JP5338603B2 - 多孔質膜形成用塗料及び多孔質膜 - Google Patents

多孔質膜形成用塗料及び多孔質膜 Download PDF

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Description

本発明は、多孔質膜形成用塗料及び多孔質膜に関し、更に詳しくは、自動車のディーゼルエンジン等から排出される排ガスから粒子状物質を除去するための排ガス浄化フィルタの多孔質支持体の表面に、酸化触媒特性を有する多孔質膜を形成する際に用いて好適な多孔質膜形成用塗料、及び、この多孔質膜形成用塗料を塗布、熱処理して得られた多孔質膜に関するものである。
自動車のディーゼルエンジンから排出される排ガス中に含まれる様々な物質は、大気汚染の原因となり、これまでに様々な環境問題を引き起こしている。特に、排ガス中に含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)は、喘息や花粉症等のアレルギー性疾患を引き起こす要因とも言われている。
一般に、自動車用ディーゼルエンジンでは、粒子状物質を捕集するための排ガス浄化フィルタとして、セラミックス製の目封じタイプのハニカム構造体を有するDPF(Diesel Particulate Filter)が使用されている(例えば特許文献1、2)。
この目封じタイプのハニカム構造体とは、セラミックス製のハニカム構造体のセル(ガス流路)の両端を市松模様に目封じしたものであり、このハニカム構造体の一方の端面からセルに取り入れられた粒子状物質を含む排ガスは、セル間の隔壁中の細孔を通過する際に粒子状物質が捕集されて浄化ガスとなり、この浄化ガスがハニカム構造体の他方の端面から排出される。
このDPFでは、特にサブミクロン径の粒子状物質の捕集特性を向上させることが要求されているが、従来のDPFでは、その隔壁の平均気孔径が5〜50μm程度であるから、隔壁に粒子状物質が堆積していない状態でのDPFにおける捕集効率(粒子状物質の重量基準)は90%に達しておらず、隔壁の排ガス流入面に粒子状物質が堆積するにつれて、この隔壁の排ガス流入面に粒子状物質の層が形成され、この粒子状物質の層に新しい粒子状物質が捕集されることでDPFにおける捕集効率が向上し、100体積%に近付いていく。このように、従来のDPFでは、粒子状物質の層が形成した後の捕集効率は高いものの、粒子状物質の堆積量が少ない状態での捕集効率は必ずしも満足できるものではないことが知られている(非特許文献1)。
ここで、粒子状物質の堆積量が少ない状態で捕集効率を高めるためには、DPFにおける隔壁の細孔径を小さくするのが有効であることが知られている。しかしながら、細孔径を小さくすると、DPF中のガス透過性が低下するために圧力損失が上昇してしまい、十分な排ガス流量を得ることができない。
このように、従来の技術では、粒子状物質の堆積量が少ない状態での高い捕集効率と低い圧力損失を両立することができず、この両方の性能を満たす材料が求められている。
また、自動車の走行時には、常にエンジンから粒子状物質が排出されるために、DPFのハニカム構造体のセル中に粒子状物質が徐々に蓄積される。この蓄積が進行して粒子状物質の堆積量が過大になると、いわゆる「目詰まり」の状態となり、DPFにおける圧力損失が上昇することとなり、この粒子状物質を何らかの方法で定期的に除去し、DPFの圧力損失を低減させる必要がある。
そこで、従来では、粒子状物質が所定量堆積した時点で排ガス温度を上昇させて粒子状物質を燃焼させる再生と称される操作を行い、DPFの圧力損失を低減させている。
しかしながら、この再生方法では、排ガスの温度を上昇させるために燃料をDPF前段の排ガス中に噴射させる必要があるが、再生に用いられる燃料は自動車の走行には全く寄与しない。そこで、燃料のエネルギーを有効利用するとともに燃料消費率を向上させるためには、再生にかかる時間が短く、再生時に使用する燃料が少なくてすむ、いわゆる再生効率の良い排ガス浄化フィルタが求められていた。
特開平5−23512号公報 特開平9−77573号公報
SAEテクニカルペーパー 980545 米国自動車技術者協会 1998年発行(SAE Technical Paper 980545, Society of Automotive Engineers (1998))
上述したように、従来のDPFでは、隔壁の平均気孔径が5〜50μm程度とミクロン径のオーダーであるために、この平均気孔径より径の小さなサブミクロン径の粒子状物質を捕集することは容易ではないという問題点があった。
サブミクロン径の粒子状物質の捕集特性を向上させるためには、DPFにおける隔壁の平均気孔径を縮小することも一つの方法であるが、隔壁の平均気孔径を縮小すると、サブミクロン径の粒子状物質の捕集特性は向上するものの、DPFとしての通気性が低下し、圧力損失が増加するため、十分な排ガス流量が得られないという不具合が生じることとなる。
このように、従来のDPFでは、特に粒子状物質の堆積量が少ない状態における高い捕集効率と低い圧力損失(十分な排ガス流量)を両立できておらず、この両方の性能を満たす材料が求められていた。
また、フィルタの再生時に粒子状物質を燃焼させる際の、燃焼効率の良い材料が求められていた。
そこで、DPFにおける隔壁の平均気孔径を5〜50μmのままとし、この隔壁の表面に、この隔壁の平均気孔径よりも小さい平均気孔径を有する多孔質膜を形成することが考えられているが、このような構成にしたとしても、高い捕集効率と低い圧力損失、さらにはフィルタ再生時の粒子状物質の高い燃焼効率を実現することができていないのが現状である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、DPF等の排ガス浄化フィルタの隔壁の表面に、粒子状物質の堆積量が少ない状態でも粒子状物質の高い捕集効率が得られ、しかも圧力損失も低く、さらにはフィルタ再生時の粒子状物質の燃焼効率が高い多孔質膜を形成することが可能な多孔質膜形成用塗料、及び、この多孔質膜形成用塗料を用いて得られたDPF等の排ガス浄化フィルタ用の多孔質膜を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、DPF等の排ガス浄化フィルタを構成するハニカム構造体の隔壁に、一次粒子径が0.01μm以上かつ0.30μm以下の微粒子を5体積%以上かつ60体積%以下、一次粒子径が0.30μmを超えかつ10μm以下の微粒子を40体積%以上かつ95体積%以下、それぞれ含む無機炭化物微粒子を含有し、かつ所定の膜厚を有する多孔質膜を設けることにより、粒子状物質の堆積量が少ない状態でも粒子状物質の高い捕集効率が得られ、しかも圧力損失も低く、さらにはフィルタ再生時の粒子状物質の燃焼効率が高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の多孔質膜形成用塗料は、排ガス浄化フィルタの多孔質支持体の表面に、この多孔質支持体の平均気孔径よりも小さな平均気孔径を有する多孔質膜を形成するための塗料であって、前記塗料は、少なくとも無機炭化物微粒子と分散媒とを含有しており、前記無機炭化物微粒子は、一次粒子径が0.01μm以上かつ0.30μm以下の微粒子が5体積%以上かつ60体積%以下であり、一次粒子径が0.30μmを超えかつ10μm以下の微粒子が40体積%以上かつ95体積%以下であることを特徴とする。
前記無機炭化物微粒子の前記塗料中における平均二次粒子径は、1.0μm以上かつ15μm以下あることが好ましい。
前記無機炭化物は、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化ホウ素及び炭化タンタルの群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
前記塗料は、平均一次粒子径が0.02μm以上かつ0.30μm以下の無機炭化物微粒子を分散媒に分散させた分散液と、平均一次粒子径が0.30μmを超えかつ10μm以下の無機炭化物微粒子を分散媒に分散させた分散液とを、混合してなることが好ましい。
本発明の多孔質膜は、本発明の多孔質膜形成用塗料を塗布して得られた塗膜を熱処理してなることを特徴とする。
本発明の多孔質膜形成用塗料によれば、少なくとも無機炭化物微粒子と分散媒とを含有し、この無機炭化物微粒子の粒子径を、一次粒子径が0.01μm以上かつ0.30μm以下の微粒子が5体積%以上かつ60体積%以下、一次粒子径が0.30μmを超えかつ10μm以下の微粒子が40体積%以上かつ95体積%以下、となるように制御したので、排ガス浄化フィルタの多孔質支持体の表面に、無機炭化物微粒子を含有し、この多孔質支持体の平均気孔径より小さな平均気孔径を有し、しかも均質性に優れた多孔質膜を容易に形成することができる。
また、この多孔質膜形成用塗料を多孔質支持体の表面に塗布するだけで塗膜を形成することができるので、いかなる形状の多孔質支持体であっても、多孔質支持体の形状等の制約を受けることなく、その表面に均質性に優れた多孔質膜を容易に形成することができる。
本発明の多孔質膜によれば、本発明の多孔質膜形成用塗料を塗布して得られた塗膜を熱処理したので、この多孔質膜を支持する多孔質支持体の平均気孔径より小さな平均気孔径を有し、しかも均質性に優れている。
また、この多孔質膜を排ガス浄化フィルタに適用した場合、粒子状物質の補修効率を維持しつつ、圧力損失の上昇を抑えることができ、特に使用時の粒子状物質の堆積に伴う圧力損失の上昇を低く抑えることができる。
また、この排ガス浄化フィルタの再生時に粒子状物質の燃焼による熱暴走を抑制することができ、フィルタ基体(多孔質支持体)の急激な温度上昇を防止し、破損を防ぐことができる。これらの結果、走行時の自動車への負荷を低減することができる。
さらに、フィルタの再生サイクルの間隔を長くとることができ、再生回数を削減することができる。また、フィルタ基体の再生時に、多孔質膜上の粒子状物質に燃焼促進ガスを均一に接触させるとともに多孔質膜を通過する排ガスとの熱交換を有効に行うことができ、したがって、粒子状物質を短時間にて燃焼除去することができる。よって、自動車の燃費を向上させることができる排ガス浄化フィルタを提供することができる。
本発明の一実施形態の多孔質膜形成用塗料が適用可能なDPFを示す一部破断斜視図である。 本発明の一実施形態の多孔質膜形成用塗料が適用可能なDPFの隔壁構造を示す断面図である。
本発明の多孔質膜形成用塗料及び多孔質膜を実施するための形態について説明する。なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
初めに、本発明の内容をより理解し易くするために、本発明の多孔質膜形成用塗料を用いることで形成が可能となる排ガス浄化フィルタについて説明する。
「排ガス浄化フィルタ」
図1は、本発明の一実施形態の多孔質膜形成用塗料が適用可能な自動車用ディーゼルエンジンに用いられる排ガス浄化フィルタであるDPFを示す一部破断斜視図、図2は同DPFの隔壁構造を示す断面図であり、図1において符号βで示す面を拡大した図である。
このDPF10は、多数の細孔(気孔)を有する円柱状の多孔質セラミックスからなるフィルタ基体(多孔質支持体)11と、このフィルタ基体11内に形成されたガス流路12と、このガス流路12のうち排ガスの上流側の端部が開放された流入セル12Aの内壁面12aに設けられた多孔質膜13とにより概略構成されている。
フィルタ基体11は、炭化ケイ素、コーディエライト、チタン酸アルミニウム、窒化ケイ素等の耐熱性の多孔質セラミックスからなるハニカム構造体であり、排ガスGの流れ方向である軸方向に沿い、平均気孔径が5μm以上かつ50μm以下の多孔質セラミックスからなる隔壁14によりハニカム構造とされ、この隔壁14により囲まれた軸方向の中空の領域が多数のセル状のガス流路12とされている。
このフィルタ基体11の軸方向の両端面のうち一方の端面αが、粒子状物質を含む排ガスGが流入する流入面とされ、他方の端面γが、上記の排ガスGから粒子状物質を取り除いた浄化ガスCを排出する排出面とされている。
ガス流路12は、排ガスGの流れ方向(長手方向)から見た場合に、上流側端部と下流側端部とが交互に閉塞された構造、すなわち、排ガスGの流入側である上流側端部が開放された流入セル12Aと、浄化ガスCを排出する側である下流側端部が開放された流出セル12Bとにより構成されている。
多孔質膜13は、流入セル12Aの内壁面(隔壁14の流入セル12A側の表面)12aに、本発明の多孔質膜形成用塗料を塗布し、その後熱処理して得られた無機炭化物を成分とする膜である。この無機炭化物としては、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化ホウ素及び炭化タンタルの群から選択される1種が好ましく、あるいは、これらの群から選択される2種以上の複合物であってもよい。
この多孔質膜13の気孔径は、平均気孔径が0.05μm以上かつ3μm以下が好ましい。また、この多孔質膜13の気孔径分布は、気孔径が0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が5%以上かつ60%以下、気孔径が0.3μm以上かつ3.0μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が40%以上かつ95%以下が好ましく、より好ましくは、気孔径が0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が10%以上かつ30%以下、気孔径が0.3μm以上かつ3.0μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が70%以上かつ90%以下である。
また、0.01μm以上かつ3.0μm以下の気孔径が全気孔容積の80%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましい。
平均気孔径が0.05μm以下では、粒子状物質を含む排ガスを排ガス浄化フィルタ10内に流入させた場合に圧力損失が大きくなるからであり、多孔質膜13の平均気孔径が3μmを超えると、排ガス浄化フィルタ10の再生処理を行う場合に粒子状物質の燃焼効率の向上が見られない虞があるからである。
ここで、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が気孔全容積の5%未満では、多孔質膜の強度が低くなり、また、60%より大きいと、圧力損失が高くなる虞がある。
また、0.3μm以上かつ3μm以下の気孔径が気孔全容積の40%未満では、多孔質膜の初期圧力損失が高くなり、また、95%より大きいと、多孔質膜の強度が低く、DPF10の再生処理を行う際に、粒子状物質の燃焼効率が向上し難くなる。
この多孔質膜13の平均気孔率は、50%以上かつ90%以下であることが好ましい。
多孔質膜13の平均気孔率が50%未満では、多孔質膜13の平均気孔率がフィルタ基体11(隔壁14)の気孔率と同じか、または低くなり、圧力損失の上昇を招き、またコスト増加要因となる虞がある。一方、多孔質膜の平均気孔率が90%を超えると、多孔質膜の構造や強度を維持することが困難となる虞がある。
この多孔質膜13の厚みは、内壁面12aにおいて隔壁が有する空孔部と平面的に重なる箇所における空孔部上の部分では60μm以下が好ましく、かつ内壁面12aにおいて隔壁の固体部(実質部)と平面的に重なる箇所における空孔部以外の部分では5μm以上かつ60μm以下が好ましい。
ここで「空孔部」とは、隔壁14を構成する多孔質体の細孔の端部が、内壁面12aに接続することにより形成された開口部を意味している。すなわち、ここでは、隔壁14の内部の細孔ではなく、内壁面12aに露出している細孔と多孔質膜13との重なり部分における厚みを意味している。また、「固体部」とは、多孔質セラミックスであるフィルタ基体11の一部である隔壁のうち、空孔部を除いたセラミックス部分(固体部分)を意味している。
この多孔質膜13の厚みのより好ましい範囲は、空孔部では35μm以下、かつ固体部では7μm以上かつ35μm以下であり、さらに好ましい範囲は、空孔部では30μm以下、かつ固体部では10μm以上かつ30μm以下である。
この多孔質膜13の厚みを上記の範囲としたのは、次のような理由によるものである。
まず、排ガス浄化フィルタ10においては、粒子状物質30を捕集する際には、排ガスは、流入セル12A側から隔壁14の空孔部に侵入し、流入セル12B側へ通過する。そこで、多孔質膜13においては、隔壁14の空孔部と重なる部分では、多孔質膜13の表面と隔壁14の空孔部とをつなぐ排ガスの流路が形成されることとなる。
ここで、多孔質膜13の厚みが5μm以上であると、隔壁14の空孔部以外の部分と平面的に重なる箇所においては、多孔質膜13の表面と隔壁14の空孔部とを接続するための流路を形成するために十分な量の細孔が存在することとなる。隔壁14の空孔部以外の部分と平面的に重なる箇所においても、多孔質膜13の表面と隔壁14の空孔部とをつなぐ排ガスの流路が形成される。
ところで、多孔質膜13の厚みが5μm未満では、多孔質膜13の上面から内壁面12aまでの距離(厚み)が小さく、多孔質膜13中の燃焼に必要な細孔数が少ないため、多孔質膜13の表面と隔壁14の空孔部とをつなぐ排ガスの流路が形成されにくく、圧力損失が大きくなる虞がある。また、同様に多孔質膜13中の燃焼に必要な細孔数が少ないため、粒子状物質30を燃焼させることにより再生処理を行う場合、粒子状物質30の燃焼効率が向上しない虞がある。
一方、多孔質膜13の厚みが60μmを超えると、粒子状物質30を含む排ガスを排ガス浄化フィルタ10内に流入した場合に、多孔質膜13の比表面積が大きくなりすぎて燃焼効率としては非効率となり、また、多孔質膜13を設けることによる圧力損失も大きくなるため、本発明の排ガス浄化フィルタを取り付けたエンジンの出力低下を招く虞がある。
なお、この多孔質膜13は、流入セル12Aの内壁面だけでなく、流出セル12Bの内壁面(隔壁14の流出セル12B側表面)にも設けられていてかまわない。ただし、以下の記載では、流入セル12Aの内壁面に設けられたものとして説明する。
この多孔質膜13は、フィルタ基体11の隔壁14を構成する多孔質セラミックスの細孔内に実質的に入り込むことなく、流入セル12Aの内壁面12a上にて独立した膜となっている。すなわち、多孔質膜13を形成する酸化物微粒子は、隔壁14の内部への侵入が抑制された状態で流入セル12Aの内壁面12aに形成され、隔壁14に形成されている気孔を塞ぐことはない。
この多孔質膜13は、多数の気孔を有することにより、これらの気孔が連通し、結果として、貫通孔を有するフィルタ状の多孔質となっている。
このDPF10では、その流入口側、すなわち端面α側から流入した粒子状物質(PM)30を含む排ガスGは、流入セル12Aを、端面α側から端面γ側へと流れる過程で、フィルタ基体11の隔壁14を通過する。この際、排ガスG中に含まれる粒子状物質30は隔壁14、特に隔壁14の流入セル12A側の内壁面12aに形成された多孔質膜13により捕集されて除去され、この粒子状物質30が除去された浄化ガスCは、流出セル12Bを端面α側から端面γ側へと流れ、最終的に排出口側、すなわち端面γ側から排出される。
このDPF10では、多孔質膜13の気孔径分布は、気孔径が0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が5%以上かつ60%以下であり、かつ気孔径が0.3μm以上かつ3.0μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が40%以上かつ95%以下である。したがって、隔壁14の気孔径、すなわち従来のDPFの平均気孔径である5〜50μm程度より小さい。これにより、粒子状物質30は、隔壁14にほとんど入り込むことなく、その堆積量が少ない段階から多孔質膜13により捕集され、高い捕集効率を得ることができる。
この多孔質膜13の厚みは、内壁面12aの空孔部上の部分では60μm以下、かつ内壁面12aの空孔部以外の部分では5μm以上であり、より好ましくは、内壁面12aの空孔部上の部分では35μm以下、かつ内壁面12aの空孔部以外の部分では5μm以上かつ20μm以下であるから、フィルタ基体の一般的な厚みである200〜400μmよりも薄い。また、この多孔質膜13の平均気孔率は35〜90%であり、多くの細孔を有している。さらに、多孔質膜13の支持体である隔壁14の平均細孔径は5〜50μmと、多孔質膜13の平均細孔径と比べて十分に大きい。以上の点により、このDPF10は、圧力損失が低く、十分な排ガス流を得ることができる。
さらに、多孔質膜13を設けることにより、粒子状物質30が堆積していく際に隔壁14の細孔内に粒子状物質30が入り込み難い。このため、多孔質膜が付与されていない場合に比べて、粒子状物質30が隔壁14の細孔を閉塞し難くなり、粒子状物質30が堆積した後の圧力損失上昇を抑えることができる。
また、多孔質膜13の存在により、フィルタの再生時に、粒子状物質を燃焼させるための酸素が粒子状物質層中に均等に流通するようになり、酸素が供給され難い粒子状物質が減るため、粒子状物質の酸化が均等に進み、結果として粒子状物質の燃焼時間を短縮することができる。
このように、本発明の多孔質膜形成用塗料を用いて形成された多孔質膜13は、気孔率を高めるとともに、機械的強度も高めることができる。
また、この多孔質膜13を有する排ガス浄化フィルタでは、無機炭化物を成分とする多孔質膜13の気孔径分布を、気孔径が0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合を5%以上かつ60%以下、気孔径が0.3μm以上かつ3.0μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合を40%以上かつ95%以下、とすることができる。これにより、粒子状物質30の捕集効率の向上、圧力損失の低減、特に使用時の粒子状物質30の堆積に伴う圧力損失の上昇割合を低く抑えることができる。
また、フィルタ再生時に粒子状物質30の燃焼による熱暴走を抑制することができ、フィルタ基体の急激な温度上昇を抑制し、破損を防止することができる。よって、これらにより、走行時の自動車への負荷を低減することができる。
さらに、フィルタの再生サイクルの間隔を長くとることができ、再生回数を削減することができる。
また、フィルタ基体の再生時に、多孔質膜13上の粒子状物質30に燃焼促進ガスを均一に接触させるとともに、多孔質膜13を通過する排ガスとの熱交換を有効に行うことができ、したがって、粒子状物質30を短時間にて燃焼除去することができ、排ガス浄化フィルタ再生時における燃焼時間の短縮を図ることができ、その結果、自動車の燃費を向上させることができる。
「多孔質膜形成用塗料」
本実施形態の多孔質膜形成用塗料は、上述したDPF等の排ガス浄化フィルタの多孔質支持体の表面に、この多孔質支持体の平均気孔径よりも小さな平均気孔径を有する多孔質膜を形成するための塗料である。
この塗料は、少なくとも無機炭化物微粒子と分散媒とを含有しており、この無機炭化物微粒子は、一次粒子径が0.01μm以上かつ0.30μm以下の微粒子が5体積%以上かつ60体積%以下、一次粒子径が0.30μmを超えかつ10μm以下の微粒子が40体積%以上かつ95体積%以下である。
この無機炭化物微粒子のより好ましい範囲は、一次粒子径が0.01μm以上かつ0.30μm以下の微粒子が5体積%以上かつ40体積%以下、一次粒子径が0.30μmを超えかつ10μm以下の微粒子が60体積%以上かつ95体積%以下であり、さらに好ましい範囲は、一次粒子径が0.01μm以上かつ0.30μm以下の微粒子が5体積%以上かつ30体積%以下、一次粒子径が0.30μmを超えかつ10μm以下の微粒子が70体積%以上かつ95体積%以下である。
また、塗料中に含まれる微粒子の90体積%以上が、一次粒子径が0.01μm以上かつ10μm以下の範囲にあることが好ましい。
この塗料中の無機炭化物微粒子の平均二次粒子径は、1.0μm以上かつ15μm以下が好ましく、より好ましくは2.0μm以上かつ12μm以下、さらに好ましくは3.0μm以上かつ10μm以下である。
ここで、この平均二次粒子径を上記の範囲に限定した理由は、塗料中の微粒子の平均二次粒子径が1μmを下回ると、この塗料を5μm以上かつ50μm以下の平均気孔径を有する排ガス浄化フィルタの多孔質支持体の表面に塗布した場合に、この塗料が多孔質支持体の内部に浸入し易くなり、多孔質支持体の表面に多孔質膜を形成することが難くなるからであり、また、微粒子の平均二次粒子径が15μm を超えると、塗料の分散安定性を確保するのが困難になったり、均質な多孔質膜を得にくくなる虞があるからである。
また、平均一次粒子径が0.01μm以上かつ0.30μm以下の微粒子と平均一次粒子径が0.30μmを超えかつ10μm以下の微粒子が均一に分散されただけの塗料は、大きな粒子が選択的に沈降しやすいために粒子の偏在が生じやすく、塗布時には小さい粒子のみが選択的にハニカム基材に浸入しやすくなることで多孔質膜の粒子構成比が変動してしまい、膜厚、気孔率、気孔径の調整が難しくなるので、予め、一次粒子を凝集させて二次粒子にしておくことが好ましい。
また、この塗料の粘度は、2mPa・s以上かつ1000mPa・s以下が好ましい。
この無機炭化物としては、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化ホウ素及び炭化タンタルの群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
ここで、塗料の成分として無機炭化物微粒子を用いた理由は、この多孔質膜形成用塗料により得られた多孔質膜の耐熱性を十分に確保することができるからである。例えば、DPF10等のセラミックフィルタの場合、排ガスの温度が1000℃程度にまで上昇することがあるので、多孔質膜13の材料に対しても1000℃程度までの耐熱性が必要になる。無機炭化物は、1500℃以上の高温領域にて耐熱性を有するものであり、しかも、この高温領域にて機械的強度が低下したり、劣化する等の虞がなく、腐食性にも優れているので、好ましい材料である。
この無機炭化物微粒子の一次粒子径を上記の範囲に限定すれば、本実施形態の目的とする平均気孔径が0.05μm以上かつ3μm以下の多孔質膜を形成することができる。また、気孔径が0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が5体積%以上かつ60体積%以下であり、気孔径が0.3μm以上かつ3μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が40体積%以上かつ95体積%以下の多孔質膜を形成することができる。
本実施形態の多孔質膜形成用塗料は、上記の無機炭化物微粒子を分散媒中に分散させることにより、得ることができる。
この分散工程は、湿式法によることが好ましい。また、この湿式法で用いられる分散機としては、開放型、密閉型のいずれも使用可能であり、例えば、ボールミル、攪拌ミル、ジェットミル、振動ミル、アトライター、高速ミル、ハンマーミル等が好適に用いられる。
上記のボールミルとしては、転動ミル、振動ミル、遊星ミル等が挙げられ、また、攪拌ミルとしては、塔式ミル、攪拌槽型ミル、流通管式ミル、管状ミル等が挙げられる。
この分散媒としては、水または有機溶媒が好適に用いられ、その他、必要に応じて、高分子モノマーやオリゴマーの単体もしくはこれらの混合物も用いられる。
上記の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコール類、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種のみ、または2種以上を混合して用いることができる。
上記の高分子モノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等のアクリル系またはメタクリル系のモノマー、エポキシ系モノマー等が好適に用いられる。また、上記のオリゴマーとしては、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、アクリレート系オリゴマー等が好適に用いられる。
これらの分散媒のうち、塗料用として好ましいものは、水、アルコール類、ケトン類であり、これらの中でも、水、アルコール類がより好ましく、水が最も好ましい。
この塗料では、無機炭化物微粒子と分散媒との親和性を高めるために、この無機炭化物微粒子の表面改質を行っても良い。表面改質剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、システアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、アミノエタンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、無機炭化物微粒子の表面に吸着する官能基を有し、かつ分散媒と親和性を有する末端基を有する表面改質剤であれば良い。
この塗料は、無機炭化物微粒子と、DPF等の排ガス浄化フィルタの隔壁等の多孔質支持体との間にバインダー機能を持たせる等のために、親水性あるいは疎水性の高分子等を適宜含有してもよい。この高分子等は、上記の分散媒に溶解し、かつ塗料中の微粒子の平均二次粒子径及び塗料の粘度が所望の値になる範囲で適宜選択することができる。
ここで、水を分散媒とした場合、親水性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸ポリビニルビロリドン、ポリアリルアミン等の合成高分子;セルロース、デキストリン、デキストラン、デンプン、キトサン、ペクチン、アガロース、カラギーナン、キチン、マンナン等の多糖類及び多糖類由来の物質等の天然高分子;ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、エラスチン等のタンパク質及びタンパク質由来の物質;等を用いることができる。
また、これら合成高分子、多糖類、タンパク質等を由来とするゲル、ゾル等の物質を用いることもできる。
なお、この塗料における無機炭化物微粒子の質量に対する上記の高分子の質量の比(高分子の質量/無機炭化物微粒子の質量)は、塗料中の無機炭化物微粒子の平均二次粒子径及び塗料の粘度が所望の値になる範囲で適宜選択することができるが、0以上かつ1以下の範囲が好ましい。
上記の高分子は、最終的に熱処理によって揮散、分解ないしは焼失し、多孔質膜には残存しない成分であるから、上記の比が1を超えると、高分子の含有率が高すぎてしまい、コストの上昇を招くことになるので好ましくない。
この塗料の分散安定性を確保したり、あるいは塗布性を向上させたりするために、界面活性剤、防腐剤、安定化剤、消泡剤、レベリング剤等を適宜添加してもよい。これらは、塗料中の無機炭化物微粒子の平均二次粒子径及び塗料の粘度が所望の範囲になるように適宜選択することができる。
これら界面活性剤、防腐剤、安定化剤、消泡剤、レベリング剤等の添加量に特に制限はなく、塗料の粘度及び塗料中の無機炭化物微粒子の平均二次粒子径が本発明の範囲内となるように、添加する目的に応じて加えればよい。
また、この塗料は、平均一次粒子径が0.02μm以上かつ0.30μm以下の無機炭化物微粒子を分散媒に分散させた分散液と、平均一次粒子径が0.30μmを超えかつ10μm以下の無機炭化物微粒子を分散媒に分散させた分散液とを、混合して製造することができる。この場合、小粒径の微粒子と大粒径の微粒子を塗料中で均一に分散させることができ、塗料を用いて形成される膜の気孔率の設計も容易になる。
この多孔質膜形成用塗料によれば、本実施形態の目的とする排ガス浄化フィルタに好適に用いられる、無機炭化物微粒子を成分とし、気孔径が0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が5%以上かつ60%以下、気孔径が0.3μm以上かつ3.0μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が40%以上かつ95%以下であり、均質性に優れた多孔質膜を容易に形成することができる。
この多孔質膜形成用塗料は、塗布するだけで塗膜を形成することができるので、対象物の形状等の制約を受けることなく、その表面に均質性に優れた多孔質膜を容易に形成することができる。
「多孔質膜」
本実施形態の多孔質膜は、上記の多孔質膜形成用塗料を多孔質支持体の表面に塗布し、得られた塗膜を熱処理することにより、得ることができる。
この多孔質膜は、平均気孔径が0.05μmより大きくかつ3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.06μm以上かつ3μm以下であり、最も好ましくは0.1μm以上かつ2.5μm以下である。
このように多孔質膜の平均気孔径は、隔壁の気孔径(すなわち従来のDPFの平均気孔径:5〜50μm程度)より小さい。このため、粒子状物質は、隔壁にほとんど入り込むことなく、その堆積量が少ない段階から多孔質膜により高効率に捕集される。
多孔質膜の平均気孔径が上記範囲とされるのは、平均気孔径が0.05μm以下では、粒子状物質を含む排ガスを排ガス浄化フィルタ内に流入させた場合に圧力損失が大きくなるからであり、多孔質膜の平均気孔径が3μmを超えると、排ガス浄化フィルタの再生処理を行う場合に粒子状物質の燃焼効率の向上が見られない虞があるからである。
この多孔質膜は、気孔径が0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が5%以上かつ60%以下、気孔径が0.3μm以上かつ3.0μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が40%以上かつ95%以下が好ましく、より好ましくは、気孔径が0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が10%以上かつ30%以下、気孔径が0.3μm以上かつ3.0μm以下の気孔が全気孔容積に占める割合が70%以上かつ90%以下である。
ここで、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が気孔全容積の5%未満では、多孔質膜の強度が低く、また、60%より大きいと、初期圧力損失が高くなる。
また、0.3μm以上かつ3μm以下の気孔径が気孔全容積の40%未満では、多孔質膜の初期圧力損失が高くなり、また、95%より大きいと、多孔質膜の強度が低く、DPF10の再生処理を行う際に、粒子状物質の燃焼効率が向上し難くなる。
この多孔質膜の平均気孔径は、0.5μm以上かつ3μm以下が好ましい。
この多孔質膜の平均気孔径が0.5μm以下の気孔径の場合、初期圧力損失が高く、エンジンに負荷が既に掛かった状態にあり、燃費・粒子状物質捕集量からも好ましくない。また、3μm以上の気孔径では、粒子状物質の初期捕集特性が低く、DPF10の再生処理を行う場合、粒子状物質の燃焼効率が向上し難いので、好ましくない。
この多孔質膜の平均気孔率は、50%以上かつ90%以下が好ましい。
塗布方法については、多孔質支持体の形状や材質に合わせて適宜選択すればよく、特に制限はないが、ウォッシュコート、ディップコート等、通常のウエットコート法を用いることができる。また、塗布した後に圧縮空気等を用いて塗膜の膜厚以上の余分な塗布液を除去し、塗膜の膜厚を調整してもよい。
この塗膜には、分散剤の他、必要に応じて上記の高分子、界面活性剤、防腐剤、安定化剤、消泡剤、レベリング剤等が添加されているので、これらを除去し、かつ塗膜に微細孔構造を形成する等のために熱処理を行う。
熱処理温度は、700℃以上かつ2000℃以下が好ましく、より好ましくは800℃以上かつ1850℃以下である。
また、熱処理時間は、0.25時間以上かつ10時間以下が好ましく、より好ましくは0.5時間以上かつ5時間以下である。
この熱処理の際の雰囲気は、特に限定されず、大気等の酸化性雰囲気、窒素、アルゴン、ネオン、キセノン等の不活性雰囲気、水素、一酸化炭素等の還元性雰囲気、のいずれかの雰囲気中にて行うことができる。
そして、本実施形態の多孔質膜を、平均気孔径が5μm以上かつ50μm以下の多孔質セラミックスからなる多孔質支持体の表面に形成することにより、上述した排ガス浄化フィルタを得ることができる。
この多孔質膜を排ガス浄化フィルタに用いることにより、粒子状物質の補修効率を維持しつつ、圧力損失の上昇を抑えることができ、特に使用時の粒子状物質の堆積に伴う圧力損失の上昇割合を低く抑えることができる。したがって、走行時の自動車への負荷を低減することができる。
また、使用時の粒子状物質の堆積に伴う圧力損失の上昇割合を低く抑えることができるので、多くの粒子状物質をフィルタに堆積させることができ、フィルタの再生サイクルの間隔を長く取ることができる。
一般に、多くの粒子状物質を堆積させた後、燃焼させてフィルタの再生を行うと、粒子状物質の燃焼による熱暴走が生じ、急激な温度上昇によるフィルタの破損が生じ易いが、本実施形態の多孔質膜を用いた排ガス浄化フィルタは、炭化ケイ素を含む多孔質膜であるから、熱暴走を抑制することができ、急激な温度上昇を防止することができる。
この理由は、内壁面に多孔質膜を設けていない炭化ケイ素製ハニカムフィルタ(未処理ハニカムフィルタ)の場合、ハニカム気孔内に堆積した深層ろ過で捕集された粒子状物質(主にススなどのカーボンからなる)が燃焼する際、粒子状物質が急激に燃焼するため、フィルタ表面の温度が急激に上昇する。
しかし、炭化ケイ素を含む多孔質膜の場合は、深層ろ過はなく、粒子状物質はすべて表層ろ過で捕集される。そのため、燃焼ガスが均一に粒子状物質に供給されるとともに、粒子状物質と多孔質膜の接触面積が大きいために、多孔質膜との熱交換が生じることで粒子状物質と多孔質膜の接触が良好に維持されながら燃焼する。したがって、粒子状物質が急激に燃焼する異常燃焼が抑制される。
また、排ガスは、多孔質膜の表面全体から、この多孔質膜内に流入し、通過していくので、通過する間に堆積した粒子状物質と排ガスとの熱交換が効果的に行われる結果、粒子状物質を短時間にて燃焼除去することができる。よって、自動車の燃費を向上させることができる。
さらに、多孔質膜の強度を向上させることができ、したがって、気孔率が高く実用に耐え得る多孔質膜を形成することができる。
さらにまた、1次粒子径が0.01μm〜0.30μmの粒子を添加することで、比表面積を大きくすることができる。したがって、多孔質膜と多孔質支持体の粒子との接触面積を増大させることができ、多孔質膜と多孔質支持体との間の密着強度を増大させることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
下記の実施例及び比較例においては、多孔質膜、および、この多孔質膜を形成した排ガス浄化フィルタについて、次に掲げる方法により多孔質膜の膜厚、平均気孔径および平均気孔率、燃焼試験、圧力損失試験、強度試験の各測定および試験を行い、本発明の塗料により形成された多孔質膜および多孔質膜を形成した2層セラミックフィルタの評価を行った。
(1)多孔質膜の膜厚
2層セラミックフィルタの隔壁を破断し、この隔壁断面を電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)S−4000(日立計測器サービス社製)により観察することにより、排ガス浄化フィルタの多孔質膜の電子顕微鏡像を得た。測定倍率400倍にて、膜の断面の長さ1mmを0.1mm間隔で排ガス浄化フィルタの粒子表面(固体部)、細孔部(空孔部)のそれぞれを10点測定した厚みを平均して、それぞれの位置での多孔質膜の厚みとした。
(2)多孔質膜の平均気孔径および平均気孔率
水銀ポロシメータ装置 Pore Master 60GT(Quantachrome社製)を用いて気孔径分布を測定し、多孔質膜の気孔全容積に対する0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径容積の割合、及び0.3μm以上かつ3.0μm以下の気孔径容積の割合を求めた。また、膜部分の水銀進入容積の50%累積百分率の気孔径の値を2層セラミックフィルタの多孔質膜全体の平均気孔径とした。また、同装置を用いて平均気孔率を測定した。
(3)燃焼試験
それぞれの2層セラミックフィルタについて、排気量2.2Lのディーゼルエンジンに取り付け、エンジン回転数1500rpmで運転し、2層セラミックフィルタ内に粒子状物質を堆積させた。
次いで、粒子状物質を堆積させた2層セラミックフィルタを、窒素雰囲気中で600℃まで加熱した後、温度を保持しつつ、酸素3.8%、一酸化窒素(NO)200ppm、窒素残部からなる混合ガスを13.5リットル/分の流量で導入して粒子状物質を燃焼させた。当該燃焼処理において、酸素を導入した時点から、堆積する粒子状物質が全堆積量の10%となるまで焼失するまでの時間を測定し、粒子状物質燃焼性の指標とした。
燃焼処理においては、HORIBA製MEXA-7500Dを用い、二酸化炭素量及び一酸化炭素量を測定した。検出される二酸化炭素及び一酸化炭素に含まれる炭素の総量が、粒子状物質の全堆積量に相当するものとし、二酸化炭素量の累積量及び一酸化炭素の累積量から、粒子状物質の残量が全堆積量の10%となるまでの時間を算出した。
上記測定時間を、フィルタ基体のみで得られた値を基準(100)として、相対値を算出した。相対値が小さいほど、粒子状物質の燃焼が促進されていることを示している。時間が10%以上短縮された場合、再生処理時間の短縮に効果有り「○」と判断した。
(4)圧力損失試験
2層セラミックフィルタの流入口から、流量100L/minで乾燥空気を流入させ、この乾燥空気を、排ガス浄化フィルタの隔壁を通過させて、排出口から排出させ、この時の流入口における圧力損失を測定した。
作成した2層セラミックフィルタについて、排気量2.2Lのディーゼルエンジンに取り付け、エンジン回転数1500rpmで運転し、排ガス浄化フィルタ内に3g/LのPM(排ガス中に含まれる粒子状物質)を堆積させ、(3g/LのPMを堆積させた排ガス浄化フィルタの圧力損失)/(初期(堆積前)の排ガス浄化フィルタの圧力損失)≦4.0であれば良好と判断した。
(5)強度試験
JIS−K5600−5−4(塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法))に準拠し、鉛筆の代わりにφ2mmのステンレス棒を使用して、多孔質膜の表面を引っかき、多孔質膜の破損の様子を目視観察による外観の変化から強度を判断した。
試験の際には、ステンレス棒にかかる荷重を500gとして、多孔質膜上で試験機を一回スライドさせ、多孔質膜の剥がれが無いものを○(良)、若干の剥がれがあるものを△(並)、多孔質膜が深く削れるものを×(悪)として判断した。
「実施例1」
平均粒子径が0.6μmの炭化ケイ素粉体90質量部と、平均粒子径が0.03μmの炭化ケイ素粉体10質量部を混合し、次いで、これら炭化ケイ素粉体の合計100質量部に対して、焼結助剤として平均粒子径が0.2μmのアルミナ粉体1質量部を添加し、これら炭化ケイ素粉体及びアルミナ粉体からなるセラミック粉体を得た。
次いで、このセラミック粉体の含有率が12体積%、水の含有率が87体積%、ゼラチン(ゲル化剤)の含有率が1体積%となるように秤量した。
まず、ボールミルに純水及びセラミック粉体を投入し、その後、60rpmの回転速度にて12時間混合し、スラリーを得た。
このスラリー中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は10体積%で粒子径0.30μm−10μm間の粒子は90体積%であった。
次いで、このスラリーにゼラチンを1体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は3.5μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタ(炭化珪素製ハニカムフィルタ:DPF、隔壁における平均気孔径が12μm、平均気孔率が45%)を3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1700℃まで加熱し、この1700℃にて2時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部が平均で15μm、空孔部が平均で45μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の5%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の95%であった。この2層セラミックフィルタの再生速度は20%向上していた。
「実施例2」
平均粒子径が1.2μmの炭化ケイ素粉体70質量部と、平均粒子径が0.03μmの炭化ケイ素粉体30質量部を混合し、次いで、これら炭化ケイ素粉体の合計100質量部に対して、焼結助剤として平均粒子径が0.2μmのアルミナ粉体4質量部を添加し、これら炭化ケイ素粉体及びアルミナ粉体からなるセラミック粉体を得た。
次いで、このセラミック粉体の含有率が12体積%、水の含有率が87体積%、ゼラチン(ゲル化剤)の含有率が1体積%となるように秤量した。
まず、ボールミルに純水及びセラミック粉体を投入し、その後、60rpmの回転速度にて12時間混合し、スラリーを得た。
このスラリー中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は25体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は75体積%であった。
次いで、このスラリーにゼラチンを1体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は9.2μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1700℃まで加熱し、この1700℃にて2時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部が平均で8μm、空孔部が平均で18μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の25%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の75%であった。この2層セラミックフィルタの再生速度は20%向上していた。
「実施例3」
平均粒子径が3.9μmの炭化ケイ素粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー1を得た。
また、平均粒子径が0.03μmの炭化ケイ素粉体90質量部と平均粒子径が0.2μmのイットリア粉体10質量部を混合し、炭化ケイ素粉体及びイットリア粉体からなるセラミック粉体を得た。次いで、セラミック粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー2を得た。
次いで、スラリー1を80質量部とスラリー2を20質量部混合し、15分間攪拌してスラリー3を得た。
このスラリー3中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は18体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は82体積%であった。
このスラリー3にゼラチンを1体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は6.0μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1650℃まで加熱し、この1650℃にて1時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部が平均で5μm、空孔部が平均で15μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の15%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の85%であった。この2層セラミックフィルタの再生速度は15%向上していた。
「実施例4」
平均粒子径が3.9μmの炭化ケイ素粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー1を得た。
また、平均粒子径が0.03μmの炭化ケイ素粉体90質量部と平均粒子径が0.2μmのイットリア粉体10質量部を混合し、炭化ケイ素粉体及びイットリア粉体からなるセラミック粉体を得た。次いで、セラミック粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー2を得た。
次いで、スラリー1を40質量部とスラリー2を60質量部混合し、15分間攪拌してスラリー3を得た。
このスラリー3中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は55体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は45体積%であった。
このスラリー3にゼラチンを1体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は1.8μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1650℃まで加熱し、この1650℃にて1時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部セラミックハニカム構造体の粒子表面までの厚みが平均で6μm、空孔部細孔部までの厚みが平均で17μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の55%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の45%であった。この2層セラミックフィルタの再生速度は25%向上していた。
「実施例5」
平均粒子径が8.0μmの炭化ケイ素粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー1を得た。
また、平均粒子径が0.03μmの炭化ケイ素粉体90質量部と平均粒子径が0.2μmのイットリア粉体10質量部を混合し、炭化ケイ素粉体及びイットリア粉体からなるセラミック粉体を得た。次いで、セラミック粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー2を得た。
次いで、スラリー1を85質量部とスラリー2を15質量部混合し、15分間攪拌してスラリー3を得た。
このスラリー3中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は13体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は87体積%であった。
このスラリー3にゼラチンを1体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は12.0μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを 3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1650℃まで加熱し、この1650℃にて1時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部セラミックハニカム構造体の粒子表面までの厚みが平均で5μm、空孔部細孔部までの厚みが平均で15μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の15%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の85%であった。この2層セラミックフィルタの再生速度は15%向上していた。
「実施例6」
平均粒子径が0.6μmの炭化ジルコニウム粉体90質量部と、平均粒子径が0.03μmの炭化ジルコニウム粉体10質量部を混合し、次いで、これら炭化ジルコニウム粉体の合計100質量部に対して、焼結助剤として平均粒子径が0.2μmのアルミナ粉体1質量部を添加し、これら炭化ジルコニウム粉体及びアルミナ粉体からなるセラミック粉体を得た。
次いで、このセラミック粉体の含有率が12体積%、水の含有率が87体積%、ゼラチン(ゲル化剤)の含有率が1体積%となるように、これらを秤量した。
まず、ボールミルに純水及びセラミック粉体を投入し、その後、60rpmの回転速度にて12時間混合し、スラリーを得た。
このスラリー中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は9体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は91体積%であった。
このスラリーにゼラチンを1体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は3.3μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1700℃まで加熱し、この1700℃にて2時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部が平均で15μm、空孔部が平均で45μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の5%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の95%であった。この2層セラミックフィルタの再生速度は20%向上していた。
「実施例7」
平均粒子径が3.9μmの炭化ジルコニウム粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー1を得た。
また、平均粒子径が0.03μmの炭化ジルコニウム粉体90質量部と平均粒子径が0.2μmのイットリア粉体10質量部を混合し、炭化ジルコニウム粉体及びイットリア粉体からなるセラミック粉体を得た。次いで、セラミック粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー2を得た。
次いで、スラリー1を80質量部とスラリー2を20質量部混合し、15分間攪拌してスラリー3を得た。
このスラリー3中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は17体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は83体積%であった。
このスラリー3にゼラチンを1体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は6.0μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1650℃まで加熱し、この1650℃にて1時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部が平均で5μm、空孔部が平均で15μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の15%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の85%であった。この2層セラミックフィルタの再生速度は15%向上していた。
「実施例8」
平均粒子径が0.6μmの炭化ホウ素粉体90質量部と、平均粒子径が0.03μmの炭化ホウ素粉体10質量部を混合し、次いで、これら炭化ホウ素粉体の合計100質量部に対して、焼結助剤として平均粒子径が0.2μmのアルミナ粉体1質量部を添加し、これら炭化ホウ素粉体及びアルミナ粉体からなるセラミック粉体を得た。
次いで、このセラミック粉体の含有率が12体積%、水の含有率が87体積%、ゼラチン(ゲル化剤)の含有率が1体積%となるように、これらを秤量した。
まず、ボールミルに純水及びセラミック粉体を投入し、その後、60rpmの回転速度にて12時間混合し、スラリーを得た。
このスラリー中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は7体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は93体積%であった。
このスラリーにゼラチンを1体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は3.0μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1700℃まで加熱し、この1700℃にて2時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部が平均で15μm、空孔部が平均で45μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の5%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の95%であった。この2層セラミックフィルタの再生速度は20%向上していた。
「実施例9」
平均粒子径が3.9μmの炭化ホウ素粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー1を得た。
また、平均粒子径が0.03μmの炭化ホウ素粉体90質量部と平均粒子径が0.2μmのイットリア粉体10質量部を混合し、炭化ジルコニウム粉体及びイットリア粉体からなるセラミック粉体を得た。次いで、セラミック粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー2を得た。
次いで、スラリー1を80質量部とスラリー2を20質量部混合し、15分間攪拌してスラリー3を得た。
このスラリー3中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は15体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は85体積%であった。
このスラリー3にゼラチンを1体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は6.2μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1650℃まで加熱し、この1650℃にて1時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部が平均で5μm、空孔部が平均で15μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の15%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の85%であった。この2層セラミックフィルタの再生速度は15%向上していた。
「実施例10」
平均粒子径が0.6μmの炭化タンタル粉体90質量部と、平均粒子径が0.03μmの炭化タンタル粉体10質量部を混合し、次いで、これら炭化タンタル粉体の合計100質量部に対して、焼結助剤として平均粒子径が0.2μmのアルミナ粉体1質量部を添加し、これら炭化タンタル粉体及びアルミナ粉体からなるセラミック粉体を得た。
次いで、このセラミック粉体の含有率が12体積%、水の含有率が87体積%、ゼラチン(ゲル化剤)の含有率が1体積%となるように、これらを秤量した。
まず、ボールミルに純水及びセラミック粉体を投入し、その後、60rpmの回転速度にて12時間混合し、スラリーを得た。
このスラリー中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は9体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は91体積%であった。
このスラリーにゼラチンを1体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は3.2μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1700℃まで加熱し、この1700℃にて2時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部が平均で15μm、空孔部が平均で45μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の5%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の95%であった。この2層セラミックフィルタの再生速度は20%向上していた。
「実施例11」
平均粒子径が3.9μmの炭化タンタル粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー1を得た。
また、平均粒子径が0.03μmの炭化タンタル粉体90質量部と平均粒子径が0.2μmのイットリア粉体10質量部を混合し、炭化タンタル粉体及びイットリア粉体からなるセラミック粉体を得た。次いで、セラミック粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー2を得た。
次いで、スラリー1を80質量部とスラリー2を20質量部混合し、15分間攪拌してスラリー3を得た。
このスラリー3中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は13体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は87体積%であった。
このスラリー3にゼラチンを1体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は5.9μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1650℃まで加熱し、この1650℃にて1時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部が平均で5μm、空孔部が平均で15μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の15%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の85%であった。この2層セラミックフィルタの再生速度は15%向上していた。
また、実施例1〜11の多孔質膜は、平均気孔径が0.05μm〜3.0μmの範囲にあった。
「比較例1」
平均粒子径が18.0μmの炭化珪素粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー1を得た。
平均粒子径が0.2μmのアルミナ粉体の含有率が11体積%、水の含有率が89体積%となるように秤量したものを、ボールミルに入れ、60rpmの回転速度にて6時間混合しスラリー2を得た。
次いで、スラリー1を98質量部とスラリー2を2質量部混合し、15分間攪拌してスラリー3を得た。
このスラリー3中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は2体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は8体積%であった。
このスラリー3にゼラチンを1体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は17.3μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1750℃まで加熱し、この1750℃にて1時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部が平均で4μm、空孔部が平均で11μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の2%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の98%であった。この2層セラミックフィルタの再生速度は、従来の2層セラミックフィルタの再生速度と何等変わりがなかった。
「比較例2」
平均粒子径が0.1μmの炭化ケイ素粉体100質量部を秤量し、次いで、この炭化ケイ素粉体100質量部に対して、焼結助剤として平均粒子径が0.8μmの炭化ホウ素粉体1質量部を添加し、これら炭化ケイ素粉体及び炭化ホウ素粉体からなるセラミック粉体を得た。
次いで、このセラミック粉体の含有率が7.0体積%、水の含有率が90.0体積%、メチルセルロース(ゲル化剤)の含有率が3.0体積%となるように、これらを秤量した。
まず、ボールミルに純水及びセラミック粉体を投入し、その後、60rpmの回転速度にて12時間混合し、スラリーを得た。
このスラリー中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は78体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は22体積%であった。
このスラリーにメチルセルロースを3体積%添加して15分間混合し塗料を得た。
この塗料中の粒子の分散粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、平均二次粒子径は0.6μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分15℃の昇温速度にて1500℃まで加熱し、この1500℃にて1時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部が平均で5μm、空孔部が平均で17μmであった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の97%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の3%であった。この2層セラミックフィルタは、初期圧力損失が高く、実用に供することができないものであった。
「比較例3」
平均粒子径が0.01μmのアルミナ粉体92質量部と、平均粒子径が0.03μmの炭化ケイ素粉体8質量部を混合し、これらアルミナ粉体及び炭化ケイ素粉体からなるセラミック粉体を得た。
次いで、このセラミック粉体の含有率が10.0体積%、水の含有率が90体積%となるように、これらを混合した。
ここでは、ボールミルに純水及びセラミック粉体を投入し、その後、60rpmの回転速度にて12時間混合し、塗料を得た。
この塗料中の粒子の粒度分布を動的光散乱粒度測定機HPPS(シスメックス(株)社製)で測定したところ、粒子径が0.01μm−0.30μm間の粒子は88体積%、粒子径0.30μm−10μm間の粒子は12体積%、平均二次粒子径は0.2μmであった。
次いで、この塗料にセラミックフィルタを3分間浸漬した後に引き上げ、100℃にて12時間、乾燥した。次いで、このセラミックフィルタを雰囲気炉に収容し、この雰囲気炉内をガス置換してアルゴン雰囲気とした。その後、毎分5℃の昇温速度にて1300℃まで加熱し、この1300℃にて1時間、焼成を行い、2層セラミックフィルタを作製した。
この2層セラミックフィルタの多孔質膜の厚みは、固体部が平均で3μmであり、空孔部に多層膜は形成されなかった。また、この多孔質膜の気孔分布は、0.01μm以上かつ0.3μm以下の気孔径が全容積の96%であり、0.3μmを超えかつ3μm以下の気孔径が全容積の4%であった。この2層セラミックフィルタでは、多孔質膜とセラミックフィルタとの間の接着強度が弱く、実用に供することができないものであった。
実施例1〜11及び比較例1〜3の測定結果及び評価結果を表1に示す。
Figure 0005338603
10 DPF
11 フィルタ基体
12 ガス流路
12A 流入セル
12B 流出セル
13 多孔質膜
14 隔壁
30 粒子状物質
α、γ 端面
G 排ガス
C 浄化ガス

Claims (5)

  1. 排ガス浄化フィルタの多孔質支持体の表面に、この多孔質支持体の平均気孔径よりも小さな平均気孔径を有する多孔質膜を形成するための塗料であって、
    前記塗料は、少なくとも無機炭化物微粒子と分散媒とを含有しており、
    前記無機炭化物微粒子は、一次粒子径が0.01μm以上かつ0.30μm以下の微粒子が5体積%以上かつ60体積%以下であり、一次粒子径が0.30μmを超えかつ10μm以下の微粒子が40体積%以上かつ95体積%以下であることを特徴とする多孔質膜形成用塗料。
  2. 前記無機炭化物微粒子の前記塗料中における平均二次粒子径は、1.0μm以上かつ15μm以下あることを特徴とする請求項1記載の多孔質膜形成用塗料。
  3. 前記無機炭化物は、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化ホウ素及び炭化タンタルの群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の多孔質膜形成用塗料。
  4. 前記塗料は、平均一次粒子径が0.02μm以上かつ0.30μm以下の無機炭化物微粒子を分散媒に分散させた分散液と、平均一次粒子径が0.30μmを超えかつ10μm以下の無機炭化物微粒子を分散媒に分散させた分散液とを、混合してなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の多孔質膜形成用塗料。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の多孔質膜形成用塗料を塗布して得られた塗膜を熱処理してなることを特徴とする多孔質膜。
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