JP5326097B2 - 界面剥離破断、ネッキング破断のない強度−延性バランスにすぐれた複層鋼 - Google Patents

界面剥離破断、ネッキング破断のない強度−延性バランスにすぐれた複層鋼 Download PDF

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Description

本発明は、界面剥離破断、ネッキング破断のない強度−延性バランスにすぐれた複層鋼に関するものである。
近年、自動車用材料には、省エネ化、高性能化、環境対策等の観点から軽量化が求められており、その主たる方策として、比重の小さい非鉄材料の利用による軽量化あるいは自動車用鋼材の高強度化による薄肉軽量化等の研究開発が行われている。
しかし、鋼材の代わりに比重の小さい非鉄材料、例えば、Al合金やMg合金などの合金、を用いると、鋼材に比して、強度や剛性等の機械的特性が十分でないため、鋼材と同等の機械的特性を得るためには、板厚を大にしなければならず、また、断面形状を複雑にしなければならないため、成形性の低下、異材接合における脆化、腐食などの問題も発生し、期待に応えられるほどに十分な軽量化効果を得ることができなかった。
一方、自動車用鋼材を高強度化することにより薄肉化を図った場合には、鋼を高強度化することに付随して派生する、諸特性(延性、靭性、剛性、加工性、安全性、脆化特性、耐疲労特性、耐腐食性、耐環境性等)の低下という問題点を解消することが必要とされるが、特に、高強度化と高延性化は一般的に相反する特性であるため、高強度を有すると同時に高延性を備える所謂強度−延性バランスにすぐれた鋼材が強く求められてきた。
そのための一つの方策としては、特性の異なる複数の材料の複層化による材料の強度−延性バランスの改善が試みられており、鋼と他の材料との複層化材料として、クラッド材、ラミネート材等がある。
クラッド材として、本発明者らの一部は、組織、機械的特性の異なる鋼(炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、高マンガン鋼等)を層状に複数層重ねあわせて圧延し、必要に応じ熱処理することにより、強度および延性ともにすぐれた複層鋼を得る技術を提案した(例えば、特許文献1)。
また、例えば、高炭素鋼と黄銅を、複数層重ねあわせて圧接、圧延して得た複層材料においても、高強度、高延性を示す複層材料が得られること(例えば、非特許文献1)が知られている。
特願2006−205283号 「METALLURGICAL TRANSACTIONS A」Vol.24A,July1993,p.1647−1653
上記特許文献1記載の従来技術(以下、従来技術1という)においては、鋼材の組み合わせ、積層層数、積層プロセスを工夫することにより、高強度・高延性の複層鋼が得られることが示されており、例えば、第1の層としてオーステナイト系ステンレス鋼を、また、第2の層としてマルテンサイト系ステンレス鋼を用いた複層鋼においては、強度(引張強さTS)が1220MPa、延性(延びEL)が25%の特性を有することが示され、さらに、第1の層として高マンガン鋼を、また、第2の層として炭素鋼を用いた複層鋼においては、強度(引張強さTS)が1150MPa、延性(延びEL)が34%の特性を有することが示されている。
しかし、上記従来技術1においては、特に大きな負荷がかかる加工を受けたような場合には、第1の層と第2の層の層間で界面剥離が生じたり、強度の高い第2の層の内部でネッキングが発生したりすることにより、これを原因とした複層鋼の破断が生じることがあった。
一方、上記非特許文献1記載の従来技術(以下、従来技術2という)においては、高炭素鋼と黄銅との組み合わせからなる複層材料として、確かに、強度(700MPa程度)および延性(60%)の高い材料が得られているが、自動車用材料として要求される特性を満足するものであるか否かを考えた場合には、延性については満足できるとしても、700MPa程度の引張強さでは、強度特性が極めて不十分であるといわざるを得ず、これを自動車用材料として用いることは到底できない。
したがって、高負荷が加わるような状況下でも、界面剥離破断、ネッキング破断のない強度−延性バランスにすぐれた複層鋼の開発が強く望まれている。
本発明の複層鋼は、上記の要請に応えるべく開発されたものであって、
「(1) オーステナイト組織又はフェライト組織が最大の体積分率を占め、引張強さTSが1200MPa未満の鋼からなる第1の層と、マルテンサイト組織が最大の体積分率を占め、引張強さTSが1200MPa以上の鋼からなる第2の層を、各層間に厚さ0.2〜50μmのNi合金層を配して積層し、さらに、上記第1の層を表層とし、第1の層と第2の層とを合計で3層以上積層一体化してなり、前記Ni合金層の板厚方向の中央におけるビッカース硬さ(Hv)が150以上、かつ、Fe含有量が10〜98質量%であることを特徴とする、複層鋼全体としての引張強さが900MPa以上で引張強さと全伸びの積が20000MPa・%以上である複層鋼。
(2) 第2の層が、質量%(以下同じ)で、
C:0.05〜0.4%、
Si:0.05〜3.0%、
Mn:0.05〜3.0%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼Aからなり、
第1の層が、
C:0.01〜0.15%、
Si:0.01〜1.0%、
Mn:0.01〜2.0%、
Cr:12.0〜24.0%、
Ni:4.0〜14.0%、
N:0.001〜0.3%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼C、又は、
C:0.001〜0.15%、
Si:0.05〜3.0%、
Mn:15.0〜32.0%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼E、又は、
C:0.0001〜0.4%、
Si:0.01〜1.0%、
Mn:0.01〜2.0%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼G、
の何れかの1種又は2種以上からなることを特徴とする前記(1)に記載の複層鋼。
(3) 第2の層を構成する鋼Aが、
Nb:0.001〜0.1%、
Ti:0.001〜0.1%、
V:0.001〜0.5%、
Cr:0.01〜16.0%、
Ni:0.01〜12.0%、
Mo:0.01〜3.0%、
Cu:0.01〜1.0%
のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする前記(2)に記載の複層鋼。
(4) 第1の層を構成する鋼Cが、
Nb:0.001〜0.1%、
Ti:0.001〜0.1%、
V:0.001〜0.5%、
Mo:0.01〜3.0%、
Cu:0.01〜1.0%
のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする前記(2)、(3)に記載の複層鋼。
(5) 第1の層を構成する鋼Eが、
Nb:0.001〜0.1%、
Ti:0.001〜0.1%、
V:0.001〜0.5%、
Cr:0.01〜12.0%、
Ni:0.01〜40.0%、
Mo:0.01〜3.0%、
Cu:0.01〜1.0%、
N:0.001〜0.3%
のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする前記(2)〜(4)に記載の複層鋼。
(6) 第1の層を構成する鋼Gが、
Nb:0.001〜0.1%、
Ti:0.001〜0.1%、
V:0.001〜0.5%、
Cr:0.01〜12.0%、
Ni:0.01〜40.0%、
Mo:0.01〜3.0%、
Cu:0.01〜1.0%
のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする前記(2)〜(5)に記載の複層鋼。」
を特徴とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の複層鋼は、引張強さTSが1200MPa未満で、オーステナイト組織又はフェライト組織が最大の体積分率を占める鋼(以下、「γ/α鋼」で示す)からなる第1の層と、引張強さTSが1200MPa以上で、マルテンサイト組織が最大の体積分率を占める鋼(以下、「Mar鋼」で示す)からなる第2の層とが、厚さ0.2〜50μmのNi合金層を介して一体化された積層構造体として構成され、さらに、積層数は第1の層と第2の層で合計3層以上、かつ、表層は第1の層で構成されている。
複層鋼全体としての高強度化、高延性化を図るためには、Mar鋼が高い引張強さを有することが必要とされ、その一方で、γ/α鋼にはすぐれた延性が必要とされる。強度とは延性とは一般的に相容れない特性であるから、γ/α鋼にすぐれた延性を有せしめるためには、ある程度の強度の低下を許容せざるを得ないことから、γ/α鋼の引張強さを1200MPa未満、好ましくは1000MPa以下として高延性を有せしめた。一方、Mar鋼は、複層鋼全体としての強度を担保するために、1200MPa以上の引張強さを備えることを必須とした。
さらに、本発明の複層鋼では、第1の層と第2の層との層間に、板厚方向の中央におけるビッカース硬さ(Hv)が150以上、かつ、Fe含有量が10〜98質量%のNi合金層が形成されている。これにより、原子間の結合を維持しながら、第1の層と第2の層との界面への炭素の濃化、界面における炭化物の析出が抑制され、界面剥離強度(ピール強度)が向上する。さらに、Feの拡散によって合金化したNi層は、素材であるNi箔よりも硬く、第1の層および第2の層との強度の差が小さくなるため、強度の高い第2の層内における、ネッキングの発生が防止される。また、第1の層と第2の層との層間での炭素の拡散が防止されるので、γ/α鋼およびMar鋼の特性の劣化、すなわち軟質層の硬化および硬質層の軟化が抑制され、複層鋼の強度および延性のバランスが良好になる。
上記第1の層と第2の層との界面のNi合金層は、以下の方法によって形成することができる。
まず、第1の層と第2の層を、その間に厚さ50〜1000μmのNi箔を配して積層し、ついで、圧延(熱間圧延、温間圧延、冷間圧延等)および熱処理を行い積層体を一体化する。Ni箔は圧延されてNi層となり、熱間圧延、温間圧延、熱処理の際に、層間に介挿されたNi層に第1の層及び第2の層からFeが拡散し、Ni合金層となる。その結果、第1の層および第2の層との間に形成された、Ni合金層の板厚方向の中央におけるビッカース硬さ(Hv)は150以上、かつ、Fe含有量は10〜98質量%となる。
なお、界面に形成されるNi合金層のビッカース硬さ(Hv)およびFe含有量は、素材を積層した際の界面、すなわち積層界面を挟んで連続的に変化している。したがって、ビッカース硬度は、複層鋼の板厚断面で、マイクロビーカース硬度計、必要に応じてナノインデンテーションを用いて、Ni合金層の厚さの中央部の硬度を測定する。また、Ni合金層のFe濃度は、電子線マイクロアナライザ(EPMA)の線分析で行い、Ni合金層の板厚の中央部で測定する。Ni合金層の厚みは、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定することができる。
一例として、第1の層としてSUS304(表1の鋼C)、第2の層としてWT780C(表1の鋼A−2)を用い、第1の層を表面にして、第2の層との間にNi箔を配し、第1の層の体積分率を0.79として、冷間圧延後、1000℃で2分保持し、水冷する熱処理を施して、複層鋼を作製した。なお、第1の層の素材のSUS304は、焼入ままの引張強さ(TS)が約700MPa、伸び(EL)が約70%である。また、第2の層の素材のWT780Cは、焼入ままの引張強さ(TS)が約1350MPaであり、伸び(EL)が約7%である。
なお、この複層鋼の第1の層と第2の層との界面に形成されたNi合金層のビッカース硬さ(Hv)およびFe含有量は、それぞれ、165および23%であった。
そして、この複層鋼から所定形状の引張試験片を作製し、この引張試験片に対して引張試験を行い、応力−歪線図を作成した。
これを、図1として示すが、図1によれば、この複層鋼は、SUS304相当の延性を維持したままで、引張強さが約10%向上していることがわかる。すなわち、引張強さが1200MPa以上のMar鋼は、単独では、伸びが数%程度であるが、複層鋼としてSUS304およびNi合金層によってMar鋼を拘束すると、60%も延びるという極めて特徴的な挙動を示す。
さらに、上記引張試験片について、引張試験前後の界面近傍を光学顕微鏡で観察した。その結果を、図2(a)、(b)として示す。
図2(a)は、引張試験開始前の界面の状態を示し、第1の層と第2の層の間には、界面剥離、クラック等の欠陥は見られない。一方、図2(b)は、引張試験によって破断した試験片の界面の状態を示すものであるが、引張試験開始前と同様、第1の層と第2の層の間には、界面剥離、クラックは発生していない。したがって、複層鋼(試験片)の破断は、界面剥離などを原因として発生したものでなく、第2の層の延性的な破断によるものである。
つまり、第1の層と第2の層との間に、厚さが0.2〜50μm、板厚方向の中央におけるビッカース硬さ(Hv)が150以上、かつ、Fe含有量が10〜98質量%のNi合金層を形成した本発明の複層鋼では、第1の層と第2の層との界面剥離強度(ピール強度)が向上し、さらに、強度の高い第2の層内におけるネッキング発生が抑えられていることがわかる。なお、ネッキング発生が抑制されるメカニズムについては現時点では明らかでないが、Ni合金層が設けられていることによって、第2の層におけるネッキング発生箇所が集中せず、多数箇所に分散され、その結果として、ネッキング破断が抑制されるものと推測される。また、第1の層と第2の層との相互の炭素の拡散が抑制され、炭化物の析出がなく、組織の変化もない。
本発明の複層鋼の第1の層を構成するγ/α鋼、あるいは、第2の層を構成するMar鋼については、以下の各種の鋼を使用することができる。
第2の層を構成するMar鋼としては、延性は低くても高引張強さを有する鋼を用いることが必要であり、具体的には、質量%(以下同じ)で、
C:0.05〜0.4%、
Si:0.05〜3.0%、
Mn:0.05〜3.0%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼Aを用いることができる。
また、第1の層を構成するγ/α鋼としては、引張強さは十分でないが延性にすぐれた鋼を用いることが必要であり、具体的には、
C:0.01〜0.15%、
Si:0.01〜1.0%、
Mn:0.01〜2.0%、
Cr:12.0〜24.0%、
Ni:4.0〜14.0%、
N:0.001〜0.3%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼C、又は、
C:0.001〜0.15%、
Si:0.05〜3.0%、
Mn:15.0〜32.0%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼E、又は、
C:0.0001〜0.4%、
Si:0.01〜1.0%、
Mn:0.01〜2.0%
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼G、
の何れかの1種又は2種以上を用いることができる。
さらに、本発明の複層鋼の第2の層を構成するMar鋼は、前記鋼Aに対して、微量の合金成分(Nb:0.001〜0.1%、Ti:0.001〜0.1%、V:0.001〜0.5%、Cr:0.01〜16.0%、Ni:0.01〜12.0%、Mo:0.01〜3.0%、Cu:0.01〜1.0%のうちの1種又は2種以上。いずれも質量%)を更に含有することができる。
これらの合金成分をそれぞれ上記のごとく定められた所定量含有することによって、Mar鋼(鋼A)それ自体の有する強度、延性、靭性等の機械的特性を調整することができる。
さらに、本発明の複層鋼の第1の層を構成するγ/α鋼は、前記鋼Cに対して、微量の合金成分(Nb:0.001〜0.1%、Ti:0.001〜0.1%、V:0.001〜0.5%、Mo:0.01〜3.0%、Cu:0.01〜1.0%のうちの1種又は2種以上。いずれも質量%)を更に含有することができる。
さらに、本発明の複層鋼の第1の層を構成するγ/α鋼は、前記鋼Eに対して、微量の合金成分(Nb:0.001〜0.1%、Ti:0.001〜0.1%、V:0.001〜0.5%、Cr:0.01〜12.0%、Ni:0.01〜40.0%、Mo:0.01〜3.0%、Cu:0.01〜1.0%、N:0.001〜0.3%のうちの1種又は2種以上。いずれも質量%)を更に含有することができる。
さらに、本発明の複層鋼の第1の層を構成するγ/α鋼は、前記鋼Gに対して、微量の合金成分(Nb:0.001〜0.1%、Ti:0.001〜0.1%、V:0.001〜0.5%、Cr:0.01〜12.0%、Ni:0.01〜40.0%、Mo:0.01〜3.0%、Cu:0.01〜1.0%のうちの1種又は2種以上。いずれも質量%)を更に含有することができる。
本発明は、第1の層と第2の層を構成し、その間に、厚さが0.2〜50μm、板厚方向の中央におけるビッカース硬さ(Hv)が150以上、かつ、Fe含有量が10〜98質量%のNi合金層を介在させるが、このような積層一体化構造の複層鋼は、具体的には、例えば、以下の製造法により製造することができる。
まず、第1の層と第2の層を構成する材料の間に、厚さ50〜1000μmのNi箔を介挿し、第1の層が表面になるように積層する。ついで、熱間圧延(圧延温度:600〜1100℃,圧下率:20〜90%)、温間圧延(圧延温度:400〜600℃,圧下率:20〜90%)、冷間圧延(圧下率:35〜90%)あるいはこれらを組み合わせた圧延を行うことによって最終目標厚さとし、ついで、熱処理(加熱温度:750〜1100℃,加熱時間:1〜120分、水冷)を行う。、これにより、材料間に介挿されたNi箔は第1の層及び第2の層からのFeの拡散によって合金化され、Ni合金層となる。その結果、第1の層と第2の層の間に、板厚方向の中央におけるビッカース硬さ(Hv)が150以上、かつ、Fe含有量が10〜98質量%のNi合金層が存在する積層一体化構造の複層鋼が形成される。
なお、上記圧延条件、熱処理条件については、各層の界面に新生面を形成し、積層界面を介して原子を相互に拡散させて、原子的な結合を得るという観点から、上記の各数値範囲内で行うことが望ましい。
本発明の複層鋼は、引張強さTSが1200MPa未満のγ/α鋼からなる第1の層と、引張強さTSが1200MPa以上のMar鋼からなる第2の層を、厚さ0.2〜50μmのNi合金層を介して積層し、さらに、上記第1の層を表層とし、第1の層と第2の層とを合計で3層以上積層一体化してなり前記Ni合金層の板厚方向の中央におけるビッカース硬さ(Hv)が150以上、かつ、Fe含有量が10〜98質量%である。これによって、第1の層と第2の層の間での炭素の拡散が抑制され、界面への炭素の濃化および炭化物の析出が防止されており、界面剥離破断、ネッキング破断が生じる恐れはない。また、第1の層と第2の層との間での炭素の拡散の抑制により、各層の組織変化、これに伴う第1の層の延性低下や、第2の層の強度の低下を防止することができる。
さらに、複層鋼全体としての引張強さが900MPa以上で、引張強さと全伸びの積が20000MPa・%以上というすぐれた強度−延性バランスを備えることから、高強度、高延性、良加工性が要求され、軽量化が求められる自動車用材料として好適な材料であるといえる。
本発明は、組織および機械的特性の異なる少なくとも2種以上の鋼を組み合わせて複層化し、かつ、層間に、厚さが0.2〜50μm、ビッカース硬さ(Hv)が150以上、かつ、Fe含有量が10〜98質量%のNi合金層を形成していることによって、界面剥離破断、ネッキング破断の発生を抑制でき、しかも、各層の組織変化および特性の劣化も抑制され、すぐれた強度−延性バランスを備えている。
本発明では、TSが1200MPa未満、好ましくは1000MPa以下のγ/α鋼からなる第1の層と、引張強さTSが1200MPa以上のMar鋼からなる第2の層とからなる積層体を、厚さ50〜1000μmのNi箔を介して積層(第1の層と第2の層の合計積層数は3層以上、かつ、表層は第1の層で構成する)した後、例えば、600〜1100℃で熱間圧延し、さらに、目標厚さになるまで冷間圧延し、その後、750〜1100℃で1〜120分間加熱する熱処理を行った後室温まで冷却し、第1の層と第2の層との界面に、上記Ni合金層を形成すると同時に積層一体化する。
上記の熱処理を行うことによって、主として、圧延された第1の層、第2の層からFeがNi層中へ拡散し、第1の層と第2の層との間のNi層は、板厚方向の中央におけるビッカース硬さ(Hv)が150以上、かつ、Fe含有量が10〜98質量%のNi合金層となる。
以下、具体的な実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
本発明では、第1の層として表1に示す4種のγ/α鋼を用い、また、第2の層として同じく表1に示す2種のMar鋼を用いた。なお、それぞれの鋼の引張強さを同じく表1に示す。
表1に示す第1の層と第2の層を、所定厚さのNi箔を介して、表2に示す組み合わせ、各層層厚、積層層数で、所定合計層厚となるように積層して積層体を形成し、ついでこれらの積層体を、同じく表2に示す熱間圧延条件、冷間圧延条件で目標厚さになるまで圧延し、その後、同じく表2に示す条件で熱処理を行い、室温まで冷却することにより、積層一体化した本発明の複層鋼(実施例1〜8)を製造した。
例えば、実施例1では、表1に示す第1の層として、引張強さ694MPaのγ/α鋼、また、第2の層として、引張強さ2100MPaのMar鋼を用いた。表2に示すように、第1の層の厚さが0.06mm、第2の層の厚さが0.045mm、各層のNi合金層の厚さが2.5μmになるように、表層が第1の層となるようにして、第1の層を9層、第2の層を8層交互に積層し、熱間圧延、冷間圧延、熱処理を行って、合計積層数17層、合計層厚0.94mmの複層鋼を作製した。
そして、作製した実施例1の複層鋼の各層の層厚方向中心位置を光学顕微鏡で観察したところ、第1の層はオーステナイト組織がほぼ100体積%を占めるγ鋼であり、一方、第2の層はマルテンサイト組織がほぼ100体積%を占めるMar鋼であることを確認した。
また、表3に示すように、実施例1の複層鋼の第1の層と第2の層との間には厚さ5μmのNi合金層が形成されており、該層の板厚方向の中央部において、ビッカース硬さ(Hv)をマイクロビッカース硬度計で測定し。EPMAでNi合金層のFe量の線分析を行い、板厚方向の中央部のFe含有量を測定したところ、Hv:197,Fe含有量:55質量%であった。
得られた実施例1〜8の本発明複層鋼について、複層鋼全体としての引張強さ(MPa)、伸び(%)、強度−延性バランス指標値(引張強さ(MPa)×伸び(%)の値)、界面剥離強度(ピール強度。N/mm)を測定するとともに、Ni合金層の厚さ(μm)、ビッカース硬度(Hv)およびFe含有量(質量%)を測定した。
その結果を表3に示す。
なお、上記の引張強さ(MPa)、伸び(%)、界面剥離強度(ピール強度)の測定は、つぎのような試験法により測定したものである。すなわち、引張試験は、JIS Z 2201の5号試験片を用いて、JIS Z 2241に準拠して行った。また、ピール強度は、界面の引き剥がし引張試験を行い、界面を引き剥がすに必要な引張荷重(剥離ストロークに対して安定な荷重領域の荷重を採用)を試験片の幅で除した値である。
表3の結果からも明らかなように、実施例1〜8の界面剥離強度(ピール強度)はいずれも10N/mm以上であって、すぐれた界面強度を備え、さらに、炭素の拡散に起因する各層の金属組織の変化もなく、本発明複層鋼は、界面剥離破断、ネッキング破断の恐れはなく強度−延性バランスにすぐれた複層鋼であることが確認された。
比較のため、表1に示す成分組成、金属組織、引張強さの鋼を、表4に示す組み合わせで第1の層および第2の層とし、これを同じく表4に示す各層層厚、積層層数、合計層厚となるように直接積層(Ni箔を層間に介在させない。比較例21、24)し、あるいは、所定厚さのNi箔を介して積層(比較例22、23)し、同じく表4に示す熱間圧延条件、冷間圧延条件で目標厚さになるまで圧延し、その後、同じく表4に示す条件で熱処理を行い、室温まで冷却することにより、積層一体化した比較例の複層鋼(比較例21〜24)を製造した。
得られた比較例21〜24の比較例複層鋼について、複層鋼全体としての引張強さ(MPa)、伸び(%)、強度−延性バランス指標値(引張強さ(MPa)×伸び(%)の値)および界面剥離強度(ピール強度)を、実施例1〜8と同様な方法で測定した。
その結果を表5に示す。
さらに、比較例22、24については、第1の層と第2の層との間のNi合金層の組織を光学顕微鏡で観察し、さらに、Ni合金層の板厚方向の中央部のマイクロビッカース硬度を測定し、EPMAでNi合金層のFe量の線分析を行い、板厚方向の中央部のFe量を求めたので、その結果を同じく表5に示す。
実施例1〜8の結果と、比較例21〜24の結果を対比してみると、
比較例21は、実施例1と比べてNi合金層を有さず、1000℃での保持時間を150分と長くした点が異なる。そのため、第1の層と第2の層の間で炭素が拡散し、積層界面の近傍に、Cr系炭化物が析出し、ピール強度および延性が低下している。
また、比較例22は、実施例2と比較して、Ni合金層の厚みが異なる(60μmと厚い)だけであるが、Ni合金層の中央部までFeが十分に拡散せず、Fe濃度とビッカース硬度が低下し、ピール強度および延性が劣っていることがわかる。
また比較例23は、実施例5と比較して、熱処理条件が異なる(保持時間が20秒と短い)だけであるが、Ni合金層の中央部ではFeの拡散が不十分になり、Fe濃度とビッカース硬度が低下し、ピール強度および延性が劣っている。
比較例24は、実施例7と比べてNi合金層を有さない点のみが異なるが、第1の層と第2の層の間で炭素が拡散し、第1の層と第2の層の組織が変化し、延性が劣っている。
以上の結果からわかるように、本発明の複層鋼は、高強度、高延性、強度−延性バランスを備えるばかりか、界面剥離破断、ネッキング破断の発生を抑制したものであることから、例えば、自動車用材料のように軽量化が望まれかつ高強度、良加工性が要求される材料としては好適なものといえる。
第1の層がSUS304、第2の層がWT780Cからなる本発明の複層鋼の、応力−歪線図を示す。 第1の層がSUS304、第2の層がWT780Cからなる本発明の複層鋼の、引張試験開始前後の界面の状態を示し、(a)は、引張試験開始前の界面の状態、また、(b)は、引張試験によって破断した試験片の界面の状態を示す光学顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. オーステナイト組織又はフェライト組織が最大の体積分率を占め、引張強さTSが1200MPa未満の鋼からなる第1の層と、マルテンサイト組織が最大の体積分率を占め、引張強さTSが1200MPa以上の鋼からなる第2の層を、各層間に厚さ0.2〜50μmのNi合金層を配して、上記第1の層を表層とし、第1の層と第2の層とを合計で3層以上積層一体化してなり、前記Ni合金層の板厚方向の中央におけるビッカース硬さ(Hv)が150以上、かつ、Fe含有量が10〜98質量%であることを特徴とする、複層鋼全体としての引張強さが900MPa以上で引張強さと全伸びの積が20000MPa・%以上である複層鋼。
  2. 第2の層が、質量%(以下同じ)で、
    C:0.05〜0.4%、
    Si:0.05〜3.0%、
    Mn:0.05〜3.0%
    を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼Aからなり、
    第1の層が、
    C:0.01〜0.15%、
    Si:0.01〜1.0%、
    Mn:0.01〜2.0%、
    Cr:12.0〜24.0%、
    Ni:4.0〜14.0%、
    N:0.001〜0.3%
    を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼C、又は、
    C:0.001〜0.15%、
    Si:0.05〜3.0%、
    Mn:15.0〜32.0%
    を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼E、又は、
    C:0.0001〜0.4%、
    Si:0.01〜1.0%、
    Mn:0.01〜2.0%
    を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼G、
    の何れかの1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1に記載の複層鋼。
  3. 第2の層を構成する鋼Aが、
    Nb:0.001〜0.1%、
    Ti:0.001〜0.1%、
    V:0.001〜0.5%、
    Cr:0.01〜16.0%、
    Ni:0.01〜12.0%、
    Mo:0.01〜3.0%、
    Cu:0.01〜1.0%
    のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項2に記載の複層鋼。
  4. 第1の層を構成する鋼Cが、
    Nb:0.001〜0.1%、
    Ti:0.001〜0.1%、
    V:0.001〜0.5%、
    Mo:0.01〜3.0%、
    Cu:0.01〜1.0%
    のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項2または3に記載の複層鋼。
  5. 第1の層を構成する鋼Eが、
    Nb:0.001〜0.1%、
    Ti:0.001〜0.1%、
    V:0.001〜0.5%、
    Cr:0.01〜12.0%、
    Ni:0.01〜40.0%、
    Mo:0.01〜3.0%、
    Cu:0.01〜1.0%、
    N:0.001〜0.3%
    のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の複層鋼。
  6. 第1の層を構成する鋼Gが、
    Nb:0.001〜0.1%、
    Ti:0.001〜0.1%、
    V:0.001〜0.5%、
    Cr:0.01〜12.0%、
    Ni:0.01〜40.0%、
    Mo:0.01〜3.0%、
    Cu:0.01〜1.0%
    のうちの1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の複層鋼。
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