JP5329536B2 - カテーテルアセンブリ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は分岐した管腔を治療するシステム及び方法に関する。好ましい構成物は、脈管分岐部の治療において使用されるカテーテルアセンブリに関する。
様々な身体各部における狭窄(stricture) 、狭窄症(stenosis)及び狭細化を治療するために、カテーテルはステント及びバルーン膨張式構造物と共に使用される。狭窄部の拡張のために、また体内の治療部位にステントを送達及び展開配置するために、様々なカテーテル設計が開発されている。
ステントは、典型的には、例えば閉塞、狭窄部、動脈瘤、解離、又は弱体化、病変、もしくは異常膨張した脈管もしくは脈管壁のような状態を、その脈管の拡張又は脈管壁の強化によって治療するために、静脈、動脈、又はその他の管状体器官の中に、カテーテルを用いて腔内配置される。ステントは、弾性リコイルを防止して脈管壁を再形成し、かつ冠動脈のバルーン血管形成術によって引き起こされた血管壁の解離を治療することにより、血管形成術の結果を向上させることができる。ステントは、脈管の損傷部分の治療のために薬物の送達媒体として使用することもできる。
従来のステント技術は比較的良く開発されているが、脈管分岐部の領域の治療に関するステント技術は未だ開発途中にある。
本開示は概して、湾曲セクションを備えた円弧部分を有するカテーテルアセンブリに関する。円弧部分は、休止状態では湾曲セクションを維持する。円弧部分は、カテーテルアセンブリを脈管分岐部に対して径方向に位置調整するために役立つ。円弧部分が形成されているカテーテルアセンブリは、脈管分岐部の外形(features)に対するカテーテルアセンブリの外形の径方向の自動位置調整を改善することができる。一例のカテーテルアセンブリは、カテーテル主枝及びカテーテル側枝を備える。カテーテル主枝は円弧部分を備える。膨張可能なバルーンが、円弧部分の少なくとも一部に沿って配置されてもよい。アセンブリは、膨張可能なバルーンの一部に沿って配置されたステントをさらに備えることもできる。ステントは、カテーテル側枝が通る側枝開口部を備えることができる。
本開示の別の態様は、カテーテルアセンブリに円弧部分を形成する方法に関する。円弧部分は、休止状態において円弧部分で維持される湾曲セクションを備える。一例の方法は、カテーテルアセンブリのカテーテル主枝に、円弧形状の部分を有する第1のマンドレルを挿入することと、第1のマンドレルが挿入されているカテーテル主枝を加熱することとを含む。カテーテル主枝は、マンドレルを取り除いても、マンドレルの形状に対応する円弧形状を保持する。カテーテルアセンブリのカテーテル側枝に円弧部分を形成するために、同様の工程を用いることができる。
構成物又は方法は、本開示にしたがって何らかの利点を得るために、本明細書中で述べられた特徴のすべてを備える必要はない。
円弧部分を有するカテーテル主枝を備え、かつ円弧部分のふくらみ側に配置されたカテーテル側枝を有するように構築された例示的な分岐送達システムを示す図。 脈管分岐部に隣接して配置された、図1に示す分岐送達システムを示す図。 図2の2A−2A線における分岐送達システムの断面図。 円弧部分を有するカテーテル主枝を備え、かつ円弧部分のへこみ側に配置されたカテーテル側枝を有するように構築された、別の分岐送達システムの例を示す図。 脈管分岐部に隣接して配置された、図に示す分岐送達システムを示す図。 円弧形状部分を有する第1のマンドレル上に配置された第1の部分と、直線形状を有する第2のマンドレル上に配置された第2の部分とを有する、別の分岐送達システムの例を示す図。 マンドレルが取り除かれた、図5に示す分岐送達システムを示す図。 第1の円弧形状を有する第1のマンドレル上に配置された第1の部分と、第1の円弧形状とは概ね反対方向に湾曲した第2の円弧形状を有する第2のマンドレル上に配置された第2の部分とを有する、別の分岐送達システムの例を示す図。 マンドレルが取り除かれた、図7に示す分岐送達システムを示す図。 第1の円弧形状を有する第1のマンドレル上に配置された第1の部分と、第1の円弧形状と概ね同じ方向に湾曲した第2の円弧形状を有する第2のマンドレル上に配置された第2の部分とを有する、別の分岐送達システムの例を示す図。 マンドレルが取り除かれた、図に示す分岐送達システムを示す図。 自己拡張型ステントを有する別の分岐送達システムの例を示す図。 図11の12−12線における分岐送達システムの拡大断面図。 図1に示すカテーテル主枝を示す図。 13の14−14線におけるカテーテル主枝の拡大断面図。
I.背景
本開示は、分岐部治療システム、及びこれに関連する患者体内の分岐部を治療する方法に関する。分岐部という用語は、1つのものから2つ以上のものへと分割される場所を意味する。一般に、体器官の2種類の分岐部には、1)主要管腔を画成している主要管状部、及び主要管状部から延在又は枝分かれする、分枝管腔を画成している分枝管状部であって、主要管腔と分枝管腔とが互いに連通しているもの、ならびに2)主管腔又は主要管腔(親管腔とも呼ばれる)を画成している第1部又は主要部が、第1及び第2の分枝管腔を画成している第1及び第2の分枝部へ分裂するもの、が挙げられる。管腔という用語は、管状器官(例えば血管)のような管状構造の空洞又は穴を意味する。管路という用語は、何か流体のようなものが通り抜けるチャネル(例えばパイプ又は管)を意味する。管腔及び管路という用語は本文書全体にわたって互換可能に使用される。
分岐部の実例は、互いに連通している主要管腔及び分枝管腔をそれぞれ画成する、一続きの主要脈管及び分枝脈管を含む脈管分岐部である。別例として脈管分岐部は、分割されて第1及び第2の分枝脈管となる親脈管を備え、これらの脈管が、互いにすべて連通している第1及び第2の分枝管腔ならびに親管腔をそれぞれ画成するものであってもよい。
本明細書中に開示される本発明の原理の適用例には、心血管系、冠状血管系、腎血管系、末梢血管系、消化器系、肺系、泌尿器系、及び神経脈管系が挙げられる。本明細書中に開示される分岐送達システムは、脈管分岐部の分枝脈管を見つけるために使用することができる。開示されるシステムは、脈管分岐部の治療のために脈管分岐部にステントを留置するために使用することもできる。本開示に従った脈管分岐部治療システムの一例は、主要ガイドワイヤ、カテーテル主枝、カテーテル主枝の上に配置される拡張可能なバルーン、カテーテル側枝、及びステントを含む。
本明細書中に開示された脈管分岐部治療システムの例は、管状構造物又は管路(例えば冠状血管)の円弧形状をなした部分の内部で径方向に自動位置調整するように構成される。円弧部分又は円弧形状は湾曲セクションを含んでいる。湾曲セクションは半径(曲率半径とも呼ばれる)などの様々な形状を有することができる。本開示の目的のための円弧部分の湾曲セクションは、無限大より小さい、好ましくは約1m未満である曲率半径を有するべきである。半径を有する湾曲セクションは、円形、半円形、長円形、又は半長円形に含まれる部分のような屈曲部分又は曲がり部分により構成され得る。湾曲セクションを、略弓形の形状を共に画成する複数の直線部分で構成することもできる。湾曲セクションを有する構造は、該構造の対向する端と端との間の該構造に沿った長さが、該構造の一端から反対端へと延びる直線の長さよりも長い。
カテーテル枝の円弧部分は次のようにして形成することができる。円弧部分は、第1端及び第2端ならびに外表面を有する湾曲セクションを備えることができる。円弧部分は、上述したように休止状態では湾曲セクションを維持する。円弧部分は、湾曲セクションに沿って第1端と第2端との間に延びる、円弧部分内部に画成されたルーメンをさらに備える。円弧部分は、湾曲セクションの内向きに湾曲した外表面側面部分及び湾曲セクションの外向きに湾曲した外表面側面部分を備えている。内向きに湾曲した外表面側面部分と外向きに湾曲した外表面側面部分との間の外表面上には、円弧部分の少なくとも1つの残りの側面部分が配置される。該少なくとも1つの残りの側面部分は、投影面と平行な平面上に配置される。投影面は、内向きに湾曲した側面部分から外向きに湾曲した側面部分に至る平面と平行に配向される。
一実施例の脈管分岐部治療システムでは、少なくともカテーテル主枝は湾曲セクションを有する円弧部分を備えて構成される。カテーテル枝の円弧部分の湾曲セクションは、脈管分岐部の治療部位における主要脈管の円弧部分又は円弧形状の曲げ半径とほぼ一致することができる。典型的には、脈管分岐部の分枝脈管は、主要脈管の屈曲又は円弧形状と同じ平面上に収まる方向に主要脈管から分岐する。同様に典型的には、分枝脈管は、主要脈管の円弧形状のへこみ側又はふくらみ側のいずれかに(すなわち主要脈管の円弧形状の、弧の外側又は内側に沿って)親血管から分岐する。分枝脈管は一般に、親血管の外表面の周面上でへこみ側とふくらみ側との間の径方向の位置で親血管から分岐することはない。しかしながら、分枝脈管は、親血管の周面上でへこみ側とふくらみ側との間の径方向の位置で親血管から分岐する場合もある。本明細書中に開示された、開示の脈管分岐部治療システムの原理は、そのようなあまり一般的でない分枝脈管構成の治療についても同様に適用することができる。
ここで図13及び14を参照すると、円弧部分を有するカテーテル主枝12の一例が図示され、説明されている。カテーテル主枝12はへこみ側60及びふくらみ側62を備えている。へこみ側60及びふくらみ側62は、カテーテル主枝12の中心軸を通って広がる湾曲の平面Pの中で、カテーテル主枝12を挟んで互いに反対側に配置される。カテーテル主枝12の周面上での径方向の位置は、その位置が平面Pのいずれかの側に角度α又はβの範囲内にある場合、へこみ側にあるとみなされる。同様に、カテーテル主枝12の周面上での径方向の位置は、その位置が平面Pのいずれかの側に角度α又はβの範囲内にある場合、ふくらみ側にあるとみなされる。角度α、β、α、βは、典型的には約0°〜30°の範囲内にある。へこみ側及びふくらみ側を規定する径方向の位置の範囲外における、カテーテル主枝12の周面上での径方向の位置は、湾曲の平面Pの外側であるとみなされる。
13に示されたカテーテル主枝12は、カテーテル主枝12の円弧部分又は弓形の部分を画成する湾曲した形状を含んでいる。カテーテル主枝12のような長尺状部材の円弧部分は、不規則でない弓形の部分を規定する線に沿った複数の点によって定義することができる。一例では、円弧に沿った複数の点は、真円弧の数学的な定義を満たす。円弧に沿って均等に間隔を置いて並んだ点について、を接続する直線同士の間に形成される角度(例えば、図13の点A、B、C、Dを結ぶ直線同士の間の角度π及びρを参照)を変化させることにより、様々な弧状構造物を作り出すこともできる。
この実施例の脈管分岐部治療システムのカテーテル側枝は、脈管分岐部の主要脈管の円弧部分に沿って位置している分枝脈管の中へより容易に導入されるように、カテーテル主枝の円弧に対して配置される。例えば、カテーテル側枝は、親血管の円弧部分のへこみ側から延びる分枝脈管に挿入するために、カテーテル主枝の円弧部分のへこみ側に配置される。あるいは、カテーテル側枝は、親血管の円弧部分のふくらみ側から延びる分枝脈管に挿入するために、カテーテル主枝の円弧部分のふくらみ側に配置される。
種々様々のステント、カテーテル及びガイドワイヤの構成を、本開示の分岐送達システムの実施形態と共に使用することができる。本明細書中に開示された本発明の原理は、いかなる特定の設計又は構成にも限定されるべきではない。
本明細書中に開示された分岐送達システムと共に使用することができるいくつかのステントの例は、例えばバルディ(Vardi) らの米国特許第6,210,429号明細書、同第6,325,826号明細書及び同第6,706,062号明細書、同時係属中の2003年8月21日に出願された発明の名称「STENT WITH A PROTRUDING BRANCH PORTION FOR BIFURCATED VESSELS 」と題された米国特許出願第10/644,550号明細書、ならびに発明の名称「SELF-EXPANDING STENT AND CATHETER ASSEMBLY AND METHOD FOR TREATING BIFURCATIONS 」と題された米国特許出願公開第2004/0176837号明細書に見出すことが可能であり、これら特許文献の全内容は参照により本明細書の一部を構成する。一般に、前述のステントは、ステントの先端側開口端と基端側開口端との間に位置する側枝開口部を備えている。側枝開口部は、ステントの内部ルーメンとステントの外側領域との間の通路を画成する。ステント側枝開口部は、ステント側壁を構築しているストラット構造の間に画成されるセル開口部とは異なる。いくつかのステントでは、側枝開口部は拡張可能な構造によって包囲されていてもよい。拡張可能な構造は、例えば分岐部治療システムの可膨張部分が拡張すると径方向に拡がって分岐部の分枝管腔の中に入るように構成することができる。典型的には、ステントは、側枝開口部が分枝管腔への入口と整合するように主要管腔内に配置された後に拡張される。側枝開口部と分枝管腔への入口との位置調整には、径方向及び軸方向の両方の位置調整を含んでいる。側枝開口部を取り囲む拡張可能な構造を備えているステントは、1つ以上の可膨張部材を使用して、1回の拡張又は複数回の拡張を用いて拡張させることができる。
図面に関連して説明及び例証されるカテーテル主枝及びカテーテル側枝の円弧部分は、休止状態にあるときの該カテーテル枝の永久的形状又は固定形状を反映している。休止状態とは、カテーテル枝の形状を歪める外力がカテーテル枝に付与されていない状態である。カテーテル枝がガイドワイヤ上を伝って進められるときに、ガイドワイヤの剛性がカテーテル枝の剛性より高いことにより、カテーテル枝の形状をその休止状態の形状から歪める傾向を有する力が加わる可能性がある。その結果、ガイドワイヤが挿入されたカテーテル枝の外観は、ガイドワイヤが取り外されているときに通常見られる円弧形状を備えていないように見えるかもしれない。しかしながら、永久的な円弧部分を有するカテーテル枝は、特にカテーテル枝及びガイドワイヤが円弧形状の脈管内においてカテーテル枝の円弧部分の休止状態と一致しない径方向の向きに配置されると、回転して休止状態に移行しようとする。したがって、円弧形状が形成されたカテーテル枝は、カテーテル枝の円弧部分をその休止状態の配置から移動させる外力(例えば直線状のガイドワイヤ)が加わったとしてもなお、本明細書中に記載される径方向に自動位置調整する有利な特徴を有することができる。
II.図1〜2に例証された実施例
一実施例の分岐送達システム10の概略図が図1〜2に示されている。分岐送達システム10は、カテーテル主枝12、カテーテル側枝14及びステント16を備えている。カテーテル主枝12は主枝ルーメンを画成し、カテーテル半径Rを有する円弧形状を備えている。カテーテル主枝12は先端チップ26を有する。ステント16は、先端チップの基端側において、カテーテル主枝12に沿って配置されている。カテーテル側枝14は側枝ルーメンを画成し、先端20を備えている。カテーテル側枝14は、カテーテル主枝12の円弧形状のふくらみ側に沿って配置されている。カテーテル側枝14は、カテーテル主枝12と並列配置でステントの基端側かつ内側の部分を通って延びるように構成及び配置される。円弧部分が形成されていない直線形状を有するカテーテル側枝14が示されている。円弧部分を有するカテーテル側枝のいくつかの例については、図7〜10を参照しながら後述する。
一般に、円弧部分を有する長尺状構造物は、円弧部分の平面(例えば図12に示される平面P)が、該長尺状構造物が乗っている上面と平行に配向される休止状態に近づく傾向を有する。例えば、水平に配置された平坦な表面の上に乗っている、円弧部分を有する長尺状部材は、典型的には、円弧部分の平面(例えばP)がその水平表面の平面と平行に整列する配置へと回転することになる。さらに、円弧形状部分を有する長尺状構造物は、同じく円弧形状部分を有する長尺状の管腔又は管路の中に配置されると、長尺状構造物の湾曲の平面が長尺状の管腔又は管路の湾曲の平面と共通の平面になるまで回転する傾向を有する。したがって、円弧形状部分を有するカテーテル枝が円弧形状部分を有する脈管分枝の中に配置されると、カテーテルシャフトは、カテーテルの円弧の湾曲の平面が脈管分枝の円弧部分の湾曲の平面と共通の平面上に整列する配置へと回転する傾向を有する。
脈管分岐部の主要脈管の円弧形状部分の曲率半径と一致する曲率半径を有する円弧形状部分をカテーテル主枝12に設けることにより、分岐送達システム10が脈管分岐部の分枝脈管に対して径方向に自動位置調整することを支援することができる。脈管分岐部に対するカテーテル主枝12の自動位置調整は、一つには、カテーテル主枝の円弧部分が主要脈管の円弧部分の平面と同じ平面上に整列するとともに主要脈管の円弧部分の湾曲方向と同じ湾曲方向に弧状をなすまでカテーテル主枝自体が径方向に移動するのに、カテーテル主枝の円弧形状部分が役立つことにより生じうる。
このような、主要脈管の円弧部分に対して径方向に自動位置調整するカテーテル主枝12の性質を、カテーテル主枝12の円弧部分に対するカテーテル側枝14の配置と組み合わせて、脈管分岐部の分枝脈管に対してカテーテル側枝14を整合させるために使用することができる。例えば、脈管分岐部が円弧部分を備えた主要脈管と該円弧部分のふくらみ側から延びる分枝脈管とを含んでいる場合、カテーテル側枝をカテーテル主枝の円弧のふくらみ側に沿って配置することができる(図1〜2を参照)。別例では、主要脈管の円弧部分のへこみ側から延びる脈管分岐部の分枝脈管の配置に合わせるために、カテーテル側枝をカテーテル主枝の円弧のへこみ側に沿って配置することができる(図3〜4を参照)。したがって、カテーテル主枝が主要脈管内で自動的に休止状態へと回転した(すなわち、カテーテル主枝の円弧部分の湾曲の平面及び方向が、主要脈管の円弧部分の湾曲の平面及び方向と整合した)ときに、カテーテル側枝は径方向において分枝脈管の入口に対して配向される。
円弧部分を有する分岐送達システムの、径方向に自動位置調整する態様は、分岐送達システムが複数のガイドワイヤと共に使用される場合に特に有用となり得る。一本の脈管内で複数のガイドワイヤを使用すると、ガイドワイヤ同士の交差及びガイドワイヤ間の相対的なねじれを生じる場合がある。ガイドワイヤ間の相対的なねじれは、脈管分岐部の主要脈管及び分枝脈管に対する分岐送達システムの外形の位置調整の狂いをもたらす可能性がある。ガイドワイヤ間の相対的なねじれは、ガイドワイヤ上を伝って分岐送達システムを脈管分岐部へ前進させる妨げとなる可能性もある。本明細書中に開示されるような円弧部分を有する分岐送達システムは、2本のガイドワイヤを使用するシステムに共通している交差及び相対的なねじれという問題を解消するために特に有用となる可能性がある。ガイドワイヤ間に少なくとも180°の相対的なねじれがある場合の分岐送達システムの円弧部分の使用は、分岐送達システムの外形を脈管分岐部の分枝脈管に対して適切に位置調整する際に有効となり得る。ガイドワイヤ間に少なくとも360°の相対的なねじれ、又は約720°程度の、もしくはそれ以上の相対的なねじれがある場合、分岐送達システムの円弧部分は径方向の自動位置調整に特に有効である。
図1を再び参照すると、一実施例の分岐送達システム10は、第1及び第2の分枝28、30を有するカテーテル主枝12を備えている。主要可膨張部分32は第1の分枝28に配置され、補助可膨張部分34は第2の分枝30に配置される。第2の分枝30は、主要可膨張部分32の基端側において第1の分枝部分28から分岐する。第2の分枝30は、第2の分枝30の長さの大部分にわたって主要可膨張部分32とほぼ平行に延びていることが示されている。第2の分枝30の先端は、主要可膨張部分32の先端側において第1の分枝28に接続される。第2の分枝30は、カテーテル主枝12の円弧形状部分のふくらみ側に沿って配置される。
主要可膨張部分32は略円筒状であり、カテーテル主枝12の内部を延びるガイドワイヤルーメン(図示せず)と同軸上に延びる。第2のバルーン分枝30は、ステント16の側壁の側面開口部52を通って少なくとも部分的に拡張するのに適した大きさ及び形状を有することができる。第2の分枝30の補助可膨張部分34は、膨張時には略半球の形態を有することができる。補助可膨張部分34は、典型的には、可膨張部分34が膨張させられると、ステント16の側面開口部52を通って径方向に拡がる。補助可膨張部分34は、カテーテル主枝12の円弧形状のふくらみ側に沿ってカテーテル主枝12から見て径方向外側を向くように配置される。
別の実施例では、カテーテル主枝12は第1及び第2の可膨張部分32、34を備えた単一の枝を有することができる。この実施例においては、第2の可膨張部分は、カテーテル主枝12が主要脈管内に配置され、かつカテーテル主枝12の円弧部分が主要脈管の平面と同じ平面上かつ主要脈管の湾曲方向と同じ湾曲方向を向いて位置調整されると、脈管分岐部の分枝脈管への入口の方向を向くように配向される第1の可膨張部分32の外面上で径方向に位置調整される。第2の可膨張部分34は、第1の可膨張部分32と一体的に形成可能である。第1の可膨張部分32の外表面に一体化された第2の可膨張部分34を有するバルーンは、「ブリスタ」型又は「バルジ」型バルーンとも呼ばれることがある。
可膨張部分32、34はバルーン拡張式の部材であってもよい。本明細書中に開示される可膨張部分32、34及びその他のすべてのバルーンは、コンプライアンス材料及び非コンプライアンス材料ならびにこれらの組み合わせを含む任意の好適なバルーン材料で作製することができる。本明細書中に開示されるバルーン及びカテーテルのためのいくつかの材料例には、熱可塑性ポリマー、ポリエチレン(高密度、低密度、中密度、直鎖状低密度)、ポリエチレンの様々なコポリマー及びブレンド、アイオノマー、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリエーテル−ポリエステルコポリマー、ならびにポリエーテルポリアミドコポリマーが含まれる。好適な1つの材料は、コポリマーポリオレフィン材料のSurlyn(登録商標)(米国デラウェア州ウィルミントン所在のデュポン・ド・ヌムール社(DuPont de Nemours) 製)である。さらに一層好適な材料には、熱可塑性ポリマー材料及び熱硬化性ポリマー材料、ポリ(エチレンテレフタレート)(一般にPETと呼ばれる)、熱可塑性ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレンが挙げられる。他のいくつかの材料例には、ポリウレタン及びブロックコポリマー、例えばポリアミド−ポリエーテルブロックコポリマーやアミド−テトラメチレングリコールコポリマーなどが含まれる。さらなる例には、PEBAX(登録商標)(ポリアミド/ポリエーテル/ポリエステルブロックコポリマー)ファミリーのポリマー、例えばPEBAX(登録商標)70D、72D、2533、5533、6333、7033、又は7233(米国ペンシルバニア州フィラデルフィア所在のエルフアトケム社(Elf AtoChem) から入手可能)が挙げられる。その他の例には、脂肪族ナイロンのようなナイロン、例えばVestamid(登録商標)L21011F、ナイロン11(エルフアトケム社製)、ナイロン6(アライドシグナル社(Allied Signal) 製)、ナイロン6/10(BASF社製)、ナイロン6/12(アシュレイ・ポリマーズ社(Ashley Polymers) 製)、ナイロン12が挙げられる。ナイロンの別の例には、Grivory(登録商標)(EMS社製)及びナイロンMXD−6のような芳香族ナイロンが含まれる。他のナイロン及び/又はナイロンの組み合わせも使用することができる。さらに別の例には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、例えばCELANEX(登録商標)(米国ニュージャージー州サミット所在のティコナ社(Ticona)より入手可能)、ポリエステル/エーテルブロックコポリマー、例えばARNITEL(登録商標)(米国インディアナ州エバンズビル(Evansville) 所在のDSM社より入手可能)、例えばARNITEL(登録商標)EM740、芳香族アミド、例えばTrogamid(登録商標)(PA6−3−T、デグッサ(Degussa) )、及び熱可塑性エラストマー、例えばHYTREL(登録商標)(米国デラウェア州ウィルミントン所在のデュポン・ド・ヌムール社製)が挙げられる。いくつかの実施形態では、PEBAX(登録商標)、HYTREL(登録商標)及びARNITEL(登録商標)材料は約45D〜約82DのショアD硬度を有する。バルーン材料は純粋物として使用されてもよいし、ブレンドとして使用されてもよい。例えば、ブレンドは、例えばRITEFLEX(登録商標)(ティコナ社より入手可能)、ARNITEL(登録商標)、又はHYTREL(登録商標)のような、PBT及び1以上のPBT熱可塑性エラストマーを含んでもよいし、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びPBT熱可塑性エラストマーのような熱可塑性エラストマーを含んでもよい。バルーン材料のさらなる例は、参照により本明細書の一部を構成する米国特許第6,146,356号明細書に見出すことができる。
第1及び第2の分枝28、30は、カテーテル主枝12によって画成された共通の膨張ルーメンと連通するように接続されている。膨張ルーメンは、患者の体外に残る分岐送達システムの基端(図示せず)から第1及び第2の分枝28、30まで先端方向に延びる。共通の膨張ルーメンは第1及び第2の分枝28、30のいずれにも給送する。共通の膨張ルーメンは、主要可膨張部分32及び補助可膨張部分34を拡張させる際に、該部分32、34に加圧膨張流体を供給するために使用される。共通の膨張ルーメンは、収縮の際に前記部分32、34から膨張流体を排出するためにも使用される。第1及び第2の分枝28、30は当初、脈管分岐部の治療部位に分岐送達システム10を導入するときには収縮させられている。第1及び第2の分枝28、30は、ほぼ同時に膨張させることができる。別の実施形態では、可膨張部分32の膨張と可膨張部分34の膨張との間に遅れを生じさせてもよい。
カテーテル主枝12は、典型的には、主要ガイドワイヤ36を収容する大きさのガイドワイヤルーメン(図示せず)を画成する個別の管路又は構造を画成又は具備している。典型的には、カテーテル主枝12のガイドワイヤルーメンは、主要可膨張部分32及び補助可膨張部分34に膨張流体を供給するために使用される膨張ルーメンとは異なる別個のものである。カテーテル主枝12の先端チップ26から延びる一実施例のガイドワイヤ36が図2に示されている。通常は、ガイドワイヤ36が主要脈管42の中で脈管分岐部の先端側に配置され、ガイドワイヤ36の基端が先端26においてガイドワイヤルーメンの先端開口部に挿入され、次いでカテーテル主枝12がガイドワイヤ36を伝って脈管分岐部まで進められる。
カテーテル側枝14は、図2に示されるガイドワイヤ38のような分枝ガイドワイヤを伝って移動するための大きさを有する内部ルーメン(図示せず)を画成する。カテーテル側枝14の先端チップ20から延びているガイドワイヤ38が図示されている。図1〜3に示される実施例のカテーテル側枝14は可膨張部分を備えていないが、別例のカテーテル側枝は可膨張部分を含むことができる。可膨張部分を有するカテーテル側枝は、同時係属中の発明の名称「STENT WITH A PROTRUDING BRANCH PORTION FOR BIFURCATING VESSELS」と題される米国特許出願第10/644,550号明細書(この出願は参照により本明細書の一部を構成する)に記載されている。操作時には、カテーテル側枝14はステント16の側面開口部52を通って延びる。カテーテル側枝14の先端は、脈管分岐部へシステム10が送達される間はステント16に隣接して配置されている。典型的には、ガイドワイヤ38が最初に脈管分岐部の分枝脈管44の中に配置され、ガイドワイヤ38の基端が先端チップ20の中に挿入され、次いでカテーテル側枝14がガイドワイヤ38を伝って脈管分岐部まで進められる。ステントの側面開口部52から延出しているカテーテル側枝14の先端は、カテーテル側枝14がガイドワイヤ38を伝って進められるにつれて、ガイドワイヤ38に沿って分枝脈管44の中に導かれる。
側面開口部52は、図1及び2に示される実施例ではカテーテル主枝12の円弧形状のふくらみ側に沿って配置されている。側面開口部52は、典型的には、患者の体内にシステム10が導入される前に、第2の分枝30の補助可膨張部分34と軸方向及び径方向のいずれにおいても整合するように配置される。ステント16は、典型的には、例えば圧着による連結を使用して、可膨張部分32、34に取り外し可能に固定される。ステントは通常、可膨張部分32、34の膨張中に可膨張部分32、34から解放される。
別例の分岐送達システムは、自己拡張機構を有するステントとともに使用するように構成される。自己拡張型ステント及びステントの自己拡張機構は、典型的には、該ステント又はステント機構を拡張させるために、バルーンのような可膨張部材の使用を必要としない。典型的には、米国特許出願公開第2004/0176837号明細書に記載のステントのような自己拡張型ステントは、ステントに外嵌するシースを使用して圧縮状態に保持される。圧縮状態にて、体内腔を通って治療部位までステントを進めることができる。ステント及びシースが治療部位に配置されると、ステントを拡張させて径方向に拡張した状態にするために、シースが基端側へ引き込まれてステントが解放される。図11及び12は、カテーテル主枝12及びカテーテル側枝14に沿って配置され、かつシース15に包囲された自己拡張型ステント16を有する実施例のカテーテルアセンブリを示す。シース15及びステント16は、カテーテル側枝14を通す側枝開口部52、53を備えることができる。シース15は、シース15をステント16及びカテーテル側枝14に対して基端側に引き込み可能にするために、側枝開口部53からシース15の先端まで延びる長手方向の開口部(例えばスロット又はスリット形状の開口部)をさらに備えることができる。シース15の長手方向の開口部(図示せず)は、例えば、基端側にシース15を引き込もうとする前に解除される締結装置を使用して、閉鎖状態に保持することができる。
図2は、分岐送達システム10を脈管分岐部40との関連で例証している。脈管分岐部40は、分枝脈管44が主要脈管42から分岐する全体領域として定義される。開口部又は入口は、主要脈管42の側壁の、分枝脈管44が主要脈管42と連通して接続される場所に画成される。
脈管分岐部40を治療するために分岐送達システム10が使用される場合、典型的にはガイドワイヤ36が最初に治療部位まで導入されて、ガイドワイヤ36の先端が主要脈管42の中で分枝脈管44の入口より先端側に配置される。ガイドワイヤ38も治療部位まで導入されて、次に分枝脈管44の中に配置される。医師は、好適な曲率半径を備えた円弧部分を有するカテーテル主枝の選択に役立つように、主要脈管の円弧の曲げ半径を判定する。医師はさらに、周方向のどの位置で分枝脈管が主要脈管から分岐するか(例えばふくらみ側、へこみ側、又は図12及び13に関して定義されるようなへこみ側とふくらみ側との間の周方向のどこかの位置)を判定する。冠状血管のような一部のタイプの脈管は、典型的には主要脈管の円弧部分の平面(例えば図13の平面P)の範囲内で主要脈管から分岐する分枝脈管を有する。したがって、分枝脈管は通常、主要脈管の円弧部分のへこみ側又はふくらみ側で分岐する。他のタイプの脈管では、分枝脈管は、主要脈管の円弧部分の平面から外れて、例えば主要脈管の円弧部分の平面から約0°〜90°外れている平面上において主要脈管から分岐する。別例の分岐部治療システム(図示せず)では、脈管分岐部の解剖学的構造とほぼ一致させるために、カテーテル側枝もカテーテル主枝の円弧部分の平面から外して位置調整される。
分枝脈管の径方向の位置を主要脈管の円弧部分に対して判定したならば、医師は脈管分岐部の解剖学的構造とほぼ一致する分岐部治療システムを選択することができる。図2は、システム10の円弧部分が脈管分岐部40の円弧部分に一致している一例を示す。分岐部治療システム10のための一種類の曲げ半径の大きさが、様々な脈管分岐部の解剖学的構造に対して使用可能であることが確認されている。
適切な分岐部治療システム10が選択された後、ガイドワイヤ36の基端がカテーテル主枝12の先端に挿入され、ガイドワイヤ38の基端がカテーテル側枝14の先端に挿入される。その後、分岐送達システム10は、ガイドワイヤ36、38の上を伝って進められて脈管分岐部40に隣接して配置される。一部の治療方法では、システム10がガイドワイヤ36又はガイドワイヤ38の一方の上を伝って脈管分岐部40まで進められた後で、ガイドワイヤ36又はガイドワイヤ38の他方にシステム10を介して脈管分岐部40の治療部位まで進ませる。一旦ガイドワイヤ36の先端が分岐部40を過ぎて延びる状態にガイドワイヤ36が配置されると、ガイドワイヤ36は、典型的には脈管分岐部40の治療が完了するまで主要脈管42の中に留まる。
円弧部分を有するカテーテル主枝12は、ステント側枝開口部52を分枝脈管44の入口に面する向きに径方向に位置調整する助けとなることができる。上述したように、カテーテル主枝12の円弧は、典型的には、カテーテル主枝12の円弧部分の平面と平行な休止状態の配向へと移行することになる。更に、カテーテル主枝12は、カテーテル主枝12の円弧部分の湾曲が主要脈管42の円弧部分の湾曲と同じ向きを向くように位置調整されるまでは、完全な休止状態には達しない。この完全な休止状態(すなわち主要脈管及びカテーテル主枝の円弧部分の平面が平行に整列し、かつ主要脈管及びカテーテル主枝の円弧部分の湾曲が同じ方向を向いている)とは、カテーテル主枝の円弧部分の平面が、主要脈管の円弧部分に対して径方向に0°の位置にあると考えることができる。図2Aは、この角度θ=0°の完全な休止状態を例証している。したがって、カテーテル主枝12がθ=0°より大きくθ=90°未満、又はθ=270°より大きくθ=360°未満の径方向の位置にあれば、カテーテル主枝12はθ=0°の配向(図2Aを参照)に戻る傾向を有することになる。カテーテル主枝12がθ=90°より大きくθ=180°未満、又はθ=180°より大きくθ=270°未満の径方向の位置にあれば、カテーテル主枝12は180°の配置方向(図示せず)に移行する傾向を有することになる。
カテーテル主枝12がθ=180°の位置にあるとき、カテーテル主枝12の円弧は、主要脈管42の円弧と同じ平面上にあるが、主要脈管42の円弧とは反対の方向に湾曲している。θ=180°の配向においては、カテーテル主枝12は完全な休止状態にはない。その結果、典型的には、カテーテル主枝12は、カテーテル主枝12の円弧部分の湾曲が主要脈管42の円弧部分の湾曲の方向と反対の方向を向いており、かつ医師が比較的小さな外部回動力を加えることで積極的に完全な休止状態になろうとするため、医師がθ=0°の配向へとより容易に径方向に調節することができる。
図1〜2の実施例では、主要脈管42は脈管曲率半径Rを有し、カテーテル主枝12は曲率半径Rを有する。値RはRの値とほぼ同じであるように選択されることが好ましい。典型的には、カテーテルの湾曲は脈管の湾曲より大きくても小さくてもよいため、Rの値はRの値の約30%〜約200%、より好ましくはRの値の約50%〜約100%の範囲内にあるように選択される。
分岐送達システム10が、分枝脈管44の入口の方向にカテーテル側枝14及び側枝開口部52が面するように配向された後、カテーテル側枝14の先端20が分枝脈管44の中に配置される。典型的には、カテーテル側枝14の先端が分枝脈管44の中に配置されると、ステント16の開口部52は分枝脈管44の入口に対して軸方向かつ径方向において少なくとも部分的に整合する。その後、脈管分岐部40の治療のためにステント16の本体を拡張させるために、可膨張部分32を膨張させることができる。可膨張部分34も脈管分岐部40の一部を治療するために膨張させることができる。例えば、可膨張部分34は、側枝開口部52を取り囲んでいるかそうでなければ画成している任意の拡張可能な構造物を、分枝脈管44に向かう方向に少なくとも部分的に拡張させることができる。ステントを拡張させるために第1及び第2の可膨張部分32、34を膨張させた後に、可膨張部分32、34が収縮させられて、カテーテル主枝12及びカテーテル側枝14が患者の身体から基端側へ引き戻される。脈管分岐部40は、追加の可膨張部材及びステント構造物をさらに使用して治療することもできる。例えば、分枝可膨張部材に装着された分枝脈管ステントが、分枝ガイドワイヤ38を伝って、かつ側枝開口部52を通って進められてもよく、この場合には、分枝脈管44の中で分枝ステントを拡張させるために、分枝可膨張部材が膨張させられる。そのような分枝ステントは、拡張されたときに、側枝開口部52を取り囲んでいる拡張可能な構造物もさらに拡張させて分枝脈管44と係合させることができる。
分岐送達システム10は、X線透視法又は蛍光透視法において視認可能なマーカー材料を含むことができる。システム10の、マーカー材料を含む任意の外形は、X線透視法又は蛍光透視法においてより容易に同定及び識別可能である。いくつかのマーカー材料例には、金、白金及びタングステンが含まれる。一実施形態では、マーカー材料は、カテーテル主枝12及びカテーテル側枝14のうち少なくとも一方に固定されるバンド構造物に含められてもよい。別の実施形態では、マーカー材料は、カテーテル主枝12及びカテーテル側枝14の一部分の原料組成物の一部である。X線透視法又は蛍光透視法において分岐送達システム10の外形を視認できることにより、システム10を操作する医師が脈管分岐部40に対するシステム10の位置をより容易に調節する助けとなりうる。システム10とともに使用するのに適したマーカー及びマーカー材料の例は、バルディ(Vardi) らの米国特許第6,692,483号明細書、及び同時係属中の2006年2月22日に出願された発明の名称「MARKER ARRANGEMENT FOR BIFURCATION CATHETER 」と題された米国仮特許出願第60/776,149号明細書に記載されており、両特許文献の内容も参照により本明細書の一部を構成する。
III.図3〜4に例証された実施例
図3〜4は別の実施例の分岐送達システム10を示す。図3〜4のシステム10は、カテーテル主枝12の円弧部分のへこみ側に沿って配置されたカテーテル側枝14を備えている。第2の分枝30及び補助可膨張部分34も、カテーテル主枝12の円弧形状のへこみ側に沿って配置される。さらに、ステント16の側枝開口部52は、カテーテル主枝12の円弧形状のへこみ側に沿って径方向外側に面して配置される。開口部52は、カテーテル側枝14が開口部52を通り抜けて分枝脈管44の中に入ることができる大きさを有する。
図3〜4の実施形態は、分枝脈管44が主要脈管42の円弧部分のへこみ側に位置している脈管分岐部を対象とした分岐送達システム10の使用について例証する。主要脈管42は脈管曲率半径Rを有し、カテーテル主枝12は曲率半径Rを有する。半径RはRとほぼ同じであることが好ましい。図1〜2に関して上述したように、カテーテル主枝12に円弧形状を設けることにより、カテーテル側枝14、ステント側枝開口部52及び補助可膨張部分34が、分枝脈管44の入口に対して少なくともある程度は径方向に自動位置調整されることが好ましい。
図1〜2に関して上述したように、カテーテル主枝12の円弧形状は、典型的には、カテーテル主枝12を、カテーテル主枝12の屈曲の平面が接触面の平面と平行である支持体表面上にある休止状態に向かって自己誘導的に径方向に移動させる。円弧形状部分を有する脈管の中に配置される場合、カテーテル主枝12は、カテーテル主枝の円弧部分の湾曲が脈管の円弧部分の湾曲と同じ方向を向き、かつカテーテル主枝の円弧部分の平面が脈管の円弧部分の平面と平行に位置調整されると、完全な休止状態に到達する。
分岐送達システム10がガイドワイヤ36、38を伝って脈管分岐部40の治療部位まで進められると(図4を参照)、カテーテル主枝12は、カテーテル側枝14及びステント側枝開口部52がカテーテル主枝12の円弧部分の平面上かつ主要脈管42の円弧部分の平面上に配置される完全な休止状態に向かって移動する傾向を有することになる。カテーテル側枝14及び開口部52は、主要脈管42の円弧部分の湾曲が向いているのと同じ方向を向いている、又は同じ方向に延びている様子が、図4に示されている。カテーテル主枝12の円弧形状は、カテーテル側枝14及びステント側枝開口部52が分枝脈管44の入口に対して径方向において整合し、その位置を維持することを支援することができる。
カテーテル側枝14及び開口部52が分枝脈管44の入口の方向を向くように分岐送達システム10が配向された後、システム10は、カテーテル側枝14の先端20が分枝脈管44の中に配置されるまで先端方向に進められる。その後、システム10は、カテーテル側枝14が脈管分岐部40のカリナ(すなわち主要脈管42と分枝脈管44との間の先端側接合点)と係合することにより医師が先端方向への移動に抵抗を感じるまで、先端方向に前進させることができる。分岐送達システム10がこの位置にある状態においては、ステント16の開口部52は、分枝脈管44の入口に対して軸方向及び径方向のいずれにおいても少なくとも部分的に整合する。その後、可膨張部分32を膨張させて、脈管分岐部40の治療のためにステント16の本体を拡張させることができる。可膨張部分34も脈管分岐部40の一部を治療するために膨張させることができる。例えば、可膨張部分34は、開口部52を取り囲んでいる任意の拡張可能な構造物を、分枝脈管44の中へと径方向外側に拡張させることができる。可膨張部分34は、開口部52の大きさを拡げるために使用されることもある。
IV.図5〜6に例証された実施例
図5〜6は、一実施例の分岐送達システム110に円弧形状部分を形成する態様を示す。分岐送達システム110は、カテーテル主枝112、カテーテル側枝114、及びステント116を備えている。カテーテル主枝112は先端126を備えている。可膨張部分132は、カテーテル主枝上において先端126の基端側に配置される。カテーテル側枝114は先端120を備えている。カテーテル側枝114は、ステント116の側枝開口部152を通って延びる。以下に述べる方法は、カテーテル主枝112が休止状態にあるときに、カテーテル主枝112にどのようにして円弧形状部分を形成することができるかを説明する。カテーテル側枝114は、休止状態にあるときは略直線の形状を備えている。
カテーテル主枝に円弧形状部分を設け、かつカテーテル側枝の直線形状を維持するために、カテーテル主枝112及びカテーテル側枝114に挿入される成形マンドレルを使用して、分岐送達システム110が熱固定される。主要マンドレル曲率半径RMMを有する第1のマンドレル160が、カテーテル主枝112に挿入される。直線形状を有する第2のマンドレル162が、カテーテル側枝114に挿入される。その後、マンドレルが挿入された分岐送達システム110は、所定時間加熱され、冷却されてカテーテル枝112、114にマンドレル形状が固定される。
既知の熱固定技術を使用して、分岐送達システム110において円弧形状部分の熱固定を行なうことができる。分岐送達システムを熱固定するための所要時間及び温度は、例えばカテーテル枝に使用される材料の種類、材料の厚さ、及びマンドレルの材料に左右される。ステント116及び可膨張部分132において使用される材料も、分岐送達システムを熱固定するために必要な所要時間及び温度に影響を及ぼす場合がある。分岐送達システムのカテーテル枝において使用されるいくつかの材料例には、ナイロン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PTFE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、及び高密度ポリエチレン(HDPE)が含まれる。可膨張部分132について使用されるいくつかの材料例は、可膨張部分32、34に関して上述されている。分岐送達システムを熱固定するための所要時間は、数分から最大4〜24時間、又はそれより長い時間とすることができる。熱固定のための温度は、典型的には約30℃〜約150℃の範囲内にあるが、場合によってはそれよりも高い温度が必要とされるかもしれない。
典型的には、分岐送達システムに形状を熱固定するために必要とされる温度及び所要時間は、該システム中の、熱固定に対する抵抗性が最も大きい材料に基づいて選択される。例えば、カテーテル主枝112は一般に、各々が1以上の材料層を含んでなる複数の構造物を含んでなる。例えば、カテーテル主枝は、ガイドワイヤルーメンを画成するガイドワイヤハウジングと、内部をガイドワイヤハウジングが同軸に延びる膨張ルーメンを画成する主要カテーテルシャフトとを含むことができる。一実施例では、カテーテルシャフトは単層構成であり、ガイドワイヤハウジングは、カテーテル枝と構造的一体性を提供する材料を含む三層構成である。他の構成では、構造層は、ガイドワイヤハウジングではなく、カテーテルシャフトに含まれる。
PEBAX(登録商標)は、カテーテル枝にそのような構造的一体性を提供するために一般に使用される材料例である。典型的には、PEBAX層は、曲げ及びねじり力に対する抵抗性が最も高く(すなわち最も剛性の高い材料)、かつ最も高いガラス転移温度を有するため、熱固定を行うのに最も長い時間及び最も高い温度を必要とする。カテーテル主枝の熱固定を試みる場合、PEBAX材料(又は構造的一体性を提供するその他の材料)はターゲット材料である。一実施例において、PEBAX材料は、約55℃の温度に約12時間カテーテル枝を曝露することにより、新しい形状を保持するように熱固定可能である。
別例として、分岐送達システム110における円弧形状部分の熱固定は滅菌処理の一部として行われるが、この場合、滅菌の前に湾曲形のマンドレルが挿入される。滅菌中に加えられる熱は、一部の例では分岐送達システムにマンドレルの円弧形状を熱固定するために十分である可能性がある。分岐送達システム110のために使用される包装の一部として、滅菌後に分岐送達システム110の中に湾曲形のマンドレルを残すことも考えられる。加熱された分岐送達システムが冷却され、マンドレル60、62が取り除かれた後、図6に示すように、カテーテル主枝112及びカテーテル側枝114はそれぞれ湾曲形状及び直線形状を保持する。
得られる主要カテーテル半径Rは、主要マンドレル半径RMMとほぼ同じであることが好ましい。場合によっては、半径Rは半径RMMより大きい。一実施例において、半径R及び半径RMMの値は約10cm未満である。典型的には、半径R及び半径RMMの値は約2〜約5cm、より好ましくは約3〜約4.5cmである。
カテーテル主枝112の円弧部分のふくらみ側にカテーテル側枝114及びステント側枝開口部52が配置されることにより、分岐送達システム110は、図2に示す構成のような脈管分岐部構成の治療に特に有用となる。図2は、主要脈管42の屈曲部のふくらみ側に沿って主要脈管42から分岐する分枝脈管44を有する脈管分岐部40を示す。カテーテル側枝114の直線形状をカテーテル主枝112のあらかじめ設定された湾曲形状と組み合わせることにより、カテーテル側枝114の先端120を図2の分枝脈管44に対してより容易に位置調整することができる。
別の実施例(図示せず)では、分岐送達システム110を、図4に示す脈管分岐部40のような、主要脈管のへこみ側から延びる直線形状の分枝脈管を有する脈管分岐部に対して使用するために改変することも考えられる。さらに別の実施形態(図示せず)では、分岐送達システム110を、主要脈管の内側のへこみ側と外側のふくらみ側との間の径方向の位置で主要脈管から延びる分枝脈管を有する脈管分岐部に対して使用するために、改変することも考えられる。これらの別例の実施例では、カテーテル側枝114及びステント側枝開口部152を、主要脈管42の円弧部分に対する分枝脈管44の配向とほぼ一致するように、カテーテル主枝の円弧に対して周方向の位置に配置することができる。
V.図7〜10に例証された実施例
図7〜8は、分岐送達システム110の、カテーテル主枝112及びカテーテル側枝114の両方に円弧形状部分を形成する態様を示す。図7を参照すると、曲率半径RMMを有する主要マンドレル160がカテーテル主枝に挿入されている。曲率半径RBMを有する分枝マンドレル162がカテーテル側枝114に挿入されている。マンドレル160、162は、反対方向を向いた湾曲を備えるように構成されているが、カテーテル主枝112の円弧形状と同じ平面上に存在している。その後、マンドレル160、162が挿入された分岐送達システム110は、所定の時間加熱され、カテーテル枝112、114にマンドレルの形状を固定するために冷却される。加熱処理及び冷却処理は、図5〜6に関して上述した条件に従うことができる。
カテーテル枝112、114は、円弧形状の熱固定を仕上げるために、加熱期間の後に冷却される。加熱された分岐送達システムを冷却してマンドレル160、162を取り除いた後、カテーテル主枝112及びカテーテル側枝114は、図8に示される湾曲形状を保持する。カテーテル側枝114は、カテーテル主枝112の円弧部分のふくらみ側に沿って配置され、かつカテーテル主枝112の湾曲方向とは反対方向に湾曲する。
得られる主要カテーテル半径Rは、主要マンドレル半径RMMとほぼ同じであることが好ましい。得られる分枝カテーテル半径Rは、分枝マンドレル半径RBMとほぼ同じであることが好ましい。場合によっては、半径R及びRは半径RMM及びRBMよりそれぞれ大きい。典型的には、半径R及びRならびに半径RMM及びRBMの値は、約15cm未満である。半径R及び半径RMMの値は、通常約2〜約10cmの範囲、より典型的には約3〜約4.5cmの範囲内にある。
カテーテル主枝112の円弧のふくらみ側にカテーテル側枝114及びステント開口部52が配置されることにより、図8に示す分岐送達システム110は、図2に示す構成のような脈管分岐部構成の治療に特に有用となる。図2は、主要脈管42の屈曲部のふくらみ側に沿って主要脈管42から分岐する分枝脈管44を有する脈管分岐部40を示す。カテーテル側枝114の円弧部分の湾曲の向きは、カテーテル側枝114の先端を図2に示す分枝脈管44の中に位置付けることを支援することができる。
図9〜10は、カテーテル主枝112及びカテーテル側枝114の両方に、同じ方向を向いて湾曲している円弧形状部分を形成する態様を示す。図9を参照すると、曲率半径RMMを有する主要マンドレル160がカテーテル主枝に挿入されている。曲率半径RBMを有する分枝マンドレル162がカテーテル側枝114に挿入されている。マンドレル160、162は、円弧部分が同じ平面上に存在しつつ同じ方向を向いて湾曲するように構成される。その後、マンドレル160及び162が挿入された図9の分岐送達システム110は、所与の温度及び所要時間(例えば図5及び6に関して上述した実施例の温度及び所要時間)加熱され、カテーテル枝112、114にマンドレルの円弧形状を固定するために冷却される。半径RMM及びRBM、ならびに得られる熱固定半径R及びRは、例えば図7〜8に関して上述した半径の値の範囲内とすることができる。カテーテル側枝114は、カテーテル主枝112の円弧形状部分のへこみ側に沿って配置され、かつカテーテル主枝112の湾曲と同じ方向に湾曲する。
カテーテル主枝112の円弧のへこみ側にカテーテル側枝114及びステント側枝開口部52が配置されることにより、図10に示す分岐送達システム110は、図4に示す構成のような脈管分岐部構成の治療に特に有用となる。図4は、主要脈管42の屈曲部のへこみ側に沿って主要脈管42から分岐する分枝脈管44を有する脈管分岐部40を示す。カテーテル側枝114の円弧部分の湾曲の向きは、カテーテル側枝114の先端を、図4に示す分枝脈管44の中に位置付けることを支援することができる。
熱固定は、図面を参照して説明した実施例のカテーテル主枝及びカテーテル側枝に円弧形状部分を設ける多くの方法のうちの1つにすぎない。別例として、カテーテル主枝及びカテーテル側枝の円弧形状は、カテーテル主枝及びカテーテル側枝が湾曲形状を備えるように成形することにより形成することができる。円弧形状のカテーテル枝を提供することが可能な成形法の例は、射出成形である。別例の方法では、カテーテル枝は、円弧形状部分を備えるように押出成形される。さらに別例の方法では、カテーテル枝の湾曲の内側側面が係留部品で係留されてもよい。係留部品は、カテーテル枝に沿って円弧形状部分を作り出しやすい。係留部品は、一実施例の構成においては、カテーテル枝の側壁の層として一体化されてもよい。別の方法例には、カテーテル枝の片側側面を化学的に膨潤又は収縮させることが挙げられる。別の方法例では、カテーテル枝が円弧部分を有する管内に配置され、次に該管の円弧部分に起因する湾曲を用いて熱固定される。
VI.総括及び結論
本開示の一態様は、基端部分及び先端部分を有するカテーテル主枝を備えたカテーテルアセンブリに関する。カテーテル主枝の先端部分は円弧部分を備えている。円弧部分は、湾曲セクション、ルーメン、湾曲セクションの内向きに湾曲した外表面側面部分、湾曲セクションの外向きに湾曲した外表面側面部分、及び少なくとも1つの残りの側面部分を備えている。湾曲セクションは第1端及び第2端ならびに外表面を有する。休止状態にあるときに、円弧部分は湾曲セクションを維持する。ルーメンは円弧部分の中に画成され、湾曲セクションに沿って第1端と第2端との間を延びている。少なくとも1つの残りの側面部分は、内向きに湾曲した外表面側面部分と、外向きに湾曲した外表面側面部分との間の外表面上に配置される。少なくとも1つの残りの側面部分は、投影面と平行な平面上に配置される。投影面は、内向きに湾曲した側面部分から外向きに湾曲した側面部分に至る平面と平行な向きに配置される。
本開示の別の態様は、カテーテル主枝及びカテーテル側枝を備えたカテーテルアセンブリに関する。カテーテル主枝は基端部分及び先端部分を有する。休止状態にあるときに、先端部分は湾曲セクションを維持する。カテーテル側枝は、先端部分の湾曲セクションの一部に沿って延びる。カテーテル主枝は、外表面、湾曲セクションの中に画成されたルーメン、湾曲セクションの内向きに湾曲した外表面側面部分、湾曲セクションの外向きに湾曲した外表面側面部分、及び内向きに湾曲した外表面側面部分と外向きに湾曲した外表面側面部分との間の外表面上に配置された少なくとも1つの残りの側面部分をさらに備えることができる。少なくとも1つの残りの側面部分は、投影面と平行な平面上に配置され、投影面は、内向きに湾曲した側面部分から外向きに湾曲した側面部分に至る平面と平行な向きに配置される。
本開示のさらなる態様は、脈管分岐部の主要脈管及び分枝脈管に対してカテーテルアセンブリを整合させる方法に関する。カテーテルアセンブリは、基端部分及び先端部分を有するカテーテル主枝を備えている。先端部分は、第1端及び第2端ならびに外表面を有する湾曲セクションを備えた円弧部分を維持する。休止状態中にあるときに、円弧部分は湾曲セクションを維持する。ルーメンが円弧部分の中に画成され、湾曲セクションに沿って第1端と第2端との間に延びる。カテーテル主枝の円弧部分は、湾曲セクションの内向きに湾曲した外表面側面部分、湾曲セクションの外向きに湾曲した外表面側面部分、及び内向きに湾曲した外表面側面部分と外向きに湾曲した外表面側面部分との間の外表面上に配置された少なくとも1つの残りの側面部分を備えている。少なくとも1つの残りの側面部分は、投影面と平行な平面上に配置され、投影面は、内向きに湾曲した側面部分から外向きに湾曲した側面部分に至る平面と平行な向きに配置される。前記方法は、脈管分岐部の、円弧部分を有する主要脈管の中に主要ガイドワイヤを配置することと、主要ガイドワイヤに沿ってカテーテル主枝を脈管分岐部へと前進させることとを含み、カテーテル主枝は主要脈管に対して回転して、主要脈管の円弧部分に対してカテーテル主枝の円弧部分を径方向に自動位置調整する。
本開示による別の方法は、カテーテル主枝を備えたカテーテルアセンブリを製造する方法に関する。該方法は、円弧部分を有する第1のマンドレルをカテーテル主枝に挿入することと、第1のマンドレルが挿入されているカテーテル主枝を加熱することと、カテーテル主枝を冷却することと、カテーテル主枝から第1のマンドレルを取り除くこととを含み、カテーテル主枝は、第1のマンドレルが取り除かれた休止状態において円弧部分を保持する。
留意すべきなのは、本開示による改良点を備えるために、所与の構成形態に対して、本明細書中で特徴づけられた特徴が必ずしもすべて組み込まれる必要はないことである。

Claims (10)

  1. カテーテルアセンブリであって、
    (a)基端部分と、第1の分枝及び第2の分枝を備えた先端部分とを有するカテーテル主枝を含んでなり、先端部分の第1の分枝は、円弧部分を含み、円弧部分は、
    i.第1端及び第2端ならびに外表面を有する湾曲セクションと、休止状態にあるときに円弧部分が湾曲セクションを維持することと、
    ii.円弧部分の内部に画成され、湾曲セクションに沿って第1端と第2端との間を延びるルーメンと、
    iii.湾曲セクションの内向きに湾曲した外表面側面部分と、
    iv.湾曲セクションの外向きに湾曲した外表面側面部分と、
    v.内向きに湾曲した外表面側面部分と外向きに湾曲した外表面側面部分との間の外表面上に配置される少なくとも1つの残りの側面部分と、該少なくとも1つの残りの側面部分は、内向きに湾曲した側面部分から外向きに湾曲した側面部分に至る平面と平行な向きに配置される投影面と平行な平面上に配置されることと
    vi.円弧部分に沿って第1の分枝に配置された第1の膨張可能なバルーンと、
    vii.第2の分枝に配置され、第1の膨張可能なバルーンより小さな第2の膨張可能なバルーンと、
    viii.内向きに湾曲した側面部分から外向きに湾曲した側面部分に至る平面と共通な平面である平面上で円弧部分の一部に沿って延びるカテーテル側枝と
    を含むことを特徴とするアセンブリ
  2. 先端及び基端、ならびに先端と基端との間の位置に配置された側枝開口部を有するステントをさらに含み、該ステントは円弧部分の一部に沿って配置される、請求項1に記載のアセンブリ。
  3. 該カテーテル側枝はステントの側枝開口部を通って延びる、請求項2に記載のアセンブリ。
  4. 円弧部分の湾曲セクションは1cm〜10cmの半径を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
  5. 該カテーテル側枝は、カテーテル主枝の湾曲セクションの内向き又は外向きに湾曲した外表面側面部分の少なくとも一部に沿って延びる、請求項1に記載のアセンブリ。
  6. ステントの少なくとも一部を取り囲むシースをさらに含む、請求項3に記載のアセンブリ。
  7. カテーテル主枝及びカテーテル側枝を含んでなるカテーテルアセンブリの製造方法であって、
    (a)カテーテル主枝に、円弧部分を有する第1のマンドレルを挿入する工程と、
    (b)カテーテル側枝に、円弧部分を有する第2のマンドレルを挿入する工程と、
    (c)第1のマンドレルが挿入されているカテーテル主枝を加熱し、第2のマンドレルが挿入されているカテーテル側枝を加熱する工程と、
    (d)カテーテル主枝及びカテーテル側枝を冷却する工程と、
    (e)カテーテル主枝から第1のマンドレルを取り除き、カテーテル側枝から第2のマンドレルを取り除く工程と、
    (f)カテーテル主枝は、第1のマンドレルが取り除かれた休止状態において円弧部分を保持し、カテーテル側枝は、第2のマンドレルが取り除かれた休止状態において円弧部分を保持する工程と
    を含む方法。
  8. カテーテル主枝の円弧部分は、
    (a)第1端及び第2端ならびに外表面を有する湾曲セクションと、休止状態にあるときに円弧部分は湾曲セクションを維持することと、
    (b)円弧部分の内部に画成され、湾曲セクションに沿って第1端と第2端との間を延びるルーメンと、
    (c)湾曲セクションの内向きに湾曲した外表面側面部分と、
    (d)湾曲セクションの外向きに湾曲した外表面側面部分と、
    (e)内向きに湾曲した外表面側面部分と外向きに湾曲した外表面側面部分との間の外表面上に配置される少なくとも1つの残りの側面部分と、該少なくとも1つの残りの側面部分は、内向きに湾曲した側面部分から外向きに湾曲した側面部分に至る平面と平行な向きに配置される投影面と平行な平面上に配置されることと
    を含む、請求項7に記載の方法。
  9. カテーテルアセンブリはステントをさらに含み、該ステントは、カテーテル主枝の円弧部分の少なくとも一部に沿って配置される、請求項7に記載の方法。
  10. カテーテルアセンブリは、カテーテル主枝の円弧部分の少なくとも一部に沿って配置される主要可膨張部分と、カテーテル主枝の円弧部分の少なくとも一部に沿って配置される補助可膨張部分とをさらに含む、請求項7に記載の方法。
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