伝送制御装置141,142、および、それらを接続するネットワークが二重化される。ここで、同一の走行制御単位200に設置される伝送制御装置の一方を伝送制御装置1系141、他方を伝送制御装置2系142と呼ぶこととする。また、二重化された基幹ネットワークの一方を基幹ネットワーク1系101、他方を基幹ネットワーク2系102と呼ぶこととする。
ある走行制御単位200に設置された伝送制御装置141,142と、これとは異なる走行制御単位200に設置された伝送制御装置141,142の間の伝送は、基幹ネットワーク1系101および基幹ネットワーク2系102を用いて実現される。
本構成では、任意の2つの伝送制御装置141,142に対して、それらの間の伝送経路は2通り確保されるため、伝送路の一箇所に故障が発生した場合であっても、伝送を継続できる構成となっている。
図2において、伝送制御装置141,142は、それぞれ4つのイーサネット(登録商標:以下省略)ポートをもつ。各イーサネットポートは、基幹集線装置1系131、基幹集線装置2系132、支線集線装置1系121、支線集線装置2系122と接続される。
機器制御装置150は、2つのイーサネットポートを持ち、それぞれ支線ネットワーク111,112を介して、支線集線装置1系121、支線集線装置2系122と接続される。ここで、機器制御装置150とは、車両に搭載されるドアやブレーキ装置等の機器を制御する装置である。
ここで、基幹ネットワーク101,102、支線ネットワーク111,112は、物理媒体としてメタル線または光ファイバを利用したイーサネットや、ARCNET等のシリアル伝送で実現可能である。
また、基幹ネットワーク101,102、支線ネットワーク111,112にイーサネットを用いた場合、基幹集線装置131,132、支線集線装置121,122は、スイッチングハブや、リピータハブ等にて実現可能である。
以下、基幹ネットワーク101,102、支線ネットワーク111,112にイーサネットを、基幹集線装置131,132、支線集線装置121,122にスイッチングハブを用いた場合を例として説明する。
伝送制御装置1系141のイーサネットポート20a〜20dは、それぞれ、1系(自系)の基幹集線装置131、2系(他系)の基幹集線装置132、1系(自系)の支線集線装置121、2系(他系)の支線集線装置122に接続される。
伝送制御装置2系142のイーサネットポート20a〜20dは、それぞれ、2系(自系)の基幹集線装置132、1系(他系)の基幹集線装置131、2系(自系)の支線集線装置122、1系(他系)の支線集線装置121に接続される。
また、イーサネットポート20a〜20dは、伝送制御装置141,142の構成要素である制御部21に接続される。この制御部21はCPUやメモリおよびCPUが実行するためのプログラムから構成されているが、同等の機能を実現する専用ICを用いることも可能である。
それぞれの伝送制御装置141,142では、図2に示すように、制御情報演算部1、制御情報中継部2、主系判定部3を備えている。
制御情報演算部1は、伝送制御装置141,142がイーサネットポート20a〜20dから受信したデータを元に、伝送制御装置141,142が設置された走行制御単位200の機器制御装置150に対する制御情報を演算する機能、および、イーサネットポート20a〜20dから受信したデータを元に、伝送制御装置141,142が設置された走行制御単位200と同じ走行制御単位200に設置された機器制御装置150の状態を集約する機能を持つ。
先ず、イーサネットポート20a〜20dから受信されるデータを取得する(ステップST11)。次に、支線ネットワーク111,112から受信されたデータである、自走行制御単位200の機器制御装置150の状態データを集約する(ステップST12)。この処理には、例えば、当該走行制御単位で得られたブレーキ力の合計を演算する処理や、当該走行制御単位に搭載されたドアの開閉状態の論理和を演算する処理などが含まれる。次に、基幹ネットワーク101,102、または、支線ネットワーク111,112から受信された情報を元に、自走行制御単位200内の機器制御装置150に対する制御情報を演算する(ステップST13)。また、ここで、他の走行制御単位200への制御情報を含めて演算する。次に、これらの演算結果を、制御情報中継部2で参照できるように、図示しない演算結果保持領域へ格納する(ステップST14)。
本実施の形態の列車内伝送制御システムによれば、制御情報中継部2に制御情報演算部1が出力した制御情報を中継するデータに付加して送信する機能を持たせると、同一の走行制御単位内の機器制御部150の情報を用いて演算可能な制御情報を当該伝送制御装置141,142にて演算し、その結果を、基幹ネットワーク101,102を介さずに機器制御部150に伝送できる。このため、制御情報中継部2に制御情報演算部1が出力した制御情報を中継するデータに付加して送信する機能がない場合と比べて、同一の走行制御単位内の機器制御部150の情報を用いて演算可能な制御情報の伝送遅延を小さくできる。
先ず、基幹ネットワーク101,102に接続されたイーサネットポート20a,20bのいずれかから受信されるデータを取得する(ステップST21)。次に、受信されたデータが既に受信済みかどうかを判断し(ステップST22)、受信済みのデータである場合は(ステップST22“YES”)、そのデータを破棄して終了する(ステップST26)。未受信であった場合(ステップST22“NO”)、制御情報演算部1が出力した制御情報を、受信データに付加する(ステップST23)。次に、自系が主系かどうかを判断し(ステップST24)、自系が主系でない場合は(ステップST24“NO”)終了する。また、自系が主系であった場合(ステップST24“YES”)、ステップST23で得られたデータを、イーサネットポート20c,20dを通して、支線ネットワーク1系111、および、支線ネットワーク2系112に送信する(ステップST25)。
先ず、支線ネットワーク111,112に接続されたイーサネットポート20c,20dのいずれかから受信されるデータを取得する(ステップST31)。次に、受信されたデータが既に受信済みかどうかを判断し(ステップST32)、受信済みのデータである場合は(ステップST32“YES”)、そのデータを破棄して終了する(ステップST36)。未受信であった場合(ステップST32“NO”)、制御情報演算部1が出力した制御情報を、受信データに付加する(ステップST33)。次に、自系が主系かどうかを判断し(ステップST34)、自系が主系でない場合は(ステップST34“NO”)終了する。また、自系が主系であった場合(ステップST34“YES”)、ステップST33で得られたデータを、イーサネットポート20a,20bを通して、基幹ネットワーク1系101、および、基幹ネットワーク2系102に送信する(ステップST35)。
また、中継される制御情報、および、その制御情報に付加される情報制御情報演算部1が出力した情報は、常に、主系の制御情報中継部2が支線ネットワーク111,112の2つの系に送信するため、支線ネットワーク111,112でこれらのデータを受信する機器制御装置150は、各系ネットワークから同一の情報を受信できるため、いずれの情報を採用すべきかを機器制御装置150で判断する必要がない。
図7に、自系が2系の場合の主系判定部3の処理シーケンスの実現例を示す。
先ず、主系判定部3は、支線ネットワーク111,112から他系(1系)データ(他系の伝送制御装置が送信したデータ)が受信されるのを待ち、一定時間以上受信しなかったかどうかを判定する(ステップST41)。ここで、主系判定部3が、他系データを一定時間以上受信しなかった場合(ステップST41“YES”)、自系を主系に切り替える(ステップST46)。
一方、主系判定部3が、他系データを一定時間以内に受信した場合(ステップST41“NO”)、受信データが、既に受信済みのデータであるかどうかを判定する(ステップST42)。既に受信済みのデータであった場合は(ステップST42“YES”)、他系データを破棄し、処理を終了する(ステップST47)。また、受信したデータが未受信のデータであった場合(ステップST42“NO”)、以下の3つの制御情報を取得する。即ち、制御情報演算部1が出力した制御情報、他の走行制御単位200の伝送制御装置141,142が送信したデータに付加された制御情報、他系の伝送制御装置141,142が送信したデータに付加された制御情報の3つである(ステップST43)。続いて、ステップST43で得られた情報を比較し、他系送信の制御情報のみが異なる場合(ステップST44“YES”)、かつ、その状態が一定時間以上継続した場合(ステップST45“YES”)、自系を主系に切り替える。
一方、上記ステップST44、ST45のいずれも成立しなかった場合は(ステップST44,ST45“NO”)、自系を待機系として終了する。
ここで、ステップST43で取得する情報の一例として、伝送制御装置141,142が、機器制御装置150である空気ブレーキ制御装置、モータ制御装置に対して与える情報を例として、以下に説明する。
電気ブレーキを空気ブレーキよりも優先的に用いることにより、制輪子の消耗を防ぐことができ、メンテナンスコストを下げることができる。また、回生ブレーキを用いる場合には、発電した電力が再利用されるため、省エネルギー運転にもつながる。このような制御方法は電空ブレンディングブレーキ制御と呼ばれる。
先ず、マスコンや保安装置からのノッチ指令、および、各車両の重量から、各車両で必要なブレーキ力を計算する。また、これらを合計し、編成全体の必要ブレーキ力(編成必要ブレーキ力)を算出する。ここで、編成とは、1以上の走行制御単位200で構成される車両の集合である。
次に、編成全体の必要ブレーキ力を、編成に含まれる全モータで分配し、電気ブレーキ力とする。
次に、電気ブレーキ力をモータに出力する。また、実際に得られた電気ブレーキ力をモータから取得する。
次に、モータ搭載車両で得られた電気ブレーキ力が、当該車両の必要ブレーキ力よりも大きい場合、その差分を、モータ非搭載車で分配し、各車両に搭載された空気ブレーキ制御装置に対するブレーキ力指令から減じる。
更に、伝送制御装置141,142は、機器制御装置150が送信した制御情報を基幹ネットワーク101,102に中継する際に、伝送制御装置141,142が演算した制御情報を付加するよう構成する。
同時に、待機系である伝送制御装置141,142も、主系と同様に空気ブレーキとモータに対する制御情報を演算可能である。
図8を用いて、1号車200−1の機器制御装置150が送信する情報の流れを説明する。ここで、1号車200−1の機器制御装置150とは、例えば、加減速の指示を入力するマスコンであり、伝送される情報は、ノッチ情報などである。
1号車200−1の機器制御装置150は、送信データを支線ネットワーク111,112の両方に対して送信する。ここで送信された情報は、1号車200−1の支線集線装置121,122を通過し、伝送制御装置1系141、伝送制御装置2系142の両方に到達する。
列車内ネットワークの構成要素が全て正常に動作している場合、1号車200−1の伝送制御装置1系141は、主系判定部3により、自系が主系と判断されているため、制御情報中継部2により、制御情報演算部1が演算した情報が受信した制御情報に付加されて、基幹ネットワーク1系101、基幹ネットワーク2系102の両方に中継される。
一方、1号車200−1の伝送制御装置2系142は、主系判定部3により、自系が待機系と判断されているため、制御情報中継部2は、中継動作を実施しない。
列車内ネットワークが正常な状態の場合、2号車200−2、3号車200−3のいずれの伝送制御装置141,142においても、1系が主系、2系が待機系となる。
主系である伝送制御装置1系141の制御情報中継部2は、当該装置内の制御情報演算部1の演算結果を、受信したデータのうち、破棄されなかったデータに付加し、支線ネットワーク1系111、支線ネットワーク2系112の両方に中継する。
一方、待機系である伝送制御装置2系142は、受信したデータを中継しない。
このような手順で、機器制御装置150が送信したデータが他の車両に属する機器制御装置150に伝送される。
列車内ネットワークの構成要素が全て正常に動作している場合は、伝送制御装置1系141、伝送制御装置2系142のいずれも、基幹ネットワーク1系101、基幹ネットワーク2系102の両方から同じデータを受信する。
2号車200−2、3号車200−3の伝送制御装置141,142の制御情報中継部2は、同じ情報を両方の系から送信するため、機器制御装置150が各系の支線ネットワークから受信する情報に不一致が発生することがない。このため、伝送制御装置1系141と伝送制御装置2系142の間での煩雑な演算タイミングの同期処理が不要になる。また、制御情報演算部1により、伝送制御装置141,142にて制御情報を追加するため、機器制御装置150の情報を、列車内を統一的に制御する列車内ネットワーク上の装置まで送信することなく、当該車両の伝送制御装置141,142で折り返して制御できるため、制御の応答性を高められる効果がある。
図9に、2号車200−2の伝送制御装置1系141aに異常が発生し、中継処理を中断した状況を示す。この際の1号車200−1の機器制御装置150が送信する制御情報の流れを説明する。
尚、この場合、基幹ネットワーク101,102に送信される制御情報は、前記ケース1と同様であるため、2号車の伝送制御装置1系141a、伝送制御装置2系142の動作について説明する。
また、伝送制御装置1系141または伝送制御装置2系142が、制御情報演算部1で演算した結果を、支線ネットワーク1系111、支線ネットワーク2系112の両方に送信するため、機器制御装置150が支線ネットワーク1系111と支線ネットワーク2系112のそれぞれから受信する制御情報は常に一致するため、機器制御装置150はそのデータのいずれを採用しても正常に動作できるため、データの複雑な選択処理が不要となる。
図10に、2号車200−2の伝送制御装置1系141bの制御情報演算部1が異常となり、誤った演算結果を含む制御情報を付加して中継処理を実施している状況を示す。この際の1号車の機器制御装置150が送信する制御情報の流れを説明する。
尚、この場合、基幹ネットワーク101,102に送信される制御情報は、前記ケース2と同様であるため、2号車200−2の伝送制御装置1系141b、伝送制御装置2系142の動作について説明する。
また、2号車200−2の伝送制御装置2系142は、自らの制御情報演算部1により、制御情報の演算が可能である。
更に、2号車200−2の伝送制御装置1系141bは、同装置の制御情報演算部1が演算した制御情報を付加して、基幹ネットワーク101,102の情報を支線ネットワーク111,112へ送信しているため、2号車200−2の伝送制御装置2系142は、その情報を入手可能である。
2号車200−2の伝送制御装置2系142は、主系判定部3の、上述したステップST43、ST44、ST45に従って上記3つの制御情報を比較することにより、2号車200−2の伝送制御装置1系141bの制御情報演算部1の演算結果が異常であることを判定することができる。
2号車200−2の伝送制御装置2系142は、これを検知した際に、自系を主系に切り替える。この際、伝送制御装置2系142は伝送制御装置1系141bに対して伝送停止命令を送信する。
図11は、基幹ネットワーク1系101が、1号車200−1と2号車200−2の間で断線した状況を表している。
列車において、車両間をまたぐ伝送路は、一旦車両の外部を通過して設置されるため、断線が発生する可能性を考慮する必要がある。
この際の1号車200−1の機器制御装置150が送信する制御情報の流れを説明する。
尚、この場合、1号車200−1の伝送制御装置1系141から基幹ネットワーク101,102に送信される制御情報は、ケース1と同様である。
一方、基幹ネットワーク1系101の1号車200−1と2号車200−2の間が断線しているため、2号車200−2の伝送制御装置1系141、伝送制御装置2系142には、2号車の1系の基幹集線装置131を経由した制御情報は到達しない。
2号車200−2の伝送制御装置1系141は、基幹ネットワーク2系102から制御情報を受信しているため、同装置の制御情報中継部2により、支線ネットワーク111,112に対して制御情報が中継される。このため、2号車200−2の伝送制御装置2系142は、待機系のまま動作を続ける。
また、3号車200−3の伝送制御装置1系141、伝送制御装置2系142についても、2号車200−2の対応する機器と同様の動作を行う。
このように、本構成において、2号車200−2、3号車200−3の基幹ネットワーク1系101には、制御情報が一切流れない状況となるが、基幹ネットワークが二重化されているため、伝送は継続でき、制御情報が全ての機器に対して到達する。
図12を用いて、その際の処理の流れを示す。
先ず、基幹ネットワーク101,102から制御情報を受信する(ステップST51)。制御情報は、基幹ネットワーク1系101、2系102の両方から受信されるため、受信した系に対応する、受信後の経過時間を更新する(ステップST52)。次に、バックアップ転送開始時間を算出する(ステップST53)。これは、一定時間とする。
次に、制御情報を受信した系以外の系の受信後経過時間が、バックアップ転送開始時間を越えた場合(ステップST54“YES”)、制御情報を受信した系以外の基幹ネットワークに対して、制御情報を転送する(ステップST55)。また、ステップST54にてバックアップ転送時間を越えなかった場合は(ステップST54“NO”)、何もせずに終了する。
このため、ステップST53で決定される時間は、より好ましくは、列車内の車両位置を表す値を反映して決定される時間とすることで、このような状況を回避できる。
図13は、基幹ネットワーク1系101が、1号車200−1と2号車200−2の間で断線し、かつ、基幹ネットワーク2系102が、2号車200−2と3号車200−3の間で断線した状況を表している。
この際の1号車200−1の機器制御装置150が送信する制御情報の流れを説明する。
尚、この場合、1号車の伝送制御装置1系141から基幹ネットワーク101,102に送信される制御情報は、ケース1と同様である。また、2号車200−2の伝送制御装置1系141、伝送制御装置2系142の動作は、ケース4と同様である。
しかしながら、図12で説明した制御情報中継部2による、パケットの転送処理が、2号車200−2の伝送制御装置141(または142)で始まると、基幹ネットワーク2系102の制御情報が、基幹ネットワーク1系101へ中継されるようになる。このため、3号車200−3は、基幹ネットワーク1系101より制御情報を受信できるようになる。また、3号車200−3の伝送制御装置141,142も、基幹ネットワーク2系から制御情報を受信しないため、図12で説明したパケット転送処理が実行され、3号車200−3の基幹ネットワーク2系102に対して制御情報が転送される。
実施の形態1において、制御情報中継部2は、基幹ネットワーク101,102の一方の系からデータを一定時間以上受信しないことを検知した際に、他方の系から受信したデータを受信しなかった方のネットワークに中継するよう構成し、この処理を図12を用いて説明した。
実施の形態2では、図12におけるステップST54の処理において、基幹ネットワーク101,102の一方の系からデータを受信しないことを検知するまでの時間(バックアップ転送開始時間)を、主系の伝送制御装置141(142)よりも待機系の伝送制御装置142(141)で小さく設定するようにしたものである。
このため、ステップST54におけるバックアップ転送開始時間を伝送制御装置141,142毎に異なる値となるよう設定する必要がある。
Claims (6)
- 各走行制御単位を二重化接続する2つの基幹ネットワークと、
前記走行制御単位に設けられ、それぞれが、機器制御装置と一方および他方の支線ネットワークを介して二重化接続され、かつ、それぞれが、前記2つの基幹ネットワークの双方と接続された2つの伝送制御装置とを備え、
前記2つの伝送制御装置は、主系と待機系のいずれかに設定され、当該設定に応じてその系に対応した制御を行い、
かつ、これら伝送制御装置は、それぞれ、
前記機器制御装置から前記一方または他方の支線ネットワークを介して情報を受信すると共に、他の走行制御単位から前記基幹ネットワークを介して情報を受信する制御情報中継部と、
前記機器制御装置から受信した情報と、前記基幹ネットワークから受信した情報のうち、少なくともいずれかの情報を用いて、他の走行制御単位の分も含めた機器への指令値を含む制御情報を演算する制御情報演算部と、
自系が主系か待機系かを判断する主系判定部とを有する列車内伝送制御システムであって、
前記制御情報中継部は、
自系が主系である場合に、前記基幹ネットワークから受信した未中継の情報を、前記制御情報演算部で得られた制御情報と共に前記一方および他方の支線ネットワークに中継すると共に、前記一方または他方の支線ネットワークから受信した未受信の情報を、前記制御情報演算部で得られた他の走行制御単位宛の制御情報と共に前記基幹ネットワークに中継し、
前記主系判定部は、
主系の伝送制御装置から送信される制御情報と、他の走行制御単位の伝送制御装置から送信される制御情報と、自伝送制御装置の前記制御情報演算部で演算した制御情報とを比較し、主系から送信される制御情報のみが異なる制御情報である状態が一定時間継続した場合、自系を待機系から主系に切り替えることを特徴とする列車内伝送制御システム。 - 主系判定部は、主系から送信される制御情報を一定時間受信しなかった場合に自系を待機系から主系に切り替えることを特徴とする請求項1記載の列車内伝送制御システム。
- 主系判定部は、比較する制御情報として、空気ブレーキ制御装置に対するブレーキ力指令値を用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載の列車内伝送制御システム。
- 主系判定部は、比較する制御情報として、電気ブレーキ制御装置に対する電気ブレーキ力指令値を用いることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の列車内伝送制御システム。
- 制御情報中継部は、基幹ネットワークの一方の系からデータを一定時間以上受信しないことを検知した際に、他方の系から受信したデータを受信しなかった前記一方の系のネットワークに中継することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の列車内伝送制御システム。
- 基幹ネットワークの一方の系からデータを受信しないことを検知するまでの時間を、主系の伝送制御装置よりも待機系の伝送制御装置で小さく設定することを特徴とする請求項5記載の列車内伝送制御システム。
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