JP5332864B2 - 内燃機関の故障診断装置 - Google Patents

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この発明は、内燃機関の故障診断装置に係り、特に、車両に搭載される内燃機関の燃料系故障を診断するために好適な内燃機関の故障診断装置に関する。
従来、例えば特許文献6に開示されるように、燃料噴射弁に供給する燃料の圧力を運転状態に応じて可変制御する燃圧可変制御装置を備えた内燃機関が知られている。
特開2006−132336号公報 特開2005−9398号公報 特開2000−274322号公報 特開平7−233768号公報 特開2000−73828号公報 特開平10−103180号公報
ところで、上記従来の内燃機関において、燃圧可変制御装置が故障しているか否かを診断することが求められる。一つの故障診断手法として、特許文献2には、燃料供給装置に燃圧センサを設けて燃圧を検出し、目標の燃圧を供給できているか否かを判定することで故障を診断する手法が開示されている。確かに、上記従来の内燃機関に、燃圧センサを設けて燃圧可変制御装置の故障を診断することは可能である。しかしながら、このような手法では、燃圧センサを追加することによるコストアップや、搭載性の制約について新たな問題が生じることとなる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃圧センサを追加することなく、燃圧可変制御装置の故障を診断できる内燃機関の故障診断装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の故障診断装置であって、
燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給装置と、
前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を、第1燃圧要求に応じて第1燃圧とし、第2燃圧要求に応じて該第1燃圧よりも高い第2燃圧とする燃圧可変制御装置と、
実空燃比を検出する空燃比センサと、
前記実空燃比が制御目標空燃比と一致するように、前記実空燃比と該制御目標空燃比との差に基づいたフィードバック補正量を燃料噴射量にフィードバックするフィードバック補正手段と、
前記第1燃圧要求時の前記フィードバック補正量と、前記第2燃圧要求時の前記フィードバック補正量との差が、故障下限閾値よりも小さい場合に、前記燃圧可変制御装置が故障していると判定する故障判定手段と、を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の故障診断装置であって、
燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給装置と、
前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を、第1燃圧要求に応じて第1燃圧とし、第2燃圧要求に応じて該第1燃圧よりも高い第2燃圧とする燃圧可変制御装置と、
前記第1燃圧と前記第2燃圧との圧力比に応じて、第1燃圧要求時の燃料噴射時間を増大補正し、第2燃圧要求時の燃料噴射時間を短縮補正する燃料噴射時期補正手段と、
実空燃比を検出する空燃比センサと、
前記実空燃比が制御目標空燃比と一致するように、前記実空燃比と該制御目標空燃比との差に基づいたフィードバック補正量を燃料噴射量にフィードバックするフィードバック補正手段と、
前記第1燃圧要求時の前記フィードバック補正量と、前記第2燃圧要求時の前記フィードバック補正量との差が、故障上限閾値よりも大きい場合に、前記燃圧可変制御装置が故障していると判定する故障判定手段と、を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、第1燃圧要求と第2燃圧要求とを切り替えて、第1燃圧要求時のフィードバック補正量と第2燃圧要求時のフィードバック補正量との差(変動幅)が、故障下限閾値を下回っているか否かによって、燃圧可変制御装置の故障を診断することができる。
具体的には、燃圧可変制御装置が正常に動作している場合には、第1燃圧要求と第2燃圧要求とに応じて燃料噴射弁に供給される燃圧が切り替わる。第1燃圧要求から第2燃圧要求に切り替えた場合には、燃圧の増大に伴い、燃料噴射量は増大することとなる。燃料噴射量が増大すれば、実空燃比はリッチ側に変動する。この実空燃比の変動に対して、フィードバック補正により燃料噴射量を減少させるフィードバック補正量が設定され、実空燃比が制御目標空燃比となるように制御される。また、第2燃圧要求から第1燃圧要求に切り替えた場合には、燃圧の減少に伴い、燃料噴射量は減少することとなる。燃料噴射量が減少すれば、実空燃比はリーン側に変動する。この実空燃比の変動に対して、フィードバック補正により燃料噴射量を増大させるフィードバック補正量が設定され、実空燃比が制御目標空燃比となるように制御される。
このように、第1及び第2燃圧要求に対するフィードバック補正量は、減少方向・増大方向に変動する。よって、変動幅が故障下限閾値以上の場合には、燃圧可変制御装置が正常に動作していると診断することができる。
一方、第1の発明において、燃圧可変制御装置が故障している場合には、第1燃圧要求と第2燃圧要求とを切り替えても、燃圧の変動は小さくなる。燃圧の変動が小さければ、実空燃比の変動も小さく、第1及び第2燃圧要求に対するフィードバック補正量の変動幅も小さくなる。よって、変動幅が故障下限閾値よりも小さい場合には、燃圧可変制御装置が故障していると診断することができる。このように、本発明によれば、燃圧センサの追加によるコスト増加や搭載性の制約無く、燃圧可変制御装置の故障診断を実現することができる。
第2の発明によれば、第1燃圧要求から第2燃圧要求に切り替えると同時に燃料噴射時間を短縮補正することができる。燃圧可変制御装置が正常に動作している場合には、第2燃圧要求と同時に燃料噴射時間を短縮することで、実空燃比のリッチ側への変動を低減させることができる。また、第2燃圧要求から第1燃圧要求に切り替えると同時に燃料噴射時間を増大補正することができる。燃圧可変制御装置が正常に動作している場合には、第1燃圧要求と同時に燃料噴射時間を増大することで、実空燃比のリーン側への変動を低減させることができる。
一方、第2の発明において、燃圧可変制御装置が故障している場合には、第1又は第2燃圧要求に対して、燃圧が切り替わることなく、上述した燃料噴射時間の増大・減少補正だけがなされる。この補正は適切に働かないため、燃料噴射時間の増大・減少補正に応じて実空燃比は変動することとなる。実空燃比の変動に対して、上述した第1の発明と同様に、第1及び第2燃圧要求に対するフィードバック補正量が算出される。このフィードバック補正量の変動幅は正常時よりも大きくなる。よって、変動幅が故障上限閾値よりも大きい場合には、燃圧可変制御装置が故障していると診断することができる。このように、本発明によれば、燃圧可変制御装置が正常に動作している場合の故障診断において、空燃比の変動を小さくすることができ、エミッションの悪化や、トルク変動によるドライバビリティの悪化を抑制することができる。
実施の形態1におけるシステム構成を説明するための構成図である。 実施の形態1の故障診断装置において実現される故障診断の一例を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態1においてECU50が実施する故障判定ルーチンを示したフローチャートである。 実施の形態2の故障診断装置において実現される故障診断の一例を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態2においてECU50が実施する故障判定ルーチンを示したフローチャートである。 実施の形態3においてECU50が実施する故障判定ルーチンを示したフローチャートである。 実施の形態4におけるシステム構成を説明するための構成図である。 実施の形態4の故障診断装置において実現される故障診断の一例を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態4においてECU50が実施する故障判定ルーチンを示したフローチャートである。 実施の形態5の故障診断装置において実現される故障診断の一例を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態5においてECU50が実施する故障判定ルーチンを示したフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係るシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10は図示しない複数の気筒を有している。気筒にそれぞれ接続された図示しない吸気ポートには、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射式の燃料噴射弁12がそれぞれ配置されている。各燃料噴射弁12は、共通の低圧デリバリパイプ14に接続されている。また、内燃機関10の排気通路の触媒上流には図示しない空燃比センサが配置されている。
低圧デリバリパイプ14は、低圧配管17を介して燃料ポンプ18に接続されている。燃料ポンプ18は、図示しない燃料タンクから低圧配管17に燃料を圧送する。
本実施形態のシステムはECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力側には、前述の空燃比センサが接続されている。ECU50の出力側には、前述の燃料噴射弁12、燃料ポンプ18が接続されている。
(実施の形態1のシステムにおける基本動作)
ECU50は、空燃比センサからの出力を元に、実空燃比が理論空燃比と一致するように、実空燃比と理論空燃比との差に基づいたフィードバック補正量を算出する。そして、フィードバック補正量を、燃料噴射弁12に噴射させる燃料噴射量にフィードバックする「空燃比フィードバック制御」を実施する。
また、燃料ポンプ18は、ECU50からの制御信号によって流量制御される。具体的には、燃料ポンプ18は、燃料ECU50からの制御信号により、低圧配管17内の燃圧を、第1燃圧と、第1燃圧よりも高い第2燃圧とに切り替えることができる燃圧可変制御装置(図示略)を有している。なお、この燃圧可変制御装置は、低圧配管17内の燃圧を、第1燃圧と第2燃圧とに切り替える機能さえ有していればよく、燃料ポンプ18と別体であってもよい。
[実施の形態1における燃圧可変制御装置の故障診断処理]
次に、本実施形態のシステムの特徴である燃圧可変制御装置の故障診断処理について図2〜図3を用いて説明する。最初に、図2を用いて故障検出処理の概要について説明する。図2は、燃圧可変制御装置の故障診断の実施例を説明するためのタイミングチャートである。なお、以降の説明においては、第1燃圧を400kPa、第2燃圧を650kPaと例示して説明するが、これらの調圧値は限定されるものではなく、第1燃圧よりも第2燃圧が高い関係にありさえすればよい。
(燃圧可変制御装置が正常動作している場合)
まず、燃圧可変制御装置が正常に動作している場合になされた故障診断の実施例について説明する。図2(A)に示す実線60aは、正常時に燃料噴射弁12に供給される燃料の圧力変化を示している。図2(C)に示す実線62aは、上述した空燃比フィードバック制御により算出され、燃料噴射量にフィードバックされるフィードバック補正量の変化を示している。図2(D)に示す実線64aは、空燃比センサにより検出される実空燃比の変化を示している。なお、図2(D)の中央線は、制御目標空燃比(例えば、理論空燃比とする。)を示している。
時刻t前においては、燃圧は400kPaに調圧されている(図2(A))。このとき、上述した空燃比フィードバック制御により、燃料噴射量は一定のフィードバック補正量で補正され(図2(C))、実空燃比が理論空燃比と一致するように保たれている(図2(D))。
時刻tにおいて、故障診断が開始され、燃圧を650kPaとする要求(以下、第2燃圧要求という。)がなされる。第2燃圧要求に応じて、燃圧可変制御装置は正常に動作して、燃圧は650kPaに調圧される(図2(A))。燃圧が650kPaに増大することで、燃料噴射弁12から噴射される単位時間当たりの燃料噴射量も増大する。燃料噴射量が増大することで、実空燃比はリッチとなる(図2(D))。実空燃比がリッチとなれば、上述した空燃比フィードバック制御により、実空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射量を減少させるフィードバック補正量が算出される(図2(C))。算出されたフィードバック補正量に応じて、燃料噴射量は減少補正される。時刻t後、一時的に実空燃比はリッチとなるものの、空燃比フィードバック制御により、理論空燃比に収束する(図2(D))。
時刻tにおいて、燃圧を400kPaとする要求(以下、第1燃圧要求という。)がなされる。第1燃圧要求に応じて、燃圧は650kPaから400kPaに切り替えられる(図2(A))。燃圧が400kPaに減少することで、燃料噴射弁12から噴射される単位時間当たりの燃料噴射量も減少する。燃料噴射量が減少することで、実空燃比はリーンとなる(図2(D))。実空燃比がリーンとなれば、上述した空燃比フィードバック制御により、燃料噴射量を増大させるフィードバック補正量が算出される(図2(C))。算出されたフィードバック補正量に応じて、燃料噴射量は増大補正される。時刻t後、一時的に実空燃比はリーンとなるものの、空燃比フィードバック制御により、理論空燃比に収束する(図2(D))。
その後、時刻tにおいて再び第2燃圧要求がなされ、上述した時刻tと同様の動作がなされる。時刻tにおいて再び第1燃圧要求がなされ、上述した時刻tと同様の動作がなされる。
このように、正常時においては、第1燃圧要求(例えば、時刻t)と第2燃圧要求(例えば、時刻t)とに応じて、空燃比フィードバック制御により算出されるフィードバック補正量は大きく変動することとなる(図2(C))。そこで、本実施形態の故障診断では、フィードバック補正量の変動幅が、故障下限閾値66を下回らない場合には、燃圧可変制御装置が正常に動作していると診断する。
(燃圧可変制御装置が異常動作している場合)
次に、燃圧可変制御装置が異常動作(故障)している場合になされた、故障診断の実施例について説明する。図2(A)に示す破線60bは、燃料噴射弁12に供給される燃料の圧力が650kPaに固定されて400kPaに切り替わらない状態を示している。
時刻t〜時刻tにおいて、第1燃圧要求と第2燃圧要求とを交互に切り替える。しかし、燃圧は650kPaに固定された状態のままであり、燃圧の変動は生じない。燃圧の変動が生じないため、図2(D)の破線64bに示す通り、実空燃比は変動しない。そのため、上述した空燃比フィードバック制御によって算出されるフィードバック補正量も、図2(C)の破線62bに示す通り変動しない。
このように、異常時においては、第1燃圧要求と第2燃圧要求との切り替え前後において、フィードバック補正量が変動しない(図2(C))。そこで、本実施形態の故障診断では、フィードバック補正量の変動幅が、故障下限閾値66よりも小さい場合には、燃圧可変制御装置が故障していると診断する。
図3は、上述の故障診断を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。図3に示すルーチンでは、まず、ステップ100において、燃料噴射量(又は負荷率)が所定値以上であるか否かを判定する。この判定は、第2燃圧要求(650kPa)から第1燃圧要求(400kPa)に切替えられた時点でなされている、空燃比フィードバック制御による燃料噴射量を減少補正するフィードバック補正量を差し引いても、失火が生じない程度の最小噴射量を確保できているか否かを確認するための判定である。フィードバック補正量を差し引いた燃料噴射量が最小噴射量より小さい場合には、ECU50は、故障診断を実施するための前提条件が成立していないと判断し、本ルーチンを終了する。
フィードバック補正量を差し引いても燃料噴射量が最小噴射量以上である場合には、ECU50は、ステップ110において、負荷変化率が所定値以内であるか否かを判定する。この判定は、空燃比フィードバック制御によるフィードバック補正量の定常的なずれ分と、本ルーチンの故障判定におけるフィードバック補正量の変動量とを区別できるSN比が確保できているか否かを確認するための判定である。負荷変化率が所定値よりも大きい場合には、ECU50は、故障診断を実施するための前提条件が成立していないと判断し、本ルーチンを終了する。
負荷変化率が所定値以内である場合には、ステップ120において、ECU50は、機関運転中に故障診断のために、第1燃圧要求(400kPa)と第2燃圧要求(650kPa)とを交互に切替える(図2(A))。具体的には、ECU50は、燃料ポンプ18に、第1燃圧、第2燃圧とする制御信号を切替えて出す。
ステップ130において、ECU50は、空燃比フィードバック制御により、第1燃圧要求時のフィードバック補正量と、第2燃圧要求時のフィードバック補正量を算出する。そして、これらのフィードバック補正量の変動幅を算出し、変動幅が故障下限閾値よりも小さいか否かを判定する。故障下限閾値は、例えば、実験等により定めた正常時におけるフィードバック補正量の最小変動幅とする。
フィードバック補正量の変動幅が、故障下限閾値以上と判定された場合には、ECU50は、燃圧可変制御装置が正常に動作していると判断する(ステップ140)。燃圧可変制御装置の正常動作とは、上述した図2の実線で示した動作である。その後本ルーチンを終了する。
一方、フィードバック補正量の変動幅が、故障下限閾値よりも小さいと判定された場合には、ECU50は、燃圧可変制御装置が故障していると判断する(ステップ150)。燃圧可変制御装置が故障している場合の動作とは、例えば、上述した図2の破線で示した動作である。その後本ルーチンを終了する。
以上説明したように、図3に示す故障判定ルーチンによれば、燃料ポンプ18に異なる燃圧要求を交互に出して、各要求時のフィードバック補正量の変動幅を算出する。
正常時には、要求燃圧に応じて燃圧が変動する。燃圧の変動に応じて実空燃比はリッチ/リーンに変動する。空燃比フィードバック制御により算出されるフィードバック補正量は、実空燃比がリッチになれば燃料噴射量を減少させる補正量となり、実空燃比がリーンになれば燃料噴射量を増大させる補正量となる。即ち、正常時において、フィードバック補正量の変動幅は大きく変動する。そのため、フィードバック補正量の変動幅が大きい場合には、燃圧可変制御装置が正常に動作していると診断することができる。
一方、異常時には、第1燃圧要求と第2燃圧要求とを交互に出しても、燃圧が切り替わらない又はその変動が小さいため、実空燃比の変動は小さく、フィードバック補正量の変動も小さい。そのため、フィードバック補正量の変動幅が変動幅は小さい場合は、燃圧可変制御装置が故障していると診断することができる。このように、本実施形態のシステムによれば、燃圧センサを用いること無く、燃圧可変制御装置の故障診断を実現することができる。
尚、上述した実施の形態1においては、燃料噴射弁12が前記第1の発明における「燃料噴射弁」に、燃料ポンプ18から低圧配管17を介して低圧デリバリパイプ14に燃料を供給する構成が前記第1の発明における「燃料供給装置」に、燃圧可変制御装置が前記第1の発明における「燃圧可変制御装置」に、それぞれ相当している。
また、ここでは、ECU50が、上述した「空燃比フィードバック制御」を実行することにより、前記第1の発明における「フィードバック補正手段」が、上記ステップ120〜ステップ150の処理を実行することにより前記第1の発明における「故障判定手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図4〜図5を参照して本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態のシステムは図1に示す構成において、ECU50に後述する図5のルーチンを実施させることで実現することができる。
[実施の形態2における燃圧可変制御装置の故障診断処理]
上述した実施の形態1では、第1燃圧要求と第2燃圧要求とを交互に切替えることで生じる実空燃比の変動に基づいて、フィードバック補正量の変動幅を算出する。そして、変動幅が大きい場合には、燃圧可変制御装置が正常に動作していると診断できる。しかしながら、エミッションやドライバビリティ悪化防止の面から、正常時の故障診断における実空燃比の変動は小さいほうが望ましい。そこで、本実施形態においては、正常時の故障診断における実空燃比の変動を低減した、故障診断処理を実現することとした。
具体的な制御の概要について図4を用いて説明する。図4は、実施の形態2における燃圧可変制御装置の故障診断の実施例を説明するためのタイミングチャートである。図4における各線の意味は上述した図2と同様であるため、同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
(燃圧可変制御装置が正常動作している場合)
まず、燃圧可変制御装置が正常に動作している場合になされた、故障診断の実施例について説明する。時刻t前においては、燃圧は400kPaに調圧されている(図4(A))。このとき、実施の形態1と同様の空燃比フィードバック制御により、燃料噴射量は一定のフィードバック補正量で補正され(図4(C))、実空燃比が理論空燃比と一致するように保たれている(図4(D))。
時刻tにおいて、故障診断が開始され、燃圧を650kPaとする要求(第2燃圧要求)がなされる。第2燃圧要求に応じて、燃圧可変制御装置は正常に動作して、燃圧は650kPaに調圧される(図4(A))。図4(B)の実線68は、ポート噴射式の燃料噴射弁12に対する燃料噴射時間の補正量を示している。この補正量は予め実験等により定めたマップに記憶されており、第2燃圧要求と同時に燃料噴射時間を短縮する補正を実施する。燃圧が400kPaから650kPaに増大することで、燃料噴射弁12から噴射される単位時間当たりの燃料噴射量は増大するが、上記補正により、燃料噴射時間が短縮補正されるため、実空燃比の変動は低減される(図4(D))。そのため、図4(C)の実線62aに示す通り、空燃比フィードバック制御によるフィードバック補正量も、実空燃比の変動に応じて小さく変動する。このフィードバック補正量の変動は、時刻t〜時刻t間において常に図4(B)に示す燃料噴射時間の減少補正がされているため、一時的なものとなる。
時刻tにおいて、燃圧を400kPaとする要求(第1燃圧要求)がなされる。第1燃圧要求に応じて、燃圧は650kPaから400kPaに切り替えられる(図4(A))。本実施形態においては、図4(B)に示す通り、第1燃圧要求と同時に燃料噴射時間を延長する補正を実施する。燃圧が650kPaから400kPaに減少することで、燃料噴射弁12から噴射される単位時間当たりの燃料噴射量は減少するが、上記補正により、燃料噴射時間が延長補正されるため、実空燃比の変動は低減される(図4(D))。そのため、図4(C)の実線62aに示す通り、空燃比フィードバック制御によるフィードバック補正量も、実空燃比の変動に応じて小さく変動する。このフィードバック補正量の変動は、時刻t〜時刻t間において常に図4(B)に示す燃料噴射時間の延長補正がされているため、一時的なものとなる。
その後、時刻tにおいて再び第2燃圧要求がなされ、上述した時刻tと同様の動作がなされる。時刻tにおいて再び第1燃圧要求がなされ、上述した時刻tと同様の動作がなされる。
このように、正常時においては、第1燃圧要求(例えば、時刻t)と第2燃圧要求(例えば、時刻t)との切り替え前後における、実空燃比の変動は小さく、算出されるフィードバック補正量の変動は小さい(図4(C))。そこで、本実施形態の故障診断では、フィードバック補正量の変動幅が、故障上限閾値70を超えない場合には、燃圧可変制御装置が正常に動作していると診断する。
(燃圧可変制御装置が異常動作している場合)
次に、燃圧可変制御装置が異常動作(故障)している場合になされた、故障診断の実施例について説明する。実施の形態1で述べた通り、時刻t〜時刻tにおいて、第1燃圧要求と第2燃圧要求とを交互に切り替えても、燃圧は650kPaの状態のままとなる(図4(A))。
本実施形態においては、図4(B)に示すように、第1燃圧要求と同時に燃料噴射時間を延長する補正を実施し、第2燃圧要求と同時に燃料噴射時間を短縮する補正を実施している。そのため、時刻t〜時刻tにおいて、燃圧が変わらないまま、燃料噴射時間だけが延長/短縮補正されることとなる。燃圧は変わらないため、この補正は空回りし、燃料噴射時間の延長/短縮補正に伴う燃料噴射量の変動を引き起こして、実空燃比を大きく変動させることとなる(図4(D))。そのため、空燃比フィードバック制御によって算出されるフィードバック補正量も大きく変動する(図4(C))。
このように、正常時においては、第1燃圧要求と第2燃圧要求とに応じて、空燃比フィードバック制御により算出されるフィードバック補正量は大きく変動することとなる(図4(C))。そこで、本実施形態の故障診断では、フィードバック補正量の変動幅が故障上限閾値70よりも大きい場合には、燃圧可変制御装置が故障していると診断する。
図5は、上述の故障診断を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ステップ120〜ステップ150の処理がステップ220〜ステップ250に置き換えられている点を除き、図3に示すルーチンと同様である。以下、図5において、図3に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図5に示すルーチンでは、上述したステップ110で負荷変化率が所定値以内と判断された場合には、ステップ220において、ECU50は、故障診断のため第1燃圧要求(400kPa)と第2燃圧要求(650kPa)とを交互に切替える(図4(A))。さらに、本実施形態においては、図4(B)に示すように、第1燃圧要求と同時に燃料噴射時間を延長する補正を実施し、第2燃圧要求と同時に燃料噴射時間を短縮する補正を実施する。
ステップ230において、ECU50は、空燃比フィードバック制御により、第1燃圧要求時のフィードバック補正量と、第2燃圧要求時のフィードバック補正量を算出する。そして、これらのフィードバック補正量の変動幅を算出し、変動幅が故障上限閾値よりも大きいか否かを判定する。故障上限閾値は、例えば、実験等により定めた正常時におけるフィードバック補正量の最大変動幅とする。
フィードバック補正量の変動幅が、故障上限閾値以下と判定された場合には、ECU50は、燃圧可変制御装置が正常に動作していると判断する(ステップ240)。燃圧可変制御装置の正常動作とは、上述した図4の実線で示した動作である。その後本ルーチンを終了する。
一方、フィードバック補正量の変動幅が、故障上限閾値よりも大きいと判定された場合には、ECU50は、燃圧可変制御装置が故障していると判断する(ステップ250)。燃圧可変制御装置が故障している場合の動作とは、例えば上述した図4の破線で示した動作である。その後本ルーチンを終了する。
以上説明したように、図5に示す故障判定ルーチンによれば、第1燃圧要求と同時に燃料噴射時間を延長する補正を実施し、第2燃圧要求と同時に燃料噴射時間を短縮する補正を実施する。そのため、正常時には、燃圧の切り替えに伴う燃料噴射量の変動を適切に補正し、実空燃比の変動を低減することができる。実空燃比の変動が低減されるため、フィードバック補正量の変動も小さくなる。そのため、フィードバック補正量の変動が小さい場合には、燃圧可変制御装置が正常に動作していると診断することができる。
一方、異常時には、第1燃圧要求と第2燃圧要求とを交互に出しても、燃圧が正しく切り替わることなく、第1及び第2燃圧要求と同時に燃料噴射時間の延長/短縮補正だけが空回りすることとなる。燃料噴射時間の延長/短縮補正によって、実空燃比の変動が引き起こされ、フィードバック補正量も大きく変動することとなる。そのため、フィードバック補正量の変動幅が大きい場合には、燃圧可変制御装置が故障していると診断することができる。このように、本実施形態のシステムによれば、正常時における、エミッションの悪化やトルク変動に伴うドライバビリティの悪化を抑制しつつ故障判定を実施することができる。
尚、上述した実施の形態2においては、燃料噴射弁12が前記第2の発明における「燃料噴射弁」に、燃料ポンプ18から低圧配管17を介して低圧デリバリパイプ14に燃料を供給する構成が前記第2の発明における「燃料供給装置」に、燃圧可変制御装置が前記第2の発明における「燃圧可変制御装置」に、それぞれ相当している。
また、ここでは、ECU50が、上述した「空燃比フィードバック制御」を実行することにより、前記第2の発明における「フィードバック補正手段」が、上記ステップ220の処理を実行することにより、前記第2の発明における「燃料噴射時期補正手段」が、上記ステップ220〜ステップ250の処理を実行することにより前記第2の発明における「故障判定手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
次に、図6を参照して本発明の実施の形態3について説明する。本実施形態のシステムは図1に示す構成において、ECU50に後述する図6のルーチンを実施させることで実現することができる。
[実施の形態3における燃圧可変制御装置の故障診断処理]
上述した実施の形態1では、故障診断のためにアクティブに第1及び第2燃圧要求を切替えて、実空燃比の変動を生じさせることで故障診断を実施している。このような空燃比の変動に伴うエミッション悪化等は低減できることが望ましい。そこで、本実施形態においては、故障診断の実施時期をフューエルカット復帰後のリッチ制御中とし、エミッション悪化等を防止することとした。
図6は、上述の故障診断を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ステップ310の処理が、実施の形態1におけるステップ110とステップ120との間に加えられた点を除き、図3に示すルーチンと同様である。以下、図6において、図3に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図6に示すルーチンでは、ステップ310において、ECU50は、内燃機関10がフューエルカット復帰後のリッチ制御中であるか否かを判定する。フューエルカットによって、触媒の酸素吸蔵材に蓄えられた酸素吸蔵量が多くなっており、フューエルカット復帰後に一時的にリッチ制御をする。本実施形態では、復帰後のリッチ制御中と判定された場合、即ち、酸素吸蔵量が多い時期に合わせて、上述したステップ120における燃圧切替えを実行する。以降の処理は、実施の形態1におけるステップ130〜ステップ150と同様である。
以上説明した通り、図6に示す故障判定ルーチンによれば、フューエルカット復帰後の酸素吸蔵量が多い時期に合わせて、燃圧切り替えによる故障診断を実施することができる。酸素吸蔵量が多い時期に合わせることで、実空燃比の変動(空燃比荒れ)に伴うエミッション悪化等を低減した故障診断を実現することができる。
ところで、上述した実施の形態3のシステムにおいては、ステップ310の処理を、実施の形態1における故障判定手段に適用することとしているが、この適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、図6に示すルーチンのステップ120〜ステップ150の処理に代えて、実施の形態2におけるステップ220〜ステップ250の処理を実行することとしても良い。
実施の形態4.
[実施の形態4のシステム構成]
次に、図7〜図9を参照して本発明の実施の形態4について説明する。本実施形態のシステムは図7に示す構成において、ECU50に後述する図9のルーチンを実施させることで実現することができる。
図7は、実施の形態4に係るシステム構成を説明するための図である。図7に示すシステムは、低圧燃料系80と、筒内直噴式の燃料噴射弁36を備えた高圧燃料系82とからなるV6エンジンである。低圧燃料系80は、上述した図1に示す構成と同様であるため、同一の番号を付してその説明は省略する。また、高圧燃料系82の構成は、例えば、特開2000−274322号公報に開示されている公知の内容であるためその説明は省略する。
[実施の形態4における燃圧可変制御装置の故障診断処理]
上述した実施の形態1では、低圧燃料系80において、故障診断のためにアクティブに第1燃圧要求と第2燃圧要求とを切替えて、実空燃比の変動を生じさせることで故障診断を実施している。ところで、エミッションやドライバビリティの悪化防止の面から見れば、故障診断における実空燃比の変動は必要以上に大きくならないことが望ましい。本実施形態では、各気筒の総燃料噴射量を低圧燃料系80と高圧燃料系82とで吹き分けて、実空燃比の変動を最小限に抑えつつ、燃圧可変制御装置の故障診断を実施することとした。
具体的な制御の概要について図8を用いて説明する。図8は、実施の形態4における燃圧可変制御装置の故障診断の実施例を説明するためのタイミングチャートである。図8の実線は、回転数等に応じて定めた気筒毎の総燃料噴射量を、ポート噴射式の燃料噴射弁12と筒内直噴式の燃料噴射弁36とで吹き分けた場合の時間変化を示している。また、図8の破線は、総燃料噴射量をポート噴射式の燃料噴射弁12のみで噴射した場合の時間変化を示している。なお、図8(E)は、総燃料噴射量に対してポート噴射式の燃料噴射弁12から噴射される噴射割合を示している。
燃圧可変制御装置が正常に動作している場合において、総燃料噴射量を全てポート噴射した場合(図8の破線)の動作は、図2の実線で説明した内容と同様である。簡単には、要求燃圧に応じて燃料噴射量が増減し、燃料噴射量の増減に伴い空燃比が大きく変動するため、空燃比フィードバック制御によるフィードバック補正量も大きく変動する。
これに対して、総燃料噴射量をポート噴射式の燃料噴射弁12と筒内直噴式の燃料噴射弁36とで吹き分けた場合(図8の実線)には、ポート噴射式の燃料噴射弁12から噴射される燃料噴射量は相対的に少なくなる。燃料噴射弁12から噴射される燃料噴射量が少なくなるため、燃圧可変制御装置により燃料噴射弁12に供給される燃圧が切替えられても、燃料噴射量の変動は少なく、実空燃比の変動も小さくなる(図8(D))。実空燃比の変動が小さくなるため、空燃比フィードバック制御によるフィードバック補正量の変動幅も小さくなる(図8(C))。そこで、本実施形態の故障診断では、フィードバック補正量の変動幅が、故障下限閾値74を下回らない場合には、燃圧可変制御装置が正常に動作していると診断する。
図9は、上述の故障診断を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ステップ120の処理がステップ420の処理に置き換えられている点を除き、図3に示すルーチンと同様である。以下、図9において、図3に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図9に示すルーチンでは、上述したステップ110で負荷変化率が所定値以内と判断された場合には、ステップ420において、ECU50は、故障診断のため第1燃圧要求(400kPa)と第2燃圧要求(650kPa)とを交互に切替える(図8(A))。さらに、本実施形態においては、回転数等に基づいて気筒毎に定めた総燃料噴射量に対して、ポート噴射と筒内直接噴射との噴射割合(例えば、1:1とする。)を設定する(図8(E))。
その後、上述したステップ130〜ステップ150の処理を実施し、本ルーチンを終了する。なお、ステップ130の判定処理においては、故障下限閾値66に換えて図8で示す故障下限閾値74を用いる。故障下限閾値74は、ポート噴射割合を小さく設定するほど小さい値となる。但し、空燃比フィードバック制御により生じる定常的なフィードバック補正量のずれ分と、本ルーチンの故障判定におけるフィードバック補正量の変動量とを区別できる範囲の値とする。
以上説明したように、図9に示す故障判定ルーチンによれば、総燃料噴射量をポート噴射と筒内直接噴射とで吹き分けることができる。ポート噴射による吹き分け率を小さくすることで、ポート噴射式の燃料噴射弁12に供給する燃圧を変更した際に生じる実空燃比の変動を低減することができる。また、故障診断は実施の形態1と同様に実施できる。このように、本実施形態のシステムによれば、実施の形態1の故障診断に比して、実空燃比の変動を低減してエミッションの悪化やトルク変動に伴うドライバビリティの悪化を防止することができる。
ところで、上述した実施の形態4のシステムにおいては、ステップ420の処理を、実施の形態1における故障診断に適用することとしているが、この適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、実施の形態2で述べた図5のステップ220の処理に、ステップ420の処理内容を加えることとしても良い。
実施の形態5.
次に、図10〜図11を参照して本発明の実施の形態5について説明する。本実施形態のシステムは図7に示す構成において、各気筒の排気通路上流に空燃比センサを備えて、ECU50に後述する図11のルーチンを実施させることで実現することができる。
[実施の形態5における燃圧可変制御装置の故障診断処理]
上述した実施の形態4では、気筒毎に総燃料噴射量をポート噴射と筒内直接噴射とに吹き分けて、実空燃比の変動を低減しつつ故障診断を実施している。本実施形態では、図7に示すV6エンジンにおいて、さらに、一時的に燃料噴射を吹き分ける気筒を限定して、燃圧可変制御装置の故障診断を実施することとした。
具体的な制御の概要について図10を用いて説明する。図10は、実施の形態5における燃圧可変制御装置の故障診断の実施例を説明するためのタイミングチャートである。図10の実線は、図7に示すV6エンジンの右バンクにおける空燃比等の時間変化を示している。同様に、図10の破線は左バンクにおける空燃比等の時間変化を示している。なお、図10(E)は、気筒毎の総燃料噴射量に対してポート噴射式の燃料噴射弁12から噴射される燃料噴射割合を示している。実線76aで示す右バンクは、ポート噴射と筒内直接噴射とに吹き分けている。一方、実線76bで示す左バンクは、ポート噴射をせずに全て筒内直接噴射としている。
燃圧可変制御装置が正常に動作している場合において、総燃料噴射量を全て筒内直接噴射する左バンクでは(図10の破線)、燃圧可変制御装置の燃圧を切替えても、ポート噴射式の燃料噴射弁12から燃料が噴射されることは無い。そのため、実空燃比の変動も無く、空燃比フィードバック制御によるフィードバック補正量の変動も生じない。
一方、総燃料噴射量をポート噴射式の燃料噴射弁12と筒内直噴式の燃料噴射弁36とで吹き分ける右バンクでは、実施の形態4で説明した通り、実空燃比の変動を低減しつつ、燃圧可変制御装置の故障を診断することができる。なお、実空燃比は右バンクの各気筒の排気通路に設けられた空燃比センサにより検出する。
図11は、上述の故障診断を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ステップ120の処理がステップ520の処理に置き換えられている点を除き、図3に示すルーチンと同様である。以下、図11において、図3に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図11に示すルーチンでは、上述したステップ110で負荷変化率が所定値以内と判断された場合には、ステップ520において、ECU50は、故障診断のため第1燃圧要求(400kPa)と第2燃圧要求(650kPa)とを交互に切替える。さらに、本実施形態においては、一方のバンクでは筒内直接噴射のみとし、他方のバンクでは回転数等に基づいて定めた総燃料噴射量に対して、ポート噴射と筒内直接噴射との噴射割合(例えば、1:1とする。)を設定する(図8(E))。
その後、上述したステップ130〜ステップ150の処理を実施し、本ルーチンを終了する。なお、ステップ130における実空燃比の検出は、ポート噴射を実施している右バンクの各気筒の排気通路に設けられた空燃比センサから検出することとする。
以上説明したように、図11に示す故障判定ルーチンによれば、ポート噴射を実施する気筒を限定して故障診断を実施することができる。ポート噴射を実施する気筒の排気通路に配置された空燃比センサにより実空燃比を検出し、フィードバック補正量の変動幅を算出することで、燃圧可変制御装置の故障を診断することができる。このように、本実施形態のシステムによれば、ポート噴射により燃圧を変動させる気筒を限定することで、内燃機関全体としての空燃比変動を低減している。そのため、実施の形態4に比して、エミッションの悪化やトルク変動に伴うドライバビリティの悪化を低減した故障診断を実現することができる。
ところで、上述した実施の形態1のシステムにおいては、片バンクを、全て筒内直接噴射としているが、全て筒内直接噴射とする気筒はこれに限定されるものではない。例えば、全部ではない特定気筒群について全て筒内直接噴射することとしても良い。
また、上述した実施の形態5のシステムにおいては、ステップ520の処理を、実施の形態1における故障診断に適用することとしているが、この適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、実施の形態2で述べた図5のステップ220の処理に、ステップ520の処理内容を加えることとしても良い。
10 内燃機関
12 ポート噴射式の燃料噴射弁
14 低圧デリバリパイプ
17 低圧配管
18 燃料ポンプ
36 筒内直噴式の燃料噴射弁
50 ECU
80 低圧燃料系
82 高圧燃料系

Claims (1)

  1. 燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給装置と、
    前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を、第1燃圧要求に応じて第1燃圧とし、第2燃圧要求に応じて該第1燃圧よりも高い第2燃圧とする燃圧可変制御装置と、
    実空燃比を検出する空燃比センサと、
    前記実空燃比が制御目標空燃比と一致するように、前記実空燃比と該制御目標空燃比との差に基づいたフィードバック補正量を燃料噴射量にフィードバックするフィードバック補正手段と、
    フューエルカット復帰後のリッチ制御中に前記第1燃圧要求と前記第2燃圧要求とを交互に切り替えて出し、前記第1燃圧要求時の前記フィードバック補正量と、前記第2燃圧要求時の前記フィードバック補正量との差が、故障下限閾値よりも小さい場合に、前記燃圧可変制御装置が故障していると判定する故障判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の故障診断装置。
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