JP5340023B2 - 多重無線アクセス制御方法及び多重無線アクセス制御システム - Google Patents

多重無線アクセス制御方法及び多重無線アクセス制御システム Download PDF

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本発明は、空間多重アクセスを行う無線パケット通信システムに用いて好適な多重無線アクセス制御方法及び多重無線アクセス制御システムに関する。
無線通信の高速化を目的に、無線端末局が複数のアンテナを具備し、これらを用いて多重してデータパケットを送受信するMIMO(Multi input Multi output)技術を用いた無線LANシステムがIEEE802.11n(非特許文献1参照)で策定中である。IEEE802.11nで用いられる多重伝送は、無線基地局(AP:access point)と無線端末局(STA:Station)間の1対向において行われ、送信対象とするデータを複数のアンテナから分配して並行して送信することにより通信速度を向上する。このとき、無線基地局が並行して受信する信号を適切に分離して信号を正しく復号するために、無線端末局は、複数のアンテナからの信号を同期させて同時に送信する必要がある。また、各信号の長さを等しくする必要がある。
また、MIMOによる通信品質の向上を目的に、IEEE802.11nでは、送信ビームフォーミングがオプションとして検討されている。図19は送信ビームフォーミング時のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。図19において、無線端末局APは無線基地局STAへチャネル推定のための信号を送信し、無線基地局APはチャネル推定した結果を無線端末局STAへ通知し、無線端末局STAは通知に基づき送信ビームフォーミング、すなわち適切な方向へ送信ビームを向けて、データパケットを複数のアンテナから送信する。
IEEE P802.11n/D7.0 Draft STANDARD for Information Technology−Telecommunications and information exchange between systems−Local and metropolitan area networks−Specific requirements Part 11: Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) specifications Amendment 5: Enhancements for Higher Throughput
近年、MIMO技術を応用した無線システムとして、複数のSTAが同一無線チャネルを空間多重して無線基地局と1対多の通信を行うことにより無線空間リソースを有効利用できるMU(Multi User)−MIMOと呼ばれる技術の検討が進められている。MU−MIMOは複数の無線端末局がデータパケットを空間多重して通信を行う。すなわち、無線基地局は具備する複数のアンテナを用いて各無線端末局にとって最適な方向に複数のビームを向ける。また、複数のアンテナを具備する無線端末局は、送信するビームを無線基地局にとって最適な方向に向ける。
この空間多重通信を行うために、無線端末局は、無線基地局と無線端末局間のチャネル推定結果を予め知る必要がある。チャネルの状況は、時間とともに変動するため、空間多重通信を行う直前のチャネル推定結果を知ることが望ましい。また、1対1のMIMO通信時と同様、無線基地局が正しく空間多重された信号を分離し復号するために、各無線端末局は信号を同時に送信する必要がある。また、各無線端末局は送信する信号の長さを等しくする必要がある。
しかしながら、従来のMIMOでは、アンテナを複数無線端末局に分散することは考慮していないため、複数無線端末局が空間多重する信号を同時に送信する仕組みはない。また、複数無線端末局が空間多重する信号の長さを等しく調整する仕組みはない。また、無線端末局が、無線基地局と無線端末局間のチャネル推定結果を、空間多重する信号を送信する直前に知る仕組みはない。すなわち、空間多重による信号を無線基地局と無線端末局との間で送受信する前に、空間多重に必要な情報を無線基地局と無線端末局との間で交換することが出来ないという問題があった。
一方、従来の送信ビームフォーミングでは、無線端末局はデータパケットを送信する直前にチャネル推定結果を知ることができる。しかしながら、複数無線端末局と無線基地局間のチャネル推定を行い、その結果を複数無線端末局が知る仕組みはない。また、複数無線端末局が空間多重する信号を同時に送信する仕組みはない。また、複数無線端末局が空間多重する信号の長さを等しく調整する仕組みはない。
上述の課題を鑑み、本発明は、空間多重による信号を無線基地局と無線端末局との間で送受信する前に、空間多重に必要な情報を無線基地局と無線端末局との間で交換することができる多重無線アクセス制御方法及び多重無線アクセス制御システムを提供することを目的とする。
発明は、パケット信号の送受信を行う、一つないし複数の無線基地局と一つないし複数の無線端末局が接続する無線ネットワークから構成され、前記無線基地局は、複数のアンテナを用いて前記複数の無線端末局から異なるパケット信号を空間多重により同時に送受信する多重無線アクセス制御方法において、前記無線端末局が前記パケット信号を送信する際、前記無線端末局は無線端末局毎にランダムな時間間隔でキャリアセンスを実施し、無線信号を受信しないアイドル状態であれば制御信号として送信要求信号を送信し、前記無線基地局は、最初に受信した前記送信要求信号の受信を完了した場合、第1の期間の間、他の前記無線端末局からの送信要求信号を受信し、各前記無線端末局とのチャネルの推定を行い、推定結果から前記パケット信号の空間多重を許可する前記無線端末局を選択し、前記第1の期間が経過した場合、選択リストを含む送信了承信号を制御信号として送信し、前記選択された無線端末局は、前記送信了承信号を受信完了して第2の期間が経過した場合、前記パケット信号を送信することを特徴とする多重無線アクセス制御方法である。
また、本発明は、前記送信了承信号に、空間多重により送信するパケット信号長を含むことを特徴とする多重無線アクセス制御方法である。
また、本発明は、前記送信要求信号に、前記無線端末局が送信要求するパケット信号長を含むことを特徴とする多重無線アクセス制御方法である。
また、本発明は、前記送信了承信号に、前記選択した無線端末局のチャネル推定結果を含むことを特徴とする多重無線アクセス制御方法である。
また、本発明は、前記送信了承信号に、前記選択した無線端末局の周波数オフセットを含むことを特徴とする多重無線アクセス制御方法である。
また、本発明は、前記送信了承信号に、前記無線基地局が空間多重可能な余裕数を含むことを特徴とする多重無線アクセス制御方法である。
また、本発明の多重無線アクセス制御方法において、前記無線基地局は、各前記無線端末局のチャネル推定結果の相関値が閾値以下の前記無線端末局を選択することを特徴とする。
また、本発明の多重無線アクセス制御方法において、前記無線基地局は、前記送信要求信号の受信電力が閾値以下の前記無線端末局は選択しないことを特徴とする。
また、本発明の多重無線アクセス制御方法において、前記無線基地局は、自セル以外の前記無線端末局は選択しないことを特徴とする。
また、本発明の多重無線アクセス制御方法において、前記無線基地局は、前記送信要求信号の受信数が閾値を越えた時、前記第1の期間の経過を待たずに前記送信了承信号を送信することを特徴とする。
また、本発明の多重無線アクセス制御方法において、前記無線端末局は、送信する前記パケット信号を蓄積し、データ量が閾値を越えた場合には、前記送信要求信号を送信することを特徴とする。
また、本発明の多重無線アクセス制御方法において、前記無線端末局は、他の前記無線端末局が前記送信要求信号以外の送信を第3の期間の間禁止する信号を送信してから、前記送信要求信号を送信することを特徴とする。
また、本発明の多重無線アクセス制御方法において、前記無線基地局は、前記送信要求信号を受信した場合、前記無線端末局が前記送信要求信号以外の送信を第4の期間の間禁止する信号を送信することを特徴とする。
また、本発明は、パケット信号の送受信を行う、一つないし複数の無線基地局と一つないし複数の無線端末局が接続する無線ネットワークから構成され、前記無線基地局は、複数のアンテナを用いて前記複数の無線端末局から異なるパケット信号を空間多重により同時に送受信する多重無線アクセス制御システムにおいて、前記無線端末局が前記パケット信号を送信する際、前記無線端末局は無線端末局毎にランダムな時間間隔でキャリアセンスを実施し、無線信号を受信しないアイドル状態であれば制御信号として送信要求信号を送信し、前記無線基地局は、最初に受信した前記送信要求信号の受信を完了した場合、第1の期間の間、他の前記無線端末局からの送信要求信号を受信し、各前記無線端末局とのチャネルの推定を行い、推定結果から前記パケット信号の空間多重を許可する前記無線端末局を選択し、前記第1の期間が経過した場合、選択リストを含む送信了承信号を制御信号として送信し、前記選択された無線端末局は、前記送信了承信号を受信完了して第2の期間が経過した場合、前記パケット信号を送信することを特徴とする多重無線アクセス制御システムである。
また、本発明は、前記送信了承信号に、空間多重により送信するパケット信号長を含むことを特徴とする多重無線アクセス制御システムである。
また、本発明は、前記送信要求信号に、前記無線端末局が送信要求するパケット信号長を含むことを特徴とする多重無線アクセス制御システムである。
また、本発明は、前記送信了承信号に、前記選択した無線端末局のチャネル推定結果を含むことを特徴とする多重無線アクセス制御システムである。
また、本発明は、前記送信了承信号に、前記選択した無線端末局の周波数オフセットを含むことを特徴とする多重無線アクセス制御システムである。
また、本発明は、前記送信了承信号に、前記無線基地局が空間多重可能な余裕数を含むことを特徴とする多重無線アクセス制御システムである。
また、本発明の多重無線アクセス制御システムにおいて、前記無線基地局は、各前記無線端末局のチャネル推定結果の相関値が閾値以下の前記無線端末局を選択することを特徴とする。
また、本発明の多重無線アクセス制御システムにおいて、前記無線基地局は、前記送信要求信号の受信電力が閾値以下の前記無線端末局は選択しないことを特徴とする。
また、本発明の多重無線アクセス制御システムにおいて、前記無線基地局は、自セル以外の前記無線端末局は選択しないことを特徴とする。
また、本発明の多重無線アクセス制御システムにおいて、前記無線基地局は、前記送信要求信号の受信数が閾値を越えた時、前記第1の期間の経過を待たずに前記送信了承信号を送信することを特徴とする。
また、本発明の多重無線アクセス制御システムにおいて、前記無線端末局は、送信する前記パケット信号を蓄積し、データ量が閾値を越えた場合には、前記送信要求信号を送信することを特徴とする。
また、本発明の多重無線アクセス制御システムにおいて、前記無線端末局は、他の前記無線端末局が前記送信要求信号以外の送信を第3の期間の間禁止する信号を送信してから、前記送信要求信号を送信することを特徴とする。
また、本発明の多重無線アクセス制御システムにおいて、前記無線基地局は、前記送信要求信号を受信した場合、前記無線端末局が前記送信要求信号以外の送信を第4の期間の間禁止する信号を送信することを特徴とする。
本発明によれば、空間多重による信号を無線基地局と無線端末局との間で送受信する前に、空間多重に必要な情報を無線基地局と無線端末局との間で交換することができる。
本発明の第1の実施形態の無線ネットワークの構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態の無線ネットワークにおける無線基地局の構成の一例のブロック図である。 本発明の第1の実施形態の無線ネットワークにおける無線端末局の構成の一例のブロック図である。 本発明の第1の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。 本発明の第2の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。 本発明の第3の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。 本発明の第4の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。 本発明の第5の実施形態の無線ネットワーク構成を示す説明図である。 本発明の第5の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。 本発明の第6の実施形態のネットワーク構成を示す説明図である。 本発明の第6の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。 本発明の第7の実施形態における無線基地局の無線端末局選択アルゴリズムを示したフローチャートである。 本発明の第8の実施形態における無線基地局の送信要求信号受信時の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第9の実施形態における無線基地局の送信要求信号受信時の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第10の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。 本発明の第11の実施形態の無線端末局の送信要求信号送信手順を示したフローチャートである。 本発明の第12の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。 本発明の第13の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。 従来の送信ビームフォーミング時のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施形態の無線ネットワーク構成を示した図である。図1において、無線基地局APは、セルと呼ばれる通信エリア内に在圏する無線端末局STAと通信を行う。
本発明の第1の実施形態においては、無線基地局APは、複数のアンテナを具備し、セル内の無線端末局STAと、MU−MIMOによる空間多重による無線パケット通信を行う。すなわち、無線基地局APは、複数のアンテナの出力を合成することにより、任意にアンテナの指向性を変化させ、またヌル点を作り出すことができる。これにより、無線基地局APは、空間的に離れた複数のビームを形成して、同一時刻、同一周波数で空間多重通信を行うことができる。
また、無線端末局STAは、複数のアンテナを具備している。無線端末局STAは、複数のアンテナの出力を合成することにより、任意にアンテナの指向性を変化させ、またヌル点を作り出すことができる。これにより、無線端末局STAは、接続する無線基地局APに対してアンテナの指向性を向け、接続していない他の無線基地局APに対してはヌル点となるようにすることで、接続していない他の無線基地局APとの干渉を低減できる。
また、無線基地局APおよび無線端末局STAは、空間多重によるパケット信号を送信する前に、非空間多重の制御信号を送信し、この制御信号により、空間多重に必要な情報を無線基地局APと無線端末局STA間で交換するようにしている。また、制御信号を非空間多重、すなわち送信ビームを絞らずに送信することで、複数の無線端末局STAに空間多重通信が行われることを報知することができる。
具体的には、無線端末局STAがパケット信号を送信する際、無線端末局STAは、ランダムな時間でキャリアセンスを実施し、無線チャネルがアイドル中(他の信号を検出していない状態)であれば、制御信号として送信要求信号Reqを送信する。無線基地局APは、最初に受信した送信要求信号Reqの受信完了後、一定期間T1(第1の期間)の間、無線端末局STAから送信される送信要求信号Reqを受信し、無線端末局STAとのチャネルの推定を行い、パケット信号の空間多重を許可する無線端末局STAを選択する。そして、期間T1が経過した後、無線基地局APは、選択リストを含む送信了承信号Resを制御信号として送信する。選択された無線端末局STAは、送信了承信号Resを受信して一定期間T2(第2の期間)が経過した後、パケット信号を送信する。この結果、無線基地局APは、複数の無線端末局STAから送信されるパケット信号を同時に受信する。無線基地局APは、複数ビームを形成することで、同時に受信したパケット信号を分離し、それぞれ復号を行う。誤りなく復号した場合は確認信号Ackを無線端末局STAに送信する。
図2は、無線基地局APの構成を示したブロック図である。図2に示すように、無線基地局APは、複数のアンテナ10−1〜10−4と、データ送信部11と、複数の変調部12−1〜12−4と、行列演算部13、16と、複数の送信部14−1〜14−4と、複数の受信部15−1〜15−4と、複数の復調部17−1〜17−4と、データ受信部18と、チャネル推定部19と、制御部20と、パラメータ設定部21、22とを備える。
複数のアンテナ10−1〜10−4は、アンテナアレイを構成し、行列演算により任意に指向性を変化させ、またヌル点を作り出すことができる。これにより、空間的に離れた複数のビームを形成して、同一時刻・同一周波数で多重通信を行うことができる。なお、ここでは、4つのアンテナ10−1〜10−4を図示しているが、アンテナの数は、これに限定されるものではない。
複数の送信部14−1〜14−4は、複数のアンテナ10−1〜10−4のそれぞれに対して送信信号を供給する。複数の受信部15−1〜15−4は、複数のアンテナ10−1〜10−4を介して信号を受信する。送信部14−1〜14−4、及び受信部15−1〜15−4の数は、アンテナ10−1〜10−4の数に対応している。
データ送信部11は、送信データをバッファし、エラー検出及びエラー訂正符号化を行い、空間的に形成されるチャネル毎に、送信データを生成する。各チャネルの送信データは、変調部12−1〜12−4で変調された後、行列演算部13に送られる。なお、ここでは、4つの変調部12−1〜12−4を図示しているが、変調部12−1〜12−4の数は、これに限定されるものではない。
行列演算部13は、パラメータ設定部21からのパラメータに基づいて、複素行列演算を行う。これにより、アンテナの指向性が空間チャネル毎に設定される。行列演算部13の出力は、送信部14−1〜14−4に送られ、アンテナ10−1〜10−4から送信される。
アンテナ10−1〜10−4が受信した受信信号は、受信部15−1〜15−4に入力され、行列演算部16に送られる。行列演算部16は、パラメータ設定部22からのパラメータに基づいて、複素行列演算を行う。これにより、複数ビームが形成され、空間チャネル毎のデータが分離される。
行列演算部16の出力は、チャネル毎に、復調部17−1〜17−4に送られる。復調部17−1〜17−4は、チャネル毎に、データの復調を行う。なお、ここでは、4つの復調部17−1〜17−4を図示しているが、復調部17−1〜17−4の数は、これに限定されるものではない。
データ受信部18は、送信データをバッファし、チャネル毎のデータに対して、エラー検出、エラー訂正等の処理を行う。
前述したように、本発明の第1の実施形態においては、無線チャネルがアイドル中であれば、無線通信端末STAは、制御信号として送信要求信号Reqを送信する。このようなアイドル中においては、非空間多重の制御信号が送受信できるように、行列演算部13及び16に対するパラメータを設定しておく。そして、アイドル中に、無線端末局STAから送信された送信要求信号Reqを複数のアンテナ10−1〜10−4で受信すると、複数の受信部15−1〜15−4から送信された信号をチャネル推定部19に送り、無線端末局STAと自局との間のチャネルの伝送特性を推定する。
制御部20は、チャネル推定部19の出力に基づいて、空間多重可能な無線端末局STAを選択する。そして、制御部20は、送信要求信号Reqを受信してから期間T1が経過した後に、データ送信部11から送信了承信号Resを送信させる。
また、各無線端末局STAは、送信了承信号Resを受信すると、期間T2が経過した後に、パケットを一斉に送信する。このとき、チャネル推定部19からの推定値を基に、複数ビームを形成して、各無線端末局STAからの信号が分離できるように、行列演算部16に対するパラメータを設定しておく。
複数の無線端末局STAから一斉に送信されたパケットはアンテナ10−1〜10−4で受信され、この受信信号は、複数の受信部15−1〜15−4から行列演算部16に送られる。行列演算部16は、複数の受信部15−1〜15−4から入力された信号に対して、パラメータ設定部22から入力されたパラメータにより行列演算することで、各無線端末局STAから一斉に送信されたパケットを分離することができる。この分離されたパケットは、復調部17−1〜17−4でそれぞれ復調されて、データ受信部18に送られる。
データ受信部18は、受信したパケットのエラー検出を行い、このエラー検出結果を制御部20に送る。エラーがない場合には、制御部20はデータ送信部11に、確認信号Ackの送信を指示する。このように、無線基地局APは、各無線端末局STAに確認信号Ackを送信する。
図3は、無線端末局STAの構成を示したブロック図である。無線端末局STAは、複数のアンテナ50−1、50−2と、データ送信部51と、変調部52と、行列演算部53、56と、複数の送信部54−1、54−2と、複数の受信部55−1、55−2と、復調部57と、データ受信部58と、チャネル推定部59と、制御部60と、パラメータ設定部61、62とを備えている。
複数のアンテナ50−1、50−2は、アンテナアレイを構成し、行列演算により任意に指向性を変化させ、またヌル点を作り出すことができる。なお、ここでは、2つのアンテナ50−1、50−2を図示しているが、アンテナの数は、これに限定されるものではない。
複数の送信部54−1、54−1は、複数のアンテナ50−1、50−1のそれぞれに対して送信信号を供給する。複数の受信部55−1、55−2は、複数のアンテナ50−1、50−2を介して信号を受信する。送信部54−1、54−2、受信部55−1、55−2の数は、アンテナ50−1、50−2の数に対応している。
データ送信部51は、送信データをバッファし、エラー検出及びエラー訂正符号化を行い、送信データを生成する。送信データは、変調部52で変調された後、行列演算部53に送られる。
行列演算部53は、パラメータ設定部61から入力されたパラメータに基づいて、複素行列演算を行う。行列演算部53の出力は、送信部54−1、54−2に送られ、アンテナ50−1、50−2から送信される。
アンテナ50−1、50−2を介して受信部55−1、55−2が受信した信号は、行列演算部56に送られる。行列演算部56は、パラメータ設定部62から入力されるパラメータに基づいて、複素行列演算を行う。
行列演算部56の出力は、復調部57に送られ、復調された後、データ受信部18に送られる。データ受信部58は、送信データをバッファし、チャネル毎のデータに対して、エラー検出、エラー訂正等の処理を行う。
前述したように、本発明の第1の実施形態においては、無線チャネルがアイドル中であれば、無線通信端末STAは、制御信号として送信要求信号Reqを送信する。このようなアイドル中においては、非空間多重の制御信号が送受信できるように、行列演算部53及び54に対するパラメータをパラメータ設定部61及び62に設定しておく。そして、アイドル中に、データ送信部51から送信要求信号Reqを出力し、無線基地局APに送信する。
送信許可なら、無線基地局APから、送信了承信号Resが返される。受信部55−1、55−2は、無線基地局APから送信される送信了承信号Resを複数のアンテナ50−1、50−2を介してが受信し、受信した信号をチャネル推定部59に送る。チャネル推定部59は、無線基地局APと自局との間のチャネルの伝送特性を推定する。
そして、送信了承信号Resを受信してから期間T2が経過した後に、データ送信部51が生成した送信データのパケットを、無線基地局APに送信する。このとき、無線基地局APにアンテナ50−1、50−2の指向性が向くように、行列演算部53に対するパラメータ設定部61を設定しておく。
図4は本発明の第1の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。図4において、データ通信を要求する無線端末局STAは、ランダムな時間間隔でキャリアセンスCSを行い、他の信号を検出しなかった場合、すなわちアイドル中の場合、送信要求信号Reqを無線基地局APに送信する。図示する例では、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3のランダムな時間間隔は、無線端末局STA1の時間間隔<無線端末局STA3の時間間隔<無線端末局STA2の時間間隔の順に時間間隔が大きくなっている。
無線基地局APは、最初の送信要求信号Reqを受信してから所定の期間T1の間に、各無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とから送信された送信要求信号Reqを復号するとともに、チャネル推定を行う。次に、無線基地局APは、空間多重送信を許可する無線端末局STAを選択し、最初に送信要求信号Reqを受信してから期間T1が経過した後に、空間多重送信を許可した無線端末局STAの選択リストを含む送信了承信号Resを送信する。図示する例では、無線基地局APは、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とを選択しており、自局と無線端末局STA1との間、自局と無線端末局STA2との間、及び自局と無線端末局STA3との間のチャネル推定を行い、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とに送信了承信号Resを送信している。
無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とは、送信了承信号Resを受信して復号するとともにチャネル推定を行う。次に、各受信端末STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とは、送信了承信号Resを受信してから期間T2が経過した後、チャネル推定結果に基づき、送信ビームを最適な方向に向けてパケット信号Dataを送信する。この結果、無線基地局APには、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とからパケット信号Dataが同時に送信される。
無線基地局APは、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とから送信されたパケット信号Dataを同時に受信する。そして、無線基地局APは、チャネル推定結果に基づいて複数ビームを形成し、同時に受信したパケット信号を分離し、それぞれ復号を行い、誤りなく復号した場合は確認信号Ackを送信する。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態では、無線基地局APは、期間T1の間、複数の無線端末局STAから送信される送信要求信号Reqを受信することができ、各無線端末局STAとのチャネル推定を行うことができる。また、各無線端末局STAは送信要求信号Reqをキャリアセンスして送信するため、他の無線端末局STAが送信する信号と衝突することを防止できる。
また、無線基地局APは、空間多重を許可する無線端末局STAを選択することで、自局の最大空間多重数を越えないよう調整できる。また、無線端末局STAは、送信了承信号Resを用いて、無線端末局STAとのチャネル推定を行うことができる。また、選択された無線端末局STAは、送信了承信号Resを受信完了してから予め定められた期間T2が経過した後にパケット信号を送信するため、複数の無線端末局STAが同時にパケット信号を無線基地局APに送信することができ、空間多重通信を行うことができる。
<第2の実施形態>
次に、図5を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態は、上述の送信了承信号Resに、空間多重により送信するパケット信号長の情報を含めるようにしている。無線端末局STAは、可変長のデータを通信する場合であっても、データの分割やゼロパディングを行うことにより、パケット信号長を調整する。これにより、空間多重通信を行う複数の無線端末局STAが送信するパケット信号長を等しくすることができる。また、選択されていない無線端末局STAや無線基地局APからの送信を、パケット信号長の情報に基づいて、パケット信号を送信している間禁止することで、選択された無線端末局STAが空間多重により送信するパケット信号と、他のパケット信号とが衝突することを防止できる。
図5は、本発明の第2の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。図5において、データ送出を要求する無線端末局STAは、キャリアセンスCSを行い、アイドル期間のとき、無線基地局APに送信要求信号Reqを送信する。ここでは、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とが、アイドル期間に、無線端末局APに送信要求信号Reqを送信している。
無線基地局APは、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とから送信された送信要求信号Reqを復号するとともに、チャネル推定を行い、空間多重送信を許可する無線端末局STAを選択する。ここでは、3つの無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とから送信された送信要求信号Reqに対して、2つの無線端末局STA1と無線端末局STA2とを選択しているとする。この場合、無線基地局APは、自局と無線端末局STA1との間及び自局と無線端末局STA2との間のチャネル推定を行い、最初に送信要求信号Reqを受信してから期間T1が経過した後に、選択リストを含む送信了承信号Resを送信する。この実施形態では、さらに、この送信了承信号Resに、パケット信号長を示す情報であるパケット長Dが含められる。さらに、パケット信号が送信されている間、選択されていない他の無線端末局STAや無線基地局APからの送信が禁止される。
無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、無線基地局APから送信される送信了承信号Resを受信し、送信了承信号Resを復号するとともにチャネル推定を行う。そして、無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、送信了承信号Resに含められているパケット長Dを復号し、送信するパケット信号をこのパケット長Dとなるようにする。この例では、無線端末局STA2のパケット長は、所定のパケット長Dより小さいので、ゼロパディングにより、無線端末局STA2のパケット信号の長さをDとしている。
次に、無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、送信了承信号Resを受信してから期間T2が経過した後、チャネル推定結果に基づいて、送信ビームを最適な方向に向けて送信する。この結果、無線端末局STA1と無線端末局STA2とが送信するパケット信号は、同じパケット長Dで、同時に送信される。
無線基地局APは、無線端末局STA1と無線端末局STA2とが送信したパケット信号Dataを同時に受信する。そして、無線基地局APは、チャネル推定を基に複数ビームを形成して、同時に受信したパケット信号を分離し、それぞれ復号を行い、誤りなく復号した場合は確認信号Ackを送信する。
上述のように、この実施形態では、無線基地局APは、パケット信号長Dを含む送信了承信号Resを送信する。上述した例では、無線端末局STA1が送信するパケット信号のパケット長はDに等しいため、そのまま送信する。また、無線端末局STA2が送信するパケット信号のパケット長はDより短いため、パケット信号にゼロパディングしてパケット長を調整してから送信する。また、選択リストにない無線端末局STA3に対しては、期間Dの間、パケット信号の送信禁止期間と設定することで、無線端末局STA1と無線端末局STA2とが送信するパケット信号が、他のパケット信号と衝突することを防止することができる。なお、送信禁止期間には、確認信号Ackの送信が終了するまでの時間を設定してもよい。
<第3の実施形態>
次に、図6を参照して本発明の第3の実施形態について説明する。この実施形態は、送信要求信号Reqに、無線端末局STAが送信要求するパケット信号の長さを示す情報であるパケット信号長を含むようにしている。無線基地局APは、可変長のデータを通信する場合であっても、各無線端末局STAが送信を希望するパケット信号長を事前に知ることができ、送信了承信号Resにて通知するパケット信号長を適切に決定できる。例えば、各無線端末局STAが送信を希望するパケット信号長の最大値に決定することで、データの分割を防止し、また無駄にゼロパディングすることを防止できる。
図6は、本発明の第3の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。図6において、データ送出を要求する無線端末局STAは、キャリアセンスCSを行い、アイドル期間のとき、無線基地局APに送信要求信号Reqを送信する。ここでは、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とが、アイドル期間に、送信要求信号Reqを送信している。この実施形態では、送信要求信号Reqに、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とがそれぞれ送信しようとしている通信パケットのパケット長D1、D2、D3が含められている。
無線基地局APは、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とから送信された送信要求信号Reqを復号するとともに、チャネル推定を行い、空間多重送信を許可する無線端末局STAを選択する。ここでは、3つの無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とから送信された送信要求信号Reqに対して、2つの無線端末局STA1と無線端末局STA2とを選択している。この場合、無線基地局APは、自局と無線端末局STA1との間及び自局と無線端末局STA2との間のチャネル推定を行い、最初に送信要求信号Reqを受信してから期間T1が経過した後に、選択リストを含む送信了承信号Resを送信する。また、この実施形態では、送信要求信号Reqに含められているパケット長D1、D2、D3に基づいて、パケット長を決定する。この例では、選択リスト中で最大のパケット長を、要求パケット長としている。すなわち、この例では、パケット長はD1>D2>D3であるので、最大のパケット長D1を要求パケット長としている。そして、送信了承信号Resに、要求パケット長D1が含められる。
無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、無線基地局APから送信された送信了承信号Resを受信すると、送信了承信号Resを復号するとともにチャネル推定を行う。そして、無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、送信了承信号Resに含められている要求パケット長D1を復号し、送信するパケットがこのパケット長D1となるようにする。この例では、無線端末局STA2のパケットのパケット長は、ゼロパディングにより、D1となるようにしている。
そして、無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、送信了承信号Resを受信してから期間T2が経過した後、チャネル推定結果に基づいて、送信ビームを最適な方向に向けてデータDATAを送信する。この結果、無線端末局STA1と無線端末局STA2とが送信するパケット信号Dataは、同じパケット長D1で、同時に送信される。
無線基地局APは、無線端末局STA1と無線端末局STA2とから送信されたパケット信号Dataを同時に受信する。そして、無線基地局APは、チャネル推定を基に複数ビームを形成して、同時に受信したパケット信号を分離し、それぞれ復号を行い、誤りなく復号した場合は確認信号Ackを送信する。
上述のように、この実施形態では、各無線端末局STAは、送信要求信号Reqにより、自局が送信要求するパケット信号長を通知する。無線基地局APは、各無線端末局STAから送信されたパケット信号長を比較し、選択した無線端末局STAの中で、最大のパケット長をパケット信号長として送信了承信号Resにより通知することで、パケット信号長を適切に決定し、通知することができる。
<第4の実施形態>
次に、図7を参照して本発明の第4の実施形態について説明する。この実施形態では、無線基地局APは各無線端末局STAとのチャネル推定結果を、送信了承信号Resに含めて送信する。各無線端末局STAは、通知されたチャネル推定結果に基づき送信ビームを最適な方向に向けて送信する。これにより、無線端末局STA側でのチャネル推定が簡略化できる。
図7は、本発明の第4の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。図7において、データ送出を要求する無線端末局STAは、キャリアセンスCSを行い、アイドル期間のとき、無線基地局APに送信要求信号Reqを送信する。ここでは、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とが、アイドル期間に、無線基地局APに送信要求信号Reqを送信している。
無線基地局APは、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とから送信された送信要求信号Reqを復号するとともに、チャネル推定を行い、空間多重送信を許可する無線端末局STAを選択する。ここでは、無線基地局APは、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とを選択し、自局と無線端末局STA1との間、自局と無線端末局STA2との間、及び自局と無線端末局STA3との間のチャネル推定を行う。そして、無線基地局APは、最初に送信要求信号Reqを受信してから期間T1が経過した後に、選択リストを含む送信了承信号Resを送信する。この実施形態では、送信了承信号Resに、チャネル推定結果を含めて送信する。
無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とは、無線基地局APから送信された送信了承信号Resを受信し、送信了承信号Resを復号する。また、このとき、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とは、送信了承信号Resに含められているチャネル推定の情報を復号する。
次に、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とは、送信了承信号Resを受信してから期間T2が経過した後、送信ビームを最適な方向に向けて送信する。このとき、この実施形態では、無線端末局STA1、STA2、STA3は、無線基地局APから送られてきた送信了承信号Resを復号して得られたチャネル推定値を用いて、送信ビームの方向を設定する。
無線基地局APは、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とから送信されたパケット信号Dataを同時に受信する。そして、無線基地局APは、チャネル推定を基に複数ビームを形成して、同時に受信したパケット信号を分離し、それぞれ復号を行い、誤りなく復号した場合は確認信号Ackを送信する。
以上のように、この実施形態では、無線基地局APは、送信了承信号Resに、選択した無線端末局STAのチャネル推定結果を含めて送信している。この実施形態では、無線端末局STAは、自らチャネル推定する必要がないため、処理負荷を軽減でき、小型化、省電力化できる。また、FDD(周波数分割多重:Frequency Division Duplex)のように、無線端末局STAから無線基地局AP方向と、無線基地局APから無線端末局STA方向とでチャネル状況が異なる場合であっても、無線端末局STAが、無線端末局STAから無線基地局AP方向のチャネル推定結果を得ることができる。
<第5の実施形態>
次に、図8及び図9を参照して本発明の第5の実施形態について説明する。図8は、本発明の第5の実施形態の無線ネットワーク構成を示した図である。図8において、無線基地局AP1のセルには、無線端末局STA1と無線端末局STA2とが在圏しており、隣接する無線基地局AP2のセルには、無線端末局STA3が在圏している。
無線端末局STA1と無線端末局STA2とは所定の周波数によりパケット信号を送信するが、誤差すなわち周波数オフセットが生じる。無線基地局AP1は、無線端末局STA1と無線端末局STA2とから送信された送信要求信号Reqなどの信号を受信した時、周波数オフセットを測定し、この周波数オフセットを送信了承信号Resに含めて送信する。この送信了承信号Resを受信した周辺無線セルの無線基地局AP2や無線端末局STA3は、周波数オフセットを知り、この情報に基づいて精度よく無線端末局STA1、STA2から送信されたパケット信号による干渉を除去する。
図9は、本発明の第5の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。図9において、無線基地局AP1のセル内に在圏する無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、キャリアセンスCSを行い、アイドル期間のとき、無線基地局AP1に送信要求信号Reqを送信している。
無線基地局AP1は、無線端末局STA1と無線端末局STA2とから送信された送信要求信号Reqを復号するとともに、チャネル推定を行い、空間多重送信を許可する無線端末局STAを選択する。ここでは、無線基地局AP1は、無線端末局STA1と無線端末局STA2とを選択し、自局と無線端末局STA1との間及び自局と無線端末局STA2との間のチャネル推定を行う。さらに、この実施形態では、無線基地局AP1は、無線端末局STA1と無線端末局STA2の周波数オフセットを測定する。そして、無線基地局AP1は、最初の送信要求信号Reqを受信してから期間T1が経過した後に、選択リストを含む送信了承信号Resを送信する。この実施形態では、無線基地局AP1は、この送信了承信号Resに、無線端末局STA1と無線端末局STA2との周波数オフセットを含めて送信する。この送信了承信号Resは、無線端末局STA1と無線端末局STA2とで受信される。さらに、この送信了承信号Resは、隣接する無線基地局AP2でも受信される。
無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、無線基地局AP1から送信された送信了承信号Resを受信すると、送信了承信号Resを復号するとともにチャネル推定を行う。そして、各無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、送信了承信号Resを受信してから期間T2が経過した後、チャネル推定結果に基づき、送信ビームを最適な方向に向けて送信する。この結果、無線端末局STA1と無線端末局STA2とが送信するパケット信号は、無線基地局AP1に同時に送信される。
前述したように、無線基地局AP1が送信した送信了承信号Resは、隣接する無線基地局AP2でも受信される。このため、無線基地局AP1に隣接する無線基地局AP2は、無線端末局STA1と無線端末局STA2の周波数オフセットを知ることができる。このため、無線基地局AP2は、無線基地局AP1から通知された周波数オフセットに基づいて、無線端末局STA1と無線端末局STA2とが送信する信号との干渉を除去することができる。これにより、無線基地局AP2は、自セル内の無線端末局STA3からのパケット信号を、干渉を受けずに受信することができる。
上述のように、この例では、無線基地局AP2は、無線基地局AP1から通知された周波数オフセットに基づいて、無線端末局STA1と無線端末局STA2からの干渉を除去して、無線端末局STA3から送信されるパケット信号を受信することができる。
<第6の実施形態>
次に、図10及び図11を参照して本発明の第6の実施形態について説明する。図10は、本発明の第6の実施形態のネットワーク構成を示した図である。図10において、無線基地局AP1のセルには、無線端末局STA1と無線端末局STA2とが在圏している。無線基地局AP1に隣接する無線基地局AP2のセルには、無線端末局STA3と無線端末局STA4とが在圏している。無線基地局AP1と無線基地局AP2とが空間多重可能な数は、具備するアンテナの数などにより制限される。この例では、無線基地局AP1と無線基地局AP2の最大空間多重数は「4」としている。無線基地局AP1では、空間多重を2つ行うため、送信了承信号Resにより空間多重余裕数「2」が報知される。無線基地局AP2は、報知された空間多重余裕数「2」まで、空間多重を行う。
図11は、本発明の第6の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。図11において、無線基地局AP1のセル内の無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、アイドル期間に、送信要求信号Reqを無線基地局AP1に送信している。
無線基地局AP1は、送信要求信号Reqを受信すると、セル内の無線端末局STA1と無線端末局STA2を選択し、自局と無線端末局STA1との間及び自局と無線端末局STA2との間のチャネル推定を行う。そして、無線基地局AP1は、最初の送信要求信号Reqを受信してから期間T1が経過した後に、送信了承信号Resを送信する。この実施形態では、無線基地局AP1は、この送信了承信号Resに、空間多重余裕数を含めて送信する。ここでは、空間多重可能な数は「4」としており、2つの無線端末局STA1と無線端末局STA2とが選択されたので、空間多重余裕数を「4−2=2」を送信する。この送信了承信号Resは、無線端末局STA1と無線端末局STA2とで受信される。これとともに、この送信了承信号Resは、隣接する無線基地局AP2でも受信される。
また、無線基地局AP2のセル内のデータ送出を要求する無線端末局STA3と無線端末局STA4とは、キャリアセンスCSを行い、アイドル期間のとき、無線基地局AP2に送信要求信号Reqを送信する。
無線基地局AP2は、送信要求信号Reqを受信すると、セル内の無線端末局STAを選択する。前述したように、無線基地局AP1に隣接する無線基地局AP2は、無線基地局AP1が送信した送信了承信号Resを受信しており、これにより、空間多重余裕数を知ることができる。無線基地局AP2は、この空間多重余裕数まで、多重送信を許可することができる。無線基地局AP1から送信された送信了承信号Resは「2」であり、無線基地局AP2のセル内に在圏している無線端末局STAが送信した送信要求信号Reqは、無線端末局STA3と無線端末局STA4とが送信した送信要求信号Reqの2つであるから、無線基地局AP2は、無線端末局STA3と無線端末局STA4とに空間多重を許可する。
無線基地局AP2が無線端末局STA3と無線端末局STA4とに空間多重を許可する場合、無線基地局AP2は、自局と無線端末局STA3との間及び自局と無線端末局STA4との間のチャネル推定を行う。そして、最初に送信要求信号Reqを受信してから期間T1が経過した後に、空間多重余裕数を含めた送信了承信号Resを送信する。ここでは、無線基地局AP2は無線端末局STA3と無線端末局STA4とに空間多重を許可するので、無線基地局AP2は空間多重余裕数「2−2=0」を含めて送信する。この送信了承信号Resは、無線端末局STA3と無線端末局STA4とで受信されるとともに、隣接する無線基地局AP1でも受信される。
無線基地局AP1のセル内に在圏する無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、無線基地局AP1から送信された送信了承信号Resを復号するとともにチャネル推定を行う。そして、無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、送信了承信号Resを受信してから、期間T2が経過した後、チャネル推定結果に基づき、送信ビームを最適な方向に向けて送信する。この結果、無線端末局STA1と無線端末局STA2とが送信するパケット信号は、無線基地局AP1に同時に送信される。無線基地局AP1は、チャネル推定を基に複数ビームを形成して、同時に受信したパケット信号を分離し、それぞれ復号を行う。
同様に、無線基地局AP2のセル内に在圏する無線端末局STA3と無線端末局STA4とは、無線基地局AP2から送信された送信了承信号Resを復号するとともにチャネル推定を行う。そして、無線端末局STA3と無線端末局STA4とは、送信了承信号Resを受信してから、期間T2が経過した後、チャネル推定結果に基づき、送信ビームを最適な方向に向けて送信する。この結果、無線端末局STA3と無線端末局STA4とが送信するパケット信号は、無線基地局AP2に同時に送信される。無線基地局AP2は、チャネル推定結果から、チャネル推定を基に複数ビームを形成して、同時に受信したパケット信号を分離し、それぞれ復号を行う。
以上説明したように、本発明の第6の実施形態では、無線基地局APは、空間多重余裕数まで、周辺無線セルからの干渉波を受信しても干渉除去することができる。また、無線基地局APが空間多重余裕数を送信了承信号Resにより報知することで、周辺無線セルでは、通信を空間多重余裕数まで同時に行うことができる。
<第7の実施形態>
次に、図12を参照して本発明の第7の実施形態について説明する。この実施形態では、無線基地局APは、チャネル推定結果のすべての組み合わせについて相関値を計算し、相関値が予め定められた閾値以下の組み合わせを選択する。閾値以下の組み合わせが存在しない場合、無線基地局APは、空間多重通信を行わずに無線端末局STAを一つ選択する。
図12は、本発明の第7の実施形態における無線基地局APが、無線端末局STAを選択する際に用いる無線端末局選択アルゴリズムを示したフローチャートである。図12において、無線基地局APは、チャネル推定結果のすべての組み合わせについて相関値を計算し(ステップS101)、予め定められた閾値以下の組み合わせがあるかどうかを判定する(ステップS102)。相関が閾値以下の組み合わせが存在すれば、相関が閾値以下の組み合わせの無線端末局STAを選択し(ステップS103)、相関が閾値以下の組み合わせが存在しない場合は、無線端末局STAを一つ選択する(ステップS104)。
以上説明したように、本発明の第7の実施形態では、相関値が予め定められた閾値を越える無線端末局STAを選択しないことにより、無線基地局APは、複数の無線端末局STAから送信されたパケット信号を分離し正しく復号する確率を向上させることができる。
<第8の実施形態>
次に、図13を参照して本発明の第8の実施形態について説明する。この実施形態では、無線基地局APは、受信した送信要求信号Reqの受信電力が閾値以下のとき、この送信要求信号Reqを送信した無線端末局STAを、空間多重を行う無線端末局STAの選択肢から除外するものである。
図13は、本発明の第8の実施形態における無線基地局APが、送信要求信号Reqを受信した際の処理手順を示したフローチャートである。図13において、無線基地局APは、送信要求信号Reqを受信したとき、受信電力が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS201)。受信電力が閾値以下であると判定した場合、無線基地局APは、この送信要求信号Reqを送信した無線端末局STAを選択肢から除外する(ステップS202)。
これにより、本発明の第8の実施形態では、無線基地局APは、受信電力が閾値以下である送信要求信号Reqを送信した無線端末局STAを選択しないことで、空間多重通信の品質を向上させることができる。
<第9の実施形態>
次に、図14を参照して本発明の第9の実施形態について説明する。この実施形態では、無線端末局STAは、送信要求信号Reqに、自局が所属する無線セルの無線基地局APのMAC(Medium Access Control)アドレスをBSSIDとして付与する。無線基地局APは、BSSIDが自局のMACアドレスと異なる送信要求信号Reqを周辺セルに所属している無線端末局STAであると判断し、空間多重を行う無線端末局STAの選択肢から除外する。
図14は、本発明の第9の実施形態における無線基地局APが、送信要求信号Reqを受信した際の処理手順を示したフローチャートである。図14において、無線基地局APは、送信要求信号Reqを受信したとき、BSSIDが自局のMACアドレスと不一致か否かを判定する(ステップS301)。BSSIDが自局のMACアドレスと不一致であると判定した場合は、この送信要求信号Reqを送信した無線端末局STAを選択肢から除外する(ステップS302)。
これにより、本発明の第9の実施形態では、無線基地局は、周辺無線セルに所属する無線端末局STAから送信された送信要求信号Reqを受信した場合であっても、この無線端末局STAを選択しないことで、空間多重通信の品質を向上させることができる。
<第10の実施形態>
次に、図15を参照して、本発明の第10の実施形態について説明する。この実施形態では、無線基地局の最大空間多重数を「2」としている。無線基地局APは、送信要求信号Reqを2つ受信した場合、タイマT1を停止し、期間T2が経過した後に送信了承信号Resを送信する。
図15は、本発明の第10の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。ここでは、最大空間多重数を「2」とする。図15において、無線端末局STA1は、キャリアセンスCSを行い、アイドルのとき、無線基地局APに送信要求信号Reqを送信する。無線基地局APはこの送信要求信号Reqを受信する。次に、無線端末局STA3は、キャリアセンスCSを行い、アイドルのとき、無線基地局APに送信要求信号Reqを送信する。無線基地局APはこの送信要求信号Reqを受信する。ここで、最大空間多重数は「2」であるので、無線基地局APは、送信要求信号Reqを2つ受信した場合、タイマT1を停止する。
無線基地局APは、無線端末局STA1と無線端末局STA3とから送信された送信要求信号Reqを復号するとともに、チャネル推定を行い、空間多重送信を許可する無線端末局STAを選択する。ここでは、無線基地局APは、無線端末局STA1と無線端末局STA3とを選択し、自局と無線端末局STA1との間及び自局と無線端末局STA3との間のチャネル推定を行い、予め定められたT1が経過する前に送信了承信号Resを送信する。
無線端末局STA1と無線端末局STA3とは、送信了承信号Resを復号するとともにチャネル推定を行う。そして、無線端末局STA1と無線端末局STA3とは、送信了承信号受信Resを受信してから、期間T2が経過した後に、チャネル推定結果に基づき、送信ビームを最適な方向に向けて送信する。この結果、無線端末局STA1と無線端末局STA3とが送信するパケット信号は、無線基地局APに同時に送信される。無線基地局APは、チャネル推定を基に複数ビームを形成して同時に受信したパケット信号を分離し、それぞれ復号を行う。誤りなく復号した場合は確認信号Ackを送信する。
これにより、本発明の第10の実施形態では、無線基地局APは、空間多重数が上限に達した時点で、所定期間T1を経過するのを待たずに送信了承信号Resを送信することで、これ以上の無線端末局STAから送信される送信要求信号Reqの受付を停止し、直ちに空間多重によるパケット信号の送信を開始できる。
<第11の実施形態>
次に、図16を参照して、本発明の第11の実施形態について説明する。この実施形態では、無線端末局STAは、送信するデータを蓄積し、データ量が閾値Lを越え、かつアイドルのときに、送信要求信号Reqを送信する。
図16は、本発明の第11の実施形態の無線端末局STAが、送信要求信号Reqを送信する手順を示したフローチャートである。図16において、無線端末局STAは、送信するデータを生起すると(ステップS401)、データを蓄積し(ステップS402)、データ量が閾値Lを越えたか否かを判定する(ステップS403)。データ量が閾値Lを越えていないと判定した場合は、ステップS401の処理に戻る。
データ量が閾値Lを越えていると判定した場合は、無線端末局STAは、アイドル期間か否かを判定し(ステップS404)、アイドル期間であると判定した場合は、送信要求信号Reqを送信する(ステップS405)。
これにより、本発明の第11の実施形態では、送信要求信号Reqの送信が遅延することにより、無線端末局STAでパケット信号が蓄積される確率が高くなり、空間多重数を大きくすることができる。
<第12の実施形態>
次に、図17を参照して、本発明の第12の実施形態について説明する。この実施形態では、無線端末局STAは、送信要求信号Req以外の信号を他の無線端末局STAが送信することを一定期間T3(第3の期間)の間停止させるためのRTS信号を送信する。RTS信号を受信した無線端末局STAは、一定期間T3の間は送信要求信号Reqのみを送信し、その他の信号の送信については待機する。ここでは、「禁止期間T3=T2+送信要求信号Req長+T1+送信了承信号Res長」としている。
図17は、本発明の第12の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。図17において、データ送出を要求する無線端末局STA1は、RTS信号を送信する。このRTS信号は、無線基地局APと無線端末局STA2と無線端末局STA3とで受信される。このRTS信号を受信してから期間T3が経過するまでは、送信要求信号Req以外の信号の送信が禁止される。
その後、無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、キャリアセンスを行い、アイドル期間のとき、無線基地局APに送信要求信号Reqを送信している。なお、上述したとおり、送信要求信号Reqは期間T3の間でも送信は許可される。
無線基地局APは、無線端末局STA1と無線端末局STA2とから送信された送信要求信号Reqを受信して、送信要求信号Reqを復号するとともに、空間多重送信を許可する無線端末局STAを選択する。ここでは、無線基地局APは、無線端末局STA1と無線端末局STA2とを選択し、自局と無線端末局STA1との間及び自局と無線端末局STA2との間のチャネル推定を行う。そして、最初に送信要求信号Reqを受信してから期間T1が経過した後に、選択リストを含む送信了承信号Resを送信する。
無線端末局STA1と無線端末局STA2とは送信了承信号Resを受信し、送信了承信号Resを復号するとともにチャネル推定を行う。そして、無線端末局STA1と無線端末局STA2とは、送信了承信号Resを受信してから期間T2が経過した後、チャネル推定結果に基づき、送信ビームを最適な方向に向けて送信する。この結果、無線端末局STA1と無線端末局STA2とが送信するパケット信号は、無線端末局APに同時に送信される。
無線基地局APは、無線端末局STA1と無線端末局STA2とが送信したパケット信号Dataを同時に受信する。そして、無線基地局APは、チャネル推定に基づいて複数ビームを形成して、同時に受信したパケット信号を分離し、それぞれ復号を行い、誤りなく復号した場合は確認信号Ackを送信する。
これにより、本発明の第12の実施形態では、一定期間T3の間は送信要求信号Reqのみを送信し、その他の信号の送信については待機することにより、無線端末局STAが送信する送信要求信号Reqや、無線基地局APが送信する送信了承信号Resが、周辺に存在する他の無線端末局STAが送信するパケット信号と衝突することを防止することができる。
<第13の実施形態>
次に、図18を参照して、本発明の第13の実施形態について説明する。この実施形態では、無線基地局APは、最初に送信要求信号Reqを受信してから期間T2が経過した後、無線端末局STAによる送信要求信号Req以外の信号の送信を一定期間T4(第4の期間)の間禁止するCTS信号を送信する。無線端末局STAは、一定期間T4の間は送信要求信号Reqのみ送信し、その他の信号は送信を待機する。ここでは、「禁止期間T4=T1+送信了承信号Res長−T2−CTS長」としている。
図18は、本発明の第13の実施形態のパケット信号の送信の説明に用いるタイムチャートである。図18において、データ送出を要求する無線端末局STA1は、キャリアセンスCSを行い、アイドル期間のとき、送信要求信号Reqを送信する。
無線基地局APは、最初に送信要求信号Reqを受信した後、CTS信号を送信する。このCTS信号は、無線端末局STA1と、無線端末局STA2と、無線端末局STA3とで受信される。このCTS信号は、一定期間T4の間、無線端末局STAによる送信要求信号Req以外の信号の送信を禁止するものである。
また、無線端末局STA2は、キャリアセンスを行い、アイドル期間のとき、無線基地局APに送信要求信号Reqを送信している。なお、上述したとおり、送信要求信号Reqは期間T4の間でも送信は許可される。
無線基地局APは、無線端末局STA1と無線端末局STA2とから送信された送信要求信号Reqを受信して、送信要求信号Reqを復号するとともに、空間多重送信を許可する無線端末局STAを選択する。ここでは、無線基地局APは、無線端末局STA1と無線端末局STA2とを選択し、自局と無線端末局STA1との間及び自局と無線端末局STA2との間のチャネル推定を行う。そして、無線基地局APは、最初に送信要求信号Reqを受信してから期間T1が経過した後に、送信了承信号Resを送信する。
無線端末局STA1と無線基地局STA2とは、送信了承信号Resを受信し、送信了承信号Resを復号するとともにチャネル推定を行う。そして、無線端末局STA1と無線基地局STA2とは、送信了承信号Resを受信してから期間T2が経過した後、チャネル推定結果に基づいて、送信ビームを最適な方向に向けて送信する。この結果、無線端末局STA1と無線端末局STA2とが送信するパケット信号は、無線基地局APに同時に送信される。
無線基地局APは、無線端末局STA1と無線端末局STA2とから送信されたパケット信号Dataを同時に受信する。そして、無線基地局APは、チャネル推定を基に複数ビームを形成して、同時に受信したパケット信号を分離し、それぞれ復号を行い、誤りなく復号した場合は確認信号Ackを送信する。
これにより、本発明の第13の実施形態では、一定期間T4の間は送信要求信号Reqのみを送信し、その他の信号の送信については待機することにより、無線端末局STAが送信する送信要求信号Reqや、無線基地局APが送信する送信了承信号Resが、周辺に存在する他の無線端末局STAが送信するパケット信号と衝突することを防止することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
10−1〜10−4 アンテナ、11 データ送信部、12−1〜12−4 変調部、13 行列演算部、14−1〜14−4 送信部、15−1〜15−4 受信部、16 行列演算部、17−1〜17−4 復調部、18 データ受信部、19 チャネル推定部、20 制御部、21〜22 パラメータ設定部、50−1〜50−2 アンテナ、51 データ送信部、52 変調部、53 行列演算部、54−1〜54−2 送信部、55−1〜55−2 受信部、56 行列演算部、57 復調部、58 データ受信部、59 チャネル推定部、60 制御部、61〜62 パラメータ設定部

Claims (26)

  1. パケット信号の送受信を行う、一つないし複数の無線基地局と一つないし複数の無線端末局が接続する無線ネットワークから構成され、前記無線基地局は、複数のアンテナを用いて前記複数の無線端末局から異なるパケット信号を空間多重により同時に送受信する多重無線アクセス制御方法において、
    前記無線端末局が前記パケット信号を送信する際、前記無線端末局は無線端末局毎にランダムな時間間隔でキャリアセンスを実施し、無線信号を受信しないアイドル状態であれば制御信号として送信要求信号を送信し、
    前記無線基地局は、最初に受信した前記送信要求信号の受信を完了した場合、第1の期間の間、他の前記無線端末局からの送信要求信号を受信し、各前記無線端末局とのチャネルの推定を行い、推定結果から前記パケット信号の空間多重を許可する前記無線端末局を選択し、前記第1の期間が経過した場合、選択リストを含む送信了承信号を制御信号として送信し、
    前記選択された無線端末局は、前記送信了承信号を受信完了して第2の期間が経過した場合、前記パケット信号を送信することを特徴とする多重無線アクセス制御方法。
  2. 前記送信了承信号に、空間多重により送信するパケット信号長を含むことを特徴とする請求項に記載の多重無線アクセス制御方法。
  3. 前記送信要求信号に、前記無線端末局が送信要求するパケット信号長を含むことを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御方法。
  4. 前記送信了承信号に、前記選択した無線端末局のチャネル推定結果を含むことを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御方法。
  5. 前記送信了承信号に、前記選択した無線端末局の周波数オフセットを含むことを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御方法。
  6. 前記送信了承信号に、前記無線基地局が空間多重可能な余裕数を含むことを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御方法。
  7. 前記無線基地局は、各前記無線端末局のチャネル推定結果の相関値が閾値以下の前記無線端末局を選択することを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御方法。
  8. 前記無線基地局は、前記送信要求信号の受信電力が閾値以下の前記無線端末局は選択しないことを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御方法。
  9. 前記無線基地局は、自セル以外の前記無線端末局は選択しないことを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御方法。
  10. 前記無線基地局は、前記送信要求信号の受信数が閾値を越えた時、前記第1の期間の経過を待たずに前記送信了承信号を送信することを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御方法。
  11. 前記無線端末局は、送信する前記パケット信号を蓄積し、データ量が閾値を越えた場合には、前記送信要求信号を送信することを特徴とする請求項乃至1の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御方法。
  12. 前記無線端末局は、他の前記無線端末局が前記送信要求信号以外の送信を第3の期間の間禁止する信号を送信してから、前記送信要求信号を送信することを特徴とする請求項乃至1の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御方法。
  13. 前記無線基地局は、前記送信要求信号を受信した場合、前記無線端末局が前記送信要求信号以外の送信を第4の期間の間禁止する信号を送信することを特徴とする請求項乃至1の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御方法。
  14. パケット信号の送受信を行う、一つないし複数の無線基地局と一つないし複数の無線端末局が接続する無線ネットワークから構成され、前記無線基地局は、複数のアンテナを用いて前記複数の無線端末局から異なるパケット信号を空間多重により同時に送受信する多重無線アクセス制御システムにおいて、
    前記無線端末局が前記パケット信号を送信する際、前記無線端末局は無線端末局毎にランダムな時間間隔でキャリアセンスを実施し、無線信号を受信しないアイドル状態であれば制御信号として送信要求信号を送信し、
    前記無線基地局は、最初に受信した前記送信要求信号の受信を完了した場合、第1の期間の間、他の前記無線端末局からの送信要求信号を受信し、各前記無線端末局とのチャネルの推定を行い、推定結果から前記パケット信号の空間多重を許可する前記無線端末局を選択し、前記第1の期間が経過した場合、選択リストを含む送信了承信号を制御信号として送信し、
    前記選択された無線端末局は、前記送信了承信号を受信完了して第2の期間が経過した場合、前記パケット信号を送信することを特徴とする多重無線アクセス制御システム。
  15. 前記送信了承信号に、空間多重により送信するパケット信号長を含むことを特徴とする請求項1に記載の多重無線アクセス制御システム。
  16. 前記送信要求信号に、前記無線端末局が送信要求するパケット信号長を含むことを特徴とする請求項1乃至1の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御システム。
  17. 前記送信了承信号に、前記選択した無線端末局のチャネル推定結果を含むことを特徴とする請求項1乃至1の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御システム。
  18. 前記送信了承信号に、前記選択した無線端末局の周波数オフセットを含むことを特徴とする請求項1乃至1の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御システム。
  19. 前記送信了承信号に、前記無線基地局が空間多重可能な余裕数を含むことを特徴とする請求項1乃至18の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御システム。
  20. 前記無線基地局は、各前記無線端末局のチャネル推定結果の相関値が閾値以下の前記無線端末局を選択することを特徴とする請求項1乃至19の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御システム。
  21. 前記無線基地局は、前記送信要求信号の受信電力が閾値以下の前記無線端末局は選択しないことを特徴とする請求項1乃至2の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御システム。
  22. 前記無線基地局は、自セル以外の前記無線端末局は選択しないことを特徴とする請求項1乃至2の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御システム。
  23. 前記無線基地局は、前記送信要求信号の受信数が閾値を越えた時、前記第1の期間の経過を待たずに前記送信了承信号を送信することを特徴とする請求項1乃至2の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御システム。
  24. 前記無線端末局は、送信する前記パケット信号を蓄積し、データ量が閾値を越えた場合には、前記送信要求信号を送信することを特徴とする請求項1乃至2の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御システム。
  25. 前記無線端末局は、他の前記無線端末局が前記送信要求信号以外の送信を第3の期間の間禁止する信号を送信してから、前記送信要求信号を送信することを特徴とする請求項1乃至2の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御システム。
  26. 前記無線基地局は、前記送信要求信号を受信した場合、前記無線端末局が前記送信要求信号以外の送信を第4の期間の間禁止する信号を送信することを特徴とする請求項1乃至2の何れか1項に記載の多重無線アクセス制御システム。
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