JP5332680B2 - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

印刷装置および印刷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5332680B2
JP5332680B2 JP2009029094A JP2009029094A JP5332680B2 JP 5332680 B2 JP5332680 B2 JP 5332680B2 JP 2009029094 A JP2009029094 A JP 2009029094A JP 2009029094 A JP2009029094 A JP 2009029094A JP 5332680 B2 JP5332680 B2 JP 5332680B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
print medium
conveyance
roller
transport
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009029094A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010184397A (ja
Inventor
泰雄 須永
智義 掛川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2009029094A priority Critical patent/JP5332680B2/ja
Publication of JP2010184397A publication Critical patent/JP2010184397A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5332680B2 publication Critical patent/JP5332680B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Registering Or Overturning Sheets (AREA)
  • Handling Of Sheets (AREA)

Description

本発明は、給紙トレーを着脱可能に備える印刷装置および印刷方法に関する。
DVDやCDのレーベル面に印刷を行うプリンタにおいて、DVDやCDを載置するディスクトレーの搬送異常を搬送用モーターの電流に基づいて判定する技術が提案されている(特許文献1、参照。)。ディスクトレーが障害物等に干渉して搬送できない場合、搬送用ローラーとディスクトレーとの間にスリップを生じ、該スリップを生じさせるための過剰な電流が搬送用モーターに流れることとなる。この過剰な電流を閾値判定によって検出することにより、間接的にディスクトレーの搬送異常を検知することができる。
特開2005−74905号公報
特許文献1において、搬送用ローラーとディスクトレーとの間にスリップを生じるときの過剰な電流の大きさは、搬送用ローラーとディスクトレーとの間の摩擦抵抗の大きさに応じたものと考えることができる。従って、多種多様な印刷用紙の搬送異常を検知する場合には、搬送用ローラーと印刷用紙との間の摩擦抵抗の大きさも多様となり、特許文献1のような閾値判定が困難となるという問題があった。すなわち、搬送用ローラーと印刷用紙との間の摩擦抵抗の大きさによっては、搬送異常の誤判定が生じるという問題があった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、種々の印刷媒体の搬送異常を精度よく判定することを目的とする。
前記問題を解決するために、本発明は、印刷媒体を収容するとともに、本体部に対して着脱可能な給紙トレーから搬送経路に印刷媒体を供給する取出部を具備する。搬送ローラーは、前記搬送経路に供給された前記印刷媒体に接しつつ搬送モーターの駆動により回転駆動することによって、前記印刷媒体を搬送する。制御部は、前記搬送ローラーの回転量に基づいて該搬送モーターに駆動電源を供給する。これにより、前記搬送ローラーが駆動電源に応じた負荷を生じさせる。判定部は、前記印刷媒体を前記搬送する期間において前記搬送モーターの負荷を示す監視値を計測する。そして、この監視値が前記印刷媒体の種類に応じた閾値よりも大きいとき、異常であると判定する。なお、前記監視値は負荷の状態を示すものであればよく、前記搬送モーターに印加される前記駆動電源の状態を示す電圧や電流であってもよいし、前記駆動電源をPWM制御する場合のPWMパルスのデューティー比であってもよい。
前記制御部は、前記搬送ローラーの回転量が目標通りとなるように前記搬送モーターに駆動電源を供給するため、前記印刷媒体が異常な状況に陥った場合には、前記搬送モーターの負荷が異常な値となる。特に、前記印刷媒体が前記本体部と前記給紙トレーとの間に挟まって搬送ができない状況となった場合には、前記搬送ローラーと前記印刷媒体との間で摩擦抵抗に抗してスリップが生じ、該スリップを生じさせるだけの過剰な負荷が出力されることとなる。かかる状況において、前記搬送モーターの負荷が示す前記監視値が所定の閾値よりも大きい場合には、異常であると判定する。これにより、異常な印刷が行われることが防止できる。ところで、前記スリップを生じさせる負荷の大きさは、前記印刷媒体と前記搬送ローラーとの間の摩擦抵抗によって異なる。本発明では、前記閾値を前記印刷媒体の種類に応じて設定するため、各印刷媒体の種類の摩擦抵抗に適した判定を行うことができ、正常であるのに異常であると誤判定されたり、異常であるのに正常であると誤判定されることが防止できる。
一般的に、前記搬送経路は、前記搬送ローラーよりも前記印刷媒体の搬送方向後方側において該印刷媒体の搬送方向が湾曲する湾曲部を有する。前記印刷媒体を湾曲させて搬送することにより前記搬送経路をコンパクトに形成し、前記印刷装置を小型化することができるからである。このような搬送経路において前記印刷媒体が前記本体部と前記給紙トレーとの間に挟まると、前記印刷媒体が一直線に張るような張力が作用する。すると、前記印刷媒体の湾曲の内側に存在するローラーに対して前記印刷媒体が接近しようとする押圧力が作用し、該湾曲の外側に存在するローラーに対しては前記印刷媒体が離反しようとする。そのため、前記印刷媒体に対して湾曲の内側から接しつつ前記搬送モーターの駆動により回転駆動する中間ローラーを具備させた場合には、該中間ローラーに押圧力が作用し、該中間ローラーが回転駆動することができなくなり、該中間ローラーと同様に前記搬送モーターによって回転駆動される前記搬送ローラーは、回転駆動することができなくなる。従って、該回転量に基づいて前記制御部が異常を判定することができる。
一方、前記印刷媒体に対して湾曲の外側から接しつつ前記搬送モーターの駆動により回転駆動する中間ローラーを具備させた場合には、該中間ローラーに押圧力が作用することなく、該中間ローラーは自由に回転駆動することができることとなる。そのため、少なくとも前記搬送ローラーと前記印刷媒体との摩擦抵抗に抗した負荷を前記搬送モーターが出力していれば、前記搬送ローラーの回転量は正常に制御されることとなる。従って、このような構成においては、前記搬送モーターの負荷を示す前記監視値が、前記搬送ローラーと前記印刷媒体との摩擦抵抗に抗した負荷を生じさせるようなものとなっているかどうかを判定し、異常を検知する必要がある。
また、前記湾曲部における前記印刷媒体に接する能動的なローラーを具備しない場合にも、少なくとも前記搬送ローラーと前記印刷媒体との摩擦抵抗に抗した負荷を前記搬送モーターが出力していれば、前記搬送ローラーの回転量は正常に制御されることとなる。そのため、この場合も前記搬送モーターの負荷を示す前記監視値が、前記搬送ローラーと前記印刷媒体との摩擦抵抗に抗した負荷を生じさせるようなものとなっているかどうかを判定し、異常を検知する必要がある。
上述したように、本発明では、特に前記印刷媒体が前記本体部と前記給紙トレーとの間に挟まって搬送ができない状況となった場合に異常であると判定することができる。しかしながら、前記印刷媒体を搬送する期間のうち、前記印刷媒体の搬送方向後方端部が前記給紙トレーの着脱位置から離脱した後の期間においては、前記印刷媒体が前記本体部と前記給紙トレーとの間に挟まり得ないこととなる。そのため、当該期間においては、前記監視値の計測を停止することにより、処理負荷を軽減させるのが望ましい。
また、前記印刷媒体を給紙搬送する間における計測期間中において前記搬送モーターが出力する負荷を示す参照値と、所定の許容値と、の和によって前記閾値を設定するのが望ましい。前記参照値は、正常に前記印刷媒体を搬送するために必要な前記搬送モーターの負荷に相当し、前記許容値は、前記搬送ローラーと前記印刷媒体との摩擦抵抗に抗する前記搬送モーターの負荷に相当すると考えることができる。そのため、特に、前記許容値は、前記印刷媒体と前記搬送ローラーとの摩擦抵抗を考慮して設定されるべきである。例えば、前記印刷媒体の種類を判定するセンサーの判定結果に基づいて前記許容値を設定するようにしてもよい。
さらに、本発明の技術的思想は、具体的な印刷装置にて具現化されるのみならず、該印刷装置が行う印刷方法においても具現化することもできる。すなわち、上述した印刷装置が備える各手段に対応する工程を有する印刷方法としても本発明を特定することができる。むろん、上述した印刷装置がプログラムを読み込んで上述した各手段を実現する場合には、該各手段に対応する機能を実行させるプログラムや該プログラムを記録した各種記録媒体においても本発明の技術的思想が具現化できることは言うまでもない。なお、本発明の印刷装置は、単一の装置のみならず、複数の装置によって分散して存在可能であることはいうまでもない。
本発明にかかるプリンタの構造を概略的に示す図である。 本発明にかかるプリンタの機能構成を概略的に示す図である。 駆動電源を説明するグラフである。 印刷処理の流れを示す図である。 給紙搬送における目標速度とPWM信号のデューティー比を示す図である。 PWM信号のデューティー比を示す図である。 異常判定の可能性を説明する表である。 変形例にかかるプリンタの構造を概略的に示す図である。 変形例にかかるプリンタの構造を概略的に示す図である。 比較例にかかるプリンタの構造を概略的に示す図である。
A.プリンタの構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかるプリンタ1の構造を概略的に示す図である。同図において、プリンタ1は、側方視略矩形状(直方体状)の本体部10を有し、該本体部10の下部に前後方向に細長い凹部10aが設けられている。該凹部10aは側方視略矩形状(直方体状)に形成されており、該凹部10aに対して給紙トレー40を前後にスライドさせて着脱することが可能となっている。実線は給紙トレー40を装着した状態を示し、破線は給紙トレー40を前方に引き抜いた状態を示している。給紙トレー40は、凹部よりわずかに小さい直方体状の外形を有しており、内部に上方が開放する用紙収容部40aを有している。この用紙収容部40aに対して印刷媒体としての印刷用紙を重ねて載置することが可能となっている。用紙収容部40aに載置された印刷用紙のうち最も上に載置された印刷用紙に対して、PUローラー(ピックアップローラー)12がその外周を接するように備えられている。PUローラー12はPUモーター(ピックアップモーター)とギア等によって結合されており、PUモーターの駆動によりPUローラー12が紙面に垂直な回転軸を中心として回転駆動する。なお、PUモーターとPUローラー12は、本発明の取出部を構成する。
PUローラー12は、図1において反時計回り回転し、外周にて接する印刷用紙を後方に送り出す。すると、印刷用紙の後方端部(以下、搬送方向先頭側と表記。)を先頭として印刷用紙が後方に進行し、搬送方向先頭側の端部が用紙収容部40aの後方側に設けられた斜面40a1に干渉する。斜面40a1に干渉した印刷用紙の搬送方向先頭側の端部は、該斜面40a1によって上方に誘導される。本体部10における斜面40a1の上方には、側方視略U字状に湾曲した湾曲部としての搬送ガイド13が形成されており、PUローラー12によって送り出された印刷用紙は、搬送方向先頭側の端部から搬送ガイド13に誘導される。これにより、印刷用紙は、搬送ガイド13に沿って湾曲しつつ上方に供給される。搬送ガイド13の経路の中央部においては、中間ローラー19が備えられている。この中間ローラー19は、その外周が搬送ガイド13の印刷用紙に外側から接しつつ、紙面に垂直な回転軸を中心として回転する。中間ローラー19は、PFモーター(搬送モーター)と図示しないギア等によって結合されており、PFモーターの駆動により能動的に回転駆動する。紙面において中間ローラー19が回転駆動する方向は、時計回りである。印刷用紙を挟んで中間ローラー19に対向するように中間従動ローラー19aが設けられている。中間ローラー19が回転駆動することにより、印刷用紙は、搬送ガイド13に沿ってさらに上方に搬送され、搬送方向先頭側が前方に向かって略水平に進行する。
印刷用紙の搬送方向先頭側が前方に向かって略水平にしばらく進行すると、該印刷用紙の搬送方向先頭側の端部がPEセンサー(紙端センサー)20に到達する。PEセンサー20は図示しない発光部と受光部を有しており、発光部と受光部の間の光路を印刷用紙が遮るか否かを判定することにより、印刷用紙の紙端を検出する。搬送方向先頭側の端部がPEセンサー20にて検出され、引き続き印刷用紙のPFモーターが駆動し、印刷用紙が搬送方向先頭側から前方に搬送される。搬送経路におけるPEセンサー20の前方には、PFローラー(搬送ローラー)17が備えられており、その外周が印刷用紙に対して下側から接する。PFローラー17も、PFモーターと図示しないギア等によって結合されており、PFモーターの駆動により能動的に回転駆動する。紙面においてPFローラー17が回転駆動する方向は、反時計回りである。印刷用紙を挟んでPFローラー17に対向するようにPF従動ローラー17aが設けられている。
印刷用紙の搬送方向先頭側がPFローラー17に到達すると、印刷用紙はPFローラー17によって搬送される。印刷用紙の搬送方向後方側の端部が中間ローラー19よりも下方に位置する場合には、PFモーターの駆動によるPFローラー17と中間ローラー19の双方の回転駆動によって印刷用紙が搬送されることとなる。一方、印刷用紙の搬送方向後方側の端部が中間ローラー19よりも上方に位置する場合にも、PFモーターの駆動によりPFローラー17と中間ローラー19が同期して回転駆動するものの、PFローラー17の回転駆動によって印刷用紙が搬送されることとなる。さらに、印刷用紙の搬送方向先頭側の端部がPFローラー17よりも後方に位置する場合には、PFモーターの駆動によりPFローラー17と中間ローラー19が同期して回転駆動するものの、中間ローラー19の回転駆動によって印刷用紙が搬送されることとなる。なお、PFローラー17と中間ローラー19による印刷用紙の搬送速度が互いに同じとなるようにローラー径やギア比が設定されている。
PFローラー17のさらに前方にはプラテン22が設けられており、該プラテン22が印刷用紙を下方から支持する。プラテン22には図示しない吸引機構が備えられており、該吸引機構が印刷用紙を下方に吸引することにより、プラテン22上において印刷用紙が安定して保持される。プラテン22に印刷用紙を挟んで上方から対向するようにキャリッジ21が備えられている。キャリッジ21は下方に印字ヘッド21aを備えており、該印字ヘッド21aの下面に配列する多数のノズルからインクを吐出することが可能となっている。キャリッジ21は、紙面に対して垂直な方向に移動(主走査)することが可能であり、主走査を行いながらインクを吐出することにより、プラテン22上に保持された印刷用紙におけるノズルに対向する領域(印字位置)に対して、主走査方向に沿ったラスタラインを描画することができる。主走査を行った後に、PFモーターを駆動させ、印刷用紙を搬送することにより、印刷用紙における印字位置をずらす(副走査)ことができる。従って、印刷用紙における異なる位置にラスタラインを描画することができる。すなわち、上述した主走査と副走査を順次繰り返して実行することにより、印刷用紙上に印刷画像を形成することができる。
図2は、プリンタ1の概略構成を示すブロック図である。プリンタ1は、既に説明した以外の構成として、外部I/F(外部インターフェイス)30と、CPUとROMとRAMとからなるマイクロコンピュータ31と、ASIC32と、ロータリーエンコーダー33を備えている。外部I/F30は外部のホストコンピュータ60との仲介をなし、外部I/F30を介してホストコンピュータ60から印刷データPDを取得する。印刷データPDは、ハーフトーン処理等が行われた印刷画像を構成するラスターデータと、プリンタ1を制御するための制御データ等から構成されており、該制御データに印刷用紙の種類を指定する情報が含まれている。なお、印刷用紙の種類は、ホストコンピュータ60が実行するアプリケーションプログラムやプリンタドライバを使用して、使用者が予め指定している。ASIC32は、PF制御部(搬送ローラー制御部)32aと、キャリッジ制御部32bと、PU制御部(ピックアップローラー制御部)32cを備えている。さらにPF制御部32aは、搬送速度演算部32a1とPID演算部32a2とPWM変調部32a3を備え、搬送速度に基づくフィードバック制御を行う。
搬送速度演算部32a1は、ロータリーエンコーダー33から出力されるパルス信号(パルス周期)に基づいて印刷用紙の搬送速度(回転量に比例する値)を算出する。ロータリーエンコーダー33は、PFローラー17またはPFローラー17と結合されたいずれかのギアに備えられたエンコード板と該エンコード板を挟んで配置された発光部と受光部とから構成され、該受光部における受光状態に基づいてPFローラー17の回転駆動速度に応じたパルス周期を有するパルス信号を生成する。PID演算部32a2は、目標速度に対する現在の搬送速度の偏差に基づくPID演算を行うことにより、PWM変調部32a3に出力する制御電圧を決定する。このPID演算においては、偏差の比例値と時間積分値と時間微分値を所定のゲインによって結合することにより制御電圧が決定される。PWM変調部32a3は、PID演算部32a2から出力された制御電圧をパルス幅変調することによりPWM信号を生成し、PFモーター14に出力する。PWM信号は、矩形波パルス信号であり、制御電圧の大きさに応じてデューティー比(ONの期間の比率)の大きさが調整される。PFモーター14は、DCモーターであり、PWM信号を駆動電源として駆動する。すなわち、PFモーター14は、PWM信号に応じた負荷を生じさせる。ここで、PWM信号のデューティー比が大きければ大きいほど、PFモーター14に印加される電圧Vmおよび電流Imの平均的な値は大きくなる。
図3は、PWM信号とPFモーター14における電圧Vmとの関係の一例を示している。同図では、徐々にデューティー比の大きさが増大するPWM信号を示している。このPWM信号がPFモーター14に駆動電源として印加されると、瞬間的には電圧Vmと電流Imの大きさが振動するものの、デューティー比が大きいほど、平均的にはPFモーター14の電圧Vm(太線で図示)は大きくなる。同様に、デューティー比が大きいほど、電流Imも電圧Vmに比例して大きくなる。搬送速度演算部32a1とPID演算部32a2は、微小な時間(制御ステップ)ごとに搬送速度に基づく制御電圧の更新を行っている。すなわち、PFモーター14を駆動させるにあたり、制御ステップごとに目標速度が設定され、該目標速度と現在の搬送速度との偏差に基づくフィードバック制御が繰り返される。一方、キャリッジ制御部32bはキャリッジ21や印字ヘッド21aを駆動制御するための処理を実行し、PU制御部32cはPUローラー12を駆動制御するための処理を実行する。本実施形態では、PUモーターとPU制御部32cを単独で備えるとしたが、PUモーターとPU制御部32cの機能(すなわち印刷用紙のピックアップ機能)を、PFモーター14とPF制御部32aが兼ねるようにしてもよい。
マイクロコンピュータ31のCPUは、ROMに記憶されたプログラムを読み出して、搬送指示モジュールM1と負荷監視モジュールM2と閾値設定モジュールM3と判定モジュールM4と通知モジュールM5を実行する。搬送指示モジュールM1は印刷データPD等に基づいて印刷用紙を搬送する目標速度を設定する。負荷監視モジュールM2は、PFモーター14の電圧Vmを取得する。図示しないが、電圧Vmを平滑化(平均)し、A/D変換する回路がマイクロコンピュータ31とPFモーター14との間に備えられる。閾値設定モジュールM3は、後述するメジャメントの際に負荷監視モジュールM2が取得したPFモーター14の電圧Vmを参照値V1として取得する。さらに、閾値設定モジュールM3は、印刷データPDに含まれる印刷用紙の種類を指定する情報を取得し、該印刷用紙の種類に対応するデューティー比の許容値V2を取得する。印刷用紙の種類と許容値V2との対応関係はROMに記憶されたテーブルT1に記憶されており、該テーブルT1には各印刷用紙の種類ごとに異なる許容値V2が格納されている。
閾値設定モジュールM3は、参照値V1と許容値V2とを取得すると、これらを合計することにより閾値Vth(=V1+V2)を算出し、該閾値Vthを判定モジュールM4に設定する。判定モジュールM4は、後述する印字搬送時において負荷監視モジュールM2が取得した電圧Vmを監視値V3として取得するとともに、該監視値V3が閾値Vthよりも大きいか否かを判定する。そして、監視値V3が閾値Vthよりも大きい場合には、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったと判断する。当該判断がなされた場合には、通知モジュールM5が本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まった旨の異常信号をホストコンピュータ60に送信するとともに、PF制御部32aによるPFモーター14の駆動制御、および、キャリッジ制御部32bによるキャリッジ21や印字ヘッド21aの駆動制御等を停止させる。また、本体部10に警告用LEDが備えられる場合には、該警告用LEDを点灯させる。
B.印刷処理:
図4は、印刷処理の流れを示すフローチャートである。ステップS100においては、マイクロコンピュータ31がホストコンピュータ60から印刷データPDを取得する。ステップS105においては、閾値設定モジュールM3が印刷データPDに含まれる印刷用紙の種類の指定を取得し、該指定に対応する許容値V2を取得する。上述したとおり許容値V2と印刷用紙の種類との対応関係はROM上のテーブルT1に記憶されており、該テーブルT1を参照することにより、指定された印刷用紙の種類に対応する許容値V2を取得する。テーブルT1において、許容値V2は印刷用紙の種類ごとに異なる値に設定されている。一般的な傾向として、PFローラー17との摩擦抵抗(摩擦係数)が小さい印刷用紙の種類であるほど許容値V2が大きな値に設定されている。取得した許容値V2はRAMに記憶しておく。ステップS110においては、給紙搬送を開始する。本実施形態において、給紙搬送とは、PUローラー12の回転駆動により印刷用紙を搬送ガイド13に誘導し、さらに印刷用紙の搬送方向先頭側の端部がPEセンサー20にて検出されるまで印刷用紙を搬送することを指す。給紙搬送を開始し、印刷用紙の搬送方向先頭側の端部が中間ローラー19に到達すると、PF制御部32aによる前記フィードバック制御も開始されることとなる。ステップS115においては、前記フィードバック制御を開始してからの制御ステップの数が所定の基準数Nsとなったか否かを判定する。
図5は、給紙搬送において、搬送指示モジュールM1がPID演算部32a2に設定する目標速度の例を示している。同図の横軸は時間(制御ステップ)を示し、縦軸は目標速度を示している。給紙搬送における目標速度では、加速期間と定速期間と減速期間が設けられており、制御ステップの数の基準数Nsは定速期間のなかに位置している。すなわち、制御ステップの数が基準数Nsになると、印刷用紙がある程度安定して定速搬送されていると考えることができる。なお、搬送速度が大きくなるほどPFモーター14の負荷が増大する関係を有するため、デューティー比の変動と目標速度は、ほぼ同じように変動すると考えることができる。従って、前記フィードバック制御を開始してからの制御ステップの数が基準数Nsとなるとき、PWM信号のデューティー比は基本的に一定かつ最大の値となっていると考えることができる。
前記フィードバック制御を開始してからの制御ステップの数が所定の基準数Nsとなったと判定された場合には、その後、所定のメジャメント期間(定速期間内の数制御ステップの間)、閾値設定モジュールM3が電圧Vmを計測(メジャメント)し、その平均を参照値V1として取得する(ステップS117)。ステップS120において、閾値設定モジュールM3は、参照値V1に、予めRAMに記憶しておいた許容値V2を加算することにより、閾値Vthを算出する。閾値VthはRAMに記憶される。その後、印刷用紙の搬送方向先頭側の端部がPEセンサー20に到達し、ステップS125において該PEセンサー20が印刷用紙の紙端を検出する。これにより給紙搬送が終了する。なお、ステップS125においてPEセンサー20が印刷用紙の搬送方向先頭側の端部を検出することにより、以降はPFローラー17の回転量に基づいて、印刷用紙の搬送方向先頭側の紙端の位置を特定することができる。また、印刷用紙の大きさが印刷データPDによって特定できるため、印刷用紙の搬送方向後方側の紙端の位置も特定することができる。
ステップS130において、負荷監視モジュールM2は、印刷用紙の搬送方向後方側の端部の位置を特定する。最初の段階では、印刷用紙の搬送方向先頭側の端部がPEセンサー20の位置にあるため、搬送経路において、PEセンサー20の位置から印刷用紙の長さだけ搬送方向後方側の位置に、印刷用紙の搬送方向先頭側の端部が位置することとなる。ステップS135において、負荷監視モジュールM2は、印刷用紙の搬送方向後方側の端部が、給紙トレー40の上端よりも上にあるか否かを判定する。印刷用紙の搬送方向後方側の端部が給紙トレー40の上端よりも上方にある場合にはステップS140に進み、印刷用紙の搬送方向後方側の端部が給紙トレー40の上端よりも下方にある場合にはステップS145に進む。ステップS140,S145においては、搬送指示モジュールM1によってPID演算部32a2に目標速度が設定され、PFモーター14に対する前記フィードバック制御が行われる。
これによりPFモーター14が駆動し、PFローラー17と中間ローラー19とが回転駆動し、印刷用紙が搬送(印字搬送)される。なお、最初の印字搬送では、印刷用紙における印刷開始位置に印字ヘッド21aが対向するように印刷用紙が搬送(頭出し搬送)される。ステップS140,S145における印字搬送が完了すると、ステップS160において、キャリッジ制御部32bがキャリッジ21や印字ヘッド21aを駆動制御する。すなわち、印刷用紙に対してインクを吐出してラスタラインを描画する主走査を行う。主走査が完了すると、ステップS165において印刷が完了したか否かを判定し、完了していない場合には、ステップS130に戻る。これにより、印刷が完了するまで、印字搬送(副走査)と主走査を繰り返して実行することができる。印刷が完了すると、図示しない排紙ローラーを駆動させて印刷用紙を排出し、印刷処理を排出させる。
ところで、ステップS140,S145においては同様に目標速度が設定されて印字搬送が行われるが、ステップS145における印字搬送の期間では、負荷監視モジュールM2が、常時、PFモーター14の電圧Vmを監視値V3として取得する。そして、ステップS150において、判定モジュールM4は、該監視値V3がRAMに記憶された閾値Vthよりも大きいか否かを判定する。監視値V3が閾値Vthよりも大きい場合には、判定モジュールM4は、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まっており、異常であると判定する。そして、ステップS155において、通知モジュールM5が本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まった旨の異常信号をホストコンピュータ60に送信するとともに、PF制御部32aによるPFモーター14の駆動制御、および、キャリッジ制御部32bによるキャリッジ21や印字ヘッド21aの駆動制御等を停止させ、印刷処理を異常終了させる。
図6は、以上説明した印刷処理におけるPFモーター14の電圧Vmの変動を模式的に示している。まず、図5に示すように給紙搬送の際にPFモーター14の電圧Vmが大きくなり、定速期間中のメジャメント期間においてPFモーター14の電圧Vmが参照値V1として取得される。この参照値V1に印刷用紙の種類に応じた許容値V2を加算した値が、閾値Vthとなる。給紙搬送が完了すると、次に印字搬送が順次行われ、各印字搬送の際にPFモーター14の電圧Vmが大きくなる。なお、最初の印字搬送は、頭出し搬送である。初期の印字搬送においては、印刷用紙の搬送方向後方側の端部が給紙トレー40の上端よりも下方に位置することとなるため、ステップS145において、常時、PFモーター14の電圧Vm(監視値V3)が監視される。そして、監視値V3が閾値Vthよりも大きくなった場合には、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったと判断し、印刷処理を異常終了させる。
本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まることなく正常に印刷用紙が搬送されていれば、給紙搬送中の定速期間において正常に印刷用紙が搬送されているときの参照値V1と同等の電圧VmがPFモーター14に印加されているはずである。しかしながら、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まった場合には、印刷用紙が搬送できなくなる(動けなくなる)。このとき、PFローラー17や中間ローラー19と印刷用紙との間でスリップが起きており、ロータリーエンコーダー33にて計測されるPFローラー17と中間ローラー19の回転量は正常であるものの、PFローラー17や中間ローラー19と印刷用紙との間の摩擦抵抗に抗してスリップを起こさせるだけの過剰な負荷(出力トルク)をPFモーター14が生じさせていることとなる。
具体的には、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まった場合には、PFローラー17や中間ローラー19が目標速度で回転駆動するための負荷を生じさせるPFモーター14の電圧Vm(参照値V1相当)に、摩擦抵抗に抗してスリップを起こさせるだけの負荷を生じさせる過剰電圧V4だけ上積みした電圧Vm(監視値V3)によってPFモーター14が駆動されていると考えることができる。許容値V2は、この過剰電圧V4よりも小さい値に設定されている。そのため、参照値V1に許容値V2を加算した閾値Vthよりも電圧Vm(監視値V3)が大きくなる場合に本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったと判定することができる。この許容値V2を小さくし過ぎると、正常に搬送されている際に電圧Vmがばらついた場合でも異常であると判定してしまう可能性があるため、誤判定を防止するために許容値V2は過剰電圧V4に近い値にしておくことが望ましい。摩擦抵抗に抗してスリップを生じさせるだけの負荷に相当するPFモーター14の過剰電圧V4は、PFローラー17や中間ローラー19と印刷用紙との間の摩擦抵抗の大きさによって異なるため、各種類の印刷用紙の摩擦抵抗に応じた許容値V2をテーブルT1に規定しておくことにより、誤判定を防止することができる。
なお、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まると、印刷用紙が正常に搬送できなくなるため、正常な印刷が行われないこととなる。そのため、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったと判断される場合には、印刷処理を終了させる。本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まることの原因は、使用者が印刷用紙の継ぎ足し等をしようとして印刷処理の最中に給紙トレー40を抜き挿しすることである。ただし、終盤の印字搬送においては、印刷用紙の搬送方向後方側の端部が給紙トレー40の上端よりも上方に位置することとなる。すなわち、もはや給紙トレー40の着脱位置から印刷用紙の搬送方向後方側の端部が離脱したこととなるため、この段階で給紙トレー40を挿しても本体部10との間に印刷用紙が挟まることはない。従って、印刷用紙の搬送方向後方側の端部が給紙トレー40の上端よりも上方に位置する段階では、ステップS140において、PFモーター14の電圧Vm(監視値V3)の監視を行うことなく印字搬送を行う。すなわち、給紙トレー40の着脱位置から印刷用紙の搬送方向後方側の端部が離脱した段階で、PFモーター14の電圧Vm(監視値V3)の監視を停止する。これにより、CPUの処理負荷を軽減させることができる。
図7は、給紙トレー40の本体部10に対して抜き挿しするタイミングと、異常判定の可能性との関係を示す表である。給紙搬送中に給紙トレー40を抜いた場合、それ以後において給紙トレー40が挿されることが考えられ得る。給紙搬送中に給紙トレー40を抜き、かつ、給紙搬送中に給紙トレー40を挿した場合、印刷用紙の搬送方向先頭側の端部はPEセンサー20に到達しない。そのため、ステップS125以降の処理が実行されず、異常な印刷が実行されることはない。給紙搬送を開始指定からPEセンサー20が印刷用紙の端部を検出するまでの期間にタイムアウトを設けておき、タイムアウトとなった場合には用紙なしエラーを発する構成としてもよい。給紙搬送中に給紙トレー40を抜き、かつ、頭出し搬送中に給紙トレー40を挿した場合、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったことが検出できないと、プラテン22(印字ヘッド21aの対向位置まで印刷用紙が搬送される前の場合)や、印刷用紙の同一位置(印字ヘッド21aの対向位置まで印刷用紙が搬送される後の場合)に繰り返して印字が行われることとなる。
これに対して、本実施形態では、頭出し搬送中にもPFモーター14の電圧Vm(監視値V3)の監視を行うため、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったことを検知することができる。また、給紙搬送中に給紙トレー40を抜き、かつ、印字搬送中(頭出し搬送中以外)に給紙トレー40を挿した場合にも、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったことが検出できないと、印刷用紙の同一位置に繰り返して印字が行われることとなるが、印字搬送中にもPFモーター14の電圧Vm(監視値V3)の監視を行うため、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったことを検知することができる。なお、給紙搬送中におけるメジャメント期間において給紙トレー40を抜いた場合には、メジャメント期間において印刷用紙に作用する力の状態が複雑となるため、参照値V1の精度が低下することとなる。そのため、メジャメント期間におけるPFモーター14の電圧Vmのばらつきが大きい場合には、参照値V1の算出を回避し、過去の参照値V1を使用するようにしてもよい。なお、参照値V1のメジャメントは各印刷用紙を給紙搬送するごとに行う必要はなく、例えば、印刷用紙を一定枚数給紙するごとに参照値V1のメジャメントを行うようにしてもよいし、一定時間ごとに参照値V1のメジャメントを行うようにしてもよい。
次に、頭出し搬送中に給紙トレー40を抜いた場合、それ以後において給紙トレー40が挿されることが考えられ得る。頭出し搬送中に給紙トレー40を抜き、かつ、頭出し搬送中に給紙トレー40を挿した場合も、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったことが検出できないと、プラテン22や、印刷用紙の同一位置に繰り返して印字が行われることとなる。これに対して、本実施形態では、頭出し搬送中にもPFモーター14の電圧Vm(監視値V3)の監視を行うため、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったことを検知することができる。また、頭出し搬送中に給紙トレー40を抜き、かつ、印字搬送中(頭出し搬送中以外)に給紙トレー40を挿した場合にも、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったことが検出できないと、印刷用紙の同一位置に繰り返して印字が行われることとなるが、印字搬送中にもPFモーター14の電圧Vm(監視値V3)の監視を行うため、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったことを検知することができる。
さらに、印字搬送中(頭出し搬送中以外)に給紙トレー40を抜いた場合、印字搬送中(頭出し搬送中以外)において給紙トレー40が挿されることが考えられ得る。この場合も、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったことが検出できないと、印刷用紙の同一位置に繰り返して印字が行われることとなる。これに対して、本実施形態では、印字搬送中(頭出し搬送中以外)にもPFモーター14の電圧Vm(監視値V3)の監視を行うため、本体部10と給紙トレー40との間に印刷媒体が挟まったことを検知することができる。
C.変形例:
上述した実施形態ではPFモーター14の電圧Vmを監視するようにしたが、PFモーター14における電流Imを計測するようにしてもよい。さらに、PID演算部32a2がPWM変調部32a3に出力する制御電圧を計測することにより、PFモーター14の駆動電源を間接的に監視するようにしてもよい。参照値V1は、給紙搬送中の定速期間におけるPFモーター14の電圧Vmであるが、給紙搬送の定速期間における搬送速度よりも実際の印字搬送中の搬送速度がはるかに大きい場合には、正常な場合でも印字搬送中のPFモーター14の電圧Vmが参照値V1よりも大きくなりがちとなる。従って、正常な場合でも、PFモーター14の電圧Vmが閾値Vthよりも大きくなり、異常であると誤判定することも考えられる。そのため、参照値V1を給紙搬送の搬送速度と印字搬送中の搬送速度との比によって補正するようにしてもよい。
図8は、変形例にかかるプリンタ101の構造を概略的に示す図である。同図において、プリンタ101は能動的に回転駆動する中間ローラーを備えておらず、搬送ガイド113にて湾曲する印刷用紙の内側および外側にそれぞれ中間従動ローラー119a1,119a2が備えられている。このように能動的に回転駆動する中間ローラーが備えられない場合であっても、印刷用紙が本体部110と給紙トレー140との間に挟まった場合には、PFモーターの負荷が増大し、PFモーターの電圧Vmと電流Imが増大する。従って、前実施形態と同様の手法によって、印刷用紙が本体部110と給紙トレー140との間に挟まったと判定することができる。
さらに、本変形例においては、PEセンサー120の付近に紙種センサー139が備えられている。本変形例の紙種センサー139は、印刷用紙に対して検査光を照射し、該検査光の反射状態を観測することにより、印刷用紙の種類を判定する方式を採用する。本変形例においても、閾値設定モジュールM3が参照値V1に許容値V2を加算することにより閾値Vthを設定するが、紙種センサー139が判定した印刷用紙の種類に対応する許容値V2がテーブルT1から取得される。このようにすることにより、適切な閾値Vthを設定することができるため、誤判定を防止することができる。
図9は、変形例にかかるプリンタ201の構造を概略的に示す図である。同図において、プリンタ201は能動的および従動的に回転する中間ローラーおよび中間従動ローラーのいずれも備えていない。このような場合であっても、印刷用紙が本体部210と給紙トレー240との間に挟まった場合には、PFモーターの負荷が増大し、PFモーターの電圧Vmと電流Imが増大する。従って、前実施形態と同様の手法によって、印刷用紙が本体部210と給紙トレー240との間に挟まったと判定することができる。
図10は、比較例にかかるプリンタ301の構造を概略的に示す図である。同図において、プリンタ301は能動的に回転駆動する中間ローラー319を、搬送ガイド313にて湾曲する印刷用紙の内側に備えられている。中間ローラー319に対応して、湾曲する印刷用紙の外側に中間従動ローラー319aが備えられている。本比較例でも、中間ローラー319とPFローラー317はともにPFモーターに結合されており、PFモーターの駆動により中間ローラー319とPFローラー317が回転駆動する。中間ローラー319は、PFローラー317よりも径が大きいが、中間ローラー319とPFローラー317による印刷用紙の搬送速度が一致するようにギア比等が設定されている。このような構成において印刷用紙が本体部310と給紙トレー340との間に挟まった場合には、PFローラー317が回転駆動することにより、印刷用紙を引っ張る張力が作用し、中間ローラー319が内側に向かって押圧されることとなる。すると、中間ローラー319と印刷用紙との間や中間ローラー319の回転軸まわりに大きな摩擦抵抗が生じ、PFモーターが駆動不能となる。このような場合には、PFローラー317も回転しなくなるため、本発明の手法を用いることなく、ロータリーエンコーダーによる回転量の検出によって異常を判定することができる。
1…プリンタ、10…本体部、10a…本体部、12…PUローラー、13…搬送ガイド、14…PFモーター、17…PFローラー、17a…PF従動ローラー、19…中間ローラー、19a…中間従動ローラー、20…PEセンサー、22…プラテン、30…外部I/F、31…マイクロコンピュータ、32…ASIC、32a…PF制御部、32a1…搬送速度演算部、32a2…PID演算部、32a3…PWM変調部、32b…キャリッジ制御部、32c…PU制御部、33…ロータリーエンコーダー、40…給紙トレー、40a…用紙収容部、40a1…斜面、60…ホストコンピュータ、M1…搬送指示モジュール、M2…負荷監視モジュール、M3…閾値設定モジュール、M4…判定モジュール、M5…通知モジュール。

Claims (7)

  1. 印刷媒体を収容するとともに、本体部に対して着脱可能な給紙トレーを備える印刷装置であって、
    前記トレーから搬送経路に印刷媒体を供給する取出部と、
    前記搬送経路に供給された前記印刷媒体に接しつつ搬送モーターの駆動により回転駆動することによって、前記印刷媒体を搬送する搬送ローラーと、
    前記搬送ローラーの回転量に基づいて該搬送モーターに駆動電源を供給する制御部と、
    前記印刷媒体を前記搬送する期間において前記搬送モータの負荷を示す監視値を計測し、該監視値が前記印刷媒体の種類に応じた閾値よりも大きいとき異常であると判定する判定部と、を具備し、
    さらに、前記搬送経路は、前記搬送ローラーよりも前記印刷媒体の搬送方向後方側において該印刷媒体の搬送方向が湾曲する湾曲部を有するとともに、該湾曲部における前記印刷媒体に対して湾曲の外側から接しつつ前記搬送モーターの駆動により回転駆動する中間ローラーを具備することを特徴とする印刷装置。
  2. 印刷媒体を収容するとともに、本体部に対して着脱可能な給紙トレーを備える印刷装置であって、
    前記トレーから搬送経路に印刷媒体を供給する取出部と、
    前記搬送経路に供給された前記印刷媒体に接しつつ搬送モーターの駆動により回転駆動することによって、前記印刷媒体を搬送する搬送ローラーと、
    前記搬送ローラーの回転量に基づいて該搬送モーターに駆動電源を供給する制御部と、
    前記印刷媒体を前記搬送する期間において前記搬送モーターの負荷を示す監視値を計測し、該監視値が前記印刷媒体の種類に応じた閾値よりも大きいとき異常であると判定する判定部と、を具備し、
    前記判定部は、前記印刷媒体を前記搬送する期間のうち、前記印刷媒体の搬送方向後方端部が前記給紙トレーの着脱位置から離脱した後の期間においては、前記監視値の計測を停止することを特徴とする印刷装置。
  3. 前記搬送経路は、前記搬送ローラーよりも前記印刷媒体の搬送方向後方側において該印刷媒体の搬送方向が湾曲する湾曲部を有するとともに、
    前記湾曲部における前記印刷媒体に接する能動的なローラーを具備しないことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記閾値は、前記印刷媒体を給紙搬送する間における計測期間中における前記搬送モーターの負荷が示す参照値と、所定の許容値と、の和であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
  5. 前記許容値は、前記印刷媒体の種類を判定するセンサーの判定結果に基づいて設定されることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
  6. 印刷媒体を収容するとともに、本体部に対して着脱可能な給紙トレーを備える印刷装置にて行う印刷方法であって、
    前記印刷装置は、
    前記トレーから搬送経路に印刷媒体を供給する取出部と、
    前記搬送経路に供給された前記印刷媒体に接しつつ搬送モーターの駆動により回転駆動することによって、前記印刷媒体を搬送する搬送ローラーと、
    前記搬送ローラーの回転量に基づいて該搬送モーターに駆動電源を供給する制御部と、を具備し、さらに前記搬送経路は、前記搬送ローラーよりも前記印刷媒体の搬送方向後方側において該印刷媒体の搬送方向が湾曲する湾曲部を有するとともに、該湾曲部における前記印刷媒体に対して湾曲の外側から接しつつ前記搬送モーターの駆動により回転駆動する中間ローラーを具備し
    前記印刷媒体を前記搬送する期間において前記搬送モータの負荷を示す監視値を計測し、該監視値が前記印刷媒体の種類に応じた閾値よりも大きいとき異常であると判定することを特徴とする印刷方法。
  7. 印刷媒体を収容するとともに、本体部に対して着脱可能な給紙トレーを備える印刷装置にて行う印刷方法であって、
    前記印刷装置は、
    前記トレーから搬送経路に印刷媒体を供給する取出部と、
    前記搬送経路に供給された前記印刷媒体に接しつつ搬送モーターの駆動により回転駆動することによって、前記印刷媒体を搬送する搬送ローラーと、
    前記搬送ローラーの回転量に基づいて該搬送モーターに駆動電源を供給する制御部と、を具備し、
    前記印刷媒体を前記搬送する期間において前記搬送モーターの負荷を示す監視値を計測し、該監視値が前記印刷媒体の種類に応じた閾値よりも大きいとき異常であると判定し、かつ、前記印刷媒体を前記搬送する期間のうち前記印刷媒体の搬送方向後方端部が前記給紙トレーの着脱位置から離脱した後の期間においては、前記監視値の計測を停止する、ことを特徴とする印刷方法。
JP2009029094A 2009-02-10 2009-02-10 印刷装置および印刷方法 Active JP5332680B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009029094A JP5332680B2 (ja) 2009-02-10 2009-02-10 印刷装置および印刷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009029094A JP5332680B2 (ja) 2009-02-10 2009-02-10 印刷装置および印刷方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010184397A JP2010184397A (ja) 2010-08-26
JP5332680B2 true JP5332680B2 (ja) 2013-11-06

Family

ID=42765351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009029094A Active JP5332680B2 (ja) 2009-02-10 2009-02-10 印刷装置および印刷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5332680B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06219020A (ja) * 1993-01-29 1994-08-09 Minolta Camera Co Ltd プリンタ装置
JP2008062600A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Seiko Epson Corp プリンタの制御方法及びプリンタの制御プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010184397A (ja) 2010-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011111325A (ja) 印刷装置および異常判定方法
JP6051874B2 (ja) プリンター
US8328318B2 (en) Printing method and printing apparatus
JP5183361B2 (ja) 記録装置および記録方法
JP2005053020A (ja) インクジェットプリンタ
JP2007001147A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法
US9764568B2 (en) Inkjet printer, sheet discriminating device and inkjet printing method
JP5418149B2 (ja) 印刷装置および印刷媒体判別方法
JP2006289887A (ja) プリンタの記録紙ローディング方法
JP5332680B2 (ja) 印刷装置および印刷方法
US20080025781A1 (en) Printer and method for controlling the printer
JP6833368B2 (ja) 媒体検出装置、媒体搬送装置及び画像形成装置
US20080025782A1 (en) Printer and printer control method
JP4734524B2 (ja) 画像記録装置
US10183507B2 (en) Image recording apparatus and image recording method
JP2005349632A (ja) インクジェット記録装置
JP2005074905A (ja) トレイ送り制御装置、記録装置、液体噴射装置
JP4066185B2 (ja) トレイ送り制御装置、記録装置、液体噴射装置
JP7327009B2 (ja) 画像記録装置
JP4400731B2 (ja) モータ制御装置、該モータ制御装置を備えた電子機器、モータ制御プログラム
JP2011083913A (ja) 印刷装置、モーター制御装置およびモーター制御方法
JP2024001916A (ja) 画像記録装置
JP2008184238A (ja) 媒体搬送装置、及び、媒体搬送方法
JP2023095495A (ja) 画像形成装置
JP5442141B2 (ja) 記録装置および記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130715

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5332680

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350