JP5337928B2 - 銀/水、銀ゲル、および銀ベースの組成物、並びにこれらの製造方法および使用方法 - Google Patents
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Description
本発明は、一般的に、新規の銀/水混合物(時として水中に分散した銀ナノ粒子と呼ぶ)に関し、より特には、銀/水混合物の新規の組成物および/若しくは形態物、銀ヒドロゲル、現代の抗生物質と組み合わせた新規の銀組成物、および銀イオンに結合した種々の配位子、ある種の出発銀/水混合物に基づく銀ゲル、クレイおよび/若しくはゼオライト材料のようなある種のクラストレートに結合する若しくは含まれる銀イオンおよび/若しくは銀金属、並びにヒトおよび/若しくは動物または他の生体の健康(health)または健康推進(wellness)に有害である種々の菌(ある種のウイルスを含む)に対する薬としての上記組成物の製造および使用方法に関する。さらに、銀に加えて他の金属をも本明細書中に開示し、多くの場合において、銀と交換可能に用いることができる。本発明の組成物の種々の組み合わせおよび濃度を開示する。
銀のある種の調製物が、殺菌性を示すことがよく知られている。銀は、現代の抗生物質が開発される前は、殺菌剤として、および抗生物質として用いられていた。前世紀においては、水を飲むことにより銀を摂取する目的で、使用者はその飲料水中に銀粒子を削り落とす(shave)か、飲料水中に全部の銀ピースを浸していた。銀器具(すなわち、銀食器)を用いて食べる行為が、銀の健康に良い性質という確信に起因しているのではないかという可能性が考えられる。
本発明は一般的に、ヒトおよび/若しくは動物または他の生体に有害である望ましくない微生物(ある種のウイルスを含む)を殺すまたは無能にするための、水中で5〜40ppm(場合によっては5ppm未満)の濃度の銀の使用に関する。さらに、本発明は特には、銀ナノ粒子を含む組成物に関し、この粒子は好ましい態様において、例えば、元素銀の内部と、例えば1種以上の酸化銀(例えば、イオン性酸化銀、Ag2O、AgO、Ag4O4等のような酸化銀)の外部コーティングまたは部分コーティングまたは層を含み、上記酸化物のコーティングは種々の相状態(例えば、Ag2Oは単斜晶系および/または正方晶である)で水中にあり、ここで、銀粒子は、全体で5〜40ppmの濃度で、水中に懸濁状態(例えばコロイド懸濁状態)で存在する。本発明の1つの態様は、水中(好ましくは精製水、本明細書で後に論じる)に5〜40ppmの濃度で存在する銀ナノ粒子(本明細書中で以後、本明細書中に開示されている電気化学的技術により処理される際には、「銀粒子」という語または同種のものの使用は、元素銀だけでなく、その上に1種以上の組成物の部分的なコーティングまたは実質的に完全なコーティングを有し得る元素銀も指し、このようなコーティングは元素銀の少なくとも一部分の上に1種以上の酸化銀を含んでいるということを理解されたい)を含み、ここで、50%を超える銀粒子が0.015マイクロメートル未満の最大寸法を有する。好ましい態様において、粒子の大部分は直径10〜40nmである。より好ましい態様において、粒子の大部分は直径10〜30nmである。水中の銀の組成物(および本発明により製造される銀/水混合物から実質的に離散した粒子として分離される(extracted)銀粒子)、および本発明により製造され、本発明の技術によりその後ゲル、パウダー、クレイ、またはゼオライト(本明細書中で後に好ましい態様において論じられる)へと形成される銀/水混合物は、例えば非常に効果的な抗微生物(antimicrobial)薬であり、かつ抗ウイルス薬である(また場合により駆虫薬でもある)。本発明は、また、銀組成物に関し、これは水中で5〜40ppmのものであり、また本明細書中に開示される上記銀/水組成物を使用する方法によれば、以下のように、すなわち(1)生体の内部で、(2)生体の外部、および硬質または多孔性双方の種々の表面(例えば、調理台、調理用具表面、調理設備、病院の表面、医療機器、水道(金属および/またはプラスチック)、空気浄化デバイス等)の外部で(または内部で)、および(3)銀または銀水組成物を汚染水に混合して(例えば汚水処理、池の水、汚染水コンテナ、水道等であり、これらは好ましくは、上記混合の前に大きな固体は除去されている)、上記組成物を用いることにより抗微生物薬として非常に有効である。
以下の記載を、当業者が本発明を作製し使用することを可能にし、発明を行う発明者により検討されたベストモードを説明するために提供する。しかしながら種々の改変が当業者には依然として直ちに明らかであろう。というのは、本発明の原則は、改善された銀/水組成物(場合により、本明細書中においては水中に分散された銀ナノ粒子と呼ぶ)を提供することを本明細書中では特に定義しており、これは、単独で、または他の開示された材料と組み合わせて(例えば混合するか、それと共に本質的に接触させて供給する)用いられてもよく、またこれは種々のヒドロゲルまたはペースト組成物を生成してもよく、これらの全ては生体内および生体外の双方でヒトおよび/または動物の病原体を殺す優れた能力を示す。
限定されない好ましい態様を以下に示す。
組成物の調製
銀/水の組成物を、米国特許第6,214,299号に記載されている方法に従って作製することができ、この特許の内容を本明細書の一部として本願に具体的に引用する。
(a)少なくとも2つの銀電極をある量の高純度水と接触させて配置する工程、
(b)銀電極を通じて電流を伝達し、それにより水中に懸濁する銀粒子の生成を引き起こすのに十分な方法で上記銀電極から銀の粒子を分離する工程、
(c)上記した懸濁した銀粒子の生成の間水を撹拌し、それにより銀粒子を上記水中により均一な濃度で分散させ、従って多量の、本質的に均一な分布の懸濁した銀粒子をバッチにつき生成することができる工程
を含む。
(a)電流源、上記の電流源に電気的に接続された第1の導体、および上記の電流源に電気的に接続された第2の導体を含む電気回路を設置し、ここで上記の第1の導体は上記第2の導体から間隙を介して配置され、また導体のうちの少なくとも1つは元素銀、またはその代わりに亜鉛、銅、銅合金、チタン、白金、およびこれらの合金若しくは混合物から作製されている工程、
(b)流体抵抗(fluid resistor)と連通させて第1の導体および第2の導体を配置することにより回路を閉じる工程、
(c)電流源を作動させて第1の導体および第2の導体に同時に交流を供給し、従って電圧は第1および第2の導体内で交互に直列状態で(in alternating tandem)上昇して低下し、それにより銀(または他の金属)粒子が第1の電極から分離して流体抵抗に入ることを引き起こし、上記の流体抵抗内に懸濁状態で配置されるようになる工程、および
(d)銀粒子の段階的な分離に起因する電極の長さの減少を補うように、流体抵抗に向かって移動させることにより電極を選択的に調整し、それにより電極と上記の流体抵抗との間に生じるアーク放電を防止して、電極の先端における望ましい電流密度を維持する工程
を含む。
本発明の銀組成物中の銀含有量の分析を、(アセチレン)フレーム原子吸光分析(FAAS)、誘導結合プラズマ(ICP)、原子発光分析(AES)、または当業者に適切な濃度範囲における銀に対して感度のよいことが知られる他の技術により行うことができる。銀組成物の粒子が小さく、均一な大きさ(例えば、0.01マイクロメートル以下)である場合に、合理的に正確なアッセイが、原子吸光またはICP/AESにより直接的にコロイドを処理することにより得られ得る。これは、原子吸光分析法のための試料調製は全ての銀を基本的にイオン化し、その即時の検出を可能にする。
同等の手段を用いる。好ましくは、新しく調製された標準、好ましくは製造者の取り扱い説明書に従って調製された試料を、必要ならば適切に希釈して用いることができる。
Perkin Elmer AAnalyst 300 システムは、Universal GemTip の噴霧器を有する高性能バーナーシステムと、原子吸光分析装置から成る。バーナーシステムは、原子吸光が生じるように、化合物を解離し、遊離した検体原子を提供するために十分な熱エネルギを提供する。分光計は、主要な光源としてホローカソードランプ、モノクロメーター、および検出器を用いて、特定の波長において吸収される光の量を測定する。重水素アークランプが、原子雲における非原子種により引き起こされるバックグラウンド吸収を補正する。
A.イントロダクション
水中にわずかに22ppmの銀を含む組成物のサンプルを、組成物中の銀の形態を決定するために、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)により分析した。銀の大半は銀(0)(すなわち金属銀)として存在し、また表面コーティングが存在し、これはおおむね、例えば、酸化銀(II)(AgO)の組成物であるという結論である。上記した酸化銀(II)は通常、銀(I)と銀(II)の化学量論的な組み合わせである。
数滴の22ppmの本発明の銀組成物を、室温においてシリコン基板上で蒸発乾固させた。残渣をTOF−SIMSにより分析し、サンプルとして表示する。参照酸化銀(II)(AgO)材料を、シリコン基板上にベンダー(vendor)から入手した参照粉末のわずかな粒子を置くことにより分析し、参照として示す。
負イオン質量が、Ag(II)O参照材料と、生成物サンプルからそれぞれ得られた。双方のスペクトルについての質量スペクトル領域は、銀粒子上の少なくとも部分的なコーティングとしておそらく存在した1を超える種の酸化銀の存在を示した。データは、銀(II)がサンプル粒子の表面上に存在する銀の平均酸化状態であることを示唆する。酸化銀(例えばAgO)シグナルは、生成物サンプルと比較して参照サンプルにおいてかなり高い強度を示し、これはおそらく、金属銀がサンプル中では支配的であるためである。サンプル中の平均粒径が減少すると、より多くの酸化銀が存在し得るにつれ酸化銀に対する銀の比も減少し得ることが理解され得る。
本明細書中に記載されている銀/水調製物の特異な有効性は、粒子の表面性質/内部性質(例えば酸化物/金属)間の関係、および/または銀ナノ粒子の粒度分布、および/または銀ナノ粒子の形態に起因する。平均粒径が小さいほど、表面積は大きくなり、粒子界面化学の貢献も大きくなる。しかしながら、粒子が過剰に小さいと、安定性の損失、および/または生成物に負の影響を与え得る他の相互作用が存在し得る。本発明の銀/水組成物は、界面活性剤等なしに本質的に純粋な水中で安定である(例えば、多くに従来技術の「コロイド状」銀は、懸濁状態に銀粒子を保つためにタンパクを必要とする)ために注目に値する。また、本発明の銀/水組成物は本質的に無色であるのに対し、他のコロイド銀調製物(特に大きな粒径を有するもの)は通常色を示す。これらの性質は本明細書中で上記した製造条件の結果である。
既知のコロイド銀と比較した、本発明の銀/水組成物の性能(生物学的有効性)における差を理解する目的で、物性における差を調べた。図18aおよび18bは、2004年に General Nutrition Center から入手し、GNC Liquid Colloidal Silver Dietary Supplement (25ppm)(「GNC」)として市場で知られる第1のコロイド銀における銀粒子に対応する銀粒子のTEM顕微鏡写真である。図19aおよび19bは、「Silverado」として市販されていることが知られる第2のコロイド銀に対応する銀粒子のTEM顕微鏡写真である。図20aおよび20bは、Vitamin World Biooganic Advanced Colloidal Mineral (3ppm)(Bioorganic)として市場で知られる第3のコロイド銀に対応する銀粒子のTEM顕微鏡写真である。図21は、本発明の2つの銀/水組成物(「ASAP20」および「ASAP10」とラベルされる)からの銀粒子と、上記した「GNC」、「Silverado」、および「Bioorganic」として知られる3つの既知の市販のコロイド銀からの銀粒子のオーバーレイ比較(overlay comparison)TEM顕微鏡写真である。粒径と形における明らかな差がこれらの顕微鏡写真から明らかであり、従って、異なるコロイド銀の間で物理的な、構造的な、および潜在的な化学的な差異が存在し、これは、同様の一般的な化学的性質の異なる生成物の間の生物学的有効性における差異を部分的に説明する手助けとなり得る。
ラマン分光法
銀/水混合物のさらなる分析をラマン分光法により行った。3つの異なるラマン分光計による多くの分析的アプローチを行った。ラマン分光法および共鳴ラマン分光法を用いる理由は、本発明の銀/水組成物と比較し、同様に「純」水すなわち脱イオン水と比較した際に、振動の異なるモード(および/または振幅)が、異なるコロイド銀において顕著であり得るとの考えであった。さらにこれらの水分子における振動の異なる観測モードは、コロイド系をより適確に定義し、異なる銀ベースの製品における異なる生物学的有効性を説明するのに役立ち得る。
銀/水混合物のさらなる分析をUV-Vis分光法によって行った。ラマン分光法に加えてUV-Vis分光法を利用してスペクトルの異なる部分における追加の顕著なモードおよび/または振動の振幅を探した。単独のUV-Vis分光器を利用してデータを収集した。この関連で、UV-Visマイクロスペック測光法を用いてエネルギー吸収スペクトルを得た。この情報は約190〜1100nmの波長範囲を走査できるデュアルビームスキャニングモノクロメーターシステムを用いて取得した。吸収スペクトルを収集するのに用いたUV-Vis分光器はJasco MSV350であった。装置を調整して、10mm×10mm溶融石英キュベットを用いた低濃度液体試料の測定をサポートした。上記の波長範囲にわたって、光電子増倍管(PMT)およびフォトダイオード検出器の両方を用いて以下の操作パラメータでデータを得た。帯域幅コレクション(bandwidth collection)2nm、解像度0.5nm。生成したスペクトルから水のベースラインバックグラウンドを差し引いた。この関連で、生成したスペクトルから純水のUV-Visシグナチャを差し引き、銀/水子混合物のより典型的なスペクトルシグナチャを示すようにした。
A.例の目的
本例の目的は、試験菌である枯草菌に由来する細菌内生胞子に対する本発明の銀ベースの組成物の抗微生物活性を示すためのものである。これは、枯草菌内生胞子の懸濁液を用いる標準的な殺菌時間(kill-time)アッセイを行うことにより遂行した。通常は、細菌内生胞子は殺菌に耐性を示す。
[試験生体] 枯草菌(ATTC#19659)からの内生胞子を含む試験懸濁液を、寒天培地で増殖した培養物から調製し、これに対しさらなる胞子形成促進成分(sporulation enhancement ingredient)を加えた。プレートから滅菌水を用いて集菌し、内生胞子を遠心分離と水中への再懸濁を繰り返すことにより精製した。最終洗浄は70%のエタノール中で30分間であり、全ての増殖細菌の破壊を確実にする。凝集を防止するために0.1%のTween80(ポリソルベート界面活性剤のブランド)を含む水中に再懸濁させた。
a)殺菌剤(水中、本発明の22ppmの銀組成物)の9.9mlアリコートを、滅菌の20mm×150mmチューブ中に入れた。このチューブを20℃水浴中で平衡化した。
b)殺菌剤(水中、本発明の22ppmの銀組成物)の9.9mlアリコートを、滅菌の20mm×150mmチューブ中に入れた。このチューブを20℃水浴中で平衡化した。
c)30分、1時間および4時間目において、菌/殺菌剤懸濁液を9mlの中和剤を含むチューブに移した。このチューブを十分に混合した。
d)2分後、中和された懸濁液を、連続的に、生理食塩水溶液(PSS)中に1:10で希釈した。
e)選択した希釈チューブ中の生菌の数を、膜ろ過によりアッセイした。1mlアリコートをデュープリケートでおいた。この膜を約100mlの滅菌のPSSで洗浄し、寒天培地に移した。この培地を37℃で20時間インキュベートした。
各フィルタ上のコロニーの数をカウントし、対数減少(log reduction)を計算した。
a)試験懸濁液の力価を、PSS中の試験懸濁液の選択された1:10希釈物の膜ろ過アッセイと行うことにより計算した。
中和剤コントロール:1.1×108
D.ディスカッション
力価の結果は、元の懸濁液中のmlあたり6.65×108胞子の生きた枯草菌胞子濃度を示した。9.9mlの殺菌剤への100mlのこの懸濁液の摂取は、アッセイチューブのmlあたり6.65×106胞子の初期濃度を生じた。
A.例の目的
本例の目的は、試験菌である枯草菌に由来する細菌性内生胞子に対する、本発明の2つの銀ベースの組成物の抗微生物活性を示すことである。これは、枯草菌内生胞子の懸濁液を用いる標準的な殺菌時間アッセイを行うことにより為された。前記の例(22ppm銀を用いるもの)と比較して考えて、この例は、銀組成物の抗微生物性質に対する過酸化水素(H2O2)の促進効果を見積もる。過酸化水素は本発明の銀組成物の存在下で安定である。過酸化水素はそれ自体かなりの殺菌性質を有する一方で、しばしば、カタラーゼまたは他の微生物酵素により分解される。しかしながら、過酸化水素のいずれもの酵素による破壊が起こり得る前に、過酸化水素は細菌細胞壁を弱め、銀粒子が入り込むことを高めることができる。
1.[試験菌] 枯草菌(ATCC#19659)からの内生胞子を含む試験懸濁液を、寒天培地上で増殖させた培養物から調製し、これに対して、さらなる胞子形成エンハンサを加えた。培地から滅菌水で集菌し、内生胞子を、遠心分離および水への再懸濁を繰り返すことにより精製した。最終洗浄は70%エタノール中30分であり、全ての増殖細菌の死滅を確実にする。胞子を、凝集を防止するために、0.1%Tween(登録商標)80(ポリソルベートのブランド)を含む水中に再懸濁させた。
a)それぞれの殺菌剤(本発明のコロイド銀組成物:1つは14ppmの銀と1.5%のH2O2とを含み、もう1つは10ppmの銀と1.0%のH2O2とを含む)の9.9mlアリコートを、滅菌の20mm×150mmチューブ中に入れた。このチューブを20℃水浴中で平衡化した。
b)殺菌剤の各チューブに、ゼロ時間目において、100mlの試験菌懸濁液を接種した。
c)10分、30分、1時間。2時間、4時間、6時間および8時間目において、菌/殺菌剤懸濁液の1mlを、9mlの中和剤を含むチューブに移し替えた。このチューブを十分に混合した。
e)選択した希釈チューブ中の生菌の数を、膜ろ過によりアッセイした。1mlアリコートをデュープリケートでおいた。この膜を約100mlの滅菌PSSで洗浄し、Columbia 寒天プレートに移した。このプレートを37℃で20時間インキュベートした。
a)試験懸濁液の力価を、PSS中の試験懸濁液の選択された1:10希釈物の膜ろ過アッセイと行うことにより計算した。
D.ディスカッション
データは、最初の懸濁液中のml当たり2.59×108胞子の生きた枯草菌胞子濃度を示した。9.9mlの殺菌剤への100mlのこの懸濁液の接種は、アッセイチューブ中mlあたり2.59×105の初期濃度を生じた。
14ppmについての式は、Y=−0.66704+1.32936xの直線を計算した。10ppmについての式は、Y=−0.59690+1.03933xの直線を計算した。これらの式は、6の対数減少についての時間は、14ppm組成物については5.02時間であり、10ppm組成物については6.35時間であることを予測する。
A.方法
MIC(最小発育阻止濃度)およびMBC(最小殺菌濃度)試験を、標準的なブロス微量希釈法に従って行った。MICは感染性微生物の(生体外)増殖を抑制し得る抗生物質の最も低い濃度として定義される。結果をmlあたりのマイクログラムで報告する。医療用抗生物質について、生体外データの解釈は、ドラッグの達成できる血清濃度基づき、これは投与量、投与ルート、タンパク結合の度合い、感染の部位、患者の年齢と体重、および他のファクタによって変化し得る。MBCは、99.9%の初期の接種菌材料を殺菌するに必要とされる抗菌剤の最も低い濃度として定義される。
本発明の10ppmの銀組成物を試験し、試験した全ての菌についての静菌性および殺菌性の双方をみとめた。他の試験において、この組成物を、他の市販されているコロイド銀製品と比較し、試験した全ての他の調製物よりも優れた活性を有することが見出された(データは示さない)。
1.Silver-CASRN 7440-22-4 についての U.S. EPA IRIS レポート
2.Fox CL, Modak SM. Mechanism of Silver Sulphadiazine Action on Burn Wound. Infections. Antimicrobial Agents Chemother. 5:582-588. 1974
3.Furchner, JE, Richmond CR, and GA Drake. Comparative Metabolism of Radionuclides in Mammals. IV. Retention of Silver-110m in the Mouse, Rat, Monkey, and Dog. Health Phys. 15:505-514. 1968
4.Grier, N. Silver and its Compounds in Disinfection, Sterilization, and Preservation. (Seymour S. Block, ed) 2nd Edn. pp 395-407. 1977.
5.Hinder, JA, and JH Jorgensen. Procedure in Antimicrobial Testing in Diagnostic Microbiology.(CR Mahon and G Manuselis, eds.) pp 63-91. 1995.
緑膿菌、豚コレラ菌、および黄色ブドウ球菌(Streptococcus aureus)に対する32ppmの銀組成物の有効性の証明
A.方法
緑膿菌ATTCC#15442、豚コレラ菌ATTCC#10708、および黄色ブドウ球菌ATCC#6538を、AOAC(Association of Official Analytical Chemists AOC mehods, vol.1 15th edition, 1990, AOAC Arlington, VA)公式方法955.14、95515および964.02を用いて試験した。栄養ブロス(NBAOAC)チューブに保存培養物から接種し、そのチューブを32±2℃でインキュベートした。栄養ブロスの新しいチューブへの移動を3連日行い、最終的に移動したものを37±2℃で48〜54時間インキュベートした。シュードモナス培養物を新しいチューブにデカントし、その菌膜(pellicle)を取り除いた。他の培養物を3〜4秒間ボルテックスし、室温で10分間放置した。最終的に、当該培養物をペプトン水(PEPW)中に1:100で希釈し、そこにウマ血清を加えて、5%総菌チャレンジ(total organic challenge)を得た。使用前に、テストキャリア(8mmの外径および6mmの内径を有する10mm長ポリッシュ304ステンレススチールシリンダ)を、チャレンジ溶液(challenge solution)中に浸漬し、取り出し、排液し、37±2℃で40±2分間乾燥させた。
黄色ブドウ球菌を用いた初期の試験は、サンプル#1および#2についての結果は合格であるが、サンプル#3は不合格であることを示した。調査の結果、サンプル#3は出荷前に損傷を受けていた可能性があると判断された。新しいボトルをサンプル#3と同じロットから得て、この新しいボトルをサンプル#4をラベルした。黄色ブドウ球菌攻撃を、サンプル#4を用いて繰り返した。AOACガイドラインは、いずれものある時点と菌について、1つのキャリアのみが、テストされた各ロットについての増殖が許されると明記している。
A. 実施例の目的
この実施例の目的は、サルモネラ種の5つの菌株のカクテルまたは大腸菌 O157:h7を高い接種濃度(1x106 cfu/cm2)および別に低い接種濃度(1x104 cfu/cm2)( cfu = コロニー形成単位)で外表面に接種したビーフフランクステーキ(beef flank steak)のサンプルにおいて、本発明による銀ベース組成物の実施態様の抗菌活性を実証することである。
[ビーフサンプル] ビーフ組織サンプルは、屠殺した家畜(slaughter hauses)から、内臓摘出後8時間以内に得た。冷蔵庫内において、吊り下げた胴体から第11肋骨と第12肋骨の間を切開し、その後本来の溝に沿って筋肉を剥がし出すことによって腹直筋を得た。無菌的に採取したサンプルをプラスティック製バッグおよび冷却パックに入れ、同日に研究室へ移した。研究室では、サンプルを迅速にMulti-Vac (A-300)に充填し4℃の冷蔵庫に置いた。試験に使用するサンプルは、pHが5.8から6.0の間であり、内臓摘出から36時間以内の状態であった。無作為に選択した腹直筋から、13 x 8 cmのサンプルを切り出し、処理した。処理の後、個々のサンプルから、3.5 cm2のステンレススチール製火炎滅菌済みくりぬき装置および手術用メスを用いて、サンプリングの間隔おきに無菌的に2つの肉の核(meat cores)を採取した。組織の核(tissue cores)を25 mlの0.1%ペプトンを入れた滅菌したストマッカーバッグ(stomacher bag)に移し、ストマッカー(Lab Bender 400)で2分間混合した。段階希釈液を作製し、処理から0分、20分、1時間、4時間、および24時間後に選択培地および回復培地(recovery media)にらせん状にプレーティングした(spiral plated)。
本発明による32 ppm銀の組成物の使用は、ビーフステーキにおける細菌の減少を生じさせた。以下において、この減少は、0時での対照における細菌の数と、サンプリング時(即ち、処理の時)での処理試料における細菌の量との割合のlog10として表されている。
[水中の銀の結果] サルモネラでは、細菌の開始レベルが低い場合(104)、以下の対数減少が記録された:0分のとき0.41、20分のとき0.43、60分のとき0.48、および240分のとき0.68。細菌の開始レベルが高い場合(106)、以下の対数減少が記録された:0分のとき0.24、20分のとき0.24、60分のとき0.42、および240分のとき0.61。この結果は、本発明の22ppm銀の実施態様が、ビーフステーキ上のサルモネラに対する有効な殺菌効果を備えていることを示している。
[水中の銀組成物の結果]サルモネラでは、細菌の開始レベルが低い場合(104)、以下の対数減少が記録された:0分のとき0.38、20分のとき0.41、60分のとき0.39、および240分のとき0.61。細菌の開始レベルが高い場合(106)、以下の対数減少が記録された:0分のとき0.24、20分のとき0.21、60分のとき0.41、および240分のとき0.54。この結果は、本発明の10ppm銀の実施態様が、ビーフステーキ上のサルモネラに対する有効な殺菌効果を備えていることを示している。
A. 実施例の目的
この実施例の目的は、様々なヒトの病気を治療するための本発明による銀ベース組成物の有用性を実証することである。この項における研究は、西アフリカのガーナにおいて、Kwabiah医師の指揮の下、空軍基地病院(Air Force Station Hospital)にて、Sr. Sackeyの指導の下、コレブ教育研究病院(Korie-Bu Teaching Hospital)にて、およびAbraham医師の下、ジャスタブ臨床/産婦人病院(Justab Clinic/Maternity Hospital)にて行われた。計58人の患者に対して、本発明による10ppm銀を含む銀/水組成物を用いた治療を行った。組成物を、従来の抗生物質の代わりに、内部および外部の両方から使用した。治療する病気は、マラリア、上気道炎、尿路感染症、副鼻腔炎、膣酵母感染症、眼、鼻および耳の感染症、傷口、真菌皮膚感染、および淋病といった性感染症を含んだ。
[腹痛および下痢] 方法は、応答があるまで1日に1から5回、経口的に約2-25 mlの銀組成物を投与する工程を含む。1人の患者を、1日に3回、約10 ml (小さじ約2杯)の本発明による組成物で治療した。患者は、1日で完治した。
[副鼻腔炎および鼻炎] 方法は、応答があるまで1日に1から5回、鼻に銀組成物を投与する工程を含む。鼻の感染症を患う6人の患者(4人が副鼻腔炎および2人が鼻炎)に、それぞれ1日に3回、鼻の通路に約2滴の本発明による組成物で治療した。患者は、4日以内に完治を示した
[扁桃炎] 方法は、応答があるまで1日に1から5回、うがい薬(gargle)として銀組成物を投与する工程を含む。1人の患者を、1日に3回、本発明による組成物で治療した。患者は、7日以内に完治を示した
[上気道炎] 方法は、応答があるまで1日に1から5回、経口的に銀組成物を投与する工程を含む。2人の患者を、1日に3回、約5 ml (小さじ約1杯)の本発明による組成物で治療した。患者は、6日以内に完治を示した。
これらの結果は、本願で報告される様々なin vitro試験と一致する。本質的に、銀組成物は、in vitroにおいて、多くの微生物に対して非常に有効である。しかしながら、試験は、大量の生物材料(organic material)が存在したとしてもこの有効性が存在し続けることを示している。銀組成物は、生物的背景(organic background)が極度に高いin vivoにおいて、広く有効である。多くの他の消毒薬剤は、大量の生物材料が存在すると効力が無く、および/または、腐食性および毒性がありすぎてin vivoで使用できない。
さらに、その他の管理された研究がガーナで行われた。この研究の目的は、非常に特異的なプロトコールの利用、および、マラリアに罹った患者に対する、本発明による10 ppm銀/水組成物の治療的特性に限定して焦点を当てることであった。
プロトコールの詳細:
試験に関与した医学博士(MD)の数:2人
医師当りの試験された患者の数:16人、うち8人が男性および8人が女性
試験の全日数:15日。
使用した血液試験:患者の血液中における寄生生物の存在(または非存在)を、個々の患者から得た薄いまたは厚い血液スメア(thin or thick blood smears)にて、アクリジンオレンジ染色試験、またはギムザ染色試験をおこなって決定した。実際にマラリア陽性であることを確認するために、患者の血液を0日において試験した。血液試験によってマラリア陽性であることが確認された場合、その後、試験への許容性について審査した。審査には、名前、年齢、患者が申告した疾病の発症といった生命に関する情報の記録、試験中何が要求されるか、十分な服薬遵守のためにどのような注意を払うことになるか、および服薬遵守できない場合、試験から離脱し報酬が受け取れないという事実の患者への告知を含んでいた。試験への参加に同意した患者には、銀生成物をそれぞれの日にどのように摂取するか、それぞれの日に血液検査のためにどこへ行くかを通知し、何れの日にも注意を払うようにするために、試験のプロトコールに完璧に準拠する必要性を強調した書面による一連の説明書を渡した。
導入
地球規模で、マラリアは、これまでそして現在でも公衆衛生に関する主要な問題である。疾病は、プラスモディウム属の寄生性原生動物が原因である。この生物の生活環は複雑で、寄生生物は、無脊椎動物(蚊)宿主中での有性生殖と、脊椎動物宿主(哺乳類に加え、脊椎動物宿主として鳥類および爬虫類もマラリア寄生生物の宿主となる)における無性生殖との間で状態を変える。蚊における生活環の一部は、伝播生殖相であり、摂食の際に脊椎動物宿主にベクターが注入されて、種虫の形成が引き起こされる。種虫は、増員生殖相を誘導し、赤血球および赤血球外の部位にて寄生生物が増殖する。寄生生物は、伝播生殖相の間は細胞外に存在するが、発生において増員生殖段階では細胞内へと位置を移す。寄生生物のin vitro培養では、生活環の伝播生殖相においては蚊のベクターの状態を模すことを必要とし、増員生殖相においては、無脊椎動物宿主の赤血球外および赤血球の部位における増殖を促進する状態を模す必要がある。
この寄生生物は、幾つかの重要な特徴を有している。これらには、半月状の配偶子母細胞、後半の増殖速度の低下、およびその他の霊長類マラリア性寄生生物では見られない、核周辺への色素の局在(核周囲分布)が含まれる。
クエン酸食塩水(citrated saline):
塩化ナトリウム 9 gm
クエン酸ナトリウム 20 gm
蒸留水 1000 ml
ギムザ染色液:
ギムザ染色粉末 75 gm
無水アルコール 75 ml
グリセロール 25 ml
フィールド染色液(Field’s Stain):
[フィールド溶液 # 1]
1.1.6 gのメチレンブルーを1リットルの蒸留水に溶解する。
2.2.6 gのNa2HPO4(無水)を工程1の溶液に溶解する。
3.1 gのアズール1を工程2の溶液に溶解する。
4.2.6 gのKH2PO4を工程3の溶液に溶解する。
5.45分から1時間、穏和に加熱し撹拌または振盪する。
6.24時間室温で静置する。
7.ろ過する。
フィールド溶液 # 2
1.2 gのエオシンYを1リットルの蒸留水に溶解する。
2.2.6 gのNa2HPO4を工程1の溶液に溶解する。
3.2.6 gのKH2PO4を工程2の溶液に溶解する。
4.ろ過する。
ライト染色液:
ライト染色粉末 6.0 g
ギムザ染色粉末 0.6 g
メタノール 1,000 ml
一晩撹拌し使用前にろ過する。
[血液型AB+のヒト血清/血漿]
血液型A+のヒト血清/血漿
RPMI-1640不完全培地
(パレル(Parel)、ハイフカン研究所(Haffkine Institute)Sutar博士との個人的交流)
RPMI-1640完全培地
(パレル、ハイフカン研究所Sutar博士との個人的交流)。
寄生した赤血球を、ボンベイのカストゥルバ感染病病院(Kasturba Infectious Disease Hospital)にてプラスモディウムビバックスおよびプラスモディウムファルシパルムマラリアと臨床的に診断された症例から、静脈穿刺によって1 mlのクエン酸食塩水中に6 mlアリコートの血液を回収することで得た。血液サンプルを、10 mlの滅菌バイアルに回収した。サンプルを、薄いスメアを作り、そのスメアを10%ギムザ染色液/フィールド染色液 /ライト染色液で染色することで試験し、マラリア寄生生物の種の同定および確認を行った。サンプルの寄生虫血症(parasitemia)のパーセントのレベルを記録した。
培養液を週に2回洗浄した。洗浄のために、培養液をプレートから採取し遠心チューブに移した。約5 mlの不完全培地をそれぞれの遠心チューブに添加し、徹底的に混合した。チューブを1000-1500 rpmで約10分間遠心した。約10分後、チューブを遠心機から取り出し、上清の液体をデカントした。その後、培養液をさらに2回同様に洗浄した。つまり、不完全RPMI-1640で1回および完全RPMI-1640培地でもう1回洗浄した。3度の洗浄の後、培養液を、別々のペトリ皿へと移した。スメアをそれぞれの培養液で作製し、ギムザ/フィールド/ライト染色液にて染色した。約1.5 mlの培地をそれぞれのプレートに添加し、スメアを光学顕微鏡にて寄生指標を調べ、または、それぞれの培養液の%寄生虫血症を記録した。新鮮な赤血球を毎週それぞれのプレートに添加した(Pradhan, 1984)。
プレート由来の1滴の培養液をマイクロスライドにとった。薄いスメアを作り、風乾させた。このスメアを、無水アルコールを含んだカップリングジャー(coupling jar)中にスライドを浸漬して固定した。10%のギムザ染色溶液を作製し、スメアの染色に使用した。スライドを、30-40分間10%ギムザ染色溶液中に浸して保持し、その後水道水で洗浄した。
薄い血液スメアにて赤血球100当りの寄生生物の数を数えて、寄生指標を算出した。この目的のため、少なくとも100視野または10,000赤血球を観察した。
プレート培養液を5%血球容量および約1%寄生虫血(parasitemia)に作製した。最初の寄生虫血が低いほど、in vitro増殖の際に生じる寄生生物の数の増加は大きくなる。
16 mm平底滅菌Microwellプレートを、薬剤感受性試験のために使用した。1つを、1つのサンプルのために使用した。最初に2つのウェルを対照として使用し、50μlの患者BMMまたは培養液および50μl RPMI完全培地を入れ薬剤は添加しなかった。試験のために、50μlの培養液または患者BMMを、50μlの様々な濃度の人工銀微粒子(ESNP)を含んだウェルに混ぜいれた。Microwellプレートに蓋をし、約37℃でキャンドルジャー(candle jar)中で約48時間インキュベートした。ほとんどの寄生生物が、48時間のインキュベーションの終わりに、分裂前体段階に入る。インキュベーション後、マイクロピペットを用いて、上清の培地を除去した;それぞれのウェル由来の血液をスメアの作製のために採り、分裂前体の発生を観察した。染色したインキュベーション前およびインキュベーション後のフィルムにおける寄生生物の数の計測、および分裂前体形成のESNPが関連した阻害から、試験を評価した。妥当性の試験のために、対照ウェルは、≧10%の分裂前体形成を示すべきである(Wernsdorfer and Wernsdorfer, 1995)。
A. 目的
この実施例の目的は、結核を引き起こす細菌に対する、本発明による銀組成物の有効性を実証することである。この実施例は、本発明の結核菌撲滅性効果の評価のための方法を記述する。方法論は、1985年12月11日にEPAに認められた結核菌撲滅性活性試験法に基づく(米国環境保護庁, 1986 農薬および毒性物質部門、結核菌撲滅性要求による全抗菌性農薬のための結核菌殺菌効果データのためのデータ呼び込み通知(United States Environmental Protection Agency, 1986. Office of Pesticides and Toxic Substances. Data Call-In Notice for Tuberculocidal Effectiveness Data for All Antimicrobial Pesticides with Tuberculocidal Claims.) (1986年6月13日受理)参照)。
[材料] 本発明による銀組成物は、10ppmの水中の銀である。銀組成物は、液体対液体マトリックス(liquid to liquid matrix)を用いて、マイコバクテリウムボビスBCG (TMC 1028)に対して評価した。この生物は、動物に結核を引き起こし、ヒトの結核を引き起こし得る。それは、ヒトの結核の主な原因となる結核菌の「代役」として使用される。というのは、それが、結核菌と同様の罹患率を有することが試験より示されたためである。試験生物は、二重で、4回にわって銀組成物にさらし、膜ろ過を用いて定量した。
チャレンジ培養液の開始力価は、4.7 x 107 cfu/mlであった。陽性対照力価は、6.5 x 106 cfu/mlであった。この研究で使用された培地は、ブランクの培地と比較した場合に消毒薬/中和物溶液において95.2%の回収率(recovery)であり、有効な中和が実証された。
本発明による銀組成物の使用は、結核細菌に対して有効である。本発明による銀組成物を投与する工程を含む方法は、結核生物に対して有効である。
A. 実施例の目的
この実施例の目的は、カンジダ・アルビカンスATCC 10231、膣トリコモナス ATCC 20235、および薬剤耐性黄色ブドウ球菌 ATCC BAA-44に対する本発明の銀組成物の有効性を例証することである。
10ppmの水中の銀を含む本発明による組成物でUSP保存剤急速負荷試験(Preservative Rapid Challenge Test)を行い、以下の結果を得た。これらの結果は、本発明による銀組成物が、酵母感染、原生動物感染、および薬剤耐性細菌感染に対して効果的であることを示している。
A. 実施例の目的
実施例の目的は、B型肝炎に対する本発明による銀組成物の有効性の例証である。この実施例は、本発明による銀組成物が抗ウイルス特性を有することを示している。抗ウイルス療法にて使用される何れの薬剤も細胞毒性をほとんど示さないまたは全く示さないべきであり、そのため銀組成物の細胞毒性を分析した。
本願の開示による10ppm、14ppm、22ppm、および32ppm銀組成物を含む溶液を使用した。ヌクレオチドdATP、dGTP、dCTP、および[3H]-dTTPは、標準的な市販源から入手した。化合物ラミブジン(合成抗レトロウイルス剤)およびジドブジン(AZT)も同様にした。単離されたB型肝炎ウイルスを、B型肝炎感染症を患う患者から、インド、ムンバイのハフィン研究所(Haffine Institute)(WHO公認試験機関)にて新鮮な状態で入手した。試験細胞培養(VeroおよびHep2)を、典型的な細胞培養法にて、一層でコンフルエントになるまで培養した。
1)DNA合成酵素阻害試験の方法
[全体的アプローチ] ヒトの患者由来のB型肝炎ウイルス抽出液を、放射線標識ヌクレオチドおよび活性阻害剤とともにインキュベートする。パーセント阻害は、陽性対照としてのラムブジンおよび陰性対照としてのリン酸緩衝食塩水(PBS)と比較して合成された、新規なウイルス核酸の量を基礎として算出する。
Poly(A)dT(RTのためのプライマー)を有するモロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(MoMuLV)の市販のウイルス酵素製剤を用いた。50 mlのMoMuLV製剤を、dATP、dGTP、dCTP、および[3H]-dTTPヌクレオチドの混合物と合わせた。
3-4日おきにパッセージすることで維持した、健康でコンフルエントなVeroおよびHep2細胞培養から細胞を作製した。試験の1日前に、標準的方法を用いて培養液から細胞を取り出し、増殖培地に懸濁し、マイクロタイタープレートのウェルに分配し、37±2℃の5% CO2インキュベーターに入れた。それぞれの試験物質のアリコート(100 ml)を、対照としての100 mlのPBSとともに、ウェルに(三重で)入れた。24時間おきに、ハイパワーの倒立顕微鏡で観察し、何らかの細胞変性効果(CPE)がないか確認した。全ての結果が以下の表5に示してある。
A. 目的
試験は、発明に係る組成物の飲料水の消毒における有効性の実証のために行った。
未処理の川の水のサンプルに、2回の白金耳量のクレブシエラオクストカを混入させた。100 mlアリコートのこの混入水溶液に、発明に係る銀組成物を0.05ppm、0.1ppm、0.2ppm、0.5ppm、または1.0ppmで加えた。5-60分のインキュベーションの後、サンプルを膜ろ過した。フィルターを約100 mlの滅菌水でリンスした。フィルターを無菌的にフィルターハウジングから取り、大腸菌用栄養寒天プレートにのせた。プレートを増殖条件で24時間インキュベートし、計測した。
環境保護局(EPA)は、病院、医学的環境、居住環境、商業用建物、および仕事場で使用される幅広い表面消毒薬として、本発明による32ppm銀組成物を承認した。そこは、以下を含む最も致死性のある病原体のいくつかに対する使用を認証した:黄色ブドウ球菌(アメリカの病院において現在最も致死性のある細菌と考えられている)といったグラム陽性細菌、豚コレラ菌(食中毒の原因となる)といったグラム陰性細菌、および緑膿菌(しばしば火傷および傷口にてみられる)といった院内または院内獲得病原体。
A.例の目的
本例の目的は、試験菌であるペスト菌であって腺ペストの病原因子に対する本発明の銀組成物(ここでは、10ppmの銀、14ppmの銀と1.5重量%の過酸化水素、および32ppmの銀)の抗微生物活性を示す。ペスト菌懸濁液を用いる標準的な殺菌時間アッセイを行うことにより、本発明の銀組成物が腺ペスト細菌にたいしても有効であることが示された。
ペスト菌の菌株D27を、コロンビア(Columbia)寒天プレート上で、約24時間30℃で、5%CO2インキュベータ中で増殖させた。プレートから増殖したものを、3mlの滅菌HPLC水を用いて懸濁液中にかきとった。懸濁液を50mlの円錐状の遠心分離管に移した。その後プレートをさらに2mlのHPLC水を用いてすすいだ。このすすいだものを遠心分離チューブに加えた。チューブを3,500×gで5分間遠心分離した。上清を捨て、ペレットを1mlのHPLC水中に再懸濁すると、mlあたり約1010の最終濃度を与えた。
1.試験する9.9mlアリコートの銀組成物を滅菌の20mm×150mmチューブ中に入れた。チューブを20℃の水浴中で平衡化させた。
2.銀組成物のチューブに、ゼロ時において100mlの試験菌懸濁液を接種し、混合物を生じた。チューブを即座にボルテックスし、水浴に戻した。
3.10ppmまたは32ppmの銀については2分、3分、4分および5分において、14ppmの銀と1.5v/vのH2O2については2分、4分、6分および8分において、1mlの菌/銀混合物を、250ml三角フラスコ中の99mlの中和剤に移した。このフラスコを十分に混合した。
4.中和された懸濁液を即座に連続的に、生理食塩水溶液(PSS)中で1:10に希釈した。
5.選択された希釈チューブおよびフラスコ中の生菌の数を膜ろ過によりアッセイした。1mlアリコートをデュープリケートでおいた。膜を約150ml(またはサンプルを中和剤フラスコから取り出す場合には250ml)の滅菌済みのリン酸緩衝生理食塩水を用いて洗浄し、コロンビア寒天プレートを除去した。4および5分の中和剤フラスコの全部の残存内容物をプレートした。プレートを30℃で5%CO2インキュベータ中72時間インキュベートした。
6.各フィルタ上のコロニー数を数え、対数減少を計算した。
以下の表Aは、種々の病原菌およびヒトのかかる病気に対する本発明の銀組成物の効果に関する上記の結果のまとめを包含する。いくつかの場合において、示されるデータは上で繰り返されない。しかしながら、この結果は、上で説明した手順を用いて得られ、従って、当業者は容易にこの結果を反復することができる。
現代の創部のケアについては、最適な治療は無菌状態に保たれ、かつ乾燥および環境汚染物から保護されるべきであるという事実が認められている。伝統的な絆創膏が、環境汚染物からの保護を提供するのに有効であるが、乾燥を防ぐという点においては大体は効果がない。絆創膏は、種々の殺菌剤物質の添加を通じて抗微生物とされ得るが、これらの物質はしばしば刺激が強く、病原菌と共に細胞を殺すか体にダメージを与える。最近、創部のケアはヒドロゲル材料により一変され、これは半固体(アモルファス材料)または柔らかいシート状材料として利用できる。ヒドロゲルは親水性であるため、創部の乾燥を防止する。シート状材料は、環境汚染物を遮断するという点において有効であり、またその親水性性質のため、ヒドロゲルは実際は、創部から染み出す過剰な流体を吸収することができる。
1.抗菌(antibacterial)性、
2.物理的性質および化学的性質
1.外観
2.匂い
3.pH
4.感触
5.密度
6.起泡性
7.流動性
について第一に分析した。
この調合において、銀溶液は活性成分(抗微生物剤)として用いる。この具体的な調合において唯一の希釈剤でもある。
1.外観 無色の透明な液体
2.匂い 無臭
3.pH 5.0
4.感触 該当なし
5.密度 1.0
6.起泡性 該当なし
7.流動性 該当なし
[カルボポール(Carbopol)]
カルボポールは、カルボキシポリメチレンまたはカルボキシビニルポリマーとして化学的に知られている。これはアクリル酸のコポリマーであり、高度にイオン性(すなわち、親水性)であり、またわずかに酸性の化合物である。最大の粘性率を得るために、カルボポールポリマーを中和する必要がある。これは、調合分野、化粧品分野および捺染分野において、増粘剤、懸濁化剤、分散剤および乳化剤として用いられる。この調合において、カルボポールはゲル化剤または増粘剤として用いられる。
B.物理的性質および化学的性質
1.外観 乾燥、白色パウダー
2.匂い 無臭
3.pH 該当なし
4.感触 該当なし
5.密度 該当なし
6.起泡性 該当なし
7.流動性 該当なし
[トリエタノールアミン]
(TEA)C6H15NO3(分子量:149.19)
この調合において、トリエタノールアミンであるアルカリ化剤は、カルボポールを中和し、粘性率を上げる。これはまた、活性剤の浸透力を上昇させる。
B.物理的性質および化学的性質
1.外観 無色の粘稠液
2.匂い わずかにアンモニア臭
3.pH 該当なし
4.感触 該当なし
5.密度 1.1242g/cc
6.起泡性 該当なし
7.流動性 該当なし
[プロピレングリコール]
C3H8O2 分子量:76.09
プロピレングリコールは、1:2プロパンジオールとして化学的に知られている。当該調合においては保湿剤および感触改変剤(feel modifier)として用いられる。
B.物理的性質および化学的性質
1.外観 無色の粘稠液
2.匂い 無臭
3.pH 該当なし
4.感触 該当なし
5.密度 1.036gm/cc
6.起泡性 該当なし
7.流動性 該当なし
標準的な配合を作成したら、多くのバッチを製造し、可能性のある範囲の配合物を検討する。行われた19の実験から、以下の観察結果に至った。
2.カルボポール量の増加は、ゲルの粘性率を上昇させる。
3.カルボポールのパーセンテージが高いほど、粘着性が高い。
カルボポールベースのゲル調合物を、pH、感触、粘着性および稠度について標準化させる必要がある。この点を考慮して、メインバッチを用意する前に、適切な品質と感触の製品を得るために、水相として水を用いる実験用バッチを用意した。
パートA:蒸留水 83.50g
カルボポール 00.62g
NaOH 18% 00.60g
パートB:蒸留水 1.00g
プロピレングリコール 5.00g
NaOH 18% 1.50g
手順:パートAから所定の量の蒸留水を量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながら蒸留水にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でNaOH18%を加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 10.8
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:蒸留水 83.50g
カルボポール 00.62g
TEA 01.20g
パートB:蒸留水 1.0g
プロピレングリコール 5.0g
TEA 1.5g
手順:パートAから所定の量の蒸留水を量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながら蒸留水にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 7.9(SOP−08)
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:蒸留水 86.00g
カルボポール 00.62g
TEA 01.20g
パートB:蒸留水 2.00g
プロピレングリコール 5.00g
TEA 1.50g
手順:パートAから所定の量の蒸留水を量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながら蒸留水にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 8.62
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:蒸留水 86.00g
カルボポール 00.62g
TEA 01.00g
パートB:蒸留水 2.00g
プロピレングリコール 5.00g
TEA 1.50g
手順:パートAから所定の量の蒸留水を量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながら蒸留水にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 8.5
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:蒸留水 86.0g
カルボポール 0.62g
TEA 1.20g
パートB:蒸留水 2.00g
プロピレングリコール 7.00g
TEA 1.50g
手順:パートAから所定の量の蒸留水を量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながら蒸留水にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 8.7
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:蒸留水 85.00g
カルボポール 00.62g
TEA 01.00g
パートB:蒸留水 1.00g
プロピレングリコール 5.00g
TEA 1.40g
手順:パートAから所定の量の蒸留水を量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながら蒸留水にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 8.4
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:蒸留水 172g
カルボポール 1.24g
TEA 2.40g
パートB:蒸留水 6.0g
プロピレングリコール 10g
TEA 2.80g
手順:パートAから所定の量の蒸留水を量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながら蒸留水にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 8.28
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:銀溶液(32ppm) 86g
カルボポール 0.62g
TEA 1.20g
パートB:銀溶液(32ppm) 2.0g
プロピレングリコール 5.0
TEA 1.5g
手順:パートAから所定の量の銀溶液を量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながら銀溶液にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 8.65
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:銀溶液(32ppm) 172g
蒸留水 12g
カルボポール 1.24g
TEA 2.40g
パートB:銀溶液(32ppm) 6.00g
プロピレングリコール 10.0g
TEA 2.80g
手順:パートAから所定の量の銀溶液を量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながら銀溶液にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 8.54
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:銀溶液(32ppm) 172g
蒸留水 24g
カルボポール 1.39g
TEA 2.40g
パートB:銀溶液(32ppm) 6.00g
プロピレングリコール 5.00g
TEA 2.80g
手順:パートAから所定の量の銀溶液を量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながら銀溶液にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 8.43
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:蒸留水 98g
カルボポール 0.76g
TEA 0.56g
パートB:蒸留水 3.0g
プロピレングリコール 5.0g
TEA 1.4g
手順:パートAから所定の量の蒸留水を量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながら蒸留水にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 8.05
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:蒸留水 98g
カルボポール 0.76g
TEA 0.34g
パートB:蒸留水 3.00g
プロピレングリコール 5.00g
TEA 0.64g
手順:パートAから所定の量の蒸留水を量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながら蒸留水にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 6.35
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:銀溶液(32ppm) 86g
蒸留水 12g
カルボポール 0.76g
TEA 0.32g
パートB:銀溶液(32ppm) 3.00g
プロピレングリコール 5.00g
TEA 0.64g
手順:パートAから所定の量の銀溶液と蒸留水とを量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながらこの溶液にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 6.7
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:銀溶液(32ppm) 86g
蒸留水 12g
カルボポール 0.78g
TEA 0.32gm
パートB:銀溶液(32ppm) 3.00g
プロピレングリコール 5.00g
TEA 0.64g
手順:パートAから所定の量の銀溶液と蒸留水とを量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながらこの溶液にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 6.6
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:銀溶液(32ppm) 86g
蒸留水 12g
カルボポール 0.68g
TEA 0.40g
パートB:銀溶液(32ppm) 5.0g
プロピレングリコール 7.0g
TEA 0.6g
手順:パートAから所定の量の銀溶液と蒸留水とを量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながらこの溶液にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 6.72
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:銀溶液(32ppm) 86g
蒸留水 12g
カルボポール 0.64g
TEA 0.40g
パートB:銀溶液(32ppm) 5.0g
プロピレングリコール 7.0g
TEA 0.6g
手順:パートAから所定の量の銀溶液と蒸留水とを量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながらこの溶液にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 6.87
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:銀溶液(32ppm) 86g
蒸留水 12g
カルボポール 0.62g
TEA 0.4g
パートB:銀溶液(32ppm) 5.0g
プロピレングリコール 7.0g
TEA 0.6g
手順:パートAから所定の量の銀溶液と蒸留水とを量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながらこの溶液にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 7.05
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 非常に粘着性がある。
パートA:銀溶液(32ppm) 86g
蒸留水 12g
カルボポール 0.58g
TEA 0.4g
パートB:銀溶液(32ppm) 5.0g
プロピレングリコール 7.0g
TEA 0.6g
手順:パートAから所定の量の銀溶液と蒸留水とを量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながらこの溶液にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 7.40
2.流動性 90℃≧ >5分
45℃≧ >5分
3.粘着性 スムーズ。
パートA:銀溶液(32ppm) 86g
蒸留水 12g
カルボポール 0.54g
TEA 0.4g
パートB:銀溶液(32ppm) 5.0g
プロピレングリコール 7.0g
TEA 0.6g
手順:パートAから所定の量の銀溶液と蒸留水とを量り取り、水浴中で70℃に保持する。塊を回避するために絶えず撹拌しながらこの溶液にカルボポールを加える。ここに20分後に70℃でTEAを加える。パートBからの全ての成分を量り取り、水浴中で70℃に15〜20分間保持する。パートAにパートBを加え、10〜15分間撹拌する。これを室温にまで冷却して分析する。
結果:1.pH 7.65
2.流動性 90℃≧ >1分
45℃≧ >2分
3.粘着性 スムーズ。
蒸留水 100gm
カルボポール 5.80gm
TEA 4.00gm
パートB:ASAP溶液 50.0gm
プロピレングリコール 70.0gm
TEA 6.0gm
収量1.0Kg 水分の蒸散についての調整後
手順:清潔な滅菌容器中に、必要量の蒸留水と銀溶液を入れる。撹拌しながら溶液の温度を70℃に上げる。連続的に撹拌/均一化しながら微量ずつカルボポールの添加を初める。全てのカルボポールを添加した後、30分間そのままにする。(バッチの大きさにより時間を調節する)。その後、フェーズA溶液(phase A solution)にTEAを加える。
2.流動性 >5分
3.粘着性 スムーズ
この調合を、10kgに直ちにスケールアップした。スケールアップ中に問題は直面しなかった。取り込まれた空気を除去し、一定の充填を確実にするために、真空アプリケーションによる脱気が推奨される。
銀コロイドヒドロゲルは、上に示したように広範囲に亘って試験したオリジナルの銀コロイドと同様の微生物学的性質を有すると推測することは理にかなっている。しかしながら、ゲルを生成するための親水性ポリマーの添加は、銀の微生物性質(microbial property)に干渉し得るか、または銀の拡散を阻止するために有効性が低減する可能性がある。従って、銀コロイド溶液において行ったものと同様の微生物学的試験を、銀コロイドヒドロゲルにおいて行った。
ヒドロゲルは、皮膚表面への銀の付着力を高める能力を有するために、ハンドスクラブとしてのゲルの有効性を評価した。このテストのために、ボランティアの手の1インチスクエアに印を付け、1gのゲルを用いてこすり洗いした。コントロールの領域を、滅菌蒸留水でこすり洗いした。これらの領域をスワブでふき取り、このスワブで寒天培地に画線した。スワブでのふき取りを4時間の間、各時間毎に繰り返した。画線したプレートを24時間37℃でインキュベートし、結果を評価した。
1Kgのバッチのゲルについては、以下に示すパートAおよびパートBの成分を用意する。
パートA
本発明の銀コロイド32ppm 860g
蒸留水 100g
Carbapol 6.8g
トリエタノールアミン 4.0g
パートB
本発明の銀コロイド32ppm 50g
プロピレングリコール 70g
トリエタノールアミン 6.0g
最初に必要量の蒸留水と銀溶液を撹拌器中に入れ、撹拌を始める。ゆっくりと Carbapol (Noveon,米国)を加える。カルボポールを分散させ、塊の形成を回避するために、撹拌は十分に激しくする必要がある。撹拌中、温度を60〜70℃に維持する必要がある。
ビーカー中でパートBの全ての成分を混合する。70℃に加熱し、激しく撹拌しながらパートAに加える。撹拌を続け、室温にまで冷却する。バッチの収量をチェックする。約1000gmのはずである。トリエタノールアミンはカルボポールをゲルにする。
例Aにおけるように全ての成分を調製するが、1%のコラーゲンの添加を含む。これは、ゲルに抗微生物性と共に、足場タイプ(scaffolding type)の創部の治癒の促進を有するコラーゲンの利点を与え得る。
例Aにおけるように全ての成分を調製するが、1〜5%の範囲のアロエの添加を含む。これは、さらなる創部治癒性質を与え得る。
例Aにおけるように全ての成分を調製し、1〜10重量%のマルトデキストリン(maltodextrin)の添加を伴う。これは、創部の肉芽形成を促すゲル配合を提供し得る。
22ppmおよび32ppmの本発明の銀コロイド溶液を用いて、カルボポールベースのゲルを調製することができた。上述したように調製したゲルは、もとの銀溶液の性質を維持しながら所定の位置に留まるというその能力のために、その溶液対応物よりも多くの利点を有する。薬剤のアモルファスヒドロゲル性質は、湿性の創傷治癒促進の利点と、温度衝撃を制限することにより熱創傷の重症度を制限するという利点を与える。さらに、活性剤であるコロイド銀溶液は、先の実験において細胞株について試験されており、細胞傷害性でないことが判っている。
1.抗微生物抑制領域(antimicrobial zone of inhibition)、
2.微生物チャレンジテスト、
3.微生物感染テスト、および
4.ドレッシング材の銀含有量
について示される点について評価されている。
清潔な手は、医療環境において、危険な病原菌の広がりおよび抗生物質に対する抵抗を防ぐ、最も重要な唯一のファクタであることが報告されている。よって、MMWR dated October 25, 2002/VOL 51/No RR-16 のガイドラインに従って、手の衛生用製品としての、SILGELとして知られるヒドロゲルの有効性をチェックすることとした。
必要な材料(SOP):
セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)の標準懸濁液(108cfu/ml)、水道水、滅菌ゴム手袋、無菌のサンプリング溶液、滅菌トリプシンダイズ寒天(triptic soya agar)、滅菌ピペット、滅菌試験管
方法
1. 5mlのセラチア・マルセッセンスの標準懸濁液を手、および手の表面に渡って塗布する。
2. 手、および前腕の下1/3に3mlのテスト材料を広げる。
3. 手に2mlの水道水を加え、これらを泡立てる(図1を参照)。
4. 水道水で、30秒間、RTにおいて手と前腕をすすぐ。
5. 工程2〜4の手法を繰り返す。
6. 1回目、3回目、7回目および10回目の洗浄の後、サンプリングに用られる滅菌ゴム手袋を左右の手の上にはめる。
7. 75mlの無菌のサンプリング溶液を手袋中に注ぎいれる。
8. 手の全表面を1分間マッサージする。
9. 滅菌トリプシンダイズ寒天を用いる生菌数方法による定量分析のためにサンプルを無菌で得る。
プレートを37℃で24時間インキュベートする。
上記したSOPにおける手順を用いた。
用いた菌株:16時間後の古いセラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)の培養物(おおよその濃度は、108CFU/ml)
インキュベーション温度:37℃
インキュベーション時間:24時間
評価製品:Silgel 22および32ppm、Spitaderm、Liquid clean、Sterillium
結果:結果を表15a〜15e、16a〜16eに示す。
イントロダクション
ヒドロゲルドレッシング材は、部分層創傷および全層創傷、深い創傷(アモルファス、浸透させたガーゼ)、壊死またはかさぶたを伴う創傷、軽い火傷、または照射により損傷を受けた組織を扱うための一次ドレッシング材として(アモルファス、浸透させたガーゼ)、または一次若しくは二次ドレッシング材(シート)として用いることができる。
・痛みを鎮静し和らげる
・創傷床に水分を補給する
・自己融解デブリードメント(autolytic debridement)を促進する
・ベッドスペース(bed space)をふさぐ(アモルファス、浸透させたガーゼ)
・最小限から中程度の吸収を提供する
・創傷に容易に適用し、除去できる
・感染が存在する場合にも用いることができる
・創傷床の観察を提供する
欠点
・かなりの滲出液を伴う創傷については通常推奨されない
・時として二次ドレッシング材を必要とする
・カバーしないと容易に水分を失う
・時として入手が困難であり得る
・時として浸軟を引き起こし得る。
本発明のヒドロゲルを、志願者の創傷ドレッシング材料として、シート形態で調製した。ヒドロゲルのシート形態は、交互にSILDERMと呼ぶこともある。
SILDERM−水分蒸散
目的
・SILDERMの水分蒸散を測定する。
必要な装置
・化学天秤
必要な材料
・プラスチックトレイ
方法
・空のトレイの重量を測定する
・このトレイの上にSILDERMシートを載せる
・トレイ+SILDERMシートの重量を測定する
・t=0時間としてこの測定値を記載する
・1時間毎に測定値を調べる
・終夜で測定値を調べる
・時間に対する水分蒸散のグラフをプロットする
・水分蒸散のパーセンテージを決定する
結果:以下の表17と図34を参照のこと
目的
・脱水したSILDERMの吸湿能力を決定する
手順
必要な装置
・化学天秤
必要な材料
・ビーカー
方法
・グラムでSILDERMシートの重量を測定する
・t=ゼロ時間としてこの測定値を記載する
・ビーカーに水を満たす
・SILDERMシートをビーカー中に完全に浸るように入れる
・1時間間隔で、シートを取り出し、ぬれたまま干し、その重量を測定する
・終夜で測定値を調べる
・時間に対する吸湿のグラフをプロットする
・脱水したゲルの吸湿のパーセンテージを計算する
結果:(以下の表18および図35を参照のこと)
目的
・SILDERMからの銀ナノ粒子の徐放の測定
方針
・ヒドロゲルドレッシングシートは、通常、創部に48〜72時間置かれる。この状況において、銀放出に関するこの時間に亘るドレッシング材の抗微生物活性を決定することが望ましいであろう。
・インキュベータ、ラミナーフロー(Laminar Flow)
必要な材料
・滅菌寒天培地、滅菌綿棒、マイクロピペット(容量100μl〜1000μl)、16時間後の古い緑膿菌(野生型)の培養物
方法
・SILDERMを4cm×3cmにカットする
・緑膿菌(野生型)を綿棒で塗った寒天培地上にSildermを置く
・37℃で18時間インキュベートする
・縦横にインキュベーションの領域をチェックする
・新たに緑膿菌を綿棒で塗布した寒天培地上に同じSILDERMピースを置く
・上記をインキュベートする
この手順を最低7日間繰り返す
結果:プリンティング時に、SILDERMは、以下の表19に示すように3回の移動(transfer)について抑制活性を示した。
ペプトン 10.0gm
塩化ナトリウム 5.0gm
ミートエキス 3.0gm
蒸留水 900ml
寒天 2.5gm
pH 7.2±0.2
さらに、以下のものをもって、SILDERMの配合をすることが可能である。
・コラーゲン
人体中最も豊富なタンパク質であるコラーゲンは繊維状で不溶性であり、繊維芽細胞により生成される。その繊維は、皮膚、骨、靱帯および軟骨を含む結合組織中に見られる。創傷治癒中、コラーゲンは、創傷床において新しく形成されるコラーゲン繊維および肉芽組織の堆積および組織化(organization)を促進する。また、治癒を促す環境を形成する、新しい組織発達および創傷デブリードメントを模擬する。
・マルトデキストリン(Maltodextrin)
マルトデキストリンは創傷治癒プロモータであり、これはマクロファージ活性化および誘引(attraction)により治癒を加速し、これにより感染を減じ、および肉芽形成を促進する。
・血小板由来増殖因子(PDGF)
PDGFは、創傷治療および肉芽組織の形成を高めることに関与する、細胞の走化性(chemotactic)の補充および拡散を促進する。これは、下肢の糖尿病神経障害性潰瘍(diabetic neuropathic ulcer)を治療するために主に用いられる。
EDTA2ナトリウムは、種々の天然および合成双方の化合物の抗菌効果を高めることが知られており、これは、細菌の細胞壁の浸透性を高めることにより、抗菌化合物の導入を促進することをもたらすためと推測されるメカニズムによる。
32ppmの銀/水組成物単独、22ppmの銀/水組成物単独、および32ppmの銀/水組成物と22ppmの銀/水組成物をNa2EDTAに加え、これを、
便サンプルからの大腸菌(多剤耐性株)、
唾液からの緑膿菌(多剤耐性株)、および
腰部からの膿からのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(多剤耐性株)
を含む微生物のパネルに対してそれぞれ試験した。
チフス菌(実験室株)
細菌株を24時間37℃で、寒天培地(pH 7.4)上で培養した。
具体的な組成および一連のテストは、銀EDTA(すなわちAgEDTA)のような銀キレートが、抗菌性を有するか否かを決定するようにデザインした。具体的には、市販の銀EDTA組成物を、AKZO NobelおよびAlpha Chemicalsから入手した。
・インキュベータ,ラミナーフロー
必要な材料:
・滅菌寒天プレート、滅菌綿棒、マイクロピペット(容量100μl〜1000μl)、16時間古い以下の菌株、大腸菌(野生型)、大腸菌(MDR)、緑膿菌(野生型)、緑膿菌(MDR)、黄色ブドウ球菌ATCC 6538P、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の培養物(おおよその濃度は108CFU/ml)
方法:
・所定のテスト微生物の16時間古い培養物を、滅菌寒天培地プレートに綿棒で塗る
・このプレートを、吸収のために15分間そのままにしておく
・15分後、10mmの穿孔器を用いて寒天表面に無菌でウエルを開ける
・ウエルに適切なサンプル希釈物の100μlを注ぐ。事前拡散のために15分間保持する
・このプレートを約37℃で24時間インキュベートし、結果を観察する
・HiMediaゾーンリーダを用いてmmで抑制領域を測定する
結果:以下の表21並びに図36および37を参照されたい
最初に発見された際は、抗生物質は妙薬であるとうたわれ、事実そうであった。世紀の変わり目の前に命にかかわった伝染病は、今世紀の間に弱まり、殆ど迷惑とならなくなった。しかしながら、医薬はほぼぐるりと一回りした。抗生物質の乱用、過剰処方、および/または悪用は、バクテリアの耐性菌を生み出し、再びバクテリア菌株は健康と人命を脅かしている。
本研究は、以下の目的および対象で行われた:
1.臨床分離株の多剤耐性(MDR)を測定すること
2.本発明の銀/水組成物に対する臨床分離株の感受性を割りだすこと
3.ディスク法(disc approximation test)により抗生物質の組み合わせ(相乗効果)を決定すること
4.抗生物質と本発明の銀/水組成物の最小発育阻止濃度(MIC)を測定すること
5.チェッカーボードアッセイによる、抗生物質と本発明の銀/水溶液の間の相乗作用を研究すること
材料と方法
臨床分離株の収集
以下の多剤耐性臨床分離株を、P.D.Hinduja Hospital,Cadell road,Mahim,Mumbai−400016,Indiaから収集した。
・大腸菌(便から分離)
・緑膿菌(唾液から分離)
・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA−腰部からの膿から分離)
培地、溶液および抗生物質ディスク
培地
・栄養ブロス
・寒天培地
・ミュラー(Muller)およびヒントン(Hinton)寒天
溶液
・抗生物質溶液
・銀/水溶液(22ppm)
本研究において種々の実験に用いた培地組成と溶液を表26(後に示す)に挙げる。
白金耳量の純粋な増殖培養物を栄養ブロスに接種し、終夜、約37℃でインキュベートした。500mclの終夜の培養物を5mlの新しい栄養ブロスに移し、4〜6時間約37℃でインキュベートした。培養濃度は、約105〜106cfu/mlに調節する。
この方法において、抗生物質を含浸させたディスクを、既に細菌溶液を接種した寒天プレート上に置く。抗生物質は周囲の培地に拡散して広がる。ディスクからの距離が増加するにつれ、抗生物質濃度における対数減少が存在する。ディスク周囲の透明な領域は、菌が抗生物質に対して感受性を有することを示す。透明な領域をミリメートルで測定し、標準的なNCCLSチャートと比較する。
1.滅菌綿棒を上記の接種材料ブロスチューブ中に浸し、これを用いてM.H.寒天プレート上に広げ、密集成長を得た。
2.接種材料を培地に吸収させたら、抗生物質ディスクを、スプレッドプレートの表面に、滅菌ピンセットを用いて置いた。
3.プレートを約37℃で約24時間インキュベートした。
4.ディスク周囲の透明化は、菌の感受性を示す。領域直径を記録し、NCCLSにより提供されるスタンダードなチャートにより解釈した(表27を参照されたい)(Koneman 5thed.1997)。
これを、ウエルアッセイ法により測定し、ここで、分離株を寒天培地に大量に撒き、10ppmの銀/水組成物を、固体の接種された培地にパンチしたウエル(10mm)に加える。抑制領域を記載する。
1.ミュラー・ヒントン寒天20mlを溶融させたもの(molten butt)に、0.5mlの接種材料を加え、ペトリプレートに注ぎ、固める。
2.ウエルを寒天層にパンチして開ける。
3.続いて、異なる濃度の銀/水組成物をそれぞれのウエルに加える。
4.プレートを約37℃で約24時間インキュベートした。
5.抑制領域のサイズを記録する。
これは、臨床分離株と、抗生物質の組み合わせとの間の相互作用をテストするための、シンプルな定性テストである。このテストにおいて、抗生物質ディスクを、カービー・バウアーテクニックにより接種した寒天プレート上に置く。ディスクを、各ディスク単独で生じる抑制の直径の平均と等しいか、それよりもわずかに大きい距離だけ引き離すべきである。得られた抑制領域の形は、臨床分離株と、抗生物質の組み合わせとの間の一種の相互作用を示す。
1.滅菌綿棒を上記の接種材料ブロスチューブに浸し、これを用いてM.H.寒天プレート上に表面に塗り広げ、密集成長を得た。
3.プレートを約37℃で約24時間インキュベートした。
アミカシン:Mikacin inj.(250mg)Aristo labs,Mubai India Batch no.02D054,2004年4月製造
セフォペラゾン:Magnamycin inj.(250mg) Pfizer Itd,Mumbai,Ind Batch no.32035153A,2003年3月製造
シプロフロキサシン:Cifran(200mg/ml) Ranbaxy Labs,Jaipur,India Batch no.9042601,2004年4月製造
方法
1.ある量の抗微生物薬を、適切な範囲で連続的に希釈する。
2.用いる抗微生物剤を含んでいないチューブを、増殖コントロールとして用いる。
3.それぞれのチューブに標準化細菌懸濁液を接種し、約37℃で約24時間インキュベートする。
4.インキュベート時間の最後に、濁度についてチューブを視覚的に検査する。濁度は、細菌増殖が、培地中に含まれる抗微生物薬の濃度により抑制されなかったことを示す。
5.MICは、目に見える増殖を抑制する抗生物質薬の最低濃度である。
チェッカーボードアッセイは、複合抗生物質および/または複合希釈を試験する際に用いられる方法である。連続した2倍希釈物を、MICの16分の1から少なくとも2倍の濃度が含まれるように選択した。ドラッグAを、縦座標に沿って連続的に希釈し、一方ドラッグBを、横座標に沿って連続的に希釈する。結果のチェッカーボードは、2つの抗生物質の各組み合わせを、正反対のコーナーにおけるそれぞれの最も高い濃度を含むチューブからもたらす。
1つのみのドラッグを含む第1列およびカラムのチューブを、テスト分離株の個々のMICを確認するために用いた。
抗生物質を含まない1つのチューブが正のコントロールである。
1. 最終的に5mlの体積で、各チューブ中でブロス中に希釈された抗微生物薬が、適切な原液から加えられる。
2. 0.1mlの培養物懸濁液を加える。
3. 37℃で24時間インキュベートする。
4. 単独で用いられた抗生物質の同様に効果的な濃度を含む、同じ効果の全ての組み合わせを示す接点により得られるアイソボログラムを描くことにより示される。
Elion等(1954)は、組み合わせにおける2つの薬のFIC値の合計として定義されるFractional inhibitory concentration(FIC)インデックスに関して得られるMIC結果を定めるための方法を記載している。
分離株に対する相乗作用または相加効果について調べた種々の抗生物質の組み合わせの、可能性のある相乗作用を示す抑制領域は、アミカシンとセフォペラゾン、およびアミカシンとテトラサイクリンの組み合わせについてはMRSAの場合にのみ観察された(図28を参照のこと)。相乗作用の組み合わせを連想させる抑制領域が、他の2つの分離株、すなわち大腸菌およびシュードモナス(Pseudomonas)の場合には観察されなかった(図29および30を参照されたい)。
可能性のある相乗作用を連想させる抑制帯を示す抗生物質のMICを測定した。
アミカシンのMIC
ストック:125mcg/ml
希釈:栄養ブロス 20
培養物:MRSA 記号+:増殖 −:増殖せず
MRSAについてのアミカシンのMICは0.8mcg/mlであるとわかった。
MRSAについてのセフォペラゾンのMICは、10mcg/mlであるとわかった。
MRSAについての銀/水のMICは、8ppmであるとわかった。
大腸菌についての銀/水のMICは、3ppmであるとわかった。
シュードモナスについての銀/水のMICは、3ppmであるとわかった。
MRSAについての相乗作用濃度は、0.05mcg/mlのアミカシンおよび1ppmの本発明の銀/水であるとわかった。
MRSAについての相乗作用濃度は、0.625mcg/mlのセフォペラゾンおよび1ppmの銀/水であるとわかった。
セフォペラゾンの添加濃度は、1.25であり、アミカシンの添加濃度は0.4であることがわかった。
この例において、P.D.Hinduja Hospital,Mumbai,Indiaから収集した3種の臨床分離株のうち、グラム陰性分離株は、アンピシリン、テトラサイクリン、カナマイシンのような古い抗生物質、およびナリジクス酸のような古いキノロン類、および第3世代のセファロスポリンであるセフタジジムおよびセフォペラゾンに対する耐性を示した。研究に用いた臨床分離株であるシュードモナスは、最近のシプロフロキサシンに対する耐性もあり、および半合成のアミノグリコシド系のアミカシンに対する耐性もあった。グラム陽性分離株であるMRSAは、古い抗生物質およびセフタジジムのような第3世代のセファロスポリンに対する耐性もあった。
イントロダクション
創傷用粉剤は、創傷、火傷、皮膚潰瘍、または切開の後の膿瘍についての表面の細菌性の感染の防止または処置に用いられる配合物である。
SILDUST−感受性
目的:微生物に対するSILDUSTおよびその構成成分の感受性
手順:
必要な装置
・インキュベータ,ラミナーフロー
必要な材料
・滅菌寒天培地プレート、滅菌綿棒、マイクロピペット(容量100μl〜1000μl)、以下の菌株、すなわち大腸菌(MDR)、緑膿菌(MDR)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の16時間古い培養物(おおよその濃度が、108CFU/ml)
方法
・滅菌綿棒を用いる、寒天培地表面上に0.1mlの培養物の表面塗布。15分間放置。
・15分後、無菌で、10mmの穿孔器を用いて寒天表面にウエルを開ける。
・1つのウエル中にSILDUST(200ppmの銀タルク+100ppmのゲンタマイシン)の10mgを導入する。
・他のウエルに100ppmのゲンタマイシンの10μlを導入する。また、200ppmの銀タルク+100μlの蒸留水を導入する。双方をコントロールとして用いる。
・プレートを約37℃で約24時間インキュベートし、観察する。
・HiMedia zone readerを用いて、mmで抑制領域を測定する。
SILDUST2−200ppmの銀タルク+100ppmのゲンタマイシン
SILDUST−抗菌活性
目的:微生物に対するSILDUSTの殺菌時間の測定
手順:
必要な装置
・インキュベータ、ラミナーフロー、秤量天秤
必要な材料
・滅菌フェノールレッドデキストロースブロス、マイクロピペット、以下の菌株(おおよその濃度は108CFU/ml)、すなわち、大腸菌(MDR)、緑膿菌(MDR)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の16時間古い培養物
方法
・滅菌試験管中に2gのSILDUSTを含む5mlのアリコートを調製する。
・上記の溶液に0.1mlの培養物を接種する。十分にボルテックスする。
・0、5、10……50分間隔で、5mlの滅菌フェノールレッドデキストロースブロス中に白金耳量のテスト用のサンプルを接種する。十分にボルテックスする。
・約37℃で約24時間インキュベートする。
・増殖を観察する。
・負のコントロールについては、白金耳量の接種されないSILDUSTを、5mlの滅菌フェノールレッドデキストロースブロス中に懸濁させ、約37℃で約24時間インキュベートする。
・正のコントロールについては、白金耳量の試験用の培養物を5mlの滅菌フェノールレッドデキストロースブロス中に接種し、約37℃で約24時間インキュベートする。
まとめ:組み合わせは、相乗作用活性を示す。WOKADINE(例の終わりに、以下に記載する)を有する試験管は、ヨードの放出のために、培地へのパウダーの添加の数秒内で茶色に変化する。WOKADINEはより速い殺菌を示すが、このような高い細胞毒性は、創傷治癒には望ましくない。
まとめ:組み合わせは、相乗作用活性を示す。
目的:SILDUSTに対するバクテリオファージホストの感受性の決定
原則:SILDUSTによるホストの死滅による偽陽性テストを取り除くために、適切な希釈に達する必要がある。
原則:
T 等しいバクテリオファージおよび大腸菌ホストを、探知システムとして用いる。SILDUST中の銀濃度は、ホストを死滅させないように希釈を通じて中和する必要がある。実験的なアリコートを以下の通りに調製した。すなわち、
1.テスト ファージ+SILDUST
2.コントロール ファージ+Saline
必要な装置
・秤量天秤、ラミナーフローユニット、インキュベータ
必要な材料
・ペトリプレート、マーカ、スパチュラ、マイクロピペット
方法:
・約1gmのSILDUST(これは、殺菌効果を示さない)、および生理食塩水を含む2.5mlアリコートを、別個の滅菌試験管中に調製する。
・それぞれに約0.1mlのファージ溶解物(1mlにつき約1010伝染性のファージ粒子)を加える。
・ボルテックスミキサで適切に混合し、約37℃でインキュベートする。
・t=0、1および1時間毎の間隔で、0.5mlアリコートを取り出し、殺菌効果を示さないSILDUSTの試験的な希釈物に希釈する。
・この希釈物を、コンフルエントな新たに調製したホストローン(host lawn)にスポットする。これを、コントロールのテストのためにも行う必要がある。
・プレートを約37℃で約24時間インキュベートする。
・この希釈物の0.1mlを、指数関数的に増殖したホストの0.5mlと混合し、う約37℃で約15分間インキュベートする。
・7mlの溶融した軟寒天をこれに加える。
・十分にボルテックスし、St.寒天培地プレートに上塗りする。
・プレートを約37℃で約24時間インキュベートする。
・ローン上のプラークをチェックし、上塗り上のプラーク形成ユニットを数える。
SILDUST 抗ウイルス活性
:バクテリオファージ検知システムを用いるSILDUSTの抗ウイルス活性を決定すること
手順:「SILDUST 抗菌活性、パート2」と同様
結果:表33および34の通り
pfu/ml 伝染性のファージ粒子の力価
まとめ:SILDUSTは、10−2希釈においては、ホスト培養物に対する抗菌活性を示さないことがわかった。抗ウイルス活性を同じ希釈のSILDUSTにおいてチェックし、有効であることがわかった。プラーク形成ユニットは、3時間で105からゼロに減少することがわかり、SILDUSTはおそらく、動物ウイルスに対しても活性を有し得ることが証明された。
Mfg.Lic.No.:AD/200−A
Batch No.:WNR 5008
製造日:2005年3月
有効期限:2008年3月
活性成分
ポビドンヨードIP 5% w/w
Navketan Research and Lab.Ltdにより製造
ポビドンヨード10%溶液への銀/水の添加
本発明の銀/水組成物と共に有利に働く添加剤の他の例はポビドンヨードである。ヨードは、幅広い範囲の病原体に対する処置のための薬においてよく知られる予防薬である。ヨードは種々の濃度で市販されているが、一般的に用いられ、好ましい濃度は10%である。本発明のこの好ましい態様において、相乗的な組み合わせは、10%のヨード溶液を銀/水混合物の約25〜50体積%で置き換えたものを含む。銀/水混合物と、ヨードとの間のある種の反応が考えられるが、実験結果から、銀/水とポビドンヨードとの相乗的な組み合わせは、局所的な殺菌剤(例えば軟膏)として、および/または切り傷、火傷および擦り傷等における感染に対する予防薬として機能し得る。
Claims (12)
- 5〜40ppmの全濃度の銀を含む、水と銀ナノ粒子の混合物であって、前記銀ナノ粒子は、元素銀の内部と、少なくとも1種の酸化銀の表面を有し、ここで、50%を超える数の銀ナノ粒子は0.015マイクロメートル未満の最大直径を有し、75%を超える数の銀ナノ粒子は0.005マイクロメートルよりも大きい最小直径を有し、抗微生物性を示す、水と銀ナノ粒子の混合物。
- さらに過酸化水素を含む請求項1に記載の水と銀ナノ粒子の混合物。
- 前記過酸化水素濃度が、体積あたり1〜3重量%である請求項2に記載の水と銀ナノ粒子の混合物。
- さらにEDTAを含む請求項1に記載の水と銀ナノ粒子の混合物。
- 前記EDTAがEDTA2ナトリウムを含む請求項4に記載の水と銀ナノ粒子の混合物。
- 前記水と銀ナノ粒子の混合物中に親水性ポリマーを溶解することにより生成するヒドロゲルを含む請求項1に記載の水と銀ナノ粒子の混合物。
- アモルファスゲルとして配合される請求項6に記載の水と銀ナノ粒子の混合物。
- 固体ゲルシートとして配合される請求項6に記載の水と銀ナノ粒子の混合物。
- 前記親水性ポリマーが、ゼラチン、炭水化物ポリマー、およびアクリル酸コポリマーから成る群から選択される請求項8に記載の水と銀ナノ粒子の混合物。
- 前記炭水化物ポリマーが、セルロース誘導体、アルギネート、カラギーナン、および植物性ガムから成る群から選択される少なくとも1種のポリマーを含む請求項9に記載の水と銀ナノ粒子の混合物。
- マラリア、皮膚の真菌感染症、皮膚の細菌感染、膣感染症、尿路感染症、扁桃炎、骨盤感染症、咽頭炎、淋病、結膜炎、耳炎、呼吸器感染症、および鼻炎から成る群から選択される疾患の処置に用いられる、請求項1に記載の水と銀ナノ粒子の混合物。
- AgEDTA、銀EDDS、クルクミン酸銀、銀ベルベリン、および銀テトラサイクリンから成る群から選択される少なくとも1つの材料をさらに含む請求項1に記載の水と銀ナノ粒子の混合物。
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