JP5332713B2 - 光センサーおよび計測システム - Google Patents

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本発明は、光により情報を取得する光センサーおよび計測システムに関する。
下記特許文献1に示すように、血液中の赤血球に含有しているヘモグロビンが特定波長領域の光を強く吸収する性質を利用して、人物の脈拍、脈波および血中酸素飽和等のバイタル情報を測定する装置が提案されている。例えば、反射型光センサーは、発光素子と受光素子を生体表面に並べて配置して成り、発光素子は人物の表面に特定波長領域の光を照射し、照射された光は体内で散乱した後に反射されて反射型光センサーに戻る。受光素子は、反射型光センサーに戻る光、即ち反射光を捉えることにより、反射型光センサーは、反射光の光量に基づいて人物のバイタル情報を算出する。
この場合、脈を打つことで血液が血管に流れ込んで来るような状態では、反射光は減少する。他方で、脈を打っていない状態では、血液量が少ないので反射光が増える。従って、この反射光の推移を観測することで脈拍および脈波を計測できる。また、2波長以上の光の反射光を照射することによって血中酸素飽和度を測定できる。
特開2004−337605号公報
反射型光センサーで使用される発光素子が発光する照射光の光束の強度分布は、中心部をピークとして周縁部に向かうに従い低下する。従って、光束の中心部を人物の表面に照射することにより、反射光の強度が高く、即ち、S/N比の高い信号が得られる。このようなことから、光束の中心部が人物の表面で反射した反射光を取得することが望ましい。しかしながら、従来の反射型光センサーは、発光素子が発光する照射光を人物の表面の垂直方向から照射するため、光束の中心部の反射光が発光素子等に戻り、受光素子で受光できないため、発光素子から照射される光を効率的に使用することは困難であった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかる光センサーは、生体に光を照射し、前記生体で反射される光に応じた信号を出力する光センサーであって、対向する前記生体に向かって照射光を発光する発光手段と、前記照射光が成す光束の中心部にあって、前記中心部を通過する前記照射光の一部が向かう方向とは異なる方向に、前記一部の照射光の光路を変更する変更手段と、前記発光手段と背向して配置され、入射する光の受光量に応じた電気信号を出力する受光手段と、変更手段で光路が変更された一部の照射光を含む照射光が生体で反射されることにより発光手段の周囲に入射する反射光を、受光手段に導く導光手段と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、変更手段は、発光手段が発光した照射光が成す光束の中心部にあって、中心部を通過する照射光の一部が向かう方向とは異なる方向に、一部の照射光の光路を変更し、導光手段は、変更手段で光路が変更された一部の照射光を含む照射光が生体で反射されることにより発光手段の周囲に入射する反射光を、受光手段に導くことにより、反射光の受光量に応じた電気信号が出力される。従って、高い強度が得られる光束の中心部の光路を変更して生体に照射すると共に、光路を変更することにより、発光手段の周囲に入射する反射光を受光手段に導くことができることから、光センサーから照射する光を効率的に使用することができる。
[適用例2]
上記適用例にかかる光センサーにおいて、前記導光手段は、前記反射光を焦点位置に集光する凹面鏡であり、前記受光手段は、前記焦点位置に配置されても良い。
このような構成によれば、反射光を効率的に受光できる。
[適用例3]
上記適用例にかかる光センサーにおいて、前記変更手段は、前記一部の照射光の光路を拡散させることが好ましい。
このような構成によれば、照射光を種々の角度で生体に照射できる。
[適用例4]
上記適用例にかかる光センサーにおいて、前記発光手段は、波長が異なる複数の照射光を発光し、前記受光手段は、前記複数の照射光のそれぞれの受光量に応じて前記電気信号を出力しても良い。
[適用例5]
また、上述した光センサーと、前記光センサーで受光された光の特性を解析する解析部と、を含む計測システムを構成することにより、光センサーが検出した光の特性を精度良く解析できる。
本発明の実施形態に係る光センサーの概構成を説明する図。 デバイス部の断面斜視図。 光センサーが放出する光の強度分布を示す図。 光センサーと解析装置とから成る計測システムの概構成を示すブロック図。
以下、光センサーについて図面を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、生体である人体に装着してバイタル情報を取得する光センサー1の概構成を説明する図である。この光センサー1は、半球状に切断された凹面鏡4の切断面が透明な樹脂板7で覆われた様態である。この凹面鏡4は、受光した光を所定の場所に導く導光手段であり、硬質な樹脂等で形成され内面が鏡になっている。透明な樹脂板7は、凹面鏡4の切断面に接着されており、凹面鏡4の焦点位置には、光電機能を有するデバイス部20が樹脂板7に固定されている。尚、この凹面鏡4の曲面は、球面であっても良く、放物面であっても良い。
ここで、デバイス部20の断面斜視図である図2を参照して、デバイス部20について説明する。デバイス部20は、受光素子2、発光素子3、反射鏡8、遮光部5およびデバイス保持部6を備える。受光素子2は入力した光量に応じた電気信号を出力する受光手段であり、例えば、フォトダイオードを想定する。また、発光素子3は入力した電力に応じて所定の波長の光を発する発光手段であり、例えば、発光ダイオードを想定する。尚、この光センサー1で使用する光の波長は限定されず、赤色や青色等の可視光、赤外光等を想定する。また、発光素子3および受光素子2は、それぞれ1つのデバイスに限定されない。即ち、発光素子3は複数の異なる波長の光を発しても良く、受光素子2は、特性が異なる複数個のデバイスで構成されても良い。反射鏡8は、入射光の光路を変更する変更手段であり、本実施形態では円錐状であり、円錐面が鏡面になるように形成されている。尚、反射鏡8は、発光素子3が発する光の光路を変更させるものであれば、反射に限定されるものではなく、プリズム等の光を屈折するデバイスであっても良い。
遮光部5は、本実施形態では四面を有する筒状の様態であり、一方の側から他方の側に貫通した内部空間を有している。この遮光部5の一方の側の面には、板状のデバイス保持部6が接着され、この遮光部5の他方の側の面は樹脂板7に固定されている。このデバイス保持部6のうち、遮光部5の内部空間と面する一方の側には、発光素子3が設置されている。また、凹面鏡4と対向する他方の側には、受光素子2が設置されている。尚、遮光部5とデバイス保持部6は、少なくとも、発光素子3が発する波長の光が透過しないような材質で形成されている。また、反射鏡8と発光素子3との配置は、反射鏡8の円錐の頂点部と、発光素子3が発する光束の代表となる仮想的な光線(光軸)とが、ほぼ合致するような位置に組み立てられる。
図1に戻り、発光素子3が発する光は、反射鏡8で反射された後、樹脂板7を透過し、照射光L1として外界に放出される。放出された照射光L1は、光センサー1が装着された人体の皮膚表面100を照射する。このうち、照射光L1の一部は人体の皮膚表面100で一部反射され、それ以外は皮膚内部101に到達する。皮膚内部101に到達した照射光L1は、内部で散乱された後に皮膚表面100を経て外界に放出される。放出された反射光L2は光センサー1に到達し、樹脂板7を通過して凹面鏡4で反射され、受光素子2の受光部に集められる。
図3は、光センサー1が放出する光の強度分布を示す図である。この図に示すように、発光素子3から発せられ、反射鏡8によって反射された光は、中心に偏った光強度分布を持ったものではなく、中心部及び外周部の光強度が弱いドーナツ状の光強度分布を持つ光となり、皮膚表面100へ照射される。従って、皮膚内部101で散乱された後、光センサー1に戻ってくる光は、入射光の強度分布に依存するため、ドーナツ状の光強度分布を有する入射光は、散乱された反射光L2もドーナツ状の光強度分布を有する。この結果、散乱された反射光L2のほとんどは、所定の強度を有するため、途中で減衰することなく、樹脂板7を透過して凹面鏡4で反射された後、受光素子2に到達する。
図4は、光センサー1と、この光センサー1で受光した光の特性を解析する解析装置50と、から成る計測システムの概構成を示すブロック図である。この解析装置50は、信号増幅部52、A/D変換部54、CPU56、メモリー58、表示部60、操作部62および電源部64を備える。電源部64は、光センサー1の発光素子3に対して電力を供給する。この場合、発光素子3が発する光は、連続光であっても良く、また、所定の波長で強弱しても良く、パルス状であっても良い。信号増幅部52は、光センサー1の受光素子2から送られる電気信号を増幅してA/D変換部54に送る。A/D変換部54は、電気信号に含まれるアナログ信号をデジタル信号に変換してCPU56に送る。CPU56は、操作部62の操作に応じてメモリー58が保持するプログラムを読み込み、読み込んだプログラムに従い、デジタル信号を処理する。処理された結果は、例えば、脈波や脈拍の時間的な変動データとして表示部60に表示されたり、外部の情報処理装置等に転送されたりする。
尚、本実施形態では、発光素子3と反射鏡8との距離や反射鏡8での光の反射角度は固定されているが、光センサー1から人体の皮膚までの距離や計測対象に応じて、発光素子3と反射鏡8との距離や、反射鏡8の傾斜角度(頂角)を変化させるような機構を備えても良い。また、光センサー1を装着する人体の部位は限定されるものでなく、手首、指および耳たぶ等を想定しても良い。また、光センサー1は、皮膚表面100に接着しても良く、テープやベルト等で固定しても良い。また、この光センサー1は測定する対象や項目に応じて、光の波長を選択して切り替える構造であっても良い。
1…光センサー、2…受光素子、3…発光素子、4…凹面鏡、5…遮光部、6…デバイス保持部、7…樹脂板、8…反射鏡、20…デバイス部、50…解析装置、52…信号増幅部、54…A/D変換部、56…CPU、58…メモリー、60…表示部、62…操作部、64…電源部、100…皮膚表面、101…皮膚内部、L1…照射光、L2…反射光。

Claims (5)

  1. 生体に光を照射し、前記生体で反射される光に応じた信号を出力する光センサーであって、
    対向する前記生体に向かって照射光を発光する発光手段と、
    前記照射光が成す光束の中心部にあって、前記中心部を通過する前記照射光の一部が向かう方向とは異なる方向に、前記一部の照射光の光路を変更する変更手段と、
    前記発光手段と背向して配置され、入射する光の受光量に応じた電気信号を出力する受光手段と、
    前記変更手段で光路が変更された前記一部の照射光を含む前記照射光が前記生体で反射されることにより前記発光手段の周囲に入射する反射光を、前記受光手段に導く導光手段と、を備えることを特徴とする光センサー。
  2. 請求項1に記載の光センサーにおいて、
    前記導光手段は、前記反射光を焦点位置に集光する凹面鏡であり、
    前記受光手段は、前記焦点位置に配置されることを特徴とする光センサー。
  3. 請求項1乃至2のいずれかに記載の光センサーにおいて、
    前記変更手段は、前記一部の照射光の光路を拡散させることを特徴とする光センサー。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光センサーにおいて、
    前記発光手段は、波長が異なる複数の照射光を発光し、
    前記受光手段は、前記複数の照射光のそれぞれの受光量に応じて前記電気信号を出力することを特徴とする光センサー。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光センサーと、前記光センサーで受光された光の特性を解析する解析部と、を備えることを特徴とする計測システム。
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