JP5339243B2 - ストレプトコッカス・スイス感染症予防用ワクチン - Google Patents

ストレプトコッカス・スイス感染症予防用ワクチン Download PDF

Info

Publication number
JP5339243B2
JP5339243B2 JP2008113358A JP2008113358A JP5339243B2 JP 5339243 B2 JP5339243 B2 JP 5339243B2 JP 2008113358 A JP2008113358 A JP 2008113358A JP 2008113358 A JP2008113358 A JP 2008113358A JP 5339243 B2 JP5339243 B2 JP 5339243B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vaccine
antigen
infection
suis
pathogenic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008113358A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009263266A (ja
Inventor
英司 野坂
英司 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoto Biken Laboratories Inc
Original Assignee
Kyoto Biken Laboratories Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoto Biken Laboratories Inc filed Critical Kyoto Biken Laboratories Inc
Priority to JP2008113358A priority Critical patent/JP5339243B2/ja
Publication of JP2009263266A publication Critical patent/JP2009263266A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5339243B2 publication Critical patent/JP5339243B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Description

本発明は、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus. suis)に起因する疾患から豚を防御するためのワクチンに関わる。
レンサ球菌属には、多くの菌種が含まれ、家畜やヒトの種々の病気の一次的ないし二次的な役割をするとされている。豚に病原性を示すレンサ球菌としては、ストレプトコッカス・スイス(S. suis)、ストレプトコッカス・ディジャラクティア(S. dysgalactiae)、ストレプトコッカス・ポーシナス(S. porcinus)等が知られているが、中でもS. suisは、時に流行病的に発生することから経済的被害が大きな疾病として最も重視されている。
本菌は、1963年にde Moor がイギリスで豚の髄膜炎を引き起こすレンサ球菌として初めて報告し、現在では35の血清型が存在することが明らかになっている。このうち、髄膜炎、敗血症、関節炎、心内膜炎、肺炎など、ほぼ単独感染で病気に関わり、分離頻度が高いのが血清型2型である。わが国においても、1979年に島根県で初めてS. suis 感染症が報告されて以来、栃木、静岡、三重、山形などで発生例が続き、現在では全国的にその発生が認められている。
現在、本病のコントロールは、飲水にアンピシリン等、飼料にペニシリンを添加することで試みられているが、疾病の極期を予測して事前に連続投与しなければならない点やコストの面を考慮すると、最良の方法とはいえない。また、本疾病に対するワクチンは、不活化全菌体とアルミニウムゲルアジュバントもしくはオイルアジュバントと組み合わせた製剤が海外で市販されている。しかし、これらの組み合わせのワクチンによる効果は完全とは言えないと報告されている(例えば、非特許文献1を参照。)。
その理由は、S. suisに多くの種類の血清型が存在することや、病原因子の分布状況や病原性に及ぼす役割について十分に検証されていないことによる。そのため、多くの研究者が本病の病原因子について報告している。例えば、莢膜多糖体(capsular polysaccaride:CPS)は、多くのグラム陽性及び陰性菌の重要な病原因子と認識されており、S. suisの場合、莢膜多糖体を欠いた同種変異株が豚に対する病原性を失ったとの報告がある(例えば、非特許文献2を参照。)。しかし、S. suisの非病原性株のほとんどが莢膜多糖体を有しており、S. suis莢膜多糖体は、病原因子として明確になっていない。また、精製した莢膜多糖体を免疫材料として試みた豚感染防御試験は、成功しなかった(例えば、非特許文献3を参照。)。
その他の病原因子タンパクとして、ムラミダーゼ・リリースドタンパク(muramidase-released protein :MRP)及び細胞外因子(extracellular factor :EF)が報告されている。ムラミダーゼ・リリースドタンパクは、菌体をムラミダーゼ処理することで細胞壁から抽出される136-kDaのタンパク質であり、細胞外因子(EF)は、培養上清のみで検出される110-kDaのタンパク質である。これら二つのタンパク質は、病原性株に存在し、非病原性株に存在しないことから重要であると考えられてきた(例えば、特許文献1参照。)。しかし、これら2つのタンパク質を欠いた変異株が、タンパク質を有する親株と同様に豚での病原性を示した報告及びこれらのタンパク質を欠く多くの病原性分離株が、カナダでの豚の有症症例から分離されていることなどの報告から、これらのタンパク質の病原性への関与は明確とは言えない(例えば、非特許文献4を参照。)。
細胞壁結合44kDa蛋白については、42℃の条件下や、ウサギ免疫血清の存在下で、病原性株である親株を継代すると、細胞壁結合蛋白の44kDaのタンパク質が消失し、この44kDaタンパク質を欠いた株は、マウスの感染試験で非病原性株に変化したことが報告されている。しかし、本抗原の豚における病原性についての報告はない(例えば、非特許文献5を参照。)。
また、A群レンサ球菌が発症を引き起こす時の病原因子と似ている60kDaのイムノグロブリンG結合蛋白(Immunoglobulin G binding protein)が、S. suisの全ての血清型2型及び全ての血清型で観察され、このタンパク質が、非病原性株と病原性株の両者に存在するという報告もある。(例えば、非特許文献6を参照。)。この他にも、S. suis血清型2型のアルブミンに対する結合活性を持つ39kDaのタンパク質も、非病原性株と病原性株の両者に観察されている(例えば、非特許文献5を参照。)。さらにフィブロネクチン/フィブリノーゲン結合タンパク質をコード化するゲノムフラグメントを修飾したクローンのワクチンへの応用の報告もある(例えば、特許文献3を参照。)。
莢膜多糖体とタンパク質の他にも病原因子に関係すると推測されている毒素が報告されている。sly遺伝子によってコードされ、チオールにより活性化される54kDaの溶血ペプチドであり、コレステロール結合型細胞傷害毒素であるスイリシン(Suilysin)は、そのsly遺伝子がS. suisのほとんどの血清型に存在するものの In Vivo でのスイリシンの発現と病原性については関連性が無い。さらに、スイリシンを欠いた同種変異株3株が、豚での感染試験で全く病原性を示さなかったと報告されている。(例えば、特許文献2を参照。)。
国内では、本疾病に対するワクチンが平成20年1月18目に「ポーシリスSTREPSUIS」の製造販売承認が取得されたが、このワクチンも不活化全菌体とオイルアジュバントを組み合わせた製剤である。この不活化全菌体を抗原として用いたワクチンは、S. suis感染症の発症の軽減を効能または効果として承認を取得しており、感染予防や発症防止を期待することはできない。このように、S. suisの病原因子の候補と思われる様々な因子の有無は株間で多様性を示し、本病の発病機構に関して不明な点が多いため、これまで有効なワクチンは開発されていない。
特許第2776633号公報 特許第3578799号公報 特表2004−528826号公報 Staatsら Vet Res Commun. 1997;21(6):P381-407. Kroll JSらJ. Bacteriol. 1990;172(3):P1374-9. ElliottらJ. Hyg. 1980;85(2):P275-85. Gottschalkら Can J Vet Res. 1998 ;62(1):P75-9. Gottschalkら Vet. Microbiol. 1992;30(1):P59-71. SerhirらJ. Gen Microbiol. 1993;139(12):P2953-8.
従って、本発明の課題は、発症した豚の症状を軽減するだけではなく、感染予防も可能な効果的かつ経済的ワクチンを提供することにある。
本発明者らは、既に豚レンサ球菌と同じグラム陽性菌である豚丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)のワクチン抗原抽出方法として、アルカリ処理による67kDaの感染防御関連抗原を含む細胞表層抗原抽出方法を採用し、一定の成功を収めている。そこで、S. suisのアルカリ抽出抗原の有効性を検討したところ、不活化全菌体抗原より劣る結果しか得られなかった。しかしながら、S. suisの菌株を血清型2型とし、この不活化全菌体抗原にアルカリ抽出抗原を添加することにより、著しくワクチン効果が高まることを見出した。本発明は、これらの知見により完成したものである。
本発明のワクチンを豚へ投与することにより、豚のレンサ球菌感染症を効率よく予防することが可能となった。本発明のワクチンは、養豚産業の生産性、環境衛生の改善に寄与する。さらに本発明のワクチン抗原は、調製が比較的容易であるため、生産性の向上にも寄与する。
S. suis 血清型のなかで発病した豚から最も高頻度で分離されているのは血清型2型である。しかし、血清型2型株の全てが病原性ではなく、病原性の程度も各株間で異なっている。ワクチン製造には、病原性を有する株の使用が好ましい。本発明のワクチンには、自然発生した豚レンサ球菌感染豚から分離した豚レンサ球菌血清型2型の病原性株を採用した。この株は、自然発生した豚レンサ球菌感染豚から分離したグラム陽性球菌で、カタラーゼおよびオキシダーゼ陰性であり、Api 20 STREPまたは rapid ID 32 Strep system (API System; La Balme Les Grottes, Montalieu-Vercieu, France)によって豚レンサ球菌と決定されものであり、特異血清(Statens Serum Institute, Copenhagen, Denmark)を用いたスライド凝集法によって、血清型2型に陽性を示した。さらに、菌株を豚に静脈注射し、病原性を示した菌株:9334株を採用した。
血清型2型の病原性S. suisの培養菌液は、種菌を接種、培養した寒天培地から釣菌して液体培地に移植し、静置培養した培養菌液をさらに別途用意した液体培地に1〜2vol%の割合で接種し、37℃で18〜24時間の静置培養によって得られる。培養方法は、これに限定されるものではなく、公知の培養方法が利用できる。
不活化全菌体抗原は、上記培養菌液を遠心処理して集菌した菌体を、リン酸緩衝液(PBS)で数回洗浄し、1013CFU/mLとなるようPBSに浮遊させ、ホルマリンを濃度 0.2〜0.3 vol%となるように加えて不活化したものである。ホルマリン濃度は、抗原性を損なわず、S. suisの不活化が十分に行える範囲にあればよい。不活化剤は、グルタルアルデヒド又はβ-プロピオラクトンであってもよい。
菌体からの抗原抽出法は、処理工程の簡便さ及び価格の低さ並びに抽出後の処理の容易さから、アルカリ抽出法を採用した。アルカリ剤は、一般的な強アルカリ類ならば種類を問わないが、最も入手しやすい水酸化ナトリウム(NaOH)の使用が便利である。前記の本培養菌液を冷却遠心分離(12,800G)により集菌し、沈渣を0.01 mol/L のNaOH水溶液に1/50〜1/100容となるよう加える。2〜5℃で1晩撹拌後、冷却遠心にて採取した上清を中和し、ホルマリンを0.2vol%の割合で加えたものを−20〜−80℃に保存する。以後、これをNaOH抽出抗原またはNaOH抽出抗原原液という。
不活化全菌体とNaOH抽出抗原の混合は、不活化全菌体(108〜1012CFU/mL)に対しNaOH抽出抗原を蛋白量100μg/mL以上になるよう添加すればよい。これらの数値は実施例2,3の実験成績に基づいて決定されたものである。
本発明のワクチンは、感染防御効果を高めるためにアジュバントを添加できる。アジュバンドとしては、例えばフロイントの完全若しくは不完全アジュバント、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムなどのアルミニウム化合物、ムラミルジペプチド、カリウムミョウバン、サポニン、鉱物油又は植物油等を用いることができる。
本発明ワクチンの投与法は、注射法である。3週齢の豚の頚部筋肉内に本発明ワクチン1mL をそれぞれ2週間隔に2回注射することにより、豚レンサ球菌感染症の発症から豚を防御することが可能である。
以下、実施例により本発明をより詳しく説明する。
(1) 菌体の培養
S. suis 9334株を製造用寒天培地(ポアメディア羊血液寒天培地/栄研化学)に接種し、37℃で24時間培養する。発育した集落5〜10個を釣菌して製造用液体培地(BRAIN HEART INFUSION PORCINE: 日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)に移植し、37℃で18〜24時間静置培養したものを元培養菌液とした。次に、製造用培地(BRAIN HEART INFUSION PORCINE)に元培養菌液を1〜2 vol% の割合で接種し、37℃で18〜24時間静置培養し、菌数が1012.5以上に達したものを本培養菌液とした。
(2) 不活化全菌体抗原液の調製
本培養菌液にホルマリン(ホルムアルデヒド)を0.2 vol%加え、37℃、48時間感作した。感作後、菌数を108または1012CFU/mLとなるようPBSで適宜調整し、実施例2に供した。
(3) 抽出抗原液の調製
本培養菌液を冷却遠心分離(12,800G)により集菌し、沈渣を0.01 mol/L NaOH水溶液を用いて本培養菌液量の1/50〜1/100になるように浮遊した。この浮遊液を2〜5℃で1晩撹拌後、冷却遠心(12,800G)して採取した上清を抽出抗原液とした。抽出抗原液に塩酸を加えてpHを7.0に調整後、ホルマリンを0.2vol%の割合で添加し、さらに 37℃で1晩感作後、原液として-20℃の条件下で保存した。原液の蛋白量は800μg/mLであった。高濃度抽出抗原液は、別途、増量した沈渣を0.05 mol/L NaOH水溶液に浮遊し、2〜5℃で2晩撹拌して求めた。各上清の蛋白量をそれぞれ100および4000μg/mLに調整し実施例3に供した。
抗原量の異なる不活化全菌体抗原を用いた豚感染防御試験
実施例1で調製した2種の不活化全菌体ワクチンを用いて豚感染防御試験を実施し、その効果を比較した。免疫方法は以下の通りである。約3週齢のSPF豚15頭を3グループに分け、試験群1の5頭には1012CFU/mL の不活化全菌体ワクチンを 1mL 頸部に筋肉注射し、2週間後さらに 1mL を注射した。同様に試験グループ2の豚5頭に108CFU/mL の不活化全菌体ワクチンを各 1mL 2回注射し、残り5頭はコントーロールとした。攻撃試験として、最終免疫2週間後、全頭にS. suis2型病原株を109CFU/0.5mL 静脈注射した。攻撃後の2週間、発熱、跛行の有無を観察し、採血した血中の菌数を測定した。攻撃後14日目に生残した供試豚を剖検し、採材した主要臓器及び関節液から回収された攻撃菌数を測定した。各試験成績は下記の基準で数値化又はスコア化した。結果を表1に示す。 抗原量の異なる両ワクチンは、S. suis感染症の特徴的な臨床症状(発熱、跛行)及び菌血症を軽減させたが、発症を完全に抑えることはできず、両ワクチンのワクチン効果に有意差は認められなかった。
Figure 0005339243


転機:豚レンサ球菌の感染による死亡数もしくは倫理上の安楽死数。
発熱:生残した供試豚で41℃以上の発熱した回数をスコア(−〜3+)で示した。
跛行:生残した供試豚で認めた関節炎による跛行の程度及び跛行の認められた日数を平均してスコア(−〜3+)で示した。
血中菌数:観察期間中に採血した血液から回収された攻撃菌菌数(CFU/mL)を合計してスコア(−〜3+)で示した。
臓器菌数:剖検により採取した主要臓器から回収された攻撃菌菌数(CFU/mL)を合計してスコア(−〜3+)で示した。
関節 :剖検により採取した関節液から攻撃菌が回収された頭数。
免疫投与回数の異なる不活化全菌体抗原を用いた豚感染防御試験
S. suisの不活化全菌体ワクチンの免疫投与数を増やした場合、ワクチン効果が高くなるかを検討した。実施例1で調製した不活化全菌体ワクチン(不活化前生菌数:108 CFU/mL)を2回(2週間隔)または10回(3または4日間隔)免疫投与し、感染防御試験を実施した。攻撃試験及び臨床観察の方法は実施例2と同じである。表2に結果を示す。この結果、投与回数を5倍に増やしてもワクチン効果に有意差が生じないことが明らかになった。以上の結果から、不活化全菌体ワクチンの抗原を増量しても、あるいは投与回数を増やしても、確実に予防効果のあるワクチンは得られないことが示唆された。
Figure 0005339243
抗原量の異なるNaOH抽出抗原を用いた豚感染防御試験
実施例1で調製した蛋白量の異なる2種のNaOH抽出抗原ワクチンを用いて、豚感染防御試験を試みた。群5に蛋白量4000μg/mLのNaOH抽出抗原、群6に蛋白量 100μg/mLのNaOH抽出抗原をそれぞれ投与した。投与回数、接種方法、攻撃方法および観察方法は実施例2に準ずる。結果を表3に示す。NaOH抽出抗原のワクチン効果は、不活化全菌体より劣るものの、特徴的な臨床症状(発熱、関節炎による跛行)及び菌血症を軽減させていた。また、抗原量の多寡による有意差は認められなかった。
Figure 0005339243
免疫投与回数の異なるNaOH抽出抗原を用いた豚感染防御試験
実施例1で調製した蛋白量 100μg/mL のNaOH抽出抗原ワクチンを用いて、投与回数とワクチン効果の関係を検討した。投与方法、攻撃方法および観察方法は、実施例3に準ずる。結果は、表4に示したように、投与回数を5倍にしても、ワクチン効果に有意差は認められなかった。
以上、実施例2〜5により、S. suisの不活化全菌体抗原においてもNaOH抽出抗原においても単味では、予防効果のある実用的なワクチンが得られないことが明らかになった。
Figure 0005339243
不活化全菌体とNaOH抽出抗原との混合ワクチンの調製
実施例1で調製した不活化抗原原液とNaOH抽出抗原原液を用いて、不活化全菌体とNaOH抽出抗原との混合ワクチンを調製した。実施例2,4の結果から、どちらも抗原量とワクチン効果に有意差のないことが示めされたため、不活化抗原の抗原量は 108CFU/mL また抽出抗原の抗原量は蛋白濃度で100μg/mL とした。
本発明のワクチンを用いた豚感染防御試験
実施例6で調製した混合ワクチンを、実施例2の全菌体抗原単味及び実施例4のNaOH抽出抗原単味と共にそれぞれ5頭のSPF豚へ2週間隔2回投与し、ワクチン効果を比較した。免疫材料は、実施例6で調製した混合ワクチンを群9に、実施例1で調製した不活化全菌体抗原(108CFU/mL)を群10に、実施例1で調製したNaOH抽出抗原(蛋白量 100μg/mL)を群11にそれぞれ使用した。攻撃方法及び観察方法は、実施例2〜5と同じである。結果を表5に示す。その結果、本発明のワクチンは、特徴的な臨床症状である発熱を予防し、関節炎による跛行を軽減させること及び菌血症を予防できることが明らかになった。
Figure 0005339243

本発明のワクチンは、豚レンサ球菌感染症の予防が可能であり、養豚業における経済的損失を軽減することができる。

Claims (6)

  1. 血清型2型の病原性ストレプトコッカス・スイスの不活化全菌体及び血清型2型の病原性ストレプトコッカス・スイス菌体からアルカリ抽出した抗原を含むことを特徴とするストレプトコッカス・スイス感染症予防用ワクチン。
  2. 不活化がホルマリンによることを特徴とする請求項1に記載のワクチン。
  3. アルカリ抽出が水酸化ナトリウム抽出であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のワクチン。
  4. 血清型2型の病原性ストレプトコッカス・スイスの不活化全菌体の不活化前生菌数が10〜1012の範囲から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のワクチン。
  5. 血清型2型の病原性ストレプトコッカス・スイスのアルカリ抽出抗原の蛋白量が少なくとも100μg/mLであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のワクチン。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のワクチンを豚に投与してストレプトコッカス・スイスの感染症状を軽減または感染を予防する方法。
JP2008113358A 2008-04-24 2008-04-24 ストレプトコッカス・スイス感染症予防用ワクチン Expired - Fee Related JP5339243B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008113358A JP5339243B2 (ja) 2008-04-24 2008-04-24 ストレプトコッカス・スイス感染症予防用ワクチン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008113358A JP5339243B2 (ja) 2008-04-24 2008-04-24 ストレプトコッカス・スイス感染症予防用ワクチン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009263266A JP2009263266A (ja) 2009-11-12
JP5339243B2 true JP5339243B2 (ja) 2013-11-13

Family

ID=41389590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008113358A Expired - Fee Related JP5339243B2 (ja) 2008-04-24 2008-04-24 ストレプトコッカス・スイス感染症予防用ワクチン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5339243B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101209964B1 (ko) 2010-10-15 2012-12-07 주식회사 동방 돼지 다발성 장막염 예방용 백신 조성물 및 그 제조방법
US20150297714A1 (en) * 2012-10-29 2015-10-22 The Board Of Trustees Of The University Of Arkansas Novel mucosal adjuvants and delivery systems

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE183241T1 (de) * 1993-05-17 1999-08-15 Akzo Nobel Nv Impstoff gegen streptococcus suis-infektion
EP1051506B2 (en) * 1997-12-23 2019-08-21 Pfizer Ireland Pharmaceuticals Procedures for the extraction and isolation of bacterial capsular polysaccharides for use as vaccines or linked to proteins as conjugates vaccines

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009263266A (ja) 2009-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100361562B1 (ko) 프로테이나제k에대해내성을갖는네이쎄리아메닝기티디스의표면단백질
EP2405940B1 (en) Antibodies to clostridium difficile toxins
Devenish et al. Humoral antibody response and protective immunity in swine following immunization with the 104-kilodalton hemolysin of Actinobacillus pleuropneumoniae
Straus Production of an extracellular toxic complex by various strains of Klebsiella pneumoniae
JP2021506782A (ja) レンサ球菌感染防御のためのワクチン
HU218154B (hu) Streptococcus suis fertőzés elleni vakcina
JP5339243B2 (ja) ストレプトコッカス・スイス感染症予防用ワクチン
Guzmán-Brambila et al. Two outer membrane lipoproteins from Histophilus somni are immunogenic in rabbits and sheep and induce protection against bacterial challenge in mice
Han et al. Capsular polysaccharide typing of domestic mastitis-causing Staphylococcus aureus strains and its potential exploration of bovine mastitis vaccine developmen. I. capsular polysaccharide typing, isolation and purification of the strains
EP2244730B1 (en) Vaccines
WO2009113664A1 (ja) 組換え皮膚壊死トキソイドを含有する豚萎縮性鼻炎用薬剤
TW201022442A (en) Multicomponent immunogenic composition for the prevention of beta-hemolytic streptococcal (BHS) disease
US20230270835A1 (en) Streptococcal vaccines
US20090246229A1 (en) Subunit vaccine of pasteurella multocida in veterinary uses
US7449310B2 (en) Recombinant Fusobacterium necrophorum leukotoxin vaccine and preparation thereof
PL186728B1 (pl) Szczepionka do immunizacji świń przeciwko zapaleniu płuc i opłucnej i sposób wytwarzania szczepionki do immunizacji świń przeciwko zapaleniu płuc i opłucnej
WO1993010815A1 (en) Non-capsulated mutants of bacteria useful as vaccines
JP2023517684A (ja) ストレプトコッカス・スイス血清型9、配列型16に対する防御のためのワクチン
US6582699B2 (en) Combination vaccine for enhancing immunity against brucellosis
CN114650840A (zh) 一种针对副猪嗜血杆菌的新型疫苗
CN114728052A (zh) 一种针对副猪嗜血杆菌的新型疫苗
KR100841207B1 (ko) 돼지 위축성 비염의 예방 및 치료를 위한 재조합 백신
MXPA97004061A (es) Bacterias productoras de rtx atenuadas vivas de la familia pasteurellaceae
Lee et al. Antigenicity of partial fragments of recombinant Pasteurella multocida toxin
KR100465347B1 (ko) 효모에서 악티노바실러스 플루로뉴모니애의 재조합ApxⅡA 독소 단백질을 제조하는 방법 및사료첨가제로서의 이의 용도

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees