JP5325004B2 - 静翼翼角可変装置および軸流式圧縮機 - Google Patents
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Description
例えば、圧縮される流体流れに対して上流側の前方段の静翼について翼の翼角を変更可能な構成とし、残る段の静翼については翼の翼角を一定に固定するか、又は全段において翼角を変更可能とするか、あるいは、前方段及び後方段において翼角を変更可能とし、中間段においては翼角を一定に固定する構成が知られている。
図18には、前方段のグループ、および、後方段のグループに属する複数の静翼に関して、前方段の各静翼の位置と翼振角の関係を図18の左側に示し、後方段の各静翼の位置と翼振角の関係を図18の右側に示す。例えば後方段のグループに関して具体的に説明すれば、上流側に配置された静翼(例えば、SV17)と、下流側に配置された静翼(例えば、SV20)における振角の比(以下、「翼角比」と表記する。)は、1:5になっている。
その一方で、可変環についても、車室との間にコロを配置して支える構成とされているが、可変環と車室との間の熱伸縮差を許容するために、それに見合った隙間が可変環とコロとの間、または、車室とコロとの間に設けられている。
そこで、外部から入力された静翼に対する翼角操作量が、上述のバラツキに対して相対的に埋没しないようにするために、レバーの長さの最小値が定められている。そのため、レバーの長さをあまり短くできなかった。
すると、当該機構を組み立てる際には、複数のレバーの一つ一つと、可変環とをピンで接続する作業が必要となり、組み立て作業に要する時間が膨大なものになるという問題があった。
本発明の静翼翼角可変装置は、回転軸まわりに周方向に等間隔に配置された静翼から径方向外側に延びる翼軸と、該翼軸から前記回転軸に沿って延びるレバーと、前記回転軸まわりに回転可能に配置された円環状の可変環と、前記レバーおよび前記可変環の一方から前記回転軸に沿って他方に向かって延びる伝達凸部と、前記レバーおよび前記可変環の前記他方において、前記一方に向かって開口し、前記伝達凸部が回転軸方向から着脱可能に差し込まれる伝達凹部と、が設けられていることを特徴とする。
そのため、可変環の回動を一のレバーに直接伝達する場合と比較して、一の段に属する静翼における翼角の変更範囲を広げることができる。
この発明の第1の実施形態に係る高炉ガス(以下、「BFG」と表記する。)焚きガスタービン設備について、図1から図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る軸流圧縮機を備えたBFG焚きガスタービン設備の概略を説明する模式図である。
本実施形態では、BFGを燃料ガスとして利用するBFG焚きガスタービン設備1における燃料ガスを圧縮する軸流式圧縮機4に本願の発明を適用して説明する。
一般的に、BFG焚きガスタービン設備1におけるガスタービン2の燃焼ガスとして用いるには、BFGは単位体積あたりの発熱量が低い。そのため、図1に示すように、高炉ガスを圧縮して所定の圧力に昇圧するため、大容量流量に適した軸流式圧縮機4などの圧縮機が用いられる。
ガスタービン2には、ガスタービン圧縮機21と、燃焼器22と、タービン部23と、ガスタービン回転軸24と、が設けられている。
なお、発電機3としては、公知のものを用いることができ、特に限定するものではない。
本実施形態では、ガスタービン回転軸24と圧縮機回転軸41との間には、増速部41Gが配置されている例に適用して説明するが、増速部41Gが配置されていなくてもよく、特に限定するものではない。
軸流式圧縮機4には、図1および図2に示すように、車室42と、翼環(ケーシング又は内部車室)43と、流路44と、複数の動翼RBおよび静翼SVと、静翼翼角可変装置100と、が設けられている。
つまり、BFG流れの下流側から上流側に向かって、第20段の静翼SV20、第20段の動翼RB20、第19段の静翼SV19、動翼RB19、第18段の静翼SV18、動翼RB18、第17段の静翼SV17・・・の順に並んで配置されている。
動翼RBは回転駆動されることにより、同じ段に属する静翼SVとともに、当該段を通過するBFGを圧縮するものである。
さらに、後方段(図2における右側の段)に属する静翼SV、本実施形態では、第17段の静翼SV17から第20段の静翼SV20は、静翼翼角可変装置100により翼角が変更可能とされている。
静翼翼角可変装置100は、図2に示すように、静翼SV17から静翼SV20の翼角を変更するものである。
静翼翼角可変装置100には、図3および図4に示すように、翼軸110と、レバー120と、可変環130と、保持環140と、が設けられている。
翼軸110の長さ(径方向に沿った長さ)は、図2に示すように、翼軸110Aから翼軸110Dに向かって順に短くされている。
レバー120は、径方向外側から内側に向かって、レバー120A、レバー120B、レバー120C、レバー120Dの順に配置されている。
本実施形態では、レバー120A、レバー120B、レバー120C、レバー120Dの順にレバーの長さが短くなる例に適用して説明する。
伝達ピン121Aは、後述する伝達孔122Aとともに、可変環130の回動を、レバー120Bを介してレバー120Aに伝達するものである。伝達ピン121Aにおける径方向内側の端部は、先端が切り落とされた略球状に形成され、当該略球状の部分において伝達孔122Aと接触している。
さらに、レバー120Bには、レバー120Aの伝達ピン121Aが差し込まれる伝達孔(中間凹部)122Aが設けられている。
可変環130におけるレバー120A,120B,120C,120Dと対向する面には、図3および図4に示すように、伝達凹部(伝達凹部)131Bを有する突出部131が設けられ、図3および図5に示すように、反対側の面には鍔部132が設けられている。
このようにレバー120が突出する突出部131を設けることにより、レバー120A,120B,120C,120Dの長さを調節することができる。
さらに、鍔部132における外周面には、周方向にわたって径方向外側に畝状に突出するガイド135が形成されている。当該ガイド135はコロ141と噛み合わされるものである。
さらに、保持環140は、径方向外側から、翼軸110、レバー120、および、可変環130を覆うように配置されている。
コロ141は、図2および図5に示すように、鍔部132とともに可変環130を回動可能に支持するものである。
このようにすることで、保持環140の内側に、可変環130を回動可能に保持することができる。
保持環140と、翼環43との間には、図6に示すように、圧縮機回転軸41や翼環43と保持環140とを同芯に支持する支持ピン142が配置されている。
支持ピン142は、圧縮機回転軸41を中心として放射状、言い換えると径方向に沿って延びるように配置され、一方の端部が翼環43に固定され、他方の端部が保持環140の上流側環状板143に固定されている(図2参照。)。
そこで、特に後方段の場合には、翼環43と可変環130との間の同芯を維持することを目的として、翼環43と保持環140との芯だしを行い、両者の同芯を確保した上で、保持環140に可変環130を支持させている。
つまり、可変環130を、同程度の熱容量を有するとともに、同じ雰囲気内に配置された保持環140で支え、保持環140を翼環43から延びる支持ピン142で支えることにより、上述の場合であっても、可変環130の芯ズレを抑制し、翼角のズレを防止することができる。
高炉から供給されたBFGは、図1に示すように、軸流式圧縮機4に吸入される。軸流式圧縮機4は、ガスタービン回転軸24を介して圧縮機回転軸41に伝達された回転駆動力により駆動され、BFGを所定の圧力にまで昇圧する。
昇圧されたBFGは、軸流式圧縮機4からガスタービン2の燃焼器22に供給される。
昇圧された空気は、ガスタービン圧縮機21から燃焼器22に供給される。
タービン部23では、燃焼ガスの有する熱エネルギなどが回転駆動力に変換される。回転駆動力はタービン部23からガスタービン回転軸24に伝達される。燃焼ガスは、その後タービン部23から排出される。
その一方で、ガスタービン回転軸24は、増速部41Gを介して圧縮機回転軸41にも回転駆動力を伝達し、軸流式圧縮機4を駆動する。
伝達凹部131Bは可変環130とともに回動され、伝達凹部131Bに嵌め合わされた伝達ピン121Bは可変環130の回動方向に移動する。すると、レバー120B,120C,120Dは、それぞれ翼軸110B,110C,110Dを中心に回動される。
具体的には、レバーの長さは、レバー120B,120C,120Dの順に短くなるため、回動角はレバー120B,120C,120Dの順に大きくなる。
伝達孔122Aはレバー120Bとともに回動され、伝達孔122Aに嵌め合わされた伝達ピン121Aはレバー120Bの回動方向に移動する。すると、レバー120Aは、翼軸110Aを中心に回動される。
具体的には、可変環130の回動は、レバー120B、伝達孔122Aおよび伝達ピン121Aを介してレバー120Aに伝達される。さらに、可変環130の回動は、可変環130から伝達ピン121Aおよび伝達孔122Aまでの距離と、伝達ピン121Aおよび伝達孔122Aから翼軸110Aまでの距離との比に応じて、静翼SV17に伝達される。
なお、上述の第1の実施形態のように、伝達ピン121Bがレバー120B,120C,120Dに設けられ、伝達凹部131Bが可変環130に設けられていてもよいし、図7および図8に示すように、伝達ピン121Bが可変環130に設けられ、伝達凹部131Bがレバー120B,120C,120Dに設けられていてもよく、特に限定するものではない。
次に、本発明の第1の実施形態の第1変形例について図9を参照して説明する。
本変形例のBFG焚きガスタービン設備の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、軸流式圧縮機における静翼翼角可変装置の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図9を用いて静翼翼角可変装置の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図9は、本変形例に係る静翼翼角可変装置の構成を説明する部分拡大断面視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
レバー220Aの長さ(図9における左右方向の長さ)は、静翼SV17から静翼SV20における翼角比に基づいて定められている。
本実施形態では、レバー220A、レバー120B、レバー120C、レバー120Dの順にレバーの長さが短くなる例に適用して説明する。
このように突出部231を設けることにより、レバー220A,120B,120C,120Dの長さを調節することができる。
保持環240には、可変環230を回動可能に支持するコロ141が設けられている。
次に、本発明の第2の実施形態について図10から図13を参照して説明する。
本実施形態のBFG焚きガスタービン設備の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、軸流式圧縮機における静翼翼角可変装置の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図10から図13を用いて静翼翼角可変装置の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図10は、本実施形態に係る静翼翼角可変装置の構成を説明する部分拡大断面視図である。図11は、図10の静翼翼角可変装置の構成を説明する拡大図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
レバー320Bは、図10および図12に示すように、一方の端部が翼軸110Bに接続され、他方の端部には、圧縮機回転軸41に沿って(図10の左右方向に)延びる伝達凸部321Bが設けられている。さらに、レバー320Bには、レバー120Aの伝達ピン121Aが差し込まれる伝達孔122Aが設けられている。
伝達凸部321Bには、図10から図13に示すように、板状部322と、連結ピン323と、円柱部324と、が設けられている。
板状部322には、連結ピン323が挿入される貫通孔が径方向に延びて形成されている。
伝達凹部331Bは周方向に等間隔に配置され、円柱部324が挿入される穴である。伝達凹部331Bには、外部と連通す連通孔332が設けられている。
連通孔332は空気抜きを目的とした開口であり、連通孔332が設けられていることにより、円柱部324は、伝達凹部331Bの内部を、圧縮機回転軸41に沿う方向に容易に移動可能とされている。
これにより、可変環330の回動が、レバー320B,320C,320Dに伝達される。
次に、本発明の第3の実施形態について図14から図17を参照して説明する。
本実施形態のBFG焚きガスタービン設備の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、軸流式圧縮機における静翼翼角可変装置の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図14から図17を用いて静翼翼角可変装置の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図14は、本実施形態に係る静翼翼角可変装置の構成を説明する部分拡大断面視図であって、レバーと可変環との嵌め合い部の構成を説明する断面視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
伝達凸部421Bは、後述する伝達凹部431Bとともに、可変環430の回動をレバー420B,420C,420Dに伝達するものである。
伝達凸部421Bには、図14から図17に示すように、挿入部422と、摺動部423と、が設けられている。
これにより、可変環430の回動が、レバー420B,420C,420Dに伝達される。
41 圧縮機回転軸(回転軸)
43 翼環(ケーシング)
RB,RB18,RB19,RB20 動翼
SV,SV17,SV18,SV19,SV20 静翼
100,200,300,400 静翼翼角可変装置
110,110A,110B,110C,110D 翼軸
120,120A,120B,120C,120D,220A,320B,320C,320D,420B,420C,420D レバー
130,230,330,430 可変環
121A 伝達ピン(中間凸部)
121B,321B,421B 伝達ピン(伝達凸部)
122A 伝達孔(中間凹部)
131B,331B,431B 伝達凹部(伝達凹部)
Claims (4)
- 回転軸まわりに回転可能に配置された円板状の可変環と、
前記回転軸まわりに周方向に等間隔に配置された静翼から径方向外側に延びる翼軸と、
該翼軸から前記回転軸に沿って延びるレバーと、
前記レバーおよび前記可変環の一方から前記回転軸に沿って他方に向かって延びる伝達凸部とを備え、
前記可変環は、前記レバーおよび前記可変環の前記他方において、前記一方に向かって開口し、前記伝達凸部が回転軸方向から着脱可能に差し込まれる伝達凹部が形成され、
前記静翼、前記翼軸、および、前記レバーは、前記回転軸に沿う複数の段に分かれて配置され、
前記レバーは、径方向に積層され、
前記静翼まわりの流体流れにおける上流側の一の段に属する一のレバーは、下流側の他の段に属する他のレバーよりも、径方向外側に配置されている静翼翼角可変装置。 - 径方向外側から前記翼軸、前記レバーおよび前記可変環を覆うように配置されている保持環をさらに備える請求項1に記載の静翼翼角可変装置。
- 前記一のレバーは前記可変環から切り離され、
前記一のレバーおよび前記他のレバーの一方から他方に向かって延びる中間凸部と、
前記一のレバーおよび前記他のレバーの他方において前記一方に向かって開口し、前記中間凸部が差し込まれる中間凹部と、
が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の静翼翼角可変装置。 - ケーシングと、
該ケーシングの内部に、回転可能に支持された回転軸と、
前記ケーシングの内周面から径方向内側に向かって、周方向に等間隔に延びる静翼と、
前記回転軸から径方向外側に向かって、周方向に等間隔に延びる動翼と、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の静翼翼角変更装置と、
が設けられていることを特徴とする軸流式圧縮機。
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JP2009099973A JP5325004B2 (ja) | 2009-04-16 | 2009-04-16 | 静翼翼角可変装置および軸流式圧縮機 |
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2009
- 2009-04-16 JP JP2009099973A patent/JP5325004B2/ja active Active
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