JP5328988B6 - 無機繊維製品製造用バインダー、無機繊維製品の製造方法 - Google Patents
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本発明は、無機繊維製品の製造に用いられるバインダー及び無機繊維製品の製造方法に関する。
本願は、2010年10月5日に日本に出願された、特願2010−225822号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2010年10月5日に日本に出願された、特願2010−225822号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、グラスウール、ロックウール、又はセラミック繊維等の無機繊維をバインダーで結合することにより成形した無機繊維製品が、断熱材、吸音材、又はその他各種成型品(自動車の屋根、ボンネットのライナー等)に用いられている。
無機繊維製品は、一般的に、無機繊維にバインダーを付着させ、集積して目的の無機繊維製品の形状の集積体とした後、加熱し、バインダーを硬化することにより製造されている。バインダーとしては、フェノール類とホルムアルデヒド類との反応により得られるフェノール樹脂を主成分としたもの(以下、フェノール樹脂系バインダーということがある。)が、比較的安価で、機械的強度等の性能に優れた製品が得られることから汎用されている。
しかし、フェノール樹脂系バインダーを用いた場合、製造工程でホルムアルデヒドが揮散する問題や、得られる無機繊維製品からホルムアルデヒドが放散する問題がある。ホルムアルデヒドは人体に悪影響を及ぼす物質で、たとえば建材から放散するアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質の一つとされている。そのため、日本国では2003年にホルムアルデヒドの放散量を規制する改正建築基準法が施行されている。改正建築基準法においては、ホルムアルデヒド放散量が、JIS A1901により測定されるホルムアルデヒド放散速度として5μg/m2h以下のものは規制対象となっていないため、無機繊維製品としてもホルムアルデヒド放散速度が5μg/m2h以下のものが要望される。
無機繊維製品は、一般的に、無機繊維にバインダーを付着させ、集積して目的の無機繊維製品の形状の集積体とした後、加熱し、バインダーを硬化することにより製造されている。バインダーとしては、フェノール類とホルムアルデヒド類との反応により得られるフェノール樹脂を主成分としたもの(以下、フェノール樹脂系バインダーということがある。)が、比較的安価で、機械的強度等の性能に優れた製品が得られることから汎用されている。
しかし、フェノール樹脂系バインダーを用いた場合、製造工程でホルムアルデヒドが揮散する問題や、得られる無機繊維製品からホルムアルデヒドが放散する問題がある。ホルムアルデヒドは人体に悪影響を及ぼす物質で、たとえば建材から放散するアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質の一つとされている。そのため、日本国では2003年にホルムアルデヒドの放散量を規制する改正建築基準法が施行されている。改正建築基準法においては、ホルムアルデヒド放散量が、JIS A1901により測定されるホルムアルデヒド放散速度として5μg/m2h以下のものは規制対象となっていないため、無機繊維製品としてもホルムアルデヒド放散速度が5μg/m2h以下のものが要望される。
無機繊維製品の製造工程(バインダーの吹きつけ時等)でホルムアルデヒドが揮散する問題の対応策の一つとして、フェノール樹脂を尿素で変性させることが行われている。この場合、フェノール樹脂に導入された尿素によってフェノール樹脂中の遊離ホルムアルデヒドが捕捉され、製造工程中のホルムアルデヒド揮散量が低減し、作業環境が改善する。
無機繊維製品からホルムアルデヒドが放散する問題の対応策としては、現在、エチレン尿素、又はアジピン酸ジヒドラジド等のホルムアルデヒド捕捉剤を併用することが一般的になっている(たとえば特許文献1参照)。ホルムアルデヒド捕捉剤は、発生したホルムアルデヒドと反応し、固定化することでホルムアルデヒド放散量を低減する。
無機繊維製品からホルムアルデヒドが放散する問題の対応策としては、現在、エチレン尿素、又はアジピン酸ジヒドラジド等のホルムアルデヒド捕捉剤を併用することが一般的になっている(たとえば特許文献1参照)。ホルムアルデヒド捕捉剤は、発生したホルムアルデヒドと反応し、固定化することでホルムアルデヒド放散量を低減する。
しかし、従来の方法では、ホルムアルデヒド放散量が少なく、性能も良好な無機繊維製品を低コストで製造することは難しい。
たとえばフェノール樹脂を尿素変性させる方法は、製造工程でのホルムアルデヒド揮散量の低減には有効であるものの、得られた無機繊維製品からのホルムアルデヒド放散量は逆に多くなる傾向がある。これは、ホルムアルデヒド源が無機繊維製品中に固定されて潜在ホルムアルデヒドとして滞在し、加水分解等により再放出されるためと考えられる。また、バインダーとして尿素で変性させたフェノール樹脂を用いた場合、尿素変性していないフェノール樹脂を用いた場合に比べて、得られた無機繊維製品の耐水強度等の性能が低くなる等の問題もある。
また、ホルムアルデヒド捕捉剤の使用は、ホルムアルデヒド放散量の低減には有効であるものの、従来のホルムアルデヒド捕捉剤がフェノール樹脂に比べて高価であり、しかもホルムアルデヒド放散速度が5μg/m2h以下の無機繊維製品を得ようとすると使用量も多くなることからコストアップにつながり、フェノール樹脂系バインダーのコストメリットが損なわれる。また、ホルムアルデヒド捕捉剤は、通常、特許文献1に記載されるように、硬化後に添加されるため、工程の煩雑化にもつながる。そのため、前記ホルムアルデヒド捕捉剤を併用しなくても、ホルムアルデヒド放散速度が5μg/m2h以下の無機繊維製品を得ることが可能なフェノール樹脂系バインダーが求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ホルムアルデヒド放散量が少なく、性能も良好な無機繊維製品を低コストで製造できるバインダー及び無機繊維製品の製造方法を提供することを目的とする。
たとえばフェノール樹脂を尿素変性させる方法は、製造工程でのホルムアルデヒド揮散量の低減には有効であるものの、得られた無機繊維製品からのホルムアルデヒド放散量は逆に多くなる傾向がある。これは、ホルムアルデヒド源が無機繊維製品中に固定されて潜在ホルムアルデヒドとして滞在し、加水分解等により再放出されるためと考えられる。また、バインダーとして尿素で変性させたフェノール樹脂を用いた場合、尿素変性していないフェノール樹脂を用いた場合に比べて、得られた無機繊維製品の耐水強度等の性能が低くなる等の問題もある。
また、ホルムアルデヒド捕捉剤の使用は、ホルムアルデヒド放散量の低減には有効であるものの、従来のホルムアルデヒド捕捉剤がフェノール樹脂に比べて高価であり、しかもホルムアルデヒド放散速度が5μg/m2h以下の無機繊維製品を得ようとすると使用量も多くなることからコストアップにつながり、フェノール樹脂系バインダーのコストメリットが損なわれる。また、ホルムアルデヒド捕捉剤は、通常、特許文献1に記載されるように、硬化後に添加されるため、工程の煩雑化にもつながる。そのため、前記ホルムアルデヒド捕捉剤を併用しなくても、ホルムアルデヒド放散速度が5μg/m2h以下の無機繊維製品を得ることが可能なフェノール樹脂系バインダーが求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ホルムアルデヒド放散量が少なく、性能も良好な無機繊維製品を低コストで製造できるバインダー及び無機繊維製品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、フェノール樹脂(尿素変性されていてもよい。)に、グルコース等の糖を配合し、これをバインダーとして使用することで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1]フェノール樹脂と糖質と水のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。
[2]フェノール樹脂、糖質、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。
[3][1]又は[2]に記載の無機繊維製品製造用バインダーを無機繊維に付着させること、及び前記無機繊維を成形して無機繊維製品を得ることを含む無機繊維製品の製造方法。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1]フェノール樹脂と糖質と水のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。
[2]フェノール樹脂、糖質、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。
[3][1]又は[2]に記載の無機繊維製品製造用バインダーを無機繊維に付着させること、及び前記無機繊維を成形して無機繊維製品を得ることを含む無機繊維製品の製造方法。
[4]フェノール樹脂と水のみからなる第一剤、及び糖質と水のみからなる第二剤のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。
[5]フェノール樹脂、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなる第一剤、及び糖質と水のみからなる第二剤のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。
[6]フェノール樹脂と水のみからなる第一剤、及び糖質、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなる第二剤のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。
[7]フェノール樹脂、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなる第一剤、及び糖質、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなる第二剤のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。
[8][4]〜[7]のいずれか一項に記載の無機繊維製品製造用バインダーの前記第一剤を無機繊維に付着させること、[4]〜[7]のいずれか一項に記載の無機繊維製品製造用バインダーの前記第二剤を無機繊維に付着させること、及び前記無機繊維を成形して無機繊維製品を得ることを含む無機繊維製品の製造方法。
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。
[5]フェノール樹脂、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなる第一剤、及び糖質と水のみからなる第二剤のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。
[6]フェノール樹脂と水のみからなる第一剤、及び糖質、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなる第二剤のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。
[7]フェノール樹脂、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなる第一剤、及び糖質、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなる第二剤のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。
[8][4]〜[7]のいずれか一項に記載の無機繊維製品製造用バインダーの前記第一剤を無機繊維に付着させること、[4]〜[7]のいずれか一項に記載の無機繊維製品製造用バインダーの前記第二剤を無機繊維に付着させること、及び前記無機繊維を成形して無機繊維製品を得ることを含む無機繊維製品の製造方法。
本発明によれば、ホルムアルデヒド放散量が少なく、性能も良好な無機繊維製品を低コストで製造できるバインダー及び無機繊維製品の製造方法を提供できる。
<無機繊維製品製造用バインダー>
本発明の無機繊維製品製造用バインダー(以下、単にバインダーということがある。)の第一の態様は、フェノール樹脂に糖質を配合したものである。本発明の無機繊維製品製造用バインダーは、フェノール樹脂及び糖質を含む組成物である側面を有する。
また本発明は、フェノール樹脂及び糖質を含む組成物の、無機繊維製品製造用バインダーとしての使用の側面、又は無機繊維製品製造用バインダーを製造するための、フェノール樹脂及び糖質を含む組成物の使用の側面を有する。
無機繊維製品の製造は、詳しくは後述する無機繊維製品の製造方法にて説明するが、無機繊維にバインダーを吹き付ける等により付着させ、前記バインダーが付着した無機繊維を集積し、製造しようとする無機繊維製品に対応した形状の集積体とした後、前記集積体を加熱(200〜270℃程度)して前記バインダーを硬化させることにより行われる。
バインダーとして用いられるフェノール樹脂は、一般的に、フェノール類とホルムアルデヒド類との反応により形成されたポリマー骨格を有しており、通常、合成時に過剰のホルムアルデヒド類が使用されているため、未反応のホルムアルデヒド類(遊離ホルムアルデヒド類)が残留している。そのため、フェノール樹脂を含有するバインダーを用いて無機繊維製品を製造する場合、製造工程中(付着時、硬化時等)に、この遊離ホルムアルデヒド類や、縮合反応により生じたホルムアルデヒドが揮散する。また、得られる無機繊維製品中にはホルムアルデヒド源が潜在しており、加水分解等によりホルムアルデヒドを放散することがあった。本発明においては、フェノール樹脂に糖質を配合することで、特に最終製品である無機繊維製品からのホルムアルデヒドの放散を抑制できる。かかる効果が得られる理由は明らかではないが、糖質及びその分解物が、従来のホルムアルデヒド捕捉剤と同様の機能を発揮しているためではないかと推測されるが、反応機構が複雑であり、詳細は明らかでない。
そのため、無機繊維製品の製造に際して本発明のバインダーを用いることにより、従来のホルムアルデヒド捕捉剤の使用量を低減でき、しかも糖質は、従来のホルムアルデヒド捕捉剤に比べて安価であることから、無機繊維製品の製造コストを低減できる。
さらに、従来、製造工程中のホルムアルデヒド揮散量の低減のために、変性剤等としてフェノール樹脂に尿素を配合することが行われているが、この場合、バインダーのゲル化時間が長くなったり、得られる無機繊維製品の性能、特に耐水強度が低下したりする問題があった。本発明においては、フェノール樹脂に対して配合する尿素の一部又は全部を糖質に置換することで、尿素を単独で配合する場合に比べて、無機繊維製品からのホルムアルデヒド放散量を大幅に低減できるだけでなく、ゲル化時間、耐水強度等の性能の低下の抑制も可能である。
本発明の無機繊維製品製造用バインダー(以下、単にバインダーということがある。)の第一の態様は、フェノール樹脂に糖質を配合したものである。本発明の無機繊維製品製造用バインダーは、フェノール樹脂及び糖質を含む組成物である側面を有する。
また本発明は、フェノール樹脂及び糖質を含む組成物の、無機繊維製品製造用バインダーとしての使用の側面、又は無機繊維製品製造用バインダーを製造するための、フェノール樹脂及び糖質を含む組成物の使用の側面を有する。
無機繊維製品の製造は、詳しくは後述する無機繊維製品の製造方法にて説明するが、無機繊維にバインダーを吹き付ける等により付着させ、前記バインダーが付着した無機繊維を集積し、製造しようとする無機繊維製品に対応した形状の集積体とした後、前記集積体を加熱(200〜270℃程度)して前記バインダーを硬化させることにより行われる。
バインダーとして用いられるフェノール樹脂は、一般的に、フェノール類とホルムアルデヒド類との反応により形成されたポリマー骨格を有しており、通常、合成時に過剰のホルムアルデヒド類が使用されているため、未反応のホルムアルデヒド類(遊離ホルムアルデヒド類)が残留している。そのため、フェノール樹脂を含有するバインダーを用いて無機繊維製品を製造する場合、製造工程中(付着時、硬化時等)に、この遊離ホルムアルデヒド類や、縮合反応により生じたホルムアルデヒドが揮散する。また、得られる無機繊維製品中にはホルムアルデヒド源が潜在しており、加水分解等によりホルムアルデヒドを放散することがあった。本発明においては、フェノール樹脂に糖質を配合することで、特に最終製品である無機繊維製品からのホルムアルデヒドの放散を抑制できる。かかる効果が得られる理由は明らかではないが、糖質及びその分解物が、従来のホルムアルデヒド捕捉剤と同様の機能を発揮しているためではないかと推測されるが、反応機構が複雑であり、詳細は明らかでない。
そのため、無機繊維製品の製造に際して本発明のバインダーを用いることにより、従来のホルムアルデヒド捕捉剤の使用量を低減でき、しかも糖質は、従来のホルムアルデヒド捕捉剤に比べて安価であることから、無機繊維製品の製造コストを低減できる。
さらに、従来、製造工程中のホルムアルデヒド揮散量の低減のために、変性剤等としてフェノール樹脂に尿素を配合することが行われているが、この場合、バインダーのゲル化時間が長くなったり、得られる無機繊維製品の性能、特に耐水強度が低下したりする問題があった。本発明においては、フェノール樹脂に対して配合する尿素の一部又は全部を糖質に置換することで、尿素を単独で配合する場合に比べて、無機繊維製品からのホルムアルデヒド放散量を大幅に低減できるだけでなく、ゲル化時間、耐水強度等の性能の低下の抑制も可能である。
本発明のバインダーの第二の態様は、フェノール樹脂を含む第一剤、及び糖質を含む第二剤を含んでなる。前記第二の態様のバインダーは、フェノール樹脂と糖質とを別剤として含む以外は、第一の態様のバインダーと同様である。
[フェノール樹脂]
本発明において用いられるフェノール樹脂としては、フェノール類と、少なくともホルムアルデヒド類を含むアルデヒド類との反応により得られる樹脂(以下、フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂ということがある。)が挙げられる。
フェノール類としては、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、キシレノール、ブチルフェノール、及びオクチルフェノール等が挙げられ、いずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、及びジメチルホルマール等が挙げられ、いずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ホルムアルデヒド類以外のアルデヒド類を、ホルムアルデヒド類を含むアルデヒド類と併用してもよい。ホルムアルデヒド類以外のアルデヒド類としては、たとえばアセトアルデヒド、及びベンズアルデヒド等が挙げられ、いずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂としては、通常、前記フェノール類と前記アルデヒド類とをアルカリ触媒の存在下で反応させることにより得られるレゾール型のものが用いられる。
前記フェノール類と前記アルデヒド類との反応に用いられる前記フェノール類及び前記アルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)は、1.5〜4が好ましく、2〜3.5がより好ましい。前記モル比が1.5未満の場合、未反応のフェノール類(遊離フェノール類)の揮散による臭気発生、又は歩留低下等の問題が生じるおそれがある。前記モル比が4を超えると、未反応のアルデヒド類(遊離アルデヒド類)が多量に残留するため、得られる無機繊維製品からのアルデヒド類の放散量が多くなるおそれがある。
前記遊離のフェノール類とは、JIS K6910の5.16の規定に準じて測定される未反応のフェノール類である。
前記遊離のアルデヒド類とは、JIS K6910の5.17の規定に準じて測定される未反応のアルデヒド類である。
アルカリ触媒としては、たとえば、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、又は水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;若しくはトリエチルアミン等の有機アミン等が挙げられ、いずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、機械的強度が高く、吸水性の低い硬化物が得られる点で、水酸化バリウムが好ましい。
上記反応は、通常、50〜80℃程度の温度条件で、3〜8時間程度行われる。
反応終了後、酸を添加して中和することが好ましい。中和に用いる酸としては、硫酸、塩酸、又は蟻酸等が挙げられ、いずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。中和後のフェノール樹脂のpH(23℃)は、樹脂の経時変化を抑える(経時安定性)点から、6〜8程度が好ましい。
本発明において用いられるフェノール樹脂としては、フェノール類と、少なくともホルムアルデヒド類を含むアルデヒド類との反応により得られる樹脂(以下、フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂ということがある。)が挙げられる。
フェノール類としては、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、キシレノール、ブチルフェノール、及びオクチルフェノール等が挙げられ、いずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、及びジメチルホルマール等が挙げられ、いずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ホルムアルデヒド類以外のアルデヒド類を、ホルムアルデヒド類を含むアルデヒド類と併用してもよい。ホルムアルデヒド類以外のアルデヒド類としては、たとえばアセトアルデヒド、及びベンズアルデヒド等が挙げられ、いずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂としては、通常、前記フェノール類と前記アルデヒド類とをアルカリ触媒の存在下で反応させることにより得られるレゾール型のものが用いられる。
前記フェノール類と前記アルデヒド類との反応に用いられる前記フェノール類及び前記アルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)は、1.5〜4が好ましく、2〜3.5がより好ましい。前記モル比が1.5未満の場合、未反応のフェノール類(遊離フェノール類)の揮散による臭気発生、又は歩留低下等の問題が生じるおそれがある。前記モル比が4を超えると、未反応のアルデヒド類(遊離アルデヒド類)が多量に残留するため、得られる無機繊維製品からのアルデヒド類の放散量が多くなるおそれがある。
前記遊離のフェノール類とは、JIS K6910の5.16の規定に準じて測定される未反応のフェノール類である。
前記遊離のアルデヒド類とは、JIS K6910の5.17の規定に準じて測定される未反応のアルデヒド類である。
アルカリ触媒としては、たとえば、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、又は水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;若しくはトリエチルアミン等の有機アミン等が挙げられ、いずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、機械的強度が高く、吸水性の低い硬化物が得られる点で、水酸化バリウムが好ましい。
上記反応は、通常、50〜80℃程度の温度条件で、3〜8時間程度行われる。
反応終了後、酸を添加して中和することが好ましい。中和に用いる酸としては、硫酸、塩酸、又は蟻酸等が挙げられ、いずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。中和後のフェノール樹脂のpH(23℃)は、樹脂の経時変化を抑える(経時安定性)点から、6〜8程度が好ましい。
前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の数平均分子量は、150〜400が好ましく、180〜300がより好ましい。数平均分子量が150未満の場合は、未反応のフェノール類(遊離フェノール類)の含有量が多く、無機繊維製品製造工程での臭気の増大、又は得られる無機繊維製品の機械的強度の低下等のおそれがあり好ましくない。また、数平均分子量が400を超えると、フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の水希釈性が低下し好ましくない。
前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の数平均分子量は、ポリスチレンを標準物質として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定できる。
前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の遊離フェノール類量は、5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えると、無機繊維製品製造工程での臭気が増大し、排ガス処理設備への負荷が増大するおそれがあり好ましくない。
前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の遊離ホルムアルデヒド類量は、10質量%以下であることが好ましい。10質量%を超えると、無機繊維製品製造工程でのホルムアルデヒド揮散量及び無機繊維製品からのホルムアルデヒド放散量が増大するおそれがあり好ましくない。
前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の不揮発分は、輸送コストの点から30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。
前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の不揮発分は、JIS K6910の5.6の規定に準じて測定される物質の含有量である。
前記不揮発分に含まれる物質としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の硬化物などが挙げられる。
前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の数平均分子量は、ポリスチレンを標準物質として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定できる。
前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の遊離フェノール類量は、5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えると、無機繊維製品製造工程での臭気が増大し、排ガス処理設備への負荷が増大するおそれがあり好ましくない。
前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の遊離ホルムアルデヒド類量は、10質量%以下であることが好ましい。10質量%を超えると、無機繊維製品製造工程でのホルムアルデヒド揮散量及び無機繊維製品からのホルムアルデヒド放散量が増大するおそれがあり好ましくない。
前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の不揮発分は、輸送コストの点から30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。
前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の不揮発分は、JIS K6910の5.6の規定に準じて測定される物質の含有量である。
前記不揮発分に含まれる物質としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の硬化物などが挙げられる。
フェノール樹脂として、尿素変性されているフェノール−ホルムアルデヒド系樹脂(以下、尿素変性フェノール樹脂ということがある。)を用いてもよい。尿素変性フェノール樹脂を用いることで、尿素変性されていないフェノール−ホルムアルデヒド系樹脂(以下、尿素非変性フェノール樹脂ということがある。)を用いる場合に比べて、無機繊維製品の製造工程でのホルムアルデヒド揮散量が低減される。また、従来、尿素変性フェノール樹脂を用いる場合、尿素非変性フェノール樹脂を用いる場合に比べて、得られる無機繊維製品からのホルムアルデヒド放散量は、製造工程とは逆に多くなる傾向があるが、本発明においては、尿素変性フェノール樹脂を用いた場合でも、ホルムアルデヒド放散量が少ない無機繊維製品を得ることができる。そのため、本発明は、特に、尿素変性フェノール樹脂を用いる場合に有用である。
尿素変性フェノール樹脂は、たとえば、尿素非変性フェノール樹脂(たとえば上述したフェノール類とアルデヒド類との反応により得られるもの)と尿素とを混合し、20〜50℃程度の温度条件下で30〜300分間程度反応させること、又はフェノール樹脂と尿素を混合することにより得られる。
尿素変性されたフェノール樹脂は、フェノール樹脂に尿素を配合した配合物や、フェノール樹脂と尿素を反応させた反応生成物である。
尿素変性されたフェノール樹脂には、アルデヒド類と尿素の付加縮合物及び/又は未反応の尿素が含有されている。
尿素の配合量は、尿素非変性フェノール樹脂の不揮発分(100質量%)に対し、10〜100質量%が好ましく、25〜70質量%がより好ましい。10質量%以上であるとホルムアルデヒド揮散量の低減効果が充分に得られる。100質量%を超えると、バインダーのゲル化時間が長すぎたり、得られる無機繊維製品の耐水強度等の性能が不充分になったりするおそれがある。 尿素非変性フェノール樹脂と尿素との反応終了時に、アンモニア水を添加してもよい。
アンモニアは、フェノール樹脂中の遊離ホルムアルデヒドをヘキサミンに転換する作用を有しており、反応停止剤として機能する。アンモニア水の添加量は、アンモニア換算で、尿素変性フェノール樹脂の不揮発分に対し、0〜10質量%が好ましい。
前記尿素非変性フェノール樹脂の不揮発分、及び前記尿素変性フェノール樹脂の不揮発分は、前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の不揮発分と同様の測定方法で測定される物質の含有量である。
前記不揮発分に含まれる物質としては、尿素非変性フェノール樹脂の場合、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の硬化物などが挙げられる。尿素変性フェノール樹脂の場合、前記不揮発分に含まれる物質としては、フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の硬化物、又はアルデヒド類と尿素の付加縮合物の硬化物などが挙げられる。
本発明のバインダーがフェノール樹脂及び糖質を含む組成物である場合、尿素変性は、糖質の配合前に行ってもよく、糖質の配合後に行ってもよい。
尿素変性フェノール樹脂は、たとえば、尿素非変性フェノール樹脂(たとえば上述したフェノール類とアルデヒド類との反応により得られるもの)と尿素とを混合し、20〜50℃程度の温度条件下で30〜300分間程度反応させること、又はフェノール樹脂と尿素を混合することにより得られる。
尿素変性されたフェノール樹脂は、フェノール樹脂に尿素を配合した配合物や、フェノール樹脂と尿素を反応させた反応生成物である。
尿素変性されたフェノール樹脂には、アルデヒド類と尿素の付加縮合物及び/又は未反応の尿素が含有されている。
尿素の配合量は、尿素非変性フェノール樹脂の不揮発分(100質量%)に対し、10〜100質量%が好ましく、25〜70質量%がより好ましい。10質量%以上であるとホルムアルデヒド揮散量の低減効果が充分に得られる。100質量%を超えると、バインダーのゲル化時間が長すぎたり、得られる無機繊維製品の耐水強度等の性能が不充分になったりするおそれがある。 尿素非変性フェノール樹脂と尿素との反応終了時に、アンモニア水を添加してもよい。
アンモニアは、フェノール樹脂中の遊離ホルムアルデヒドをヘキサミンに転換する作用を有しており、反応停止剤として機能する。アンモニア水の添加量は、アンモニア換算で、尿素変性フェノール樹脂の不揮発分に対し、0〜10質量%が好ましい。
前記尿素非変性フェノール樹脂の不揮発分、及び前記尿素変性フェノール樹脂の不揮発分は、前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の不揮発分と同様の測定方法で測定される物質の含有量である。
前記不揮発分に含まれる物質としては、尿素非変性フェノール樹脂の場合、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の硬化物などが挙げられる。尿素変性フェノール樹脂の場合、前記不揮発分に含まれる物質としては、フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の硬化物、又はアルデヒド類と尿素の付加縮合物の硬化物などが挙げられる。
本発明のバインダーがフェノール樹脂及び糖質を含む組成物である場合、尿素変性は、糖質の配合前に行ってもよく、糖質の配合後に行ってもよい。
[糖質]
糖質としては、単糖、オリゴ糖、多糖、又はそれらの誘導体等が挙げられ、いずれを用いてもよく、これらの混合物であってもよい。これらの中でも、本発明の効果に優れる点から、単糖が特に好ましい。
本明細書において、「オリゴ糖」は2以上10以下の単糖が結合したものとし、「多糖」は11以上の単糖が結合したものとする。
単糖としては、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、リボース、又はキシロース等が挙げられる。
オリゴ糖としては、たとえば、ショ糖(スクロース)、マルトース、ラクトース、トレハロース、又はイソマルトース等の二糖;マルトトリオース、又はラフィノース等の三糖;フラクトオリゴ糖;ガラクトオリゴ糖;若しくはイソマルトオリゴ糖等が挙げられる。
多糖としては、たとえば、デンプン、プルラン、デキストリン、又はポリデキストロース等が挙げられる。
単糖、オリゴ糖又は多糖の誘導体としては、たとえば、配糖体、エステル化デンプン、又はエーテル化デンプン等の加工デンプン等が挙げられる。
糖質は、上記のなかでも、本発明の効果に優れることから、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群(以下特定糖質ということがある。)から選ばれる少なくとも1種の糖質を含有することが好ましい。特定糖質としては、グルコース、フルクトース、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、中でも、単糖であるグルコース、及びフルクトースから選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
糖質中、特定糖質の割合は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。すなわち、糖質が特定糖質のみから構成されてもよい。
糖質中、特定糖質の割合は、30〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がより好ましく、70〜100質量%が更に好ましい。
糖質としては、単糖、オリゴ糖、多糖、又はそれらの誘導体等が挙げられ、いずれを用いてもよく、これらの混合物であってもよい。これらの中でも、本発明の効果に優れる点から、単糖が特に好ましい。
本明細書において、「オリゴ糖」は2以上10以下の単糖が結合したものとし、「多糖」は11以上の単糖が結合したものとする。
単糖としては、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、リボース、又はキシロース等が挙げられる。
オリゴ糖としては、たとえば、ショ糖(スクロース)、マルトース、ラクトース、トレハロース、又はイソマルトース等の二糖;マルトトリオース、又はラフィノース等の三糖;フラクトオリゴ糖;ガラクトオリゴ糖;若しくはイソマルトオリゴ糖等が挙げられる。
多糖としては、たとえば、デンプン、プルラン、デキストリン、又はポリデキストロース等が挙げられる。
単糖、オリゴ糖又は多糖の誘導体としては、たとえば、配糖体、エステル化デンプン、又はエーテル化デンプン等の加工デンプン等が挙げられる。
糖質は、上記のなかでも、本発明の効果に優れることから、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群(以下特定糖質ということがある。)から選ばれる少なくとも1種の糖質を含有することが好ましい。特定糖質としては、グルコース、フルクトース、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、中でも、単糖であるグルコース、及びフルクトースから選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
糖質中、特定糖質の割合は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。すなわち、糖質が特定糖質のみから構成されてもよい。
糖質中、特定糖質の割合は、30〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がより好ましく、70〜100質量%が更に好ましい。
バインダーに配合される糖質は1種でも2種以上でもよい。
バインダー中、糖質の配合量は、前記フェノール樹脂の不揮発分(100質量%)に対し、10〜900質量%が好ましく、25〜240質量%がより好ましく、40〜100質量%がさらに好ましい。10質量%以上であると無機繊維製品からのホルムアルデヒド放散量を充分に低減できる。900質量%以下であると、得られる無機繊維製品の耐水強度等の性能が悪化する可能性が低くなる。
バインダー中、糖質の配合量は、前記フェノール樹脂の不揮発分(100質量%)に対し、10〜900質量%が好ましく、25〜240質量%がより好ましく、40〜100質量%がさらに好ましい。10質量%以上であると無機繊維製品からのホルムアルデヒド放散量を充分に低減できる。900質量%以下であると、得られる無機繊維製品の耐水強度等の性能が悪化する可能性が低くなる。
本発明のバインダーがフェノール樹脂及び糖質を含む組成物である場合、フェノール樹脂及び糖質の配合方法は特に限定されない。たとえば、前記フェノール樹脂と前記糖質とを混合することにより、本発明のバインダーを調製できる。
本発明のバインダーが、フェノール樹脂を含む第一剤と、糖質を含有する第二剤を含んでなる場合、通常、無機繊維への付着させやすさから、第一剤及び第二剤ともに水溶液であることが好ましい。フェノール類と、少なくともホルムアルデヒド類を含むアルデヒド類との反応により得られるフェノール樹脂は、通常、水溶液の状態であり、これをそのまま第一剤として用いてもよく、適宜、樹脂濃度(不揮発分)を調整するための水(調整水)を添加してもよい。第二剤としての糖質の水溶液は、市販のものを用いてもよく、市販の固体の糖質又は市販の糖質水溶液に水を添加し、所定の糖質濃度の水溶液としたものを用いてもよい。
本発明のバインダーが、フェノール樹脂を含む第一剤と、糖質を含有する第二剤を含んでなる場合、通常、無機繊維への付着させやすさから、第一剤及び第二剤ともに水溶液であることが好ましい。フェノール類と、少なくともホルムアルデヒド類を含むアルデヒド類との反応により得られるフェノール樹脂は、通常、水溶液の状態であり、これをそのまま第一剤として用いてもよく、適宜、樹脂濃度(不揮発分)を調整するための水(調整水)を添加してもよい。第二剤としての糖質の水溶液は、市販のものを用いてもよく、市販の固体の糖質又は市販の糖質水溶液に水を添加し、所定の糖質濃度の水溶液としたものを用いてもよい。
[その他の任意成分]
本発明のバインダーは、所望により、本発明の効果を損なわない範囲で、フェノール樹脂及び糖質以外の他の成分を含有してもよい。
本発明のバインダーが第一剤と第二剤を含む場合、前記他の成分は、第一剤又は第二剤のいずれに配合してもよい。また、別剤として第一剤及び第二剤と組み合わせてもよい。
前記他の成分としては、無機繊維製品のバインダーに配合し得る成分として公知のもののなかから適宜選択して使用でき、たとえば、尿素、メラミン、ジシアンジアミド、アンモニア、硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、発塵防止オイル、又は水等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらのうち、尿素、メラミン、及びジシアンジアミドから選ばれる少なくとも1種を配合すると、前記フェノール樹脂として尿素変性しているものを用いる場合と同様に、無機繊維製品の製造工程中でのホルムアルデヒドの揮散量を低減できる。
また、アンモニアは、上述したように、ホルムアルデヒドと尿素との反応停止剤として機能するため、フェノール樹脂を尿素により変性させる場合に好ましく用いられる。また、アンモニアを配合することで、バインダーのpHが高まり、水希釈性が向上する。水希釈性の向上は、配管へのバインダーの付着やスプレーノズルの詰まりを防止する点から好ましい。
アンモニアの配合量は、フェノール樹脂の不揮発分に対し、0〜10質量%が好ましい。
本発明のバインダーは、所望により、本発明の効果を損なわない範囲で、フェノール樹脂及び糖質以外の他の成分を含有してもよい。
本発明のバインダーが第一剤と第二剤を含む場合、前記他の成分は、第一剤又は第二剤のいずれに配合してもよい。また、別剤として第一剤及び第二剤と組み合わせてもよい。
前記他の成分としては、無機繊維製品のバインダーに配合し得る成分として公知のもののなかから適宜選択して使用でき、たとえば、尿素、メラミン、ジシアンジアミド、アンモニア、硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、発塵防止オイル、又は水等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらのうち、尿素、メラミン、及びジシアンジアミドから選ばれる少なくとも1種を配合すると、前記フェノール樹脂として尿素変性しているものを用いる場合と同様に、無機繊維製品の製造工程中でのホルムアルデヒドの揮散量を低減できる。
また、アンモニアは、上述したように、ホルムアルデヒドと尿素との反応停止剤として機能するため、フェノール樹脂を尿素により変性させる場合に好ましく用いられる。また、アンモニアを配合することで、バインダーのpHが高まり、水希釈性が向上する。水希釈性の向上は、配管へのバインダーの付着やスプレーノズルの詰まりを防止する点から好ましい。
アンモニアの配合量は、フェノール樹脂の不揮発分に対し、0〜10質量%が好ましい。
硬化促進剤は、バインダーの硬化を促進するために用いられ、特に尿素を配合する場合に好ましく用いられる。
硬化促進剤としては、たとえば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、又はリン酸アンモニウム等のアンモニウム塩が挙げられる。
硬化促進剤の配合量は、フェノール樹脂の不揮発分に対し、0〜3質量%が好ましい。
シランカップリング剤は、耐水性向上、機械的強度の向上のために用いられる。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、たとえば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、又は3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン化合物が挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、バインダーの不揮発分(シランカップリング剤を除く)に対し、0〜0.5質量%が好ましい。
ホルムアルデヒド捕捉剤としては、特に限定されず、たとえば特開2001−178805号公報等に記載されるような、公知のホルムアルデヒド捕捉剤を使用できる。
撥水剤としては、シリコーン系撥水剤、又はフッ素系撥水剤等が挙げられる。
発塵防止オイルとしては、鉱物油ベースのオイルエマルジョン等が挙げられる。
硬化促進剤としては、たとえば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、又はリン酸アンモニウム等のアンモニウム塩が挙げられる。
硬化促進剤の配合量は、フェノール樹脂の不揮発分に対し、0〜3質量%が好ましい。
シランカップリング剤は、耐水性向上、機械的強度の向上のために用いられる。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、たとえば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、又は3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン化合物が挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、バインダーの不揮発分(シランカップリング剤を除く)に対し、0〜0.5質量%が好ましい。
ホルムアルデヒド捕捉剤としては、特に限定されず、たとえば特開2001−178805号公報等に記載されるような、公知のホルムアルデヒド捕捉剤を使用できる。
撥水剤としては、シリコーン系撥水剤、又はフッ素系撥水剤等が挙げられる。
発塵防止オイルとしては、鉱物油ベースのオイルエマルジョン等が挙げられる。
本発明のバインダーは、フェノール樹脂、糖質及び、所望によりその他の任意成分を混合することにより調製できる。
<無機繊維製品の製造方法>
本発明の無機繊維製品の製造方法は、前記本発明のバインダーを無機繊維に付着させる工程、及び無機繊維を成形して無機繊維製品を得る工程を有する。
また、本発明の無機繊維製品の製造方法は、本発明のバインダーの第一剤を無機繊維に付着させること、本発明のバインダーの第二剤を無機繊維に付着させること、及び前記無機繊維を成形して無機繊維製品を得ることを含む。本発明のバインダーが、第一剤及び第二剤を含む場合、無機繊維に対し、第一剤及び第二剤を同時に付着させてもよく、別々に付着させてもよい。
本発明の無機繊維製品の製造方法は、バインダーとして本発明のバインダーを用いる以外は特に限定されず、従来、無機繊維製品の製造に用いられている公知の方法が利用できる。一例を挙げると、無機繊維に本発明のバインダーを付着させる工程(以下、付着工程)、前記バインダーが付着した無機繊維を集積し、製造しようとする無機繊維製品に対応した形状の集積体とした後、前記集積体を加熱し、前記バインダーを硬化させる工程(以下、成形工程)、を順次行うことにより無機繊維製品が得られる。以下、各工程について図面を参照してより詳細に説明する。
図1は本発明の無機繊維製品の製造方法を実施するための製造装置の概略構成図である。図1に示す装置を用いた製造方法は、本発明のバインダーを無機繊維2に付着させる工程(付着工程)、及び前記無機繊維2を成形して無機繊維製品13を得る工程(成形工程)を含む。以下に各工程を説明する。これらの工程において、本発明のバインダーが付着された無機繊維2は、有孔又は無孔の移送コンベア6上に集積され、連続的に移送される構成となっている。
本発明の無機繊維製品の製造方法は、前記本発明のバインダーを無機繊維に付着させる工程、及び無機繊維を成形して無機繊維製品を得る工程を有する。
また、本発明の無機繊維製品の製造方法は、本発明のバインダーの第一剤を無機繊維に付着させること、本発明のバインダーの第二剤を無機繊維に付着させること、及び前記無機繊維を成形して無機繊維製品を得ることを含む。本発明のバインダーが、第一剤及び第二剤を含む場合、無機繊維に対し、第一剤及び第二剤を同時に付着させてもよく、別々に付着させてもよい。
本発明の無機繊維製品の製造方法は、バインダーとして本発明のバインダーを用いる以外は特に限定されず、従来、無機繊維製品の製造に用いられている公知の方法が利用できる。一例を挙げると、無機繊維に本発明のバインダーを付着させる工程(以下、付着工程)、前記バインダーが付着した無機繊維を集積し、製造しようとする無機繊維製品に対応した形状の集積体とした後、前記集積体を加熱し、前記バインダーを硬化させる工程(以下、成形工程)、を順次行うことにより無機繊維製品が得られる。以下、各工程について図面を参照してより詳細に説明する。
図1は本発明の無機繊維製品の製造方法を実施するための製造装置の概略構成図である。図1に示す装置を用いた製造方法は、本発明のバインダーを無機繊維2に付着させる工程(付着工程)、及び前記無機繊維2を成形して無機繊維製品13を得る工程(成形工程)を含む。以下に各工程を説明する。これらの工程において、本発明のバインダーが付着された無機繊維2は、有孔又は無孔の移送コンベア6上に集積され、連続的に移送される構成となっている。
[付着工程]
無機繊維とは、無機物質を原料として製造した繊維である。
無機繊維としては、特に限定されず、たとえばグラスウール、ロックウール、又はセラミック繊維等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
無機繊維の繊維長や繊維径は、製造しようとする無機繊維製品に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。通常、繊維径が3〜10μmの範囲内のものが用いられる。
無機繊維は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものをそのまま用いてもよい。無機繊維は、一般的には、原料(廃ガラス、玄武岩、又は鉄炉スラグ等)を繊維化することにより製造され、繊維化方法としては、火炎法、又は遠心法等が挙げられる。これらの各種方法による繊維化は、対応する繊維化装置を用いて実施できる。
無機繊維とは、無機物質を原料として製造した繊維である。
無機繊維としては、特に限定されず、たとえばグラスウール、ロックウール、又はセラミック繊維等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
無機繊維の繊維長や繊維径は、製造しようとする無機繊維製品に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。通常、繊維径が3〜10μmの範囲内のものが用いられる。
無機繊維は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものをそのまま用いてもよい。無機繊維は、一般的には、原料(廃ガラス、玄武岩、又は鉄炉スラグ等)を繊維化することにより製造され、繊維化方法としては、火炎法、又は遠心法等が挙げられる。これらの各種方法による繊維化は、対応する繊維化装置を用いて実施できる。
無機繊維にバインダーを付着させる方法としては、たとえば、図1に示すように繊維化装置1から放出される無機繊維2に対し、スプレー装置3等を用いてバインダーを吹き付ける方法、容器内に無機繊維を充填し、そこにバインダーを添加する方法、第一剤と第二剤とをバインダー配管内でラインミキサー等を用いて配合した後、スプレー装置等で吹きつける方法、第一剤と第二剤とを別々に吹き付ける(2台以上のスプレー装置を使用する等)方法、又は無機繊維を第一剤及び第二剤に別々に含浸させる方法等が挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。
図1に示す製造装置を用いる場合、バインダーを水溶液状とし、スプレー装置3を用いて、繊維化直後の無機繊維2に噴霧して付着させる。
図1に示す製造装置を用いる場合、バインダーを水溶液状とし、スプレー装置3を用いて、繊維化直後の無機繊維2に噴霧して付着させる。
無機繊維に付着させるバインダーの量は、特に限定されないが、通常、無機繊維(100質量%)に対し、バインダーの不揮発分として、1〜20質量%の範囲内である。このバインダーの量は、得られる無機繊維製品の物性(機械的強度等)に影響し、たとえばバインダー量が多いほど、無機繊維製品の機械的強度が高くなる。
前記バインダーの不揮発分は、前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の不揮発分と同様の測定方法で測定される物質の含有量である。
前記不揮発分に含まれる物質としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の硬化物又は糖質などが挙げられる。
前記バインダーの不揮発分は、前記フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の不揮発分と同様の測定方法で測定される物質の含有量である。
前記不揮発分に含まれる物質としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂の硬化物又は糖質などが挙げられる。
前記第一剤と第二剤とを別々に吹き付ける方法の場合、2台以上のスプレー装置を使用する等して第一剤と第二剤とを同時に吹き付けてもよく、第一剤又は第二剤のいずれか1つを先に無機繊維に吹き付けた後、もう一方を吹き付けてもよい。
第一剤又は第二剤のいずれか1つを先に無機繊維に吹き付けた後、もう一方を吹き付ける場合、第一剤及び第二剤を吹き付ける間隔は、特に制限されず、前記集積体を加熱する前に第一剤及び第二剤を無機繊維に吹き付ければよい。
第一剤又は第二剤のいずれか1つを先に無機繊維に吹き付けた後、もう一方を吹き付ける場合、第一剤及び第二剤を吹き付ける間隔は、特に制限されず、前記集積体を加熱する前に第一剤及び第二剤を無機繊維に吹き付ければよい。
[成形工程]
次に、前記バインダーが付着した無機繊維を集積し、製造しようとする無機繊維製品に対応した形状の集積体とした後、前記集積体を加熱し、前記バインダーを硬化させる成形工程を行う。
成形工程は、公知の方法により実施できる。たとえば、無機繊維製品として板状のものを製造する場合を例に挙げると、コンベア上に無機繊維を堆積し、この堆積物を、コンベアの上下方向から押圧して圧縮して集積体とし、これを加熱炉(硬化炉)に送り、加熱して前記バインダーを硬化させることにより板状の硬化物が得られる。
図1に示す製造装置を用いる場合、繊維化され、バインダーを付着された無機繊維2を、移送コンベア6上で集積する。集積した無機繊維2を、加熱・硬化炉7に送り、加圧コンベア8により上下方向から押圧して圧縮して集積体とし、前記集積体を加熱して前記バインダーを硬化させ、硬化物を得る。
次に、前記バインダーが付着した無機繊維を集積し、製造しようとする無機繊維製品に対応した形状の集積体とした後、前記集積体を加熱し、前記バインダーを硬化させる成形工程を行う。
成形工程は、公知の方法により実施できる。たとえば、無機繊維製品として板状のものを製造する場合を例に挙げると、コンベア上に無機繊維を堆積し、この堆積物を、コンベアの上下方向から押圧して圧縮して集積体とし、これを加熱炉(硬化炉)に送り、加熱して前記バインダーを硬化させることにより板状の硬化物が得られる。
図1に示す製造装置を用いる場合、繊維化され、バインダーを付着された無機繊維2を、移送コンベア6上で集積する。集積した無機繊維2を、加熱・硬化炉7に送り、加圧コンベア8により上下方向から押圧して圧縮して集積体とし、前記集積体を加熱して前記バインダーを硬化させ、硬化物を得る。
無機繊維の使用量(コンベア上に堆積させる無機繊維の量)や圧縮条件は、製造しようとする無機繊維製品の厚さ、又は嵩密度等に応じて設定される。
集積体の加熱条件(加熱温度、及び加熱時間)は、集積体中のバインダーが硬化する範囲内であれば特に限定されないが、加熱温度は、200〜270℃の範囲内が好ましい。200℃未満であると、硬化が不充分となり機械的強度が不充分となるおそれがある。270℃を超えると、バインダーの分解と、それに伴う歩留りの低下及び機械的強度の低下を招くおそれがある。加熱時間は、集積体の大きさ、又は加熱温度等によって異なり、特に限定されない。
集積体の加熱条件(加熱温度、及び加熱時間)は、集積体中のバインダーが硬化する範囲内であれば特に限定されないが、加熱温度は、200〜270℃の範囲内が好ましい。200℃未満であると、硬化が不充分となり機械的強度が不充分となるおそれがある。270℃を超えると、バインダーの分解と、それに伴う歩留りの低下及び機械的強度の低下を招くおそれがある。加熱時間は、集積体の大きさ、又は加熱温度等によって異なり、特に限定されない。
加熱後、得られた硬化物を冷却する際に、ホルムアルデヒド捕捉剤を添加してもよい。これにより、得られる無機繊維製品からのホルムアルデヒド放散量をさらに低減できる。ただし本発明のバインダーがホルムアルデヒド捕捉剤を含有する場合は、加熱後の添加を行わなくても同様の効果が得られる。
ホルムアルデヒド捕捉剤としては、たとえば特開2001−178805号公報等に記載されるような、公知のホルムアルデヒド捕捉剤を使用できる。
硬化物に対するホルムアルデヒド捕捉剤の添加方法としては、ホルムアルデヒド捕捉剤の水溶液を噴霧、含浸又はコーティングする方法、若しくはホルムアルデヒド捕捉剤の粉末をエアロゾルとして噴霧する方法等が挙げられる。
図1に示す製造装置を用いる場合、前記硬化物に噴霧装置10を用いて前記ホルムアルデヒド捕捉剤の水溶液を噴霧する。
ホルムアルデヒド捕捉剤としては、たとえば特開2001−178805号公報等に記載されるような、公知のホルムアルデヒド捕捉剤を使用できる。
硬化物に対するホルムアルデヒド捕捉剤の添加方法としては、ホルムアルデヒド捕捉剤の水溶液を噴霧、含浸又はコーティングする方法、若しくはホルムアルデヒド捕捉剤の粉末をエアロゾルとして噴霧する方法等が挙げられる。
図1に示す製造装置を用いる場合、前記硬化物に噴霧装置10を用いて前記ホルムアルデヒド捕捉剤の水溶液を噴霧する。
ホルムアルデヒド捕捉剤を添加する場合、その添加量は、ホルムアルデヒド捕捉剤の添加効果を充分に得るためには、本発明のバインダーに任意に含まれるホルムアルデヒド捕捉剤との合計量として、フェノール樹脂の不揮発分に対し、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、本発明においては、ホルムアルデヒド捕捉剤の添加を行わなくてもホルムアルデヒド放散量が充分に少ない無機繊維製品を得ることが可能である点、及び過剰に配合してもコストがかさむ点などから、本発明のバインダーに任意に含まれるホルムアルデヒド捕捉剤との合計量として、フェノール樹脂の不揮発分に対し、50質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。
前記ホルムアルデヒド捕捉剤の添加量は、本発明のバインダーに任意に含まれるホルムアルデヒド捕捉剤との合計量として、0.1〜50質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましい。
前記ホルムアルデヒド捕捉剤の添加量は、本発明のバインダーに任意に含まれるホルムアルデヒド捕捉剤との合計量として、0.1〜50質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましい。
得られた硬化物は、そのまま無機繊維製品として用いてもよく、所望によりさらに、切断、又は表皮材による梱包等の処理を施してもよい。
本発明により製造される無機繊維製品は、たとえば断熱材、吸音材、又はその他各種成型品(自動車の屋根、又はボンネットのライナー等)等として利用できる。
図1に示す製造装置を用いる場合、得られた硬化物を幅裁断機11及び長さ裁断機12により所望の大きさに切断し、無機繊維製品13を得る。
本発明により製造される無機繊維製品は、たとえば断熱材、吸音材、又はその他各種成型品(自動車の屋根、又はボンネットのライナー等)等として利用できる。
図1に示す製造装置を用いる場合、得られた硬化物を幅裁断機11及び長さ裁断機12により所望の大きさに切断し、無機繊維製品13を得る。
以下に、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下の各例において「部」、及び「%」は、それぞれ、特に限定のない場合は「質量部」、及び「質量%」を示す。
以下の各例において「部」、及び「%」は、それぞれ、特に限定のない場合は「質量部」、及び「質量%」を示す。
<合成例1:フェノール樹脂(A)の合成>
コンデンサー、温度計、及び撹拌装置を備えた反応装置にフェノール300部、50%ホルムアルデヒド水溶液650部、及び水酸化バリウム8水和物51部をそれぞれ仕込み、60℃にて300分間反応させた後、25℃に冷却した。冷却後、30%硫酸41部を加えて中和してフェノール樹脂(A)を得た。
フェノール樹脂(A)の数平均分子量(GPCにより測定。ポリスチレン換算)は220であった。また、不揮発分は50%、pHは7.3、遊離フェノールは0.8%、遊離ホルムアルデヒドは9.0%、ゲル化時間(150℃)は205秒であった。これらの特性は、それぞれ、以下の手順で測定した。
不揮発分:JIS K6910の5.6の規定に準じて測定した。
pH:JIS K6910の5.4の規定に準じて測定した。
遊離フェノール:JIS K6910の5.16の規定に準じて測定した。
遊離ホルムアルデヒド:JIS K6910の5.17の規定に準じて測定した。
ゲル化時間:JIS K6910の5.14.1(ゲル化時間A法)の規定に準じて、測定温度150℃にて測定した。
コンデンサー、温度計、及び撹拌装置を備えた反応装置にフェノール300部、50%ホルムアルデヒド水溶液650部、及び水酸化バリウム8水和物51部をそれぞれ仕込み、60℃にて300分間反応させた後、25℃に冷却した。冷却後、30%硫酸41部を加えて中和してフェノール樹脂(A)を得た。
フェノール樹脂(A)の数平均分子量(GPCにより測定。ポリスチレン換算)は220であった。また、不揮発分は50%、pHは7.3、遊離フェノールは0.8%、遊離ホルムアルデヒドは9.0%、ゲル化時間(150℃)は205秒であった。これらの特性は、それぞれ、以下の手順で測定した。
不揮発分:JIS K6910の5.6の規定に準じて測定した。
pH:JIS K6910の5.4の規定に準じて測定した。
遊離フェノール:JIS K6910の5.16の規定に準じて測定した。
遊離ホルムアルデヒド:JIS K6910の5.17の規定に準じて測定した。
ゲル化時間:JIS K6910の5.14.1(ゲル化時間A法)の規定に準じて、測定温度150℃にて測定した。
<実施例1〜4>
前記フェノール樹脂(A)と、50%グルコース水溶液とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
表1のバインダー組成に示す配合量は、各成分の不揮発分としての配合量を示し、それらの配合量の比が、バインダーの不揮発分中の各成分の比である。
得られたバインダーのゲル化時間(150℃)を、前記合成例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
また、得られたバインダー及びシラスバルーン(平均粒子径300μmの中空ガラス質球)を用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
シラスバルーンは、評価を簡便に行うために無機繊維の代替品として使用したものであり、グラスウール等の無機繊維を用いた場合の結果と同様の傾向を示すと推定される。
前記フェノール樹脂(A)と、50%グルコース水溶液とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
表1のバインダー組成に示す配合量は、各成分の不揮発分としての配合量を示し、それらの配合量の比が、バインダーの不揮発分中の各成分の比である。
得られたバインダーのゲル化時間(150℃)を、前記合成例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
また、得られたバインダー及びシラスバルーン(平均粒子径300μmの中空ガラス質球)を用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
シラスバルーンは、評価を簡便に行うために無機繊維の代替品として使用したものであり、グラスウール等の無機繊維を用いた場合の結果と同様の傾向を示すと推定される。
[成型品の常態強度、耐水強度、吸水率]
シラスバルーン65gとバインダー23gとを均一に混合した後、所定の寸法(100mm×220mm×13mm)の金型内に均一充填し、200℃で30分間加熱して成型品(嵩密度:0.26g/cm3)を得た。
得られた成型品から100mm×20mm×13mmの試験片10本を切り出し、それらのうち5本を用いて常態強度(kgf/cm2)の測定を行い、残り5本を用いて耐水強度(kgf/cm2)及び吸水率(%)の測定を行った。具体的には、5本の試験片についてそのまま強度測定を行い、それらの平均値を常態強度とした。また、5本の試験片について、60℃の温水中で2時間の浸漬処理を行った後、強度測定を行い、それらの平均値を耐水強度とした。また、前記浸漬処理前後の試験片の質量(g)をそれぞれ測定し、その結果から質量増加率([浸漬処理後の試験片の質量−浸漬処理前の試験片の質量]/浸漬処理前の試験片の質量×100(%))を求めた。各試験片の質量増加率の平均値を吸水率(%)とした。
強度測定(常態強度測定、及び耐水強度測定)は、JIS K6911の5.17の規定に準じた3点曲げ試験法により、スパン50mm、荷重速度10mm/分の条件で行った。
シラスバルーン65gとバインダー23gとを均一に混合した後、所定の寸法(100mm×220mm×13mm)の金型内に均一充填し、200℃で30分間加熱して成型品(嵩密度:0.26g/cm3)を得た。
得られた成型品から100mm×20mm×13mmの試験片10本を切り出し、それらのうち5本を用いて常態強度(kgf/cm2)の測定を行い、残り5本を用いて耐水強度(kgf/cm2)及び吸水率(%)の測定を行った。具体的には、5本の試験片についてそのまま強度測定を行い、それらの平均値を常態強度とした。また、5本の試験片について、60℃の温水中で2時間の浸漬処理を行った後、強度測定を行い、それらの平均値を耐水強度とした。また、前記浸漬処理前後の試験片の質量(g)をそれぞれ測定し、その結果から質量増加率([浸漬処理後の試験片の質量−浸漬処理前の試験片の質量]/浸漬処理前の試験片の質量×100(%))を求めた。各試験片の質量増加率の平均値を吸水率(%)とした。
強度測定(常態強度測定、及び耐水強度測定)は、JIS K6911の5.17の規定に準じた3点曲げ試験法により、スパン50mm、荷重速度10mm/分の条件で行った。
[成型品からのホルムアルデヒド放散量]
シラスバルーン5gとバインダー7.5gとを均一に混合した後、直径50mmのアルミシャーレに型詰し、230℃で30分間加熱して成型品を得た。
得られた成型品0.5gを50mLの蒸留水中に投入し、30℃で24時間放置してホルムアルデヒドの抽出を行った。その後、東洋濾紙製の5Cのろ紙を用いてろ過を行い、得られたろ液2mLを分取した。そこに0.6%2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)アセトニトリル溶液1mLを加え、室温にて1時間静置した。その後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりホルムアルデヒド量を測定した。測定結果から、成型品1gあたりのホルムアルデヒド抽出量(μg/g)を求めた。このホルムアルデヒド抽出量は、当該バインダーを用いて製造される無機繊維製品から放散し得るホルムアルデヒド量と同様の傾向を示すと推定される。結果を「ホルムアルデヒド放散量」として表1に示す。
シラスバルーン5gとバインダー7.5gとを均一に混合した後、直径50mmのアルミシャーレに型詰し、230℃で30分間加熱して成型品を得た。
得られた成型品0.5gを50mLの蒸留水中に投入し、30℃で24時間放置してホルムアルデヒドの抽出を行った。その後、東洋濾紙製の5Cのろ紙を用いてろ過を行い、得られたろ液2mLを分取した。そこに0.6%2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)アセトニトリル溶液1mLを加え、室温にて1時間静置した。その後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりホルムアルデヒド量を測定した。測定結果から、成型品1gあたりのホルムアルデヒド抽出量(μg/g)を求めた。このホルムアルデヒド抽出量は、当該バインダーを用いて製造される無機繊維製品から放散し得るホルムアルデヒド量と同様の傾向を示すと推定される。結果を「ホルムアルデヒド放散量」として表1に示す。
<実施例5〜7>
前記フェノール樹脂(A)70質量部と、50%尿素水溶液30質量部とを混合し、30℃で2時間反応させることによりフェノール樹脂(A)を尿素変性させた。
得られた尿素変性フェノール樹脂(不揮発分50%)と、50%グルコース水溶液とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
前記フェノール樹脂(A)70質量部と、50%尿素水溶液30質量部とを混合し、30℃で2時間反応させることによりフェノール樹脂(A)を尿素変性させた。
得られた尿素変性フェノール樹脂(不揮発分50%)と、50%グルコース水溶液とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
<実施例8〜9>
前記フェノール樹脂(A)と、50%フルクトース水溶液とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
前記フェノール樹脂(A)と、50%フルクトース水溶液とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
<実施例10〜11>
前記フェノール樹脂(A)と、HF−55(群栄化学工業(株)製;ブリックス75%の糖質水溶液;糖質のうち55%はフルクトースで、残部はグルコースが主成分である)と、水とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
前記フェノール樹脂(A)と、HF−55(群栄化学工業(株)製;ブリックス75%の糖質水溶液;糖質のうち55%はフルクトースで、残部はグルコースが主成分である)と、水とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
<実施例12〜13>
前記フェノール樹脂(A)と、50%ショ糖水溶液とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
前記フェノール樹脂(A)と、50%ショ糖水溶液とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
<実施例14〜15>
前記フェノール樹脂(A)と、KM−55(群栄化学工業(株)製;ブリックス75%の糖質水溶液;糖質のうち55%はマルトースで、残部はオリゴ糖が主成分である)と、水とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
前記フェノール樹脂(A)と、KM−55(群栄化学工業(株)製;ブリックス75%の糖質水溶液;糖質のうち55%はマルトースで、残部はオリゴ糖が主成分である)と、水とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
<実施例16〜17>
前記フェノール樹脂(A)と、MT(群栄化学工業(株)製;ブリックス75%の糖質水溶液;糖質のうち55%はマルトトリオースである)と、水とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
前記フェノール樹脂(A)と、MT(群栄化学工業(株)製;ブリックス75%の糖質水溶液;糖質のうち55%はマルトトリオースである)と、水とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
<実施例18〜19>
前記フェノール樹脂(A)と、デキストリン水溶液(ブリックス75%)と、水とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
前記フェノール樹脂(A)と、デキストリン水溶液(ブリックス75%)と、水とを、表1に示すバインダー組成となるように混合してバインダー(不揮発分50%)を調製した。
得られたバインダーについて、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
<実施例20>
前記フェノール樹脂(A)と、予め不揮発分濃度を50%に希釈したHF−55を準備した。
[成型品の常態強度、耐水強度、吸水率]
シラスバルーン65gとフェノール樹脂(A)11.5gと不揮発分濃度を50%に希釈したHF−55 11.5gとを均一に混合した後、所定の寸法(100mm×220mm×13mm)の金型内に均一充填し、200℃で30分間加熱して成型品(嵩密度:0.26g/cm3)を得た。
得られた成型品について、実施例1と同様に、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率を評価した。結果を表1に示す。
[成型品からのホルムアルデヒド放散量]
シラスバルーン5gとフェノール樹脂(A)3.75gと不揮発分濃度を50%に希釈したHF−55 3.75gとを均一に混合した後、直径50mmのアルミシャーレに型詰し、230℃で30分間加熱して成型品を得た。
得られた成型品について、実施例1と同様に、成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
前記フェノール樹脂(A)と、予め不揮発分濃度を50%に希釈したHF−55を準備した。
[成型品の常態強度、耐水強度、吸水率]
シラスバルーン65gとフェノール樹脂(A)11.5gと不揮発分濃度を50%に希釈したHF−55 11.5gとを均一に混合した後、所定の寸法(100mm×220mm×13mm)の金型内に均一充填し、200℃で30分間加熱して成型品(嵩密度:0.26g/cm3)を得た。
得られた成型品について、実施例1と同様に、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率を評価した。結果を表1に示す。
[成型品からのホルムアルデヒド放散量]
シラスバルーン5gとフェノール樹脂(A)3.75gと不揮発分濃度を50%に希釈したHF−55 3.75gとを均一に混合した後、直径50mmのアルミシャーレに型詰し、230℃で30分間加熱して成型品を得た。
得られた成型品について、実施例1と同様に、成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
<実施例21>
実施例11で得られたバインダーを用いて無機繊維系断熱材を作製した。
作製条件としては、実施例11のバインダーを、塗布量が無機繊維100質量部に対して2.0質量部となるように噴霧し、加熱温度230℃の熱風通過式オーブンにて150秒間加熱した。この時、厚さ50mm、密度30kg/m3となるように成形し、無機繊維系断熱材を得た。
無機繊維としては、遠心法により得たガラス繊維を用いた。
実施例11で得られたバインダーを用いて無機繊維系断熱材を作製した。
作製条件としては、実施例11のバインダーを、塗布量が無機繊維100質量部に対して2.0質量部となるように噴霧し、加熱温度230℃の熱風通過式オーブンにて150秒間加熱した。この時、厚さ50mm、密度30kg/m3となるように成形し、無機繊維系断熱材を得た。
無機繊維としては、遠心法により得たガラス繊維を用いた。
<実施例22>
実施例20のバインダーの第一剤と第二剤(第一剤:第二剤=50:50)を各々個別のスプレーノズルから、それらの塗布量の合計が無機繊維100質量部に対して2.0質量部となるように噴霧し、加熱温度230℃の熱風通過式オーブンにて150秒間加熱した。この時、厚さ50mm、密度30kg/m3となるように成形し、無機繊維系断熱材を得た。
無機繊維としては、遠心法により得たガラス繊維を用いた。
実施例20のバインダーの第一剤と第二剤(第一剤:第二剤=50:50)を各々個別のスプレーノズルから、それらの塗布量の合計が無機繊維100質量部に対して2.0質量部となるように噴霧し、加熱温度230℃の熱風通過式オーブンにて150秒間加熱した。この時、厚さ50mm、密度30kg/m3となるように成形し、無機繊維系断熱材を得た。
無機繊維としては、遠心法により得たガラス繊維を用いた。
<比較例1>
前記フェノール樹脂(A)(不揮発分50%)をそのままバインダーとし、実施例1と同様に、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した(ゲル化時間の評価はフェノール樹脂(A)と同じのため省略)。結果を表1に示す。
前記フェノール樹脂(A)(不揮発分50%)をそのままバインダーとし、実施例1と同様に、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した(ゲル化時間の評価はフェノール樹脂(A)と同じのため省略)。結果を表1に示す。
<比較例2〜4>
前記フェノール樹脂(A)と、50%尿素水溶液とを、表1に示すバインダー組成となるように混合し、30℃で2時間反応させることにより尿素変性フェノール樹脂を得た。
得られた尿素変性フェノール樹脂(不揮発分50%)をそのままバインダーとし、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。ただし比較例4においては、常態強度、耐水強度、及び吸水率の評価に用いる試験片が、硬化不足(硬化しなかった)のため作製できず、その評価は実施できなかった。
前記フェノール樹脂(A)と、50%尿素水溶液とを、表1に示すバインダー組成となるように混合し、30℃で2時間反応させることにより尿素変性フェノール樹脂を得た。
得られた尿素変性フェノール樹脂(不揮発分50%)をそのままバインダーとし、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。ただし比較例4においては、常態強度、耐水強度、及び吸水率の評価に用いる試験片が、硬化不足(硬化しなかった)のため作製できず、その評価は実施できなかった。
<比較例5>
50%ショ糖水溶液をそのままバインダーとし、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
50%ショ糖水溶液をそのままバインダーとし、実施例1と同様に、ゲル化時間、成型品の常態強度、耐水強度、吸水率及び成型品からのホルムアルデヒド放散量を評価した。結果を表1に示す。
上記結果に示すとおり、尿素非変性フェノール樹脂に糖質を配合した実施例1〜4、8〜20のバインダーは、いずれも、尿素非変性フェノール樹脂のみを用いた比較例1に比べて、成型品からのホルムアルデヒド放散量が低減されていた。これらのなかでも、単糖を主成分とする糖質(実施例1、及び2のグルコース、実施例8、及び9のフルクトース、実施例10、及び11のHF−55)を用いた場合に、成型品からのホルムアルデヒド放散量の低減効果が高く、得られた成型品の強度も高かった。
同様に、尿素変性フェノール樹脂に糖質を配合した実施例5〜7のバインダーは、いずれも、尿素変性フェノール樹脂のみを用いた比較例2〜4に比べて、成型品からのホルムアルデヒド放散量が低減されていた。特に実施例7では、尿素非変性フェノール樹脂を用いた場合と同レベルにまでホルムアルデヒド放散量が低減されていた。尿素変性フェノール樹脂に糖質を配合した場合、尿素非変性フェノール樹脂に糖質を配合した場合よりも、成型品の製造工程(バインダーを付着させる際や硬化させる際)のホルムアルデヒド揮散量が少ないため、製造工程で揮散するホルムアルデヒド及び最終製品から放散するホルムアルデヒドの両方が低減されたと考えられる。
また、比較例2は、比較例1に比べて、ゲル化時間が長くなり、成型品の耐水強度も低くなっていた。これは尿素の影響によると考えられる。一方、尿素を、同じ量の糖質で置換した実施例1、8、10、12、14、16、及び18は、比較例2に比べて、ゲル化時間が短く、成型品の耐水強度が高かった。比較例3と、実施例2、9、11、13、15、17、及び19との対比においても同様の結果が得られた。これらの結果から、糖質が、尿素に比べて、ゲル化時間や耐水強度に及ぼす悪影響が少ないことが確認できた。
フェノール樹脂を配合せず、ショ糖のみをバインダーとした比較例5は、成型品からのホルムアルデヒド放散量が、比較例1の尿素非変性フェノール樹脂と同量であったが、ショ糖と尿素非変性フェノール樹脂とを組み合わせた実施例12〜13よりも多かった。また、ゲル化時間が長く、成型品の物性、特に強度が低かった。
同様に、尿素変性フェノール樹脂に糖質を配合した実施例5〜7のバインダーは、いずれも、尿素変性フェノール樹脂のみを用いた比較例2〜4に比べて、成型品からのホルムアルデヒド放散量が低減されていた。特に実施例7では、尿素非変性フェノール樹脂を用いた場合と同レベルにまでホルムアルデヒド放散量が低減されていた。尿素変性フェノール樹脂に糖質を配合した場合、尿素非変性フェノール樹脂に糖質を配合した場合よりも、成型品の製造工程(バインダーを付着させる際や硬化させる際)のホルムアルデヒド揮散量が少ないため、製造工程で揮散するホルムアルデヒド及び最終製品から放散するホルムアルデヒドの両方が低減されたと考えられる。
また、比較例2は、比較例1に比べて、ゲル化時間が長くなり、成型品の耐水強度も低くなっていた。これは尿素の影響によると考えられる。一方、尿素を、同じ量の糖質で置換した実施例1、8、10、12、14、16、及び18は、比較例2に比べて、ゲル化時間が短く、成型品の耐水強度が高かった。比較例3と、実施例2、9、11、13、15、17、及び19との対比においても同様の結果が得られた。これらの結果から、糖質が、尿素に比べて、ゲル化時間や耐水強度に及ぼす悪影響が少ないことが確認できた。
フェノール樹脂を配合せず、ショ糖のみをバインダーとした比較例5は、成型品からのホルムアルデヒド放散量が、比較例1の尿素非変性フェノール樹脂と同量であったが、ショ糖と尿素非変性フェノール樹脂とを組み合わせた実施例12〜13よりも多かった。また、ゲル化時間が長く、成型品の物性、特に強度が低かった。
フェノール樹脂を含む第一剤、及び糖質を含む第二剤を無機繊維に付着させた実施例20では、フェノール樹脂と糖質の組成比が同じ実施例11と同様に、成型品からのホルムアルデヒド放散量の低減効果が高く、得られた成型品の強度も高かった。
実施例21及び22で得られた無機繊維系断熱材は、シラスバルーンを使用し、フェノール樹脂と糖質の組成比が同じ実施例11及び20と同様に、断熱材からのホルムアルデヒド放散量の低減効果が高く、得られた断熱材の強度も高かった。
本発明によれば、ホルムアルデヒド放散量が少なく、性能も良好な無機繊維製品を低コストで製造できるバインダー及び無機繊維製品の製造方法を提供できるので、本発明は断熱材、吸音材、又はその他各種成型品(自動車の屋根、又はボンネットのライナー等)等の製造において利用可能性がある。
1 繊維化装置
2 無機繊維
3 スプレー装置
4 溶融炉
6 移送コンベア
7 加熱・硬化炉
8 加圧コンベア
9 工程方向
10 噴霧装置
11 幅裁断機
12 長さ裁断機
13 無機繊維製品
2 無機繊維
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4 溶融炉
6 移送コンベア
7 加熱・硬化炉
8 加圧コンベア
9 工程方向
10 噴霧装置
11 幅裁断機
12 長さ裁断機
13 無機繊維製品
Claims (8)
- フェノール樹脂と糖質と水のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。 - フェノール樹脂、糖質、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。 - 請求項1又は2に記載の無機繊維製品製造用バインダーを無機繊維に付着させること、及び
前記無機繊維を成形して無機繊維製品を得ることを含む無機繊維製品の製造方法。 - フェノール樹脂と水のみからなる第一剤、及び
糖質と水のみからなる第二剤のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。 - フェノール樹脂、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなる第一剤、及び
糖質と水のみからなる第二剤のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。 - フェノール樹脂と水のみからなる第一剤、及び
糖質、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなる第二剤のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。 - フェノール樹脂、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなる第一剤、及び
糖質、水、並びに硬化促進剤、シランカップリング剤、公知のホルムアルデヒド捕捉剤、撥水剤、及び発塵防止オイルからなる群より選択される少なくとも1種の成分のみからなる第二剤のみからなり、
前記糖質の配合量が、前記フェノール樹脂の不揮発分70質量部に対して30質量部以上であり、かつ、前記フェノール樹脂の不揮発分10質量部に対して90質量部以下であり、前記糖質が、グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース、及びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖質を含有する、無機繊維製品製造用バインダー。 - 請求項4〜7のいずれか一項に記載の無機繊維製品製造用バインダーの前記第一剤を無機繊維に付着させること、
請求項4〜7のいずれか一項に記載の無機繊維製品製造用バインダーの前記第二剤を無機繊維に付着させること、及び
前記無機繊維を成形して無機繊維製品を得ることを含む無機繊維製品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012537734A JP5328988B6 (ja) | 2010-10-05 | 2011-10-05 | 無機繊維製品製造用バインダー、無機繊維製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010225822 | 2010-10-05 | ||
JP2010225822 | 2010-10-05 | ||
JP2011210744A JP5946618B2 (ja) | 2011-09-27 | 2011-09-27 | 無機繊維製品製造用バインダー、その製造方法、無機繊維製品の製造方法 |
JP2011210744 | 2011-09-27 | ||
PCT/JP2011/072967 WO2012046761A1 (ja) | 2010-10-05 | 2011-10-05 | 無機繊維製品製造用バインダー、無機繊維製品の製造方法 |
JP2012537734A JP5328988B6 (ja) | 2010-10-05 | 2011-10-05 | 無機繊維製品製造用バインダー、無機繊維製品の製造方法 |
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JP5328988B2 JP5328988B2 (ja) | 2013-10-30 |
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