JP5337172B2 - 粘着絆創膏用粘着剤組成物の製造方法 - Google Patents

粘着絆創膏用粘着剤組成物の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、ベースシート(プラスチックフイルム、不織布、織布、紙など)の片面に、全体にわたる(べた一面)或いは適宜のパターン(水玉パターン、市松パターン、格子パターン、縦縞又は横縞パターンなど)の粘着層を設けた粘着絆創膏において、粘着層を構成する粘着剤組成物の改良に関するものである。
周知のように、この種の粘着絆創膏は皮膚に貼り付けて使用することから、その粘着層は、皮膚にしっかりと接着する皮膚接着性とともに、皮膚の角質層に剥離損傷による皮膚刺激やかぶれを発症させない剥離性を有するものが求められている。
しかしこのような粘着層に求められる皮膚接着性と剥離性は、実質上相反する性質であるため、従来においては、一方についてのある程度の犠牲は止むを得ないと考えれてきているが、近年、粘着層の皮膚接着強さを左右する特性値である微小な凹凸のある皮膚に対する粘着層の接触面積(濡れ面積)及び粘着剤としての粘着ポリマーの単位接触面積当たりの接着力の点からの検討により、粘着ポリマーに各種の液状成分を配合することが試みられ、この面から幾つかの粘着剤組成物も提案されている。
しかしながら既提案のものは、液状成分と粘着ポリマーとの相溶性が悪く、液状成分の配合量が少ない場合でも、液状成分が粘着層の表面に染み出して、皮膚接着性を著しく低下させたり、液状成分自体が皮膚刺激を発生するなどの問題があり、実用段階に達していない。
この発明は、上記のような粘着剤としての粘着ポリマーに液状成分を配合する粘着絆創膏用粘着剤組成物として、粘着ポリマーと液状成分の相溶性及び皮膚接着性が良好で、皮膚刺激を発生しないものを提供すること、特にこの粘着絆創膏用粘着剤組成物の形成に用いる液状成分として、粘着ポリマーとの相溶性が良いとともに皮膚刺激性がなく、かつ粘着ポリマーの凝集力を緩和して、その単位接触面積当たりの接着力を減少させると同時に皮膚接触面積を増加させるものを見出して、液状成分の添加量を調整することにより、粘着ポリマーの単位接触面積当たりの接着力を小さく抑える形で、粘着層の皮膚接着強さを調整可能にする粘着絆創膏用粘着剤組成物の製造方法を提供することを課題としている。
本発明者は、上記の課題を解決するために、粘着剤として粘着ポリマー(特にアクリルポリマー)を用いる粘着絆創膏について種々実験検討を行った結果、数平均分子量が2,000〜4,400のアクリル系オリゴマーは、粘着ポリマー(特にアクリルポリマー)との相溶性が良く、粘着層を形成する粘着剤組成物中に配合した際に、粘着層の皮膚に対する濡れ面積を増加させるが、皮膚内部に浸透することがなく、従って皮膚内部の脂質構造に無影響で、皮膚刺激性がないことを見出し、この発明を完成した。
即ちこの発明に係る粘着絆創膏用粘着剤組成物の製造方法は、アクリルポリマーの溶液に、所定量のアクリル系オリゴマーの溶液を溶解させた後、所定量の反応性架橋剤を添加してなる粘着絆創膏用粘着剤組成物の製造方法であって、
(1)アルキル基の炭素数が4〜10のアクリル酸アルキルエステル又はメタアクリル酸アルキルエステルの一種以上を溶液重合して形成した数平均分子量が2,000〜4,400のアクリル系オリゴマーの溶液を製造する工程
(2)アルキル基の炭素数が4〜10のアクリル酸アルキルエステル又はメタアクリル酸アルキルエステルと、アクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、あるいは2−ヒドロキシエチルメタアクリレートから選択されるモノマーと、を含むモノマー混合液を溶液重合して形成したアクリルポリマーを含んでなるアクリルポリマーの溶液を製造する工程
(3)アクリル系オリゴマーの溶液およびアクリルポリマーの溶液を混合してなる溶液に対して、前記反応性架橋剤として多価エポキシ化合物または多価イソシアネート化合物を、前記アクリルポリマーの0.01〜5重量%の範囲内の値となるように添加する工程と、を含むことを基本的な特徴としている。
この発明の粘着剤組成物においてアクリル系オリゴマーの数平均分子量を2,000〜4,400の範囲とするのは、数平均分子量が40,000を上回ると、硬くなって、必要な液状の状態が保持できなくなり、又2,000を下回ると、皮膚内部に浸透しやすくなり、この結果皮膚内部の脂質構造に影響が及んで、種々の皮膚刺激が発現しやすくなることの知見からである。
アクリル系オリゴマーは、上記のように液状であることの必要性から、一般には、アルキル基の炭素数が4〜10のアクリル酸アルキルエステル又はメタアクリル酸アルキルエステルを用いることが望ましく、例えばアルキル基が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−メトキシエチル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、ヘキシル、オクチル、イソオクチル、2−エチルへキシル、ノニル、イソノニル等のものから一種以上を選択して用いることができる。
なおアクリル系オリゴマーは、一般には、適当な連鎖移動剤(ラウリルメルカプタンやメルカプトエタノールなど)を用いてアクリル系モノマーを重合(単独重合又は共重合)する通常の方法で製造することができる。
この発明の粘着剤組成物において用いる粘着剤の粘着ポリマーとしては、特にアルキル基の炭素数が4〜10のアクリル酸アルキルエステル又はメタアクリル酸アルキルエステルと、アクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、あるいは2−ヒドロキシエチルメタアクリレートから選択されるモノマーと、を含むモノマー混合液から溶液重合して形成したアクリルポリマーが好適である。
このアクリルポリマーはアクリル系オリゴマーとの相溶性が良く、粘着層の皮膚への濡れ面積を最も効果的に大きくすることができることを確認している。
アクリルポリマーを形成するアルキル基の炭素数が4〜10のアクリル酸アルキルエステル又はメタアクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル系オリゴマーについて既述したように、一般には、アルキル基が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−メトキシエチル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、ヘキシル、オクチル、イソオクチル、2−エチルへキシル、ノニル、イソノニル等のものを選択して用いることができ、この場合アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルは一種の重合の形態でも、或いは特に粘着剤固有の接着力を調整する点から、二種以上混合の共重合の形態でも用いることができる。
この粘着剤としてのアクリルポリマーは、皮膚に対する粘着力を高めるために、アクリルポリマーの1〜15重量%のアクリル酸モノマーやメタクリル酸モノマー或いは2−ヒドロキシルエチルアクリレートや2−ヒドロキシエチルメタアクリレートを共重合させることを特徴とし、又その凝集力を調整するために、アクリルポリマーの0.01〜5重量%の反応型架橋剤、例えば多価エポキシ化合物(エチレングリコール−ジグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等)、多価イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製のコロネートL、HL等)を添加することを特徴とする。
しかしこの粘着絆創膏用の粘着剤組成物においては、皮膚に適度に接着(皮膚を傷付けるような接着し過ぎや直ぐに剥離するような接着の不十分さのない状態で接着)するようにするために、一般に、剥離接着力(180°剥離接着力:23℃の雰囲気において、粘着剤塗布面に2kgのロールを往復させて貼り付けた12mm幅のポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムを、300mm/minの速度で引き剥がす際の抵抗力)を40〜400gf(グラムフォース:以下、「g」と略字する)にすることが望ましい。
この粘着絆創膏用の粘着剤組成物は、通常は、粘着剤としてのアクリルポリマーを蒸発除去し易い溶剤(トルエン、酢酸エチル、ヘキサンなど)に溶解したアクリルポリマー溶液に、所要量のアクリル系オリゴマーを分散溶解し、必要に応じて反応型架橋剤や接着力調整成分などを添加するという方式でドープの状態に製造することができ、このドープを布、紙、プラスチックフイルムなどに均一に塗布して、粘着絆創膏を形成することができる。
なお上記において必要に応じて添加する接着力調整成分は、アクリル系オリゴマーの効果を弱化させないために、粘着剤としてのアクリルポリマーの30重量%以下に留めることが望ましい。
以下この発明の実施例について詳述する。
[実施例1]
(1)アクリル系オリゴマーの製造
2−エチルへキシルアクリレート300g(1.63モル)と連鎖移動剤としてのラウリルメルカプタン27.6g(0.136モル)を、溶媒の酢酸エチル82gに溶解して、モノマー混合溶液を形成した。このモノマー混合溶液を、蒸気凝縮還流塔を備えた攪拌機付き重合反応器に仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.6gを添加して溶解した後、そのまま湯浴に浸漬して60℃までゆっくり昇温することにより、重合開始剤を分解して、重合反応を開始した。
重合反応の開始により発熱が始まり次第、適宜冷却浴に浸漬して冷却することにより、重合反応液の温度を70±3℃に制御しながら、約7時間反応させて、重合反応を終結させた(ここでは重合反応溶液の不揮発残分、すなわち重合反応物であるアクリル系オリゴマーの濃度を測定し、80.4重量%であることを確認して、終結を判定した。なおこの不揮発残分は、約1gの試料溶液を150℃で1時間加熱乾燥した後における不揮発残分の比率である)。このようにして得られたアクリル系オリゴマーの粘ちょうな酢酸エチル溶液は、粘度(B型粘度計による測定、以下同じ)が14ポイズ、アクリル系オリゴマーの数平均分子量(GPC法による測定、以下同じ)が2,200であった。
(2)アクリルポリマーの製造
アクリル酸モノマー25g(5重量部)と2−エチルへキシルアクリレート500g(100重量部)を酢酸エチル1,575gに溶解して、蒸気凝縮還流塔を備えた攪拌機付き重合反応器に仕込み、重合開始剤のベンゾイルパーオキサイド0.5gを添加した後、そのまま湯浴に浸漬して58℃までゆっくり昇温することにより、重合開始剤を分解して、重合反応を開始した。
これにより発熱が始まり次第、適宜冷却浴に浸漬して冷却し、温度を63±3℃に制御しながら、約10時間反応させた。発熱がほぼおさまった段階に、さらにベンゾイルパーオキサイド0.1gを加えた後、温度を70±2℃まで上げて、約5時間加熱重合を行って、重合反応を完結させた。これにより得たアクリルポリマーの酢酸エチル溶液は、粘度が360ポイズ、不揮発残分すなわちアクリルポリマー濃度が25.8重量%、数平均分子量が840,000であった。
(3)粘着絆創膏用粘着剤組成物と該組成物を塗布した粘着絆創膏の製造
上記の(1)、(2)で製造したアクリル系オリゴマーの酢酸エチル溶液64.2g(不揮発残分51.6g)と、アクリルポリマーの酢酸エチル溶液200g(不揮発残分51.6g)を混合した溶液に、反応型架橋剤として多価イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製コロネートHL)0.21gを添加した後、酢酸エチル溶剤による調整により、不揮発残分が25重量%の粘着絆創膏用粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を製造した。この粘着剤組成物における液状成分としてのアクリル系オリゴマーの含有率は50重量%である。
この粘着剤組成物の酢酸エチル溶液をポリエステル不織布(200μm厚)に均一に塗布した後、110℃で加熱乾燥して、粘着剤組成物、即ち粘着層の厚さが60μmの粘着絆創膏を製造した。この粘着絆創膏の剥離接着力は321gであった。
(4)アクリル系オリゴマーを含まない粘着絆創膏用粘着剤組成物と該組成物を塗布した比較用粘着絆創膏の製造
比較のために、(2)で製造したアクリルポリマーの酢酸エチル溶液200g(不揮発残分51.6g)に、反応型架橋剤の多価イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製コロネートHL)0.21gを加えて混合溶解するとともに、酢酸エチル溶剤による調整によって、不揮発残分が25重量%の粘着絆創膏用粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を製造した。
この粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を(3)のものと同様に塗布、乾燥して、ポリエステル不織布上における粘着層の厚さが60μmの比較用粘着絆創膏を製造した。この粘着絆創膏の剥離接着力は350gであった。
(5)アクリル系オリゴマーによる皮膚角質層の剥離損傷防止効果の測定
上記の(3)、(4)で製造した粘着絆創膏の短冊状(幅12mm、長さ40mm)試験片(粘着層有効面積:480mm)のそれぞれについて、人の後腕部内側皮膚に24時間貼り付けた後剥がして、粘着層表面をニンヒドリン溶液で染色し、剥離破壊により粘着層表面に付着した角質細胞を暗紫色に発色させ、顕微鏡写真の画像解析により角質細胞の発色面積比率(暗紫色に発色した面積の総和/粘着層面積×100)を測定したところ、(4)の粘着絆創膏の場合には92%であったのに対し、(3)の粘着絆創膏の場合には8%で、アクリル系オリゴマーの存在により、皮膚角質の剥離損傷が大幅に改善されることが判明した。
[参考例2]
(1)アクリル系オリゴマーの製造
メチルメタアクリレート75g(0.749モル)、2−エチルへキシルアクリレート225g(1.221モル)とラウリルメルカプタン2.6g(0.013モル)を、酢酸エチル溶液76gに溶解して、モノマー混合溶液を形成した。このモノマー混合溶液を実施例1の(1)と同じ条件、方式で重合反応させて、アクリル系オリゴマーの酢酸エチル溶液を製造した。この溶液は、不揮発残分(アクリル系オリゴマーの濃度)が80.0重量%、粘度が28ポイズ、アクリル系オリゴマーの数平均分子量が24,000であった。
(2)アクリルポリマーの製造
アクリル酸モノマー25g(5重量部)、メチルメタアクリレート125g(25重量部)と2−エチルへキシルアクリレート375g(75重量部)を酢酸エチル1,575gに溶解したモノマー混合溶液を、実施例1の(2)と同じ条件、方式で重合反応させて、アクリルポリマーの酢酸エチル溶液を製造した。この溶液は、粘度が344ポイズ、不揮発残分(アクリルポリマーの濃度)が25.9重量%、数平均分子量が980,000であった。
(3)粘着絆創膏用粘着剤組成物と該組成物を塗布した粘着絆創膏の製造
上記の(1)、(2)で製造したアクリル系オリゴマーの酢酸エチル溶液11.5g(不揮発残分9.2g)と、アクリルポリマーの酢酸エチル溶液200g(不揮発残分51.8g)を混合し、酢酸エチル溶剤による調整によって、不揮発残分が25重量%の粘着絆創膏用粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を製造した。この組成物におけるアクリル系オリゴマーの含有率は15重量%である。
この粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を、ポリエステル不織布(200μm厚)に均一に塗布した後、110℃で加熱乾燥して、粘着層の厚さが60μmの粘着絆創膏を製造した。この粘着絆創膏の剥離接着力は328gであった。
(4)アクリル系オリゴマーを含まない粘着絆創膏用粘着剤組成物と該組成物を塗布した比較用粘着絆創膏の製造
上記の(2)で製造したアクリルポリマーの酢酸エチル溶液を(3)のものと同様に塗布、乾燥して、ポリエステル不織布上における粘着層の厚さが60μmのアクリル系オリゴマーを含まない比較用粘着絆創膏を製造した。この粘着絆創膏の剥離接着力は341gであった。
(5)アクリル系オリゴマーの皮膚角質層の剥離損傷防止効果の測定
上記の(3)、(4)で製造した粘着絆創膏のそれぞれについて、実施例1の場合と同じ条件、方式で、付着した皮膚の角質細胞による発色面積比率を測定したところ、(4)の粘着絆創膏では94%であったのに対し、(3)の粘着絆創膏では21%で、アクリル系オリゴマーの存在によって、皮膚角質の剥離損傷が大きく改善されることが確認された。
[実施例3]
(1)アクリル系オリゴマーの製造
2−メトキシエチルアクリレート120g(0.922モル)、2−エチルへキシルアクリレート180g(0.977モル)とラウリルメルカプタン17.4g(0.086モル)を、酢酸エチル80gに溶解して、モノマー混合溶液を形成した。このモノマー混合溶液を、実施例1の(1)と同じ条件、方式で、重合反応させて、アクリル系オリゴマーの酢酸エチル溶液を製造した。この溶液は、不揮発残分(アクリル系オリゴマーの濃度)が80.2重量%、アクリル系オリゴマーの数平均分子量が3,100であった。
(2)粘着絆創膏用粘着剤組成物と該組成物を塗布した粘着絆創膏の製造
上記の(1)で製造したアクリル系オリゴマーの酢酸エチル溶液78.7g(不揮発残分63.1g)と、実施例1の(2)で製造したアクリルポリマーの酢酸エチル溶液200g(不揮発残分51.6g)を混合した溶液に、反応型架橋剤として多価イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製コロネートHL)0.21gを添加した後、酢酸エチル溶剤による調整により、不揮発残分が25重量%の粘着絆創膏用粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を製造した。この粘着剤組成物におけるアクリル系オリゴマーの含有率は55重量%である。
この粘着剤組成物の酢酸エチル溶液をポリエステル不織布(200μm厚)に均一に塗布した後、110℃で乾燥加熱して、粘着層の厚さが60μmの粘着絆創膏を製造した。この粘着絆創膏の剥離接着力は324gであった。
(3)アクリル系オリゴマーの皮膚角質層の剥離損傷防止効果の測定
上記の(2)及び実施例1の(4)で製造した粘着絆創膏のそれぞれについて、実施例1の場合と同じ条件、方式で、付着した皮膚の角質細胞による発色面積比率を測定したところ、後者の粘着絆創膏の場合には92%であったのに対し、前者の上記(2)の粘着絆創膏の場合には7%で、アクリル系オリゴマーによって、皮膚角質の剥離損傷効果が大幅に改善されることが判明した。
[実施例4]
(1)アクリル系オリゴマーの製造
2−エチルヘキシルアクリレート300g(1.63モル)、ラウレルメルカプタン13.8g(0.068モル)を用いる以外は、実施例1の(1)と同じ条件、方式で、アクリル系オリゴマーの酢酸エチル溶液を製造した。この溶液は、不揮発残分が82.3重量%、アクリル系オリゴマーの数平均分子量が4,400であった。
(2)アクリルポリマーの製造
2−ヒドロキシエチルアクリレート50g(10重量部)と、2−エチルへキシルアクリレート500g(100重量部)を用いる以外は実施例1の(2)と同様の条件、方式で重合反応させて、アクリルポリマーの粘ちょうな酢酸エチル溶液を製造した。この溶液は、粘度が274ポイズ、不揮発残分(アクリルポリマーの濃度)が22.5重量%、数平均分子量が710,000であった。
(3)粘着絆創膏用粘着剤組成物と該組成物を塗布した粘着絆創膏の製造
上記の(1)で製造したアクリル系オリゴマーの酢酸エチル溶液36.5g(不揮発残分30.0g)と、(2)で製造したアクリルポリマーの酢酸エチル溶液200g(不揮発残分45.0g)を混合した溶液に、反応型架橋剤として多価イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製コロネートL)0.3gを添加した後、酢酸エチル溶剤による調整により、不揮発残分が25重量%の粘着絆創膏用粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を製造した。この粘着剤組成物におけるアクリル系オリゴマーの含有率は40重量%である。
この粘着剤組成物の酢酸エチル溶液をポリエステル不織布(200μm厚)に均一に塗布した後、110℃で加熱乾燥して、粘着層の厚さが60μmの粘着絆創膏を製造した。この粘着絆創膏の剥離接着力は336gであった。
(4)アクリル系オリゴマーを含まない粘着絆創膏用粘着剤組成物と該組成物を塗布した比較用粘着絆創膏の製造
上記の(2)で製造したアクリルポリマーの酢酸エチル溶液を上記の(3)と同様に塗布、乾燥して、ポリエステル不織布上における粘着層の厚さが60μmの比較用粘着絆創膏を製造した。この粘着絆創膏の剥離接着力は340gであった。
(5)アクリル系オリゴマーの皮膚角質層の剥離損傷防止効果の測定
上記の(3)、(4)で製造した粘着伴創膏のそれぞれについて、実施例1の場合と同じ条件、方式で、付着した皮膚の角質細胞による発色面積比率を測定したところ、(4)の粘着絆創膏の場合には86%であったのに対し、(3)の粘着絆創膏の場合には11%で、アクリル系オリゴマーによって、皮膚角質の剥離損傷が大きく改善されることが判明した。
以上説明したように、この発明に係る粘着絆創膏用粘着剤組成物の製造方法によれば、皮膚接着性ととともに剥離性(皮膚の剥離損傷防止性)が優れた粘着絆創膏を提供することができる。

Claims (3)

  1. アクリルポリマーの溶液に、所定量のアクリル系オリゴマーの溶液を溶解させた後、所定量の反応性架橋剤を添加してなる粘着絆創膏用粘着剤組成物の製造方法であって、
    (1)アルキル基の炭素数が4〜10のアクリル酸アルキルエステル又はメタアクリル酸アルキルエステルの一種以上を溶液重合して形成した数平均分子量が2,000〜4,400であるアクリル系オリゴマーの溶液を製造する工程
    (2)アルキル基の炭素数が4〜10のアクリル酸アルキルエステル又はメタアクリル酸アルキルエステルと、アクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、あるいは2−ヒドロキシエチルメタアクリレートから選択されるモノマーと、を含むモノマー混合液を溶液重合して形成したアクリルポリマーを含んでなるアクリルポリマーの溶液を製造する工程
    (3)前記アクリル系オリゴマーの溶液およびアクリルポリマーの溶液を混合してなる溶液に対して、前記反応性架橋剤として多価エポキシ化合物または多価イソシアネート化合物を、前記アクリルポリマーの0.01〜5重量%の範囲内の値となるように添加する工程と、
    を含むことを特徴とする粘着絆創膏用粘着剤組成物の製造方法。
  2. アクリルポリマーの溶液に、所定量のアクリル系オリゴマーの溶液を溶解させた後、所定量の反応性架橋剤を添加して粘着絆創膏用粘着剤組成物とし、さらに、ベースシートの片面に、前記粘着絆創膏用粘着剤組成物からなる粘着層を設けてなる粘着絆創膏の製造方法であって、
    (1)アルキル基の炭素数が4〜10のアクリル酸アルキルエステル又はメタアクリル酸アルキルエステルの一種以上を溶液重合して形成した数平均分子量が2,000〜4,400であるアクリル系オリゴマーの溶液を製造する工程
    (2)アルキル基の炭素数が4〜10のアクリル酸アルキルエステル又はメタアクリル酸アルキルエステルと、アクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、あるいは2−ヒドロキシエチルメタアクリレートから選択されるモノマーと、を含むモノマー混合液を溶液重合して形成したアクリルポリマーを含んでなるアクリルポリマーの溶液を製造する工程
    (3)前記アクリル系オリゴマーの溶液およびアクリルポリマーの溶液を混合してなる溶液に対して、前記反応性架橋剤として多価エポキシ化合物または多価イソシアネート化合物を、前記アクリルポリマーの0.01〜5重量%の範囲内の値となるように添加する工程と、
    (4)ベースシートの片面に、前記粘着絆創膏用粘着剤組成物からなる粘着層を設けて、粘着絆創膏とする工程と、
    を含むことを特徴とする粘着絆創膏の製造方法。
  3. 前記粘着絆創膏の剥離接着力が40〜400gfの範囲内の値であることを特徴とする請求項2に記載の粘着絆創膏の製造方法。
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