図1は、通信制御装置を示した図である。図1には、通信制御装置1,2の他に基地局3a〜3f、位置A〜Dに存在する場合の移動機4も示してある。基地局3aは、周波数帯Faの電波をセルFa1の大きさで放射している。基地局3bは、周波数帯Faの電波をセルFa2の大きさで放射しており、また、周波数帯Fbの電波をセルFb1の大きさで放射している。基地局3cは、周波数帯Faの電波をセルFa3の大きさで放射している。基地局3dは、周波数帯Faの電波をセルFa4の大きさで放射している。基地局3eは、周波数帯Fbの電波をセルFb2の大きさで放射している。基地局3fは、周波数帯Faの電波をセルFa5の大きさで放射している。周波数帯Fa,Fbは、Fa>Fbの周波数関係を有するとする。移動機4は、複数の周波数帯Fa,Fbで無線通信するための無線部を有している。基地局3a〜3fから伸びている線および移動機4から伸びている線は、図21で説明したのと同様であり、その説明を省略する。
基地局3a〜3fは、第1のセルと、第1のセルと重複部分を有する1または複数のセルとを含むセル群を形成している。例えば、図1の例では、基地局3a〜3cは、セルFb1と、セルFb1と重複部分を有するセルFa1〜Fa3とを含むセル群を形成している。基地局3d〜3fは、セルFb2と、セルFb2と重複部分を有するセルFa4,Fa5とを含むセル群を形成している。
通信制御装置1は、割り当て部1aおよび送信部1bを有している。通信制御装置2も図示していないが通信制御装置1と同様に割り当て部および送信部を有している。
割り当て部1aは、セルFa1〜Fa3,Fb1のセル群内のいずれかのセルに在圏する移動機4に対して、すでに割り当てているいずれかの無線通信用の識別子とも重複しない識別子を特定し、特定した識別子をセルFa1〜Fa3,Fb1のセル群に在圏する移動機4に対して新たに割り当てる。
送信部1bは、割り当て部1aによって移動機4に割り当てられた識別子を、基地局3a〜3cを介して移動機4に送信する。
以下、通信制御装置1の動作を説明する。移動機4は、例えば、図1の位置Aにおいて無線通信ネットワークにネットワークエントリするとする。通信制御装置1の割り当て部1aは、セルFa1〜Fa3,Fb1のセル群内で重複しない新たな識別子を移動機4に割り当てる。なお、移動機4の位置Aでの接続先基地局は、基地局3a,3bである。
移動機4が位置Aから位置Bに移動したとする。この場合、移動機4の1つの無線部は、基地局3aの接続先を基地局3bに変更することになるが、移動機4に割り当てられている識別子は、セルFa1〜Fa3,Fb1のセル群内でユニークなので、割り当て部1aは、再割り当てを行わなくてよい。
移動機4が位置Cに移動したとする。この場合、移動機4は、セルFa1〜Fa3,Fb1のセル群と、セルFa4,Fa5,Fb2のセル群とを跨って、基地局3c,3dに接続する。割り当て部1aは、移動機4に割り当てる識別子がセルFa1〜Fa3,Fb1のセル群と、セルFa4,Fa5,Fb2のセル群で重複しないように、セルFa1〜Fa3,Fb1のセル群と、セルFa4,Fa5,Fb2のセル群で共通の未使用の識別子を割り当てる。例えば、割り当て部1aは、通信制御装置2と通信して、セルFa1〜Fa3,Fb1のセル群と、セルFa4,Fa5,Fb2のセル群で共通の未使用の識別子を割り当てる。
移動機4が位置Dに移動したとする。この場合、移動機4の接続先基地局は、セルFa4,Fa5,Fb2のセル群の基地局3d,3eとなる。移動機4は、位置Cにおいて、セルFa1〜Fa3,Fb1のセル群と、セルFa4,Fa5,Fb2のセル群において未使用の識別子を割り当てられているので、そのまま識別子を利用して無線通信することができる。
このように、通信制御装置は、第1のセルと、第1のセルと重複部分を有する1または複数のセルと、を含むセル群内のいずれかのセルに在圏する移動機に対して既に割り当てているいずれの無線通信用の識別子とも重複しない識別子を特定し、特定した識別子をセル群に在圏する移動機に対して新たに割り当てる。これにより、セル群内で識別子の再割り当てが発生せず、ユニークに割り当てられる識別子の再割り当てを低減することができる。
第1の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、第1の実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示した図である。図2に示すように、通信制御装置11a,11bは、コアネットワーク14に接続されている。通信制御装置11aには、基地局12a〜12cが接続され、通信制御装置11bには、基地局12d〜12fが接続されている。
通信制御装置11a,11bは、例えば、ASN−GW(Access Service Network-Gateway)である。通信制御装置11a,11bは、例えば、基地局12a〜12fおよび移動機13と、コアネットワーク14との間のデータのやり取りを可能にし、また、基地局12a〜12fの制御やハンドオーバ制御を行う。
基地局12a〜12fは、移動機13と無線通信を行う。図2に示す基地局12a〜12fと移動機13は、例えば、WiMAXの無線方式によって無線通信を行う。移動機13は、例えば、携帯電話や情報端末装置などである。移動機13は、複数の周波数帯で基地局12a〜12fと無線通信することができる無線部を有している。
通信制御装置11a,11bは、基地局12a〜12fが移動機13を制御するための制御用の識別子を移動機13に割り当てる。識別子には、基地局12a〜12f内でユニークに割り当てられる識別子と、移動機13内でユニークに割り当てられる識別子とがある。通信制御装置11a,11bがこれらの識別子を管理し、移動機13に割り当てる。
図3は、基地局内でユニークに割り当てられる識別子を説明する図である。図3には、図2で示した基地局12aが示してある。また、図2で示した移動機13と移動機13aとが示してある。移動機13,13aは、基地局12aに属しているとする。
移動機13,13aには、矢印A1に示すように、基地局12a内でユニークな制御用の識別子が割り当てられる。すなわち、移動機13,13aには、異なる値の識別子が通信制御装置11a,11bによって割り当てられる。
基地局内でユニークに割り当てられる識別子には、例えば、Station Identifier(以下SID)がある。SIDは、基地局12a〜12fと移動機13,13a間の各種制御メッセージの中で送受信される。
移動機13,13aには、例えば、製造時等に予め固有な識別子であるMACアドレスが付与されているが、このMACアドレスは比較的長いビット長を有するので、各種制御メッセージ中で毎回送受信すると、オーバヘッドが大きくなってしまう。そこで、MACアドレスよりビット長の短いSIDを用いることでオーバヘッドの削減を図っている。
基地局内でユニークに割り当てる識別子には、SIDの他に、基地局12aと移動機13,13a間の通信コネクションを識別するConnection ID(以下CID)や、フローID、スリープモードの移動機13,13aの状態を制御するためのスリープID(以下SLPID)などがある。CIDは、例えば、基地局12aと移動機13の間で複数コネクションが張られる場合、その複数のコネクションを識別するようにユニークに割り当てられる。
なお、後述するが、通信制御装置11a,11bは、基地局12a〜12fを基地局12a〜12cと基地局12d〜12fとでグループ化し、グループ内でユニークになるように上記の識別子を移動機13に割り当てる。通信制御装置11a,11bは、それぞれのグループ内でユニークになるように識別子を割り当てるので、それぞれのグループの基地局12a〜12f内における識別子は、ユニークな値となる。
図4は、移動機内でユニークに割り当てられる識別子を説明する図である。図4には、図2で示した基地局12aが示してある。また、図2で示した移動機13と移動機13aとが示してある。移動機13,13aは、基地局12aに属しているとする。
移動機13,13aには、矢印A2,A3に示すように、移動機13,13a内でユニークな識別子が割り当てられる。すなわち、移動機13,13aには、それぞれの移動機13,13a内で異なる値の識別子が通信制御装置11a,11bによって割り当てられる。
移動機13,13a内でユニークに割り当てられる識別子には、例えば、Power_Saving_Class_ID(以下、PSCID)がある。PSCIDとは、スリープモードのリスニングウィンドウ(Listening Windows・登録商標)とスリープウィンドウ(Sleep Windows)を規定するパラメータセットを識別する識別子である。移動機13,13aが新たなパラメータセットを定義する場合は、通信制御装置11a,11bは、その移動機内で使用していないPSCIDを割り当てる。
次に、図2の無線通信システムにおけるセルの形成および基地局12a〜12fのグループ化について説明する。
図5は、セルの形成および基地局のグループ化を説明する図である。図5において図2と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、図5には、位置A〜Eに存在する場合の移動機13が示してある。
図5に示すように、基地局12aは、周波数帯Faの電波をセルFa1の大きさで放射している。基地局12bは、周波数帯Faの電波をセルFa2の大きさで放射しており、また、周波数帯Fbの電波をセルFb1の大きさで放射している。基地局12cは、周波数帯Faの電波をセルFa3の大きさで放射している。基地局12dは、周波数帯Faの電波をセルFa4の大きさで放射している。基地局12eは、周波数帯Fbの電波をセルFb2の大きさで放射している。基地局12fは、周波数帯Faの電波をセルFa5の大きさで放射している。周波数帯Fa,Fbは、Fa>Fbの周波数関係を有するとする。セルFa1〜Fa5,Fb1,Fb2は、例えば、基地局の送信電力を制御することにより、図5に示すように形成することができる。
移動機13は、複数の周波数帯Fa,Fbで無線通信するための無線部(図中RF1,RF2)を有している。RF1は、周波数帯Faで無線通信を行い、RF2は、周波数帯Fbで無線通信を行う。なお、基地局12a〜12fから伸びている線および移動機13のRF1,RF2から伸びている線は、図21で説明したのと同様であり、その説明を省略する。
基地局12a〜12fは、セル半径の大きいセルがセル半径の小さいセルを収容するようにグループ化される。また、基地局12a〜12fは、小さい半径のセルが複数の大きい半径のセルに跨っている場合、多く重なっている大きいセルに収容されるようにグループ化される。
例えば、セルFb1は、自分よりセル半径の小さいセルFa1〜Fa3を収容している。従って、セルFa1〜Fa3,Fb1を放射している基地局12a〜12cは、1つのグループG1としてグループ化される。また、セルFb2は、自分よりセル半径の小さいセルFa4,Fa5を収容している。従って、セルFa4,Fa5,Fb2を放射している基地局12d〜12fは、1つのグループG2としてグループ化される。なお、セルFa3は、セルFb1,Fb2に跨っているが、セルFb2よりセルFb1の方に多く重なっているので、基地局12cは、グループG1にグループ化される。
通信制御装置11a,11bは、基地局12a〜12f内でユニークに割り当てられる識別子(以下、基地局内識別子と呼ぶこともある)を管理し、グループG1,G2内でユニークになるように割り当てる。例えば、グループG1にグループ化された基地局12a〜12cは、通信制御装置11aの配下にある。従って、通信制御装置11aは、基地局12a〜12c内でユニークに割り当てられる識別子を、グループG1内でユニークになるように割り当てる。また、グループG2にグループ化された基地局12d〜12fは、通信制御装置11bの配下にある。従って、通信制御装置11bは、基地局12d〜12f内でユニークに割り当てられる識別子を、グループG2内でユニークになるように割り当てる。また、通信制御装置11a,11bは、移動機13内でユニークに割り当てられる識別子(以下、移動機内識別子と呼ぶこともある)を割り当てる。
通信制御装置11a,11bは、移動機13が移動し、グループG1,G2を跨ってセルFa1〜Fa5,Fb1,Fb2と接続する場合、グループG1,G2で未使用の基地局内識別子を移動機13に割り当てる。通信制御装置11a,11bは、他のグループG1,G2の基地局12a〜12fを管理する通信制御装置11a,11bと互いに通信して、未使用の基地局内識別子を交渉し、移動機13に割り当てる。
通信制御装置11a,11bは、グループG1,G2を跨って接続していた移動機13が1つまたは複数のグループG1,G2と接続関係を持たなくなるようになったとき、接続先でなくなるグループG1,G2において、使用していた基地局内識別子を解放する。
図5において、移動機13は、例えば、位置Aにおいて電源をオンし、無線通信システムにネットワークエントリしたとする。以下では、基地局内識別子としてSIDを例にして説明する。
通信制御装置11aは、移動機13のネットワークエントリにより、グループG1内でユニークなSIDを移動機13に割り当てる。例えば、通信制御装置11aは、SID=1を移動機13に割り当てたとする。位置Aでは、移動機13のRF1の接続先は、基地局12aであり、移動機13のRF2の接続先は、基地局12bである。
移動機13は、位置Aから位置Bに移動したとする。移動機13のRF2の接続先は、位置Aから位置Bへ移動しても基地局12bのままで変更はないが、RF1の接続先は、基地局12aから基地局12bへ切り替わる。移動機13には、グループG1内でユニークなSIDが割り当てられているので、グループG1内で接続先基地局が変わっても、SIDの再割り当ての処理は行わなくてよい。よって、移動機13のSIDは、SID=1のままである。
移動機13は、位置Bから位置Cへ移動したとする。移動機13のRF2の接続先は、位置Bから位置Cへ移動しても基地局12bのままで変更はないが、RF1の接続先は、基地局12bから基地局12cへ切り替わる。位置Bから位置Cへの移動は、位置Aから位置Bへの移動と同様に同一のグループG1内での移動である。移動機13には、グループG1内でユニークなSIDが割り当てられているので、グループG1内で接続先基地局が変わっても、SIDの再割り当ての処理は行わなくてよい。よって、移動機13のSIDは、SID=1のままである。
移動機13は、位置Cから位置Dへ移動したとする。移動機13のRF1の接続先は、グループG1の基地局12cのままで変更はないが、RF2の接続先は、グループG1,G2を跨って、基地局12bから基地局12eへと切り替わる。この場合、通信制御装置11a,11bは、移動機13がグループG1,G2を跨って接続先基地局を変えているので、グループG1,G2で未使用のSIDを移動機13に割り当てる。例えば、グループG1,G2で未使用のSIDは、SID=2であったとする。この場合、通信制御装置11aは、移動機13にSID=2を割り当てる。
移動機13は、位置Dから位置Eへ移動したとする。移動機13のRF2の接続先は、グループG2の基地局12eのままで変更はないが、RF1の接続先は、グループG1の基地局12cからグループG2の基地局12dへ切り替わる。
移動機13は、位置Dから位置Eへの移動により、グループG2に属する基地局12d,12eに接続が切り替わる。移動機13には、位置Cから位置Dへの移動の際、グループG2で未使用のSID=2が割り当てられているので、通信制御装置11a,11bは、移動機13の位置Dから位置Eへの移動によって、SIDを再割り当てしなくてよい。また、移動機13は、グループG2に属する基地局12d,12eと接続しているので、グループG1では、SID=2を開放することができる。これにより、グループG1では、他の移動機にSID=2を割り当てることが可能となる。
図6は、移動機のネットワークエントリを示したシーケンス図である。図6には、図5で示した移動機13、基地局12a,12b、および通信制御装置11aのシーケンスが示してある。移動機13は、図5の位置Aにおいて、ネットワークエントリを行うとする。
ステップS1において、移動機13は、基地局12aと同期をとる(Synchronize)。
ステップS2において、移動機13は、基地局12aと送信電力の調整を行う(Adjust transmission power)。
ステップS3において、移動機13は、基地局12aと互いのサポートしている機能を交換する(Exchange capability)。
ステップS4a,S4bにおいて、通信制御装置11aは、基地局12aを介して、移動機13の認証を行う(Authentication)。
ステップS5において、移動機13は、基地局12bと同期をとる(Synchronize)。
ステップS6において、移動機13は、基地局12bと送信電力の調整を行う(Adjust transmission power)。
ステップS7において、移動機13は、無線通信ネットワークに自身の登録要求を行うため、基地局12aに登録要求を送信する(REG-REQ: Registration Request)。移動機13は、登録要求を送信する際、RF1,RF2の接続する基地局を指定する。図5の例では、RF1は、接続先として基地局12a(図6中ではBS1)を指定し、RF2は、接続先として基地局12b(図6中ではBS2)を指定する。従って、移動機13は、例えば、RF1=BS1,RF2=BS2の情報を含む登録要求を送信する。
ステップS8において、基地局12aは、移動機13から受信した登録要求を通信制御装置11aに送信する。基地局12aは、例えば、MS_Attachment_Reqメッセージを利用して、移動機13から受信した登録要求を通信制御装置11aに送信する。
ステップS9において、通信制御装置11aは、グループG1内でユニークな未使用のSIDを取得する。例えば、通信制御装置11aは、SID=1を取得したとする。通信制御装置11aは、移動機13の接続先の1つである基地局12aに、SID=1を送信する。通信制御装置11aは、例えば、MS_Attachment_Rspメッセージを利用して、取得したSIDを基地局12aに送信する。
ステップS10において、通信制御装置11aは、ステップS9で取得したSID=1を、移動機13の接続先の1つである基地局12bに送信する。通信制御装置11aは、例えば、MS_Attachment_Rspメッセージを利用して、取得したSID=1を基地局12bに送信する。
ステップS11において、基地局12aは、登録要求の応答を移動機13に送信する(REG-RSP: Registration Response)。このとき、基地局12aは、通信制御装置11aから受信したSID=1を移動機13へ送信する。
ステップS12において、基地局12aは、移動機登録応答を通信制御装置11aに返す。基地局12aは、例えば、MS_Attachment_Ackメッセージを利用して、移動機登録応答を通信制御装置11aに返す。
ステップS13において、基地局12bは、移動機登録応答を通信制御装置11aに返す。基地局12bは、例えば、MS_Attachment_Ackメッセージを利用して、移動機登録応答を通信制御装置11aに返す。
以上のシーケンスによって、移動機13は、グループG1でユニークなSIDが割り当てられる。
なお、ステップS1〜S6では、移動機13のRF1がRF2より先に、同期処理および送信電力処理を行っているが、同時、または、逆であってもよい。また、移動機13のRF1が、機能交換と認証処理を行うメッセージのやり取りを行っているが、RF2がこれらのメッセージのやり取りを行ってもよい。
また、移動機13の接続先となる基地局12a,12bは、ともに通信制御装置11aからSIDを受信する(ステップS9,S10)。図6のシーケンスでは、基地局12a,12bのうち、登録要求を受信した基地局12aが、通信制御装置11aから受信したSIDを移動機13に送信しているが、基地局12bが通信制御装置11aから受信したSIDを移動機13に送信するようにしてもよい。移動機13は、RF2で基地局12bからSIDを受信することになる。
図7は、無線通信システムのハンドオーバを示したシーケンス図である。図7には、図5で示した移動機13、基地局12c〜12e、および通信制御装置11a,11bのシーケンスが示してある。図7には、移動機13が図5の位置Cから位置D、位置Dから位置Eへ移動したときのハンドオーバシーケンスが示してある。
ステップS21において、移動機13は、位置Cから位置Dへ移動するので、RF2の接続先を基地局12bから基地局12eへ変更する。移動機13は、RF2の接続先基地局を基地局12eへ変更するため、RF1の接続先である基地局12cに対し、ハンドオーバ(HO)要求を行う。移動機13は、例えば、MOB_MSHO-REQメッセージに、RF2の接続先を基地局12eに変更する旨の情報(例えば、TargetBS_RF2=BS5(BS5は基地局12eを示す))を含めて基地局12cに送信する。
ステップS22において、基地局12cは、移動機13からのHO要求を受けて、自身を制御する通信制御装置11aにHO要求を行う。基地局12cは、例えば、HO_ReqメッセージにTargetBS_RF2=BS5を含めて、通信制御装置11aにHO要求を行う。
ステップS23において、通信制御装置11aは、RF2のHO後の接続先基地局となる基地局12eの属するグループG2の、SIDの割り当て処理を行う通信制御装置11bと、未使用のSIDの交渉を行う。ここでは、例えば、通信制御装置11a,11bでSID=2が未使用であったとする。
ステップS24において、通信制御装置11aは、基地局12cに対し、HO応答を行う。通信制御装置11aは、例えば、HO-Rspメッセージに通信制御装置11bとの交渉で取得したSID=2の情報を含めてHO応答を行う。
ステップS25において、基地局12cは、移動機13に対し、HO応答を行う。基地局12cは、例えば、MOB_BSHO-RSPメッセージにSID=2の情報を含めてHO応答を行う。なお、ステップS24までは、ハンドオーバ準備段階(HO Preparation Phase)における事前割り当て(Pre-allocate)処理であり、SID=2を実際に使用するのは、ステップS26a〜S26cのハンドオーバ実行段階(HO Action Phase)を経た後である。
ステップS26a〜S26cにおいて、移動機13、基地局12c,12e、および通信制御装置11a,11bは、ハンドオーバの制御メッセージを送受信してHO処理を行う。これにより、移動機13のRF2は、接続先基地局を基地局12eに変更する。移動機13のRF1は、接続先基地局の変更はなく基地局12cのままである。
ステップS27において、移動機13は、位置Dから位置Eに移動するとする。移動機13は、この移動により、RF1の接続先基地局を基地局12dに変更する。移動機13は、RF1の接続先基地局を基地局12dへ変更するため、RF2の接続先である基地局12eに対し、HO要求を行う。移動機13は、例えば、MOB_MSHO-REQメッセージに、TargetBS_RF1=BS4(BS4は基地局12dを示す)を含めて基地局12eに送信する。
ステップS28において、基地局12eは、移動機13からのHO要求を受けて、自身を管理する通信制御装置11bにHO要求を行う。基地局12eは、例えば、HO-ReqメッセージにTargetBS_RF1=BS4を含めて、通信制御装置11bにHO要求を行う。
ステップS29において、通信制御装置11bは、基地局12eに対し、HO応答を行う。このとき、通信制御装置11bは、HO後の接続先基地局である基地局12dの属するグループG2に関しては、すでに移動機13に対してグループG2でユニークなSID=2を割り当てており、その割り当て済みのSID=2を基地局12eに送信する。通信制御装置11bは、例えば、HO-RspメッセージにSID=2を含めて基地局12eに送信する。なお、通信制御装置11bは、移動機13のRF1,RF2の接続先基地局がともにグループG2に属し、グループG1と接続関係を持たなくなった旨を記憶しておく。
ステップS30において、基地局12eは、移動機13に対し、HO応答を行う。基地局12eは、例えば、MOB_BSHO-RSPメッセージに、すでに移動機13に割り当てられているSID=2を含めてHO応答を行う。
ステップS31a〜S31cにおいて、移動機13、基地局12d,12e、および通信制御装置11a,11bは、ハンドオーバの制御メッセージを送受信してHO処理を行う。これにより、移動機13のRF1は、接続先基地局を基地局12dに変更する。移動機13のRF2は、接続先基地局の変更はなく基地局12eのままである。
ステップS32において、移動機13がグループG1と接続関係を持たなくなった旨を記憶しておいた通信制御装置11bは、グループG1で使用していたSID=2をリリースするように通信制御装置11aに通知する。
これにより、移動機13は、引き続きHO前と同一のSID=2を使用することができる。また、移動機13の接続先でなくなるグループG1では、SID=2のリリースにより、SID=2を他の移動機に割り当てることができる。
なお、移動機13は、ステップS21において、RF1の接続先である基地局12cに対しHO要求を行っているが、RF2の接続先である基地局12bに対しHO要求を行ってもよい。この場合、HOのメッセージのやり取りは、基地局12bを介して行われる。
また、移動機13は、ステップS27において、RF2の接続先である基地局12eに対しHO要求を行っているが、RF1の接続先である基地局12cに対しHO要求を行ってもよい。この場合、HOのメッセージのやり取りは、基地局12cを介して行われる。
また、上記では、通信制御装置11bが通信制御装置11aに対し識別子の解放要求を行っているが、通信制御装置11aがハンドオーバ処理の終了を認識して移動機13に割り当てていた基地局内識別子および移動機内識別子を解放するようにしてもよい。
図8は、通信制御装置のブロック図である。図8に示すように、通信制御装置11aは、割り当て部21、ネットワークエントリ処理部22、ハンドオーバ処理部23、およびグループ管理部24を有している。割り当て部21は、例えば、図1における割り当て部1aに対応し、ネットワークエントリ処理部22およびハンドオーバ処理部23は、送信部1bに対応する。
割り当て部21は、識別子管理テーブルを有している。グループ管理部24は、グループ管理テーブルを有している。まず、これらのテーブルについて説明する。
図9は、識別子管理テーブルのデータ構成例を示した図である。図9に示すように、割り当て部21の識別子管理テーブル21aは、識別子種別、使用済み値、移動機、および接続先基地局の欄を有している。
識別子種別の欄には、移動機13に割り当てられる基地局内識別子および移動機内識別子の種別が格納される。例えば、SID,CID,SLPID,PSCIDなどが格納される。使用済み値の欄には、識別子種別の欄の識別子に割り当てられた値が格納される。移動機の欄には、識別子を割り当てた移動機のMACアドレスが格納される。接続先基地局の欄には、識別子を割り当てた移動機の接続先基地局の情報が格納される。
例えば、移動機13にSID=2を割り当てたとする。移動機13のRF1は、基地局3(基地局12c)に接続し、RF2は、基地局5(基地局12e)に接続しているとする。この場合、図9の最上欄に示すように、識別子種別の欄には、SIDが格納され、使用済み値の欄には、移動機13に割り当てたSIDの値‘2’が格納される。移動機の欄には、移動機13のMACアドレスが格納される。接続先基地局の欄には、RF1=基地局3(RF1は基地局3に接続していることを示す)、RF2=基地局5を格納する。
割り当て部21は、識別子管理テーブル21aを管理し、識別子管理テーブル21aを参照することにより、例えば、どの移動機にどのような識別子種別の識別子の値を割り当てたのか、また、その移動機は、どの基地局に接続しているのか認識できる。
図10は、グループ管理テーブルのデータ構成例を示した図である。図10に示すように、グループ管理部24のグループ管理テーブル24aは、基地局、グループ、および通信制御装置の欄を有している。
基地局の欄には、無線通信ネットワークを形成している基地局12a〜12fの情報が格納される。図10に示す基地局1〜6は、それぞれ図5の基地局12a〜12fに対応する。グループの欄には、基地局の欄に格納された基地局の属しているグループの情報が格納される。通信制御装置の欄には、基地局の欄に格納された基地局を配下に持つ通信制御装置の情報が格納される。図10に示す通信制御装置1,2は、それぞれ図5の通信制御装置11a,11bに対応する。グループ管理テーブル24aは、例えば、基地局の設置時等に生成される。
例えば、図10に示すグループ管理テーブル24aより、基地局1(基地局12a)は、グループG1に属していることが分かる。また、基地局1は、通信制御装置1の配下にいることが分かる。
図8の説明に戻る。割り当て部21は、ネットワークエントリ処理部22が受信した移動機13の登録要求をグループ管理部24へ送る。割り当て部21は、登録要求をグループ管理部24に送ることによって、グループ管理部24から、ネットワークエントリする移動機13の属する基地局12a〜12fのグループと、その基地局12a〜12fを制御する通信制御装置11a,11bとを受信する。
割り当て部21は、グループ管理部24から受信した基地局12a〜12fのグループと、その基地局12a〜12fを制御する通信制御装置11a,11bとの情報を基に、他の通信制御装置11bと未使用の共通の基地局内識別子を交渉するか否か判断する。例えば、移動機13のRF1,RF2が異なるグループG1,G2の基地局12a〜12fにネットワークエントリする場合、割り当て部21は、他の通信制御装置11bと未使用の共通の基地局内識別子を交渉すると判断する。
図6のシーケンス例では、移動機13は、RF1=BS1,RF2=BS2の情報を含む登録要求を通信制御装置11aに送信する。割り当て部21は、グループ管理部24にこの情報を送り、グループ管理部24から、移動機13の接続する基地局12a,12bの属するグループG1と、基地局12a,12bを制御する通信制御装置11aを受信する。グループG1において、基地局内識別子の割り当てを担う通信制御装置は、通信制御装置11a自身であるので、通信制御装置11aは、他の通信制御装置11bと交渉しない。
割り当て部21は、識別子管理テーブル21aを参照して、未使用の基地局内識別子を取得する。割り当て部21は、他の通信制御装置11bと交渉しない場合には、取得した未使用の基地局内識別子を移動機13に割り当てる。一方、割り当て部21は、他の通信制御装置11bと交渉する場合には、取得した未使用の基地局内識別子が他の通信制御装置11bにおいても未使用であるか交渉し、未使用でなければ、他の基地局内識別子を取得して再び交渉を行う。
割り当て部21は、移動機13に割り当てた基地局内識別子の情報を識別子管理テーブル21aに格納する。例えば、割り当て部21は、移動機13に割り当てた基地局内識別子の識別子種別、使用済み値、移動機13のMACアドレス、接続先基地局の情報を、識別子管理テーブル21aに格納する。割り当て部21は、移動機13に割り当てた基地局内識別子をネットワークエントリ処理部22に送る。なお、通信制御装置11bの割り当て部は、通信制御装置11aと未使用の基地局内識別子を交渉した場合、未使用の識別子および移動機13の情報を識別子管理テーブルに格納する。
上記では、ネットワークエントリ(SIDの割り当て)における割り当て部21の動作を説明したが、CID,SLPIDも同様に移動機13に割り当てる。割り当てる契機が、移動機13のネットワークエントリではなく、移動機13が新たなコネクションを確立するときや、移動機13がスリープモードに遷移するときなどである点が異なる。
また、割り当て部21は、移動機内識別子の場合も基地局内識別子と同様の処理で移動機13に割り当てる。移動機内識別子の割り当て処理を通信制御装置11a,11bで行うことで、基地局内識別子と移動機内識別子の割り当て処理を通信制御装置11a,11bに集約することができる。
割り当て部21は、ハンドオーバ処理部23からハンドオーバ要求を受信すると、識別子管理テーブル21aを参照し、ハンドオーバ前後で同じ接続先であり続ける基地局12a〜12fと、ハンドオーバ後に新たな接続先基地局となる基地局12a〜12fとの情報を取得する。割り当て部21は、取得した基地局12a〜12fの情報をグループ管理部24に送る。
例えば、図7のシーケンス例では、移動機13が位置Cから位置Dへ移動する場合、ハンドオーバ前後で同じ接続先であり続ける基地局12a〜12fは、基地局12c(基地局3)であり、ハンドオーバ後に新たな基地局となる基地局12a〜12fは、基地局12e(基地局5)である。従って、図7のシーケンス例では、割り当て部21は、基地局3,5の情報をグループ管理部24に送る。
割り当て部21は、グループ管理部24から、ハンドオーバ後の接続先基地局ごとのグループG1,G2と、そのグループG1,G2における識別子の割り当てを担う通信制御装置11a,11bとの情報を受信する。割り当て部21は、移動機13の接続先基地局がグループG1,G2を跨る場合、グループ管理部24から受信した情報を基に、他の通信制御装置11bと未使用な基地局内識別子について交渉するか否か判断する。例えば、ハンドオーバ後の接続先基地局の1つが他のグループに属し、他の通信制御装置がそのグループにおいて識別子の割り当てを担う場合、未使用の識別子について交渉すると判断する。図7のシーケンス例の場合では、基地局3は、グループG1に属し、通信制御装置11aが識別子の割り当てを担う。基地局5は、グループG2に属し、通信制御装置11bが割り当てを担う。よって、この場合、割り当て部21は、交渉をすると判断する。
割り当て部21は、他の通信制御装置11bと交渉をする場合、すでに移動機13に割り当てている基地局内識別子を他の通信制御装置11bに送信する。できるだけ、基地局内識別子が変わらないようにするためである。この基地局内識別子が、通信制御装置11bですでに使用済みである場合には、他の基地局内識別子で再び交渉を行う。
割り当て部21は、移動機13に割り当てた基地局内識別子の情報を識別子管理テーブル21aに格納する。例えば、割り当て部21は、割り当てた基地局内識別子の識別子種別、使用済み値、移動機13のMACアドレス、接続先基地局の情報を識別子管理テーブル21aに格納する。また、割り当て部21は、移動機13に割り当てた基地局内識別子をハンドオーバ処理部23に送る。
割り当て部21は、グループ管理部24から取得した情報に基づき、移動機13が複数のグループG1,G2を跨った状態から、1つまたは複数のグループG1,G2と接続関係を持たなくなる移動をすると判断した場合、移動機13がハンドオーバ前のグループG1,G2と接続関係を持たなくなることを認識し、その旨を、例えば、メモリなどの記憶装置に記憶しておく。割り当て部21は、ハンドオーバ処理部23からハンドオーバ処理が終了した旨の通知を受けると、ハンドオーバ前のグループG1,G2に関して基地局内識別子の割り当てを担っていた通信制御装置11a,11bへ、基地局内識別子の解放を通知する。解放の通知を受けた通信制御装置11a,11bの割り当て部は、識別子管理テーブルから、通知を受けた基地局内識別子を解放する。
例えば、図7のシーケンス例において、移動機13が位置Dから位置Eへ移動した場合、通信制御装置11bの割り当て部は、移動機13がハンドオーバ前のグループG1と接続関係を持たなくなることを認識し、その旨を記憶しておく。通信制御装置11bの割り当て部は、ハンドオーバ処理が終了すると、通信制御装置11aに対し、SID=2の解放を通知する。通信制御装置11aの割り当て部21は、識別子管理テーブル21aのSID=2を解放する。
なお、移動機内識別子においては、ハンドオーバによって、接続先基地局が複数のグループG1,G2に跨るような場合でも、他の通信制御装置11a,11bと未使用の移動機内識別子について交渉をしなくてよいので、すでに移動機13に割り当てている移動機内識別子を通知すればよい。例えば、図7のシーケンス例では、移動機13は、位置Cから位置Dへハンドオーバし、グループG2の基地局12eと新たな接続関係を持つ。この場合、基地局12eを管理する通信制御装置11bの割り当て部は、使用済みの移動機内識別子を移動機13に割り当てないようにするため、通信制御装置11aの割り当て部21が、すでに割り当て済みである移動機内識別子を通信制御装置11bの割り当て部へ送信する。通信制御装置11bの割り当て部は、通信制御装置11aの割り当て部21から受信した移動機内識別子を識別子管理テーブルに登録し、使用済みとする。
ネットワークエントリ処理部22は、基地局12a〜12cを介して、移動機13からネットワークエントリの登録要求を受信する。ネットワークエントリ処理部22は、受信した登録要求を割り当て部21に送る。また、ネットワークエントリ処理部22は、割り当て部21が取得した移動機13に割り当てた基地局内識別子および移動機内識別子を基地局12a〜12cに送信する。
ハンドオーバ処理部23は、基地局12a〜12fを介して、移動機13からハンドオーバ要求を受信する。ハンドオーバ処理部23は、受信したハンドオーバ要求を割り当て部21に送る。また、割り当て部21が取得した移動機13に割り当てた基地局内識別子を基地局12a〜12fに送信する。
グループ管理部24は、割り当て部21から送られてきた移動機13の登録要求を基に、グループ管理テーブル24aを参照する。登録要求には、移動機13の移動先基地局の情報が含まれており、グループ管理部24は、接続先基地局ごとにその基地局12a〜12fの属するグループG1,G2と、そのグループG1,G2において基地局内識別子または移動機内識別子の割り当てを担う通信制御装置11a,11bを取得する。グループ管理部24は、取得したグループG1,G2と通信制御装置11a,11bとの情報を割り当て部21へ送る。
また、グループ管理部24は、割り当て部21から、ハンドオーバ前後で同じ接続先であり続ける基地局12a〜12fと、ハンドオーバ後に新たな接続先となる基地局12a〜12fとの情報を受信する。グループ管理部24は、基地局12a〜12fの情報を受信すると、グループ管理テーブル24aを参照し、接続先基地局ごとにその基地局12a〜12fの属するグループG1,G2と、そのグループG1,G2において識別子の割り当てを担う通信制御装置11a,11bとを取得し、割り当て部21に送る。
図11は、移動機のブロック図である。図11に示すように、移動機13は、無線部31,32およびデータ処理部33を有している。図11に示す無線部31,32は、それぞれ図5に示した移動機13のRF1,RF2に対応する。
無線部31,32は、データ処理部33から出力されるデータを周波数帯Fa,Fbの無線信号に変換し、基地局12a〜12fに無線送信する。また、無線部31,32は、基地局12a〜12fから受信した周波数帯Fa,Fbの無線信号を、データ処理部33が処理できるデータに変換して出力する。データ処理部33は、例えば、他の移動機と通信するデータを処理する。
このように、大きなセルが小さなセルを収容するように基地局12a〜12fをグループG1,G2に分ける。そして、通信制御装置11a,11bは、グループG1,G2内で基地局内識別子をユニークに割り当てるようにする。これにより、通信制御装置11a,11bは、移動機13がグループG1,G2内で基地局12a〜12f間を移動するたびに基地局内識別子を割り当てなくて済む。
また、基地局内識別子の再割り当てを低減できるので、無線通信への影響を抑制することができる。
また、基地局内識別子の再割り当てを低減できるので、割り当ての際に用いられるメッセージの帯域を低減することができる。
また、前記次世代規格において、基地局内識別子のビット長は、少なくとも1つの大きなセル内でユニークに移動機へ割り当てできる十分な長さで標準化されるので、大きなセルが小さなセルを収容するようなグループ内でユニークに割り当てても基地局内識別子が足りなくなることはなく、好適なグループ化の大きさである。
さらに、通信制御装置11a,11bが移動機内識別子を割り当てるので、識別子の割り当て処理を通信制御装置11a,11bに集約することができる。
なお、図5では、グループG1,G2ごとに1つの通信制御装置11a,11bが配置されるようになっているが、例えば、1つの通信制御装置11aが複数のグループG1,G2に関する基地局内識別子と移動機内識別子を含む識別子の割り当て処理を行ってもよい。
また、図5では、通信制御装置11a、11bが管理する基地局12a〜12fの境界(図5中の基地局12cと基地局12dの間)と、グループG1,G2の境界が一致しているが、グループG1,G2の境界が、通信制御装置11a,11bの基地局12a〜12fを管理する境界を跨ってもよい。例えば、グループG1,G2の境界が基地局12d,12eの境界を跨ってもよい。この場合、あるグループに属する基地局の管理に関係する通信制御装置が、複数存在することになるが、その中から1つの通信制御装置を識別子の割り当てを担うマスタの通信制御装置として選択する。他の通信制御装置は、そのマスタ通信制御装置と基地局間のメッセージを中継するリレー通信制御装置として動作すれば、上記と同様の処理で識別子の割り当て処理を行うことができる。
また、上記では、移動機13は、2つのRF1,RF2を有している。従って、移動機13の同時に接続可能な最大セル数は2つであり、同時に接続可能なグループ数は2つとなる。しかし、移動機13は、3つ以上のRFを有していてもよい。この場合、移動機13の同時に接続可能な最大セル数およびグループ数は3以上となるが、3以上のグループで識別子の割り当て交渉、および、通知を行えば、上記と同様に識別子を移動機13に割り当てることができる。
また、上記では、通信制御装置が基地局内識別子と移動機内識別子を割り当てたが、通信制御装置の機能を複数の基地局へ分散させて互いにメッセージを送受信することで、基地局内識別子と移動機内識別子を移動機へ割り当ててもよい。
次に、第2の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第2の実施の形態では、グループ化した基地局をより大きなグループに纏める。そして、大きなグループ内で識別子をユニークになるように付与する。
図12は、第2の実施の形態に係るセルの形成および基地局のグループ化を説明する図である。なお、図12において図5と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
図12に示すグループG11,G12は、図5に示すグループG1,G2に対応する。すなわち、図12においても図5と同様に、基地局12a〜12fは、セル半径の大きいセルがセル半径の小さいセルを収容するようにグループ化される。そして、図12では、さらにグループG11,G12を収容するグループG21を形成する。グループG11,G12をグループクラスC1と呼び、グループG11,G12を収容した大きなグループG21をグループクラスC2と呼ぶ。
図12では、例えば、SIDをグループG11,G12より大きいグループG21で管理し、CID,SLPIDは、第1の実施の形態と同様にグループG11,G12で管理する。これは、SIDは、比較的長いビット長を有しており、値に余裕があるからである。すなわち、SIDは、移動機に対し、多くの異なる識別子を付与することが可能だからである。もちろん、他の基地局内識別子をグループG21で管理してもよい。
以下では、SIDをグループG21で管理(グループクラスC2で管理)し、その他の基地局内識別子および移動機内識別子をグループG11,G12で管理(グループクラスC1で管理)する場合について説明する。グループクラスC1で管理する場合は、第1の実施の形態と同様であり、その説明を省略する。
まず、SIDの割り当てを担う通信制御装置を、グループクラスC2のグループG21内から選定する。ここでは、例えば、通信制御装置11aがSIDの割り当てを担う通信制御装置とする。
移動機13は、例えば、位置Aにおいて電源をオンし、無線通信システムにネットワークエントリしたとする。通信制御装置11aは、グループクラスC2のSIDの割り当てを担う通信制御装置なので、グループG21内でユニークなSIDを移動機13に割り当てる。例えば、通信制御装置11aは、SID=1を移動機13に割り当てる。
なお、例えば、移動機13が位置Eに存在し、通信制御装置11bが移動機13からネットワークエントリの要求を受けた場合、通信制御装置11bは、グループクラスC2のSIDの割り当てを担う通信制御装置11aを検知して通信制御装置11aと通信する。通信制御装置11aは、通信制御装置11bからの要求に応じて移動機13にSIDを割り当て、通信制御装置11bを介してSIDを移動機13に送信する。
SID=1は、グループG21でユニークである。従って、移動機13がグループG11,G12間を跨いで移動しても、通信制御装置11aは、移動機13にSIDを再割り当てする処理を行わない。移動機13がグループクラスC2のグループ間で移動する場合に、SIDの割り当て処理を行う。グループクラスC2のグループ間で行われるSIDの割り当て処理は、第1の実施の形態のハンドオーバの処理と同様である。すなわち、通信制御装置11aは、他のグループクラスC2のSIDを管理する通信制御装置と、共通の未使用のSIDを交渉し、SIDの割り当てを行う。
図13は、移動機のネットワークエントリを示したシーケンス図である。図13には、図12で示した移動機13、基地局12a,12b、および通信制御装置11aのシーケンスが示してある。移動機13は、図13の位置Aにおいて、ネットワークエントリを行うとする。
図13に示すシーケンス処理のステップS41〜S53は、図6で説明したシーケンス処理のステップS1〜S13と同様である。ただし、ステップS49,S50の処理が異なる。以下では、ステップS49,S50の処理について説明する。
ステップS49において、通信制御装置11aは、グループクラスC2のグループG21内でユニークな未使用のSIDを取得する。例えば、通信制御装置11aは、グループG21内でユニークな未使用のSID=1を取得したとする。通信制御装置11aは、移動機13の接続先の1つである基地局12aに、SID=1を送信する。通信制御装置11aは、例えば、MS_Attachment_Rspメッセージを利用して、取得したSIDを基地局12aに送信する。
ステップS50において、通信制御装置11aは、ステップS49で取得したSID=1を、移動機13の接続先の1つである基地局12bに送信する。通信制御装置11aは、例えば、MS_Attachment_Rspメッセージを利用して、取得したSID=1を基地局12bに送信する。
なお、グループクラスC2のSIDの割り当てを担う通信制御装置が通信制御装置11bの場合は、通信制御装置11aは、移動機13からネットワークエントリの登録要求を受けると、通信制御装置11bを検知し、通信制御装置11bから移動機13に割り当てるSIDを受信する。そして、通信制御装置11aは、通信制御装置11bから受信したSIDを移動機13に送信する。
図14は、無線通信システムのハンドオーバを示したシーケンス図である。図14には、図12で示した移動機13、基地局12c〜12e、および通信制御装置11a,11bのシーケンスが示してある。
図14に示すシーケンス処理のステップS61〜S65cは、移動機13が図12の位置Cから位置Dへ移動したときのハンドオーバシーケンスが示してある。ステップS61〜S65cは、図7で説明したシーケンス処理のステップS21〜S26cと同様であるが、ステップS62,S63の処理が異なる。
図7では、通信制御装置11aは、ステップS23においてHO要求を受けると、RF2のHO後の接続先基地局となる基地局12eの属するグループG2の、SIDの割り当て処理を行う通信制御装置11bと、未使用のSIDの交渉を行う。図14では、移動機13は、グループG21内でユニークな未使用のSIDが割り当てられているため、通信制御装置11bとの未使用のSIDの交渉を行わない。図14では、通信制御装置11aは、ステップS62において、基地局12cからHO要求を受けると、ステップS63において、移動機13に割り当てているSID=1をHO応答に含めて送信する。
図14に示すシーケンス処理のステップS66〜S72cは、移動機13が図12の位置Dから位置Eへ移動したときのハンドオーバシーケンスが示してある。ステップS66〜S72cは、図7で説明したシーケンス処理のステップS27〜S31cと同様であるが、ステップS68〜S70の処理が異なる。
ステップS68において、通信制御装置11bは、移動機13の接続先基地局である基地局12eからHO要求を受ける。通信制御装置11bは、移動機13の位置Dから位置EへのグループG21内の移動を検知し、グループクラスC2のSIDを管理する通信制御装置11aにHO要求を行う。
ステップS69において、通信制御装置11aは、通信制御装置11bからのHO要求を受けて、すでに移動機13に割り当てているSID=1をHO応答にて通信制御装置11bに送信する。
ステップS70において、通信制御装置11bは、HO応答にてSID=1を基地局12eに送信する。
このように、通信制御装置11a,11bは、移動機13のグループG21内の移動によってSIDの再割り当て処理を行わなくてよい。
図15は、通信制御装置のブロック図である。図15に示すように、通信制御装置11aは、割り当て部41、ネットワークエントリ処理部42、ハンドオーバ処理部43、およびグループ管理部44を有している。割り当て部41は、識別子管理テーブルを有している。グループ管理部44は、グループクラス管理テーブルおよびグループ管理テーブルを有している。割り当て部41の有する識別子管理テーブルは、図9で示した識別子管理テーブル21aと同様であり、その説明を省略する。まず、グループ管理部44の有するグループクラス管理テーブルおよび識別子管理テーブルについて説明する。
図16は、グループクラス管理テーブルのデータ構成例を示した図である。図16に示すように、グループ管理部44のグループクラス管理テーブル44aは、識別子種別およびグループクラスの欄を有している。
識別子種別の欄には、移動機13に割り当てられる基地局内識別子および移動機内識別子の種別が格納される。例えば、SID,CID,SLPID,PSCIDなどが格納される。グループクラスの欄には、識別子種別の欄の識別子がユニークに割り当てられるグループクラスが格納される。
例えば、図16に示すグループクラス管理テーブル44aより、SIDは、グループクラスC2でユニークに割り当てられることが分かる。CIDは、グループクラスC1でユニークに割り当てられることが分かる。
図17は、グループ管理テーブルのデータ構成例を示した図である。図17に示すように、グループ管理部44のグループ管理テーブル44bは、基地局、グループクラスC1、グループクラスC2、クラスC1通信制御装置、およびクラスC2通信制御装置の欄を有している。
基地局の欄には、無線通信ネットワークを形成している基地局12a〜12fの情報が格納される。図17に示す基地局1〜6は、それぞれ図12の基地局12a〜12fに対応する。
グループクラスC1の欄には、グループクラスC1における、基地局の欄に格納された基地局のグループの情報が格納される。例えば、図12の例において、基地局1は、グループクラスC1では、グループG11に属している。従って、基地局1のグループクラスC1の欄には、グループG11が格納されている。また、基地局5は、グループクラスC1では、グループG12に属ししている。従って、基地局5のグループクラスC1の欄には、グループG12が格納されている。
グループクラスC2の欄には、グループクラスC2における、基地局の欄に格納された基地局のグループの情報が格納される。例えば、図12の例において、基地局1は、グループクラスC2では、グループG21に属している。従って、基地局1のグループクラスC2の欄には、グループG21が格納されている。また、基地局5は、グループクラスC2では、グループG21に属ししている。従って、基地局5のグループクラスC2の欄には、グループG21が格納されている。
クラスC1通信制御装置の欄には、グループクラスC1における識別子の割り当てを担う通信制御装置の情報が格納される。通信制御装置1は、図12の通信制御装置11aに対応し、通信制御装置2は、図12の通信制御装置11bに対応する。クラスC2通信制御装置の欄には、グループクラスC2における識別子の割り当てを担う通信制御装置の情報が格納される。
例えば、図17に示すグループ管理テーブル44bより、基地局1は、グループクラスC1では、グループG11に属していることが分かる。基地局1は、グループクラスC2では、グループG21に属していることが分かる。基地局1のグループクラスC1における識別子の割り当ては、通信制御装置1が担っていることが分かる。基地局1のグループクラスC2における識別子の割り当ては、通信制御装置1が担っていることが分かる。
また、基地局5は、グループクラスC1では、グループG12に属していることが分かる。基地局5は、グループクラスC2では、グループG21に属していることが分かる。基地局5のグループクラスC1における識別子の割り当ては、通信制御装置2が担っていることが分かる。基地局5のグループクラスC2における識別子の割り当ては、通信制御装置1が担っていることが分かる。
図15の説明に戻る。割り当て部41は、ネットワークエントリ処理部42が受信した移動機13の登録要求をグループ管理部44へ送る。このとき、割り当て部41は、移動機13が登録要求した識別子種別もグループ管理部44へ送る。割り当て部41は、登録要求と識別子種別をグループ管理部44に送ることによって、グループ管理部44から、登録要求のあった識別子種別の識別子がどのグループクラスC1,C2で管理されているか、また、どの通信制御装置11a,11bがその識別子の割り当てを担っているのかの情報を受信する。例えば、割り当て部41は、移動機13のネットワークエントリの登録要求と識別子種別SIDをグループ管理部44へ送った場合、グループ管理部44から、SIDはグループクラスC2で管理され、通信制御装置11aがその割り当てを担っていることを受信する。
割り当て部41は、グループ管理部44から受信した情報に基づき、他の通信制御装置11bと共通の未使用の識別子を交渉するか否か判断する。例えば、図13のシーケンス例では、移動機13の接続先基地局は基地局12a,12bであり、グループクラスC2のSIDの割り当ては、通信制御装置11a自身が割り当てを担う。従って、グループクラスC2の他のグループの、SIDの割り当てを担う通信制御装置と交渉はしない。一方、移動機13がグループクラスC2の異なるグループの基地局に接続する場合、割り当て部41は、グループクラスC2の他のグループの、SIDの割り当てを担う通信制御装置とSIDの交渉を行う。グループクラスC2の他のグループの、SIDの割り当てを担う通信制御装置の情報は、グループ管理部44から受信する。また、通信制御装置11bの割り当て部が、移動機13からSIDの登録要求を受信した場合は、通信制御装置11bの割り当て部は、グループ管理部から、SIDの割り当てを担う通信制御装置11aの情報を受信し、通信制御装置11aから未使用のSIDを受信する。
割り当て部41は、識別子管理テーブルを参照して、未使用のSIDを取得する。割り当て部41は、他の通信制御装置と交渉しない場合には、取得した未使用のSIDを移動機13に割り当てる。一方、割り当て部41は、他の通信制御装置と交渉する場合には、取得した未使用のSIDが他の通信制御装置においても未使用であるか交渉し、未使用でなければ、他のSIDを取得して再び交渉を行う。
割り当て部41は、移動機13に割り当てた基地局内識別子の情報を識別子管理テーブルに格納する。割り当て部41は、移動機13に割り当てたSIDをネットワークエントリ処理部42に送る。
割り当て部41は、ハンドオーバ処理部43からハンドオーバ要求を受信すると、識別子管理テーブルを参照し、ハンドオーバ前後で同じ接続先であり続ける基地局12a〜12fと、ハンドオーバ後に新たな接続先基地局となる基地局12a〜12fとの情報を取得する。割り当て部41は、取得した基地局12a〜12fの情報をグループ管理部44に送る。
例えば、図14のシーケンス例では、移動機13が位置Cから位置Dへ移動する場合、ハンドオーバ前後で同じ接続先であり続ける基地局12a〜12fは、基地局12c(基地局3)であり、ハンドオーバ後に新たな基地局となる基地局12a〜12fは、基地局12e(基地局5)である。従って、図14のシーケンス例では、割り当て部41は、基地局3,5の情報をグループ管理部44に送る。
割り当て部41は、グループ管理部44から、グループクラスC2におけるハンドオーバ後の接続先基地局ごとのグループと、そのグループにおけるSIDの割り当てを担う通信制御装置との情報を受信する。割り当て部41は、移動機13の接続先基地局がグループクラスC2のグループを跨る場合、グループ管理部44から受信した情報を基に、他の通信制御装置と未使用なSIDについて交渉するか否か判断する。例えば、ハンドオーバ後の接続先基地局の1つがグループクラスC2の他のグループに属し、他の通信制御装置がそのグループにおいてSIDの割り当てを担う場合、未使用のSIDについて交渉すると判断する。
なお、図14のシーケンス例の位置Cから位置Dへの移動の場合では、移動機13は、ハンドオーバ前後でグループクラスC2のグループを跨がない。従って、割り当て部41は、他の通信制御装置とSIDの交渉をしない。
割り当て部41は、グループクラスC2の他の通信制御装置と交渉をする場合、すでに移動機13に割り当てているSIDを他の通信制御装置に送信する。できるだけ、SIDが変わらないようにするためである。このSIDが、他の通信制御装置ですでに使用済みである場合には、他のSIDで再び交渉を行う。
割り当て部41は、移動機13に割り当てたSIDの情報を識別子管理テーブルに格納する。割り当て部41は、移動機13に割り当てたSIDをハンドオーバ処理部43に送る。
割り当て部41は、グループ管理部44から取得した情報に基づき、移動機13がグループクラスC2における複数のグループを跨った状態から、グループクラスC2における1つまたは複数のグループと接続関係を持たなくなる移動をすると判断した場合、移動機13がハンドオーバ前のグループクラスC2の1つまたは複数のグループと接続関係を持たなくなることを認識し、その旨を、例えば、メモリなどの記憶装置に記憶しておく。割り当て部41は、ハンドオーバ処理部43からハンドオーバ処理が終了した旨の通知を受けると、ハンドオーバ前のグループに関してSIDの割り当てを担っていた通信制御装置へ、SIDの解放を通知する。解放の通知を受けた通信制御装置11a,11bの割り当て部は、識別子管理テーブルから、通知を受けたSIDを解放する。
なお、図14のシーケンス例の位置Dから位置Eへの移動の場合では、移動機13は、ハンドオーバ前後でグループクラスC2のグループを跨がない。従って、割り当て部41は、他の通信制御装置へSIDの解放を通知しない。ただし、移動機13の位置Dから位置Eへの移動で行われるハンドオーバ要求は、基地局12eおよび通信制御装置11bを経由して通信制御装置11aに対して行われる。通信制御装置11bの割り当て部およびグループ管理部は、移動機13から、基地局12eを介してハンドオーバ要求を受けると、グループクラスC2のSIDの割り当てを担う通信制御装置は通信制御装置11aであることを検知する。そして、通信制御装置11bの割り当て部は、通信制御装置11aにハンドオーバ要求を通知する。通信制御装置11aは、移動機13に割り当てていたSID=1を通信制御装置11bおよび基地局12eを経由して移動機13に送信する。
ネットワークエントリ処理部42は、基地局12a〜12cを介して、移動機13からネットワークエントリの登録要求を受信する。ネットワークエントリ処理部42は、受信した登録要求を割り当て部41に送る。また、ネットワークエントリ処理部42は、割り当て部41が取得した移動機13に割り当てた基地局内識別子および移動機内識別子を基地局12a〜12cに送信する。
ハンドオーバ処理部43は、基地局12a〜12fを介して、移動機13からハンドオーバ要求を受信する。ハンドオーバ処理部43は、受信したハンドオーバ要求を割り当て部41に送る。また、割り当て部41が取得した移動機13に割り当てた基地局内識別子を基地局12a〜12fに送信する。
グループ管理部44は、割り当て部41から送られてきた移動機13の登録要求を基に、グループクラス管理テーブル44aおよびグループ管理テーブル44bを参照する。登録要求には、移動機13の移動先基地局の情報および識別子種別が含まれており、グループ管理部44は、登録要求のあった識別子種別の識別子がどのグループクラスC1,C2で管理されているか、また、どの通信制御装置11a,11bがその識別子の割り当てを担っているのかの情報を取得する。
また、グループ管理部44は、割り当て部41から、ハンドオーバ前後で同じ接続先であり続ける基地局12a〜12fと、ハンドオーバ後に新たな接続先となる基地局12a〜12fとの情報を受信する。グループ管理部44は、基地局12a〜12fの情報を受信すると、グループクラス管理テーブル44aおよびグループ管理テーブル44bを参照し、グループクラスC2におけるハンドオーバ後の接続先基地局ごとのグループと、そのグループにおけるSIDの割り当てを担う通信制御装置との情報を取得する。
なお、割り当て部41、ネットワークエントリ処理部42、ハンドオーバ処理部43、およびグループ管理部44のグループクラスC1における割り当てについては、図8と同様にして行い、その説明を省略する。また、移動機13のブロック図も図11と同様であり、その説明を省略する。
このように、グループ化した基地局をより大きなグループに収容する。そして、大きなグループ内で識別子をユニークになるように付与する。これにより、大きなグループ内におけるハンドオーバの際の、基地局内識別子の再割り当てを行わなくて済む。また、基地局内識別子の送受信に用いられるメッセージの帯域を低減することができる。
なお、グループクラスC2のグループG21は、グループクラスC1のグループG11,G12を包含しているが、例えば、グループG21は、グループG12を横断するようにグループを形成してもよい。各グループクラスC1,C2におけるグループの形成は、グループクラスC1,C2間で独立である。
次に、第3の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第3の実施の形態では、グループの境界において、あるグループの大きなセルに収容される小さなセルが他のグループのセルに跨らないようにセルを形成するようにする。そして、移動機が異なるグループを跨って接続する場合、通信制御装置は、移動機を跨る前のグループの基地局に接続しないように移動機を制御する。
図18は、第3の実施の形態に係るセルの形成および基地局のグループ化を説明する図である。なお、図18において図5と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
図18では、図5に対し、セルFa3は、自分より大きい他のグループG2のセルFb2に跨らないように、セルFb1に収容されている。セルFa3の大きさの調整は、例えば、基地局12cの電力調整により行うことができる。
図18に示すように、小さいセルFa3が大きいセルFb2に跨らないようにセルを形成した場合、移動機13は、基本的にはグループG1に属する基地局12a〜12cと、グループG2に属する基地局12d〜12fと同時に接続することはない。例えば、位置Cから位置Dへの移動によって発生するハンドオーバにおいて、移動機13のRF2の接続先基地局がグループG2の基地局12eとなる場合、RF1の接続先基地局もグループG2の基地局12dとなる。
このように、小さいセルFa3を、別のグループG2の大きいセルFb2に跨らないように形成した場合、移動機13のRF1,RF2は、基本的に同一のグループG2の基地局12d,12eに同時にハンドオーバすることが可能となる。このため、通信制御装置11aと通信制御装置11bは、未使用の基地局内識別子について交渉しなくて済み、通信制御装置11aと通信制御装置11bの交渉によるメッセージの帯域を低減することができる。
ただし、移動機13の位置によっては、RF2のグループG2の基地局12eへの接続は可能であるが、RF1のグループG2の基地局12dへの接続は不可能な場合も発生する。すなわち、RF1は、グループG1の基地局12cに接続している状態も発生する。
この場合、移動機13は、RF1,RF2が異なるグループG1,G2に跨って基地局に接続しないようにRF1の接続を中止する。そして、移動機13のRF1は、例えば、移動機13が位置Eに移動して、基地局12dと接続可能になったとき、基地局12dへの接続を行う。すなわち、通信制御装置11bは、移動機13がグループG1,G2を跨って移動する場合、グループG2内の推奨基地局を移動機13に通知して、移動機13がグループG1,G2を跨って基地局に接続しないように制御する。
図19は、無線通信システムのハンドオーバを示したシーケンス図である。図19には、図18に示した移動機13、基地局12c〜12e、および通信制御装置11a,11bのシーケンスが示してある。図19に示すシーケンス処理は、移動機13が図18の位置Cから位置Dへ移動したときのハンドオーバシーケンスが示してある。
ステップS81,S82は、図7で示したシーケンスのステップS21,S22と同様の処理であり、その説明を省略する。
ステップS83において、通信制御装置11aは、RF2のHO後の接続先基地局となる基地局12eの属するグループG2の、SIDの割り当て処理を行う通信制御装置11bに、HO要求を行う。通信制御装置11aは、例えば、HO-ReqメッセージにTargetBS_RF2=BS5を含めて、通信制御装置11bにHO要求を行う。
ステップS84において、通信制御装置11bは、通信制御装置11aからのHO要求を受けて、移動機13に未使用のSID=2を割り当てる。また、通信制御装置11bは、通信制御装置11aから受信したTargetBS_RF2=BS5に基づいて、移動機13のRF1の接続先基地局もグループG2の基地局であるべきと判断し、その基地局を基地局12dと取得する。通信制御装置11bは、取得したSID=2と、RF1が接続すべき基地局12dの情報(推奨TargetBS_RF1=BS4)とを、例えば、HO-Rspメッセージに含めて、通信制御装置11aに送信する。
ステップS85において、通信制御装置11aは、通信制御装置11bから受信したSID=2と、推奨TargetBS_RF1=BS4とを、例えば、HO-Rspメッセージに含めて、基地局12cに送信する。
ステップS86において、基地局12cは、通信制御装置11aから受信したSID=2と、推奨TargetBS_RF1=BS4とを、例えば、MOB_BSHO-RSPメッセージに含めて、移動機13に送信する。
ステップS87において、移動機13のRF1は、基地局12cから受信した推奨TargetBS_RF1=BS4への接続を試みる。ここでは、移動機13のRF1は、BS4(グループG2の基地局12d)に接続することができなかったとする。この場合、移動機13のRF1は、グループG1,G2を跨って接続しないように、RF1の接続を中止する。
移動機13のRF1は、RF2の接続先基地局を基地局12eへ変更するため、基地局12cに対し、HO通知を行う。移動機13は、例えば、MOB_MSHO-INDメッセージに、RF1の接続は無であることを示すTargetBS_RF1=BSnoneと、TargetBS_RF2=BS5を含めて基地局12cに送信する。
なお、移動機13のRF1がBS4に接続することができた場合、RF1,RF2の接続先基地局はともにグループG2に属することになる。この場合、移動機13は、グループG1,G2を跨ることがないので、通信制御装置11a,11bは、SIDの割り当てについて交渉しなくてよい。
ステップS88a〜S88cは、図7で示したシーケンスのステップS26a〜S26cと同様の処理であり、その説明を省略する。
図20は、通信制御装置のブロック図である。図20に示すように通信制御装置11aは、割り当て部51、ネットワークエントリ処理部52、ハンドオーバ処理部53、およびグループ管理部54を有している。図20の通信制御装置11aのブロック図は、図8のブロック図と同様であるが、割り当て部51が異なる。
割り当て部51は、グループG1,G2間を跨ったハンドオーバが発生した場合、他の通信制御装置11bと未使用のSIDの交渉はせずに、ハンドオーバ要求を行うところが異なる。通信制御装置11bの割り当て部は、割り当て部51からのハンドオーバ要求に応じて、移動機13のRF1,RF2の接続する、同じグループG2内の推奨基地局を検出して、通信制御装置11aに通知する。
例えば、通信制御装置11bの割り当て部は、配下にある基地局12d〜12fのセルFa4,Fa5,Fb2の状況を把握している。通信制御装置11bの割り当て部は、移動機13のRF2が基地局12eに接続要求した場合、基地局12eのセルFb2に包含され、グループG1と隣接しているセルFa4の基地局12dを検出し、通信制御装置11aに通知する。通信制御装置11aは、通信制御装置11bから受信した基地局12dの情報を移動機13に送信する。
なお、移動機が異なるグループを跨って接続する場合、通信制御装置は、移動機を跨る前のグループの基地局に接続しないように移動機を制御したが、移動機を跨る前のグループ内の推奨基地局を移動機へ通知して、移動機がグループを跨って基地局に接続しないように制御してもよい。
なお、移動機13は、RF1,RF2が異なるグループG1,G2に跨って基地局に接続しないようにRF1の接続を中止したが、RF1を接続し続け、RF2の接続を中止しても良い。そして、移動機13は、例えば、移動機13が位置Eに移動して、基地局12dおよび12eと接続可能になったとき、RF1を基地局12dに接続し、RF2を基地局12eに接続する。
このように、グループの境界において、あるグループの大きなセルに収容される小さなセルが他のグループのセルに跨らないようにセルを形成するようにする。通信制御装置11a,11bは、移動機13がグループG1,G2を跨いで移動する場合、移動機13の接続すべき推奨基地局を移動機13に通知する。移動機13は、推奨基地局にRF1,RF2を接続できない場合はRF1またはRF2の無線通信を中止する。これにより、通信制御装置11aと通信制御装置11bは、未使用の基地局内識別子について交渉しなくて済み、通信制御装置11aと通信制御装置11bの交渉によるメッセージの帯域を低減することができる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。